JP2003307879A - 電子写真用トナー - Google Patents

電子写真用トナー

Info

Publication number
JP2003307879A
JP2003307879A JP2002114398A JP2002114398A JP2003307879A JP 2003307879 A JP2003307879 A JP 2003307879A JP 2002114398 A JP2002114398 A JP 2002114398A JP 2002114398 A JP2002114398 A JP 2002114398A JP 2003307879 A JP2003307879 A JP 2003307879A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
carbon black
group
binder resin
aluminum
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002114398A
Other languages
English (en)
Inventor
Sayaka Fujita
さやか 藤田
Takatsuru Matsumoto
香鶴 松本
Toshihiko Murakami
登司彦 村上
Eiji Tenjiku
英司 天竺
Masahiro Sakai
正博 酒井
Takeshi Kato
武 加藤
Yasunori Matsuo
恭典 松生
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2002114398A priority Critical patent/JP2003307879A/ja
Publication of JP2003307879A publication Critical patent/JP2003307879A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 流動性、帯電性ともに優れ、低温低湿から高
温高湿環境まで環境安定性に優れたトナーを提供する。 【解決手段】 結着樹脂、カーボンブラックおよび有機
金属化合物を含有するトナーにおいて、結着樹脂が、ポ
リエステル系の樹脂を主成分とする熱可塑性の樹脂であ
り、カーボンブラックの平均一次粒子径が20〜80n
mであり、有機金属化合物が、下記式(1) 【化1】 (式中、R1とR2はそれぞれ独立して、直鎖または分岐
したアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、ハロゲ
ン原子、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、カルボキシル
基あるいは水酸基を示し、m及びnは0乃至5の整数を
示す。)で表されるベンジル酸のアルミニウム化合物で
あり、トナーが、外添剤として、一次粒子の平均粒子径
が0.001〜0.2μmの無機微粉体を有しており、
トナーの重量平均径が、4〜10μmであるトナー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
記録法、静電印刷法等において形成される静電潜像の現
像に用いられる電子写真用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】複写機やプリンターの高速化及び小型化
に伴い、より一層定着可能温度域が広いトナーの開発が
望まれている。しかしながら定着性と帯電性、流動性、
環境安定性をすべて満足するトナーは得られていないの
が現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、本発明の目
的は、流動性、帯電性ともに優れ、低温低湿から高温高
湿環境まで環境安定性に優れたトナーを提供することに
ある。さらに、本発明の目的は、十分な画像濃度が得ら
れるトナーを提供することにある。さらに、本発明の目
的は、耐凝集性、耐久性に優れたトナーを提供すること
にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、結着樹脂、カ
ーボンブラックおよび有機金属化合物を含有するトナー
において、該結着樹脂が、ポリエステル系の樹脂を主成
分とする熱可塑性の樹脂であり、該カーボンブラックの
平均一次粒子径が20〜80nmであり、該有機金属化
合物が、下記式(1)
【化2】 (式中、R1とR2はそれぞれ独立して、直鎖または分岐
したアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、ハロゲ
ン原子、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、カルボキシル
基あるいは水酸基を示し、m及びnは0乃至5の整数を
示す。)で表されるベンジル酸のアルミニウム化合物で
あり、該トナーが、外添剤として、一次粒子の平均粒子
径が0.001〜0.2μmの無機微粉体を有してお
り、該トナーの重量平均径が、4〜10μmであること
を特徴とするトナーを提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明において、有機金属化合物
として上記式(1)で示されるベンジル酸のアルミニウ
ム化合物を使用すると共に、平均一次粒子径が20〜8
0nmであるカーボンブラックを使用することが大きな
特徴である。この式(1)で表されるベンジル酸のアル
ミニウム化合物と平均一次粒子径が20〜80nm、好
ましくは30〜70nmであるカーボンブラックを使用
することにより、トナーの飽和帯電量は必要レベル以上
に上昇することなく、適したレベルに抑えることができ
る。
【0006】本発明においては、特に、高温高湿環境下
における帯電維持およびトナーの耐ブロッキング性能が
向上することがあげられる。即ち、低抵抗であるカーボ
ンブラックの帯電緩和は特に高湿環境下で起こりやす
く、帯電不良によるトナー飛散やカブリの原因となりや
すい。この問題への対策として、式(1)で表わされる
有機金属化合物を用いることが極めて有効であることを
見いだした。
【0007】また通常、定着性に優れる比較的柔らかい
ポリエステルを主成分とする結着樹脂を用いることによ
り、高温環境にトナーを放置した場合、トナー粒子同士
がくっつき合って塊状になるブロッキングと呼ばれる現
象が起こりやすい。ところが、式(1)で表わされる有
機金属化合物およびカーボンブラックの構成を用いるこ
とにより、ブロッキングも改善されることが見い出され
た。
【0008】カーボンブラックの平均一次粒子径を20
〜80nmとするのは、カーボンブラックの樹脂中での
分散及びトナーの着色性を考慮したものである。カーボ
ンブラックの平均一次粒子径が20nmより小さいと、
一次粒子同士の凝集が発生しやすく、樹脂、カーボンブ
ラック等のトナー材料を混合撹拌する際の効率が悪く、
均一に分散できない。樹脂、カーボンブラックなどの材
料の分散不良は、トナーにした際の画像の濃度(黒色
度)の低下を起こすので、これらの材料は均一に分散さ
れている必要がある。また、逆に平均一次粒子径が80
nmより大きいと、トナー中に分散されたカーボンブラ
ックの表面積が減少し黒色度が低下する。その結果、電
荷の漏洩は防止できても、着色効果が低下し濃度の安定
に寄与しなくなるからである。本発明で使用するカーボ
ンブラックの平均一次粒子径は、電子顕微鏡写真の粒子
径を直接測定することにより、個数平均の一次粒子径と
して決定される。また、粒子径10nm以下および25
0μm以上の一次粒子径のカーボンブラックの含有個数
割合は30%以下であることが好ましい。
【0009】本発明に使用できるカーボンブラックの市
販品として、例えば米国キャボット社製リーガル(RE
GAL)400R,500R,660R;コロンビヤン
・カーボン日本(株)製ラベン(RAVEN)H20,
ラベン16,ラベン14,ラベン430,ラベン45
0,ラベン500;***デグサ社製プリンテクス(Pr
intex)200,プリンテクスA,スペシャルブラ
ック4,プリンテクスG;等が挙げられる。また、これ
らのカーボンブラックは単独であるいは二種以上を種々
の組成に組み合わせて用いることができる。その中で
も、pHが6〜10であることがトナー粒子中での良好
な分散をさせる上でより好ましい。カーボンブラックの
pHとは、カーボンブラックと純水とを沸騰した後の懸
濁液のpHを測定した時の値をいい、この領域を外れた
ものは、本発明のベンジル酸のアルミニウム化合物の存
在下では凝集しやすいことが見いだされた。したがっ
て、pHが6〜10であることが好ましく、更に好まし
くはpH7〜9が好適である。
【0010】また好ましいものとして、カーボンブラッ
クのBETの値が20〜160m2/gであるものがあ
げられる。カーボンブラックのBETの値とは、カーボ
ンブラックのBET法での窒素吸着による比表面積の値
である。BET法比表面積が20m2/gより低いと粒
子が大きくなり過ぎ着色力が劣り、また160m2/g
より高いと粒子が細かいために製造にシェアーがかかり
にくくなりカーボンブラックの分散不良になりやすい。
【0011】また、好ましくはDBP(ジブチルフタレ
ート)吸油量が160ml/100g以下であるカーボ
ンブラックを上記ベンジル酸のアルミニウム化合物と同
時に使用することである。ここで、カーボンブラックの
DBP吸油量とは以下の通りである。20gのカーボン
ブラックをブラストグラフの中にいれる。これにDBP
を滴下しながらニーダーで練る。このニーダーにはトル
ク測定機がついたものでなければならない。DBPの添
加量につれてトルク値は上昇していき、最大のトルク値
になった時のDBP量を読み取り、カーボンブラック1
00gに対するDBP値に換算したものである。一般に
カーボンブラックの吸油量が多いほどカーボンブラック
のチェーンストラクチャーが長く、トナー粒子中に導電
経路が形成され電荷の漏洩を引き起こしやすい。したが
って、本発明ではチェーンストラクチャーの比較的短い
DBP吸油量が160ml/100g以下のカーボンブ
ラックを用いることにより、トナー粒子中に導電経路が
形成されにくくし電荷の漏洩を防止する。これにより、
トナー粒子の帯電量分布をシャープにでき、未帯電ある
いは逆帯電トナーの発生を防ぐものと推察される。
【0012】本発明に用いる式(1)で表わされるベン
ジル酸のアルミニウム化合物は、アルミニウム1原子に
対して、相当するベンジル酸を1乃至3分子有するアル
ミニウム化合物であって、当該化合物が錯体あるいは錯
塩を形成したものであっても何ら構わない。また本発明
においては、アルミニウム1原子に対して、ベンジル酸
を1乃至3分子有するアルミニウム化合物を有する混合
物を用いても良い。この有機金属化合物はアルミニウム
1原子に対してベンジル酸の数が増えるほど、トナーの
電荷安定性は増大する。これは、ベンジル酸が多いほ
ど、この化合物が電荷を保持しやすくなるからだと考え
られる。また、本発明のトナーには、アルミニウム化合
物となっていない、無置換の又は置換基を有するベンジ
ル酸をベンジル酸のアルミニウム化合物基準で20wt
%未満で含有していてもよい。
【0013】式(1)で示されるベンジル酸のアルミニ
ウム化合物の中でも、下記式(2)で表わされる無置換
のベンジル酸のアルミニウム化合物は、反応の安定性、
帯電の絶対値、画像濃度安定性、忠実な色再現性等々の
点で特に優れている。
【化3】
【0014】また、以下に本発明で用いられる置換基を
有するベンジル酸の具体例を挙げるが、特にこれらに限
定するものではない。
【化4】
【0015】
【化5】
【0016】次に、本発明のトナーにおいて好ましく用
いられるベンジル酸のアルミニウム化合物を挙げるが、
本発明は、これらのベンジル酸のアルミニウム化合物に
限定されるものではない。
【化6】 (式中、Xは1価のカチオン、例えば水素、リチウム、
ナトリウム、カリウム、アンモニウム及びアルキルアン
モニウムを表わす。)
【0017】
【化7】
【0018】
【化8】
【0019】
【化9】 (式中、Aは1価のアニオン、例えばハロゲン、水酸イ
オン、カルボン酸イオン及び硝酸イオンを表わす。)
【0020】
【化10】 (式中、Bは2価のアニオン、例えば炭酸イオン、硝酸
イオンを表わす。)
【0021】本発明のトナーに好ましく用いられるベン
ジル酸のアルミニウム化合物は、例えば、上記の如き未
置換又は置換基を有するベンジル酸と硫酸アルミニウム
(Al2(SO43)等のアルミニウム塩とを所望のモ
ル比で混合し、アルカリ雰囲気下で加熱反応させ、得ら
れた沈殿物を濾別採取し、更に水洗、乾燥することによ
って得ることができる。但し、本発明に係るベンジル酸
のアルミニウム化合物の製法はこれに限定されるもので
はない。
【0022】本発明のベンジル酸のアルミニウム化合物
をトナーに含有させる方法としては、トナー内部に添加
する方法と外添する方法がある。内添する場合の好まし
い添加量としては結着樹脂100重量部に対して0.1
〜10重量部、より好ましくは、0.5〜8重量部の範
囲で用いられる。また、外添する場合は、0.01〜5
重量部が好ましく、特にメカノケミカル的にトナー表面
に固着させるのが好ましい。本発明のトナーにおいては
内添する方が好ましい。
【0023】また本発明のベンジル酸のアルミニウム化
合物は、従来の技術で述べたような公知の電荷制御剤と
組み合わせて使用することもできる。例えば、他の有機
金属錯体、金属塩、キレート化合物で、モノアゾ金属錯
体、アセチルアセトン金属錯体、ヒドロキシカルボン酸
金属錯体、ポリカルボン酸金属錯体、ポリオール金属錯
体などがあげられる。そのほかには、カルボン酸の金属
塩、カルボン酸無水物、エステル類などのカルボン酸誘
導体や芳香族系化合物の縮合体などもあげられる。また
ビスフェノール類、カリックスアレーンなどのフェノー
ル誘導体なども用いられる。
【0024】本発明において、結着樹脂としては、ポリ
エステル樹脂を主成分として用いることが好ましい。ポ
リエステル樹脂は、トナーの結着樹脂として用いた場合
に、定着性に優れている。しかしながら、ポリエステル
樹脂は、負帯電能が強く、帯電が過大になりやすい。さ
らに高温高湿環境下では、特にカーボンブラックを用い
た場合に帯電量が低下しやすい等の欠点があるが、上述
した通り、ベンジル酸のアルミニウム化合物を使用する
ことにより、その弊害は改善され、優れたトナーが得ら
れる。
【0025】さらに本発明においては、トナーがベンジ
ル酸のアルミニウム化合物を含有している時、カーボン
ブラックの分散性向上にも寄与し、鮮明な画像が得られ
る。加えて、トナーからのカーボンブラックの脱離防止
にも効果を発揮し、定着ローラーへの汚れ防止や、感光
体へのトナーフィルミング防止、さらには、キャリア表
面へのスペント防止にも寄与する。ベンジル酸のアルミ
ニウム化合物がカーボンブラックの分散性向上にも機能
する理由としては、ポリエステル樹脂とベンジル酸のア
ルミニウム化合物との相互作用によって、一部架橋反応
が進み、混練時の着色剤にかかるシェアーを増大させる
ことによって、カーボンブラックの分散性の向上を達成
したものと考えられる。これによって、低温側での迅速
溶融性は維持した状態で高温側での耐オフセット性向上
にも寄与できる。その結果、定着性と画像濃度そして帯
電性のすべてにおいて同時に満足し得るトナーになり得
る。
【0026】本発明の結着樹脂として用いられるポリエ
ステル樹脂の2価のアルコール成分としては、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジ
オール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオ
ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−
ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、また式
(A)で表わされるビスフェノール及びその誘導体;
【化11】 (式中、Rはエチレンまたはプロピレン基であり、x,
yはそれぞれ0以上の整数であり、かつ、x+yの平均
値は0〜10である。)。
【0027】また、式(B)で示されるジオール類;
【化12】 であり、x′,y′は0以上の整数であり、かつ、x′
+y′の平均値は0〜10である。)が挙げられる。
【0028】2価の酸成分としては、例えばフタル酸、
テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸などのベン
ゼンジカルボン酸類又はその無水物、低級アルキルエス
テル;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン
酸などのアルキルジカルボン酸類又はその無水物、低級
アルキルエステル;n−ドデセニルコハク酸、n−ドデ
シルコハク酸などのアルケニルコハク酸類もしくはアル
キルコハク酸類、又はその無水物、低級アルキルエステ
ル;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸
などの不飽和ジカルボン酸類又はその無水物、低級アル
キルエステル、等のジカルボン酸類及びその誘導体が挙
げられる。
【0029】また、架橋成分としても働く3価以上のア
ルコール成分と3価以上の酸成分を併用することが好ま
しい。3価以上の多価アルコール成分としては、例えば
ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、
1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタ
エリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,
4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオー
ル、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2
−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロ
ールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−ト
リヒドロキシベンゼン等が挙げられる。
【0030】また、本発明における3価以上の多価カル
ボン酸成分としては、例えばトリメリット酸、ピロメリ
ット酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,
2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタ
レントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカル
ボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,
5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル
−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テト
ラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−
オクタンテトラカルボン酸、エンポール三量体酸、及び
これらの無水物、低級アルキルエステル、次式
【0031】
【化13】 (式中、Xは炭素数1以上の側鎖を1個以上有する炭素
数1〜30のアルキレン基又はアルケニレン基を示す)
で表わされるテトラカルボン酸等、及びこれらの無水
物、低級アルキルエステル等の多価カルボン酸類及びそ
の誘導体が挙げられる。
【0032】本発明に用いられるアルコール成分として
は40〜60mol%、好ましくは45〜55mol
%、酸成分としては60〜40mol%、好ましくは5
5〜45mol%であることが好ましい。また3価以上
の多価の成分は、全成分中の1〜60mol%であるこ
とも好ましい。該ポリエステル樹脂は、通常一般に知ら
れている縮重合によって得られる。
【0033】本発明において、結着樹脂は、酸価が2.
0乃至50.0mgKOH/gであることが好ましい。
より好ましくは3.0乃至40.0mgKOH/g、さ
らに好ましくは5.0乃至30.0mgKOH/gであ
ると、各環境において優れた帯電安定性が得られるので
好ましい。結着樹脂の酸価が2.0mgKOH/gより
小さい場合には、トナーはチャージアップ傾向を示し、
低温低湿環境下で画像濃度低下を起こしやすい。さら
に、ベンジル酸のアルミニウム化合物の樹脂への分散性
が若干低下しトナー粒子間同士での帯電量に違いが生じ
やすくなり、長期の耐久で若干カブリが発生しやすくな
る。
【0034】結着樹脂の酸価が50.0mgKOH/g
より大きい場合には、トナーの帯電の経時安定性が低下
し、耐久とともに帯電量が低下しやすい。特に高温高湿
環境下ではトナー飛散、カブリといった画像欠陥が生じ
やすくなる。本発明において、トナーの保存性と定着性
さらには他のカラートナーとの混色性を考慮した場合、
結着樹脂のガラス転移温度は50〜70℃、好ましくは
52〜68℃であることが良い。結着樹脂のガラス転移
温度が50℃未満の場合には、定着性には優れるもの
の、耐オフセット性が低下し、定着ローラーへの汚染や
定着ローラーへの巻き付きが発生し好ましくない。さら
に定着後の画像表面のグロスが高くなりすぎてしまい画
像品位が低下して好ましくない。結着樹脂のガラス転移
温度が70℃よりも高い場合には、定着性が悪化し、複
写機本体の設定定着温度を上げざるを得ず、得られた画
像は一般にグロスが低く、フルカラートナー用としては
混色性が低下する。
【0035】本発明に用いられる結着樹脂は、数平均分
子量(Mn)が好ましくは1,500〜20,000、
より好ましくは2,000〜15,000、重量平均分
子量(Mw)が好ましくは6,000〜100,00
0、より好ましくは8,000〜80,000であり、
Mw/Mnが好ましくは3〜10であることが良い。結
着樹脂の数平均分子量(Mn)が20,000を超える
場合又は重量平均分子量(Mw)が100,000を超
える場合には、いずれも、耐オフセット性に優れるもの
の、定着設定温度を高くせざるを得ないし、また、カー
ボンブラックの分散性が悪くなり、使用中の濃度変動が
大きくなる傾向が見られる。
【0036】本発明のトナーにおいて用いられる外添剤
として、例えば、シリカ微粉体、アルミナ微粉体、酸化
チタン微粉体、酸化ジルコニウム微粉体、酸化マグネシ
ウム微粉体、酸化亜鉛の如き金属酸化物の微粉体;チッ
化ホウ素微粉体、チッ化アルミニウム微粉体、チッ化炭
素微粉体の如きチッ化物;さらにチタン酸カルシウム、
チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、チタン酸
マグネシウムが挙げられる。本発明においては特に平均
一次粒子径0.001〜0.2μmの無機微粉体を用い
るのが好ましい。
【0037】上記添加剤においては、トナーの流動性を
高めるばかりでなく、トナーの帯電性を阻害しないこと
も重要な因子となる。よって本発明のトナーにおいて
は、無機微粉体が表面疎水化処理されていることが更に
好ましく、流動性の付与と帯電の安定化を同時に満足し
得ることが可能となる。すなわち疎水化処理されている
ことにより、帯電量を左右する因子である水分の影響を
除外し、高湿下及び低湿下での帯電量の格差を低減する
ことで環境特性を向上させることが可能になる点と、製
造工程の中で疎水化処理を入れることで一次粒子の凝集
を防ぐことが可能となり、トナーに均一な帯電付与を行
うことが可能になる。
【0038】一次粒子径が0.001μm未満のもの
は、凝集しやすい一方で、トナー表面へ埋め込まれやす
いことから、撹拌時などに、トナーに変化を生じてしま
う。一方、0.2μmを超えるものが多いとトナーの流
動性が不十分となる。本発明においては、特に平均一次
粒子径が0.001〜0.2μmの酸化チタン微粉体又
はアルミナ微粉体が、流動性が良好でトナーの帯電が均
一となり、結果としてトナー飛散、カブリが生じにくく
なるのでより好ましい。さらに、トナー粒子表面に埋め
込まれにくくなり、劣化が生じにくく、多数枚耐久性が
向上する。
【0039】本発明に用いられる疎水化処理剤として
は、表面改質の目的、たとえば帯電特性のコントロー
ル、さらには高湿下での帯電の安定化および反応性に応
じて適宜選択すれば良い。例えばアルキルアルコキシシ
ラン,シロキサン,シラン,シリコーンオイル等のシラ
ン系有機化合物であり、反応処理温度にて、それ自体が
熱分解しないものが良い。
【0040】特に好ましいものとしては、カップリング
剤等の揮発性を有し、疎水性基及び反応性に富んだ結合
基の双方を有している下記一般式で示されるアルキルア
ルコキシシランを用いるのが良い。RmSiYn[式中、
Rはアルコキシ基を示し、mは1〜3の整数を示し、Y
はアルキル基,ビニル基,グリシドキシ基,メタクリル
基の如き炭化水素基を示し、nは、1〜3の整数を示
す]
【0041】上記アルキルアルコキシシランとしては、
例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシ
シラン、Y−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシ
ラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルトリメトキ
シシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリ
メトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチル
ジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロ
キシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキ
シシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−
オクタデシルトリメトキシシラン等を挙げることができ
る。より好ましくは、式Ca2a+1−Si−(OCb
2b+13[式中、aは4〜12の整数を示し、bは1〜
3の整数を示す]で示されるアルキルアルコキシシラン
化合物が良い。
【0042】ここで一般式におけるaが4より小さい
と、処理は容易となるが良好な疎水性が得られにくい。
また、aが13より大きいと疎水性は十分になるが、微
粉体同士の合一が多くなり流動性付与能が低下してしま
う傾向を示す。また、bは3より大きいと反応性が低下
して良好な疎水化が得られにくい。したがって本発明に
おいて、aは好ましくは4〜12、より好ましくは4〜
8であり、bは好ましくは1〜3、より好ましくは1〜
2が良い。その処理量は、酸化チタン微粉体もしくはア
ルミナ微粉体100重量部に対して1〜50重量部、好
ましくは3〜45重量部とし、疎水化度を30〜90
%、好ましくは40〜80%にすれば良い。
【0043】トナー粒子としては、平均粒径が4〜10
μmの粒子を使用する。平均粒径が4μmより小さい
と、取り扱いが非常に困難になり、人体に悪影響を及ぼ
す。また10μmより大きいと画像の解像度や帯電性を
著しく低下させる。このトナー成分である結着樹脂に
は、前述のポリエステル樹脂を主成分として、別組成の
ポリエステル樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、
或いはスチレン−アクリル系樹脂、ポリウレタン樹脂、
シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン等が使用され
る。ここで、主成分とは、70質量%以上含有するとい
う意味である。場合により、離型剤を含有させても良
い。離型剤としては、それ自体公知の任意の離型剤、例
えば脂肪族系樹脂、脂肪族系金属塩、高級脂肪酸類、脂
肪酸エステル類もしくはその部分ケン化物類等の脂肪族
系化合物が挙げられる。具体的には、例えば低分子量ポ
リプロピレン、高分子量ポリエチレン、パラフィンワッ
クス、炭素数4以上のオレフィン単体からなる低分子量
オレフィン重合体、シリコーンオイル、各種ワックス等
を使用することもできる。
【0044】トナーの製造方法の一例としては、まず、
結着樹脂、カーボンブラック、有機金属化合物等を混合
撹拌する。一般にコニカルブレンダー、リボンブレンダ
ー、V型ブレンダー、ナウタミキサー、ヘンシェルミキ
サー、ボールミル等の各種混合撹拌装置で行うことがで
きる。混合撹拌温度は、結着樹脂のガラス転移点(T
g)よりも低い温度とするのがよい。必要な混合撹拌時
間は装置の種類、投入量によっても相違するが、一般に
5〜300分の範囲が適当である。このようにして得ら
れた前混合物を常法により溶融混練し、この混練物を粉
砕、分級してトナーとする。上記製造方法により得られ
たトナー粒子に、流動性、帯電性向上を目的に外添剤粒
子を適当重量部数混合分散させ、粉体トナーとする。
【0045】二成分現像用として用いる場合において
は、このトナーを、ガラスビーズや酸化または未酸化の
鉄粉、フェライト等の未被覆キャリア、または鉄、ニッ
ケル、コバルト、フェライト等の磁性体をアクリル系重
合体、フッ素樹脂系重合体、ポリエステル、変性シリコ
ーン樹脂等の重合体で被覆した被覆キャリアと混合して
現像剤とする。上記キャリアは一般に30〜500μm
の平均粒径を有しており、トナー濃度(T/D)は、1
〜15%であるのが望ましい。本発明のトナーは、カー
ボンブラックが均一に分散されたトナーであるため、画
像形成に供するための諸特性、例えば保存性、耐久性、
画像性等がすぐれているという作用効果を得ることがで
きる。かかる作用効果を奏しうる理由は、必ずしも明ら
かではないが、例えば以下のような理由によるものであ
ろうと推察される。
【0046】カーボンブラックの樹脂中への分散の均一
性によりトナーの電気特性、黒色度、流動性が変化す
る。即ち、カーボンブラックの樹脂中への分散が悪い
と、樹脂に結着されていない遊離のカーボンブラックの
発生やカーボンブラックを含まない部分の発生により、
全体黒色度の低下、電気的特性の不均一化、粒径のバラ
つきが生じてしまい、特性が安定で、均一な重合体が得
られにくい。しかるに本発明のトナーは平均一次粒径が
20〜80nmという比較的微細で且つ分散性の良好な
カーボンブラックを使用しているため、ポリエステル樹
脂に混入した場合、より平均一次粒径の小さいカーボン
ブラックと比較して、分散が容易であり、かつ、十分な
着色力が得られる。上述のように、平均一次粒径が20
〜80nmのカーボンブラックを使用することにより、
ポリエステル樹脂中でのカーボンブラックの分散がほぼ
均一となり、特に従来カーボンブラックの含有量にばら
つきを生じていた個数平均粒径が4μm以下のトナーに
おいても、カーボンブラックをほぼ同量含有させること
が可能となる。
【0047】本発明で用いる着色剤としては、少なくと
もカーボンブラックを使用し、その他従来から用いられ
るものを併用しても、特に制限されるものではない。他
の着色剤としては、任意の適当な顔料または染料が使用
できる。例えば紺青、カーボンブラック、フタロシアニ
ンブルーなどを単独または混合して併用できる。カーボ
ンブラックをはじめとする着色剤の含有量は、現像によ
り可視像を形成することができるようトナーを着色する
のに十分な量であればよく、例えば樹脂100重量部に
対して0.5〜20重量部とするのが好ましい。更に、
好ましくは3〜15重量部が好適である。
【0048】このようにして得られたトナーは、公知の
静電荷像現像法の全てに適用できる。例えば、カスケー
ド法、磁気ブラシ法、マイクロトーニング法などの二成
分現像法;導電性一成分現像法、絶縁性一成分現像法、
ジャンピング現像法などの磁性トナーを使用する一成分
現像法;粉末雲法およびファーブラシ法;トナー担持体
上に静電気的力によって保持されることによって現像部
へ搬送され、現像される非磁性一成分現像法;電界カー
テンにより現像部へ搬送され現像される電界カーテン現
像法などに用いられる。また、トナージェット方式の画
像形成方法にも用いることができる。
【0049】次に各物性の測定方法について以下に説明
する。 1)トナーの粒度分布の測定 測定装置としては、コールターカウンターTA−II或
いはコールターマルチサイザー(コールター社製)を用
いる。電解液は、1級塩化ナトリウムを用いて、約1%
NaCl水溶液を調製する。例えば、ISOTON R
−II(コールターサイエンティフィックジャパン社
製)が使用できる。測定方法としては、前記電解水溶液
100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ま
しくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を、0.1〜5
ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を
懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処
理を行い、前記測定装置により、アパーチャーとして1
00μmアパーチャーを用いて、トナー粒子の体積及び
個数各チャンネルごとに測定して、トナーの体積分布と
個数分布とを算出する。それから、トナー粒子の体積分
布から求めた重量基準のトナーの重量平均粒径(D4)
(各チャンネルの中央値をチャンネル毎の代表値とす
る)を求める。チャンネルとしては、2.00〜2.5
2μm;2.52〜3.17μm;3.17〜4.00
μm;4.00〜5.04μm;5.04〜6.35μ
m;6.35〜8.00μm;8.00〜10.08μ
m;10.08〜12.70μm;12.70〜16.
00μm;16.00〜20.20μm;20.20〜
25.40μm;25.40〜32.00μm;32.
00〜40.30μmの13チャンネルを用いる。
【0050】2)結着樹脂の分子量の測定方法 結着樹脂のMn、Mw及びMw/Mnはゲルパーミエー
ションクロマトグラフィー(GPC)によって測定す
る。40℃のヒートチャンバ中でカラムを安定化させ、
この温度におけるカラムに、溶媒としてテトラハイドロ
フラン(THF)を毎分1mlの流速で流し、THF試
料溶液を約100μl注入して測定する。試料の分子量
測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の
単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の
対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成
用の標準ポリスチレン試料としては、例えば、東ソー社
製あるいは、昭和電工社製の分子量が102〜107程度
のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレ
ン試料を用いるのが適当である。検出器にはR1(屈折
率)検出器を用いる。カラムとしては、市販のポリスチ
レンジェルカラムを複数本組み合わせて使用するのが良
い。
【0051】例えば、昭和電工社製のShodex G
PC KF−801,802,803,804,80
5,806,807,800Pの組み合わせや、東ソー
社製のTSKgelG1000H(HXL)、G2000
H(HXL)、G3000H(HXL)、G4000H(H
XL)、G5000H(HXL)、G6000H(HXL)、
G7000H(HXL)、TSKguardcolumn
の組み合わせを挙げることができる。試料は以下のよう
にして作製する。試料をTHF中に入れ、数時間放置し
た後、十分振とうしTHFと良く混ぜ、更に12時間以
上静置する。このときTHF中への放置時間が24時間
以上となるようにする。その後、サンプル処理フィルタ
ー(ポアサイズ0.45〜0.5μm、例えば、マイシ
ョリディスクH−25−5 東ソー社製、エキクロディ
スク25CR、ゲルマン サイエンスジャパン社製など
が使用できる)を通過させたものを、GPCの試料とす
る。試料濃度は、樹脂成分が0.5〜5mg/mlとな
るように調整する。
【0052】3)酸価の測定方法 サンプル2〜10gを200〜300mlの三角フラス
コに秤量し、メタノール:トルエン=30:70の混合
溶媒約50mlを加えて樹脂を溶解する。溶解性が悪い
ようであれば少量のアセトンを加えてもよい。0.1%
のブロムチモールブルーとフェノールレッドの混合指示
薬を用い、あらかじめ標定されたN/10苛性カリ〜ア
ルコール溶液で滴定し、アルコールカリ液の消費量か
次の計算で酸価を求める。 酸価=KOH(ml数)×N×56.1/試料重量 (ただしNはN/10KOHのファクター)
【0053】4)トナーの摩擦帯電量の測定方法 図1は摩擦帯電量を測定する装置の説明図である。底に
500メッシュのスクリーン53のある金属製の測定容
器52に、複写機又はプリンターの現像スリーブ上から
採取した二成分系現像剤を約0.5〜1.5g入れ金属
製のフタ54をする。この時の測定容器52全体の重量
を秤りW1(g)とする。次に吸引機51(測定容器5
2と接する部分は少なくとも絶縁体)において、吸引口
57から吸引し風量調節弁56を調整して真空計55の
圧力を250mmAqとする。この状態で充分、好まし
くは2分間吸引を行いトナーを吸引除去する。この時の
電位計59の電位をV(ボルト)とする。ここで58は
コンデンサーであり容量をC(mF)とする。また、吸
引後の測定容器全体の重量を秤りW2(g)とする。こ
の試料の摩擦帯電量(mC/kg)は下式の如く算出さ
れる。 試料の摩擦帯電量(mC/kg)=C×V/(W1
2) (但し、測定条件は23℃,60%RHとする。) 測定に用いるキャリアは、250メッシュパス・350
メッシュオンのキャリア粒子が70〜90質量%有する
コートフェライトキャリアを使用する。
【0054】5)酸化チタン微粒子及びアルミナ微粒子
の平均粒径の測定方法 一次粒子径は、酸化チタン微粒子及びアルミナ微粒子を
透過電子顕微鏡で観察し、視野中の3万乃至5万倍に拡
大した300個の0.05μm以上の粒子径を測定して
平均粒子径を求める。トナー粒子上の分散粒子径は、走
査電子顕微鏡で観察し視野中の3万乃至5万倍に拡大し
た300個の酸化チタン微粒子及びアルミナ微粒子をX
MAにより定性し、その粒子径を測定して平均粒子径を
もとめる。
【0055】6)キャリアの平均粒径の測定方法 キャリアをマイクロトラック粒度分析計SRAタイプ
(日機装株式会社製)を使用し、0.7〜700μmの
レンジ設定で測定を行い、測定されたキャリアの50%
粒径を本発明においては、キャリアの平均粒径とする。
【0056】
【実施例】以下、実施例、比較例をあげて本発明の粉体
トナーをより詳細に説明するが、実施例により本発明が
限定されるものではない。
【0057】製造例1:結着樹脂1 ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン 15mol% ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン 35mol% テレフタル酸 15mol% フマール酸 35mol% トリメリット酸 0.025mol% 上記原料を縮合反応させて、結着樹脂1を得た。この樹
脂のテトラヒドロフラン(THF)可溶分をゲルパーミ
エーションクロマトグラフィー(GPC)にて測定した
ところ、数平均分子量(Mn)が3000であり、重量
平均分子量(Mw)が20000であった。また、酸価
は60mgKOH/gであった。
【0058】製造例2:結着樹脂2 製造例1の材料を用い、但し反応条件を変えて結着樹脂
2を得た。この樹脂のテトラヒドロフラン(THF)可
溶分をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GP
C)にて測定したところ、数平均分子量(Mn)が30
00であり、重量平均分子量(Mw)が20000であ
った。また、酸価は30mgKOH/gであった。
【0059】製造例3:結着樹脂3 製造例1の材料を用い、但し反応条件を変えて結着樹脂
3を得た。この樹脂のテトラヒドロフラン(THF)可
溶分をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GP
C)にて測定したところ、数平均分子量(Mn)が80
0であり、重量平均分子量(Mw)が3000であっ
た。また、酸価は30mgKOH/gであった。
【0060】製造例4:結着樹脂4 製造例1の材料を用い、但し反応条件を変えて結着樹脂
4を得た。この樹脂のテトラヒドロフラン(THF)可
溶分をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GP
C)にて測定したところ、数平均分子量(Mn)が30
000であり、重量平均分子量(Mw)が150000
であった。また、酸価は30mgKOH/gであった。
【0061】実施例1: 結着樹脂1 88部 カーボンブラック1 6部 (1次平均粒子径:40μm、pH=8、BET:20
0m2/g、DBP吸油量:100ml/100g) 有機金属化合物 2部 ポリプロピレンワックス 4部 上記材料を均一混合したあと、内温150℃の二軸押出
機で混練、冷却物をジェットミルで微粉砕し、ディスパ
ージョンセパレータで分級し平均粒径9μmの着色剤含
有粒子を得た。この着色剤含有粒子に一次粒子の平均粒
子径が0.1μmの市販シリカを1部混合分散し、トナ
ー1を得た。
【0062】実施例2: 結着樹脂2 88部 カーボンブラック1 6部 有機金属化合物 2部 ポリプロピレンワックス 4部 上記材料を用いて、実施例1と同様にトナーを作製し、
トナー2を得た。
【0063】実施例3: 結着樹脂2 88部 カーボンブラック2 6部 (1次平均粒子径:40μm、pH=8、BET:10
0m2/g、DBP吸油量:100ml/100g) 有機金属化合物 2部 ポリプロピレンワックス 4部 上記材料を用いて、実施例1と同様にトナーを作製し、
トナー3を得た。
【0064】実施例4: 結着樹脂2 88部 カーボンブラック1 6部 有機金属化合物 2部 ポリプロピレンワックス 4部 実施例1で用いた市販シリカのかわりに、この市販シリ
カをヘキサジメチルシラザンで疎水化処理を施したシリ
カ(一次粒子径 0.1μm)を混合分散させてトナー
4を得た。
【0065】実施例5: 結着樹脂2 88部 カーボンブラック1 6部 有機金属化合物 2部 ポリプロピレンワックス 4部 実施例1で用いた市販シリカのかわりに、硫酸法で得ら
れたアナターゼ型の酸化チタン(一次粒子径 0.05
μm)を混合分散させてトナー5を得た。
【0066】比較例1: 結着樹脂2 88部 カーボンブラック1 6部 有機金属化合物 2部 ポリプロピレンワックス 4部 上記材料を均一混合したあと、内温150℃の二軸押出
機で混練、冷却物をジェットミルで微粉砕し、ディスパ
ージョンセパレータで分級し平均粒径15μmの着色剤
含有粒子を得た。この着色剤含有粒子に一次粒子の平均
粒子径が0.1μmの市販シリカを1部混合分散し、ト
ナー6を得た。
【0067】比較例2: 結着樹脂2 88部 カーボンブラック1 6部 ポリプロピレンワックス 4部 上記材料を均一混合したあと、実施例1と同様にしてト
ナー7を得た。
【0068】比較例3: 結着樹脂2 88部 カーボンブラック4 6部 (1次平均粒子径:10μm、pH=7、BET:10
0m2/g、DBP吸油量:100ml/100g) 有機金属化合物 2部 ポリプロピレンワックス 4部 上記材料を均一混合したあと、実施例1と同様にしてト
ナー8を得た。
【0069】比較例4: 結着樹脂2 88部 カーボンブラック5 6部 (1次平均粒子径:100μm、pH=7、BET:1
00m2/g、DBP吸油量:100ml/100g) 有機金属化合物 2部 ポリプロピレンワックス 4部 上記材料を均一混合したあと、実施例1と同様にしてト
ナー9を得た。
【0070】比較例5: 結着樹脂2 88部 カーボンブラック6 6部 (1次平均粒子径:40μm、pH=4、BET:10
0m2/g、DBP吸油量:100ml/100g) 有機金属化合物 2部 ポリプロピレンワックス 4部 上記材料を用いて、実施例1と同様にトナーを作製し、
トナー10を得た。
【0071】比較例6: 結着樹脂2 88部 カーボンブラック7 6部 (1次平均粒子径:40μm、pH=13、BET:2
00m2/g、DBP吸油量:300ml/100g) 有機金属化合物 2部 ポリプロピレンワックス 4部 上記材料を用いて、実施例1と同様にトナーを作製し、
トナー11を得た。
【0072】比較例7 結着樹脂3 88部 カーボンブラック1 6部 有機金属化合物 2部 ポリプロピレンワックス 4部 上記材料を用いて、実施例1と同様にトナーを作製し、
トナー12を得た。
【0073】比較例8: 結着樹脂4 88部 カーボンブラック1 6部 有機金属化合物 2部 ポリプロピレンワックス 4部 上記材料を用いて、実施例1と同様にトナーを作製し、
トナー13を得た。
【0074】比較例9: 結着樹脂2 88部 カーボンブラック3 6部 (1次平均粒子径:40μm、pH=7、BET:10
0m2/g、DBP吸油量:300ml/100g) 有機金属化合物 2部 ポリプロピレンワックス 4部 上記材料を用いて、実施例1と同様にトナーを作製し、
トナー14を得た。
【0075】トナー1〜14の各々4部にフェライトキ
ャリア(パウダーテック(株)製F−150)96部を
均一混合し、市販複写機(シャープ(株)AR−50
5)を改造した装置に、得られた現像剤を実装し、下記
に示す評価を行った。定着ローラーの温度を90℃から
240度へと順次昇温させながら画像を形成し、下記方
法により最低定着温度及びホットオフセット発生温度を
測定した。
【0076】(1)最低定着温度 1Kgの荷重をかけた底面が15mm×7.5mmの砂
消しゴムで、定着を通した画像を3往復こすり、こする
前後の光学反射密度を反射濃度計 RD−915(マク
ベス社製)を用いて測定し両者の比率(こすり後/こす
り前)が最初に70%を超える定着ローラーの温度を最
低定着温度とする。 ○:160℃未満 △:160℃以上175℃未満 ×:175℃以上
【0077】(2)ホットオフセット発生温度 各温度で画像を形成し、続けて白紙の転写紙を同様の条
件下で定着ローラーに送り、該白紙にトナー汚れが最初
に生じる定着ローラーの温度をホットオフセット発生温
度とする。 ○:210℃以上 △:190℃以上210℃未満 ×:190℃未満
【0078】(3)耐刷テスト 複写機AR−505(シャープ社製)に現像剤を実装
し、30万枚の耐刷テストを行った。テスト開始直後と
テスト終了後にトナーを少量サンプリングして、トナー
の帯電量を測定した。
【0079】(4)トナー飛散 耐久試験終了後に現像器の様子を目視で観察した。 ◎:飛散見られず ○:飛散がごく僅かに見られる △:極めて狭い範囲に飛散が少しあるが弊害無し ×:飛散が広範囲で顕著
【0080】(5)耐ブロッキング性 100mlのガラス瓶に10gのトナーを入れ、温度5
0℃の恒温槽に2日間放置し、以下の基準で評価した。 ◎:全くブロッキングが見られない。 ○:若干のブロッキングが見られる。 △:ブロッキングはあるが、簡単にほぐれる。 ×:激しくブロッキングしている。
【0081】(6)黒色度 複写機AR−505(シャープ社製)に現像剤を実装
し、全面黒の画像をとり、その画像濃度を光学反射密度
を反射濃度計 RD−915(マクベス社製)で測定し
た。 〇:1.40以上 △:1.30〜1.39 ×:1.29以下 以上の評価結果を表1に示す。
【0082】
【表1】
【0083】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明よ
り、十分な画像濃度が得られるとともに、流動性、帯電
性、低温低湿から高温高湿環境まで環境安定性に優れ、
かつ耐凝集性、耐久性に優れたトナーが提供される。し
たがって、本発明のトナーは、複写機やプリンター等の
高速化、小型化に寄与し、極めて利用価値の高いもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 摩擦帯電量測定装置の説明図。
【符号の説明】
51 吸引機 52 測定容器 53 導電性スクリーン 54 フタ 55 真空計 56 風量調節弁 57 吸引口 58 コンデンサ 59 電位計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 9/09 G03G 9/08 331 (72)発明者 村上 登司彦 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 天竺 英司 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 酒井 正博 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 加藤 武 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 松生 恭典 奈良県奈良市大森町21番地1 ユーテック 株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA01 AA06 AA08 CA08 CA25 CA26 CB07 CB18 DA02 DA10 EA05 EA06 EA10

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結着樹脂、カーボンブラックおよび有機
    金属化合物を含有するトナーにおいて、該結着樹脂が、
    ポリエステル系の樹脂を主成分とする熱可塑性の樹脂で
    あり、該カーボンブラックの平均一次粒子径が20〜8
    0nmであり、該有機金属化合物が、下記式(1) 【化1】 (式中、R1とR2はそれぞれ独立して、直鎖または分岐
    したアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、ハロゲ
    ン原子、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、カルボキシル
    基あるいは水酸基を示し、m及びnは0乃至5の整数を
    示す。)で表されるベンジル酸のアルミニウム化合物で
    あり、該トナーが、外添剤として、一次粒子の平均粒子
    径が0.001〜0.2μmの無機微粉体を有してお
    り、該トナーの重量平均径が、4〜10μmであること
    を特徴とするトナー。
  2. 【請求項2】 上記カーボンブラックのpHが6〜10
    であることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  3. 【請求項3】 上記トナーの結着樹脂の酸価が2乃至5
    0mgKOH/gであることを特徴とする請求項1又は
    2に記載のトナー。
  4. 【請求項4】 上記カーボンブラックのBETの値が2
    0〜160m2/gであることを特徴とする請求項1乃
    至3のいずれかに記載のトナー。
  5. 【請求項5】 上記トナーの結着樹脂のテトラヒドロフ
    ラン可溶分が、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ
    ー(GPC)測定によるクロマトグラムにおいて、数平
    均分子量(Mn)が1500〜20000であり、重量
    平均分子量(Mw)が6000〜100000であるこ
    とを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のトナ
    ー。
  6. 【請求項6】 上記カーボンブラックのDBP吸油量が
    160ml/100g以下であることを特徴とする請求
    項1乃至5のいずれかに記載のトナー。
  7. 【請求項7】 上記無機微粉体が、シラン系の化合物で
    疎水化処理されたものであることを特徴とする請求項1
    乃至6のいずれかに記載のトナー。
  8. 【請求項8】 上記無機微粉体が、酸化チタンまたはア
    ルミナであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれ
    かに記載のトナー。
  9. 【請求項9】 上記有機金属化合物が、結着樹脂100
    重量部当たり0.1〜10重量部でトナー粒子に内添さ
    れていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに
    記載のトナー。
  10. 【請求項10】 上記有機金属化合物が、アルミニウム
    1原子に対して、ベンジル酸を1分子有するアルミニウ
    ム化合物であることを特徴とする請求項1乃至9のいず
    れかに記載のトナー。
  11. 【請求項11】 上記有機金属化合物が、アルミニウム
    1原子に対して、ベンジル酸を2分子有するアルミニウ
    ム化合物であることを特徴とする請求項1乃至9のいず
    れかに記載のトナー。
  12. 【請求項12】 上記有機金属化合物が、アルミニウム
    1原子に対して、ベンジル酸を3分子有するアルミニウ
    ム化合物であることを特徴とする請求項1乃至9のいず
    れかに記載のトナー。
  13. 【請求項13】 上記有機金属化合物が、アルミニウム
    1原子に対して、ベンジル酸を1乃至3分子有するアル
    ミニウム化合物を含有する混合物であることを特徴とす
    る請求項1乃至9のいずれかに記載のトナー。
JP2002114398A 2002-04-17 2002-04-17 電子写真用トナー Pending JP2003307879A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002114398A JP2003307879A (ja) 2002-04-17 2002-04-17 電子写真用トナー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002114398A JP2003307879A (ja) 2002-04-17 2002-04-17 電子写真用トナー

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003307879A true JP2003307879A (ja) 2003-10-31

Family

ID=29396222

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002114398A Pending JP2003307879A (ja) 2002-04-17 2002-04-17 電子写真用トナー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003307879A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009256459A (ja) * 2008-04-16 2009-11-05 Bridgestone Corp 太陽電池用封止膜及びこれを用いた太陽電池
JP2011257719A (ja) * 2010-06-11 2011-12-22 Sharp Corp トナーおよびトナーの製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009256459A (ja) * 2008-04-16 2009-11-05 Bridgestone Corp 太陽電池用封止膜及びこれを用いた太陽電池
JP2011257719A (ja) * 2010-06-11 2011-12-22 Sharp Corp トナーおよびトナーの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3652161B2 (ja) トナー
JP5230296B2 (ja) 画像形成方法及びプロセスカートリッジ
JP2015121580A (ja) トナー
JP4310146B2 (ja) トナー
JP2003307879A (ja) 電子写真用トナー
JP3217936B2 (ja) 非磁性一成分トナー
CN111630457B (zh) 调色剂、调色剂存储单元和图像形成设备
JP2005107066A (ja) トナー
JPH0648388B2 (ja) 乾式現像剤
JP2797264B2 (ja) 電子写真用イエロートナー
JP2007316361A (ja) トナー
JP2004157272A (ja) マスターバッチ及び電子写真用トナー
JP2001117281A (ja) トナー
JP2014102344A (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成方法及び画像形成装置
JP3715778B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
JP3427574B2 (ja) 非磁性一成分現像用トナー組成物
JP2004144804A (ja) マスターバッチ及び電子写真用トナー
JP4313887B2 (ja) 二成分系現像剤及びそれを用いた画像形成方法
JP2001215755A (ja) 非磁性一成分現像用トナー
JPH056182B2 (ja)
JP3262892B2 (ja) 電荷制御剤組成物および電子写真用トナー
JPH07104622B2 (ja) 静電荷像現像用トナ−
JP2003215848A (ja) 静電荷像現像用カラートナー及びその製造方法
JP2002341595A (ja) 静電荷像現像用トナー
JPH11327200A (ja) 静電荷像現像用トナー