JP2003307593A - 放射性イオン交換樹脂の処理方法 - Google Patents
放射性イオン交換樹脂の処理方法Info
- Publication number
- JP2003307593A JP2003307593A JP2002113559A JP2002113559A JP2003307593A JP 2003307593 A JP2003307593 A JP 2003307593A JP 2002113559 A JP2002113559 A JP 2002113559A JP 2002113559 A JP2002113559 A JP 2002113559A JP 2003307593 A JP2003307593 A JP 2003307593A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- exchange resin
- acid
- aqueous solution
- elution
- cation
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
- Separation Of Solids By Using Liquids Or Pneumatic Power (AREA)
Abstract
廃棄物量を低減する。 【解決手段】本発明の放射性イオン交換樹脂の処理方法に
よれば、溶離器11においてアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂
とを比重量差分離する分離段階と、分離されたアニオン交換
樹脂を焼却炉14で焼却する第1の焼却段階と、分離され
たカチオン交換樹脂に硫酸水溶液を通液しカチオン種を溶離させ
る溶離段階と、溶離された後に硫酸水溶液とカチオン交換樹
脂とを分離し、焼却炉14においてカチオン交換樹脂を焼却す
る第2の焼却段階と、硫酸回収器17において硫酸水溶液
から酸を回収する酸回収段階と、酸回収段階において回
収された酸を用いて硫酸水溶液を調製し、調製した硫酸
水溶液を溶離器11においてカチオン交換樹脂に通液されるよ
うにする調製段階と、酸回収段階において酸が回収され
た廃液を中和した後蒸発器19において濃縮し、更に固化
設備22において固化する濃縮固化段階とからなる。
Description
所の放射性核種を含む系統水中に含まれる放射性イオン
を吸着した放射性イオン交換樹脂を廃棄するための処理
方法に関する。
施設において発生した放射性イオンを吸着するために用
いられている。具体的には、原子力発電所の放射性核種
を含む系統水中に含まれる放射性イオンを吸着して、放
射性核種を含む系統水を純化するために用いられてい
る。原子力発電所の運転に伴い放射性イオンを吸着した
使用済みイオン交換樹脂が廃棄物として発生する。
ニルベンゼン(D.V.B.)の共重合体を基材とし、
これにイオン交換基としてカチオン交換樹脂の場合には
スルホン酸基を、またアニオン交換樹脂の場合には、4
級アンモニウム基を結合させた構造を有する芳香族系有
機高分子化合物である。
−60(コバルト60)、Cs−137(セシウム13
7)、Sr−90(ストロンチウム90)、その他Fe
(鉄)やNi(ニッケル)等の放射能強度の高いカチオ
ン種と、I(ヨウ素)、C−14(炭素14)を含む有
機物質等の放射能強度が低いアニオン種とが含まれてい
る。したがって、放射性核種を含む系統水中のCo−6
0、Cs−137、Sr−90等のカチオン種は、カチ
オン交換樹脂に吸着され、I、C−14(炭素14)を
含む有機物質等のアニオン種は、アニオン交換樹脂に吸
着されることによって浄化される。
オン交換樹脂およびアニオン交換樹脂の2種類がほぼ同
量充填されており系統水からカチオン種またはアニオン
種を除去する能力(除染係数)が所定能力以下に低下し
た場合には、使用済みの放射性イオン交換樹脂として廃
棄処理され、イオン交換樹脂塔には、未使用のカチオン
交換樹脂およびアニオン交換樹脂が充填される。廃棄物
として処理される放射性イオン交換樹脂の体積比は、原
子力発電所にて発生する全廃棄物のうち少量を占めてい
るにすぎないが、放射性イオン交換樹脂によって吸着さ
れた物質による放射能量の合計は、原子力発電所にて発
生する廃棄物中の放射能量の大部分を占めている。この
ように、運転中に原子力発電所から排出される放射性廃
棄物に含まれる放射能のほとんどは、放射性イオン交換
樹脂によって吸着されている。
して処理する場合には、以下のようにして行われてい
る。すなわち、イオン交換樹脂塔に充填されたカチオン
交換樹脂およびアニオン交換樹脂は、その除染係数が所
定値以下に低下したことが確認されると、図8に示すよ
うに、放射性イオン交換樹脂搭から使用済み樹脂貯蔵タ
ンク62へと移し替えられ、そこでしばらく貯蔵され
る。この貯蔵期間中に、Co−58(カチオン)、I−
131(アニオン)等半減期の短い核種を減衰させるこ
とができる。
ところで、放射性イオン交換樹脂が、使用済み樹脂貯蔵
タンク62から一旦使用済み樹脂供給タンク63に移し
替えられ、さらにそこから溶離器64へと移される。溶
離器64には、硫酸水溶液が通液される。これによっ
て、使用済みの放射性イオン交換樹脂に吸着していた放
射性イオンが、硫酸水溶液中に移行して溶離する。
除かれたイオン交換樹脂は、溶離器64の下部から取り
出され、溶離済樹脂輸送容器67によって焼却設備68
に移送され、そこで焼却処理される。
換樹脂に通液された硫酸水溶液中には、放射性イオンが
溶存している。この硫酸水溶液は、溶離器64から硫酸
回収器69の左室70に導入される。硫酸水溶液は、こ
の硫酸回収器69に備えられた拡散透析膜71によって
放射性物質と硫酸とが分離される。すなわち、図9に示
すように、左室70に導入された硫酸水溶液のうち、硫
酸は拡散透析膜71を介して右室72側に拡散され回収
される一方、放射性物質は左室70に残る。右室72側
に回収された硫酸は、溶離器64に送られ再使用され
る。この結果、左室70には放射性物質を含む廃液が得
られる。
3(#1)において中和剤タンク75から供給された中
和剤が添加されることによって中和処理された後に、蒸
発器76に送られる。そして、蒸発器76によって蒸発
濃縮された後に濃縮廃液タンク77に貯蔵される。濃縮
廃液タンク77に貯蔵された濃縮廃液は、最終的にはセ
メント固化される。このような蒸発濃縮は、廃液を減容
し、廃棄物の発生量を減らすという観点から重要であ
る。しかしながら、もともと廃液の放射能濃度が高くな
い場合には、左室70で得られた廃液を中和タンク73
(#2)に移し、ここで中和剤タンク75から供給され
た中和剤が添加されることによって中和処理された後に
蒸発濃縮せずにそのまま液体廃棄物処理系78へと送
り、液体としてそのまま処理する場合もある。
うな従来の放射性イオン交換樹脂の処理方法では、以下
のような問題がある。
低いアニオン樹脂を同時に処理しているため、多量の硫
酸溶液が必要である。
ものであり、使用済み放射性イオン交換樹脂のうち、放
射能強度の低いアニオン交換樹脂については溶離処理せ
ずにそのまま焼却処理する一方、放射能強度の高いカチ
オン交換樹脂のみを溶離処理することによって溶離処理
に必要な硫酸水溶液の量を低減し、もって、放射性イオ
ン交換樹脂の処理時に発生する液体放射性廃棄物の量を
低減することが可能な放射性イオン交換樹脂の処理方法
を提供することを目的とする。
めに、本発明では、以下のような手段を講じる。
中に含まれるアニオン種を吸着するアニオン交換樹脂
と、放射性溶液中に含まれるカチオン種を吸着するカチ
オン交換樹脂とからなる放射性イオン交換樹脂を廃棄処
理するための処理方法であって、アニオン交換樹脂とカ
チオン交換樹脂とを比重量差分離する分離段階と、分離
段階において比重量差分離されたアニオン交換樹脂を焼
却する第1の焼却段階と、分離段階において比重差分離
されたカチオン交換樹脂に溶離用酸水溶液を通液するこ
とによって、カチオン交換樹脂に吸着しているカチオン
種を溶離用酸水溶液中に溶離させる溶離段階と、溶離用
酸水溶液から酸を回収する酸回収段階と、酸回収段階に
おいて回収された酸を用いて溶離用酸水溶液を調製し、
調製した溶離用酸水溶液を溶離段階においてカチオン交
換樹脂に通液されるようにする調製段階と、酸回収段階
において酸が回収された後の溶離用酸水溶液を中和した
後濃縮して固化する濃縮固化段階と、溶離段階がなされ
た後に、カチオン種が溶離した溶離用酸水溶液とカチオ
ン交換樹脂とを分離し、カチオン交換樹脂を焼却する第
2の焼却段階とからなる。
性イオン交換樹脂の処理方法において、酸回収段階で
は、拡散透析膜で分離された溶離用酸水溶液受入室と酸
回収室とからなる溶離液回収器を用い、溶離用酸水溶液
受入室に、カチオン交換樹脂と分離された溶離用酸水溶
液を供給する一方、酸回収室に、溶離用酸水溶液の供給
方向と対向する方向から水を供給することによって、溶
離用酸水溶液受入室側から拡散透析膜を介して酸回収室
側に酸を回収する。
2の発明の放射性イオン交換樹脂の処理方法において、
溶離用酸水溶液を、硫酸水溶液とする。
いて図面を参照しながら説明する。
て説明する。
イオン交換樹脂の処理方法を適用した放射性イオン交換
樹脂処理装置の一例を示す系統構成図である。
性イオン交換樹脂の処理方法を適用した放射性イオン交
換樹脂処理装置は、使用済み樹脂貯蔵タンク10と、溶
離器11と、硫酸水溶液供給系12と、樹脂移送容器1
3と、焼却炉14と、排気塔15と、硫酸回収器17
と、中和タンク18と、蒸発器19と、濃縮廃液タンク
20と、中和剤タンク21と、固化設備22と、液体廃
棄物処理系23と、混合層受けタンク24と、純水供給
系25とを備えて構成している。
オン交換樹脂塔から、使用済みの放射性イオン交換樹脂
を受け入れ、受け入れた放射性イオン交換樹脂を所定の
貯蔵期間の間貯蔵しておく。この貯蔵期間中に、半減期
の短い核種を減衰させるようにしている。そして、所定
の貯蔵期間を経たのちに、放射性イオン交換樹脂を溶離
器11に供給する。
の配管P1〜P6が接続している。配管P1は、使用済
み樹脂貯蔵タンク10から排出される使用済みの放射性
イオン交換樹脂を受け入れるための配管である。また、
配管P2は、硫酸・水溶液供給系12に接続しており、
この配管P2を介して硫酸・水溶液供給系12から水が
供給されるようにしている。
10から放射性イオン交換樹脂を受け入れると、放射性
イオン交換樹脂は、溶離器11の中で、配管P2を介し
て硫酸・水溶液供給系12から供給された水に液浸し、
配管P5より気体でバブリングした後しばらく放置され
るようにしている。この場合、配管P3〜P5にそれぞ
れ設けられているバルブV3〜V5を閉じている。前述
したように、放射性イオン交換樹脂は、カチオン交換樹
脂と、アニオン交換樹脂とから構成しているが、カチオ
ン交換樹脂は、アニオン交換樹脂よりも有意に重い。し
たがって、溶離器11において水に放射性イオン交換樹
脂を所定時間液浸し、配管P5より気体でバブリングし
た後しばらく放置した状態にしておくと、図3に示すよ
うに、比重の重いカチオン交換樹脂が下層に、比重の軽
いアニオン交換樹脂が上層に移動することにより両イオ
ン交換樹脂が分離する。
し、アニオン交換樹脂が上層に移動することによって互
いに層分離した状態でバルブV3を開き、更に硫酸・水
溶液供給系12から配管P2を介して溶離器11内に水
を供給する。これによって、図4に示すように、アニオ
ン交換樹脂の層の高さ近傍に接続された配管P3を介し
てアニオン交換樹脂が樹脂移送容器13へ排出されるよ
うにしている。
換樹脂は、更にそこから焼却炉14へ移送され、焼却炉
14において焼却処理されるようにしている。放射性ア
ニオン核種の持つ放射能強度は元々小さく、アニオン交
換樹脂は、吸着している放射能を、溶離処理等により取
り除くことなく直接焼却処理するようにしている。
受け入れた使用済み放射性イオン交換樹脂のアニオン交
換樹脂とカチオン交換樹脂とをそれらの比重量差を利用
した分離を行い、アニオン交換樹脂を排出している。な
お、配管P4は、層分離したアニオン交換樹脂とカチオ
ン交換樹脂との境界高さ近傍に接続している。配管P3
の接続部付近のアニオン交換樹脂が樹脂移送容器13側
へ排出された後には、バルブV3を閉じる一方、バルブ
V4を開き、更に硫酸・水溶液供給系12から配管P2
を介して溶離器11内に水を供給する。これによって、
図5に示すように、境界高さ近傍のアニオン交換樹脂と
カチオン交換樹脂とを、配管P4を介して混合層受けタ
ンク24へ排出する。境界高さ近傍では、アニオン交換
樹脂とカチオン交換樹脂とが完全には分離しておらず混
合しており、確実に分離することは困難である。したが
って、このように混合層受けタンク24に一旦払い出
す。これによって、溶離器11内にはカチオン交換樹脂
のみが残る。一方、混合層受けタンク24に払い出され
たアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂は、溶離器11
に次回処理される使用済みの放射性イオン交換樹脂が受
け入れられるときに、一緒に溶離器11に入れられ、処
理される。次回の使用済み放射性イオン交換樹脂を処理
する場合においても、境界高さ近傍のアニオン交換樹脂
とカチオン交換樹脂とは、配管P4を介して混合層受け
タンク24へ排出されるようにしている。
換樹脂のみが残ると、バルブV4を閉じる一方、バルブ
V4よりも下方に接続されたバルブV5を開き、更に硫
酸・水溶液供給系12から配管P2を介して溶離器11
内に硫酸水溶液を供給し、カチオン交換樹脂に硫酸水溶
液を通液する。これによって、カチオン交換樹脂に吸着
していた放射性のカチオン種(Co−60(コバルト6
0)、Cs−137(セシウム137)、Sr−90
(ストロンチウム90)、その他Fe(鉄)やNi(ニ
ッケル)等の放射能強度の高いカチオン種)を、硫酸水
溶液中に溶離する。
性イオンを硫酸水溶液に溶離させるためには、放射性イ
オン交換樹脂の10〜数十倍の体積の硫酸水溶液が必要
となる。しかしながら、本発明の実施の形態では、放射
能強度の低いアニオン種を吸着したアニオン交換樹脂に
ついては、このような溶離処理を行わず、直接焼却する
ようにしており、カチオン交換樹脂のみについて溶離処
理を行う。したがって、従来技術のようにカチオン交換
樹脂とアニオン交換樹脂との両方に対して溶離処理を行
う場合に比べて、カチオン交換樹脂のみ溶離処理するこ
ととなり、溶離処理に要する硫酸水溶液の量がアニオン
交換樹脂が無い分だけ減少する。
液は、配管P5を介して連続的に排出され、硫酸回収器
17の左室70へ導入する。
酸回収器69と同様に左室70、拡散透析膜71、右室
72を備えており、硫酸回収器69と同様に機能するこ
とによって、左室70に導入された硫酸水溶液のうち、
硫酸は拡散透析膜71を介して右室72側に拡散され回
収される一方、放射性物質であるカチオン種は左室70
に残る。右室72側に回収された硫酸は、硫酸水溶液供
給系12において硫酸水溶液として調整された後に、溶
離器11に送られ再使用される。右室72には、純水供
給系25によって、溶離器11から硫酸水溶液が供給さ
れる方向と対向する方向から純水が供給されるようにし
ている。この結果、左室70には放射性物質であるカチ
オン種を含む廃液が得られる。
ク18(#1)において中和剤タンク21から供給され
た中和剤が添加されることによって中和処理された後
に、蒸発器19に送られるようにしている。そして、蒸
発器19によって蒸発濃縮された後に濃縮液ポンプ19
aによって濃縮廃液タンク20に移送され、ここで貯蔵
されるようにしている。濃縮廃液タンク20に貯蔵され
た濃縮廃液は、その後固化設備22によってセメント固
化されるようにしている。このような蒸発濃縮は、廃液
を減容し、廃棄物の発生量を減らすという観点から重要
である。しかしながら、もともと廃液の放射能濃度が高
くない場合には、左室70で得られた廃液を第2中和タ
ンク18(#2)に移し、ここで中和剤タンク21から
供給された中和剤が添加されることによって中和処理さ
れた後に蒸発濃縮せずにそのまま液体廃棄物処理系23
へと送り、液体としてそのまま処理する場合もある。
溶離した硫酸水溶液を硫酸回収器69によって処理する
と、図6に示すように、溶離器11に残っている溶離が
終了したカチオン交換樹脂を配管P5を介して樹脂移送
容器13へ排出する。
換樹脂は、更にそこから焼却炉14へ移送され、焼却炉
14において、アニオン交換樹脂と同様に焼却処理され
るようにしている。なお、カチオン交換樹脂は、既に溶
離器11において、吸着していた放射性のカチオン種が
取り除かれている。
の形態に係る放射性イオン交換樹脂の処理方法を適用し
た放射性イオン交換樹脂処理装置の動作について図7に
示す処理フロー図を用いて説明する。
脂は、先ず、使用済み樹脂貯蔵タンク10によって受け
入れられ(S1)、そこで所定の期間貯蔵される(S
2)。この貯蔵期間中に、アニオン種であるI−131
等半減期の短い核種が減衰する。そして、所定の貯蔵期
間を経た放射性イオン交換樹脂は、溶離器11に供給さ
れる(S3)。
1に放射性イオン交換樹脂が供給されると、放射性イオ
ン交換樹脂は、溶離器11の中で、硫酸水溶液に液浸
し、配管P5より気体でバブリングした後しばらく放置
される(S4)。放射性イオン交換樹脂は、カチオン交
換樹脂と、アニオン交換樹脂とから構成しているが、カ
チオン交換樹脂は、アニオン交換樹脂よりも有意に重
い。したがって、溶離器11において水に放射性イオン
交換樹脂をバブリングした後放置しておくと、図3に示
すように、比重の重いカチオン交換樹脂が下層に、比重
の軽いアニオン交換樹脂が上層に移動することにより両
イオン交換樹脂が比重量差により分離する(S5)。
換樹脂とが互いに層分離した状態で、バルブV3が開か
れ、更に硫酸・水溶液供給系12から配管P2を介して
溶離器11内に水が供給される。これによって、図4に
示すように、アニオン交換樹脂の層の高さ近傍に接続さ
れた配管P3を介してアニオン交換樹脂が樹脂移送容器
13へ排出される(S6)。
排出されたアニオン交換樹脂は、更にそこから焼却炉1
4へ移送され(S7)、焼却炉14において焼却処理さ
れる(S8)。放射性のアニオン種の持つ放射能強度は
元々小さく、アニオン交換樹脂は直接焼却処理される。
接続部付近のアニオン交換樹脂が、樹脂移送容器13側
へ排出された後には、バルブV3が閉じられる一方、バ
ルブV4が開かれて、硫酸水溶液供給系12から配管P
2を介して溶離器11内に水が供給される(S10)。
配管P4は、層分離したアニオン交換樹脂とカチオン交
換樹脂との境界高さ近傍に接続されているので、図5に
示すように、境界高さ近傍のアニオン交換樹脂とカチオ
ン交換樹脂とが、配管P4を介して混合層受けタンク2
4へ排出される(S11)。
チオン交換樹脂とが完全には分離しておらず混合してい
るため、確実に分離することは困難である。したがっ
て、このように混合層受けタンク24に一旦払い出され
る。これによって、溶離器11内にはカチオン交換樹脂
のみが残る一方、混合層受けタンク24に払い出された
アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂の混合体は、次回
処理される使用済みの放射性イオン交換樹脂が受け入れ
られるときに、一緒に溶離器11に入れられ、処理され
る。次回の使用済み放射性イオン交換樹脂を処理する場
合においても、境界高さ近傍のアニオン交換樹脂とカチ
オン交換樹脂とは、配管P4を介して混合層受けタンク
24へ排出される。
換樹脂のみが残ると、バルブV4が閉じられる一方、バ
ルブV5が開かれ、更に硫酸・水溶液供給系12から配
管P2を介して溶離器11内に硫酸水溶液が供給され、
カチオン交換樹脂に硫酸水溶液が通液される(S1
2)。これによって、カチオン交換樹脂に吸着していた
放射性のカチオン種(Co−60(コバルト60)、C
s−137(セシウム137)、Sr−90(ストロン
チウム90)、その他Fe(鉄)やNi(ニッケル)等
の放射能強度の高いカチオン種)が、硫酸水溶液中に溶
離される。
液は、配管P5を介して連続的に排出され、硫酸回収器
17の左室70へ導入される(S13)。
回収される一方、放射性物質であるカチオン種は左室7
0に残る(S14)。右室72側に回収された硫酸は、
硫酸水溶液に調整された後に、溶離器11に送られ再使
用される。この結果、左室70には放射性物質であるカ
チオン種を含む廃液が得られる。この廃液は、第1中和
タンク18(#1)において中和剤タンク21から供給
された中和剤が添加されることによって中和処理された
(S15)後に、蒸発器19に送られる。そして、蒸発
器19によって蒸発濃縮された(S16)後に、濃縮廃
液タンク20に所定期間貯蔵された後に、最終的には固
化設備22においてセメント固化される(S17)。な
お、左室70で得られた廃液の放射能濃度が高くない場
合には、この廃液が第2中和タンク18(#2)に移さ
れ、ここで中和剤タンク21から供給された中和剤が添
加されることによって中和処理された後に蒸発濃縮され
ずにそのまま液体廃棄物処理系23へと送られ、液体と
してそのまま処理される場合もある。
換樹脂は、配管P5を介して樹脂移送容器13へ排出さ
れる(S18)。
へ排出されたカチオン交換樹脂は、更にそこから焼却炉
14へ移送され、焼却炉14において、アニオン交換樹
脂と同様に焼却処理される(S19)。なお、カチオン
交換樹脂は、既に溶離器11において、吸着していた放
射性のカチオン種が取り除かれている。
る放射性イオン交換樹脂の処理方法においては、上記の
ような作用により、放射能強度の低いアニオン種を吸着
したアニオン交換樹脂については、吸着したアニオン種
の溶離処理を行わず直接焼却し、カチオン交換樹脂のみ
について溶離処理を行う。
の量を従来技術に比べてアニオン交換樹脂が無い分だけ
減少することができる(最も効果がある場合約1/2に
減少する)。また、発生する廃液の量も従来技術に比べ
てアニオン交換樹脂が無い分だけ減少することができ
る。その結果、硫酸回収器17、中和タンク18、蒸発
器19、濃縮廃液タンク20の処理容量も従来に比べて
少なくて済み、コストダウンを図ることが可能となる。
発生する廃液の量が従来技術に比べて減少することか
ら、勿論、セメント固化体である廃棄物の量も従来技術
に比べて低減することが可能となる。
て、添付図面を参照しながら説明したが、本発明はかか
る構成に限定されない。特許請求の範囲の発明された技
術的思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更
例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及
び修正例についても本発明の技術的範囲に属するものと
了解される。
使用済み放射性イオン交換樹脂のうち、放射能強度の低
いアニオン交換樹脂については溶離処理せずにそのまま
焼却処理する一方、放射能強度の高いカチオン交換樹脂
のみを溶離処理する。
の量を低減することができ、もって、放射性イオン交換
樹脂の処理時に発生する液体放射性廃棄物の量を低減す
ることが可能な放射性イオン交換樹脂の処理方法を実現
することができる。
脂の処理方法を適用した放射性イオン交換樹脂処理装置
の一例を示す系統構成図
換樹脂とが分離した状態を示す模式図
て排出する状態を示す模式図
換樹脂とを溶離器から配管P4を介して混合層受けタン
クへ排出する状態を示す模式図
て樹脂移送容器へ排出する状態を示す模式図
理方法を適用した放射性イオン交換樹脂処理装置の動作
を示す処理フロー図
統構成図
明するための模式図
Claims (3)
- 【請求項1】 放射性溶液中に含まれるアニオン種を吸
着するアニオン交換樹脂と、前記放射性溶液中に含まれ
るカチオン種を吸着するカチオン交換樹脂とからなる放
射性イオン交換樹脂を廃棄処理するための処理方法であ
って、 前記アニオン交換樹脂と前記カチオン交換樹脂とを比重
量差分離する分離段階と、 前記分離段階において比重量差分離されたアニオン交換
樹脂を焼却する第1の焼却段階と、 前記分離段階において比重差分離されたカチオン交換樹
脂に溶離用酸水溶液を通液することによって、前記カチ
オン交換樹脂に吸着しているカチオン種を前記溶離用酸
水溶液中に溶離させる溶離段階と、 前記溶離用酸水溶液から酸を回収する酸回収段階と、 前記酸回収段階において回収された酸を用いて前記溶離
用酸水溶液を調製し、前記調製した溶離用酸水溶液を前
記溶離段階において前記カチオン交換樹脂に通液される
ようにする調製段階と、 前記酸回収段階において酸が回収された後の溶離用酸水
溶液を中和した後濃縮して固化する濃縮固化段階と、 前記溶離段階がなされた後に、前記カチオン種が溶離し
た溶離用酸水溶液と前記カチオン交換樹脂とを分離し、
前記カチオン交換樹脂を焼却する第2の焼却段階とから
なる放射性イオン交換樹脂の処理方法。 - 【請求項2】 請求項1に記載の放射性イオン交換樹脂
の処理方法において、 前記酸回収段階では、 拡散透析膜で分離された溶離用酸水溶液受入室と酸回収
室とからなる溶離液回収器を用い、前記溶離用酸水溶液
受入室に、前記第2の焼却段階で前記カチオン交換樹脂
と分離された溶離用酸水溶液を供給する一方、前記酸回
収室に、前記溶離用酸水溶液の供給方向と対向する方向
から水を供給することによって、前記溶離用酸水溶液受
入室側から前記拡散透析膜を介して前記酸回収室側に前
記酸を回収するようにした放射性イオン交換樹脂の処理
方法。 - 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の放射性
イオン交換樹脂の処理方法において、 前記溶離用酸水溶液を、硫酸水溶液とした放射性イオン
交換樹脂の処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002113559A JP2003307593A (ja) | 2002-04-16 | 2002-04-16 | 放射性イオン交換樹脂の処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002113559A JP2003307593A (ja) | 2002-04-16 | 2002-04-16 | 放射性イオン交換樹脂の処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003307593A true JP2003307593A (ja) | 2003-10-31 |
Family
ID=29395709
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002113559A Pending JP2003307593A (ja) | 2002-04-16 | 2002-04-16 | 放射性イオン交換樹脂の処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003307593A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017187280A (ja) * | 2016-03-31 | 2017-10-12 | 三菱重工業株式会社 | 固形物除去方法 |
JP2018028442A (ja) * | 2016-08-15 | 2018-02-22 | 太平電業株式会社 | 高線量廃棄物の分離方法および装置 |
-
2002
- 2002-04-16 JP JP2002113559A patent/JP2003307593A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017187280A (ja) * | 2016-03-31 | 2017-10-12 | 三菱重工業株式会社 | 固形物除去方法 |
JP2018028442A (ja) * | 2016-08-15 | 2018-02-22 | 太平電業株式会社 | 高線量廃棄物の分離方法および装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN103108677B (zh) | 浓缩物处理*** | |
Iwanade et al. | Hybrid grafted ion exchanger for decontamination of radioactive cesium in Fukushima Prefecture and other contaminated areas | |
JPS60194399A (ja) | 初期過テクネチウム酸塩水溶液の処理方法 | |
JP5294180B2 (ja) | テクネチウム含有モリブデンからのテクネチウムの分離・精製方法、装置、及び、モリブデンの回収方法・装置 | |
GB2583276A (en) | Method and system for concentrating and solidifying nuclides in radioactive liquid waste | |
Harjula et al. | Removal of radioactive cesium from nuclear waste solutions with the transition metal hexacyanoferrate ion exchanger CsTreat | |
JP2003307593A (ja) | 放射性イオン交換樹脂の処理方法 | |
JP4119966B2 (ja) | 金属捕集材からの金属の溶離回収及び溶離液の再生方法 | |
JP2004028902A (ja) | 硫酸ナトリウム量低減装置、およびそれを備えた放射性イオン交換樹脂の処理システム | |
US20130105399A1 (en) | Polymer-encapsulated liquid exchange media | |
JP2004028903A (ja) | 放射性廃液分離装置、およびそれを備えた放射性イオン交換樹脂の処理システム | |
JP5845478B2 (ja) | 放射性物質含有排水の処理方法及び処理装置 | |
JP2004028697A (ja) | 放射性イオン種溶離液処理装置、放射性イオン交換樹脂の処理システム、および放射性イオン交換樹脂の処理方法 | |
JP6707475B2 (ja) | 廃樹脂処理方法及び廃樹脂処理システム | |
JP2003315498A (ja) | 放射性イオン交換樹脂の処理システムおよび処理方法 | |
JP6783155B2 (ja) | 廃樹脂処理方法及び廃樹脂処理システム | |
JP2005049173A (ja) | 放射性イオン交換樹脂の処理方法及びその処理装置 | |
JP2002031697A (ja) | 放射性廃液の処理方法 | |
JP2004330154A (ja) | 復水脱塩装置およびその装置へのイオン交換樹脂の充填方法 | |
JPH0677068B2 (ja) | 放射性イオン交換樹脂の処理方法 | |
JPH0777599A (ja) | 放射性液体の処理方法 | |
JPH10170696A (ja) | 放射性洗浄排水の処理方法 | |
JP2930394B2 (ja) | 使用済放射性イオン交換樹脂の処理方法 | |
Tusa et al. | Use of novel highly selective ion exchange media for minimizing the waste arising from different NPP and other liquids | |
Mahendra et al. | Different Modes of electrodeionization of cesium from AMP-PAN |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050301 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20050412 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20050531 |
|
A521 | Written amendment |
Effective date: 20050531 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20050906 |