JP2003285167A - 溶接ロボットの給電機構 - Google Patents

溶接ロボットの給電機構

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JP2003285167A
JP2003285167A JP2002088986A JP2002088986A JP2003285167A JP 2003285167 A JP2003285167 A JP 2003285167A JP 2002088986 A JP2002088986 A JP 2002088986A JP 2002088986 A JP2002088986 A JP 2002088986A JP 2003285167 A JP2003285167 A JP 2003285167A
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power feeding
power
power supply
welding
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JP2002088986A
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Masaru Nishimura
大 西村
Toshiaki Miyahara
寿朗 宮原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パワーケーブルの内配化を促進すべく、旋回
フレーム近傍における配線をコンパクトにまとめること
ができるようにすること。 【解決手段】 旋回フレーム1とロボットベース2との
いずれかの一方側に給電リング8が取りつけられると共
に、その給電リングに摺接して通電する給電ブラシ9が
他方側に取りつけられる。そして、旋回フレーム1がロ
ボットベース2に対して旋回しても、給電リング8に接
続されたパワーケーブル3A及び給電ブラシ9に接続さ
れたパワーケーブル3Bのそれぞれがその接続箇所8
a,9aで動きを生じることなく、給電リング8と給電
ブラシ9とを介して溶接電流を溶接ツールに流すことが
できるようにする。これによって、パワーケーブルにた
るみを与えるといったことや捩れを含む無用な負荷が及
ぼされないようにして耐用性を向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は溶接ロボットにおけ
る給電機構に係り、詳しくは、溶接トーチ等に電流を流
すためのパワーケーブルのロボット動作に伴う無用な動
きを排除して、パワーケーブルの損耗を抑えると共にそ
の装備長さを短くできるようにした溶接用給電ケーブル
の配線構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】溶接ロボットは、溶接すべきワークに対
して連続的若しくは断続的に溶接トーチ等を変位させ、
所望する溶接をワークに施す。そのため、トーチを装備
したリンク体の各関節を適宜屈曲動作させることによ
り、リンク機構体先端のトーチを三次元空間で所望する
位置まで変位させることができるようにしている。又、
変位空間を自由に移動したり変位範囲を大きく変更する
ことができるように、リンク機構体は旋回フレームに搭
載されるなどする。
【0003】ワークに溶接を施す場合、ロボットにはそ
の動作を制御するための制御用ケーブルと、溶接用の電
流を流すためのパワーケーブルとが備えられる。前者は
制御装置であるコントローラとロボット本体までの間、
及びロボット本体を支持するベースとトーチの装着部位
までの何箇所かの間を接続する必要があり、関節の動き
を考慮したうえで個々のリンクに沿わせたり内蔵させる
などして配線されるものである。
【0004】この制御ケーブルはリンクの数即ち関節の
数に依存してその種類や長さが増減されるが、概してそ
れらの寸法は雑多であり且つ多数要求される。それらは
元来細くて柔軟性の高いものであり、その大部分はリン
ク内蔵が可能である。又、多数の制御ケーブルをフラッ
トケーブルのかたちで集約して扱う場合でも、その変形
性のよさを利してコンパクトに艤装できることが多い。
【0005】一方、溶接用の電流を流すためのパワーケ
ーブルは、往々にして大電流が流されるので太いものが
使用される傾向にある。従って、ケーブルとしての柔軟
性は余り期待できず、溶接ロボットの下腕や旋回フレー
ムの外側に配置され、又トーチに到るまでも全てのリン
ク体に沿わせるというより、図8に示すように、一・二
箇所の支持点は設けられるものの、パワーケーブル31
は溶接電源(電源箱)20から出た後、各リンクから少
し離れた空間を直接トーチ18まで導かれるなどの外配
構造とされることが多い。
【0006】そのロボット30のリンク数が少ないとき
や動きが小幅の場合更にはロボットの周囲に広い空間が
残されているような場合には、ケーブルのひきつれを防
止したり各リンクとの交錯を回避するために、幾分かの
余裕がたるみ32のかたちで与えられる。しかし、ロボ
ットが複雑な動きをしたり、ツールを大きく変位させた
り、高速で動かしたりする等の場合には、ケーブルの変
形許容程度や干渉物の有無を十分に配慮しなければなら
なくなる。
【0007】このような外配ケーブルはロボットの前後
・左右の動きや回転のたびに撓んだり伸びたりするの
で、たるみを与えておいてもケーブルに曲げや引っ張り
の負荷が掛かることは避けられない。又、低電圧高電流
運転形態が採られる関係から、長くなるほど給電損失は
増えることになる。
【0008】さりとて、ロボットの動作範囲をフルにカ
バーして給電しようとする場合、負荷を減らす意味では
たるみ量をますます大きく与えなければならない。それ
が大きい場合、地を這わせるなどすると消耗が激しくな
るのは避けられず、従って図8に示したハンガースタン
ド33を用いるなどして、動きに融通の効く吊り方で保
持するといった配慮を施している場合が多い。
【0009】その一方で、ロボットの性能は年々上がっ
てきており、高速で変位したり激しい加減速がなされる
とケーブルの随伴動作に大きな振れを伴ったり、空間に
余裕のない場合には周辺設置物に当たったり擦れたりし
て、その被覆が削られたり剥がれたりする。その補修を
怠ると溶接の最中に予想外の箇所でアーキングが発生し
たり、致命的な故障が惹き起こされることにもなりかね
ない。これは、パワーケーブルが制御ケーブル等よりは
太くて剛性が高いという理由で、旋回フレームやリンク
に内蔵させたくても納まり切れないという事情があるこ
とにもよるが、外配のこれが邪魔になることは言うまで
もない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このような事情から、
最近では柔軟性の低いパワーケーブルでさえ外配としな
い努力が払われつつある。この場合、たるみを少なくす
るか排除したうえで内蔵構造とするためにネックとなる
最たるところは、リンク機構体19を搭載する旋回フレ
ーム1とロボットベース2との間である。この旋回フレ
ームはロボットベースに対して水平に回転するものであ
り、幾つかの軸のうちの第一軸34として機能する部分
で、その動作が広範囲に要求されるところである。
【0011】旋回フレームは通常±185度回転するこ
とができるようにしている。これは360度以上をカバ
ーして何処でも所望する動作をできるだけ可能にしてお
くためであるが、この領域の全てにわたり給電を可能に
しようとすると、旋回フレーム近辺でのパワーケーブル
のたるませ量はかなりのものとなる。そのためにはスペ
ースが必要となるだけでなく、支持機構にも工夫を凝ら
して導入しなければならなくなる。
【0012】上記したハンガーを設置するなどしても大
きなたるみを吸収したり繰り出したりするための装置も
要求され、コスト高となり又メンテナンスにも手間ど
る。外配される場合はスパッタの飛来を受けたりヒュー
ムに曝されることになり、劣化しやすくなる状態を勘案
すれば、パワーケーブルは消耗品扱いせざるを得なくな
るということにもなる。
【0013】パワーケーブルの外配上避けられない問題
の幾つかを解消しようとする例として、特開平8−15
5881号公報に記載されたロボットの配線構造があ
る。これは、旋回フレームの垂直な旋回軸線に沿ってガ
イドチューブを配置し、その中にパワーケーブルを通す
というものである。旋回軸上にあるということはケーブ
ルに多くのたるみを要求するものでないゆえ、過大な長
さは排除され電力損失も抑制することができる。
【0014】しかし、この軸線に沿わせる配線の場合、
旋回フレームの旋回がパワーケーブルに捩れを強いるこ
とになる。捩れを±約180度確保しようとすると、そ
のケーブルの捩れ剛性を考慮して直線部を確保し、そこ
での捩れ許容部即ち捩れ吸収機能を発揮できる長さを十
分に与えておかなければならない。結果的にたるみを与
えるよりはケーブルが短くなるとはいえ、配線場所が一
義的に決まるので配線上の自由度が極めて狭められる。
【0015】しかも、上下方向に長い空間の確保が余儀
なくされることになり、ロボットの低層化が要求される
場合には、それに応えにくいものとなる。そのうえ、パ
ワーケーブルを固定することになる捩れ許容部の両端で
は、正逆回転のたびにケーブル被覆に周方向の力が集中
し、被覆に亀裂が生じたり被覆と導線との密着が低下す
るなどして、パワーケーブルの劣化を早める原因ともな
りかねない。
【0016】又、旋回フレーム上のリンクを回転させる
第二軸での俯仰を許容するためにはどうしてもたるみは
必要であるが、これを可能にしようとすると、ガイドチ
ューブの中でパワーケーブルを撓ませておくといったこ
とも必要となる。そのためにガイドチューブの径は小さ
くできず、旋回用モータや減速機が搭載される旋回フレ
ームへの内蔵は容易でなく、旋回フレームの大型化をき
たすいった問題も生じる。
【0017】本発明は上記の問題に鑑みなされたもの
で、その目的は、パワーケーブルの内配化を促進すべく
旋回フレーム近傍における配線をコンパクトにまとめる
ことができること、ケーブルにたるみを与えるといった
ことや捩れを含む無用な負荷が及ぼされないようにして
パワーケーブルの耐用性を向上させること、旋回フレー
ムの動きに応じた給電可能旋回範囲を適宜変更したり調
整できるようにすることを実現した溶接ロボットの給電
機構を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、溶接用電流を
流すためのパワーケーブルが溶接ロボットの先端部に装
着した溶接ツールに接続され、その溶接ツールを変位さ
せるためのリンク機構体を搭載した旋回フレームがロボ
ットベースに対して旋回可能に支持されている溶接ロボ
ットに適用される。その特徴とするところは、図1を参
照して、旋回フレーム1とロボットベース2とのいずれ
かの一方側に給電リング8が取りつけられると共に、そ
の給電リングに摺接して通電する給電ブラシ9が他方側
に取りつけられる。そして、旋回フレーム1がロボット
ベース2に対していずれの方向に旋回しても、給電リン
グ8に接続されたパワーケーブル3A及び給電ブラシ9
に接続されたパワーケーブル3Bのそれぞれがその接続
箇所8a,9aで動きを生じることなく、給電リング8
と給電ブラシ9とを介して溶接電流を溶接ツール18
(図4を参照)に流すことができるようにしたことであ
る。
【0019】給電リング8がロボットベース2の上縁部
外周に取りつけられ、給電ブラシ9は旋回フレーム1に
固定され、これを給電リング8の外面に摺接させておけ
ばよい。尚、図7の(c)に示すように、給電リング8
を旋回フレーム1の下縁部外周に取りつけ、給電ブラシ
9はロボットベース2に固定されて給電リング8の外面
に摺接させるようにしてもよい。
【0020】給電リング8は360度の完全リング体で
あってもよいし、図5の(a)のように360度未満の
不完全リング体8Aであってもよい。その不完全リング
体8Aは、周方向に位置替え可能に着装できるようにし
ておくと便利である。
【0021】給電リング8は、図6に示すように、円弧
状セグメント8sを複数並べたセグメント組合せ体とす
ることもできる。そのセグメント組合せ体は、導電セグ
メント8Yと絶縁セグメント8Zとを備えるようにして
おくこともできる。いずれにしても、その給電リングに
摺接する給電ブラシ9には図2に示すスプリング10を
設け、給電リング8に密着させるため背後から付勢力を
発揮させるようにしておくことが好ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る溶接ロボッ
トの給電機構を、その実施の形態に基づいて詳細に説明
する。図1は、溶接トーチ等の溶接ツールを変位させる
ためのリンク機構体を搭載した旋回フレーム1が、ロボ
ットベース2に対して旋回可能に支持されている構造を
示す。これには、特に、溶接トーチに図示しない溶接用
の電流を流すパワーケーブル3の内配機構が重点的に表
されている。
【0023】そのパワーケーブルに加えて多数の制御ケ
ーブル4も内配されているが、それらはフラットケーブ
ル化させるなどしたうえで蛇管5の中を這わせられる。
蛇管がロボットベース2、旋回フレーム1、図示しない
リンク機構体の中を通っており、各関節の軸を駆動する
モータの動きがその制御ケーブルを伝わる信号に基づい
てコントロールされ、又その動きを検出して制御装置と
してのコントローラに送り出されるようになっている。
【0024】旋回フレーム1はロボットベース2に対し
て±180度若しくはそれ以上旋回できるものである
が、その旋回軸として機能するロボットの第1軸は、そ
れを駆動するモータ6や減速機7に繋がっており、旋回
フレーム1やロボットベース2の中心部を避けて蛇管5
が這わされる。本発明においては、その中心部にパワー
ケーブル3も配し得ないことに鑑み、モータ等を囲繞す
る周囲の空間を利用すべく配慮されている。
【0025】そのために、旋回フレーム1とロボットベ
ース2とのいずれかの一方側に給電リング8を取りつけ
ておき、その給電リングに摺接して通電する給電ブラシ
9が他方側に取りつけられる。この部分ではパワーケー
ブルを電源箱側のパワーケーブル3Aとリンク側のパワ
ーケーブル3Bの二つに分断することになるが、電気的
には接続が維持されると共に、各パワーケーブルの分断
端の動きを完全に排除できるようになっている。
【0026】旋回フレーム1はロボットベース2の上面
に支持されるので、両者の合わせ面は原則的にはリング
状をなす。従って、具体的には、給電リング8をロボッ
トベース2の上縁部外周に取りつけることができ、これ
に対して給電ブラシ9は旋回フレーム1側に固定し、給
電リング8の外面に摺接させるようにしている。
【0027】その給電リング8は360度の完全リング
体としておけば、給電構造に制約されることもなく旋回
フレーム1を制御ケーブル4等の変形の許容される範囲
で旋回させることができるようになる。尚、給電ブラシ
9には、給電リング8に密着させるため背後から付勢す
るスプリング10が設けられる。その様子は図2におい
ても明瞭に把握することができる。これによって、給電
ブラシが少々磨滅しても両者の摺接状態は常時安定した
ものとなり、長期の稼働にも耐える構造が実現される。
【0028】このようにしておけば、旋回フレーム1が
ロボットベース2に対して旋回しても、給電リング8に
接続されたパワーケーブル3A及び給電ブラシ9に接続
されたパワーケーブル3Bのそれぞれが、その接続箇所
8a,9aで動きを生じさせることなく、給電リング8
と給電ブラシ9とを介して溶接電流を溶接トーチに流す
ことができる。
【0029】もう少し詳しく述べると、給電リング8は
図1に示すように、ロボットベース2の上縁に被さる形
の例えば銅製プレス加工品である。給電リング8は中抜
きされたフラット部8Fとその周縁から垂下した短いシ
リンダ部8Cとからなるようにしておけば、給電ブラシ
9との接触はシリンダ部8Cで行い、フラット部8Fは
ビス11などでロボットベース2の上面に固定しておく
ことができる。
【0030】図1の例ではフラット部8Fの内周縁の一
部に通電用のコネクタ12が設けられており、これが図
示しない電源箱から出ているパワーケーブル3Aと連結
される。尚、給電リング8には一般に大電流低電圧が掛
かるので、給電リング下に絶縁リング13が配され、ロ
ボットベース2自体へは電流が流れないように短絡防止
の配慮がなされる。
【0031】一方、旋回フレーム1はロボットベース2
の上面に支持されて旋回するものであるが、給電リング
8の上に直接載せるわけにはいかず、そのフラット部8
Fに絶縁盤14を載せて旋回フレーム1に対する電気的
絶縁が図られると共に、スライドシューとしても機能さ
せるようにしている。そのために、絶縁盤としては例え
ば硬いナイロン系の材料が採用される。
【0032】旋回フレーム1には旋回用の摺接面の外方
に給電ブラシ9が金具15を介するなどして取りつけら
れる。その給電ブラシ9は、例えばカーボン製のものが
採用される。金具15にはパワーケーブル3Bも連結さ
れ、それが蛇管16で保護されるなどして旋回フレーム
1を縦通する。第一リンク17との間の関節部分では曲
がりが必要となるが、蛇管16内で与えられる程度のた
るみで十分に対応させることができる。
【0033】このような構成により、電流は、パワーケ
ーブル3A、給電リング8、給電ブラシ9、パワーケー
ブル3Bを経て流されることになり、最も動きの大きい
第一軸の部分におけるパワーケーブル3A,3Bの動き
は一切なくなる。スプリング10によって給電リング8
の方向へ付勢されている給電ブラシ9は、給電リング8
のシリンダ部8Cの外周面と常時接触を保つ。
【0034】図3の旋回フレーム1の旋回動作に伴って
給電ブラシ9が左の図から右の図のように位置を変えて
も、その通電状態は維持される。又、図4の上から下に
示すように、溶接トーチ18が最も遠い位置から手前へ
引き戻されるようにリンク機構体19が動作しても、ロ
ボットベース2から電源箱20までのパワーケーブル3
Aは静止を保ち、パワーケーブル3Bの給電ブラシ9の
固定側も動くことはない。従って、パワーケーブル3A
は図のように地に這わしておくことができる。尚、図中
の符号21はワイヤ送給装置22によってリール23か
ら繰り出されて溶接トーチ18に送給される溶接ワイヤ
である。
【0035】これから分かるように、図8のようなハン
ガースタンド33は必要でなく、ロボットと電源箱との
間でのパワーケーブルの交錯は排除され、見た目もすっ
きりしたものとなる。パワーケーブルの内配化(内装
化)が図られ、旋回フレームの近傍の配線は極めてコン
パクトにまとまる。パワーケーブルにたるみや捩れは起
こらなく、長期にわたるパワーケーブルの耐用が実現さ
れる。
【0036】旋回フレームに対する給電可能範囲が大き
く確保される結果、1台のロボットの周囲に幾つものワ
ークを配置して順次溶接させたり、その溶接の間にワー
クを入れ替えるというようなことも可能となり、溶接作
業の能率向上におおいに寄与させることができる。
【0037】因みに、給電リングを360度未満、例え
ば図5の(a)のように270度の不完全リング体8A
としておくこともできる。この場合、その通電可能範囲
においてのみ溶接電流の供給が許容されることになるの
で、ロボットが過剰に旋回しても、給電ブラシが給電リ
ングの途切れた箇所に差しかった時点で少なくとも溶接
電流の流れが止まり、無用領域に向いているロボットに
対しての溶接電流の流れを阻んで、高い安全性が確保さ
れる。
【0038】この不完全リング体8Aは、装着溝24に
沿わせるなどして周方向にずらせて位置替え可能に着装
されていれば、動作範囲の変更に対しても簡単に対応さ
せることができる。電源箱に繋がるパワーケーブル(図
示せず)は無用領域位置を替える時には動かすことにな
るが、ロボットの稼働中動かないことは述べるまでもな
い。
【0039】図6は、給電リング8を円弧状セグメント
8sの複数個を並べたセグメント組合せ体で構成した例
である。銅製のセグメントパネルを止めビス25でロボ
ットベース2の装着溝24に貼着するようにしたもので
ある。尚、セグメント8sは図5の(b)に示すよう
に、両端オーバラップ式にしておけば、繋ぎ部分での給
電ブラシに対するトラブルの発生も抑えやすくなる。
【0040】この場合に形成される給電リング8は36
0度の完全リング体に構成させることも、図5の(a)
で述べたのと同様に、360度未満の不完全リング体と
しておくこともできる。作業範囲を考慮して必要な範囲
にのみ通電が可能となる。ロボットが予定外の向きとな
るまで旋回した場合には溶接電流を遮断しておくことが
できるのは、既に述べたとおりである。
【0041】このようなセグメント組合せ体方式とする
ならば、当然のことながらその貼着位置をワークの設置
位置若しくは作業環境に応じて予め変更しておくことが
できる。即ち、不完全リング体がロボットベース2の周
方向に位置替え可能に着装することができるようになっ
ていると、ロボットの電気的安全面での施策に制御ソフ
トを絡めるなどして多様性を持たせることができ、従っ
て柔軟性を持った稼働をロボットに行わせることができ
るようにもなる。
【0042】尚、セグメント組合せ体を、図6に示す導
電セグメント8Yと絶縁セグメント8Zとで構成させれ
ば、給電ブラシが絶縁セグメントと摺接する間は溶接電
流を遮断しておくことができるわけであり、これを溶接
工程上利用したり、暴走時の溶接電源緊急遮断用に供し
たりすることができる。
【0043】図7は、給電リング8と給電ブラシ9のそ
れぞれの取つけを旋回フレーム1とロボットベース2と
の間で逆にしたり、給電ブラシ9を給電リング8の内周
面に摺接させるようにした例を表した概略図である。
(a)は図1を模式化したそのままであり、(b)はそ
の内周摺接型である。(c)は、給電リング8が旋回フ
レーム1の下縁部外周に取りつけられ、給電ブラシ9は
ロボットベース2に固定されて、給電リング8の外面に
摺接しているものとなっている。(d)はその給電ブラ
シ9を給電リング8の内周摺接させたものである。
【0044】いずれにしても、パワーケーブルは符号の
3Aと3Bのものに分断され、その間を給電リング8と
給電ブラシ9で通電させ、パワーケーブル3A,3Bに
何らのひきつれや捩れが発生しないようになっている。
勿論、パワーケーブル3B側にたるみを与えるにしても
僅かでよく、ロボットの小型化や低層化を推し進めるう
えでも都合のよいものとなる。
【0045】内面摺接型の場合は給電リングの露出が回
避されて安全面では極めて都合よいが、狭いロボットベ
ース2や旋回フレーム1内での給電ブラシのメンテナン
スにやや難がつきまとう。一方、外面摺接型の場合には
防護シールド26(図7の(a)や(c)を参照)を設
けるなどの配慮が必要となるが、給電ブラシ9のメンテ
ナンス性は極めてよくなる利点がある。
【0046】以上の説明から分かるように、本発明は、
溶接電流を流すパワーケーブルが採用された溶接ロボッ
トであれば適用でき、各種のアーク溶接において使用す
ることができる。勿論、この種の思想は、パワーケーブ
ルに限らずその他のケーブルにおいても、回転や旋回な
どの動作のある箇所で必要に応じて採用できるものであ
ることは言うまでもない。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、旋回フレームとロボッ
トベースのいずれかの一方側に給電リングを、他方に給
電ブラシを取りつけ、それを摺接させるようにしたの
で、旋回フレームがロボットベースに対して旋回して
も、給電リングに接続されたパワーケーブル及び給電ブ
ラシに接続されたパワーケーブルのそれぞれがその接続
箇所で何らの動きを生じさせることなく、溶接電流を溶
接ツールに流すことができるようになる。
【0048】従って、太くて変形の容易でないパワーケ
ーブルに対してたるみを与えておいたり捩れを強いるこ
とが少なくなり、パワーケーブルの損耗は可及的に抑え
られると共に耐用性の向上や保守作業の面からの簡素化
が図られる。パワーケーブルを周囲空間で支持する装置
も必要でなくなり、見栄えも向上して配線のコンパクト
化が推進される。旋回フレームの旋回範囲に応じて広範
な給電態勢を整えておくことができ、ロボットの迅速な
動きに対しても、給電リングと給電ブラシは円滑に対応
し、パワーケーブルがそれを規制するようなこともなく
なる。
【0049】給電リングをロボットベースの上縁部外周
に、給電ブラシを旋回フレームに固定して、給電ブラシ
を給電リングの外面に摺接させるようにしておけば、給
電機構を旋回フレームとロボットベースとの間の狭隘な
スペースに介装することができ、ロボットの大型化をき
たす虞もなくなる。その取付構造を逆にしても同じ効果
を奏することができ、設計上の柔軟性も高められる。
【0050】給電リングは360度の完全リング体とし
ておいたり、360度未満の不完全リング体としておく
ことも差し支えない。前者の場合には旋回フレームがい
ずれの方向にあっても給電態勢を維持できる。後者の場
合には、都合の悪い方向にあるときは予め溶接電流が流
れないようにして不測の事態の発生を可及的に少なくし
ておくことができる。
【0051】不完全リング体を周方向に位置換え可能に
着装できるようにしておけば、ワークや作業環境に応じ
た位置への給電のみが許容されることになる。旋回フレ
ームの動きに応じた給電可能旋回範囲を適宜変更したり
調整できることになり、従って、ロボットの暴走等によ
る無用のトラブルの発生の機会を減らしたり、適宜のタ
イミングで迅速に対応させたりすることが実現される。
【0052】給電リングをセグメント組合せ体とする場
合に、導電セグメントと絶縁セグメントとを備える構成
にしておけば、その都度の仕事環境に合わせた安全策を
柔軟に反映させることができ、緊急停止などに対しても
極めて有効に対処させることが可能となる。
【0053】給電ブラシを給電リングに密着させるため
ブラシ背後から付勢するスプリングを設けておけば、通
電不良をきたすことはなくなる。又、給電ブラシが擦り
減っても両者の密着は維持され、安定した溶接動作が長
期にわたり達成されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る溶接ロボットの給電機構を表し
た旋回フレーム下部の構造図。
【図2】 図1中のII−II線矢視図。
【図3】 旋回フレームが旋回した場合の給電ブラシの
移動を説明する俯瞰図。
【図4】 溶接ロボットの一連の稼働状態説明図。
【図5】 (a)は不完全リング体とした給電リングの
取付例、(b)は円弧状セグメントの連結の一例を説明
する断面図。
【図6】 円弧状セグメントにより給電リングを形成さ
せる場合の装着説明図。
【図7】 給電リングと給電ブラシとを旋回フレームや
ロボットベースに取りつける場合の変形例を表した概略
図。
【図8】 パワーケーブルを外配した場合のロボットの
動きを説明した動作図。
【符号の説明】
1…旋回フレーム、2…ロボットベース、3,3A,3
B…パワーケーブル、8…給電リング、8A…不完全リ
ング体、8Y…導電セグメント、8Z…絶縁セグメン
ト、8a…接続箇所、8s…セグメント、9…給電ブラ
シ、9a…接続箇所、10…スプリング、18…溶接ツ
ール(溶接トーチ)、19…リンク機構体、20…電源
箱、25…止めビス。
フロントページの続き Fターム(参考) 3C007 AS11 BS10 CT05 CT07 CY02 CY06 4E001 NB09

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶接用電流を流すためのパワーケーブル
    が溶接ロボットの先端部に装着した溶接ツールに接続さ
    れ、該溶接ツールを変位させるためのリンク機構体を搭
    載した旋回フレームがロボットベースに対して旋回可能
    に支持されている溶接ロボットにおいて、 前記旋回フレームとロボットベースとのいずれかの一方
    側に給電リングが取りつけられると共に、該給電リング
    に摺接して通電する給電ブラシが他方側に取りつけら
    れ、 前記旋回フレームがロボットベースに対して旋回して
    も、前記給電リングに接続されたパワーケーブル及び給
    電ブラシに接続されたパワーケーブルのそれぞれがその
    接続箇所で動きを生じることなく、上記給電リングと給
    電ブラシとを介して溶接電流を前記溶接ツールに流すこ
    とができるようにしたことを特徴とする溶接ロボットの
    給電機構。
  2. 【請求項2】 前記給電リングが前記ロボットベースの
    上縁部外周に取りつけられ、前記給電ブラシは旋回フレ
    ームに固定されて前記給電リングの外面に摺接している
    ことを特徴とする請求項1に記載された溶接ロボットの
    給電機構。
  3. 【請求項3】 前記給電リングが前記旋回フレームの下
    縁部外周に取りつけられ、前記給電ブラシはロボットベ
    ースに固定されて前記給電リングの外面に摺接している
    ことを特徴とする請求項1に記載された溶接ロボットの
    給電機構。
  4. 【請求項4】 前記給電リングは360度の完全リング
    体であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のい
    ずれか一項に記載された溶接ロボットの給電機構。
  5. 【請求項5】 前記給電リングは360度未満の不完全
    リング体であることを特徴とする請求項1ないし請求項
    3のいずれか一項に記載された溶接ロボットの給電機
    構。
  6. 【請求項6】 前記不完全リング体は、周方向に位置換
    え可能に着装されていることを特徴とする請求項5に記
    載された溶接ロボットの給電機構。
  7. 【請求項7】 前記給電リングは、円弧状セグメントを
    複数並べたセグメント組合せ体であることを特徴とする
    請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載された溶
    接ロボットの給電機構。
  8. 【請求項8】 前記セグメント組合せ体は、導電セグメ
    ントと絶縁セグメントとを備えていることを特徴とする
    請求項7に記載された溶接ロボットの給電機構。
  9. 【請求項9】 前記給電ブラシには、前記給電リングに
    密着させるため背後から付勢するスプリングが設けられ
    ていることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいず
    れか一項に記載された溶接ロボットの給電機構。
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