JP2003313826A - プレテンション方式ｆｒｐ緊張材によるコンクリート橋桁の補強方法及び補強構造 - Google Patents
プレテンション方式ｆｒｐ緊張材によるコンクリート橋桁の補強方法及び補強構造Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 従来、工事が大規模となり、技術的にも困難
が伴い、かつ経費もかかっていた既設コンクリート橋の
補修・補強、特に橋桁の補強に、簡易かつ効果的な橋桁
補強方法及び補強構造を提供する。 【解決手段】 既設コンクリート橋の補修、補強工事に
おいて、前記コンクリート橋のコンクリート製橋桁の下
面に、橋桁の長さ方向に沿って長尺棒状のＦＲＰ緊張材
を複数本添設し、前記複数本のＦＲＰ緊張材それぞれに
プレストレスを導入した後、前記橋桁下面にＦＲＰ緊張
材が埋設、固着されるようにモルタルを吹きつけ、前記
既設コンクリート橋桁と前記ＦＲＰ緊張材とを一体構造
にして、橋桁下部に加わる引張応力に対する耐性を向上
させる補強方法及び補強構造による。
が伴い、かつ経費もかかっていた既設コンクリート橋の
補修・補強、特に橋桁の補強に、簡易かつ効果的な橋桁
補強方法及び補強構造を提供する。 【解決手段】 既設コンクリート橋の補修、補強工事に
おいて、前記コンクリート橋のコンクリート製橋桁の下
面に、橋桁の長さ方向に沿って長尺棒状のＦＲＰ緊張材
を複数本添設し、前記複数本のＦＲＰ緊張材それぞれに
プレストレスを導入した後、前記橋桁下面にＦＲＰ緊張
材が埋設、固着されるようにモルタルを吹きつけ、前記
既設コンクリート橋桁と前記ＦＲＰ緊張材とを一体構造
にして、橋桁下部に加わる引張応力に対する耐性を向上
させる補強方法及び補強構造による。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】 既設コンクリート橋桁のプ
レテンション方式によりプレストレスを導入したＦＲＰ
（Fiber Reinforced Plastics）緊張材による補強方
法に関する。
レテンション方式によりプレストレスを導入したＦＲＰ
（Fiber Reinforced Plastics）緊張材による補強方
法に関する。
【０００２】
【従来の技術】 わが国の社会資本は、戦後の復興期か
ら経済成長期にかけ、比較的短期間に整備されてきた。
これら社会資本の一つにコンクリート橋がある。コンク
リート橋は、道路、鉄道、水路等の輸送路において、輸
送の障害となる河川、渓谷、湖沼、海峡あるいは他の道
路、鉄道、水路等の上方にこれらを横断するために建設
される構造物のうち、輸送路を直接支える、いわゆる橋
桁の主要材料として、鉄筋コンクリート（ＲＣ）、プレ
ストレストコンクリート（ＰＣ）、鉄骨鉄筋コンクリー
ト（ＳＲＣ）、無筋コンクリート等を使用したものであ
る。上述のようにコンクリート橋は主に鋼とコンクリー
トで構成され耐久性に富んだ構造物ではあるが、昭和２
０年代に建設されたコンクリート橋は既に５０年以上使
用されており、その都度補修を重ねてはいても、コンク
リートのひび割れ・剥離、鉄筋の露出・腐食等による経
年劣化は免れられず、脆弱化の進んだものも多くなって
きている。また、近年、物流の増大に伴う車両の大型化
と交通量の増加、海砂の使用に伴う塩害によるコンクリ
ート構造物の劣化の加速、阪神・淡路大震災以降の耐震
性強化の要求等さまざまな要因から、既設コンクリート
橋の補強が必要になってきている。しかし、これら既設
のコンクリート橋をすべて架け替えるとなると莫大な費
用を要することになる。従来、コンクリート橋の補修・
補強は、橋梁としての機能が大幅に低下した場合に行う
という事後保全が一般的であった。しかし、上記の要求
に応え、かつ社会資本への効率的な投資を図る立場から
は、コンクリート橋が耐用年数（寿命）に達する以前に
その橋の損傷状況や、周辺環境条件の変化等に配慮し、
かつその橋の持つ重要性をも勘案して、計画的に補修・
補強することが重要視されるようになってきている。
ら経済成長期にかけ、比較的短期間に整備されてきた。
これら社会資本の一つにコンクリート橋がある。コンク
リート橋は、道路、鉄道、水路等の輸送路において、輸
送の障害となる河川、渓谷、湖沼、海峡あるいは他の道
路、鉄道、水路等の上方にこれらを横断するために建設
される構造物のうち、輸送路を直接支える、いわゆる橋
桁の主要材料として、鉄筋コンクリート（ＲＣ）、プレ
ストレストコンクリート（ＰＣ）、鉄骨鉄筋コンクリー
ト（ＳＲＣ）、無筋コンクリート等を使用したものであ
る。上述のようにコンクリート橋は主に鋼とコンクリー
トで構成され耐久性に富んだ構造物ではあるが、昭和２
０年代に建設されたコンクリート橋は既に５０年以上使
用されており、その都度補修を重ねてはいても、コンク
リートのひび割れ・剥離、鉄筋の露出・腐食等による経
年劣化は免れられず、脆弱化の進んだものも多くなって
きている。また、近年、物流の増大に伴う車両の大型化
と交通量の増加、海砂の使用に伴う塩害によるコンクリ
ート構造物の劣化の加速、阪神・淡路大震災以降の耐震
性強化の要求等さまざまな要因から、既設コンクリート
橋の補強が必要になってきている。しかし、これら既設
のコンクリート橋をすべて架け替えるとなると莫大な費
用を要することになる。従来、コンクリート橋の補修・
補強は、橋梁としての機能が大幅に低下した場合に行う
という事後保全が一般的であった。しかし、上記の要求
に応え、かつ社会資本への効率的な投資を図る立場から
は、コンクリート橋が耐用年数（寿命）に達する以前に
その橋の損傷状況や、周辺環境条件の変化等に配慮し、
かつその橋の持つ重要性をも勘案して、計画的に補修・
補強することが重要視されるようになってきている。
【０００３】コンクリート橋の補修・補強には、主に次
のような工法が用いられている。 Ａ．コンクリートのひび割れへの樹脂注入・充填 コンクリートのひび割れへの樹脂注入・充填は、コンク
リート表面に生じたひび割れからの浸水や湿気侵入に起
因する鉄筋・鉄骨等の腐食や、侵入水分の凍結によるコ
ンクリートの剥離などを防止するための補修工法で、補
強工事に併せて行われる場合が多い。
のような工法が用いられている。 Ａ．コンクリートのひび割れへの樹脂注入・充填 コンクリートのひび割れへの樹脂注入・充填は、コンク
リート表面に生じたひび割れからの浸水や湿気侵入に起
因する鉄筋・鉄骨等の腐食や、侵入水分の凍結によるコ
ンクリートの剥離などを防止するための補修工法で、補
強工事に併せて行われる場合が多い。
【０００４】Ｂ．コンクリート欠損部への樹脂パテやセ
メントモルタルの充填 コンクリート欠損部への樹脂パテやセメントモルタルの
充填は、コンクリートの剥離・欠損により露出する鉄筋
の腐食を防止するために行われる補修工法で、応急処置
としての使用が多い。
メントモルタルの充填 コンクリート欠損部への樹脂パテやセメントモルタルの
充填は、コンクリートの剥離・欠損により露出する鉄筋
の腐食を防止するために行われる補修工法で、応急処置
としての使用が多い。
【０００５】Ｃ．鋼板やＦＲＰシートのコンクリート部
材への接着 厚さ１０ｍｍ程度の鋼板又はＦＲＰシートのコンクリー
ト部材へのエポキシ樹脂などの接着剤による接着は、床
版など比較的断面の小さなコンクリート部材の補修や局
部的な補強工法であり、コンクリート部材表面の補強、
防護にも効果がある。
材への接着 厚さ１０ｍｍ程度の鋼板又はＦＲＰシートのコンクリー
ト部材へのエポキシ樹脂などの接着剤による接着は、床
版など比較的断面の小さなコンクリート部材の補修や局
部的な補強工法であり、コンクリート部材表面の補強、
防護にも効果がある。
【０００６】Ｄ．橋桁、橋脚など大型コンクリート部材
への外ケーブルを用いたプレストレス導入 コンクリート部材に複数本のＰＣ鋼材を定着具を介して
狭着又は添着し、前記ＰＣ鋼材にプレストレスを導入す
ることによってコンクリート部材に圧縮応力を与えてひ
び割れを閉じ込めるとともに、コンクリート部材に加わ
る引張力への対応力を増加させる工法で、ひび割れの発
生したコンクリート部材の補修・補強に有効である。
への外ケーブルを用いたプレストレス導入 コンクリート部材に複数本のＰＣ鋼材を定着具を介して
狭着又は添着し、前記ＰＣ鋼材にプレストレスを導入す
ることによってコンクリート部材に圧縮応力を与えてひ
び割れを閉じ込めるとともに、コンクリート部材に加わ
る引張力への対応力を増加させる工法で、ひび割れの発
生したコンクリート部材の補修・補強に有効である。
【０００７】Ｅ．劣化コンクリート部分の打ち換え
コンクリート表面のひび割れや剥離等の劣化による鉄筋
の腐食やコンクリート部材断面積の減少に伴う強度不足
等をに対応するための補修・補強工法で、劣化した個所
のコンクリートを削り（はつり）取り、その後に新しい
コンクリート等を打ち込み露出した鉄筋をコンクリート
内に封じ込めて鉄筋の腐食を防止し、かつ必要断面積を
回復して橋梁としての必要強度を確保する。
の腐食やコンクリート部材断面積の減少に伴う強度不足
等をに対応するための補修・補強工法で、劣化した個所
のコンクリートを削り（はつり）取り、その後に新しい
コンクリート等を打ち込み露出した鉄筋をコンクリート
内に封じ込めて鉄筋の腐食を防止し、かつ必要断面積を
回復して橋梁としての必要強度を確保する。
【０００８】Ｆ．コンクリート部材の断面増や部材の増
設 コンクリート部材の断面増や部材の増設は、橋桁、橋脚
等の本格的な補強工法で、前記Ｅの「劣化コンクリート
部分の打ち換え」と併用されることがある。ただし、橋
桁や橋脚の増設は工事が大規模になり、技術的に困難な
場合が多い。
設 コンクリート部材の断面増や部材の増設は、橋桁、橋脚
等の本格的な補強工法で、前記Ｅの「劣化コンクリート
部分の打ち換え」と併用されることがある。ただし、橋
桁や橋脚の増設は工事が大規模になり、技術的に困難な
場合が多い。
【０００９】Ｇ．橋桁の引張応力発生側へのＦＲＰシー
トの貼着 橋桁の引張応力発生側へのＦＲＰシートの貼着は、橋桁
に加わる荷重による撓みにより橋桁下面発生する引張応
力を連続繊維で強化されたＦＲＰシートの貼着によって
前記ＦＲＰシートに負担させ、橋桁の曲げおよび剪断に
対する耐力を向上させる補強工法である。前記Ｆの「コ
ンクリート部材の断面増および部材の増設」に比べれば
工事は容易だが、橋桁自体の荷重（死荷重）増に対して
の補強には効果がなく、路面を走行する車両によっても
たらされる変化する荷重（活荷重）に対しての補強にと
どまる。
トの貼着 橋桁の引張応力発生側へのＦＲＰシートの貼着は、橋桁
に加わる荷重による撓みにより橋桁下面発生する引張応
力を連続繊維で強化されたＦＲＰシートの貼着によって
前記ＦＲＰシートに負担させ、橋桁の曲げおよび剪断に
対する耐力を向上させる補強工法である。前記Ｆの「コ
ンクリート部材の断面増および部材の増設」に比べれば
工事は容易だが、橋桁自体の荷重（死荷重）増に対して
の補強には効果がなく、路面を走行する車両によっても
たらされる変化する荷重（活荷重）に対しての補強にと
どまる。
【００１０】
【発明が解決しようとしている課題】 既設コンクリー
ト橋の補修・補強、特に橋桁の補強に関しては、上記従
来の技術のＤ「外ケーブルによるプレストレスの導
入」、Ｆ「橋桁断面の増大や橋桁の増設」等で記したと
おり、いずれも工事が大規模となり、技術的にも困難が
伴い、経費もかかる。また従来の技術Ｇ「ＦＲＰシート
の貼着」も、Ｄ、Ｆの補強方法に比べれば工事は容易で
経費の面でも優位ではあるが、橋桁自体の荷重（死荷
重）増に対する補強には効力がない。そこで橋桁下面に
プレテンション方式でプレストレスを導入したＦＲＰ緊
張材を固着することによって、外ケーブルを用いたＰＣ
橋桁のように、前記橋桁自体の荷重（死荷重）にも作用
する橋桁補強方法を提供する。
ト橋の補修・補強、特に橋桁の補強に関しては、上記従
来の技術のＤ「外ケーブルによるプレストレスの導
入」、Ｆ「橋桁断面の増大や橋桁の増設」等で記したと
おり、いずれも工事が大規模となり、技術的にも困難が
伴い、経費もかかる。また従来の技術Ｇ「ＦＲＰシート
の貼着」も、Ｄ、Ｆの補強方法に比べれば工事は容易で
経費の面でも優位ではあるが、橋桁自体の荷重（死荷
重）増に対する補強には効力がない。そこで橋桁下面に
プレテンション方式でプレストレスを導入したＦＲＰ緊
張材を固着することによって、外ケーブルを用いたＰＣ
橋桁のように、前記橋桁自体の荷重（死荷重）にも作用
する橋桁補強方法を提供する。
【００１１】
【課題を解決するための手段】 本発明者は次ぎに示す
方法によって上記課題を解決した。 （１）既設コンクリート橋の補修、補強工事において、
前記コンクリート橋のコンクリート製橋桁の下面に、橋
桁の長さ方向に沿って長尺板状又は棒状のＦＲＰ緊張材
を複数本添設し、前記複数本のＦＲＰ緊張材それぞれに
プレストレスを導入した後、前記橋桁下面にＦＲＰ緊張
材が埋設、固着されるようにモルタルを吹きつけ、前記
既設コンクリート橋桁と前記ＦＲＰ緊張材とを一体構造
にして、橋桁下部に加わる引張応力を負担させることに
より、曲げ及びせん断力への耐性を向上させることを特
徴とするコンクリート橋桁の補強方法。
方法によって上記課題を解決した。 （１）既設コンクリート橋の補修、補強工事において、
前記コンクリート橋のコンクリート製橋桁の下面に、橋
桁の長さ方向に沿って長尺板状又は棒状のＦＲＰ緊張材
を複数本添設し、前記複数本のＦＲＰ緊張材それぞれに
プレストレスを導入した後、前記橋桁下面にＦＲＰ緊張
材が埋設、固着されるようにモルタルを吹きつけ、前記
既設コンクリート橋桁と前記ＦＲＰ緊張材とを一体構造
にして、橋桁下部に加わる引張応力を負担させることに
より、曲げ及びせん断力への耐性を向上させることを特
徴とするコンクリート橋桁の補強方法。
【００１２】（２）前記ＦＲＰ緊張材の橋桁下面への添
設が、ＦＲＰ緊張材を添設する区間の両端部に近い位置
の橋桁下面にアンカーによって一時仮設される緊張側定
着具および固定側定着具を介してなされ、前記ＦＲＰ緊
張材の一方の端部が固定側定着具に嵌着される一対のく
さびで挟持・固定され、ＦＲＰ緊張材のもう一方の端部
が前記緊張側定着具に付設される緊張ジャッキによって
掴持され、前記緊張ジャッキの操作により前記ＦＲＰ緊
張材にプレストレスを導入することを特徴とする前項
（１）に記載のコンクリート橋桁の補強方法。
設が、ＦＲＰ緊張材を添設する区間の両端部に近い位置
の橋桁下面にアンカーによって一時仮設される緊張側定
着具および固定側定着具を介してなされ、前記ＦＲＰ緊
張材の一方の端部が固定側定着具に嵌着される一対のく
さびで挟持・固定され、ＦＲＰ緊張材のもう一方の端部
が前記緊張側定着具に付設される緊張ジャッキによって
掴持され、前記緊張ジャッキの操作により前記ＦＲＰ緊
張材にプレストレスを導入することを特徴とする前項
（１）に記載のコンクリート橋桁の補強方法。
【００１３】（３）既設コンクリート橋の補修、補強工
事において、前記コンクリート橋のコンクリート製橋桁
の下面に、橋桁の長さ方向に沿って長尺板状又は棒状の
ＦＲＰ緊張材を複数本添設し、前記複数本のＦＲＰ緊張
材それぞれにプレストレスを導入した後、前記橋桁下面
にＦＲＰ緊張材が埋設、固着されるようにモルタルを吹
きつけ、前記既設コンクリート橋桁と前記ＦＲＰ緊張材
とを一体構造にしたことを特徴とするコンクリート橋桁
の補強構造。
事において、前記コンクリート橋のコンクリート製橋桁
の下面に、橋桁の長さ方向に沿って長尺板状又は棒状の
ＦＲＰ緊張材を複数本添設し、前記複数本のＦＲＰ緊張
材それぞれにプレストレスを導入した後、前記橋桁下面
にＦＲＰ緊張材が埋設、固着されるようにモルタルを吹
きつけ、前記既設コンクリート橋桁と前記ＦＲＰ緊張材
とを一体構造にしたことを特徴とするコンクリート橋桁
の補強構造。
【００１４】
【発明の実施の形態】 本発明の実施の形態を実施例の
図によって説明する。図１（ａ）はプレテンション方式
によりプレストレスを導入したＦＲＰ緊張材によって補
強されたＴ形コンクリート橋桁の斜視図、（b）は同橋
桁の断面図、（ｃ）は同橋桁の一部分の側面図である。
図２はプレテンション方式によりプレストレスを導入し
たＦＲＰ緊張材による橋桁の補強方法を示す工程図であ
る。図において１は橋桁、２、２’、２”はＦＲＰ緊張
材、３、３’、３”はモルタル、４は緊張側定着具、５
は固定側定着具、６は緊張ジャッキ、７、７’はくさ
び、８はアンカー、９はモルタル吹き付けノズルを示
す。
図によって説明する。図１（ａ）はプレテンション方式
によりプレストレスを導入したＦＲＰ緊張材によって補
強されたＴ形コンクリート橋桁の斜視図、（b）は同橋
桁の断面図、（ｃ）は同橋桁の一部分の側面図である。
図２はプレテンション方式によりプレストレスを導入し
たＦＲＰ緊張材による橋桁の補強方法を示す工程図であ
る。図において１は橋桁、２、２’、２”はＦＲＰ緊張
材、３、３’、３”はモルタル、４は緊張側定着具、５
は固定側定着具、６は緊張ジャッキ、７、７’はくさ
び、８はアンカー、９はモルタル吹き付けノズルを示
す。
【００１５】本発明は、図１に実施例として示したＴ形
橋桁にみられるように、引張応力が作用する橋桁１の下
面にプレテンション方式によりプレストレスを導入した
ＦＲＰ緊張材２をモルタル３で固着して補強するもので
あり、図２に示す方法によりそれを実現している。以下
にプレテンション方式によりプレストレスを導入したＦ
ＲＰ緊張材による橋桁補強方法について図２により工程
順に説明する。
橋桁にみられるように、引張応力が作用する橋桁１の下
面にプレテンション方式によりプレストレスを導入した
ＦＲＰ緊張材２をモルタル３で固着して補強するもので
あり、図２に示す方法によりそれを実現している。以下
にプレテンション方式によりプレストレスを導入したＦ
ＲＰ緊張材による橋桁補強方法について図２により工程
順に説明する。
【００１６】 既設コンクリート橋桁１の脆弱化した
コンクリート面を「ウオータージェット削り（はつり）
装置」を用いて削り（はつり）、補修・補強部分の下地
処理を行う（本作業は図示せず）。ここで「ウオーター
ジェット削り（はつり）装置」は、超高圧ポンプで加圧
された水を噴流としてコンクリート構造物に打ち付け、
噴流水の圧力と流量とでコンクリートの削り（はつ
り）、剥離を行うものである。
コンクリート面を「ウオータージェット削り（はつり）
装置」を用いて削り（はつり）、補修・補強部分の下地
処理を行う（本作業は図示せず）。ここで「ウオーター
ジェット削り（はつり）装置」は、超高圧ポンプで加圧
された水を噴流としてコンクリート構造物に打ち付け、
噴流水の圧力と流量とでコンクリートの削り（はつ
り）、剥離を行うものである。
【００１７】 下地処理した橋桁１の下面に緊張側定
着具４及び固定側定着具５をＦＲＰ緊張材を添設する区
間長離してアンカー８を介して固着する。
着具４及び固定側定着具５をＦＲＰ緊張材を添設する区
間長離してアンカー８を介して固着する。
【００１８】 橋桁下面に固着された緊張側定着具４
と固定側定着具５に設けられたＦＲＰ緊張材挿入用の貫
通孔を通して両定着具間にＦＲＰ緊張材を張設すること
により、前記ＦＲＰ緊張材を橋桁下面に添設する。ＦＰ
Ｒ緊張材は、炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、合
成樹脂繊維等の強化材をエポキシ樹脂等で固めた繊維強
化プラスチックの板状又は棒状の緊張材で、ＰＣ鋼材に
比べて軽量、かつ耐食性に優れているという特徴を有し
ている。なお、固定側定着具５の貫通孔は、緊張側定着
具４に対する側の断面が狭く反対側に広い形状をなして
おり、この貫通孔の断面の大きい方から前記ＦＲＰ緊張
材２を挟むようにしてくさび７、７’を挿入・嵌着し、
前記ＦＲＰ緊張材２の一方の端部を固定側定着具５に挟
持させる。
と固定側定着具５に設けられたＦＲＰ緊張材挿入用の貫
通孔を通して両定着具間にＦＲＰ緊張材を張設すること
により、前記ＦＲＰ緊張材を橋桁下面に添設する。ＦＰ
Ｒ緊張材は、炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、合
成樹脂繊維等の強化材をエポキシ樹脂等で固めた繊維強
化プラスチックの板状又は棒状の緊張材で、ＰＣ鋼材に
比べて軽量、かつ耐食性に優れているという特徴を有し
ている。なお、固定側定着具５の貫通孔は、緊張側定着
具４に対する側の断面が狭く反対側に広い形状をなして
おり、この貫通孔の断面の大きい方から前記ＦＲＰ緊張
材２を挟むようにしてくさび７、７’を挿入・嵌着し、
前記ＦＲＰ緊張材２の一方の端部を固定側定着具５に挟
持させる。
【００１９】 緊張側定着具４に緊張ジャッキ６を取
り付け、緊張側定着具を貫通したＦＲＰ緊張材２のもう
一方の端部を緊張ジャッキ６に掴持させ、緊張ジャッキ
６を操作することによってＦＲＰ緊張材２にプレストレ
スを導入する。
り付け、緊張側定着具を貫通したＦＲＰ緊張材２のもう
一方の端部を緊張ジャッキ６に掴持させ、緊張ジャッキ
６を操作することによってＦＲＰ緊張材２にプレストレ
スを導入する。
【００２０】 緊張ジャッキ６によりＦＲＰ緊張材２
にプレストレスを導入した状態で、緊張側定着具４と固
定側定着具５との間の橋桁１の下面に、前記ＦＲＰ緊張
材２が埋設、固着されるようにショットクリート工法
（圧縮空気によりモルタル３をノズル９から噴射して吹
き付ける工法）によりモルタル３を吹き付け、この間の
前記既設コンクリート橋桁１と前記ＦＲＰ緊張材２とを
一体構造とする。
にプレストレスを導入した状態で、緊張側定着具４と固
定側定着具５との間の橋桁１の下面に、前記ＦＲＰ緊張
材２が埋設、固着されるようにショットクリート工法
（圧縮空気によりモルタル３をノズル９から噴射して吹
き付ける工法）によりモルタル３を吹き付け、この間の
前記既設コンクリート橋桁１と前記ＦＲＰ緊張材２とを
一体構造とする。
【００２１】 吹き付けたモルタル３が下地処理した
橋桁１の下面に固着し既設橋桁１とＦＲＰ緊張材が一体
化した後、緊張ジャッキ６、緊張側定着具４、および固
定側定着具５を撤去する。
橋桁１の下面に固着し既設橋桁１とＦＲＰ緊張材が一体
化した後、緊張ジャッキ６、緊張側定着具４、および固
定側定着具５を撤去する。
【００２２】 緊張ジャッキ６、緊張側定着具４、お
よび固定側定着具５の撤去により露出した前記ＦＲＰ緊
張材の両端部２’、２”を橋桁１の下面に沿わせ、その
上からモルタル３’、３”を吹き付けて埋設し橋桁１の
下面に固着する。
よび固定側定着具５の撤去により露出した前記ＦＲＰ緊
張材の両端部２’、２”を橋桁１の下面に沿わせ、その
上からモルタル３’、３”を吹き付けて埋設し橋桁１の
下面に固着する。
【００２３】 他に削った（はつった）部分（Ｔ形橋
桁の側面等）があればその部分にもモルタル３を吹き付
けて仕上げる。
桁の側面等）があればその部分にもモルタル３を吹き付
けて仕上げる。
【００２４】
【発明の効果】 本発明によって下記のような効果が期
待できる。 （１）比較的容易にコンクリート橋の橋桁の補強がで
き、経費の節減、および工期の短縮が期待できる。 （２）従来のＦＲＰシートの橋桁下部への貼着による補
強では実現できなかった橋桁自体の荷重増に対する橋桁
下面の引張応力に対しても有効な補強手段を与えるとと
もにＦＲＰ緊張材自体の軽量性に基づく小荷重増で済む
ことになる。 （３）既に生じているコンクリートのひび割れを、プレ
ストレスの導入によって圧縮して閉じさせられる。 （４）既存橋桁内の鉄筋が負担する応力を低減できる。 （５）従来技術の「橋桁、橋脚など大型コンクリート部
材への外ケーブルを用いたプレストレスの導入」による
補修では、従来の橋形が変わらざるを得ないが、本発明
の補強はＦＲＰ緊張材が桁内に埋設されるため既設のコ
ンクリート桁の形状に大幅な変更がなく、従来の橋形、
及び景観がそのまま保持できる。 （６）緊張材に腐食しないＦＲＰを用いるので、大規模
な補修が必要となる塩害環境にある橋梁の補修にも適用
できる。
待できる。 （１）比較的容易にコンクリート橋の橋桁の補強がで
き、経費の節減、および工期の短縮が期待できる。 （２）従来のＦＲＰシートの橋桁下部への貼着による補
強では実現できなかった橋桁自体の荷重増に対する橋桁
下面の引張応力に対しても有効な補強手段を与えるとと
もにＦＲＰ緊張材自体の軽量性に基づく小荷重増で済む
ことになる。 （３）既に生じているコンクリートのひび割れを、プレ
ストレスの導入によって圧縮して閉じさせられる。 （４）既存橋桁内の鉄筋が負担する応力を低減できる。 （５）従来技術の「橋桁、橋脚など大型コンクリート部
材への外ケーブルを用いたプレストレスの導入」による
補修では、従来の橋形が変わらざるを得ないが、本発明
の補強はＦＲＰ緊張材が桁内に埋設されるため既設のコ
ンクリート桁の形状に大幅な変更がなく、従来の橋形、
及び景観がそのまま保持できる。 （６）緊張材に腐食しないＦＲＰを用いるので、大規模
な補修が必要となる塩害環境にある橋梁の補修にも適用
できる。
【図１】（ａ）プレテンション方式によりプレストレス
を導入したＦＲＰ緊張材によって補強されたＴ形コンク
リート橋桁の斜視図。 （ｂ）プレテンション方式によりプレストレスを導入し
たＦＲＰ緊張材によって補強されたＴ形コンクリート橋
桁の断面図。 （ｃ）プレテンション方式によりプレストレスを導入し
たＦＲＰ緊張材によって補強されたＴ形コンクリート橋
桁の一部分の側面図。
を導入したＦＲＰ緊張材によって補強されたＴ形コンク
リート橋桁の斜視図。 （ｂ）プレテンション方式によりプレストレスを導入し
たＦＲＰ緊張材によって補強されたＴ形コンクリート橋
桁の断面図。 （ｃ）プレテンション方式によりプレストレスを導入し
たＦＲＰ緊張材によって補強されたＴ形コンクリート橋
桁の一部分の側面図。
【図２】 プレテンション方式によりプレストレスを導
入したＦＲＰ緊張材による橋桁の補強方法を示す工程
図。
入したＦＲＰ緊張材による橋桁の補強方法を示す工程
図。
１：橋桁 ２、２’、
２”：ＦＲＰ緊張材 ３、３’、３”：モルタル ４：緊張側定着
具 ５：固定側定着具 ６：緊張ジャッ
キ ７、７’：くさび ８：アンカー ９：モルタル吹き付けノズル
２”：ＦＲＰ緊張材 ３、３’、３”：モルタル ４：緊張側定着
具 ５：固定側定着具 ６：緊張ジャッ
キ ７、７’：くさび ８：アンカー ９：モルタル吹き付けノズル
─────────────────────────────────────────────────────
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(72)発明者 品川 清和
東京都港区新橋６−17−19 ピーシー橋梁
株式会社内
(72)発明者 齋木 真也
東京都港区新橋６−17−19 ピーシー橋梁
株式会社内
Ｆターム(参考） 2D059 AA05 BB39 GG40
Claims (3)
- 【請求項１】 既設コンクリート橋の補修、補強工事に
おいて、前記コンクリート橋のコンクリート製橋桁の下
面に、橋桁の長さ方向に沿って長尺板状又は棒状のＦＲ
Ｐ緊張材を複数本添設し、前記複数本のＦＲＰ緊張材そ
れぞれにプレストレスを導入した後、前記橋桁下面にＦ
ＲＰ緊張材が埋設、固着されるようにモルタルを吹きつ
け、前記既設コンクリート橋桁と前記ＦＲＰ緊張材とを
一体構造にして、橋桁下部に加わる引張応力を負担させ
ることにより、曲げ及びせん断力への耐性を向上させる
ことを特徴とするコンクリート橋桁の補強方法。 - 【請求項２】 前記ＦＲＰ緊張材の橋桁下面への添設
が、ＦＲＰ緊張材を添設する区間の両端部に近い位置の
橋桁下面にアンカーによって一時仮設される緊張側定着
具および固定側定着具を介してなされ、前記ＦＲＰ緊張
材の一方の端部が固定側定着具に嵌着される一対のくさ
びで挟持・固定され、ＦＲＰ緊張材のもう一方の端部が
前記緊張側定着具に付設される緊張ジャッキによって掴
持され、前記緊張ジャッキの操作により前記ＦＲＰ緊張
材にプレストレスを導入することを特徴とする請求項１
に記載のコンクリート橋桁の補強方法。 - 【請求項３】 既設コンクリート橋の補修、補強工事に
おいて、前記コンクリート橋のコンクリート製橋桁の下
面に、橋桁の長さ方向に沿って長尺板状又は棒状のＦＲ
Ｐ緊張材を複数本添設し、前記複数本のＦＲＰ緊張材そ
れぞれにプレストレスを導入した後、前記橋桁下面にＦ
ＲＰ緊張材が埋設、固着されるようにモルタルを吹きつ
け、前記既設コンクリート橋桁と前記ＦＲＰ緊張材とを
一体構造にしたことを特徴とするコンクリート橋桁の補
強構造。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002122949A JP2003313826A (ja) | 2002-04-24 | 2002-04-24 | プレテンション方式ｆｒｐ緊張材によるコンクリート橋桁の補強方法及び補強構造 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002122949A JP2003313826A (ja) | 2002-04-24 | 2002-04-24 | プレテンション方式ｆｒｐ緊張材によるコンクリート橋桁の補強方法及び補強構造 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2003313826A true JP2003313826A (ja) | 2003-11-06 |
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ID=29538420
Family Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP2002122949A Pending JP2003313826A (ja) | 2002-04-24 | 2002-04-24 | プレテンション方式ｆｒｐ緊張材によるコンクリート橋桁の補強方法及び補強構造 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2003313826A (ja) |
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-
2002
- 2002-04-24 JP JP2002122949A patent/JP2003313826A/ja active Pending
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