JP2003301289A - 酸素ポンプ - Google Patents

酸素ポンプ

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JP2003301289A JP2002108159A JP2002108159A JP2003301289A JP 2003301289 A JP2003301289 A JP 2003301289A JP 2002108159 A JP2002108159 A JP 2002108159A JP 2002108159 A JP2002108159 A JP 2002108159A JP 2003301289 A JP2003301289 A JP 2003301289A
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健二 東山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の固体電解質セラミックス板を用いた積
層型酸素ポンプは、アノード電極及びカソード電極への
電極接続において、材料間の熱膨張差による歪みが生じ
るという問題があり、この問題を解決し小型で高効率の
酸素ポンプを実現することを目的とする。 【解決手段】 本発明の酸素ポンプは、異なる電極が表
裏に形成された板状の固体電解質セルと、固体電解質セ
ルの表裏両側に配置されたガス分離・分配板と、熱源と
なるヒータ板とにより構成された積層体において、その
外周部分近傍にガスが流通する複数個のガス給排路が形
成されており、当該ガス給排路が互いに連通しない2系
統形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、板状の固体電解質
を用いた積層構造の酸素ポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】酸素の製造方法には種々の方法が実用化
されており、純粋な酸素の製造方法としては、空気を液
化し沸点の違いを利用して取り出す方法、水を電気分解
して取り出す方法等がある。ガス或いは空気中の酸素を
濃縮する方法としては、選択的に酸素を透過する膜を用
いる方法が実用化されている。また、有機物質或いは無
機酸化物よりなるイオン伝導性材料を用い、その両面に
アノード電極及びカソード電極を形成して電圧を印加
し、イオン伝導性材料における電解質内の酸素イオンの
移動を利用して一方の側に濃縮酸素を作る方法等が知ら
れている。このようなイオン伝導性材料を用いたものと
しては、酸化物系の板状固体電解質材料を用いて空気中
の酸素或いは各種ガス中の酸素を濃縮或いは除去する装
置がある。
【0003】従来の固体電解質セルを用いた酸素ポンプ
としては、種々の発明が公開されているが、その構造に
関する発明としては少なく、その中で板状固体電解質を
用いたものとしては次のようなものが公開されている。
特表平1−502993号公報に開示されている酸素ポ
ンプにおいては、イットリウム安定化ジルコニウムセラ
ミックス板を用い、その片面にハニカム構造の酸素電極
と空気電極とを形成した構成体を複数積層した構造であ
る。前記ハニカム構造の隣同士の開口において、一方が
濃縮された酸素電極側であり、他方が酸素が減少する空
気電極側になっている。当該ハニカム構造のセル構成素
子の製造方法は、グリーンシート工法であり、平面状固
体電解質グリーンシートの両面にアノード電極及びカソ
ード電極の膜体を形成する。この平面状固体電解質グリ
ーンシート上に波形シートを積層し、それらの積層体を
さらに積み重ねることにより、この酸素ポンプのハニカ
ム構造は構成されている。
【0004】また、特開平6−150945号公報に開
示されている酸素ポンプは、固体電解質板をスペーサー
を介して積層した構造を有している。図28は特開平6
−150945号公報に開示された酸素ポンプの積層構
造の詳細を示す斜視図である。図28において、各固体
電解質板431,432,433,434の両面には異
なる電極が形成されており、一方の面にアノード電極膜
435a,435b、他方の面にカソード電極膜436
a,436bが形成されている。積層された固体電解質
板431,432,433,434において、対向する
面が同じ電極となるよう交互に配置されている。固体電
解質板431,432,433,434は、これらの固
体電解質板431,432,433,434と同じ材料
で形成したU字形スペーサー437a,437bと左右
一対のI字型スペーサー438a,438bとを交互に
介して順次積層されている。U字形スペーサー437
a,437bによる開口部441a,441bと、対向
して配置された一対のI字形スペーサー438a,43
8bによる開口部442a,442bとは、水平面にお
いて90゜回転した位置に配置されている。U字形スペ
ーサー437a,437bにより形成された空間は、一
箇所しか開口していない空間であり、この空間に面する
固体電解質板431,432,433,434より酸素
を取り出すよう電圧が各電極に印加される。一対のI字
形スペーサー438a,438bで形成された空間は、
両側に開口部442a、442bが形成されており、空
気を供給する空気電極側になっている。これらの固体電
解質板431,432,433,434に対して、U字
形スペーサー437a,437b、及びI字形スペーサ
ー438a,438bは高温度で溶着されている。
【0005】固体電解質板431,432,433,4
34の四隅は、角を有する部分445a,445bと角
を切り取った部分446a、446bで構成されてい
る。角を有する部分445a,445bには、アノード
電極及びカソード電極に接続される導電体447、44
8が形成され、積層体における同じ電極同士が上下で電
気的に接続されている。これらの積層体のU字形スペー
サー437a,437bの各開口部側441a,441
bには、酸素を取り出すためのマニホールドが密封封着
される構造を有している。また、特開平10−1506
8号公報に開示されている酸素ポンプは、固体電解質の
表面に形成した電極において、通電する電極面積を可変
できる構造を有するものであり、酸素濃縮量を可変でき
る構成である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の酸素ポンプにお
いて、空気を液化し沸点の差を利用する方法は純粋な酸
素を多量に製造するには最適の方法であるが、装置が大
型で非常に高価となるため、少量の酸素を製造する場合
には不向きな装置であった。また、水の電気分解を利用
する方法は、簡単な構成で低コストにより純粋な酸素を
製造することが可能である。しかし、この製造方法は、
電気分解中に発生する水素の処置に課題があり、誤って
空気と混じり引火すると爆発する危険性があるため、取
扱い上及び安全上において大きな問題があった。また、
酸素を選択的に透過する膜を使用する方法は、簡便で安
全な方法であるが、空気を加圧して装置に供給する構成
であるため、空気加圧用ポンプが設けられており、騒音
が生じるという問題があった。特に、病院等の騒音を嫌
う場所では、このような酸素製造装置としての酸素ポン
プは敬遠されるものであった。
【0007】また、特表平1−502993号公報に開
示された酸素ポンプは、板状固体電解質を用いたもので
あるが、濃縮された酸素ガス及び空気を供給するための
流路にハニカム構造の構成体が用いられており、このよ
うなハニカム構造の構成体を形成することはコストアッ
プにつながり安価な酸素ポンプを製造することが困難で
あった。また、この従来の酸素ポンプは、複雑な構造の
ハニカム構造におけるアノード電極及びカソード電極に
電源を供給する構成であるため、その構成の構築は非常
に困難であった。
【0008】さらに、特開平6−150945号公報に
開示された酸素ポンプは、小型に形成された構造を有し
ているが、次のような問題を有していた。その一つは、
アノード電極及びカソード電極のそれぞれに電力を供給
するため、導電性ペーストを用いて積層体の外側で導体
部分を接続する構成である。この接続方法は導体部分が
薄いため傷がつけば導体抵抗がすぐに上昇し、極端な場
合断線する危険性があった。また、濃縮された酸素を取
り出すために、酸素取り出し用マニホールドを酸素ポン
プに封着する構造であるが、その封着部分がポンプ作動
中に高温度となるため、従来の酸素ポンプの封着部分に
おいてガス漏れの心配があり、信頼性の点で大きな問題
を有していた。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の問題を解
決して、小型で信頼性の高い酸素ポンプを提供すること
を目的とするものである。本発明の酸素ポンプは、異な
る電極が表裏に形成された板状の固体電解質電極板を有
する固体電解質セルと、前記固体電解質電極板の表裏両
側に配置されたガス分離・分配板と、前記ガス分離・分
配板の一方の側に配置され、熱源となるヒータ板と、を
積層した少なくとも1つの積層体を有し、前記積層体の
外周部分近傍にガスが流通する複数個のガス給排路が形
成されており、前記ガス給排路が互いに連通しない2系
統形成されている。このように構成された本発明の酸素
ポンプは、固体電解質セルが積層された積層構造におい
て互いに連通しない2系統のガス給排路が形成されてい
るため、小型で高効率の酸素ポンプを実現することがで
き、従来のマニホールドを後付する酸素ポンプに比べて
気密性に優れ、小型化を実現できる。
【0010】また、本発明の酸素ポンプにおいて、2系
統のうちの一方のガス給排路が前記固体電解質電極板の
一方の電極面にガス流を送り、他方のガス給排路が前記
固体電解質電極板の他方の電極面にガス流を送るよう構
成してもよい。また、本発明の酸素ポンプは、2系統の
ガス給排路において、前記固体電解質電極板の一方の電
極面上のガス流の方向と、前記固体電解質電極板の他方
の電極面上のガス流の方向が直角方向に流れるよう構成
してもよい。また、本発明の酸素ポンプにおいて、ヒー
タ板は、金属箔により形成された抵抗体パターンをその
両側より耐熱性絶縁性部材により挟着して構成されてお
り、前記耐熱性絶縁性部材が前記抵抗体パターンの一部
を露出する少なくとも1個以上の開口を有し、前記耐熱
性絶縁性部材の外周部分に2系統のガス給排路となる2
つ以上の開口を有するよう構成してもよい。また、本発
明の酸素ポンプにおいて、積層体若しくは前記積層体が
複数積層された積層構成体の積層方向における両側最外
部にガスを分流して当該積層体を保温するガス分離・分
配・保温板と、ガス給排口を有する金属板とをそれぞれ
積層するよう構成してもよい。また、本発明の酸素ポン
プにおいて、複数の固体電解質セルを有する積層構成体
において、対向して配置された固体電解質電極板の電極
が同じ極となるよう構成してもよい。
【0011】本発明の他の観点による酸素ポンプは、異
なる電極が表裏に形成された板状の固体電解質電極板
と、前記固体電解質電極板の端部を挟み弾性力により圧
接して前記電極の表面と電気的に接触して前記電極に電
力を供給するための挟着電極板と、前記固体電解質電極
板の表裏両側に配置されたガス分離・分配板と、前記ガ
ス分離・分配板の一方の側に配置され、熱源となるヒー
タ板と、を積層した少なくとも1つの積層体を有し、前
記積層体の外周部分近傍にガスが流通する複数個のガス
給排路が形成されており、前記ガス給排路が互いに連通
しない2系統形成されている。このように構成された酸
素ポンプは、挟着電極板により固体電解質電極板を両側
から挟み込んで電極膜に電力を供給する構成であるた
め、実質的な同一平面面内において各電極に電力を供給
する構成が実現でき、固体電解質セルを積層した時、固
体電解質電極板に締め付け力が働かないので、固体電解
質電極板として抗折強度の小さい材料が選定でき、振動
や衝撃に強い酸素ポンプとなる。
【0012】また、本発明の酸素ポンプにおいて、固体
電解質電極板が矩形状を有し、その表裏に配置された異
なる電極が膜体で構成され、一方の電極膜が前記固体電
解質電極板の一方の端部近傍に偏って配置され、他方の
電極膜が前記固体電解質電極板の他方の端部近傍に偏っ
て配置してもよい。また、本発明の酸素ポンプにおい
て、固体電解質電極板と挟着電極板とを有する固体電解
質セルにおいて、前記固体電解質電極板の端部を挟着し
て接合された挟着電極板が一方の電極膜或いは他方の電
極膜と電気的に接触し、当該固体電解質セルの周辺部に
複数個のガス給排路となる開口がそれぞれ独立して形成
してもよい。また、本発明の酸素ポンプにおいて、固体
電解質電極板の表裏両面に形成された電極膜において、
表面に形成された電極膜が前記固体電解質電極板の一端
部近傍に配設され且つ他端部から所定距離を有して配設
されており、裏面に形成された電極膜が前記固体電解質
電極板の一端部から所定距離を有して配設され且つ他端
部近傍に配設されており、前記固体電解質電極板の表裏
両面に形成された前記電極膜が積層方向にずれて配置し
てもよい。
【0013】また、本発明の酸素ポンプにおいて、挟着
電極板が固体電解質電極板の端部の表裏両面を挟む少な
くとも2枚の金属薄板により構成されており、前記固体
電解質電極板の少なくとも2箇所の端部を挟んだ2組の
挟着電極板において、一方の組の挟着電極板の表面の金
属薄板が前記固体電解質電極板の表面の電極膜を圧接
し、当該一方の組の挟着電極板の裏面の金属薄板が前記
固体電解質電極板の裏面の電極膜に接触することなく前
記固体電解質電極板を圧接するよう構成されており、他
方の組の挟着電極板の表面の金属薄板が前記固体電解質
電極板の表面の電極膜に接触することなく前記固体電解
質電極板を圧接し、当該他方の組の挟着電極板の裏面の
金属薄板が前記固体電解質電極板の裏面の電極膜を圧接
するよう構成してもよい。
【0014】本発明の他の観点による酸素ポンプは、異
なる電極が表裏に形成された複数の固体電解質電極板
と、前記固体電解質電極板がその表裏の電極を露出する
よう配設され、当該電極が表裏両面に形成された導電パ
ターンにそれぞれ接続された固体電解質保持基板前記固
体電解質保持基板の端部を挟み弾性力により圧接して前
記導電パターンと電気的に接触して前記電極に電力を供
給するための挟着電極板と、前記固体電解質保持基板の
表裏両側に配置されたガス分離・分配板と、前記ガス分
離・分配板の一方の側に配置され、熱源となるヒータ板
と、を積層した少なくとも1つの積層体を有し、前記積
層体の外周部分近傍にガスが流通する複数個のガス給排
路が形成されており、前記ガス給排路が互いに連通しな
い2系統形成されている。このように構成された酸素ポ
ンプは、挟着電極板により固体電解質保持基板を両側か
ら挟み込んで電極膜に電力を供給する構成であるため、
実質的な同一平面面内において各電極に電力を供給する
構成が実現でき、且つ小さいサイズの固体電解質基板で
も、それを複数枚用い大きなサイズの固体電解質電極板
が実現できる。
【0015】また、本発明の酸素ポンプにおいて、固体
電解質保持基板が複数の開口を有する耐熱性絶縁性基板
の表裏両面に導電パターンを形成して構成され、当該複
数の開口を塞ぐように固体電解質電極板を配設し、前記
導電パターンに前記固体電解質電極板の電極を同一面が
同一極となるよう接続してもよい。また、本発明の酸素
ポンプにおいて、固体電解質保持基板の表裏両面に形成
された導電パターンにおいて、表面に形成された導電パ
ターンが前記固体電解質保持基板の一端部近傍に配設さ
れ且つ他端部から所定距離を有して配設されており、裏
面に形成された導電パターンが前記固体電解質保持基板
の一端部から所定距離を有して配設され且つ他端部近傍
に配設されており、前記固体電解質保持基板の表裏両面
に形成された前記導体部パターンが積層方向にずれて配
置してもよい。また、本発明の酸素ポンプにおいて、挟
着電極板が固体電解質保持基板の端部の表裏両面を挟む
少なくとも2枚の金属薄板より構成されており、前記固
体電解質保持基板の少なくとも2箇所の端部を挟んだ2
組の挟着電極板において、一方の組の挟着電極板の表面
の金属薄板が前記固体電解質保持基板の表面の導電パタ
ーンを圧接し、当該一方の組の挟着電極板の裏面の金属
薄板が前記固体電解質保持基板の裏面の導電パターンに
接触することなく前記固体電解質保持基板を圧接するよ
う構成されており、他方の組の挟着電極板の表面の金属
薄板が前記固体電解質保持基板の表面の導電パターンに
接触することなく前記固体電解質保持基板を圧接し、当
該他方の組の挟着電極板の裏面の金属薄板が前記固体電
解質保持基板の裏面の導電パターンを圧接するよう構成
してもよい。
【0016】また、本発明の酸素ポンプにおいて、挟着
電極板が、熱膨張係数が4×10 〜20×10−6
の範囲にある金属材料で形成してもよい。また、本発明
の酸素ポンプにおいて、挟着電極板が、鉄合金板、ニッ
ケル合金板、コバルト合金板、ニッケル−コバルト合
金、或いはステンレス鋼板より構成してもよい。また、
本発明の酸素ポンプにおいて、挟着電極板の片面或いは
両面の全面或いは一部分に、金、銀、ニッケル、或いは
アルミニウムの皮膜が形成されてもよい。また、本発明
の酸素ポンプにおいて、固体電解質電極板の複数の一方
の電極膜に接触するガス流、及び複数の他方の電極膜に
接触するガス流が、それぞれの電極膜を並列に流れるよ
う構成してもよい。また、本発明の酸素ポンプにおい
て、固体電解質電極板の複数の一方の電極膜に接触する
ガス流、及び複数の他方の電極膜に接触するガス流が、
それぞれの電極膜を直列に流れるよう構成してもよい。
また、本発明の酸素ポンプにおいて、固体電解質電極板
の複数の一方の電極膜に接触するガス流、及び複数の他
方の電極膜に接触するガス流のどちらか一方がそれぞれ
の電極膜を並列に流れ、他方がそれぞれの電極膜を直列
に流れるよう構成してもよい。
【0017】また、本発明の酸素ポンプにおいて、固体
電解質電極板の複数の一方の電極膜或いは複数の他方の
電極膜に接触するガス流の方向を切り換えて、それぞれ
の電極膜を並列又は直列に流れるよう切り換えるよう構
成することもできる。また、本発明の酸素ポンプにおい
て、固体電解質電極板を有する積層体の積層方向に形成
されたガス供給路の開口部にガス流変更ブロックを挿入
することにより、ガス流を並列或いは直列に変更でき
る。また、本発明の酸素ポンプにおいて、ガス分離・分
配板、ガス分離・分配・保温板及び、ヒータ板の材料の
熱膨張係数が、5×10−6〜15×10−6の範囲内
にある耐熱性・絶縁性材料で構成してもよい。また、本
発明の酸素ポンプにおいて、ガス分離・分配板、ガス分
離・分配・保温板、及びヒータ板が、マイカ、セラミッ
クス素材、或いはガラス素材で形成してもよい。また、
本発明の酸素ポンプにおいて、ヒータ板において、ヒー
タ部が薄板状の鉄合金或いはニッケル合金で形成された
パターンがマイカ板で挟み込まれて構成され、前記ヒー
タ部に複数個の開口を有し、前記ヒータ部より外側の部
分に複数個のガス給排路が各々独立してそれぞれ形成さ
れており、前記ガス給排路以外の外周部からヒータ用の
電力が供給されるよう構成してもよい。
【0018】また、本発明の酸素ポンプにおいて、積層
体若しくは前記積層体が複数積み重ねられた積層構成体
において、固体電解質セル、ガス分離・分配板、ヒータ
板、及びガス分離・分配・保温板の各々の外周部に形成
された複数の開孔部を貫通する電気伝導性の複数の棒状
体が設けられ、当該棒状体により、一方の電極と他方の
電極とヒータ板のヒータ部のそれぞれに電力を供給する
よう構成してもよい。また、本発明の酸素ポンプにおい
て、積層体若しくは前記積層体が複数積み重ねられた積
層構成体を貫通する前記棒状体が、ねじを有するビスよ
りなり、且つその材質が鉄合金、ニッケル合金、コバル
ト合金、或いはステンレス鋼で形成されており、前記固
体電解質セルの電極に電気的に接続された挟着電極板及
びヒータ板のヒータ部の端子部が各々締結手段で締め付
けられるよう構成してもよい。また、本発明の酸素ポン
プにおいて、積層構成体の最外層に配置される金属板
が、鉄合金板、ニッケル合金板、コバルト合金板、ニッ
ケル−コバルト合金、或いはステンレス鋼板よりなる剛
直な材料で形成されており、前記金属板に前記ガス給排
路に連通するガス供給口及びガス排出口が形成されてお
り、前記金属板を前記棒状体で締め付けて固着するよう
構成してもよい。また、本発明の酸素ポンプにおいて、
固体電解質電極板は、結晶構造がペロブスカイト型のバ
リウム・セリウム・ガドリニウム系酸化物セラミックス
材料、バリウム・セリウム・ガドリニウム・ジルコニウ
ム系酸化物材料、或いはバリウム・セリウム・ガドリニ
ウム・アルミニウム系酸化物で形成してもよい。さら
に、本発明の酸素ポンプにおいて、固体電解質電極板の
片面或いは両面に、少なくとも1個以上の緻密質或いは
多孔質の耐熱性材料により構成してもよい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の酸素ポンプの好適
な実施例について、添付の図面を参照しつつ説明する。
【0020】《実施例1》図1は本発明に係る実施例1
の酸素ポンプの基本的な部分である酸素ポンプモジュー
ルの構成を示す斜視図である。実施例1における酸素ポ
ンプモジュールは板状の固体電解質を用いた積層構造を
有している。以下の説明において固体電解質板の表裏両
面に電極膜を形成したものを固体電解質電極板と称す。
図2は実施例1における固体電解質電極板の斜視図であ
る。図3は実施例1における固体電解質電極板の他の構
成を示しており、円形形状の固体電解質電極板を絶縁性
基板に取り付ける構成を示す分解斜視図である。図4は
図3の円形形状の固体電解質電極板を絶縁性基板に取り
付けた状態を示す完成斜視図である。図5は固体電解質
電極板への挟着電極板の取付構造の一部を示す分解斜視
図である。図6は図5の完成斜視図である。図7は図6
のVII−VII線による断面図である。図8は実施例1にお
ける別の構成の固体電解質セル構造を示す分解斜視図で
ある。図9は実施例1における更に別の構成の固体電解
質セル構造を示す斜視図である。図10は実施例1にお
けるガス分離・分配板を示す斜視図である。図11は実
施例1におけるヒータ板を示す分解斜視図である。図1
2は図1の実施例1の酸素ポンプモジュールの主要部分
におけるXII−XII線による断面図であり積層構造体にお
けるガス流を示している。図13は実施例1の酸素ポン
プモジュールの積層構造体の組立状態を示す斜視図であ
る。図14は酸素ポンプモジュールの完成状態を示す斜
視図である。全ての図面において、同一の機能、構成を
有するものには同一の符号を付している。
【0021】以下、図を参照しつつ本発明に係る実施例
1の酸素ポンプモジュールの構成について説明する。先
ず、図1から説明する。図1は実施例1の酸素ポンプモ
ジュールにおける主要部分の一部を分解して示す斜視図
である。図1の分解斜視図において、酸素ポンプの積層
構成体における上部となる2つの固体電解質セル10,
11を積層構成体から分解して示している。以下の説明
において、一方を上側の固体電解質セル10、そして他
方を下側の固体電解質セル11と称する。また、上側の
固体電解質セル10において、上面がカソード電極(−
極)、下面がアノード電極(+極)とする。また、下側
の固体電解質セル11においては、上面がアノード電極
(+極)、下面がカソード電極(−極)とする。上側の
固体電解質セル10には矩形形状をした固体電解質基板
22が設けられており、その上面にはカソード電極膜2
0、下面にはアノード電極膜(図示なし)が形成されて
いる。また、下側の固体電解質セル11には矩形形状を
した固体電解質基板19が設けられており、その上面に
はアノード電極膜21、下面にはカソード電極膜(図示
なし)が形成されている。このように、酸素ポンプモジ
ュールの積層構成体において、各固体電解質基板19,
22の表裏には反対極の電極膜が形成されている。
【0022】上側の固体電解質セル10の固体電解質基
板22の外縁部分には、2組の挟着電極板23,24が
設けられている。一方の挟着電極板23は、固体電解質
基板22の外縁部分における2辺部分を挟み込むよう、
2枚の薄い金属板により構成されている。他方の挟着電
極板24は、固体電解質基板22の外縁部分における他
の2辺部分を挟み込むよう、2枚の薄い金属板により構
成されている。挟着電極板23は、固体電解質基板22
の表面に形成されたカソード電極膜20の一部に接触す
るよう上下2枚の挟着電極板23を数カ所でスポット溶
接して固体電解質基板22に固定したものである。この
ように上下2枚の金属板である挟着電極板23により固
体電解質基板22の2辺部分を挟み込んで固定したと
き、一方の挟着電極板の端部はカソード電極膜20に接
触しているが、他方の挟着電極板はアノード電極膜(固
体電解質基板22の下面に形成された電極)に接触して
ない状態で挟み込み固定されている。一方、挟着電極板
24は、固体電解質基板22の裏面に形成されたアノー
ド電極膜の一部に接触するよう上下2枚の金属板である
挟着電極板24を数カ所でスポット溶接して固体電解質
基板22に固定したものである。このように上下2枚の
挟着電極板24で固体電解質基板22の2辺部分を挟み
込んで固定したとき、一方の挟着電極板の端部はアノー
ド電極膜(固体電解質基板22の下面に形成された電
極)の端部に接触しているが、他方の挟着電極板はカソ
ード電極膜20に接触してない状態で挟み込み固定され
ている。これらの挟着電極板23,24による挟着構造
の詳細については図2〜7を用いて後述する。
【0023】固体電解質基板22と、この固体電解質基
板22の両面に設けられた電極膜と、挟着電極板23,
24とにより構成された上側の固体電解質セル10の四
隅には、開孔部25a,25b及び26a,26bが互
いに対向する位置に形成されている。一方の対角線上の
開孔部25a,25bの直径は小さく、他方の対角線上
の開孔部26a,26bは大きな形状である。図1に示
すように、大きな開孔部26a,26bを形成する挟着
電極板23と24は開孔部26a,26bの中心線上
(固体電解質セル10の対角線上)で切り離された構造
を有している。したがって、挟着電極板23,24にお
いては、カソード電極膜20と接触している挟着電極板
23とアノード電極膜と接触している挟着電極板24と
は、間隙を有して組み立てられており、互いに電気的絶
縁が保たれている。
【0024】挟着電極板23,24にはガス給排路とな
るガス路開口部が形成されている。挟着電極板23には
酸素が濃縮される空気が流れるガス路開口部31a(i
n側)と酸素が減少する空気が流れるガス路開口部30
b(in側)が形成されている。また、挟着電極板24
には酸素が減少した空気が流れるガス路開口部30a
(out側)と酸素が濃縮された空気が流れるガス路開
口部31b(out側)が形成されている。したがっ
て、四角形の上側の固体電解質セル10の外周部近傍、
すなわち一方の対向する辺の近傍には酸素が濃縮される
空気が流れるガス路開口部31a,31bが形成されて
おり、他方の対向する辺の近傍には酸素が減少する空気
が流れるガス路開口部30a,30bが形成されてい
る。固体電解質セル10の上下にはガス分離・分配板1
4,15が配置され積層されている。ガス分離・分配板
14において、酸素が減少する空気がながれる固体電解
質セル10のガス路開口部30a,30bと対応する位
置に開放ガス路部35a,35bが形成されている。こ
れらの開放ガス路部35a,35bは中央部分に形成さ
れた大きな開口に含まれており連通状態である。したが
って、酸素が減少する空気が流れる開放ガス路部35
a,35bは、固体電解質セル10の上面に形成された
カソード電極膜20の上部空間と実質的につながってお
り、酸素が減少する空気がガス分離・分配板14の中央
部分に形成された大きな開口を流れるよう構成されてい
る。ガス分離・分配板14において、酸素が減少する空
気が流れる開放ガス路部35a,35bの配設位置に対
して、水平面で90゜回転した位置に、酸素が濃縮され
る空気の流れるガス路開口部36a,36bが対向して
形成されている。これらのガス路開口部36a,36b
は、酸素が濃縮される空気の流れる固体電解質セル10
のガス路開口部31a(in側),31b(out側)
と対応する位置に形成されている。したがって、酸素が
濃縮される空気の流れるガス路開口部36a,36b
は、固体電解質セル10の上面に形成されたカソード電
極膜20の上部空間とは隔離されており、それぞれが独
立した貫通孔により構成されている。
【0025】図1に示すように、上側の固体電解質セル
10と下側の固体電解質セル11との間には、ガス分離
・分配板15、ヒータ板17、及びガス分離・分配板1
6が配置されて積層されている。ガス分離・分配板1
5、ヒータ板17、及びガス分離・分配板16には、固
体電解質セル10のガス路開口部30a(out側),
30b(in側)と対応する位置にガス路開口部47
a,47bとして貫通孔が形成されており、酸素が減少
する空気が流れるよう構成されている。したがって、固
体電解質セル10のカソード電極膜20の上部空間と連
通したガス分離・分配板14の開放ガス路部35a,3
5bは、固体電解質セル10の下方に配置されたガス分
離・分配板15,ヒータ板17,及びガス分離・分配板
16の外周部近傍に独立して形成された各貫通孔と連通
している。すなわち、酸素が減少する空気は、ガス分離
・分配板15のガス路開口部42a,42bと、ヒータ
板17のガス路開口部45a,45b、及びガス分離・
分配板16のガス路開口部47a,47bを流れるよう
構成されている。これらの貫通孔は下側の固体電解質セ
ル11のガス路開口部48a(out側),48b(i
n側)と連通している。
【0026】下側の固体電解質セル11の下方にはガス
分離・分配板2が配置されており、このガス分離・分配
板2における開放ガス路部40a,40bは、固体電解
質セル11の下面に形成されたカソード電極膜(図示せ
ず)下の空間と連通している。したがって、下側の固体
電解質セル11のガス路開口部48a,48bを通った
空気は、ガス分離・分配板2の開放ガス路部40a,4
0bを通り、固体電解質セル11の下面に形成されたカ
ソード電極膜の表面空間に流れる。
【0027】上側の固体電解質セル10の上部に配置さ
れたガス分離・分配板14において酸素が濃縮される空
気が流れるガス路開口部36a,36bは、酸素が減少
する空気が流れる前述の開放ガス路部35a,35bと
は隔離されている。ガス路開口部36a,36bは、固
体電解質セル10の下部に配置されたガス分離・分配板
15の開放ガス路部41a,41bに通じており、当該
開放ガス路部41a,41bを介して固体電解質セル1
0の下面のアノード電極膜面に接する空間と連通してい
る。更に、ガス路開口部36a,36bは、ガス分離・
分配板16の開放ガス路部50a,50bと通じてお
り、当該開放ガス路部50a,50bを介して下側の固
体電解質セル11の上面のアノード電極膜面に接する空
間に連通している。
【0028】前述のように、固体電解質セル10の上下
に配置されたガス分離・分配板14とガス分離・分配板
15における構造上の違いは、ガス分離・分配板14に
おける中央部分の開口から独立したガス路開口部36
a,36bの配設位置と、ガス分離・分配板15におけ
る中央部分の開口から独立したガス路開口部42a,4
2bの配設位置が水平面上において90゜回転している
点である。この位置関係は、全ての固体電解質セルの上
下に配置されたガス分離・分配板において共通したこと
である。図1において、下側の固体電解質セル11の下
方に配置される積層体ブロック18については、上記と
同様に構成されているためその説明を省略する。なお、
図1に示した積層体ブロック18において、下側の固体
電解質セル11の下方には、2枚のガス分離・分配板
2,3、固体電解質セル12、ガス分離・分配板32、
ヒータ板33、ガス分離・分配板34、固体電解質セル
13、及びガス分離・分配板4が順番に配設されてい
る。
【0029】上記のように、複数の固体電解質セルを積
層した構造において、対向して配置された固体電解質セ
ルの対向面には同じ極を有して積層されている。このよ
うな構成とすることにより、実質的な四角形状の固体電
解質セルの4辺近傍に形成されたガス給排路において、
酸素が濃縮される空気のin側、out側の流路と、酸
素が減少する空気のin側、out側の流路の2系統の
ガス給排路が形成できる。また、上記のように構成する
ことにより、後述する電力供給方式において、2つの金
属導体で複数の固体電解質セルのアノード電極膜同士及
びカソード電極膜同士を連結することが可能となり、コ
ンパクトな酸素ポンプモジュールを実現することができ
る。
【0030】本発明に係る実施例1の酸素ポンプにおい
ては、積層体の中にヒータ板が設けられている。図1に
示した実施例1の酸素ポンプモジュールにおいては、符
号17で示したヒータ板がガス分離・分配板15,16
の間に設けられている。ヒータ板17にはその中央部分
に複数個の開口部43が形成されており、その開口部4
3に複数の金属抵抗箔であるヒータ部44が配設されて
いる。ヒータ板17の四つの片の外周部近傍には、それ
ぞれが独立した4つのガス路開口部45a,45b,4
6a,46bがそれぞれ形成されている。これらのガス
路開口部45a,45b,46a,46bは、積層体に
おける固体電解質セルのガス路開口部とガス分離・分配
板のガス路開口部と開放ガス路部と対応する鉛直線上の
位置に形成されており、鉛直線上のガス給排路が連通す
るよう形成されている。
【0031】さらに、ヒータ板17の四隅には開孔51
a,51b,52a,52bが形成されており、一方の
対角線上の2つの開孔51a,51bには熱源であるヒ
ータ部44のヒートパターンに接続された端子部が露出
している。これらの端子部には外部電源が接続されて電
源が供給される構成である。また、対角線上の他の2つ
の開孔52a,52bは固体電解質セル10上に形成さ
れたカソード電極膜及びアノード電極膜への電力供給ラ
インが通るよう構成されている。したがって、ヒータ板
17の開孔51a,51bの配設位置は、電力供給ライ
ンが接続される固体電解質セル10の開孔25a,25
bの配設位置とは水平面において90゜回転している。
すなわち、実質的に四角形状のヒータ板17において、
一方の対角線上の隅に形成された開孔51a,51bに
対して、他の対角線上の隅に開孔52a,52bが形成
されている。これらの開孔52a,52bには固体電解
質セル10のカソード電極膜及びアノード電極膜に電力
を供給するための金属棒が通るよう構成されている。な
お、上側の固体電解質セル10及び下側の固体電解質セ
ル11の隅に形成された開孔26a,26b及び53
a,53bにはヒータ板17のヒータ部44に電力を供
給するための導電体である金属棒が挿入されるが、この
金属棒が固体電解質セル10及び固体電解質セル11に
対して接触しないよう電気的に絶縁状態とするために、
それぞれの開孔26a,26b及び53a,53bは大
きく形成されている。
【0032】次に、実施例1における固体電解質セル
(積層体ブロック18にある固体電解質セル12,13
を含む)のカソード電極膜とアノード電極膜、及びヒー
タ板17のヒータ部44への電力供給構造について説明
する。図1に示した酸素ポンプモジュールの固体電解質
セル10,11,12,13及び実施例1の酸素ポンプ
における全ての固体電解質セルは、上下2枚の金属板で
構成された挟着電極板により挟まれている。これらの挟
着電極板には、各固体電解質セルの対角線上の2つの隅
に相当する部分に小さな開孔が形成されている。上下方
向に積層された各固体電解質セルにおける上下方向の小
さな開孔は、その中心が一直線上に穿たれている。図1
においては、固体電解質セル10の上面にカソード電極
膜20を形成した例で説明したので、固体電解質セル1
0の開孔25aに挿入されて接続される金属棒はカソー
ド極であり、開孔25bに挿入されて接続される金属棒
はアノード極である。したがって、実施例1において、
カソード電極膜に対する電力供給は、次のように構成し
て行われる。
【0033】図1において、ネジが切られ外部電源(−
極)に接続したた金属棒は、ガス分離・分配板14の大
きな開孔55a→固体電解質セル10の小さな開孔25
a→ガス分離・分配板15の開孔(図示なし)→ヒータ
板17の大きな開孔52a→ガス分離・分配板16の大
きな開孔(図示なし)→固体電解質セル11の小さな開
孔56a→ガス分離・分配板2(積層体ブロック18)
の開孔(図示なし)→(積層体ブロック18における各
開孔)の順に挿入される。この金属棒は固体電解質セル
10の開孔25aと、固体電解質セル11の開孔56a
の部分において、締結手段であるナットにより締め付け
固定される。なお、ガス分離・分配板14,16の大き
な開口には金属棒を固定するためのナットが収納される
【0034】同様に、アノード電極膜に対する電力供給
は、次のように構成して行われる。ネジが切られ外部電
源(+極)と接続した金属棒は、ガス分離・分配板14
の大きな開孔55b→固体電解質セル10の小さな開孔
25b→ガス分離・分配板15の開孔54b→ヒータ板
17の大きな開孔52b→ガス分離・分配板16の大き
な開孔57b→固体電解質セル11の小さな開孔56b
→ガス分離・分配板2(積層体ブロック18)の開孔5
8b→(積層体ブロック18における各開孔)の順に挿
入される。この金属棒は固体電解質セル10の開孔25
bと、固体電解質セル11の開孔56bの部分におい
て、ナットにより締め付け固定される。なお、ガス分離
・分配板14,16の大きな開孔には金属棒を固定する
ためのナットが収納される。上記のように設けられたそ
れぞれの金属棒は、積層体における上下の両端部まで突
き出すよう挿入され、積層体の下に導出した金属棒には
ナットが装着されて締め付け固定される。また、それぞ
れの金属棒の上の部分には、各外部リード線が取付けら
れて電力が供給される。
【0035】実施例1における酸素ポンプモジュールに
おけるヒータ板17への電力供給は、前述の固体電解質
セルの電極膜への電力供給と同様な構造を有している。
ヒータ板17の開孔51a,51bに形成されたヒータ
端子に対してネジが切られた金属棒を積層体の各開孔に
貫通させて電力供給を行っている。すなわち、電力供給
用の金属棒がガス分離・分配板14の開孔71aと71
bにそれぞれ挿入され、積層体ブロック18の最下部に
おいてナットにより締め付けられている。また、ヒータ
板17の開孔51a、51bのヒータ端子においても当
該金属棒がナットにより締め付けられて、金属棒とヒー
タ端子とは電気的に接続状態となる。金属棒の上の部分
には、外部リード線が取付けられて電力が供給される。
【0036】実施例1の酸素ポンプモジュールにおいて
は、上記のような電力供給構造を有しているため、矩形
形状を有する積層体の4隅において積層体内部を連通す
る開孔を形成し、これらの開孔に金属棒を挿入して、固
体電解質セルの各電極、及びヒータ板の各電極に電力を
簡単に供給することができる。実施例1における電力供
給の接続構造は金属棒と金属端子を物理的に締め付けて
固定する方式である。したがって、実施例1における電
力供給方式を用いることにより、従来のように導電性ペ
ースト等を用いて接続する方法に較べて、振動や衝撃或
いは使用材料間の熱膨張の差による破断等の心配のない
信頼性の高い電力供給接続を提供することができる。
【0037】次に、実施例1の酸素ポンプモジュールの
積層体における空気の流れについて説明する。図1に示
したように、酸素ポンプモジュールの積層体に対して矢
印72bの方向(図1の上方向)にガスが挿入される。
そのガスは固体電解質セル10のガス路開口部30bを
通り、カソード電極膜20のカソード面上に分流して、
対向する位置に形成されたガス路開口部30aに入り、
矢印72aの方向(図1の下方向)に流れて排出され
る。矢印72bと矢印72aで示したガスの流れは、酸
素が減少するガスの流れであり、酸素の少ないガス流と
なっている。一方、固体電解質セル10のアノード電極
膜(図示なし)に関しては、酸素ポンプモジュールの積
層体に対して矢印73aの方向(図1の下方向)にガス
が挿入され、そのガスが固体電解質セル10のガス路開
口部31aを通り、アノード電極膜の面上に分流され
て、対向する位置に形成されたガス路開口部31bに入
り、矢印73bの方向(図1の上方向)に流れて排出さ
れる。矢印73aと矢印73bで示したガスの流れは、
酸素が濃縮されるガスの流れであり、酸素の多いガス流
となっている。
【0038】なお、実施例1においては、酸素が減少し
たガスの出口と酸素が濃縮されたガスの出口を反対方向
となるよう構成した例で説明したが、本発明はこのよう
な構成に限定されるものではなく、同じ方向にそれぞれ
の出口を設けるよう構成することも可能である。また、
実施例1においては、ガス給排路となる開口部を一つの
開口とした例で説明したが、複数個の開口として構成し
てもその機能は全く変わらない。
【0039】次に、実施例1における固体電解質セルの
詳細な構成について、図2〜図9を用いて説明する。図
2は固体電解質セル10における略四角状の固体電解質
電極板91の斜視図であり、この固体電解質電極板91
は固体電解質基板22と、この固体電解質基板22の一
方の面(表面)に形成した略四角状のカソード電極膜2
0と、他方の面に形成した略四角状のアノード電極膜9
2により構成されている。図2に示すように、カソード
電極膜20はその隣接する2辺側(図2における奥側の
2辺)が固体電解質基板22の端部近傍から形成されて
おり、対向する2辺側(図2における手前側の2辺)が
固体電解質基板22の端部から広い間隔を有して形成さ
れている。また、固体電解質セル10において、他方の
面(裏面)に形成されたアノード電極膜92は、前述の
カソード電極膜20とは反対に手前側の2辺が固体電解
質基板22の端部近傍から形成されており、奥側の2辺
は固体電解質基板22の端部から広い間隔を有して形成
されている。すなわち、固体電解質基板22の両面に形
成されたカソード電極膜20とアノード電極膜92とは
反転した位置関係になるように配設されている。
【0040】実施例1において用いた固体電解質基板2
2の材料及びその製造方法は次の通りである。 (1)
固体電解質の材料は、BaCe0.35Zr0.5Gd
0. 153−α となるように各材料を秤量し、有
機溶剤を加えてボールミルで24時間混合する。 (2)(1)の混合の後、乾燥して、成形後1300℃
空気雰囲気中で仮焼する。 (3)(2)の仮焼後、有機溶剤、可塑剤、分散剤をそ
れぞれ加えて、ボールミルで48時間粉砕・混合後、シ
リコーン処理したPETフィルム上にドクターブレード
法でシート成形して、乾燥する。 (4)(3)の乾燥後、そのシートを複数枚重ねて加熱
しながら加圧し、一体化させた後に必要サイズに切断す
る。 (5)(4)の切断後、多孔質のセッター上に乗せ50
0℃の電気炉中空気雰囲気で脱バインダー処理を行い、
最後に電気炉中空気雰囲気で1650℃で10時間焼成
し、薄いペロブスカイト型バリウム−セリウム−ガドリ
ニウム−ジルコニウム系酸化物固体電解質基板を作製し
た。
【0041】上記のように製造した固体電解質基板(7
0×70×0.5mmt)の両面に、図2で示した位置
に金ペースト、例えば、田中貴金属販売(株)製の金ペ
ーストTR−1301を両面にスクリーン印刷法で形成
し、空気雰囲気中850℃10分間焼成して、アノード
電極膜或いはカソード電極膜とした。電極材料は上記金
ペーストに限定するものではなく、白金ペースト等を使
用することができる。また、金ペーストも金の微粉末を
用いたものでなく、有機金化合物を用いてペースト状に
したものを用いれば、薄い導電膜が形成でき材料コスト
の削減が可能となる。
【0042】次に、別の構成の固体電解質電極板につい
て図3及び図4を用いて説明する。前述の図2に示した
固体電解質電極板は、矩形状の固体電解質基板をそのま
ま用いて固体電解質セルを構成したが、図3及び図4で
説明する固体電解質電極板は小さいサイズの固体電解質
基板を用いて固体電解質電極板を構成した例である。図
3において、円形形状の固体電解質基板92a〜92e
の表面にカソード電極膜93a〜93e、他方の面にア
ノード電極膜(図示なし)をスクリーン印刷法で形成し
て複数の固体電解質電極板を作製する。この固体電解質
電極板の電極として使用した材料は、田中基貴金属販売
(株)の金ペーストTR−1301である。この金ペー
ストをスクリーン印刷法で印刷した後、乾燥し、850
℃で焼成した。
【0043】絶縁性のセラミックス基板94には、固体
電解質基板92a〜92eの外径サイズよりわずかに小
さい径を持つ開口部95a〜95eが形成されている。
このセラミックス基板94の両面には、銀−パラジウム
粉末を含有するペースト、例えば、田中貴金属販売
(株)のAg/PdペーストTR−4846を印刷し、
焼成して導体パターン97を形成した。また、セラミッ
クス基板94の開口部95a〜95eの周囲には、熱膨
張係数が5〜15×10−6の範囲内にあるガラス材を
含有したペースト、例えば、日本電気硝子(株)のガラ
スペーストPLS−3179(熱膨張係数;10×10
−6)をスクリーン印刷法で形成した。この開口部95
a〜95eの上に、カソード電極膜とアノード電極膜と
を形成した円板形状の固体電解質電極板を密着させ、そ
の状態で焼成し、固体電解質基板92a〜92eをガラ
ス96a〜96eによりセラミックス基板94に接合し
た。本発明の酸素ポンプにおいて、使用できる絶縁性の
基板としては、本発明に使用する固体電解質材料の熱膨
張係数が10〜12×10−6であるため、その前後の
熱膨張係数の材料が使用可能である。具体的には、熱膨
張係数が5〜15×10−6の範囲内であり、絶縁性を
有し、緻密な材料が使用可能である。このような条件に
該当するものとしては、各種セラミックス材料、例え
ば、94〜96%アルミナ、ステアタイト、フォルステ
ライト等やガラス(結晶化ガラスを含む)材料がある。
【0044】図4は図3に示した固体電解質電極板91
Aの完成状態を示す斜視図である。図4に示すように、
固体電解質基板92a〜9eのカソード電極膜を導体パ
ターン97に接続するため、その接続部分に例えば銀−
パラジウム粉末を含有するペースト98(前述のAg/
PdペーストTR−4846と同じもの)を塗布し焼成
して接続した。固体電解質基板92a〜9eの裏面にあ
るアノード電極膜についても同様に接続した。このよう
にして複数の固体電解質基板92a〜92eを有する固
体電解質電極板91Aを形成した。図4に示すように、
セラミックス基板94における四角状の導体パターン9
7は、その導体パターンの隣接する2辺(図4における
奥側)が、セラミックス基板94の端部近傍から形成さ
れており、導体パターン97における他の対向する2辺
(図4における手前側)がセラミックス基板94の端部
から大きな間隔を有して形成されている。
【0045】また、図2に示した固体電解質基板22に
おけるカソード電極膜20とアノード電極膜92の位置
関係と同様に、セラミックス基板94の裏面の導体パタ
ーンは、その表面の導体パターン97とは、反転した位
置になるように形成されている。即ち、この固体電解質
電極板91Aをその表面から透視するように見ると、表
面の導体パターン97は奥側の隣接する2辺がセラミッ
クス基板94の端部に近接しており、裏面の導体パター
ンは手前側の隣接する2辺がセラミックス基板94の端
部に近接して形成されている。導体パターンの導体材料
としては、前述のAg−Pd系ペースト以外に、Ag系
ペースト、Ag/Pt系ペースト、Al系ペーストをA
g−Pd系ペーストと同様に使用することが可能であ
る。また、固体電解質基板を接合する材料としてはガラ
ス系材料以外に、ゾルゲルで形成した材料、コロイド状
の無機系材料を含む接合剤、例えば東亜合成(株)製の
アロンセラミック等も同じ目的で使用可能である。特
に、常温〜500℃における熱膨張係数が、固体電解質
材料の熱膨張係数に近い材料を選択することが重要であ
る。
【0046】なお、図3及び図4に示した例において
は、円形形状の固体電解質基板を有する固体電解質電極
板について説明したが、本発明は円形形状に制限される
ものではなく、矩形や多角形の固体電解質基板を用いて
構成しても勿論何等問題はない。特に、酸素ポンプの酸
素を濃縮する能力或いは取り出す能力は、固体電解質基
板の全面積に比例するので、正方形或いは長方形の形状
の方が矩形状の積層体において効率的には優れている。
【0047】次に、前述の製造方法により作製された各
種固体電解質電極板を用いて、その固体電解質電極板に
薄い金属板である挟着電極板を取りつける方法及びその
構成について図5を用いて説明する。図5においては、
図面を見やすくするため挟着電極板23の一方の極だけ
を示し、他方の挟着電極極24(図1)は省略してい
る。また、図5を用いた以下の説明では図2に示した固
体電解質電極板91を用いた場合について説明するが、
図4に示した固体電解質電極板91Aについても同様に
構成することができるため、その説明は省略する。な
お、以下の説明においては、図1の上側の固体電解質セ
ル10に基づいて説明する。
【0048】図2において説明したように、固体電解質
基板22の表面にはカソード電極膜20が形成されてお
り、このカソード電極膜20の奥側2辺の電極パターン
がほぼ固体電解質基板22の端部近くまで形成されてい
る。一方、対向する手前側2辺のカソード電極膜20の
電極パターンの端部と固体電解質基板22の端部との間
は広い間隔を有している。上記のように配置されたカソ
ード電極膜20の電極パターンにおいて、固体電解質基
板22の端部近傍から形成された2辺側が2枚のL字形
の挟着電極板101,102により上下から挟み込むよ
うに取り付けられている。これらの両挟着電極板10
1,102はその数カ所においてスポット溶接され接合
されている。
【0049】図5に示すように、L字形の挟着電極板1
01,102には、その内側に段差部107,109及
び108,110が形成されており、その間に配置され
る固体電解質基板22を挟着できるよう構成されてい
る。したがって、2枚の挟着電極板101,102がス
ポット溶接により接合されたとき、それぞれの段差部1
07,109及び108,110は固体電解質基板22
の表面を圧接するように成形加工されている。即ち、両
挟着電極板101,102が固体電解質基板22を挟み
込んでスポット溶接により接合されることにより、挟着
電極板101の段差部107,109が固体電解質基板
上のカソード電極膜20を圧接する。この結果、段差部
107,109は固体電解質基板22に形成されたカソ
ード電極膜20と電気的に接続され、挟着電極板101
とカソード電極膜20との間は電気的に良好な接続状態
が形成される。
【0050】一方、固体電解質基板22の裏面に取り付
けられる挟着電極板102の段差部108、110にお
いては、固体電解質基板22の裏面に形成されたアノー
ド電極膜が固体電解質基板22の端部から広い間隔を有
して形成されているため、固体電解質基板22に圧接さ
れてもアノード電極膜92の電極パターンに接触するこ
とがない。したがって、挟着電極板102とアノード電
極膜とは電気的に絶縁状態となっている。以上のよう
に、2枚の挟着電極板101,102が固体電解質基板
22を挟着してスポット溶接されても、挟着電極板10
1,102はカソード電極膜20にのみ電気的に接続さ
れ、アノード電極には接続されない構造となっている。
なお、図5においては省略している手前側の2枚の挟着
電極板24は、前述の挟着電極板101,102と構造
的には同じであるが、その接続先が異なる。手前側の挟
着電極板24が固体電解質基板22を挟着してスポット
溶接された場合には、奥側の挟着電極板101,102
とは反対に、手前側の挟着電極板24の段差部はカソー
ド電極膜20と絶縁状態であり、固体電解質基板22の
裏面に形成されたアノード電極膜とのみ電気的に接続状
態となる。
【0051】スポット溶接により固体電解質基板を挟み
込ん固着された挟着電極板101,102と、図5にお
いて図示してない手前側の挟着電極板24とは電気的に
絶縁されており、図5の挟着電極板101,102の端
部111a、111bにおいて手前側の挟着電極板24
とすき間を有して配置されている。また、1組の挟着電
極板101,102において、ガス給排路となる挟着電
極板101の開口103a,105aと挟着電極板10
2の開口103b,105bは、スポット溶接して接合
したとき、同じ位置となるよう配設されている。また、
1組の挟着電極板101,102において、一方の挟着
電極板101に形成された開孔25aと他方の挟着電極
板102に形成された開孔(図示なし)は、その位置が
合致するように配置されて溶接される。この開孔25a
には電力供給用の金属棒が挿入される。なお、手前側の
挟着電極板24においても上記の奥側の挟着電極板23
と同様な構造を有している。
【0052】以上のように、実施例1の酸素ポンプモジ
ュールにおいては、実質的に同一平面内において固体電
解質セルに取り付けた2組の挟着電極板によりアノード
電極膜及びカソード電極膜に電力を供給することができ
る構造を有している。なお、実施例1において用いたペ
ロブスカイト型バリウム−セリウム−ガドリニウム−ジ
ルコニウム系酸化物固体電解質材料が400〜500℃
の温度で駆動する材料であるため、この温度範囲の温度
で極端な酸化が起こらず、かつ、固体電解質基板の両面
に形成されたアノード電極膜及びカソード電極膜に接し
ている金属部分が、上記温度で長時間作動させてもバネ
性が劣化しない材料であれば、挟着電極板として用いる
ことが可能である。実施例1の酸素ポンプで用いた挟着
電極板は、600℃以下であればバネ性を保持する材料
である。実施例1の酸素ポンプにおいて用いた固体電解
質材料以外で駆動温度(実用的イオン伝導度)が600
℃以下のものであれば、固体電解質材料の種類に関係な
く本発明の接続方法が適用可能である。
【0053】図6は、図5に示した固体電解質セル10
の完成斜視図である。図6の固体電解質セル10におい
て、四角状の固体電解質基板22の4辺の端部には2組
の挟着電極板23,24が固着されており、一方の挟着
電極板23にはカソード電極膜20が接続しており、他
方の挟着電極板24にはアノード電極膜が接続してい
る。挟着電極板23,24が取り付けられた固体電解質
セル10には、その外周部分にガス路開口部31a,3
1b,30a,30bが形成され、固体電解質セル10
の4隅の対角線上の位置に小さな開孔25a,25bと
大きな開孔26a,26bが形成されている。小さな開
孔25a,25bにはカソード電極とアノード電極に電
力を供給する金属棒が挿入されて電気的に接続される。
一方、大きな開孔26a,26bはヒータ板17のヒー
タ部44に電力を供給する金属棒が挿入される貫通孔で
あり、電力供給のための金属棒に接触しないよう大きく
形成されている。図6に示すように、2つの挟着電極板
23,24により形成された隙間121,122は、カ
ソード電極とアノード電極が短絡しないよう最適な間隔
を保持して取り付けられている。図6において、電極の
四隅近傍で細かいハッチングで示した斜線部123a,
123b,124a,124bには、固体電解質基板2
2の表裏間を直接流れる空気流の発生を防止するため
に、耐熱性無機系接着剤が塗布され硬化している。
【0054】なお、本発明において前記のように用いる
耐熱性無機系接着剤としては、高温(常温〜約500
℃)で変化せず、接着力と気密性を保持しつつ、硬化後
の材料の熱膨張係数が5〜15×10−6 の範囲内の
材料であればよい。具体的には、東亜合成化学工業
(株)の耐熱性無機系接着剤アロンセラミック(主成分
がジルコニア・シリカ系、シリカ系、アルミナ系)、品
川白煉瓦(株)の各種金属アルコキシド(Si、Ti、
Zr、Alなど)を用いた耐熱性無機接着剤、例えばS
IM#500シリーズ等やニチアス(株)のAl2O3
−SiO2系、Al2O3−SiO2−Na2O系の接
着剤などが有用である。また、前述のような気密性を保
持するためには、実施例1で説明したような耐熱性無機
系接着剤を用いることに本発明は制限されるものではな
く、柔軟性のある耐熱性材料で密封する材料や、気密性
を保持するための方法を用いても何等問題はない。
【0055】図7は、実施例1の固体電解質セル10の
構造をよりわかりやすく説明するために図6のVII−VII
線による断面図である。図7に示すように、固体電解質
基板22の両面にはカソード電極膜20とアノード電極
膜92が形成されており、固体電解質基板22の対称位
置の2辺に挟着電極板101,102及び132,13
3がそれぞれ挟み込む状態で配設されている。図7にお
いて、右上側にある挟着電極板101の段差部107は
カソード電極膜20の端部を圧接している。一方、右下
側にある挟着電極板102の段差部108は、アノード
電極膜92と隙間を有して配置されており、固体電解質
基板22に直接圧接接合されている。図7の固体電解質
セル10における左上側に示した挟着電極板132の段
差部130は、固体電解質基板22に直接圧接され、カ
ソード電極膜20とは隙間を有して配置されている。一
方、左下側にある挟着電極板133の段差部131は、
アノード電極膜92の端部を圧接している。
【0056】以上にように、実施例1の固体電解質セル
10においては、実質的な同一平面内で固体電解質基板
22の両面に形成されたカソード電極膜20及びアノー
ド電極膜92に挟着電極板をそれぞれが短絡することな
く各電極膜に接合されている。本発明に係る実施例1に
おいて説明した挟着電極板の挟み込みによる挟着電極板
接合方法は、長時間運転においても接合部にマイクロク
ラックが発生することがなく、優れた接合状態を長期間
維持することができる。従来の貴金属ペーストなどによ
る接合方法においては、大きな温度差が常時発生する固
体電解質セルを用いた酸素ポンプの場合、わずかな熱膨
張係数の違いでも長時間運転すると接合部にマイクロク
ラックが発生し、最終的に接合部が破断するという問題
がある。しかし、本発明における挟着電極板接合方法
は、前述のように従来の接合方法における問題を解決
し、接合部の接合状態が長期間破断することなく確実に
維持される。
【0057】前述のように、本発明における酸素ポンプ
の電極の接続構造は、挟着電極板の材料のバネ性を用い
て固体電解質基板を圧接接続する構造である。したがっ
て、固体電解質基板と挟着電極板との熱膨張係数の違い
があっても、挟着電極板のバネ性により、固体電解質基
板と挟着電極板との間の接合部分がずれたり、滑ること
により互いの熱膨張差を吸収して克服できる。この結
果、本発明の酸素ポンプにおける固体電解質基板と挟着
電極板との接合部分は、長期間安定した確実な接合状態
が保証される。本発明に用いたバリウム−セリウム−ガ
ドリニウム系酸化物、或いはバリウム−セリウム−ガド
リニウム−ジルコニウム系酸化物、或いはバリウム−セ
リウム−ガドリニウム−アルミニウム系酸化物は、駆動
する温度が500℃以下であるため、本発明における接
合方法、即ち金属のバネ性を利用する接合方法が適用で
きる。また、従来の酸化ジルコニウム系酸化物は、80
0℃以上の温度が必要であるため、その温度領域におい
てもバネ性を示す金属材料を用いることにより、本発明
の接合方法が直ちにこの酸化ジルコニウム系酸化物に対
しても適用出来ることは勿論のことである。
【0058】図4に示した固体電解質電極板に対する挟
着電極板の接合構造は、前述の図5及び図6に示したも
のと全く同じであるため、その説明は省略する。実施例
1における固体電解質電極板と挟着電極板との接合方法
においては、前述した効果以外に挟着電極板が固体電解
質電極板に対してその圧接部において移動できる構造で
あるため、組立時や使用する材料間での熱膨張係数の違
いによるねじれや反り、或いは圧縮或いは引っ張り等の
ストレスが固体電解質電極板に加わることが、圧接部分
の滑りにより緩和できる。この結果、本発明における酸
素ポンプにおいては、薄い板厚の固体電解質電極板でも
容易に組立ができるとともに、破損することがなく長期
間使用できるという優れた効果を有している。
【0059】実施例1においては、固体電解質電極板の
隣接する2辺における一組の挟着電極板を用いた接合構
造について説明したが、本発明のこのような構成に限定
されるものではなく、他の接合構造を用いても良い。そ
の一例を図8を用いて説明する。図8は実施例1におけ
る別の固体電解質セルの構造を示す斜視図である。図8
において、固体電解質基板22の表面には一方の電極膜
140が、裏面には他方の電極膜141が前述した材
料、印刷方法により形成されている。ただし、図8の表
面の電極膜140において、その奥側左辺は固体電解質
基板22の端部に近い所まで形成されている。一方、電
極膜140の手前側右辺は固体電解質22の端部から広
い隙間を有して形成されている。
【0060】図8に示すように、固体電解質基板22の
奥側左辺には上下2枚の挟着電極板143a,143b
が挟み込むよう取り付けられており、手前側右辺は上下
2枚の挟着電極板144a,144bが挟み込むよう取
り付けられている。挟着電極板143a,143b及び
144a,144bには、前述の図5で説明したよう
に、段差部145a,145b及び146a,146b
が形成されている。これらの段差部145a,145b
及び146a,146bにより固体電解質基板22の奥
側左辺と手前側右辺が挟み込まれて、各挟着電極板14
3a,143b及び144a,144bの複数箇所でス
ポット溶接されて固定される。このとき、奥側左辺の表
面の挟着電極板143aの段差部145aは一方の電極
膜140に電気的に接触し、手前側右辺の裏面の挟着電
極板144bの段差部146bは他方の電極膜141に
電気的に接触する。またこのとき、奥側左辺の裏面の挟
着電極板143bの段差部145bは固体電解質基板2
2に直接接触した状態で固定され、手前側右辺の表面の
挟着電極板144aの段差部146aは固体電解質基板
22に直接接触した状態で固定される。すなわち、奥側
左辺の裏面の挟着電極板143bは、裏面の電極膜14
1に接しておらず、手前側右辺の表面の挟着電極板14
6aは表面の電極膜140に接触していない。
【0061】図8に示す固体電解質セルにおいては、前
述の挟着電極板143a,143b及び144a,14
4bと実質的に同じ構造を有する挟着板142a,14
2b及び147a,147bが固体電解質基板22の奥
側右辺と手前側左辺の端部を挟み込み、互いが溶接固定
されている。挟着板142a,142b及び147a,
147bは、固体電解質基板22の保持が目的であり、
電極膜140,141とは電気的に接続されない。前述
の挟着電極板143a,143b及び144a,144
bには、図6に示したガス路開口部30b及び30aと
同じ目的のため、それぞれに開口部152a,152b
及び153a,153bが形成されている。また、挟着
板142a,142b及び147a,147bには、図
6に示したガス路開口部31a及び31bと同じ目的の
ため、それぞれに開口部150a,150bが形成され
ている。さらに、図8の固体電解質セルの四隅部分には
マイカ板155a,155b,155c,155dが取
り付けられており、挟着電極板143a,143b及び
144a,144bと、挟着板142a,142b及び
147a,147bとの間のすき間が埋められている。
なお、図6で説明したように挟着電極板間及び挟着板間
のすき間には、無機系接着剤が塗布されており、そのす
き間の気密性が確保されている。
【0062】なお、図8に示した固体電解質セルの説明
において、外部電源への接続構造は省略したが、前述の
図1に示した実施例の接続構造と同じであり、挟着電極
板143a,143b及び144a,144bの適当な
位置に開孔を形成し、電力供給のための金属棒を挿入し
て電気的に接続する。上記説明においては、挟着電極板
143a,143b及び144a,144bの寸法が四
角形の固体電解質基板22の一辺の長さとほぼ等しい寸
法の形状について説明したが、挟着電極板は固体電解質
基板の一辺の長さより小さい寸法、即ち、電極膜の一部
と接続する構成であっても何等問題なく本発明の機能を
有する。このことは、本発明者が実験により確認した。
極端な方法としては、挟着電極板として高温でもバネ性
や耐酸化性を有する金属線を用いて電極膜を圧接して
も、前述の実施例1で説明した接続構造のものと全く同
様な効果を発揮することができる。なお、図8に示した
固体電解質セルにおいては、固体電解質基板22の保持
が目的の挟着板142a,142b及び147a,14
7bを省略しても何等問題はない。但し、挟着板を省略
した場合にはその部分の気密構造が必要である。このよ
うに構成することにより、金属材料の使用面積が少なく
なり、材料削減が可能となる。
【0063】図9は実施例1における更に別の固体電解
質セルの構造を示す斜視図である。図9に示した固体電
解質基板160の形状は前述したものと異なり、この固
体電解質基板160自体の周辺部にガス路開口部161
a,161b,161c,161d及び外部電源への接
続用金属棒が挿入される開孔162a,162b,16
3a,163bが形成されている。また、固体電解質基
板160の中央部分には、電極膜165(図9において
裏面は省略)が前述した材料、印刷方法で形成されてい
る。四角状の固体電解質基板160における隣接する2
辺には、前述の図5に示した挟着電極板101,102
と同じ構造を有する挟着電極板101,102が上下か
ら挟み込むよう固着されている。また、挟着電極板10
1,102には段差部107,109が形成されてお
り、これらの段差部107,109が電極膜165の端
部と接触するよう固定されている。なお、裏面の挟着電
極板102の段差部108,110は裏面の電極膜には
接触していない。このように一方の挟着電極板のみが電
極膜に接触する構成が可能なのは、前述の実施例と同様
に固体電解質基板の両面に形成した電極膜の配置が両面
で異なっているためである。図9において、手前側に固
着される挟着電極板については奥側の挟着電極板10
1,102と同じ構造を有しているため、その図示及び
説明は省略する。また、図9において、その他構成の詳
細は図5で説明した構成と同様であるため、それらの説
明は省略する。
【0064】図9に示した固体電解質セルの構造におい
ては、固体電解質基板160で上下間が隔離されている
ため、固体電解質基板160の両面間のガスの気密性が
確保されている。図9に示した構造は、特に気密性を重
視する酸素ポンプ(純度の高い酸素を必要とする場合
等)には非常に有効な構造である。なお、図9における
電極膜の配置、電極膜と挟着電極膜との接続等について
は前述の実施例と同じであるため省略する。図9に示し
た固体電解質基板160は、グリーンシート工法で作製
した。
【0065】次に、本発明の酸素ポンプに係る実施例1
におけるガス分離・分配板について図10を用いて説明
する。図10は実施例1の酸素ポンプモジュールにおけ
るガス分離・分配板14を示す斜視図である。矩形状
(水平断面が略正方形)のガス分離・分配板14におい
て、対向する2辺近傍にはそれぞれが独立したガス路開
口部36a,36bが形成されており、他の2辺近傍に
は、前記ガス路開口部36a,36bの配設位置と水平
面において90゜回転した配設位置に開放ガス路部35
a,35bが形成されている。これらの開放ガス路部3
5a,35bは、図10に示すように、ガス分離・分配
板14の中央部分に形成された大きな開口に含まれてい
る。また、ガス分離・分配板14の四隅には、開孔55
a,55b,71a,71bが形成されており、対向線
上の2つの開孔55a,55b及び71a,71bが同
じ大きさとなっている。大きな径を有する開孔55a,
55bには、その下側に配置される固体電解質セル10
の接続部に電力を供給するための金属棒を固着するため
の締結手段であるナットが配置される。また同様に、ヒ
ータ板17の上に配置されるガス分離・分配板14にも
大きな径を有する開孔27a,27bが形成されてお
り、その開孔27a,27bにはヒータ板17の端子部
と金属棒とを接続するためのナットが配置される。これ
らの大きな開孔は、ナットを収納できるようナットのサ
イズよりやや大きく形成されている。
【0066】本発明において用いられるガス分離・分配
板は剛性のある耐熱性の材料により平面度が高く形成さ
れており、ガス分離・分配板とともに積層される固体電
解質セルを平面状態で確実に保持する役目を有してい
る。もし、ガス分離・分配板が柔軟であったり平面度が
低い場合には、固体電解質セルにおいてゆがみが生じ、
固体電解質セルの固体電解質基板が破損するおそれがあ
る。
【0067】次に、本発明の酸素ポンプに係る実施例1
におけるヒータ板について図11を用いて詳細に説明す
る。図11は実施例1の酸素ポンプにおけるヒータ板1
7を示す斜視図である。実施例1におけるヒータ板17
の発熱体である金属抵抗箔であるヒータ部44は、ステ
ンレス鋼系の金属箔、例えば日本金属工業(株)のステ
ンレス鋼(Fe−Cr−Al系)の板厚50〜70μm
の材料を用いて形成されている。図11に示すように、
ヒータ部44はジグザグパターンを有しており、このジ
グザグパターンはエッチング法やレーザー加工法或いは
プレス成形法等で形成されている。ヒータ部44の両端
部の各中央部分には、開孔183a,183bを有する
端子部181,182が形成されている。ヒータ部44
の両面は略四角形状のマイカ板材で形成されたマイカ板
171,172により挟み込まれて、ヒータ板17が形
成されている。これらのマイカ板171,172の各辺
の近傍には、ガス給排路となるガス路開口部171a〜
171d,172a〜172dが形成されている。ま
た、それぞれのマイカ板171又は172の中央部分に
は4つの開口173a〜173d、又は開口174a〜
174dが形成されている。ヒータ部44のジグザグパ
ターンは、ガス給排路となるガス路開口部171a〜1
71d,172a〜172dの内側に配置されるよう構
成されている。
【0068】マイカ板171及び172において、一方
の対角線上の隅(図11においては左右の隅)には、開
孔178a,178b及び180a,180bが形成さ
れている。これらの開孔178a,178b,180
a,180bにおいて、開孔178aと180a、又は
178bと180bの中心点は、ヒータ部44の端子部
181又は182の開孔183a又は183bのそれぞ
れの中心点の鉛直線上となるよう作製されている。マイ
カ板171における開孔178a,178b(図11に
おいてマイカ板171の左側と右側の開孔)は大きな直
径を有している。これは、電力供給用の金属棒を端子部
181,182に締め付けるためのナットがこれらの開
孔178a,178bの中に収納されるためである。マ
イカ板171において、他方の対角線上の開孔175
a,176a(図11においてマイカ板171の奥側と
手前側の開孔)は固体電解質セルの電力供給用の金属棒
が挿入される貫通孔である。
【0069】上記のように構成された実施例1のヒータ
板17は、薄く平面度の高い形状であり、主要な部材が
耐熱性を有する部材で形成されている。また、ヒータ板
17の周辺部をビス止めしても破損することがない材料
で構成されており、本発明の酸素ポンプの固体電解質電
極板を加熱するのに最適な発熱体となる。なお、本発明
の酸素ポンプにおいて、ヒータ板の材料としてはフラッ
トな形状を有して耐熱性があり、周辺部をビス止めして
も破壊しない堅い材料であれば、上記の実施例1の構成
に制限されるものではない。
【0070】次に、本発明に係る実施例1の酸素ポンプ
モジュールにおけるガスの流れについて図12を用いて
説明する。図12は酸素ポンプモジュールの固体電解質
セル、ガス分離・分配板、ヒータ板のそれぞれを所定枚
数積層した積層構成体におけるガスの流れを示す断面図
であり、図1に示した酸素ポンプモジュールの主要部分
におけるXII−XII線による断面構造を示したものであ
る。図12において、前述した図面中と同じ機能、構成
のものには同じ番号を付してある。
【0071】前述の図1を用いて説明したように、固体
電解質セル10のカソード電極膜20の面上を通過する
ガスは、酸素が減少するガスであり、図12においては
このガス流を矢印72a,72bで示している。図12
に示す積層体においては、前述の図1に示した積層体の
最外層にガス分離・分配・保温板185a,185bと
金属板186a,186bを更に取り付けた構造であ
る。ガス分離・分配・保温板185a,185bはガス
の流れを案内するとともに積層構成体における保温の機
能を有している。積層構成体における最外層の金属板1
86a,186bはその間に配置された積層体を締め付
け、各層間での気密性を保つために設けられている。実
施例1において用いられる金属板186a,186bと
しては、耐酸化性を有する材料であれば良く、熱膨張係
数は使用する固体電解質の材料に近いものであれば良
い。例えば、実施例1においては、固体電解質の熱膨張
係数が10〜12×10−6の範囲であるため、その前
後の範囲、即ち、4〜20×10−6の範囲内であれば
問題ない。この膨張係数の範囲については発明者が実験
により確認している。金属板186a,186bの具体
的の材料としては、ステンレス鋼、ニッケル合金、コバ
ルト合金、ニッケル−コバルト合金或いは鉄合金等が最
適である。
【0072】図12において、カソード電極側に流れる
ガスは、左側の矢印72baの方向に流入し、4つのガ
ス分離・分配板14,2,3,4において各固体電解質
セルのカソード電極面の方へ分流される。分流されたガ
スは、各固体電解質セルのカソード電極面の面上を通過
して、酸素を取られながら右側の矢印72aの方向に流
出する。一方、酸素が濃縮されるガスは、積層構成体に
流入して紙面と垂直な方向に流れ、ガス分離・分配板1
5,16,32,34において各固体電解質セルのアノ
ード電極面188,189,193,194の面上を通
過して、酸素が濃縮されたガスをこの積層構成体から流
出する。なお、図12の積層構成体においてガスの流れ
は下部から流入し、下部へ流出する構成で説明したが、
本発明はこのような構成に限定されるものではなく、流
入方向と流出方向は上部や下部の何れの方向でも可能で
ある。
【0073】次に、本発明に係る実施例1の酸素ポンプ
における積層構成体の構造について図13を用いてさら
に詳細に説明する。図13は実施例1の酸素ポンプにお
ける積層構成体の構造を示す斜視図である。図13にお
いて、符号201で示す部分が図1に示した積層体であ
り、この積層体201の上下にガス分離・分配・保温板
202a,202bが配設されている。また、ガス分離
・分配・保温板202a,202bの外側には積層構成
体を締め付けるための金属板203a,203bが設け
られている。上側のガス分離・分配・保温板202aの
対向する2辺近傍に設けた両側の開口部204a,20
4bはガス給排路である。一方、下側のガス分離・分配
・保温板202bには、上側のガス分離・分配・保温板
202aの開口部204a,204bの配設位置と水平
面において90゜回転した配設位置にガス給排路(図示
していない)が形成されている。
【0074】図13に示すように、上側の金属板203
aにはその四隅に切り欠き部205a,205b,20
5c,205dが形成されており、アノード電極、カソ
ード電極、及び発熱体に電力を供給するための金属棒及
びその金属棒に取り付けられる端子と接触しないように
構成されている。また、下側の金属板203bにも同様
にその四隅に切り欠き部206a,206c,206d
(図13においては図面の関係上1つの切り欠き部が表
示されていない)が形成されている。なお、各金属板2
03a,203bの縁近傍には複数の孔207が穿設さ
れており、上下の金属板203a,203bの間をビス
止めするためのビス挿入孔となる。図13においては省
略しているが、各積層間の気密性をさらに増大させるた
めに、耐熱性を有し柔軟性を持つガスケットを各層間に
配置して金属板203a,203bの間を締め付けてい
る。なお、ある程度の気密性が保持される材料により構
成されていればガスケットを挿入せずに構成することも
可能である。
【0075】図14は本発明に係る実施例1の酸素ポン
プの外観を示す斜視図である。図14において、奥側と
手前側の対角線上に設けたビス211a,211bは、
積層構成体(202a,201,202b)を貫通して
おり、この積層構成体の内部において各固体電解質セル
のアノード電極及びカソード電極に電気的に接続してい
る。これらのビス211a,211bは、その上部でリ
ード線接続用端子213a,213bが取り付けられて
おり、その下部においてナットにより締め付けられてい
る。また、図14において、右側と左側の対角線上に設
けたビス212a,212bは、積層構成体(202
a,201,202b)を貫通しており、この積層構成
体の内部においてヒータ板のヒータパターンに接続した
端子部に電気的に接続されている。これらのビス212
a,212bは、その上部でリード線接続用端子214
a,214bが取り付けられており、その下部において
ナットにより締め付けられている。
【0076】図14において、上部の金属板203aに
取り付けられている複数のビス215にはワッシャ21
6がそれぞれ取り付けられており、ビス215は積層構
成体(202a,201,202b)を貫通して、その
下部でナットが締め付けられて積層構成体(202a,
201,202b)を一体化している。図14におい
て、矢印73aにより酸素が濃縮されるガスのガス導入
部を示し、矢印73bにより酸素が濃縮されたガスの流
出口を示している。図14に示した酸素ポンプの構成で
は、酸素が濃縮されたガスは積層構成体の上側から取り
出す構成の例であるが、勿論、両方のガスが片側におい
て流入、流出する構成であっても何等問題なく製造する
ことができる。上記の実施例1においては、酸素ポンプ
モジュールについて説明したが、この酸素ポンプモジュ
ールは酸素ポンプの基本構成部分であり、酸素ポンプそ
のものである。以下の実施例においても同様である。本
発明に係る実施例1の酸素ポンプは、小型の積層構成体
内にガス給排路、電力供給ラインを有する構造であり、
非常にコンパクトに形成されている。
【0077】《実施例2》次に、本発明に係る実施例2
の酸素ポンプモジュールについて図15〜図20を用い
て説明する。実施例2の酸素ポンプモジュールは、前述
の実施例1の酸素ポンプモジュールにおける固体電解質
セル、ガス分離・分配板、ヒータ板等を積層した構成は
実質的に同じであるが、その積層構成体の中におけるガ
ス流の方向を変更したものである。図1〜図14におい
て説明した酸素ポンプモジュールにおいては、酸素が濃
縮されるガスの流れと酸素が減少するガスの流れが、複
数の固体電解質セルの各面上を同一方向に流れる構造
(並列方式)について説明した。図15に示した酸素ポ
ンプモジュールは、酸素が濃縮されるガスと酸素が減少
するガスの両方とも、固体電解質セルの各面上を互い違
いに、即ち、ガスが各固体電解質セルの面上を異なる方
向に順番に流れる構造(直列方式)を有している。この
酸素ポンプの直列方式の構造について以下説明する。な
お、図15に示した実施例2の酸素ポンプモジュールに
おける、大部分の構成は前述の図1に示した実施例1の
構成と同じであるが、固体電解質セル、ガス分離・分配
板、ヒータ板等においてガス給排路を形成するガス路開
口部の位置が異なっている。
【0078】先ず、積層構成体の上部から流入するガス
流219について説明する。図15に示すように、最上
層に配置されたガス分離・分配板223において、開放
ガス路部231a,231bは、その中央部分に形成さ
れた開口部分に含まれている。これにより、積層構成体
の上部から流入したガスは、開放ガス路部231aを通
り、固体電解質セル221の上面に沿って流れる。固体
電解質セル221の上面に沿って流れたガスは、固体電
解質セル221の1辺近傍(図15における手前右側の
辺近傍)に形成されたガス路開口部232aを流れる。
固体電解質セル221において、ガス路開口部232a
と対向する位置にはガス給排路となる開口部は形成され
ていない。固体電解質セル221の真下に配置されたガ
ス分離・分配板224には、その1辺近傍(図15にお
ける手前右側の辺近傍)に独立したガス路開口部233
aが形成されている。このガス路開口部233aと対向
する位置には、ガス給排路となる開口部は形成されてい
ない。
【0079】ガス分離・分配板224の真下に配置され
たヒータ板227には、その1辺近傍(図15における
手前右側の辺近傍)に独立してガス路開口部234aが
形成されており、対向する位置にはガス給排路となる開
口部は形成されていない。ヒータ板227の真下に配置
されたガス分離・分配板225においては、その1辺近
傍(図15における右手前側の辺近傍)にガス路開口部
235aが独立して形成されており、対向する位置には
ガス給排路となる開口部は形成されていない。
【0080】ガス分離・分配板225の真下に配置され
た固体電解質セル222には、その1辺近傍(図15に
おける手前右側の辺近傍)にガス路開口部236aが独
立して形成されている。このガス給排路開口部236a
と対向する位置には、ガス給排路となる開口部は形成さ
れていない。固体電解質セル222の真下に配置された
ガス分離・分配板226には、その対向する2辺近傍
(図15における手前右側と奥左側の辺近傍)にガス給
排路となる開放ガス路部237a,237bが中央部分
の開口に含まれるように形成されている。したがって、
対向する開放ガス路部237a,237bは互いに連通
状態である。
【0081】上記のように構成されて積層された積層構
成体においては、最上層のガス分離・分配板223の開
放ガス路部231aからガスが流入すると、図15にお
いてガス流219で示した経路でしかガスは流れず、積
層構成体において必ず上から順番に1つの経路でガスが
流れるよう構成されている(以下、直列方式と呼ぶ)。
また、図15に示した積層構成体の下側から流入するガ
ス流220は、各層において前述のガス流219の方向
と水平面において90゜回転した方向に流れるよう構成
されている。この積層構成体内部を流れるガス流220
においても、図15に示したように、積層構成体におい
て必ず下から順番に1つの経路でガスが流れるよう直列
方式で構成されている。
【0082】ガス分離・分配板223におけるガス路開
口部238aは1辺近傍(図15における右奥側の辺近
傍)にのみに独立して形成されている。固体電解質セル
221の1辺近傍(図15における奥右側の辺近傍)に
はガス路開口部232bが形成されており、このガス路
開口部232bと対向する位置にはガス給排路となる開
口部は形成されていない。ヒータ板227においては対
向する2辺近傍(図15における手前左側と奥右側のそ
れぞれの近傍)にガス路開口部234bが形成されてい
る。固体電解質セル222の1辺近傍(図15における
手前左側の辺近傍)にはガス路開口部236bが形成さ
れており、このガス路開口部236bと対向する位置に
はガス給排路となる開口部は形成されていない。さら
に、固体電解質セル222の真下に配置されたガス分離
・分配板226には、その1辺近傍(図15における手
前左側の辺近傍)にガス路開口部237bが形成されて
いる。このガス路開口部237bと対向する位置にはガ
ス給排路となる開口部は形成されていない。
【0083】上記のように、各層の外周部分近傍に形成
するガス給排路の位置を変更することにより、積層構成
体内を流れるガス流の方向を並列方式又は直列方式に簡
単に変更することが可能となる。ガス流が直列方式の積
層構成体の場合には、ガスの流入側と流出側が積層構成
体における反対側になる。しかし、並列方式の積層構成
体では、ガスの流入側と流出側を同じ側或いは反対側に
自由に設計することができる。
【0084】図16は実施例2における酸素ポンプモジ
ュールの全体構成を示す斜視図である。図16に示した
酸素ポンプモジュールには、図15に示した積層構成体
の上下にガス分離・分配・保温板241a,241b
と、2つのガス給排口244,245を有する上側金属
板243aと、2つのガス給排口246(もう一つのガ
ス給排口は図示していない)を有する下側金属板243
bとを設けたものである。上下のガス分離・分配・保温
板241a,241bは、ガス流の方向を決めるととも
に、固体電解質セル内の保温及び上下に取り付けられる
金属板243a,243bに対する断熱材として機能し
ている。上側のガス分離・分配・保温板241aに形成
される開口部242a,242bはガス分離・分配板2
23のガス路開口部238a,231aと同一位置にな
るように形成されている。同様に、下側のガス分離・分
配・保温板241bに形成される開口部はその上のガス
分離・分配板のガス路開口部と同一位置になるように形
成されている。
【0085】図17は図16の酸素ポンプモジュールに
おけるXVII−XVII線による断面図である。図17に示す
ように、酸素ポンプモジュールの上部のガス給排口24
5から流入したガスは、ガス流219に示すように、固
体電解質電極板261の上部空間251、2枚の固体電
解質基板262,263に囲まれた空間252、固体電
解質板264の下面の空間253を連続的に流れ、下部
のガス給排口246から流出する。図示していない他方
のガス流220(図16)は、紙面と垂直な方向に流
れ、2枚の固体電解質板261,262に囲まれた空間
254,255(ヒータ板265aの配置空間を含
む)、そして2枚の固体電解質板263,264に囲ま
れた空間256,257(ヒータ板265bの配置空間
を含む)を連続的に流れる。
【0086】上記のように構成された実施例2の酸素ポ
ンプモジュールの構成によれば、ガスは1経路において
連続的に順次各固体電解質板の表面を通過して流れ、ガ
ス給排口より流出する構成であるため、濃縮した酸素或
いは減少した酸素を含むガスを確実に取り出すことがで
きる。
【0087】図18は実施例2における酸素ポンプモジ
ュールの他の構成を示す断面図である。図18に示した
酸素ポンプモジュールは、ガス流を直列方式(図18の
(a))又は並列方式(図18の(b))に切り換えら
れる構造を有しており、その一例を示したものである。
図18に示した酸素ポンプモジュールにおいて、各層の
対向する2辺の近傍に形成された開口部が上下に連通す
るよう構成されている。図18においては、この上下に
連通する空間(以下、連通空間と呼ぶ)を符号283に
て示している。
【0088】図18の(b)に示すように、酸素ポンプ
モジュールにおいてガス流が並列方式の場合には、ガス
給排口271から流入したガスが連通空間283を通
り、各固体電解質セルのアノード電極膜或いはカソード
電極膜の表面に接するように同一方向に平行に流れてガ
ス給排口272から流出する。このように並列方式で流
れるガス流の方向を直列方式のガス流に変更するために
は、図18の(a)に示すように、連通空間283にガ
ス流変更ブロック273a,274aを装着する。この
ように連通空間283にガス流変更ブロック273a,
274aを装着することにより、並列方式におけるガス
給排路の一部が閉鎖され、ガスが各固体電解質セルの各
アノード電極膜或いは各カソード電極膜の表面を積層毎
に異なる方向に流れて直列方式のガス流となる。図18
に示した連通空間283に装着される直列方式用のガス
流変更ブロック273a,274aと並列方式用のガス
流変更ブロック273b、274bは、耐熱性絶縁性材
料で形成されており、連通空間283に嵌合するよう形
成されている。
【0089】図19は直列方式のガス流を形成するため
の1つのガス流変更ブロック273aを示す斜視図であ
る。図19において、ガス流変更ブロック273aの中
間部分には溝部283が形成されており、この溝部28
3が連通部分のガスが通過する部分である。このガス流
変更ブロックの寸法は、酸素ポンプモジュールの連通空
間283(図1においてはガス分離・分配板14のガス
路開口部36a等による空間)に確実に挿入されて嵌合
でできる寸法である。図19において、ガス流変更ブロ
ック273aにおける幅281と長さ282の寸法は、
積層構成体における各層のガス給排路となるガス路開口
部の寸法よりわずかに小さく形成されている。なお、図
18及び図19に示した実施例はガス流の向きを変更す
るための一つの方法を示したものであり、本発明はこの
ような構成に限定されるものではない。
【0090】以上のように、図18と図19に示したよ
うな構成のガス流変更ブロックを用いることにより、酸
素ポンプモジュールのガス給排路を変更でき、直列方式
のガス流や並列方式のガス流を生じさせることができる
酸素ポンプを提供できる。このように構成された酸素ポ
ンプは、所望の形状を有するガス流変更ブロックを積層
構成体の連通空間(ガス給排路)に差し込むだけで簡単
にガス流の方向を変更することができ、使用目的に応じ
た積層型酸素ポンプを容易に提供することができる。
【0091】《実施例3》次に、本発明に係る実施例3
の酸素ポンプについて図20〜図25を用いて説明す
る。実施例3は、2つの固体電解質電極板を有する固体
電解質セルを4層積層して構成された酸素ポンプモジュ
ールに関するものである。実施例3の酸素ポンプモジュ
ールにおいて、前述の実施例1の酸素ポンプモジュール
において説明した固体電解質セル、ガス分離・分配板、
ヒータ板の機能については実質的に同じであり、これら
の基板を積層して構成されている。したがって、実施例
3の酸素ポンプモジュールの説明においては、前述の実
施例と異なる点について説明する。
【0092】図20は実施例3の酸素ポンプモジュール
の積層構造を示す分解斜視図である。図21は実施例3
における固体電解質セルの斜視図であり、図22は実施
例3におけるガス分離・分配板の斜視図であり、図23
は実施例3におけるヒータ板の分解斜視図である。ま
た、図24は積層構成体の組立途中を示す斜視図であ
り、図25は実施例3の酸素ポンプモジュールの完成状
態を示す斜視図である。
【0093】図20において、各固体電解質セル30
4,305には2枚の固体電解質電極板307,30
8,387,388が各々並列に配設されている。上部
の固体電解質セル304の上側には、ガス分離・分配板
301が配置されており、2組の対向する開放ガス路部
335a,335b及び335c,335dが形成され
ている。各組の開放ガス路部335a,335b及び3
35c,335dは、左右の中央部分に独立して形成さ
れた大きな開口に含まれており、それぞれが連通してい
る。固体電解質セル304の下側にはガス分離・分配板
302が配置されおり、上側の前記ガス分離・分配板3
01の開放ガス路部335a,335b及び335c,
335dとはその配設方向が水平面で90゜回転した位
置(図20において奥右側と手前左側の対向する位置に
開放ガス路部341a,341bが形成されている。こ
れらの開放ガス路部341a,341bは連通してお
り、中央部分に形成された1つの大きな開口に含まれて
いる。
【0094】ガス分離・分配板302の下側には、2つ
のヒータ部を直列に接続して並置したヒータ板306が
配置されている。このヒータ板306の下側には、前述
のガス分離・分配板302と実質的に同じ構成のガス分
離・分配板303(ただし、固体電解質セル305を接
続固定するためのナットが配置される開孔303aのみ
が開孔302aと大きさが異なる)、固体電解質セル3
05、そして最上層に配置されたガス分離・分配板30
1と実質的に同じ構成のガス分離・分配板310(ただ
し、開孔310aのみガス分離・分配板301の開孔3
18と大きさが異なる)が配置されて積層されている。
上記のように構成された積層構成体(ガス分離・分配板
301−固体電解質セル304−ガス分離・分配板30
2−ヒータ板306−ガス分離・分配板303−固体電
解質セル305−ガス分離・分配板310)を一つの積
層ブロックとして考え、その積層ブロックを複数個積み
重ねることにより実施例3の酸素ポンプモジュールの積
層構造が構成されている。
【0095】図20に示した積層構成体において、上側
の固体電解質セル304では並列に配置された固体電解
質電極板307,308の同一面側の電極、例えば図2
0の上面側の電極は同一極を有する構造である。また、
上下に配置された固体電解質セル304,305におい
て、対向する面の電極は同一極になるように配設されて
いる。即ち、アノード電極にはアノード電極がカソード
電極にはカソード電極が対向するように配置されてい
る。固体電解質セル304,305において、固体電解
質電極板の周辺部にはこの固体電解質電極板の両面に形
成されたアノード電極膜或いはカソード電極膜を圧接す
る2枚の挟着電極板が上下から挟着固定されている。こ
れらの挟着電極板には複数の開孔311,312,31
3及び314,315,316が形成されている。これ
らの開孔311,312,313及び314,315,
316は電力供給のための接続端子となり、開孔31
1,312,314,315は同一極であり、開孔31
3,316は反対の極が接続されるように構成されてい
る。
【0096】上下の固体電解質セル304,305にお
ける開孔311,314の中心線を結ぶ線上に積層構成
体の各基板(例えば、ガス分離・分配板301,30
2,303及びヒータ板306)の対応する位置に形成
された開孔(319等)が配設されている。同様に、開
孔312,315の中心線を結ぶ線上に積層構成体の各
基板の対応する位置に形成された開孔(317等)が配
設されている。さらに、開孔313,316の中心線を
結ぶ線上に積層構成体の各基板の対応する位置に形成さ
れた開孔(318,302a,306a,303a,3
10a等)が配設されている。なお、上記説明した以外
の下側の積層構成体についても同様な構成になってお
り、その説明は省略する。
【0097】上記のように配設された上下の固体電解質
セル304,305における開孔311,314と開孔
312,315のそれぞれには固体電解質セル用電力供
給導電体である金属棒が挿入されて電気的に接続されて
おり、それぞれに外部電源が供給される。なお、開孔3
11,314と開孔312,315に挿入される金属棒
は同一電極である。また開孔313,316にも異なる
電極の金属棒が挿入されて外部電源が供給される。ヒー
タ板306の四隅において、前記固体電解質セル304
の開孔311,312が形成された位置と異なる2つの
位置(図20において奥隅と左端隅)に開孔321,3
22が形成されている。ヒータ板306における開孔3
21(図20において奥側2つの隅に形成されている開
孔)は上側のガス分離・分配板301の開孔323の同
一鉛直線上に配置されており、同様に開孔322(図2
0において左端隅)はガス分離・分配板301の開孔3
24の同一鉛直線上に配置されている。これらの開孔3
21,322には金属棒が挿入されて電気的に接続され
ており、この金属棒により外部電源からの電力がヒータ
板306に供給されている。なお、固体電解質セル30
4,305において、ヒータ板306へ電力を供給する
ための金属棒が挿入される開孔は当該金属棒と接触しな
いように大きく形成されている。
【0098】図20に示すように、固体電解質セル30
4,305において、対向する2短辺近傍(図20にお
ける奥右側と手前左側の2辺近傍)で挟着電極板の周辺
部分にはガス路開口部323a,323b,324a,
324bが形成されている。これらのガス路開口部32
3a,323b,324a,324bにおいて、奥右側
と手前左側のガス路開口部323a,324a及び32
3b、324bはそれぞれが連通しており、図20にお
いてはガスが上から下へ流入するよう構成されておりそ
れぞれが同一のガス給排路になっている。また、固体電
解質セル304,305の中央部分には連通したガス路
開口部326,327が形成されており、流入したガス
の下から上への流出路となっている。
【0099】更に、固体電解質セル304において、対
向する2長辺近傍(図20における手前右側と奥左側の
2長辺近傍)には各々に二つずつのガス路開口部330
a〜330dが形成されている。また、固体電解質セル
305において、対向する2長辺近傍(図20における
手前右側と奥左側の2長辺近傍)には各々に二つずつの
ガス路開口部331a〜331dが形成されており、各
々が前記ガス路開口部330a〜330dと上下方向で
同一鉛直線上に配置されている。このように同一鉛直線
上に形成されたガス路開口部(330a−331a,3
30b−331b,330c−331c,及び330d
−331d)は連通状態である。ガス路開口部330a
〜330d,331a〜331dにより構成されるガス
流のガス給排路は、奥右側と手前左側とその間に形成さ
れたガス路開口部323a,323b,326,324
a,324b,327とは別のガス流のガス給排路を形
成している。これら2系統のガス給排路は互いに隔離さ
れた構造を有している。
【0100】図20に示すように、固体電解質セル30
4の上側に配置されたガス分離・分配板301における
2組の開放ガス路部335aと335b,335cと3
35dは各々が左右に形成された大きな開口部に含まれ
ており連通構造を有している。また、ガス分離・分配板
301には、3つのガス路開口部336a,336b,
337が互いに独立して形成されており、左右に形成さ
れた大きな2つの開口からもそれぞれ隔離され独立して
いる。固体電解質セル304の下側に配置されたガス分
離・分配板302は前述のガス分離・分配板301と異
なり、対向する2短辺近傍に形成された開放ガス路部3
41a,341bが中央部分に形成された1つの大きな
開口に含まれており連通状態である。また、ガス分離・
分配板302において、対向する2長辺近傍に2つずつ
形成されたガス路開口部342a,342b(図22参
照),342c,342dは互いに独立し、中央部分に
形成された大きな開口からも隔離されている。したがっ
て、固体電解質セル304の上下両面に接して配置され
たガス分離・分配板301,302において、ガス給排
路がその間に形成された大きな開口と連通しているか独
立しているかの配置関係は、水平面において90゜回転
した配設方向において同じである。この位置関係は他の
固体電解質セルに対する上下のガス分離・分配板におい
ても同様の関係である。また、2つの固体電解質セル3
04,305の間に配設されたガス分離・分配板30
2,303におけるガス路開口部は同一鉛直線上に形成
されており、連通状態である。上記の構成は他のブロッ
クにおいても同じように構成されている。
【0101】次に、実施例3の酸素ポンプモジュールに
おけるガス流について説明する。実施例3の酸素ポンプ
は並列方式のガス流の構成であるが、前述の実施例2の
ようにガス流の方向を切り換えるガス流変更ブロックを
用いることにより直列方式のガス流に構成することが可
能である。以下、並列方式のガス流について説明する。
酸素が濃縮されるガス又は酸素が減少するガスのうち、
一方のガスは白抜き矢印で示すガス流348a,349
aのように、下から流入してガス給排路を流れ、上部で
Uターンする。上部でUターンしたガスは、白抜き矢印
で示すガス流348b,349bのように、下方に向か
ってガス給排路を流れる。他方のガスは斜線の矢印で示
すガス流345a、345bのように、両側の上部から
流入してガス給排路を流れ下側でUターンする。下側で
Uターンしたガスは、斜線の矢印で示すように中央に形
成されたガス給排路を上向きに流れるガス流346とな
って、酸素ポンプモジュールから流出する。なお、ガス
流の流入方向と流出方向は図20に示した方向に限定さ
れるものではなく、自由に選択できる。
【0102】また、前述のようにガス流の並列方式を直
列方式に変更することは、ガス給排路に図19に示した
ような所望の形状を有するガス流変更ブロックを装着す
ることにより、容易に変更することが可能である。実施
例3の酸素ポンプモジュールにおいては、1枚の固体電
解質セルに2枚の固体電解質板を組み込んだ構成の例を
説明したが、より多量の濃縮酸素を必要とする場合には
複数枚の固体電解質板を1枚の固体電解質セルに組み込
んで積層構成体を形成することにより対応可能である。
このように構成することにより、本発明の酸素ポンプは
濃縮酸素を多量に排出することが可能となり、コンパク
トで大容量の酸素ポンプを提供することができる。ま
た、1枚の固体電解質セルの中に複数の固体電解質を搭
載することにより、全ての積層体における必要面積が少
なくなるとともに、固体電解質セルの中に配置される電
力供給用金属板などの部品点数が少なくなり、作業工数
も少なくなり、大幅なコストダウンを図ることが可能と
なる。また、複数の固体電解質を搭載した固体電解質セ
ルは、単葉の固体電解質を搭載した固体電解質セルに比
して、固体電解質セルにおける外部に接する面積が少な
いため、熱の放散が少なく、酸素ポンプ内に設ける加熱
用ヒータの省エネルギーを図ることができる。
【0103】図20を用いて実施例3の酸素ポンプにつ
いて説明したが、以下個々の構成基板の詳細について図
面を用いて説明する。図21は実施例3における固体電
解質セル304を示す斜視図である。図21において、
左右に設けられた固体電解質電極板307,308の固
体電解質基板351,352の両面には電極膜が形成さ
れており、符号353,354は固体電解質基板35
1,352の片面に形成された同一極の電極膜である。
各電極膜は、前述の実施例1で説明した材料、方法によ
り形成されている。その電極膜353,354の電極パ
ターンは左右の固体電解質基板351,352の隣接す
る2辺側(短辺側)に片寄って配置されており、長手方
向の両端となる対向する2辺側には電極パターンが存在
しない部分が形成されている。また、前述の実施例と同
様に、固体電解質基板351,352における裏面の電
極パターンは、表面の配置と反転した配置となるよう形
成されている。
【0104】図21に示した固体電解質セル304にお
いて、固体電解質電極板307,308を取り囲むよう
に3つの挟着電極板355,356a,356bが設け
られている。中央の挟着電極板355はT字形状を有し
ており、両側の挟着電極板356a、356bはL字形
状を有している。それぞれの挟着電極板355,356
a,356bは、前述の実施例1で説明したように、同
一形状を有する上下2枚で構成され、固体電解質電極板
307,308を上下から挟み込むように固定される。
図21において、T字形状の挟着電極板355は、この
挟着電極板355に形成された段差部357,358が
固体電解質電極板307の表面に形成された電極膜35
3に電気的に接触するよう圧接されている。また、挟着
電極板355に形成された他の段差部359,360が
固体電解質電極板307の表面に形成された電極膜35
4にそれぞれ電気的に接触するよう圧接されている。即
ち、T字形状の挟着電極板355は左右に配置された2
つの電極膜353,354に電気的に接続している。な
お、T字形状の挟着電極板355は裏面に形成された電
極膜とは接触していない。図21において、奥右側に配
置されたL字形状の挟着電極板356aは固体電解質3
07の裏面に形成された電極膜に電気的に接触してお
り、手前左側に配置されたL字形状の挟着電極板356
bは固体電解質板308の裏面に形成された電極膜に電
気的に接触している。即ち、T字形状の挟着電極板35
5が一方の電極に接続されており、L字形状の挟着電極
板356a,356bが他方の電極に接続されている。
【0105】実施例に3において、挟着電極板355,
356a,356bのそれぞれが上下2枚で構成され、
固体電解質電極板307,308を上下から挟んで固定
する挟み込み構造は、挟着電極板355,356a,3
56bのバネ性を利用した電気的接続方法であり、この
電気的接続方法は前述の実施例1で詳しく説明したので
ここでは省略する。固体電解質電極板307,308の
電極膜353,354への電力の供給は挟着電極板35
5に形成された開孔313に接続された金属棒により行
われ、裏面の電極膜への供給は挟着電極板356a,3
56bに形成された開孔311,312に接続された金
属棒により行われる。T字形状の挟着電極板355とL
字形状の挟着電極板356a,356bは、それぞれの
対向する端部に隙間361a,361b,362a,3
62bが形成されており、それぞれが電気的に絶縁され
ている。
【0106】また、積層構成体におけるガスに対する気
密性を確保するため、ガスが漏れるおそれのある部分で
ある固体電解質電極板307,308の四隅近傍365
a,365b,365c,365d,及び366a,3
66b,366c,366dには、前述の実施例1で説
明した無機系材料により構成された接着剤が塗布され
て、それぞれの表裏間が隔絶されている。実施例3にお
いては、2枚の固体電解質電極板307,308を有す
る固体電解質セル304について説明したが、より多く
の固体電解質電極板を固体電解質セルに配列して、ガス
の供給量を多くすることが可能である。また、実施例3
においては、挟着電極板と電極膜との接続を隣接するL
字形状の2辺において行う構成で説明したが、この接続
は1辺において行う構成でもよく、更に1辺の1部分だ
けを接続する構成でも問題はない。なお、電極膜への電
力供給は金属線による接続により行うことも可能であ
る。ただし、前述したように、使用する金属線はその金
属特有の熱処理を施すことのよりバネ性を生じさせて、
固体電解質電極板を挟着できる材料を用いる必要があ
る。
【0107】図22は実施例3における2種類のガス分
離・分配板301,302を示した斜視図である。上側
のガス分離・分配板301において、長手方向の辺近傍
に形成されたガス給排路となる開放ガス路部335a,
335b及び335c,335dはそれぞれが左右の大
きな開口に含まれており連通状態である。この連通した
開口をガスが流れるとき、そのガスが固体電解質電極板
の電極膜面に接触するよう構成されている。一方、下側
のガス分離・分配板302においては、上側のガス分離
・分配板301の開放ガス路部335a,335b及び
335c,335dと水平面で90°回転した位置、す
なわち長手方向と直角な方向の短辺近傍の位置に開放ガ
ス路部341a,341bが形成されており、これらの
開放ガス路部341a,341bは中央部分に形成され
た大きな開口に含まれており連通状態である。この連通
した開口をガスが流れるとき、ガスが2つの電極膜の表
面に接触するよう構成されている。図20に示すよう
に、固体電解質セルの上下をガス分離・分配板301,
302により挟み、さらにガス分離・分配板301,3
02が積層され、2つの固体電解質セルの間にヒータ板
306を挟み、同じように積層していくことにより、複
数の固体電解質セルを有する酸素ポンプモジュールを製
造することができる。
【0108】図23は実施例3におけるヒータ板306
の詳細を示す分解斜視図である。図23において、ヒー
タ部361は金属薄膜により形成されており、ジグザグ
状態の2つの発熱パターン部を有している。2つの発熱
パターン部は高温度になるよう構成されている。ヒータ
部361の両端部には開孔362a,362bが形成さ
れており、これらの開孔362a,362bを有する端
子部363,364が連設されている。ヒータ板306
は、ヒータ部361の発熱パターンが耐熱絶縁基板36
5a,365bにより上下から挟み込まれて構成されて
いる。耐熱絶縁基板365a,365bには、発熱体パ
ターン部に対応する位置に複数の開口366が形成され
ており、ヒータ部361からの熱が直接固体電解質板に
放射されるよう構成して、発熱効率の向上が図られてい
る。
【0109】耐熱絶縁基板365a,365bの外周部
分には、ガス給排路用のそれぞれが独立した開口367
a〜367f、368及び369a〜369f、370
が形成されている。ヒータ部361の材質としては、ス
テンレス系の金属薄膜、特にアルミニウムを含有するス
テンレス系材料が有効である。即ち、高温でアルミニウ
ムが酸化物を形成し、その酸化物が安定な状態なので、
抵抗箔の酸化の進行を抑制する働きを有し、長時間使用
しても抵抗値変動の少ない発熱体部が実現できる。ま
た、発明者の実験によれば、ヒータ部361における抵
抗体としての厚みは、30μm〜200μmが好ましく
は、特に50μm〜100μmの厚みのものが本発明の
酸素ポンプの抵抗体として最適であった。
【0110】図24は実施例3における酸素ポンプモジ
ュールの組立途中の状態を示す分解斜視図である。図2
4において、符号375で示した積層体の部分が図20
に示した積層構成体である。図24に示した酸素ポンプ
モジュールにおいては、積層構成体375の上下にガス
分離・分配・保温板376,377及びその外側に金属
板378,379が配設されている。図24に示すよう
に、酸素ポンプに流入するガス390a,390bは、
上側の金属板378の両側の開孔から入り、ガス分離・
分配・保温板376の両側にある開口部391a,39
1bを通って、酸素ポンプ内を下方向に流れる。そし
て、反対側(裏面側)にある下側のガス分離・分配・保
温板377の内面で跳ね返ったガスは、ガス分離・分配
・保温板376の中央にある開口部392を通り上側の
金属板378の中央にある開孔393から流出する。
【0111】上側のガス分離・分配・保温板376の開
口部391a、391b(短辺位置)に対向する下側の
ガス分離・分配・保温板377の位置(短辺位置)には
開口が形成されておらず、水平面で90゜回転した位置
(長辺位置)の両側にガスが流れる開孔が形成されてい
る。そのときのガスの流れを符号395a,395dで
示す。図24において、ガス流395a,395dと対
向する位置(長辺位置近傍)にも同様に開孔を通るガス
流が下向きに生じている。ガス分離・分配・保温板37
6,377は、酸素ポンプ内を保温するとともに、その
外側の金属板378,379が高温になるのを防止する
断熱機能を有している。上側の金属板378にはその四
隅と中央部分に5つの切り欠き部397a,397b,
397c,397d,398が形成されており、下側の
金属板379にも同様にその四隅と中央部分に5つの切
り欠き部(図24においてはこれらの切り欠き部を符号
401a、401c、401d、402で示し、奥右側
の切り欠き部は図示の関係上省略している。)が形成さ
れている。これらの切り欠き部には各固体電解質電極板
の電極膜及び各ヒータ板のヒータ部に電力を供給するた
めの接続端子が配置され、これらの接続端子との電気的
絶縁を図るために形成されている。
【0112】図25は実施例3の酸素ポンプモジュ−ル
としての完成状態を示す斜視図である。図25におい
て、2箇所の隅に設けたビス411,412は各固体電
解質電極板に形成された一方の電極膜に電気的に接続さ
れており、中央部分に設けたビス413が他方の電極膜
に電気的に接続されている。また、酸素ポンプモジュー
ルの2箇所の他の隅に設けたビス414,415は各ヒ
ータ板のヒータ部の端子部に電気的に接続されている。
図25に示すように、各ビス411,412,413,
414,415には各々リード線を接続するための接続
端子416,417,418,419,420が取り付
けられている。図25において示したビスは、酸素ポン
プモジュールの積層構成体の下端まで貫通しており、そ
の下部においてナットにより締め付け固定されている。
実施例3の酸素ポンプは、固体電解質セルにおいて固体
電解質電極板を2枚並列に組み込んでおり、このように
構成された固体電解質セルを4枚用いた酸素ポンプモジ
ュールである。したがって、前述の実施例1の酸素ポン
プモジュールに較べて2倍の能力を有している。なお、
実施例3において用いた金属板やビスの材料は、前述の
実施例1で説明した材料を用い、且つ金属板に対しては
表面処理を施すことにより、より信頼性の高い酸素ポン
プモジュールを提供することができる。
【0113】本発明に係る前述の実施例1から実施例3
において説明した酸素ポンプモジュールは、積層構成体
の両側の最外層部に剛直な金属板を配設し、その金属板
を含む積層構成体を貫通するビスにより締め付け固定す
る構造であるため、積層構成体の積層基板間に隙間がな
く密着しており、ガス漏れのほとんど生じない酸素ポン
プである。特に、積層構成体の積層基板にマイカ板を用
いているため、このマイカ板が柔軟性を有して圧接され
るため、ガス漏れの無い積層型の酸素ポンプモジュール
を提供できる。さらに機密性を高める場合には、各積層
基板間に柔軟性があり、電気絶縁性のガスケットを挿入
すれば、さらに優れた効果が得られる。
【0114】《実施例4》次に、本発明に係る実施例4
の酸素ポンプモジュールについて図26と図27を用い
て説明する。実施例4は薄くて抗折強度の小さい固体電
解質板のための破損防止機構に関するものである。実施
例4の酸素ポンプモジュールにおいて、前述の実施例1
の酸素ポンプモジュールにおいて説明した固体電解質セ
ル、ガス分離・分配板、ヒータ板の機能については実質
的に同じであり、これらの基板が積層されて構成されて
いる。したがって、実施例4の酸素ポンプモジュールの
説明においては、前述の実施例と異なる点について説明
する。
【0115】図26に示すように、実施例4において、
一辺の長さが70mm×70mmで厚みが0.5mmで
ある正方形の固体電解質電極板433の表面に形成され
ている電極膜434及び裏面に形成されている電極膜
(図示してない)のほぼ中央部分には、直径10mmの
スペーサ435が接合されている。このスペーサ435
は、固体電解質電極板433の上下に配置されて積層さ
れる他の積層基板との間隔をほぼ等しい寸法(高さ)と
するものである。本発明の酸素ポンプにおいて、使用で
きる絶縁性の材料としては、前述の実施例1において説
明したように、固体電解質基板の熱膨張係数が10〜1
2×10 −6であるため、その前後の熱膨張係数の材料
が使用可能である。具体的には、熱膨張係数が5〜15
×10−6の範囲内であり、絶縁性を有する材料が使用
可能である。したがって、スペーサ435の材質として
は、その熱膨張係数が5〜15×10−6の範囲内にあ
る材料であれば材質を制限するものではない。スペーサ
435の具体的な材料としては、94〜96%アルミ
ナ、ステアタイト、フォルステライト、ガラス(結晶化
ガラスを含む)等の絶縁性材料或いは熱膨張係数が前述
の範囲内にある金属材料等が使用できる。各材料は緻密
なものでもよいが、さらに好適には多孔質の材料がよ
い。実施例4において、スペーサ435の接合は、前述
の実施例1において説明した各種導体ペーストやガラス
ペースト或いは前述のアロンセラミック等の各種無機系
接着剤で行った。
【0116】なお、実施例4におけるスペーサ435の
形状は円柱形状で説明したが、本発明では円柱形状に限
定されるものではなく、例えば四角柱や樽形状など各種
形状を用いることが可能である。また、実施例4におけ
るスペーサ435の個数は、固体電解質電極板433の
中央部分に一個を設けた例で説明したが、さらに複数個
設けてより確実性を追求してもよく、使用する固体電解
質電極板の寸法に応じて個数を決定すればよい。上記の
ように、図26に示したようにスペーサを固体電解質電
極板の両側に設けることにより、酸素ポンプに対して過
度の振動や衝撃が加わった場合でも、スペーサによりそ
の振動が吸収され固体電解質電極板の破損の発生を防止
することが可能となる。本発明におけるスペーサは円柱
や角柱に限定されず、固体電解質電極板の電極とほぼ等
しいサイズの矩形状多孔質板がより好適である。その材
質としては、例えば、三菱マテリアル(株)のジルコニ
ア発泡材料や同社の発泡金属材料等が好適である。
【0117】図27は、実施例4における固体電解質電
極板433の他の破損防止機構を説明するための斜視図
である。図27において、固体電解質電極板433の両
面に抗折強度の大きな材料により形成された補強材43
7,438を取り付けたものである。図27においては
両面に補強材を取り付けたものを示したが、片面のみに
補強材を取り付けた構成も可能である。補強材437,
438としては、94〜96%アルミナや結晶化ガラス
或いは前述したニッケル合金、コバルト合金、ニッケル
−コバルト合金、鉄合金等が最適である。補強材43
7,438の寸法は、発明者の実験によれば、セラミッ
クス材では5mm幅で0.635〜1mm厚み、金属材
では5mm幅で0.3〜0.5mm厚みが好適であっ
た。特に金属材の場合には、L字形に加工して使用する
とより効果的であった。補強材437,438の取付場
所は固体電解質電極板の中央線上で露出する基板全長に
施し、固体電解質電極板の表裏で直交するクロス形状が
効果的であった。なお、片面の場合には補強材を固体電
解質電極板の中央部分の中心線上で露出する基板全長に
施した。なお、補強材の取り付け角度としては、四角形
状の固体電解質セルの各辺と平行か直交する方向、又は
45度の角度を有する斜めの方向でもよい。上記のよう
に構成された実施例4の酸素ポンプによれば、過度の振
動や衝撃が加わっても、固体電解質電極板が破損するこ
とが防止されており、信頼性の高い酸素ポンプを提供す
ることができる。
【0118】以上のように、本発明の酸素ポンプは、固
体電解質電極板を複数枚積層した積層構造を有し、その
積層構造における積層基板間にヒータ板が配置されてい
る。このように構成された本発明の酸素ポンプは、比較
的低い温度にて作動し、危険な副産物を発生させること
がなく、比較的高濃度の酸素を発生させることが可能で
ある。特に、本発明の酸素ポンプは、病院等の騒音を嫌
う場所での酸素濃縮装置として、冷蔵庫等の食品保管で
酸素を嫌う装置における酸素除去装置として、魚介類等
の生きたままで輸送する装置における酸素補給装置とし
て、或いは、その他の酸素濃度の高いガスを必要とする
場所や反対に酸素濃度の低いガスを必要とする場所置等
に用いる装置として、有効に使用することができる。
【0119】本発明において、ガス分離・分配板、ガス
分離・分配・保温板、或いはヒータ板の材料としては、
耐熱性があり電気的絶縁性があれば材料の種類を制限す
るものではない。例えば、セラミックス材料について
は、アノード電極膜面及びカソード電極面の付近温度と
外周部分の温度に大きな温度差が生じるので、熱膨張係
数の極端に大きい材料は材料内の温度差により破壊され
るおそれがあるため使用できない。しかし、熱膨張係数
が5×10−6〜15×10−6の範囲内にある材料、
例えば、ムライト(3Al2O3・2SiO2)熱膨張
係数;5×10 、或いはステアタイト(MgO・S
iO2)熱膨張係数;7〜9×10―6、或いはフォル
ステライト(2MgO・SiO2)熱膨張係数;9〜1
1×10 、或いはアルミナ(92〜96Al2O
3)熱膨張係数;7〜8×10−6、或いはマイカ材
料,熱膨張係数;10〜12×10−6、或いはその他
のガラスやセラミックス材料で熱膨張係数が5〜15×
10−6の範囲内の材料等が最適材料として使用でき
る。特に好ましくは、マイカ材料である。マイカ材料
は、曲げ力に強く、耐熱性があり、電気絶縁性が優れて
いるので有効な材料である。
【0120】また、電力供給用のネジを有する金属棒や
締め付け用ナットの材料は、高温酸化雰囲気中で使用さ
れるので、優れた耐酸化性を有する材料に制限される。
例えば、その材料としては、前述した積層構成体の最外
層となる金属板と同じ材料であるステンレス鋼、ニッケ
ル合金、コバルト合金、ニッケル−コバルト合金、又は
鉄合金等が有効である。特に好ましくは、優れた耐酸化
性を有し熱膨張係数が小さい、ハステロイ、インコネ
ル、インコロイ、インバー等のニッケル、コバルト系合
金、ニッケル−コバルト合金等が有効である。また、高
温酸化性雰囲気において使用されるため、金属棒やナッ
トの表面には白金、金、銀、アルミニウム、ニッケル、
パラジウム等の酸化されにくい材料を表面に被覆するこ
とにより電気的な接続部分の信頼性を大幅に高めること
ができる。
【0121】また、固体電解質電極板を挟む挟着電極板
や挟着板である金属板の材料としては、高温酸化性雰囲
気で使用でき、加えて高温状態でもバネ性、即ちアノー
ド電極膜とカソード電極膜とを圧接する力が劣化しない
材料が要求される。このような使用に耐える金属材料と
しては、ニッケル合金、例えば三菱マテリアル(株)の
ハステロイX(Fe;18%、Cr;22%、Mo;9
%,Ni;Balance)熱膨張係数;14.7×10−6
やMA750(Fe;7%、Cr;15%、Al;0.
7%、Ni;Balance)熱膨張係数;14×10−6
MA263(Co;20%、Cr;20%、Mo;5.
9%、Al;0.5%)熱膨張係数;13.3×10
−6など、別名インコネルといわれている材料、或いは
コバルト合金、例えば三菱マテリアル(株)のヘインズ
アロイNo.25(Ni;10%、Cr;20%、W;1
5%、Co;Balance)熱膨張係数;13.9×10
−6等や、鉄合金、例えば三菱マテリアル(株)のMA
800H(Ni;32.5%、Cr;21%、Al;
0.5%)熱膨張係数;16.6×10−6やMA15
5N(Ni;20%、Co;20%、Cr;21%、M
o;3%、W;2.5%)15.6×10−6等の材
料、或いはニッケル−コバルト合金、例えばインバー
(別名;アンバー)材で42インバー〔(Ni+c
o);41〜43%、Mo;0.9〜1.3%、Fe;
Balance〕熱膨張係数;4.5〜6×10−6の低熱膨
張係数の材料、或いはステンレス鋼、例えばSUS31
0S(Ni;19〜22%、Cr;24〜26%、F
e;Balance)熱膨張係数;16.9×10−6の材料
が最適であった。なお上記の含有量は重量%、熱膨張係
数は常温〜500℃のときの値である。即ち、各材料特
有の熱処理条件で熱処理したとき、常温〜600℃でバ
ネ性を示し、電気伝導性を有して且つ上記の温度領域で
の熱膨張係数が、4×10−6〜20×10−6の範囲
内の材料であれば、本発明の金属板の材料として上記の
材料に制限するものではなく如何なる材料でも使用出来
る。
【0122】また、固体電解質電極板を挟む挟着電極板
や挟着板である金属板の板厚は、0.1mm〜0.5m
mであれば良く、好適には0.15mm〜0.3mmで
ある。金属板の板厚が前記範囲より薄いとバネ圧が小さ
すぎて電気的接触に不安定要素が生じ、反対に前記範囲
より厚いとバネ圧が強すぎて上下2枚の金属板の溶接接
合時に固体電解質電極板にダメージを与えるおそれがあ
り、最悪の場合には固体電解質電極板を破損させること
がある。上記のような材料により挟着電極板及び挟着板
を構成することにより、固体電解質電極板との熱膨張係
数の違いによる材料の伸び縮みの差が小さく、その伸び
縮みは挟着電極板と固体電解質電極板との間の接触部分
における滑りにより吸収することができる。このこと
は、発明者が実験により確認した。
【0123】以上のように、挟着電極板の材料は高温時
のバネ性を持たせるために、各材料特有の熱処理を行っ
て使用する必要があり、。特に好ましくは、優れた耐酸
化性を有し、熱膨張係数が固体電解質板の材料に近く、
バネ性が高温でも劣化しにくい、ハステロイ、インコネ
ル、インコロイ、インバー等のニッケル、コバルト系合
金が有効である。また、挟着電極板は高温酸化性雰囲気
で使用されるため、挟着電極板の表面の全面或いは一部
の必要な部分に白金、金、銀、アルミニウム、ニッケ
ル、パラジウム等の酸化されにくい材料を表面に被覆す
ることのより、電気的接続部分の信頼性が大幅に向上す
る。特に好ましくは、被覆材として金メッキが有効であ
る。発明者の実験によれば、金メッキの場合、メッキ厚
みは、0.5〜1.0μm程度で十分な酸化防止膜の機
能を示した。なお、前述の実施例1においては、積層構
成体にヒータ板を設けた例で説明したが、積層構成体に
流入されるガスを予め加熱することによりヒータ板の不
要な酸素ポンプを提供することが可能となる。
【0124】また、本発明に係る前述の実施例において
は、正方形の固体電解質電極板を用いた酸素ポンプの構
造について説明したが、固体電解質電極板を挟着電極板
により挟着して電力を供給する方式を適用すれば、固体
電解質電極板の形状は正方形に制限されるものではな
く、例えば、長方形やその他の多角形にも何等問題なく
適用できる。また、本発明に係る前述の実施例において
は、固体電解質セルを4枚積層した酸素ポンプについて
説明したが、本発明はこのような構成に限定されるもの
ではなく、固体電解質セルを1枚でも或いは5枚以上の
場合でも適用できることは言うまでもない。
【0125】更に、本発明に係る前述の実施例において
は、挟着電極板と固体電解質電極板による面での接触に
よる電気的接続構造について説明したが、バネ性のある
金属線を用いて電極膜に圧接する接続方法も可能であ
り、この金属線の接続部分における気密性を確保すれば
直ちに実用化できる。更に、本発明に係る上記の実施例
においては、固体電解質セルのアノード電極膜及びカソ
ード電極膜への電力供給のための電気的接続を積層構成
体の4隅の部分で行う構造について説明したが、本発明
は4隅に限定されるものではなく、その他の部位でもガ
ス流路を一部位置変更すれば直ちに実現可能である。
【0126】また、本発明に係る前述の実施例において
は、固体電解質セルの2箇所で電気的に接続して電力を
供給する方式について説明したが、本発明はこのような
2箇所接続による電力供給方式にのみ制限されるもので
はなく、例えば、3箇所接続方式を用いるとすれば、全
体の固体電解質に通電できるように2箇所接続し、残り
1箇所を固体電解質の一部に接続することにより、全て
の固体電解質セルを駆動させたり、一部の固体電解質セ
ルのみを駆動させることができる酸素ポンプを実現でき
る。このように構成することにより、酸素ポンプの能力
を選択できる酸素ポンプを提供することが可能となる。
また、本発明に係る前述の実施例においては、固体電解
質セルの電極面が水平方向である酸素ポンプについて説
明したが、その方向は如何なる方向でも何等問題が無い
ことを発明者は実験により確認した。
【0127】また、本発明に係る前述の実施例において
は、アノード電極或いはカソード電極が共に密封された
ガス給排路構造について説明したが、本発明は密封構造
に限定されるものではなく、例えば酸素濃度の低い空気
が必要な場合にはアノード電極側のガス給排路を積層構
成体の外側の空間と連通した構造とすることが可能であ
り、また酸素濃度の高い空気が必要な場合にはカソード
電極側のガス給排路を積層構成体の外側の空間と連通し
た構造にすることができる。このように構成することに
より、空気を送るためのガス供給ポンプが必要なくな
り、酸素ポンプを容量の小さい送風機で十分な構成する
ことが可能となる。
【0128】また、前述の実施例においては、酸素ポン
プを主体として説明したが、実際に酸素ポンプを使用す
る場合には、酸素ポンプに熱交換器を接続して使用する
のが好ましい。酸素ポンプに熱交換器を接続して、酸素
ポンプから流出した高温度ガスを熱交換器に導き、酸素
ポンプへ流入するガスを熱交換器において暖めることに
より、固体電解質セルの温度低下を防止することが可能
となり、酸素濃縮或いは酸素除去の能力を向上させるこ
とができるとともに、ヒータ部の負担を削減することが
でき、省エネルギー効果を図ることができる。ここで用
いる熱交換器に制限はなく、同一角度で交互に角度を変
えて構成されたアルミハニカム構造体のものや、熱伝導
性の管に熱伝導性の高い放熱フィンを取り付けた形式の
もの等、一般的な熱交換器を用いることができる。本発
明の酸素ポンプは、ペロブスカイト型Ba−Ce−Gd
−O系酸化物、或いはBa−Ce−Gd−Zr−O系酸
化物、或いはBa−Ce−Gd−Al−O系酸化物セラ
ミックスの薄板状固体電解質を用いた酸素ポンプについ
て説明してきたが、本発明は前記組成にこだわるもので
はなく、その他の組成の固体電解質を用いて本発明の酸
素ポンプを構成することは勿論の可能である。即ち、固
体電解質の駆動温度が、使用する挟着電極板のバネ性を
保持できる限度内であれば、如何なる固体電解質を用い
た酸素ポンプにも適用できる。
【0129】以上のように、本発明の構成においては固
体電解質セルを積層する構造であるため、小型で高効率
の酸素ポンプモジュールが実現でき、酸素ポンプモジュ
ール内にガスの給排路を内蔵しているので従来のマニホ
ールドを後付する方式より気密性に優れ、小型化を実現
できる。
【0130】本発明の構成によれば、固体電解質セルに
2系統のガス流のガス給排路が形成されており、固体電
解質セルの両側に積層して配置されたガス分離・分配板
を設けて、酸素が濃縮されるガス流と酸素が除去された
ガス流とを単純な構成で隔離できる酸素ポンプである。
特に、本発明は空気中の酸素を濃縮したり除去したりす
る装置として有効である。本発明によれば、固体電解質
セルやガス分離・分配板は薄い板状であるので、複数枚
の積層構造に構成しても酸素ポンプモジュールはコンパ
クトに作製することができる。
【0131】本発明の酸素ポンプは、積層型酸素ポンプ
であり、ヒータ板を内蔵している。酸素ポンプにおいて
は、固体電解質とカソード電極との界面で酸素が電子を
受け取りO−イオンとなり固体電解質内を移動し、固
体電解質とアノード電極界面で電子を放出し酸素ガスと
なる反応は、固体電解質の伝導度が重要であり、一般的
な固体電解質であるイットリウム安定化ジルコニアで
は、800℃以上に加熱しないと実用に供する酸素ポン
プはできない。即ち、酸素ポンプモジュールを作製して
も当該酸素ポンプモジュール内の固体電解質を如何にし
て動作温度まで加熱するかが実用化の鍵となる。特に、
小型で可搬性の酸素ポンプモジュールの提供を目的とす
る場合には大きな課題であった。本発明の酸素ポンプに
おいては、板状のヒータ板を固体電解質セルの近傍に、
固体電解質セルに平行に配置しているので、固体電解質
を動作温度まで簡単に昇温できる。特に新規な固体電解
質であるバリウム−セリウム−ガドリニウム系酸化物を
用いた本発明の酸素ポンプでは、400℃程度に加熱す
ると実用的動作温度となるので、本発明の構成により十
分に目的を達成することができる。
【0132】本発明の酸素ポンプにおいては、固体電解
質電極板、固体電解質電極板間を分離し、2つのガス流
を隔離し、且つガス漏れを防止するガス分離・分配板、
ヒータ板の全ての基板がシート状を有し、各々の外周部
にはガス給排路が独立した開口部或いは開放ガス路部と
して連通した開口により形成されており、ガス或いは空
気の流入路、酸素が濃縮或いは除去されたガス或いは空
気を排出するための流出路を一体化したコンパクトな酸
素ポンプが提供できる。
【0133】本発明の酸素ポンプは、複数枚の固体電解
質電極板が積層された状態において、同じ極同士が向か
い合って配設されているので、ガス給排路につながる連
通した空間部が共通して使える。このため、ガス分配・
分離板の使用枚数が最小限度枚数ですみ、コンパクトに
構成されている。また、挟着電極板を用いて電極膜に電
力を供給する方法を使用しているため、同じ極が向かい
合った構成であれば、積層した状態で金属棒を貫通させ
それに挟着電極板を接続する方法により全てのアノード
電極膜、カソード電極膜に電力が供給できる。
【0134】本発明の酸素ポンプは、固体電解質電極板
の両面に形成された電極膜の位置をずらして形成してい
るので、2枚の挟着電極板により固体電解質電極板を挟
み込み電力を供給する構成が可能となっている。すなわ
ち、一方の挟着電極板は電極膜の端部に接触している
が、他方の挟着電極板は、電極膜に接触しない状態が実
現できる。この結果、固体電解質電極板の同一平面内で
各々が絶縁状態でアノード電極膜とカソード電極膜のそ
れぞれに電力を供給することができる。
【0135】本発明の酸素ポンプは、小面積の円形或い
は矩形形状の固体電解質電極板を絶縁性基板に貼り付け
て固体電解質板として構成できるので、固体電解質電極
板の作製が容易である。即ち、大きな面積で且つフラッ
トな固体電解質電極板を作製する事は難度の高い技術が
必要である。さらに、固体電解質をより低温度で動作さ
せる目的で板厚を薄くして伝導度を高めるように作製す
るのが一般的であり、実際には板厚を0.5mm程度ま
で薄くして使われる。より薄くするために多孔質で電子
伝導性を有する支持基材上に数十μmの固体電解質膜を
形成する方法も採られているが、支持基材を用いないで
大きな面積の固体電解質板の作製は困難であるが、本発
明のように小さい面積の固体電解質板を複数個並べる構
成にすれば容易に大きな基板を作製することができる。
勿論、電子伝導性多孔質支持体に薄い固体電解質を形成
したものを本発明に適用することも可能である。
【0136】本発明の酸素ポンプは、2枚の挟着電極板
を両側から挟み込んでアノード電極膜或いはカソード電
極膜に電力を供給する構成であり、固体電解質基板の両
面の導体膜パターンの位置が異なり、一方は端部から広
い間隔を有し、その裏面は端部から狭い間隔を有して導
体膜パターンが形成されているので、挟着電極板で挟み
込んでも間隔の広い側では挟着電極板に導体が接触しな
いので、同一面内でアノード電極及びカソード電極に電
力を供給する構成が実現できる。また、本発明において
は、耐熱性絶縁性基板は抗折強度の大きな材料が選定で
きるので、振動や衝撃に強い固体電解質セルが実現でき
る。
【0137】本発明の酸素ポンプは、固体電解質基板自
体の外周部にガス給排路用の開口部を形成して、その中
央部分の両面に互いに位置をずらしたアノード電極及び
カソード電極を形成し、この固体電解質基板を挟着電極
板で両面から圧接する構造を有している。この構成によ
れば、圧接した2枚の挟着電極板の間に固体電解質電極
が配設されているので、酸素が濃縮される側と酸素が取
られる側が完全に隔離でき、気密性の高い酸素ポンプを
提供できる。
【0138】本発明の酸素ポンプは、高温においてもバ
ネ性を保持する2枚の挟着電極板の一方の挟着電極板の
一端部を固体電解質電極板の一方の面に形成したアノー
ド電極膜或いはカソード電極膜に接触するように挟み込
んで接続し、他方の挟着電極板の一端部を固体電解質電
極板の他方の面に形成したカソード電極膜或いはアノー
ド電極膜に接触するように挟み込んで取りつけた構造で
ある。この構成によれば、高温でもバネ性を有する挟着
電極板の圧接により電気的に接続状態が保持され、材料
の熱膨張係数の違いにより接続部がはずれることが無
い。熱膨張の差は接触部がずれることにより吸収されて
接触を保つており、接続部の内部応力がほとんど無い状
態が実現できる。また、本発明によれば、両挟着電極板
をスポット溶接で接合する方式であり、接続が物理的方
法であるため機械的方法による組立工法が実現し、製造
コストの削減に大きく寄与できる。
【0139】本発明の酸素ポンプにおいては、固体電解
質電極板の対向する辺の両端に取り付けられた挟着電極
板が電気的絶縁性を保ちながら固体電解質電極板の両面
の電極膜に接続することができ、アノード電極及びカソ
ード電極が短絡することが無い信頼性の高い構造が実現
できる。
【0140】本発明の酸素ポンプにおいて、電力供給用
の挟着電極板は、熱膨張係数が4×10−6〜20×1
−6の範囲にある金属材料を用いた固体電解質セルを
用いている。本発明の電力供給方式は、金属板のバネ性
を用いそのバネ力で押さえつけ電気的接触を保つ構造で
あるため、材料間の熱膨張係数の違いがあっても接触部
分で滑るため、接続状態が外れることがない。このこと
の最大の利点は、常温〜500℃での耐酸化性及びバネ
性の保持性を有する材料であれば基本的には大きな問題
なく本発明に用いることができ、材料選択の幅が広くと
れることである。本発明に用いることができる金属材料
の熱膨張係数の範囲は、前述の如く4×10−6〜20
×10−6 の範囲で耐熱性を有し、高温でのバネ性を
保持する材料であれば何等問題なく使用できる。それ以
上或いはそれ以下の熱膨張係数の材料では、積層する他
の材料との熱膨張差が大きくなりすぎ、加熱−冷却を繰
り返すと酸素ポンプモジュール自体に変形の応力が溜ま
り積層部にすき間が生じガス気密性に悪影響を及ぼす。
但し、挟着電極板を小片の金属板や金属線で上下から接
触する構成にした場合には、さらに広い熱膨張係数の金
属材料が使用可能となる。
【0141】本発明の酸素ポンプは、電力供給用金属板
が、鉄合金板、或いはニッケル合金板、或いはコバルト
合金板、或いはニッケル−コバルト合金、或いはステン
レス鋼板により形成された固体電解質セルである。本発
明者が、所望の熱膨張係数の範囲内で且つ、耐酸化性、
バネ性の保持性等を考慮して検討した結果、前記合金材
料が最適であることが判明した。また、本発明において
は挟着電極板が熱膨張係数が他の金属板より小さく、且
つ高温酸素雰囲気中においても酸化の進行が少ないもの
を用いているので、信頼性の高い電力供給手段が実現で
きる。また、挟着電極板は、所望の環境において金属薄
板を成形し、その金属材料に最適な温度で熱処理を施す
ことにより、高温におけるバネ性を維持することができ
る。このような金属材料を用いて挟着電極板を形成する
ことにより、接触部の接触圧が劣化しない、言い換えれ
ば、電気的接合状態が良好に維持できる。
【0142】本発明の酸素ポンプは、電力供給用金属板
の片面又は両面において、全面或いは一部分に、金、
銀、ニッケル或いはアルミニウム皮膜が形成された固体
電解質セルである。上記電力供給用金属板は金属薄板の
表面に酸化しにくい金属被膜を形成しているので、高温
酸化性雰囲気においても接触部の電気抵抗が増大するこ
とのない信頼性の高い装置を提供でき、特に膜厚0.5
μ以上の金メッキ被膜が安定して使用できることを発明
者は確認した。
【0143】本発明の酸素ポンプにおいて、積層体内の
酸素濃縮側及び酸素除去側に流されるガス流は、各固体
電解質セルに並列又は直列に導入する方式に構成するこ
とが可能であり、並列方式の特徴は複数枚の固体電解質
セルにより低温のガスが導入されたとき、各固体電解質
セルがほぼ同じように温度低下が生じるので、各固体電
解質の温度コントロールが容易である。また、酸素濃縮
側と酸素除去側の流入側(in側)、或いは流出側(o
ut側)を同一側或いは対向する側に取りつけることが
自由に選択でき、この並列方式の酸素ポンプを用いて各
種装置を設計する場合設計が容易となる。
【0144】本発明の酸素ポンプにおいて、直列方式で
ガスを流す場合、各固体電解質セルを順番にガスが流れ
るので、確実に濃縮された酸素或いは減少した酸素が取
り出すことができる。並列方式では、各固体電解質セル
に同一量のガスを分配、或いは回収するのがガス給排路
の開口面積と固体電解質セルに流入する開口部の面積比
を適切に選択しないと、一部の固体電解質セルのみに多
くのガスが流入し、アンバランスが生じ100%生成し
た酸素が取り出せなくなるとともに、ガスが多く流入す
る固体電解質セルはより冷却されるので固体電解質の能
力が減少する。
【0145】本発明の酸素ポンプは、ガス流のどちらか
一方を並列方式で他方を直列方式で流すことにより、並
列方式のガス流と直列方式のガス流の併用方式を構成す
ることが可能であり、並列方式と直列方式との中間的特
徴を有しており、特に必要とするガス流入側に直列方式
を導入すればほぼ直列方式に近い性能が得られる。
【0146】本発明の酸素ポンプは、ガス流を並列方式
又は直列方式に切り換えるよう構成することができ、ガ
ス流の流入方向、流出方向を簡単に変更できる。その結
果、本発明の酸素ポンプを使った酸素濃縮装置或いは酸
素除去装置のガス流出方向を変えることができ装置の設
計が容易となる。本発明の酸素ポンプにおいては、ガス
流路の開口形状と実質的に同一の形状を有する耐熱性板
状体を挿入することにより、ガス流を並列方式或いは直
列方式に容易に変更出来る構造を有している。
【0147】本発明の酸素ポンプは、ガス分離・分配
板、ガス分離・分配・保温板及び、ヒータ板用材料の熱
膨張係数が、5×10−6〜15×10−6の範囲内に
ある耐熱性・絶縁性材料を用いて形成している。上記の
ように、本発明の酸素ポンプに使用する固体電解質材料
の熱膨張係数が、10〜12×10−6なので、発明者
は熱膨張係数の耐熱性絶縁性材料を用いれば、熱的衝撃
が頻繁に加わっても問題なく酸素ポンプとして機能する
ことを確認した。なお、前記の熱膨張係数の範囲より小
さかったり大きかったりすると、固体電解質に無理な応
力が生じ最悪の場合は固体電解質板が破損するおそれが
ある。
【0148】本発明の酸素ポンプは、ガス分離・分配
板、ガス分離・分配・保温板、及びヒータ板が、マイカ
或いは/又はセラミックス素材或いは/又はガラス素材
を用いて形成している。常温〜500℃間での熱膨張係
数は、マイカ材料が11×10 −6、大多数のセラミッ
ク材料が前記の熱膨張係数の範囲内にあり、使用出来
る。その中で特に優れた材料は、マイカ、90〜95%
アルミナ、フォルステライト及びステアタイトであっ
た。特にマイカ板は、積層体を上下から剛直な金属板を
介してネジで締め付けることが可能となり、ガス漏れの
少ない酸素ポンプの構造体が簡単に構築できる。
【0149】一般に固体電解質を用いた酸素ポンプで
は、ヒータ板により固体電解質が駆動できる、即ち、イ
オン伝導が生じる温度まで加熱する必要があり、その温
度は、固体電解質の材料により決定する。一般的に用い
られているイットリウムで安定化したジルコニア系材料
では、その温度が800℃以上である。本発明の酸素ポ
ンプに用いた固体電解質は、従来のジルコニア系材料よ
り低い温度で十分なイオン伝導性を示す材料であり、加
熱温度は300℃〜500℃で十分である。従って、本
発明においてはヒータ板がパターンニングした金属抵抗
箔をマイカ板で挟み込んだ構造で、その外周部にガス給
排路を有し、外周部の別の位置から電力を供給するよう
構成されており、前述の固体電解質構成セルと合わせて
積層して、ヒータ内蔵のコンパクトな酸素ポンプを実現
できる。しかし、本発明はヒータ板の材料としてマイカ
板に制限するものではなく、前述の熱膨張係数の範囲内
の材料で耐熱性絶縁性を有する材料であれば使用するこ
とができる。ただ、特に、優れた材料はマイカ板であっ
た。
【0150】本発明の酸素ポンプにおいては、矩形形状
を有する積層体の4辺或いは、4隅より積層体を貫通し
て金属製の棒状体を介し各固体電解質のアノード電極及
びカソード電極及びヒータ板のヒータ端子部に電力を供
給する構造であるので、非常にコンパクトで信頼性の高
い電力供給構造を実現できる。本発明においては、電力
供給する部分の材料を全て金属材料を用いた構造である
ため、組立が容易で信頼性の高い接続構造を実現でき
る。
【0151】本発明の酸素ポンプにおいては、電気伝導
性材料により形成された棒状体が積層体を貫通して挿入
され、固体電解質に接続された電力供給用の金属板及び
ヒータ部の各々の端子部がナットにより締め付けられて
接続されるため、確実な電気的接続が保証される。ま
た、本発明によれば、棒状体の材質が鉄合金、或いはニ
ッケル合金、或いはコバルト合金、或いはステンレス鋼
で形成されているため、積層体に使われている材料と熱
膨張係数が近く、酸素ポンプ全体の熱的歪みが生じず、
積層部界面からのガス漏れのない酸素ポンプを実現でき
る。特に、使用するビスやナットに金、銀、ニッケル、
或いはアルミニウムを被覆したものを用いることにより
接続部の電気抵抗が増加せず安定した接続が長期にわた
った保証できる。
【0152】本発明の酸素ポンプは、酸素ポンプの最外
層のガス給排口金属板が鉄合金板、ニッケル合金板、コ
バルト合金板、ニッケル−コバルト合金、或いはステン
レス鋼板よりなる剛直な材料で形成されており、ガス給
排口金属板を積層体の最外層の両面に配設して、且つガ
ス給排口金属板の両端部に積層体のガス給排路に連通す
る位置にガス供給口及び排出口が形成されている。この
ように構成された酸素ポンプは、積層体を剛直な金属板
で上下からビスで締め付ける構造であるため、積層部界
面かなガスが洩れることがなく、且つ、ガス給排口金属
板にガスの流入口及び排出口を形成しているので、耐熱
性パイプ等を接続するだけで酸素が濃縮されたガス或い
は減少したガスを容易に取り出すことができる。また、
本発明においては、ガス給排口金属板として使用する材
料がセラミックス材料や固体電解質材料の熱膨張係数に
近似しているので、各材料間で熱的歪みによる内部スト
レスがたまりにくく、積層体の変形が少い信頼性の高い
酸素ポンプを提供できる。
【0153】本発明の酸素ポンプは、固体電解質が、結
晶構造がペロブスカイト型のバリウム・セリウム・ガド
リニウム系酸化物セラミックス材料、或いはバリウム・
セリウム・ガドリニウム・ジルコニウム系酸化物材料、
或いはバリウム・セリウム・ガドリニウム・アルミニウ
ム系酸化物で形成されている。本発明の酸素ポンプに用
いた固体電解質材料は、固体電解質が駆動する温度、即
ちイオン伝導が生じる温度が300℃以上あるので、本
発明における挟着電極板での挟み込み接続方式やマイカ
板等が使用可能となりコンパクトな酸素ポンプが実現可
能となる。
【0154】本発明の酸素ポンプにおいては、固体電解
質電極板の片面或いは両面に、少なくとも1個以上のス
ペーサー或いは補強板を取りつけた構造とすることによ
り、固体電解質電極板の振動或いは衝撃を吸収して破壊
を防止することができる。ここで用いるスペーサーは、
積層したときの固体電解質電極板の両面に接するガス分
離・分配・保温板、或いはヒータ板、或いは他の固体電
解質電極板との間隔を所望の間隔を有するように取り付
けたものである。なお、固体電解質電極板の両面に1個
以上のスペーサーを備えてもよい。また、補強材とは、
固体電解質電極板の片面或いは両面に補強用材料を取り
付けた構造のものである。このように構成された本発明
の酸素ポンプは、固体電解質電極板に振動或いは衝撃が
加わってもスペーサや補強材が固体電解質電極板の振動
を抑えて、固体電解質電極板の破壊を防止することがで
きる。
【0155】
【発明の効果】以上、実施例について詳細に説明したと
ころから明らかなように、本発明は次の効果を有する。
本発明の酸素ポンプにおいては、前述の実施例で説明し
たように固体電解質電極板の両面に形成した電極膜に電
極を接続することにより、従来のペースト材の固着方法
等とは異なり、耐熱耐酸化性を有する金属板のバネ性を
利用して、金属板の先端部が固体電解質電極板の電極膜
を圧接する構造を有している。固体電解質セラミックス
板を用いた酸素ポンプにおいては、高温状態で酸素ポン
プを駆動する構成であるため、酸素ポンプの使用材料に
は熱膨張係数の近いものを選択し、熱歪みによる破壊や
電気的接触不良を防止する必要がある。本発明の酸素ポ
ンプにおいては、その電極接続構造が金属板のバネ性を
用いて電極面を圧接する構成であるため、各部品の材料
間に熱膨張の差が生じていても、各部品間の接触部分に
おけるずれにより熱膨張の差を吸収している。この結
果、本発明の酸素ポンプによれば、各部品における歪み
を緩和することができるため、固体電解質セルの電極膜
部と電力供給部との接続部分において破壊や接触不良な
どが発生することがなく、信頼性の高い電極接続構造を
有する酸素ポンプを提供することができる。
【0156】また、本発明の酸素ポンプにはBa−Ce
−Gd−O系酸化物、或いはBa−Ce−Gd−Zr−
O系酸化物、或いはBa−Ce−Gd−Al−O系酸化
物のセラミックス板を用いているため、酸素ポンプは5
00℃以下の温度で駆動できる。この結果、本発明の酸
素ポンプにおいては実施例において説明した電極接続構
造を用いることが可能となり、信頼性の高い酸素ポンプ
を提供することができる。また、本発明の酸素ポンプに
おいては、固体電解質電極板を挟着電極板により挟着し
て1枚の固体電解質セルを構成し、その固体電解質セル
の上下にガス分離・分配板及びヒータ板の各基板を積層
しているので非常にコンパクトな酸素ポンプを提供する
ことができる。
【0157】さらに、本発明の酸素ポンプにおいては、
固体電解質セル、ガス分離・分配板、及びヒータ板の各
基板の外周部分にガス給排路を形成し、これらのガス給
排路に酸素が濃縮される空気や酸素が減少する空気のそ
れぞれが独立して流れ、固体電解質セルの電極面に供給
される構造である。したがって、本発明の酸素ポンプ
は、従来の酸素ポンプにおいて用いていたガス給排路用
マニホールド部が不要となるため、取付け接合部が少な
くなり、気密構造の構築が容易となる利点がある。
【0158】さらに、本発明の酸素ポンプにおいては、
固体電解質セルの両面の電極膜に挟着電極板を接続する
構造であるため、この挟着電極板と電極膜との接続箇所
以外の挟着電極板の外周部分を電力供給用の部位として
使用することができ、且つ、酸素ポンプの構造が積層構
造であるため、その積層体に対して積層方向に金属棒を
挿入して、この金属棒に挟着電極板を固着することによ
り簡単に電力供給を行うことが可能となり、簡単な構成
でコンパクトな酸素ポンプを提供することができる。
【0159】さらに、本発明の酸素ポンプにおいては、
金属板である挟着電極板の材料としてステンレス鋼やN
i-Mo-Cr-Fe-W合金のハステロイ、Ni(Ni-
Co)-CrFe合金のインコネルやNi(Co)-Fe
-Cr合のインコロイやNi-Co-Fe合金のインバー
等のニッケル合金、コバルト合金、Fe-NiCr合金
やFe-Ni-Co-Cr合金等の鉄系合金を用いてい
る。これにより、本発明における挟着電極板は優れた耐
酸化性を有し熱膨張係数が固体電解質セラミックス板に
近い値を有しているので、本発明においては挟着電極板
と固体電解質セルとの間の接続状態の信頼性が大きく向
上している。特に、挟着電極板の材料としては、ハステ
ロイ、インコネル、インコロイ、インバー等のニッケ
ル、コバルト系合金が有効である。また、本発明におけ
る挟着電極板の表面には白金、ニッケル、銀、金、アル
ミニウム、パラジウム等の耐酸化性のコーティングを施
しているので、接続部の信頼性がさらに向上している。
【0160】さらに、本発明の酸素ポンプにおいては、
実施例において詳細に説明したように固体電解質セルの
端部を挟着電極板により挟着する電極接続構造であり、
複数の基板を積層した積層構造であるため、一つの固体
電解質セルに複数個の固体電解質板を並置し、そのよう
に構成された固体電解質セルを積層することにより、大
容量の酸素ポンプをコンパクトに構成することが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例1の酸素ポンプを示す分解
斜視図である。
【図2】本発明に係る実施例1の酸素ポンプにおける固
体電解質板の斜視図である。
【図3】本発明に係る実施例1の酸素ポンプにおける固
体電解質板の別の構成を示す分解斜視図である。
【図4】図3の固体電解質板の完成状態を示す斜視図で
ある。
【図5】本発明に係る実施例1における挟着電極板の接
合構造を示す分解斜視図である。
【図6】本発明に係る実施例1における固体電解質セル
を示す斜視図である。
【図7】図6の固体電解質セルのVII−VII線による断面
図である。
【図8】本発明に係る実施例1における固体電解質セル
の別の構造を示す分解斜視図である。
【図9】本発明に係る実施例1における固体電解質セル
のさらに別の構造を示す分解斜視図である。
【図10】本発明に係る実施例1におけるガス分離・分
配板を示す斜視図である。
【図11】本発明に係る実施例1におけるヒータ板の構
成を示す分解斜視図である。
【図12】本発明に係る実施例1の酸素ポンプの積層構
造を示す断面図である。
【図13】本発明に係る実施例1の酸素ポンプの組立状
態を示す分解斜視図である。
【図14】本発明に係る実施例1の酸素ポンプの完成状
態を示す斜視図である。
【図15】本発明に係る実施例2の酸素ポンプを示す分
解斜視図である。
【図16】本発明に係る実施例2の酸素ポンプの組立状
態を示す分解斜視図である。
【図17】本発明に係る実施例2の酸素ポンプにおける
積層構造を示す断面図である。
【図18】本発明に係る実施例2の酸素ポンプにおける
別の積層構造を示す断面図である。
【図19】図18に示した酸素ポンプにおいて用いるガ
ス流の切換を行うガス流変更ブロックを示す斜視図であ
る。
【図20】本発明に係る実施例3の酸素ポンプを示す分
解斜視図である。
【図21】本発明に係る実施例3の酸素ポンプにおける
固体電解質セルを示す斜視図である。
【図22】本発明に係る実施例3の酸素ポンプにおける
ガス分離・分配板の斜視図である。
【図23】本発明に係る実施例3の酸素ポンプにおける
ヒータ板を示す斜視図である。
【図24】本発明に係る実施例3の酸素ポンプの組立状
態を示す分解斜視図である。
【図25】本発明に係る実施例3の酸素ポンプの完成状
態を示す斜視図である。
【図26】本発明に係る実施例4の酸素ポンプにおける
固体電解質セルを示す斜視図である。
【図27】本発明に係る実施例4の酸素ポンプにおける
別の固体電解質セルを示す斜視図である。
【図28】従来の酸素ポンプを示す分解斜視図である。
【符号の説明】
10、11、12、13 固体電解質セル 17 ヒータ板 14、15、16 ガス分離・分配板 22、92 固体電解質基板 20、21、92 電極膜 44 ヒータ部 23、24 挟着電極板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D006 GA41 HA42 JA42C MA03 MB03 MC03 PB62 PC71 4K021 AA01 BA01 BC01 BC03 BC05 BC07 CA01 CA03 CA04 CA07 CA08 CA09 CA10 CA12 DB04 DB12 DB18 DB19 DB40 DB53 DC01 EA02 EA03 EA04 EA07

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 異なる電極が表裏に形成された板状の固
    体電解質電極板を有する固体電解質セルと、 前記固体電解質電極板の表裏両側に配置されたガス分離
    ・分配板と、 前記ガス分離・分配板の一方の側に配置され、熱源とな
    るヒータ板と、を積層した少なくとも1つの積層体を有
    し、 前記積層体の外周部分近傍にガスが流通する複数個のガ
    ス給排路が形成されており、前記ガス給排路が互いに連
    通しない2系統形成されていることを特徴とする酸素ポ
    ンプ。
  2. 【請求項2】 2系統のうちの一方のガス給排路が前記
    固体電解質電極板の一方の電極面にガス流を送り、他方
    のガス給排路が前記固体電解質電極板の他方の電極面に
    ガス流を送るよう構成されていることを特徴とする請求
    項1に記載の酸素ポンプ。
  3. 【請求項3】 2系統のガス給排路において、前記固体
    電解質電極板の一方の電極面上のガス流の方向と、前記
    固体電解質電極板の他方の電極面上のガス流の方向が直
    角方向に流れるよう構成されていることを特徴とする請
    求項2に記載の酸素ポンプ。
  4. 【請求項4】 ヒータ板は、金属箔により形成された抵
    抗体パターンをその両側より耐熱性絶縁性部材により挟
    着して構成されており、前記耐熱性絶縁性部材が前記抵
    抗体パターンの一部を露出する少なくとも1個以上の開
    口を有し、前記耐熱性絶縁性部材の外周部分に2系統の
    ガス給排路となる2つ以上の開口を有することを特徴と
    する請求項1乃至3のいずれか一項に記載の酸素ポン
    プ。
  5. 【請求項5】 積層体若しくは前記積層体が複数積層さ
    れた積層構成体の積層方向における両側最外部にガスを
    分流して当該積層体を保温するガス分離・分配・保温板
    と、ガス給排口を有する金属板とがそれぞれ積層されて
    いることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に
    記載の酸素ポンプ。
  6. 【請求項6】 複数の固体電解質セルを有する積層構成
    体において、対向して配置された固体電解質電極板の電
    極が同じ極となるよう構成されていることを特徴とする
    請求項5に記載の酸素ポンプ。
  7. 【請求項7】 異なる電極が表裏に形成された板状の固
    体電解質電極板と、 前記固体電解質電極板の端部を挟み弾性力により圧接し
    て前記電極の表面と電気的に接触して前記電極に電力を
    供給するための挟着電極板と、 前記固体電解質電極板の表裏両側に配置されたガス分離
    ・分配板と、 前記ガス分離・分配板の一方の側に配置され、熱源とな
    るヒータ板と、を積層した少なくとも1つの積層体を有
    し、 前記積層体の外周部分近傍にガスが流通する複数個のガ
    ス給排路が形成されており、前記ガス給排路が互いに連
    通しない2系統形成されていることを特徴とする酸素ポ
    ンプ。
  8. 【請求項8】 固体電解質電極板が矩形状を有し、その
    表裏に配置された異なる電極が膜体で構成され、一方の
    電極膜が前記固体電解質電極板の一方の端部近傍に偏っ
    て配置され、他方の電極膜が前記固体電解質電極板の他
    方の端部近傍に偏って配置されていることを特徴とする
    請求項7に記載の酸素ポンプ。
  9. 【請求項9】 固体電解質電極板と挟着電極板とを有す
    る固体電解質セルにおいて、前記固体電解質電極板の端
    部を挟着して接合された挟着電極板が一方の電極膜或い
    は他方の電極膜と電気的に接触し、当該固体電解質セル
    の周辺部に複数個のガス給排路となる開口がそれぞれ独
    立して形成されていることを特徴とする請求項7又は8
    のいずれか一項に記載の酸素ポンプ。
  10. 【請求項10】 固体電解質電極板の表裏両面に形成さ
    れた電極膜において、表面に形成された電極膜が前記固
    体電解質電極板の一端部近傍に配設され且つ他端部から
    所定距離を有して配設されており、裏面に形成された電
    極膜が前記固体電解質電極板の一端部から所定距離を有
    して配設され且つ他端部近傍に配設されており、前記固
    体電解質電極板の表裏両面に形成された前記電極膜が積
    層方向にずれて配置されていることを特徴とする請求項
    7又は8のいずれか一項に記載の酸素ポンプ。
  11. 【請求項11】 挟着電極板が固体電解質電極板の端部
    の表裏両面を挟む少なくとも2枚の金属薄板により構成
    されており、 前記固体電解質電極板の少なくとも2箇所の端部を挟ん
    だ2組の挟着電極板において、 一方の組の挟着電極板の表面の金属薄板が前記固体電解
    質電極板の表面の電極膜を圧接し、当該一方の組の挟着
    電極板の裏面の金属薄板が前記固体電解質電極板の裏面
    の電極膜に接触することなく前記固体電解質電極板を圧
    接するよう構成されており、 他方の組の挟着電極板の表面の金属薄板が前記固体電解
    質電極板の表面の電極膜に接触することなく前記固体電
    解質電極板を圧接し、当該他方の組の挟着電極板の裏面
    の金属薄板が前記固体電解質電極板の裏面の電極膜を圧
    接するよう構成されていることを特徴とする請求項9乃
    至10のいずれか一項に記載の酸素ポンプ。
  12. 【請求項12】 異なる電極が表裏に形成された複数の
    固体電解質電極板と、 前記固体電解質電極板がその表裏の電極を露出するよう
    配設され、当該電極が表裏両面に形成された導電パター
    ンにそれぞれ接続された固体電解質保持基板 前記固体電解質保持基板の端部を挟み弾性力により圧接
    して前記導電パターンと電気的に接触して前記電極に電
    力を供給するための挟着電極板と、 前記固体電解質保持基板の表裏両側に配置されたガス分
    離・分配板と、 前記ガス分離・分配板の一方の側に配置され、熱源とな
    るヒータ板と、を積層した少なくとも1つの積層体を有
    し、 前記積層体の外周部分近傍にガスが流通する複数個のガ
    ス給排路が形成されており、前記ガス給排路が互いに連
    通しない2系統形成されていることを特徴とする酸素ポ
    ンプ。
  13. 【請求項13】 固体電解質保持基板が複数の開口を有
    する耐熱性絶縁性基板の表裏両面に導電パターンを形成
    して構成され、当該複数の開口を塞ぐように固体電解質
    電極板を配設し、前記導電パターンに前記固体電解質電
    極板の電極を同一面が同一極となるよう接続されている
    ことを特徴とする請求項12に記載の酸素ポンプ。
  14. 【請求項14】 固体電解質保持基板の表裏両面に形成
    された導電パターンにおいて、表面に形成された導電パ
    ターンが前記固体電解質保持基板の一端部近傍に配設さ
    れ且つ他端部から所定距離を有して配設されており、裏
    面に形成された導電パターンが前記固体電解質保持基板
    の一端部から所定距離を有して配設され且つ他端部近傍
    に配設されており、前記固体電解質保持基板の表裏両面
    に形成された前記導体部パターンが積層方向にずれて配
    置されていることを特徴とする請求項12又は13のい
    ずれか一項に記載の酸素ポンプ。
  15. 【請求項15】 挟着電極板が固体電解質保持基板の端
    部の表裏両面を挟む少なくとも2枚の金属薄板より構成
    されており、 前記固体電解質保持基板の少なくとも2箇所の端部を挟
    んだ2組の挟着電極板において、 一方の組の挟着電極板の表面の金属薄板が前記固体電解
    質保持基板の表面の導電パターンを圧接し、当該一方の
    組の挟着電極板の裏面の金属薄板が前記固体電解質保持
    基板の裏面の導電パターンに接触することなく前記固体
    電解質保持基板を圧接するよう構成されており、 他方の組の挟着電極板の表面の金属薄板が前記固体電解
    質保持基板の表面の導電パターンに接触することなく前
    記固体電解質保持基板を圧接し、当該他方の組の挟着電
    極板の裏面の金属薄板が前記固体電解質保持基板の裏面
    の導電パターンを圧接するよう構成されていることを特
    徴とする請求項12乃至14のいずれか一項に記載の酸
    素ポンプ。
  16. 【請求項16】 挟着電極板が、熱膨張係数が4×10
    −6〜20×10 の範囲にある金属材料で形成され
    ていることを特徴とする請求項7乃至17のいずれか一
    項に記載の酸素ポンプ。
  17. 【請求項17】 挟着電極板が、鉄合金板、ニッケル合
    金板、コバルト合金板、ニッケル−コバルト合金、或い
    はステンレス鋼板よりなることを特徴とする請求項7乃
    至16のいずれか一項に記載の酸素ポンプ。
  18. 【請求項18】 挟着電極板の片面或いは両面の全面或
    いは一部分に、金、銀、ニッケル、或いはアルミニウム
    の皮膜が形成されていることを特徴とする請求項7乃至
    17のいずれか一項に記載の酸素ポンプ。
  19. 【請求項19】 固体電解質電極板の複数の一方の電極
    膜に接触するガス流、及び複数の他方の電極膜に接触す
    るガス流が、それぞれの電極膜を並列に流れるよう構成
    されていることを特徴とする請求項1乃至18のいずれ
    か一項に記載の酸素ポンプ。
  20. 【請求項20】 固体電解質電極板の複数の一方の電極
    膜に接触するガス流、及び複数の他方の電極膜に接触す
    るガス流が、それぞれの電極膜を直列に流れるよう構成
    されていることを特徴とする請求項1乃至19のいずれ
    か一項に記載の酸素ポンプ。
  21. 【請求項21】 固体電解質電極板の複数の一方の電極
    膜に接触するガス流、及び複数の他方の電極膜に接触す
    るガス流のどちらか一方がそれぞれの電極膜を並列に流
    れ、他方がそれぞれの電極膜を直列に流れるよう構成さ
    れていることを特徴とする請求項1乃至20のいずれか
    一項に記載の酸素ポンプ。
  22. 【請求項22】 固体電解質電極板の複数の一方の電極
    膜或いは複数の他方の電極膜に接触するガス流の方向を
    切り換えて、それぞれの電極膜を並列又は直列に流れる
    よう切り換える構造を有することを特徴とする請求項1
    乃至21のいずれか一項に記載の酸素ポンプ。
  23. 【請求項23】 固体電解質電極板を有する積層体の積
    層方向に形成されたガス供給路の開口部にガス流変更ブ
    ロックを挿入することにより、ガス流を並列或いは直列
    に変更できる構造を有することを特徴とする請求項22
    に記載の酸素ポンプ。
  24. 【請求項24】 ガス分離・分配板、ガス分離・分配・
    保温板及び、ヒータ板の材料の熱膨張係数が、5×10
    −6〜15×10−6の範囲内にある耐熱性・絶縁性材
    料であることを特徴とする請求項1乃至23のいずれか
    一項に記載の酸素ポンプ。
  25. 【請求項25】 ガス分離・分配板、ガス分離・分配・
    保温板、及びヒータ板が、マイカ、セラミックス素材、
    或いはガラス素材で形成されていることを特徴とする請
    求項1乃至24のいずれか一項に記載の酸素ポンプ。
  26. 【請求項26】 ヒータ板において、ヒータ部が薄板状
    の鉄合金或いはニッケル合金で形成されたパターンがマ
    イカ板で挟み込まれて構成され、前記ヒータ部に複数個
    の開口を有し、前記ヒータ部より外側の部分に複数個の
    ガス給排路が各々独立してそれぞれ形成されており、前
    記ガス給排路以外の外周部からヒータ用の電力が供給さ
    れる構造を有することを特徴とする請求項1又は7のい
    ずれか一項に記載の酸素ポンプ。
  27. 【請求項27】 積層体若しくは前記積層体が複数積み
    重ねられた積層構成体において、固体電解質セル、ガス
    分離・分配板、ヒータ板、及びガス分離・分配・保温板
    の各々の外周部に形成された複数の開孔部を貫通する電
    気伝導性の複数の棒状体が設けられ、当該棒状体によ
    り、一方の電極と他方の電極とヒータ板のヒータ部のそ
    れぞれに電力を供給するよう構成されていることを特徴
    とする請求項1又は7のいずれか一項に記載の酸素ポン
    プ。
  28. 【請求項28】 積層体若しくは前記積層体が複数積み
    重ねられた積層構成体を貫通する前記棒状体が、ねじを
    有するビスよりなり、且つその材質が鉄合金、ニッケル
    合金、コバルト合金、或いはステンレス鋼で形成されて
    おり、前記固体電解質セルの電極に電気的に接続された
    挟着電極板及びヒータ板のヒータ部の端子部が各々締結
    手段で締め付けられるよう構成されていることを特徴と
    する請求項27に記載の酸素ポンプ。
  29. 【請求項29】 積層構成体の最外層に配置される金属
    板が、鉄合金板、ニッケル合金板、コバルト合金板、ニ
    ッケル−コバルト合金、或いはステンレス鋼板よりなる
    剛直な材料で形成されており、前記金属板に前記ガス給
    排路に連通するガス供給口及びガス排出口が形成されて
    おり、前記金属板を前記棒状体で締め付けて固着するよ
    う構成されていることを特徴とする請求項27又は28
    のいずれか一項に記載の酸素ポンプ。
  30. 【請求項30】 固体電解質電極板は、結晶構造がペロ
    ブスカイト型のバリウム・セリウム・ガドリニウム系酸
    化物セラミックス材料、バリウム・セリウム・ガドリニ
    ウム・ジルコニウム系酸化物材料、或いはバリウム・セ
    リウム・ガドリニウム・アルミニウム系酸化物で形成さ
    れていることを特徴とする請求項1、7又は12のいず
    れか一項に記載の酸素ポンプ。
  31. 【請求項31】 固体電解質電極板の片面或いは両面
    に、少なくとも1個以上の緻密質或いは多孔質の耐熱性
    材料により構成されたスペーサ或いは補強板を取りつけ
    た構造を有することを特徴とする請求項1、7又は12
    のいずれか一項に記載の酸素ポンプ。
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