JP2003290267A - 顎関節症治療装置 - Google Patents

顎関節症治療装置

Info

Publication number
JP2003290267A
JP2003290267A JP2002136301A JP2002136301A JP2003290267A JP 2003290267 A JP2003290267 A JP 2003290267A JP 2002136301 A JP2002136301 A JP 2002136301A JP 2002136301 A JP2002136301 A JP 2002136301A JP 2003290267 A JP2003290267 A JP 2003290267A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
treatment
temperature control
temperature
heating element
self
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002136301A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideki Karaushi
秀樹 唐牛
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2002136301A priority Critical patent/JP2003290267A/ja
Publication of JP2003290267A publication Critical patent/JP2003290267A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Thermotherapy And Cooling Therapy Devices (AREA)
  • Electrotherapy Devices (AREA)
  • Radiation-Therapy Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 顎関節症に関わるすべての要因の患部に直接
接触して治療ができ、医療では医師の立会いが短時間で
済み、民生機器としては誰もが簡単に治療ができるもの
とし、赤外線によるエネルギー照射手段、熱を患部への
接触により伝える熱伝導手段、筋肉の痛み、腫れ、赤み
などの炎症を抑える冷却手段、それらが一つに集約さ
れ、且つ、安全な、顎関節症治療装置を提供する。 【解決手段】温熱治療手段に、自己温度制御機能をもつ
面状発熱体と赤外線放射体とを用い、双方で同時に温熱
治療する礎材として備え、温度制御手段に、温度センサ
ーによる温度制御と、前記自己温度制御機能をもつ面状
発熱体による温度制御とを、双方で同時に温度制御する
礎材として備え、冷却治療手段に、電子冷却素子を用
い、冷却治療する礎材として備え、それら三つを一体に
なるよう筐体に具備し、構成を要旨とする顎関節症治療
装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、顎関節症治療装置
に関するものであり、近年、20代を中心に急増傾向に
ある顎関節症、その症状である咀嚼筋を中心とした頚
部、顔面筋の、こり(スパズム)や痛み、顎関節症に関
連する周囲の筋肉の、こりや痛み、および顎関節自体の
トラブルに対し、諸症状の鎮静(鎮痛)もしくは治癒
(除痛)を行うものである。さらに、症状が潜伏してい
る者および皆無な者についても、顎関節症を引き起こす
可能性のある行為(完全開口での発声、歯科治療時によ
る長時間の完全開口、ハードなスポーツでのかみしめ)
に対する予防措置や、また、スポーツなどにおける最大
能力発生のための準備措置として、頭部、顔面、患部な
どの皮膚に、直接接触をさせ、温熱や冷却の治療をする
顎関節症治療装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】背景として、顎関節症患者は現在、若年
層を中心に急増しており、社会問題となっている。その
原因としては、食生活の軟食化(ハンバーガー世代)に
より、下顎骨の発育や咀嚼に関係する筋の発達が不足し
ていることがあげられる。さらに、ストレスに対する耐
性不足もその原因となっている。また、これまでわが国
において顎関節症が多く存在していたにもかかわらず表
面化しなかった理由として、一般国民の顎関節症に対す
る知識不足が考えられる。しかし、平成6年に学校保健
法施行規則が一部改正され、歯および口腔の検査(規則
第1条第9号関連)の中に顎関節症に関する事項が補足
されたことで、今後、中学校および高校生を中心に顎関
節症に関する意識と知識が高まり、潜在していた顎関節
症患者が一気に表面化しはじめている。例えば、プロス
ポーツ選手および歌手など、最大努力に伴う(かみし
め)行為や最大開口行為、顎関節の過剰運動を強要され
る仕事に従事している者などはすべて、顎関節症予備軍
と考えてよく、たびたび新聞やテレビに取り上げられて
いる。
【0003】顎関節症は顎関節内のトラブルに限らず、
人間が食べ物を口の中でかみ砕く(咀嚼系)に関連する
さまざまな障害の集合体として現れた症状である。その
症状としては、下顎の運動制限、咀嚼に関連する筋硬化
(こり、スパズム)、関節雑音、顎関節痛、顔面痛、耳
痛、頭痛、頚部痛などであり、特に下顎の運動に大きな
影響を与える。その原因はさまざまであり、関節内の器
質的変化よりも、日常の習慣や癖、心理的なストレスな
どが大きく関連している。顎関節症の有病率(自覚的ま
たは他覚的に見受けられる症状を有するもの)で、膝痛
や肩痛などと比較しても非常に高率である。また、図9
の顎関節症患者における年次推移と年齢および性別の分
布でのグラフでもわかるように、顎関節症は若年層(1
5歳から20歳代前半で急増し、男女比は1対3から1
対9で女性に多く見られる。特に若い女性がある日突
然、口が開かなくなり、何日も食事をとれない場合もあ
るという、深刻な症状の者も多く見られている。
【0004】世界的に顎関節症に関する概念としては、
顎関節に直接由来する症状はほんの一部にすぎず、関節
の周囲の組織を含めた口腔顔面(肩から上すべて)の痛
みやそれに伴う障害というように、包括的なものであ
る。そしてその原因も多種多様であり、しかも単独な因
子によるものではなく、複数の因子が重複して発症す
る、ということが顎関節症に対する世界的な常識となっ
ている。いわゆる、これまでわが国において原因が不明
であった頭痛や顎痛のかなりの部分が、この顎関節症で
あることが考えられる。
【0005】しかし、わが国においては未だ顎関節症の
原因すなわち噛み合わせ(咬合)という、古典的な考え
方の歯科医や整形外科医が大勢を占めている。そのた
め、わが国においては顎関節症患者に対する治療とし
て、噛合わせ、を変える為に、歯を削る治療を行う場合
が多い。通常行なう歯科治療の際、患者が普段やりもし
ない最大開口を長い時間させられる行為自体、顎関節症
になり、顔面の筋肉は炎症が起きて既に障害となってい
る。そして、先に生活習慣的要因を改善し解決すること
なく、その場の噛み合わせの不具合のみで判断し、歯を
削ったりして顔のバランスをも悪くするなど、歯科医が
引き起こす顎関節症がある。そして、顎関節症を引き起
こしている医師や、被害を受けた患者などが、そのこと
自体、気づかないまま治療や診断を繰り返し受けている
例も少なくない。
【0006】今や顎関節治療先進国アメリカでは、顎関
節症は歯の矯正よりもストレス、筋肉、姿勢等の要因か
らくることが大きいと、学会や学説での見解で当然とさ
れており、わが国のような不可逆的な治療(二度と戻す
ことができない治療)はほとんど行われておらず、歯科
医と理学療法士、心理療法士等が協力し合い物理療法を
中心とした治療を行っている。今後わが国においても、
当然、他の疾病に関してもそうであったように、この顎
関節症に関しても先進諸外国の常識の方向に進みつつあ
り、概念の包括化にともなう患者急増の中で、安全で簡
単に、しかも効率的に、顎関節症の治療を行える装置と
患者の治療満足度の向上させうる装置が必要不可欠とな
るが、予防治療の分野ではまだまだ顎関節治療先進国に
遅れているのが現状である。
【0007】顎関節症の引き起こす一般的な例として、
最近世間では、小顔などと言われる顔の細いラインの女
性が急増し、逆にハンバーグなどの食生活で口腔部の開
口量が大きく、その矛盾で治療や予防治療が必要となっ
た。また、生理的現象(やせたい、無駄がない、米離
れ)による、顔面周辺の筋肉の使用をする機会が少なく
なったことで、突然走ったり歯を食いしばる行為によっ
て筋肉が痙攣し、故障の原因となる。さらに、娯楽では
カラオケなどで顎を酷使することで逆にストレスがたま
り、原因となる。食生活では、調理加工済食品が普及し
すぎている為、噛む行為がなされず、歯そのものからく
ることもある。人の喜怒哀楽に関しては、笑いの動作で
もわかるように、一般の中高年の笑い方とは違い、若い
世代の人は、あまり表情を変えず、口を開けて声のみ出
すことが多く、顎を良く動かすことや顔面の筋肉の使う
場所が近年では大きく変わってきた。
【0008】従来の技術としては、顎関節症治療に対す
る頭部、顔面、筋肉の疾病に対する物理療法として、低
周波電気刺激機器による治療法、超音波治療機器による
治療法、温熱機器による治療法、などがあり、温熱機器
による治療の場合、ニクロム線などの抵抗発熱体での温
熱装置や、お湯や蒸気を使ったホットパック装置など
で、皮膚の患部を温め、血行を良くし、筋肉を緩和して
いる方法をとっている。
【0009】従来の温熱機器による治療の場合、やや高
い温度を常に患部に与え、熱の伝導のみで伝える為、皮
膚の低温やけどを起こし易く、また、低温やけど防止の
為には長時間治療できず、筋肉の緩和が不十分となり治
療に期間を有していた。特にホットパック装置などは、
皮膚の表面部分にしか加温できない為、皮膚の内部まで
は深達しない。そして、熱が放出され、すぐに外気温度
に影響されやすく、他の治療法より効果が表れにくい。
そのことにより、他の治療法のような、治癒、改善目的
での治療法としてではなく、低周波電気刺激機器や超音
波治療機器による治療などの補助的な役割でしか果たす
ことが出来なかった。
【0010】低周波電気刺激機器や超音波治療機器によ
る治療の際に、二種類のみでのサイクルにて行う治療法
では、患部の治癒する時間より、治療の慣れ(刺激慣
れ)による皮膚の順応のほうが早く、改善を長引かせる
原因となっていた。しかし、治療慣れ(刺激慣れ)が、
そもそもの原因だとは最近まで考えられることはなく、
顎関節症の場合は、改善に時間がかかることがむしろ当
たり前のこととして考えられていた。
【0011】そして、低周波電気刺激機器や超音波治療
機器による治療は、十分治療効果があるのにもかかわら
ず、その効果を発揮し維持できない理由として、温熱機
器による温熱治療の役割不足が原因であり、その為に更
に広範囲での治療に低周波電気刺激機器や超音波治療機
器を活用するに至っていなく、可能性を見出せていなか
った。
【0012】従来の温熱機器では、低周波電気刺激機器
や超音波治療機器による治療のように、皮膚の内部にエ
ネルギーとして深達することができず、また、そのよう
な機器が今日まで存在していなかった。
【0013】温熱機器による治療として、注目される機
器で赤外線治療機器があり、皮膚への温熱エネルギーの
浸透としては期待されているが、現在は高温域による赤
外線照射の為、患者のやけどに対して非常に危険であ
る。そして取り扱いが難しく医師の立会いが必要であ
り、民生機器としての活用が出来ない。さらに、直接に
頭部、顔面、筋肉、などの皮膚や患部に接触して治療す
ることが出来ず、また、そのような低温域で深達性があ
る温熱治療機器などは存在していなかった。
【0014】顎関節治療先進国での温熱治療例では、温
熱器具として容器の中に50度以下のお湯又は冷水を注
入して密封し、密封した容器を患部に押し当て、温めた
り、冷やしたりする治療方法を採っている。しかし、こ
れはお湯の温度管理が非常に難しく、温度不安定による
低温やけどや、お湯漏れによるやけど等が多発してい
る。よって、対策として低い温度のお湯を注入して対応
したり、蒸しタオルを患部に当てる方法や低い温度での
電気式温熱機器の使用でしか対応できなかった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】現在、顎関節症に対す
る物理療法機器での確立したものはなく、患部が顔面の
皮膚、首筋、側頭部の皮膚、肩の皮膚などは、温度に対
して非常に敏感な箇所であり、治療法を間違えると火傷
などの二次災害になりかねず、慎重にならざるおえな
い。これらの現状で従来での問題点としては治療機器の
安全性の不充分さがあげられる。
【0016】温熱機器を使用する上で、発熱体の温度に
対する安定温度の考え方として、ニクロム線などの抵抗
発熱体による従来の温熱装置では、室内が常温(20
度)の場合、表面温度が40度で安定している発熱体で
は、この時放熱されるエネルギー量と発熱されるエネル
ギー量とが一致した温度の状態であり、ここから患部な
どに接触させると、40度の発熱体表面が急激に保温さ
れる。そして、抵抗発熱体は常に電力の供給が一定であ
ることから、発熱体は発熱と放熱のバランスをとろうと
して発熱体表面の温度を上昇させる。そのことにより皮
膚の低温火傷が生じることになる。よって、温度センサ
ーが必要となり、温度の制御をしなければならない。
【0017】また、従来の発熱体では、ニクロム線で面
状に加工した発熱体が多く、面全体での均一な発熱では
なくニクロム線の発熱部の箇所だけが特に高温になり、
温度センサーと実際の温度との測定誤差が生じ、火傷の
危険性が避けられない。ましてや、温度制御を一つのセ
ンサーのみで対応することは、万が一に、センサーが壊
れ誤作動してしまった場合、温度制御が出来なくなり、
やけどをしてしまうので、幾重にも安全を施さなくては
ならなくコストが嵩む。また、主に温度センサーの働き
は、設定温度以上上昇して始めて感知し温度制御する特
性から、患者は少しずつ知らず知らずのうちに低温火傷
になり、ヒリヒリ感などが生じ、特に女性の敏感な皮膚
に接触させることはとても勧められなかった。
【0018】顎関節症の症状では、筋肉の痛み、腫れ、
赤みなどの炎症が多く考えられることから、安易に最初
から温熱の治療法で行なうと、患部をより悪化させるこ
とがある。よって、状況を確認し、患部が発熱している
場合などは患部を一旦冷やす必要があり、温熱と冷却で
の両方の治療法で対応しなくてはいけない。そのため
に、治療装置としては複数の設備がかかり高額になりす
ぎてしまう。しかし、そのような治療装置は民生機器と
しては存在せず、氷や蓄冷材を用い対処しているのが現
状で、それらを、タオルを巻いての冷却調整や加温調整
など両方の対処をしなければならない。このような対処
は、患者にとって治療をする行為そのものが負担で、逆
に苦痛(ストレス)を与えてしまう。よって、精神面か
らくることの多い顎関節症などでは、負担になる治療行
為で時間がかかりすぎて逆効果であり完治しにくい。
【0019】筋肉の緊張、痙攣、感覚の麻痺などの症状
には、急激な運動による筋肉の酷使やストレスよる精神
的要素が含まれる事が多く、特に、ストレスが嵩み、自
律神経失調症などの症状からくる場合の筋肉の緊張、痙
攣、感覚の麻痺が多い。そして、自律神経系の改善をは
かる場合に用いる様々な治療法の中で、温熱、冷却の刺
激療法があげられ、これは患者がリラックスした状態で
治療を受けやすいエネルギー治療法で、女性等のデリケ
ートな皮膚に対しておこないやすい。しかし、従来の技
術としては、温熱、冷却の治療を交互にでき、安全性が
充分で且つ、一つの装置としての治療機器が存在してい
なかった。
【0020】従来の技術のように、一次的な症状の緩和
の目的ではなく、エネルギー治療法として患部の内部ま
で深達し、諸症状の鎮静(鎮痛)もしくは治癒(除痛)
を行うものでなければならない。しかも、患者がストレ
スなく自然に治療に取り組むことができ、早期治療に役
立つ治療機器の開発が急務であり、次に述べる課題を提
起することとした。
【0021】機器の温度制御が正確であり、その制御が
正確なことを維持でき、さらに安全であること。温熱部
が皮膚に接触する面全体を均一に加温できること。各諸
症状に対して温熱、冷却を各サイクルに使い分けできる
こととし、温熱治療時や冷却治療時など治療温度に対し
て患者が違和感のないことが前提であり、ストレスのな
いリラックスな状態と環境とで治療ができること。そし
て、民生機器ではできるだけ患者の行動や時間を束縛し
ないことが前提で、治療すること自体が患者のストレス
にならないようにする。そして、顎関節症に関わるすべ
ての要因の患部に接触して治療ができ、病院で使用する
物理療法機器としてでは、医師の長時間の立会いがいら
ない治療機器であり、また、病院で使用する物理療法機
器の延長で、民生機器でも治療能力が発揮できる治療装
置であること。簡単に温熱治療や冷却治療ができ、それ
ら双方一体に集約された治療装置であることが望まし
い。そして、他の物理療法機器との治療能力の位置付け
と同等にし、温熱、冷却治療として確立させ、他の物理
療法機器との複合した治療法での早期治療をおこなうよ
うに実現しなければならない課題である。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上のような
顎関節症に関する治療や予防の実態に鑑み、それらの治
療や予防に有効な手段の一つとして、注目を集めている
赤外線効果を活用したエネルギー照射治療法が手軽に実
施できるようにすると共に、その赤外線治療法の程度
が、使用する人の症状の具合や、装着感の個人差などに
随時対応できるようにする為の装置として、接触して赤
外線照射が可能である自己温度制御機能付面状発熱体、
そして、冷却治療として電子冷却素子に注目し、その素
材、構造に関する開発、研究に着手し、様々な試行錯誤
と幾多の試作試験とを繰り返した結果、遂にここにき
て、かつて提案されたことのない極めて新規な構成から
なる本発明品の実現化に成功したものであり、以下で
は、代表的な幾つかの実施例と共に、その構成を詳述し
ていくことにする。
【0023】図面に示す代表的な実施例からも明確に理
解されるように、本発明は、基本的に次のとおりの構成
を要旨としている。即ち、請求項1に記載した内容で、
皮膚に、接触をさせ治療をするものであって、温熱治療
手段と、温度制御手段と、冷却治療手段と、からなる顎
関節症治療装置であり、前記温熱治療手段として、自己
温度制御機能をもつ面状発熱体と赤外線放射体とを用
い、前記自己温度制御機能をもつ面状発熱体の、皮膚へ
の接触により伝える熱伝導と、前記赤外線放射体による
光照射とを、双方で同時に温熱治療する礎材として備
え、順次、前記温度制御手段として、温度センサーによ
る温度制御と、前記自己温度制御機能をもつ面状発熱体
による温度制御とを、双方で同時に温度制御する礎材と
して備え、順次、前記冷却治療手段として、金属材料お
よびプラスチック材料の、少なくとも一つの材料を用い
て、電子冷却素子とを粘着し、冷却治療する礎材として
備え、前記温熱治療手段と、前記温度制御手段と、前記
冷却治療手段と、それら三つを、一体になるよう筐体に
具備し、構成を要旨とする、顎関節症治療装置である。
【0024】順次、前記請求項1に記載した構成を基本
とする本発明には、以下のとおりの構成からなる顎関節
症治療装置が包含される。それは、請求項2に記載した
内容の中で、温熱治療手段の中の自己温度制御機能をも
つ面状発熱体として、プラスチック材料に自己温度制御
付通電性発熱インクの薄膜印刷された面状発熱体と、プ
ラスチック原材料と自己温度制御付通電性発熱インクと
の混成された面状発熱体と、生地や不織布などに自己温
度制御付通電性発熱インクの含浸された面状発熱体と、
それら三つのうち、いずれか一つの発熱体、からなる構
成を要旨とする、顎関節症治療装置である。
【0025】順次、前記請求項1および前記請求項2に
記載した構成を基本とする本発明には、以下のとおりの
構成からなる顎関節症治療装置が包含される。それは、
請求項3に記載した内容の中で、温熱治療手段の中の赤
外線放射体として、人体に最も有効な波長帯領域の赤外
線放射材料を、金属材料およびプラスチック材料の、少
なくとも一つの材料に薄膜印刷をした赤外線放射体、お
よび、前記人体に最も有効な波長帯領域の赤外線放射材
料を、自己温度制御機能をもつ面状発熱体の、発熱材料
の中に混合させた赤外線放射体、の、少なくとも一つの
赤外線放射体を用いた温熱治療手段、からなる構成を要
旨とする、顎関節症治療装置である。
【0026】順次、前記請求項1から前記請求項3に記
載した構成を基本とする本発明には、以下のとおりの構
成からなる顎関節症治療装置が包含される。それは、請
求項4に記載した内容で、温度制御手段の中で、圧力セ
ンサーおよび近接スイッチの、少なくとも一つを用い
て、装置の未使用、未装着時では治療目的の温度に到達
しないようにし、筐体外装部の発熱部分に皮膚や患部が
触れることで治療目的の温度に到達させる、昇温時期制
御手段、からなる構成を要旨とする、顎関節症治療装置
である。
【0027】順次、前記請求項1から前記請求項4に記
載した構成を基本とする本発明には、以下のとおりの構
成からなる顎関節症治療装置が包含される。それは、請
求項5に記載した内容の中で、電気絶縁性と耐熱性のあ
るプラスチック材料に、一本の蛇行した形状にて電極イ
ンクを薄膜印刷し、前記電極インクの印刷面をもう1枚
の前記電気絶縁性と耐熱性のあるプラスチック材料にて
貼り合わせ、電気絶縁保護をし、電位治療の電極部を具
備した電位治療手段、からなる構成を要旨とする、顎関
節症治療装置である。
【0028】順次、前記請求項1から前記請求項5に記
載した構成を基本とする本発明には、以下のとおりの構
成からなる顎関節症治療装置が包含される。それは、請
求項6に記載した内容の中で、筐体外装部の形状は、患
部を隠蔽するに足るだけの幅で袋状の収容部を形成し、
外装素材は、赤外線を、通過しやすい素材であり、布地
の織物素材およびプラスチック素材の、少なくとも一つ
の素材を用いて凹凸に適応可能な外装部とした外装手
段、からなる構成を要旨とする、顎関節症治療装置であ
る。
【0029】順次、前記請求項1から前記請求項5に記
載した構成を基本とする本発明には、以下のとおりの構
成からなる顎関節症治療装置が包含される。それは、請
求項7に記載した内容の中で、装置の形体として、ヘッ
ドフォン方式およびハンディ方式の、少なくとも一つの
方式とし、順次、筐体一部分にイヤホーンおよびスピー
カーの、少なくとも一つを用い、これを音楽治療による
音響装置として具備した音楽治療法手段、からなる構成
を要旨とする、顎関節症治療装置である。
【0030】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を実施
例にもとづき図面を参照して説明する。図1は構成材の
断面を示すための拡大断面図であり、請求項6を除く請
求項1から請求項7までの構成された断面図である。構
成内容として、1の筐体外装部の一接触部分を2の機能
性織布とし、1aの生地押さえカバーで固定する。そし
て4の電位治療部と3の自己温度制御機能付面状発熱体
と順次となりあわせに密着して配置し、6のアルミニウ
ム合金に接触した状態にする。また、6のアルミニウム
合金の内部に納まるように5の温度制御センサーを設置
し、3の自己温度制御機能付面状発熱体の発熱温度を感
知させる。そして、6のアルミニウム合金両端部と筐体
外装部内側に挟まれるかたちで、9の圧力センサーを配
置し、その密着は11の圧力ばねによって維持される。
そして、2の機能性織布に患部が押し当てられることに
より、7の断熱材と12のばね台座との隙間が狭くな
り、11のばねを圧縮し6のアルミニウム合金両端面と
9の圧力センサーとの隙間が生じる。この時に9の圧力
センサーが働いて3の自己温度制御機能付面状発熱体の
温度が上昇し治療目的温度に到達する。冷却時として
は、8の電子冷却素子を用い、6のアルミニウム合金と
接触した状態に設置し、電流のプラスマイナス入れ替え
で3の自己温度制御機能付面状発熱体による温度上昇の
補助、または冷却をする。冷却時には、8の電子冷却素
子と10の冷却フィンとの接触面に熱が生じる為、10
の冷却フィン働きで冷却させる。13のスピーカーは患
者が精神的にリラックスしながら音楽療法を併用したい
時、そして、民生機器での応用で自宅での治療の場合、
治療によるストレスや、治療行為を面倒と考え治療をし
ない事への防止策としてスピーカーを採用している。
【0031】図5は、請求項6の構成された断面図であ
る。これは、皮膚に触れる筐体外装部を、外装部全体と
する為に、凹凸に対してまんべんなく皮膚に触れるよう
な外装部としていて、14のファスナーで袋状にできる
構成としている。この発明の顎関節症治療装置は、以上
のとおりの構成を要旨としているが、さらにその構成が
明確に把握できるよう、以下ではこの発明を代表する実
施例を取り上げ、具体的な説明を加えていくことにす
る。
【0032】
【実施例1】皮膚に触れる筐体外装部の一接触部分表面
を機能性織布とした構成は、図1の2に記載してある。
これは、吸湿放散性や抗菌性のある素材であり、他に光
触媒加工をした織布や、素材自体に吸湿放散性や抗菌性
のある織布でも良く、患部を隠蔽することによる皮膚の
むれを防ぎ、汗を吸収し、放散する素材で適するものと
して、商品名、ブレスサーモ(東洋紡績株式会社)を採
用した。
【0033】そして、金属材料、およびプラスチック材
料の、少なくとも一つの材料を用いて電子冷却素子とを
粘着し、冷却治療手段とした構成は、図1の8に記載し
てある。これは、ペルチェ素子やフリジスター素子と呼
ばれる半導体素子であり、電流のプラスマイナス切り替
えにより両側が発熱や冷却とに切り替わるもので、これ
は、顎関節症治療装置として温熱と冷却の交互での治療
に必要不可欠であり、しかも、ペルチェ素子やフリジス
ター素子は、直流電圧が低い為、医療分野に活用するこ
とができ、また、発熱時には昇温時間の短縮および温度
安定供給の補助する働きができること、さらに、タイル
状のような小さい電子冷却素子の組み合わせにより、患
部の凹凸にも対応ができることで採用した。
【0034】次に、請求項2にあげられる、3の自己温
度制御機能付面状発熱体を用い、これを温熱治療手段と
した構成は、図2に記載してある。これはプラスチック
材料である32のポリエチレンテレフタレート樹脂フィ
ルム一方面に、一対の33の電極インクを櫛歯状にして
薄膜印刷し、一対の33の電極インクから内側に互い違
いに平行に伸びている電極インクの上から、31の自己
温度制御付通電発熱インクを重ね塗りをするように薄膜
印刷し、もう一枚の32のポリエチレンテレフタレート
樹脂フィルムをラミネートして絶縁保護をし、全体面を
裏返しにした面状発熱体の図である。また、他の発熱体
の構成材として、プラスチック原材料と自己温度制御付
通電性発熱インクとの混成された面状発熱体と、生地や
不織布などに自己温度制御付通電性発熱インクの含浸さ
れた面状発熱体のうち、いずれの製造方法による面状発
熱体でも構わない。そしてプラスチック材料として、生
体に適合するものが望ましく、32に用いたポリエチレ
ンテレフタレート樹脂フィルム以外の例として、ポリオ
レフィン樹脂やポリテトラフルオロエチレン樹脂(PT
FE)からなるフィルムでも良い。
【0035】次に、請求項3にあげられる内容として、
自己温度制御機能をもつ面状発熱体の、発熱材料に含ま
れる素材の構成として、図4に記載してある。これは、
摂氏30度から摂氏50度の範囲内での発熱温度におい
て、5ミクロンから14ミクロンの波長領域を最も多く
赤外線放射する放射材料を用い、自己温度制御機能をも
つ面状発熱体の、発熱材料の中に混合させた赤外線放射
体の図であり、他に、金属材料およびプラスチック材料
の、少なくとも一つの材料に薄膜印刷をした赤外線放射
体でも構わない。そして、3の自己温度制御機能付面状
発熱体と隣合せに並べ、多層式にすることで赤外線の放
射量を任意に変化させる方法でも良い。
【0036】そして、3の自己温度制御機能付面状発熱
体の構成として、15の電気絶縁性樹脂、16の半導体
樹脂、17の導電性樹脂、18の赤外線放射材料との組
み合わせである。(A)は通電発熱時での状態模式図
で、(B)は設定温度到達時での状態模式図である。3
1の自己温度制御付通電発熱インクは、15の電気絶縁
性樹脂、16の半導体樹脂、17の導電性樹脂、18の
赤外線放射材料、などを練りこんだものであり、電気が
供給されると発熱するものである。(A)の場合、温度
が低い時は、各樹脂どうしが接触または近接しており、
通電すると電気が流れ発熱する。この発熱時において1
8の赤外線放射材料も温度が上昇して赤外線放射をす
る。
【0037】一方、(B)の場合、温度が設定温度に到
達すると、31の自己温度制御付通電発熱インクの熱膨
張がおこり体積が増す。このことから15の電気絶縁性
樹脂内にある16の半導体樹脂と17の導電性樹脂との
隙間が広がり、電流が流れなくなる。そして31の自己
温度制御付通電発熱インクは、外気温度と発熱体自身の
抵抗値により16の半導体樹脂と17の導電性樹脂との
膨張収縮を繰り返して電流量と発熱温度を発熱体自ら制
御している。これら面状発熱体の中の、自己温度制御付
通電発熱インクを用いることで温度制御に対する安全性
が増した。よって、この自己温度制御機能の最も安定し
ていることが条件であり、この条件を満たす3の自己温
度制御機能付面状発熱体の材料として、ミタケ電子工業
株式会社製の自己温度制御付通電発熱インクを採用し
た。(特開平10−183039)
【0038】次に、請求項4にあげられる内容として、
図1の9に記載してある。これは、温度制御手段の中
で、圧力センサーおよび近接スイッチの、少なくとも一
つを用いて、装置の未使用、未装着時では治療目的の温
度に到達しないようにし、筐体外装部の発熱部分に皮膚
や患部が触れることで治療目的の温度に到達させる、昇
温時期制御手段、からなる図である。これは、患部に触
れる前にすでに表面温度が治療目的温度であることは、
皮膚による接触で発熱部が保温されて、発熱体が発熱と
放熱のバランスをとろうとして温度が上昇し低温火傷を
発生させる。これは高性能な発熱体や敏感な温度センサ
ーが付いていても、発熱体が一旦上昇することは防ぎよ
うがない。しかも、治療温度設定には個人差があり、通
常の治療温度でも熱いと感じる人もいることから、皮膚
や患部が触れることで治療目的の温度に到達させること
が最も安全である。よって、圧力センサーや近接スイッ
チの少なくとも一つにて昇温時期の制御をする時期制御
手段を用いることとした。
【0039】次に、請求項5にあげられる内容として、
図3に記載してある。これは、一枚の42のポリエチレ
ンテレフタレート樹脂フィルム上面に、一本の蛇行した
形状にて41の電極インクを薄膜印刷し、電極インクの
印刷面を、もう一枚の42のポリエチレンテレフタレー
ト樹脂フィルムにて貼り合わせ、電気絶縁保護をし、電
位治療部からなる図である。これは、すでに医療として
電位治療法は公知であり、生体の周りに電位差を作り、
体内の細胞や血液などに効果を齎し、肩こり、頭痛など
の自律神経系の改善をおこなう事として知られている。
それら従来の電位治療機器の構成としては、通常、電位
部材は一本のニクロム線や薄い金属箔を使用している。
本発明は、電極部を41の電極インク(商品名、ドータ
イト、フジクラ化成)で薄膜印刷からなる電位部を用い
たことであり、断線の心配が無く極薄の電位部に仕上が
ることが特徴であり、図2記載の3の自己温度制御付面
状発熱体と同寸法に重ね合わせて組み込むことが可能
で、電位部と発熱体の合わせた厚みは、約2ミリメート
ル以内で収まることができる。そして、フィルムに用い
るプラスチック材料としては生体に適合するものが望ま
しく、42に用いたポリエチレンテレフタレート樹脂フ
ィルム以外の例として、ポリオレフィン樹脂やポリテト
ラフルオロエチレン樹脂(PTFE)からなるフィルム
でも良い。このことで既に公知にて安全である電位によ
る治療方法で、顎関節症に関連した慢性こり、頭痛など
の除痛を手軽におこなえる電位治療手段を用いることに
した。
【0040】次に、請求項6にあげられる内容として、
図5に記載してある。これは、1の筐体外装部の形状
を、袋状の収容部に形成したものであり、外装素材は、
赤外線を通過しやすい素材であり、図1の2に記載して
ある機能性織布と同じものとした。これは、吸湿放散性
や抗菌性のある素材であり、他に光触媒加工をした織布
や、素材自体に吸湿放散性や抗菌性のある織布でも良
く、患部を隠蔽することによる皮膚のむれを防ぎ、汗を
吸収し、放散する素材であれば構わない。その他、プラ
スチック素材の、凹凸に適応できるものでも構わない。
そして、14のファスナーで筐体外装部の全体の外周を
閉じ、袋状にする手段を用いることで、筐体の外装部が
汚れた場合取り替えることが可能になる。また、14の
ファスナーの他に、強力なマジックテープ(商品名)な
どで袋状を維持する方法でも構わない。さらに、袋状の
収容部に形成したことで、筐体全体の寸法を大小様々に
変えることができ、肩周りや背中、腰に至るまで幅広く
温熱、冷却、電位などの複合治療をすることができ、顎
関節症に関連した様々な要因を除去することができる。
【0041】次に、請求項7にあげられる内容として、
図6に記載してある。これは、19のヘッドフォン式の
図であり、筐体二つを連接させ、頭部などの支持により
筐体を保持し、側頭部または顔面頬部を両側から挟み込
み、温熱や冷却の治療をするものである。その他に、直
接手で筐体を保持し、頭部、顔面頬部、患部などの皮膚
に、接触をさせ、温熱や冷却の治療をするハンディ式で
も構わない。そして、20のコントローラーは、請求項
1から請求項7におけるすべての制御をするものとして
用いている。そして、この筐体一部分にイヤホンまたは
スピーカーを用いて、これを温熱、冷却治療と複合し、
音楽治療法手段としたことで、顎関節症の、治療におけ
るストレスを取り除くばかりではなく、スポーツにおけ
る精神集中力強化、咬筋などのウォーミングアップ、合
唱、発声、アナウンス時の筋肉の緊張緩和、民生機器で
の活用など、あらゆる用途に用いることができる。
【0042】
【実施例2】次に、実際の治療方法としての実施例を述
べる。顎関節症治療としての赤外線照射、加温、冷却と
して、図7および図8に記載されている、咬筋および側
頭筋およびその誘発点(トリガー)、顎関節部を集中的
に本発明装置を当て、照射、加温、冷却する。照射、加
温、冷却時間は、症状により、専門家(歯科医師もしく
は理学療法士)が判断する。また、予防的な遠赤外線照
射としては、上記と同様の部位に対して、15分から3
0分の照射、加温、冷却後、引き続く諸行為(スポーツ
や発声練習、歯科治療など)を開始する。照射、加温、
冷却時間は、血流状況や体質により個人差があることか
ら、専門家(歯科医師もしくは理学療法士)に判断を依
頼することが望ましい。さらに、コンビネーション治療
方法として本発明装置は、従来の治療機器を否定するこ
となく、本発明装置の併用によって、生体内の分子を活
性化させた後、従来の治療を行うことにより、画期的な
効果が期待できる。
【0043】従来の物理療法機器では、それぞれ特徴の
ある物理刺激を体内に取り込ませ、治療を行ってきた。
しかし、生体はそれら物理刺激に対して、数日で適応反
応が生じてしまい、当初の効果が激減し、約1週間程度
その状態を生体が保持しているものと考えられる。よっ
て、3種類程度の有効な物理刺激を10日間隔程度でサ
イクル治療することが重要であり、顎関節治療方法とし
て、1日1回の治療を前提とした場合、超音波療法(3
〜5メガヘルツ、1ヶ所3分間)を10日間、次に、赤
外線温熱療法(15〜30分、1回)を10日間、最後
に、低周波電気刺激療法(TENSまたはMENS、1
ヶ所15〜30分)を10日間により、1サイクル治療
とし、これを繰り返している。
【0044】
【発明の効果】本発明装置により、作用機序および効果
として、咀嚼筋や顎関節、その周囲の組織を照射、加
温、冷却し、その結果、筋のリラクゼーションおよび、
鎮痛、除痛された。そして、顎関節周囲の血管および神
経、リンパ官を照射、加温、冷却し、血液及びリンパ液
の循環を促し、それら物質の新陳代謝が活発化する。そ
れは主に軟部組織を細胞組織の分子運動を共振現象によ
り活発化させ、生体内でミクロマッサージが行われる。
その結果、顎関節症の原因となっている筋スパズムなど
が軽減または解消できる。また、スポーツ競技開始前の
ウォーミングアップ目的や、最大開口での発声練習前の
筋及び関節軟部組織の準備目的、歯科治療前の処置など
に用いることにより、顎関節症の発症を阻止する。特
に、スポーツにおいては、奥歯での(くいしばり)が最
大限度まで可能となることから、全般的な能力の向上が
期待される。
【0045】本発明装置に用いている赤外線は、太陽に
より生物が原始から馴染んできた光線であり、安全であ
る。それは、低温やけどの発生の可能性がほとんどな
く、その赤外線の中でも、最も生体を構成する諸分子の
固有振動数と合致している5ミクロンから14ミクロン
の波長の赤外線を多量に照射する自己温度制御機能付面
状発熱体を初めて顎関節症の温熱治療装置に応用してい
る。この5ミクロンから14ミクロンの赤外線は、赤外
線波長帯領域の光線の中で最も深達性が高く、さらに赤
外線のエネルギーそのものが直接、生体内の分子の運動
エネルギーに変換されることから、生体の活性を高め
る。この光線を集中的に照射することによって、ソフト
な深部加温と分子レベルでのミクロマッサージ効果で細
胞の活動性が高まり、痛みや筋肉のコリを除去または鎮
静する。そして、図7および図8記載の、顎関節症の主
症状である側頭筋および咬筋のコリと、それらの誘発
点、さらに、顎関節全体を集中的に治療し、顎関節症の
症状を緊急に除去することが重要であるが、本発明装置
は、これらの3つのポイントをまんべんなく治療でき
る。さらに、直接皮膚に接触が可能な為、低周波電気刺
激機器および超音波治療機器では治療できない、毛髪下
の筋肉、主に側頭筋に対しても治療が可能になった。
【0046】顎関節症の治療として、低周波電気刺激機
器や超音波治療機器が現在用いられている。これら低周
波刺激や超音波刺激に対して生体は、照射されるごとに
その刺激に慣れ、順応し、効力が低下する。そこで、細
胞の活性化を目的とする本発明装置を、時間差で併用す
ることにより、物理刺激に対する生体の慣れを防ぎ、よ
り効果的な治療が行える。また、本発明装置は、どのよ
うな物理療法手段とも併用ができることで、治療期間の
短縮が期待できる。
【0047】本発明装置は、赤外線照射治療と温熱によ
る熱伝導治療としては十分であり、温熱治療法として他
の治療法の補助的役割ではなく、赤外線照射治療と温熱
治療そのものを、他の治療法と同等の位置とし、低周波
電気刺激機器による治療サイクルと、超音波治療機器に
よる治療サイクルとの、中間のサイクルにて治療を施す
ことが出来るので、従来の各治療機器での過剰な治療に
よる無理な効果を期待し、それにより引き起こす医療事
故を未然に防ぐことが出来るようになった。
【0048】そして、本発明装置がヘッドフォン型仕様
に変化できることで、スピーカーやイヤホンを装備する
ことにより、音楽療法も併用でき、全身的なリラクセー
ションが得られる。そして、顔面は他の部分と違って非
常にデリケートである上に、顎関節症がストレスなどの
心因的な因子も少なからず影響していることから、ソフ
トなエネルギーでの照射、加温、冷却、いわゆる心地よ
いという感覚の中での治療が肝要であり、本発明装置は
この点を最も考慮している。それは、患者に対して、治
療による精神的ストレスがかかりにくく、それにより治
療効果が高い。
【0049】精神的に関わることが多い顎関節症など
は、日ごろの予防が最も大切な事で、この顎関節症治療
装置は、物理療法や精神的療法などに十分対応できる。
しかも、筐体外装部を袋状にしたことで、顎間接部、そ
れに関わる各筋肉、神経的要因の患部、ツボなど、顎関
節症に関わる要因すべてにおいて同時に治療することが
出来ることになり、各医療機器の治療範囲が拡大され
た。
【0050】低温域での赤外線照射の治療では、熱を患
部への接触により伝える熱伝導手段と、人体に有効な赤
外線放射による光照射手段とを両方同時にしなければ効
果は低い。また、その時赤外線の照射力が足りないと、
それを補おうとして接触による熱伝導手段の際、熱伝導
そのものを強くし過ぎて、結局低温火傷の可能性を引き
起こすことが多い。しかし、本発明装置は、発熱体自体
が自己温度制御をしながら十分な赤外線放射をすること
により、低温域での自己温度制御発熱体の、患部への接
触により伝える熱伝導手段と、人体に有効な赤外線放射
による光線照射手段とを、両方同時に、しかも、より安
全におこなうことが可能になった。
【0051】本発明装置は、病院で使用する物理療法機
器の延長で、民生機器でも十分治療能力が発揮できる治
療装置である。また、病院での使用時には、医師の長時
間の立会いがいらない治療装置であり、誰もが簡単に温
熱治療や冷却治療ができ、それら双方が一つに集約され
た治療装置である。そして、他の物理療法機器との治療
能力の位置付けと同等することができ、温熱、冷却治療
として確立させ、他の物理療法機器との複合した治療法
での早期治療をおこなうように実現しなければならない
課題を克服した。
【0052】叙述の如く、本発明である顎関節症治療装
置は、その新規な構造によって所期の目的を遍く達成可
能とするものである上、製造も容易であって比較的安価
な価格帯での提供が出来ると共に、人体患部への装着性
や他の治療への機器への併用などといった取り扱い操作
性の点においても極めて簡便、容易なものとなることか
ら、経済状況の悪化や食生活の変遷などに伴う人体各部
の変調、特に過労や精神的ストレスに起因して頻発する
現代人の筋肉疲労や顎関節の機能の低下現象に対し、そ
の治療機器あるいは予防機器として高い評価がなされ、
性別、年齢、用途を問わず広い範囲の人々使用、普及し
ていくものになると予想される。
【図面の簡単な説明】
【図1】構成材の断面を示すための全体拡大断面図であ
る。
【図2】図1により製造された、自己温度制御機能付面
状発熱体の裏面にした平面図である。
【図3】図1により製造された、電位治療部の平面図で
ある。
【図4】自己温度制御機能付面状発熱体の、発熱部分の
拡大模式図であって、(A)は通電発熱時の状態、
(B)は設定温度到達時の状態である。
【図5】図1により製造された、顎関節症治療装置の、
さらに、別の実施例の断面図を示したものである。
【図6】図1により製造された、顎関節症治療装置の、
使用状態例を示した正面図である。
【図7】顎関節症治療に関わる、各筋肉の部位を表した
図である。
【図8】顎関節症治療に関わる、重点治療箇所を表した
図である。
【図9】顎関節症患者のグラフであり、(A)は年次推
移、(B)は年齢および性別の分布を表したものであ
る。
【符号の説明】
1 筐体外装部 1a 生地押さえカバー 2 機能性織布 3 自己温度制御機能付面状発熱体 31 自己温度制御付通電発熱インク 32 ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム 33 電極インク 4 電位治療部 41 電極インク 42 ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム 5 温度制御センサー 6 アルミニウム合金 7 断熱材 8 電子冷却素子 9 圧力センサー 10 冷却フィン 11 圧力ばね 12 ばね台座 13 スピーカー 14 ファスナー 15 電気絶縁性樹脂 16 半導体樹脂 17 導電性樹脂 18 赤外線放射材料 19 ヘッドフォン式 20 コントローラー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61M 21/00 310 A61M 21/00 310 A61N 1/10 A61N 1/10 5/06 5/06 A

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 皮膚に、接触をさせ治療をするものであ
    って、温熱治療手段と、温度制御手段と、冷却治療手段
    と、からなる顎関節症治療装置であり、前記温熱治療手
    段として、自己温度制御機能をもつ面状発熱体と赤外線
    放射体とを用い、前記自己温度制御機能をもつ面状発熱
    体の、皮膚への接触により伝える熱伝導と、前記赤外線
    放射体による光線照射とを、双方で同時に温熱治療する
    礎材として備え、順次、前記温度制御手段として、温度
    センサーによる温度制御と、前記自己温度制御機能をも
    つ面状発熱体による温度制御とを、双方で同時に温度制
    御する礎材として備え、順次、前記冷却治療手段とし
    て、金属材料およびプラスチック材料の、少なくとも一
    つの材料を用いて、電子冷却素子とを粘着し、冷却治療
    する礎材として備え、前記温熱治療手段と、前記温度制
    御手段と、前記冷却治療手段と、それら三つを、一体に
    なるよう筐体に具備してなる、顎関節症治療装置。
  2. 【請求項2】 皮膚に、接触をさせ治療をするものであ
    って、温熱治療手段の中の自己温度制御機能をもつ面状
    発熱体として、プラスチック材料に自己温度制御付通電
    性発熱インクの薄膜印刷された面状発熱体と、プラスチ
    ック原材料と自己温度制御付通電性発熱インクとの混成
    された面状発熱体と、生地や不織布などに自己温度制御
    付通電性発熱インクの含浸された面状発熱体と、それら
    三つのうち、いずれか一つの発熱体、からなる、請求項
    1記載の顎関節症治療装置。
  3. 【請求項3】 皮膚に、接触をさせ治療をするものであ
    って、温熱治療手段の中の赤外線放射体として、人体に
    最も有効な波長帯領域の赤外線放射材料を、金属材料お
    よびプラスチック材料の、少なくとも一つの材料に薄膜
    印刷をした赤外線放射体、および、前記人体に最も有効
    な波長帯領域の赤外線放射材料を、自己温度制御機能を
    もつ面状発熱体の、発熱材料の中に混合させた赤外線放
    射体、の、少なくとも一つの赤外線放射体を用いた温熱
    治療手段、からなる、請求項1および請求項2記載の顎
    関節症治療装置。
  4. 【請求項4】 皮膚に、接触をさせ治療をするものであ
    って、温度制御手段の中で、圧力センサーおよび近接ス
    イッチの、少なくとも一つを用いて、装置の未使用、未
    装着時では治療目的の温度に到達しないようにし、筐体
    外装部の発熱部分に皮膚や患部が触れることで治療目的
    の温度に到達させる、昇温時期制御手段、からなる、請
    求項1から請求項3まで記載の顎関節症治療装置。
  5. 【請求項5】 皮膚に、接触をさせ治療をするものであ
    って、電気絶縁性と耐熱性のあるプラスチック材料に、
    一本の蛇行した形状にて電極インクを薄膜印刷し、前記
    電極インクの印刷面をもう1枚の前記電気絶縁性と耐熱
    性のあるプラスチック材料にて貼り合わせ、電気絶縁保
    護をし、電位治療の電極部を具備した電位治療手段、か
    らなる、請求項1から請求項4まで記載の顎関節症治療
    装置。
  6. 【請求項6】 皮膚に、接触をさせ治療をするものであ
    って、筐体外装部の形状は、患部を隠蔽するに足るだけ
    の幅で袋状の収容部を形成し、外装素材は、赤外線を、
    通過しやすい素材であり、布地の織物素材およびプラス
    チック素材の、少なくとも一つの素材を用いて凹凸に適
    応可能な外装部とした外装手段、からなる、請求項1か
    ら請求項5まで記載の顎関節症治療装置。
  7. 【請求項7】 皮膚に、接触をさせ治療をするものであ
    って、装置の形体として、ヘッドフォン方式およびハン
    ディ方式の、少なくとも一つの方式とし、順次、筐体一
    部分にイヤホーンおよびスピーカーの、少なくとも一つ
    を用い、これを音楽治療による音響装置として具備した
    音楽治療法手段、からなる、請求項1から請求項5まで
    記載の顎関節症治療装置。
JP2002136301A 2002-04-03 2002-04-03 顎関節症治療装置 Pending JP2003290267A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002136301A JP2003290267A (ja) 2002-04-03 2002-04-03 顎関節症治療装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002136301A JP2003290267A (ja) 2002-04-03 2002-04-03 顎関節症治療装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003290267A true JP2003290267A (ja) 2003-10-14

Family

ID=29244259

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002136301A Pending JP2003290267A (ja) 2002-04-03 2002-04-03 顎関節症治療装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003290267A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008023080A (ja) * 2006-07-21 2008-02-07 Shimada Shoji Kk 電位治療機能付きヒーター
CN104353194A (zh) * 2014-11-10 2015-02-18 李德龙 具有皮肤冷却功能的高功率vcsel激光治疗装置
JP2016059794A (ja) * 2014-09-15 2016-04-25 瑪儷 陳 温冷両用罨法装置
JP2018027475A (ja) * 2017-11-30 2018-02-22 パイオニア株式会社 皮膚冷却装置及び皮膚冷却方法、並びにコンピュータプログラム及び記録媒体
JP2019150701A (ja) * 2019-06-21 2019-09-12 パイオニア株式会社 皮膚冷却装置、コンピュータプログラム及び記録媒体
US10568690B2 (en) 2014-11-10 2020-02-25 Sanhe Laserconn Tech Co., Ltd. High power VCSEL laser treatment device with skin cooling function and packaging structure thereof
JP2021020028A (ja) * 2019-07-26 2021-02-18 伊藤超短波株式会社 顎関節治療器

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008023080A (ja) * 2006-07-21 2008-02-07 Shimada Shoji Kk 電位治療機能付きヒーター
JP2016059794A (ja) * 2014-09-15 2016-04-25 瑪儷 陳 温冷両用罨法装置
CN104353194A (zh) * 2014-11-10 2015-02-18 李德龙 具有皮肤冷却功能的高功率vcsel激光治疗装置
CN104353194B (zh) * 2014-11-10 2017-06-30 三河市镭科光电科技有限公司 具有皮肤冷却功能的高功率vcsel激光治疗装置
US10568690B2 (en) 2014-11-10 2020-02-25 Sanhe Laserconn Tech Co., Ltd. High power VCSEL laser treatment device with skin cooling function and packaging structure thereof
JP2018027475A (ja) * 2017-11-30 2018-02-22 パイオニア株式会社 皮膚冷却装置及び皮膚冷却方法、並びにコンピュータプログラム及び記録媒体
JP2019150701A (ja) * 2019-06-21 2019-09-12 パイオニア株式会社 皮膚冷却装置、コンピュータプログラム及び記録媒体
JP2021020028A (ja) * 2019-07-26 2021-02-18 伊藤超短波株式会社 顎関節治療器
JP7493700B2 (ja) 2019-07-26 2024-06-03 伊藤超短波株式会社 顎関節治療器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20210145632A1 (en) Apparatus and method for using a portable thermal device to reduce accommodation of nerve receptors
US20190038456A1 (en) Devices and methods for therapeutic heat treatment
JP5650137B2 (ja) エネルギー誘導域を用いた電動筋肉刺激システム及び方法
US8170685B2 (en) Radiant therapeutic heating apparatus
US7506927B1 (en) Aromatherapy chair for natural bodily relaxation, rejuvenation and healing
AU2011343564A1 (en) Systems, devices and methods for bilateral caloric vestibular stimulation
KR20100011488U (ko) 착탈 분리식 온열 패드가 구비된 복합 기능 물리 치료기
KR200409904Y1 (ko) 고주파 전기전극치료기
JP2008018235A (ja) 自律神経系の非侵襲的調節
TWI607778B (zh) Transcutaneous nerve stimulation device with photoelectric thermotherapy function and its signal control method
JP2022013529A (ja) パッチユニットを人体にフィットさせる調整機構付きの衣服構造体
JP2003284757A (ja) ヒーター付赤色光線治療器
JP2003290267A (ja) 顎関節症治療装置
CA2555353A1 (en) Radiant therapeutic heating apparatus
US20110084054A1 (en) Massage stone warming apparatus
Toki et al. Skin temperature changes during a footbath in patients who had had a stroke with consequent sensory impairment
JP2001327614A (ja) ヒ−タ−付近赤外線治療器
KR20040023866A (ko) 벨트형 온열 저주파 치료기
Rhiner et al. Nonpharmacologic measures to reduce cancer pain in the home
KR20190106407A (ko) 다기능 초음파 물리치료기
CN212973222U (zh) 加热装置
CN209316832U (zh) 一种远红外药敷装置
KR100503394B1 (ko) 혈액순환질병용 국부 온열장치
AU2001100572A4 (en) Hot/cool pack
KR20230150901A (ko) 턱관절에 대한 온찜질 기능을 갖는 인체 자극기기 및 전기식 찜질기