JP2003302023A - 溶融炉の運転方法、運転制御装置及びガス化溶融システム - Google Patents

溶融炉の運転方法、運転制御装置及びガス化溶融システム

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JP2003302023A
JP2003302023A JP2002108223A JP2002108223A JP2003302023A JP 2003302023 A JP2003302023 A JP 2003302023A JP 2002108223 A JP2002108223 A JP 2002108223A JP 2002108223 A JP2002108223 A JP 2002108223A JP 2003302023 A JP2003302023 A JP 2003302023A
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Japan
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furnace
temperature
combustion air
control device
burner
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JP2002108223A
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Shinya Azuma
伸哉 東
Masaaki Irie
正昭 入江
Tetsuya Ando
哲也 安藤
Hisashi Okada
久 岡田
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Ebara Corp
Original Assignee
Ebara Corp
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  • Incineration Of Waste (AREA)
  • Gasification And Melting Of Waste (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 炉内を均一に昇温でき、炉壁に温度差による
熱応力を発生させることがなく、炉の長寿命化を図るこ
とができると共に、炉の均一昇温による最短時間での炉
の立ち上がりが実現できる溶融炉の運転方法、運転制御
装置及びガス化溶融システムを提供すること。 【解決手段】 昇温用バーナ14、15及び炉内に燃焼
空気24,28を導入する燃焼空気導入機構(燃焼空気
導入口16、16、ダンパー25、29)を具備し、灰
及び未燃炭素を含む生成ガス18を導入し、該未燃炭素
及び生成ガス18を高温燃焼させると共に、該灰を溶融
し溶融スラグとする溶融炉の運転制御装置において、制
御装置21を設け、該制御装置21は昇温用バーナ14
の着火前に燃焼空気導入機構を介して過剰の燃焼空気を
炉内に導入した状態で、該昇温用バーナ14を着火し、
徐々に出力を上げ、炉内全体を均一に昇温させる機能を
具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はガス化炉等からの灰
及び未燃炭素を含む生成ガスを導入し、高温燃焼させる
と共に、該灰を溶融して溶融スラグとする溶融炉の運転
方法、運転制御装置及びガス化溶融システムに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】都市ごみ、産業廃棄物、医療廃棄物、シ
ュレッダーダストや古タイヤ等の廃棄物を焼却し減量化
すること、及びその焼却熱を有効利用することが望まれ
ている。廃棄物の焼却灰は、通常、有害な重金属を含む
ので、焼却灰を埋め立てにより処理するためには、重金
属成分を固化処理する等の対策が必要である。更に、設
備全体のスケールダウン等も求められている。こういっ
た課題に対応するため種々の金属を回収すると共に、灰
を溶融してスラグを生成し、このスラグを回収すること
ができ、また熱電力などエネルギーを回収することがで
きる、単なる焼却処理ではなく、マテリアルリサイクル
を可能としたガス化溶融炉が近年注目されてきている。
【0003】このガス化溶融炉は、ガス化炉において廃
棄物をガス化し、未燃炭素や灰を含んだ温度500℃〜
600℃程度の未燃ガスを生成した後、この未燃の生成
ガスを溶融炉に導き該溶融炉において投入される二次空
気により低空気比(1.3〜1.5程度)で高温に燃焼
させ、灰を炉壁に集め溶融スラグ化流を生成するもので
ある。
【0004】図1はこの種の溶融炉の概略構成例を示す
図である。溶融炉10は一次燃焼室11、二次燃焼室1
2、三次燃焼室13を具備している。炉頂部に昇温用バ
ーナ14を、一次燃焼室11と二次燃焼室12との間の
炉側壁間に昇温用バーナ15を具備し、更に炉頂壁及び
炉側壁に複数箇所の燃焼空気導入口16、16を具備し
ている。
【0005】上記構成の溶融炉において、図示しないガ
ス化炉で廃棄物をガス化し、灰や未燃炭素を含む生成ガ
ス18をガス導入口17から炉壁面の接線方向に導入
し、炉内で旋回流を形成させると共に、燃焼空気は炉頂
部に設けられた燃焼空気導入口16や炉側壁に設けられ
た燃焼空気導入口16から導入し、生成ガス18の流れ
に合流させる。この生成ガス18と燃焼空気の混合体
は、一次燃焼室11、二次燃焼室12、三次燃焼室13
と燃焼し、燃焼排ガス19は該三次燃焼室13の頂部か
ら廃熱ボイラ等へと流れる。
【0006】生成ガス18の中に含まれる灰や未燃炭素
は生成ガス18の旋回流の遠心力により炉壁面に集めら
れ、未燃炭素は燃焼すると共に、灰は高温(1300℃
程度)で溶融され、溶融スラグ流となって炉壁面に沿っ
て流下し、スラグ排出口20から排出される。排出され
た溶融スラグは図示しない水砕トラフ等に落下し、該ス
ラグ冷却水と接触し、水砕スラグとなる。
【0007】上記構成の溶融炉において、ガス導入口1
7から導入される生成ガス18はその温度が上記のよう
に500℃〜600℃であるから、溶融炉10の運転始
めは昇温用バーナ14や昇温用バーナ15を起動し、炉
内を昇温している。ところがこの種の溶融炉は従来の単
なる焼却炉と比べて、灰を溶融し溶融灰として回収する
ため、炉の構造が複雑化している上、スラグ化率を上げ
るため旋回速度を確保できるよう炉高/炉直径の比が大
きく(つまり細長く)なっている。そのため従来の単純
な円筒、直方体の形状の炉に比べて昇温用バーナ14及
び15の近傍位置と遠方位置では温度差が大きくなりや
すく、炉内が均一に昇温しないという問題がある。
【0008】溶融炉内が均一に昇温しないと炉壁に熱応
力が発生し、該熱応力により炉壁が損傷し、炉の寿命を
縮めたり、また炉昇温管理として、最も温度が高い部分
の耐火材により規定される昇温速度(℃/h)を許容す
るように昇温するが、この場合に炉内の温度分布に大き
な差があると最高温度の点が昇温を完了しても、最低温
度の点は昇温完了温度よりかなり低く、この点の昇温が
終るまで、炉の昇温が終了しないため、結果的に炉の立
ち上がり時間が長くなる(炉の運転計画に支障をきた
す)という問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述の点に鑑
みてなされたもので、上記問題を除去し、炉内を均一に
昇温でき、炉壁に温度差による熱応力を発生させること
がなく、炉の長寿命化を図ることができると共に、炉の
均一昇温による最短時間での炉の立ち上がりが実現でき
る溶融炉の運転方法、運転制御装置及びガス化溶融シス
テムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
請求項1に記載の発明は、昇温用バーナ及び炉内に燃焼
空気を導入する燃焼空気導入機構を具備し、灰及び未燃
炭素を含む生成ガスを導入し、該生成ガスを高温燃焼さ
せると共に、該灰を溶融し溶融スラグとする溶融炉の運
転方法において、昇温用バーナの着火前に燃焼空気導入
機構を介して過剰の燃焼空気を炉内に導入した状態で、
該昇温用バーナを着火し、徐々に出力を上げ、炉内全体
を均一に昇温させることを特徴とする。
【0011】上記のように昇温用バーナの着火前に燃焼
空気導入機構を介して過剰の燃焼空気を炉内に導入した
上で着火することにより、温度が低いが従来より大量の
熱ガスを作り出すことができる。過剰空気がない状態で
は、バーナが最小出力にて着火しても、高温で少量の熱
ガスを作ることになり、バーナ近傍のみが急昇温し、ま
た逆にバーナより遠方では少量の燃焼ガスはすぐにコー
ルド(低温)状態の耐火材にて冷却され、昇温に寄与す
ることが少なく、炉内温度分布の不均一を助長させる。
過剰空気がある状態では、バーナ近傍の急昇温が抑制さ
れ、大量の熱ガスにより炉内全体を昇温することができ
る。その上でこの増加した燃焼排ガス量を介して徐々に
昇温用バーナの出力を上げることにより、炉内全体を均
一に昇温させることが可能となる。これにより炉壁に温
度差による熱応力が発生することなく、熱応力による損
傷を与えることがないため、炉の長寿命化を図ることが
できると共に、均一な昇温による最短時間で炉を立ち上
げることができる。
【0012】請求項2に記載の発明は、昇温用バーナ及
び炉内に燃焼空気を導入する燃焼空気導入機構を具備
し、灰及び未燃炭素を含む生成ガスを導入し、該生成ガ
スを高温燃焼させると共に、該灰を溶融し溶融スラグと
する溶融炉の運転制御装置において、制御装置を設け、
該制御装置は昇温用バーナの着火前に燃焼空気導入機構
を介して過剰の燃焼空気を炉内に導入した状態で、該昇
温用バーナを着火し、徐々に出力を上げ、炉内全体を均
一に昇温させる機能を具備することを特徴とする。
【0013】上記のように制御装置が、昇温用バーナの
着火前に燃焼空気導入機構を介して過剰の燃焼空気を炉
内に導入した状態で、該昇温用バーナを着火し、徐々に
出力を上げ、炉内全体を均一に昇温させる機能を具備す
るので、上記と同様、炉内全体を均一に昇温させること
が可能となり、炉壁に温度差による熱応力が発生するこ
となく、熱応力による損傷を与えることなく、均一な温
度上昇による最短時間で炉を立ち上げることができる。
【0014】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の溶融炉の運転制御装置において、昇温用バーナは複数
であり、制御装置は該複数の昇温用バーナの着火タイミ
ング及び出力を制御する機能を具備することを特徴とす
る。
【0015】上記のように制御装置は該複数の昇温用バ
ーナの着火タイミング及び出力を制御する機能を具備す
るので、炉内全体を更に均一に昇温させることが可能と
なり、炉壁の温度差による熱応力発生を更に抑制でき、
熱応力による損傷を防止し、炉の長寿命化を図ることが
できる。
【0016】請求項4に記載の発明は、請求項2又は3
に記載の溶融炉の運転制御装置において、制御装置は、
炉内温度=経過時間の昇温テーブルを具備し、炉内の温
度を検出する1個又は複数の温度センサの出力を参照し
ながら該昇温テーブルに従って昇温用バーナの着火及び
出力、燃焼空気の導入流量を制御する機能を具備するこ
とを特徴とする。
【0017】上記のように制御装置は、温度センサの出
力を参照しながら昇温テーブルに従って昇温用バーナの
着火及び出力、燃焼空気の導入流量を制御する機能を具
備するので、この昇温テーブルを最適に設定することに
より、炉内を最適な時間経過で且つ均一に昇温でき、炉
壁の温度差による熱応力発生の抑制、熱応力による損傷
を更に効果的に防止し、炉の長寿命化を図ることができ
る。
【0018】請求項5に記載の発明は、廃棄物をガス化
して灰及び未燃炭素を含む生成ガスを生成するガス化炉
と、該灰及び未燃炭素を含む生成ガスを導入し、該生成
ガスを高温燃焼させると共に、該灰を溶融するための溶
融炉を備えたガス化溶融システムにおいて、溶融炉に昇
温用バーナの着火前に燃焼空気導入機構を介して過剰の
燃焼空気を炉内に導入した状態で、該昇温用バーナを着
火し、徐々に出力を上げ、炉内全体を均一に昇温させる
機能を具備する制御装置を設けたことを特徴とする。
【0019】上記のように溶融炉に、着火前に燃焼空気
導入機構を介して過剰の燃焼空気を炉内に導入した状態
で、該昇温用バーナを着火し、徐々に出力を上げ、炉内
全体を均一に昇温させる機能を具備する制御装置を設け
たので、溶融炉の炉内全体を均一に昇温させることが可
能となり、炉壁に温度差による熱応力が発生することな
く、熱応力による損傷を与えることなく、均一な温度上
昇による最短時間で炉を立ち上げることができ、ガス化
溶融システム全体を効率よく運用できる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態例を図
面に基づいて説明する。図2は本発明に係る運転制御装
置とそれを用いる溶融炉の概略構成を示す図である。図
2において、図1と同一符号を付した部分は同一又は相
当部分を示す。灰や未燃炭素を含む未燃の生成ガス18
をガス導入口17から炉壁面の接線方向に導入し、炉内
で旋回流を形成させると共に、燃焼空気24,28は炉
頂部に設けられた燃焼空気導入口16や炉側壁に設けら
れた燃焼空気導入口16から導入し、生成ガス18の流
れに合流させる。この生成ガス18と燃焼空気24,2
8の混合体は、一次燃焼室11、二次燃焼室12、三次
燃焼室13と燃焼する点は、図1に示す溶融炉と同一で
ある。
【0021】炉頂部に設けた昇温用バーナ14には流量
制御弁23が接続され、昇温用バーナ14に供給する油
やガス等の燃料22の流量を制御できるようになってい
る。また、図示は省略するが、昇温用バーナ14自体に
も燃焼用空気が供給されるようになっており、燃料22
の流量とリンクして燃焼空気の流量も調整されるように
なっている。また、炉頂部に設けた燃焼空気導入口16
にはダンパー25が接続され、炉内に導入される燃焼空
気24の流量を調整できるようになっている。昇温用バ
ーナ15にも流量制御弁27が接続され、昇温用バーナ
15に供給する油やガス等の燃料26の流量を制御でき
るようになっており、昇温用バーナ14と同様、燃焼用
空気も燃料26の流量とリンクして調整されるようにな
っている。また、炉側壁に設けた燃焼空気導入口16に
もダンパー29が接続され、炉内に導入される燃焼空気
28の流量を調整できるようになっている。
【0022】溶融炉10の一次燃焼室11には炉内温度
を測定するため温度センサ31、32が設けられ、二次
燃焼室12には炉内温度を測定するため温度センサ33
が設けられ、更に三次燃焼室13には炉内温度を測定す
るため温度センサ34、35が設けられている。そして
これら温度センサ31〜35の出力は制御装置21に伝
送されるようになっている。なお、温度センサ31〜3
5としては、熱電対又は放射温度計を使用する。
【0023】該制御装置21は昇温用バーナ14への出
力信号を指示し、昇温用バーナ14を手動又は自動にて
着火した後に、昇温用バーナ14側にて流量制御弁23
及び図示しないダンパーを操作して燃料22及び図示し
ないバーナ用燃焼空気を制御装置21の出力に合わせて
調整する。勿論、制御装置21より、直接流量制御弁2
3及び図示しないダンパーを操作して燃料22及びバー
ナ用燃焼空気を調整してもよい。また、該制御装置21
は昇温用バーナ15への出力信号を指示し、昇温用バー
ナ15を手動又は自動にて着火した後に、昇温用バーナ
15側にて流量制御弁27及びダンパーを操作して燃料
26及びバーナ用燃焼空気を制御装置21の出力に合わ
せて調整する。勿論、制御装置21より、直接流量制御
弁27及びダンパーを操作して燃料26及びバーナ用燃
焼空気を調整してもよい。
【0024】制御装置21は、図3のに示すように昇
温用バーナ14の着火(時間t1)前に、ダンパー2
5、29及び燃焼空気導入口16、16からなる燃焼空
気導入機構を介して、燃焼空気24、28を過剰に一次
燃焼室11内に導入し、この状態で昇温用バーナ14を
着火する(時間t1)。そして所定のタイミング(時間
t2)で流量制御弁23の開度を徐々に大きくし、昇温
用バーナ14に供給する燃料22の流量を増やし、昇温
用バーナ14の出力を徐々に上げると共に、所定のタイ
ミング(時間t3)でダンパー25、29の開度を徐々
に小さくし炉内に導入する燃焼空気24、28の流量を
所定の一定流量Qになるまで徐々に下げる。また、炉内
温度が所定の温度(例えば1300℃)に上昇し、所定
時間経過したら昇温用バーナ14を停止(時間t4)す
る。
【0025】なお、図示は省略するが、昇温用バーナ1
5も昇温用バーナ14と同様、所定のタイミング(時間
t1と同じ又は遅いタイミング)で着火し、所定のタイ
ミングで流量制御弁27の開度を徐々に大きくし、昇温
用バーナ15に供給する燃料26の流量を増やし、昇温
用バーナ15の出力を徐々に上げ、炉内温度が所定の温
度(例えば1300℃)に上昇し、所定時間経過したら
昇温用バーナ15を停止する。
【0026】図4は一次燃焼室11内に導入する燃焼空
気の流量、昇温用バーナ14の着火及び供給する燃料流
量(バーナ出力)、昇温用バーナ15の着火及び供給す
る燃料流量(バーナ出力)の経時変化の具体的一例を示
す図である。図4において、Aは燃焼空気導入口16、
16から一次燃焼室11に導入された燃焼空気24、2
8の流量、Bは昇温用バーナ14への燃料22の流量
(バーナ出力)、Cは昇温用バーナ15への燃料26の
流量(バーナ出力)を示す。
【0027】上記のように昇温用バーナ14の着火前に
ダンパー25を介して過剰の燃焼空気を炉内に導入した
上でこの状態で着火することにより、温度が低いが従来
より大量の熱ガスを作り出すことができる。過剰空気が
ない状態では、昇温用バーナ14が最小出力にて着火し
ても、高温で少量の熱ガスを作ることになりバーナ近傍
のみが急昇温し、また逆にバーナより遠方では少量の燃
焼ガスはすぐにコールド(低温)状態の耐火材にて冷却
され、昇温に寄与することが少なく、炉内温度分布の不
均一を助長させる。過剰空気がある状態では、バーナ近
傍の急昇温が抑制され、大量の熱ガスにより炉内全体を
昇温することができる。その上で、この増加した燃焼排
ガス量を介して徐々に昇温用バーナ14の出力を上げる
ことにより、炉内全体を均一に昇温させることが可能と
なる。これにより炉壁に温度差による熱応力が発生する
ことなく、熱応力による損傷を与えることがないため、
炉の長寿命化を図ることができると共に、均一な温度上
昇による最短時間で炉を立ち上げることができる。
【0028】また、制御装置21、昇温用バーナ14と
昇温用バーナ15の着火タイミング及びその出力を制御
することで、炉内全体を更に均一に昇温させることが可
能となる。なお、ここでは昇温用バーナを2個設けた例
を示したが、それ以上であってもよいことは当然であ
る。
【0029】また、制御装置21内に図5に示すよう
な、炉内温度=経過時間の昇温テーブルを設け、制御装
置21は温度センサ31乃至35の出力を参照しなが
ら、該昇温テーブルに従って昇温用バーナ14と昇温用
バーナ15の着火及び出力、燃焼空気24、28の炉内
への導入流量を制御することにより、炉内を最適な時間
経過で且つ均一に昇温できる。例えば、炉内温度が30
0℃になる時間t1までは25℃〜50℃/hで昇温さ
せ、300℃〜1300℃になる時間t1〜t2までは
50℃〜100℃/hで昇温させる。
【0030】なお、上記例では、生成ガスをガス導入口
17から旋回流を形成しながら、導入する例を示した
が、溶融スラグ化率はやや劣るが生成ガス18を旋回流
として導入する旋回溶融炉でなくとも本発明は適用でき
る。
【0031】本発明に係るガス化溶融システムは、図示
は省略するが、廃棄物をガス化するガス化炉を具備し、
該ガス化炉でガス化された、灰及び未燃炭素を含む生成
ガスを図2に示す構成の溶融炉のガス導入口に導くよう
に構成している。また、このガス化炉は、流動層ガス化
炉、キルン炉、外部循環式流動層ガス化炉等いずれでも
よい。
【0032】
【発明の効果】以上、説明したように各請求項に記載の
発明によれば、下記のような優れた効果が得られる。
【0033】請求項1に記載の発明によれば、炉内全体
を均一に昇温させることが可能となるから、炉壁に温度
差による熱応力が発生することなく、熱応力による損傷
を与えることなく、炉の長寿命化を図ることができると
共に、炉の均一昇温による最短時間での炉の立ち上がり
が実現できる。
【0034】請求項2に記載の発明によれば、制御装置
の制御により炉内に導入する燃焼空気及び昇温用バーナ
の着火及び出力を制御して、炉内全体を均一に昇温させ
ることが可能となるから、炉壁に温度差による熱応力が
発生することなく、熱応力による損傷を与えることな
く、炉の長寿命化を図ることができると共に、炉の均一
昇温による最短時間での炉の立ち上がりが実現できる。
【0035】請求項3に記載の発明によれば、制御装置
は該複数の昇温用バーナの着火タイミング及び出力を制
御する機能を具備するので、炉内全体を更に均一に昇温
させることが可能となり、炉壁の温度差による熱応力発
生を更に抑制でき、熱応力による損傷を防止し、炉の長
寿命化を図ることができる。
【0036】請求項4に記載の発明によれば、制御装置
は、温度センサの出力を参照しながら、昇温テーブルに
従って昇温用バーナの着火及び出力、燃焼空気の導入流
量を制御する機能を具備するので、この昇温テーブルを
最適に設定することにより、炉内を最適な時間経過で且
つ均一に昇温でき、炉壁の温度差による熱応力発生の抑
制、熱応力による損傷を更に効果的に防止し、炉の長寿
命化を図ることができる。
【0037】請求項5に記載の発明によれば、溶融炉
に、着火前に燃焼空気導入機構を介して過剰の燃焼空気
を炉内に導入した状態で、該昇温用バーナを着火し、徐
々に出力を上げ、炉内全体を均一に昇温させる機能を具
備する制御装置を設けたので、溶融炉の炉内全体を均一
に昇温させることが可能となり、炉壁に温度差による熱
応力が発生することなく、熱応力による損傷を与えるこ
となく、均一な昇温による最短時間で溶融炉を立ち上げ
ることができ、ガス化溶融システム全体の立ち上げを速
くでき、システムの効率よい運用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶融炉の概略構成を示す図である。
【図2】本発明に係る運転制御装置とそれを用いる溶融
炉の概略構成を示す図である。
【図3】本発明に係る運転制御装置による炉内燃焼空気
量と昇温用バーナの出力の経時変化例を示す図である。
【図4】本発明に係る運転制御装置による炉内燃焼空気
量と昇温用バーナの出力の経時変化の具体例を示す図で
ある。
【図5】本発明に係る運転制御装置に用いる炉内温度=
経過時間の昇温テーブル例を示す図である。
【符号の説明】
10 溶融炉 11 一次燃焼室 12 二次燃焼室 13 三次燃焼室 14 昇温用バーナ 15 昇温用バーナ 16 燃焼空気導入口 17 ガス導入口 18 生成ガス 19 排ガス 20 スラグ排出口 21 制御装置 22 燃料 23 流量制御弁 24 燃焼空気 25 ダンパー 26 燃料 27 流量制御弁 28 燃焼空気 29 ダンパー 31〜35 温度センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F23G 5/00 115 F23J 1/00 B F23J 1/00 F27B 1/26 F27B 1/26 B09B 3/00 303L (72)発明者 安藤 哲也 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 (72)発明者 岡田 久 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 Fターム(参考) 3K061 AA16 AB03 BA06 CA01 DB16 NB03 NB08 NB30 3K062 AA07 AA11 AB02 BA02 CA01 CB04 CB06 CB08 DA01 DB05 DB13 4D004 AA36 AA46 CA27 CA29 CB09 DA02 DA20 4K045 AA01 BA10 CA02 DA04 GA04 GB10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 昇温用バーナ及び炉内に燃焼空気を導入
    する燃焼空気導入機構を具備し、灰及び未燃炭素を含む
    生成ガスを導入し、該生成ガスを高温燃焼させると共
    に、該灰を溶融し溶融スラグとする溶融炉の運転方法に
    おいて、 前記昇温用バーナの着火前に前記燃焼空気導入機構を介
    して過剰の燃焼空気を炉内に導入した状態で、該昇温用
    バーナを着火し、徐々に出力を上げ、炉内全体を均一に
    昇温させることを特徴とする溶融炉の運転方法。
  2. 【請求項2】 昇温用バーナ及び炉内に燃焼空気を導入
    する燃焼空気導入機構を具備し、灰及び未燃炭素を含む
    生成ガスを導入し、該生成ガスを高温燃焼させると共
    に、該灰を溶融し溶融スラグとする溶融炉の運転制御装
    置において、 制御装置を設け、該制御装置は前記昇温用バーナの着火
    前に前記燃焼空気導入機構を介して過剰の燃焼空気を炉
    内に導入した状態で、該昇温用バーナを着火し、徐々に
    出力を上げ、炉内全体を均一に昇温させる機能を具備す
    ることを特徴とする溶融炉の運転制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の溶融炉の運転制御装置
    において、 前記昇温用バーナは複数であり、前記制御装置は該複数
    の昇温用バーナの着火タイミング及び出力を制御する機
    能を具備することを特徴とする溶融炉の運転制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3に記載の溶融炉の運転制
    御装置において、 前記制御装置は、炉内温度=経過時間の昇温テーブルを
    具備し、炉内の温度を検出する1個又は複数の温度セン
    サの出力を参照しながら該昇温テーブルに従って前記昇
    温用バーナの着火及び出力、前記燃焼空気の導入流量を
    制御する機能を具備することを特徴とする溶融炉の運転
    制御装置。
  5. 【請求項5】 廃棄物をガス化して灰及び未燃炭素を含
    む生成ガスを生成するガス化炉と、該灰及び未燃炭素を
    含む生成ガスを導入し、該生成ガスを高温燃焼させると
    共に、該灰を溶融するための溶融炉を備えたガス化溶融
    システムにおいて、 前記溶融炉に前記昇温用バーナの着火前に前記燃焼空気
    導入機構を介して過剰の燃焼空気を炉内に導入した状態
    で、該昇温用バーナを着火し、徐々に出力を上げ、炉内
    全体を均一に昇温させる機能を具備する制御装置を設け
    たことを特徴とするガス化溶融システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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