JP2003300380A - インクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット記録方法

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JP2003300380A
JP2003300380A JP2002107031A JP2002107031A JP2003300380A JP 2003300380 A JP2003300380 A JP 2003300380A JP 2002107031 A JP2002107031 A JP 2002107031A JP 2002107031 A JP2002107031 A JP 2002107031A JP 2003300380 A JP2003300380 A JP 2003300380A
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Japan
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ink
dye
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JP2002107031A
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English (en)
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Masanobu Takashima
正伸 高島
Yoshiharu Yabuki
嘉治 矢吹
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐光性、耐オゾン性に優れた画像を形成する
ことができるインクジェット記録方法を提供する。 【解決手段】 支持体上に、少なくとも1種の1級、2
級、3級アミノ基のいずれか有するカチオン性ポリマー
を含む色材受容層を有するインクジェット記録用シート
上に、少なくとも1種のイエロー染料を含有するイエロ
ーインク、少なくとも1種のマゼンタ染料を含有するマ
ゼンタインク、及び少なくとも1種のシアン染料を含有
するシアンインクを最小の構成要素とするインクセット
であって、該マゼンタ染料および該シアン染料の酸化電
位がそれぞれ0.8V(vs SCE)よりも貴であるイ
ンクジェット記録用インクセットを用いて画像形成する
ことを特徴とするインクジェット記録方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、本発明は、画像堅
牢性に優れ、しかも画像濃度が高く、優れた光沢を示す
インクジェット記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、画像記録材料としては、特にカラ
ー画像を形成するための材料が主流であり、具体的に
は、インクジェット方式記録材料、感熱転写型画像記録
材料、電子写真方式を用いる記録材料、転写式ハロゲン
化銀感光材料、印刷インク、記録ペン等が盛んに利用さ
れている。これらのカラー画像記録材料では、フルカラ
ー画像を再現あるいは記録する為に、いわゆる減法混色
法の3原色の色素(染料や顔料)が使用されているが、
好ましい色再現域を実現出来る吸収特性を有し、且つさ
まざまな使用条件に耐えうる堅牢な色素がないのが実状
であり、改善が強く望まれている。インクジェット記録
方法は、材料費が安価であること、高速記録が可能なこ
と、記録時の騒音が少ないこと、更にカラー記録が容易
であることから、急速に普及し、更に発展しつつある。
【0003】インクジェット記録方法には、連続的に液
滴を飛翔させるコンティニュアス方式と画像情報信号に
応じて液滴を飛翔させるオンデマンド方式が有り、その
吐出方式にはピエゾ素子により圧力を加えて液滴を吐出
させる方式、熱によりインク中に気泡を発生させて液滴
を吐出させる方式、超音波を用いた方式、あるいは静電
力により液滴を吸引吐出させる方式がある。また、イン
クジェット記録用インクとしては、水性インク、油性イ
ンク、あるいは固体(溶融型)インクが用いられる。
【0004】このようなインクジェット記録用インクに
用いられる着色剤に対しては、溶剤に対する溶解性ある
いは分散性が良好なこと、高濃度記録が可能であるこ
と、色相が良好であること、光、熱、環境中の活性ガス
(NOx、オゾン等の酸化性ガスの他SOxなど)に対
して堅牢であること、水や薬品に対する堅牢性に優れて
いること、受像材料に対して定着性が良く滲みにくいこ
と、インクとしての保存性に優れていること、毒性がな
いこと、純度が高いこと、更には、安価に入手できるこ
とが要求されている。しかしながら、これらの要求を高
いレベルで満たす着色剤を捜し求めることは、極めて難
しい。特に、良好な3原色の色相を有し、光、湿度、熱
に対して堅牢であること、中でも多孔質の白色無機顔料
粒子を含有するインク受容層を有する受像材料上に印字
する際に環境中のオゾンなどの酸化性ガスに対して堅牢
であることが着色剤に強く望まれている。
【0005】従来よりマゼンタ染料としては、カップリ
ング成分としてフェノール、ナフトール、アニリン等を
用いたアゾ染料が広く使用されてきている。色相の良好
なアゾ染料として、特開平11−209673号、特登
第3020660号等に開示された染料が知られている
が、光堅牢性が劣るという問題点を有する。これを改良
するものとして最近良好な色相を有し光堅牢性を向上さ
せた染料が特願2000−220649に開示されてい
る。しかしこれらの特許で知られている染料は、何れも
オゾンなどの酸化性ガスに対する堅牢性は極めて不十分
である。
【0006】また、シアン染料としては、フタロシアニ
ン染料やトリフェニルメタン染料が代表的である。最も
広範囲に利用されているフタロシアニン系染料は、C.I.
Direct Blue 86、同87、同 199に代表され、
これらはマゼンタやイエロー染料に比べ耐光性に優れる
という特徴があるものの、昨今環境問題として取りあげ
られることの多い酸化窒素ガスやオゾン等の酸化性ガス
による変色や褪色が著しい。これまで、耐オゾンガス性
を付与したフタロシアニン系染料としては、特開平3−
103484号、特開平4−39365号、特開200
0−303009号等が開示されているが、いずれも酸
化性ガス堅牢性の改良効果は甚だ不十分であり,更なる
改良が望まれていた。一方、 Acid Blue9に代表される
トリフェニルメタン系染料は、色相は良好であるが、耐
光性、耐オゾンガス性が著しく劣る。
【0007】イエロー染料としては、 Direct Y
ellow 86、 同120 に代表されるようなアゾベ
ンゼン系染料、あるいはAcid Yellow 17のようなピ
ラゾロンアゾ染料、ピリドンアゾ染料などの複素環アゾ
染料が用いられてきた。また、キノフタロン系染料もし
ばしば提案されている。しかしながら、これらの従来よ
り知られている染料では、キノフタロン染料のように色
相,特に吸収スペクトルの長波側の裾切れが良好である
ものはオゾンや光に対して堅牢でないことが多く、アゾ
ベンゼン系は堅牢ではあるが、長波側のすそ切れが悪い
など、色相と堅牢性を兼備した染料がないというのが現
状であった。
【0008】色再現性に優れ且つ堅牢なフルカラー画像
を得るためには、画像を構成する染料に以下の要件が求
められる。 3原色の各染料が優れた吸収特性をもつこと 広い色再現域を実現する3原色の染料の最適な組み合わ
せ 3原色の各染料が高い堅牢性を有すること 染料の相互作用による堅牢性の悪化が生じないこと 3原色の染料の堅牢性のバランスが取れていること しかしながら、堅牢性、特に昨今インクジェット印刷で
大きな問題となっているオゾンなどの酸化性ガスに対す
る堅牢性については、どのような構造或いは物性がオゾ
ン堅牢性に対して有効に働くのかといった染料の性質に
関する報告例はまったく無いため、染料の選択の為の指
針が得られないのが現状である。さらには、光に対する
堅牢性も兼ね備えているものを選択するとなると、さら
に困難を極める。また、染料は組み合わせる媒染剤の種
類により、過度の凝集等好ましくない画像濃度低下を起
こすことがある。高堅牢性であり、さらに画像濃度が高
く優れた光沢を示すインクジェット記録方法が望まれ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける問題点を解決し、以下の目的を達成することを課
題とする。即ち、本発明は、オゾンガスに対する堅牢性
に優れ、かつ画像濃度が高い着色画像及び優れた光沢を
与えることができるインクジェット記録方法を提供する
ことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、オゾンガ
スに対する堅牢性に優れ、かつ画像が高い着色画像及び
優れた光沢を与えることができるインクジェット記録方
法を検討したところ、少なくとも1級、2級、3級アミ
ノ基のいずれかを含有するカチオン性ポリマーを含む色
材受容層を有するインクジェット記録用シートと、従来
知られていない特定の酸化電位を有する染料からなるイ
ンクセットとの組み合わせにより、上記課題を解決でき
ることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわ
ち、3原色の染料がこのような電位特性を満たしている
とき、各染料のオゾンに対する反応性が大きく抑制され
るばかりか光堅牢性も向上し、異なる色の染料同志の相
互作用も無く混色した部分の褪色にも問題が生じないこ
とが判った。これとは逆に、特にマゼンタ染料、あるい
はシアン染料としてこれらの電位の条件を満たしていな
いものを用いると、画像全体のバランスが大きく崩れ、
フルカラー画像としての品質が大きく劣化することが判
った。また、色再現性を高める為に昨今用いられている
濃度の異なるインクを用いた場合でも、淡色インクの光
堅牢性にも問題が生じないことがわかった。さらには、
染料自体の安定性が向上したことで、インクの酸化安定
性も向上し、商品としての保証期間を延長できることも
わかった。すなわち、本発明は、支持体上に、少なくと
も1種の1級、2級、3級アミノ基のいずれか有するカ
チオン性ポリマーを含む色材受容層を有するインクジェ
ット記録用シート上に、少なくとも1種のイエロー染料
を含有するイエローインク、少なくとも1種のマゼンタ
染料を含有するマゼンタインク、及び少なくとも1種の
シアン染料を含有するシアンインクを最小の構成要素と
するインクセットであって、該マゼンタ染料および該シ
アン染料の酸化電位がそれぞれ0.8V(vs SCE)
よりも貴であるインクジェット記録用インクセットを用
いて画像形成することを特徴とするインクジェット記録
方法である。前記カチオン性ポリマーは、少なくとも1
種の1級アミンを有するカチオン性ポリマーであること
が好ましい。また、前記カチオン性ポリマーが、ポリア
リルアミン、ポリビニルアミンおよびそれらの誘導体の
少なくとも1種であることが好ましい。さらに、前記色
材受容層が、少なくとも微粒子及び水溶性樹脂を含有す
る塗布液を塗布した塗布層を架橋硬化させた層であり、
前記架橋硬化が、前記塗布液及び/又は下記塩基性溶液
に架橋剤を添加し、かつ、(1)前記塗布液を塗布して
塗布層を形成すると同時、又は(2)前記塗布液を塗布
して形成される塗布層の乾燥途中であって該塗布層が減
率乾燥を示す前のいずれかのときに、pH8以上の塩基
性溶液を前記塗布層に付与することにより行われること
が好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】<インクジェット記録用インク>
−染料− 本発明では酸化電位が0.8V(vs SCE)よりも
貴であるマゼンタ染料およびシアン染料が用いられる。
酸化電位は貴であるほど好ましく、酸化電位が1.0V
(vs SCE)よりも貴であるものがより好ましく、
1.1V(vsSCE)よりも貴であるものがさらに好
ましく、1.15V(vs SCE)より貴であるもの
がさらに好ましく、1.2V(vs SCE)より貴で
あるものが最も好ましい。
【0012】酸化電位の値は、試料から電極への電子の
移りやすさを表わし、その値が大きい(酸化電位が貴で
ある)ほど試料から電極への電子の移りにくい、言い換
えれば、酸化されにくいことを表わす。化合物の構造と
の関連では、電子求引性基を導入することにより酸化電
位はより貴となり、電子供与性基を導入することにより
酸化電位はより卑となる。
【0013】酸化電位の値は、下記に詳述するが、化合
物がボルタンメトリーにおいて陽極で、化合物の電子が
引き抜かれる電位を意味し、その化合物の基底状態にお
けるHOMOのエネルギーレベルと近似的に一致すると
考えられている。
【0014】発明者らは着色画像のオゾン堅牢性につい
て研究したところ、着色画像に用いる化合物の酸化電位
とオゾン堅牢性との間に相関があり、酸化電位の値が飽
和カロメル電極(SCE)に対してより貴である化合物
を用いることにより、オゾン堅牢性が改良されることが
わかった。
【0015】着色画像のオゾン堅牢性が改良される理由
としては、化合物とオゾンガスのHOMO(最高被占軌
道)およびLUMO(最低空軌道)の関係によって説明
できる。すなわち、着色剤のHOMOとオゾンガスのL
UMOとの反応により着色剤が酸化されて、その結果着
色画像のオゾン堅牢性が低下していると考えられるた
め、オゾン堅牢性を向上させるには、着色剤のHOMO
を下げてオゾンガスとの反応性を低下させればよい。
【0016】酸化電位の値(Eox)は当業者が容易に
測定することができる。この方法に関しては、例えば
P.Delahay著“New Instrument
alMethods in Electrochemi
stry”(1954年 Interscience
Publishers)やA.J.Bard他著“El
ectrochemical Methods”(19
80年 John Wiley & Sons)、藤嶋
昭他著“電気化学測定法”(1984年 技報堂出版
社)に記載されている。
【0017】酸化電位の測定について具体的に説明す
る。酸化電位は、過塩素酸ナトリウムや過塩素酸テトラ
プロピルアンモニウムといった支持電解質を含むジメチ
ルホルムアミドやアセトニトリルのような溶媒中に、被
験試料を1×10-4〜1×10 -6mol・dm-3溶解し
て、サイクリックボルタンメトリーや直流ポーラログラ
フィーを用いてSCE(飽和カロメル電極)に対する値
として測定する。また、用いる支持電解質や溶媒は、被
験試料の酸化電位や溶解性により適当なものを選ぶこと
ができる。用いることができる支持電解質や溶媒につい
ては藤嶋昭他著“電気化学測定法”(1984年 技報
堂出版社刊)101〜118ページに記載がある。
【0018】酸化電位の値は、液間電位差や試料溶液の
液抵抗などの影響で、数10ミルボルト程度偏位するこ
とがあるが、標準試料(例えばハイドロキノン)を用い
て校正することにより、測定された電位の値の再現性を
保証することができる。
【0019】本発明における酸化電位は、0.1mol
・dm-3の過塩素酸テトラプロピルアンモニウムを支持
電解質として含むN,N−ジメチルホルムアミド中(化
合物の濃度は1×10-3mol・dm-3)で、参照電極
としてSCE(飽和カロメル電極)、作用極としてグラ
ファイト電極、対極として白金電極を使用し、直流ポー
ラログラフィーにより測定した値を使用する。
【0020】本発明に使用する染料は、上記の酸化電位
を満足するものであればどのような構造のものでも使用
できる。特にイエロー染料はもともと酸化電位が貴(H
OMOが低い)ため、構造上の制約が少ない。以下に上
記酸化電位を満足するために必要な染料の構造について
詳述する。本発明では、求電子剤であるオゾンとの反応
性を下げるために、染料骨格に電子求引性基を導入して
酸化電位をより貴とすることが望ましい。従って、置換
基の電子求引性や電子供与性の尺度であるハメットの置
換基定数σp値を用いて説明すると、ニトロ基、シアノ
基、スルフィニル基、スルホニル基、スルファモイル基
のようにσp値が大きい置換基を導入することにより酸
化電位をより貴とすることができると言える。
【0021】ハメットの置換基定数σp値について若干
説明する。ハメット則は、ベンゼン誘導体の反応又は平
衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるために193
5年L.P.Hammettにより提唱された経験則で
あるが、これは今日広く妥当性が認められている。ハメ
ット則に求められた置換基定数にはσp値とσm値があ
り、これらの値は多くの一般的な成書に見出すことがで
きるが、例えば、J.A.Dean編、「Lange’
s Handbook of Chemistry」第
12版、1979年(Mc Graw−Hill)や
「化学の領域」増刊、122号、96〜103頁、19
79年(南光堂)に詳しい。
【0022】上記置換基の他、一般に電子陰性度の高い
原子を発色団の構成原子として多く含むほど酸化電位を
貴とすることが出来る。したがって、例えば発色団の構
成要素として、アリール基よりも不飽和ヘテロ環を用い
たほうが酸化電位を貴とすることができる。電子陰性度
の高いヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子、硫黄
原子を挙げる事ができ、特に窒素原子が好ましい。
【0023】従って、本発明で用いる染料は発色団がヘ
テロ原子で構成されているもの、不飽和ヘテロ環を含む
もの、電子吸引性基を含むものが好ましい。ヘテロ原子
で構成されている好ましい発色団としては、アゾ染料、
アゾメチン染料、フタロシアニン染料等を挙げる事が出
来るが、特にアゾ染料が好ましい。不飽和ヘテロ環とし
ては、5または6員の不飽和ヘテロ環が好ましく、チオ
フェン環、フラン環、ピロール環、チアゾール環、オキ
サゾール環、イミダゾール環、イソチアゾール環、イソ
オキサゾール環、ピラゾール環、チアジアゾール環、オ
キサジアゾール環、トリアゾール環、ピリジン環、ピリ
ダジン環、ピリミジン環、ピラジン環などを例として挙
げられる。不飽和ヘテロ環は、炭化水素環またはヘテロ
環との縮合環を形成しても良い。含窒素ヘテロ環の場合
には、窒素原子は4級化されていてもよい。また、互変
異性となり得るヘテロ環については、互変異性体の1つ
のみを記載している場合でも、他の互変異性体も合わせ
て含まれる。上記のうち好ましいものはチアゾール環、
イソチアゾール環、ピラゾール環、チアジアゾール環、
ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環である。最も好
ましくは、イソチアゾール環、ピラゾール環、1,2,
4−チアジアゾール環、1,3,4−チアジアゾール
環、ピリジン環である。
【0024】好ましい電子吸引性の置換基としては、ハ
メットのσp値が0.40以上の置換基が好ましく、さ
らに0.45以上の置換基が好ましく、0.50以上の
置換基が最も好ましい。また、発色団上の置換基として
複数の電子吸引性基が存在する場合には、置換基のσp
値の総和が0.50以上のものが好ましく、0.60以
上が更に好ましく、0.70以上が最も好ましい。σp
が0.40以上の電子吸引性基の具体例については、前
述の、J.A.Dean編、「Lange’sHand
book of Chemistry」第12版、19
79年(McGraw−Hill)や「化学の領域」増
刊、122号、96〜103頁、1979年(南光堂)
のものを挙げる事が出来る。
【0025】本発明の好ましい染料は、下記一般式
(I)で表されるものの組み合わせである。 (Ch)−(EWG)n 一般式(I) 一般式(I)において、Chは不飽和ヘテロ環を含む発
色団を表し、EWGは後述するσp値が0.40以上の
電子吸引性の置換基をあらわす。nは1から8までの整
数である。Chとしては不飽和ヘテロ環を発色団に有す
るアゾ染料、フタロシアニン染料、アゾメチン染料、キ
ノン系染料(アントラキノン染料、アントラピリドン染
料等)、カルボニウム染料(トリフェニルメタン染料、
キサンテン染料、アクリジン染料等)、及びアジン系染
料(オキサジン、チアジン等)の各発色団が挙げられ
る。好ましいものは不飽和ヘテロ環を発色団に有するア
ゾ染料、フタロシアニン染料、アゾメチン染料、及びア
ントラピリドン染料であり、最も好ましいものは、不飽
和ヘテロ環を発色団に有するアゾ染料、フタロシアニン
染料である。
【0026】マゼンタおよびイエロー染料として用いる
ことのできる好ましいアゾ染料は下記一般式(II)で表
されるものである。 Het(A)−N=N−Het(B) 一般式(II) 一般式(II)において、Het(A)およびHet
(B)は5または6員不飽和ヘテロ環を表わす。Het
(A)およびHet(B)で表わされる不飽和ヘテロ環
の例としては、チオフェン環、フラン環、ピロール環、
チアゾール環、オキサゾール環、イミダゾール環、イソ
チアゾール環、イソオキサゾール環、ピラゾール環、チ
アジアゾール環、オキサジアゾール環、トリアゾール
環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジ
ン環などが挙げられる。これらの不飽和ヘテロ環はさら
に置換基を有している。不飽和ヘテロ環上の置換基同士
が結合することで、炭化水素環または不飽和ヘテロ環と
の縮合環を形成しても良く、さらに縮合環上に置換基を
有しても良い。含窒素不飽和ヘテロ環の場合には、窒素
原子は4級化されていてもよい。また、互変異性となり
得る不飽和ヘテロ環については、互変異性体の1つのみ
を記載している場合でも、他の互変異性体も合わせて含
まれる。染料が水溶性染料である場合には、置換基とし
てさらにイオン性親水性基を有することが好ましい。置
換基としてのイオン性親水性基には、スルホ基、カルボ
キシル基、ホスホノ基および4級アンモニウム基等が含
まれる。
【0027】Het(A)およびHet(B)で表わさ
れるヘテロ環として好ましくは、チアゾール環、イソチ
アゾール環、ピラゾール環、チアジアゾール環、ピリジ
ン環、ピラジン環である。さらに好ましくは、イソチア
ゾール環、ピラゾール環、チアジアゾール環、ピリジン
環である。最も好ましくはピラゾール環、1,2,4−
チアジアゾール環、ピリジン環である。
【0028】Het(A)およびHet(B)は置換基
を有していてもよい。置換基としては、ハロゲン原子、
アルキル基(シクロアルキル基を含む)、アルケニル基
(シクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリー
ル基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ
基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ
基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ
基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキ
シ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基(ア
ニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニル
アミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオ
キシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、ア
ルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト
基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ
基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル及びアリー
ルスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル
基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキ
シカルボニル基、カルバモイル基、アリール及びヘテロ
環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスホノ基、ホス
フィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミ
ノ基、シリル基が例として挙げられる。中でもハロゲン
原子、ヘテロ環基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル
基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキ
シカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキ
シ、スルファモイル基、スルホ基、アルキル及びアリー
ルスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル
基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキ
シカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、ホスホリ
ル基、ホスホノ基、ホスフィノイル基、ホスホニル基、
ホスフィノイルオキシ基、ホスフィノイルアミノ基のよ
うな置換基を上げることができるが、なかでも電子吸引
性基が好ましく、特にσpが0.40以上の置換基が好
ましい。σpが0.40以上の置換基としては、シアノ
基、ニトロ基、カルボキシル基、、スルファモイル基、
アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びア
リールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボ
ニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イ
ミド基、ホスホノ基、ホスホリル基他、電子吸引性基で
置換されたアルキル基(トリハロメチル基、パーフルオ
ロアルキル基、ジシアノメチル基、イミノメチル基
等)、電子吸引性基で置換されたアルケニル基(トリシ
アノビニル基など)、4級塩置換基(スルホニウム基、
アンモニウム基、ホスホニウム基)も挙げる事ができ
る。上記の官能基の中で、水素原子を有するものは、こ
れを取り去り更に上記の基で置換されていても良い。そ
のような置換基の例としては、アルキルカルボニルアミ
ノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル
基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリール
スルホニルアミノカルボニル基などが挙げられる。また
ヘテロ環上の置換基同士が結合することで、ヘテロ環と
縮合環を形成しても良く、さらに縮合環上に置換基を有
しても良い。
【0029】好ましいマゼンタ染料としては、一般式
(M−I)で表されるものである。
【化1】
【0030】一般式(M−I)中、Aは5員複素環ジア
ゾ成分A−NH2の残基を表す。B1およびB2は各々−
CR1=および−CR2=を表すか、またはいずれか一方
が窒素原子、他方が−CR1=もしくは−CR2=を表
す。R5およびR6は各々独立に水素原子、脂肪族基、芳
香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル
基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、ア
ルキルもしくはアリールスルホニル基、またはスルファ
モイル基を表し、各基は更に置換基を有していても良
い。
【0031】G、R1およびR2は各々独立に、水素原
子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シ
アノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ
カルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オ
キシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキ
シ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、シリルオキ
シ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコ
キシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオ
キシ基、アミノ基(複素環アミノ基、アニリノ基を含
む)、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルア
ミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキ
シカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスル
ホニルアミノ基、複素環スルホニルアミノ基、ニトロ
基、アルキルもしくはアリールチオ基、アルキルもしく
はアリールスルホニル基、複素環スルホニル基、アルキ
ルもしくはアリールスルフィニル基、複素環スルフィニ
ル基、スルファモイル基、スルホ基、または複素環チオ
基を表し、各基は更に置換されていても良い。R1
5、またはR5とR6が結合して5または6員環を形成
しても良い。
【0032】一般式(M−I)において、 Aは5員複
素環ジアゾ成分A−NH2の残基を表す。複素環のヘテ
ロ原子の例には、N、O、及びSを挙げることができ
る。好ましくは含窒素5員複素環であり、複素環に脂肪
族環、芳香族環又は他の複素環が縮合していてもよい。
Aの好ましい複素環の例には、ピラゾール環、イミダゾ
ール環、チアゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾ
ール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、
ベンゾイソチアゾール環を挙げる事ができる。各複素環
基は更に置換基を有していても良い。中でも下記一般式
(a)から(f)で表されるピラゾール環、イミダゾー
ル環、イソチアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾチ
アゾール環が好ましい。
【0033】
【化2】
【0034】上記一般式(a)から(f)において、R
7からR20はG、R1、R2で説明した置換基と同じ置換
基を表す。一般式(a)から(f)のうち、好ましいの
は一般式(a)、(b)で表されるピラゾール環、イソ
チアゾール環であり、最も好ましいのは一般式(a)で
表されるピラゾール環である。
【0035】一般式(M−I)において、B1およびB2
は各々−CR1=および−CR2=を表すか、あるいはい
ずれか一方が窒素原子,他方が−CR1=又は−CR2
を表すが、各々−CR1=、−CR2=を表すものがより
好ましい。
【0036】R5、R6は各々独立に水素原子、脂肪族
基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボ
ニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル
基、アルキル又はアリールスルホニル基、スルファモイ
ル基を表わし、各基は更に置換基を有していても良い。
5、R6で表される好ましい置換基は、水素原子、脂
肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルキル又は
アリールスルホニル基を挙げる事ができる。 さらに好
ましくは水素原子、芳香族基、複素環基、アシル基、ア
ルキル又はアリールスルホニル基である。最も好ましく
は、水素原子、アリール基、複素環基である。各基は更
に置換基を有していても良い。 ただしR5、R6が同時
に水素原子であることはない。
【0037】G、R1、およびR2は各々独立して、水素
原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、
シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキ
シカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環
オキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコ
キシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、シリルオ
キシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アル
コキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニル
オキシ基、アミノ基(アニリノ基、複素環アミノ基を含
む)、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルア
ミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキ
シカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスル
ホニルアミノ基、複素環スルホニルアミノ基、ニトロ
基、アルキル及びアリールチオ基、複素環チオ基、アル
キル及びアリールスルホニル基、複素環スルホニル基、
アルキル及びアリールスルフィニル基、複素環スルフィ
ニル基、スルファモイル基、又はスルホ基を表し、各基
は更に置換されていても良い。
【0038】Gで表される置換基としては水素原子、ハ
ロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、ヒドロキシ基、アル
コキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、複素環
オキシ基、アミノ基(アニリノ基、複素環アミノ基を含
む)、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルア
ミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキ
シカルボニルアミノ基、アルキル及びアリールチオ基、
又は複素環チオ基が好ましく、更に好ましくは水素原
子、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコ
キシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アミノ基
(アニリノ基、複素環アミノ基を含む)又はアシルアミ
ノ基であり、中でも水素原子、アニリノ基、アシルアミ
ノ基が最も好ましい。各基は更に置換基を有していても
良い。
【0039】R1、R2で表される好ましい置換基は、水
素原子、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシカルボ
ニル基、カルボキシル基、カルバモイル基、ヒドロキシ
基、アルコキシ基、シアノ基を挙げる事ができる。各基
は更に置換基を有していても良い。R1とR5、またはR
5とR6が結合して5または6員環を形成しても良い。
【0040】A、R1、R2、R5、R6、Gで表される各
置換基が更に置換基を有する場合の置換基としては、上
記G、R1、R2で挙げた置換基を挙げる事ができる。
【0041】本発明の染料が水溶性染料である場合に
は、A、R1、R2、R5、R6、G上のいずれかの位置に
置換基としてさらにイオン性親水性基を有することが好
ましい。置換基としてのイオン性親水性基には、スルホ
基、カルボキシル基、ホスホノ基及び4級アンモニウム
基等が含まれる。前記イオン性親水性基としては、カル
ボキシル基、ホスホノ基、及びスルホ基が好ましく、特
にカルボキシル基、スルホ基が好ましい。カルボキシル
基、ホスホノ基及びスルホ基は塩の状態であってもよ
く、塩を形成する対イオンの例には、アンモニウムイオ
ン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリ
ウムイオン、カリウムイオン)及び有機カチオン(例、
テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニ
ジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれ
る。
【0042】本明細書において、脂肪族基はアルキル
基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル
基、アルキニル基、置換アルキニル基、アラルキル基及
び置換アラルキル基を意味する。脂肪族基は分岐を有し
ていてもよく、また環を形成していてもよい。脂肪族基
の炭素原子数は1〜20であることが好ましく、1〜1
6であることがさらに好ましい。アラルキル基及び置換
アラルキル基のアリール部分はフェニル又はナフチルで
あることが好ましく、フェニルが特に好ましい。脂肪族
基の例には、メチル、エチル、ブチル、イソプロピル、
t−ブチル、ヒドロキシエチル、メトキシエチル、シア
ノエチル、トリフルオロメチル、3−スルホプロピル、
4−スルホブチル、シクロヘキシル基、ベンジル基、2
−フェネチル基、ビニル基、及びアリル基をあげる事が
できる。
【0043】本明細書において、芳香族基はアリール基
及び置換アリール基を意味する。アリール基は、フェニ
ル又はナフチルであることが好ましく、フェニルが特に
好ましい。芳香族基の炭素原子数は6〜20であること
が好ましく、6から16がさらに好ましい。芳香族基の
例には、フェニル、p−トリル、p−メトキシフェニ
ル、o−クロロフェニル及びm−(3−スルホプロピル
アミノ)フェニルが含まれる。
【0044】複素環基には、置換基を有する複素環基及
び無置換の複素環基が含まれる。複素環に脂肪族環、芳
香族環又は他の複素環が縮合していてもよい。前記複素
環基は5員又は6員環の複素環基が好ましい。前記置換
基の例には、脂肪族基、ハロゲン原子、アルキル及びア
リールスルホニル基、アシル基、アシルアミノ基、スル
ファモイル基、カルバモイル基、イオン性親水性基など
が含まれる。前記複素環基の例には、2−ピリジル基、
2−チエニル基、2−チアゾリル基、2−ベンゾチアゾ
リル基、2−ベンゾオキサゾリル基及び2−フリル基が
含まれる。
【0045】アルキル及びアリールスルホニル基には、
置換基を有するアルキル及びアリールスルホニル基、無
置換のアルキル及びアリールスルホニル基が含まれる。
アルキル及びアリールスルホニル基の例としては、それ
ぞれメチルスルホニル基及びフェニルスルホニル基をあ
げる事ができる。
【0046】アルキル及びアリールスルフィニル基に
は、置換基を有するアルキル及びアリールスルフィニル
基、無置換のアルキル及びアリールスルフィニル基が含
まれる。アルキル及びアリールスルフィニル基の例とし
ては、それぞれメチルスルフィニル基及びフェニルスル
フィニル基をあげる事ができる。
【0047】アシル基には、置換基を有するアシル基及
び無置換のアシル基が含まれる。前記アシル基として
は、炭素原子数が1〜20のアシル基が好ましい。前記
置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記ア
シル基の例には、アセチル基及びベンゾイル基が含まれ
る。
【0048】ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素
原子及び臭素原子が挙げられる。
【0049】アミノ基には、アルキル基、アリール基又
は複素環基で置換されたアミノ基が含まれ、アルキル
基、アリール基及び複素環基はさらに置換基を有してい
てもよい。アルキルアミノ基としては、炭素原子数1〜
20のアルキルアミノ基が好ましい。前記置換基の例に
は、イオン性親水性基が含まれる。前記アルキルアミノ
基の例には、メチルアミノ基及びジエチルアミノ基が含
まれる。
【0050】アリールアミノ基には、置換基を有するア
リールアミノ基及び無置換のアリールアミノ基が含まれ
る。前記アリールアミノ基としては、炭素原子数が6〜
20のアリールアミノ基が好ましい。前記置換基の例と
しては、ハロゲン原子、及びイオン性親水性基が含まれ
る。前記アリールアミノ基の例としては、フェニルアミ
ノ基及び2−クロロフェニルアミノ基が含まれる。
【0051】複素環アミノ基には、置換基を有する複素
環アミノ基及び無置換の複素環アミノ基が含まれる。前
記複素環アミノ基としては、炭素数2〜20個の複素環
アミノ基が好ましい。前記置換基の例としては、アルキ
ル基、ハロゲン原子、及びイオン性親水性基が含まれ
る。
【0052】アルコキシ基には、置換基を有するアルコ
キシ基及び無置換のアルコキシ基が含まれる。前記アル
コキシ基としては、炭素原子数が1〜20のアルコキシ
基が好ましい。前記置換基の例には、アルコキシ基、ヒ
ドロキシル基、及びイオン性親水性基が含まれる。前記
アルコキシ基の例には、メトキシ基、エトキシ基、イソ
プロポキシ基、メトキシエトキシ基、ヒドロキシエトキ
シ基及び3−カルボキシプロポキシ基が含まれる。
【0053】アリールオキシ基には、置換基を有するア
リールオキシ基及び無置換のアリールオキシ基が含まれ
る。前記アリールオキシ基としては、炭素原子数が6〜
20のアリールオキシ基が好ましい。前記置換基の例に
は、アルコキシ基、及びイオン性親水性基が含まれる。
前記アリールオキシ基の例には、フェノキシ基、p−メ
トキシフェノキシ基及びo−メトキシフェノキシ基が含
まれる。
【0054】シリルオキシ基としては、炭素原子数が1
〜20の脂肪族基、芳香族基が置換したシリルオキシ基
が好ましい。前記シリルオキシ基の例には、トリメチル
シリルオキシ、ジフェニルメチルシリルオキシが含まれ
る。
【0055】複素環オキシ基には、置換基を有する複素
環オキシ基及び無置換の複素環オキシ基が含まれる。前
記複素環オキシ基としては、炭素原子数が2〜20の複
素環オキシ基が好ましい。前記置換基の例には、アルキ
ル基、アルコキシ基、及びイオン性親水性基が含まれ
る。前記複素環オキシ基の例には、3−ピリジルオキシ
基、3−チエニルオキシ基が含まれる。
【0056】アルコキシカルボニルオキシ基には、置換
基を有するアルコキシカルボニルオキシ基及び無置換の
アルコキシカルボニルオキシ基が含まれる。前記アルコ
キシカルボニルオキシ基としては、炭素原子数が2〜2
0のアルコキシカルボニルオキシ基が好ましい。前記ア
ルコキシカルボニルオキシ基の例には、メトキシカルボ
ニルオキシ基、イソプロポキシカルボニルオキシ基が含
まれる。
【0057】アリールオキシカルボニルオキシ基には、
置換基を有するアリールオキシカルボニルオキシ基及び
無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基が含まれ
る。前記アリールオキシカルボニルオキシ基としては、
炭素原子数が7〜20のアリールオキシカルボニルオキ
シ基が好ましい。前記アリールオキシカルボニルオキシ
基の例には、フェノキシカルボニルオキシ基が含まれ
る。
【0058】アシルアミノ基には、置換基を有するアシ
ルアミノ基及び無置換基のアシルアミノ基が含まれる。
前記アシルアミノ基としては、炭素原子数が2〜20の
アシルアミノ基が好ましい。前記置換基の例には、イオ
ン性親水性基が含まれる。前記アシルアミノ基の例に
は、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、ベンゾ
イルアミノ基、N-フェニルアセチルアミノ及び3,5−
ジスルホベンゾイルアミノ基が含まれる。
【0059】ウレイド基には、置換基を有するウレイド
基及び無置換のウレイド基が含まれる。前記ウレイド基
としては、炭素原子数が1〜20のウレイド基が好まし
い。前記置換基の例には、アルキル基及びアリール基が
含まれる。前記ウレイド基の例には、3−メチルウレイ
ド基、3,3−ジメチルウレイド基及び3−フェニルウ
レイド基が含まれる。
【0060】スルファモイルアミノ基には、置換基を有
するスルファモイルアミノ基及び無置換のスルファモイ
ルアミノ基が含まれる。前記置換基の例には、アルキル
基が含まれる。前記スルファモイルアミノ基の例には、
N, N−ジプロピルスルファモイルアミノ基が含まれ
る。
【0061】アルコキシカルボニルアミノ基には、置換
基を有するアルコキシカルボニルアミノ基及び無置換の
アルコキシカルボニルアミノ基が含まれる。前記アルコ
キシカルボニルアミノ基としては、炭素原子数が2〜2
0のアルコキシカルボニルアミノ基が好ましい。前記置
換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記アル
コキシカルボニルアミノ基の例には、エトキシカルボニ
ルアミノ基が含まれる。
【0062】アルキル及びアリールスルホニルアミノ基
には、置換基を有するアルキル及びアリールスルホニル
アミノ基、及び無置換のアルキル及びアリールスルホニ
ルアミノ基が含まれる。前記スルホニルアミノ基として
は、炭素原子数が1〜20のスルホニルアミノ基が好ま
しい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれ
る。前記スルホニルアミノ基の例には、メチルスルホニ
ルアミノ基、N-フェニル-メチルスルホニルアミノ基、
フェニルスルホニルアミノ基、及び3−カルボキシフェ
ニルスルホニルアミノ基が含まれる。
【0063】カルバモイル基には、置換基を有するカル
バモイル基及び無置換のカルバモイル基が含まれる。前
記置換基の例には、アルキル基が含まれる。前記カルバ
モイル基の例には、メチルカルバモイル基及びジメチル
カルバモイル基が含まれる。
【0064】スルファモイル基には、置換基を有するス
ルファモイル基及び無置換のスルファモイル基が含まれ
る。前記置換基の例には、アルキル基が含まれる。前記
スルファモイル基の例には、ジメチルスルファモイル基
及びジ−(2−ヒドロキシエチル)スルファモイル基が
含まれる。
【0065】アルコキシカルボニル基には、置換基を有
するアルコキシカルボニル基及び無置換のアルコキシカ
ルボニル基が含まれる。前記アルコキシカルボニル基と
しては、炭素原子数が2〜20のアルコキシカルボニル
基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基
が含まれる。前記アルコキシカルボニル基の例には、メ
トキシカルボニル基及びエトキシカルボニル基が含まれ
る。
【0066】アシルオキシ基には、置換基を有するアシ
ルオキシ基及び無置換のアシルオキシ基が含まれる。前
記アシルオキシ基としては、炭素原子数1〜20のアシ
ルオキシ基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性
親水性基が含まれる。前記アシルオキシ基の例には、ア
セトキシ基及びベンゾイルオキシ基が含まれる。
【0067】カルバモイルオキシ基には、置換基を有す
るカルバモイルオキシ基及び無置換のカルバモイルオキ
シ基が含まれる。前記置換基の例には、アルキル基が含
まれる。前記カルバモイルオキシ基の例には、N−メチ
ルカルバモイルオキシ基が含まれる。
【0068】アリールオキシカルボニル基には、置換基
を有するアリールオキシカルボニル基及び無置換のアリ
ールオキシカルボニル基が含まれる。前記アリールオキ
シカルボニル基としては、炭素原子数が7〜20のアリ
ールオキシカルボニル基が好ましい。前記置換基の例に
は、イオン性親水性基が含まれる。前記アリールオキシ
カルボニル基の例には、フェノキシカルボニル基が含ま
れる。
【0069】アリールオキシカルボニルアミノ基には、
置換基を有するアリールオキシカボニルアミノ基及び無
置換のアリールオキシカルボニルアミノ基が含まれる。
前記アリールオキシカルボニルアミノ基としては、炭素
原子数が7〜20のアリールオキシカルボニルアミノ基
が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が
含まれる。前記アリールオキシカルボニルアミノ基の例
には、フェノキシカルボニルアミノ基が含まれる。
【0070】アルキル,アリール及び複素環チオ基に
は、置換基を有するアルキル,アリール及び複素環チオ
基と無置換のアルキル,アリール及び複素環チオ基が含
まれる。前記アルキル,アリール及び複素環チオ基とし
ては、炭素原子数が1から20のものが好ましい。前記
置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記ア
ルキル,アリール及び複素環チオ基の例には、メチルチ
オ基、フェニルチオ基、2-ピリジルチオ基が含まれる。
【0071】複素環オキシカルボニル基には、置換基を
有する複素環オキシカボニル基及び無置換の複素環オキ
シカルボニル基が含まれる。前記複素環オキシカルボニ
ル基としては、炭素原子数が2〜20の複素環オキシカ
ルボニル基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性
親水性基が含まれる。前記複素環オキシカルボニル基の
例には、2−ピリジルオキシカルボニル基が含まれる。
【0072】複素環スルホニルアミノ基には、置換基を
有する複素環スルホニルアミノ基及び無置換の複素環ス
ルホニルアミノ基が含まれる。前記複素環スルホニルア
ミノ基としては、炭素原子数が1〜12の複素環スルホ
ニルアミノ基が好ましい。前記置換基の例には、イオン
性親水性基が含まれる。前記複素環スルホニルアミノ基
の例には、2−チオフェンスルホニルアミノ基、3−ピ
リジンスルホニルアミノ基が含まれる。
【0073】複素環スルホニル基には、置換基を有する
複素環スルホニル基及び無置換の複素環スルホニル基が
含まれる。前記複素環スルホニル基としては、炭素原子
数が1〜20の複素環スルホニル基が好ましい。前記置
換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記複素
環スルホニル基の例には、2−チオフェンスルホニル
基、3−ピリジンスルホニル基が含まれる
【0074】複素環スルフィニル基には、置換基を有す
る複素環スルフィニル基及び無置換の複素環スルフィニ
ル基が含まれる。前記複素環スルフィニル基としては、
炭素原子数が1〜20の複素環スルフィニル基が好まし
い。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれ
る。前記複素環スルフィニル基の例には、4−ピリジン
スルフィニル基が含まれる
【0075】本発明において、一般式(M−I)で表さ
れる染料は、好ましくは下記一般式(M−II)で表され
る染料である。
【0076】
【化3】
【0077】一般式(M−II)中、Z1はハメットの置
換基定数σp値が0.20以上の電子吸引性基を表す。
1はσp値が0.30以上の電子吸引性基であるのが
好ましく、0.45以上の電子吸引性基が更に好まし
く、0.60以上の電子吸引性基が特に好ましいが、
1.0を超えないことが望ましい。好ましい具体的な置
換基については後述する電子吸引性置換基を挙げること
ができるが、中でも、炭素数2〜20のアシル基、炭素
数2〜20のアルキルオキシカルボニル基、ニトロ基、
シアノ基、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、炭
素数6〜20のアリールスルホニル基、炭素数1〜20
のカルバモイル基及び炭素数1〜20のハロゲン化アル
キル基が好ましい。特に好ましいものは、シアノ基、炭
素数1〜20のアルキルスルホニル基、炭素数6〜20
のアリールスルホニル基であり、最も好ましいものはシ
アノ基である。
【0078】R1、R2、R5、R6は一般式(M−I)と
同義である。R3、R4は各々独立に水素原子、脂肪族
基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボ
ニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル
基、アルキル及びアリールスルホニル基、又はスルファ
モイル基を表わす。中でも水素原子、芳香族基、複素環
基、アシル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基
が好ましく、水素原子、芳香族基、複素環基が特に好ま
しい。Z2は水素原子、脂肪族基、芳香族基もしくは複
素環基を表す。Qは水素原子、脂肪族基、芳香族基もし
くは複素環基を表す。中でもQは5〜8員環を形成する
のに必要な非金属原子群からなる基が好ましい。前記5
〜8員環は置換されていてもよいし、飽和環であっても
不飽和結合を有していてもよい。その中でも特に芳香族
基、複素環基が好ましい。好ましい非金属原子として
は、窒素原子、酸素原子、イオウ原子又は炭素原子が挙
げられる。そのような環構造の具体例としては、例えば
ベンゼン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シ
クロヘプタン環、シクロオクタン環、シクロヘキセン
環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジ
ン環、トリアジン環、イミダゾール環,ベンゾイミダゾ
ール環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、チア
ゾール環、ベンゾチアゾール環、オキサン環、スルホラ
ン環及びチアン環等が挙げらる。
【0079】一般式(M−II)で説明した各基は更に置
換基を有していても良い。これらの各基が更に置換基を
有する場合、該置換基としては、一般式(M−I)で説
明した置換基、G、R1、R2で例示した基やイオン性親
水性基が挙げられる。
【0080】ハメット置換基定数σp値が0.60以上
の電子吸引性基としては、シアノ基、ニトロ基、アルキ
ルスルホニル基(例えばメタンスルホニル基、アリール
スルホニル基(例えばベンゼンスルホニル基)を例とし
て挙げることができる。ハメットσp値が0.45以上
の電子吸引性基としては、上記に加えアシル基(例えば
アセチル基)、アルコキシカルボニル基(例えばドデシ
ルオキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基
(例えば、m−クロロフェノキシカルボニル)、アルキ
ルスルフィニル基(例えば、n−プロピルスルフィニ
ル)、アリールスルフィニル基(例えばフェニルスルフ
ィニル)、スルファモイル基(例えば、N−エチルスル
ファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル)、ハロ
ゲン化アルキル基(例えば、トリフロロメチル)を挙げ
ることができる。
【0081】ハメット置換基定数σp値が0.30以上
の電子吸引性基としては、上記に加え、アシルオキシ基
(例えば、アセトキシ)、カルバモイル基(例えば、N
−エチルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイ
ル)、ハロゲン化アルコキシ基(例えば、トリフロロメ
チルオキシ)、ハロゲン化アリールオキシ基(例えば、
ペンタフロロフェニルオキシ)、スルホニルオキシ基
(例えばメチルスルホニルオキシ基)、ハロゲン化アル
キルチオ基(例えば、ジフロロメチルチオ)、2つ以上
のσp値が0.15以上の電子吸引性基で置換されたア
リール基(例えば、2,4−ジニトロフェニル、ペンタ
クロロフェニル)、及びヘテロ環(例えば、2−ベンゾ
オキサゾリル、2−ベンゾチアゾリル、1−フェニルー
2−ベンズイミダゾリル)を挙げることができる。 σp
値が0.20以上の電子吸引性基の具体例としては、上
記に加え、ハロゲン原子がなどが挙げられる。
【0082】前記一般式(M−I)で表されるアゾ色素
として特に好ましい置換基の組み合わせは、R5及びR6
として好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール
基、複素環基、スルホニル基、アシル基であり、さらに
好ましくは水素原子、アリール基、複素環基、スルホニ
ル基であり、最も好ましくは、水素原子、アリール基、
複素環基である。ただし、R5及びR6が共に水素原子で
あることは無い。
【0083】Gとして好ましくは、水素原子、ハロゲン
原子、アルキル基、ヒドロキシル基、アミノ基、アシル
アミノ基であり、さらに好ましくは水素原子、ハロゲン
原子、アミノ基、アシルアミノ基であり、もっとも好ま
しくは水素原子、アミノ基、アシルアミノ基である。
【0084】Aのうち、好ましくはピラゾール環、イミ
ダゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環、ベ
ンゾチアゾール環であり、さらにはピラゾール環、イソ
チアゾール環であり、最も好ましくはピラゾール環であ
る。
【0085】B1およびB2がそれぞれ−CR1=、−C
2=あり、R1,R2は各々好ましくは水素原子、アル
キル基、ハロゲン原子、シアノ基、カルバモイル基、カ
ルボキシル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アルコ
キシカルボニル基であり、さらに好ましくは水素原子、
アルキル基、カルボキシル基、シアノ基、カルバモイル
基である。
【0086】好ましいシアン染料としては、下記一般式
(C−I)で表される染料を挙げる事ができる。
【0087】
【化4】
【0088】一般式(C−I)において、X1、X2、X
3およびX4はそれぞれ独立にσpが0.40以上の電子
吸引性基を表す。Y1、Y2、Y3およびY4はそれぞれ独
立に一価の置換基を表す。Mは、水素原子、金属元素ま
たはその酸化物、水酸化物もしくはハロゲン化物を表
す。a1〜a4、b1〜b4は、それぞれX1〜X4、および
1〜Y4の置換基数を表す。a1〜a4はそれぞれ独立に
0〜4の整数を表し、b 1〜b4はそれぞれ独立に0〜4
の整数を表す。ただしa1〜a4の総和は2以上であり、
3以上が好ましく、特にa1=a2=a3=a4=1である
場合が最も好ましい。染料が水溶性染料である場合に
は、X1、X2、X3、X4、Y1、Y2、Y3、Y4上のいず
れかの位置に置換基としてさらにイオン性親水性基を有
することが好ましい。置換基としてのイオン性親水性基
には、スルホ基、カルボキシル基、ホスホノ基及び4級
アンモニウム基等が含まれる。
【0089】前記一般式(C−I)で表されるフタロシ
アニン染料の中でも、一般式(C−II)で表される構造
のフタロシアニン染料が更に好ましい。以下に本発明の
一般式(C−II)で表されるフタロシアニン染料につい
て詳しく述べる。
【0090】
【化5】
【0091】一般式(C−II)において、X11〜X14
それぞれ独立に−SO−Z、−SO 2−Z、−SO2NR
12、スルホ基、−CONR12、又は−CO21を表
す。Y11〜Y18はそれぞれ独立に、一価の置換基を表
す。、Mは水素原子、金属原子又はその酸化物、水酸化
物もしくはハロゲン化物である。a11〜a14はそれぞれ
それぞれX11〜X14の置換基数を表し、独立に1又は2
の整数を表す。Zはそれぞれ独立に置換もしくは無置換
のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル
基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは
無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール
基、置換もしくは無置換の複素環基を表す。R1、R2
それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアル
キル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換
もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換の
アラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換
もしくは無置換の複素環基を表す。
【0092】一般式(C−II)中、a11〜a14はそれぞ
れ独立に1または2の整数を表し、特に好ましいのは4
≦a11+a12+a13+a14≦6であり、その中でも特に
好ましいのはa11=a12=a13=a14=1のときであ
る。
【0093】X11、X12、X13およびX14は、それぞれ
全く同じ置換基であっても良く、あるいは例えばX11
12、X13およびX14が全て−SO2−Zであるが各Z
は互いに異なるものを含む場合のように、同じ種類の置
換基であるが部分的に互いに異なる置換基であっても良
く、あるいは例えば−SO2−Zと−SO2NR12が同
時に置換した場合のように、互いに異なる置換基を含ん
でいても良い。
【0094】一般式(C−II)で表されるフタロシアニ
ン染料の中でも、特に好ましい置換基の組み合わせは、
以下の通りである。
【0095】X11〜X14としては、各々独立に−SO−
Z、−SO2−Z、−SO2NR12、または−CONR
12が好ましく、特に−SO2−Z、または−SO2NR
12が好ましく、−SO2−Zが最も好ましい。
【0096】Zはそれぞれ独立に、置換もしくは無置換
のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換
もしくは無置換の複素環基が好ましく、その中でも置換
アルキル基、置換アリール基、置換複素環基が最も好ま
しい。特に染料の溶解性やインク安定性を高めるという
理由から、置換基中に不斉炭素を有する場合(ラセミ体
での使用)が好ましい。また、会合性を高め堅牢性を向
上させるという理由から、水酸基、エーテル基、エステ
ル基、シアノ基、アミド基、スルホンアミド基が置換基
中に有する場合が好ましい。
【0097】R1、R2はそれぞれ独立に、水素原子、置
換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換の
アリール基、置換もしくは無置換の複素環基が好まし
く、その中でも水素原子、置換アルキル基、置換アリー
ル基、置換複素環基が最も好ましい。ただしR1,R2
が共に水素原子であることは好ましくない。特に染料の
溶解性やインク安定性を高めるという理由から、置換基
中に不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)が好ま
しい。また、会合性を高め堅牢性を向上させるという理
由から、水酸基、エーテル基、エステル基、シアノ基、
アミド基、スルホンアミド基が置換基中に有する場合が
好ましい。
【0098】Y11〜Y18は水素原子、ハロゲン原子、ア
ルキル基、アリール基、シアノ基、アルコキシ基、アミ
ド基、ウレイド基、スルホンアミド基、カルバモイル
基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、カル
ボキシル基、及びスルホ基が好ましく、特に水素原子、
ハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基、及びスルホ
基が好ましく、水素原子が最も好ましい。a11〜a14
それぞれ独立に1または2であることが好ましく、特に
全てが1であることが好ましい。Mは、水素原子、金属
元素またはその酸化物、水酸化物もしくはハロゲン化物
を表し、特にCu、Ni、Zn、Alが好ましく、なか
でも特に特にCuが最も好ましい。
【0099】前記(C−I)もしくは(C−II)で表さ
れるフタロシアニン染料が水溶性である場合には、イオ
ン性親水性基を有することが好ましい。イオン性親水性
基には、スルホ基、カルボキシル基、ホスホノ基及び4
級アンモニウム基等が含まれる。前記イオン性親水性基
としては、カルボキシル基、ホスホノ基、及びスルホ基
が好ましく、特にカルボキシル基、スルホ基が好まし
い。カルボキシル基、ホスホノ基及びスルホ基は塩の状
態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、ア
ンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウム
イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)及び有機
カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テト
ラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウ
ム)が含まれる。対イオンの中でもアルカリ金属塩が好
ましく、特にリチウム塩は染料の溶解性を高めインク安
定性を向上させるため特に好ましい。イオン性親水性基
の数としては、フタロシアニン系染料1分子中少なくと
も2個以上有するものが好ましく、特にスルホ基及び/
又はカルボキシル基を少なくとも2個以上有するものが
特に好ましい。
【0100】前記一般式(C−II)で表される化合物の
好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基
の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好
ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基であ
る化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい
基である化合物が最も好ましい。
【0101】本発明で好ましく使用されるフタロシアニ
ン染料の化学構造としては、スルフィニル基、スルホニ
ル基、スルファモイル基のような電子吸引性基を、フタ
ロシアニンの4つの各ベンゼン環に少なくとも一つず
つ、フタロシアニン骨格全体の置換基のσp値の合計で
1.6以上となるように導入することが好ましい。
【0102】前記一般式(C−I)で表されるフタロシ
アニン誘導体は、その合成法によって不可避的に置換基
Xn(n=1〜4)及びYm(m=1〜4)の導入位置
及び導入個数が異なる類縁体混合物である場合が一般的
であり、従って一般式はこれら類縁体混合物を統計的に
平均化して表している場合が多い。本発明では、これら
の類縁体混合物を以下に示す三種類に分類すると、特定
の混合物が特に好ましいことを見出したものである。す
なわち前記一般式(C−I)及び(C−II)で表される
フタロシアニン系染料類縁体混合物を置換位置に基づい
て以下の三種類に分類して定義する。
【0103】(1)β-位置換型:2及び又は3位、6
及び又は7位、10及び又は11位、14及び又は15
位に特定の置換基を有するフタロシアニン染料。
【0104】(2)α-位置換型:1及び又は4位、5及
び又は8位、9及び又は12位、13及び又は16位に
特定の置換基を有するフタロシアニン染料
【0105】(3)α,β-位混合置換型:1〜16位に
規則性なく、特定の置換基を有するフタロシアニン染料
【0106】本明細書中において、構造が異なる(特
に、置換位置が異なる)フタロシアニン染料の誘導体を
説明する場合、上記β-位置換型、α-位置換型、α,β
-位混合置換型を使用する。
【0107】本発明に用いられるフタロシアニン誘導体
は、例えば白井−小林共著、(株)アイピーシー発行
「フタロシアニン−化学と機能−」(P.1〜62)、
C.C.Leznoff−A.B.P.Lever共
著、VCH発行‘Phthalocyanines−P
roperties and Application
s’(P.1〜54)等に記載、引用もしくはこれらに
類似の方法を組み合わせて合成することができる。
【0108】本発明の一般式(C−I)で表されるフタ
ロシアニン化合物は、WO00/17275、同00/
08103、同00/08101、同98/4185
3、特開平10−36471号などに記載されているよ
うに、例えば無置換のフタロシアニン化合物のスルホン
化、スルホニルクロライド化、アミド化反応を経て合成
することができる。この場合、スルホン化がフタロシア
ニン核のどの位置でも起こり得る上にスルホン化される
個数も制御が困難である。従って、このような反応条件
でスルホ基を導入した場合には、生成物に導入されたス
ルホ基の位置と個数は特定できず、必ず置換基の個数や
置換位置の異なる混合物を与える。従ってそれを原料と
して本発明の化合物を合成する時には、複素環置換スル
ファモイル基の個数や置換位置は特定できないので、本
発明の化合物としては置換基の個数や置換位置の異なる
化合物が何種類か含まれるα,β-位混合置換型混合物
として得られる。
【0109】前述したように、例えばスルファモイル基
のような電子求引性基を数多くフタロシアニン核に導入
すると酸化電位がより貴となり、オゾン耐性が高まる。
上記の合成法に従うと、電子求引性基が導入されている
個数が少ない、即ち酸化電位がより卑であるフタロシア
ニン染料が混入してくることが避けられない。従って、
オゾン耐性を向上させるためには、酸化電位がより卑で
ある化合物の生成を抑えるような合成法を用いることが
より好ましい。
【0110】それに対して、本発明の一般式(C−II)
で表されるフタロシアニン化合物は、例えば下記式で表
されるフタロニトリル誘導体(化合物P)及び/又はジ
イミノイソインドリン誘導体(化合物Q)を一般式(C
−III)で表される金属誘導体と反応させて得られる。
あるいは下記式で表される4-スルホフタル酸誘導体
(化合物R)と一般式(C−III)で表される金属誘導
体を反応させて得られるテトラスルホフタロシアニン化
合物から誘導することができる。
【0111】
【化6】
【0112】上記各式中、Xpは上記一般式(C−II)
におけるX1、X2、X3、又はX4に相当する。また、Y
q,Yq’はそれぞれ上記一般式(C−II)におけるY
11,Y12,Y13,Y14,Y15,Y16,Y17、又はY18
相当する。化合物Rにおいて、M’はカチオンを表す。
【0113】一般式(C−III):M−(Y)d 一般式(C−III)中、Mは前記一般式(C−II)のM
と同一であり、Yはハロゲン原子、酢酸陰イオン、アセ
チルアセトネート、酸素などの1価又は2価の配位子を
示し、dは1〜4の整数である。
【0114】即ち、上記の合成法に従えば望みの置換基
を特定の数だけ導入することができるのである。特に本
発明のように酸化電位を貴とするために電子求引性基を
数多く導入したい場合には、上記の合成法は一般式(C
−I)の合成法と比較して極めて優れたものである。
【0115】かくして得られる前記一般式(C−II)で
表されるフタロシアニン化合物は、通常、Xpの各置換
位置における異性体である下記一般式(a)−1〜
(a)−4で表される化合物の混合物、すなわちβ−位
置換型となっている。
【0116】
【化7】
【0117】上記合成法において、Xpとして全て同一
のものを使用すればX11、X12、X 13およびX14が全く
同じ置換基であるβ位置置換型フタロシアニン染料を得
ることができる。一方、Xpとして異なるものを組み合
わせて使用すれば、同じ種類の置換基であるが部分的に
互いに異なる置換基をもつ染料や、あるいは、互いに異
なる種類の置換基をもつ染料を合成することができる。
一般式(C−II)の染料の中でも互いに異なる電子吸引
性置換基を持つこれらの染料は、染料の溶解性、会合
性、インクの経時安定性などを調整できる為、特に好ま
しい。
【0118】本発明では、いずれの置換型においても酸
化電位が1.0V(vs SCE)よりも貴であること
が堅牢性の向上に非常に重要であることが見出され、そ
の効果の大きさは前記先行技術から全く予想することが
できないものであった。また、原因は詳細には不明であ
るが、中でもα,β−位混合置換型よりはβ−位置換型
の方が色相・光堅牢性・オゾンガス耐性等において明ら
かに優れている傾向にあった。
【0119】前記一般式(C−I)及び(C−II)で表
されるフタロシアニン染料は、前述した特許に従えば合
成することが可能であり、特願2001−226275
号、同2001−96610号、同2001−4701
3号、同2001−193638号に記載の方法により
合成することができる。また、出発物質、染料中間体及
び合成ル−トについてはこれらにより限定されるもので
ない。
【0120】本発明で用いるマゼンタ染料、シアン染料
は酸化電位が0.8Vよりも貴であることを特徴とする
が、シアン染料として広く用いられているフタロシアニ
ンは、会合体を形成している為に酸化電位が多少低くと
も堅牢性を補償できるのに対し、マゼンタ染料は会合を
形成するものではない為、堅牢性を高める為には酸化電
位をシアン染料以上に貴に設定することが好ましい。
【0121】以下に本発明で用いることのできる染料の
好ましい例を示すが、これらは本発明を詳しく説明する
ためのものであって、これらにより本発明は限定されな
い。尚、括弧内に染料の酸化電位を示す。
【0122】まず、本発明に用いることのできる、イエ
ロー染料の具体例〔Y−1〜Y−35〕を挙げる。
【0123】
【化8】
【0124】
【化9】
【0125】
【化10】
【0126】
【化11】
【0127】
【化12】
【0128】
【化13】
【0129】
【化14】
【0130】次に、本発明に用いることのできる、マゼ
ンタ染料の具体例〔M−1〜M−26〕を挙げる。
【0131】
【化15】
【0132】
【化16】
【0133】
【化17】
【0134】
【化18】
【0135】
【化19】
【0136】
【化20】
【0137】
【化21】
【0138】
【化22】
【0139】次に、本発明に用いることのできる、シア
ン染料の具体例〔C−1〜C−50〕を挙げる。
【0140】
【化23】
【0141】
【化24】
【0142】
【化25】
【0143】
【化26】
【0144】
【化27】
【0145】
【化28】
【0146】
【化29】
【0147】
【化30】
【0148】
【化31】
【0149】本発明に適用しうる化合物例は、このほか
特願2001−96610号、同2001−24352
号、同2001−47013号、同2001−5706
3号、同2001−76689号、同2001−193
638号、同2001−15614号、同2001−1
10457号、同2001−110335号にも記載さ
れているが、これらに限定されるものではない。また、
前記の各化合物は、ここに挙げた特許に記載された方法
で容易に合成できる。
【0150】−インクジェット記録用インク− 本発明のインクジェット記録用インクセットは少なくと
も1種のイエロー染料を含有するイエローインク、少な
くとも1種のマゼンタ染料を含有するマゼンタインク、
及び少なくとも1種のシアン染料を含有するシアンイン
クを最小の構成要素とする。各インクに含まれる染料と
しては、前述の各種染料が用いられる。通常、各インク
は、親油性媒体や水性媒体中に染料を溶解及び/又は分
散させることによって作製することができる。好ましく
は、水性媒体を用いる場合である。必要に応じてその他
の添加剤を、本発明の効果を害しない範囲内において添
加しうる。その他の添加剤としては、例えば、乾燥防止
剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、
紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力
調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防
錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。これ
らの各種添加剤は、水溶性インクの場合にはインク液に
直接添加する。油溶性染料を分散物の形で用いる場合に
は、染料分散物の調製後分散物に添加するのが一般的で
あるが、調製時に油相または水相に添加してもよい。
【0151】前記乾燥防止剤はインクジェット記録方式
に用いるノズルのインク噴射口において該インクジェッ
ト用インクが乾燥することによる目詰まりを防止する目
的で好適に使用される。
【0152】前記乾燥防止剤としては、水より蒸気圧の
低い水溶性有機溶剤が好ましい。具体的な例としてはエ
チレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレン
グリコール、ポリエチレングリコール、チオジグリコー
ル、ジチオジグリコール、2−メチル−1,3−プロパ
ンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、アセチ
レングリコール誘導体、グリセリン、トリメチロールプ
ロパン等に代表される多価アルコール類、エチレングリ
コールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレン
グリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、トリエ
チレングリコールモノエチル(又はブチル)エーテル等
の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、2−ピロ
リドン、N−メチルー2−ピロリドン、1,3−ジメチ
ル−2−イミダゾリジノン、N−エチルモルホリン等の
複素環類、スルホラン、ジメチルスルホキシド、3−ス
ルホレン等の含硫黄化合物、ジアセトンアルコール、ジ
エタノールアミン等の多官能化合物、尿素誘導体が挙げ
られる。これらのうちグリセリン、ジエチレングリコー
ル等の多価アルコールがより好ましい。また上記の乾燥
防止剤は単独で用いても良いし2種以上併用しても良
い。これらの乾燥防止剤はインク中に10〜50重量%
含有することが好ましい。
【0153】前記浸透促進剤は、インクジェット用イン
クを紙により良く浸透させる目的で好適に使用される。
前記浸透促進剤としてはエタノール、イソプロパノー
ル、ブタノール、ジ(トリ)エチレングリコールモノブ
チルエーテル、1,2−ヘキサンジオール等のアルコー
ル類やラウリル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム
やノニオン性界面活性剤等を用いることができる。これ
らはインク中に5〜30重量%含有すれば通常充分な効
果があり、印字の滲み、紙抜け(プリントスルー)を起
こさない添加量の範囲で使用するのが好ましい。
【0154】前記紫外線吸収剤は、画像の保存性を向上
させる目的で使用される。前記紫外線吸収剤としては特
開昭58−185677号公報、同61−190537
号公報、特開平2−782号公報、同5−197075
号公報、同9−34057号公報等に記載されたベンゾ
トリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、
特開平5−194483号公報、米国特許第32144
63号等に記載されたベンゾフェノン系化合物、特公昭
48−30492号公報、同56−21141号公報、
特開平10−88106号公報等に記載された桂皮酸系
化合物、特開平4−298503号公報、同8−534
27号公報、同8−239368号公報、同10−18
2621号公報、特表平8−501291号公報等に記
載されたトリアジン系化合物、リサーチディスクロージ
ャーNo.24239号に記載された化合物やスチルベ
ン系、ベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線
を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤も
用いることができる。
【0155】前記褪色防止剤は、画像の保存性を向上さ
せる目的で使用される。前記褪色防止剤としては、各種
の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することが
できる。有機の褪色防止剤としてはハイドロキノン類、
アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、
フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、ク
ロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類などがあ
り、金属錯体としてはニッケル錯体、亜鉛錯体などがあ
る。より具体的にはリサーチディスクロージャーNo.
17643の第VIIのIないしJ項、同No.1516
2、同No.18716の650頁左欄、同No.36
544の527頁、同No.307105の872頁、
同No.15162に引用された特許に記載された化合
物や特開昭62−215272号公報の127頁〜13
7頁に記載された代表的化合物の一般式及び化合物例に
含まれる化合物を使用することができる。
【0156】前記防黴剤としてはデヒドロ酢酸ナトリウ
ム、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピリジンチオン−
1−オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステ
ル、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンおよびそ
の塩等が挙げられる。これらはインク中に0.02〜
1.00重量%使用するのが好ましい。
【0157】前記pH調整剤としては前記中和剤(有機
塩基、無機アルカリ)を用いることができる。前記pH
調整剤はインクジェット用インクの保存安定性を向上さ
せる目的で、該インクジェット用インクがpH6〜10
と夏用に添加するのが好ましく、pH7〜10となるよ
うに添加するのがより好ましい。
【0158】前記表面張力調整剤としてはノニオン、カ
チオンあるいはアニオン界面活性剤が挙げられる。尚、
本発明に係るインクジェット用インクの表面張力は25
〜70mPa・sが好ましい。さらに25〜60mN/
mが好ましい。また本発明に係るインクジェット用イン
クの粘度は30mPa・s以下が好ましい。更に20m
Pa・s以下に調整することがより好ましい。界面活性
剤の例としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、
アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンス
ルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリ
ン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合
物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等のア
ニオン系界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、
ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸
エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂
肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロッ
クコポリマー等のノニオン系界面活性剤が好ましい。ま
た、アセチレン系ポリオキシエチレンオキシド界面活性
剤であるSURFYNOLS(AirProducts
&Chemicals社)も好ましく用いられる。ま
た、N,N−ジメチル−N−アルキルアミンオキシドの
ようなアミンオキシド型の両性界面活性剤等も好まし
い。更に、特開昭59−157、636号の第(37)
〜(38)頁、リサーチ・ディスクロージャーNo.3
08119(1989年)記載の界面活性剤として挙げ
たものも使うことができる。
【0159】前記消泡剤としては、フッ素系、シリコー
ン系化合物やEDTAに代表されるキレート剤等も必要
に応じて使用することができる。
【0160】本発明に係る染料が油溶性の場合に水性媒
体に分散させる方法としては、特開平11−28663
7号、特開2001−240763、特開2001−2
62039、特開2001−247788のように染料
と油溶性ポリマーとを含有する着色微粒子を水性媒体に
分散したり、特開2001−262018、特開200
1−240763、特開2001−335734、特願
2000−203857のように高沸点有機溶媒に溶解
した本発明における染料を水性媒体中に分散することが
好ましい。本発明における染料を水性媒体に分散させる
場合の具体的な方法、使用する油溶性ポリマー、高沸点
有機溶剤、添加剤及びそれらの使用量は、前記特許に記
載されたものを好ましく使用することができる。あるい
は、染料を固体のまま微粒子状態に分散してもよい。分
散時には、分散剤や界面活性剤を使用することができ
る。分散装置としては、簡単なスターラーやインペラー
攪拌方式、インライン攪拌方式、ミル方式(例えば、コ
ロイドミル、ボールミル、サンドミル、アトライター、
ロールミル、アジテーターミル等)、超音波方式、高圧
乳化分散方式(高圧ホモジナイザー;具体的な市販装置
としてはゴーリンホモジナイザー、マイクロフルイダイ
ザー、DeBEE2000等)を使用することができ
る。上記のインクジェット記録用インクの調製方法につ
いては、先述の特許以外にも特開平5−148436
号、同5−295312号、同7−97541号、同7
−82515号、同7−118584号、特開平11−
286637号、特願2000−87539号の各公報
に詳細が記載されていて、本発明に係るインクジェット
記録用インクの調製にも利用できる。
【0161】前記水性媒体は、水を主成分とし、所望に
より、水混和性有機溶剤を添加した混合物を用いること
ができる。前記水混和性有機溶剤の例には、アルコール
(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イ
ソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec
−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサ
ノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール)、
多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチ
レングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレン
グリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリ
コール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセ
リン、ヘキサントリオール、チオジグリコール)、グリ
コール誘導体(例えば、エチレングリコールモノメチル
エーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エ
チレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングル
コールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエー
テル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプ
ロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレン
グリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジ
アセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルア
セテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチ
レングリコールモノフェニルエーテル)、アミン(例え
ば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタ
ノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エ
チルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモル
ホリン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ト
リエチレンテトラミン、ポリエチレンイミン、テトラメ
チルプロピレンジアミン)及びその他の極性溶媒(例え
ば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、
N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシ
ド、スルホラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピ
ロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−オキサゾ
リドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ア
セトニトリル、アセトン)が含まれる。尚、前記水混和
性有機溶剤は、二種類以上を併用してもよい。
【0162】本発明のインクセットに用いるインクは、
インク100重量部に対して、染料を0.1重量部以上
20重量部以下含有するのが好ましい。また、イエロ
ー、マゼンタ、シアンの各インクは、酸化電位が0.8
Vより貴であれば2種類以上の染料を併用してもよい。
2種類以上の染料を併用する場合は、染料の含有量の合
計が前記範囲となっているのが好ましい。近年高画質化
を目的に、イエロー、マゼンタ、シアンの各インクがし
ばしば染料濃度の異なる2種類以上のインクから構成さ
れるが、本発明においては、濃淡各インクで用いられる
染料は、いずれも酸化電位が0.8Vより貴であること
が望ましい。
【0163】本発明において、同色相のインクとして2
種以上の異なるインクを用いる場合、1種のインク濃度
に対して、他種のインク濃度が0.05〜0.5倍であ
ることが好ましい。
【0164】本発明のインクセットは、フルカラーの画
像形成に用いるものであるが、色調を整えるために、更
にブラック色調インクを用いてもよい。適用できる黒色
材としては、ジスアゾ、トリスアゾ、テトラアゾ染料の
ほか、カーボンブラックの分散体を挙げることができ
る。
【0165】‐インクジェット記録用シート 本発明におけるインクジェット記録用シートは、少なく
とも支持体上に色材受容層を有し、この色材受容層には
少なくとも1種の1級、2級、3級アミノ基のいずれか
を有するカチオン性ポリマーを含む。1級、2級、3級
アミノ基のいずれか有するカチオン性ポリマーは、色材
受容層のインク吸収性良化の観点から重量平均分子量が
500〜100000の化合物が好ましい。
【0166】1級、2級、3級アミノ基のいずれか有す
るカチオン性ポリマーとしては、ポリエチレンイミン、
ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、キトサン、アミ
ノ基含有の(メタ)アクリレートやアクリルアミドのポ
リマー(例えばポリ(ジアルキルアミノエチル(メタ)
アクリレート)、ポリ(ジアルキルアミノエチル(メ
タ)アクリルアミド)、ポリ(ジアルキルアミノプロピ
ル(メタ)アクリレート)、ポリ(ジアルキルアミノプ
ロピル(メタ)アクリルアミド)等)や、これらの誘導
体、その他の共重合可能なモノマー(例えば(メタ)ア
クリル酸エステル(例えばメチルアクリレート、メチル
メタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタク
リレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、2-エチ
ルヘキシルメタクリレート、ステアリルメタクリレー
ト、トリメチル-2-メタクロイルオキシアンモニウムク
ロリド、N,N-ジメチル-N-ビニルベンジルアンモニ
ウムクロリド等)、(メタ)アクリル酸アミド(例えば
アクリルアミド、メタクリルアミド、N-メチルアクリ
ルアミド、ブチルアクリルアミド、t-ブチルアクリル
アミド等)、N-ビニルイミダゾール、N-ビニルピリジ
ン、N-ビニルピロリドン、シアノアクリレート等)と
の共重合体があげられる。これらの中でも特にポリビニ
ルアミン、ポリアリルアミンおよびその誘導体が好まし
い。本発明におけるポリアリルアミンとはモノアリルア
ミン類(塩を含む)を重合させたものを表す。
【0167】本発明のポリアリルアミンおよびその誘導
体としては、公知の各種アリルアミン重合体及びその誘
導体が使用できる。このような誘導体としては、ポリア
リルアミンと酸との塩(酸としては塩酸、硫酸、リン
酸、硝酸などの無機酸、メタンスルホン酸、トルエンス
ルホン酸、酢酸、プロピオン酸、桂皮酸、(メタ)アク
リル酸などの有機酸、あるいはこれらの組み合せや、ア
リルアミンの一部分のみを塩にしたもの)、ポリアリル
アミンの高分子反応による誘導体、ポリアリルアミンと
他の共重合可能なモノマーとの共重合体(該モノマーの
具体例としては(メタ)アクリル酸エステル類、スチレ
ン類、(メタ)アクリルアミド類、アクリロニトリル、
ビニルエステル類等)が挙げられる。
【0168】ポリアリルアミンおよびその誘導体の具体
例としては、特公昭62‐31722号、特公平2‐1
4364号、特公昭63-43402号、同63-434
03号、同63-45721号、同63-29881号、
特公平1-26362号、同2-56365号、同2-5
7084号、同4-41686号、同6-2780号、同
6-45649号、同6-15592号、同4-6862
2号、特許第3199227号、同3008369号、
特開平10‐330427号、同11‐21321号、
特開2000‐281728号、同2001‐1067
36号、特開昭62-256801号、特開平7‐17
3286号、同7‐213897号、同9-23531
8号、同9-302026号、同11‐21321号、
WO99/21901号、WO99/19372号、特
開平5-140213号、特表平11‐506488号
等の各公報に記載の化合物があげられる。
【0169】本発明のポリビニルアミンおよびその誘導
体としては、公知の各種のポリビニルアミンおよびその
誘導体が使用できる。このような誘導体としては、前記
ポリアリルアミンの誘導体と同様である。ポリビニルア
ミンおよびその誘導体の具体例としては、特公平5-3
5162号、同5-35163号、同5-35164号、
同5-88846号、特開平7-118333号、特開2
000-344990号、特許第2648847号、特
許2661677号各公報等に記載の化合物があげられ
る。
【0170】1級、2級、3級アミノ基のいずれか有す
るカチオン性ポリマーとしては、特にポリアリルアミン
およびその誘導体が好ましい。
【0171】(水溶性樹脂)本発明のインクジェット記
録用シートでは、その色材受容層が水溶性樹脂を含有す
るのが好ましい。
【0172】上記水溶性樹脂としては、例えば、親水性
構造単位としてヒドロキシ基を有する樹脂であるポリビ
ニルアルコール系樹脂〔ポリビニルアルコール(PV
A)、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、カチ
オン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニ
ルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、
ポリビニルアセタール等〕、セルロース系樹脂〔メチル
セルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、ヒド
ロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシメチル
セルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルセルロース
(HPC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒド
ロキシプロピルメチルセルロース等〕、キチン類、キト
サン類、デンプン、エーテル結合を有する樹脂〔ポリエ
チレンオキサイド(PEO)、ポリプロピレンオキサイ
ド(PPO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポ
リビニルエーテル(PVE)等〕、カルバモイル基を有
する樹脂〔ポリアクリルアミド(PAAM)、ポリビニ
ルピロリドン(PVP)、ポリアクリル酸ヒドラジド
等〕等が挙げられる。また、解離性基としてカルボキシ
ル基を有するポリアクリル酸塩、マレイン酸樹脂、アル
ギン酸塩、ゼラチン類等も挙げることができる。
【0173】以上の中でも、特にポリビニルアルコール
系樹脂が好ましい。該ポリビニルアルコールの例として
は、特公平4−52786号、特公平5−67432
号、特公平7−29479号、特許第2537827
号、特公平7−57553号、特許第2502998
号、特許第3053231号、特開昭63−17617
3号、特許第2604367号、特開平7−27678
7号、特開平9−207425号、特開平11−589
41号、特開2000−135858号、特開2001
−205924号、特開2001−287444号、特
開昭62−278080号、特開平9−39373号、
特許第2750433号、特開2000−158801
号、特開2001−213045号、特開2001−3
28345号、特開平8−324105号、特開平11
−348417号等に記載されたものなどがあげられ
る。また、ポリビニルアルコール系樹脂以外の水溶性樹
脂の例としては、特開平11-165461号公報の段
落[0011]〜段落[0014]に記載の化合物など
もあげられる。これら水溶性樹脂はそれぞれ単独で用い
ても良く、2種以上を併用して用いてもよい。
【0174】本発明の水溶性樹脂の含有量としては、色
材受容層の全固形分質量に対して、9〜40質量%が好
ましく、12〜33質量%がより好ましい。
【0175】(微粒子)本発明のインクジェット記録用
シートでは、その色材受容層が、微粒子を含有すること
が好ましく、該微粒子と前記水溶性樹脂とを併用するこ
とがより好ましい。色材受容層が微粒子を含有すること
により多孔質構造が得られ、これによりインクの吸収性
能が向上する。特に、該微粒子の色材受容層における固
形分含有量が50質量%以上、より好ましくは60質量
%を超えていると、更に良好な多孔質構造を形成するこ
とが可能となり、十分なインク吸収性を備えたインクジ
ェット記録用シートが得られるので好ましい。ここで、
微粒子の色材受容層における固形分含有量とは、色材受
容層を構成する組成物中の水以外の成分に基づき算出さ
れる含有量である。本発明の上記微粒子としては、有機
微粒子及び無機微粒子を使用できるが、インク吸収性及
び画像安定性の点から、無機微粒子を含有するのが好ま
しい。
【0176】上記有機微粒子としては例えば、乳化重
合、マイクロエマルジョン系重合、ソープフリー重合、
シード重合、分散重合、懸濁重合などにより得られるポ
リマー微粒子が好ましく、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリアミド、シ
リコン樹脂、フェノール樹脂、天然高分子等の粉末、ラ
テックス又はエマルジョン状のポリマー微粒子等が挙げ
られる。
【0177】上記無機微粒子としては、例えば、シリカ
微粒子、コロイダルシリカ、二酸化チタン、硫酸バリウ
ム、珪酸カルシウム、ゼオライト、カオリナイト、ハロ
イサイト、雲母、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネ
シウム、硫酸カルシウム、擬ベーマイト、酸化亜鉛、水
酸化亜鉛、アルミナ、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウ
ム、珪酸マグネシウム、酸化ジルコニウム、水酸化ジル
コニウム、酸化セリウム、酸化ランタン、酸化イットリ
ウム等が挙げられる。これらの中でも良好な多孔質構造
を形成する観点より、シリカ微粒子、コロイダルシリ
カ、アルミナ微粒子又は擬ベーマイトが好ましい。微粒
子は1次粒子のまま用いても、又は2次粒子を形成した
状態で使用してもよい。これら微粒子の平均一次粒径は
2μm以下が好ましく、200nm以下がより好まし
い。更に、平均一次粒径が20nm以下のシリカ微粒
子、平均一次粒径が30nm以下のコロイダルシリカ、
平均一次粒径が20nm以下のアルミナ微粒子、又は平
均細孔半径が2〜15nmの擬ベーマイトがより好まし
く、特にシリカ微粒子、アルミナ微粒子、擬ベーマイト
が好ましい。
【0178】シリカ微粒子は、通常その製造法により湿
式法粒子と乾式法(気相法)粒子とに大別される。上記
湿式法では、ケイ酸塩の酸分解により活性シリカを生成
し、これを適度に重合させ凝集沈降させて含水シリカを
得る方法が主流である。一方、気相法は、ハロゲン化珪
素の高温気相加水分解による方法(火炎加水分解法)、
ケイ砂とコークスとを電気炉中でアークによって加熱還
元気化し、これを空気で酸化する方法(アーク法)によ
って無水シリカを得る方法が主流であり、「気相法シリ
カ」とは該気相法によって得られた無水シリカ微粒子を
意味する。本発明に用いるシリカ微粒子としては、特に
気相法シリカ微粒子が好ましい。
【0179】上記気相法シリカは、含水シリカと表面の
シラノール基の密度、空孔の有無等に相違があり、異な
った性質を示すが、空隙率が高い三次元構造を形成する
のに適している。この理由は明らかではないが、含水シ
リカの場合には、微粒子表面におけるシラノール基の密
度が5〜8個/nm2で多く、シリカ微粒子が密に凝集
(アグリゲート)し易く、一方、気相法シリカの場合に
は、微粒子表面におけるシラノール基の密度が2〜3個
/nm2であり少ないことから疎な軟凝集(フロキュレ
ート)となり、その結果、空隙率が高い構造になるもの
と推定される。
【0180】上記気相法シリカは、比表面積が特に大き
いので、インクの吸収性、保持の効率が高く、また、屈
折率が低いので、適切な粒子径まで分散をおこなえば受
容層に透明性を付与でき、高い色濃度と良好な発色性が
得られるという特徴がある。受容層が透明であること
は、OHP等透明性が必要とされる用途のみならず、フ
ォト光沢紙等の記録用シートに適用する場合でも、高い
色濃度と良好な発色性光沢を得る観点で重要である。
【0181】上記気相法シリカの平均一次粒子径として
は30nm以下が好ましく、20nm以下が更に好まし
く、10nm以下が特に好ましく、3〜10nmが最も
好ましい。上記気相法シリカは、シラノール基による水
素結合によって粒子同士が付着しやすいため、平均一次
粒子径が30nm以下の場合に空隙率の大きい構造を形
成することができ、インク吸収特性を効果的に向上させ
ることができる。
【0182】また、シリカ微粒子は、前述の他の微粒子
と併用してもよい。該他の微粒子と上記気相法シリカと
を併用する場合、全微粒子中の気相法シリカの含有量
は、30質量%以上が好ましく、50質量%以上が更に
好ましい。
【0183】本発明の無機微粒子としては、アルミナ微
粒子、アルミナ水和物、これらの混合物又は複合物も好
ましい。この内、アルミナ水和物は、インクを良く吸収
し定着することなどから好ましく、特に、擬ベーマイト
(Al23・nH2O)が好ましい。アルミナ水和物
は、種々の形態のものを用いることができるが、容易に
平滑な層が得られることからゾル状のベーマイトを原料
として用いることが好ましい。
【0184】擬ベーマイトの細孔構造については、その
平均細孔半径は1〜30nmが好ましく、2〜15nm
がより好ましい。また、その細孔容積は0.3〜2.0
cc/gが好ましく、0.5〜1.5cc/gがより好
ましい。ここで、上記細孔半径及び細孔容積の測定は、
窒素吸脱着法により測定されるもので、例えば、ガス吸
脱着アナライザー(例えば、コールター社製の商品名
「オムニソープ369」)により測定できる。また、ア
ルミナ微粒子の中では気相法アルミナ微粒子が比表面積
が大きく好ましい。該気相法アルミナの平均一次粒子径
としては30nm以下が好ましく、20nm以下が更に
好ましい。
【0185】上述の微粒子をインクジェット記録用シー
トに用いる場合は、例えば、特開平10−81064
号、同10−119423号、同10−157277
号、同10−217601号、同11−348409
号、特開2001−138621号、同2000−43
401号、同2000−211235号、同2000−
309157号、同2001−96897号、同200
1−138627号、特開平11−91242号、同8
−2087号、同8−2090号、同8−2091号、
同8−2093号、同8−174992号、同11−1
92777号、特開2001−301314号等公報に
開示された態様でも、好ましく用いることができる。
【0186】本発明の色材受容層を主として構成する、
前述の水溶性樹脂と上記微粒子とは、それぞれ単一素材
であってもよいし、複数の素材の混合系を使用してもよ
い。尚、透明性を保持する観点からは、微粒子特にシリ
カ微粒子に組み合わされる水溶性樹脂の種類が重要とな
る。前記気相法シリカを用いる場合には、該水溶性樹脂
としては、ポリビニルアルコール系樹脂が好ましく、そ
の中でも、鹸化度70〜100%のポリビニルアルコー
ル系樹脂がより好ましく、鹸化度80〜99.5%のポ
リビニルアルコール系樹脂が特に好ましい。
【0187】前記ポリビニルアルコール系樹脂は、その
構造単位に水酸基を有するが、この水酸基と前記シリカ
微粒子の表面シラノール基とが水素結合を形成するた
め、シリカ微粒子の二次粒子を網目鎖単位とした三次元
網目構造を形成し易くなる。この三次元網目構造の形成
によって、空隙率が高く十分な強度のある多孔質構造の
色材受容層を形成されると考えられる。インクジェット
記録において、上述のようにして得られた多孔質の色材
受容層は、毛細管現象によって急速にインクを吸収し、
インク滲みの発生しない真円性の良好なドットを形成す
ることができる。
【0188】また、ポリビニルアルコール系樹脂は、前
記その他の水溶性樹脂を併用してもよい。該他の水溶性
樹脂と上記ポリビニルアルコール系樹脂とを併用する場
合、全水溶性樹脂中、ポリビニルアルコール系樹脂の含
有量は、50質量%以上が好ましく、70質量%以上が
更に好ましい。
【0189】<微粒子と水溶性樹脂との含有比>微粒子
(x)と水溶性樹脂(y)との質量含有比〔PB比
(x:y)〕は、色材受容層の膜構造及び膜強度にも大
きな影響を与える。即ち、質量含有比〔PB比〕が大き
くなると、空隙率、細孔容積、表面積(単位質量当り)
が大きくなるが、密度や強度は低下する傾向にある。
【0190】本発明の色材受容層は、上記質量含有比
〔PB比(x:y)〕としては、該PB比が大き過ぎる
ことに起因する、膜強度の低下や乾燥時のひび割れを防
止し、且つ該PB比が小さ過ぎることによって、該空隙
が樹脂によって塞がれ易くなり、空隙率が減少すること
でインク吸収性が低下するのを防止する観点から、1.
5:1〜10:1が好ましい。
【0191】インクジェットプリンターの搬送系を通過
する場合、記録用シートに応力が加わることがあるの
で、色材受容層は十分な膜強度を有していることが必要
である。またシート状に裁断加工する場合、色材受容層
の割れや剥がれ等を防止する上でも、色材受容層には十
分な膜強度を有していることが必要である。これらの場
合を考慮すると、前記質量比(x:y)としては5:1
以下がより好ましく、一方インクジェットプリンター
で、高速インク吸収性を確保する観点からは、2:1以
上であることがより好ましい。
【0192】例えば、平均一次粒子径が20nm以下の
気相法シリカ微粒子と水溶性樹脂とを、質量比(x:
y)2:1〜5:1で水溶液中に完全に分散した塗布液
を支持体上に塗布し、該塗布層を乾燥した場合、シリカ
微粒子の二次粒子を網目鎖とする三次元網目構造が形成
され、その平均細孔径が30nm以下、空隙率が50〜
80%、細孔比容積が0.5ml/g以上、比表面積が
100m2/g以上の、透光性の多孔質膜を容易に形成
することができる。
【0193】(架橋剤)本発明のインクジェット記録用
シートの色材受容層は、前記水溶性樹脂を含む塗布層が
更に前記水溶性樹脂を架橋し得る架橋剤を含むことが好
ましく、特に前記微粒子と前記水溶性樹脂とを併用し、
さらに該架橋剤と水溶性樹脂との架橋反応によって硬化
された多孔質層である態様が好ましい。
【0194】上記の水溶性樹脂、特にポリビニルアルコ
ールの架橋には、ホウ素化合物が好ましい。該ホウ素化
合物としては、例えば、硼砂、硼酸、硼酸塩(例えば、
オルト硼酸塩、InBO3、ScBO3、YBO3、La
BO3、Mg3(BO3)2、Co3(BO3)2、二硼酸塩(例
えば、Mg225、Co225)、メタ硼酸塩(例え
ば、LiBO2、Ca(BO2)2、NaBO2、KB
2)、四硼酸塩(例えば、Na247・10H
2O)、五硼酸塩(例えば、KB58・4H2O、Ca2
61 1・7H2O、CsB55)等を挙げることができ
る。中でも、速やかに架橋反応を起こすことができる点
で、硼砂、硼酸、硼酸塩が好ましく、特に硼酸が好まし
い。
【0195】上記水溶性樹脂の架橋剤として、ホウ素化
合物以外の下記化合物を使用することもできる。例え
ば、ホルムアルデヒド、グリオキザール、グルタールア
ルデヒド等のアルデヒド系化合物;ジアセチル、シクロ
ペンタンジオン等のケトン系化合物;ビス(2−クロロ
エチル尿素)−2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−
1,3,5−トリアジン、2,4−ジクロロ−6−S−
トリアジン・ナトリウム塩等の活性ハロゲン化合物;ジ
ビニルスルホン酸、1,3−ビニルスルホニル−2−プ
ロパノール、N,N’−エチレンビス(ビニルスルホニ
ルアセタミド)、1,3,5−トリアクリロイル−ヘキ
サヒドロ−S−トリアジン等の活性ビニル化合物;ジメ
チロ−ル尿素、メチロールジメチルヒダントイン等のN
−メチロール化合物;メラミン樹脂(例えば、メチロー
ルメラミン、アルキル化メチロールメラミン);エポキ
シ樹脂;
【0196】1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート
等のイソシアネート系化合物;米国特許明細書第301
7280号、同第2983611号に記載のアジリジン
系化合物;米国特許明細書第3100704号に記載の
カルボキシイミド系化合物;グリセロールトリグリシジ
ルエーテル等のエポキシ系化合物;1,6−ヘキサメチ
レン−N,N’−ビスエチレン尿素等のエチレンイミノ
系化合物;ムコクロル酸、ムコフェノキシクロル酸等の
ハロゲン化カルボキシアルデヒド系化合物;2,3−ジ
ヒドロキシジオキサン等のジオキサン系化合物;乳酸チ
タン、硫酸アルミ、クロム明ばん、カリ明ばん、酢酸ジ
ルコニル、酢酸クロム等の金属含有化合物、テトラエチ
レンペンタミン等のポリアミン化合物、アジピン酸ジヒ
ドラジド等のヒドラジド化合物、オキサゾリン基を2個
以上含有する低分子又はポリマー等である。上記の架橋
剤は、一種単独で用いてもよいし、2種以上を組合わせ
て用いてもよい。
【0197】架橋硬化は、微粒子、水溶性樹脂等を含有
する塗布液(以下、「塗布液A」ということがある)及
び/又は下記塩基性溶液に架橋剤を添加し、かつ、
(1)前記塗布液を塗布して塗布層を形成すると同時、
又は(2)前記塗布液を塗布して形成される塗布層の乾
燥途中であって該塗布層が減率乾燥を示す前のいずれか
のときに、pH8以上の塩基性溶液(以下、「塗布液B」
ということがある)を前記塗布層に付与することにより
行うことが好ましい。上記架橋剤の付与は、ホウ素化合
物を例にすると下記のように行われることが好ましい。
すなわち、色材受容層が、微粒子、ポリビニルアルコー
ルを含む水溶性樹脂を含有する塗布液(塗布液A)を塗
布した塗布層を架橋硬化させた層である場合、架橋硬化
は、(1)前記塗布液を塗布して塗布層を形成すると同
時、(2)前記塗布液を塗布して形成される塗布層の乾
燥塗中であって該塗布層が減率乾燥を示す前のいずれか
のときに、pH8以上の塩基性溶液(塗布液B)を前記
塗布層に付与することにより行われる。架橋剤たるホウ
素化合物は、塗布液A、又は塗布液Bのいずれかに含有
すればよく、塗布液A及び塗布液Bの両方に含有させて
おいてもよい。架橋剤の使用量は、水溶性樹脂に対し
て、1〜50質量%が好ましく、5〜40質量%がより
好ましい。
【0198】(媒染剤)本発明においては、少なくとも
1種の1級、2級、3級アミノ基のいずれかを有するカ
チオン性ポリマーと併用して、形成画像の耐水性及び耐
経時ニジミの向上を図るために、色材受容層に少なくと
も1種の1級、2級、3級アミノ基のいずれかを有する
カチオン性ポリマー以外の4級アンモニウム塩を有する
ポリマーや無機媒染剤を含有していてもよい。有機媒染
剤および無機媒染剤はそれぞれ単独種で使用しても良い
し、有機媒染剤および無機媒染剤を併用してもよい。本
発明の少なくとも1種の1級、2級、3級アミノ基のい
ずれかを有するカチオン性ポリマーと他の媒染剤を併用
する場合は、その比率は保存性とにじみのバランスで決
定すればよく、その際使用する媒染剤のなかで、少なく
とも1種の1級、2級、3級アミノ基のいずれかを有す
るカチオン性ポリマーの比が10%以上、好ましくは2
0%以上が好ましい。
【0199】媒染剤は微粒子と水溶性樹脂を含む前記塗
布液Aに添加する方法、又は微粒子との間で凝集を生ず
る懸念がある場合は、前記塗布液Bに含有させ塗布する
方法を利用できる。
【0200】前記の本発明の少なくとも1種の1級、2
級、3級アミノ基のいずれかを有するカチオン性ポリマ
ーと併用可能なポリマー媒染剤として、具体的には、特
開昭48−28325号、同54−74430号、同5
4−124726号、同55−22766号、同55−
142339号、同60−23850号、同60−23
851号、同60−23852号、同60−23853
号、同60−57836号、同60−60643号、同
60−118834号、同60−122940号、同6
0−122941号、同60−122942号、同60
−235134号、特開平1−161236号の各公
報、米国特許2484430、同2548564号、同
3148061号、同3309690号、同41151
24号、同4124386号、同4193800号、同
4273853号、同4282305号、同44502
24号、特開平1−161236号、同10−8106
4号、同10−119423号、同10−157277
号、同10−217601号、同11−348409
号、特開2001−138621号、同2000−43
401号、同2000−211235号、同2000−
309157号、同2001−96897号、同200
1−138627号、特開平11−91242号、同8
−2087号、同8−2090号、同8−2091号、
同8−2093号、同8−174992号、同11−1
92777号、特開2001−301314号、特公平
5‐35162号、同5-35163号、同5‐351
64号、同5-88846号、特開平7-118333
号、特開2000-344990号、特許第26488
47号、同2661677号等の各公報に記載のもの等
が挙げられる。
【0201】無機媒染剤としては、多価の水溶性金属塩
や疎水性金属塩化合物が挙げられる。無機媒染剤の具体
例としては、例えば、マグネシウム、アルミニウム、カ
ルシウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、マンガ
ン、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウ
ム、ストロンチウム、イットリウム、ジルコニウム、モ
リブデン、インジウム、バリウム、ランタン、セリウ
ム、プラセオジミウム、ネオジミウム、サマリウム、ユ
ーロピウム、ガドリニウム、ジスロプロシウム、エルビ
ウム、イッテルビウム、ハフニウム、タングステン、ビ
スマスから選択される金属の塩又は錯体が挙げられる。
【0202】具体的には例えば、酢酸カルシウム、塩化
カルシウム、ギ酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸バ
リウム、硫酸バリウム、リン酸バリウム、塩化マンガ
ン、酢酸マンガン、ギ酸マンガンニ水和物、硫酸マンガ
ンアンモニウム六水和物、塩化第二銅、塩化アンモニウ
ム銅(II)二水和物、硫酸銅、塩化コバルト、チオシア
ン酸コバルト、硫酸コバルト、硫酸ニッケル六水和物、
塩化ニッケル六水和物、酢酸ニッケル四水和物、硫酸ニ
ッケルアンモニウム六水和物、アミド硫酸ニッケル四水
和物、硫酸アルミニウム、アルミニウムミョウバン、塩
基性ポリ水酸化アルミニウム、亜硫酸アルミニウム、チ
オ硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硝酸アル
ミニウム九水和物、塩化アルミニウム六水和物、臭化第
一鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二
鉄、フェノールスルホン酸亜鉛、臭化亜鉛、塩化亜鉛、
硝酸亜鉛六水和物、硫酸亜鉛、四塩化チタン、テトライ
ソプロピルチタネート、チタンアセチルアセトネート、
乳酸チタン、ジルコニウムアセチルアセトネート、酢酸
ジルコニル、硫酸ジルコニル、炭酸ジルコニウムアンモ
ニウム、ステアリン酸ジルコニル、オクチル酸ジルコニ
ル、硝酸ジルコニル、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロ
キシ塩化ジルコニウム、酢酸クロム、硫酸クロム、硫酸
マグネシウム、塩化マグネシウム六水和物、クエン酸マ
グネシウム九水和物、りんタングステン酸ナトリウム、
クエン酸ナトリウムタングステン、12タングストリん
酸n水和物、12タングストけい酸26水和物、塩化モ
リブデン、12モリブドリん酸n水和物、硝酸ガリウ
ム、硝酸ゲルマニウム、硝酸ストロンチウム、酢酸イッ
トリウム、塩化イットリウム、硝酸イットリウム、硝酸
インジウム、硝酸ランタン、塩化ランタン、酢酸ランタ
ン、安息香酸ランタン、塩化セリウム、硫酸セリウム、
オクチル酸セリウム、硝酸プラセオジミウム、硝酸ネオ
ジミウム、硝酸サマリウム、硝酸ユーロピウム、硝酸ガ
ドリニウム、硝酸ジスプロシウム、硝酸エルビウム、硝
酸イッテルビウム、塩化ハフニウム、硝酸ビスマス等が
あげられる。
【0203】無機媒染剤としては、アルミニウム含有化
合物、チタン含有化合物、ジルコニウム含有化合物、元
素周期律表第IIIB族シリーズの金属化合物(塩または
錯体)が好ましい。本発明で色材受容層に含まれる全媒
染剤量は、0.01g/m2〜5g/m2が好ましく、
0.1g/m2〜3g/m2がより好ましい。
【0204】(その他の成分)本発明のインクジェット
記録用シートは、必要に応じて、更に各種の公知の添加
剤、例えば酸、紫外線吸収剤、酸化防止剤、蛍光増白
剤、モノマー、重合開始剤、重合禁止剤、滲み防止剤、
防腐剤、粘度安定剤、消泡剤、界面活性剤、帯電防止
剤、マット剤、カール防止剤、耐水化剤等を含有するこ
とができる。
【0205】本発明において、色材受容層は酸を含有し
ていてもよい。酸を添加することで、色材受容層の表面
pHを3〜8、好ましくは5〜7.5に調整する。これ
により白地部の耐黄変性が向上するので好ましい。表面
pHの測定は、日本紙パルプ技術協会(J.TAPP
I)の定めた表面PHの測定の内A法(塗布法)により
測定を行う。例えば、前記A法に相当する(株)共立理化
学研究所製の紙面用PH測定セット「形式MPC」を使
用して該測定を行うことができる。
【0206】具体的な酸の例としては、ギ酸、酢酸、グ
リコール酸、シュウ酸、プロピオン酸、マロン酸、コハ
ク酸、アジピン酸、マレイン酸、リンゴ酸、酒石酸、ク
エン酸、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、グルタル
酸、グルコン酸、乳酸、アスパラギン酸、グルタミン
酸、サリチル酸、サリチル酸金属塩(Zn,Al,C
a,Mg等の塩)、メタンスルホン酸、イタコン酸、ベ
ンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロ
メタンスルホン酸、スチレンスルホン酸、トリフルオロ
酢酸、バルビツール酸、アクリル酸、メタクリル酸、桂
皮酸、4−ヒドロキシ安息香酸、アミノ安息香酸、ナフ
タレンジスルホン酸、ヒドロキシベンゼンスルホン酸、
トルエンスルフィン酸、ベンゼンスルフィン酸、スルフ
ァニル酸、スルファミン酸、α−レゾルシン酸、β−レ
ゾルシン酸、γ−レゾルシン酸、没食子酸、フロログリ
シン、スルホサリチル酸、アスコルビン酸、エリソルビ
ン酸、ビスフェノール酸、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、
ポリリン酸、ほう酸、ボロン酸等が挙げられる。これら
の酸の添加量は、色材受容層の表面PHが3〜8になる
ように決めればよい。上記の酸は金属塩(例えばナトリ
ウム、カリウム、カルシウム、セシウム、亜鉛、銅、
鉄、アルミニウム、ジルコニウム、ランタン、イットリ
ウム、マグネシウム、ストロンチウム、セリウムなどの
塩)、又はアミン塩(例えばアンモニア、トリエチルア
ミン、トリブチルアミン、ピペラジン、2−メチルピペ
ラジン、ポリアリルアミンなど)の形態で使用してもよ
い。
【0207】本発明においては、色材受容層が紫外線吸
剤、酸化防止剤、滲み防止剤などの保存性向上剤を含有
することが好ましい。これら紫外線吸剤、酸化防止剤、
滲み防止剤としては、アルキル化フェノール化合物(ヒ
ンダードフェノール化合物を含む)、アルキルチオメチ
ルフェノール化合物、ヒドロキノン化合物、アルキル化
ヒドロキノン化合物、トコフェロール化合物、チオジフ
ェニルエーテル化合物、2個以上のチオエーテル結合を
有する化合物、ビスフェノール化合物、O−,N−及び
S−ベンジル化合物、ヒドロキシベンジル化合物、トリ
アジン化合物、ホスホネート化合物、アシルアミノフェ
ノール化合物、エステル化合物、アミド化合物、アスコ
ルビン酸、アミン系抗酸化剤、2−(2−ヒドロキシフ
ェニル)ベンゾトリアゾール化合物、2−ヒドロキシベ
ンゾフェノン化合物、アクリレート、水溶性又は疎水性
の金属塩、有機金属化合物、金属錯体、ヒンダードアミ
ン化合物(TEMPO化合物を含む)、2−(2−ヒド
ロキシフェニル)1,3,5,−トリアジン化合物、金
属不活性化剤、ホスフィット化合物、ホスホナイト化合
物、ヒドロキシアミン化合物、ニトロン化合物、過酸化
物スカベンジャー、ポリアミド安定剤、ポリエーテル化
合物、塩基性補助安定剤、核剤、ベンゾフラノン化合
物、インドリノン化合物、ホスフィン化合物、ポリアミ
ン化合物、チオ尿素化合物、尿素化合物、ヒドラジト化
合物、アミジン化合物、糖化合物、ヒドロキシ安息香酸
化合物、ジヒドロキシ安息香酸化合物、トリヒドロキシ
安息香酸化合物等が挙げられる。
【0208】これらの中でも、アルキル化フェノール化
合物、2個以上のチオエーテル結合を有する化合物、ビ
スフェノール化合物、アスコルビン酸、アミン系抗酸化
剤、水溶性又は疎水性の金属塩、有機金属化合物、金属
錯体、ヒンダードアミン化合物、ヒドロキシアミン化合
物、ポリアミン化合物、チオ尿素化合物、ヒドラジド化
合物、ヒドロキシ安息香酸化合物、ジヒドロキシ安息香
酸化合物、トリヒドロキシ安息香酸化合物等が好まし
い。
【0209】具体的な化合物例は、特願2002-13
005号、特開平10−182621号、特開2001
−260519号、特公平4−34953号、特公平4
−34513号、特開平11−170686号、特公平
4−34512号、EP1138509号、特開昭60
−67190号、特開平7−276808号、特開20
01−94829号、特開昭47−10537号、同5
8−111942号、同58−212844号、同59
−19945号、同59−46646号、同59−10
9055号、同63−53544号、特公昭36−10
466号、同42−26187号、同48−30492
号、同48−31255号、同48−41572号、同
48−54965号、同50−10726号、米国特許
第2,719,086号、同3,707,375号、同
3,754,919号、同4,220,711号、
【0210】特公昭45−4699号、同54−532
4号、ヨーロッパ公開特許第223739号、同309
401号、同309402号、同310551号、同第
310552号、同第459416号、ドイツ公開特許
第3435443号、特開昭54−48535号、同6
0−107384号、同60−107383号、同60
−125470号、同60−125471号、同60−
125472号、同60−287485号、同60−2
87486号、同60−287487号、同60−28
7488号、同61−160287号、同61−185
483号、同61−211079号、同62−1466
78号、同62−146680号、同62−14667
9号、同62−282885号、同62−262047
号、同63−051174号、同63−89877号、
同63−88380号、同66−88381号、同63
−113536号、
【0211】同63−163351号、同63−203
372号、同63−224989号、同63−2512
82号、同63−267594号、同63−18248
4号、特開平1−239282号、特開平2−2626
54号、同2−71262号、同3−121449号、
同4−291685号、同4−291684号、同5−
61166号、同5−119449号、同5−1886
87号、同5−188686号、同5−110490
号、同5−1108437号、同5−170361号、
特公昭48−43295号、同48−33212号、米
国特許第4814262号、同第4980275号等の
各公報に記載のものがあげられる。
【0212】前記その他の成分は、1種単独でも2種以
上を併用してもよい。この前記その他の成分は、水溶性
化、分散化、ポリマー分散、エマルション化、油滴化し
て添加してもよく、マイクロカプセル中に内包すること
もできる。本発明のインクジェット記録用シートでは、
上記その他の成分の添加量としては、0.01〜10g
/m2が好ましい。
【0213】また、無機微粒子の分散性を改善する目的
で、無機表面をシランカップリング剤で処理してもよ
い。該シランカップリング剤としては、カップリング処
理を行なう部位の他に、有機官能性基(例えば、ビニル
基、アミノ基(1級〜3級アミノ基、第4級アンモニウ
ム塩基)、エポキシ基、メルカプト基、クロロ基、アル
キル基、フェニル基、エステル基等)を有するものが好
ましい。
【0214】本発明において、色材受容層用塗布液は界
面活性剤を含有しているのが好ましい。該界面活性剤と
してはカチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性、フ
ッ素系、シリコン系界面活性剤のいずれも使用可能であ
る。上記ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシア
ルキレンアルキルエーテルおよびポリオキシアルキレン
アルキルフェニルエーテル類(例えば、ジエチレングリ
コールモノエチルエーテル、ジエチレングリーコールジ
エチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテ
ル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキ
シエチレンノニルフェニルエーテル等)、オキシエチレ
ン・オキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン
脂肪酸エステル類(例えば、ソルビタンモノラウレー
ト、ソルビタンモノオレート、ソルビタントリオレート
等)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類
(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレー
ト、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリ
オキシエチレンソルビタントリオレート等)、ポリオキ
シエチレンソルビトール脂肪酸エステル類(例えば、テ
トラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット等)、グ
リセリン脂肪酸エステル類(例えば、グリセロールモノ
オレート等)、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エ
ステル類(モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセ
リン、モノオレイン酸ポリオキシエチレングリセリン
等)、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類(ポリエチ
レングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコー
ルモノオレート等)、ポリオキシエチレンアルキルアミ
ン、アセチレングリコール類(例えば、2,4,7,9
−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、及び
該ジオールのエチレンオキサイド付加物、プロピレンオ
キサイド付加物等)等が挙げられ、ポリオキシアルキレ
ンアルキルエーテル類が好ましい。該ノニオン系界面活
性剤は、第1の塗布液および第2の塗布液において使用
することができる。また、上記ノニオン系界面活性剤
は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよ
い。
【0215】上記両性界面活性剤としては、アミノ酸
型、カルボキシアンモニウムベタイン型、スルホンアン
モニウムベタイン型、アンモニウム硫酸エステルベタイ
ン型、イミダゾリウムベタイン型等が挙げられ、例え
ば、米国特許第3,843,368号、特開昭59−4
9535号、同63−236546号、特開平5−30
3205号、同8−262742号、同10−2826
19号、特許第2514194号、特許2759795
号、特開2000-351269号の各公報等に記載さ
れているものを好適に使用できる。上記両性界面活性剤
のなかでも、アミノ酸型、カルボキシアンモニウムベタ
イン型、スルホンアンモニウムベタイン型が好ましい。
上記両性界面活性剤は1種で使用してもよく、2種以上
を併用してもよい。
【0216】前記アニオン系界面活性剤としては、脂肪
酸塩(例えばステアリン酸ナトリウム、オレイン酸カリ
ウム )、アルキル硫酸エステル塩(例えばラウリル硫
酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン)、
スルホン酸塩(例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム)、アルキルスルホコハク酸塩(例えばジオクチ
ルスルホコハク酸ナトリウム)、アルキルジフェニルエ
ーテルジスルホン酸塩、アルキルリン酸塩等が挙げられ
る。前記カチオン系界面活性剤としては、アルキルアミ
ン塩、第4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、イミダ
ゾリウム塩などがあげられる。
【0217】前記フッ素系界面活性剤としては、電解フ
ッ素化、テロメリゼーション、オリゴメリゼーションな
どの方法を用いてパーフルオロアルキル基を持つ中間体
をへて誘導される化合物があげられる。例えば、パーフ
ルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカ
ルボン酸塩、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド
付加物、パーフルオロアルキルトリアルキルアンモニウ
ム塩、パーフルオロアルキル基含有オリゴマー、パーフ
ルオロアルキルリン酸エステルなどがあげられる。
【0218】前記シリコン系界面活性剤としては、有機
基で変性したシリコンオイルが好ましく、シロキサン構
造の側鎖を有機基で変性した構造、両末端を変性した構
造、片末端を変性した構造をとり得る。有機基変性とし
てアミノ変性、ポリエーテル変性、エポキシ変性、カル
ボキシル変性、カルビノール変性、アルキル変性、アラ
ルキル変性、フェノール変性、フッ素変性等が挙げられ
る。
【0219】本発明で界面活性剤の含有量としては、色
材受容層用塗布液に対して0.001〜2.0%が好ま
しく、0.01〜1.0%がより好ましい。また、色材
受容層用塗布液として2液以上を用いて塗布を行なう場
合には、それぞれの塗布液に界面活性剤を添加するのが
好ましい。
【0220】本発明において、色材受容層はカール防止
用に高沸点有機溶剤を含有するのが好ましい。上記高沸
点有機溶剤は常圧で沸点が150℃以上の有機化合物
で、水溶性又は疎水性の化合物である。これらは、室温
で液体でも固体でもよく、低分子でも高分子でもよい。
具体的には、芳香族カルボン酸エステル類(例えばフタ
ル酸ジブチル、フタル酸ジフェニル、安息香酸フェニル
など)、脂肪族カルボン酸エステル類(例えばアジピン
酸ジオクチル、セバシン酸ジブチル、ステアリン酸メチ
ル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジブチル、アセチル
クエン酸トリエチルなど)、リン酸エステル類(例えば
リン酸トリオクチル、リン酸トリクレジルなど)、エポ
キシ類(例えばエポキシ化大豆油、エポキシ化脂肪酸メ
チルなど)、アルコール類(例えば、ステアリルアルコ
ール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセ
リン、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(DE
GMBE)、トリエチレングリコールモノブチルエーテ
ル、グリセリンモノメチルエーテル、1,2,3−ブタ
ントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,
2,4−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサント
リオール、チオジグリコール、トリエタノールアミン、
ポリエチレングリコールなど)、植物油(例えば大豆
油、ヒマワリ油など)高級脂肪族カルボン酸(例えばリ
ノール酸、オレイン酸など)等が挙げられる。
【0221】(支持体)本発明の支持体としては、プラ
スチック等の透明材料よりなる透明支持体、紙等の不透
明材料からなる不透明支持体のいずれをも使用できる。
色材受容層の透明性を生かす上では、透明支持体又は高
光沢性の不透明支持体を用いることが好ましい。
【0222】上記透明支持体に使用可能な材料として
は、透明性で、OHPやバックライトディスプレイで使
用される時の輻射熱に耐え得る性質を有する材料が好ま
しい。該材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタ
レート(PET)等のポリエステル類;ポリスルホン、
ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリカーボネ
ート、ポリアミド等を挙げることができる。中でも、ポ
リエステル類が好ましく、特にポリエチレンテレフタレ
ートが好ましい。上記透明支持体の厚みとしては、特に
制限はないが、取り扱い易い点で、50〜200μmが
好ましい。
【0223】高光沢性の不透明支持体としては、色材受
容層の設けられる側の表面が40%以上の光沢度を有す
るものが好ましい。上記光沢度は、JIS P−814
2(紙及び板紙の75度鏡面光沢度試験方法)に記載の
方法に従って求められる値である。具体的には、下記支
持体が挙げられる。
【0224】例えば、アート紙、コート紙、キャストコ
ート紙、銀塩写真用支持体等に使用されるバライタ紙等
の高光沢性の紙支持体;ポリエチレンテレフタレート
(PET)等のポリエステル類、ニトロセルロース,セ
ルロースアセテート,セルロースアセテートブチレート
等のセルロースエステル類、ポリスルホン、ポリフェニ
レンオキサイド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリ
アミド等のプラスチックフィルムに白色顔料等を含有さ
せて不透明にした(表面カレンダー処理が施されていて
もよい。)高光沢性のフィルム;或いは、上記各種紙支
持体、上記透明支持体若しくは白色顔料等を含有する高
光沢性のフィルムの表面に、白色顔料を含有若しくは含
有しないポリオレフィンの被覆層が設けられた支持体等
が挙げられる。白色顔料含有発泡ポリエステルフィルム
(例えば、ポリオレフィン微粒子を含有させ、延伸によ
り空隙を形成した発泡PET)も好適に挙げることがで
きる。更に銀塩写真用印画紙に用いられるレジンコート
紙も好適である。
【0225】上記不透明支持体の厚みについても特に制
限はないが、取り扱い性の点で、50〜300μmが好
ましい。
【0226】また、上記支持体の表面には、濡れ特性及
び接着性を改善するために、コロナ放電処理、グロー放
電処理、火炎処理、紫外線照射処理等を施したものを使
用してもよい。
【0227】次に、前記レジンコート紙に用いられる原
紙について詳述する。上記原紙としては、木材パルプを
主原料とし、必要に応じて木材パルプに加えてポリプロ
ピレンなどの合成パルプ、あるいはナイロンやポリエス
テルなどの合成繊維を用いて抄紙される。上記木材パル
プとしては、LBKP、LBSP、NBKP、NBS
P、LDP、NDP、LUKP、NUKPのいずれも用
いることができるが、短繊維分の多いLBKP、NBS
P、LBSP、NDP、LDPをより多く用いることが
好ましい。但し、LBSP及び/又はLDPの比率とし
ては、10質量%以上、70質量%以下が好ましい。
【0228】上記パルプは、不純物の少ない化学パルプ
(硫酸塩パルプや亜硫酸パルプ)が好ましく用いられ、
漂白処理をおこなって白色度を向上させたパルプも有用
である。
【0229】原紙中には、高級脂肪酸、アルキルケテン
ダイマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タルク、酸化
チタンなどの白色顔料、スターチ、ポリアクリルアミ
ド、ポリビニルアルコール等の紙力増強剤、蛍光増白
剤、ポリエチレングリコール類等の水分保持剤、分散
剤、4級アンモニウム等の柔軟化剤などを適宜添加する
ことができる。
【0230】抄紙に使用するパルプの濾水度としては、
CSFの規定で200〜500mlが好ましく、また、
叩解後の繊維長が、JIS P−8207に規定される
24メッシュ残分質量%と42メッシュ残分の質量%と
の和が30〜70%が好ましい。尚、4メッシュ残分の
質量%は20質量%以下であることが好ましい。
【0231】原紙の坪量としては、30〜250gが好
ましく、特に50〜200gが好ましい。原紙の厚さと
しては、40〜250μmが好ましい。原紙は、抄紙段
階または抄紙後にカレンダー処理して高平滑性を与える
こともできる。原紙密度は0.7〜1.2g/m2(J
IS P−8118)が一般的である。更に、原紙剛度
としては、JIS P−8143に規定される条件で2
0〜200gが好ましい。
【0232】原紙表面には表面サイズ剤を塗布してもよ
く、表面サイズ剤としては、上記原紙中添加できるサイ
ズと同様のサイズ剤を使用できる。原紙のpHは、JI
S P−8113で規定された熱水抽出法により測定さ
れた場合、5〜9であることが好ましい。
【0233】原紙表面および裏面を被覆するポリエチレ
ンは、主として低密度のポリエチレン(LDPE)およ
び/または高密度のポリエチレン(HDPE)である
が、他のLLDPEやポリプロピレン等も一部使用する
ことができる。
【0234】特に、色材受容層を形成する側のポリエチ
レン層は、写真用印画紙で広くおこなわれているよう
に、ルチルまたはアナターゼ型の酸化チタン、蛍光増白
剤、群青をポリエチレン中に添加し、不透明度、白色度
および色相を改良したものが好ましい。ここで、酸化チ
タン含有量としては、ポリエチレンに対して、概ね3〜
20質量%が好ましく、4〜13質量%がより好まし
い。ポリエチレン層の厚みは特に限定はないが、表裏面
層とも10〜50μmが好適である。さらにポリエチレ
ン層上に色材受容層との密着性を付与するために下塗り
層を設けることもできる。該下塗り層としては、水性ポ
リエステル、ゼラチン、PVAが好ましい。また、該下
塗り層の厚みとしては、0.01〜5μmが好ましい。
【0235】ポリエチレン被覆紙は、光沢紙として用い
ることも、また、ポリエチレンを原紙表面上に溶融押し
出してコーティングする際に、いわゆる型付け処理をお
こなって通常の写真印画紙で得られるようなマット面や
絹目面を形成したものも使用できる。
【0236】支持体にはバックコート層を設けることも
でき、このバックコート層に添加可能な成分としては、
白色顔料や水性バインダー、その他の成分が挙げられ
る。バックコート層に含有される白色顔料としては、例
えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオ
リン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化
チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイ
ト、珪酸アルミニウム、珪藻土、珪酸カルシウム、珪酸
マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、
コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウ
ム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイ
ト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等の白色無
機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル
系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカ
プセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げ
られる。
【0237】バックコート層に用いられる水性バインダ
ーとしては、例えば、スチレン/マレイン酸塩共重合
体、スチレン/アクリル酸塩共重合体、ポリビニルアル
コール、シラノール変性ポリビニルアルコール、澱粉、
カチオン化澱粉、カゼイン、ゼラチン、カルボキシメチ
ルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニ
ルピロリドン等の水溶性高分子、スチレンブタジエンラ
テックス、アクリルエマルジョン等の水分散性高分子等
が挙げられる。バックコート層に含有されるその他の成
分としては、消泡剤、抑泡剤、染料、蛍光増白剤、防腐
剤、耐水化剤等が挙げられる。
【0238】(インクジェット記録用シートの作製)本
発明のインクジェット記録用シートの色材受容層は、例
えば、支持体表面に少なくとも微粒子と水溶性樹脂を含
む第一の塗布液(以後、「塗布液(A)」と言うことも
ある)を塗布し、(1)該塗布と同時、(2)該塗布に
よって形成される塗布層の乾燥途中であって該塗布層が
減率乾燥速度を示す前のいずれかに少なくとも媒染剤を
含むpHが8以上の第二の塗布液(以後、「塗布液
(B)」と言うこともある)を付与した後、該第二の塗
布液を付与した塗布層を架橋硬化させる方法(Wet−
on−Wet法)により形成されるのが好ましい。ここ
で、本発明の少なくとも1種の1級、2級、3級アミノ
のいずれかを有するカチオン性ポリマーは、上記塗布液
(A)あるいは塗布液(B)の少なくとも一方に含有さ
れるのが好ましい。特に、塗布液(B)に、本発明の少
なくとも1種の1級、2級、3級アミノのいずれかを有
するカチオン性ポリマーが含有されるのが好ましい。ま
た、上記水溶性樹脂を架橋し得る架橋剤も、上記塗布液
(A)あるいは塗布液(B)の少なくとも一方に含有さ
れるのが好ましい。この様にして架橋硬化させた色材受
容層を設けることは、インク吸収性や膜のヒビ割れ防止
などの観点から好ましい。
【0239】上記の様にすると、媒染剤が色材受容層の
表面近くに多く存在するので、インクジェットの色材が
十分に媒染され、印字後の文字や画像の耐水性が向上す
るので好ましい。媒染剤の一部は上記塗布液(A)に含
有させてもよく、その場合は、塗布液(A)と塗布液
(B)の媒染剤は同じものでも異なっていてもよい。
【0240】本発明において、少なくとも微粒子(例え
ば、気相法シリカ)と水溶性樹脂(例えば、ポリビニル
アルコール)とを含有する色材受容層用塗布液(塗布液
(A))は、例えば、以下のようにして調製することが
できる。即ち、気相法シリカ微粒子と分散剤を水中に添
加して(例えば、水中のシリカ微粒子は10〜20質量
%)、高速回転湿式コロイドミル(例えば、エム・テク
ニック(株)製の「クレアミックス」)を用いて、例え
ば10000rpm(好ましくは5000〜20000
rpm)の高速回転の条件で例えば20分間(好ましく
は10〜30分間)かけて分散させた後、架橋剤(ホウ
素化合物)、ポリビニルアルコール(PVA)水溶液
(例えば、上記気相法シリカの1/3程度の質量のPV
Aとなるように)を加え、上記と同じ回転条件で分散を
行なうことにより調製することができる。得られた塗布
液は均一なゾル状態であり、これを下記塗布方法で支持
体上に塗布し乾燥させることにより、三次元網目構造を
有する多孔質性の色材受容層を形成することができる。
【0241】また、上記気相法シリカと分散剤とからな
る水分散物の調製は、気相法シリカ水分散液をあらかじ
め調製し、該水分散液を分散剤水溶液に添加してもよい
し、分散剤水溶液を気相法シリカ水分散液に添加してよ
いし、同時に混合してもよい。また、気相法シリカ水分
散液ではなく、粉体の気相法シリカを用いて上記のよう
に分散剤水溶液に添加してもよい。上記の気相法シリカ
と分散剤とを混合した後、該混合液を分散機を用いて細
粒化することで、平均粒子径50〜300nmの水分散
液を得ることができる。該水分散液を得るために用いる
分散機としては、高速回転分散機、媒体撹拌型分散機
(ボールミル、サンドミルなど)、超音波分散機、コロ
イドミル分散機、高圧分散機等従来公知の各種の分散機
を使用することができるが、形成されるダマ状微粒子の
分散を効率的におこなうという点から、撹拌型分散機、
コロイドミル分散機または高圧分散機が好ましい。
【0242】また、各工程における溶媒として水、有機
溶媒、又はこれらの混合溶媒を用いることができる。こ
の塗布に用いることができる有機溶媒としては、メタノ
ール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノー
ル、メトキシプロパノール等のアルコール類、アセト
ン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフ
ラン、アセトニトリル、酢酸エチル、トルエン等が挙げ
られる。
【0243】また、上記分散剤としてはカオチン性のポ
リマーを用いることができる。カオチン性のポリマーと
しては、前述の媒染剤の例などが挙げられる。また、分
散剤としてシランカップリング剤を用いることも好まし
い。上記分散剤の微粒子に対する添加量は、0.1%〜
30%が好ましく、1%〜10%が更に好ましい。
【0244】該色材受容層用塗布液の塗布は、例えば、
エクストルージョンダイコーター、エアードクターコー
ター、ブレッドコーター、ロッドコーター、ナイフコー
ター、スクイズコーター、リバースロールコーター、バ
ーコーター等の公知の塗布方法によって行うことができ
る。
【0245】色材受容層用塗布液(塗布液(A))の塗
布と同時又は塗布した後に、該塗布層に塗布液(B)が
付与されるが、該塗布液(B)は、塗布後の塗布層が減
率乾燥速度を示すようになる前に付与してもよい。即
ち、色材受容層用塗布液(塗布液(A))の塗布後、こ
の塗布層が恒率乾燥速度を示す間に媒染剤を導入するこ
とで好適に製造される。
【0246】ここで、前記「塗布層が減率乾燥速度を示
すようになる前」とは、通常、色材受容層用塗布液の塗
布直後から数分間の過程を指し、この間においては、塗
布された塗布層中の溶剤(分散媒体)の含有量が時間に
比例して減少する「恒率乾燥速度」の現象を示す。この
「恒率乾燥速度」を示す時間については、例えば、化学
工学便覧(頁707〜712、丸善(株)発行、昭和5
5年10月25日)に記載されている。
【0247】上記の通り、第一の塗布液の塗布後、該塗
布層が減率乾燥速度を示すようになるまで乾燥される
が、この乾燥は一般に50〜180℃で0.5〜10分
間(好ましくは、0.5〜5分間)行われる。この乾燥
時間としては、当然塗布量により異なるが、通常は上記
範囲が適当である。
【0248】上記第一の塗布層が減率乾燥速度を示すよ
うになる前に付与する方法としては、塗布液(B)を
塗布層上に更に塗布する方法、スプレー等の方法によ
り噴霧する方法、塗布液(B)中に、該塗布層が形成
された支持体を浸漬する方法、等が挙げられる。
【0249】前記方法において、塗布液(B)を塗布
する塗布方法としては、例えば、カーテンフローコータ
ー、エクストルージョンダイコーター、エアードクター
コーター、ブレッドコーター、ロッドコーター、ナイフ
コーター、スクイズコーター、リバースロールコータ
ー、バーコーター等の公知の塗布方法を利用することが
できる。しかし、エクストリュージョンダイコーター、
カーテンフローコーター、バーコーター等のように、既
に形成されている第一塗布層にコーターが直接接触しな
い方法を利用することが好ましい。
【0250】該媒染剤溶液(塗布液(B))の付与後
は、一般に40〜180℃で0.5〜30分間加熱さ
れ、乾燥および硬化がおこなわれる。中でも、40〜1
50℃で1〜20分間加熱することが好ましい。
【0251】また、上記媒染剤溶液(塗布液(B))
を、色材受容層塗布液(塗布液(A))を塗布すると同
時に付与する場合、色材受容層塗布液(塗布液(A))
および媒染剤溶液(塗布液(B))を、該色材受容層塗
布液(塗布液(A))が支持体と接触するようにして支
持体上に同時塗布(重層塗布)し、その後乾燥硬化させ
ることにより色材受容層を形成することができる。
【0252】上記同時塗布(重層塗布)は、例えば、エ
クストルージョンダイコーター、カーテンフローコータ
ーを用いた塗布方法により行なうことができる。同時塗
布の後、形成された塗布層は乾燥されるが、この場合の
乾燥は、一般に塗布層を40〜150℃で0.5〜10
分間加熱することにより行なわれ、好ましくは、40〜
100℃で0.5〜5分間加熱することにより行なわれ
る。
【0253】上記同時塗布(重層塗布)を、例えば、エ
クストルージョンダイコーターによりおこなった場合、
同時に吐出される二種の塗布液は、エクストルージョン
ダイコーターの吐出口附近で、即ち、支持体上に移る前
に重層形成され、その状態で支持体上に重層塗布され
る。塗布前に重層された二層の塗布液は、支持体に移る
際、既に二液の界面で架橋反応を生じ易いことから、エ
クストルージョンダイコーターの吐出口付近では、吐出
される二液が混合して増粘し易くなり、塗布操作に支障
を来す場合がある。従って、上記のように同時塗布する
際は、色材受容層塗布液(塗布液(A))および媒染剤
溶液(塗布液(B))の塗布と共に、バリアー層液(中
間層液)を上記二液間に介在させて同時三重層塗布する
ことが好ましい。
【0254】上記バリアー層液は、特に制限なく選択で
きる。例えば、水溶性樹脂を微量含む水溶液や、水等を
挙げることができる。上記水溶性樹脂は、増粘剤等の目
的で、塗布性を考慮して使用されるもので、例えば、セ
ルロース系樹脂(たとえば、ヒドロキシプロピルメチル
セルロ−ス、メチルセルロ−ス、ヒドロキシエチルメチ
ルセルロ−ス等)、ポリビニルピロリドン、ゼラチン等
のポリマーが挙げられる。尚、バリアー層液には、上記
媒染剤を含有させることもできる。
【0255】支持体上に色材受容層を形成した後、該色
材受容層は、例えば、スーパーカレンダ、グロスカレン
ダ等を用い、加熱加圧下にロールニップ間を通してカレ
ンダー処理を施すことにより、表面平滑性、光沢度、透
明性および塗膜強度を向上させることが可能である。し
かしながら、該カレンダー処理は、空隙率を低下させる
要因となることがあるため(即ち、インク吸収性が低下
することがあるため)、空隙率の低下が少ない条件を設
定しておこなう必要がある。
【0256】カレンダー処理をおこなう場合のロール温
度としては、30〜150℃が好ましく、40〜100
℃がより好ましい。また、カレンダー処理時のロール間
の線圧としては、50〜400kg/cmが好ましく、
100〜200kg/cmがより好ましい。
【0257】上記色材受容層の層厚としては、インクジ
ェット記録の場合では、液滴を全て吸収するだけの吸収
容量をもつ必要があるため、層中の空隙率との関連で決
定する必要がある。例えば、インク量が8nL/mm2
で、空隙率が60%の場合であれば、層厚が約15μm
以上の膜が必要となる。この点を考慮すると、インクジ
ェット記録の場合には、色材受容層の層厚としては、1
0〜50μmが好ましい。
【0258】また、色材受容層の細孔径は、メジアン径
で0.005〜0.030μmが好ましく、0.01〜
0.025μmがより好ましい。上記空隙率および細孔
メジアン径は、水銀ポロシメーター((株)島津製作所
製の商品名「ボアサイザー9320−PC2」)を用い
て測定することができる。
【0259】また、色材受容層は、透明性に優れている
ことが好ましいが、その目安としては、色材受容層を透
明フイルム支持体上に形成したときのヘイズ値が、30
%以下であることが好ましく、20%以下であることが
より好ましい。上記ヘイズ値は、ヘイズメーター(HG
M−2DP:スガ試験機(株))を用いて測定すること
ができる。
【0260】本発明のインクジェット記録用シートの構
成層(例えば、色材受容層あるいはバック層など)に
は、ポリマー微粒子分散物を添加してもよい。このポリ
マー微粒子分散物は、寸度安定化、カール防止、接着防
止、膜のひび割れ防止等のような膜物性改良の目的で使
用される。ポリマー微粒子分散物については、特開昭6
2−245258号、同62−1316648号、同6
2−110066号の各公報に記載がある。尚、ガラス
転移温度が低い(40℃以下の)ポリマー微粒子分散物
を、前記媒染剤を含む層に添加すると、層のひび割れや
カールを防止することができる。また、ガラス転移温度
が高いポリマー微粒子分散物をバック層に添加しても、
カールを防止することができる。
【0261】また、本発明のインクジェット記録用シー
トは、特開平10−81064号、同10−11942
3号、同10−157277号、同10−217601
号、同11−348409号、特開2001−1386
21号、同2000−43401号、同2000−21
1235号、同2000−309157号、同2001
−96897号、同2001−138627号、特開平
11−91242号、同8−2087号、同8−209
0号、同8−2091号、同8−2093号の各公報に
記載の方法でも作製可能である。
【0262】−インクジェット記録方法−本発明のイン
クジェット記録方法においては、インクジェットの記録
方式に制限はなく、公知の方式、例えば静電誘引力を利
用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の
振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パ
ルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射
して、放射圧を利用してインクを吐出させる音響インク
ジェット方式、及びインクを加熱して気泡を形成し、生
じた圧力を利用するサーマルインクジェット方式等に用
いられる。インクジェット記録方式には、フォトインク
と称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する
方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを
用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる
方式が含まれる。
【0263】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0264】以下、本発明の実施例を説明するが、本発
明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。な
お、実施例中、「部」は「質量部」を意味する。 (実施例1) (水性インクの調整)下記の成分に脱イオン水を加え1
リッターとした後、30〜40℃で加熱しながら1時間
撹拌した。その後KOH 10mol/LにてpH=9
に調整し、平均孔径0.25μmのミクロフィルターを
用いて減圧ろ過してライトマゼンタ用インク液を調整し
た。 ・下記構造式で示されるマゼンタ染料(T−1) 7.5g/L ・ジエチレングリコール 50g/L ・尿素 10g/L ・グリセリン 200g/L ・トリエチレングリコールモノブチルエーテル 120g/L ・2‐ピロリドン 20g/L ・トリエタノールアミン 6.9g/L ・ベンゾトリアゾール 0.08g/L ・サーフィノール465 (界面活性剤 エアープロダクスジャパン製) 10.5g/L ・PROXEL XL−2(殺菌剤:ICIジャパン製) 3.5g/L
【0265】さらに染料種、添加剤を変えることによ
り、マゼンタインク、ライトシアンインク、シアンイン
ク、イエローインク、ブラックインクを調整し、表1に
示す濃度のインクセット101を作製した。
【0266】
【表1】
【0267】
【化32】
【0268】
【化33】
【0269】次にインクセット101のライトマゼン
タ、マゼンタ、ライトシアン、シアン、イエローの各イ
ンクについて染料種を表2に従うように変更し、インク
セット102-106を作製した。尚、染料を変更する
場合、等モルずつ置き換えて使用することを基準とし、
各インク液の透過濃度がインクセット101と同等とな
るように染料濃度を調整した。また、染料を併用する場
合には等モルずつ使用した。
【0270】
【表2】
【0271】(支持体の作製)LBKP100部からな
る木材パルプをダブルディスクリファイナーによりカナ
ディアンフリーネス300mlまで叩解し、エポキシ化
ベヘン酸アミド0.5部、アニオンポリアクリルアミド
1.0部、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン
0.1部、カチオンポリアクリルアミド0.5部を、い
ずれもパルプに対する絶乾質量比で添加し、長網抄紙機
により秤量し170g/m2の原紙を抄造した。
【0272】上記原紙の表面サイズを調整するため、ポ
リビニルアルコール4%水溶液に蛍光増白剤(住友化学
工業(株)製の「Whitex BB」)を0.04%
添加し、これを絶乾質量換算で0.5g/m2となるよ
うに上記原紙に含浸させ、乾燥した後、更にキャレンダ
ー処理を施して密度1.05g/ccに調整された基紙
を得た。
【0273】得られた基紙のワイヤー面(裏面)側にコ
ロナ放電処理を行なった後、溶融押出機を用いて高密度
ポリエチレンを厚さ19μmとなるようにコーティング
し、マット面からなる樹脂層を形成した(以下、樹脂層
面を「裏面」と称する。)。この裏面側の樹脂層に更に
コロナ放電処理を施し、その後、帯電防止剤として、酸
化アルミニウム(日産化学工業(株)製の「アルミナゾ
ル100」)と二酸化ケイ素(日産化学工業(株)製の
「スノーテックスO」)とを1:2の質量比で水に分散
した分散液を、乾燥質量が0.2g/m2となるように
塗布した。
【0274】更に、樹脂層の設けられていない側のフェ
ルト面(表面)側にコロナ放電処理を施した後、アナタ
ーゼ型二酸化チタン10%、微量の群青、及び蛍光増白
剤0.01%(対ポリエチレン)を含有し、MFR(メ
ルトフローレート)3.8の低密度ポリエチレンを、溶
融押出機を用いて、厚み29μmとなるように押し出
し、高光沢な熱可塑性樹脂層を基紙の表面側に形成し
(以下、この高光沢面を「オモテ面」と称する。)、支
持体とした。
【0275】(色材受容層用塗布液Aの調製) 下記組成中の 気相法シリカ微粒子とイオン交換水と「シャロール
DC-902P」を混合し、KD−P((株)シンマル
エンタープライゼス製)を用いて、回転数10000r
pmで20分間かけて分散させた後、下記ポリビニル
アルコールとホウ酸とポリオキシエチレンラウリル
エーテルとイオン交換水を含む溶液を加え、更に回転
数10000rpmで20分間かけて再度分散を行な
い、色材受容層用塗布液Aを調製した。シリカ微粒子と
水溶性樹脂との質量比(PB比=:)は、4.5:
1であり、色材受容層用塗布液AのpHは、3.5で酸
性を示した。
【0276】 <色材受容層塗布液Aの組成> 気相法シリカ微粒子(無機微粒子) 10.0部 ((株)トクヤマ製の「レオロシールQS-30」、平均一次粒子径7nm) イオン交換水 51.7部 「シャロールDC-902P」(52%水溶液) 0.8部 (4級アンモニウム塩 第一工業製薬(株)製) ポリビニルアルコール(水溶性樹脂)8%水溶液 27.8部 ((株)クラレ製の「PVA124」、鹸化度98.5%、重合度2400) ホウ酸(架橋剤) 0.4部 ポリオキシエチレンラウリルエーテル(界面活性剤) 1.2部 (花王(株)製「エマルゲン109P」(10%水溶液)、HLB値13.6) イオン交換水 33.0部
【0277】<インクジェット記録用シートの作製> (インクジェット記録用シート(1))上記支持体のオ
モテ面にコロナ放電処理を行なった後、上記から得た色
材受容層用塗布液Aを、支持体のオモテ面にエクストル
ージョンダイコーターを用いて200ml/m2の塗布
量で塗布し(塗布工程)、熱風乾燥機にて80℃(風速
3〜8m/秒)で塗布層の固形分濃度が20%になるま
で乾燥させた。これにより、乾燥膜厚は32μmの色材
受容層が設けられたインクジェット記録用シート(1)
を作製した。
【0278】(インクジェット記録用シート(2))上
記支持体のオモテ面にコロナ放電処理を行なった後、上
記から得た色材受容層用塗布液Aを、支持体のオモテ面
にエクストルージョンダイコーターを用いて200ml
/m2の塗布量で塗布し(塗布工程)、熱風乾燥機にて
80℃(風速3〜8m/秒)で塗布層の固形分濃度が2
0%になるまで乾燥させた。この塗布層は、この期間は
恒率乾燥速度を示した。その直後、下記組成の媒染剤溶
液Bに30秒間浸漬して該塗布層上にその20g/m2
を付着させ(媒染剤溶液を付与する工程)、更に80℃
下で10分間乾燥させた(乾燥工程)。これにより、乾
燥膜厚32μmの色材受容層が設けられた本発明のイン
クジェット記録用シート(2)を作製した。
【0279】 <媒染剤塗布液Bの組成> 硼酸(架橋剤) 0.65部 ポリアリルアミン「PAA−10C」10%水溶液 25部 (媒染剤、日東紡(株)製) イオン交換水 61.5部 塩化アンモニウム(表面pH調製剤) 0.8部 ポリオキシエチレンラウリルエーテル(界面活性剤) 10部 (花王(株)製の「エマルゲン109P」、2%水溶液、HLB値13.6) メガファック「F1405」10%水溶液 2.0部 (大日本インキ化学工業(株)製のフッ素系界面活性剤)
【0280】(インクジェット記録用シート(3))上
記媒染剤溶液Bの、PAA-10Cを、ポリアリルアミ
ン「PAA−03」10%水溶液25部(媒染剤、日東
紡(株)製)に変更した以外は同様にして媒染剤溶液C
を作成した。媒染剤溶液Bの代わりに媒染剤溶液Cを使
用したこと以外はインクジェット記録用シート(2)と
同様にしてインクジェット記録用シート(3)を作成し
た。
【0281】(インクジェット記録用シート(4))上
記色材受容層用塗布液Aの「シャロールDC-902
P」を4級アンモニウム塩(シャロールDM-283P
第一工業製薬株式会社)0.4部に変更すること以外
は同様にして色材受容層用塗布液Dを作成した。色材受
容層塗布液Aの代わりに色材受容層塗布液Dを使用した
こと以外はインクジェット記録用シート(1)と同様に
してインクジェット記録用シート(4)を作成した。
【0282】(インクジェット記録用シート(5))上
記色材受容層塗布液Aの代わりに色材受容層塗布液Dを
使用したこと以外はインクジェット記録用シート(2)
と同様にしてインクジェット記録用シート(5)を作成
した。
【0283】(インクジェット記録用シート(6))上
記媒染剤溶液Bの、PAA-10Cを、ポリビニルアミ
ン10%水溶液25部(重量平均分子量60000 三
菱化学(株)製)に変更した以外は同様にして媒染剤溶
液Eを作成した。媒染剤溶液Bの代わりに媒染剤溶液E
を使用したこと以外はインクジェット記録用シート
(5)と同様にしてインクジェット記録用シート(6)
を作成した。
【0284】(画像記録および評価)インクセット10
1〜106をインクジェットプリンターPM950C
(セイコーエプソン株式会社製)のカートリッジに詰
め、前インクジョット記録用シート(1)〜(6)に画
像を印刷し、以下の評価をおこなった。
【0285】<画像堅牢性>画像堅牢性についてはグレ
ーの印字サンプルを作製し、以下の評価を行った。 (1.光堅牢性:以下の表には「耐光性」と記載)印字
直後の色度(a*1、b*1)および明度(L1)をグ
レタグ社製SPM100−IIにて測定した後、アトラス
社製ウェザーメーターを用いてキセノン光(85000
ルックス)を7日間照射したのち、再び色度(a*2、
b*2)、明度(L2)を測定し、光照射前後の色差
(ΔE)を以下の数式(I)に従い求め評価した。 ΔE={(a*1−a*2)2+ (b*1−b*2)2+(L1−L2)21/2 数式(I) 色差について反射濃度が1.0、1.3、1.6の3点
にて評価し、いずれの濃度でも色差が5未満の場合を
A、濃度によって5未満および5以上の両方の評価を含
む場合をB、すべての濃度で5以上の場合をCとした。
【0286】(2.耐オゾン性)オゾンガス濃度が0.
5ppmに設定されたボックス内に7日間試料を保存す
る前後での色差を、光堅牢性と同様の方法により評価し
た。染料残存率について反射濃度が1.0、1.3、
1.6の3点にて評価し、いずれの濃度でも色差が10
未満の場合をA、濃度によって10未満および10以上
の両方の評価を含む場合をB、すべての濃度で10以上
の場合をCとした。尚、ボックス内のオゾンガス濃度
は、APPLICS製オゾンガスモニター(モデル:O
ZG−EM−01)を用いて設定した。
【0287】<画像濃度>マゼンタ(M)、シアン
(C)、ブラック(Bk)のベタ画像を印画した後、3
時間放置し、その後各色画像の反射濃度を、反射濃度測
定計(Xrite社製の「Xrite938」にて測定
した。評価は各色ごとでおこない、マゼンタの反射濃度
が1.15以上をA、1.15未満1.05以上をB、1.
05未満をCと評価し、シアンの反射濃度が0.6以上
をA、0.6未満0.55以上をB、0.55未満をCと
評価し、ブラックの反射濃度が2.25以上をA、2.2
5未満2.15以上をB、2.15未満をCと評価した。
【0288】<黒印画部の光沢度>光沢度は反射濃度が
2.0となるように黒の印画をおこなったものについ
て、黒印画部の光沢度の測定をおこなった。測定は、デ
ジタル変角光度計(スガ試験機株式会社製 UGV-5
D 測定孔8mm)を用いて角度60度にて、光沢度を
測定した。光沢度が65以上をA、65未満55以上を
B、55未満をCと評価した。光沢度は高いものがよ
い。以上、すべての評価結果を下記表3に示す。
【0289】
【表3】
【0290】また、本実施例のインクセットとインクジ
ェット記録用シートの組み合わせは、画像のにじみ、耐
水性、耐熱性、インク吸収速度のいずれにも優れてい
た。
【0291】(実施例2)実施例1で作製した同じイン
クを、インクジェットプリンターBJF900(キャノ
ン株式会社製)に詰め、同機にて画像を前記インクジェ
ット記録用シート(2)にプリントし、実施例1と同様
な評価を行なったところ、実施例1と同様な結果が得ら
れた。
【0292】(実施例3)実施例1のインクセット10
1から、ライトマゼンタ、マゼンタ、ライトシアン、シ
アン、イエローを以下の方法により調製した油溶性染料
インクに変更し、インクセット201を調製した。染料
(M−24)8g、界面活性剤(花王製、商品名エマー
ル20C)60gを、高沸点有機溶剤(S−1)6g、
高沸点有機溶剤(S−2)10g、添加剤(A−1)
1.0gおよび酢酸エチル50mL中に70℃にて溶解
させた。この溶液に500mLの脱イオン水をマグネテ
ィックスターラーで撹拌しながら添加し、水中油滴型の
粗粒分散物を作製した。高沸点有機溶剤(S−1)、
(S−2)および添加剤(A−1)の構造式を以下に示
す。
【0293】
【化34】
【0294】次に、この粗粒分散物をマイクロフルイダ
イザー(MICROFLUIDEXINC)にて60M
Paの圧力で5回通過させることで微粒子化を行なっ
た。さらに出来上がった乳化物をロータリ−エバポレー
ターにて酢酸エチルの臭気がなくなるまで脱溶媒を行な
った。上記のようにして得られた疎水性染料の微細乳化
物に、ジエチレングリコール140g、グリセリン64
g、および尿素などの添加剤を加えた後、脱イオン水を
全体量が1リットルになるように加え、KOH 10m
ol/LにてpH=9に調整することにより表4の濃度
に従うライトマゼンタインクを作成した。得られた乳化
分散インクの体積平均粒子サイズをマイクロトラックU
PA(日機装(株)製)を用いて測定したところ40n
mであった。さらに使用する染料の種類、量、高沸点有
機溶剤の量および各種添加剤の種類、量を変更し、表4
に示すインクセット201のマゼンタインク、ライトシ
アンインク、シアンインク、イエローインクを調製し
た。尚、表4に示すのは、溶剤蒸発後の最終組成物の組
成である。
【0295】
【表4】
【0296】各インクについて、表5のように染料種を
変更する以外は201と同様にして、インクセット20
2〜204を作製した。染料を変更する場合、等モルづ
つ置き換えて使用することを基準とし、各インク液の透
過濃度がインクセット201と同等になるように染料濃
度を調節した。
【0297】
【表5】
【0298】(画像記録および評価)インクセット20
1〜204をインクジェットプリンターPM950C
(セイコーエプソン株式会社製)のカートリッジに詰
め、前記色材受容層塗布液を付与したインクジョット記
録用シートに画像を印刷し、以下の評価をおこなった。
【0299】<画像堅牢性>画像堅牢性についてはグレ
ーの印字サンプルを作製し、以下の評価を行った。 (1.光堅牢性:以下の表には「耐光性」と記載)印字
直後の色度(a*1、b*1)および明度(L1)をグ
レタグ社製SPM100−IIにて測定した後、アトラス
社製ウェザーメーターを用いてキセノン光(85000
ルックス)を7日間照射したのち、再び色度(a*2、
b*2)、明度(L2)を測定し、光照射前後の色差
(ΔE)を以下の数式(I)に従い求め評価した。 ΔE={(a*1−a*2)2+ (b*1−b*2)2+(L1−L2)21/2 数式(I) 色差について反射濃度が1.0、1.3、1.6の3点
にて評価し、いずれの濃度でも色差が5未満の場合を
A、濃度によって5未満および5以上の両方の評価を含
む場合をB、すべての濃度で5以上の場合をCとした。
【0300】(2.耐オゾン性)オゾンガス濃度が0.
5ppmに設定されたボックス内に7日間試料を保存す
る前後での色差を、光堅牢性と同様の方法により評価し
た。染料残存率について反射濃度が1.0、1.3、
1.6の3点にて評価し、いずれの濃度でも色差が10
未満の場合をA、濃度によって10未満および10以上
の両方の評価を含む場合をB、すべての濃度で10以上
の場合をCとした。尚、ボックス内のオゾンガス濃度
は、APPLICS製オゾンガスモニター(モデル:O
ZG−EM−01)を用いて設定した。以上、すべての
評価結果を下記表6に示す。
【0301】
【表6】
【0302】また、本実施例のインクセットとインクジ
ェット記録用シートの組み合わせは、比較の組み合わせ
に比べ、マゼンタ、シアンのベタ画像反射濃度が高かっ
た。
【0303】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、耐光性、
耐オゾン性を向上させた画像を形成することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA13 FC01 FC06 2H086 BA15 BA33 BA34 BA35 BA41 BA56 BA60 4J039 BE02 EA15 EA16 EA17 GA24

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に、少なくとも1種の1級、2
    級、3級アミノ基のいずれか有するカチオン性ポリマー
    を含む色材受容層を有するインクジェット記録用シート
    上に、少なくとも1種のイエロー染料を含有するイエロ
    ーインク、少なくとも1種のマゼンタ染料を含有するマ
    ゼンタインク、及び少なくとも1種のシアン染料を含有
    するシアンインクを最小の構成要素とするインクセット
    であって、該マゼンタ染料および該シアン染料の酸化電
    位がそれぞれ0.8V(vs SCE)よりも貴であるイ
    ンクジェット記録用インクセットを用いて画像形成する
    ことを特徴とするインクジェット記録方法。
  2. 【請求項2】前記カチオン性ポリマーが、少なくとも1
    種の1級アミンを有するカチオン性ポリマーである請求
    項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 【請求項3】前記カチオン性ポリマーが、ポリアリルア
    ミン、ポリビニルアミンおよびそれらの誘導体の少なく
    とも1種である請求項2に記載のインクジェット記録方
    法。
  4. 【請求項4】 前記色材受容層が、少なくとも微粒子及
    び水溶性樹脂を含有する塗布液を塗布した塗布層を架橋
    硬化させた層であり、前記架橋硬化が、前記塗布液及び
    /又は下記塩基性溶液に架橋剤を添加し、かつ、(1)
    前記塗布液を塗布して塗布層を形成すると同時、又は
    (2)前記塗布液を塗布して形成される塗布層の乾燥途
    中であって該塗布層が減率乾燥を示す前のいずれかのと
    きに、pH8以上の塩基性溶液を前記塗布層に付与する
    ことにより行われることを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれかに記載のインクジェット記録方法。
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WO2005066289A1 (en) * 2004-01-08 2005-07-21 Fuji Photo Film Co., Ltd. Recording method

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