JP2003310395A - スプリング構造樹脂成形品から成るベッド、その製造方法並びにスプリング構造樹脂成形品からなるベッドクッション - Google Patents

スプリング構造樹脂成形品から成るベッド、その製造方法並びにスプリング構造樹脂成形品からなるベッドクッション

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JP2003310395A
JP2003310395A JP2002126379A JP2002126379A JP2003310395A JP 2003310395 A JP2003310395 A JP 2003310395A JP 2002126379 A JP2002126379 A JP 2002126379A JP 2002126379 A JP2002126379 A JP 2002126379A JP 2003310395 A JP2003310395 A JP 2003310395A
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JP
Japan
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bed
resin molded
molded product
spring structure
orthogonal
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JP2002126379A
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Sadao Nishibori
貞夫 西堀
Tatsumi Kobayashi
龍巳 小林
Yuichiro Nakamura
雄一郎 中村
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Ain Kk Sogo Kenkyusho
Original Assignee
Ain Kk Sogo Kenkyusho
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Abstract

(57)【要約】 【課題】リサイクルが困難な上、廃棄処理においても上
記課題を有するウレタンフォームに代えて、ベッドとし
て好適な、スプリング構造樹脂成形品から成るベッドに
好適な製造方法を提供する。 【解決手段】ベッド1は、ベッドクッション2と、ベッ
ドクッション2を嵌合するベッド台3とを備える。ベッ
ドクッション2は、熱可塑性樹脂から成るランダムなル
ープ(図1の部分拡大図A参照)をなす連続管4の相互
を部分的に融着して成る所定の嵩密度の空隙を備える板
状又はシート状のスプリング構造樹脂成形品30を成形
して、平面部5の全周縁に直交部6を枠状に形成し、ベ
ッドクッション2は、熱可塑性樹脂、例えば、PE,P
P等のポリオレフィン系樹脂と、VAC,EVA又はS
BSとの混合物(例えば、熱可塑性エラストマー)を原
料として成形された立体構造体であるスプリング構造樹
脂成形品30を熱成形することによって製造されたもの
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スプリング構造樹
脂成形品から成るベッドとその製造方法に係り、詳しく
は、耐衝撃性及び耐加重性等に優れると共に、個々の形
状及び大きさ等、不特定多数の細かなニーズにも対応可
能であり、特に、廃棄物の処理負担の少ないスプリング
構造樹脂成形品から成るベッド及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】現在、ベッドのクッション材としては、
ウレタンフォームが主流である。振動を伴うところ又は
伴わないところを問わず、人が座る、寝る又は乗るとこ
ろには、何等かの形でウレタンフォームが利用されてい
るのが一般的であり、実際、ウレタンフォームはあらゆ
る分野で広く使用されており、製法及びコスト面では問
題が少ないと考えられ、普及率が非常に高い。
【0003】このようなベッドとして、特開2000−
37262等が提案されている。これは発泡ウレタンフ
ォームをクッション材として採用したものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般的に、ウレタンフ
ォームは、人が寝たとき等、荷重が1箇所に集中するた
め、沈み込みが大きく、バランスが不安定であり、長期
間、寝ていると疲労が溜まる等の課題がある。これは、
ウレタンフォームは、均等に発泡することにより成形さ
れているため、密度や強度が一定であり、必要に応じ
て、部分毎に強度や密度を変化させることが難しいこと
が原因である。また、ウレタンフォームは、柔軟すぎる
ため、長時間使用すると、体に疲労感を生じることもあ
る。ベッドの場合、ウレタンフォームの製法上及び構造
上から要求は多様化しているが、材料の特性として密度
一定であり、実際の使用時、面圧分布が変わるので、機
能上、最適ではないことがある。ウレタンフォームで
は、発泡成形であるため、ばね特性が一律になるか或い
は種類が大まかであり、必要に応じて変更することが難
しい。従って、ウレタンフォームでは、ばね特性に対す
る多様な要求に答えることが困難である。例えば、病人
用、健常者用、特殊用途用などに応じて、ばね特性を変
えなければならないが、これに好適に対応していないた
め、別途、複雑なクッション材を用いたりする必要があ
る。
【0005】また、ウレタンフォームは、熱硬化性樹脂
であるため、リサイクルが困難であり、リサイクル方法
としては、粉砕機でチップ化したものを接着成形により
チップフォーム(リボンデットフォーム)と呼ばれる材
料に再生するか、燃焼し熱エネルギーとして回収するに
とどまる。廃棄処分方法として、埋立処理と焼却処理が
挙げられるが、かさ密度が小さく柔らかいウレタンフォ
ームの埋立処理は、地盤の安定化が困難であり、埋立場
所が限定される。また、粉粒体等に加工して埋立処理す
ることも可能であるが、経費と手間がかかる。一方、燃
焼の際、特に、青酸ガス(シアン化水素)を発生するお
それがあるため、焼却炉の損傷が大きく、青酸ガスの除
去にも経費がかかるおそれがある。このように、リサイ
クル法との関係から、埋設処理等では環境面での対応が
困難となる。
【0006】さらに、ウレタンフォームには上記の他に
も、以下の課題を有する。洗浄が困難である。製造時に
使用するアミン触媒がフォーム内に残存し悪臭がするか
らである。また、通気性がなく蓄熱性があるため、蒸れ
やすく長時間連続して集中光線を当てていると燃え出す
おそれがある。環境に対する性能が低い。ウレタンフォ
ーム製造時に発泡剤として使用されている代替フロンの
使用期限が2020年であるが、代替フロンより発泡性
能が優れる代替剤が無いのが現状である。また、軟質ウ
レタンフォーム製造に通常使用されるイソシアネートで
あるTDIは、労働省告示第25号で濃度を0.005
ppm以下にすると決定されている毒性の高い物質であ
り、実際の製造現場では管理が徹底されていない場合に
は、作業者の健康を害するおそれがある。
【0007】上記課題のうち、軟質ウレタンフォームの
特性については、ある程度改良されてはいるが、ウレタ
ンフォームが有する他の課題については依然として残さ
れたままである。また、従来提案されているクッション
構造体は、高融点のポリエステル繊維を低融点の熱可塑
性エラストマーで融着しているのでリサイクルが困難な
上、製法が煩雑で加工コストが著しく高い等の課題が残
っている。また、通気性が良い、洗浄が可能等の長所を
有するものも提案されているが、耐久性に劣り、製法が
煩雑で加工コストが著しく高い等の課題を有する。さら
に、ゴム系接着剤及び架橋性ウレタンは熱硬化性樹脂で
ある上、単一組成物でないので、リサイクルが困難であ
る。ウレタンの反発による体への圧迫感が生じることも
ある。
【0008】このように、上記のような種々の課題を有
しながらも、ベッドとして、ウレタンフォームと同等以
上の性能を持った上、安価に製造できる代替材料が存在
していないのが現状である。さらに、丸洗いが難しく衛
生面で改善する必要がある。重量があり複雑で扱い難
い。通気性が悪くムレるおそれがあり、室内空調に対応
し難い。体の曲線にフィットし難い。クッションの厚み
巾、形状の自由度が低く、ユーザーニーズに対応し難
い。そして、従来のベッドは構造上、台の上にクッショ
ンが載せてあるだけのものがほとんどであるので、クッ
ションがずれやすく、側面の台が露出しているので人体
を台で打撲したりするおそれがあり安全性に改善する余
地があった。
【0009】そこで、本発明は、リサイクルが困難な
上、廃棄処理においても上記課題を有するウレタンフォ
ームに代えて、ベッドとして好適な、スプリング構造樹
脂成形品から成るベッドに好適な製造方法を提供するこ
とを目的とする。具体的には、丸洗いが可能で衛生的で
あり、軽量・コンパクトで扱い易く、通気性に優れムレ
ないし室内空調に対応する、体の曲線にフィットしやす
く、ウレタンの反発による体への圧迫感が少ない、成形
工程が容易であり、形状及び大きさの自由度が高く、ユ
ーザーニーズに対応しやすく安価で安全で、さらに、寝
たときに圧力を均一に分散させ長時間使用しても疲労し
ない等、ばね特性に対する多様な要求に答え、所望の耐
加重強度、耐衝撃性等の物性を備えたスプリング構造樹
脂成形品から成るベッド、その製造方法並びに前記に適
用されるスプリング構造樹脂成形品からなるクッション
材を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
少なくとも熱可塑性樹脂から成るランダムなループをな
す連続管の相互を部分的に融着して成る所定の嵩密度の
空隙を備える板状のスプリング構造樹脂成形品の周縁全
部又は一部に直交部を形成したベッドクッションをベッ
ド台の上部に嵌合することを特徴とするスプリング構造
樹脂成形品から成るベッドである。本発明のベッドは、
構造が簡素であるので、大幅なコストダウンが可能であ
る。丸洗いができる。軽量であり扱い易い。通気性がよ
くムレるおそれがない。体の曲線にフィットし易い。ク
ッションの厚み巾、形状の自由度が高く、ユーザーニー
ズに対応し易い。クッションがずれにくく、また、直交
部は、ベッド台のコーナープロテクト用クッションをな
すので、ベッドの突出部がなく、全面的にプロテクトで
きるので、たとえ人体をぶつけても衝撃を吸収できるの
で安全性が高い。ベッドの隅に座った場合でも、隅部の
型崩れが減少し、耐久性が高まる。具体的用途は、子供
用、リハビリ用、老人用、スポーツ用等が挙げられる。
構造はダブル、シングル等を含む。
【0011】ウレタンフォームの二次加工よりも簡単で
あり、ウレタンフォームよりも細かなニーズに対応でき
る。個人の体型に合わせてオリジナルなものを成形する
等、製品の付加価値が高くなる。オーダーメイドに応じ
られる等、製品特性や不特定多数の細かなニーズに対応
可能なベッドの製造が容易となる。さらに、スプリング
構造樹脂成形品の管の径、材質、デニール、嵩密度又は
空隙率等を変えることにより、ばね特性を自在に可変と
することもできる。すなわち、素材としてのばね特性は
一定であるが、圧縮成形によって絞りをかける等によっ
て、クッション機能を変え、荷重分布を可変とすること
ができる。また、スプリング構造樹脂成形品の熱圧縮成
形の際、型のストローク調整により、ベッドの厚みを可
変とすることができる。
【0012】ここでいう「連続管」は、好ましくは汎用
プラスチック(ポリオレフィン、ポリスチレン系樹脂、
メタクリル樹脂、ポリ塩化ビニール等)、エンジニアリ
ングプラスチック(ポリアミド、ポリカーボネート、飽
和ポリエステル、ポリアセタール等)等である。例え
ば、ポリエチレン(以下PEと記す)、ポリプロピレン
(以下PPと記す)又はナイロン等の熱可塑性エラスト
マーより成ることが好ましい。特に熱可塑性ポリウレタ
ンエラストマーが好ましい。
【0013】PE,PP等のポリオレフィン系樹脂に、
酢酸ビニル樹脂(以下VACと記す)、酢ビエチレン共
重合体(以下EVAと記す)又は、スチレンブタジエン
スチレン(以下SBSと記す)を混合したものが好まし
い。このとき、ポリオレフィン系樹脂とVAC又はEV
Aの酢ビ含有率の混合比は、70〜97重量%:3〜3
0重量%、好ましくは80〜90重量%:10〜20重
量%が好ましい。これは、VAC又はEVAが3重量%
以下であると反発弾性が低下し、30重量%以上になる
と熱的特性が低下するからである。また、ポリオレフィ
ン系樹脂とSBSとの混合比は、50〜97重量%:3
〜50重量%、好ましくは70〜90重量%:10〜3
0重量%が好ましい。また、ポリオレフィン系樹脂は再
生樹脂であっても良い。
【0014】「連続管」は、押し出し成形によることが
好ましい。連続管は、空気が管の中に閉じ込められるこ
とになり、空気ばねの特性が発現し、独特のクッション
性が生じるので好ましい。座屈も防止できる。また、空
気が入ることによって、スプリング構造樹脂成形品の剛
性が保たれる。管は連続であっても良いし、不連続であ
っても良い。1本の管に中空部と該中空部が塞がれた部
分とを共に有している場合等が一例として挙げられる。
中実の管を混入又は融合させてもよい。中実と中空の管
の混合比は、中実:中空=0〜50重量%:50〜10
0重量%であることが好ましい。このとき、中心部に中
空の管を用い、その中空の管の外周を中実の管で被覆す
ることにより、触感が良好となり好ましいことがある。
【0015】「連続管」の線径は、0.3〜3.0m
m、特に0.7〜1.0mmであることが好ましい。線
径0.3mm以下では、管に腰が無くなり、融着部が多
くなって空隙率が低下する。3.0mm以上では、管に
腰がありすぎ、ループ又はカールが形成されず、融着部
が少なくなり、強度が低下する。線径は、1.0〜3.
0mm、特に1.5〜2.0mmであることが好まし
い。中空率が10%以下では重量軽減に寄与せず、80
%以上ではクッション性が低下する。
【0016】「スプリング構造樹脂成形品」の嵩密度
は、0.005〜0.08g/cm3、好ましくは、
0.02〜0.06g/cm3であることが好ましい。
嵩密度0.005g/cm3以下では、強度が低下す
る。嵩密度0.08g/cm3以上では重量軽減が果た
せず、弾性が消失する。また、このスプリング構造樹脂
成形品は全体が一定の密度であるに限らず、所定間隔毎
に粗密構造であっても良い。この場合の嵩密度は、粗の
部分では、0.005〜0.03g/cm3、好ましく
は0.008〜0.03g/cm3、特に0.01〜
0.03g/cm3が好ましい。密の部分では、0.0
3〜0.08g/cm3、好ましくは0.04〜0.0
7g/cm3、特に0.05〜0.06g/cm3が好ま
しい。
【0017】「スプリング構造樹脂成形品」の空隙率
は、96〜99%、好ましくは、97〜99%、特に9
7〜98%であることが好ましい。クッションとしての
弾性と強度を維持し、重量を軽減するため、空隙率は上
記範囲が好ましい。 [空隙率(%)]=(1−[嵩密度]/[樹脂の密
度])×100
【0018】「ベッド」は単層でもよいが、多層のスプ
リング構造樹脂成形品から構成されることが好ましい。
ベッドとして用いられているウレタンフォームの代替材
として、広く利用できる。
【0019】請求項2記載の発明は、前記スプリング構
造樹脂成形品は、平面部と直交部とからなり、平面部の
周縁水平上面に前記直交部を垂直に接続したことを特徴
とする請求項1のスプリング構造樹脂成形品から成るベ
ッドである。これにより大量生産が容易となる。隅に人
が座った場合でも、平面部と直交部とが分離しがたく、
耐久性に優れる。
【0020】請求項3記載の発明は、前記ベッドクッシ
ョンが断面コ字形状であり、直交部が平面部の長さより
短尺である請求項1又は2のスプリング構造樹脂成形品
から成るベッドである。これにより一層のコストダウン
が可能である。
【0021】請求項4記載の発明は、前記直交部は前記
平面部の周囲全部に連続的に形成されたことを特徴とす
る請求項1乃至3いずれかのスプリング構造樹脂成形品
から成るベッドである。これにより一層安全性が高ま
る。
【0022】請求項5記載の発明は、前記直交部と前記
平面部の厚みが同一である請求項1乃至4いずれかのス
プリング構造樹脂成形品から成るベッドである。これに
より製造コストが一層低減できる。
【0023】請求項6記載の発明は、前記直交部から前
記平面部と平行に内側に延び出す延長部を備えた請求項
2又は5のスプリング構造樹脂成形品から成るベッドで
ある。これにより一層安全性が高まる。
【0024】請求項7記載の発明は、前記直交部と前記
平面部とが夫々袋状のカバー部で覆われ、夫々のカバー
部の隣接する端部がヒンジ結合をしている請求項1乃至
6のいずれかのスプリング構造樹脂成形品から成るベッ
ドである。これにより、ベッドクッションの分解が容易
となる。
【0025】請求項8記載の発明は、前記ベッド台は、
長手方向に長尺の複数の中空部を備えた板状体であっ
て、該中空部は前記板状体の側面で開口している請求項
1乃至7いずれかのスプリング構造樹脂成形品から成る
ベッドである。これにより空気流通効率が高くなり、室
内空調に対応しやすい。
【0026】請求項9記載の発明は、前記ベッド台は、
前記中空部から上方に向かって貫通穴を形成し、前記開
口部と前記貫通穴が連通している請求項8のスプリング
構造樹脂成形品から成るベッドである。これにより、ベ
ッドに冷暖房機能を付加できる。例えば、開口部から冷
暖房気体を供給すれば、貫通穴からベッドクッションに
冷暖房気体が供給され、これにより、ベッドの空調が実
現できる。
【0027】請求項10記載の発明は、少なくとも熱可
塑性樹脂から成るランダムなループをなす連続管の相互
を部分的に融着して成る所定の嵩密度の空隙を備えるス
プリング構造樹脂成形品からなる平面部をベースホルダ
ーに置き、少なくとも熱可塑性樹脂から成るランダムな
ループをなす連続管の相互を部分的に融着して成る所定
の嵩密度の空隙を備えるスプリング構造樹脂成形品から
なる直交部をアッパーホルダーに保持し、前記平面部及
び直交部の接合面に発熱体を介在させて、該接合面を溶
融し、前記発熱体を離脱させ、前記平面部及び直交部の
接合面を接合させ、前記アッパーホルダーを上方から押
し下げ、冷却によって前記接合面を硬化させて前記平面
部及び直交部と一体化したベッドクッションとなし、該
ベッドクッションをベッド台に上方から垂直に嵌合する
ことを特徴とするスプリング構造樹脂成形品から成るベ
ッドの製造方法である。請求項10記載の発明によれ
ば、ベッドクッションの生産性が高い。例えば、サイク
ルタイムは、全工程で1分以内となる可能性がある。複
資材を必要とせず、電気代、冷却エアー代程度である。
設備はシンプル(安価)でメンテナンスが容易にでき
る。コストメリットがある。瞬時に溶着可能であるの
で、歩留まりがよい。製造工程での部材のロスをなくす
ことができる。生産設備の操作が簡単で誰でも安全に取
扱える。アルバイトでも可能である。移動・設置が簡単
に行える。内作が可能である(部品購入・社内アセンブ
リ等)。直交部と平面部とが別体であるので、立体網状
構造体の製造場所と、ベッドの製造場所とが離れている
場合、運搬しやすいという効果がある。
【0028】請求項11記載の発明は、雌型の上に、少
なくとも熱可塑性樹脂から成るランダムなループをなす
連続管の相互を部分的に融着して成る所定の嵩密度の空
隙を備え四隅を方形に欠除させたスプリング構造樹脂成
形品を台又は型の上に置き、発熱体で前記スプリング構
造樹脂成形品の折曲線部を加熱し、前記雌型と雄型で前
記スプリング構造樹脂成形品の直交部を起立させて型締
めし、冷却によって前記スプリング構造樹脂成形品を硬
化させてベッドクッションとし、該ベッドクッションを
ベッド台に上方から垂直に嵌合することを特徴とするス
プリング構造樹脂成形品から成るベッドの製造方法であ
る。
【0029】請求項11記載の発明は請求項5記載の発
明と同様の効果を得るが、直交部が連結されたまま搬送
しなければならないので、請求項5より搬送性は若干劣
るが、製造効率がよい。「雌型」はコンクリート製が好
ましい。コンクリート製の型を利用することにより、離
型剤が不要になると共に、型自体のコストが削減され
る。前記冷却には自然冷却又は強制冷却がある。強制冷
却は水を用いることが好ましい。
【0030】請求項12記載の発明は、少なくとも熱可
塑性樹脂から成るランダムなループをなす連続管の相互
を部分的に融着して成る所定の嵩密度の空隙を備える四
隅を方形に欠除させたスプリング構造樹脂成形品を置
き、前記スプリング構造樹脂成形品の折曲線部をV字形
に切り欠き、前記スプリング構造樹脂成形品の折曲線部
を折り曲げ、前記V字形断面を熱又は接着剤で接合し直
交部を形成したベッドクッションとし、該ベッドクッシ
ョンをベッド台に上方から垂直に嵌合することを特徴と
するスプリング構造樹脂成形品から成るベッドの製造方
法である。これにより製造工程が極めて簡素化できる。
【0031】請求項13記載の発明は、少なくとも熱可
塑性樹脂から成るランダムなループをなす連続管の相互
を部分的に融着して成る所定の嵩密度の空隙を備えるス
プリング構造樹脂成形品の一対の短辺又は一対の長辺の
端部を曲げた断面U字形状乃至コ字形状の平面部に、少
なくとも熱可塑性樹脂から成るランダムなループをなす
連続管の相互を部分的に融着して成る所定の嵩密度の空
隙を備えるスプリング構造樹脂成形品からなる一対の直
交部の端面を溶融し、前記平面部の前記曲げられていな
い辺に前記直交部を嵌合させて融着させ、冷却によって
前記接合面を硬化させて前記平面部及び直交部と一体化
したベッドクッションとなし、該ベッドクッションをベ
ッド台に上方から垂直に嵌合することを特徴とするスプ
リング構造樹脂成形品から成るベッドの製造方法であ
る。これによりベッドの大量生産が可能であり、製造コ
ストの低減することができる。平面部の製造方法として
は、板状のスプリング樹脂成形品に辺となるスプリング
樹脂成形品をヒートプレートにより接合するもの、押し
出し装置のU字形状乃至コ字形状のノズルからの押し出
し成形によりスプリング樹脂成形品として一体的に製造
するもの、雄型と雌型により板状のスプリング樹脂成形
品を熱による型締めを行なってU字形状乃至コ字形状の
スプリング樹脂成形品に成形するもの等が挙げられる。
【0032】請求項14記載の発明は、請求項1乃至9
のベッド又は請求項10乃至13のスプリング構造樹脂
成形品から成るベッドの製造方法に適用されるスプリン
グ構造樹脂成形品からなるクッション材である。前記と
同様の課題を達成できるスプリング構造樹脂成形品から
なるクッション材を提供できる。
【0033】
【発明の実施の形態】(ベッド1の説明)本発明の一実
施形態のベッド1について説明する。このベッド1は、
図1及び図3に示す通り、ベッドクッション2と、ベッ
ドクッション2を嵌合するベッド台3とを備える。本実
施形態におけるベッドクッション2は、熱可塑性樹脂か
ら成るランダムなループ(図1の部分拡大図A参照)を
なす連続管4の相互を部分的に融着して成る所定の嵩密
度の空隙を備える板状又はシート状のスプリング構造樹
脂成形品30を成形して、平面部5の全周縁に直交部6
を枠状に形成したものである。ベッドクッション2は、
熱可塑性樹脂、例えば、PE,PP等のポリオレフィン
系樹脂と、VAC,EVA又はSBSとの混合物(例え
ば、熱可塑性エラストマー)を原料として成形された立
体構造体であるスプリング構造樹脂成形品30を後述す
るように熱成形することによって製造されたものであ
る。そして、ベッドクッション2の凹部をベッド台3の
上部に嵌合することでベッド1となる。形状は一般的な
方形であるが、丸形、その他の形状でも良い。具体的用
途は、子供用、リハビリ用、老人用、スポーツ用等が挙
げられる。構造はダブル、シングル等を含む。
【0034】連続管4は、PE,PP等のポリオレフィ
ン系樹脂に、酢酸ビニル樹脂(以下VACと記す)、酢
ビエチレン共重合体(以下EVAと記す)又は、スチレ
ンブタジエンスチレン(以下SBSと記す)を混合した
ものが好ましい。このとき、ポリオレフィン系樹脂とV
AC又はEVAの酢ビ含有率の混合比は、70〜97重
量%:3〜30重量%、好ましくは80〜90重量%:
10〜20重量%が好ましい。これは、VAC又はEV
Aが3重量%以下であると反発弾性が低下し、30重量
%以上になると熱的特性が低下するからである。また、
ポリオレフィン系樹脂とSBSとの混合比は、50〜9
7重量%:3〜50重量%、好ましくは70〜90重量
%:10〜30重量%が好ましい。また、ポリオレフィ
ン系樹脂は再生樹脂であっても良い。
【0035】連続管4は、上記に代えて、汎用プラスチ
ック(ポリオレフィン、ポリスチレン系樹脂、メタクリ
ル樹脂、ポリ塩化ビニール等)、エンジニアリングプラ
スチック(ポリアミド、ポリカーボネート、飽和ポリエ
ステル、ポリアセタール等)等でもよい。例えば、ポリ
エチレン(以下PEと記す)、ポリプロピレン(以下P
Pと記す)又はナイロン等の熱可塑性エラストマーより
成ることが好ましい。
【0036】連続管4は切断面4aに示すように丸管で
ある(図1の部分拡大図B参照)。連続管4は、押し出
し成形によることが好ましい。連続管4は、空気が管の
中に閉じ込められることになり、空気ばねの特性が発現
し、独特のクッション性が生じるので好ましい。座屈も
防止できる。また、空気が入ることによって、スプリン
グ構造樹脂成形品の剛性が保たれる。管は連続であって
も良いし、不連続であっても良い。1本の管に中空部と
該中空部が塞がれた部分とを共に有している場合等が一
例として挙げられる。
【0037】連続管4の線径は、0.3〜3.0mm、
特に0.7〜1.0mmであることが好ましい。線径
0.3mm以下では、管に腰が無くなり、融着部が多く
なって空隙率が低下する。3.0mm以上では、管に腰
がありすぎ、ループ又はカールが形成されず、融着部が
少なくなり、強度が低下する。線径は、1.0〜3.0
mm、特に1.5〜2.0mmであることが好ましい。
中空率が10%以下では重量軽減に寄与せず、80%以
上ではクッション性が低下する。
【0038】スプリング構造樹脂成形品30の嵩密度
は、0.005〜0.08g/cm3、好ましくは、
0.02〜0.06g/cm3であることが好ましい。
嵩密度0.005g/cm3以下では、強度が低下す
る。嵩密度0.08g/cm3以上では重量軽減が果た
せず、弾性が消失する。また、このスプリング構造樹脂
成形品は全体が一定の密度であるに限らず、所定間隔毎
に粗密構造であっても良い。この場合の嵩密度は、粗の
部分では、0.005〜0.03g/cm3、好ましく
は0.008〜0.03g/cm3、特に0.01〜
0.03g/cm3が好ましい。密の部分では、0.0
3〜0.08g/cm3、好ましくは0.04〜0.0
7g/cm3、特に0.05〜0.06g/cm3が好ま
しい。
【0039】スプリング構造樹脂成形品30の空隙率
は、96〜99%、好ましくは、97〜99%、特に9
7〜98%であることが好ましい。クッションとしての
弾性と強度を維持し、重量を軽減するため、空隙率は上
記範囲が好ましい。 [空隙率(%)]=(1−[嵩密度]/[樹脂の密
度])×100
【0040】ベッドクッション2は、平面部5と直交部
6とからなり、平面部5の周縁水平上面に直交部6を垂
直に接続したことが好ましい(図6(a)参照)。ベッ
ドクッション2が断面コ字形状である。直交部6の長さ
の合計が平面部5の長さの20%〜40%である。直交
部6は平面部5の周囲全部に連続的に形成されている。
直交部6と平面部5の厚みが同一である。
【0041】ベッドクッション2及びベッド台3は、図
示した形状に限定されないことは言うに及ばず、適宜形
状及び/又は構造に成形可能である。図6(b)の通
り、平面部5のテーパ部と直交部6のテーパ部とを45
度で接続することが好ましい。図6(c)の通り、平面
部5の垂直面と直交部6垂直面同士が接続するものでも
よい。図6(d)の通り、直交部6から平面部5と平行
に内側に延び出す延長部7を備えたものでもよい。図7
(a)(b)の通り、直交部6と平面部5とが夫々カバ
ー部8で覆われ、夫々のカバー部8の隣接する端部がヒ
ンジ結合9をしているものでもよい。
【0042】ベッドクッション2を重ね合わせないで、
1層としても良い。ベッドクッション2は2層以上でも
良い。また、2層以上のシートのうち、例えば、下の層
のシートは合成ゴム等から成るものでも良いが、少なく
とも1枚(好ましくは上の層)はスプリング構造樹脂成
形品から成ることが好ましい。ベッドの形状等も本実施
形態に限定されない。特に、個々の形状及び大きさ等、
各分野における製品要求、特性及び不特定多数の細かな
ニーズにも対応可能である。
【0043】図2及び図3の通り、ベッド台3は、長手
方向に長尺の複数の中空部10を備えた水平方向に配置
された中空樹脂成形体11と中空樹脂成形体11に直交
して下部に固定された複数の脚部12とを備えたもので
ある。中空部10は中空樹脂成形体11の側面で開口し
ている。中空樹脂成形体11は、中空部10から上方に
向かって適宜形状の貫通穴13を形成し、中空部10の
端部の開口部と貫通穴13が連通している。貫通穴13
はスリットであるが、穴でもよい。開口部へ冷房及び/
又は暖房供給装置14から冷暖房気体を供給すれば、貫
通穴13からベッドクッション2に冷暖房気体が供給さ
れ、これにより、ベッドの空調が実現できる。以上では
四辺に直交部が存在する例を説明したが、図3(c)の
通り、端部にベッドボード12a´がある場合には、対
応する直交部は存在しない。フットボードがあるような
タイプでは、対応する直交部は存在しない。脚部12´
が連続的に延び出しているようなものでもよい。
【0044】図4のベッド台15は、図2のベッド台3
の変更形態である。ベッド台15は、長手方向に長尺の
複数の中空部16を備えた水平方向に配置された複数の
中空樹脂成形体17を上下からベニア板等の外皮部材1
8で挟んで接着し、中空樹脂成形体17に直交して下部
に固定された複数の脚部19とを備えたものである。中
空部16は中空樹脂成形体17の側面で開口している。
中空樹脂成形体17は、中空部16から上方に向かって
適宜形状の貫通穴20を開口形成し、開口部と貫通穴2
0が連通している。貫通穴20は穴であるが、スリット
でもよい。開口部へ冷房及び/又は暖房供給装置21の
冷暖房気体を供給すれば、貫通穴20からベッドクッシ
ョン2に冷暖房気体が供給され、これにより、ベッドの
空調が実現できる。図5(c)の通り、端部にベッドボ
ード19a´がある場合には、対応する直交部は存在し
ない。フットボードがあるようなタイプでは、対応する
直交部は存在しない。脚部19´が連続的に延び出して
いるようなものでもよい。
【0045】ベッド台3は、木質合成材を利用したもの
でもよい。中空樹脂成形体11,17及び/又は脚部1
2,19は、金属、セラミックス、合成樹脂、木質合成
材、又はこれらの複合材でもよい。木質合成材を採用す
る場合の木質合成材の製造方法は(特開2000−35
1105号)等を参照されたい。金属、セラミックス、
合成樹脂による場合は一般的技術に従う。
【0046】以上説明したベッド1は、構造が簡素であ
るので、大幅なコストダウンが可能である。丸洗いがで
きる。軽量であり扱い易い。ベッドクッション2は、ス
プリング構造樹脂成形品30からなるため、通気性が抜
群でありムレるおそれがない。ベッド台3の中に冷暖房
ダクトから冷暖房用空気を通気させる等によって、冷暖
房機能を備えることができる。また、特別な材料を使用
することなく、高級仕様に対応できる。体の曲線にフィ
ットし易い。クッションの厚み巾、形状の自由度が高
く、ユーザーニーズに対応し易い。クッションがずれに
くく、また、直交部は、ベッド台のコーナープロテクト
用クッションをなすので、ベッドの突出部がなく、全面
的にプロテクトできるので、たとえ人体をぶつけても衝
撃を吸収できるので安全性が高い。ベッドの隅に座った
場合でも、隅部の型崩れが減少し、耐久性が高まる。ウ
レタンフォームの二次加工よりも簡単であり、ウレタン
フォームよりも細かなニーズに対応できる。個人の体型
に合わせてオリジナルなものを成形する等、製品の付加
価値が高くなる。オーダーメイドに応じられる等、製品
特性や不特定多数の細かなニーズに対応可能なベッドの
製造が容易となる。さらに、スプリング構造樹脂成形品
の管の径、材質、デニール、嵩密度又は空隙率等を変え
ることにより、ばね特性を自在に可変とすることもでき
る。
【0047】また、素材としてのばね特性は一定である
が、熱圧縮成形によって絞りをかける等によって、クッ
ション機能を変え、荷重分布を可変とすることができ
る。また、スプリング構造樹脂成形品の熱圧縮成形の
際、型のストローク調整により、ベッドの厚みを可変と
することができる。従来のモールド成形では難しい複雑
な凸凹や微妙な変化までも表現可能であり、個々の形状
及び大きさ等、各分野における製品要求、特性及び不特
定多数の細かなニーズにも、より厳密に対応可能とな
り、体型、体重によってカスタムメイドすることもでき
る。例えば、ベッドにこだわりを持つ需要者の要求に応
え得る。各人の寝る姿勢に的確にフィットするベッドを
提供することができる。また、ベッドクッション2の表
面に各種シートを貼り付けることで、製品の付加価値を
高めることができる。
【0048】(ベッド1の製造装置及び製造方法)次
に、図8〜図16を参照して、本実施形態のベッド1の
製造装置及び製造方法について説明する。これには3つ
の製造装置及び製造方法があるので、順次説明する。な
お、スプリング構造樹脂成形品30の製造方法について
は後述する。
【0049】図8に示す通り、スプリング構造樹脂成形
品30を適宜の寸法に切断した1枚の平面部22と、4
本の直交部23〜26を製造する。直交部23〜26は
ベッド台3の側面保護用のものである。4本の直交部2
3〜26のうち、直交部23、24は長辺をなし直交部
25、26は、短辺をなす。それらは直方体である。平
面部22の寸法例は、幅1000mm×長さ2000mm×
厚み60mmである。直交部23、24の寸法例は、幅5
0mm×長さ2000mm×厚み60mmである。直交部2
5、26の寸法例は、幅900mm×長さ50mm×厚み6
0mmである。厚み寸法は共通である。
【0050】図9のAに示す通り、平面部22を作業台
27上のベースホルダー28の凹部29に置く。
【0051】図9のBに示す通り、直交部23〜26を
方形になるように作業台31上のアッパーホルダー32
の凹部33に置く。
【0052】図9のCに示す通り、枠状のヒートプレー
ト34を、作業台27上のベースホルダー28の凹部2
9に置かれた平面部22の上部に、面が一致するように
置く(平面部22の周縁に置く)。これによりヒートプ
レート34と接触する平面部22の周縁が溶融する。
【0053】図9のD(詳細は図10(a)(b)に示
す)に示す通り、図9のBに示す通り直交部23〜26
が置かれたアッパーホルダー32を転置し、図9のCに
示す通り枠状のヒートプレート34の上部に面が一致す
るように置き(直交部23〜26とヒートプレート34
の面を合致させる)、軽く押さえ込む。これによりヒー
トプレート34と接触する平面部22の周縁と直交部2
3〜26の下面とが溶融する。ヒートプレートは常時加
熱されているため、10〜30秒内で接合面にある部分
は溶融する。図10の35はデジタル温度調整機、36
はヒートプレート押さえである。
【0054】図10に示す通り、アッパーホルダー32
を持ち上げて、ヒートプレート34を外して、アッパー
ホルダー32を押し下げ、平面部22及び直交部の接合
面23〜26の接合面を全周接合させる。更に、アッパ
ーホルダー32を上方から押し下げて接合させる。この
とき、アッパーホルダー32の加重ストローク5〜10
mmであり、これが溶着沈み代となる。
【0055】図9のEに示す通り、エアーガン37で接
合面を冷やす。
【0056】図12はヒートプレート34の平面図であ
る。寸法例は、全体幅1000mm×全体長さ2000mm
×厚み20mmである。残り幅は75mmである。電力密度
は0.5〜1.5W/cm2が好ましい。図13の通
り、断熱材38でヒートプレート34の端部を覆うこと
もできる。
【0057】第1の製造装置及び製造方法によれば、ホ
ットスタンピング方式であるので、ベッドクッションの
生産性が高い。例えば、サイクルタイムは、全工程で1
分以内となる可能性がある。複資材を必要とせず、電気
代、冷却エアー代程度である。設備はシンプル(安価)
でメンテナンスが容易にできる。コストメリットがあ
る。瞬時に溶着可能であるので、歩留まりがよい。製造
工程での部材のロスをなくすことができる。生産設備の
操作が簡単で誰でも安全に取扱える。アルバイトでも可
能である。移動・設置が簡単に行える。内作が可能であ
る(部品購入・社内アセンブリ等)。直交部と平面部と
が別体であるので、立体網状構造体の製造場所と、ベッ
ドの製造場所とが離れている場合、運搬しやすいという
効果がある。
【0058】次に第2の製造装置及び製造方法を説明す
る。図14に示す通り、四隅が正方形に切欠されたスプ
リング構造樹脂成形品30(図14(c)参照)を、図
14(a)〜(d)の通り、雌型40に入れ、発熱体4
1を井桁形に備えた雄型42でスプリング構造樹脂成形
品30の折曲線部43を加熱する。図15に示す通り、
スプリング構造樹脂成形品30を別の雌型44に移し変
えて入れ、スプリング構造樹脂成形品30の直交部45
を起立させるように嵌めこむ。そして、雌型44と雄型
46で型締めし、冷却によってスプリング構造樹脂成形
品30を硬化させてベッドクッション47とし、ベッド
クッション47をベッド台3に上方から垂直に嵌合す
る。発熱体41を井桁形に備えた雄型42に代えて、熱
風吹き出し装置によって折曲線部43に沿って熱風を吹
き付けて、軟化又は溶融させてもよい。
【0059】本例に拠れば、直交部が連結されたまま搬
送しなければならないので、請求項5より搬送性は若干
劣るが、製造効率がよい。雄型42はコンクリート製が
好ましい。コンクリート製の型を利用することにより、
離型剤が不要になると共に、型自体のコストが削減され
る。冷却には自然冷却又は強制冷却がある。強制冷却は
水を用いることが好ましい。
【0060】第3の製造装置及び製造方法を説明する。
図16に示す通り、四隅を正方形に欠除させたスプリン
グ構造樹脂成形品30を置き、スプリング構造樹脂成形
品30の折曲線部50をV字形断面51に切り欠き、折
曲線部50を折り曲げ、V字形断面51を熱又は接着剤
で接合し平面部52及び直交部53を形成したベッドク
ッションとし、ベッドクッションをベッド台3に上方か
ら垂直に嵌合するものである。これにより製造工程が極
めて簡素化できる。
【0061】第4の製造装置及び製造方法を説明する。
図17乃至図19に示す通り、スプリング構造樹脂成形
品30を適宜の寸法に切断し短辺の両端部を辺方向に曲
げて断面コ字形状又は断面U字形状に成形した1枚の平
面部62と、2本の直交部65,66を製造する。直交
部65,66はベッド台3の短辺の側面保護用のもので
ある。短辺に代えて長辺としてもよい。それらは直方体
である。平面部22の寸法例は、幅1000mm×長さ2
000mm×厚み60mmである。直交部65、66の寸法
例は、幅900mm×長さ50mm×厚み60mmである。
【0062】平面部62と直交部65,66との接合方
法を図18に示す。図19に示すウェブ形状のヒートプ
レート64を直交部65,66の接合面に当てて溶か
す。ヒートプレート64は2枚の平行なヒート板64a
に直交してを有する通電コード64bを備えたコネクテ
ィングプレート64cを接続したものである。そして、
図18の通り、平面部62の短辺の凹みに直交部65,
66をそれぞれ押し込んで、ベッドクッション2を製造
する。そして、ベッドクッション2をベッド台3に上方
から垂直に嵌合するものである。これにより大量生産が
可能となる。
【0063】図20は前記の第4の製造方法におけるベ
ッドクッションの別の製造方法である。図20(a)
(b)に示す通り、スプリング構造樹脂成形品30を雌
型74と雄型76で型締めし、冷却によってスプリング
構造樹脂成形品30を硬化させて平面部62とする。詳
細は図22乃至図34とその説明を援用するので参照さ
れたい。
【0064】図21は前記の第4の製造方法におけるベ
ッドクッションの異なる別の製造方法である。後述する
成形ダイ92のノズル部を変更したものである。詳細は
図23乃至図25とその説明を援用するので参照された
い。即ち、図21(a)に示す通り、成形ダイ80のノ
ズル82はコ字形状乃至U字形状に形成され、その領域
内に多数の押出穴84が形成されている。これにより製
造されたものが図(b)に示す平面部62である。
【0065】図21(c)(d)は図21(a)(b)
の変更形態である。後述する成形ダイ92のノズル部を
変更したものである。詳細は図23乃至図25とその説
明を援用するので参照されたい。即ち、図21(c)に
示す通り、成形ダイ86のノズル88はコ字形状乃至U
字形状に形成された上、端部が更に90度内側に折り曲
げられたものであり、その領域内に多数の押出穴89が
形成されている。これにより製造されたものが図(d)
に示す平面部62である。
【0066】(スプリング構造樹脂成形品30の製造方
法)次に、上記スプリング構造樹脂成形品30の製造方
法の一例について説明する。図22の模式図に示す通
り、本実施形態におけるスプリング構造樹脂成形品30
の製造方法において、好適には、PE,PP等のポリオ
レフィン系樹脂と、VAC、EVA又はSBS等の原料
樹脂は、後述するタンブラー、切り出しフィーダ、或い
は定量供給機等を経てドライブレンドされ、又は、混合
若しくは溶融混合してペレット化されて、押出成形機9
0のホッパー91へ送られる。
【0067】具体的には、原料樹脂、例えば、PPとS
BSをタンブラー(加藤理機製作所製KR混合機)で、
40rpm、15分間混合する。
【0068】次に、図23の斜視図に示す通り、この原
料樹脂から成る混合物をφ65m単軸押出成形機90の
ホッパー91より投入し、所定温度(例えば200℃〜
260℃)で溶融混錬し、成形ダイ92に設けた所定径
の多数のノズルから所定の押出速度において溶融押し出
し、後述の引取機93により引き取ることにより、所定
の線径(例えば、600〜90,000デニール、好ま
しくは3,000〜30,000デニール、より好まし
くは、6,000〜10,000デニール)の連続管4
を形成し、この溶融状態の管4に、例えば、直径1〜1
0mm、好ましくは直径1〜5mmのループを形成さ
せ、隣同士の管4とバス94内(水中)で接触絡合させ
ることによりランダムなループを形成する。このとき、
接触絡合部位の少なくとも一部は、相互に溶融接着され
ることが好ましい。このとき、連続管4は、中空のもの
と中実のものとが所定割合で混合されていても良い。
【0069】上記ランダムなループの集合である立体構
造体の厚さ及び嵩密度は、バス94内の引取機93の引
き取りロール95,95間で設定される。この立体構造
体(例えば、厚さ10〜200mm、幅2,000m
m)は、連続管4が、カール又はループ状にランダムに
成形され、水中で固化し、巻き取りロール96,96に
よりスプリング構造樹脂成形品30として取り出され
る。
【0070】また、水中においてこのループが形成され
た連続管4を引取機93により引き取る際には、引取機
93の速度を変更することで、クッション特性を変更し
ても良い。その場合、この立体構造体の嵩密度を比較的
増大させる場合、0.03〜0.08g/cm3、好ま
しくは、0.04〜0.07g/cm3、特に0.05
〜0.06g/cm3とすることが好ましい。また、こ
の立体構造体の空隙率を減少させる場合、91〜97
%、好ましくは、92〜96%、特に93〜94%とす
ることが好ましい。
【0071】また、例えば、引き取りロール95,95
の引き取り速度をタイマー等により設定時間毎に、設定
時間内、低速にする等、引取機93の引き取り速度を所
定の間隔(例えば3〜5m)で低速に調整することによ
り、スプリング構造樹脂成形品30の長手方向におい
て、所定間隔ごと(例えば、30〜50cm)に低速引
き取り時に形成された嵩密度の大きい部分とそれ以外の
部分、すなわち、粗密を連続して形成しても良い。
【0072】また、図24の正面図に示す通り、引き取
りに際し、立体構造体であるスプリング構造樹脂成形品
30を引き取りロール95,95で折り曲げることが困
難な場合には、嵩密度の粗い部分を作ることによってそ
の部位で折り曲げ、水中から引き上げることもできる。
以上の工程を経て取り出されたスプリング構造樹脂成形
品30は、切断装置97により適宜長さに切断される。
なお、バス94には給水バルブ及び排水バルブを備える
(図示略)。
【0073】また、別例として、図25の正面図に示す
通り、バス194内に切断装置197を設けたもので
は、切断装置197は引取機193下方近傍に配置し、
バス194の対向側壁には、切断部位で切断された単体
の空隙に挿入される係止突起を多数突設したコンベアか
らなる搬送装置128を備える。他の部位の構成につい
ては、100番台として上記説明を援用する。
【0074】上記製造方法によって、一例として、嵩密
度0.03g/cm3、厚さ50mmのスプリング構造
樹脂成形品30を得た。なお、立体構造体は、それぞれ
1種又は複数種の異なる特性の組合せから成るものを用
いて製造することもできる。
【0075】(スプリング構造樹脂成形品30の他の実
施形態)次に、上記実施形態のスプリング構造樹脂成形
品30以外の他の例について説明する。原料樹脂の粘弾
性挙動を活かした各種成形方法等を利用したものであ
る。
【0076】上記スプリング構造樹脂成形品30は、そ
の製造工程において、引き取り速度や熱加減によって、
部位毎にクッション特性の異なる立体構造体を任意に成
形することができる。例えば、図26(a)に示すスプ
リング構造樹脂成形品130のように、外周から中心に
向かって所定範囲毎又は徐々にクッション特性を軟らか
くすることができる。ここでは、外周に硬い部分130
a及び中心部に軟らかい部分130bを構成している。
また、図26(b)に示すスプリング構造樹脂成形品2
30のように、中心部のクッション特性を硬くすること
もできる。ここでは、中心部に硬い部分230a及び外
周に軟らかい部分230bを構成している。また、図2
6(c)に示すスプリング構造樹脂成形品330のよう
に、部分的にクッション特性を変化させることもでき
る。ここでは、軟らかい部分330bの中に部分的に硬
い部分330aを構成している(例えば2箇所)。
【0077】また、荷重や撓み量にもよるが、ベッドに
よっては表面だけ硬く構成されていれば充分なものもあ
る。このような場合、上記のように一枚の立体構造体で
密度を部分的に変える以外にも、密度の異なる薄い立体
構造体を複数枚製造し、それらを種々重ね合わせること
により、一枚のスプリング構造樹脂成形品を構成するこ
ともできる。この方法であると、原料樹脂の使用量を節
減でき、生産性の面からも好ましい。例えば、図27
(a)に示すスプリング構造樹脂成形品430のよう
に、立体構造体430aの下に嵩密度の低い立体構造体
430b、その下にはさらに嵩密度の低い立体構造体4
30cを重ねて貼り合わせて1枚のスプリング構造樹脂
成形品430を構成することができる。
【0078】また、図27(b)に示すスプリング構造
樹脂成形品530のように、部分的に熱で溶かして穴5
30aを形成することにより(パーティションブロック
成形)、部分強化することもできる。穴530aは圧縮
成形前の段階で形成しても良いし、圧縮成形後の段階で
形成しても良い。また、図27(c)に示すように、穴
530aに金具等の止め具530bを挿入することもで
きる。止め具530bは圧縮成形前の段階で挿入しても
良いし、圧縮成形後の段階で挿入しても良い。
【0079】スプリング構造樹脂成形品30を構成する
連続管4の線径は、必ずしも均等である必要はない。1
つのベッドであっても、箇所によっては、荷重のかかり
方が異なる。その範囲だけ部分的に硬くするために、嵩
密度を変える以外に、スプリング構造樹脂成形品30を
構成している連続管4自体の太さや硬さを変えることも
できる。例えば、荷重が集中するような箇所には、太い
管や樹脂の硬度の高い管を使用することが好ましい。
【0080】このとき、部分的に太い管を製造するため
には、図28(a)に示すように、成形ダイ662は、
部分的に(例えば中央部)ノズル口662aの口径を通
常のノズル口662bよりも大きくすることが好まし
い。図28(b)に示すように、この成形ダイ662で
あれば、押出される通常の連続管4と同時に部分的に
(例えば中央部から)太い管604が押出される。これ
により剛性を複合的に変化できる。
【0081】また、連続管4の材質を変えることによ
り、厚みや嵩密度は同じでも軟らかい又は硬いベッドを
成形することができる。例えば、使用する人の体重に合
わせて種々の材質を選択でき、ベッドに付加価値を与え
ることもできる。
【0082】また、スプリング構造樹脂成形品30に
は、繊維や針金等、種々のものを絡ませ、混成成形する
ことができる。これにより、例えば熱に弱い、座屈に弱
い、引っ張りに弱い等の樹脂の弱点を中に絡ませたもの
によって補強することができる。例えば、図29(a)
に示すスプリング構造樹脂成形品730のように、複数
本の針金733を、管704に絡ませることが好まし
い。また、図29(b),(c)の断面図に示すよう
に、針金733等は管704に絡ませるのみならず、管
704の中空部を通すことも好ましい。
【0083】(ベッドクッション2の熱圧縮成形)ベッ
ドクッション2をそのまま用いても良いが、要求によ
り、スプリング構造樹脂成形品30を直交部6を形成す
る前に予め熱圧縮成形し、厚みの調整及び/又はばね定
数の調整をすることもある。 (1)投入工程 図30はベッド1の圧縮成形工程の第1段階を説明する
側面断面図であり、図31は同第1段階を説明する正面
断面図である。図30又は図31の説明図に示す通り、
コンクリート製雌型811(以下単に雌型811)のキ
ャビティ812上に1枚以上のスプリング構造樹脂成形
品30を置く。このとき、2枚以上のばね特性が同一又
は異なるスプリング構造樹脂成形品30を同時に置いて
も良い。上述したように、スプリング構造樹脂成形品3
0は連続管4がランダムに絡合集合して成る空隙を備え
る立体構造体であり、この連続管4は、複数のループ又
はカールを形成している(図30の部分拡大図C参
照)。
【0084】本製造方法においては、スプリング構造樹
脂成形品30の連続管4を構成する原料樹脂の軟化点以
上の温度が必要であるため、雌型811のキャビティ8
12に給湯装置813から図中矢印に示すように湯(好
ましくは70℃以上)を入れ、スプリング構造樹脂成形
品830を加熱し軟化させる。ここで湯を使用したの
は、雌型811の内部からスプリング構造樹脂成形品3
0を加熱するためである。また、雌型811自体をヒー
タ等で加熱しても良い。このとき、熱伝導体(例えばヒ
ーター)を雌型811のコンクリートに埋め込んでいる
ことが好ましい。保温効果を高めるために雌型811の
周囲を断熱材で覆うことも好ましい(例えば木、発泡樹
脂等の容器)。また、スプリング構造樹脂成形品30を
構成する連続管4周囲の空気(中空管の場合は中空部の
空気も含む)を加熱する必要がある場合は、雌型811
の保温余熱で成形することも好ましい。さらに、給湯装
置813に代えてスチーム供給装置817等で加熱して
も良い。スチームを用いた場合は、例えば、雌型811
にスチーム注入孔を形成し、スチーム注入孔からスチー
ムをキャビティ812内に注入することとなる。型締め
段階でスチームを注入し加熱することが好ましい。こう
すると、熱が均一になると共に、より高温で成形できる
ので好ましい。また、加熱だけではなく圧力が必要にな
る形状の成形品もあるが、この場合にはスチームによる
加熱及び加圧を行うことができる。機械的に加熱できな
い形状もあるため、気圧を利用すると複雑な形状に対応
することができる。
【0085】この雌型811は、例えば、石膏等の適宜
の材質で製品の型枠を成形して、この型枠を逆さにし
て、下方に板を水平に固定し、型枠及び板に適宜に離型
剤を塗り、コンクリート粉を水で練り、これを型枠に垂
らし込んで固め、型枠から離型することにより製造され
る。コンクリートが硬化した後に、逆さにして型枠及び
板を取り外すと雌型811が完成する。このとき、型枠
を載せた板の下に空間を形成し、板を上下させてこの空
間を調整することにより、コンクリートの強度、剛性及
び厚みを調節することができる。例えば、コンクリート
の厚みを増す場合には板の固定位置を下げる。このよう
に、コンクリートは成形性に優れ、混練して型枠に流し
込むだけで製造できるため、雌型811自体のコストが
削減される上(例えば従来の金型の1/50〜1/10
0)、複雑な形状の雌型811を製造することもできる
し、同一物を容易に複製することもできる等、精度も向
上する。例えば、雌型811の製造時には同じ寸法が採
寸できる。また、コンクリートであれば製品に馴染み易
いため、型締めするだけで、ベッドクッション2の表面
を研磨したように滑らかに成形することもできる。さら
には型枠の模様まで取れる程であり、例えばビニールを
かけて型締めすることにより、ビニールの面相度から表
面に模様を付ける等の表面加工もできる。また、コンク
リートで雌型811を製造するので、ベッドクッション
2の成形時における加圧力にも好適に耐えられる上、耐
久性も高いので何万回でも使用可能である。なお、雌型
811の重量は50〜100kgが好ましい。
【0086】雄型814は雄型台814aを備える。雄
型814は、パンタグラフジャッキ815の先端に固定
具により複数箇所で固定され、パンタグラフジャッキ8
15により、雌型811のキャビティ812上のスプリ
ング構造樹脂成形品30を上から型締めするものであ
る。雄型814は、10トン以上の圧力に耐え得るもの
が好ましい。本実施形態では、1つの雄型814につ
き、複数(例えば3本)のパンタグラフジャッキ815
を設置することにより、荷重圧力を向上させると共に、
複数個所(例えば3箇所)に荷重を分散している。パン
タグラフジャッキ815は手動でもよいが、適宜モータ
815aを取り付けて自動運転も可能である。パンタグ
ラフジャッキ815の上端部は上台818に固定され、
上台818が支柱819により雌型811の上部に固定
されている。パンタグラフジャッキ815を利用するこ
とにより、設備が簡素化され、コスト削減も可能である
が、パンタグラフジャッキ815に替えて油圧シリンダ
や空気圧シリンダ等を利用しても構わない。
【0087】(2)型締め工程 図32はベッドクッション2の圧縮成形工程の第2段階
を説明する側面断面図であり、図33は同第2段階を説
明する正面断面図である。図32又は図33の説明図に
示す通り、パンタグラフジャッキ815で雄型814を
図中矢印に示すように押し下げ、型締めする。ここで、
雌型811のキャビティ812は深く絞る場合のサイズ
に設定され、ストロークを深くも浅くもできる。つまり
型に余裕を持たせてあるので、絞りのストロークの加減
によって、ベッドクッション2の厚みを可変にできる。
従って、1つの型で、いくらでも厚みを可変にできる。
また、当然、密度も可変となる。このように、雄型81
4のストロークを可変とすることで深絞りでも浅絞りで
も1種類の型で製造することができ、密度、ばね特性、
剛性を自在に変えることができる。
【0088】このストローク可変の効果として、ベッド
クッション2の厚みを薄くしたり厚くしたり調節でき
る。薄いベッドクッション2を作る場合、同じ型でスト
ロークを深くするだけで良いし、厚いベッドクッション
2を作る場合、同じ型でストロークを浅くするだけで良
い。つまり、ベッドクッション2の厚みをコントロール
できる。また、密度、ばね特性、剛性もコントロールで
きる。図示の通り、雌型811の側面の傾斜角度(テー
パ)を少なくすれば(図ではほぼ垂直である)、1つの
型でのベッドクッション2の厚さ調整が容易である。例
えば傾斜角度が1/50〜1/400(例えば1/20
0)が挙げられる。傾斜は垂直下方に対して内側又は外
側のいずれに傾斜していても良い。内側に傾きすぎると
ストロークのコントロールが難しくなることもあり得
る。これにより、1つの型で各種のベッドクッション2
の製品特性要求に応じられる。特に、同一製品であって
も、ベッドクッション2の厚さを任意に選択することも
できる。例えば、オーダーメイドに応じられる等、不特
定多数の細かなニーズにも簡単に対応できる。なお、体
重の重い人用に、圧縮率を高めて、ばね特性を硬くする
ことがある。これによりクッション性や耐久性を向上で
きる等の利点がある。
【0089】一般に、外形は人が寝る幅であるから、ほ
とんど同じであるが、ベッドクッション2の厚みはサス
ペンション特性によって各々異なるため、個々の機種に
応じてベッドクッション2の厚みをコントロールするこ
とが必要とされることがある。しかしながら、ウレタン
フォームの場合は発泡させて成形するため、一律の倍率
しか実現できない。また、浅絞り、深絞り等絞りの程度
に応じて、金型を多数揃える必要がある。本製造方法に
よれば、ウレタンフォームの以上のような問題を好適に
解決できる。
【0090】(3)トリミング工程 図34はベッドクッション2の圧縮成形工程の第3段階
を説明する平面図である。図34の説明図に示す通り、
型締め状態を所定時間維持した後、熱カッター816
で、雄型814の周縁を倣って、雄型814の端からは
み出したバリ832(図34の部分拡大図D参照)をト
リミングすると同時に端末を熱融着する。従来は、成形
後に改めて寸法取りすると共にトリミング等を行って形
状を整えていたため、端末のトリミング処理が大変であ
った。この方法であれば容易にトリミングが可能であ
る。特に、この段階でトリミングすることにより、端末
のほどけがなくなると共に、後から寸法取りする必要も
なく、処理が簡単である。
【0091】(4)離型工程 雌型811のキャビティ812に冷却水を投入し、スプ
リング構造樹脂成形品30を固化する。徐々に冷却する
のではなく、水を入れて急冷することより成形時間が短
縮できる。そして、硬化時間経過後、離型する。固化し
ているか否かの判断要素としては、パンタグラフジャッ
キ815を緩めてスプリングバックがなければ、固まっ
ている状態である。以下、雌型811及び/又はスプリ
ング構造樹脂成形品30の加熱・冷却を繰り返す。中空
管の場合、中空部の空気を考慮した適切な熱的均衡条件
を満たすことにより、スプリングバックを防止できる。
【0092】このとき、雌型811がコンクリート製で
あれば、原料樹脂が溶けて雌型811に接着することも
なく、離型剤が不要である。従来の金属型では、温度上
昇が著しく、原料樹脂が型に接着し易いという難点があ
る。そのため、ウレタンフォームの製造には離型剤は必
須であり、製造に時間と手間が掛かっている。また、コ
ンクリート製であれば、製品に馴染み易いので、同一物
を複製する能力が優れていると共に、複雑な形状も成形
可能である。
【0093】(ベッドクッション2の他の実施形態)雌
型811と雄型814でスプリング構造樹脂成形品30
を型締めする際に、段階的に加熱温度を変化させること
により、部分的に剛性を変える成形とするヒートレンジ
成形とすることもできる。例えば、下方に硬い部分(プ
レート状部分)、上方に軟らかい部分を成形することが
できる。このとき、縁部分は加熱して硬い板状に成形す
ることが好ましい。例えば、加熱してカールした縁部分
をトリミングの際に板状に成形することが好ましい。
【0094】また、雌型811と雄型814でスプリン
グ構造樹脂成形品30を型締めする際には、雌型811
をホットバーニングし、型の温度を高くし、表面部分を
融着させて硬くするエピダーミス(表皮)成形とするこ
ともある。スプリング構造樹脂成形品30の表面だけ溶
かし表皮を形成することができるので、後加工でコーテ
ィングする(例えば織物等を被せる)必要がない。つま
り、型の中でスプリング構造樹脂成形品30の表面を溶
かしてシボを作ると同時に一体成形することもある。ま
た、ベッドクッション2の解け(ほどけ)防止、防水性
を必要とする場合、又は素材を好適に保護する場合に
は、ホットバーニングして表皮を形成することが特に好
ましい。
【0095】本実施形態におけるスプリング構造樹脂成
形品30から成るベッドクッション2は、通気性を備え
ていることからも、後工程において、織物等の外皮を被
せない方が良い場合もある。この場合は、スプリング構
造樹脂成形品30の周囲を網で覆って圧縮成形すること
が好ましい。また、網は圧縮成形後にベッドクッション
2に被せるものであっても良い。網は撥水性の素材(例
えば、プラスチック製)からなるものが好ましい。これ
により、通気性が好適に確保されるため、特に湿度が高
い地域や季節には効果的である。また、網がベッドクッ
ション2の解けを防止し、好適に保護するため耐久性に
おいても優れている。網の目の密度は適宜で良い。な
お、網を被せてから外皮を被せることもある。
【0096】(型の他の実施例)雌型811と雄型81
4の上下の配置を逆にすることもできる。この構成であ
れば、コンクリートから成る雌型811の自重が重石代
わりとなり、自重を利用して圧縮成形することができ
る。また、雌型811及び雄型814共にコンクリー
ト、金属、FRP等で成形することも好ましい。このと
き、重量の重い方を上型(加圧側)にすれば、上型の自
重を利用して圧縮成形することができる。例えば、上型
を重量コンクリート、下型を軽量コンクリートとする
例、上型を大型のもの、下型を小型のものとする例が挙
げられる。
【0097】本実施例においては、早く均等に型締めす
るためにパンタグラフジャッキ815を利用している
が、重力を利用して型の自重によって型締めする場合、
パンタグラフジャッキ815が不要となる場合もある。
例えば、雄型814をばね素材等から成るバランサー等
で吊るし、雄型814の自重を利用して雌型811とで
型締めすることができる。また、雌型811と雄型81
4をヒンジで接合し、雄型814を所定角度まで開き、
可動させ、雄型814の自重を利用して雌型811と型
締めすることができる。パンタグラフジャッキ815に
代えて油圧シリンダでもよい。
【0098】なお、雌型811はコンクリート製が好ま
しいとしたが、多少のトリミング、マージンを取り、延
展率を設計する等、既設のウレタンフォーム製造設備用
の金型を多少改良すれば、既存設備を活用することもで
きる。例えば、既存設備は、原料樹脂(液体)をキャビ
ティに投入し、下型と上型内で発泡させているが(二液
混合発泡)、それをスプリング構造樹脂成形品30を投
入し、型締めし、型のクランプ端面でスプリング構造樹
脂成形品30をクランプすることで端末部分をトリミン
グするように改良すれば、特別に製造設備をコンクリー
トで新設しなくても本実施例におけるベッドクッション
2を得ることができる。或いは、上型を取ってから熱カ
ッターでトリミングすることも好ましい。既存設備の型
は、例えば、鉄等の金属であっても良い。型は、コンク
リート、金属が好ましいが、繊維強化プラスチック(F
RP)等の複合合成樹脂材料から構成したものであって
も良い。
【0099】また、成形要件には空気の温度条件、温度
管理も重要である。成形時に原料樹脂は軟化するが、分
子レベルの結合ではなく、完全に溶融するわけではない
ので、スプリング構造樹脂成形品30内部の空気はその
まま保たれている。このとき、空気の温度と原料樹脂の
軟化温度が均衡状態になっている必要がある。従って、
温度を上げた状態から急激に冷却しても、内部の空気の
温度も均等になるまで、型締め状態を維持しないと、熱
で空気が膨張してスプリングバックが起こり、成形でき
ないことがあり得る。
【0100】
【発明の効果】請求項1に記載されたスプリング構造樹
脂成形品から成るベッド及びその製造方法によれば、所
望の耐加重強度及び耐衝撃性等の物性を有するスプリン
グ構造樹脂成形品から成るベッドを短時間で容易に製造
することができ、大量生産も可能である。熱成形である
から、個々の形状及び大きさ等、自由に加工することが
できる。
【0101】型締め状態のときに雄型に倣って熱カッタ
ーで端末を切断及び融着することにより、容易にトリミ
ング可能である。特に、この段階でトリミングすること
により、端末のほどけがなくなると共に、成形後に改め
て寸法取り及びトリミング処理等して形状を整える必要
もなくなり、処理負担を軽減できる。
【0102】また、型締めの際のストローク調整やスプ
リング構造樹脂成形品の設定(例えば、管の太さ、材
質、嵩密度、空隙率等)によって、ベッドの厚みやクッ
ション性能を簡単に変更できる。具体的には、金型を多
数揃える必要もなく、1種類の型で各種の製品要求特性
に応じることが可能である。例えば、個人の体重に応じ
てサスペンション特性を好適に対応させることができ
る。また、ベッドの素材は全体として一定でありながら
も、圧縮成形により絞りをかけることにより、ばね特性
や剛性等の設定が自由自在である。要求に応じて、複雑
な工程を経ずに、ばね特性を可変にできる。
【0103】また、ウレタンフォームの二次加工よりも
簡単であり、ウレタンフォーム製造時に使用していたT
DI等の毒性の高い原料を使用しないため、製造時に有
毒ガスを発生することが無く作業環境が良い。
【0104】また、本製造方法によれば、熱可塑性樹脂
製食用油包装容器及び廃棄農業用プラスチックフィルム
等の再利用用途としての再生樹脂であるPE等の樹脂を
高付加価値な製品として再生することもできると共に、
スプリング構造樹脂成形品から成るベッド自体が、再溶
融することにより、何回でも再生可能である。このよう
に、リサイクル性に優れており、使用済み後の環境にも
負荷を与えないよう配慮されている。また、リサイクル
樹脂の使用が可能であるので、安価に製造することが可
能である。
【0105】本製造方法により製造されたスプリング構
造樹脂成形品から成るベッドは、耐久性及び耐へたり性
に優れており、局部的な沈み込みが少なく、底付き感及
び揺動感もない。また、座った際に、体に接触する部位
全体で均一に荷重を受け止め、圧力を分散させることが
可能であるので、長時間使用しても疲労し難く、座り心
地が向上する。このように、ウレタンフォームにはない
独特の座り心地が得られる。
【0106】本製造方法により製造されたスプリング構
造樹脂成形品から成るベッドは、ばね特性が高いので、
従来、ベッドに用いられていたコイルスプリングが不要
になる。従って、シンプルな構造になると共に、重心が
下がることにより、安定性が向上する。
【0107】本製造方法により製造されたスプリング構
造樹脂成形品から成るベッドは、完全な連続空隙を有す
る構造体であるので、通気性が抜群である。従って、蒸
れることがない。また、ベッドを通して冷暖房ダクトか
ら冷暖房用空気を通気させベッドに冷暖房機能を備える
こともできる。さらに、水洗いも可能であり、乾燥も早
い。
【0108】以上のことから、本発明におけるスプリン
グ構造樹脂成形品から成るベッド及びその製造方法は、
人が寝るところにおいて、従来のウレタンフォームの代
替材として好適に利用することができるスプリング構造
樹脂成形品から成るベッドの製造方法として好適であ
る。
【0109】なお、本発明におけるスプリング構造樹脂
成形品から成るベッドの製造方法の実施の形態は、上記
に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属す
る限り種々の形態を採り得るものである。また、本発明
の技術的思想を逸脱しない範囲において、改変等を加え
ることができるものであり、それらの改変、均等物等も
本発明の技術的範囲に含まれることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のベッドの、反転した状態のベッド
クッションの斜視図である。
【図2】(a)は本実施形態のベッドの断面図、(b)
は同平面図である。
【図3】(a)は本実施形態のベッドのベッド台の平面
図、(b)は同側面図、(c)は変形例のベッド台であ
る。
【図4】本実施形態の変更形態であるベッドの断面図で
ある。
【図5】(a)は変更形態のベッドのベッド台の平面
図、(b)は同側面図、(c)は変形例のベッド台であ
る。
【図6】(a)は本実施形態であるベッドクッションの
接合部分の拡大断面図、(b)は変更形態であるベッド
クッションの接合部分の拡大断面図、(c)は他の変更
形態であるベッドクッションの接合部分の拡大断面図、
(d)は、さらに異なる他の変更形態であるベッドクッ
ションの接合部分の拡大断面図である。
【図7】(a)(b)は別の変更形態であるベッドクッ
ションの接合部分の拡大断面図である。
【図8】(a)(b)は短い直交部の平面図、(c)
(d)は長い直交部の平面図、(e)(f)は長い直交
部の側面図、(g)は平面部の平面図、(h)は平面部
の側面図である。
【図9】A〜Eはベッドクッションの第1の製造方法及
び製造装置を示す説明図である。
【図10】(a)(b)は前記製造工程Dにおける拡大
説明図である。
【図11】平面部と直交部とが接合される様子を示す説
明図である。
【図12】ヒートプレートとデジタル温度調整機の平面
図である。
【図13】(a)(b)はそれぞれ断熱材で端部を部分
的に覆ったヒートプレートの平面図及び正面図である。
【図14】(a)(b)は第2の製造方法及び製造装置
の前段を示す説明図である。
【図15】第2の製造方法及び製造装置の後段を示す説
明図である。
【図16】第3の製造方法を示す説明図である。
【図17】(a)(b)は第4の製造方法における短辺
となる直交部の平面図、(c)は平面部の平面図、
(d)は平面部の側面図である。
【図18】(a)〜(c)は第4の製造方法において、
平面部と直交部との接合方法を示す説明図である。
【図19】第4の製造方法におけるヒートプレートの平
面図である。
【図20】(a)(b)は第4の製造方法における平面
部の別の製造方法である。
【図21】(a)〜(d)は第4の製造方法における平
面部の更に異なる別の製造方法である。
【図22】スプリング構造樹脂成形品30の製造方法の
工程を示す模式図である。
【図23】スプリング構造樹脂成形品30の製造方法を
示す斜視図である。
【図24】スプリング構造樹脂成形品30の他の製造方
法を示す実施例である。
【図25】スプリング構造樹脂成形品30のさらに他の
製造方法を示す実施例である。
【図26】(a),(b),(c)はスプリング構造樹
脂成形品30の他の実施例を示す断面図である。
【図27】(a),(b),(c)はスプリング構造樹
脂成形品30のさらに他の実施例を示す断面図である。
【図28】(a),(b)は成形ダイ662の裏面図及
び斜視図である。
【図29】(a),(b),(c)はスプリング構造樹
脂成形品30又は連続管4の他の実施例を示す断面図で
ある
【図30】ベッド1の圧縮成形工程の第1段階を示す説
明図である。
【図31】ベッド1の圧縮成形工程の第1段階を示す他
の角度からの説明図である。
【図32】ベッド1の圧縮成形工程の第2段階を示す説
明図である。
【図33】ベッド1の圧縮成形工程の第2段階を示す他
の角度からの説明図である。
【図34】ベッド1の圧縮成形工程の第3段階を示す説
明図である。
【符号の説明】

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも熱可塑性樹脂から成るランダム
    なループをなす連続管の相互を部分的に融着して成る所
    定の嵩密度の空隙を備える板状のスプリング構造樹脂成
    形品の周縁全部又は一部に直交部を形成したベッドクッ
    ションを、ベッド台の上部に嵌合することを特徴とする
    スプリング構造樹脂成形品から成るベッド。
  2. 【請求項2】前記スプリング構造樹脂成形品は、平面部
    と直交部とからなり、平面部の周縁水平上面に前記直交
    部を垂直に接続したことを特徴とする請求項1のスプリ
    ング構造樹脂成形品から成るベッド。
  3. 【請求項3】前記ベッドクッションが断面コ字形状であ
    り、直交部が平面部の長さより短尺である請求項1又は
    2のスプリング構造樹脂成形品から成るベッド。
  4. 【請求項4】前記直交部は前記平面部の周囲全部に連続
    的に形成されたことを特徴とする請求項1乃至3いずれ
    かのスプリング構造樹脂成形品から成るベッド。
  5. 【請求項5】前記直交部と前記平面部の厚みが同一であ
    ることを特徴とする請求項1乃至4いずれかのスプリン
    グ構造樹脂成形品から成るベッド。
  6. 【請求項6】前記直交部から前記平面部と平行に内側に
    延び出す延長部を備えた請求項2又は5のスプリング構
    造樹脂成形品から成るベッド。
  7. 【請求項7】前記直交部と前記平面部とが夫々袋状のカ
    バー部で覆われ、夫々のカバー部の隣接する端部がヒン
    ジ結合をしている請求項1乃至6いずれかのスプリング
    構造樹脂成形品から成るベッド。
  8. 【請求項8】前記ベッド台は、長手方向に長尺の複数の
    中空部を備えた板状体であって、該中空部は前記板状体
    の側面で開口している請求項1乃至7いずれかのスプリ
    ング構造樹脂成形品から成るベッド。
  9. 【請求項9】前記ベッド台は、前記中空部から上方に向
    かって貫通穴を形成し、前記開口部と前記貫通穴が連通
    している請求項8のスプリング構造樹脂成形品から成る
    ベッド。
  10. 【請求項10】少なくとも熱可塑性樹脂から成るランダ
    ムなループをなす連続管の相互を部分的に融着して成る
    所定の嵩密度の空隙を備えるスプリング構造樹脂成形品
    からなる平面部をベースホルダーに置き、 少なくとも熱可塑性樹脂から成るランダムなループをな
    す連続管の相互を部分的に融着して成る所定の嵩密度の
    空隙を備えるスプリング構造樹脂成形品からなる直交部
    をアッパーホルダーに保持し、 前記平面部及び直交部の接合面に発熱体を介在させて、
    該接合面を溶融し、 前記発熱体を離脱させ、 前記平面部及び直交部の接合面を接合させ、 前記アッパーホルダーを上方から押し下げ、 冷却によって前記接合面を硬化させて前記平面部及び直
    交部と一体化したベッドクッションとなし、 該ベッドクッションをベッド台に上方から垂直に嵌合す
    ることを特徴とするスプリング構造樹脂成形品から成る
    ベッドの製造方法。
  11. 【請求項11】雌型の上に、少なくとも熱可塑性樹脂か
    ら成るランダムなループをなす連続管の相互を部分的に
    融着して成る所定の嵩密度の空隙を備え四隅を方形に欠
    除させたスプリング構造樹脂成形品を台又は型に置き、 発熱体で前記スプリング構造樹脂成形品の折曲線部を加
    熱し、 前記雌型と雄型で前記スプリング構造樹脂成形品の直交
    部を起立させて型締めし、 冷却によって前記スプリング構造樹脂成形品を硬化させ
    てベッドクッションとし、 該ベッドクッションをベッド台に上方から垂直に嵌合す
    ることを特徴とするスプリング構造樹脂成形品から成る
    ベッドの製造方法。
  12. 【請求項12】少なくとも熱可塑性樹脂から成るランダ
    ムなループをなす連続管の相互を部分的に融着して成る
    所定の嵩密度の空隙を備える四隅を方形に欠除させたス
    プリング構造樹脂成形品を置き、 前記スプリング構造樹脂成形品の折曲線部をV字形に切
    り欠き、 前記スプリング構造樹脂成形品の折曲線部を折り曲げ、 前記V字形断面を熱又は接着剤で接合し直交部を形成し
    たベッドクッションとし、 該ベッドクッションをベッド台に上方から垂直に嵌合す
    ることを特徴とするスプリング構造樹脂成形品から成る
    ベッドの製造方法。
  13. 【請求項13】少なくとも熱可塑性樹脂から成るランダ
    ムなループをなす連続管の相互を部分的に融着して成る
    所定の嵩密度の空隙を備えるスプリング構造樹脂成形品
    の一対の短辺又は一対の長辺の端部を曲げた断面U字形
    状乃至コ字形状の平面部に、 少なくとも熱可塑性樹脂から成るランダムなループをな
    す連続管の相互を部分的に融着して成る所定の嵩密度の
    空隙を備えるスプリング構造樹脂成形品からなる一対の
    直交部の端面を溶融し、 前記平面部の前記曲げられていない辺に前記直交部を嵌
    合させて融着させ、 冷却によって前記接合面を硬化させて前記平面部及び直
    交部と一体化したベッドクッションとなし、 該ベッドクッションをベッド台に上方から垂直に嵌合す
    ることを特徴とするスプリング構造樹脂成形品から成る
    ベッドの製造方法。
  14. 【請求項14】請求項1乃至9のベッド又は請求項10
    乃至13のスプリング構造樹脂成形品から成るベッドの
    製造方法に適用されるスプリング構造樹脂成形品からな
    るクッション材。
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