JP2003289734A - 栽培方法ならび栽培施設 - Google Patents
栽培方法ならび栽培施設Info
- Publication number
- JP2003289734A JP2003289734A JP2002102720A JP2002102720A JP2003289734A JP 2003289734 A JP2003289734 A JP 2003289734A JP 2002102720 A JP2002102720 A JP 2002102720A JP 2002102720 A JP2002102720 A JP 2002102720A JP 2003289734 A JP2003289734 A JP 2003289734A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- water
- enclosure
- layer
- sand
- sand layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Classifications
-
- Y02P60/216—
Landscapes
- Cultivation Of Plants (AREA)
- Hydroponics (AREA)
- Cultivation Receptacles Or Flower-Pots, Or Pots For Seedlings (AREA)
Abstract
に水管理や肥料管理ができ、水性野菜や陸性野菜などの
栽培に適した施設と栽培技術を実現する。 【解決手段】水を溜められる囲い1の中において、水を
溜めた状態で砂と土壌と水とをかき混ぜてから放置し、
比重差により先に砂を沈殿させ、その上に土壌の層を堆
積させて層状の栽培施設を形成する。こうして、5〜3
0cm厚の砂の層3の上に3〜20cm厚の土壌の層7
を設けて植物6を栽培し、前記の囲い1内に、前記土壌
の層7の表面より下側の所定の水位まで給水した後、所
定時間放置し、次いで排水した後、再度、前記の所定の
水位まで給水する、という操作を繰り返す。
Description
にクレソンやわさび等のような水性の野菜並びにねぎや
ホウレンソウなどのような陸性の葉野菜の栽培方法に関
する。ただし、野菜類以外の植物の栽培にも適用でき
る。
人が毎日食している野菜類のうち、ねぎやホウレンソウ
などは、陸性の野菜であり、畑で栽培される。一方、ク
レソンやエンサイ(沖縄では、ウンチェーと呼ばれてい
る)、わさび等のような水性の野菜は、水田での栽培が
適している。
なっているが、主として川の縁や泉を利用してのごく限
られた範囲でしか栽培されていなかった。栽培技術が確
立されていないこともあって、収穫量が少ないため、ク
レソンは常に高値安定を維持しており、簡単には手に入
らない高価な特種野菜となっている。その結果、レスト
ランにおける肉料理や魚料理の添え物にしか利用されて
いないのが実状である。
ので、緑黄色野菜の王様と言われて来たホウレンソウ並
みの安価な値段で出荷でき、消費者が安価に入手して毎
日の食卓で摂取できるようにすることが望まれる。
ることによって値段を低廉化かつ安定化させることが必
要である。
適した環境さえあれば、高度な技術は不要で、誰にでも
容易に栽培できる。また、肥料も殆ど不要で、栽培の手
間もかからない。ところが、大量の水と新鮮な水が要求
されるため、大量栽培ができない、というのが欠点であ
った。
そのための人件費も高くなる。ホウレンソウなどの陸性
植物の場合も、給水や肥料などの管理さえ円滑に行えれ
ば、市場に安価に供給でき、また周年栽培も可能であ
る。
着目し、大量の水を必要とせずに、しかも円滑かつ容易
に水管理や肥料管理ができ、水性野菜や陸性野菜などの
植物の栽培に適した施設と栽培技術を実現することにあ
る。
のような手段によって解決される。請求項1は、水を溜
められる囲いの内部において、3cm以上の厚さの砂の
層を設けて植物を栽培し、要給水時には、この砂の層の
上面から2cm以内の全部または一部が湿る程度の状態
となるように、囲いの排水口と給水口を開けた状態で、
常時水を流しっ放しにすることを特徴とする栽培方法で
ある。この栽培方法は、水性の植物を栽培するのに適し
ている。
る際に、要給水時には、砂の層の上面から2cm以内の
全部または一部が湿る程度の状態を維持できるように、
常時水を流しっ放しにする。すなわち、砂より上側の空
間まで水を溜めると、水流によって肥料成分が流され、
肥料が無駄になるが、この方法は、砂の層の上面から2
cm以内の全部または一部が湿る程度の状態とし、砂層
の下側のみにおいて水が流れるので、肥料が流出するこ
とはない。
より上側まで水を溜め、しかも常時流しっ放しにする
と、土壌層より上側の水がよく流れるだけであって、酸
素を含んだ水は土壌の内部を流れないので、植物の根に
は充分に酸素が供給されず、しかも有機物の腐敗によっ
て土壌も腐ってしまい、植物の生育に悪影響を与える。
ところが、砂層の下部だけで常時水流を発生させておく
と、新鮮な水によって植物の根に常時酸素が供給され
る。しかも、水流によって砂が洗われるので、有機物の
腐食によって、植物に悪影響を与えるといった問題も解
消される。
面から2cm以内の全部または一部が湿る程度とする。
したがって、砂の層の表面まで湿っていてもよいし、表
面は乾燥していても、その下の2cm付近が湿っておれ
ば足りる。この水位の制御は、囲いの排水口と給水口の
開口量を調節することによって、あるいはオーバーフロ
ー手段の高さ調節などによって行われる。なお、砂の層
は、少なくとも3cm以上の厚さが必要である。このよ
うに、水位のコントロール手段を設けておけば、水管理
が容易で人件費も節減でき、栽培の自動化が可能とな
る。
おいて、5〜30cm厚の砂の層の上に、3〜20cm
厚の土壌の層を設けて植物を栽培し、前記の囲い内に、
前記土壌の層の表面より下側の所定の水位まで給水した
後、所定時間放置し、次いで排水した後、再度、前記の
所定の水位まで給水する、という操作を繰り返すことを
特徴とする栽培方法である。排水した後、次の給水まで
の間隔は、状況に応じて任意に設定する。この栽培方法
は、ホウレンソウなどのような陸性の植物を栽培するの
に適している。
て植物を栽培し、所定の水位まで給水した後、所定時間
放置し、次いで排水した後、再度、所定の水位まで給水
し、水を全部入れ替えることによって、少なくとも砂の
層を確実に水洗できるので、有機物の腐敗などの問題が
生じない。なお、砂は水はけが良いので、比較的短時間
に全部排水できる。
ので、充分な酸素を植物の根に供給できる。砂層栽培の
ように、囲い内の水を流しっ放しにするのでなく、長時
間放置し溜めておくので、水の消費量が少なく、経済的
であり、水源の確保も容易になる。
位まで給水するので、土壌の表面が水浸しとなり、土壌
表面の肥料成分が流出することはない。囲い内への給水
や排水の操作は、自動化や遠隔操作によっても容易に実
現でき、省力化による人件費の節減も可能となる。な
お、砂の層は5〜30cm厚程度がよく、その上の土壌
の層は3〜20cm厚程度がよい。
いて、水を溜めた状態で砂と土壌と水とをかき混ぜてか
ら放置し、比重差により先に砂を沈殿させ、その上に土
壌の層を堆積させることを特徴とする栽培施設の層形成
方法である。
水をかき混ぜてから放置すると、比重差により先に砂が
沈殿し、その上に土壌の層が堆積するので、請求項2の
ような砂の層の上に土壌の層を形成することが容易に可
能となる。したがって、先に砂の層を敷設した後、その
上に土壌の層を敷設するといった高度な人為的な作業が
不必要となり、労力が省け、低コストで栽培できる。
なくとも砂の層を設けて植物を栽培する施設において、
少なくとも砂の層中の水位を管理できるように、前記の
囲いに、給水口と排水口を設け、前記排水口を砂層の底
部位置または砂層より低い位置に配置してある栽培施設
である。この施設によって、請求項1、請求項2のよう
な栽培方法が行われる。
なくとも砂の層を設けて植物を栽培する施設において、
少なくとも砂の層中の水位を管理できるように、前記の
囲いに、給水口と排水口を設けてあるため、給水口と排
水口の開閉や開閉量の調節、オーバーフロー高さの調節
などによって、給・排水量を調節し、砂の層中の水位を
コントロールするなどの水管理が容易に可能となる。ま
た、排水口を砂層の底部位置または砂層より低い位置に
配置してあるので、この排水口を開放することによっ
て、囲い内の砂層中の水を全部円滑かつ完全に排水でき
る。
ンクリートまたは合成樹脂で構成されている栽培施設で
ある。このように、前記の囲いが、コンクリートまたは
合成樹脂で構成されているため、囲い内に水を溜めた
り、水位をコントロールしたり、水管理が容易にかつ確
実に行なえる。また、囲い内部の植物に対する風除けに
もなり、上部にネットを張ったりもできる。
載の囲いの上面に、所定の間隔でネットの引っ掛け手段
を設けて、前記の囲い内の上部にネットを張れるように
してある栽培施設である。このように、前記の囲いの上
面に、所定の間隔でネットの引っ掛け手段を設けて、前
記の囲い内の上部にネットを張れるようにしてあるの
で、作業上ネットが邪魔になるとき以外は、引っ掛け手
段を利用して、囲い内の上部にネットを張ることができ
る。
とによって、囲い内の植物や培地に対する日照や温度、
湿度をコントロールできる。植物に対する風除けや虫除
けにもなる。また、植物が大雨に直接打たれて、劣化す
るのも防止できる。
求項6に記載の囲いの内部の栽培地面の平均レベルから
囲い上端までの高さが30〜70cmである栽培施設で
ある。このように、前記の囲いの高さを、囲いの内部の
栽培地面の平均レベルから30〜70cm程度にするこ
とによって、内部の植物の上端が、上部に張ったネット
に接しない程度にできる。また、内部の植物に横風が当
たるのを防止できる。
栽培施設が実際上どのように具体化されるか実施形態を
説明する。図1は本発明による栽培施設の平面図であ
り、水を溜められるようにコンクリート製の囲い1を設
けてある。この囲い1は、コンクリートブロックを積ん
で形成してもよいし、住宅の壁部を施工する場合のよう
に、型枠を用いて現場で打設してもよい。あるいは、発
泡スチロールその他の合成樹脂を用いて囲い1を形成し
てもよい。
給水口iを有しており、ほぼ反対側には排水用の排水口
Oを設けてある。図2は、図1のA−A断面図であり、
給水口iから流入した水は、囲い1内に溜まってから排
水口Oから流出する。
水が漏れないようにコンクリート等でほぼ平らに形成さ
れている。あるいは、自然の地面を展圧して硬め、水漏
れしないようにする。ビニールシートを敷いたりしても
実現できる。
程度の砂の層3を敷設してあり、この砂の層3にクレソ
ンなどを栽培する。すなわち、砂層3中に給水口iから
給水して、砂層3中の所定の水位まで水を溜めるととも
に、余分な水は排水口Oから流出させる。こうして、砂
層3中に適度の湿りを与えたり、下部を水浸しにした状
態で、砂層3に栽培を行なう。なお、前記排水口Oを砂
層3より低くして、囲い1中の水を確実に排水できるよ
うにしてある。Vは開閉弁である。
めの手段4を所定の間隔で植設してある。例えば、ネッ
トの引っ掛け手段4として、鉄筋やボルト、太い釘など
を用い、囲い1の上面に立てて固定しておく。間隔は、
例えば1m程度とする。
を引っ掛けた状態であり、囲い1内の上部にネット5が
張られた状態となる。6は、砂層3に栽培されている植
物であり、植物6の上端がネット5に接しない程度がよ
い。植物として、クレソンなどの水性の野菜などを栽培
する場合は、その高さは、精々30〜50cm程度であ
るから、囲い1の高さは、砂層3の表面から60cm程
度が適している。
ると、囲い内の植物6や培地に対する日照や温度、湿度
などをコントロールできる。植物に対する風除けや虫除
けにもなる。大雨の場合は、ネット5に当たって霧状に
飛散するので、植物が強雨に打たれて劣化する恐れもな
い。ネット5のメッシュや色などは、状況に応じて適宜
選択する。なお、引っ掛け具4を利用してパイプ14の
両端を立てて囲い内の上部にアーチ状を形成し、その上
にビニールを張れば、霜害を防止できる。
を栽培する場合、植物の成長過程に応じて水位をコント
ロールするが、通常は、砂層3の表面が湿る程度の状態
となるように、囲い1の給水口iから、新鮮な水を給水
する。砂層3の表面が湿る程度にするには、砂層3の層
厚Tが6〜8cm程度の場合は、その3分の2程度から
3分の2強程度の深さdまで水に浸かる程度の水位にす
るのがよい。しかも、排水口Oと給水口iを開けた状態
で、常時水を流しっ放しにする。
と共に、それぞれの開度やオーバーフロー高さをコント
ロールすることによって水位dを維持しながら、囲い中
の水が常時流れるようにする。水位dをコントロールす
るには、常時多めに給水しながら、オーバーフロー手段
を用い、所定の水位dになるとオーバーフローさせても
よい。なお、水の節約のため、流しっ放しにする水量は
少なめに設定してもよい。
態を維持できるように、砂層3の下側dで常時水を流し
っ放しにすると、砂層3の上面では水流は生じないの
で、砂層3の上面に散布した肥料が流されることはな
く、肥料が無駄になることもない。
には、酸素を含んだ新鮮な水が流れるので、植物の根か
ら酸素を供給できる。しかも、新鮮な水で砂層3が常時
水洗されるので、有機物の腐食などの影響も発生せず、
植物に悪影響を与えるといった恐れもない。このような
砂栽培の場合も、囲い内の水を完全に入れ替えることも
可能ではあるが、完全に排水されている間の砂層3の乾
燥速度が速いので、常時ある水位dまで溜めておいて、
流しっ放しにするのが水管理が容易である。
よっても異なり、状況に応じてコントロールするのがよ
い。大体は、砂層3の上面が湿る程度がよい。砂層3の
上面が湿るということは、砂層3の全体Tが湿っている
ということである。しかしながら、必ずしも全体Tが湿
っていなくても、砂層3の上面から約2cm以内であれ
ば、深さ2cm付近の一部が湿る程度でも足りる場合も
ある。つまり、表面は乾燥していてもよい。
栽培する場合は、砂層3の層厚Tは6〜8cm程度が適
しているが、根が深くまで延びない植物の場合は、3〜
6cm程度の層厚でも足りる場合もある。また、根が深
くまで張る植物の場合は、8cm以上の層厚にしてもよ
い。
が接しない程度がよいので、植物の種類に応じて、囲い
1の高さを設定する必要がある。背の低い植物の場合
は、囲い内部の栽培砂面の平均レベルから30cm程度
の高さで足りる場合もあるし、背の高い植物の場合は、
70cm程度まで高くする必要もある。
って、植物への直射日光が遮られるため、植物がダメー
ジを受けるのを防止できる。また、囲い内の砂層3から
蒸発した水分が逃げにくいため、囲い内が乾燥し過ぎな
いように、湿度コントロールもできる。植物が大雨に打
たれて損傷したり劣化するのも防止できる。風除けや虫
除けにもなることはもちろんである。
には、クレソンやわさび等のような水性の植物が適して
いる。したがって、えんさいやミツバ、セリナなども適
している。
陸性の野菜の栽培に適した栽培施設である。図4におい
ては、水密の底部2の上に砂層3を設け、その上に土壌
の層7を設けてある。この場合、砂層3の層厚Tは9〜
11cm程度が適している。また、土壌層7の層厚は、
栽培する植物によって異なるが、からし菜やホウレンソ
ウ、チンゲンサイなどの場合は、9〜11cm程度がよ
い。普通ネギなどの場合は、6〜9cm程度がよい。大
ネギなどの場合は、16〜18cm程度がよい。
度に応じて異なるが、通常は、入れ替え方式がよい。例
えば、砂層3の3分の1から3分の2程度の深さまで浸
かるような水位dまで給水した後、所定時間放置し、次
いで排水口Oから全部排水する。
閉弁Vを閉じた状態で、例えば30分位の間に給水口i
から給水する。そして、前記のような水位dに達した
ら、給水を停止する。そして、例えば23時間程度の間
放置しておく。すなわち、砂層3の下側に水を溜めた状
態にしておく。次いで、約30分間、排水口Oを開放し
て、囲い内の水を全部排水する。
態にして、再度、前記の所定の水位dまで給水する、と
いう操作を繰り返す。なお、囲い内を全部排水した後、
直ちに次の給水を開始してもよいが、植物の種類や成長
程度に応じて、所定の時間間隔をおいてから、給水開始
してもよい。長雨などで多湿の際も、時間間隔をおいて
から給水するのがよい。また、雨量が多い場合や雨季に
は、この操作を中止し、排水口Oは開放状態にして、囲
い内に雨水が溜まらないようにする。
た2層構造の栽培施設において、前記のように砂層3の
一部が水に浸かる程度の水位dまで給水し、放置してか
ら排水し、砂層3の水を入れ替える栽培方法にすると、
前記の砂層栽培の場合は常時流しっ放しにするために、
流れの悪いか所ではよどみが生じる恐れがあるのに比
べ、水を全部完全に入れ替えて新鮮な水を使用できる。
また、水の使用量を減らして栽培コストを低減でき、水
の確保も容易になる。
水と入れ替えるので、砂の層を水洗して、有機物の腐敗
などの問題を解消できる。また、酸素を含んだ新たな水
が供給されるので、充分な酸素を植物の根に供給でき
る。
水浸しになる程度とし、砂層3中の水分によって土壌層
7に湿度を与えられる程度が適している。ただし、この
水位dも、植物の種類や成長過程に応じて適宜選択でき
る。いずれにしても、土壌層7の表面まで水浸しとなら
ないようにするので、土壌表面の肥料成分が水流で流出
することはない。
が適しているが、植物によっては5〜30cm厚程度ま
では許容される。また、土壌層7は、植物によっては3
〜20cm厚程度の範囲までは許容される。
方法にしても、土壌層7は湿度を保った状態を維持で
き、しかも砂層3は土壌層7の下側に位置していて乾燥
は遅いので、全部排水された期間が有っても、植物が水
分不足を来すといった心配はない。なお、砂層栽培の場
合と同様に、下側の砂層3の下部dで流しっ放しにする
ことも可能ではある。
壌層7を設けるには、人工的に層形成してもよいが、囲
い1内において、水を溜めた状態で耕運機で耕すと、砂
と土壌と水が攪拌される。そのまま放置しておくと、比
重差によって先に砂が沈殿する。その後、砂層3の上に
徐々に土壌が沈殿堆積していき、土壌層7が形成され
る。最後に、囲い内の水は全部排水する。
し、次に上側の土壌層7を均一かつ水平に敷設するとい
った複雑かつ高度な作業を要せず、低コストで栽培施設
を完成できる。なお、年に1回程度、このように水を溜
めた状態で耕して放置するという処理を行なうと、砂や
土壌が洗浄されるので、悪影響を及ぼす微生物を排除し
たり死滅させることができる。
る場合の水位コントロールについて説明する。囲い1に
高さの異なる複数の横孔を開けておいて、使用しない孔
に栓をして閉じておけば、開放状態の横孔によって、所
望の水位を設定できる。
図5のような回転式のL字状パイプを用いるのもよい。
すなわち、L字状の太いパイプPを用いて、その水平の
1辺8を図4の排水口Oの位置に水平に配置し、他の1
辺9は、囲い1の外で鉛直に立てる。エルボ10は、縦
辺9とは一体に固定されているが、水平の辺8に対して
は、回転できる。
おくのがよい。そして、縦辺9を真っ直ぐに立てると、
縦辺9の頂端より高いレベルの水は、縦辺9の頂端から
オーバーフローして、排水される。その結果、囲い内の
水位はL1に維持される。
辺9を斜めにすると、その頂端の流出口の高さが低くな
って、L2より高いレベルの水はオーバーフローするの
で、低い水位L2が維持される。鎖線のように、完全に
倒すと、囲い内の水は全部完全に排水される。
にフィルターFを設けて、砂がL字状パイプPに流入し
ないようにしてある。
口Oは囲い内の底部2a位置に設けて、囲い内の水が全
部確実に排水されるようにしてある。なお、排水枡11
の底を下げたりして、囲い内の底面2aより低い位置に
排水口Oを設けると、排水がより確実かつ容易になる。
る。図1の場合は、砂層3の位置で、囲い1に給水管を
水平に挿通した単純に構造になっているが、図3の場合
は、砂層3の上に水圧で砂が飛散しないようにスポンジ
や雑巾など12を敷き、その上に給水管からの水が落ち
るようにしてある。
給水側にも設けてあり、枡13と砂層3や土壌層7との
間にフィルターFを設けてある。そして、この枡13の
中に、給水管iからの水が落下するようにしてある。
iや排水口Oは、それぞれ複数個所に分散して配置し、
給水や排水の時間が短縮される構造にしてもよい。
7を用いるが、この土壌層7の土壌は、現場の状況によ
っては、多少の火山灰などが交じったり、有機物などが
混じった土壌でもよいし、また粒度が粗目の土壌でもよ
い。いずれにしても、先に下側に沈殿する砂の層上に後
から沈殿堆積する土壌であればよい。
を栽培する際に、要給水時には、砂の層の上面から2c
m以内の全部または一部が湿る程度の状態を維持できる
ように、常時水を流しっ放しにする。すなわち、砂より
上側の空間まで水を溜めると、水流によって肥料成分が
流され、肥料が無駄になるが、この方法は、砂の層の上
面から2cm以内の全部または一部が湿る程度の状態と
し、砂層の下側のみにおいて水が流れるので、肥料が流
出することはない。
より上側まで水を溜め、しかも常時流しっ放しにする
と、土壌層より上側の水がよく流れるだけであって、酸
素を含んだ水は土壌の内部を流れないので、植物の根に
は充分に酸素が供給されず、しかも有機物の腐敗によっ
て土壌も腐ってしまい、植物の生育に悪影響を与える。
ところが、砂層の下部だけで常時水流を発生させておく
と、新鮮な水によって植物の根に常時酸素が供給され
る。しかも、水流によって砂が洗われるので、有機物の
腐食によって、植物に悪影響を与えるといった問題も解
消される。
面から2cm以内の全部または一部が湿る程度とする。
したがって、砂の層の表面まで湿っていてもよいし、表
面は乾燥していても、その下の2cm付近が湿っておれ
ば足りる。この水位の制御は、囲いの排水口と給水口の
開口量を調節することによって、あるいはオーバーフロ
ー手段の高さ調節などによって行われる。なお、砂の層
は、少なくとも3cm以上の厚さが必要である。このよ
うに、水位のコントロール手段を設けておけば、水管理
が容易で人件費も節減でき、栽培の自動化が可能とな
る。
を設けて植物を栽培し、所定の水位まで給水した後、所
定時間放置し、次いで排水した後、再度、所定の水位ま
で給水し、水を全部入れ替えることによって、少なくと
も砂の層を確実に水洗できるので、有機物の腐敗などの
問題が生じない。
ので、充分な酸素を植物の根に供給できる。砂層栽培の
ように、囲い内の水を流しっ放しにするのでなく、長時
間放置し溜めておくので、水の消費量が少なく、経済的
であり、水源の確保も容易になる。
位まで給水するので、土壌の表面が水浸しとなり、土壌
表面の肥料成分が流出することはない。囲い内への給水
や排水の操作は、自動化や遠隔操作によっても容易に実
現でき、省力化による人件費の節減が可能となる。な
お、砂の層は5〜30cm厚程度がよく、その上の土壌
の層は3〜20cm厚程度がよい。
土壌と水をかき混ぜてから放置すると、比重差により先
に砂が沈殿し、その上に土壌の層が堆積するので、請求
項2のような砂の層の上に土壌の層を形成することが容
易に可能となる。したがって、先に砂の層を敷設した
後、その上に土壌の層を敷設するといった高度な人為的
な作業が不必要となり、労力が省け、低コストで栽培で
きる。
中に少なくとも砂の層を設けて植物を栽培する施設にお
いて、少なくとも砂の層中の水位を管理できるように、
前記の囲いに、給水口と排水口を設けてあるため、給水
口と排水口の開閉や開閉量の調節、オーバーフロー高さ
の調節などによって、給・排水量を調節し、砂の層中の
水位をコントロールするなどの水管理が容易に可能とな
る。また、排水口を砂層の底部位置または砂層より低い
位置に配置してあるので、この排水口を開放することに
よって、囲い内の砂層中の水を全部円滑かつ完全に排水
できる。
リートまたは合成樹脂で構成されているため、囲い内に
水を溜めたり、水位をコントロールしたり、水管理が容
易にかつ確実に行なえる。また、囲い内部の植物に対す
る風除けにもなり、上部にネットを張ったりもできる。
所定の間隔でネットの引っ掛け手段を設けて、前記の囲
い内の上部にネットを張れるようにしてあるので、作業
上ネットが邪魔になるとき以外は、引っ掛け手段を利用
して、囲い内の上部にネットを張ることができる。
とによって、囲い内の植物や培地に対する日照や温度、
湿度をコントロールできる。植物に対する風除けや虫除
けにもなる。また、植物が大雨に直接打たれて、劣化す
るのも防止できる。
囲いの内部の栽培地面の平均レベルから30〜70cm
程度にすることによって、内部の植物の上端が、上部に
張ったネットに接しない程度にできる。また、内部の植
物に横風が当たるのを防止できる。
図である。
示す断面図と側面図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 水を溜められる囲いの内部において、3
cm以上の厚さの砂の層を設けて植物を栽培し、 要給水時には、この砂の層の上面から2cm以内の全部
または一部が湿る程度の状態となるように、囲いの排水
口と給水口を開けた状態で、常時水を流しっ放しにする
ことを特徴とする栽培方法。 - 【請求項2】 水を溜められる囲いの内部において、5
〜30cm厚の砂の層の上に、3〜20cm厚の土壌の
層を設けて植物を栽培し、 前記の囲い内に、前記土壌の層の表面より下側の所定の
水位まで給水した後、所定時間放置し、次いで排水した
後、再度、前記の所定の水位まで給水する、という操作
を繰り返すことを特徴とする栽培方法。 - 【請求項3】 水を溜められる囲いの中において、水を
溜めた状態で砂と土壌と水とをかき混ぜてから放置し、
比重差により先に砂を沈殿させ、その上に土壌の層を堆
積させることを特徴とする栽培施設の層形成方法。 - 【請求項4】 水を溜められる囲いの中に少なくとも砂
の層を設けて植物を栽培する施設において、少なくとも
砂の層中の水位を管理できるように、前記の囲いに、給
水口と排水口を設け、前記排水口を砂層の底部位置また
は砂層より低い位置に配置してあることを特徴とする栽
培施設。 - 【請求項5】 前記の囲いが、コンクリートまたは合成
樹脂で構成されていることを特徴とする請求項4に記載
の栽培施設。 - 【請求項6】 前記の囲いの上面に、所定の間隔でネッ
トの引っ掛け手段を設けて、前記の囲い内の上部にネッ
トを張れるようにしてあることを特徴とする請求項4ま
たは請求項5に記載の栽培施設。 - 【請求項7】 前記の囲いの内部の栽培地面の平均レベ
ルから囲い上端までの高さが30〜70cmであること
を特徴とする請求項4、請求項5または請求項6に記載
の栽培施設。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002102720A JP3712687B2 (ja) | 2002-04-04 | 2002-04-04 | 栽培方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002102720A JP3712687B2 (ja) | 2002-04-04 | 2002-04-04 | 栽培方法 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005127215A Division JP4083181B2 (ja) | 2005-04-25 | 2005-04-25 | 栽培方法並びに栽培施設 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003289734A true JP2003289734A (ja) | 2003-10-14 |
JP3712687B2 JP3712687B2 (ja) | 2005-11-02 |
Family
ID=29242365
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002102720A Expired - Fee Related JP3712687B2 (ja) | 2002-04-04 | 2002-04-04 | 栽培方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3712687B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007202572A (ja) * | 2005-06-30 | 2007-08-16 | Nishiyama Shoji Kk | 栽培床の殺菌殺線虫及び成育妨害成分排除方法並びに栽培床 |
WO2015178409A1 (ja) * | 2014-05-21 | 2015-11-26 | 住友電気工業株式会社 | 栽培装置及び栽培方法 |
CN111248061A (zh) * | 2020-02-24 | 2020-06-09 | 中国水利水电科学研究院 | 一种循环可调节式农作物用水灌溉***及方法 |
CN112031285A (zh) * | 2020-08-25 | 2020-12-04 | 天津城建大学 | 一种屋顶花园土壤分层铺设方法 |
JP2022045716A (ja) * | 2020-09-09 | 2022-03-22 | 石井 卯 | 培う砂 |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103535133B (zh) * | 2013-10-25 | 2016-06-29 | 广东省生态环境与土壤研究所 | 一种苦瓜氮磷径流损失的田间控制方法 |
CN106489508A (zh) * | 2016-11-16 | 2017-03-15 | 河北省农林科学院旱作农业研究所 | 冬小麦水肥一体化节水省肥高效栽培调控方法 |
-
2002
- 2002-04-04 JP JP2002102720A patent/JP3712687B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007202572A (ja) * | 2005-06-30 | 2007-08-16 | Nishiyama Shoji Kk | 栽培床の殺菌殺線虫及び成育妨害成分排除方法並びに栽培床 |
WO2015178409A1 (ja) * | 2014-05-21 | 2015-11-26 | 住友電気工業株式会社 | 栽培装置及び栽培方法 |
CN111248061A (zh) * | 2020-02-24 | 2020-06-09 | 中国水利水电科学研究院 | 一种循环可调节式农作物用水灌溉***及方法 |
CN111248061B (zh) * | 2020-02-24 | 2021-11-02 | 中国水利水电科学研究院 | 一种循环可调节式农作物用水灌溉***及方法 |
CN112031285A (zh) * | 2020-08-25 | 2020-12-04 | 天津城建大学 | 一种屋顶花园土壤分层铺设方法 |
JP2022045716A (ja) * | 2020-09-09 | 2022-03-22 | 石井 卯 | 培う砂 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3712687B2 (ja) | 2005-11-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5083507B2 (ja) | 浅床栽培槽による蓮根の栽培方法および栽培装置 | |
JP4947377B2 (ja) | コケ植物等の栽培方法 | |
US5307589A (en) | EBB and flood irrigation system | |
JP4577561B2 (ja) | 播種用種子形成方法及び播種用種子形成装置 | |
CN1623365A (zh) | 果树抗旱栽培方法 | |
CN106688702B (zh) | 无害化大棚***及大棚种植方法 | |
JP4083181B2 (ja) | 栽培方法並びに栽培施設 | |
EP3648575B1 (de) | Gebäudeflächen-pflanzsystem | |
CN110366988A (zh) | 一种阳台楼顶有机仿大田栽培设备 | |
JP2003289734A (ja) | 栽培方法ならび栽培施設 | |
CN104429864B (zh) | 在屋顶栽培作物的方法 | |
RU2751851C1 (ru) | Способ интенсивного выращивания газона с обогащением почвы водой с помощью суперабсорбента при орошении | |
JP3121174B2 (ja) | 雨水貯留型植栽地盤 | |
CN205284348U (zh) | 墙体绿化*** | |
JP3421848B2 (ja) | 水位調節装置、水位調節可能な水受け器および水位調節可能なプランター | |
JP2008212104A (ja) | ワサビのハウス促成栽培システム | |
CN206333081U (zh) | 无害化大棚*** | |
JP2015223177A (ja) | 保水型プランター | |
JP3986540B2 (ja) | 栽培床の殺菌殺線虫及び成育妨害成分排除方法 | |
JP2012223195A (ja) | 栽培方法及び栽培床 | |
Laryea | Rainfed agriculture: water harvesting and soil water conservation | |
JP2007202572A (ja) | 栽培床の殺菌殺線虫及び成育妨害成分排除方法並びに栽培床 | |
CN219228489U (zh) | 一种树池保护器 | |
US20050115149A1 (en) | Device for adjusting water level | |
Akelah et al. | Polymers in plantation and plants protection |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040830 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040907 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20041108 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20050301 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050425 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050426 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20050426 |
|
A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20050603 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20050719 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050817 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110826 Year of fee payment: 6 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |