JP2003304884A - 抗がん剤の適合性予測方法 - Google Patents

抗がん剤の適合性予測方法

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JP2003304884A
JP2003304884A JP2003031049A JP2003031049A JP2003304884A JP 2003304884 A JP2003304884 A JP 2003304884A JP 2003031049 A JP2003031049 A JP 2003031049A JP 2003031049 A JP2003031049 A JP 2003031049A JP 2003304884 A JP2003304884 A JP 2003304884A
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JP2003031049A
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Takao Yamori
隆夫 矢守
Shingo Tan
慎吾 旦
Yusuke Nakamura
祐輔 中村
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Japanese Foundation for Cancer Research
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Japanese Foundation for Cancer Research
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 培養細胞株を用いて抗がん剤適合性の指標と
なりうる遺伝子を特定し、該遺伝子により未知検体の抗
がん剤適合性を予測すること。 【解決手段】 培養がん細胞株の抗がん剤感受性と該細
胞のインタクトな状態における遺伝子発現プロファイル
に基づき抗がん剤適合性マーカー遺伝子を特定する。さ
らに検体中のがん細胞における前記遺伝子の発現量と各
抗がん剤に対する該遺伝子の感受性を比較することによ
り、該検体の抗がん剤適合性を予測する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗がん剤の適合性
予測方法に関する。より詳しくは、培養がん細胞株を用
いて特定される抗がん剤適合性マーカー遺伝子と該遺伝
子を利用した未知検体の抗がん剤適合性予測方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】がんは、複数の要因が複雑に関連して発
症する遺伝子の病気である。がんの病態はその種類、発
症部位或いは進行度等により様々であり、こうした多様
性と患者個人の応答性の違いが、抗がん剤による治療を
困難なものとしている。実際、固形腫瘍の多くは抗がん
剤治療が奏功しないにもかかわらず、患者の多くは骨髄
抑制や下痢などの強い副作用に苦しんでいるのが現状で
ある。このことから、投薬前に抗がん剤の有効性を予測
する方法、すなわち抗がん剤感受性診断法の開発が求め
られている。
【0003】これまでに、抗がん剤の適合性を予測する
方法としては、患者のがん細胞と抗がん剤を試験管内で
接触させて増殖の抑制をみる、単純な「抗がん剤感受性
テスト」が試みられてきた。しかし、この検査の正診率
は約50%程度にすぎないといわれており、有効な抗が
ん剤感受性診断法となってはいない。
【0004】がん細胞の抗がん剤感受性は、個々のがん
細胞における遺伝子発現の違いを反映しているものと考
えられる。実際、P-糖タンパク質をコードするMDR-1遺
伝子や、がん抑制遺伝子p53など、がん細胞の抗がん剤
有効性に大きく影響することが知られている遺伝子群が
多数報告されている。しかしながら、これまでに報告さ
れた遺伝子群ではがん細胞の抗がん剤有効性を系統的に
説明することはできない。昨今、ヒトゲノム解析が進
み、cDNAマイクロアレイ法などによるゲノムワイドな遺
伝子発現解析が可能になった。このような手法を用いて
個々のがんの病態や抗がん剤感受性の違いを遺伝子レベ
ルで解析し、患者毎に至適化した「オーダーメード医
療」を実現しようという動きが高まっている。
【0005】NCIのWeinsteinらは、さまざまなヒト
培養がん細胞株における抗がん剤感受性と遺伝子発現プ
ロファイルのデータベース化を進めており(Scherf, U.
etal.:Nat. Genet., 24 236-244, 2000)、このデータ
ベースを用いて抗がん剤感受性と遺伝子発現の相関解析
を行っている。またKiharaらは、特定の抗がん剤投与後
の予後が良い患者群と悪い患者群における遺伝子発現プ
ロファイルの違いを比較することで、抗がん剤感受性に
関連する遺伝子の探索を行っている(Kihara, C. et a
l.: Cancer Res. 61, 6474-6479, 2001)。
【0006】これらの方法では、いずれも膨大な遺伝子
を網羅的に解析するためにマイクロアレイが用いられ、
データはそれぞれの基準によってコンピューターで解析
処理されている。重要なことは、統計学的に意味のある
結果を得るための十分なデータ量の確保と、それに応じ
た適切な解析手段の選択である。
【0007】しかしながら、現状では以下のような問題
点がある。がん細胞株を用いたWeinsteinらの報告で
は、抗がん剤感受性と遺伝子発現の相関の具体的なクラ
イテリアを示しておらず、また、抗がん剤適合性マーカ
ー遺伝子の抽出も試みていない。また、臨床検体を使用
した場合、がん細胞が本来持っている抗がん剤感受性に
加えて患者固有の抗がん剤の体内動態や肝代謝酵素群に
よる抗がん剤不活化などの要因も考慮しなければなら
ず、がん細胞自身が持っている抗がん剤感受性のデータ
を正確に得るのが難しい。このことから、遺伝子発現解
析ができても、がん細胞固有の抗がん剤感受性に関与す
る遺伝子を正確に同定する方法は未だ確立されていな
い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、培養がん細
胞株を用いて抗がん剤適合性マーカーとなりうる遺伝子
群を特定し、該遺伝子を利用して未知のがん細胞の抗が
ん剤感受性を予測する方法を確立し、患者の抗がん剤適
合性を診断する「オーダーメード医療」に役立てること
を課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討した結果、種々の細胞株の抗が
ん剤に対する応答性の違いは、その細胞の平常時(抗が
ん剤等を投与しない、インタクトな状態)における遺伝
子発現の違いに深く関与することに着目した。そして、
種々のがん細胞株の抗がん剤感受性と、該細胞のインタ
クトな状態における遺伝子発現プロファイルの関係を網
羅的に解析し、抗がん剤適合性の指標となりうる遺伝子
の特定に成功した。さらに、検体中のがん細胞における
該遺伝子の発現プロファイルを調べることにより、該検
体の抗がん剤適合性を予測できることを見出し本発明を
完成させた。
【0010】すなわち、本発明は以下の(1)〜(1
3)を提供するものである。 (1)以下の工程で選択される、抗がん剤適合性マーカ
ー遺伝子。 1) 少なくとも20種以上のがん細胞株のそれぞれを対
象として、抗がん剤による50%増殖阻害濃度(モル/
L)の常用対数値の絶対値Xiを求める; 2) インタクトな状態において、上記各細胞株における
遺伝子Gの発現量をコントロールに対する発現量比で表
し、その底を2とした対数値Yiを求める; 3) 対象がん細胞株における上記Xi及びYiの値から、
YをXに回帰させたときの回帰直線の傾きa、ならびに
Xiの最大値Xmax及び最小値Xminを求める; 4) 少なくとも1の抗がん剤に対して、P<0.05、
かつ|a(Xmax-Xmin)|>1.5の要件を満たすと
き、上記遺伝子Gを抗がん剤適合性マーカ遺伝子として
選択する。 (2)作用メカニズムの異なる2種以上の抗がん剤に対
して、前記工程4)の要件を満たす、上記(1)記載の
抗がん剤適合性マーカー遺伝子。 (3)作用メカニズムが共通する特定の抗がん剤に対し
てのみ、前記工程4)の要件を満たす、上記(1)記載
の抗がん剤適合性マーカー遺伝子。 (4)配列番号1〜4に示されるいずれか1の塩基配列
で特定される、抗がん剤適合性マーカー遺伝子。 (5)上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の遺伝
子と特異的にハイブリダイズし、該遺伝子を検出するた
めの100〜1500塩基の連続したポリヌクレオチ
ド。 (6)前記ポリヌクレオチドが、繰り返し配列を含ま
ず、前記抗がん剤適合性マーカー遺伝子のmRNA
3'UTRを含む領域に特異的にハイブリダイズするも
のである、上記(5)記載のポリヌクレオチド。 (7)上記(5)又は(6)記載のポリヌクレオチドを
増幅するためのオリゴヌクレオチドプライマー。 (8)上記(5)又は(6)記載のポリヌクレオチドを
固定した、抗がん剤適合性を予測するための固相化試
料。 (9)検体中のがん細胞における上記(1)〜(4)の
いずれか1項に記載の抗がん剤適合性マーカー遺伝子の
発現量により、該検体の抗がん剤適合性を予測する方
法。 (10)以下の工程を含む、上記(9)記載の方法。 1) 検体中のがん細胞よりmRNAを抽出し、サンプルとす
る; 2) 上記サンプルにおける、上記(1)〜(4)のいず
れか1項に記載の抗がん剤適合性マーカー遺伝子のコン
トロールに対する相対的発現量を求める; 3) 上記サンプルにおける抗がん剤適合性マーカー遺伝
子の相対的発現量と、がん細胞株における遺伝子発現量
と抗がん剤感受性の相関を利用して、上記検体の抗がん
剤適合性を予測する; (11)前記抗がん剤適合性マーカー遺伝子の相対的発
現量をcDNAマイクロアレイ又はRT-PCR法を用いて解
析することを特徴とする、上記(9)又は(10)記載
の方法。 (12)以下の1)〜3)のいずれか1つ以上を含む、
抗がん剤適合性を予測するためのキット。 1)上記(5)又は(6)記載のポリヌクレオチド 2)上記(7)記載のオリゴヌクオチドプライマー 3)上記(8)記載の固相化試料 (13) 以下の工程を含む、抗がん剤適合性マーカー
遺伝子の選択方法。 1) 少なくとも20種以上のがん細胞株のそれぞれを対
象として、抗がん剤による50%増殖阻害濃度(モル/
L)の常用対数値の絶対値Xiを求める; 2) インタクトな状態において、上記各細胞株における
遺伝子Gの発現量をコントロールに対する発現量比で表
し、その底を2とした対数値Yiを求める; 3) 対象がん細胞株における上記Xi及びYiの値から、
YをXに回帰させたときの回帰直線の傾きa、ならびに
Xiの最大値Xmax及び最小値Xminを求める; 4) 少なくとも1の抗がん剤に対して、P<0.05、
かつ|a(Xmax-Xmin)|>1.5の要件を満たすと
き、上記遺伝子Gを抗がん剤適合性マーカ遺伝子として
選択する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。 1.抗がん剤適合性マーカー遺伝子 「抗がん剤適合性マーカー遺伝子」とは、特定の抗がん
剤がヒトがん患者に対して有効か否か(適合性)を予測
する“指標”として使用しうる遺伝子をいう。該抗がん
剤適合性マーカー遺伝子は、以下のようにして選択され
る。
【0012】(1) がん細胞株における抗がん剤の50%
増殖阻害濃度 まず、少なくとも20種以上のがん細胞株のそれぞれを
対象として、抗がん剤による50%増殖阻害濃度(モル
/L)の常用対数値の絶対値Xiを求める;上記工程で用
いられる「がん細胞株」は、ヒト由来の確立された培養
がん細胞株であって、その部位やがんの種類は限定され
ず、任意のものを用いることができる。例えば、乳がん
細胞株としてはHBC-4、BSY-1、HBC-5、MCF-7及びMDA-MB
231、神経腫細胞株としてはU251、SF-268、SF-295、SF-
539、SNB-75及びSNB-78、大腸がん細胞株としてはHCC29
98、KM-12、HT-29、WiDr、HCT-15及びHCT-116、肺がん
細胞株としてはNCI-H23、NCI-H226、NCI-H522、NCI-H48
3、A549、DMS273及びDMS114、メラノーマ細胞株として
はLOX-IMVI、卵巣がん細胞株としては、OVCAR-3、OVCAR
-4、OVCAR-5、OVCAR-8及びSK-OV-3、前立腺がん細胞株
としてはRXF-631L及びACHN、胃がん細胞株としてはSt-
4、MKN1、MKN7、MKN28、MKN45及びMKN74を用いることが
できる。
【0013】上記工程では、少なくとも20種類以上、
好ましくは30種類以上、より好ましくは35種類以上
の前記細胞株を対象として、50%増殖阻害濃度及び後
述する遺伝子の発現量を求めなければならない。対象細
胞株が少ないと信頼性の高いデータを得ることができな
いからである。
【0014】上記工程で用いられる「抗がん剤」は、が
んの治療用としてがん細胞増殖阻害効果が確認されてい
る化合物又は組成物であれば特に限定されず、市販の抗
がん剤のほか開発中の抗がん剤を用いてもよい。該抗が
ん剤は後の解析のためには、その作用メカニズムが確認
されているものが好ましい。例えば、Toremifene、Tamo
xifen、PSC833、L-Asparaginase、6-Thioguanine、6-Me
rcaptopurine、Vindecine、Docetaxel、Paclitaxel、Vi
ncristine、Vinblastine、Actinomycin-D、Tomudex、Me
thotrexate、10-EdAM、Cladribine、Gemcitabine、Enoc
itabine、Cytarabine、SN-38、Irinotecan、Camptothec
in、Neocarzinostatin、Etoposide、Mitomycin-C、Mito
xantrone、Peplomycin、Bleomycin、Thiotepa、Amsacri
ne、Carboquone、Melphalan、Pirarubicin、Epirubici
n、Doxorubicin、Daunorubicin、Genistein、Elliptici
ne、Oxaliplatin、Aclarubicin、Carmofur、5-Fluorour
acil、Tegafur、Doxifluridine、Cisplatin、Carboplat
in、Nitrogen mustard、Interferon-gamma、Interferon
-beta、Interferon-alpha、Estramustine、Dacarbazin
e、Busulfan、ICRF-154等を用いることができる。
【0015】上記工程では、任意の抗がん剤から1の抗
がん剤を選んで、対象とするがん細胞株に対する50%
増殖阻害濃度 [GI50] を求め、その常用対数値の絶対
値:|log10[GI50]|をXiとする。ここで、「50%増殖
阻害濃度」とは、in vitroで任意の細胞に抗がん剤を接
触させたとき、該細胞の増殖を50%阻害するのに必要
とされる抗がん剤のモル濃度(モル/L)をいい、該細
胞の「抗がん剤感受性」を示すものである。増殖阻害活
性は、公知の方法、例えば、スルフォローダミンB(SR
B)アッセイ、MTTアッセイ等を用いて評価することがで
きるが、特にスルフォローダミンBアッセイを用いるこ
とが簡便で好ましい。
【0016】スルフォローダミンBアッセイによる50
%増殖阻害濃度の測定は、公知の方法 (Monks, A. et a
l., J Natl Cancer Inst. 83, 757-766, 1991) にした
がい、例えば以下のように実施することができる。ま
ず、各がん細胞株をプレートに播種し、24時間後抗がん
剤を10倍希釈系列で5点(10XM、10X+1M、10X+2M、10X+3
M、10X+4M)とって培地に加える。48時間インキュベー
トした後、各サンプルにスルフォローダミンBを加えて
その吸光度を測定し、セルカルチャーに含まれる総蛋白
量の変化として細胞増殖活性を測定する。ついで、薬剤
を加えずに同じ期間インキュベートしたサンプルを10
0%、薬剤を処理する前のサンプルを0%として、細胞
増殖を50%阻害するのに必要な薬剤濃度を算出する。
【0017】(2) インタクトな状態における遺伝子の発
現量比 つぎに、インタクトな状態において、上記各細胞株にお
ける遺伝子Gの発現量をコントロールに対する発現量比
で表し、その底を2とした対数値Yiを求める;上記工
程で用いられる遺伝子Gは、ヒト由来の遺伝子の中から
任意に選んで特定された遺伝子であって、全長遺伝子の
みならずその部分断片も含まれる。なお、本明細書中に
おいて遺伝子という用語には、DNAのみならずそのmRNA
やcDNAも含むものとする。
【0018】上記工程では、インタクトな状態におい
て、遺伝子Gの各細胞株における発現量を適当なコント
ロールに対する発現量比として求める。ここで、「イン
タクトな状態」とは、細胞に抗がん剤等を接触させてい
ない無傷の状態、すなわち平常状態を意味するものとす
る。また、コントロールは測定に供される各サンプル量
のバラツキを是正するための内部標準であって、特に限
定されるものではないが、解析対象とする全て又は一部
のがん細胞株由来mRNAの混合物を用いることが好まし
い。
【0019】また、「遺伝子の発現量」は遺伝子の発現
を定量的に示す値であればよく、例えば測定しようとす
るmRNAやcDNAを適当な標識を用いてラベルしたときの、
シグナル強度として求めることができる。すなわち、遺
伝子を蛍光ラベルにより検出すれば蛍光強度として、放
射ラベルにより検出すれば放射活性として求めることが
できる。
【0020】遺伝子の発現量を解析する方法としては、
例えば、DNAチップ、cDNAマイクロアレイ、及びメンブ
レンフィルターから選ばれる固相化試料を用いた核酸ハ
イブリダイゼーション法、RT-PCR法、リアルタイムPCR
法、サブトラクション法、ディファレンシャル・ディス
プレイ法、ディファレンシャル・ハイブリダイゼーショ
ン法、ならびにクロスハイブリダイゼーション法等を挙
げることができる。
【0021】(3) cDNAマイクロアレイによる遺伝子の発
現量比の検出 上記工程の好ましい態様として、遺伝子の発現量比は、
cDNAマイクロアレイを用いて検出することができる。cD
NAマイクロアレイは数千〜数万の遺伝子の発現を、定性
的かつ定量的に、一度で検出することが可能なため本工
程の実施に好適である。
【0022】前記cDNAマイクロアレイは、検出対象であ
るヒト遺伝子がスポットされているものであれば特に限
定されず、既成のものを用いてもよい。cDNAマイクロア
レイはまた、公知の方法に基づいて作製することもでき
る。cDNAマイクロアレイの作製は、例えばヒト組織から
抽出したmRNA或いは市販のヒトmRNAからRT-PCR法により
cDNAを調製し、ついでこのcDNAのうち特異性の高い部分
(例えば、3’側の反復配列を含まないUTR領域)をP
CR増幅する。この作業を繰り返して目的とする全ての遺
伝子のcDNAを調製したら、これらを市販のスポッター
(例えば、Amersham社製など)を用いてスライドグラス
上にスポッティングすればよい。
【0023】cDNAマイクロアレイによる遺伝子発現量の
検出は、サンプルmRNA(或いはcDNA)を適当な試薬でラ
ベルし、これをアレイ上のcDNAとハイブリダイズさせた
ときのシグナル強度として測定することができる。遺伝
子の発現量は、通常アレイ上にスポットされたcDNA量の
バラツキを考慮し、適当なコントロールとの比較値、す
なわち発現量比として求める。該コントロールとして
は、解析対象とする全て又は一部のがん細胞株由来mRNA
の混合物を用いることが好ましい。
【0024】以下にcDNAマイクロアレイを用いた遺伝子
発現量の測定例について説明する。対象とする細胞株よ
りmRNAを抽出し、Cy5標識dCTP存在下逆転写してCy5標識
cDNAを調製する。つぎに、解析対象とする全ての細胞株
由来のmRNAを混合し、同様の方法でCy3標識cDNAを調製
する。Cy5標識cDNA(サンプル)とCy3標識cDNA(コント
ロール)を等量ずつ混合し、アレイ上のcDNAとハイブリ
ダイズさせる。得られた蛍光強度を適当なスキャナーで
読み取り、数値化すれば、この値はコントロールに対す
るサンプルの遺伝子発現量比に相当する。なお、標識用
色素はサンプルにCy3を、コントロールにCy5を利用して
もよいし、その他の適当な標識試薬を用いてもよい。ま
た、スキャナーで読み取った蛍光強度は必要に応じて、
誤差の調整や各試料毎のばらつきの正規化を行ってもよ
い。正規化は、ハウスキーピング遺伝子等各サンプルで
共通に発現している遺伝子を基準に行うことができる。
さらに、信頼性限界ラインを特定して、相関性の低いデ
ータを除いてもよい。求めるYiは、上記のようにして
検出された遺伝子の発現量比(Cy3/Cy5)の2を底とす
る対数値;log2(Cy3/Cy5) として算出する。
【0025】(4) 回帰直線の傾きa、Xmax及びXmin すべての対象がん細胞株における上記Xi及びYiの値か
ら、遺伝子発現量(Y)を細胞株の抗がん剤感受性
(X)に回帰させたときの「回帰直線の傾きa」、なら
びにXiの最大値Xmax及び最小値Xminを求める。回帰
直線の傾きaは、例えば最小二乗法により求めることが
好ましい。
【0026】(5) 検定と抗がん剤適合性マーカーの選択 最後に、少なくとも1の抗がん剤に対して、P<0.0
5、かつ|a(Xmax-Xmin)|>1.5の要件を満たすと
き、前記遺伝子Gを抗がん剤適合性マーカー遺伝子とし
て選択する。前記「P値」は、例えばピアソン相関係数
とデータ数(対象となる全細胞株数)からJIS相関係
数検定表に基づいて求めることができる。なお、ピアソ
ン相関係数は、ピアソンの積率相関係数を意味し、次式
であらわされる値である。
【0027】
【数1】 i:は任意の整数
【0028】P値が有意水準(本発明においては、0.
05とする)よりも小さく、感受性細胞と耐性細胞にお
ける発現量の差がある程度大きければ(本発明では|a
(Xmax-Xmin)|で評価するものとし、この値が1.5よ
り大とする)、抗がん剤感受性は細胞株毎にある程度の
差を有し、かつ該抗がん剤感受性と遺伝子Gの発現量は
有意な相関を示すと判定する。つまり、上記工程で選択
された遺伝子は、特定の抗がん剤感受性と有意な相関を
もって発現し、細胞が抗がん剤感受性を有するか否かを
予測する指標:「抗がん剤適合性マーカー」となりう
る。
【0029】(6) 抗がん剤適合性マーカーの具体例 以上のようにして選択された抗がん剤適合性マーカー遺
伝子としては、例えば表1に記載した1067の遺伝子を挙
げることができる。前記抗がん剤適合性マーカー遺伝子
には、 種々の抗がん剤に対して広く相関を示すもの、すなわ
ち、作用メカニズムの異なる多種の抗がん剤に対して、
P<0.05、かつ|a(Xmax-Xmin)|>1.5の要件
を満たすマーカー遺伝子、及び 作用メカニズムが共通する特定の抗がん剤に対して選
択的相関を示すもの、すなわち、作用メカニズムが共通
する特定の抗がん剤に対して、P<0.05、かつ|a
(Xmax-Xmin)|>1.5の要件を満たすマーカー遺伝
子、などがある。
【0030】前記に含まれる遺伝子としては、例えば
表1に記載された遺伝子のうち、GenBank Accession N
o.; M16985, U16954, L08246, AF070598, L41887, X965
86, U18300, Z30094, AF016370, AI077599, M13519, U4
2360, AF029082, L19605, AB011140, AA292973, AB0066
22, U17989, U02031, AI028438, X16832, AF028824, D4
5906, U63717, U26648, M74091, U48734, AA255699, AF
042384, AA514818. AF029082, X16832, D45906, U9087
8, AB011140, U48734 等が挙げられる。より具体的に
は、アルドースレダクターゼ:AKR1B1遺伝子(GenBank A
ccession No.J04795:配列番号1)、損傷DNA結合タン
パク:DDB2遺伝子(GenBank Accession No.U18300:配列
番号2)、LIMドメインキナーゼ:LIMK2遺伝子(GenBank
Accession No.D45906:配列番号3)、及びカテプシン
H:CTSH遺伝子(GenBank Accession No.X16832:配列番
号4)を挙げることができる。
【0031】また、に含まれる遺伝子としては、例え
ば、アントラサイクリン系抗生物質にのみ特異的に正の
感受性を示す遺伝子群;GenBank Accession No.; X0334
2, D38305, AA632225, U28946、アントラサイクリン系
抗生物質にのみ特異的に負の感受性を示す遺伝子群;Ge
nBank Accession No.; U51224, Z29630, M63967, L3698
3, X63679、またトポ1阻害剤に選択的に相関を示す遺
伝子群;GenBank Accession No. ; X74929, Y00503, AA
489569, X03212, J00269 等を挙げることができる。
【0032】これら各群に含まれるマーカー遺伝子は、
抗がん剤の適合性予測方法において、それぞれ異なった
利用方法が期待できる。例えばに含まれるマーカー遺
伝子群は、未知検体が概して抗がん剤に適合性を有する
かを広く予測したい場合に用いられ、に含まれるマー
カー遺伝子群は、未知検体がどのような種類の抗がん剤
に対して適合性を有するかどうかを判断したい場合に用
いられる。
【0033】2.抗がん剤適合性マーカー遺伝子検出用
ポリヌクレオチド 本発明にかかる抗がん剤適合性マーカー遺伝子検出用ポ
リヌクレオチドとは、前記抗がん剤適合性マーカー遺伝
子と特異的にハイブリダイズし、該遺伝子を検出するた
めに用いられるポリヌクレオチドである。かかるポリヌ
クレオチドは、前記抗がん剤適合性マーカー遺伝子のう
ち特異性の高い領域に相補的な配列として設計すること
ができ、100〜1500塩基長が好ましく、200〜
1100塩基長であることがより好ましい。
【0034】特に、前記ポリヌクレオチドは検出対象で
ある遺伝子のmRNAの3'側UTRを含む領域に相補的な配
列として設計することが望ましい。3'側UTR領域はポ
リA配列から近いため、mRNAを抽出する際に壊れにくい
ばかりでなく、遺伝子の特異性が高い領域だからであ
る。なお、前記ポリヌクレオチドは、抗がん剤適合性マ
ーカー遺伝子を鋳型として、後述するプライマーを用い
たPCR法により取得することができる。
【0035】3.抗がん剤適合性マーカー遺伝子検出用
ポリヌクレオチドの増幅用プライマー 本発明にかかるプライマーは、本発明の抗がん剤適合性
マーカー遺伝子を鋳型として、前記抗がん剤適合性マー
カー遺伝子検出用ポリヌクレオチドを特異的にPCR増幅
するためのオリゴヌクレオチドである。
【0036】前記プライマーは、本発明の抗がん剤適合
性マーカー遺伝子が選択されれば、その特異性の高い領
域に基づいて、市販のプライマー設計ソフトを用いるな
どして、容易に設計することができる。該プライマー
は、本発明の抗がん剤適合性マーカー遺伝子のmRNAの3'
側UTRを含む領域を特異的に増幅する15〜25塩基
長のオリゴヌクレオチドとして設計することが好まし
い。
【0037】4.抗がん剤適合性マーカー遺伝子検出用
固相化試料(cDNAマイクロアレイ等) 本発明にかかる抗がん剤適合性マーカー遺伝子検出用固
体相化試料は、前記抗がん剤適合性マーカー遺伝子検出
用ポリヌクレオチドを公知の方法に基づき、固相上に固
定することにより作製することができる。固相化試料と
しては、DNAチップ、cDNAマイクロアレイ、メンブレン
フィルター等が挙げられる。固相としては、ガラススラ
イド、金属板、ガラスキャピラリー等が挙げられる。固
定方法は、cDNAマイクロアレイのようにあらかじめ合成
したポリヌクレオチドを市販のスポッター(例えば、Am
ersham社製など)を用いてガラススライド等の固相上に
固定する方法であっても、DNAチップのように固相上で
ポリヌクレオチドを合成する方法であってもよい。前記
固相化試料は、後述する本発明の抗がん剤適合性予測方
法に用いることができる。
【0038】5.抗がん剤適合性予測方法 本発明の抗がん剤適合性マーカー遺伝子は、細胞の抗が
ん剤感受性と有意な相関をもって発現し、抗がん剤適合
性の指標として使用しうる遺伝子である。したがって、
検体中のがん細胞におけるこれらマーカー遺伝子の発現
量により、該検体の抗がん剤適合性を予測することがで
きる。ここで「検体」とは、未知のがん細胞や、がん患
者から採取されたがん細胞等を意味する。
【0039】(1) 抗がん剤適合性予測方法の具体的工程 被験者の抗がん剤適合性予測は、例えば以下の工程によ
り実施することができる。 1) 検体中のがん細胞よりmRNAを抽出し、サンプルとす
る; 2) 上記サンプルにおける、請求項1記載の抗がん剤適
合性マーカー遺伝子のコントロールに対する相対的発現
量を求める; 3) 上記サンプルにおける抗がん剤適合性マーカー遺伝
子の相対的発現量と、がん細胞株における遺伝子発現量
と抗がん剤感受性の相関を利用して、上記検体の抗がん
剤適合性を予測する;工程1において、検体中のがん細
胞からのmRNAの抽出は、公知の方法に基づき、例えばQi
agen社製RNeasy RNA purification kit などを用いて実
施することができる。抽出されたmRNAは、必要であれば
T7 RNAポリメラーゼを用いた増幅法により増幅して用い
てもよい。
【0040】工程2において、抗がん剤適合性マーカー
遺伝子の発現量は、コントロールに対する相対的発現量
として求める。コントロールは測定に供されるサンプル
量のバラツキを是正するための内部標準であって、特に
限定されるものではないが、抗がん剤適合性マーカー遺
伝子の選択において、対象とした全て又は一部のがん細
胞株由来のmRNAの混合物を用いることが好ましい。
【0041】遺伝子の相対的発現量の検出は、特に限定
されず、例えばRT-PCR法(Taqmanなどのreal time含
む)、Northern blot法、ATAC-PCR法、オリゴアレイ(ア
フィメトリクス社製等)、DNAアレイ、cDNAマイクロア
レイ、及びメンブレンフィルター等の固相化試料を用い
た核酸ハイブリダイゼーション法、サブトラクション
法、ディファレンシャル・ディスプレイ法、ディファレ
ンシャル・ハイブリダイゼーション法、ならびにクロス
ハイブリダイゼーション法など、任意の遺伝子発現定量
法を用いることができる。
【0042】なかでも、cDNAマイクロアレイを用いて検
出する方法は多数の遺伝子の発現プロファイルを一度に
解析する場合に簡便で好ましい。該cDNAマイクロアレイ
は、本発明の抗がん剤適合性マーカー遺伝子を検出でき
るものであればよく、例えば、前項4.に記載した本発
明のマイクロアレイを用いることができる。cDNAマイク
ロアレイによる抗がん剤適合性マーカー遺伝子の相対的
発現量は、1.の(3)に記載した方法にしたがって検出
することができる。すなわち、サンプルmRNAをCy5標識c
DNAとし、コントロールmRNAをCy3標識cDNAとし、各々等
量ずつ混合してcDNAマイクロアレイにハイブリダイズさ
せ、蛍光強度を読み取ればよい。
【0043】また、RT-PCR法やその1つであるリアルタ
イムPCR(TaqMan PCR)法は微量なDNAを高感度かつ定量
的に検出できるという点で好ましい。RT-PCRでは、検出
すべき遺伝子、例えばAKR1遺伝子(配列番号1)のmRNA
を逆転写し、これを該遺伝子を特異的に増幅するプライ
マー(例えば、配列番号5及び配列番号6に示される塩
基配列からなるプライマー)によりPCR増幅する。増幅
産物は、電気泳動等により分離し、定量することができ
る。リアルタイムPCR(TaqMan PCR)法は、5’端を蛍光
色素(レポーター)で、3’端を蛍光色素(クエンチャ
ー)で標識した、目的遺伝子の特定領域にハイブリダイ
ズするオリゴヌクレオチドプローブを用いて検出を行
う。該プローブは、通常の状態ではクエンチャーによっ
てレポーターの蛍光が抑制されている。この蛍光プロー
ブを目的遺伝子に完全にハイブリダイズさせた状態で、
その外側からTaq DNAポリメラーゼを用いてPCRを行う。
TaqDNAポリメラーゼによる伸長反応が進むと、そのエキ
ソヌクレアーゼ活性により蛍光プローブが5’端から加
水分解され、レポーター色素が遊離し、蛍光を発する。
リアルタイムPCR法は、この蛍光強度をリアルタイムで
モニタリングすることにより、鋳型DNAの初期量を正確
に定量することができる。
【0044】工程3において、未知検体の抗がん剤適合
性は、前記抗がん剤適合性マーカー遺伝子の相対的発現
量と、がん細胞株における遺伝子発現量と抗がん剤感受
性の相関を利用して予測する。ここで、「がん細胞株に
おける遺伝子発現量と抗がん剤感受性の相関」とは、
1.に記載した、培養がん細胞株における遺伝子発現量
(Y)と該細胞株の抗がん剤感受性=50%増殖阻害濃
度(X)との相関を意味する。
【0045】(2)検体の抗がん剤適合性予測 検体中のがん細胞において相対的発現量が高い遺伝子群
が特定の抗がん剤Gに対して相関が高い遺伝子群と一致
する率が高ければ、該検体はその抗がん剤Gに対して適
合性であることが予測できる。一方、検体中のがん細胞
において相対的発現量が高い遺伝子群が、特定の抗がん
剤Gに対して相関が高い遺伝子群と全く一致しなけれ
ば、該検体はその抗がん剤Gに対して適合性が低いこと
が予測できる。
【0046】上記の例は最も単純な予測方法であり、抗
がん剤適合性マーカー遺伝子群の同定に用いたがん細胞
株において学習された遺伝子発現と抗がん剤感受性の相
関から、検体中のがん細胞の抗がん剤適合性マーカー遺
伝子群の発現プロファイルをコンピューターを用いて比
較解析することにより、多数の抗がん剤適合性マーカー
遺伝子を指標としたより信頼性の高い適合性予測をする
こともできる。
【0047】すなわち、本発明の抗がん剤適合性マーカ
ー遺伝子の「遺伝子発現と抗がん剤感受性の相関」にか
かるデータ、或いはこれを記録したコンピューターで読
み取り可能な記録媒体は、抗がん剤適合性予測方法の有
用なツールとして利用できる。
【0048】6.抗がん剤適合性予測用キット 本発明はまた、抗がん剤の適合性を予測するためのキッ
トを提供する。該キットは、既に説明した以下の1)〜
3)の少なくとも1つ以上を含む。 1)抗がん剤適合性マーカー遺伝子検出用ポリヌクレオ
チド 2)抗がん剤適合性マーカー遺伝子検出用ポリヌクレオ
チドの増幅用プライマー 3)抗がん剤適合性マーカー遺伝子検出用固相化試料 上記ポリヌクレオチドやオリゴヌクレオチドプライマー
は放射性物質、蛍光色素、酵素等で標識されていてもよ
いし、適当なリンカーが付加されていてもよい。また、
キットには、上記構成要素のほか、本発明の抗がん剤適
合性予測方法を実施するために必要な他の試薬、酵素、
反応液等を含んでいても良い。
【0049】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明について詳細に
説明するが、本発明の範囲はかかる実施例に限定される
ものではない。
【0050】実施例1:ヒトがん細胞株における抗がん
剤感受性プロファイル <被験試料> がん細胞株(39種) 乳がん:HBC-4、BSY-1、HBC-5、MCF-7、MDA-MB231、 神経腫:U251、SF-268、SF-295、SF-539、SNB-75、SNB-
78、 大腸がん:HCC2998、KM-12、HT-29、WiDr、HCT-15、HCT
-116、 肺がん:NCI-H23、NCI-H226、NCI-H522、NCI-H483、A54
9、DMS273、DMS114、 メラノーマ:LOX-IMVI、 卵巣がん:OVCAR-3、OVCAR-4、OVCAR-5、OVCAR-8、SK-O
V-3、 前立腺がん:RXF-631L、ACHN、 胃がん:St-4、MKN1、MKN7、MKN28、MKN45、MKN74、 抗がん剤(55種) Toremifene、Tamoxifen、PSC833、L-Asparaginase、6-T
hioguanine、6-Mercaptopurine、Vindecine、Docetaxe
l、Paclitaxel、Vincristine、Vinblastine、Actinomyc
in-D、Tomudex、Methotrexate、10-EdAM、Cladribine、
Gemcitabine、Enocitabine、Cytarabine、SN-38、Irino
tecan、Camptothecin、Neocarzinostatin、Etoposide、
Mitomycin-C、Mitoxantrone、Peplomycin、Bleomycin、
Thiotepa、Amsacrine、Carboquone、Melphalan、Piraru
bicin、Epirubicin、Doxorubicin、Daunorubicin、Geni
stein、Ellipticine、Oxaliplatin、Aclarubicin、Carm
ofur、5-Fluorouracil、Tegafur、Doxifluridine、Cisp
latin、Carboplatin、Nitrogen mustard、Interferon-g
amma、Interferon-beta、Interferon-alpha、Estramust
ine、Dacarbazine、Busulfan、ICRF-154
【0051】<試験方法> 1.増殖阻害活性(抗がん剤感受性)の測定 各がん細胞株(39種)を96ウェルプレートに播種し、翌
日抗がん剤を10倍希釈系列で5点とり培地に加えた。48
時間インキュベート後、各サンプルにおける増殖阻害活
性をスルフォローダミンBアッセイにより、セルカルチ
ャーに含まれる総蛋白量の変化として測定した。図1に
試験の概略とスルフォローダミンBアッセイの写真を示
す。得られた測定値より、公知の方法(Monks, A. et a
l., J Natl Cancer Inst. 83, 757-766, 1991)に基づき
50%増殖阻害に必要な薬剤濃度(GI50)を求める。これ
を繰り返し、39種類の対象がん細胞株全てに対する増殖
阻害活性を求めた。
【0052】<結果>図2に、乳がん細胞株5系につい
て、トポ1阻害剤カンプトテシンを処理した際の増殖阻
害を示す。MCF7とHBC4は10-6M以下で50%阻害され、カ
ンプトテシンに感受性であると考えられた。また、その
他の3系は50%阻害に10-5M程度を必要とし、カンプトテ
シンに耐性であると考えられた。また、各細胞株におけ
る抗がん剤感受性は大きく異なっていた。このようなが
ん細胞の性質は、個々の細胞株おける遺伝子発現の違い
を反映しているものと考えられた。
【0053】実施例2:抗がん剤感受性遺伝子の発現プ
ロファイル 実施例1で、さまざまな抗がん剤への感受性が明らかに
された39種類のがん細胞株における遺伝子発現プロファ
イル(遺伝子発現の総体的特徴)を解析し、これまでに
蓄積された薬剤感受性データとの統合データベース化を
はかることにより、抗がん剤感受性に統計学的に有意な
相関を示す遺伝子群を抽出することを試みた。まず、各
抗がん剤感受性が明らかにされた39種類のがん細胞株に
おける遺伝子発現プロファイルを、cDNAマイクロアレイ
を用いて解析した。なお、cDNAマイクロアレイは、約90
00種類のヒトcDNAがスポットされたものを作製して用い
た。
【0054】1.cDNAマイクロアレイによるmRNA発現プ
ロファイルの解析 1) 試料の調製 各細胞株からmRNAを抽出し、Cy5でラベルしたdCTP存在
下逆転写し、Cy5標識cDNAを作製した。コントロールと
して、39種類の細胞株から抽出したmRNAを等量混合し、
Cy3でラベルしたdCTP存在下逆転写し、Cy3標識cDNAを作
製した。最後に上記のmRNA(cDNA)サンプルを等量ずつ
混合し、マイクロアレイ アプライ用試料とした。 2) mRNA発現量比の測定 調製した試料をマイクロアレイにハイブリダイズさせ、
スキャナー(Gen IIIarray scanner:Amersham社製)で
蛍光強度を読み取った。得られた画像イメージはソフト
ウェア“Array Vision”(Imaging research社製)を用
いて数値化した。つぎに、ハウスキーピング遺伝子の発
現を基に各試料毎のばらつきを正規化し、さらに信頼性
限界ラインを特定して、相関性の低いデータを除いた。
こうしてコントロールに対するサンプルmRNAにおける各
遺伝子の相対的発現量が求められた。図3にcDNAマイク
ロアレイを用いたmRNA発現量の検出方法の概略を示す。 3) mRNA発現プロファイルの解析 特定の抗がん剤及び特定の遺伝子について、実施例1で
求めた抗がん剤の各細胞に対するGI50の常用対数値の絶
対値:|log10[GI50]| を横軸に、各細胞における遺伝子
の発現量比(Cy5/Cy3)の底を2とした対数値:log2(Cy
5/Cy3) を縦軸にとり、39細胞についてそれぞれXY平
面上にプロットした。そして、Xの最大値Xmax最小値
Xminを求めた。つぎに39点の回帰直線を引き、最小二
乗法により回帰直線の傾きaとa(Xmax-Xmin)、ピアソ
ン相関係数rを求め、P<0.05(すなわち相関係数
0.32より大)、|a(Xmax-Xmin)|>1.5の要件を満
たす遺伝子を有意な相関がある遺伝子とした。
【0055】図4に、LIMK2遺伝子(LIM domain kinase
2 gene, GenBank Accession No. D45906)を例にした
相関解析を示す。LIMK2遺伝子の発現量が高いほどエト
ポシドに耐性になる、すなわち、薬剤耐性因子候補と言
うことができる。逆に、相関係数が正のものは薬剤感受
性因子候補ということができる。
【0056】以上の相関解析を9000遺伝子×55薬剤=5
0万回行い、少なくとも1の薬剤について有意な相関を
示した遺伝子のみを選択したところ、アレイ上の9000種
類の遺伝子のうち以下に示す1067種類の遺伝子が選択さ
れた。表1に選択された遺伝子とそのGenBank Accessio
n No.及びUniGene Code(2001年3月)を示す。
【0057】
【表1】
【0058】2.クラスター解析 選択された1067の遺伝子について、55薬剤との相関をよ
り直接的に示すためにピアソン相関係数を基にした2次
元クラスター解析を行った(図5)。さらに、アントラ
サイクリン系薬剤(Epirubicin, Daunorubicin, Doxoru
bicin)とトポ1阻害剤(SN-38, Irinotecan, Camptoth
ecin)について、これらに有意な相関を示す遺伝子群
(各薬剤群3剤中2剤以上で有意な相関を示す遺伝子群)
を抽出し、それらの遺伝子の55剤に対するピアソン相関
係数を基にした2次元クラスター解析を行った(図6、
図7)。図中、赤色は正の相関、緑色は負の相関を示
す。
【0059】<結果> アントラサイクリン系薬剤のクラスター解析(図6):
正の相関を示す遺伝子群(感受性遺伝子群)では、表中
のDDB2(GenBank Accession No.U18300:配列番号2)
を含むクラスターに含まれる遺伝子群(GenBankAccessi
on No.; M16985, U16954, L08246, AF070598, L41887,
X96586, U18300, Z30094, AF016370, AI077599, M1351
9, U42360)は、アントラサイクリンに限らず、トポ1
阻害剤やブレオマイシンなどさまざまな抗がん剤に相関
を示すのに対し、TOB1(GenBank Accession No.D38305)
などを含むクラスターに含まれる遺伝子群(GenBank Ac
cession No.; X03342, D38305, AA632225, U28946)は
アントラサイクリン系抗生物質にのみ特異的に相関を示
した。
【0060】一方、負の相関を示す遺伝子群(耐性遺伝
子群)も、カテプシンH(GenBankAccession No.X1683
2:配列番号4)やサイクリンC(GenBank Accession N
o. M74091)を含むクラスターに含まれる遺伝子群(Gen
Bank Accession No.; AF029082, L19605, AB011140, AA
292973, AB006622, U17989, U02031, AI028438, X1683
2, AF028824, D45906(配列番号3), U63717, U26648,
M74091, U48734, AA255699, AF042384, AA514818)は
さまざまなタイプの抗がん剤に共通して相関を示すのに
対し、アルデヒドデヒドロゲナーゼ5(GenBank Access
ion No.; M63967)などの遺伝子群(GenBank Accession
No.; U51224, Z29630, M63967, L36983,X63679)はア
ントラサイクリン系抗生物質にのみ特異的な相関を示し
た。
【0061】トポ1阻害剤のクラスター解析(図7):
正の相関を示す遺伝子群は、トポ阻害剤に選択的な相関
を示す遺伝子群は抽出されなかったが、負の相関を示す
耐性遺伝子候補群は、カテプシンH(GenBankAccession
No. X16832:配列番号4)や14-3-3proteinなど多くの
抗がん剤に相関を示す遺伝子群(GenBank Accession N
o. ; AF029082, X16832, D45906, U90878, AB011140, U
48734)と、ケラチン群のようにトポ1阻害剤に選択的
に相関を示す遺伝子群(GenBank Accession No. ; X749
29, Y00503, AA489569, X03212,J00269)に分類され
た。
【0062】<結論>相関係数のクラスター解析の結
果、抽出された1067の遺伝子は、さまざまな作用機序の
抗がん剤に相関を示す遺伝子群と、ある種の作用機序の
抗がん剤に特異的に相関を示す遺伝子群に分類された。
一方、抗がん剤の側からみると、作用メカニズムの似た
薬剤では有意な相関を示す遺伝子群が共通していること
が確認された。
【0063】実施例3:抗がん剤適合性マーカー遺伝子
のバリデーション 実施例1及び2で、39種のがん細胞株を用いて選択され
た抗がん剤適合性マーカー遺伝子のバリデーションを行
った。バリデーションの対象としては、実施例2でさま
ざまなタイプの抗がん剤に共通して相関を示すことが確
認されたマーカー遺伝子から下表に示す4つを選択し
た。このうちAKR1B1とDDB2は種々の抗がん剤と正の相関
を、LIMK2とCTSHは負の相関を示すマーカー遺伝子であ
る。
【0064】
【表2】
【0065】抗がん剤としては、表3に示すように、実
施例1で用いた55種の薬剤から選択した42の薬剤と新た
な23種の薬剤の計65種の薬剤を用いた。細胞株として
は、実施例1で用いた細胞株に加えて、新たに12種の胃
がん細胞株(GCIY、GT3TKB、HGC27、AZ521、Ist-4、NUG
C-3、NUGC-3/5FU、HCS-42、AGS、KWS-1、OKIBA、及びAO
TO)を用いた。各細胞におけるマーカー遺伝子の発現量
はRT-PCRを用いて解析し、各マーカー遺伝子の発現パタ
ーンと抗がん剤感受性との関係をピアソン相関係数によ
り評価した。
【0066】(1)新規薬剤を対象とした遺伝子発現パタ
ーンとの相関解析 新規23薬剤を含む65種の抗がん剤を対象として、AKR1B
1、DDB2、LIMK2、及びCTSHの4遺伝子の発現パターンと
抗がん剤感受性との相関解析を行った。解析は、実施例
2で用いた39種のヒトがん細胞におけるcDNAマイクロ
アレイによる遺伝子発現データを用いて、実施例2と同
様の方法で解析した。結果を表3、及び図8に示す。
【0067】
【表3】 表中、rは薬剤と遺伝子のピアソン相関係数、▲は負の
相関、***P<0.001, **P<0.01, *P<0.05を示す。
【0068】4つのマーカー遺伝子の発現レベルは、AK
R1B1が大腸がん由来の細胞株でやや低い発現量を示した
ことを除いて、細胞の起源組織の違いにあまり影響を受
けなかった(図8)。AKR1B1とDDB2は、それぞれ65薬剤
中23及び27薬剤と正の相関関係を示し、さらに今回の研
究で新たに調べた23薬剤についてはともに8薬剤と正の
相関関係を示した。他方、CTSH とLIMK2 はそれぞれ、6
5薬剤中27及び28薬剤と負の相関関係を示し、さらに今
回の研究で新たに調べた23薬剤についてはそれぞれ8及
び10薬剤と負の相関関係を示した。すなわち、4つのマ
ーカー遺伝子は、新たな23薬剤についても、多くの抗が
ん剤と相関を示すことが確認された。
【0069】(2)RT-PCRによるcDNA マイクロアレイ遺伝
子発現データの確認 cDNA マイクロアレイによる遺伝子発現データを確認す
るために、39細胞株中11の細胞株(6つの胃がん細胞株S
t-4、MKN1、MKN7、MKN28、MKN45及びMKN74:ならびに、
5つの大腸がん細胞株:HCC2998、KM-12、HT-29、WiDr、
HCT-15及びHCT-116)について、RT-PCRにより前述の4
つのマーカー遺伝子の発現解析を行った。
【0070】まず各細胞株は誘導期まで単層培養し、PB
Sで2回洗浄後、TRIzol 試薬(Life Technologies, Inc.
製)を用いて全RNAを抽出し、DNase I (Boehringer Mann
heim製)によりゲノムDNAを除去した。この全RNA 1μgを
Superscript II reverse transcriptaseにより逆転写
し、RNA PCR core kit (PE biosystems製)を利用してPC
R反応を行った。用いたPCRプライマーの配列は以下に示
すとおりである。 AKR1B1: Forward primer:5'-ctggactacctggacctctacct-3'(配列
番号5) Reverse primer:5'-tttgaggcaaagagaagtctt-3'(配列番
号6) DDB2: Forward primer:5'-ctagtagccgaatggtggtca-3'(配列番
号7) Reverse primer:5'-attggccatatcaaaagagcac-3'(配列番
号8) LIMK2: Forward primer:5'-tgtttacctgctcactggctcta-3'(配列
番号9) Reverse primer:5'-tagtctgatcaatggcccagttc-3'(配列
番号10) CTSH: Forward primer:5'-tactggtccctacccaccttc-3'(配列番
号11) Reverse primer:5'-ggaggtgctcactcaatgtttat-3'(配列
番号12) 遺伝子の検出は、PCR産物をアガロースゲル電気泳動に
かけ、エチジウムブロマイドで染色し、各バンドをNIH
イメージソフトウェアを用いて定量することにより実施
した。RT-PCRは2回以上繰り返し、再現性を確認した。
【0071】図9に示すよう、cDNAマイクロアレイで測
定された発現データは、RT-PCRの結果と非常によく一致
した(AKR1B1: r=0.74, P<0.01, DDB2: r=0.91, P<0.00
1, CTSH: r=0.85, P<0.001, LIMK2: r=0.58, P<0.1)。
同様の結果は、他の組織由来の細胞でも確認された。
【0072】(3)新規細胞株を対象としたRT-PCR法に
よる解析 マーカー遺伝子と抗がん剤感受性との関係の普遍性を確
認するために、実施例1及び前項図9で用いた胃がん細
胞株6種(St-4、MKN1、MKN7、MKN28、MKN45、及びMKN7
4)に、新たに12種の胃がん細胞株(GCIY、GT3TKB、HGC
27、AZ521、Ist-4、NUGC-3、NUGC-3/5FU、HCS-42、AG
S、KWS-1、OKIBA、及びAOTO)を加え、計18種の胃がん
細胞株について、(1)の表3に示した65種の抗がん剤に
対する感受性を、実施例1と同様の方法で解析した。ま
た、(2)と同様にRT-PCR法により18種の胃がん細胞株に
おける前記4遺伝子の発現解析を行った(図4)。これ
らのデータを用い、(1)の表3でそれぞれの遺伝子と有
意な相関を示した抗がん剤について、18種の胃がん細胞
株においても相関を示すかを検討した(表4)。
【0073】
【表4】 表中、▲は負の相関、***P<0.001, **P<0.01, *P<0.05,
aP<0.1を示す。
【0074】AKR1B1は、(1)の表3に示したように、39
種の細胞株を用いた相関解析で65の薬剤中23の薬剤につ
いて、有意な相関を示した(P<0.05)。AKR1B1は、18種の
胃がん細胞株においても、前記23薬剤中20の薬剤に対し
て有意な相関(P<0.05)を示した(表2(a))。つまり、3
9の細胞株で観察されたAKR1B1と抗がん剤と同様の関係
が、18の胃がん細胞株でも確認された。また、CTSHは39
種の細胞株における相関解析で、65の薬剤中27の薬剤と
有意な負の相関(P<0.05)を示した。同様の関係は、18種
の胃がん細胞株においても、27薬剤中15の薬剤について
確認された(表2(b))。DDB2は、39種の細胞株を用い
た相関解析で27の薬剤に対して有意な正の相関を示し、
そのうち20の薬剤について、有意ではないが、胃がん細
胞株においても正の相関が認められた(表2(c))。LIM
K2は39種の細胞株を用いた相関解析で有意な負の相関を
示した27の薬剤中26の薬剤と負の相関を示し、このうち
6の薬剤に対して有意な負の相関(P<0.05)が認められた
((表2(d))。いずれの遺伝子についても、2つの解析
間で、39種の細胞株を用いた相関解析で有意な正の相関
を示した薬剤が18種の胃がん細胞株では有意な負の相関
を示す(あるいはその逆)といったような矛盾した結果
は認められなかった。
【0075】以上のとおり、39種のがん細胞株で抗がん
剤感受性について有意な関係が認められたAKR1B1、DDB
2、LIMK2、及びCTSHの4遺伝子は、18種の胃がん細胞株
でも同様の関係が認められた。すなわち、本発明の方法
は抗がん剤適合性マーカー遺伝子の絞込みに有用であ
り、この方法によって選択された遺伝子は、抗がん剤適
合性マーカー遺伝子として普遍的に使用しうることが確
認された。
【0076】
【発明の効果】本発明によれば、患者のがん細胞におけ
る遺伝子発現量の測定に基づいて、抗がん剤の適合性を
予測することが可能となり、より有効かつ安全な抗がん
剤治療が可能となる。
【0077】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Japanese Foundation for Cancer Research <120> Method for predicting anticancer drug compatibility <130> P03-0035 <140> <141> <150> JP2002-035717 <151> 2002-02-13 <160> 12 <170> PatentIn Ver. 2.1 <210> 1 <211> 1416 <212> DNA <213> Homo sapiens <220> <223> Inventor: Yamori, Takao; Dan, Shingo; Nakamura, Yusuke <400> 1 acgggctatt taaaggtacg cgccgcggcc aaggccgcac cgtactgggc gggggtctgg 60 ggagcgcagc agccatggca agccgtctcc tgctcaacaa cggcgccaag atgcccatcc 120 tggggttggg tacctggaag tcccctccag ggcaggtgac tgaggccgtg aaggtggcca 180 ttgacgtcgg gtaccgccac atcgactgtg cccatgtgta ccagaatgag aatgaggtgg 240 gggtggccat tcaggagaag ctcagggagc aggtggtgaa gcgtgaggag ctcttcatcg 300 tcagcaagct gtggtgcacg taccatgaga agggcctggt gaaaggagcc tgccagaaga 360 cactcagcga cctgaagctg gactacctgg acctctacct tattcactgg ccgactggct 420 ttaagcctgg gaaggaattt ttcccattgg atgagtcggg caatgtggtt cccagtgaca 480 ccaacattct ggacacgtgg gcggccatgg aagagctggt ggatgaaggg ctggtgaaag 540 ctattggcat ctccaacttc aaccatctcc aggtggagat gatcttaaac aaacctggct 600 tgaagtataa gcctgcagtt aaccagattg agtgccaccc atatctcact caggagaagt 660 taatccagta ctgccagtcc aaaggcatcg tggtgaccgc ctacagcccc ctcggctctc 720 ctgacaggcc ctgggccaag cccgaggacc cttctctcct ggaggatccc aggatcaagg 780 cgatcgcagc caagcacaat aaaactacag cccaggtcct gatccggttc cccatgcaga 840 ggaacttggt ggtgatcccc aagtctgtga caccagaacg cattgctgag aactttaagg 900 tctttgactt tgaactgagc agccaggata tgaccacctt actcagctac aacaggaact 960 ggagggtctg tgccttgttg agctgtacct cccacaagga ttaccccttc catgaagagt 1020 tttgaagctg tggttgcctg ctcgtcccca agtgacctat acctgtgttt cttgcctcat 1080 ttttttcctt gcaaatgtag tatggcctgt gtcactcagc agtgggacag caacctgtag 1140 agtggccagc gagggcgtgt ctagcttgat gttggatctc aagagccctg tcagtagagt 1200 agaagtctct tccagtttgc tttgcccttc tttctaccct gctggggaaa gtacaacctg 1260 aatacccttt tctgaccaaa gagaagcaaa atctaccagg tcaaaatagt gccactaacg 1320 gttgagtttt gactgcttgg aactggaatc ctttcagcaa gacttctctt tgcctcaaat 1380 aaaaagtgct tttgtgagaa aaaaaaaaaa aaaaaa 1416 <210> 2 <211> 1820 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 2 gagctccaag ctggtttgaa caagccctgg gcatgtttgg cgggaagttg gcttagctcg 60 gctacctgtg gccccgcagt tttgtagtcc ccgccttgtt tctccccaga ggcctctcaa 120 tcctccctcc atgatcttcg catagagcac agtacccctt cacacggagg acgcgatggc 180 tcccaagaaa cgcccagaaa cccagaagac ctccgagatt gtattacgcc ccaggaacaa 240 gaggagcagg agtcccctgg agctggagcc cgaggccaag aagctctgtg cgaagggctc 300 cggtcctagc agaagatgtg actcagactg cctctgggtg gggctggctg gcccacagat 360 cctgccacca tgccgcagca tcgtcaggac cctccaccag cataagctgg gcagagcttc 420 ctggccatct gtccagcagg ggctccagca gtcctttttg cacactctgg attcttaccg 480 gatattacaa aaggctgccc cctttgacag gagggctaca tccttggcgt ggcacccaac 540 tcaccccagc accgtggctg tgggttccaa agggggagat atcatgctct ggaattttgg 600 catcaaggac aaacccacct tcatcaaagg gattggagct ggagggagca tcactgggct 660 gaagtttaac cctctcaata ccaaccagtt ttacgcctcc tcaatggagg gaacaactag 720 gctgcaagac tttaaaggca acattctacg agtttttgcc agctcagaca ccatcaacat 780 ctggttttgt agcctggatg tgtctgctag tagccgaatg gtggtcacag gagacaacgt 840 ggggaacgtg atcctgctga acatggacgg caaagagctt tggaatctca gaatgcacaa 900 aaagaaagtg acgcatgtgg ccctgaaccc atgctgtgat tggttcctgg ccacagcctc 960 cgtagatcaa acagtgaaaa tttgggacct gcgccaggtt agagggaaag ccagcttcct 1020 ctactcgctg ccgcacaggc atcctgtcaa cgcagcttgt ttcagtcccg atggagcccg 1080 gctcctgacc acggaccaga agagcgagat ccgagtttac tctgcttccc agtgggactg 1140 ccccctgggc ctgatcccgc accctcaccg tcacttccag cacctcacac ccatcaaggc 1200 agcctggcat cctcgctaca acctcattgt tgtgggccga tacccagatc ctaatttcaa 1260 aagttgtacc ccttatgaat tgaggacgat cgacgtgttc gatggaaact cagggaagat 1320 gatgtgtcag ctctatgacc cagaatcttc tggcatcagt tcgcttaatg aattcaatcc 1380 catgggggac acgctggcct ctgcaatggg ttaccacatt ctcatctgga gccaggagga 1440 agccaggaca cggaagtgag agacactaaa gaaggtgtgg gccagacaag gccttggagc 1500 ccacacatgg gatcaagtcc tgcaagcaga ggtggtgatt tgttaaaggg ccaaaagtat 1560 ccaaggttag ggttggagca ggggtgctgg gacctggggc actgtgggac tgggacactt 1620 ttatgttaat gctctggact tgcctccaga gactgctcca gagttggtga cacagctgtc 1680 ccaagggccc ctctgtatct agcctggaac caaggttatc ttggaactaa atgacttttc 1740 tcctctcagt gggtggtagc agagggatca agcagttatt tgatttgtgc tcttttgata 1800 tggccaataa aaccataccg 1820 <210> 3 <211> 3668 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 3 gtggtcttcc cgcgcctgag gcggcggcgg caggagctga ggggagttgt agggaactga 60 ggggagctgc tgtgtccccc gcctcctcct ccccatttcc gggctcccgg gaccatgtcc 120 gcgctggcgg gtgaagatgt ctggaggtgt ccaggctgtg gggaccacat tgctccaagc 180 cagatatggt acaggactgt caacgaaacc tggcacggct cttgcttccg gtgttcagaa 240 tgccaggatt ccctcaccaa ctggtactat gagaaggatg ggaagctcta ctgccccaag 300 gactactggg ggaagtttgg ggagttctgt catgggtgct ccctgctgat gacagggcct 360 tttatggtgg ctggggagtt caagtaccac ccagagtgct ttgcctgtat gagctgcaag 420 gtgatcattg aggatgggga tgcatatgca ctggtgcagc atgccaccct ctactgtggg 480 aagtgccaca atgaggtggt gctggcaccc atgtttgaga gactctccac agagtctgtt 540 caggagcagc tgccctactc tgtcacgctc atctccatgc cggccaccac tgaaggcagg 600 cggggcttct ccgtgtccgt ggagagtgcc tgctccaact acgccaccac tgtgcaagtg 660 aaagaggtca accggatgca catcagtccc aacaatcgaa acgccatcca ccctggggac 720 cgcatcctgg agatcaatgg gacccccgtc cgcacacttc gagtggagga ggtggaggat 780 gcaattagcc agacgagcca gacacttcag ctgttgattg aacatgaccc cgtctcccaa 840 cgcctggacc agctgcggct ggaggcccgg ctcgctcctc acatgcagaa tgccggacac 900 ccccacgccc tcagcaccct ggacaccaag gagaatctgg aggggacact gaggagacgt 960 tccctaaggc gcagtaacag tatctccaag tcccctggcc ccagctcccc aaaggagccc 1020 ctgctgttca gccgtgacat cagccgctca gaatcccttc gttgttccag cagctattca 1080 cagcagatct tccggccctg tgacctaatc catggggagg tcctggggaa gggcttcttt 1140 gggcaggcta tcaaggtgac acacaaagcc acgggcaaag tgatggtcat gaaagagtta 1200 attcgatgtg atgaggagac ccagaaaact tttctgactg aggtgaaagt gatgcgcagc 1260 ctggaccacc ccaatgtgct caagttcatt ggtgtgctgt acaaggataa gaagctgaac 1320 ctgctgacag agtacattga ggggggcaca ctgaaggact ttctgcgcag tatggatccg 1380 ttcccctggc agcagaaggt caggtttgcc aaaggaatcg cctccggaat ggcctatttg 1440 cactctatgt gcatcatcca ccgggatctg aactcgcaca actgcctcat caagttggac 1500 aagactgtgg tggtggcaga ctttgggctg tcacggctca tagtggaaga gaggaaaagg 1560 gcccccatgg agaaggccac caccaagaaa cgcaccttgc gcaagaacga ccgcaagaag 1620 cgctacacgg tggtgggaaa cccctactgg atggcccctg agatgctgaa cggaaagagc 1680 tatgatgaga cggtggatat cttctccttt gggatcgttc tctgtgagat cattgggcag 1740 gtgtatgcag atcctgactg ccttccccga acactggact ttggcctcaa cgtgaagctt 1800 ttctgggaga agtttgttcc cacagattgt cccccggcct tcttcccgct ggccgccatc 1860 tgctgcagac tggagcctga gagcagacca gcattctcga aattggagga ctcctttgag 1920 gccctctccc tgtacctggg ggagctgggc atcccgctgc ctgcagagct ggaggagttg 1980 gaccacactg tgagcatgca gtacggcctg acccgggact cacctcccta gccctggccc 2040 agccccctgc aggggggtgt tctacagcca gcattgcccc tctgtgcccc attcctgctg 2100 tgagcagggc cgtccgggct tcctgtggat tggcggaatg tttagaagca gaacaagcca 2160 ttcctattac ctccccagga ggcaagtggg cgcagcacca gggaaatgta tctccacagg 2220 ttctggggcc tagttactgt ctgtaaatcc aatacttgcc tgaaagctgt gaagaagaaa 2280 aaaacccctg gcctttgggc caggaggaat ctgttactcg aatccaccca ggaactccct 2340 ggcagtggat tgtgggaggc tcttgcttac actaatcagc gtgacctgga cctgctgggc 2400 aggatcccag ggtgaacctg cctgtgaact ctgaagtcac tagtccagct gggtgcagga 2460 ggacttcaag tgtgtggacg aaagaaagac tgatggctca aagggtgtga aaaagtcagt 2520 gatgctcccc ctttctactc cagatcctgt ccttcctgga gcaaggttga gggagtaggt 2580 tttgaagagt cccttaatat gtggtggaac aggccaggag ttagagaaag ggctggcttc 2640 tgtttacctg ctcactggct ctagccagcc cagggaccac atcaatgtga gaggaagcct 2700 ccacctcatg ttttcaaact taatactgga gactggctga gaacttacgg acaacatcct 2760 ttctgtctga aacaaacagt cacaagcaca ggaagaggct gggggactag aaagaggccc 2820 tgccctctag aaagctcaga tcttggcttc tgttactcat actcgggtgg gctccttagt 2880 cagatgccta aaacattttg cctaaagctc gatgggttct ggaggacagt gtggcttgtc 2940 acaggcctag agtctgaggg aggggagtgg gagtctcagc aatctcttgg tcttggcttc 3000 atggcaacca ctgctcaccc ttcaacatgc ctggtttagg cagcagcttg ggctgggaag 3060 aggtggtggc agagtctcaa agctgagatg ctgagagaga tagctccctg agctgggcca 3120 tctgacttct acctcccatg tttgctctcc caactcatta gctcctgggc agcatcctcc 3180 tgagccacat gtgcaggtac tggaaaacct ccatcttggc tcccagagct ctaggaactc 3240 ttcatcacaa ctagatttgc ctcttctaag tgtctatgag cttgcaccat atttaataaa 3300 ttgggaatgg gtttggggta ttaatgcaat gtgtggtggt tgtattggag cagggggaat 3360 tgataaagga gagtggttgc tgttaatatt atcttatcta ttgggtggta tgtgaaatat 3420 tgtacataga cctgatgagt tgtgggacca gatgtcatct ctggtcagag tttacttgct 3480 atatagactg tacttatgtg tgaagtttgc aagcttgctt tagggctgag ccctggactc 3540 ccagcagcag cacagttcag cattgtgtgg ctggttgttt cctggctgtc cccagcaagt 3600 gtaggagtgg tgggcctgaa ctgggccatt gatcagacta aataaattaa gcagttaaca 3660 taactggc 3668 <210> 4 <211> 1008 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 4 atgtgggcca cgctgccgct gctctgcgcc ggggcctggc tcctgggagt ccccgtctgc 60 ggtgccgccg aactgtgcgt gaactcctta gagaagtttc acttcaagtc atggatgtct 120 aagcaccgta agacctacag tacggaggag taccaccaca ggctgcagac gtttgccagc 180 aactggagga agataaacgc ccacaacaat gggaaccaca catttaaaat ggcactgaac 240 caattttcag acatgagctt tgctgaaata aaacacaagt atctctggtc agagcctcag 300 aattgctcag ccaccaaaag taactacctt cgaggtactg gtccctaccc accttccgtg 360 gactggcgga aaaaaggaaa ttttgtctca cctgtgaaaa atcagggtgc ctgcggcagt 420 tgctggactt tctccaccac tggggccctg gagtctgcaa tcgccatcgc aaccggaaag 480 atgctgtcct tggcggaaca gcagctggtg gactgcgccc aggacttcaa taattacggc 540 tgccaagggg gtctccccag ccaggctttc gagtatatcc tgtacaacaa ggggatcatg 600 ggtgaagaca cctaccccta ccagggcaag gatggttatt gcaagttcca acctggaaag 660 gccatcggct ttgtcaagga tgtagccaac atcacaatct atgacgagga agcgatggtg 720 gaggctgtgg ccctctacaa ccctgtgagc tttgcctttg aggtgactca ggacttcatg 780 atgtatagaa cgggcatcta ctccagtact tcctgccata aaactccaga taaagtaaac 840 catgcagtac tggctgttgg gtatggagaa aaaaatggga tcccttactg gatcgtgaaa 900 aactcttggg gtccccagtg gggaatgaac gggtacttcc tcatcgagcg cggaaagaac 960 atgtgtggcc tggctgcctg cgcctcctac cccatccctc tggtgtga 1008 <210> 5 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:primer <400> 5 ctggactacc tggacctcta cct 23 <210> 6 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:primer <400> 6 tttgaggcaa agagaagtct t 21 <210> 7 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:primer <400> 7 ctagtagccg aatggtggtc a 21 <210> 8 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:primer <400> 8 attggccata tcaaaagagc ac 22 <210> 9 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:primer <400> 9 tgtttacctg ctcactggct cta 23 <210> 10 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:primer <400> 10 tagtctgatc aatggcccag ttc 23 <210> 11 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:primer <400> 11 tactggtccc tacccacctt c 21 <210> 12 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:primer <400> 12 ggaggtgctc actcaatgtt tat 23
【0078】
【配列表フリーテキスト】
配列番号5−人工配列の説明:プライマー 配列番号6−人工配列の説明:プライマー 配列番号7−人工配列の説明:プライマー 配列番号8−人工配列の説明:プライマー 配列番号9−人工配列の説明:プライマー 配列番号10−人工配列の説明:プライマー 配列番号11−人工配列の説明:プライマー 配列番号12−人工配列の説明:プライマー
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、増殖阻害活性測定の概略とスルフォロ
ーダミンBアッセイの写真を示す。
【図2】図2は、乳がん細胞株5系について、トポ1阻
害剤カンプトテシンを処理した際の増殖阻害を示す
【図3】図3は、cDNAマイクロアレイを用いた遺伝子発
現量の解析方法(概略)を示す。
【図4】図4は、抗がん剤の増殖阻害活性とLIMK2遺伝
子発現の相関を示す。
【図5】図5は、各抗がん剤と抗がん剤適合性マーカー
遺伝子のピアソン相関係数に基づくクラスター解析結果
を示す。
【図6】図6は、アントラサイクリン系抗生物質と抗が
ん剤適合性マーカー遺伝子のピアソン相関係数に基づく
クラスター解析結果を示す。
【図7】図7は、トポI阻害剤と抗がん剤適合性マーカ
ー遺伝子のピアソン相関係数に基づくクラスター解析結
果を示す。
【図8】図8は、cDNAマイクロアレイによるAKR1B1、DD
B2、LIMK2、及びCTSH遺伝子の発現パターンを示すグラ
フである。図中、各発現レベルは、39細胞株の平均発現
レベルが"0"となるように調整されている。
【図9】図9は、6種の胃がん細胞株と5種の大腸がん細
胞株におけるcDNA マイクロアレイとRT-PCRで測定した
遺伝子発現レベルの関係を示す。図中、▲は胃がん細胞
株の結果、□は結腸がん細胞株の結果を示す。
【図10】図10は、18種の胃がん細胞株におけるAKR1
B1、DDB2、CTSH、及びLIMK2 のRT-PCRによる発現解析の
結果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B024 AA11 AA12 CA01 CA04 CA11 CA12 HA12 HA13 4B063 QA05 QA19 QQ08 QQ52 QQ53 QQ79 QR08 QR32 QR42 QR55 QR56 QR77 QR82 QS15 QS24 QS25 QS34 QS36 QX02

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の工程で選択される、抗がん剤適合
    性マーカー遺伝子。 1) 少なくとも20種以上のがん細胞株のそれぞれを対
    象として、抗がん剤による50%増殖阻害濃度(モル/
    L)の常用対数値の絶対値Xiを求める; 2) インタクトな状態において、上記各細胞株における
    遺伝子Gの発現量をコントロールに対する発現量比で表
    し、その底を2とした対数値Yiを求める; 3) 対象がん細胞株における上記Xi及びYiの値から、
    YをXに回帰させたときの回帰直線の傾きa、ならびに
    Xiの最大値Xmax及び最小値Xminを求める; 4) 少なくとも1の抗がん剤に対して、P<0.05、
    かつ|a(Xmax-Xmin)|>1.5の要件を満たすと
    き、上記遺伝子Gを抗がん剤適合性マーカ遺伝子として
    選択する。
  2. 【請求項2】 作用メカニズムの異なる2種以上の抗が
    ん剤に対して、前記工程4)の要件を満たす、請求項1
    記載の抗がん剤適合性マーカー遺伝子。
  3. 【請求項3】 作用メカニズムが共通する特定の抗がん
    剤に対してのみ、前記工程4)の要件を満たす、請求項
    1記載の抗がん剤適合性マーカー遺伝子。
  4. 【請求項4】 配列番号1〜4に示されるいずれか1の
    塩基配列で特定される、抗がん剤適合性マーカー遺伝
    子。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の抗
    がん剤適合性マーカー遺伝子と特異的にハイブリダイズ
    し、該遺伝子を検出するための100〜1500塩基の
    連続したポリヌクレオチド。
  6. 【請求項6】 前記ポリヌクレオチドが、繰り返し配列
    を含まず、前記抗がん剤適合性マーカー遺伝子のmRN
    A 3'UTRを含む領域に特異的にハイブリダイズす
    るものである、請求項5記載のポリヌクレオチド。
  7. 【請求項7】 請求項5又は6記載のポリヌクレオチド
    を増幅するためのオリゴヌクレオチドプライマー。
  8. 【請求項8】 請求項5又は6記載のポリヌクレオチド
    を固定した、抗がん剤適合性を予測するための固相化試
    料。
  9. 【請求項9】 検体中のがん細胞における請求項1〜4
    のいずれか1項に記載の抗がん剤適合性マーカー遺伝子
    の発現量により、該検体の抗がん剤適合性を予測する方
    法。
  10. 【請求項10】 以下の工程を含む、請求項9記載の方
    法。 1) 検体中のがん細胞よりmRNAを抽出し、サンプルとす
    る; 2) 上記サンプルにおける、請求項1〜4のいずれか1
    項に記載の抗がん剤適合性マーカー遺伝子のコントロー
    ルに対する相対的発現量を求める; 3) 上記サンプルにおける抗がん剤適合性マーカー遺伝
    子の相対的発現量と、がん細胞株における遺伝子発現量
    と抗がん剤感受性の相関を利用して、上記検体の抗がん
    剤適合性を予測する;
  11. 【請求項11】 前記抗がん剤適合性マーカー遺伝子の
    相対的発現量をcDNAマイクロアレイ又はRT−PC
    Rを用いて解析することを特徴とする、請求項9又は1
    0記載の方法。
  12. 【請求項12】 以下の1)〜3)のいずれか1つ以上
    を含む、抗がん剤適合性を予測するためのキット。 1)請求項5又は6記載のポリヌクレオチド 2)請求項7記載のオリゴヌクオチドプライマー 3)請求項8記載の固相化試料
  13. 【請求項13】 以下の工程を含む、抗がん剤適合性マ
    ーカー遺伝子の選択方法。 1) 少なくとも20種以上のがん細胞株のそれぞれを対
    象として、抗がん剤による50%増殖阻害濃度(モル/
    L)の常用対数値の絶対値Xiを求める; 2) インタクトな状態において、上記各細胞株における
    遺伝子Gの発現量をコントロールに対する発現量比で表
    し、その底を2とした対数値Yiを求める; 3) 対象がん細胞株における上記Xi及びYiの値から、
    YをXに回帰させたときの回帰直線の傾きa、ならびに
    Xiの最大値Xmax及び最小値Xminを求める; 4) 少なくとも1の抗がん剤に対して、P<0.05、
    かつ|a(Xmax-Xmin)|>1.5の要件を満たすと
    き、上記遺伝子Gを抗がん剤適合性マーカ遺伝子として
    選択する。
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