JP2003303060A - 印刷システム、印刷装置、プリンタホストおよびプリンタドライバ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 プリンタとプリンタホストとを備えて構成さ
れる印刷システムにおいて、プリンタ側から印刷キャン
セル要求を受け付けた場合に、不要な印刷データの転送
量を削減する。 【解決手段】 印刷データをスプールし、スプールした
印刷データを出力するプリンタホスト（コンピュータ２
０）と、印刷データに基づいて印刷処理を行なうプリン
タ１０とを備えた印刷システムにおいて、プリンタ１０
は、印刷処理のキャンセル要求を受け付けるキャンセル
要求受付手段と、キャンセル要求を受け付けると実行中
の印刷処理を中止するとともに、印刷処理がキャンセル
されたことをプリンタホストに通知する印刷キャンセル
手段とを備え、プリンタホストは、プリンタから印刷処
理がキャンセルされたことを通知されると、印刷データ
の出力を中止し、スプールした印刷データを削除する出
力キャンセル手段を備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、プリンタとプリン
タホストとを備えて構成される印刷システムに係り、特
に、プリンタが印刷のキャンセル要求を受け付ける印刷
システムに関する。

【０００２】

【従来の技術】プリンタとプリンタホストとを備えて構
成される印刷システムでは、プリンタホストで作成した
印刷データに基づいてプリンタが印刷を行なう。

【０００３】このような印刷システムでは、プリンタホ
ストは、印刷データを作成した後、いったん、スプール
ファイルとして記憶する。そして、プリンタの状態を見
ながら印刷データを送信するようにしている。

【０００４】ところで、印刷システムで印刷処理を開始
した後に、印刷処理を途中でキャンセルしたい場合があ
る。例えば、望み通りの印刷結果が得られていない場
合、印刷対象物の間違いに気づいた場合等である。

【０００５】このような場合に対処するために、プリン
タホストは、印刷処理のキャンセルを受け付けるように
なっている。プリンタホストはユーザからキャンセル要
求を受け付けると、プリンタへの印刷データの送信を中
止し、プリンタに印刷がキャンセルされたことを通知す
る。そして、プリンタが印刷処理を中止するようになっ
ている。

【０００６】従来、キャンセル処理は、上述のようにプ
リンタホストから行なうようになっていたが、近年、プ
リンタ側でもユーザからのキャンセル要求を受け付けら
れるようになっている。これによりプリンタから出力さ
れる印刷の途中経過を見て、問題を発見した場合に、そ
の場で印刷のキャンセル指示を行えるようになり、特に
ホストコンピュータとプリンタとが離れて設定している
場合等に便利になった。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】プリンタ側でユーザか
ら印刷のキャンセル要求を受け付けた場合、プリンタが
実行中の印刷処理を中止することで印刷は行なわれなく
なる。このとき、プリンタホストからは印刷データが送
られ続けるので、プリンタは送られてくる印刷データを
読み捨てるようにしている。

【０００８】しかし、キャンセル後に送られる印刷デー
タは不要なものであり、プリンタホストからプリンタへ
余分なデータ転送を行なっていることになる。特に、複
数台のプリンタホストを備えたネットワーク印刷システ
ムでは、この余分なデータ転送によりネットワークのト
ラフィック量が増えるため好ましくない。また、この印
刷データ転送の間、プリンタは他の印刷データを受け付
けることができないため、他のプリンタホストにおける
印刷処理にも影響を与えることになる。

【０００９】本発明は、プリンタとプリンタホストとを
備えて構成される印刷システムにおいて、プリンタ側か
ら印刷キャンセル要求を受け付けた場合に、不要な印刷
データの転送量を削減することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の第１の態様によれば、印刷データをスプー
ルし、スプールした印刷データを出力するプリンタホス
トと、印刷データに基づいて印刷処理を行なうプリンタ
とを備えた印刷システムにおいて、前記プリンタは、印
刷処理のキャンセル要求を受け付けるキャンセル要求受
付手段と、キャンセル要求を受け付けると実行中の印刷
処理を中止するとともに、印刷処理がキャンセルされた
ことを前記プリンタホストに通知する印刷キャンセル手
段とを備え、前記プリンタホストは、前記プリンタから
印刷処理がキャンセルされたことを通知されると、印刷
データの出力を中止し、スプールした印刷データを削除
する出力キャンセル手段を備えることを特徴とする印刷
システムが提供される。

【００１１】また、上記課題を解決するため、本発明の
第２の態様によれば、プリンタホストから印刷要求を受
け付けると、その印刷要求を印刷ジョブとして管理し、
印刷可能な状態になると受け付けた順に印刷ジョブを実
行し、対応するプリンタホストから印刷データを受け付
けて印刷処理を行なう印刷装置において、実行中の印刷
ジョブに対するキャンセル要求を受け付けるキャンセル
要求受付手段と、キャンセル要求を受け付けると実行中
の印刷ジョブを中止するとともに、印刷ジョブがキャン
セルされたことを当該印刷ジョブに係るプリンタホスト
に通知する印刷キャンセル手段とを備えたことを特徴と
する印刷装置、および、プリンタホストから印刷要求を
受け付けると、その印刷要求を印刷ジョブとして管理
し、印刷可能な状態になると受け付けた順に印刷ジョブ
を実行し、対応するプリンタホストから印刷データを受
け付けて印刷処理を行なう印刷装置において、すべての
印刷ジョブに対するキャンセル要求を受け付けるキャン
セル要求受付手段と、キャンセル要求を受け付けると実
行中の印刷ジョブを中止するとともに、未実行の印刷ジ
ョブの実行を取り止め、印刷ジョブがキャンセルされた
ことを中止および取り止めた印刷ジョブに係るプリンタ
ホストに通知する印刷キャンセル手段とを備えたことを
特徴とする印刷装置が提供される。

【００１２】また、上記課題を解決するため、本発明の
第３の態様によれば、印刷データをスプールし、スプー
ルした印刷データをプリンタに出力するプリンタホスト
において、前記プリンタから印刷処理がキャンセルされ
たことを通知されると、印刷データの出力を中止または
取り止め、、スプールした印刷データを削除する出力キ
ャンセル手段を備えたことを特徴とするプリンタホスト
が提供される。

【００１３】さらに、上記課題を解決するため、本発明
の第４の態様によれば、印刷データをスプールし、スプ
ールした印刷データをプリンタに出力する処理をコンピ
ュータに実行させるプリンタドライバにおいて、前記プ
リンタから印刷処理がキャンセルされたことを通知され
ると、印刷データの出力を中止または取り止め、、スプ
ールした印刷データを削除する出力キャンセル処理をコ
ンピュータに実行させることを特徴とするプリンタドラ
イバが提供される。

【００１４】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図面
を参照して説明する。

【００１５】図１は、本発明を適用したネットワーク印
刷システムの構成の一例を説明するためのブロック図で
ある。

【００１６】本図に示すように、ネットワーク印刷シス
テムは、複数のコンピュータ２０ａ、２０ｂ・・・が、
プリンタ１０による印刷処理が可能なように接続されて
構成されている。

【００１７】本図において、プリンタ１０とコンピュー
タ２０との接続形態は３種類示されている。第１の接続
形態は、プリンタ１０とコンピュータ２０ａとで示され
る形態で、プリンタ１０とコンピュータ２０ａとが直接
接続されるローカル接続である。第２の接続形態は、プ
リンタ１０とコンピュータ２０ｂとがネットワーク７０
を介して接続されるネットワーク接続である。第３の接
続形態は、プリンタ１０とコンピュータ２０ｃとがプリ
ンタサーバ５０を介して接続されるサーバ接続である。
ただし、本発明は他の接続形態であってもよい。

【００１８】コンピュータ２０は、印刷データをプリン
タ１０に送り、プリンタ１０に印刷させるプリンタホス
トとして機能する。ただし、第３の接続形態である、プ
リンタサーバ５０を介してプリンタ１０に接続されたコ
ンピュータ２０ｃは、一旦、印刷データをプリンタサー
バ５０に蓄積してから、プリンタ１０に送信する。

【００１９】また、コンピュータ２０ａ、ｂおよびプリ
ンタサーバ５０は、印刷データをプリンタ１０に送信す
る前に、印刷要求をプリンタ１０に送り、許可を受けて
から印刷データを送るようにする。プリンタ１０は、印
刷要求を受け付けると、その情報を印刷ジョブとして管
理する。そして、印刷が実行可能な状態になると、要求
順にコンピュータ２０等に許可を送り、印刷データを受
信して印刷を実行する。

【００２０】コンピュータ２０およびプリンタサーバ５
０は、それぞれ識別子（ホストＩＤ）を有しており、印
刷データあるいは印刷要求を送る際には、ホストＩＤ情
報を含めるようにする。印刷データあるいは印刷要求を
受け取ったプリンタ１０は、この情報を基に、受け取っ
た印刷データあるいは印刷要求がどのコンピュータ２０
から送られたものであるかを判別することができるよう
になっている。なお、プリンタサーバ５０の実装上、プ
リンタ１０がプリンタサーバ５０のクライアントである
コンピュータ２０ｃについては直接的には認識できない
ような場合もある。このような場合であっても、クライ
アントコンピュータ２０ｃを特定可能なプリンタサーバ
５０を介して、間接的にコンピュータ２０ｃを特定する
ことができるため、結果として、プリンタ１０は、ネッ
トワーク印刷システム上のすべてのコンピュータ２０を
認識できるようになっている。

【００２１】コンピュータ２０としては、例えば、ＣＲ
Ｔあるいは液晶ディスプレイ等の表示装置、マウス・キ
ーボード等の入力装置、ハードディスク等の記憶装置、
ＣＤ−ＲＯＭ等を読み込むための読み取り装置、モデム
等の通信装置等を備えた一般的なパーソナルコンピュー
タを用いることができる。

【００２２】プリンタサーバ５０は、クライアントであ
るコンピュータ２０ｃから印刷データを受け取った後
は、上記のコンピュータ２０と同様の処理により印刷デ
ータをプリンタ１０に送信する。このため、特に混乱の
ない限り、以降のコンピュータ２０の処理等の説明に、
プリンタサーバ５０の処理等も含まれるものとする。な
お、プリンタサーバ５０についても、一般的なパーソナ
ルコンピュータを用いることができる。

【００２３】図２は、プリンタ１０のハードウェア構成
の一例を説明するためのブロック図である。

【００２４】本図に示すように、プリンタ１０は、ＣＰ
Ｕ、ＲＡＭ、ＲＯＭ等から構成され、プリンタ１０の制
御を行なうコントローラ１１と、コンピュータ２０ａあ
るいはネットワーク７０に接続するためのインタフェー
ス１２と、印刷機構、給紙排紙機構等から構成される印
刷エンジン１３と、ユーザからの指示を受け付けるコン
トロールパネル１４とを備えて構成される。

【００２５】本実施形態において、コントローラ１１
は、コンピュータ２０から受け付けた印刷データに基づ
いて印刷を行なう印刷処理に加え、コンピュータ２０か
ら受け付けた印刷要求に基づく印刷ジョブを管理する処
理を行なう。この処理を行なうために、コントローラ１
１はジョブ管理部１１ａを備えている。

【００２６】また、コントローラ１１は、インタフェー
ス１２を介して、コンピュータ２０ａ、ｂ・・・と双方
向通信が可能となっており、印刷データの受信に加え、
コンピュータ２０を特定して、種々の情報、例えば、印
刷ジョブのキャンセル情報等のやり取りを行えるように
なっている。

【００２７】ジョブ管理部１１ａは、いずれかのコンピ
ュータ２０から印刷要求を受け付けると、その情報を印
刷ジョブとして管理する。図３は、ジョブ管理部１１ａ
が、印刷ジョブを管理するために用いるスケジュール表
のイメージを説明するための図である。ただし、ジョブ
管理部１１ａが印刷ジョブを管理する方法はこれに限ら
れない。

【００２８】ジョブ管理部１１ａは、コンピュータ２０
から印刷要求を受け付けると、印刷要求に係るコンピュ
ータ２０等の識別情報（ホストＩＤ）にジョブＩＤを付
して受付順にスケジュール表に記録する。そして、記録
した順番に、印刷データをコンピュータ２０から受信し
て印刷処理を実行していく。

【００２９】図３において、「実行中」と示された欄に
記録されている印刷ジョブが現在印刷処理中の印刷ジョ
ブであり、以下、受け付けた順に「１」「２」・・・の
欄に印刷ジョブを記録していく。そして、「実行中」と
示された欄に記録されている印刷ジョブの印刷処理が終
了、あるいは、キャンセルされると、その印刷ジョブの
情報を消去して、以下の印刷ジョブを繰り上げる。この
結果、「１」の欄に記録されていた印刷ジョブが「実行
中」と示された欄に移動し、ホストＩＤで特定されるコ
ンピュータ２０から印刷データを受信して、印刷処理が
開始される。

【００３０】なお、実行待ちの印刷ジョブも含めたすべ
ての印刷ジョブがキャンセルされると、スケジュール表
に記録されているすべての印刷ジョブの情報を消去す
る。

【００３１】インタフェース１２は、例えば、パラレ
ル、ＵＳＢ、ネットワーク用の物理的なコネクタを備え
ており、あらかじめ定められたプロトコルによりコンピ
ュータ２０あるいはプリンタサーバ５０から印刷デー
タ、印刷要求等を受け付ける。

【００３２】印刷エンジン１３は、コントローラ１１の
制御にしたがって、実際の印字処理を行なう。

【００３３】コントロールパネル１４は、複数の操作ボ
タンと、表示用パネルとを備えている。ユーザは、操作
ボタンを操作することにより、リセット、強制排紙、ス
テータスシート印刷等の指示を入力することができる。

【００３４】本実施形態において、コントロールパネル
の操作ボタンには印刷ジョブをキャンセルするためのジ
ョブキャンセルスイッチ１４ａが含まれている。ジョブ
キャンセルスイッチ１４ａは、例えば、短時間のボタン
の押下と、長時間（例えば２秒以上）のボタンの押下と
の２通りの操作を受け付けることができるようになって
いる。ここで、短時間のボタンの押下は実行中の印刷ジ
ョブのみのキャンセル要求を意味し、長時間のボタンの
押下は、実行待ちを含めたすべての印刷ジョブのキャン
セル要求を意味するものとする。コントロールパネル１
４は、ジョブキャンセルスイッチ１４ａが操作されたこ
とを検知すると、その操作内容をジョブ管理部１１ａに
通知する。

【００３５】ジョブキャンセルスイッチ１４ａが操作さ
れたことを通知されたジョブ管理部１１ａは、その操作
内容に応じて、印刷ジョブのキャンセル処理を行なう。
印刷ジョブのキャンセル処理には、印字処理の中止に加
え、スケジュール表からキャンセルに係る印刷ジョブの
情報を削除することと、キャンセルに係る印刷ジョブの
送信元のプリンタホストへのキャンセル通知とが含まれ
るが、これらの処理の詳細な内容については、後述す
る。

【００３６】次に、コンピュータ２０上に実現される主
なソフトウェア構成について図４に示したブロック図を
参照して説明する。

【００３７】本図に示すように、コンピュータ２０上に
は、アプリケーション２１０とプリンタドライバ２２０
とコンピュータ２０の基本ソフトウェアであるオペレー
ティングシステム２３０とが構築される。

【００３８】アプリケーション２１０は、ワードプロセ
ッサ、グラフィックス等の処理をコンピュータ２０に行
なわせるための機能を有しており、ＲＡＭが読み込んだ
アプリケーションプログラムを、ＣＰＵが実行すること
によりコンピュータ２０上に構築される。

【００３９】本実施形態において、プリンタドライバ２
２０は、印刷データ生成部２２１と、通信部２２２と、
キャンセル処理部２２３とを備えている。

【００４０】印刷データ生成部２２１は、ユーザからの
指示に基づいて、アプリケーション２１０が作成したド
キュメントの画像データを読み込んで、プリンタ１０が
解釈できる形式の印刷データを生成する。プリンタドラ
イバ２２０が生成した印刷データは、オペレーティング
システム２３０に渡される。

【００４１】オペレーティングシステム２３０では、受
け取った印刷データをスプールファイル２４０として一
旦補助記憶装置等に格納する。そして、プリンタ１０に
印刷要求を出し、許可を得ると、スプールファイル２４
０として格納していた印刷データをプリンタ１０に出力
する。

【００４２】通信部２２２は、ローカルあるいはネット
ワーク７０を介して接続されたプリンタと双方向通信を
行なうための処理を行なう。

【００４３】キャンセル処理部２２３は、プリンタ１０
から印刷ジョブのキャンセル情報を受け付けた場合に、
コンピュータ２０における印刷処理のキャンセル処理を
行なう。印刷処理のキャンセル処理は、例えば、キャン
セル対処となる印刷ジョブに係るスプールファイル２４
０の削除依頼をオペレーティングシステム２３０に送る
ようにする。そして、オペレーティングシステム２３０
がスプールファイル２４０を削除することにより行なわ
れる。また、キャンセル処理部２２３は、印刷処理のキ
ャンセル処理を行なった場合に、その旨をユーザに通知
する処理も行なう。

【００４４】なお、プリンタサーバ５０については、上
記印刷データ生成部２２１に代え、印刷データ受付部２
２４が構築される。印刷データ受付部２２４は、クライ
アントであるコンピュータ２０ｃが生成した印刷データ
を受け付けて、オペレーティングシステム２３０に渡す
処理を行なう。

【００４５】プリンタドライバ２２０は、コンピュータ
２０のＲＡＭが読み込んだプリンタドライバプログラム
を、ＣＰＵが実行することによりコンピュータ２０上に
構築される。このためのプリンタドライバプログラム
は、例えば、ＣＤ−ＲＯＭ等の可搬型の記録媒体に記録
することで流通させることができる。そして、この記録
媒体を読取装置で読み取ることにより、コンピュータ２
０にプリンタドライバプログラムをインストールするこ
とができる。また、通信制御装置により、例えば、イン
ターネット等のコンピュータネットワークを介してイン
ストールすることもできる。

【００４６】次に、本実施形態におけるネットワーク印
刷システムの処理動作について説明する。

【００４７】まず、印刷ジョブを実行中のプリンタ１０
が、ユーザによりジョブキャンセルスイッチ１４ａを操
作されて、実行中の印刷ジョブのキャンセル要求を受け
付けた場合の処理について図５のフロー図を参照して説
明する。

【００４８】プリンタ１０は、印刷ジョブのキャンセル
要求を受け付けると、実行中の印刷処理を中止する（Ｓ
１０１）。このとき、印刷途中の用紙は、強制的に排紙
する。

【００４９】また、印刷の終わっていない受信済みの印
刷データを削除し（Ｓ１０２）、キャンセル要求に係る
印刷データの受信が終了していない場合には、以降の印
刷データを読み捨てる。

【００５０】次に、スケジュール表を参照して、キャン
セル要求に係る印刷データを送信したコンピュータ２０
（プリンタサーバ５０を含む）を特定し、特定されたコ
ンピュータ２０に実行中の印刷ジョブをキャンセルした
ことを通知する（Ｓ１０３）。なお、このとき、キャン
セルに係る印刷ジョブＩＤも通知するようにしてもよ
い。そして、スケジュール表からキャンセルした実行中
の印刷ジョブの情報を削除する（Ｓ１０４）。

【００５１】プリンタ１０から実行中の印刷ジョブのキ
ャンセル通知を受信（Ｓ２０１）したコンピュータ２０
（プリンタサーバ５０を含む）のキャンセル処理部２２
３は、その印刷ジョブに係る印刷データの送信が終了し
ているかどうかを調べる（Ｓ２０２）。

【００５２】その結果、すでに印刷データの送信が終了
している場合には、印刷ジョブがキャンセルされたこと
（全部は印刷されなかったこと）を画面上に表示して、
ユーザに通知する（Ｓ２０３）。

【００５３】なお、キャンセルに係る印刷データの送信
元がプリンタサーバ５０の場合には、プリンタサーバ５
０が、クライアントコンピュータ２０ｃを特定して、印
刷がキャンセルされたことを通知し、クライアントコン
ピュータ２０ｃの画面上に印刷がキャンセルされたこと
を表示させるようにしてもよい。

【００５４】一方、印刷データの送信が終了していない
場合には、コンピュータ２０のキャンセル処理部２２３
は、オペレーティングシステム２３０に、印刷データの
送信を中止要求と、スプールファイル２４０の削除要求
を送る（Ｓ２０４）。この要求に基づいて、オペレーテ
ィングシステムが印刷データの送信を中止して、未送信
分のスプールファイル２４０を削除する。なお、キャン
セル処理部２２３が直接印刷データの送信を中止し、ス
プールファイル２４０を削除するようにしてもよい。

【００５５】そして、印刷ジョブがキャンセルされたこ
と（全部は印刷されなかったこと）を画面上に表示し
て、ユーザに通知する（Ｓ２０３）。

【００５６】以上の処理により、プリンタ１０で印刷ジ
ョブのキャンセル要求を受け付けた場合でも、コンピュ
ータ２０が印刷データの送信を中止することができるの
で、不要な印刷データ転送量を削減することができる。

【００５７】次に、印刷ジョブを実行中のプリンタ１０
が、ユーザによりジョブキャンセルスイッチ１４ａが操
作されて、実行待ちを含めたすべての印刷ジョブのキャ
ンセル要求を受け付けた場合の処理について図６のフロ
ー図を参照して説明する。

【００５８】プリンタ１０は、すべての印刷ジョブのキ
ャンセル要求を受け付けると、実行中の印刷ジョブおよ
び実行待ちの印刷ジョブに対して以下の処理を行なう。
なお、実行待ちの印刷ジョブが複数ある場合にはそれぞ
れの印刷ジョブに対して以下の処理を行なう。

【００５９】まず、実行中の印刷ジョブに対しては、上
記の実行中の印刷ジョブのキャンセル要求を受け付けた
場合と同様の処理を行なう。

【００６０】一方、実行待ちの印刷ジョブに対しては、
印刷データの受信をすでに開始しているかどうかを調べ
（Ｓ３０１）、印刷データを開始している印刷ジョブに
対しては、受信済みの印刷データを削除し、以降の印刷
データを読み捨てる（Ｓ３０２）。

【００６１】そして、スケジュール表を参照して、実行
待ちの印刷ジョブに係る印刷要求を行なったコンピュー
タ２０（プリンタサーバ５０を含む）に、実行待ちの印
刷ジョブをキャンセルしたことを通知する（Ｓ３０
３）。

【００６２】そして、スケジュール表に記録されている
実行待ちの印刷ジョブの情報を削除する（Ｓ３０４）。

【００６３】プリンタ１０から実行待ちの印刷ジョブの
キャンセル通知を受信（Ｓ４０１）したコンピュータ２
０（プリンタサーバ５０を含む）のキャンセル処理部２
２３は、その印刷ジョブに係る印刷データの送信を開始
しているかどうかを調べる（Ｓ４０２）。

【００６４】その結果、すでに送信を開始している場合
には、オペレーティングシステム２３０に、印刷データ
の送信の中止要求と、スプールファイル２４０の削除要
求を送る（Ｓ４０３）。この要求に基づいて、オペレー
ティングシステム２３０が印刷データの送信を中止し
て、未送信分のスプールファイル２４０を削除する。

【００６５】そして、キャンセル処理部２２３は、印刷
ジョブがキャンセルされたこと（印刷が行なわれなかっ
たこと）を画面上に表示して、ユーザに通知する（Ｓ４
０４）。

【００６６】一方、印刷データの送信を開始していない
場合には、オペレーティングシステム２３０に、スプー
ルファイル２４０の削除要求を送る（Ｓ４０５）。この
要求に基づいて、オペレーティングシステム２３０がス
プールファイル２４０を削除する。

【００６７】そして、キャンセル処理部２２３は、印刷
ジョブがキャンセルされたこと（印刷が行なわれなかっ
たこと）を画面上に表示して、ユーザに通知する（Ｓ４
０４）。

【００６８】以上の処理により、プリンタで実行待ちの
印刷ジョブのキャンセル要求を受け付けた場合でも、コ
ンピュータ２０が印刷データの送信を中止または送信を
行なわないようにすることができるので、不要な印刷デ
ータ転送量を削減することができる。

【００６９】なお、上記実施形態では、キャンセルされ
た印刷ジョブに係るコンピュータ２０にのみに印刷がキ
ャンセルされたことを通知して、印刷がキャンセルされ
たことを画面上に表示させるようにしたが、ネットワー
ク印刷システム内のすべてのコンピュータ２０に印刷が
キャンセルされたことを通知するようにしてもよい。

【００７０】

【発明の効果】上述のように、本発明によれば、プリン
タとプリンタホストとを備えて構成される印刷システム
において、プリンタ側から印刷キャンセル要求を受け付
けた場合に、不要な印刷データの転送量を削減すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】は、本発明を適用したネットワーク印刷システ
ムの構成の一例を説明するためのブロック図である。

【図２】は、プリンタ１０のハードウェア構成の一例を
説明するためのブロック図である。

【図３】は、ジョブ管理部１１ａが、印刷ジョブを管理
するために用いるスケジュール表のイメージを説明する
ための図である。

【図４】は、コンピュータ２０上に実現されるソフトウ
ェア構成について説明するためのブロック図である。

【図５】は、プリンタ１０が実行中の印刷ジョブのキャ
ンセル要求を受け付けた場合の処理について説明するた
めのフロー図である。

【図６】は、プリンタ１０がすべての印刷ジョブのキャ
ンセル要求を受け付けた場合の処理について説明するた
めのフロー図である。

【符号の説明】

１０…プリンタ １１…コントローラ １１ａ…ジョブ管理部 １２…インタフェース １３…印刷エンジン １４…コントロールパネル １４ａ…ジョブキャンセルスイッチ ２０…コンピュータ ５０…プリンタサーバ ７０…ネットワーク ２１０…アプリケーション ２２０…プリンタドライバ ２２１…印刷データ生成部 ２２２…通信部 ２２３…キャンセル処理部 ２２４…印刷データ受付部 ２３０…オペレーティングシステム ２４０…スプールファイル

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】印刷データをスプールし、スプールした印
   刷データを出力するプリンタホストと、印刷データに基
   づいて印刷処理を行なうプリンタとを備えた印刷システ
   ムにおいて、 前記プリンタは、 印刷処理のキャンセル要求を受け付けるキャンセル要求
   受付手段と、 キャンセル要求を受け付けると実行中の印刷処理を中止
   するとともに、印刷処理がキャンセルされたことを前記
   プリンタホストに通知する印刷キャンセル手段とを備
   え、 前記プリンタホストは、 前記プリンタから印刷処理がキャンセルされたことを通
   知されると、印刷データの出力を中止し、スプールした
   印刷データを削除する出力キャンセル手段を備えること
   を特徴とする印刷システム。
2. 【請求項２】プリンタホストから印刷要求を受け付ける
   と、その印刷要求を印刷ジョブとして管理し、印刷可能
   な状態になると受け付けた順に印刷ジョブを実行し、対
   応するプリンタホストから印刷データを受け付けて印刷
   処理を行なう印刷装置において、 実行中の印刷ジョブに対するキャンセル要求を受け付け
   るキャンセル要求受付手段と、 キャンセル要求を受け付けると実行中の印刷ジョブを中
   止するとともに、印刷ジョブがキャンセルされたことを
   当該印刷ジョブに係るプリンタホストに通知する印刷キ
   ャンセル手段とを備えたことを特徴とする印刷装置。
3. 【請求項３】プリンタホストから印刷要求を受け付ける
   と、その印刷要求を印刷ジョブとして管理し、印刷可能
   な状態になると受け付けた順に印刷ジョブを実行し、対
   応するプリンタホストから印刷データを受け付けて印刷
   処理を行なう印刷装置において、 すべての印刷ジョブに対するキャンセル要求を受け付け
   るキャンセル要求受付手段と、 キャンセル要求を受け付けると実行中の印刷ジョブを中
   止するとともに、未実行の印刷ジョブの実行を取り止
   め、印刷ジョブがキャンセルされたことを中止および取
   り止めた印刷ジョブに係るプリンタホストに通知する印
   刷キャンセル手段とを備えたことを特徴とする印刷装
   置。
4. 【請求項４】印刷データをスプールし、スプールした印
   刷データをプリンタに出力するプリンタホストにおい
   て、 前記プリンタから印刷処理がキャンセルされたことを通
   知されると、印刷デー タの出力を中止または取り止め、スプールした印刷デー
   タを削除する出力キャンセル手段を備えたことを特徴と
   するプリンタホスト。
5. 【請求項５】前記プリンタから印刷処理がキャンセルさ
   れたことを通知されると、印刷処理がキャンセルされた
   ことを表示するキャンセル表示手段をさらに備えたこと
   を特徴とする請求項４に記載のプリンタホスト。
6. 【請求項６】印刷データをスプールし、スプールした印
   刷データをプリンタに出力する処理をコンピュータに実
   行させるプリンタドライバにおいて、 前記プリンタから印刷処理がキャンセルされたことを通
   知されると、印刷データの出力を中止または取り止め、
   スプールした印刷データを削除する出力キャンセル処理
   をコンピュータに実行させることを特徴とするプリンタ
   ドライバ。
7. 【請求項７】前記プリンタから印刷処理がキャンセルさ
   れたことを通知されると、印刷処理がキャンセルされた
   ことを表示するキャンセル表示処理をさらにコンピュー
   タに実行させることを特徴とする請求項６に記載のプリ
   ンタドライバ。
8. 【請求項８】請求項６または７に記載のプリンタドライ
   バを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。