JP2003287257A - 空気調和装置の室内機、および空気調和装置 - Google Patents

空気調和装置の室内機、および空気調和装置

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JP2003287257A
JP2003287257A JP2002092312A JP2002092312A JP2003287257A JP 2003287257 A JP2003287257 A JP 2003287257A JP 2002092312 A JP2002092312 A JP 2002092312A JP 2002092312 A JP2002092312 A JP 2002092312A JP 2003287257 A JP2003287257 A JP 2003287257A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ペア型およびマルチ型の両方の空気調和装置
に使用できるような室内機であって、室外機との伝送不
能時にも適切な送風運転の可否判断をすることができる
室内機を提供する。 【解決手段】 室内機3a〜3eは、室外機2,12と
接続されることによって空気調和装置を構成する室内機
であって、制御部50と、EEPROM51とを備え
る。制御部50は、送風運転の制御が可能である。EE
PROM51は、室外機2,12との通信が可能になっ
たときに、室外機2,12からの伝送情報に基づいて、
送風運転の可否に関する第1データ61を記憶する。ま
た、制御部50は、EEPROM51にあるデータを参
照して、送風運転を禁止するか否かを判断することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気調和装置の室
内機、および空気調和装置、特に、ペア型/マルチ型兼
用の室内機に関する。
【0002】
【従来の技術】室内機と室外機とに分けられたセパレー
ト式の空気調和装置には、1台の室外機に対して1台の
室内機だけを接続するペア型の空気調和装置と、1台の
室外機に対して並列に複数の室内機を接続するマルチ型
の空気調和装置とが存在する。このうち、複数の室内機
を有する多室用マルチ型の空気調和装置では、室外機の
暖房運転時において、サーモOFF等によって停止して
いる室内機であっても微少の冷媒を流す制御が行われて
いる。これは、停止している室内機に対して冷媒を流さ
ない場合には、自然対流による室内熱交換器の放熱によ
りその室内機内で冷媒が凝縮・液化し、運転している室
内機に対して十分な冷媒が送れずガス欠状態が発生する
恐れがあるからである。
【0003】そして、マルチ型の空気調和装置では、室
外機の暖房運転時において微少の冷媒を流す停止室内機
に対し、送風運転を禁止する制御を行っている。このよ
うに制御する1つ目の理由は、室外機が暖房運転を行っ
ているときに室内機側で送風運転を行うと、自然と室内
温度が上がってしまうことである。また、2つ目の理由
としては、微少流量しか室内機に冷媒が流れていないた
め、送風運転を行うと冷媒循環量に対する凝縮能力が大
きくなり、送風運転を行う室内機に液化した冷媒が滞留
して、運転している室内機がガス欠状態となることが挙
げられる。
【0004】このように室外機の暖房運転時には停止室
内機での送風運転が禁止されており、室内機において送
風運転という操作を行ったときには、例えばモードバッ
ティング(異モード)ということを示す表示(運転LED
の点滅表示)が室内機において為される。一方、ペア型
の空気調和装置では、一般的に暖房運転時においても送
風運転が可能とされている。これは、ペア型の空気調和
装置が、業務用ではなく一般の家庭において使用する一
般ユーザー向けとなることが多く、量販店などの店頭展
示において送風運転が求められる傾向が強いためであ
る。また、ペア型の空気調和装置の場合には、特に送風
運転を禁止する理由もない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、セパレ
ート式の空気調和装置には、ペア型およびマルチ型の空
気調和装置が存在する。そして、ペア型の空気調和装置
の室内機とマルチ型の空気調和装置の室内機とでは、暖
房運転時における送風運転の要否が異なっている。この
ため、概ね同様の構成を備える室内機であっても、従来
においては、別のものとして、それぞれ設計および生産
を行っている。
【0006】これに対して、両者の設計および生産を合
わせることで、別々に設計および生産を行っていること
によるコスト高を抑えることが考えられる。ペア型およ
びマルチ型の両方の空気調和装置に共通の室内機ができ
れば、すなわち、空気調和装置の室内機をペア型・マル
チ型で共用できるようにすれば、コストダウンが容易と
なる。
【0007】しかし、ここで問題となるのが、暖房運転
時における送風運転の要否の違いである。この問題に対
し、従来から、室外機からの伝送データ(室外機がペア
型のものかマルチ型のものかを示すデータ)を基に送風
運転を行うか否かを室内機側で判断する方法が存在す
る。ただ、この方法では、何らかの原因で室内機と室外
機とが伝送不能に陥ったときに、室内機が送風運転の可
否を判断できなくなってしまう。例えば、店頭展示にお
いては、一般に室内機と室外機とが接続されておらず、
伝送不能の状態となることが多い。このような場合を想
定して伝送不能時に強制的に送風運転が可能になるよう
に設定すると、マルチ型の室内機として使用した場合に
上記の運転室内機がガス欠状態になるという不具合が発
生してしまう。反対に、伝送不能時に強制的に送風運転
ができなくなるように設定すると、ペア型の室内機とし
て店頭展示される際に送風運転ができなくなってしま
う。
【0008】これに対して、特開平2−101342号
公報や特開2001−272078号公報に、ペア型用
とマルチ型用との両方の制御機能を室内機に持たせた
り、デモモード制御を別個に持たせたりする技術が開示
されているが、いずれも制御部の負担や記憶部の容量が
大きくなってしまう恐れがある。本発明の課題は、ペア
型およびマルチ型の両方の空気調和装置に使用できるよ
うな室内機であって、簡易な構成で且つ室外機との伝送
不能時にも適切な送風運転の可否判断をすることができ
る室内機を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る空気調和
装置の室内機は、室外機と接続されることによって空気
調和装置を構成する室内機であって、制御部と、第1記
憶部とを備えている。制御部は、送風運転の制御が可能
である。第1記憶部は、室外機との通信が可能になった
ときに、室外機からの伝送情報に基づいて、送風運転の
可否に関する第1データを記憶する。この第1記憶部
は、不揮発性であり、電源を切断しても記憶内容を保持
する。第1記憶部として、例えば、フラッシュメモリな
どのEEP−ROMを使うことができる。また、制御部
は、第1記憶部にあるデータを参照して、送風運転を禁
止するか否かを判断することができる。
【0010】ここでは、試運転時などにおいて室外機と
室内機との通信が可能になったときに、すなわち最初に
室外機と室内機との伝送が確立されたときに、室外機か
ら室内機へと伝送情報が流れ、それに基づき送風運転の
可否に関する第1データが不揮発性の第1記憶部に記憶
される。したがって、室内機と室外機とが一度でも通信
可能となれば、そのときに第1記憶部内に第1データが
記憶され、その内容は電源が切れても保存される。
【0011】そして、制御部は、第1記憶部にあるデー
タを参照して、送風運転を禁止するか否かを判断するこ
とができる。したがって、室外機と室内機とが接触不良
や伝送線のノイズなどが原因で伝送不能に陥り、空気調
和装置(室外機)がペア型であるかマルチ型であるかが
伝送データによって判断できない場合でも、制御部は、
第1データを参照して適切に送風運転の可否を判断でき
ることになる。また、制御部を含む室内機の構成は比較
的簡易である。
【0012】なお、送風運転が否であると判断された場
合には、室内機の送風運転を禁止するとともに、室内機
で他の運転が行われているときにサーモOFFなどの条
件によって送風状態となることも禁止することが望まし
い。すなわち、サーモOFF時には、ファンの回転を止
めることが望ましい。請求項2に係る空気調和装置の室
内機は、請求項1に記載の室内機であって、室外機と接
続される前の状態において、第1記憶部には、送風運転
を許可する内容の初期データが記憶されている。
【0013】最初に室外機と室内機との伝送が確立され
る前に、ペア型の空気調和装置の室内機においては、店
頭展示に供されることがある。この場合には、店頭展示
時には未だ一度も室外機と室内機との通信が為されてい
ないことが多いため、適切な送風運転可否の情報(この
場合にはペア型の室内機に適合した情報)が室外機から
室内機へと伝わっておらず、第1記憶部内に第1データ
が存在しない。
【0014】しかし、請求項2の室内機では、室外機と
接続される前の状態において、第1記憶部に送風運転を
許可する内容の初期データが記憶されているため、その
初期データを参照して制御部が送風運転を行わせること
ができる。すなわち、請求項2の室内機は、最初に室外
機と室内機との伝送が確立される前において、送風運転
ができるように設定されている。これにより、店頭展示
に供された場合に、室外機に接続されていない状態で室
内機が送風運転を行うことができるようになる。
【0015】請求項3に係る空気調和装置の室内機は、
請求項1又は2に記載の室内機であって、下記のそれぞ
れの場合で第1データの内容が異なる。まず、室外機が
ペア型の空気調和装置において用いられる室外機である
場合、第1データは、送風運転を許可する内容である。
そして、室外機がマルチ型の空気調和装置において用い
られる室外機である場合には、第1データは、送風運転
を禁止する内容である。なお、ペア型の空気調和装置と
は、1台の室外機に対して1台の室内機が接続される空
気調和装置であり、マルチ型の空気調和装置とは、1台
の室外機に対して複数台の室内機が接続される空気調和
装置である。
【0016】ここでは、ペア型の空気調和装置の室内機
では、第1データが送風運転を許可する内容となり、マ
ルチ型の空気調和装置の室内機では、第1データが送風
運転を禁止する内容となる。したがって、同じ室内機
を、ペア型の空気調和装置の室内機としても、マルチ型
の空気調和装置の室内機としても使用することができ
る。ペア型の空気調和装置の室内機として使う場合に
は、第1データが送風運転を許可する内容であり、デメ
リットもないのに送風運転ができないといった状態が発
生することがなくなる。また、マルチ型の空気調和装置
の室内機として使う場合には、停止している室内機で送
風運転が行われ運転している室内機がガス欠状態になる
という不具合が発生することがなくなる。
【0017】請求項4に係る空気調和装置の室内機は、
請求項1から3のいずれかに記載の空気調和装置の室内
機であって、第2記憶部をさらに備えている。第2記憶
部は、揮発性であって、室外機との伝送が正常に成立し
ているときに、室外機からの伝送情報に基づいて、送風
運転の可否に関する第2データを記憶する。また、制御
部は、室外機との伝送が可能な状態のときには第2記憶
部にあるデータを基に送風運転を禁止するか否かを判断
し、室外機との伝送が不可能な状態のときには第1記憶
部にあるデータを基に送風運転を禁止するか否かを判断
する。
【0018】ここでは、室内機と室外機との伝送が正常
に成立しているときには、室外機の運転状態などを考慮
したより的確な送風運転の可否の情報に基づいて制御を
行うことができるよう、第2記憶部にあるデータに基づ
いて送風運転を禁止するか否かを決めている。一方、室
内機と室外機との伝送が不可能になったときには、室外
機の状態が変わっても室内機側では認識できなくなって
おり、第2記憶部のデータでは的確な判断ができない可
能性もあるため、第1記憶部にあるデータを基に送風運
転を禁止するか否かを判断している。
【0019】なお、上記の請求項4に係る室内機の制御
部は、室内機と室外機とが伝送不能に陥った際に、第1
記憶部にあるデータを直接読むのではなく、第1記憶部
にある第1データを第2記憶部に移し、第2記憶部から
第1データを読み出して送風運転の可否を判断するもの
であってもよい。また、電源が切れて第2記憶部のデー
タが消えても第1記憶部のデータは記憶され続けるた
め、どんな場合にも最低限の送風運転の可否判断は可能
である。これに鑑み、ここでは、比較的低コストの揮発
性メモリを第2記憶部として用いている。
【0020】請求項5に係る空気調和装置は、室外機
と、室外機に接続される複数の請求項4に記載の室内機
とを備えるマルチ型の空気調和装置である。この空気調
和装置では、第2データは、室外機の暖房運転時には送
風運転を禁止する内容であり、室外機の冷房運転時およ
び室外機の停止時には送風運転を許可する内容である。
マルチ型の空気調和装置であっても、室外機が暖房運転
ではなく冷房運転をしていたり停止していたりする場合
には、送風運転を行っても問題はない。これに鑑み、こ
こでは、室外機の暖房運転時にのみ送風運転を禁止する
内容の第2データを第2記憶部に記憶させ、そのデータ
を基に送風運転を禁止するか否かを判断するように構成
している。これにより、マルチ型の空気調和装置の室内
機を使うユーザーは、室外機の暖房運転時には送風運転
が拒否されるが、室外機が止まっていたり冷房運転をし
ていたりする状態においては室内機の送風運転を享受す
ることができるようになる。
【0021】請求項6に係る空気調和装置は、室外機
と、室外機に接続される1台の請求項4に記載の室内機
とを備えるペア型の空気調和装置である。この空気調和
装置では、第2データは、常時、送風運転を許可する内
容である。ペア型の空気調和装置においては、室外機が
どのような状態であっても、室内機の送風運転による不
具合は特に存在しない。これに鑑み、ここでは、送風運
転を常時許可する内容の第2データを第2記憶部に記憶
させ、そのデータを基に送風運転を禁止するか否かを判
断するように構成している。これにより、ペア型および
マルチ型の空気調和装置で共用できる室内機を、ペア型
の空気調和装置の室内機として使うユーザーが、送風運
転を享受することができないといった現象がなくなる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態に係る室内機
は、図1および図2に示すようなマルチ型の空気調和装
置1にも、図3に示すようなペア型の空気調和装置11
にも適用可能な、ペア/マルチ共用機である。すなわ
ち、マルチ型の空気調和装置1の室内機3a〜3dも、
ペア型の空気調和装置11の室内機3eも、全く同じ設
計で同じ生産ラインにより製造されており、同じ構成で
ある。
【0023】<マルチ型の空気調和装置の構成>図1に
示す空気調和装置1は、1台の室外機2に対して複数の
室内機3a〜3dが接続される、いわゆるマルチ型の空
気調和装置である。この空気調和装置1では、1台の室
外機2に対して4台の室内機3a〜3dが、冷媒配管や
伝送線4a〜4dを介して接続されている。4台の室内
機3a〜3dは、例えば、家庭内やビル内、店舗内にお
いて、それぞれ別の部屋に配置される。
【0024】このマルチ型の空気調和装置1の冷媒回路
5を、図2に示す。冷媒回路5は、1台の室外機2と、
室外機2に並列に接続された4台の室内機3a,3b,
3c,3dと、冷媒配管とにより構成されている。室外
機2は、圧縮機20、四路切換弁21、室外熱交換器2
2、アキュムレータ23などを備えている。圧縮機20
の吐出側には、圧縮機20の吐出側の吐出管温度を検知
するための吐出管サーミスタ24が取り付けられてい
る。また、室外機2には、外気温度を検知するための外
気サーミスタ25と、室外熱交換器22の温度を検知す
るための室外熱交サーミスタ26とが設けられている。
【0025】室内機3aは、互いに直列に接続された室
内熱交換器30aおよび電動弁33aを備えている。電
動弁33aは、室内熱交換器30aの出口側に設けられ
ており室内熱交換器30aに流れる冷媒量を調整する。
また、室内機3aは、室内温度を検知するための室温サ
ーミスタ31aと、室内熱交換器30aの温度を検知す
るための室内熱交サーミスタ32aとをそれぞれ備えて
いる。室内熱交換器30aと電動弁33aとの間の配管
には、室内熱交換器30aと電動弁33aとの間の液管
温度を検知するための液管サーミスタ34aが設けられ
ている。室内熱交換器30aのガス管側には、内部を通
過する冷媒温度を検知するガス管サーミスタ35aが設
けられている。
【0026】他の室内機3b,3c,3dについても同
様の構成であり、図2において、室内熱交換器、電動
弁、各種サーミスタに対して同等の記号を付している。
なお、電動弁33a,33b,33c,33dは、室内
機3a,3b,3c,3dに内蔵されるとは限らず、室
内機3a,3b,3c,3dの外部に、例えば、各室内
機3a,3b,3c,3dと室外機2とを接続する分岐
ユニットなどの内部に設けられてもよい。
【0027】このようなマルチ型の空気調和装置1で
は、複数の室内機3a〜3dが通常それぞれ別の部屋に
配置され、複数の部屋の空気調和を行うことになるが、
すべての室内機3a〜3dが同時に運転されるとは限ら
ない。すなわち、いくつかの室内機は運転を行い、残り
の室内機は運転を停止している場合がある。運転を行っ
ている室内機3aが配置された部屋を「運転部屋」、運
転を行っていない室内機3b,3c,3dが配置された
部屋を「停止部屋」と呼ぶこととすると、運転部屋の電
動弁33aの開度は、吐出管温度に基づいて決定され、
停止部屋の電動弁33b,33c,33dの開度は、原
則として、吐出管温度に基づいて決定された運転部屋の
電動弁33aの開度に比例した値に決定される。すなわ
ち、運転部屋の電動弁33aの開度に係数を乗じて、停
止部屋の電動弁33b,33c,33dの目標電動弁開
度が決められる。
【0028】このように、マルチ型の空気調和装置1で
は、室外機2の暖房運転時において、サーモOFF等に
よって停止している室内機3b〜3dであっても微少の
冷媒を流す制御が行われている。 <ペア型の空気調和装置の構成>図3に示す空気調和装
置11は、1台の室外機12に対して1台の室内機3e
が接続される、いわゆるペア型の空気調和装置である。
この空気調和装置11は、1台の室外機12に対して1
台の室内機3eが、冷媒配管や伝送線4eを介して接続
されている。室内機3eは部屋の中に、室外機12は部
屋に隣接する戸外やベランダ、屋根の上などに設置され
る。
【0029】<室内ファンの作動可否に関する室内機の
構成>室内機3a〜3dおよび室内機3eは、上記のよ
うに、ペア/マルチ共用の仕様となっており、全く同じ
構成を有している。室内機3a〜3eには、室内ファン
70が設けられている。この室内ファン70を作動させ
ることによって、室内空気が室内機3a〜3e内に吸い
込まれ、室内熱交換器との間で熱交換を行った後の空気
調和された空気(送風のみの場合には、そのままの空
気)が室内へと吹き出される。
【0030】また、室内機3a〜3eは、内部のプリン
ト基板等に設けられた制御部50によって、室内ファン
70を含む各部の動作を、設定された運転モード(冷
房、暖房、除湿、送風などのモード)に従って制御して
いる。このうち、送風運転モードや他運転モードのサー
モOFF時における室内ファン70の作動に関する制御
内容を、後に詳述する。
【0031】制御部50には、記憶メモリとして、不揮
発性のEEPROM51と、揮発性のRAM52とが配
備されている。EEPROM51の中には、機種コード
や異常発生時の異常の内容などが記憶される。また、E
EPROM51には、室内機3a〜3eを制御する上で
のマイコンロジックの定数も記憶されている。このEE
PROM51に、ここでは、室外機2,12との伝送が
確立した時点で第1データ61を書き込むエリアを設け
ている。この第1データ61は、室外機がペア型用かマ
ルチ型用かを示す室外機2,12から送られてくるデー
タに応じて、次のように決められる。すなわち、マルチ
型の空気調和装置の室外機2に接続された場合には、第
1データ61が送風運転を禁止する内容となる。一方、
ペア型の空気調和装置の室外機12が接続された場合に
は、第1データ61が送風運転を許可する内容となる。
【0032】なお、室内機3a〜3eが工場から出荷さ
れる時点では、その室内機がペア型の空気調和装置にお
いて使用されるものかマルチ型の空気調和装置において
使用されるものかが不明であるため、第1データ61を
書き込むEEPROM51のエリアに初期データ60が
書き込まれている。初期データ60の内容は、送風運転
を許可するというものである。そして、室内機3a〜3
eと室外機2,12との伝送が確立すると、その時点で
EEPROM51において初期データ60が第1データ
61に置き換わることになる。
【0033】また、正常に室外機2,12と室内機3a
〜3eとが接続されているときには、室外機2,12が
自己の運転状態などの情報を常時送信している。これを
受けて、室内機3a〜3eにおいては、RAM52内の
第2データ62を更新する。第2データ62は、室外機
2,12と室内機3a〜3eとが正常な伝送状態にある
ときに、室内ファン70を作動させることができるか否
かの判断の基礎となるデータである。この第2データ6
2は、室外機の運転モードおよび室外機がペア型用かマ
ルチ型用かを示す室外機2,12から送られてくるデー
タに応じて、次のように決められる。すなわち、マルチ
型の空気調和装置の室外機2に接続されており且つ室外
機2が暖房運転を行っているときには、第2データ62
が送風運転を禁止する内容となる。また、マルチ型の空
気調和装置の室外機2に接続されており且つ室外機2が
暖房運転を行っていないとき(冷房運転時や室外機の停
止時)には、第2データ62が送風運転を許可する内容
となる。そして、ペア型の空気調和装置の室外機12に
接続されている場合には、室外機12の運転モードにか
かわらず、第2データ62が送風運転を許可する内容と
なる。
【0034】[伝送が正常な場合における室内ファンの
作動可否の判断]制御部50は、送風運転モードや他運
転モードのサーモOFF時における室内ファン70の作
動に関し、室内ファン作動可否判断部53を設けて、室
内ファン70を作動させてもよいかどうかを判断させて
いる。図4に示すように室内機3a〜3eと室外機2,
12との伝送が正常な場合、室外機2,12がペア型の
ものかマルチ型のものかという情報および室外機2,1
2がどのような運転状態にあるのかという情報を把握す
ることができ、それらの情報に合った第2データ62が
RAM52に記憶されるため、室内ファン作動可否判断
部53は、RAM52にあるデータを基にして室内ファ
ン70の作動の可否を判断する。
【0035】これにより、マルチ型の空気調和装置1の
室内機3a〜3dは、室外機2が暖房運転を行っている
ときには、送風運転が禁止、すなわち送風運転モードや
他運転モードのサーモOFF時における室内ファン70
の作動が禁止される。具体的には、室外機2が暖房運転
中で室内機3a〜3dが室内サーモOFFとなったとき
には、室内暖房運転の表示(運転LEDの点灯)が為さ
れているが、送風は行われないようになる。また、室外
機2が暖房運転を行っているときに室内機3a〜3dで
送風運転の操作が行われた場合には、モードバッティン
グ(異モード)ということで、運転LEDが点滅表示と
なる。
【0036】これに対し、室外機2が冷房運転や停止の
状態にあるときには、マルチ型の空気調和装置の室内機
3a〜3dは、送風運転モードや冷房運転モードのサー
モOFF時における室内ファン70の作動を許可するこ
とになる。一方、ペア型の空気調和装置11の室内機3
eは、室外機12の運転モードにかかわらず、送風運転
モードや他運転モードのサーモOFF時における室内フ
ァン70の作動が許可される。
【0037】なお、図5に示すように室内機3a〜3e
と室外機2,12とが伝送不良の状態にあるときには、
後述するように、EEPROM51にある第1データ6
1を基準として室内ファン70の作動の可否が判断され
ることになる。 [伝送異常時における室内ファンの作動可否の判断]室
内機3a〜3eと室外機2,12とが伝送不良の状態に
陥ると、室内機3a〜3e側から見ると、自己が接続さ
れている室外機2,12がマルチ型のものであるかペア
型のものであるかが判断できなくなる。また、第2デー
タ62が更新されなくなる。したがって、第2データ6
2を基準として室内ファン作動可否判断部53が室内フ
ァン70の作動の可否を判断することが適切ではなくな
るケースが発生する。
【0038】これに鑑み、ここでは、室内機3a〜3e
と室外機2,12とが伝送不良の状態に陥ったときに、
EEPROM51にある第1データ61を基準として室
内ファン70の作動の可否を判断するようにしている。
すなわち、室内ファン作動可否判断部53は、伝送不良
の状態を認識すると、第2データ62ではなく第1デー
タ61に基づいて判断を行うようになる。具体的には、
伝送不良の状態を確認すると、制御部50は、EEPR
OM51にある第1データ61をRAM52にコピーし
て、RAM52にコピーされた第1データ61を基準に
室内ファン作動可否判断部53が判断をするように手当
している。
【0039】これにより、伝送不良時においては、マル
チ型の空気調和装置1の室内機3a〜3dは、送風運転
が禁止、すなわち送風運転モードや他運転モードのサー
モOFF時における室内ファン70の作動が禁止される
ようになる。一方、ペア型の空気調和装置11の室内機
3eでは、送風運転モードや他運転モードのサーモOF
F時における室内ファン70の作動が許可されることに
なる。
【0040】[店頭展示における室内ファンの作動可否
の判断]工場出荷時の室内機3eを、室外機12と接続
しない状態で(図6参照)、家電量販店などの店舗で店
頭展示することがある。このことに鑑み、ここでは、室
内機3a〜3eの制御部50のEEPROM51に対し
て、予め初期データ60を書き込んでおくことが行われ
ている。
【0041】したがって、一度も室外機12と接続され
ることなく店頭展示に供せられた室内機3eにおいて
は、送風運転の操作が為されたときに、室内ファン作動
可否判断部53が、EEPROM51にある初期データ
60を基準として送風運転を許可することになる。 <本実施形態に係る室内機の特徴> (1)ここでは、試運転時などにおいて室外機2,12
と室内機3a〜3eとの通信が可能になったときに、す
なわち最初に室外機2,12と室内機3a〜3eとの伝
送が確立されたときに、室外機2,12から室内機3a
〜3eへと伝送情報が流れ、それに基づき送風運転の可
否に関する第1データ61が不揮発性のEEPROM5
1に記憶される。したがって、室内機3a〜3eと室外
機2,12とが一度でも通信可能となれば、そのときに
EEPROM51内に第1データ61が記憶され、その
内容は電源が切れても保存される。
【0042】そして、制御部50の室内ファン作動可否
判断部53は、EEPROM51にあるデータを参照し
て、送風運転を禁止するか否かを判断することができ
る。したがって、室外機2,12と室内機3a〜3eと
が接触不良や伝送線のノイズなどが原因で伝送不能に陥
り、空気調和装置(室外機)がペア型であるかマルチ型
であるかが伝送データによって判断できない場合でも、
室内ファン作動可否判断部53は、第1データ61を参
照して適切に送風運転の可否を判断できることになる。
【0043】(2)最初に室外機12と室内機3eとの
伝送が確立される前に、ペア型の空気調和装置11の室
内機3eにおいては、店頭展示に供されることがある。
この場合には、店頭展示時には未だ一度も室外機12と
室内機3eとの通信が為されていないことが多いため、
適切な送風運転可否の情報(この場合にはペア型の室内
機3eに適合した情報)が室外機12から室内機3eへ
と伝わっておらず、EEPROM51に第1データ61
が存在しない。
【0044】しかし、ここでは、室外機12と接続され
る前の状態において、EEPROM51に送風運転を許
可する内容の初期データ60が記憶されているため、そ
の初期データ60を参照して室内ファン作動可否判断部
53が送風運転を許可することができる。すなわち、室
内機3a〜3eは、最初に室外機2,12と室内機3a
〜3eとの伝送が確立される前において、送風運転がで
きるように設定されている。これにより、店頭展示に供
された場合に、室外機12に接続されていない状態で室
内機3eが送風運転を行うことができるようになる。
【0045】(3)ここでは、ペア型の空気調和装置1
1の室内機3eでは、第1データ61が送風運転を許可
する内容となり、マルチ型の空気調和装置1の室内機3
a〜3dでは、第1データ61が送風運転を禁止する内
容となる。したがって、同じ室内機を、ペア型の空気調
和装置11の室内機3eとしても、マルチ型の空気調和
装置1の室内機3a〜3dとしても使用することができ
る。ペア型の空気調和装置11の室内機3eとして使う
場合には、第1データ61が送風運転を許可する内容で
あり、デメリットもないのに送風運転ができないといっ
た状態が発生することがなくなる。また、マルチ型の空
気調和装置1の室内機3a〜3dとして使う場合には、
例えば停止している室内機3b〜3dで送風運転が行わ
れ運転している室内機3aがガス欠状態になるという不
具合が発生することがなくなる。
【0046】(4)ここでは、室内機3a〜3eと室外
機2,12との伝送が正常に成立しているときには、室
外機2,12の運転状態などを考慮したより的確な送風
運転の可否の情報に基づいて制御を行うことができるよ
う、RAM52にあるデータに基づいて送風運転を禁止
するか否かを決めている。一方、室内機3a〜3eと室
外機2,12との伝送が不可能になったときには、室外
機2,12の状態が変わっても室内機3a〜3e側では
認識できなくなっており、RAM52にある第2データ
62では的確な判断ができない可能性もあるため、EE
PROM51にある第1データ61を基に送風運転を禁
止するか否かを判断している。具体的には、EEPRO
M51にある第1データ61をRAM52にコピーし
て、RAM52にコピーされた第1データ61を基準に
室内ファン作動可否判断部53が判断を行うようにして
いる。
【0047】また、電源が切れてRAM52のデータが
消えてもEEPROM51のデータは記憶され続けるた
め、どんな場合にも最低限の送風運転の可否判断は可能
である。これに鑑み、ここでは、比較的低コストの揮発
性メモリ(RAM52)をEEPROM51と併用して
いる。(5)マルチ型の空気調和装置1であっても、室
外機2が暖房運転ではなく冷房運転をしていたり停止し
ていたりする場合には、送風運転を行っても問題はな
い。これに鑑み、ここでは、室外機2の暖房運転時にの
み送風運転を禁止する内容の第2データ62をRAM5
2に記憶させ、そのデータを基に送風運転を禁止するか
否かを判断するように構成している。これにより、マル
チ型の空気調和装置1の室内機3a〜3dを使うユーザ
ーは、室外機2の暖房運転時には送風運転が拒否される
が、室外機2が止まっていたり冷房運転をしていたりす
る状態においては室内機3a〜3dの送風運転を享受す
ることができるようになる。
【0048】このように、ここでは、マルチ型の空気調
和装置において送風自体を全面的に禁止していた従来の
状態が解消されている。 (6)ペア型の空気調和装置11においては、室外機1
2がどのような状態であっても、室内機3eの送風運転
による不具合は特に存在しない。これに鑑み、ここで
は、送風運転を常時許可する内容の第2データ62をR
AM52に記憶させ、そのデータを基に送風運転を禁止
するか否かを判断するように構成している。これによ
り、ペア型およびマルチ型の空気調和装置11,1で共
用できる室内機3a〜3eを、ペア型の空気調和装置1
1の室内機3eとして使うユーザーが、送風運転を享受
することができないといった現象がなくなる。
【0049】<マルチ型の空気調和装置における動作室
内機の制限について>図1に示すマルチ型の空気調和装
置1においては、室内機3a〜3dの全てを運転させる
と室外機2の能力を超えてしまうことを許容する設計が
為されている。すなわち、複数の室内機3a〜3dの合
計容量が運転させることが可能な室内機の合計容量より
も大きくなっても、問題が発生しないような設計が為さ
れている。
【0050】これは、個人店舗に設置されるマルチ型の
空気調和装置のユーザーなどからの要望に応える設計で
ある。個人店舗などでは、日中は店舗側で仕事をし、夜
は自宅の部屋で生活をすることが多い。このような個人
店舗では、ペア型の空気調和装置を店舗および自宅の両
方に設置することも可能であるが、同時にフル稼働する
ことが殆どなければ、上記のような複数の室内機の合計
容量が運転可能な室内機の合計容量よりも大きくなるマ
ルチ型の空気調和装置を設置するほうが低コストとなる
場合が多い。
【0051】一方、このようなマルチ型の空気調和装置
においては、全ての室内機から運転要求があるときに
は、室外機の能力的に全てに対応することができないた
め、以下のように所定の室内機を待機状態とする制御が
必要となる。図7〜図10に示すフローに従い、能力供
給要求(運転要求)のある室内機3a〜3dに対して、
室外機2側がどれに能力供給を行いどれを待機状態とさ
せるかについて説明する。
【0052】室外機2には、室内機3a〜3dから、能
力供給要求が送られてくる。各室内機3a〜3dが何キ
ロワットであるかという情報は、室外機2において常に
入手することができる。室外機2は、常に能力供給要求
のある室内機の合計容量を監視している。まず、ステッ
プS1では、能力供給要求のある室内機の合計能力(Σ
S)を算出する。次に、ステップS2では、その合計能
力(ΣS)が供給可能能力(ΣS・limit)を超え
ているか否かを判断する。合計能力(ΣS)が供給可能
能力(ΣS・limit)を超えていない場合には、ス
テップS3に移行して、能力供給要求のある全ての室内
機に能力供給を行う。一方、合計能力(ΣS)が供給可
能能力(ΣS・limit)を超えている場合には、ス
テップS4において加算能力値(ΣS・CALC)を0
にセットして、ステップS5に移行する。
【0053】ステップS5では、優先室内機から能力供
給要求があるか否かが判断される。優先室内機とは、デ
ィップスイッチなどで空気調和装置の導入時に設定する
室内機であり、他の室内機よりも優先させて能力供給を
行わせたい室内機が設定される。優先室内機は、複数の
室内機が選択されていても、1台の室内機だけが選択さ
れていてもよい。
【0054】優先室内機から能力供給要求がある場合に
は、ステップS6において、優先室内機に能力供給をし
たときに加算能力値(ΣS・CALC)が供給可能能力
(ΣS・limit)を超えるか否かの判断が為され
る。ここで、加算能力値(ΣS・CALC)が供給可能
能力(ΣS・limit)を超えないと判断された場合
には、ステップS7で優先室内機に能力供給が為され、
加算能力値(ΣS・CALC)に優先室内機の能力値S
が加算される。また、ステップS8に移行して、能力供
給要求をしている室内機のうち、優先室内機以外の室内
機を、以降の比較対象室内機とする。
【0055】ステップS6において、加算能力値(ΣS
・CALC)が供給可能能力(ΣS・limit)を超
えると判断された場合には、ステップS9に移行する。
ステップS9では、優先室内機が複数台設定されている
かの判断が為される。ここで、優先室内機が1台だけし
か設定されていないと判断されると、ステップS10に
移行してエラー表示が為される。1台の優先室内機さえ
も運転させることができないという事象は通常では考え
られないためである。一方、ステップS9において優先
室内機が複数台設定されていると判断された場合には、
ステップS11に移行し、それらの複数の優先室内機を
以降の比較対象室内機とする。
【0056】ステップS12では、ステップS8あるい
はステップS11によって比較対象室内機とされた各室
内機の設定温度と室温との差(ΔD)を収集し、それら
の差(ΔD)の最大値(ΔD・max)を算出する。そ
して、ステップS13で変数Cの初期値を0にセットし
て、ステップS14に移行する。ステップS14では、
最大値(ΔD・max)から変数Cを差し引いた値が設
定温度と室温との差(ΔD)以下となる室内機に能力供
給をした場合に、加算能力値(ΣS・CALC)が供給
可能能力(ΣS・limit)を超えるか否かが判断さ
れる。ここで、加算能力値(ΣS・CALC)が供給可
能能力(ΣS・limit)を超えないと判断された場
合には、ステップS15において、最大値(ΔD・ma
x)から変数Cを差し引いた値が設定温度と室温との差
(ΔD)以下となる室内機に対して能力供給を行い、能
力供給を行った室内機の能力値Sを加算能力値(ΣS・
CALC)に加算する。そして、ステップS16で変数
Cに0.5を加えて再びステップS14に戻る。
【0057】ステップS14において加算能力値(ΣS
・CALC)が供給可能能力(ΣS・limit)を超
えると判断されれば、ステップS17に移行して、比較
対象室内機が複数あるか否かが判断される。ここで、比
較対象室内機が1台だけであると判断されると、ステッ
プS18で、その室内機が待機状態とされる。そして、
再びステップS1へと戻される。
【0058】ステップS17において比較対象室内機が
複数あると判断された場合には、ステップS19に移行
して、複数の比較対象室内機のうち能力値(S値)の小
さい室内機が選択される。そして、ステップS20にお
いて、その選択した室内機に能力供給を行った場合に加
算能力値(ΣS・CALC)が供給可能能力(ΣS・l
imit)を超えるか否かが判断される。ここで、加算
能力値(ΣS・CALC)が供給可能能力(ΣS・li
mit)を超えないと判断された場合には、ステップS
21において、選択された室内機に対して能力供給を行
い、能力供給を行った室内機の能力値Sを加算能力値
(ΣS・CALC)に加算する。そして、ステップS2
2で次に能力値(S値)の小さい室内機を選択して、再
びステップS20に戻る。
【0059】ステップS20において、選択した室内機
に能力供給を行った場合に加算能力値(ΣS・CAL
C)が供給可能能力(ΣS・limit)を超えると判
断された場合には、ステップS23に移行して、選択し
た室内機が複数あるか否かが判断される。複数ある場合
には、それらは能力値(S値)の同じ室内機である。こ
こで、選択した室内機が複数ある場合には、ステップS
24に移行し、加算能力値(ΣS・CALC)が供給可
能能力(ΣS・limit)を超えるまで、予め決めら
れた順に従って、残った室内機に対して能力供給を行っ
ていく。そして、加算能力値(ΣS・CALC)が供給
可能能力(ΣS・limit)を超えたときには、残り
の室内機を待機状態にする。一方、ステップS23にお
いて選択した室内機が1台しかないと判断された場合に
は、ステップS25に移行して、その1台の室内機を待
機状態する。ステップS24あるいはステップS25の
処理を終えると、再びステップS1へと戻る。
【0060】以上のような制御フローによって、室外機
2は、能力供給要求のある室内機3a〜3dに対する能
力供給実施あるいは能力供給待機を決める。なお、能力
供給要求に対して室外機2から待機状態にすることを命
ぜられた室内機は、例えば、運転LEDを2.5秒ON
して0.5秒OFFさせる動作を繰り返し、運転状態で
はないことを表示する。また、その室内機にワイヤード
リモコンが接続されている場合には、記号(マーク)で
「集中管理中」というような表示を行わせることが考え
られる。
【0061】
【発明の効果】請求項1に係る発明では、試運転時など
において室外機と室内機との通信が可能になったとき
に、すなわち最初に室外機と室内機との伝送が確立され
たときに、室外機から室内機へと伝送情報が流れ、それ
に基づき送風運転の可否に関する第1データが不揮発性
の第1記憶部に記憶される。したがって、室内機と室外
機とが一度でも通信可能となれば、そのときに第1記憶
部内に第1データが記憶され、その内容は電源が切れて
も保存される。そして、制御部は、第1記憶部にあるデ
ータを参照して、送風運転を禁止するか否かを判断する
ことができる。したがって、室外機と室内機とが接触不
良や伝送線のノイズなどが原因で伝送不能に陥り、空気
調和装置(室外機)がペア型であるかマルチ型であるか
が伝送データによって判断できない場合でも、制御部
は、第1データを参照して適切に送風運転の可否を判断
できることになる。
【0062】請求項2に係る発明では、室外機と接続さ
れる前の状態において、第1記憶部に送風運転を許可す
る内容の初期データが記憶されているため、その初期デ
ータを参照して制御部が送風運転を行わせることができ
る。これにより、店頭展示に供された場合に、室外機に
接続されていない状態で室内機が送風運転を行うことが
できるようになる。
【0063】請求項3に係る発明では、室内機をペア型
の空気調和装置の室内機として使う場合には、第1デー
タが送風運転を許可する内容であり、デメリットもない
のに送風運転ができないといった状態が発生することが
なくなる。また、室内機をマルチ型の空気調和装置の室
内機として使う場合には、停止している室内機で送風運
転が行われ運転している室内機がガス欠状態になるとい
う不具合が発生することがなくなる。
【0064】請求項4に係る発明では、室内機と室外機
との伝送が正常に成立しているときには、室外機の運転
状態などを考慮したより的確な送風運転の可否の情報に
基づいて制御を行うことができる。一方、室内機と室外
機との伝送が不可能になったときには、第1記憶部にあ
るデータを基に送風運転を禁止するか否かを判断してお
り、第2記憶部のデータを基にした不的確な判断が為さ
れることが回避される。
【0065】請求項5に係る発明では、室外機の暖房運
転時にのみ送風運転を禁止する内容の第2データを第2
記憶部に記憶させ、そのデータを基に送風運転を禁止す
るか否かを判断するように構成している。これにより、
マルチ型の空気調和装置の室内機を使うユーザーは、室
外機の暖房運転時には送風運転が拒否されるが、室外機
が止まっていたり冷房運転をしていたりする状態におい
ては室内機の送風運転を享受することができるようにな
る。
【0066】請求項6に係る発明では、送風運転を常時
許可する内容の第2データを第2記憶部に記憶させ、そ
のデータを基に送風運転を禁止するか否かを判断するよ
うに構成している。これにより、ペア型およびマルチ型
の空気調和装置で共用できる室内機を、ペア型の空気調
和装置の室内機として使うユーザーが、送風運転を享受
することができないといった現象がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るマルチ型の空気調和
装置の概略図。
【図2】マルチ型の空気調和装置の冷媒系統図。
【図3】本発明の一実施形態に係るペア型の空気調和装
置の概略図。
【図4】本発明の一実施形態に係る室内機の制御ブロッ
ク図。
【図5】伝送不良時の室内機における室内ファン作動可
否判断に関する制御図。
【図6】店頭展示時の室内機における室内ファン作動可
否判断に関する制御図。
【図7】マルチ型の空気調和装置における室内機への能
力供給制御フローを示す図。
【図8】マルチ型の空気調和装置における室内機への能
力供給制御フローを示す図。
【図9】マルチ型の空気調和装置における室内機への能
力供給制御フローを示す図。
【図10】マルチ型の空気調和装置における室内機への
能力供給制御フローを示す図。
【符号の説明】
1 マルチ型の空気調和装置 2 マルチ型の室外機 3a〜3e ペア/マルチ共用の室内機 11 ペア型の空気調和装置 12 ペア型の室外機 50 制御部 51 EEPROM 52 RAM 53 室内ファン作動可否判断部 60 初期データ 61 第1データ 62 第2データ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】室外機(2,12)と接続されることによ
    って空気調和装置(1,11)を構成する室内機(3a
    〜3e)であって、 送風運転の制御が可能な制御部(50,53)と、 前記室外機(2,12)との通信が可能になったとき
    に、前記室外機(2,12)からの伝送情報に基づい
    て、前記送風運転の可否に関する第1データ(61)を
    記憶する、不揮発性の第1記憶部(51)と、を備え、 前記制御部(50,53)は、前記第1記憶部(51)
    にあるデータを参照して、前記送風運転を禁止するか否
    かを判断することができる、空気調和装置の室内機(3
    a〜3e)。
  2. 【請求項2】前記室外機(2,12)と接続される前の
    状態において、前記第1記憶部(51)には、前記送風
    運転を許可する内容の初期データ(60)が記憶されて
    いる、請求項1に記載の空気調和装置の室内機(3a〜
    3e)。
  3. 【請求項3】前記室外機(12)が、1台の室外機(1
    2)に対して1台の室内機(3e)が接続されるペア型
    の空気調和装置(11)において用いられる室外機(1
    2)である場合には、前記第1データ(61)は、前記
    送風運転を許可する内容であり、 前記室外機(2)が、1台の室外機(2)に対して複数
    台の室内機(3a〜3d)が接続されるマルチ型の空気
    調和装置(1)において用いられる室外機(2)である
    場合には、前記第1データ(61)は、前記送風運転を
    禁止する内容である、請求項1又は2に記載の空気調和
    装置の室内機(3a〜3e)。
  4. 【請求項4】前記室外機(2,12)との伝送が正常に
    成立しているときに、前記室外機(2,12)からの伝
    送情報に基づいて、前記送風運転の可否に関する第2デ
    ータ(62)を記憶する、揮発性の第2記憶部(52)
    をさらに備え、 前記制御部(50,53)は、前記室外機(2,12)
    との伝送が可能な状態のときには前記第2記憶部(5
    2)にあるデータを基に前記送風運転を禁止するか否か
    を判断し、前記室外機(2,12)との伝送が不可能な
    状態のときには前記第1記憶部(51)にあるデータを
    基に前記送風運転を禁止するか否かを判断する、請求項
    1から3のいずれかに記載の空気調和装置の室内機(3
    a〜3e)。
  5. 【請求項5】前記室外機(2)と、 前記室外機に接続される複数の請求項4に記載の室内機
    (3a〜3d)と、を備え、 前記室外機(2)の暖房運転時には、前記第2データ
    (62)は、前記送風運転を禁止する内容であり、 前記室外機(2)の冷房運転時および前記室外機の停止
    時には、前記第2データ(62)は、前記送風運転を許
    可する内容である、マルチ型の空気調和装置(1)。
  6. 【請求項6】前記室外機(12)と、 前記室外機(12)に接続される1台の請求項4に記載
    の室内機(3e)と、を備え、 前記第2データ(62)は、常時、前記送風運転を許可
    する内容である、ペア型の空気調和装置(11)。
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