JP2003301400A - 段ボール用原紙とその処理方法 - Google Patents

段ボール用原紙とその処理方法

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JP2003301400A JP2002104933A JP2002104933A JP2003301400A JP 2003301400 A JP2003301400 A JP 2003301400A JP 2002104933 A JP2002104933 A JP 2002104933A JP 2002104933 A JP2002104933 A JP 2002104933A JP 2003301400 A JP2003301400 A JP 2003301400A
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Masakazu Yoshida
正和 吉田
Akihiro Nezaki
明浩 根崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量で機械的強度の高い段ボールを作ること
が出来るように、同じ密度や厚さでもより強度の高い段
ボール原紙を得る。また、段ボール原紙の高強度化の処
理により、環境に対する悪影響をもたらさない。 【解決手段】 木材に多く含まれる成分の一つであっ
て、パルプを精製するときに生じる副産物でもあるリグ
ニンの作用に着目し、これを段ボール原紙に含浸させた
ものである。これにより、段ボール原紙の圧縮強さの向
上を図った。リグニンとしては、例えばリグニンスルホ
ン酸塩が使用される。リグニンを含浸させた段ボール原
紙は、リグニンを含浸させる前の元の段ボール原紙に比
べて圧縮強さが向上する。圧縮強さが大きくなることに
よる加工性の悪化に対しては、段ボール原紙に滑剤を塗
布することにより、コルゲータのローラに対する滑りを
良くし、加工性を改善する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、段ボールを作るた
めの段ボール原紙であって、特に波形に成型されてライ
ナが貼られる中芯用段ボール原紙とその処理方法に関
し、作られる段ボールの剛性を高め、圧縮強度を強化す
ることが出来る段ボール原紙の強化手段に関する。
【0002】
【従来の技術】段ボールは中芯とライナの2種類の段ボ
ール原紙を使用して作られる。コルゲータを使用してま
ず、中芯用の段ボールが波形に成形され、その後、波形
に成形された中芯の両面または片面にライナを貼って段
ボールとする。この段ボールには、その中芯とライナと
の組み合わせにより、片面段ボール、両面段ボール、複
両面段ボール、複々両面段ボール等の種類がある。この
うち、包装用箱等の構造材としては、両面段ボールが最
も一般的に使用される。このような段ボールでは、その
平面形状を維持するたま、或いは破裂強さ、圧縮強度等
を考慮して、通常ライナには中芯より厚い段ボール原紙
を使用している。
【0003】このような段ボールにおいて、中芯は波形
に成型されることにより、その断面二次係数が得られ、
その剛性を得ることができる。従って、段ボールの厚さ
方向の圧縮強さ、剛性、曲げ強度等の機械的特性は、主
として中芯の強さにより決定される。段ボールの厚さ
は、その構造にもよるが、同じ構造の例えば両面段ボー
ルであれば、主に中芯の波形のピッチ、換言すると波形
の曲率半径によって違ってくる。
【0004】
【発明が解決しようとしている課題】構造材として段ボ
ールを考えると、製筺時の加工性や取り扱い等の点か
ら、その厚さが薄い割りに圧縮強さ、剛性、曲げ強さ等
の機械的強度が強いことが望まれる。しかし、前述のよ
うに、段ボールの厚さ方向の剛性や曲げ強度は、主とし
て中芯の強さに決定されるため、自ずと得られる機械的
特性には限度がある。
【0005】段ボール中芯用原紙の圧縮強さは、その厚
さや繊維の密度にもよるが、一般的な中芯用原紙の圧縮
強さは、SCP120(g/m2) で120N〜150
N(ニュートン、以下同じ)程度、SCP160(g/
2) で220〜250N程度、SCP180(g/m
2) で260〜300N程度である。
【0006】現在市販されている段ボールにおける中芯
の厚さは、コルゲート製造機の性能や製造の容易性等の
観点から、約0.3mmが上限であり、その平面圧縮強
度は、例えば、中芯の波形の高さが5mm程度の場合、
0.5〜3.0kgf/cm 2 程度である。 このた
め、段ボールを床面上等に置いた状態で、指で上下方向
に圧縮すると、中芯の波形が比較的簡単に潰れてしま
う。
【0007】そこで、中芯にパラフィンや合成樹脂等を
含浸させて圧縮強度を高める試みもなされてきたが、そ
の効果は十分ではない。そればかりか、樹脂の使用によ
り、古紙として再生するときの障害になったり、廃棄物
として焼却したり、或いは土中で微生物により分解させ
るときの障害にもなる。
【0008】他方において、段ボールやその二次製品で
ある包装用箱等の補強については、段ボールの構造を複
層化したり、或いは包装用箱の構造の改良する等の対策
がなされてきた。しかし、前者の場合、段ボールが厚く
なって、嵩高となり、段ボールの保管、運搬の際の容積
が大きくなりってしまう。また、後者の場合、箱の構造
が複雑になる結果、段ボール箱の組み立て、製造等に手
数がかかるという課題を生じる。
【0009】最近、環境問題等の観点から、容器包装の
簡略化によりゴミの量を減量しようとする動きがある。
段ボールなどの包装材料についても、出来るだけ環境に
対する負荷を最小限にすることが求められている。特
に、二酸化炭素の放出に伴う地球温暖化の問題では、パ
ルプの出発物質となる木材が二酸化炭素を減少させる効
果があるため、その伐採は最小限にすべきである。その
ため、軽量で強度の高い段ボールが得られれば、包装資
材の減量化も図れ、木材資源の有効活用にもつながるこ
とから、そのような段ボールの要請が強くなっている。
【0010】本発明は、前記従来の段ボールにおける課
題に鑑み、その第一の目的は、軽量で機械的強度の高い
段ボールを作ることが出来るように、同じ密度や厚さで
もより強度の高い段ボール原紙を得ることが出来るよう
にすることである。さらに、その第二の目的は、その高
強度化を図るために、環境に対する悪影響をもたらさず
に実行できるようにすることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明では、前記の目的
を達成するため、検討の結果なされたもので、木材に多
く含まれる成分の一つであって、パルプを精製するとき
に生じる副産物でもあるリグニンの作用に着目し、これ
を段ボール原紙に含浸させたものである。これにより、
段ボール原紙の圧縮強さの向上を図った。
【0012】すなわち、本発明による段ボール原紙は、
リグニンが含浸され、元の段ボール原紙に比べて圧縮強
さが強化されているものである。このような段ボール原
紙は、元の段ボール原紙にリグニンの水溶液を塗布し、
乾燥することにより得られる。リグニンとしては、例え
ばリグニンスルホン酸塩が使用される。
【0013】後述するように、リグニンを含浸させた段
ボール原紙は、リグニンを含浸させる前の元の段ボール
原紙に比べて圧縮強さが向上する。元の段ボール原紙に
対し、圧縮強さが10%以上強化されることを目安とす
る。ただし、段ボール原紙の圧縮強さが大きくなり過ぎ
ると、硬すぎて取り扱いがしににくなり、さらにコルゲ
ータにかけて波形に成形するとき、割れてしまう。その
ため、圧縮強さが最大800N以下とする。圧縮強さが
大きくなることによる加工性の悪化に対しては、段ボー
ル原紙に滑剤を塗布することにより、コルゲータの段ロ
ールに対する滑りを良くし、加工性を改善することも出
来る。
【0014】リグニンは、セルロースやヘミセルロース
などと共に木材を構成する成分の一つつであり、天然の
高分子材料である。そのため、リグニンを含浸させた段
ボール原紙を使用して作られた段ボールは、含浸させた
リグニンが古紙として再生するときの障害にならず、ま
た廃棄物として焼却或いは土中で微生物による分解させ
るときの障害にもならない。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て、具体的且つ詳細に説明する。本発明では、段ボール
原紙にリグニンを一様に含浸させる。リグニンとして
は、例えばリグニンスルホン酸カルシウム、リグニンス
ルホン酸マグネシウム、リグニンスルホン酸ナトリウム
等のリグニンスルホン酸塩が使用される。例えば、日本
製紙株式会社製のサンエキスP201(リグニンスルホ
ン酸カルシウム)、サンエキスP321(リグニンスル
ホン酸マグネシウム)、サンエキスP252(リグニン
スルホン酸ナトリウム)、サンエキスM100(リグニ
ンスルホン酸ナトリウム)等の市販のものを使用するこ
とが出来る。これらはリグニン成分の純度約86重量%
の粉末品または液体として市販されており、これを50
重量%濃度程度の水溶液にして段ボール原紙にスプレー
法、ロールコータ法等、適宜の塗布手段を使用して一様
に塗布し、その後乾燥させる。
【0016】リグニンは、セルロースやヘミセルロース
などと共に木材を構成する成分の一つであり、樹木を化
学的にも物理的にも強固なものとし、風雨などの外界か
ら守る役割を果たしている。リグニンの構造は生物学的
に安定な炭素(C)−炭素(C)結合や炭素(C)−酸
素(O)−炭素(O)結合を持つことから、木材の他の
成分よりも比較的微生物分解を受け難く、木材に耐腐朽
性を与える成分でもある。ただ、土壌微生物によって分
解され得る成分であることには違いがない。
【0017】このようなリグニンは、3つのモノリグノ
ールの重合体からなる3次元網目状構造をしている。こ
のリグニンは、セルロースに次いで多く存在する天然の
高分子材料であるだけでなく、固定された太陽エネルギ
ー量から見れば地球上で最も大量に存在する有機物の一
つである。
【0018】後述するように、リグニンを含浸させた段
ボール原紙は、リグニンを含浸させる前の元の段ボール
原紙に比べて圧縮強さが大きくなる。段ボール原紙に含
浸させる量と段ボール原紙の圧縮強さの改善との間には
相関はある。しかしそれは元々の段ボール原紙の圧縮強
度、段ボール原紙の密度、段ボール原紙の溶液の含浸し
やすさ等により異なるため、単位面積当たりどの程度の
量のリグニンを含浸させればよいかは一概には言えな
い。前述の純度約86重量%のリグニンの50重量%濃
度の水溶液で単位面積当たり5〜20g/cm2 程度の
塗布量が目安となる。これにより、元の段ボール原紙に
対し、圧縮強さが10%以上強化される。
【0019】一方で、段ボール原紙の圧縮強さが強すぎ
ると、段ボール原紙が硬過ぎて取り扱いがし難くなり、
さらにコルゲータにかけて波形に成形するとき、割れて
しまう。そのため、圧縮強さが最大800N以下とす
る。圧縮強さが大きくなることによる加工性の悪化に対
しては、段ボール原紙に滑剤を塗布することにより、コ
ルゲータの段ロールに対する滑りを良くし、加工性を改
善することが出来る。滑剤は、リグニン溶液の中に添加
して段ボール原紙に塗布することもでき、またリグニン
の塗布と前後してリグニンとは別に段ボール原紙に塗布
することも出来る。滑剤の塗布効果を得るためには、リ
グニンの塗布と乾燥の後に滑剤を塗布するのが好まし
い。リグニンと別に滑剤を塗布する場合は、油性の滑剤
を使用することも出来る。
【0020】このような目的で段ボール原紙に塗布する
滑剤としては、シリコーン油もしくは蝋(シリコーン
油、極性基を有するシリコーン、脂肪酸改質シリコーン
およびフッ素含有シリコーンを包含する)、フッ素含有
アルコール、フッ素含有エステルもしくはエーテル、フ
ッ素化ポリアルカン、ポリオレフィン、ポリグリコール
アルキルホスフェートもしくはそのアルカリ金属塩、ポ
リフェニルエーテル、フッ素含有アルキルスルフェート
もしくはそのアルカリ金属塩、10〜24個の炭素原子
を有する(分枝鎖もしくは直鎖の、飽和もしくは不飽和
の)一塩基性脂肪酸もしくはその金属(アルカリ金属も
しくは銅)塩、12〜22個の炭素原子を有する(分枝
鎖もしくは直鎖の、飽和もしくは不飽和の)一価もしく
は多価アルコール、12〜22個の炭素原子を有するア
ルコキシアルコール、10〜24個の炭素原子を有する
(分枝鎖もしくは直鎖の、飽和もしくは不飽和の)一塩
基性脂肪酸のモノ、ジもしくはトリエステル、アルキレ
ンオキシド・ポリマーのモノアルキルエーテルの脂肪酸
エステル、8〜22個の炭素原子を有する(分枝鎖もし
くは直鎖の、飽和もしくは不飽和の)脂肪酸アミド、ま
たは8〜22個の炭素原子を有する(分枝鎖もしくは直
鎖の、飽和もしくは不飽和の、そして任意に1つ以上の
カルボニル、オキシ、アミノ、チオ、カルボニルオキ
シ、オキシカルボニルもしくはカルボナミド基で中断さ
れた)脂肪族アミンが含まれる。前記任意の基の範囲内
の化合物の混合物、または2つ以上の基からの化合物の
混合物も有用である。そのようにこれらの物質の多くが
市販されているので、混合物が好ましい。
【0021】次に、本発明の具体的な実施例について説
明する。 (実施例1)日本製紙株式会社製のサンエキスP201
(リグニンスルホン酸カルシウム)の粉末品を水に溶解
し、50重量%の水溶液を用意した。このリグニン水溶
液をロットの異なる6ロールの中芯用段ボール原紙(S
CP180g/m2 )の片面にロールコータ法により塗
布し、乾燥してリグニンを含浸した中芯用段ボール原紙
を得た。
【0022】その結果、リグニンの含浸前(加工前)と
含浸後(加工後)の圧縮強さの違いとその比率を表1に
示す。リグニンの塗布量は、純度約86重量%のリグニ
ンの50重量%濃度の水溶液での塗布量であり、塗布後
乾燥前と塗布前の溶液残量の重量の差から求め、これを
段ボール原紙の単位面積で表した。また、圧縮強さはJ
IS P 8126の紙及び板紙の圧縮強さ試験法によ
り試験し、算定した。
【0023】
【表1】
【0024】表1から明らかな通り、リグニンの含浸前
(加工前)の段ボール原紙の圧縮強さは280N〜31
0N、平均301.7Nであったものが、含浸後(加工
後)の圧縮強さは345N〜440N、平均390.1
Nとなり、111%〜142%、平均で129.4%圧
縮強さの向上が認められた。このときのリグニン溶液の
段ボール原紙の塗布量は、6g/m2 〜10g/m2
平均7.9g/m2 であった。
【0025】(実施例2)日本製紙株式会社製のサンエ
キスP321(リグニンスルホン酸マグネシウム)の粉
末品を水に溶解し、50重量%の水溶液を用意した。こ
のリグニン水溶液をロットの異なる2ロールの中芯用段
ボール原紙(SCP160g/m2 )の片面にロールコ
ータ法により塗布し、乾燥してリグニンを含浸した中芯
用段ボール原紙を得た。
【0026】その結果、リグニンの含浸前(加工前)と
含浸後(加工後)の圧縮強さの違いとその比率を表2に
示す。なお、リグニンの塗布量の算出と圧縮強さの試
験、算定方法は前記実施例1と同様である。
【0027】
【表2】
【0028】表2から明らかな通り、リグニンの含浸前
(加工前)の段ボール原紙の圧縮強さは250N〜26
2N、平均256Nであったが、含浸後(加工後)の圧
縮強さは322N〜371N、平均346.5Nとな
り、129%〜142%、平均で135%圧縮強さの向
上が認められた。このときのリグニン溶液の段ボール原
紙の塗布量は、何れも7g/m2 であった。
【0029】(実施例3)日本製紙株式会社製のサンエ
キスP252(リグニンスルホン酸ナトリウム)の粉末
品を水に溶解し、50重量%の水溶液を用意した。この
リグニン水溶液を中芯用段ボール原紙(SCP120g
/m2 )の片面にロールコータ法により塗布し、乾燥し
てリグニンを含浸した中芯用段ボール原紙を得た。
【0030】その結果、リグニンの含浸前(加工前)と
含浸後(加工後)の圧縮強さの違いとその比率を表3に
示す。なお、リグニンの塗布量の算出と圧縮強さの試
験、算定方法は前記実施例1と同様である。
【0031】
【表3】
【0032】表3から明らかな通り、リグニンの含浸前
(加工前)の段ボール原紙の圧縮強さは148Nであっ
たものが、含浸後(加工後)の圧縮強さは188Nとな
り、127%圧縮強さの向上が認められた。このときの
リグニン溶液の段ボール原紙の塗布量は、8g/m2
あった。
【0033】(実施例4)日本製紙株式会社製のサンエ
キスP201(リグニンスルホン酸カルシウム)の粉末
品を水に溶解し、50重量%の水溶液を用意した。一
方、中芯用段ボール原紙(SCP180g/m2 )を用
意し、これを5つの区間に分け、リグニン溶液を塗布し
ない区間、リグニン溶液を片面に14g/m2 塗布した
区間、リグニン溶液を片面に28g/m2 塗布した区
間、リグニン溶液を両面に30g/m2塗布した区間及
びリグニン溶液を両面に61g/m2 塗布した区間とし
て、順次塗布、乾燥し、前記最初の区間を除いてリグニ
ンを含浸した中芯用段ボール原紙を得た。
【0034】その結果、リグニンの含浸前(加工前)と
含浸後(加工後)の各区間の圧縮強さの違いとその比率
を表4に示す。なお、リグニンの塗布量の算出と圧縮強
さの試験、算定方法は前記実施例1と同様である。
【0035】
【表4】
【0036】表4から明らかな通り、リグニンの含浸前
(加工前)の段ボール原紙の圧縮強さは301Nであっ
たものが、含浸後(加工後)の圧縮強さはリグニン溶液
塗布量の増大に応じて向上し、最小で427N、最大で
642Nとなり、142%〜246%の圧縮強さの向上
が認められた。また、リグニン溶液を片面に28g/m
2 塗布した区間とリグニン溶液を両面に30g/m2
布した区間とでは、リグニン溶液の塗布量にさほど違い
がないにも拘わらず、圧縮強さの向上が著しかった。
【0037】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明による段ボー
ル原紙とその処理方法では、段ボール原紙にリグニンを
含浸させるという簡単な処理だけで、含浸前の元の段ボ
ール原紙に比べて圧縮強を改善することが出来る。これ
により、軽量でも圧縮強さの強い段ボールを得ることが
出来るようになる。
【0038】さらに、リグニンは、天然高分子材料であ
るため、それを含浸させた段ボール原紙から作った段ボ
ールは、通常の段ボールと同様に古紙として再生するこ
とが出来る。また、また廃棄物として焼却処分する時
に、有毒なガスを発生することもなく、埋め立て処分し
たときに土中微生物により分解させることも出来る。そ
のため、自然に与える影響も少ない。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 段ボール板の材料となる段ボール原紙で
    あって、リグニンが含浸され、元の段ボール原紙に比べ
    て圧縮強さが強化されていることを特徴とする段ボール
    原紙。
  2. 【請求項2】 リグニンがリグニンスルホン酸塩である
    ことを特徴とする請求項1に記載の段ボール原紙。
  3. 【請求項3】 元の段ボール原紙に対し、圧縮強さが1
    0%以上強化され、その圧縮強さが最大800N以下で
    あることを特徴とする段ボール原紙。
  4. 【請求項4】 表面に滑剤が塗布されていることを特徴
    とする請求項1〜3の何れかに記載の段ボール原紙。
  5. 【請求項5】 段ボール板の材料となる段ボール原紙を
    処理する方法であって、元の段ボール原紙にリグニンの
    水溶液を塗布し、乾燥することにより、リグニンを含浸
    し、元の段ボール原紙に比べて圧縮強さを強化すること
    を特徴とする段ボール原紙の処理方法。
  6. 【請求項6】 リグニンの含浸後に滑剤を塗布すること
    を特徴とする請求項5に記載の段ボール原紙の処理方
    法。
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