JP2003294013A - 段付きロッドの構造 - Google Patents

段付きロッドの構造

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JP2003294013A
JP2003294013A JP2002097847A JP2002097847A JP2003294013A JP 2003294013 A JP2003294013 A JP 2003294013A JP 2002097847 A JP2002097847 A JP 2002097847A JP 2002097847 A JP2002097847 A JP 2002097847A JP 2003294013 A JP2003294013 A JP 2003294013A
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JP2002097847A
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Yasuhiro Kojima
靖博 小島
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Caterpillar Japan Ltd
Caterpillar Mitsubishi Ltd
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Caterpillar Mitsubishi Ltd
Shin Caterpillar Mitsubishi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 段付きロッドの構造に関し、段部に設ける応
力集中緩和用溝の形状を工夫することにより、段部の強
度を十分に向上させることができるようにする。 【解決手段】 第1円筒状外周面13と、第1円筒状外
周面13の外径よりも小さい外径を有する第2円筒状外
周面14と、両円筒状外周面13,14を接続する接続
面15とをそなえ、接続面15を中心に段部11が形成
された段付きロッドであって、第2円筒状外周面14に
おける接続面15との隣接部分1aに、縦断面視で滑ら
かな曲線状に形成された曲線部41aを有する応力集中
緩和用溝41が設けられ、曲線部41aは、互いに径の
異なる大径円弧41dと小径円弧41cとを組み合わせ
て構成され、応力集中緩和用溝41内において相対的に
応力集中の高い部位には大径円弧42dが適用されるよ
うに構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、段部(溝を含む)
をそなえたロッドの構造に関し、特に、段部における応
力集中を緩和する形状を有する、段付きロッドの構造に
関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、油圧シリンダのピストンロッド
等のロッドにおいて、段部や溝部(溝部は2つの段部の
組み合わせと考えることができるので、以下、溝部を含
めて段部と表現する場合もある)のように、外径が急変
する部分が形成されるが、このような部分では、応力集
中によって著しい強度低下が発生し、折損等の原因にな
る。このような応力集中は、特に段部において、外径が
急変し然も外径が小さくなる部分に発生する。
【0003】そこで、例えば図9のピストンロッドの要
部縦断面図に示すように、ピストンロッド1の段部1
1,12において外径が縮小した部分(縮径部)11
a,12aに、応力集中緩和構造としての応力集中緩和
用溝(「逃がし溝」ともいう)21,22を設ける技術
や、溝部31においては、この溝部31の底部23に応
力集中緩和構造23a,23bを設ける技術が開発され
ている。
【0004】例えばピストンロッド1の段部11におい
ては、図10(図9の部分拡大図)に示すように円筒状
外周面(第1円筒状外周面)13と、この円筒状外周面
13の外径よりも小さい外径を有する円筒状外周面(第
2円筒状外周面)14とが、接続面15を介して接続さ
れており、段部11は、接続面15とこの接続面15に
隣接する円筒状外周面13,14とから構成されてい
る。なお、接続面15は、ピストンロッド1の軸線に対
して直交する環状の平面により構成される。
【0005】このような段部11において、外径が急減
する円筒状外周面14を切削加工することにより応力集
中緩和用溝21が形成されている。この応力集中緩和用
溝21は、縦断面視で所定の曲率半径R21を有する円弧
状の曲線部21aと、縦断面視で直線状の直線部21b
とから構成されている。曲線部21aは接続面15に隣
接して形成され、直線部21bは曲線部21aから円筒
状外周面14の基準面(2点鎖線参照)に向かって次第
に拡径する(軸方向に対する角度θ21)ように形成され
ている。
【0006】同様に、接続面17とこの接続面17に隣
接する円筒状外周面13,16とから構成された段部1
2においても、外径が急減する円筒状外周面13を切削
加工することにより応力集中緩和用溝22が形成されて
いる。この応力集中緩和用溝21も、縦断面視で所定の
曲率半径R22を有する円弧状の曲線部22aと、縦断面
視で直線状の直線部22bとから構成されており、曲線
部22aは接続面17に隣接して形成され、直線部22
bは曲線部22aから円筒状外周面13の基準面に向か
って次第に拡径する(軸方向に対する角度θ22)ように
形成されている。
【0007】また、溝部31は、接続面(ピストンロッ
ド1の軸線に対して直交する環状平面)18,19と、
これらの接続面18,19の相互間に形成された底部2
3とからなり、底部23は、縦断面視で所定の曲率半径
23a,R23bを有する円弧状の応力集中緩和構造として
形成された曲線部23a,23bと、縦断面視で軸心線
方向に沿った直線状の直線部23cとから構成されてい
る。曲線部23aは接続面18と隣接して形成され、曲
線部23bは接続面19と隣接して形成され、直線部2
3cは曲線部23a,23bの相互間に形成されてい
る。
【0008】なお、上記の曲率半径R21,R22
23a,R23bは一般に同一の大きさに設定される。この
ように、応力集中緩和用溝21,22や応力集中緩和構
造23a,23bを設けることにより、段部11,12
や溝部31において、ピストンロッド1の外径が急変す
ることなく徐々に変化するように構成することによって
応力集中を緩和している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一定の外径
を有する外周面を切削加工して形成した応力集中緩和用
溝21,22や溝31の応力集中緩和構造23a,23
bにより応力集中を緩和しようとする場合、接続面1
5,17,18,19と隣接する曲線部21a,22
a,23a,23bの曲率半径を大きくするほど応力集
中の緩和は促進される。
【0010】しかしながら、曲線部21a,22a,2
3a,23bの曲率半径を大きくしようとするほど応力
集中緩和用溝21,22や溝31自体を深く(例えば深
さd 21,d22が大になるように)切削加工することにな
り、この結果、応力集中緩和用溝21,22や溝31を
形成した部分の外径が小さくなって、この部分の断面積
が小さくなるため、却って段部11,12や溝部31の
強度低下を招いてしまう。
【0011】つまり、曲線部21a,22a,23a,
23bの曲率半径R21,R22,R23 a,R23bを大きくす
ると、応力集中をより緩和できるためこの点では段部1
1,12や溝部31の強度を向上させることができる
が、この一方で、応力集中緩和用溝21,22や溝部3
1に断面積の小さい部分が発生して強度低下を招くた
め、結果として、段部11,12や溝部31の強度を低
下させてしまうことになるのである。
【0012】ところで、特開平11−173308号公
報には、縦断面視で曲率が一定でない曲線部を有する応
力集中緩和用溝が添付の図面(該公報の図1)に記載さ
れている。この記載から、応力集中緩和用溝の曲線部
を、曲率一定としない構成を想起できるが、該公報には
曲率に関する具体的な記載はなく、曲線部の曲率をどの
ように設定すれば当該部分の強度を向上させることがで
きるかが依然として課題となる。
【0013】本発明は、上述の課題に鑑み創案されたも
ので、段部(溝部を含む)に設ける応力集中緩和用溝の
形状を工夫することにより、段部の強度を十分に向上さ
せることができるようにした、段付きロッドの構造を提
供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】このため、本発明の段付
きロッドの構造は、第1円筒状外周面と、該第1円筒状
外周面の外径よりも小さい外径を有する第2円筒状外周
面と、該第1円筒状外周面と該第2円筒状外周面とを接
続する接続面とをそなえ、該接続面を中心に段部が形成
された段付きロッドであって、該第2円筒状外周面にお
ける該接続面との隣接部分に、縦断面視で滑らかな曲線
状に形成された曲線部を有する応力集中緩和構造が設け
られ、該曲線部は、互いに径の異なる大径円弧と小径円
弧とを組み合わせて構成され、該応力集中緩和構造内に
おいて相対的に応力集中の高い部位には該大径円弧が適
用されていることを特徴としている。
【0015】該曲線部は少なくとも該接続面に隣接して
設けられ、該曲線部のうち該接続面に接続する部分は該
小径円弧で形成されていることが好ましい。該応力集中
緩和構造は、応力集中緩和用溝であることが好ましい。
該応力集中緩和用溝は、該接続面の側に形成された該曲
線部と、該曲線部に滑らかに接続するとともに該第2円
筒状外周面の基準外径に向かって縦断面視で直線状に径
を増大させた直線部とをそなえていることが好ましい。
【0016】該第2円筒状外周面は該第1円筒状外周面
の途中に形成された環状溝の底面であるとともに、該接
続面は該環状溝の側壁面であって、該第2円筒状外周面
全体が該応力集中緩和構造として構成されていることが
好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面により、本発明の実施
の形態について説明すると、図1〜図7は本発明の一実
施形態としての段付きロッドの構造を示すもので、図1
はその段部を示す模式的な縦断面図、図2はその溝部を
示す模式的な縦断面図、図3はその要部(段部,溝部)
を示す模式的な縦断面図、図4はその段部の加工方法を
説明する模式的な要部側面図、図5はその溝部の加工方
法を説明する模式的な要部側面図、図6,図7はその段
付きロッド全体が適用される油圧シリンダを示す図であ
る。
【0018】本実施形態にかかる段付きロッドは、例え
ば図6,図7に示すように、建設機械のブームを駆動す
るブームシリンダやスティックを駆動するスティックシ
リンダ等の油圧シリンダに装備されるピストンロッドに
適用される。つまり、油圧シリンダ1は、シリンダ2内
にピストン3及びピストンロッド4を移動可能に装備し
ており、油圧シリンダ1の一端(シリンダ2の基端)及
び他端(ピストンロッド4の基端)にはそれぞれ枢着部
(アイ)2A,4Aが設けられそれぞれ建設機械の所要
の個所に枢着される。ピストン3は、ピストンロッド4
の先端部において、先端部外周に締結されるナット5の
端面とこのナット5よりも基端側のピストンロッド4の
外周に形成された段部11との間に挟持され固定されて
いる。さらに、ピストンロッド4には、ピストン3がス
トロークエンドまで移動して停止する際の衝撃を緩和す
るために、ピストン3よりも基端側とナット5よりも先
端側とにそれぞれクッションリング6,7が装着されて
いる。
【0019】油圧シリンダ1の伸張時の衝撃を緩和する
クッションリング6は、ピストンロッド4の基端面とピ
ストンロッド4の外周に形成された段部12との間に挟
持され固定されている。また、クッションリング6が装
着される部分のピストンロッド4の外周には、溝部(環
状溝)31が形成され、リング8が装着されるようにな
っている。
【0020】そして、図3,図7に示すように、ピスト
ンロッド4の外周の段部11,12における外径が縮小
した部分(縮径部)11a,12a、或いは溝部31の
底部に、応力集中緩和構造41,42,43が穿設され
ている。ピストンロッド1の段部11に設けられた応力
集中緩和構造41は応力集中緩和構造用溝であって、応
力集中緩和用溝41を説明すると、図1に示すように、
段部11は、円筒状外周面(第1円筒状外周面)13
と、この円筒状外周面13の外径よりも小さい外径を有
する円筒状外周面(第2円筒状外周面)14と、円筒状
外周面13と円筒状外周面14とを接続する接続面15
とをそなえ、応力集中緩和用溝41は、段部11におけ
る外径が縮小した部分(縮径部)11aつまり円筒状外
周面14の接続面15に隣接した部分に設けられてい
る。
【0021】この応力集中緩和用溝41は、縦断面視で
滑らかな曲線状に形成された曲線部41aと、縦断面視
で直線状に形成された直線部41bとを有し、曲線部4
1aは接続面15側に接続面15に隣接して設けられ、
直線部41bは曲線部41aから円筒状外周面14の基
準面(2点鎖線参照)に向かって次第に拡径する(軸方
向に対する角度θa)ように形成されている。
【0022】曲線部41aは、互いに径の異なる大径円
弧と小径円弧とを組み合わせて構成されており、接続面
15に隣接する部分に小径円弧部41cが配設され、こ
の小径円弧部41cに続いて大径円弧部41dが配設さ
れている。直線部41bは、大径円弧部41dに続いて
配設されている。小径円弧部41cの曲率半径Raは従
来の曲線部21aの曲率半径R21よりも小さく設定さ
れ、大径円弧部41dの曲率半径Rbは従来の曲線部2
1aの曲率半径R21よりも大きく設定されている。
【0023】また、段部11における応力集中個所は、
円筒状外周面14の接続面15に隣接した部分(縮径
部)11aであるが、このうち最も応力集中の著しい個
所(最大応力個所)は、図1に破線で示すように、接続
面15から僅かに離隔した部分であり、小径円弧部41
cはこの最大応力個所よりも接続面15側に形成され、
この最大応力個所とその近傍には大径円弧部41dが配
置されている。
【0024】すなわち、接続面15に隣接して設けられ
る小径円弧部41cは、応力集中緩和の効果は低下する
ものの応力集中緩和用溝41の深さdaを小さくする効
果があり、特に最大応力個所及びその近傍における円筒
状外周面14の外径を十分に確保できるようになってい
る。また、最大応力個所には応力集中緩和の効果が高い
大径円弧部41dが設けられるので、応力集中がより一
層緩和されるようになっている。
【0025】また、ピストンロッド1の段部12につい
ても、段部11と同様、図1(カッコ付き符号参照)に
示すように、円筒状外周面(第1円筒状外周面)16
と、この円筒状外周面16の外径よりも小さい外径を有
する円筒状外周面(第2円筒状外周面)13と、第円筒
状外周面16と円筒状外周面13とを接続する接続面1
7とをそなえ、段部12に設けられる応力集中緩和用溝
(応力集中緩和構造)42は、段部12における外径が
縮小した部分(縮径部)12aつまり円筒状外周面13
の接続面17に隣接した部分に設けられている。
【0026】この応力集中緩和用溝42も、応力集中緩
和用溝41と同様に、縦断面視で滑らかな曲線状に形成
された曲線部42aと、縦断面視で直線状に形成された
直線部42bとを有し、曲線部42aは接続面17側に
接続面17に隣接して設けられ、直線部42bは曲線部
42aから円筒状外周面13の基準面(2点鎖線参照)
に向かって次第に拡径する(軸方向に対する角度θa
ように形成されている。
【0027】曲線部42aは、互いに径の異なる大径円
弧と小径円弧とを組み合わせて構成されており、接続面
17に隣接する部分に小径円弧部42cが配設され、こ
の小径円弧部42cに続いて大径円弧部42dが配設さ
れている。直線部42bは、大径円弧部42dに続いて
配設されている。小径円弧部42cの曲率半径Raは従
来の曲線部22aの曲率半径R22よりも小さく設定さ
れ、大径円弧部42dの曲率半径Rbは従来の曲線部2
2aの曲率半径R22よりも大きく設定されている。
【0028】また、小径円弧部42cは最大応力個所よ
りも接続面17側に形成され、この最大応力個所とその
近傍には大径円弧部42dが配置されている。したがっ
て、接続面17に隣接して設けられる小径円弧部42c
により応力集中緩和用溝42の深さdaが小さくされ、
特に最大応力個所及びその近傍における円筒状外周面1
4の外径が十分に確保され、最大応力個所には応力集中
緩和の効果が高い大径円弧部42dが設けられること
で、応力集中がより一層緩和されるようになっている。
【0029】また、溝部31は、図2に示すように、接
続面(ピストンロッド1の軸線に対して直交する環状平
面)18,19と、これらの接続面18,19の相互間
に応力集中緩和構造を有して形成された底部43とから
なり、底部43は、縦断面視で比較的小さな曲率半径R
a,Raを有する円弧状の曲線部(小円弧状部)43a,
43bと、縦断面視で比較的大きな曲率半径Rbを有す
る円弧状の曲線部(大円弧状部)43cとから構成され
ている。小円弧状部43aは接続面18と隣接して形成
され、小円弧状部43bは接続面19と隣接して形成さ
れ、大円弧状部43cは小円弧状部43a,43bの相
互間に形成されている。
【0030】溝部31において最も応力集中の著しい個
所は、図2に破線で示すように、接続面18,19から
僅かに離隔した部分であり、小径円弧部43a,43b
はこの最大応力個所よりも接続面18,19側に形成さ
れ、この最大応力個所とその近傍には大径円弧部43c
が配置されている。すなわち、接続面18,19に隣接
して設けられる小径円弧部43cは、応力集中緩和の効
果は低下するものの溝部31の深さdbを小さくする効
果があり、特に最大応力個所及びその近傍における溝部
31の外径を十分に確保できるようになっている。ま
た、最大応力個所には応力集中緩和の効果が高い大径円
弧部43cが設けられるので、応力集中がより一層緩和
されるようになっている。
【0031】本発明の一実施形態としての段付きロッド
の構造は、上述のように構成されており、ピストンロッ
ド1の段部11,12においては、応力集中緩和用溝4
1,42の曲線部41a,42aは、互いに径の異なる
大径円弧と小径円弧とを組み合わせ、接続面15,17
に隣接する部分に小径円弧部41c,42cを配設する
とともに、この小径円弧部41c,42cに続いて大径
円弧部41d,42dを配設しているので、以下のよう
な作用効果を奏する。
【0032】つまり、接続面15,17に隣接して設け
られる小径円弧部41c,42cにより応力集中緩和用
溝41,42の深さdaを小さくすることができ、した
がって最大応力個所及びその近傍における円筒状外周面
13,14の外径を十分に確保することができる。ま
た、最大応力個所には応力集中緩和の効果が高い大径円
弧部41d,42dが設けられるため、応力集中が大幅
に緩和される。
【0033】この結果、最大応力個所を中心として応力
集中を大幅に緩和しながら、円筒状外周面13,14の
外径(即ち、断面積)を十分に確保することができ、段
部11,12におけるロッドの強度を大幅に向上させて
耐久性を高めることができる。ピストンロッド1の溝部
31においては、溝部31の底部43を、互いに径の異
なる大径円弧と小径円弧とを組み合わせた曲面状の応力
集中緩和構造とし、接続面18,19に隣接する部分に
小径円弧部43a,43bを配設するとともに、この小
径円弧部43a,43bの相互間に大径円弧部43cを
配設しているので、以下のような作用効果を奏する。
【0034】つまり、接続面18,19に隣接して設け
られる小径円弧部43a,43bにより溝31の底部4
3の深さdbを小さくすることができ、したがって最大
応力個所及びその近傍における溝部31の外径を十分に
確保することができる。また、最大応力個所には応力集
中緩和の効果が高い大径円弧部43cが設けられるた
め、応力集中が大幅に緩和される。
【0035】この結果、最大応力個所を中心として応力
集中を大幅に緩和しながら、溝部31の外径(即ち、断
面積)を十分に確保することができ、溝部31における
ロッドの強度を大幅に向上させて耐久性を高めることが
できる。ところで、段部11,12における応力集中緩
和用溝41,42は、図4に示すようにして加工するこ
とができる。つまり、旋盤のホルダ50の先に曲率半径
の極小のフルR形状の丸こまチップ(バイト)51を取
り付け、矢印52のような軌跡でバイト51を送るので
ある。小径円弧部43cの曲率半径Raはバイト51の
半径で制限されるが、大径円弧部43dの曲率半径Rb
はバイト51の送り軌跡により自由に設定できる。
【0036】また、溝部31は、図5に示すようにして
加工することができる。つまり、旋盤のホルダ50の先
に曲率半径の極小のフルR形状の丸こまチップ(バイ
ト)51を取り付け、矢印53のような軌跡でバイト5
1を送るのである。この場合も、小径円弧部43cの曲
率半径Raはバイト51の半径で制限されるが、大径円
弧部43dの曲率半径Rbはバイト51の送り軌跡によ
り自由に設定できる。
【0037】以上、本発明の一実施形態について説明し
たが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではな
く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実
施することができる。例えば、上述の実施形態では、各
段部11,12における応力集中緩和用溝41,42の
曲線部41a,42aを接続面15,17側から、小径
円弧部41c,42c,大径円弧部41d,42dの順
に配設しているが、接続面15,17にごく近い個所を
相対的に小径円弧にし、応力集中の著しい個所を相対的
に大径円弧にすればよく、このような趣旨のもとに、曲
線部41a,41bをより多くの曲率の異なる円弧の組
み合わせとしたり、曲率が連続的に異なるように構成し
たりしてもよい。
【0038】また、上述の実施形態では、各段部11,
12における応力集中緩和用溝41,42を接続面1
5,17側から曲線部41a,42a,直線部41b,
42bと配設しているが、直線部41b,42bを設け
ずに全てを曲線部41a,42aにより構成してもよい
[図8(a)参照]。また、上述の実施形態では、各段
部11,12,溝部31における小径円弧部41c,4
2c,43a,43bの曲率、及び、大径円弧部41
d,42d,43cの曲率を互いに等しくしており、ま
た、各段部11,12の直線部41b,42bの傾斜角
度θaや応力集中緩和用溝41,42の深さdaを互いに
等しくしているが、これらは共通の工具を用いて加工す
るなど加工を容易にするためであり、各段部,各溝部に
おいて、各部分のそれぞれに最適な曲率や、最適な傾斜
角度や、最適な深さを設定しうることはいうまでもな
い。例えば、図8(b)に示すように、曲線部41a,
42aを小径円弧部と中径円弧部と大径円弧部とから径
が多段に漸増するように構成したり、さらには、小径円
弧部から大径円弧部にかけて滑らかに連続増加するよう
に構成したりしてもよい。
【0039】また、応力集中緩和構造としては、応力集
中緩和用溝のような溝状のものに限らず、図8(c)に
示すように、段部において緩やかに拡径するような構造
としても良い。この例では、拡径部における拡径初期部
分(径が大きくなり始める個所)には大径円弧部が形成
され、拡径末期部分(径が大きくなり終わる個所)には
小径円弧部が形成されている。また、小径の円筒状外周
面14(13)と大径円弧部との間、大径円弧部と小径
円弧部との間、小径円弧部と大径の円筒状外周面13
(16)と大径円弧部との間は、いずれも滑らかに接続
されている。これにより、段部において、応力集中影響
が強い比較的小径の部分に大径円弧部が配設されること
になり、応力集中緩和を効率よく達成することができ
る。
【0040】ただし、応力集中緩和構造を、溝でなく拡
径した構成としたものにおいて、この部分に他の部品を
外装する場合、外装部品の内周のエッジ部を面取りする
必要があるが、一方、応力集中緩和用溝の場合には、こ
のような面取りは不要になる。さらに、段部にのみ上記
の構成を適用したり、溝部にのみ上記の構成を適用した
りしてもよい。
【0041】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の段付きロ
ッドの構造によれば、応力集中緩和構造内に、縦断面視
で滑らかな曲線状に形成された曲線部が、互いに径の異
なる大径円弧と小径円弧とを組み合わせて構成されてい
るので、しかも、応力集中緩和構造内において相対的に
応力集中の高い部位には該大径円弧が適用されているの
で、応力集中緩和構造の深さを抑えてロッド外径の大き
さを確保しながら、応力集中の緩和を促進することが可
能になり、ロッドの段部における強度を確保して耐久性
を向上させることができる。
【0042】該曲線部を該接続面に隣接して設け、該曲
線部のうち該接続面に接続する部分は該小径円弧で形成
すれば、応力集中緩和構造の深さを抑えることができ、
応力集中緩和構造における強度を確保し易くすることが
できる。また、一般に、相対的に応力集中の高い部位
は、該接続面から僅かに離隔した個所にあって、該接続
面に隣接した部分は相対的に応力集中の高くない部位に
なっているので、該曲線部のうち該接続面に接続する部
分を小径円弧で形成しながら、該接続面から僅かに離隔
した相対的に応力集中の高い部位を大径円弧で形成する
ことができ、応力集中緩和構造の深さを抑えてロッド外
径の大きさを確保しながら、応力集中の緩和を促進する
ことができる。
【0043】該応力集中緩和構造としての応力集中緩和
用溝が、該接続面の側に形成された該曲線部と、該曲線
部に滑らかに接続するとともに該第2円筒状外周面の基
準外径に向かって縦断面視で直線状に径を増大させた直
線部とをそなえるように構成すれば、ロッドの段部に応
力集中緩和用溝を容易に加工することができる。該第2
円筒状外周面を該第1円筒状外周面の途中に形成された
環状溝の底面とし、該接続面を該環状溝の側壁面とし
て、該第2円筒状外周面全体を該応力集中緩和用溝とし
て構成すれば、ロッドに形成した環状溝において、応力
集中緩和構造の深さを抑えてロッド外径の大きさを確保
しながら、応力集中の緩和を促進することが可能にな
り、ロッドの環状溝部における強度を確保して耐久性を
向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる段付きロッドにお
ける段部を示す模式的な縦断面図であって、図3のA部
及びA´部拡大図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる段付きロッドにお
ける溝部を示す模式的な縦断面図であって、図3のB部
拡大図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかる段付きロッドにお
ける要部(段部,溝部)を示す模式的な要部側面図であ
る。
【図4】本発明の一実施形態にかかる段付きロッドにお
ける段部の加工方法を説明する模式的な要部側面図であ
る。
【図5】本発明の一実施形態にかかる段付きロッドにお
ける段部の加工方法を説明する模式的な縦断面図であ
る。
【図6】本発明の一実施形態としての段付きロッドの構
造が適用される油圧シリンダを示す図であって、(a)
はその側面図、(b)はその縦断面図である。
【図7】本発明の一実施形態としての段付きロッドの構
造が適用される油圧シリンダの要部(段部,溝部)を示
す縦断面図であって、図6のC部拡大図である。
【図8】本発明の一実施形態としての段付きロッドの構
造における段部の変形例を示す模式的な縦断面図であっ
て、(a)は第1変形例を示し、(b)は第2変形例を
示し、(c)は第3変形例を示す。
【図9】従来の段付きロッドの要部(段部,溝部)を示
す模式的な縦断面図である。
【図10】従来の段付きロッドの段部を示す模式的な縦
断面図である。
【符号の説明】
1 油圧シリンダ 2 シリンダ 3 ピストン 4 ピストンロッド 5 ナット 6,7 クッションリング 8 リング 11,12 段部 11a,12a 縮径部 13,14,16 円筒状外周面 15,17,18,19 接続面 21,22 応力集中緩和用溝 21a,22a,23a,23b 曲線部 21b,22b,23c 直線部 23 応力集中緩和用溝(底部) 31 溝部(環状溝) 41,42 応力集中緩和用溝 43 応力集中緩和用溝(底部) 41a,42a 曲線部 41b,42b 直線部 41c,42c,43a,43b 小径円弧部 41d,42d,43c 大径円弧部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1円筒状外周面と、該第1円筒状外周
    面の外径よりも小さい外径を有する第2円筒状外周面
    と、該第1円筒状外周面と該第2円筒状外周面とを接続
    する接続面とをそなえ、該接続面を中心に段部が形成さ
    れた段付きロッドの構造であって、 該第2円筒状外周面における該接続面との隣接部分に、
    縦断面視で滑らかな曲線状に形成された曲線部を有する
    応力集中緩和構造が設けられ、 該曲線部は、互いに径の異なる大径円弧と小径円弧とを
    組み合わせて構成され、該応力集中緩和構造内において
    相対的に応力集中の高い部位には該大径円弧が適用され
    ていることを特徴とする、段付きロッドの構造。
  2. 【請求項2】 該曲線部は少なくとも該接続面に隣接し
    て設けられ、該曲線部のうち該接続面に接続する部分は
    該小径円弧で形成されていることを特徴とする、請求項
    1記載の段付きロッドの構造。
  3. 【請求項3】 該応力集中緩和構造は、応力集中緩和用
    溝であることを特徴とする、請求項1又は2記載の段付
    きロッドの構造。
  4. 【請求項4】 該応力集中緩和用溝は、該接続面の側に
    形成された該曲線部と、該曲線部に滑らかに接続すると
    ともに該第2円筒状外周面の基準外径に向かって縦断面
    視で直線状に径を増大させた直線部とをそなえているこ
    とを特徴とする、請求項3記載の段付きロッドの構造。
  5. 【請求項5】 該第2円筒状外周面は該第1円筒状外周
    面の途中に形成された環状溝の底面であるとともに、該
    接続面は該環状溝の側壁面であって、 該第2円筒状外周面全体が該応力集中緩和構造として構
    成されていることを特徴とする、請求項1又は2記載の
    段付きロッドの構造。
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