JP2003285757A - 電気式操舵制御装置 - Google Patents

電気式操舵制御装置

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JP2003285757A JP2002090005A JP2002090005A JP2003285757A JP 2003285757 A JP2003285757 A JP 2003285757A JP 2002090005 A JP2002090005 A JP 2002090005A JP 2002090005 A JP2002090005 A JP 2002090005A JP 2003285757 A JP2003285757 A JP 2003285757A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】推定された粘性係数ρを用いる場合に、前輪の
横滑り角αfの推定が発散されることなく確実に行われ
る電気式操舵制御装置。 【解決手段】アシスト制御部20の処理内容を示すブロ
ック図である。EPS全作用力算出部3001では、ピ
ニオン回転角度θpと角速度ωpからEPS全作用力を算
出する。ラック推力算出部3002では、ピニオントル
クTPとモータトルクTmからラック推力を算出する。外
乱トルク算出部3003ではEPS全作用力とラック推
力の差から外乱トルクTdを算出する。一方、横滑り角
算出部3004ではピニオン回転角度θpと車速uから
横滑り角αfが算出される。ここで、横滑り角αf算出に
おいては、後述するとおり、車速uの大きさとその微分
(加速度)の符号により4つに場合分けされて、2通り
の算出方法により算出される。SAT/内部抗力算出部
305ではピニオン角速度ωpと、横滑り角αfと外乱ト
ルクTdから、勾配κと粘性係数ρとを推定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両の操舵装置に関
し、特にその制御に関する。
【0002】
【従来の技術】出願人らは、特願2000−37070
4にて、路面から車輪に入力されるセルフアライニング
トルク(以下、SATと略す)による外力と、モータの
クーロン摩擦と装置内部の粘性摩擦による内部抗力(粘
性トルク)の和を外乱トルクT dとして算出し、そこか
らSATの前輪の横滑り角αfに対する勾配κと、粘性
トルクと操舵速度ωpの比として粘性係数ρを随時推定
して、推定された粘性係数ρを更新しつつ、それを用い
て操舵アシストトルクの発生量を制御する操舵装置の制
御装置を出願している。
【0003】この技術は、それ以前における粘性係数ρ
を一定値とした操舵アシストトルクの発生量を制御する
操舵装置の制御装置では、内部抗力(粘性トルク)が経
年変化や車両間のばらつきによる個々の車両に対応でき
ないなどの問題点を解決するためになされたものであ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記先行出願の発明に
よると低速では横滑り角の推定が発散してしまい、結局
粘性係数ρも推定できないという問題が残っていた。そ
こで本発明は、SATの前輪の横滑り角αfに対する勾
配κと、粘性トルクと操舵速度ωpの比として粘性係数
ρを随時推定して、推定された粘性係数ρを用いる場合
に、前輪の横滑り角αfの推定が発散されることなく確
実に行われることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め請求項1の手段によれば、電気モータによりアシスト
トルクを付与するようにした電気式操舵制御装置におい
て、車速が所定値以上である第1車速領域では、車両の
運動を表す状態方程式を用いて操舵輪の横滑り角を推定
する第1横滑り角推定手段と、車速が所定値より小さい
第2車速領域では、前記横滑り角を操舵角に基づいて推
定する第2横滑り角推定手段と、第1横滑り角推定手段
及び第2横滑り角推定手段により推定された横滑り角を
用いて、操舵角速度に依存した反力を与える操舵系の粘
性係数に関連する物理量である粘性係数関連値を推定す
る粘性係数関連値推定手段と、推定された前記粘性係数
関連値に基づいて前記アシストトルクを制御するアシス
トトルク制御手段とを有することを特徴とする。
【0006】また、請求項2の手段は、請求項1の手段
の所定値を減速時と加速時で異なる2重にしたものであ
る。即ち、電気モータによりアシストトルクを付与する
ようにした電気式操舵制御装置において、加速中であっ
て車速が第1の所定値以上である第1加速領域では、車
両の運動を表す状態方程式を用いて操舵輪の横滑り角を
推定する第1横滑り角推定手段と、加速中であって車速
が第1の所定値より小さい第2加速領域では、前記横滑
り角を操舵角に基づいて推定する第2横滑り角推定手段
と、減速中であって車速が第2の所定値以上である第1
減速領域では、車両の運動を表す状態方程式を用いて操
舵輪の横滑り角を推定する第3横滑り角推定手段と、減
速中であって車速が第2の所定値より小さい第2減速領
域では、前記横滑り角を操舵角に基づいて推定する第4
横滑り角推定手段と、第1乃至第4横滑り角推定手段に
より推定された前記横滑り角を用いて、操舵角速度に依
存した反力を与える操舵系の粘性係数に関連する物理量
である粘性係数関連値を推定する粘性係数関連値推定手
段と、推定された前記粘性係数関連値に基づいて前記ア
シストトルクを制御するアシストトルク制御手段とを有
することを特徴とする。
【0007】
【作用及び発明の効果】操舵輪の横滑り角を推定する
際、発散により推定が不可能となるのは車速が遅い場合
である。そこで発散しない最低車速を設定し、それ未満
では操舵角のみから横滑り角を推定する。車速が低い場
合は操舵角と横滑り角は比例することがわかっているか
らである。これにより、横滑り角の推定方法を車速によ
って切り換えることで発散を起こさないで横滑り角を推
定することが可能となる。即ち、車速によらず横滑り角
を用いて粘性係数関連値の推定が可能となり、アシスト
トルク制御が確実に行われる(請求項1)。また、加速
中と減速中で横滑り角の推定方法を切り換える車速を異
なるものとすれば、不要なチャタリングを防止すること
ができる(請求項2)。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的な実施例に
基づいて説明する。ただし、本発明は以下に示す実施例
に限定されるものではない。
【0009】図1は、本発明の一実施例な係る電動パワ
ーステアリング装置100のハードウェア構成図であ
る。以下、本実施例の電動パワーステアリング装置10
0について説明する。
【0010】ステアリングシャフト10の一端には、ス
テアリングホイール11(ハンドル)が取り付けられ、
他端にはギヤボックス12に軸承されたピニオン軸13
が結合されている。ピニオン軸13は、ギヤボックス1
2に嵌装されたラック軸14に噛合され、また図示して
いないが、このラック軸14の両端はボールジョイント
等を介して図略の操向車輪に連結されている。また、ス
テアリングシャフト10には、アシストトルクを付与す
るブラシレス直流モータM(以下、単に「モータM」と
いう)が、2つの歯車17を介して連結されている。
【0011】このモータMには、モータ制御装置200
の駆動回路213より、電流検出器215を介してU,
V,Wの3相に対する各モータ駆動電流iu,iv,i
wが供給される。更に、ステアリングシャフト10に
は、運転者からステアリングホイール(ハンドル)11
に加えられたマニュアル操舵力の大きさ及びその方向
(操舵トルクT)を検出するためのトルク検出器15が
設けられている。
【0012】また、モータMには、その回転角を検出す
る同期用の回転角センサE(エンコーダ)が付設されて
おり、回転角センサEが出力するモータMの回転角θm
に基づいてピニオン回転角(=ハンドルの操舵角)θp
が求められる。モータ制御装置200は、CPU21
0、ROM211、RAM212、駆動回路213、入
力インターフェイス(IF)214、電流検出器215
等から構成されている。駆動回路213は、図略のバッ
テリー、PWM変換器、PMOS駆動回路等から構成さ
れ、チョッパ制御により駆動電流を正弦波にしてモータ
Mに電力を供給する。
【0013】モータ制御装置200のCPU210に
は、上記の回転角θmや、操舵トルクTの検出に利用さ
れるトルクセンサ15、車速Vを与える車速計50等か
らの出力信号(測定値)が、入力インターフェイス(I
F)214を介して入力される。CPU210は、これ
らの入力値から所定のトルク計算に基づいて、モータM
が出力すべきトルク値(指令トルクTm)を決定し、更
に、この指令トルクTmに基づいてd軸とq軸の各電流
指令値(Id*,Iq*)を決定する。だだし、本実施例
においては、「Id*=0」である。
【0014】図2は、本実施例に係わる、電動パワース
テアリング装置100のモータ制御装置200の制御ブ
ロック・ダイヤグラムである。各制御ブロックの入出力
の関係は以下の通りである。トルクセンサ15は操舵ト
ルクを位相補償部21と微分演算部23に出力する。位
相補償部21は位相補償された操舵トルクをアシスト制
御部20に出力する。微分演算部23は操舵トルクの微
分を慣性補償部22に出力する。車速計50は車速をア
シスト制御部20、ダンパ制御部24、ハンドル戻し制
御部26に出力する。モータからは回転角が相対角演算
部60に出力され、操舵角の相対角が計算されて微分演
算部61に出力される。微分演算部61は操舵角の角速
度をダンパ制御部24、ハンドル戻し制御部26に出力
する。アシスト制御部20、慣性制御部22、ダンパ制
御部24、ハンドル戻し制御部26は、上記入力値から
設定された計算式に応じてトルクを出力する。尚、アシ
スト制御部20においては後述する方法により粘性係数
ρhを推定しそれを用いてアシストトルクを決定する。
アシスト制御部20と慣性制御部22の出力するトルク
は操舵速度と同方向、ダンパ制御部24とハンドル戻し
制御部26の出力するトルクは操舵速度と逆方向であ
る。アシスト制御部20、慣性制御部22、ダンパ制御
部24、ハンドル戻し制御部26の出力が加算部28に
て加算され、モータトルクTmとして電流指令演算部3
0に出力される。電流指令演算部30からは電流制御部
40にq軸の電流指令値(Iq*)が出力され、モータ
駆動電流iu,iv,iwとしてモータMに供給され
る。
【0015】図3は、本実施例のアシスト制御部20の
処理内容を示すブロック図である。EPS全作用力算出
部3001では、ピニオン回転角度θpと角速度ωpから
EPS全作用力を算出する。ラック推力算出部3002
では、ピニオントルクTPとモータトルクTmからラック
推力を算出する。外乱トルク算出部3003ではEPS
全作用力とラック推力の差から外乱トルクTdを算出す
る。一方、横滑り角算出部3004ではピニオン回転角
度θpと車速uから横滑り角αfが算出される。ここで、
横滑り角αf算出においては、後述するとおり、車速u
の大きさとその微分(加速度)の符号により4つに場合
分けされて、2通りの算出方法により算出される。SA
T/内部抗力算出部3005ではピニオン角速度ω
pと、横滑り角αfと外乱トルクTdから、勾配κと粘性
係数ρとを推定する。SAT/内部抗力算出部3005
の推定した勾配κと粘性係数ρとは更新されながら、粘
性係数ρはアシストトルク演算部での制御のために読み
出される。
【0016】Tpは運転者の操舵トルク、ωpはピニオン
角速度(=dθp/dt)であり、ピニオン回転角θp
θp=θS−Tp/KSで求められる。ここで、θSは操舵
角センサで検出した操舵角であり、KSはステアリング
・シャフトのトーションバーのねじれ剛性を示すバネ定
数である。また、バネ定数KSの値が非常に大きい場合
には、θp≒θSと考えても差支えないので、以下、この
様な前提条件のもとに、ピニオン角と操舵角とを区別せ
ずに論ずる場合がある。
【0017】路面反力に起因するトルク(セルフアライ
ニングトルクTS)は、操舵系の運動方程式(次式
(1))に基づいて、式(2)の様に表すことができ
る。
【数1】 Je・dωp/dt=Tp+gTm+TS−ρωp≡d …(1)
【数2】 TS−ρωp=d−Tp−gTm …(2)
【0018】ただし、ここで、Jeは操舵系の回転運動
に関する全慣性(イナーシャ)、Tmはモータ34の出
力トルク(補助トルク)、gは減速機のギヤ比、ρはハ
ンドルの回転に抗する粘性トルクのピニオン角速度ωp
に係わる粘性係数、dは操舵系に作用する全トルクであ
る。
【0019】Tp、ωpは各センサの出力値に基づいて求
めることができ、更に、モータEの出力トルクTmは、
モータEに通電される電流値に基づいて随時推定するこ
とができる。式(1)の全トルクdに関しては、周知の
フィードバック制御の制御理論に基づいて、図4の式
(a)に示すオブザーバ(状態推定器)を構成すること
ができる。ただし、ここで、Gはオブザーバ・ゲイン
(3行×2列の定数行列)であり、dhは全トルクdの
推定値、下付きの添字hはその変数が推定値であること
を示すものである。また、更に、上記の式(a)を前記
のサンプリング周期Δtにて離散化すれば、図4の式
(b),(c)に示す様に離散化された状態方程式を得
ることができる。ただし、ここで、A,Cは定数行列
(3行×3列)、B,Dは定数行列(3行×2列)、x
は操舵系の状態を表す状態ベクトル(3行×1列の縦ベ
クトル)であり、kはサンプリング周期Δtで離散化さ
れた時刻パラメータ(配列引数)である。
【0020】以上のことから、図4の離散化された状態
方程式(式(b),(c))に基づいて、操舵系に作用
する全トルクdの推定値dhを正確に算出できれば、上
記の外乱トルクTS−ρωpは、式(2)より正確に算出
できることが判る。
【0021】上記の粘性係数ρは、温度により変化する
ことが多く、また、パワーステアリング装置の経年、修
理、調整、部品交換、或いは仕様変更等により変動する
場合もある。そこでオンライン最小二乗法に基づいた所
定のアルゴリズムにより粘性係数ρと、セルフアライニ
ングトルクTSを前輪横滑り角αfで除した勾配κを同時
に推定する。
【0022】〔運動方程式により前輪横滑り角αfを推
定する方法〕車両の前輪横滑り角αfは、図4の式
(d)、式(e)で表される運動方程式により、近似或
いは推定できることが一般に知られている。ここで、下
付きの添字fは前輪、下付きの添字rは後輪をそれぞれ
表しており、ν[m/s]は横速度、r[rad/s]
はヨー角速度、u[m/s]は車速、cf[N/ra
d]は前輪のコーナリングパワー、Lf[m]は前輪車
軸と車両重心間の距離、M[kg]は車両質量、I
z[kg・m2]は車両のz軸回りの慣性モーメント、g
hはハンドル角(ピニオン角θp)と実舵角の比である。
【0023】車速u及びピニオン角θpを入力する際の
サンプリング間隔Δtで、この運動方程式(図4の式
(d)、式(e))を離散化することにより、次式
(3),(4)が得られる。
【数3】 z(k+1)=(I+Qu(k)+R/u(k))z(k)+Sθp(k) …(3)
【数4】 αf=(a/u(k),b/u(k))z(k)−cθp(k) …(4)
【0024】ただし、ここで、kはサンプリング周期Δ
tで離散化された第2実施例と同様の時刻パラメータ
(配列引数)であり、zは車体の状態を表す状態ベクト
ル(2行×1列の縦ベクトル)、Iは2行×2列の単位
行列、Qは2行×2列の定数行列で、Sは定数ベクトル
(2行×1列の縦ベクトル)である。また、式(4)の
a,b,cはそれぞれ定数である。以上のことから、図
5に例示する前輪横滑り角αfの推定手順(ステップ7
10〜ステップ780)に従えば、車速u及びピニオン
角θpを随時検出することにより、前輪横滑り角αfの推
定値がリアルタイムで得られることが判る。
【0025】〔粘性係数ρの推定方法〕次に、dh,αf
に基づいて粘性係数ρを推定する。dh,αf、ωp
p、Tm、gが求められたので、次の式(5)で決定さ
れていないものは勾配κと粘性係数ρである。
【数5】 καf−ρωp=d−Tp−gTm …(5)
【0026】ここで、式(5)に対してオンライン最小
2乗法を適用することにより、以下に示す様に、勾配κ
と粘性係数ρとを同時に推定することができる。図6
は、オンライン最小2乗法に基づいて粘性係数ρの値を
推定する推定手順のフローチャートである。本アルゴリ
ズムでは、まず最初に、ステップ810により忘却係数
行列Lの各成分と前記の時刻パラメータkを初期化す
る。λ1,λ2の各値は、粘性係数ρと勾配κの各変動特
性を考慮して、例えば「λ1=0.999,λ2=0.95」など
の様に設定しておけば良い。
【0027】次に、ステップ815により、5つの代数
y,K,q,P,φの初期化をそれぞれ行う。ただし、
ここで、yはスカラー、Kは2行×1列の縦ベクトル
(状態ベクトル)、qは2行×1列の縦ベクトル(粘性
係数ρ,勾配κから成る推定値ベクトル)、Pは2行×
2列の可変行列、φは2行×1列の縦ベクトルで、ρ
0、κ0はそれぞれ粘性係数ρ,勾配κの初期値(適当
な仮定値)、Iは2行×2列の単位行列、cは適当な定
数である。
【0028】ステップ820では、図示する様に、q
(k),y(k),φ(k),K(k)の各値に基づいてq(k+1)の
値を算出する。ステップ830では、図示する様に、
L,P(k),φ(k)の各値に基づいてP(k+1)の値を算出
する。ステップ840では、次のステップ850が周期
Δt毎に実行される様に、ステップ850の次回の実行
時刻を待つ。ステップ850ではkの値を1だけ増加さ
せる。ステップ860では、αf,dh,θp,Tp,Tm
の各値を入力する。ただし、dh、αfについては、同定
済みの推定値を充てる。
【0029】ステップ870では、入力したαf,dh
θp,Tp,Tmの各値に基づいて、図示する様に代数
φ,yの値をそれぞれ更新する。ただし、代数y(k)の
更新は、式(5)に基づいて、d=dhを仮定した上で
実行するものとする。ステップ880では、P(k),φ
(k)の各値に基づいて図示する様に代数K(k)の値を更新
する。ステップ890では、粘性係数ρの推定値を上記
のステップ820で算出した推定値ベクトルq(k)から
求める。以上の処理手順に従えば、粘性係数ρと勾配κ
の推定値を算出することができる。この推定された粘性
係数をρhとおく。
【0030】〔横滑り角αfをピニオン角とギヤ比から
求める方法〕さて、車速が小さい場合は式(3)、
(4)や図4の式(d)(e)を用いて横滑り角αf
推定しようとしても発散してしまい、横滑り角αfも、
粘性係数ρも推定できなくなってしまう。そこで横滑り
角算出部3004において、横滑り角αfを次式(6)
に基づいて推定する場合を設ける。
【数6】αf=−θp/g …(6)
【0031】〔横滑り角αfの推定方法を切り換えるフ
ローチャート〕本実施例装置は図7に示すフローチャー
トに従って動作する。式(6)により横滑り角αfを推
定するのは、加速中で車速がumin+uhis未満か、減速
中で車速がumin未満の場合である。加速中で車速がu
min+uhis以上か、減速中で車速がumin以上の場合に
は、式(3)、(4)や図4の式(d)、(e)を用い
て横滑り角αfを推定する。ここでuminは横滑り角が発
散しない最低車速であり、uhisは車速ヒステリシス幅
である。図7のフローチャートは次のように構成されて
いる。
【0032】ステップ100において、現時刻における
車速uが検出される。次に、ステップ102において、
車両が加速中か否かが判定される。加速中であれば、ス
テップ104に移行し、加速中でなければステップ11
0に移行する。ステップ104においては車速uが第1
所定値(umin+uhis)以上か否かが判定される。第1
所定値以上であれば、ステップ106へ移行し、第1所
定値未満であれば、ステップ108へ移行する。ステッ
プ106では式(3)、(4)や図4の式(d)、
(e)を用いて横滑り角が推定される。一方、ステップ
108では式(6)により横滑り角が推定される。
【0033】ステップ110においては車速uが第2所
定値(umin)以上か否かが判定される。第2所定値以
上であれば、ステップ112へ移行し、第2所定値未満
であれば、ステップ114へ移行する。ステップ112
では式(3)、(4)や図4の式(d)、(e)を用い
て横滑り角が推定される。一方、ステップ112では式
(6)により横滑り角が推定される。
【0034】図8に、本発明の横滑り角αfを式(6)
で推定する場合を設けたものと、設けない場合の横滑り
角推定結果を示す。図8の(a)が操舵角と車速を示
し、図8の(b)が横滑り角αfを式(6)と式
(3)、(4)を切り換える本発明と、切り換えずに式
(3)、(4)のみを用いる場合の横滑り角の推定結果
である。即ち、図8の(a)のように、操舵を切り返し
ながら車速を増減したとき、本発明では横滑り角推定値
が発散することが無いが、式(3)、(4)のみを用い
る場合には横滑り角が車速が遅い場合に発散しており、
このとき粘性係数ρの推定もできないことがわかる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例な係る電動パワーステアリン
グ装置100のハードウェア構成図。
【図2】電動パワーステアリング装置100のモータ制
御装置200の制御ブロック・ダイヤグラム。
【図3】アシスト制御部20の構成を示すブロック図。
【図4】アシスト制御部20の作用原理に係わる物理公
式の公式表。
【図5】前輪横滑り角αfの推定手順を示したフローチ
ャート。
【図6】オンライン最小2乗法に基づいて粘性係数ρの
値を推定する推定手順のフローチャート。
【図7】横滑り角αfの推定方法を切換るためのフロー
チャート。
【図8】(a)は、横滑り角推定のための運転状況であ
る車速と操舵角の時間変化を示すグラフ図、(b)は、
(a)の状態で推定された横滑り角の時間変化を示すグ
ラフ図。
【符号の説明】
θp … ピニオン角 ωp … ピニオン角速度 Tp … 運転者の操舵トルク Ts … セルフアライニングトルク(SAT) Td … 外乱トルク(粘性トルクとSATの和) Tm … モータの出力トルク(補助トルク) g … ギヤ比 u … 車速 Je … 操舵系の回転運動に関する全慣性(イナーシ
ャ) d … 操舵系に作用する全トルク dh … 全トルクdの推定値 h … 下付きの添字(その変数が推定値であることを
示す) ρ … 粘性トルクのピニオン角速度ωpに係わる粘性
係数 αf … 前輪横滑り角 κ … 前輪横滑り角αfに対するセルフアライニング
トルクの勾配 A … 定数行列(3行×3列) B … 定数行列(3行×2列) C … 定数行列(3行×3列) D … 定数行列(3行×2列) G … オブザーバ・ゲイン(3行×2列の定数行列) x … 状態ベクトル(3行×1列の縦ベクトル) z … 状態ベクトル(2行×1列の縦ベクトル) k … 時刻tに対応し、離散化された時刻パラメータ
(配列引数) q(k) … ρ,κから成る推定値ベクトル(2行×1列
の縦ベクトル) K(k) … 状態ベクトル(2行×1列の縦ベクトル) P(k) … 可変行列(2行×2列)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B62D 119:00 B62D 119:00 137:00 137:00 (72)発明者 高橋 俊博 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工 機株式会社内 (72)発明者 小野 英一 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 Fターム(参考) 3D032 CC08 DA09 DA15 DA23 DA25 DA39 EB11 EC21 3D033 CA13 CA14 CA16 CA19

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気モータによりアシストトルクを付与
    するようにした電気式操舵制御装置において、 車速が所定値以上である第1車速領域では、車両の運動
    を表す状態方程式を用いて操舵輪の横滑り角を推定する
    第1横滑り角推定手段と、 車速が前記所定値より小さい第2車速領域では、前記横
    滑り角を操舵角に基づいて推定する第2横滑り角推定手
    段と、 前記第1横滑り角推定手段及び第2横滑り角推定手段に
    より推定された前記横滑り角を用いて、操舵角速度に依
    存した反力を与える操舵系の粘性係数に関連する物理量
    である粘性係数関連値を推定する粘性係数関連値推定手
    段と、 推定された前記粘性係数関連値に基づいて前記アシスト
    トルクを制御するアシストトルク制御手段とを有するこ
    とを特徴とする電気式操舵制御装置。
  2. 【請求項2】 電気モータによりアシストトルクを付与
    するようにした電気式操舵制御装置において、 加速中であって車速が第1の所定値以上である第1加速
    領域では、車両の運動を表す状態方程式を用いて操舵輪
    の横滑り角を推定する第1横滑り角推定手段と、 加速中であって車速が前記第1の所定値より小さい第2
    加速領域では、前記横滑り角を操舵角に基づいて推定す
    る第2横滑り角推定手段と、 減速中であって車速が第2の所定値以上である第1減速
    領域では、車両の運動を表す状態方程式を用いて操舵輪
    の横滑り角を推定する第3横滑り角推定手段と、 減速中であって車速が前記第2の所定値より小さい第2
    減速領域では、前記横滑り角を操舵角に基づいて推定す
    る第4横滑り角推定手段と、 前記第1乃至第4横滑り角推定手段により推定された前
    記横滑り角を用いて、操舵角速度に依存した反力を与え
    る操舵系の粘性係数に関連する物理量である粘性係数関
    連値を推定する粘性係数関連値推定手段と、 推定された前記粘性係数関連値に基づいて前記アシスト
    トルクを制御するアシストトルク制御手段とを有するこ
    とを特徴とする電気式操舵制御装置。
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