JP2003299732A - 薬液注入装置および薬液容器 - Google Patents

薬液注入装置および薬液容器

Info

Publication number
JP2003299732A
JP2003299732A JP2002110075A JP2002110075A JP2003299732A JP 2003299732 A JP2003299732 A JP 2003299732A JP 2002110075 A JP2002110075 A JP 2002110075A JP 2002110075 A JP2002110075 A JP 2002110075A JP 2003299732 A JP2003299732 A JP 2003299732A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
container body
pump
container
elastic member
liquid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2002110075A
Other languages
English (en)
Inventor
Mieko Ueda
美江子 上田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Terumo Corp filed Critical Terumo Corp
Priority to JP2002110075A priority Critical patent/JP2003299732A/ja
Publication of JP2003299732A publication Critical patent/JP2003299732A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Infusion, Injection, And Reservoir Apparatuses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】小型・軽量で携帯可能であって、しかも薬液を
無駄なく使いきることができ、薬液注入量、注入時間を
任意に設定、制御することができる薬液注入装置および
このための薬液容器に関する。 【解決手段】変形容易な軟質材料からなる容器本体と、
ケーシング部材と、空気層を含む弾性部材とから構成さ
れる薬液容器。この薬液容器と、該容器内に陰圧を発生
する方式のポンプと、ポンプの動作を制御する内部制御
装置と、送液路とを有する薬液注入装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硬膜外、動静脈血
管、皮下、筋肉、諸臓器などに薬液を注入するためのも
のであって、小型・軽量で携帯可能であって、かつ薬液
注入量、注入時間を任意に設定、制御することができる
とともに薬液を無駄なく使いきることができる薬液注入
装置およびこのような薬液注入装置用薬液容器に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、インスリン等のホルモン剤、疼痛
緩和目的での麻薬、抗癌剤、抗生物質あるいはヘパリン
などを連続的投与するには、これらの薬液を、電動ポン
プにより、皮下、血管、筋肉、硬膜外、諸臓器などに注
入する方法が一般的である。この際には、電気回路ある
いはコンピュータにより、微量であるいは患者の状態に
応じて細かく制御しながら投与することができる。
【0003】上記のような薬液注入系を携帯可能とする
ポンプ機構も開発されており、たとえば薬液を充填した
シリンジをバッテリにより加圧駆動する方式の薬液ポン
プが知られている。しかし、シリンジなどのメカニカル
な部材、バッテリなどの駆動電源などの寸法小型化、軽
量化には限界がある。さらに携帯に使用しうるシリンジ
用モータ等の駆動部品は、小型でかつ高性能が要求され
るため高価である上、一般的に寿命が短く、耐久性に難
点があって頻回のメンテナンスが必要である。
【0004】一方、薬液を吸い出す方式のポンプも知ら
れており、たとえば電動モータを動力源とするペリスタ
リックポンプ、あるいはこれより小型軽量な振動板を用
いた送液ポンプなどが知られている。これら吸い出し方
式のポンプは、上記加圧シリンジポンプ方式に比して小
型・軽量化が可能である。また容器本体を変形容易な軟
性プラスチック材料で形成すれば、それ自体減容変化す
るので容器本体の占めるスペースは少なくて済み、また
軽量化も図ることができる。上記吸い出しポンプと組み
合わせれば、薬液注入装置の小型・軽量化を図ることが
できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般的に容器本体を輸
液スタンドなどにぶら下げて差圧状態を作ることができ
る場合には、吸い出しポンプたとえば上記ペリスタリッ
クポンプを用いても薬液を残さず送液することができ
る。しかしながら携帯型薬液注入装置は、患者の体に長
時間装着した状態で使用するものであり、患者の装着位
置あるいは活動状態などにより容器本体の向きは異な
り、薬液の排出方向を常に重力方向に向けた状態にして
おくことは困難である。このような状態では、薬液が吸
い出されにくくなり、変形容易な容器本体は変形しやす
い部分から減容変化してブロッキングを起し、つまり容
器本体の内面同士が張り付いて流路が遮断され、容器本
体内に薬液が残る可能性がある。また軟質材料ほど変形
容易ではない薬液容器あるいは減容しても変形しない容
器本体の場合には、薬液減容とともに吸い出し圧が不足
するようになり、容器内の薬液を十分に吸い出すことが
できない。
【0006】本発明は上記のような従来技術の情況に鑑
みてなされたものであり、小型・軽量で、薬液を無駄な
く使いきることができる薬液容器、さらにはこの薬液容
器を含み、薬液注入量、注入時間を任意に設定、制御す
ることができる携帯可能な薬液注入装置であって、特に
送液完了後に容器本体内に残存する薬剤量の少ない薬液
注入装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記のような課題は以下
のような本発明によって解決することができる。 (1)変形容易な軟質材料からなる容器本体と、該容器
本体と離間して配置された硬質材料からなるケーシング
部材と、該ケーシング部材と上記容器本体とにより圧縮
保持された、空気層を含む弾性部材とから構成される薬
液容器と、上記容器本体の下流に接続され、該容器本体
内に陰圧を発生する方式のポンプと、該ポンプに接続さ
れ、該ポンプの動作を制御する内部制御装置と、上記ポ
ンプの下流に設けられ、上記ポンプから吐出される薬液
を送液するための送液路とを有する薬液注入装置。
【0008】本発明では、上記弾性部材は金属材料を含
まない。 (2)前記弾性部材が軟質低反発弾性ウレタンフォーム
からなる上記(1)の薬液注入装置は本発明の好ましい
態様である。
【0009】(3)上記ケーシング部材が容器であり、
内部に前記容器本体および前記弾性部材を収容すること
により前記薬液容器が一体化構成されてなる上記(1)
または(2)の薬液注入装置。 (4)上記薬液容器が容器本体内部に薬液が充填された
プレフィルド製剤である上記(3)の薬液注入装置。上
記薬液容器が薬液充填口を有する態様でもよい。
【0010】(5)上記ケーシング部材が上記薬液注入
装置のハウジング一部を構成する上記(1)(4)のい
ずれかの薬液注入装置。
【0011】(6)上記薬液がインスリンまたはインス
リン様活性をもつインスリンアナログである上記(1)
ないし(5)のいずれかの薬液注入装置。 (7)上記ポンプがダイアフラム式ポンプである上記
(1)ないし(6)のいずれかの薬液注入装置。
【0012】(8)変形容易な軟質材料からなる容器本
体と、該容器本体と離間して配置された硬質材料からな
るケーシング部材と、該ケーシング部材と前記容器本体
とにより圧縮保持された、空気層を含む弾性部材とが一
体構成された薬液注入装置用薬液容器。
【0013】(9)上記内部制御装置は、さらに、薬液
注入指示を入力するための入力手段を該装置内に有する
上記(1)ないし(8)のいずれかの薬液注入装置。上
記入力手段に入力された薬液注入指示により上記ポンプ
の動作を制御することができる。
【0014】(10)上記薬液注入装置が、さらに、上
記内部制御装置に情報を送受信しうる外部制御装置を含
む上記(1)ないし(9)のいずれかの薬液注入装置。 (11)上記外部制御装置が、上記内部制御装置に送信
するための薬液注入指示が設定されたプログラムを含む
上記(10)に記載の薬液注入装置。外部制御装置に設
定されたプログラムに基づく薬液注入指示を上記内部制
御装置に送信することにより、上記ポンプの動作を制御
することができる。
【0015】(12)上記内部制御装置が、さらに、ポ
ンプの動作状況および/または薬液注入量を記録する手
段および該記録を上記外部制御装置に表示または別途記
録保存するための送信手段を有する上記(10)または
(11)の薬液注入装置。
【0016】(13)上記外部制御装置と上記内部制御
装置とが無線で接続されることを特徴とする上記(1
0)ないし(12)のいずれかの薬液注入装置。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る薬液注入装置
1の好ましい態様例を、図に基づいて具体的に説明す
る。図1は、本発明の薬液注入装置1の概略構成を示す
部分断面図である。本発明の薬液注入装置1は、容器本
体20を含む薬液容器2、該容器本体20の下流に接続
されたポンプ3および上記ポンプ3の下流に設けられ、
内部制御装置4で動作制御されたポンプ3から吐出され
る薬液6を送液するためのチューブ状の送液路5を有す
る。
【0018】上記薬液容器2は、変形容易な軟質材料か
らなる容器本体20と、容器本体20と離間して配置さ
れた硬質材料からなるケーシング部材8と、ケーシング
部材8と容器本体20とにより圧縮保持された弾性部材
7とから構成される。図1には、ケーシング部材8が容
器(ケース)であって、その内部に容器本体20および
弾性部材7が収容されることにより、薬液容器2が一体
化構成された態様を示す。
【0019】本発明の容器本体20は、変形容易な軟質
材料からなる。ケーシング部材8にガスバリヤ性をもた
せるなどにより、容器本体20そのものにガスバリヤ性
をもたせなくてもよい場合には、容器本体20の材料
は、薬剤に対する安定性がすでに保証されている素材の
うちから、容器本体20に接続されたポンプ3の作用に
より吸い出される薬液6の減容分に追従して変形しうる
軟質材料を選択すればよい。またクレゾール(防腐剤)
などの油性薬剤を吸着しない耐薬剤性材料などが選択さ
れる。
【0020】このような軟質材料としては、内容積の減
容に追従して容易に変形することができる。たとえばポ
リプロピレン、ポリエチレンなどのオレフィン系ポリマ
ー、ポリ塩化ビニルなどの高分子材料を用いることがで
きる。これら2種以上を組合わせたものであってもよ
い。またこれらにスチレン系エラストマー、オレフィン
系エラストマーなどのエラストマー性ポリマーを適宜添
加して弾性および柔軟性を向上させることもできる。上
記軟質材料は、通常、透明または半透明である。
【0021】また上記軟質材料層に、硬質材料層を積層
した材料を用いて、容器本体20自体にガスバリヤ性、
水蒸気バリヤ性をもたせることもできる。このような硬
質材料としては、具体的に、ポリエチレンテレフタレー
ト(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、
ポリアクリロニトリル(PAN)、硬質のオレフィン系
ポリマー、ポリカーボネート、アクリル樹脂などの高分
子材料を挙げることができる。これら2種以上を混合あ
るいは積層したものであってもよい。上記硬質材料層を
有する積層体の場合には、硬質材料層を軟質材料層の内
層あるいは外層さらには軟質材料層を挟む内外層のどの
ように積層してもよいが、通常、内層を軟質材料とす
る。
【0022】容器本体20の形状は、内容積の減容に追
従して容易に変形することができれば特に限定されない
が、通常、内包する薬液6の減少に追従して変形する本
体胴部21と、薬液6の吸い出しによって変形しない口
部22とを有する袋状体である。本体胴部21は、それ
自体で自立しうる形状保持性を有していなくてもよく、
減容分に追従して容易に変形し、それ以上送液できない
状態すなわち送液終了時には、本体胴部21の内表面同
士が密着して、本体胴部21の内容積はほぼゼロとなる
形状であることが望ましい。
【0023】このような本体胴部21の好ましい形状
は、図1に示すような断面を有し、その平面が口部22
からの垂軸に対して対称な形状である。具体的には、対
称型に切断されたシート2枚を貼合わせた袋状の本体胴
部21が挙げられる。図2(a)に好ましい態様例の平面
図を示す。本体胴部21が軟質材料からなるシートの貼
り合わせ袋であれば、送液終了時、本体胴部21内の内
表面同士の密着により内部空間をほぼゼロとすることが
可能であり(図4(b) 参照)、充填した薬液6をほぼす
べて送液することができる。
【0024】また図2(b) に示すように筒状フィルムの
口部22を除く開放端を融着等で貼合わせたマチのない
袋状体、あるいはそこに底材を付して封鎖することによ
り形成される袋状体(図示せず)であって、筒状の本体
胴部21上に、上記垂軸に平行な折り目(ヒダ)をつけ
た態様(図示せず)も好ましい。袋状体は上記材料をブ
ロー成形あるいはインフレーション成形などの方法によ
り成形することができる。
【0025】口部22は上記軟質材料の射出成形により
形成することができる。口部22と本体胴部21とは、
一体成形してもよく、別々に成形したものを融着あるい
は接着剤等により一体化してもよい。なお以下には、図
1〜2に示す本体胴部1の好ましい態様例に基づいて説
明するが、本発明の本体胴部21はこれら図の形状に限
定されるものではない。
【0026】本体胴部21の厚みは、上記目的を損なわ
ない範囲であれば特に限定されないが、軟質材料のみか
らなる場合には、通常10μm〜1000μm程度であ
る。また硬質材料層を有する積層体の場合、各層の厚み
は、減容に追従して変形する本発明の目的を損なわない
範囲であれば特に限定されないが、通常、軟質材料層が
10〜1000μm程度、硬質材料層が5〜100μm
程度である。容器本体の内容量は、充填する薬剤などに
よっても異なるが、通常1〜100mL程度である。
【0027】弾性部材7は、容器本体20とケーシング
部材8とにより圧縮保持され、薬液量の減容に伴う本体
胴部21の変形が偏りがなく全体一様となるように本体
胴部21の外表面を補助的に押圧するためのものであ
る。このような弾性部材7は、圧縮に対し復元性のある
部材であればよいが、衝撃吸収性で、軽量で、さらに低
反発性であり、特に容器本体20を低反発力により持続
的に押圧しつづける材料からなることが望ましい。なお
本発明では、弾性部材として、小型・軽量化が図りにく
い、また軟質材料からなる容器本体20を破損するよう
なコイルバネなどの金属材料で構成された弾性部材は通
常使用されない。
【0028】上記のような弾性部材7としては、弾性バ
ネとしての空気層を含むもの、たとえば軟質フォームが
挙げられる。具体的には、ポリエーテル系ポリウレタン
フォーム、ポリエステル系ポリウレタンフォームなどの
軟質ポリウレタンフォームを挙げることができる。特に
これら軟質ポリウレタンフォームは、JIS K640
1(軟質ウレタンフォームの試験方法)に準拠して測定
されるかたさが300N以下、さらには80N以下であ
ることが望ましい。密度は1〜140kg/m3 程度、
さらには5〜80kg/m3 程度であることが望まし
い。また反発弾性率は好ましくは40%以下、より好ま
しくは10%以下、さらに好ましくは5%以下である。
【0029】軟質ポリウレタンフォームは、公知の製造
方法に準拠して諸原料の組合わせ、使用量比などを選択
することにより、上記かたさ、反発弾性率、密度に調整
することができる。本発明では、上記のような軟質ポリ
ウレタンフォームとして、汎用ウレタンフォームFL、
軟質エバーライト製品(DLN、FHN、FX−B、R
KWなど)(以上いずれもブリジストン社製)、EGR
シリーズ(EGR2、EGR6など:イノアックコーポ
レーション社製)などの製品名で上市されている市販品
を使用することもできる。これらのうちでは、低反発性
ウレタンフォームである軟質エバーライト製品およびE
GRシリーズ製品が好ましい。
【0030】また本発明では、低反発性で軽量な弾性部
材7として、内容物の低反発性および軽量性を損なわな
いポリエチレンあるいは布などの軽量な袋中に、羊毛あ
るいは羽毛などを詰めたクッションを使用することもで
きる。
【0031】弾性部材7の形状および大きさは、前記目
的を達成できれば特に限定されないが、通常厚みのある
略板状体であり、容器本体20の外表面の少なくとも一
部、通常25%以上接していることが好ましい。具体的
には、本体胴部21の外表面全体を覆う形態、シートを
貼合わせた本体胴部21の両面(図1参照)、あるいは
片面を覆う形態などが挙げられる。また弾性部材7は、
その効果を損なわなければ、弾性部材7の少なくとも一
部を、接着剤などにより容器本体20および/またはケ
ーシング部材8に固定されてもよく、あるいは容器本体
20とケーシング部材8とで単に挟持することにより保
持されてもよい。接着方法、接着部位は何ら限定されな
い。
【0032】弾性部材7の保持方法を、薬液容器2のケ
ーシング部材8が、薬液注入装置1の収容部10aの蓋
として、ハウジング10の一部を構成する態様におい
て、容器本体20の片側に配置する具体例を図3に示
す。図3(a) は、ケーシング部材(蓋)8に弾性部材7
を接着固定した態様例であり、図3(b) は、弾性部材7
を容器本体20に接着固定した態様例である。図3(c)
は、弾性部材7を単に容器本体20上に載置してケーシ
ング部材(蓋)8と容器本体20とで挟持する態様例で
ある。
【0033】弾性部材7の厚みは、弾性部材7の形状お
よび材料、容器本体20の大きさおよび形状などによっ
ても異なり、容器本体20とケーシング部材8とにより
圧縮挟持されることにより、弾性部材7の復元力により
容器本体20を破壊せずかつ所望の押圧力が得られるよ
うに選択される。弾性部材7は、送液開始前には、薬液
6が充填された最大容積の容器本体20と、ケーシング
部材8とにより(その自然体積よりも)圧縮された状態
でセットされる。セット時には、予め弾性部材7を手の
平などで圧縮してもよい。送液開始前の弾性部材7の圧
縮率は、自然体積に対し、通常30〜70%程度であ
る。また送液終了時には、弾性部材7は送液開始時より
も圧縮が開放されるが、自然体積よりは圧縮されている
ことが好ましく、具体的に送液終了時の圧縮率が8〜4
0%程度であることが望ましい。
【0034】上記のような弾性部材7により、薬液6の
減容に追従して軟質材料からなる容器本体20の本体胴
部21が変形する際に、口部22方向に移動しにくくな
る形状のシワあるいは部分的な閉塞部などが形成される
のを妨げることができる。すなわち弾性部材7の押圧補
助により、本体胴部21がブロッキングを起さず、最終
的に本体胴部21の内面同士が密着して本体胴部21内
の内容積をほぼゼロとすることができる。なお本発明に
おいて、容器本体20は弾性部材7に押圧されるが、ポ
ンプ3が吸引しない限り薬液6は吐出されない。
【0035】ケーシング部材8は、容器本体20の変形
あるいは外力などに拘らず変形しにくい硬質材料からな
る。ケーシング部材8は、弾性部材7および容器本体2
0を保護しうる程度に高強度であることが望ましく、ガ
スバリヤ性、水蒸気バリヤ性を有することが好ましい。
ただし容器本体20自体が、ガスバリヤ性、水蒸気バリ
ヤ性を有する場合には弾性部材7が特にガスバリヤ性、
水蒸気バリヤ性を有していなくてもよい。またケーシン
グ部材8は、クレゾールなどの油性薬剤に対する耐薬剤
性もあることが好ましく、透明または半透明であること
も好ましい。このような硬質材料としては、具体的に、
ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン
ナフタレート(PEN)、ポリアクリロニトリル(PA
N)、硬質のオレフィン系ポリマー、ポリカーボネー
ト、アクリル樹脂などの高分子材料を挙げることができ
る。これら2種以上を混合あるいは積層したものであっ
てもよい。
【0036】上記材料からなるケーシング部材8は、通
常0.1〜2mm程度の厚みであれば、軽量性を損なわ
ず、かつ容器本体20と協働して弾性部材7を圧縮保持
するための強度を確保することができる。ケーシング材
料、その形状および大きさは特に限定されない。本発明
では、上述したようにケーシング部材8は、その内部に
容器本体20および弾性部材7を収容し、薬液容器2を
一体化構成する容器形状(図1参照)であってもよく、
薬液注入装置1のハウジング10の一部を構成するハウ
ジング10と共有の部材であってもよい(図3参照)。
上記ケーシング部材8が容器である場合、ハウジング1
0とは別個に独立したケースであってもよく、該ケース
がハウジング内の収容部10aに組み込まれていてもよ
い。
【0037】図4は、本発明で提供される薬液容器2を
示し、上記容器本体20と、上記弾性部材7とが、容器
好ましくは密閉容器であるケーシング部材8内に収容さ
れ、弾性部材7がケーシング部材8と容器本体20とに
より圧縮保持されることにより一体構成された態様を示
す。薬液容器2がこのような一体化独立型であれば、送
液終了後(図4(b) )、薬液容器2を薬液注入装置1の
ハウジング10から取出し、交換することができる。ま
た、ケーシング部材8が薬液注入装置1のハウジング1
0の一部(蓋)を構成する場合には、送液終了後、容器
本体20または容器本体20と弾性部材7とをハウジン
グ10の収容部10aから取出し、交換することができ
る。
【0038】本発明では、薬液容器2が上記密閉一体型
である場合には、容器本体20内に予め充填された薬液
6を含むいわゆるプレフィルド製剤であってもよい。な
おプレフィルド製剤とする時は、ポンプ3と一体化した
ものであってもよい。また容器本体20は、薬液容器2
あるいは薬液注入装置2を構成した後に薬液6を充填す
るための薬液充填口(図示せず)を有していてもよく、
たとえば使用直前に薬液6を充填または使用後再充填し
てもよい。薬液6は、無菌的な環境で容器本体20内に
充填されるか、あるいは薬液充填後オートクレーブ等に
より滅菌される。
【0039】上記のような容器本体20内に充填される
薬液6は特に限定されないが、すい臓ホルモン、性腺刺
激ホルモン、性腺刺激ホルモン放出ホルモン等のホルモ
ン剤たとえばインスリン、インスリン様活性をもつイン
スリンアナログや、その他ホルモン剤以外として、疼痛
緩和目的でのモルヒネなどの麻薬、抗癌剤、抗生物質、
ヘパリンなどを挙げることができる。容器本体20が耐
薬剤性のオレフィン系ポリマーで形成されていれば、ク
レゾールなどの油性防腐剤を含むインスリンなどの輸液
に使用することができる。
【0040】図4は、上記のように構成された薬液容器
2の動作を説明するための図1の部分拡大断面図であ
る。送液開始前(図4(a) )には、弾性部材7は、薬液
6が満たされた容器本体20と、ケーシング部材8とに
より圧縮された状態で保持されている。それ以上送液で
きない状態すなわち送液終了時(図4(b) )には、本体
胴部21の変形性と、弾性部材7の復元力とにより、内
表面同士が密着し、本体胴部21内の空間はほぼゼロと
なる。これにより口部22に若干の薬液6を残すのみ
で、本体胴部21内への薬液6の残存は避けることがで
きる。送液終了時、容器本体20の外表面に接する弾性
部材7は送液開始時よりも圧縮が開放されているが、自
然体積よりは圧縮されていることが好ましい。
【0041】また図4に示すようなケーシング部材8が
薬液容器2を一体化した独立容器である態様のうち、ケ
ーシング部材8にガスバリヤ性、水蒸気バリヤ性を持た
せる場合には、ケーシング部材8は、通常、弾性部材7
を大気と連通させるための1または複数の開孔8aを有
する。この開孔8aは送液開始までの未使用時、シール
してケーシング部材8を密閉容器とすることができる
(図4(a) )。特に容器本体2がプレフィルド製剤であ
る場合には、保管中の水分や防腐剤などの添加剤成分の
減少防止、ガスバリヤ性確保のため、使用開始直前まで
開孔8aをシールする構造が不可欠である。シール方
式、シールの形状および素材などは特に限定されない。
【0042】図4には、開孔8aを被覆するフィルム1
1をケーシング部材8に融着することにより、開孔8a
をシールした態様を示す。また図5に示すように、ケー
シング部材8と一体に成形されたタグ12を除去するこ
とにより開孔8aが形成される構造でもよい。なお容器
本体20がプレフィルド製剤ではなく、使用時に薬液を
充填するものの場合には、上記開孔8aをシールする構
造は必ずしも必要ではない。
【0043】上記容器本体20の下流には、口部22に
嵌入されたポート23を介して容器本体20内に陰圧を
発生する方式、すなわち薬液6を吸い出すためのポンプ
3が接続されている。吸引ポンプ3の吸引により容器本
体20内の薬液が吸い出される。吸引ポンプ3により容
器本体20内が陰圧になっていくが、本発明では、弾性
部材7の押圧力により、本体胴部21内にブロッキング
が起きない内圧が維持される。また容器本体20の吐出
圧は大気圧すなわち100kPa(760mmHg)程
度までであればよい。このような陰圧を発生しうるポン
プ3の吸引力は、具体的には、時間あたりの送液量で
0.1〜50mL/h程度であればよい。この程度の送
液量があれば、間欠的に送液することにより、送液量を
0.1μL/h程度まで微量に調節することができる。
【0044】本発明で使用されるポンプ3は、薬液を吸
い出す方式のもので、小型軽量化可能であれば特に限定
されないが、好適な態様例としてダイアフラム式ポンプ
を挙げることができる。ダイアフラム式ポンプの構成お
よび作動原理を図5(a)〜(b)に示す。図5に示す
ダイアフラム式ポンプ300は、流路301とハウジン
グ空間306との間に配置された振動板303と、流路
301の振動板303両端部位置の上、下流に配置され
た一方向にだけ流体を流すことができるバルブ304、
305とにより形成されたチャンバ302とから構成さ
れている。流路301の上流側は容器本体20側に、ま
た下流側は送液路5に接続されている。
【0045】上記振動板303は、通常、電圧または電
流変化により振動する。たとえば振動板303に周期的
な電圧または電流を印加(図示せず)すると、その周波
数に同期して振動板303が振動し、その振動によりチ
ャンバ302内に圧力変化が発生する。これにより上下
流の各バルブ304、305が交互に開閉し、ポンプ3
の上流側に接続された容器本体20内に陰圧が発生し、
吸い出された薬液6が流路31内に流れる。上下流の各
バルブ304、305は振動板303に同期して、自動
的に開閉させてもよい。
【0046】上記では、バルブ(開閉弁)を有する構造
のダイアフラム式ポンプの態様例について示したが、上
記図は作動原理を説明するためのものであり、各構成部
材の形状は上記に限定されるものではないことはいうま
でもない。振動板を用いた他の送液原理に基づくタイプ
のものとしては、たとえばバルブを使用せず流路形状に
より液流方向を定めるタイプのものが挙げられる。具体
的には、チャンバーへの入口流路および出口流路に、上
流方向への抵抗を大きくするテーパを付した構造とする
ことにより、チャンバー内への流入およびチャンバーか
らの流出を方向づけることができる。
【0047】また振動板を用いた他の送液原理振動板の
振動数は、数Hzから数100kHz 程度が利用可能であ
る。このうちでも超音波領域の振動数を利用するいわゆ
る超音波振動型ダイアフラムを好ましく用いることがで
きる。バルブを有するタイプのものであっても、バルブ
が追従できれば特に振動数に制限はない。
【0048】ダイアフラム式ポンプの原理そのものは公
知であり、本発明では、接続した容器本体20内から薬
液を吸い出す方式のものであれば、どのような構成、形
状のものでも使用することができる。種々のダイアフラ
ムのうちから、投与しようとする薬剤に適した流量など
に応じたタイプおよび性能のものを選択すればよい。た
とえば上記バルブを有するタイプのものは、振動板33
の緩やかな振動に追従するので、遅い送液速度で使用す
るのに適している。またバルブを有さず、流路形状によ
り流路方向を定めるタイプのものは、早い送液速度で使
用するのに適している。
【0049】上記には、ポンプ3の構造を振動板タイプ
のものについて説明したが、本発明では薬液を吸い出す
方式のものであれば、振動板を用いないタイプのもので
あってもよい。たとえばローラーポンプ、シリンダーポ
ンプ、軸流ポンプ、遠心ポンプなどを用いることもでき
る。しかしながら本発明では、弾性部材7の押圧力によ
り変形容易な軟質材料からなる容器本体20のブロッキ
ングを起さない内圧を常に維持し、変形を一様に行なわ
せながら薬液を吸い出すことができるようにするため、
このような容器本体20に組み合わせるポンプとして
は、メカニカルなポンプに比して小型・軽量なダイアフ
ラム式ポンプは好適である。
【0050】本発明では、上記ポンプ3は、容器本体2
0、さらには送液路チューブ5と一体化されていてもよ
い。容器本体20とポンプ3とが一体化されていれば、
操作者が容器本体20とポンプ3とを接続する必要がな
く、清潔にかつ簡便に取り扱うことができる。また送液
終了後、容器本体20を一体化されたポンプ3、さらに
は送液路チューブ5とともに使い捨てしてもよい。上記
薬液容器2、ポンプ3および内部制御装置4は1のハウ
ジング10内に収容されていることが好ましい。
【0051】図7は、上記のような薬液容器2、ポンプ
3、内部制御装置4および送液路5を含む本発明の薬液
注入装置1の好適な態様例をブロック図で示す。一端が
ポンプ3に接続された送液路5の他端は、使用時、必要
に応じてコネクタ51を介して注射針52に接続され
る。ポンプ3は、内部制御装置4内に内蔵された電源4
0を動力源とすることができ、該動力源は内部制御装置
4により制御することができる。またポンプ3は、内部
制御装置4内の電源40に接続された制御回路41と、
コネクタなどの電気的接点8を介して、動作制御可能に
接続されている。上記薬液6は、内部制御装置4により
ポンプ3の動作を制御して注入量が制御される。また内
部制御装置4は、スイッチなどの入力手段42を有して
いてもよい。
【0052】内部制御装置4は、ポンプ3の動作状況お
よび/または薬液注入量などを記録するための記録手段
(メモリ)43を含むことが好ましい。また投薬プログ
ラムの入力確認、送液状態、警報、エラーなどの動作状
況を表示するための液晶などの表示器44を有していて
もよく、必要時に液晶表示器44に表示させ、確認する
ことができる。
【0053】本発明の薬液注入装置1は、内部制御装置
4に情報を送信しうる外部制御装置100を含む態様も
好ましい。さらに内部制御装置4のメモリ43に記録さ
れた記録を外部制御装置100に表示または別途記録保
存するための送信手段を有する態様も好ましい。上記制
御回路41をこの送信手段(通信回路41)として利用
することができる。外部制御装置100と内部制御装置
4とは無線で接続することができ、デジタル送受信でき
ればその方式は問わない。
【0054】上記制御回路41には、医師の指示による
投与プログラムが予めセットされていてもよい。あるい
は外部制御装置100を含む態様では、外部制御装置1
00に投薬プログラムを任意に設定し、設定されたプロ
グラムに基づく薬液注入指示を内部制御装置4に送信
(転送)することにより、ポンプ3の動作を任意に制御
することもできる。また外部制御装置100と接続する
ことで、情報を読み出すことができ、情報の詳細な確認
や解析を行うことができる。さらに外部制御装置100
にメモリ101が搭載されていれば、長期間の履歴情報
を管理することができる。
【0055】内部制御装置4にポンプ3が接続されると
同時に、制御回路41と接続され、スイッチ42を押す
等による投薬開始の操作で制御回路41からポンプを駆
動するための制御信号および電力が供給される。これに
より予め設定された薬液注入プログラムに従い、ポンプ
動作を制御することができる。
【0056】ポンプ3の動作制御が指令され、容器本体
20内に陰圧が発生し、薬液6が吸い出されると、容器
本体20から薬液6が吸い出される。本発明では、弾性
部材7の押圧により変形容易な軟質材料からなる本体胴
部21の減容変化の際にブロッキングを起さない内圧を
常に維持しながら、本体胴部21は一様に変形すること
ができ、最終的に図4(b) に示すように本体胴部21内
の内容積がほぼゼロ近くなり、充填した薬液6をほぼ全
量吸い出すことができる。したがって薬液を無駄なく使
い切ることができ、特に高価なインスリンなどをする場
合に大きなメリットがある。本発明では、口部22が上
方を向いている場合などであっても、後述するポンプ3
により本体胴部21内に薬液6を残さず吸い出すことが
できる。
【0057】上記のような本発明の薬液注入装置を用い
る薬液注入は、硬膜外、動静脈血管、皮下、筋肉、諸臓
器などのいずれを介するものでもよい。上記のような本
発明の薬液注入装置は、小型軽量で携帯に容易であるだ
けでなく、弾性部材のばね特性を利用して最後まで無駄
なく薬液を使い切ることができる。さらに、薬剤に応じ
て投与を任意に制御することができ、内部または外部制
御装置にプログラム設定すれば、適切な時に投与するこ
とができ、また自身で投与コントロールできない人でも
投与容易である。
【0058】特に糖尿病治療で用いられるインスリン
は、従来、シリンジや専用のインジェクタにより毎食前
あるいは予め決められた時間に、一日あたり1回ないし
4回程度投与する方法が一般的な治療方法であったが、
この方法では食事時間が不規則な場合の血糖管理や早朝
の成長ホルモンなどの分泌による生理的インスリン抵抗
性の増加により朝方に起こる血糖上昇(暁現象:dawn p
henomenon )などを予防することは困難な場合が多い。
このため従来の頻回注射に代えて、血糖値の低下した時
あるいは食後などの必要時のみ、高濃度で微量投与する
傾向にあるが、携帯に好適な本発明の薬液注入装置であ
ればこのような投与方法も容易に行なうことができる。
【0059】
【実施例】次に本発明を実施例により具体的に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。 〔実施例1〕以下の薬液容器について送液試験を行な
い、容器本体内圧変化と残液量とを測定した。図8に試
験回路の概略図を示す。図2(a) に示すような形状の2
枚のポリエチレンシート(厚み75μm)を貼り合わせ
た袋(横16.5mm×縦52mm)にポート23をエ
ポキシ系接着剤で接着して口部22を形成した容器本体
20を使用した。この容器本体20内に水2.99mL
を充填し、容器20の両面を弾性反発率5%以下の軟質
低反発ウレタンフォーム(ブリジストン社製DLN)か
らなる弾性部材7(縦60mm×横20mm×厚み15
mm)2枚でそれぞれ覆い、さらにこの弾性部材7を板
間距離20mmの2枚のアクリル板(縦60mm×横6
0mm×厚み6mm)(ケーシング部材7)で保持し
て、薬液容器2を構成した。薬液6を充填したときの容
器本体20の厚みは約6.5mmであり、弾性部材7
は、2枚(30mm)で13.5mmに圧縮されてい
た。したがってこの状態での弾性部材7の圧縮率は55
%であった。
【0060】容器本体20の口部22を上向きにセット
し、ローラーポンプ3(10mL/hr)で薬液6を吸
い出した。送液開始時の容器本体20内の圧力は、ゲー
ジ圧で21.7mmHgの陽圧であった。ローラーポン
プ3(10mL/hr)で薬液6を吸い出し、容器本体
20内がゲージ圧で−100mmHgの陰圧になった時
(送液完了時)の本体胴部21内の残液量は0.12m
Lであり、口部22を含む容器本体20全体での残液量
は0.21mLであった。またこの時の弾性部材7の圧
縮率は33.3%であった。これら結果を表1に示す。
またローラーポンプ3の吸い出しによる容器本体20内
の経時的圧力変化を図8に示す。
【0061】〔実施例2〕実施例1において、弾性部材
7の材質を軟質ウレタンフォーム(ブリジストン社製F
L)に変えた以外は、実施例1と同様にして送液試験を
行なった。結果を表1に示す。ローラーポンプ3の吸い
出しによる容器本体20内の経時的圧力変化を図8に示
す。
【0062】〔実施例3〜6〕実施例1において、弾性
部材7の使用個数あるいは材質を表1に示すように変更
した以外は、実施例1と同様にして送液試験を行なっ
た。結果を表1に示す。表1中、実施例4の軟質低反発
ウレタンフォームは、イノアック社製EGR6である。
【0063】〔参考例1〕実施例1において、弾性部材
7およびアクリル板8を使用せず、容器本体20のみで
薬液容器を構成した以外は、実施例1と同様にして送液
試験を行なった。結果を表1に示す。ローラーポンプ3
の吸い出しによる容器本体20内の経時的圧力変化を図
9に示す。
【0064】〔実施例7〜9〕実施例1において、本体
胴部21を、内層がポリプロピレン(PP)(厚み50
μm)、外層がポリエチレンテレフタレート(PET)
(厚み12μm)からなる積層フィルムを貼り合わせた
袋(横25mm×縦42mm)に変え、表1に示す弾性
部材7を使用した以外は、実施例1と同様にして送液試
験を行なった。結果を表1に示す。
【0065】〔参考例2〕実施例7〜9において、弾性
部材7およびアクリル板8を使用せず、薬液容器を容器
本体20のみで構成した以外は、実施例と同様にして送
液試験を行なった。結果を表1に示す。
【0066】
【表1】
【0067】
【発明の効果】本発明に係る薬液注入装置用薬液容器
は、送液されるにつれて容易に変形する柔軟な素材から
なる容器本体と、この変形を押圧補佐する弾性部材とか
ら構成されることによって、ブロッキングを起さない内
圧を保持し、流量を安定して精度よく送液することがで
き、特に、極微小な陰圧を発生する吸い出しポンプであ
っても薬液排出方向の向きに拘らず最後まで無駄なく薬
液を使いきることができる。したがって本発明では、こ
のような薬液容器と吸い出しポンプとから構成される軽
量、コンパクトで安価な薬液注入装置が提供される。ま
た本発明の薬液注入装置は、制御装置に直接入力された
薬液注入指示、または予め外部制御装置でプログラミン
グされた薬液注入指示によって動作されるので、任意の
設定量、設定時間での薬剤注入を実現できる。さらに容
器本体、ポンプおよび必要に応じて注入ラインとを一体
化すれば一回の使用のみで廃棄できるので、繰り返し使
用する制御装置から、寿命の短く重量的にも重いモータ
等の動力源が排除でき、従来の電動式ポンプに比較し
て、小型軽量かつ安価で、故障が少なく、基本的にメン
テナンスが不要な薬液注入装置を提供することもでき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の薬液注入装置の概略構成例を示す部
分断面図である。
【図2】 (a) 〜(b) は、本発明における容器本体の好
ましい態様例を示す平面図である。
【図3】 (a) 〜(c) は、本発明における弾性部材の配
置態様例を示す説明図である。
【図4】 本発明における薬液容器の一態様例を示す断
面図であり、(a) は送液開始前の状態、(b) は送液終了
時の状態を示す図である。
【図5】 本発明における薬液容器の開孔態様例を示す
断面図である。
【図6】 (a) 〜(b) は、本発明の薬液注入装置に使用
されるダイアフラムポンプの構造および作動原理を示す
断面図である。
【図7】 本発明の薬液注入装置が外部制御装置を含む
態様を説明するブロック図である。
【図8】 実施例の送液試験で使用した回路の概略説明
図である。
【図9】 実施例1〜2および参考例1の送液試験結果
をグラフで示す図である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】変形容易な軟質材料からなる容器本体と、
    該容器本体と離間して配置された硬質材料からなるケー
    シング部材と、該ケーシング部材と前記容器本体とによ
    り圧縮保持された、空気層を含む弾性部材とから構成さ
    れる薬液容器と、 前記容器本体の下流に接続され、該容器本体内に陰圧を
    発生する方式のポンプと、 該ポンプに接続され、該ポンプの動作を制御する内部制
    御装置と、 前記ポンプの下流に設けられ、前記ポンプから吐出され
    る薬液を送液するための送液路とを有する薬液注入装
    置。
  2. 【請求項2】前記弾性部材が軟質低反発弾性ウレタンフ
    ォームからなる請求項1に記載の薬液注入装置。
  3. 【請求項3】前記ケーシング部材が容器であり、内部に
    前記容器本体および前記弾性部材を収容することにより
    前記薬液容器が一体化構成されてなる請求項1または2
    に記載の薬液注入装置。
  4. 【請求項4】前記薬液容器が容器本体内部に薬液が充填
    されたプレフィルド製剤である請求項3に記載の薬液注
    入装置。
  5. 【請求項5】前記ケーシング部材が前記薬液注入装置の
    ハウジング一部を構成する請求項1ないし4のいずれか
    に記載の薬液注入装置。
  6. 【請求項6】前記薬液がインスリンまたはインスリン様
    活性をもつインスリンアナログである請求項1ないし5
    のいずれかに記載の薬液注入装置。
  7. 【請求項7】前記ポンプがダイアフラム式ポンプである
    請求項1ないし6のいずれかに記載の薬液注入装置。
  8. 【請求項8】変形容易な軟質材料からなる容器本体と、
    該容器本体と離間して配置された硬質材料からなるケー
    シング部材と、空気層を含む弾性部材とから構成され、
    該弾性部材が前記ケーシング部材と前記容器本体とによ
    り圧縮保持されることにより一体構成された薬液注入装
    置用薬液容器。
JP2002110075A 2002-04-12 2002-04-12 薬液注入装置および薬液容器 Withdrawn JP2003299732A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002110075A JP2003299732A (ja) 2002-04-12 2002-04-12 薬液注入装置および薬液容器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002110075A JP2003299732A (ja) 2002-04-12 2002-04-12 薬液注入装置および薬液容器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003299732A true JP2003299732A (ja) 2003-10-21

Family

ID=29393324

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002110075A Withdrawn JP2003299732A (ja) 2002-04-12 2002-04-12 薬液注入装置および薬液容器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003299732A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100805314B1 (ko) * 2007-02-13 2008-02-20 주식회사 우영메디칼 약액 정량주입 밸브
JP2009522032A (ja) * 2006-01-06 2009-06-11 ノボ・ノルデイスク・エー/エス 圧潰可能なリザーバを利用する薬物送達装置
KR20120068867A (ko) * 2009-08-18 2012-06-27 미니펌프스, 엘엘씨 적응 제어기를 갖춘 전해 약품 운반 펌프
US9333297B2 (en) 2008-05-08 2016-05-10 Minipumps, Llc Drug-delivery pump with intelligent control
US9623174B2 (en) 2008-05-08 2017-04-18 Minipumps, Llc Implantable pumps and cannulas therefor

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009522032A (ja) * 2006-01-06 2009-06-11 ノボ・ノルデイスク・エー/エス 圧潰可能なリザーバを利用する薬物送達装置
KR100805314B1 (ko) * 2007-02-13 2008-02-20 주식회사 우영메디칼 약액 정량주입 밸브
US9199035B2 (en) 2008-05-08 2015-12-01 Minipumps, Llc. Drug-delivery pumps with dynamic, adaptive control
US9283322B2 (en) 2008-05-08 2016-03-15 Minipumps, Llc Drug-delivery pump with dynamic, adaptive control
US9333297B2 (en) 2008-05-08 2016-05-10 Minipumps, Llc Drug-delivery pump with intelligent control
US9623174B2 (en) 2008-05-08 2017-04-18 Minipumps, Llc Implantable pumps and cannulas therefor
US9849238B2 (en) 2008-05-08 2017-12-26 Minipumps, Llc Drug-delivery pump with intelligent control
KR20120068867A (ko) * 2009-08-18 2012-06-27 미니펌프스, 엘엘씨 적응 제어기를 갖춘 전해 약품 운반 펌프
JP2013502279A (ja) * 2009-08-18 2013-01-24 ミニパンプス, エルエルシー 適応制御を有する電解質薬物送達ポンプ
KR101697388B1 (ko) * 2009-08-18 2017-01-17 미니펌프스, 엘엘씨 적응 제어기를 갖춘 전해 약품 운반 펌프

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7018360B2 (en) Flow restriction system and method for patient infusion device
EP1441778B1 (en) Laminated patient infusion device
US6485461B1 (en) Disposable infusion device
AU600098B2 (en) A pump and a fluid dispensing device incorporating a pump
CN105555336B (zh) 顺应性的贴片泵
US8285328B2 (en) Remote-controlled drug pump devices
CA2434731C (en) Modular infusion device and method
US6692457B2 (en) Flow condition sensor assembly for patient infusion device
US20090036867A1 (en) Medication Delivery Device Applying A Collapsible Reservoir
US20020040208A1 (en) Data collection assembly for patient infusion system
US20100312221A1 (en) Wearable drug delivery device
JP2003299732A (ja) 薬液注入装置および薬液容器
JP2003180827A (ja) 薬液注入装置
JP2004275466A (ja) 薬液注入装置
JP2003180826A (ja) 薬液注入装置
JP2004042942A (ja) 液体容器
JP2009078041A (ja) 薬液カートリッジ及びこれを用いた薬液注入装置
JPH09262285A (ja) 薬液注入装置及び薬液バッグ
KR20230022890A (ko) 이식형 경막내 약물 전달 및 만성 통증 조절 시스템
AU2002331913A1 (en) Laminated patient infusion device

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20050705