JP2003294333A - スターリング機関 - Google Patents

スターリング機関

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JP2003294333A
JP2003294333A JP2002100081A JP2002100081A JP2003294333A JP 2003294333 A JP2003294333 A JP 2003294333A JP 2002100081 A JP2002100081 A JP 2002100081A JP 2002100081 A JP2002100081 A JP 2002100081A JP 2003294333 A JP2003294333 A JP 2003294333A
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Hiroyuki Katayama
博之 片山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ケーシング内部の残留空気(酸素)や残留湿
気を除去することにより、スターリング機関の連続運転
による内部基幹部品の酸化や、湿気水分氷結による性能
劣化や故障を防止する。 【解決手段】 作動流体が充填されたケーシング13内
に、膨張空間2、圧縮空間8およびバウンス空間14を
備えたスターリング機関であって、ケーシング内の多孔
質材配置位置26,27,28の少なくとも一つの位置
に、酸素を除去する脱酸素剤および水分を除去する除湿
剤の一方および両方を含む多孔質材の少なくとも一つを
配してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動力発生を目的と
するスターリングエンジンや、低温発生に用いるスター
リング冷凍機といったスターリング機関に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、省エネルギーや環境問題などの見
地から、スターリング機関が注目を浴びている。スター
リング機関は、外部の熱源を利用して可逆サイクルであ
るスターリングサイクルを実現する外燃機関であり、ガ
ソリンなどの引火性や着火性に優れた燃料を必要とする
内燃機関などに比べ、省エネルギーで低公害であるとい
う長所を備えた熱機関である。
【0003】このスターリング機関の応用例として、ス
ターリング冷凍機が広く知られている。このスターリン
グ冷凍機は、逆スターリングサイクルを用いて極低温を
発生させる冷凍機である。以下、スターリング機関の一
応用例であるフリーピストン型スターリング冷凍機を例
示して、スターリング機関の一般的な構造について説明
する。
【0004】図2に示したように、スターリング冷凍機
は、水素やヘリウムなどの不活性ガスが作動ガスとして
内部に充填されたシリンダ10を備えている。このシリ
ンダ10内には、ピストン9およびディスプレーサ7が
嵌挿されており、これらによってシリンダ10内の空間
が圧縮空間8と膨張空間2とに区画されている。通常、
ディスプレーサ7の周囲のシリンダを、ピストン9の周
囲のシリンダ10と別部材とし、円筒ボビン15とす
る。ピストン9はリニアモータ18によって駆動される
が、ばね11によって本体ケーシング13に接続されて
いるため、シリンダ10内を周期的に正弦運動する。ま
た、ディスプレーサ7は、ピストン9の正弦運動の力を
受けてシリンダ10内を往復動するが、ピストン9と同
様にばね12によって本体ケーシング13に接続されて
いるため、周期的な正弦運動をとることになる。このピ
ストン9の正弦運動とディスプレーサ7の正弦運動と
は、定常運転時において同じ周期で一定の位相差をもっ
て行なわれる。
【0005】圧縮空間8と膨張空間2との間には再生器
4が配設されており、この再生器4を介してこれら両空
間が連通することにより、冷凍機内に閉回路が構成され
ている。この閉回路の圧縮空間8側には、放熱用熱交換
器5が取付けられており、さらにこの放熱用熱交換器5
に隣接して放熱器6が設けられている。一方、閉回路の
膨張空間2側には、吸熱用熱交換器3が取付けられてお
り、さらにこの吸熱用熱交換器3に隣接して吸熱器1が
設けられている。
【0006】この閉回路内の作動ガスが、ピストン9お
よびディスプレーサ7の動作に合わせて流動することに
より、逆スターリングサイクルが実現される。ここで、
放熱器6は圧縮空間8内の熱を外部へと放出させる役割
を果たし、放熱用熱交換器5はこの放熱を促進させる役
割を果たす。また、吸熱器1は外部の熱を膨張空間2内
へと伝熱する役割を果たし、吸熱用熱交換器3はこの伝
熱を促進させる役割を果たす。
【0007】次に、上記構成のスターリング冷凍機の動
作について説明する。まず、リニアモータ18を作動さ
せ、ピストン9を駆動する。リニアモータ18によって
駆動されたピストン9は、ディスプレーサ7に接近し、
圧縮空間8内の作動ガスを圧縮する。これにより、圧縮
空間8内の作動ガス温度は上昇するが、放熱用熱交換器
5を介して放熱器6によってこの圧縮空間8内に発生し
た熱が外部へと放出されるため、圧縮空間8内の作動ガ
ス温度は、ほぼ等温に維持される。すなわち、本過程
は、逆スターリングサイクルの等温圧縮過程を構成す
る。
【0008】次に、圧縮空間8内でピストン9により圧
縮された作動ガスは、その圧力により再生器4内に流入
し、さらに膨張空間2へと送られる。その際、作動ガス
の持つ熱量が再生器4に蓄熱される。すなわち、本過程
は、逆スターリングサイクルの等容冷却過程を構成す
る。
【0009】つづいて、膨張空間2内に流入した高圧の
作動ガスは、ディスプレーサ7が図面上右方向へ移動す
ることにより、膨張する。これにより、膨張空間2内の
作動ガス温度は下降するが、吸熱用熱交換器3を介して
吸熱器1によって外部の熱が膨張空間2内へと伝熱され
るため、膨張空間2内はほぼ等温に保たれる。すなわ
ち、本過程は、逆スターリングサイクルの等温膨張過程
を構成する。
【0010】やがて、ディスプレーサ7が図面上左方向
へ戻り始めることにより、膨張空間2内の作動ガスは再
生器4を通過して、再び圧縮空間8側へと戻る。その
際、再生器4に蓄熱されていた熱量が作動ガスに与えら
れるため、作動ガスは昇温する。すなわち、本過程は、
逆スターリングサイクルの等容加熱過程を構成する。
【0011】この一連の過程(等温圧縮過程−等容冷却
過程−等温膨張過程−等容加熱過程)が繰り返されるこ
とにより、逆スターリングサイクルが構成される。この
結果、吸熱器1は徐々に低温になり、極低温を有するに
至る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一般にスタ
ーリング機関では、ケーシング内に充填される作動ガス
にとして、高圧のヘリウムや水素ガスが用いられるが、
従来の構造や組み立て工程においては、こうした本来の
ガス成分以外に混入してしまう残留空気や湿気成分をい
かにして低減するかが問題となっていた。例えば、上記
例に示したスターリング冷凍機の組み立てにおいて、最
終的に作動ガスである高圧ヘリウムを密封されたケーシ
ング13内に充填するに際に、内部空気を一旦十分に真
空引きした後、ヘリウムガスを導入する方法が一般的に
行われる。ところが、スターリング冷凍機の動作原理上
ピストン部9とシリンダ部10のシール性が要求される
ため、マグネット17、リニアモータ組品18やピスト
ン用ばね11やディスプレーサ用ばね12が配置されて
いるバウンス空間部14では、このガス置換が不十分と
なるケースが多々生じていた。
【0013】また、スターリング冷凍機の部品の中に
は、軽量性や低加工コストなどのメリットから、樹脂製
の材料を用いる場合も多い。例えば、再生器4のベース
材として、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィ
ルムを用いたり、ディスプレーサ7の先端キャップ部に
はポリカーボネート材を用いたりしている。こうした樹
脂材料は吸湿性も高いため、スターリング冷凍機の組み
立てにおいては、真空引きしながら脱気を行うなどの乾
燥プロセスなどが一般に行われている。こうしたプロセ
スは時間も要し、製造コスト増加にも繋がるという問題
を抱えていた。また、複雑に入り組んだスターリング冷
凍機内の個別部品の内部組み付け構造や前述したような
シール構造も原因して、こうした真空脱気工程の導入に
もかかわらず十分な脱空気、脱湿気対策が困難となって
いた。その結果、残留空気(酸素)や残留水分が元にな
って、スターリング冷凍機を連続運転した際、圧縮空間
8やバウンス空間14内の温度上昇も重なって、希土類
磁石からなるマグネット部や鉄鋼材をベースとするピス
トン用ばね11やディスプレーサ用ばね12に腐食を引
き起こし、性能劣化や故障の原因となっていた。また、
作動流体内に混入した水分が、低温となった膨張空間2
内で氷結して特に再生器フィルム近傍での作動ガスの流
れを阻害することによる冷凍機性能の劣化といった問題
発生にも繋がっていた。
【0014】本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなさ
れたものであり、ケーシング内部の残留空気(酸素)や
残留湿気を除去することで、スターリング機関の連続運
転による内部基幹部品の酸化や、湿気水分氷結による性
能劣化・故障を防止することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明のスターリング機
関は、作動流体が充填されたケーシング内に、膨張空
間、圧縮空間およびバウンス空間を備えたスターリング
機関であって、ケーシング内に酸素を除去する酸素除去
材、湿分(水分)を除去する除湿材、および酸素と湿分
とを除去する酸素湿分除去材の少なくとも一つを配して
なる。この構成によると、ケーシング内に充填された作
動流体に残留成分として混入した空気(酸素)成分およ
び湿気水分の一方または両方が取り除かれる。これによ
り、スターリング機関の内部部品の腐食による経時劣化
に伴う動作不良や、残留水分の凝結や凍結による性能劣
化の防止が可能となる。
【0016】上記の酸素除去材は、脱酸素剤を含む多孔
質材、たとえばその多孔質材を空気が流通するフィルタ
ー状とすることができる。また、フィルター状のように
空気がその中を流通する必要はなく、表面積を大きくし
て酸素除去を効果的に行うことができるだけでもよい。
除湿材についても、除湿剤を含む多孔質材は、除湿剤を
含む多孔質材、たとえばその多孔質材を空気が流通する
フィルター状とすることができる。また、フィルター状
のように空気がその中を流通する必要はなく、表面積を
大きくして除湿を効果的に行うことができるだけでもよ
い。さらに、1つの多孔質材の中に、脱酸素剤および除
湿剤の両方を含んでもよい。脱酸素材および除湿材の一
方または両方の多孔質材をフィルター状にした場合に
は、作動流体の通路断面にわたって上記フィルター状多
孔質材を配置することが望ましい。
【0017】また、上記局面に係るスターリング機関で
は、上記酸素除去材、除湿材および酸素湿分除去材の少
なくとも一つが、バウンス空間内に配設されることが望
ましい。この構成により、ピストンとシリンダのシール
性によりバウンス空間内で十分に作動流体と置換が出来
ずに残留成分として残った空気(酸素)や、各部品に吸
着した水分を、脱酸素剤や除湿剤によって取り除くこと
が出来る。そのため、バウンス空間内に配置されたマグ
ネット組品類や、鋼材をベースとするピストン用ばねや
ディスプレーサ用ばねの摩耗劣化を防食によって抑える
ことができる。この結果、安定して連続運転を行うこと
ができ、長期信頼性を得ることが可能となる。
【0018】また、上記スターリング機関では、上記酸
素除去材、除湿材および酸素湿分除去材の少なくとも一
つが、高温空間側、例えばスターリング冷凍機にあって
は圧縮空間側に配されることが望ましい。一般に、内部
部品や筺体に吸着している残留空気(酸素)や残留湿気
水分は、温度上昇と共に放出されやすくなるため、動作
中のスターリング冷凍機にあって相対的に温度が高くな
る膨張空間部に、残留ガス成分を取り除く脱酸素剤や除
湿剤を配置することで効果的に酸素や水分を除去し、作
動流体ガス内への混入を抑えることが可能となる。これ
により、スターリング機関内部の構成部品の酸化劣化
や、残留水分の凝結や凍結による性能への悪影響を抑え
られる。
【0019】また、上記スターリング機関では、上記酸
素除去材、除湿材および酸素湿分除去材の少なくとも一
つが、膨張空間と圧縮空間との間の作動流体の流通路上
に配されてなることが望ましい。これにより、例えばス
ターリング冷凍機においては、作動ガスが低温側となる
膨張空間へ移動するまでの流路上において、残留水分が
取り除かれる。このため、膨張空間内やガス流路となる
再生器の膨張空間側での水分の凝結や凍結による冷凍機
の性能劣化が防止できる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図を参照して説明する。なおここでも、スターリン
グ機関の応用例として、フリーピストン型スターリング
冷凍機を例示して説明する。
【0021】図1は、本発明に係わるスターリング冷凍
機の概略的な断面図である。なお、図1において、図2
に示す従来のスターリング冷凍機と共通の部材について
は同一の符号を付し、その詳細な説明は省く。
【0022】本発明に係わる多孔質材の酸素除去材、多
孔質材の除湿材および多孔湿材の酸素湿分除去材の少な
くとも一つは、図1に例示されるように、バウンス空間
14内の多孔質材配置場所28、膨張空間8内の多孔質
材配置場所27、および再生器フィルム4が巻かれた円
筒ボビン15内の多孔質材配置場所26の少なくとも一
箇所に配設される。
【0023】脱酸素剤および除湿剤の一方または両方を
含む多孔質材の少なくとも一つをバウンス空間14内の
上記多孔質材配置場所28に配設した場合、バウンス空
間内に位置する磁気エネルギーに優れた希土類−鉄系材
料を使ったマグネット組品類17や、鋼材をベースとす
るピストンばね11やディスプレーサばね12といった
酸化し易い素材からなる部品類の腐食を抑えることがで
きる。
【0024】スターリング冷凍機では、作動ガスである
高圧ヘリウムや水素ガスを、密封されたケーシング13
内に充填する必要がある。このため、冷凍機の組立工程
において、内部空気を一旦十分に真空引きした後、ヘリ
ウムガスを導入する方法が一般に行われる。ところが、
スターリング冷凍機では、ピストン部9とシリンダ部1
0のシール性が要求されるため、バウンス空間14内部
からのガス置換が不十分となり、この空間には特に作動
ガス以外の空気(酸素)や水分が残り易い傾向があっ
た。しかし、バウンス空間内に脱酸素剤や除湿剤を含む
多孔質材を封入することで、こうした残留ガス成分が取
り除かれる。この結果、内部部品の防食による摩耗劣化
が抑えられ、安定した連続運転を可能とする長期信頼性
が得られる。
【0025】また、脱酸素剤および除湿剤の一方または
両方を含む多孔質材の少なくとも一つを圧縮空間8内の
上記多孔質材配置場所27に配設した場合、圧縮空間内
の温度が相対的に高くなるため、部品や筺体に吸着して
いる残留空気(酸素)や残留湿気水分が放出されやすく
なる。この空間部に残留ガス成分を取り除く脱酸素剤や
除湿剤を配置することで効果的に酸素や水分を除去し、
作動流体ガス内への混入を抑えることが可能となる。こ
れにより、スターリング機関内部構成部品の酸化劣化
や、残留水分の凝結や凍結による性能への悪影響を抑え
られる。
【0026】さらに、除湿剤を含む多孔質材を、膨張空
間と圧縮空間との間の作動流体の流通路上となる、円筒
ボビン15の外周の多孔質材配置場所26に配設した場
合、作動ガスが低温側となる膨張空間へ移動するまでの
流路途中において、残留水分が取り除かれる。このた
め、相対的に温度が低くなる膨張空間内や再生器の膨張
空間側での水分の凝結や凍結による冷凍機の性能劣化が
防止できる。
【0027】なお、脱酸素剤の材料としては、酸化第一
鉄、酸化第二鉄や水酸化鉄などの活性酸化鉄が使われ
る。また、ビタミンCやアルコール類の活性な有機物の
酸化も利用可能である。スターリング冷凍機に配設する
にあたっては、上記酸素吸収剤を樹脂に固定化してシー
トや板材化することによって簡便に組み込むことが可能
である。
【0028】除湿剤の材料としては、シリカゲル、酸化
カルシウム、塩化カルシウムといった材料が使われる。
【0029】
【実施例】(実施例1)本発明の実施例として、上記材
料から構成される多孔質材を組み込み、従来行われてい
た真空脱気乾燥工程を省略して、図1に示されるスター
リング冷凍機を組み立てた。多孔質材としては、上記材
料からなる微細粉末を燒結処理したもの、圧力成形した
もの、熱可塑性樹脂をバインダーとして微細粉末を含浸
させたもの等を使用した。一方、比較のために、上記多
孔質材を含まず従来どおり組立工程時に4時間の真空脱
気乾燥を行って、図2に示す従来構造のスターリング冷
凍機を組み立てた。上記両方のスターリング冷凍機につ
いて、吸熱器温度−15℃、放熱器温度49℃、ピスト
ン振幅6mmの過酷動作条件で、連続2000時間運転
の後、内部部品の劣化状況を比較した。
【0030】その結果、従来の構造のスターリング冷凍
機では、マグネットの酸化、および銅製の放熱用熱交換
器の表面酸化が確認された。これに対して、本発明に係
わる多孔質材を組み込んだスターリング冷凍機では、部
品の腐食劣化は認められなかった。
【0031】(実施例2)上記実施例1における本発明
の構造と同様の試作品を20台、真空脱気乾燥を省略し
て組み立てた。また、実施例1における従来構造のスタ
ーリング冷凍機を真空脱気乾燥を行って20台試作し
た。従来構造のスターリング冷凍機では、初期性能評価
の際に、上記20台のうち2台において明らかに膨張空
間部での氷結に起因した冷却能力低下が発生した。一
方、本発明に係わる多孔質材組み込みのスターリング冷
凍機では、真空脱気乾燥を省略したにもかかわらず、上
記のような冷却不良は1台も発生しなかった。
【0032】このように、本発明に係わる脱酸素剤およ
び除湿剤の一方または両方を含む多孔質材の少なくとも
一つを、スターリング冷凍機に組み込むことによって、
残留空気や残留水分といった部品劣化や性能劣化に繋が
る残留ガスを取り除くことができる。このため、高信頼
性のスターリング冷凍機を実現できる。さらに、上記よ
り明らかなように、従来組立工程から真空脱気乾燥工程
を省略できるので、組み立て時間の大幅短縮と低コスト
化を実現することが可能となる。
【0033】上記本実施の形態および実施例では、フリ
ーピストン型スターリング冷凍機を例示して説明した
が、スターリング冷凍機と逆サイクルとなるスターリン
グエンジンに対しても本発明が適用できることは言うま
でもない。上記に開示した本発明の実施の形態および実
施例はすべての点で例示であって、制限的なものではな
い。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲の記載によっ
て画定され、また特許請求の範囲の記載と均等の意味お
よび範囲内でのすべての変更を含むものである。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、スターリング機関のケ
ーシング内に、酸素を除去する脱酸素剤および水分を吸
着する除湿剤の一方または両方を含む多孔質材の少なく
とも一つを配設することにより、ケーシング内に充填さ
れた作動流体に残留成分として混入した空気(酸素)成
分や湿気水分が取り除かれる。このため、スターリング
機関の内部部品の腐食による経時劣化に伴う動作不良
や、残留水分の凝結や凍結による性能劣化の防止が可能
となる。さらに、真空脱気乾燥工程を省くことが可能で
あり、このため組立工程を短縮することができ、スター
リング機関の低コスト化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わるスターリング冷凍機の概略的
な断面図である。
【図2】 従来のスターリング冷凍機の一例の概略的な
断面図である。
【符号の説明】
1 吸熱器、2 膨張空間、3 吸熱用熱交換器、4
再生器、5 放熱用熱交換器、6 放熱器、7 ディス
プレーサ、8 圧縮空間、9 ピストン、10シリン
ダ、11 ピストン用ばね、12 ディスプレーサ用ば
ね、13 本体ケーシング、14 バウンス空間、15
円筒ボビン、17 マグネット、18リニアモータ、
26,27,28 多孔質材配置位置。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作動流体が充填されたケーシング内に、
    膨張空間、圧縮空間およびバウンス空間を備えたスター
    リング機関であって、 前記ケーシング内に酸素を除去する酸素除去材、湿分を
    除去する除湿材および酸素と湿分とを除去する酸素湿分
    除去材の少なくとも一つを配してなる、スターリング機
    関。
  2. 【請求項2】 前記酸素除去材が脱酸素剤を含む多孔質
    材であり、前記除湿材が除湿剤を含む多孔質材であり、
    前記酸素湿分除去材が脱酸素剤と除湿剤とをともに含む
    多孔質材である、請求項1に記載のスターリング機関。
  3. 【請求項3】 前記酸素除去材、除湿材および酸素湿分
    除去材の少なくとも一つが、前記バウンス空間内に配さ
    れてなる、請求項1または2に記載のスターリング機
    関。
  4. 【請求項4】 前記酸素除去材、除湿材および酸素湿分
    除去材の少なくとも一つが、高温空間側に配されてなる
    請求項1〜3のいずれかに記載のスターリング機関。
  5. 【請求項5】 前記酸素除去材、除湿材および酸素湿分
    除去材の少なくとも一つが、前記膨張空間と圧縮空間と
    の間の作動流体の流通路上に配されてなる請求項1〜4
    のいずれか記載のスターリング機関。
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