JP2003291023A - スローアウェイチップおよびスローアウェイ式ボールエンドミル - Google Patents

スローアウェイチップおよびスローアウェイ式ボールエンドミル

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JP2003291023A
JP2003291023A JP2002094922A JP2002094922A JP2003291023A JP 2003291023 A JP2003291023 A JP 2003291023A JP 2002094922 A JP2002094922 A JP 2002094922A JP 2002094922 A JP2002094922 A JP 2002094922A JP 2003291023 A JP2003291023 A JP 2003291023A
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tip
mounting hole
chip
end mill
cutting edge
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JP2002094922A
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Masaya Tsuchiya
雅哉 土谷
Nobukazu Horiike
伸和 堀池
Hiroshi Shimomura
博 下村
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 エンドミル本体に取り付けたときの円弧状切
刃の位置精度を確実に確保することが可能なチップを提
供する。 【解決手段】 平板状のチップ本体1の外周に円弧状を
なす切刃4を形成するとともに、このチップ本体1には
断面円形の取付孔7をチップ厚さ方向に貫通するように
形成し、またこの取付孔7からチップ本体1の後端面5
にかけては、取付孔7の直径よりも小さい幅の切欠8
を、チップ厚さ方向に貫通して取付孔7に連通するとと
もに後端面5に開口するように形成し、取付孔7の断面
がなす円の中心線Lと切刃4がなす円弧の中心Xとを同
心する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スローアウェイ式
ボールエンドミル(以下、ボールエンドミルと称す
る。)に着脱可能に取り付けられる円弧状の切刃を備え
たスローアウェイチップ(以下、チップと称する。)、
および該チップを取り付けたボールエンドミルに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】この種のボールエンドミルおよびチップ
としては、例えば特開平10−249626号公報に、
エンドミル本体の先端部にチップ装着用の溝と、この溝
に直交するクランプ孔とが設けられ、上記溝に円弧状の
切刃を備えたチップが挿入されるとともに、クランプ孔
にはチップを貫通するようにクランプネジがねじ込まれ
てチップが保持されるようにし、上記チップに、上記ク
ランプネジが貫通する貫通孔をチップ後端面に開口させ
る切欠を設けるようにしたものが提案されている。従っ
て、このようなボールエンドミルおよびチップにおいて
は、上記貫通孔の内径を切欠の幅よりも大きくするとと
もに、クランプネジには切欠の幅より大径の胴部と小径
の雄ねじ部とを備えておくことにより、チップをクラン
プした状態でクランプネジの胴部が上記貫通孔内にある
ときには、貫通孔と切欠の交差稜線部がこの胴部外周に
当たってチップがエンドミル本体の先端側に係止され、
この先端側方向への位置が規制される一方、クランプネ
ジを緩めて雄ねじ部を貫通孔内に位置させたときには、
この雄ねじ部が切欠内を通過可能となるので、クランプ
ネジを完全にクランプ孔から抜き出すことなく、チップ
を交換することが可能となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
ボールエンドミルによって精度の高い加工を行うには、
エンドミル本体に取り付けられるチップの円弧状をなす
切刃のエンドミル軸線方向の位置精度もさることなが
ら、径方向の位置精度が重要な要素となる。すなわち、
この切刃の径方向の位置精度に誤差が大きく、切刃の中
心がエンドミル本体の回転軸線から大きくずれている
と、この軸線回りにエンドミル本体を回転させたときの
切刃の回転軌跡が、該軸線に沿った断面において円弧と
ならずに径方向に延びる長円弧状となって精密な加工が
困難となってしまう。しかるに、上記従来のチップおよ
びボールエンドミルでは、上述のようにクランプネジの
胴部に貫通孔と切欠との交差稜線部が当たってチップが
係止されることにより、チップの軸線方向への位置は規
制されて切刃の軸線方向の位置精度は確保されるもの
の、径方向への精度は十分に確保されているとは言い難
く、このため高い加工精度が要求される曲面等の精密な
加工に用いるには困難とされていた。
【0004】本発明は、このような背景の下になされた
もので、エンドミル本体に取り付けたときの円弧状切刃
の位置精度を確実に確保することが可能なチップ、およ
びこのようなチップが着脱可能に取り付けられた加工精
度の高いボールエンドミルを提供することを目的として
いる。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決して、こ
のような目的を達成するために、本発明のチップは、平
板状のチップ本体の外周に円弧状をなす切刃を形成する
とともに、このチップ本体の中央部には断面円形の取付
孔を該チップ本体を厚さ方向に貫通するように形成し、
またこの取付孔から上記チップ本体の後端面にかけて
は、該取付孔の直径よりも小さい幅の切欠を、やはり上
記チップ本体を厚さ方向に貫通して上記取付孔に連通す
るとともに上記後端面に開口するように形成し、上記取
付孔の断面がなす円の中心線と上記切刃がなす円弧の中
心とを同心としたことを特徴とする。また、本発明のボ
ールエンドミルは、エンドミル本体の先端部に形成され
た取付座に、このような構成のチップの上記チップ本体
を着座させて、このチップ本体の上記取付孔に挿通され
たクランプネジを上記エンドミル本体にねじ込むことよ
って着脱可能に取り付け、このクランプネジに、上記切
欠の幅よりも大径で上記取付孔に嵌挿可能な円柱状の胴
部と上記切欠の幅よりも小径の雄ねじ部とを備えたこと
を特徴とする。
【0006】従って、上記構成のチップを取り付けたこ
のようなボールエンドミルにおいては、上記クランプネ
ジがその中心線をエンドミル本体の回転軸線に交差する
ようにねじ込まれていれば、このクランプネジの上記胴
部がチップ本体の取付孔に嵌合して、該取付孔の断面が
なす円の中心線がエンドミル本体の回転軸線上に正確に
位置決めされる。そして、上記チップによれば、この取
付孔の中心とチップ本体外周に形成された切刃がなす円
弧の中心とが同心とされているので、この円弧状の切刃
の中心を、こうして位置決めされた取付孔の中心が位置
するエンドミル本体の回転軸線上に正確に位置させるこ
とができ、これにより該切刃が上記軸線回りになす回転
軌跡の断面も該軸線上に中心を有する円弧状とすること
ができて、高精度の加工を行うことが可能となる。
【0007】なお、上記取付孔をチップ本体の厚さ方向
の全長に亙ってその中心線と切刃の中心とが同心となる
ように形成するには極めて高い形成精度が要求される一
方、チップ本体は、取付孔の上記中心線を挟んで対向す
る少なくとも一部がクランプネジの胴部に嵌挿されて切
刃の中心がエンドミル本体の軸線上に位置決めされれば
よい。そこで、当該チップの形成を容易とするには、取
付孔の上記厚さ方向における開口部に、該取付孔の内径
よりも外周側に広がる拡径部を形成して、クランプネジ
の胴部と嵌合する部分の上記中心線方向の長さを短縮す
るようにしてもよい。
【0008】
【発明の実施の形態】図1ないし図5は、本発明のチッ
プの一実施形態を示すものである。本実施形態において
チップ本体1は超硬合金等の硬質材料により平板状に形
成されていて、この平板状のチップ本体1の厚さ方向
(図2〜4における上下方向。以下、チップ厚さ方向と
称する。)を向く一対の側面2,2は、その外形が、扇
角が180°を上回る円弧の両端をその弦で結んだよう
な、半円よりも若干大きな部分円形に形成されており、
これらの側面2,2の周りに配設されるチップ本体1の
周面のうち、側面2,2の上記円弧の部分に位置する弧
状周面3には、チップ厚さ方向に垂直でこれら側面2,
2から等距離にある平面P上に中心Xを有する円弧状の
切刃4が該平面P上に延びるように形成されている。ま
た、上記周面のうち、側面2,2の上記弦の部分に位置
する面は、当該チップ本体1の後端面5とされて上記チ
ップ厚さ方向に沿った平面状に形成されており、チップ
本体1は、この後端面5に垂直に上記中心Xを通って上
記平面P上に延びるチップ中心線Cに関して180°回
転対称に形成されて、側面2,2を反転させたときに同
じ形状となるようにされている。
【0009】ここで、これらの側面2,2と上記弧状周
面3との交差稜線部には、側面2,2の一方について該
側面2の上記チップ中心線Cに対する一方の側に、この
弧状周面3とチップ中心線Cとの交点周辺から後端面5
との交差部近傍にかけての部分を該部分の弧状周面3の
弦に沿って切り欠くように延びる凹所6が形成されてお
り、この凹所6の底面6aは上記平面P上に位置するよ
うに形成されて、この底面6aの外周縁部に上記切刃4
が形成されている。従って、切刃4は、上記チップ中心
線Cを挟んだ両側が、互い違いの側面2,2側に形成さ
れた凹所6の底面6aの外周縁部に形成されることとな
って、この底面6aが切刃4のすくい面とされる。な
お、この凹所6の底面6aからそれぞれの側の側面2に
向けて立ち上がる壁面6bは底面6aに鈍角に交差する
ように形成されており、また切刃4を介して上記底面6
aと交差して凹所6が設けられた側とは反対の側面2側
に向かう上記弧状周面3部分は、該切刃4の逃げ面とさ
れ、この反対の側面2側に向かうに従い漸次後退するよ
うに傾斜させられて、ボールエンドミルに装着したとき
に逃げ角が与えられるようにされている。
【0010】一方、このチップ本体1には、該チップ本
体1を一定の径で上記チップ厚さ方向に貫通する断面円
形の取付孔7が、その中心線Lを上記平面Pに垂直に
し、かつ上記チップ中心線Cに直交させて形成されてい
る。また、この取付孔7から上記後端面5にかけては、
やはりチップ本体1をチップ厚さ方向に貫通する切欠8
が、該取付孔7に連通するとともに後端面5に開口する
ように形成されている。ただし、上記チップ厚さ方向に
見たとき、この切欠8の幅は、上記取付孔7に連通する
側において該取付孔7の直径よりも僅かに小さな一定幅
とされる一方、後端面5に開口する側ではこの後端面5
側に向かうに従い漸次幅広となるようにされ、またこの
切欠8の幅方向の中心線は上記チップ中心線Cと一致さ
せられている。従って、この切欠8により後端面5は、
チップ中心線Cを挟んで2つの部分に分けられることと
なる。
【0011】さらに、上記取付孔7の先端側(後端面5
とは反対側)には、該取付孔7の内周から先端側に向け
て凹む凹部9がやはりチップ厚さ方向にチップ本体1を
貫通するように形成されており、この凹部9の底面9a
は、上記中心線Lに直交する断面において、この中心線
Lよりも上記チップ中心線Cに沿って僅かに先端側に偏
心した位置に中心を有し、かつ取付孔7の半径よりも僅
かに小さな半径を有する円弧状をなすようにされてい
る。なお、このように切欠8と凹部9とが先後端側に形
成されることにより、上記取付孔7の内周面7aは、切
欠8と凹部9との間に一対の凹円弧面状をなす部分が上
記中心線Lを挟んで該切欠8の上記幅方向に互いに対向
するように残されるだけとなり、従って本実施形態では
この取付孔7は厳密には断面凹円弧状に形成されること
となる。
【0012】そして、本実施形態では、このように構成
された取付孔7の上記中心線L上に、上記切刃4の中心
Xが位置するようにされていて、この取付孔7がなす円
の中心線Lと切刃4がなす上記円弧の中心Xとが同心と
なるようにされている。なお、このように取付孔7の中
心線Lと切刃4の中心Xとを同心とするには、例えばま
ずチップ本体1の上記弧状周面3に円筒研削を施して中
心Xを中心とする円弧状の切刃4を形成し、次いでこの
外周の円弧状切刃4を基準として、その中心Xを通り上
記平面Pに垂直に上記中心線Lが延びるように取付孔7
を形成するようにすればよい。
【0013】また、本実施形態では、両側面2,2と取
付孔7の上記内周面7a,7aとの交差稜線部、すなわ
ち取付孔7の上記チップ厚さ方向における開口部に、こ
れら側面2と内周面7aとに等しい角度で鈍角に交差す
る面取り部10が形成されており、これによってこの開
口部には、取付孔7の内周面7aよりもチップ厚さ方向
外側に向かうに従い漸次取付孔7の外周側に広がる拡径
部がテーパ状に画成されることとなる。なお、上記面取
り部10は、上記内周面7aとの交差稜線部から両側面
2,2と切欠8、凹部9、および後端面5との交差稜線
部に亙って連続するように形成されている。
【0014】次に、図6ないし図9は、このように構成
された実施形態のチップを着脱可能に取り付けた本発明
のボールエンドミルの一実施形態を示すものである。本
実施形態において、そのエンドミル本体11は、軸線O
を中心とした外形略円柱状とされて、その後端側(図6
において右側)部分はシャンク部12とされるととも
に、先端側(図6において左側)部分はこのシャンク部
12から一段僅かに縮径させられていて、その先端部
は、円弧状の上記切刃4の半径より若干小さな半径で軸
線O上に中心を有し先端側に凸となる概略半球状に形成
されている。そして、この先端部にはチップ取付座13
が形成されていて、このチップ取付座13に上記実施形
態のチップのチップ本体1が着座させられており、この
チップ本体1の上記取付孔7にクランプネジ14を挿通
してエンドミル本体11にねじ込むことより、このチッ
プ本体1は該エンドミル本体11に固定されて着脱可能
に取り付けられることとなる。
【0015】ここで、上記チップ取付座13は、軸線O
に直交して先端側を向く底面13aとこの底面13aに
垂直かつ互いに平行に軸線Oを挟んで対向する一対の壁
面13b,13bとから画成されて、エンドミル本体1
1の先端部に開口する断面「コ」字形の凹溝状をなし、
これら壁面13b,13b間の間隔は、チップ本体1が
その側面2,2を該壁面13b,13bに密着させてこ
のチップ取付座13に嵌め入れ可能な大きさとされると
ともに、エンドミル本体11先端からの上記底面13a
の深さは、チップ本体1の上記チップ中心線C方向の寸
法(チップ中心線Cと切刃4との交点から後端面5まで
のチップ中心線C方向の長さ)より、エンドミル本体1
1先端部の上記半球の半径と切刃4の半径との差の分だ
け小さくされている。なお、この底面13aと壁面13
b,13bとが交差する角部には、これら壁面13b,
13bに沿って後端側に延びるようにスリット13c,
13cが形成されている。また、エンドミル本体11先
端部には、上記チップ取付座13によって分けられたそ
の両側に、後述するようにチップ本体1を取り付けた状
態で上記凹所6の壁面6bに連なって平面Pに垂直な方
向に延びる壁面を有するチップポケット11aが形成さ
れている。
【0016】さらに、このエンドミル本体11の先端部
には、上記クランプネジ14が挿通されてねじ込まれる
クランプ孔15が、チップ取付座13がなす凹溝を横切
って該先端部を貫通するように形成されており、このク
ランプ孔15の中心線は、チップ取付座13の壁面13
b,13bに垂直に、エンドミル本体11先端部の上記
半球の中心を通って軸線Oに直交するように配設され
て、この中心線から上記底面13aまでの軸線O方向の
距離は、チップ本体1の取付孔7の上記中心線Lから後
端面5間でのチップ中心線C方向の距離と等しくされて
いる。さらにまた、このクランプ孔15のうち、チップ
取付座13に対して一方の側(図8および図9において
上側)に延びる部分には、そのチップ取付座13側に、
上記中心線を中心として取付孔7と等しい一定の径とさ
れた断面円形の円筒部15aが形成されるとともに、こ
れよりも外周側は漸次拡径するテーパ部15bとされて
いる。また、クランプ孔15のうちチップ取付座13の
他方の側(図8および図9において下側)に延びる部分
は、やはりそのチップ取付座13側に上記中心線を中心
とする上記円筒部15aと同径の円筒部15cが円筒部
15aよりも短い長さで形成されるとともに、これより
も外周側は上記中心線を中心に捩れる雌ねじ部15dと
されている。
【0017】一方、このクランプ孔15に挿通されてね
じ込まれる上記クランプネジ14は、その先端から後端
に向けて順に、該クランプネジ14の中心線Mを中心に
捩れて上記雌ねじ部15dに螺合する雄ねじ部14a
と、やはり上記中心線Mを中心とした一定外径の円柱状
をなす胴部14bと、上記テーパ部15bに密着可能な
テーパ面を裏面に有する頭部14cとを備えている。そ
して、上記胴部14bは、その外周面が上記円筒部15
aの内周面および取付孔7の内周面7aに密着してこれ
ら円筒部15aおよび取付孔7に嵌挿可能な直径、すな
わちチップ本体1の上記切欠8の幅よりも大径とされる
とともに、その長さは、当該クランプネジ14をクラン
プ孔15にねじ込んで頭部14c裏面の上記テーパ面を
テーパ部15bに密着させたときに、該胴部14bの先
端が円筒部15c内に嵌挿される寸法とされ、また上記
雄ねじ部14aは、その外径が上記切欠8の幅よりも小
径とされるとともに、その長さは、当該クランプネジ1
4を緩めて上記胴部14bの先端がチップ取付座13内
から上記円筒部15a内に引き込まれた状態において
も、該雄ねじ部14aの先端が雌ねじ部15dに螺合し
た状態となるようにされている。
【0018】このように構成されたボールエンドミルに
おいて、上記チップのチップ本体1は、その上記側面
2,2を上述のように壁面13b,13bに密着させる
とともに上記後端面5を底面13aに密着させて、上記
切刃4をエンドミル本体1の先端部から突出させるよう
にチップ取付座13に着座させられ、次いでクランプ孔
15に挿通されたクランプネジ14をねじ込むことによ
り、その胴部14bが取付孔7に嵌挿されてこの取付孔
7の上記中心線Lがクランプネジ14の上記中心線M、
すなわちクランプ孔15の中心線と一致させられるとと
もに、チップ取付座13の壁面13b,13bによって
側面2,2がチップ厚さ方向に押圧されて上記平面P上
に軸線Oが含まれるように位置決めされて固定される。
また、こうして取り付けられたチップを取り外す際に
は、クランプネジ14をクランプ孔15から完全に抜き
取る必要はなく、上述のようにクランプネジ14を緩め
て上記胴部14bの先端がチップ取付座13内から上記
円筒部15a内に引き込まれた状態で、チップ取付座1
3内に残った雄ねじ部14aの外径が切欠8の幅よりも
小さくされているので、そのままチップ本体1を先端側
に引き出して取り外すことができる。さらに、本実施形
態では、こうして胴部14bの先端が引き込まれた状態
で雄ねじ部14aが雌ねじ部15dに螺合したままであ
るので、クランプネジ14が脱落したりすることがな
く、チップ交換時にクランプネジ14が紛失してしまう
ようなこともない。
【0019】そして、上記構成のチップでは、そのチッ
プ本体1の取付孔7の中心線Lと切刃4の中心Xとが同
心とされているので、上述のようにクランプネジ14の
胴部14bがこの取付孔7に嵌合して中心線Lと中心線
Mとが一致させられることにより、該中心線Lがエンド
ミル本体11の軸線Oに直交するクランプ孔15の中心
線とも一致させられて、図9に示すように切刃4の中心
Xが該軸線O上に正確に配設されることとなる。従っ
て、そのように構成された上記実施形態のボールエンド
ミルによれば、この切刃4の軸線O回りの回転軌跡も、
軸線O上に中心を有する球面状となって、この回転軌跡
の該軸線Oに沿った断面が正確な円弧状を呈するように
なすことができ、これにより当該ボールエンドミルによ
る加工精度の向上を図ることが可能となる。
【0020】また、このように取付孔7の中心線Lと切
刃4の中心Xとが同心とされることにより、上記チップ
によれば、例えばその後端面5やチップ取付座13の底
面13aの成形誤差などによってチップ本体1が上記中
心線L回りにずれてエンドミル本体11に固定されたと
しても、切刃4が軸線O回りになす回転軌跡の上記断面
は、やはり軸線Oを中心とした円弧状となる。このた
め、上記構成のチップによれば、このようにチップ本体
1にずれが生じても、チップ本体1が正しくエンドミル
本体11に固定された状態(軸線Oとチップ中心線Cと
が一致している状態)とオーバーラップすることとな
り、上述のような優れた加工精度を維持することができ
る。
【0021】ところで、このように取付孔7の中心線L
と切刃4の中心Xとが同心となるようにチップ本体1を
形成するには、上述のようにチップ本体1外周の弧状周
面3に円筒研削を施して切刃4を形成した後に、この外
周の円弧状切刃4を基準として中心線Lを有する取付孔
7を形成すればよいが、この取付孔7はその全長に亙っ
て中心線Lを中心とし、しかもその内径も一定でなけれ
ばならず、そのような精密な取付孔7をチップ本体1の
チップ厚さ方向全体に亙って形成するのは容易ではな
い。ところが、その一方で、この取付孔7は、その内周
面7aが一部でも中心線Lを挟んで互いに対向するよう
に位置してクランプネジ14の胴部14bと嵌合可能と
されていれば、その中心線M,Lを互いに一致させるこ
とが可能となる。
【0022】そこで、本実施形態では、この取付孔7の
側面2,2側への開口部に上述のように面取り部10が
形成されることにより、取付孔7の内周面7aに対して
チップ厚さ方向外側に向かうに従い外周側に広がる拡径
部が画成されており、この拡径部の分だけ取付孔7を精
密に形成しなければならない長さを短くすることができ
るので、上記効果を奏する優れたチップを比較的容易に
製造することが可能となる。しかも、本実施形態では、
この取付孔7の先後端側に上記凹部9と切欠8とが形成
されていて、取付孔7の内周面7aは上述のようにチッ
プの位置決めに必要な部分が断面円弧状に最小限残され
ているだけであり、かかるチップの製造を一層容易とす
ることができる。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のチップに
よれば、その取付孔の中心線と切刃の中心とが同心とさ
れているので、この取付孔をボールエンドミルのクラン
プネジの胴部と嵌合させることにより、チップ取付状態
における円弧状の上記切刃の位置精度を確実に確保する
ことができて、この切刃の回転軌跡を正確な断面円弧状
とすることができる。従って、かかるチップを取り付け
た本発明のボールエンドミルにおいては高い加工精度を
得ることができて、曲面等の加工を精密に行うことが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のチップの一実施形態を示す、チップ
厚さ方向に見たチップ本体1の平面図である。
【図2】 図1に示すチップをチップ中心線C方向先端
側から見た正面図である。
【図3】 図1における矢線Y方向(凹所6の壁面6b
に沿った方向)から見た側面図である。
【図4】 図1におけるZZ断面図である。
【図5】 図1に示すチップの取付孔7周辺を示す平面
Pに沿った拡大断面図である。
【図6】 図1ないし図5に示した実施形態のチップを
取り付けた本発明のボールエンドミルの一実施形態の平
面図である。
【図7】 図6に示すボールエンドミルを軸線O方向先
端側から見た拡大正面図である。
【図8】 図6に示すボールエンドミルの先端部の拡大
側面図である。
【図9】 図6におけるZZ拡大断面図である。
【符号の説明】
1 チップ本体 4 切刃 5 チップ本体1の後端面 7 取付孔 7a 取付孔7の内周面 8 切欠 10 面取り面 11 エンドミル本体 13 チップ取付座 14 クランプネジ 14a 雄ねじ部 14b 胴部 15 クランプ孔 L 取付孔7の中心線 X 切刃4の中心 O エンドミル本体11の軸線 M クランプネジ14の中心線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 下村 博 茨城県結城郡石下町大字古間木1511番地 三菱マテリアル株式会社筑波製作所内 Fターム(参考) 3C022 KK02 KK06 KK12 KK14 KK23 KK25 LL01 LL02 MM06 MM15

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平板状のチップ本体の外周に円弧状をな
    す切刃が形成されるとともに、このチップ本体には断面
    円形の取付孔が該チップ本体をその厚さ方向に貫通する
    ように形成され、またこの取付孔から上記チップ本体の
    後端面にかけては、該取付孔の直径よりも小さい幅の切
    欠が、やはり上記チップ本体をその厚さ方向に貫通して
    上記取付孔に連通するとともに上記後端面に開口するよ
    うに形成されており、上記取付孔の断面がなす円の中心
    線と上記切刃がなす円弧の中心とが同心とされているこ
    とを特徴とするスローアウェイチップ。
  2. 【請求項2】 上記取付孔の上記厚さ方向における開口
    部には、該取付孔の内径よりも外周側に広がる拡径部が
    形成されていることを特徴とする請求項1に記載のスロ
    ーアウェイチップ。
  3. 【請求項3】 エンドミル本体の先端部に形成された取
    付座に、請求項1または請求項2に記載のスローアウェ
    イチップの上記チップ本体が着座させられて、このチッ
    プ本体の上記取付孔に挿通されたクランプネジを上記エ
    ンドミル本体にねじ込むことよって着脱可能に取り付け
    られ、このクランプネジには、上記切欠の幅よりも大径
    で上記取付孔に嵌挿可能な円柱状の胴部と上記切欠の幅
    よりも小径の雄ねじ部とが備えられていることを特徴と
    するスローアウェイ式ボールエンドミル。
JP2002094922A 2002-03-29 2002-03-29 スローアウェイチップおよびスローアウェイ式ボールエンドミル Withdrawn JP2003291023A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007245295A (ja) * 2006-03-16 2007-09-27 Mitsubishi Materials Corp インサート着脱式ドリル

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JP2007245295A (ja) * 2006-03-16 2007-09-27 Mitsubishi Materials Corp インサート着脱式ドリル

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