JP2003283835A - 画像処理装置 - Google Patents

画像処理装置

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JP2003283835A JP2002078495A JP2002078495A JP2003283835A JP 2003283835 A JP2003283835 A JP 2003283835A JP 2002078495 A JP2002078495 A JP 2002078495A JP 2002078495 A JP2002078495 A JP 2002078495A JP 2003283835 A JP2003283835 A JP 2003283835A
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Hiroyuki Shibaki
弘幸 芝木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 網点分離などの負荷の大きな処理をおこなわ
ずとも、網点上文字の鮮鋭性の向上や文字や網点におけ
る高調波歪みのない再生ができること。 【解決手段】 フィルタ処理手段103の各成分抽出手
段231〜238は、複数の周波数帯域・方向成分の信
号R1〜R8を抽出し、文字エッジ量算出手段240に
設けられた周波数、方向別の複数の文字エッジ量算出手
段241〜248は、複数の周波数帯域、方向別に文字
エッジ量を算出する。鮮鋭性制御手段250の各補正手
段251〜258は、文字エッジ量算出手段241〜2
48で算出された複数の周波数帯域、方向別の文字エッ
ジ量を基に独立した補正制御をおこなう。加算手段26
0は、入力された画像信号と鮮鋭性制御手段250の出
力を加算した画像信号を出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電子写真プロセ
スを用いたデジタル複写機、ファクシミリ装置などの画
像処理装置に適用され、特に画質向上のために入力画像
中の文字エッジ部の検出をおこない、その検出結果に基
づき適切な処理をおこなう画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】デジタル複写機、ファクシミリ装置など
の画像処理装置における画質向上の発明として画像の平
滑化処理がある。原稿中の網点で中間調が表現されてい
る部分を読みとって処理する場合には、網点によるモア
レを防ぐために絵柄処理用の平滑化が必要となる。一
方、網点上文字のような白地上文字以外の文字に対して
も同様に絵柄処理用の平滑化をおこなうと鮮鋭性が不十
分になり画質が劣ることになる。
【0003】このような文字の下地を考慮して画質向上
を図る従来技術としては、特開平8−181864号公
報に開示された発明がある。この発明は、入力画像の網
点部にレスポンスするような網点度算出フィルタを用
い、その結果に応じて平滑化処理を実施するものであ
る。入力画像から網点度を算出し、その網点度に応じた
画像補正をすることにより、白地上文字、網点上文字、
網点、写真などのあらゆる種類が混在した原稿に対して
もそれぞれに適切な画像補正がおこなえる方法を提案し
ている。
【0004】また、特開平6−223172号公報に開
示された従来技術は、画像データから複数の帯域信号を
生成し、少なくとも1つの帯域信号により画像データの
エッジ情報を抽出し、エッジ情報の分布により文字領域
を検出する構成である。この発明には、あるしきい値よ
りも大きい値をもつ帯域信号の密度を検出し、文字判定
をおこなう構成が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
8−181864号公報の技術では、網点上文字とい
う、白地上文字とは性質の異なる文字について満足な鮮
鋭性を得るために、別途、網点の検出処理が必要となっ
た。このような網点部の検出処理には大きな処理の負荷
を必要とした。
【0006】また、特開平6−223172号公報に開
示された技術を用いても、網点画像中などにおいても大
きな値をもつ帯域信号が存在するので、文字判定の精度
を向上できなかった。また、ダウンサンプリングをおこ
ないながら低い周波数帯域信号を生成するような構成で
あるため、判定の精度が悪いものであった。
【0007】また、上記従来法以外の問題解決法とし
て、網点ではないエッジ、すなわち文字エッジのみを抽
出し、その抽出結果に基づき鮮鋭性処理をおこなう方法
がある。この方法によれば、網点上の文字自身は強調さ
れて鮮鋭性が改善されるものの、網点上の文字に隣接す
る網点についても強調するため、結果的に文字にはない
凸凹を再現することとなり、全体的に見て網点上文字の
画質向上が図れるものではなかった。
【0008】この発明は、上述した従来技術による問題
点を解消するため、網点分離などの負荷の大きな処理を
おこなわずとも、網点上文字の鮮鋭性の向上や文字や網
点における高調波歪みのない再生ができる画像処理装置
を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決し、
目的を達成するため、請求項1の発明に係る画像処理装
置は、入力された画像信号に対し文字エッジ量を抽出
し、鮮鋭性の制御をおこなうことにより、網点上文字な
どを適切に再生し出力する画像処理装置において、入力
された画像信号から複数の周波数帯域別に文字エッジ量
を算出する文字エッジ量算出手段と、前記文字エッジ量
算出手段により算出された文字エッジ量に基づき空間周
波数の補正をおこなう鮮鋭性制御手段を備え、前記鮮鋭
性制御手段は、前記文字エッジ量算出手段において算出
された複数の周波数帯域別の文字エッジ量を基に、それ
ぞれに対応する入力された画像信号の周波数帯域で独立
した補正制御をおこなうことを特徴とする。
【0010】この請求項1の発明によれば、入力された
画像信号を複数の周波数帯域別に文字エッジ量を算出し
各周波数帯域で独立して空間周波数の補正をおこなうの
で、必要な鮮鋭性の確保および網点や文字における余分
な高周波成分の強調による高調波歪みを抑制でき、網
点、文字および網点上文字のいずれの原稿に対しても良
好な出力画像を得ることができる。
【0011】また、請求項2の発明に係る画像処理装置
は、入力された画像信号に対し文字エッジ量を抽出し、
鮮鋭性の制御をおこなうことにより、網点上文字などを
適切に再生し出力する画像処理装置において、入力され
た画像信号を複数の周波数帯域と複数の方向成分の係数
信号に分割して出力する帯域分割手段と、前記帯域分割
手段により分割された係数信号に基づき複数の周波数帯
域別に文字エッジ量を算出する文字エッジ量算出手段
と、前記文字エッジ量算出手段により算出された文字エ
ッジ量に基づき空間周波数の補正をおこなう鮮鋭性制御
手段を備え、前記鮮鋭性制御手段は、前記文字エッジ量
算出手段において算出された複数の周波数帯域別の文字
エッジ量を基に、それぞれ対応する係数信号の周波数帯
域で独立した補正制御をおこなうことを特徴とする。
【0012】この請求項2の発明によれば、入力された
画像信号を複数の周波数帯域別に文字エッジ量を算出し
各周波数帯域で独立して空間周波数の補正をおこなうの
で、必要な鮮鋭性の確保および網点や文字における余分
な高周波成分の強調による高調波歪みを抑制でき、網
点、文字および網点上文字のいずれの原稿に対しても良
好な出力画像を得ることができる。そして、文字エッジ
検出にウェーブレットなどの係数信号を使用して実現の
容易化が図れるようになる。
【0013】また、請求項3の発明に係る画像処理装置
は、入力された画像信号に対し文字エッジ量を抽出し、
鮮鋭性の制御をおこなうことにより、網点上文字などを
適切に再生し出力する画像処理装置において、入力され
た画像信号を複数の周波数帯域と複数の方向成分の係数
信号に分割して出力し、うち少なくとも1つの周波数帯
域については入力画像の画素を間引かずにおこなう帯域
分割手段と、前記帯域分割手段により分割された係数信
号に基づき複数の周波数帯域別に文字エッジ量を算出す
る文字エッジ量算出手段と、前記文字エッジ量算出手段
により算出された文字エッジ量に基づき空間周波数の補
正をおこなう鮮鋭性制御手段を備え、前記鮮鋭性制御手
段は、前記文字エッジ量算出手段において算出された複
数の周波数帯域別の文字エッジ量を基に、それぞれ対応
する係数信号の周波数帯域で独立した補正制御をおこな
うことを特徴とする。
【0014】この請求項3の発明によれば、入力された
画像信号を複数の周波数帯域別に文字エッジ量を算出し
各周波数帯域で独立して空間周波数の補正をおこなうの
で、必要な鮮鋭性の確保および網点や文字における余分
な高周波成分の強調による高調波歪みを抑制でき、網
点、文字および網点上文字のいずれの原稿に対しても良
好な出力画像を得ることができる。そして、文字エッジ
検出にウェーブレットなどの係数信号を使用して実現の
容易化が図れる。さらに、帯域分割するときに画像を間
引かずにウェーブレット変換などで係数変換することが
でき、より高精度な文字エッジ検出がおこなえるように
なる。逆変換の際に注目画素は周辺のより多くの係数か
ら影響を受けるので、隣接データ値の急激な変動に対し
てもディフェクトの少ない安定した画像の再生を図るこ
とができる。
【0015】また、請求項4の発明に係る画像処理装置
は、請求項1〜3のいずれか一つに記載の発明におい
て、前記文字エッジ量算出手段は、前記複数の周波数帯
域それぞれにおいて、複数の方向成分についての文字エ
ッジ量を算出し、それらの結果中の最大出力値を注目位
置における該当周波数帯域の文字エッジ量として出力す
ることを特徴とする。
【0016】この請求項4の発明によれば、複数の周波
数帯域と複数の方向成分における文字エッジ量に基づき
強調する方向を絞るため、文字の強調を図ることができ
るようになる。
【0017】また、請求項5の発明に係る画像処理装置
は、入力された画像信号に対し文字エッジ量を抽出し、
鮮鋭性の制御をおこなうことにより、網点上文字などを
適切に再生し出力する画像処理装置において、入力され
た画像信号から複数の周波数帯域別、かつ複数の方向成
分別に文字エッジ量を算出する文字エッジ量算出手段
と、前記文字エッジ量算出手段により算出された文字エ
ッジ量に基づき空間周波数の補正をおこなう鮮鋭性制御
手段を備え、前記鮮鋭性制御手段は、前記文字エッジ量
算出手段において算出された複数の周波数帯域、方向成
分別の文字エッジ量を基に、それぞれ対応する入力され
た画像信号の周波数帯域、方向成分で独立した補正制御
をおこなうことを特徴とする。
【0018】この請求項5の発明によれば、周波数帯域
別に加え方向別にも文字エッジ検出から鮮鋭性の制御ま
でを独立におこなうため、必要な周波数帯域、方向につ
いてのみの強調が可能となり、網点上文字においても文
字のエッジに沿った方向だけを強調することにより、文
字は強調でき、かつ隣接する網点の強調は抑制すること
ができるため、網点上文字の鮮鋭性および再現性をより
向上させることができるようになる。
【0019】また、請求項6の発明に係る画像処理装置
は、入力された画像信号に対し文字エッジ量を抽出し、
鮮鋭性の制御をおこなうことにより、網点上文字などを
適切に再生し出力する画像処理装置において、入力され
た画像信号を複数の周波数帯域と複数の方向成分の係数
信号に分割して出力する帯域方向分割手段と、前記分割
された係数信号に基づき複数の周波数帯域別かつ複数の
方向成分別に文字エッジ量を算出する文字エッジ量算出
手段と、前記文字エッジ量算出手段により算出された文
字エッジ量に基づき空間周波数の補正をおこなう鮮鋭性
制御手段を備え、前記鮮鋭性制御手段は、前記文字エッ
ジ量算出手段において算出された複数の周波数帯域、方
向成分別の文字エッジ量を基に、それぞれ対応する係数
信号の周波数帯域、方向成分で独立した補正制御をおこ
なうことを特徴とする。
【0020】この請求項6の発明によれば、周波数帯域
別に加え方向別にも文字エッジ検出から鮮鋭性の制御ま
でを独立におこなうため、必要な周波数帯域、方向につ
いてのみの強調が可能となり、網点上文字においても文
字のエッジに沿った方向だけを強調することにより、文
字は強調でき、かつ隣接する網点の強調は抑制すること
ができるため、網点上文字の鮮鋭性および再現性をより
向上させることができるようになる。また、文字エッジ
検出にはウェーブレットなどの係数信号を使用して実現
の容易化が図れるようになる。
【0021】また、請求項7の発明に係る画像処理装置
は、入力された画像信号に対し文字エッジ量を抽出し、
鮮鋭性の制御をおこなうことにより、網点上文字などを
適切に再生し出力する画像処理装置において、入力され
た画像信号を複数の周波数帯域と複数の方向成分の係数
信号に分割して出力し、うち少なくとも1つの周波数帯
域については入力画像の画素を間引かずにおこなう帯域
方向分割手段と、前記帯域方向分割手段で分割された係
数信号に基づき複数の周波数帯域別かつ複数の方向成分
別に文字エッジ量を算出する文字エッジ量算出手段と、
前記文字エッジ量算出手段により算出された文字エッジ
量に基づき空間周波数の補正をおこなう鮮鋭性制御手段
を備え、前記鮮鋭性制御手段は、前記文字エッジ量算出
手段において算出された複数の周波数帯域、方向成分別
の文字エッジ量を基に、それぞれ対応する係数信号の周
波数帯域、方向成分で独立した補正制御をおこなうこと
を特徴とする。
【0022】この請求項7の発明によれば、周波数帯域
別に加え方向別にも文字エッジ検出から鮮鋭性の制御ま
でを独立におこなうため、必要な周波数帯域、方向につ
いてのみの強調が可能となり、網点上文字においても文
字のエッジに沿った方向だけを強調することにより、文
字は強調でき、かつ隣接する網点の強調は抑制すること
ができるため、網点上文字の鮮鋭性および再現性をより
向上させることができるようになる。そして、文字エッ
ジ検出にウェーブレットなどの係数信号を使用して実現
の容易化が図れる。さらに、帯域分割するときに画像を
間引かずにウェーブレット変換などで係数変換すること
ができ、より高精度な文字エッジ検出がおこなえるよう
になる。逆変換の際に注目画素は周辺のより多くの係数
から影響を受けるので、隣接データ値の急激な変動に対
してもディフェクトの少ない安定した画像の再生を図る
ことができる。
【0023】また、請求項8の発明に係る画像処理装置
は、請求項6,7のいずれか一つに記載の発明におい
て、前記鮮鋭性制御手段は、前記文字エッジ量算出手段
において算出された文字エッジ量があらかじめ設定され
た判定用のしきい値より大きい場合には、文字エッジを
より強調する鮮鋭性制御をおこなうことを特徴とする。
【0024】この請求項8の発明によれば、周波数帯域
別に加え方向別にも文字エッジ検出から鮮鋭性の制御ま
でを独立におこなうため、必要な周波数帯域、方向につ
いてのみの強調が可能となり、網点上文字においても文
字のエッジに沿った方向だけを強調することにより、き
め細かなノイズ除去と文字の強調がおこなえるようにな
り、網点上文字の鮮鋭性および再現性をより向上させる
ことができるようになる。
【0025】また、請求項9の発明に係る画像処理装置
は、請求項8に記載の発明において、前記鮮鋭性制御手
段は、前記文字エッジ量算出手段がいずれかの周波数帯
域の縦、横方向に大きな文字エッジ量を算出した場合
に、該当する周波数帯域の斜方向成分について前記判定
用しきい値の値をより低い値に修正する機能を有するこ
とを特徴とする。
【0026】この請求項9の発明によれば、縦、横方向
の文字エッジ量に基づき斜方向についての文字エッジの
判定をおこないやすくなり、右斜方向や左斜方向、例え
ば、45度や135度などの検出角度とは正確に一致し
ない斜成分の文字エッジであっても検出を容易におこな
うことができる。
【0027】また、請求項10の発明に係る画像処理装
置は、請求項8に記載の発明において、前記鮮鋭性制御
手段は、複数の周波数帯域と複数の方向成分の係数信号
に分割された前記係数信号の絶対値が所定値よりも大き
い場合には該係数に所定の定数を乗算し、絶対値が所定
値よりも小さい場合には係数を0に置き換え出力するこ
とを特徴とする。
【0028】この請求項10の発明によれば、画像のノ
イズ除去による平滑化と、文字の強調の度合いを定めた
所定値の値によって、きめこまかに設定できるようにな
り、網点上文字の鮮鋭性および再現性の向上を図ること
ができる。
【0029】また、請求項11の発明に係る画像処理装
置は、請求項10に記載の発明において、前記鮮鋭性制
御手段は、前記文字エッジ量算出手段が斜方向に対し所
定の値より大きな文字エッジ量を算出した場合には、同
一周波数帯域の縦、横方向成分について無条件に前記係
数に乗算する定数を大きくし文字エッジをより強調する
鮮鋭性制御をおこなうことを特徴とする。
【0030】この請求項11の発明によれば、斜方向の
文字エッジが検出された場合に、斜方向の係数信号だけ
でなく、縦横方向の係数信号の鮮鋭性補正もより強調方
向に修正するため、縦横方向にも係数信号を保有する斜
方向のエッジ成分を十分に強調することができるように
なる。
【0031】また、請求項12の発明に係る画像処理装
置は、請求項10に記載の発明において、前記鮮鋭性制
御手段は、前記文字エッジ量算出手段が斜方向に対し所
定の値より大きな文字エッジ量を算出した場合には、同
一周波数帯域の縦、横方向成分について係数信号の絶対
値が前記所定値よりも小さいときに係数を0に置き換え
る前記処理を不実行とすることを特徴とする。
【0032】この請求項12の発明によれば、斜方向の
エッジ成分について縦横方向にも係数信号を保有する場
合、この縦横方向についても強調を施して文字の鮮鋭性
と画像の再現性を向上できるようになる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下に添付図面を参照して、この
発明に係る画像処理装置の好適な実施の形態を詳細に説
明する。
【0034】図1は、この発明の実施の形態にかかる画
像処理装置の全体構成を示すブロック図である。スキャ
ナなどの画像入力手段101には画像信号が入力され
る。スキャナγ処理手段102は、画像入力手段101
からの反射率リニアな画像データを濃度リニア、または
明度リニアの画像データに変換する。スキャナγ処理手
段102の機能はスルー(無効)にすることができる。
【0035】スキャナγ処理手段102からの画像デー
タは、フィルタ処理手段103に入力される。フィルタ
処理手段103は、所望の空間周波数特性となるよう画
像を変換する。フィルタ処理手段103から出力された
画像データはγ変換処理手段104にて所望の濃度特性
となるよう変換され、さらに中間調処理手段105にお
いて多値または2値画像データに変換される。
【0036】中間調処理手段105は、ディザ処理や、
誤差拡散など各種手法を用いることができる。中間調処
理手段105から出力された画像データは、電子写真プ
リンタなどの画像出力手段106に出力される。
【0037】(実施の形態1)この発明の画像処理装置
における実施の形態1の構成を説明する。図2は、実施
の形態1におけるフィルタ処理手段103の構成を示す
ブロック図である。フィルタ処理手段103に入力され
た画像信号(入力画像)は、成分抽出手段231〜23
8に入力され、複数の周波数帯域・方向成分の信号R1
〜R8が抽出される。
【0038】成分抽出手段231〜238は、高周波、
低周波、横方向、縦方向、右斜方向、左斜方向を組み合
わせてなる複数の手段で構成され、高周波・横方向成分
抽出手段231,高周波・縦方向成分抽出手段232,
…,低周波・左斜方向成分抽出手段238まで合計8つ
設けられる。これら成分抽出手段231〜238におけ
る信号R1〜R8の抽出には、それぞれ図3〜図10に
示すマトリクス状の係数を有するフィルタが用いられ
る。
【0039】文字エッジ量算出手段240は、抽出され
た信号R1〜R8を用いて入力された画像信号中の文字
やラインのような文字エッジ量の算出をおこなう。この
文字エッジ量算出手段240は、成分抽出手段231〜
238にそれぞれ対応した周波数、方向成分の文字エッ
ジ量を算出する。すなわち、高周波・横方向文字エッジ
量算出手段241,高周波・縦方向文字エッジ量算出手
段242,…,低周波・左斜方向文字エッジ量算出手段
248までの合計8つの手段を有する。
【0040】鮮鋭性制御手段250は、文字エッジ量算
出手段240での算出結果に応じて画像の強調処理およ
び平滑処理をおこなう。鮮鋭性制御手段250は、複数
の周波数、方向の文字エッジ量算出手段241〜248
にそれぞれ対応した8つの補正手段251〜258を有
する。これら鮮鋭性制御済みの各信号は加算手段260
により入力信号に加え合わせてフィルタ処理手段103
の出力画像として出力する。
【0041】このように、文字エッジ量算出手段240
で複数の周波数帯域・方向成分別に文字エッジ量の算出
をおこない、その算出結果を基に鮮鋭性制御手段250
で周波数帯域・方向成分別に独立した鮮鋭性の制御をお
こなう。
【0042】以下に、文字エッジ量算出手段240の動
作について図11〜図18を用いて詳細に説明する。文
字エッジ量算出手段240は、図2の成分抽出手段23
1〜238により抽出された複数の周波数帯域・方向成
分の信号R1〜R8を入力とし、信号R1〜R8によっ
て周波数帯域・方向成分別の各文字エッジ量算出手段2
41〜248によって低周波、高周波の領域、および横
方向、縦方向、右斜方向、左斜方向の文字エッジ量C1
〜C8の抽出をおこない出力する。
【0043】高周波・横方向文字エッジ量算出手段24
1では高周波・横方向の文字エッジ量C1を算出する。
注目画素における図3のフィルタ結果値F1を中心とし
て、その左右2画素ずつにおけるフィルタ結果値の合計
5画素分のフィルタ結果値を用いて、以下の条件式に従
って文字エッジ量C1を算出する。図11は、高周波・
横方向文字エッジ量算出手段241の文字エッジ量算出
過程を説明するための図である。
【0044】if(連続する5つのフィルタ結果値がす
べて同符号) then(C1=5つのフィルタ結果値の絶対値の最小
値) else(C1=0)
【0045】図示のように、横方向の画素A〜Eの連続
する5つの値が全て同符号の時、絶対値が最小のものを
注目画素の横方向の文字エッジ量C1とする。
【0046】高周波・縦方向文字エッジ量算出手段24
2では、高周波・縦方向の文字エッジ量C2を算出す
る。高周波・横方向文字エッジ量算出手段241の文字
エッジ量算出方法と同様にして、注目画素における図4
のフィルタ結果値F2を中心として、その上下2画素ず
つにおけるフィルタ結果値の合計5画素分のフィルタ結
果値を用いて、以下の条件式に従って文字エッジ量C2
を算出する。図12は、高周波・縦方向文字エッジ量算
出手段242の文字エッジ量算出過程を説明するための
図である。
【0047】if(連続する5つのフィルタ結果値がす
べて同符号) then(C2=5つのフィルタ結果値の絶対値の最小
値) else(C2=0)
【0048】図示のように、縦方向の画素A〜Eの連続
する5つの値が全て同符号の時、絶対値が最小のものを
注目画素の縦方向の文字エッジ量C2とする。
【0049】高周波・右斜方向文字エッジ量算出手段2
43では、高周波・右斜方向の文字エッジ量C3を算出
する。上記同様に、注目画素における図5のフィルタ結
果値F3を中心として、その右斜上下2画素ずつにおけ
るフィルタ結果値の合計5画素分のフィルタ結果値を用
いて、以下の条件式に従って文字エッジ量C3を算出す
る。図13は、高周波・右斜方向文字エッジ量算出手段
243の文字エッジ量算出過程を説明するための図であ
る。
【0050】if(連続する5つのフィルタ結果値がす
べて同符号) then(C3=5つのフィルタ結果値の絶対値の最小
値) else(C3=0)
【0051】図示のように、右斜方向の画素A〜Eの連
続する5つの値が全て同符号の時、絶対値が最小のもの
を注目画素の右斜方向の文字エッジ量C3とする。
【0052】高周波・左斜方向文字エッジ量算出手段2
44では、高周波・左斜方向の文字エッジ量C4を算出
する。上記同様に、注目画素における図6のフィルタ結
果値F4を中心として、その左斜上下2画素ずつにおけ
るフィルタ結果値の合計5画素分のフィルタ結果値を用
いて、以下の条件式に従って文字エッジ量C4を算出す
る。図14は、高周波・左斜方向文字エッジ量算出手段
244の文字エッジ量算出過程を説明するための図であ
る。
【0053】if(連続する5つのフィルタ結果値がす
べて同符号) then(C4=5つのフィルタ結果値の絶対値の最小
値) else(C4=0)
【0054】図示のように、左斜方向の画素A〜Eの連
続する5つの値が全て同符号の時、絶対値が最小のもの
を注目画素の左斜方向の文字エッジ量C4とする。
【0055】低周波・横方向文字エッジ量算出手段24
5では、低周波・横方向の文字エッジ量C5を算出す
る。高周波帯域の場合の算出方法と同様にして、注目画
素における図7のフィルタ結果値F5を中心として、そ
の左右2画素ずつにおけるフィルタ結果値の合計5画素
分のフィルタ結果値を用いて、以下の条件式に従って文
字エッジ量C5を算出する。図15は、低周波・横方向
文字エッジ量算出手段245の文字エッジ量算出過程を
説明するための図である。
【0056】if(連続する5つのフィルタ結果値がす
べて同符号) then(C5=5つのフィルタ結果値の絶対値の最小
値) else(C5=0)
【0057】図示のように、横方向の画素A〜Eの連続
する5つの値が全て同符号の時、絶対値が最小のものを
注目画素の横方向の文字エッジ量C5とする。
【0058】低周波・縦方向文字エッジ量算出手段24
6では、低周波・縦方向の文字エッジ量C6を算出す
る。上記の文字エッジ量算出方法と同様にして、注目画
素における図8のフィルタ結果値F6を中心として、そ
の上下2画素ずつにおけるフィルタ結果値の合計5画素
分のフィルタ結果値を用いて、以下の条件式に従って文
字エッジ量C6を算出する。図16は、低周波・縦方向
文字エッジ量算出手段246の文字エッジ量算出過程を
説明するための図である。
【0059】if(連続する5つのフィルタ結果値がす
べて同符号) then(C6=5つのフィルタ結果値の絶対値の最小
値) else(C6=0)
【0060】図示のように、縦方向の画素A〜Eの連続
する5つの値が全て同符号の時、絶対値が最小のものを
注目画素の縦方向の文字エッジ量C6とする。
【0061】低周波・右斜方向文字エッジ量算出手段2
47では、低周波・右斜方向の文字エッジ量C7を算出
する。上記同様にして、注目画素における図9のフィル
タ結果値F7を中心として、その右斜上下2画素ずつに
おけるフィルタ結果値の合計5画素分のフィルタ結果値
を用いて、以下の条件式に従って文字エッジ量C7を算
出する。図17は、低周波・右斜方向文字エッジ量算出
手段247の文字エッジ量算出過程を説明するための図
である。
【0062】if(連続する5つのフィルタ結果値がす
べて同符号) then(C7=5つのフィルタ結果値の絶対値の最小
値) else(C7=0)
【0063】図示のように、右斜方向の画素A〜Eの連
続する5つの値が全て同符号の時、絶対値が最小のもの
を注目画素の右斜方向の文字エッジ量C7とする。
【0064】低周波・左斜方向文字エッジ量算出手段2
48では、低周波・左斜方向の文字エッジ量C8を算出
する。上記同様にして、注目画素における図10のフィ
ルタ結果値F8を中心として、その左斜上下2画素ずつ
におけるフィルタ結果値の合計5画素分のフィルタ結果
値を用いて、以下の条件式に従って文字エッジ量C8を
算出する。図18は、低周波・左斜方向文字エッジ量算
出手段248の文字エッジ量算出過程を説明するための
図である。
【0065】if(連続する5つのフィルタ結果値がす
べて同符号) then(C8=5つのフィルタ結果値の絶対値の最小
値) else(C8=0)
【0066】図示のように、左斜方向の画素A〜Eの連
続する5つの値が全て同符号の時、絶対値が最小のもの
を注目画素の左斜方向の文字エッジ量C8とする。
【0067】次に、鮮鋭性制御手段250の処理内容に
ついて、図19と図20を用いて詳細に説明する。鮮鋭
性制御手段250では、図2に示すように、文字エッジ
量算出手段240で算出された各々の結果を利用して、
周波数・方向成分別に独立に画像信号の強調処理および
平滑化処理をおこなう。
【0068】具体的には、文字エッジ量算出手段240
の結果(文字エッジ量)C1〜C8に応じて、周波数・
方向成分別に抽出した信号R1〜R8に対し、それぞれ
補正手段251〜258によって所定の補正をおこな
う。
【0069】図19は、補正手段251〜258の構成
を示すブロック図である。同図を用いて補正処理の内容
を説明する。図示のように、補正手段251〜258の
パラメータ設定部1901は、文字エッジ量の大きさに
基づいて周波数・方向成分別の所定の強調係数βと、ノ
イズ除去しきい値Thrを出力する。
【0070】図20は、演算器1902における信号の
入出力状態を示す図表である。演算器1902は、入力
された周波数方向成分別入力信号Dinの絶対値がノイ
ズ除去しきい値Thrよりも小さい場合には、補正後信
号Doutの値を0として出力する。また、入力された
周波数方向成分別入力信号Dinの絶対値が所定のノイ
ズ除去しきい値Thr以上の場合には、入力された周波
数方向成分別入力信号Dinの信号値に強調係数βを乗
じる演算をおこない、その結果を補正後信号Doutと
して出力する。この補正後信号Doutは、図2に示す
補正手段251〜258における出力E1〜E8に相当
する。
【0071】ここで、パラメータ設定部1901では、
文字エッジ量の大きさが周波数・方向成分別の所定の判
定しきい値Thaより大きい場合には、文字領域用の強
調係数βとノイズ除去しきい値Thrを出力し、文字エ
ッジ量の大きさが判定しきい値Thaより小さい場合に
は、絵柄領域用の強調係数βとノイズ除去しきい値Th
rを出力する。
【0072】以上説明したような処理をおこなうことに
よって、ノイズ除去しきい値Thrより小さな信号成分
は、ノイズとして除去され平滑化を施した画像となり、
ノイズ除去しきい値Thr以上の信号成分は、β倍(β
>1)されるため差分成分が増大し強調処理を施した画
像が得られる。上述のThr,βは、異なる周波数帯
域、異なる方向成分ごと個別の値を設定することによ
り、それぞれの帯域、方向ごとに除去する高周波成分の
大きさと強調度合いを制御できるので、きめこまかなノ
イズ除去(平滑化)と強調をおこなうことが可能とな
る。
【0073】また、パラメータ設定部1901で、文字
エッジ量の大きさに応じて文字領域と絵柄領域を判別
し、パラメータ群の切り替えをおこなっていることによ
り、文字領域においては強調係数βを絵柄領域よりも大
きな値とし、文字や線画部において十分な鮮鋭性が得ら
れるよう設定することができる。逆に、ノイズ除去しき
い値Thrを小さな値に設定することにより、比較的微
小な濃度変化も強調することができ、文字や線画部の鮮
鋭性を満足することができる。
【0074】この実施の形態1においては、文字エッジ
量算出手段240で周波数の帯域、方向の成分別に算出
された各々の文字エッジ量に基づいて、周波数、方向成
分別に独立して画像信号の鮮鋭性制御をおこなう。この
ため、必要な周波数、方向についてのみの強調が可能と
なる。例えば、網点上文字においても文字のエッジに沿
った方向だけを強調させて、文字を強調し、かつ隣接す
る網点の強調は抑制することができるようになり、特に
網点上文字の鮮鋭性および再現性を向上させることがで
きる。また、必要な周波数帯域についてのみの強調が可
能であることから、再生画像で必要な鮮鋭性を確保しつ
つ、網点や文字における余分な高周波成分の強調による
高調波歪みを抑制することもできるようになる。
【0075】(実施の形態2)この発明の実施の形態2
は、文字エッジ量算出手段240において高周波、低周
波の帯域別に文字エッジ量を算出し、鮮鋭性制御手段2
50においてその各々の結果に基づき独立した鮮鋭性制
御をおこなう構成である。
【0076】図21は、実施の形態2におけるフィルタ
処理手段103の構成を示すブロック図である。図示の
ように、文字エッジ量算出手段240には、高周波およ
び低周波の帯域別に最大値算出手段(MAX)212
1,2122を設けてなる。
【0077】高周波帯域においては、横,縦,右斜,左
斜の各方向の文字エッジ量算出結果C1〜C4の最大値
が最大値算出手段2121で算出され、高周波帯域文字
エッジ量C11として出力する。その結果に基づき、鮮
鋭性制御手段250は高周波帯域信号R1〜R4の鮮鋭
性制御をおこなう。
【0078】低周波帯域についても、横,縦,右斜,左
斜の各方向の文字エッジ量算出結果C5〜C8の最大値
が最大値算出手段2122で算出され、低周波帯域文字
エッジ量C22として出力する。その結果に基づき、鮮
鋭性制御手段250は低周波帯域信号R5〜R8の鮮鋭
性制御をおこなう。
【0079】鮮鋭性制御手段250の各補正手段251
〜258は、入力される周波数帯域別の文字エッジ量の
大きさに基づき、文字領域用、あるいは絵柄領域用いず
れかのパラメータThr,βを設定し、異なる周波数帯
域、異なる方向成分ごと個別の値を設定する。これによ
り、それぞれの帯域、方向ごとに除去する高周波成分の
大きさと強調度合いを制御でき、きめこまかなノイズ除
去(平滑化)と強調をおこなうことが可能となる。
【0080】(実施の形態3)この発明の実施の形態3
は、フィルタ処理手段103をウェーブレット(Wav
elet)係数信号を用いて構成したものである。図2
2は、この実施の形態3によるフィルタ処理手段103
の構成を示すブロック図である。
【0081】図22に示すように、入力される画像信号
(入力画像)Sは、多重解像度変換手段2207に入力
され、複数の画像帯域信号Wに分解される。文字エッジ
量算出手段2208は、分解された画像信号Wを用いて
入力された画像信号中の文字やラインのような文字エッ
ジ量Dの算出をおこなう。
【0082】鮮鋭性制御手段2209は、文字エッジ量
算出手段2208の出力Dに応じて画像の強調処理およ
び平滑処理をおこなう。図22には明示しないが、文字
エッジ量算出手段2208は、複数の周波数帯域、方向
成分別に文字エッジ量の算出をおこない、その算出結果
を基に鮮鋭性制御手段2209は周波数帯域、方向成分
別に独立に鮮鋭性の制御をおこなう。これら文字エッジ
量算出手段2208および鮮鋭性制御手段2209の詳
細については後述する。復元処理手段2210は、鮮鋭
性制御手段2209の出力Fに基づき実空間画像信号I
Wに変換し、出力画像として出力する。
【0083】図23は、多重解像度変換手段2207の
構成を示すブロック図である。図示のように、多重解像
度変換手段2207は、ウェーブレット変換によって実
現している。入力された画像信号Sは、まずローパスフ
ィルタG(x)2301およびハイパスフィルタH
(x)2302によって×方向にウェーブレット変換さ
れる。
【0084】図24は、ローパスフィルタおよびハイパ
スフィルタのフィルタ特性を示す図である。ローパスフ
ィルタG(x)2301は、図24(A)に示すような
平均値成分を求めるような低周波成分抽出用フィルタで
ある。ハイパスフィルタH(x)2302は、図24
(B)に示すような差分成分を求めるような高周波成分
抽出用フィルタである。
【0085】この実施の形態3では、図24に示す特性
のウェーブレット基底関数(Haar)を例に説明す
る。求められた画像信号に対し、フィルタ群2303,
2304,2305,2306によってy方向のウェー
ブレット変換が施される。以上の変換によって求められ
るのが1階層のウェーブレット係数である。
【0086】図23に記載した1st−LLは1階層の
低周波成分であり、原画像に対して2×2画素の平均値
を求めた画像信号となっている。また、1st−LHは
1階層の横方向高周波成分であり、ナイキスト周波数に
あたる横方向のエッジ信号を抽出したような画像信号と
なっている。同様に1st−HLは1階層の縦方向高周
波成分であり縦方向のエッジ信号を、1st−HHは斜
方向のエッジ信号を抽出したような画像信号となってい
る。
【0087】図25は、ウェーブレット変換前後の画素
の状態を示す図である。図示のように、a,b,c,d
の2×2画素ブロックに対してウェーブレット変換が平
均値及び各方向のエッジ成分を抽出する変換となる。
【0088】求められた1st−LL信号に対し、同様
の手順で2階層のウェーブレット変換がおこなわれ、フ
ィルタ群2307〜2312によって変換された画像信
号2nd−LL,2nd−LH,2nd−HL,2nd
−HHを得る。
【0089】2nd−LLは4×4画素の平均値を求め
た画像信号であり、1階層より低周波帯域の画像信号で
ある。また、同様に2nd−LHは1st−LHよりも
低周波帯域の成分であり、ナイキスト周波数の1/2の
周波数帯域の横方向エッジを抽出した画像信号である。
同様に2nd−HLは2階層の縦方向高周波成分であり
より低周波な縦方向エッジ信号を、2nd−HHは斜方
向のエッジ信号を抽出したような画像信号となってい
る。以上のようにして、2階層までのウェーブレット係
数信号W(1st−LL〜1st−HH,2nd−LL
〜2nd−HH)を得る。
【0090】次にこの実施の形態3において特徴的な構
成である、文字エッジ量算出手段2208および鮮鋭性
制御手段2209について説明する。図26は、文字エ
ッジ量算出手段2208および鮮鋭性制御手段2209
の構成を示すブロック図である。
【0091】この実施の形態3では、文字エッジ量算出
手段2208で複数の周波数帯域、方向成分別に文字エ
ッジ量の算出をおこない、その算出結果を基に鮮鋭性制
御手段2209で周波数帯域、方向成分別に独立に鮮鋭
性の制御をおこなうよう構成されている。以下に、文字
エッジ量算出手段2208の処理内容について図26〜
図36を用いて詳細に説明する。
【0092】文字エッジ量算出手段2208は、多重解
像度変換手段2207から出力されたウェーブレット係
数信号Wを入力とし、係数信号Wから周波数帯域、方向
成分別の文字エッジ量算出手段2611,2612,2
613,2614,2615,2616によって1階層
帯域および2階層帯域それぞれについて横方向、縦方
向、斜方向の文字エッジ量D1,D2,D3,D4,D
5,D6の抽出をおこない出力する。これら周波数帯域
・方向成分別の文字エッジ量算出手段2611〜261
6の処理内容について説明する。
【0093】1階層・横方向文字エッジ量算出手段26
11では、1階層・横方向の文字エッジ量D1を算出す
る。注目画素位置に対応する1階層LH(1LH)係数
K1と、その左右2係数ずつの合計5係数を用いて、以
下の条件式に従ってD1を算出する。図27は、1階層
・横方向文字エッジ量算出手段2611の文字エッジ量
算出過程を説明するための図である。
【0094】if(連続する5つの1LH係数がすべて
同符号) then(D1=5つの1LH係数中の絶対値の最小
値) else(D1=0)
【0095】図示のように、横方向に連続する1LH係
数が全て同符号の時、絶対値が最小のものを注目画素の
横方向の文字エッジ量D1とする。
【0096】1階層・縦方向文字エッジ量算出手段26
12では、1階層・縦方向の文字エッジ量D2を算出す
る。横方向の文字エッジ量算出方法と同様にして、注目
画素位置に対応する1階層HL(1HL)係数K2と、
その上下2係数ずつの合計5係数を用いて、以下の条件
式に従ってD2を算出する。図28は、1階層・縦方向
文字エッジ量算出手段2612の文字エッジ量算出過程
を説明するための図である。
【0097】if(連続する5つの1HL係数がすべて
同符号) then(D2=5つの1HL係数中の絶対値の最小
値) else(D2=0)
【0098】図示のように、縦方向に連続する1LH係
数が全て同符号の時、絶対値が最小のものを注目画素の
縦方向の文字エッジ量D2とする。
【0099】図29は、周波数帯域・方向成分別文字エ
ッジ量算出手段2913の構成を示すブロック図であ
る。この図は、図26に記載の1階層・斜方向文字エッ
ジ量算出手段2613に相当する。この周波数帯域・方
向成分別文字エッジ量算出手段2913は、1階層・右
斜方向文字エッジ量算出手段2923と、1階層・左斜
方向文字エッジ量算出手段2924と、最大値算出手段
2925とによって構成されている。
【0100】この周波数帯域・方向成分別文字エッジ量
算出手段2913では、縦,横方向のエッジ量算出とは
異なり、1階層・右斜方向文字エッジ量算出手段292
3で1階層・右斜方向の文字エッジ量D3Rを算出し、
1階層・左斜方向文字エッジ量算出手段2924で1階
層・左斜方向の文字エッジ量D3Lを算出し、最大値算
出手段2925は、これらの最大値を1階層・斜方向文
字エッジ量D3として出力する。
【0101】1階層・右斜方向の文字エッジ量D3Rの
算出方法を説明する。縦・横方向のエッジ量算出方法と
同様にして、注目画素位置に対応する1階層HH(1H
H)係数K3と、その右斜方向の隣接2係数ずつの合計
5係数を用いて、以下の条件式に従ってD3Rを算出す
る。図30は、1階層・右斜方向文字エッジ量算出手段
2923の文字エッジ量算出過程を説明するための図で
ある。
【0102】if(右斜方向に連続する5つの1HH係
数がすべて同符号) then(D3R=5つの1HH係数中の絶対値の最小
値) else(D3R=0)
【0103】図示のように、右斜方向に連続する1HH
係数が全て同符号の時、絶対値が最小のものを注目画素
の右斜方向の文字エッジ量D3Rとする。
【0104】1階層・左斜方向の文字エッジ量D3Lの
算出方法を説明する。1階層・右斜方向の文字エッジ量
D3Rの算出方法と同様にして、注目画素位置に対応す
る1階層HH(1HH)係数K4と、その左斜方向の隣
接2係数ずつの合計5係数を用いて、以下の条件式に従
ってD3Lを算出する。図31は、1階層・左斜方向文
字エッジ量算出手段2924の文字エッジ量算出過程を
説明するための図である。
【0105】if(左斜方向に連続する5つの1HH係
数がすべて同符号) then(D3L=5つの1HH係数中の絶対値の最小
値) else(D3L=0)
【0106】図示のように、左斜方向に連続する1HH
係数が全て同符号の時、絶対値が最小のものを注目画素
の左斜方向の文字エッジ量D3Lとする。
【0107】以上で算出された1階層・右斜方向の文字
エッジ量D3Rと、1階層・左斜方向の文字エッジ量D
3Lは、最大値算出手段2925に入力される。最大値
算出手段2925は、これら算出結果の最大値を1階層
・斜方向文字エッジ量D3として出力する。
【0108】2階層・横方向文字エッジ量算出手段26
14では、2階層・横方向の文字エッジ量D4を算出す
る。1階層の場合の算出方法と同様にして、注目画素位
置に対応する2階層LH(2LH)係数K5と、その左
右2係数ずつの合計5係数を用いて、以下の条件式に従
ってD4を算出する。図32は、2階層・横方向文字エ
ッジ量算出手段2614の文字エッジ量算出過程を説明
するための図である。
【0109】if(連続する5つの2LH係数がすべて
同符号) then(D4=5つの2LH係数中の絶対値の最小
値) else(D4=0)
【0110】図示のように、横方向に連続する2LH係
数が全て同符号の時、絶対値が最小のものを注目画素の
横方向の文字エッジ量D4とする。
【0111】2階層・縦方向文字エッジ量算出手段26
15では、2階層・縦方向の文字エッジ量D5を算出す
る。横方向の文字エッジ量算出方法と同様にして、注目
画素位置に対応する2階層HL(2HL)係数K6と、
その上下2係数ずつの合計5係数を用いて、以下の条件
式に従ってD5を算出する。図33は、2階層・縦方向
文字エッジ量算出手段2615の文字エッジ量算出過程
を説明するための図である。
【0112】if(連続する5つの2HL係数がすべて
同符号) then(D5=5つの2HL係数中の絶対値の最小
値) else(D5=0)
【0113】図示のように、縦方向に連続する2HL係
数K6が全て同符号の時、絶対値が最小のものを注目画
素の縦方向の文字エッジ量D5とする。
【0114】図34は、周波数帯域・方向成分別文字エ
ッジ量算出手段3416の構成を示すブロック図であ
る。この構成は、図26に記載の2階層・斜方向文字エ
ッジ量算出手段2616に相当する。この周波数帯域・
方向成分別文字エッジ量算出手段3416は、2階層・
右斜方向文字エッジ量算出手段3426と、2階層・左
斜方向文字エッジ量算出手段3427と、最大値算出手
段3428とによって構成されている。
【0115】この2階層・斜方向文字エッジ量算出手段
3416では、1階層・斜方向の場合と同様にして、縦
・横方向のエッジ量算出とは異なり、2階層・右斜方向
文字エッジ量算出手段3426で2階層・右斜方向の文
字エッジ量D6Rを算出し、2階層・左斜方向文字エッ
ジ量算出手段3427で2階層・左斜方向の文字エッジ
量D6Lを算出し、最大値算出手段3428でこれらの
最大値を求め2階層・斜方向文字エッジ量D6として出
力する。
【0116】2階層・右斜方向文字エッジ量算出手段3
426は、注目画素位置に対応する2階層HH(2H
H)係数K7と、その右斜方向の隣接2係数ずつの合計
5係数を用いて、以下の条件式に従ってD6Rを算出す
る。図35は、2階層・右斜方向文字エッジ量算出手段
3426の文字エッジ量算出過程を説明するための図で
ある。
【0117】if(右斜方向に連続する5つの2HH係
数がすべて同符号) then(D6R=5つの2HH係数中の絶対値の最小
値) else(D6R=0)
【0118】図示のように、右斜方向に連続する2HH
係数K7が全て同符号の時、絶対値が最小のものを注目
画素の縦方向の文字エッジ量D6Rとする。
【0119】2階層・左斜方向文字エッジ量算出手段3
427は、2階層・右斜方向の文字エッジ量D6Rの算
出方法と同様にして、注目画素位置に対応する2階層H
H(2HH)係数K8と、その左斜方向の隣接2係数ず
つの合計5係数を用いて、以下の条件式に従ってD6L
を算出する。図36は、2階層・左斜方向文字エッジ量
算出手段3427の文字エッジ量算出過程を説明するた
めの図である。
【0120】if(左斜方向に連続する5つの2HH係
数がすべて同符号) then(D6L=5つの2HH係数中の絶対値の最小
値) else(D6L=0)
【0121】図示のように、左斜方向に連続する2HH
係数K8が全て同符号の時、絶対値が最小のものを注目
画素の縦方向の文字エッジ量D6Lとする。
【0122】以上で算出された2階層・右斜方向の文字
エッジ量D6Rと、2階層・左斜方向の文字エッジ量D
6Lの算出結果の最大値を2階層・斜方向文字エッジ量
D6として出力する。
【0123】上記の文字エッジ量算出手段2208によ
れば、入力画像の文字部や線画部においてはウェーブレ
ット係数信号の値が大きく連続性も大きくなる。また、
網点部においてはウェーブレット係数信号の値は大きい
が連続性が小さくなるという特性を積極的に用いて文字
エッジ量の算出をおこなう。ウェーブレット係数信号の
符号の連続性を検出することにより、網点分離のような
多大なハードを追加することなく網点部の分離が可能と
なり、フィルタ処理により強調が望まれる文字エッジ部
のみの抽出を実現することができる。
【0124】次に、鮮鋭性制御手段2209の動作につ
いて図37と図38を用いて詳細に説明する。鮮鋭性制
御手段2209では、文字エッジ量算出手段2208で
算出された各々の結果を利用して、周波数帯域、方向成
分別に独立に画像信号の強調処理および平滑化処理をお
こなう。
【0125】具体的には、文字エッジ量算出手段220
8の算出結果(出力)D1〜D6に応じて、1階層およ
び2階層ウェーブレット高周波成分係数1LH,1H
L,1HH,2LH,2HL,2HHに対し、補正手段
2617〜2622によって所定の補正をおこなうよう
構成している。
【0126】図37は、補正手段2617〜2622の
構成を示すブロック図である。補正手段2617〜26
22は、パラメータ設定部3729と、演算器3730
を有する。パラメータ設定部3729では、文字エッジ
量の大きさに基づいて、周波数帯域、方向成分別の所定
の強調係数αとノイズ除去しきい値Thnを演算器37
30に出力する。
【0127】図38は、演算器3730における信号の
入出力状態を示す図表である。演算器3730は、入力
された高周波成分係数信号Winの絶対値がノイズ除去
しきい値Thnよりも小さい場合には、補正後の高周波
成分係数信号Woutの値を0にし、入力された高周波
成分係数信号Winの絶対値が所定のノイズ除去しきい
値Thn以上の場合には、入力された高周波成分係数信
号Winの値に強調係数αを乗じる演算をおこない、そ
の結果を補正後の高周波成分係数信号Woutとして出
力する。
【0128】パラメータ設定部3729では、文字エッ
ジ量の大きさが周波数帯域、方向成分別にあらかじめ設
定した所定の判定しきい値Thbより大きい場合には、
文字領域用の強調係数αとノイズ除去しきい値Thnを
出力し、文字エッジ量の大きさが判定しきい値Thbよ
り小さい場合には、絵柄領域用の強調係数αとノイズ除
去しきい値Thnを出力する。図39は、このパラメー
タ設定部3729に設定されるパラメータの設定例を示
す図表である。この図に示すように、異なる周波数帯域
(1階層,2階層)、異なる方向成分(HL,LH,H
H)別に、文字領域および絵柄領域用の強調係数α,ノ
イズ除去しきい値Thnが設定される。
【0129】補正手段2617〜2622は、以上のよ
うな制御をおこなうことによって、ノイズ除去しきい値
Thnより小さな高周波成分をノイズとして除去し、平
滑化を施した画像を得ることができる。また、ノイズ除
去しきい値Thn以上の高周波成分は信号としてα倍
(α>1)されるため、差分成分が増大し強調処理を施
した画像が得られる。
【0130】ノイズ除去しきい値Thn,強調係数α
は、異なる周波数帯域(1階層,2階層)、異なる方向
成分(HL,LH,HH)ごとに個別に設定できるの
で、それぞれの帯域、方向ごとに除去する高周波成分の
大きさと強調度合いを制御でき、きめこまかなノイズ除
去(平滑化)と強調をおこなうことが可能となる。
【0131】また、パラメータ設定部3729では、文
字エッジ量の大きさに応じて文字領域と絵柄領域を判別
し、パラメータ群の切り替えをおこなっていることによ
り、文字領域においては強調係数αを絵柄領域よりも大
きな値とし、文字や線画部において十分な鮮鋭性が得ら
れるよう設定することができる。逆に、ノイズ除去しき
い値Thnは小さな値に設定することにより、比較的微
小な濃度変化も強調することができ、文字や線画部の鮮
鋭性を満足することができる。
【0132】特に、文字エッジ量算出手段2208は、
周波数帯域・方向成分別に算出された各々の文字エッジ
量に基づいて、周波数帯域、方向成分別に独立に画像信
号の鮮鋭性制御をおこなうため、必要な周波数帯域・方
向についてのみの強調が可能となる。例えば、網点上文
字においても文字のエッジに沿った方向だけを強調する
ことにより、文字を強調させ、かつ隣接する網点の強調
を抑制させて、特に網点上文字の鮮鋭性および再現性を
向上させることができる。また、必要な周波数帯域につ
いてのみの強調が可能であることから、再生画像で必要
な鮮鋭性は確保しつつ、網点や文字においては余分な高
周波成分の強調による高調波歪みを抑制することもでき
る。
【0133】上記の帯域に関しては、例えば、2階層の
高周波成分に対して最も強調度合いが高くなるように設
定する。一般的な原稿では、6本/mmに相当する画像
周波数付近での強調を大きくすることで6ポイント明朝
体などの小さな文字画像に対して十分な鮮鋭性を得るこ
とができる。なお、これよりも高周波帯域に対して過度
な強調をおこなうとノイズ成分を強調する恐れがあり好
ましくない。例えば、600dpiの解像度を有するス
キャナで読み取った画像信号を前提として、6本/mm
に相当する高周波成分は2階層の信号(2nd−HL,
2nd−LH,2nd−HH)となるので、2階層の強
調係数αを最も高く設定する。このように、スキャナの
解像度に応じて、どの階層の強調係数αを最も高くする
かを適宜設定する。
【0134】また、絵柄領域では、網点画像部における
モアレの発生を抑制するため、比較的小さな強調係数α
を適用する。特に、150線以上の高線数の網点画像に
対しては、網点構造の除去をおこない粒状性の向上を実
現するために、比較的大きなノイズ除去しきい値Thn
を設定する。
【0135】パラメータ設定部3729に対し、以上の
ようにパラメータを設定することで、文字領域および絵
柄領域(主に網点画像領域)に対して両者の画像品質を
両立する鮮鋭性制御をおこなうことができる。
【0136】図22に示すように、鮮鋭性制御手段22
09の出力Fは復元処理手段2210に入力され、実空
間画像IWに逆変換される。図40は、復元処理手段2
210の構成を示すブロック図である。復元処理手段2
210では、より高階層のウェーブレット係数信号から
処理がおこなわれる。鮮鋭性制御手段2209によって
補正された2階層係数信号(2nd−LL’,2nd−
HL’,2nd−LH’,2nd−HH’)は、逆変換
フィルタH(y)4010,4012と、逆変換フィ
ルタG(y)4009,4011によってy方向に逆
変換され、さらに逆変換フィルタH(x)4008
と、逆変換フィルタG(x)4007によって×方向
に逆変換される。
【0137】得られた画像信号は補正後の1階層LL信
号(1st−LL’)であり、1階層の他の補正後係数
信号(1st−HL’,1st−LH’,1st−H
H’)とともに、上記同様の逆変換フィルタ群4001
〜4006によって復元処理が施される。このようにし
てフィルタ処理後の実空間画像信号S’が得られる。
【0138】ところで、この実施の形態3におけるウェ
ーブレット変換は、通常圧縮処理などでおこなわれてい
るサブサンプリング(画素の間引き)を実施しない構成
をとっている。図41は、サブサンプリングをおこなう
ウェーブレット変換の構成を示すブロック図である。図
示のように、ハイパスフィルタ及びローパスフィルタに
よる処理をおこなった後、2画素に1画素間引く処理を
おこない、係数信号とする。逆変換では、アップサンプ
リングをおこない、逆変換フィルタによって逆変換をお
こなう。
【0139】図42は、この実施の形態3におけるウェ
ーブレット変換の構成を示すブロック図である。この図
に示すように、順変換の際にダウンサンプリングをおこ
なわない。図43は、ウェーブレット変換前後の画像サ
イズを示す図である。この図に示すように各階層、各方
向の係数信号の画像サイズは入力画像Orgと同サイズ
となる。逆変換時には、図42に示すように、eve
n、odd画素群別にそれぞれアップサンプリングをお
こない逆変換フィルタを施す。1つの原画像画素に対し
てeven画素群からの逆変換結果と、odd画素群か
らの逆変換結果が得られるので、これらを平均して逆変
換後の画像データとする。
【0140】以上のような、サブサンプリングをおこな
わない処理によって、高精度な画像特徴量の算出がおこ
なえるとともに、強調/平滑ムラのない高品位なフィル
タ処理をおこなうことができる。図44〜図46は画像
特徴量の算出を説明するための図である。これらの図に
示す原画像はいずれも同じであり、4画素周期で濃淡を
繰り返す信号である。図44と図45はサブサンプリン
グをおこなう場合の例であり、図46はサブサンプリン
グをおこなわない例(この実施の形態3の方式)を示す
ものである。なお、図44と図45は、サブサンプリン
グをおこなう画素が1画素ずれた場合の例を示すもので
ある。
【0141】図44に示す処理の場合、d1とd2の画
素対、d3とd4の画素対に対しておこなわれたウェー
ブレット係数信号を間引いた例であり、結果、d0とd
1の画素対、d2とd3の画素対に対する係数信号が残
る。例えば強調フィルタ処理のために、高周波成分に対
して2倍の強調係数を乗じて逆変換すると、d0とd1
の高周波成分50が2倍に増幅され、逆変換後のd0’
とd1’のデータ差は2倍となり、所望の強調処理がお
こなわれていることがわかる。
【0142】これに対し、図45に示すように、サブサ
ンプリングが1画素ずれた場合、d1とd2の画素対に
よって得られる高周波成分は0となり、強調係数を乗じ
ても高周波成分は増幅されず、図のように原信号と何ら
変わらない結果となり、所望の強調処理がおこなわれて
いないことがわかる。このようにサブサンプリングをお
こなう変換系では、そのサンプリング位置によって正し
く周波数特性の補正がおこなえない場合がある。
【0143】実施の形態3で説明した、サブサンプリン
グをおこなわないウェーブレット変換によれば、上記各
問題を解消できるようになる。すなわち、サブサンプリ
ングをおこなわないウェーブレット変換によれば、図4
6に示すように、図44と図45の結果を平均した結果
となり、漏れがなく周波数特性の補正がおこなえるよう
になる。また、強調処理のみならず、画像の特徴量を算
出する際にもサブサンプリングをおこなっていない信号
なので高精度な特徴量抽出がおこなえる。
【0144】この実施の形態3では、ウェーブレット基
底関数としてHaar型ウェーブレットを例にとった
が、他の基底関数でも同様なことが可能である。また、
ウェーブレット変換に限らず、画像を複数の周波数帯域
に分割するサブバンド変換、フーリエ変換、アダマール
変換、ラプラシアンピラミッドなどに対しても同様のこ
とがおこなえる。
【0145】(実施の形態4)図47は、この発明の実
施の形態4における文字エッジ量算出手段4708の構
成を示すブロック図である。実施の形態3の構成と比較
して、2階層・斜方向の文字エッジ量を算出する2階層
・斜方向文字エッジ量算出手段4716のみ、2HH係
数信号ではなく、1LL係数信号を入力として算出する
点が異なる。
【0146】図48は、2階層・斜方向文字エッジ量算
出手段4716の構成を示すブロック図である。2階層
・斜方向文字エッジ量算出手段4716は、2階層・右
斜方向文字エッジ量算出手段4826と、2階層・左斜
方向文字エッジ量算出手段4827と、最大値算出手段
4828からなる。
【0147】2階層・右斜方向文字エッジ量算出手段4
826は、1LL係数信号を入力として2階層・右斜方
向の文字エッジ量D6R’を算出する。2階層・左斜方
向文字エッジ量算出手段4827は、2階層・左斜方向
の文字エッジ量D6L’を算出する。最大値算出手段4
828は、これらの最大値を2階層・斜方向文字エッジ
量D6’として出力する。
【0148】この実施の形態4では、入力される1LL
係数信号そのままでは斜方向のエッジは検出できない。
このため、最初に2つの1LL係数を減算して斜方向の
エッジ量の大きさを表現できる補正LLを算出する。補
正LLは、右斜方向のエッジ量を表現する「補正LL
右」と、左斜方向のエッジ量を表現する「補正LL左」
の2種類がある。これら両方の「補正LL」とも文字エ
ッジ量算出方向への連続性が基準値以上ある場合に、注
目画素位置に対応する補正LL値を算出方向の文字エッ
ジ量とする。ここで連続性は6つの隣接補正LLの差分
値(の絶対値)の合計の大小をみることで代用してい
る。
【0149】まず、2階層・右斜方向の文字エッジ量D
6R’の算出方法を説明する。図49は、2階層・右斜
方向文字エッジ量算出手段4826による2階層・右斜
方向の文字エッジ量算出の過程を説明するための図であ
る。右斜方向の文字エッジ量算出の場合、図49(A)
「補正LL右」と、図49(B)「補正LL左」それぞ
れについて、右斜方向への隣接補正LLの差分値の合計
を算出し、両者ともあらかじめ定めたしきい値(th
1,th2)より小さい場合に、以下の条件式に従って
注目画素位置に対応するD6R’を算出する。
【0150】if((隣接「補正LL右」の差分値合計
≦thr1)&&(隣接「補正LL左」の差分値合計≦
thr2)) then(D6R’=注目画素位置に対応する「補正L
L右」の値) else(D6R’=0)
【0151】図示のように、(A)で隣接補正LL右の
差分値合計がしきい値thr1以下、かつ(B)で隣接
補正LL左の差分値合計がしきい値thr2以下の時、
注目画素位置に対応する補正LL右(補正LL右−3)
を右斜方向の文字エッジ量とする。
【0152】次に、2階層・左斜方向の文字エッジ量D
6L’の算出方法を説明する。図50は、2階層・左斜
方向文字エッジ量算出手段4827による2階層・左斜
方向の文字エッジ量算出の過程を説明するための図であ
る。左斜方向の文字エッジ量算出の場合、図50(C)
「補正LL左」と、図50(D)「補正LL右」それぞ
れについて、左斜方向への隣接補正LLの差分値の合計
を算出し、両者ともあらかじめ定めた基準値(th1,
th2)より小さい場合に、以下の条件式に従って注目
画素位置に対応するD6L’を算出する。
【0153】if((隣接「補正LL左」の差分値合計
≦thr1)&&(隣接「補正LL右」の差分値合計≦
thr2)) then(D6L’=注目画素位置に対応する「補正L
L左」の値) else(D6L’=0)
【0154】図示のように、(C)で隣接補正LL左の
差分値合計がしきい値thr1以下、かつ(D)で隣接
補正LL右の差分値合計がしきい値thr2以下の時、
注目画素位置に対応する補正LL左(補正LL左−3)
を左斜方向の文字エッジ量とする。
【0155】これら、算出された2階層・右斜方向の文
字エッジ量D6R’と、2階層・左斜方向の文字エッジ
量D6L’の算出結果は最大値算出手段4828に入力
される。最大値算出手段4828は、これらの最大値を
2階層・斜方向文字エッジ量D6’として出力する。
【0156】この実施の形態4で説明したように、斜方
向の文字エッジ量算出の際に、HH係数に代わり、より
高精度に文字エッジの抽出が可能な補正LL係数を用い
る構成とすれば、入力画像の文字領域、非文字領域の切
り分け、特に網点部の誤判定をさらに低減することが可
能となる。これにより、再生画像で必要な鮮鋭性を確保
しつつ、網点や文字においては余分な高周波成分の強調
による高調波歪みを抑制した高品位な出力画像を得るこ
とができるようになる。
【0157】(実施の形態5)図51は、この発明の実
施の形態5による文字エッジ量算出手段5108の構成
を示すブロック図である。図示のように、文字エッジ量
算出手段5108は、1階層、2階層でそれぞれ周波数
帯域別の文字エッジ量を算出し、鮮鋭性制御手段220
9は、その各々の結果に基づいて独立に鮮鋭性制御をお
こなう構成である。
【0158】図51に示すように、1階層については、
1階層・横方向文字エッジ量算出手段2611で1階層
横方向の文字エッジ量算出結果D1を算出し、1階層・
縦方向文字エッジ量算出手段2612で1階層・縦方向
の文字エッジ量算出結果D2を算出し、1階層・斜方向
文字エッジ量算出手段2613で1階層・斜方向の文字
エッジ量算出結果D3を算出する。これら1階層の各方
向の文字エッジ量算出結果D1,D2,D3は最大値算
出手段5109に入力される。
【0159】最大値算出手段5109は、これら文字エ
ッジ量の算出結果D1,D2,D3の最大値を算出し、
1階層文字エッジ量D11として出力し、その結果に基
づいて、鮮鋭性制御手段2209において1階層係数信
号の鮮鋭性制御をおこなう。
【0160】2階層についても、2階層・横方向文字エ
ッジ量算出手段2614で2階層横方向の文字エッジ量
算出結果D4を算出し、2階層・縦方向文字エッジ量算
出手段2615で2階層・縦方向の文字エッジ量算出結
果D5を算出し、2階層・斜方向文字エッジ量算出手段
2616で2階層・斜方向の文字エッジ量算出結果D6
を算出する。これら2階層の各方向の文字エッジ量算出
結果D4,D5,D6は最大値算出手段5110に入力
される。
【0161】最大値算出手段5110は、これら文字エ
ッジ量の算出結果D4,D5,D6の最大値を算出し、
2階層文字エッジ量D22として出力し、その結果に基
づいて、鮮鋭性制御手段2209において2階層係数信
号の鮮鋭性制御をおこなう。
【0162】鮮鋭性制御手段2209においては、入力
される周波数帯域別の文字エッジ量の大きさに基づき文
字領域用、絵柄領域用いずれかのパラメータが設定さ
れ、周波数帯域・方向成分帯域別に高周波成分係数信号
に対し前述同様の演算を実施し、補正後高周波成分係数
信号Fを復元処理手段2210に出力する。
【0163】(実施の形態6)この発明の実施の形態6
は、斜方向の文字エッジ強調をより確実に実施する構成
である。図52は、この実施の形態6による文字エッジ
量算出手段2208と鮮鋭性制御手段2209の構成を
示すブロック図である。
【0164】前述した実施の形態3においては、文字エ
ッジ量算出手段2208において各周波数帯域・各方向
成分別に算出された文字エッジ量のみを鮮鋭性制御手段
2209で対応する係数信号の鮮鋭性制御に反映させる
構成であった。これに対し、この実施の形態6では、図
52に示すように、斜方向の鮮鋭性制御については、同
一周波数帯域の縦・横成分の文字エッジ量の大きさも考
慮して、文字領域用、絵柄領域用のパラメータを決定す
る。
【0165】このため、図26に記載した構成に対し、
文字エッジ量算出手段2208と鮮鋭性制御手段220
9との接続構成が一部変更されている。文字エッジ量算
出手段2208を構成する各手段のうち、1階層・斜方
向文字エッジ量算出手段2613の算出した斜方向の文
字エッジ量D3は鮮鋭性制御手段2209において対応
する補正手段5219に入力される。この補正手段52
19には、1階層・横方向文字エッジ量算出手段261
1で算出された横方向の文字エッジ量D1、および1階
層・縦方向文字エッジ量算出手段2612で算出された
縦方向の文字エッジ量D2が入力される。
【0166】また、2階層・斜方向文字エッジ量算出手
段2616の算出した斜方向の文字エッジ量D6は鮮鋭
性制御手段2209において対応する補正手段5222
に入力される。この補正手段5222には、2階層・横
方向文字エッジ量算出手段2614で算出された横方向
の文字エッジ量D4、および2階層・縦方向文字エッジ
量算出手段2615で算出された縦方向の文字エッジ量
D5が入力される。
【0167】これにより、斜方向、例えば、45度や1
35度以外の斜方向の文字エッジについても、より文字
領域としての判定をおこないやすくでき、文字領域用の
強調を適切におこなえるようになる。
【0168】(実施の形態7)この発明の実施の形態7
は、斜方向の文字エッジが検出された場合に、斜方向の
文字エッジ強調をより確実とするための構成である。図
53は、この実施の形態7による文字エッジ量算出手段
2208と鮮鋭性制御手段2209の構成を示すブロッ
ク図である。
【0169】前述した実施の形態3においては、文字エ
ッジ量算出手段2208において斜方向の文字エッジが
検出された場合、HH係数信号についてのみ、文字領域
用のパラメータとして鮮鋭性制御するものであった。こ
の実施の形態7では、図53に示すように、鮮鋭性制御
手段2209において、HH係数信号のみを文字領域と
して強調するだけでなく、同一周波数帯域のLH,HL
係数信号についても、通常の絵柄処理よりも強めの強調
が実施されるようなパラメータ設定をおこなうものであ
る。
【0170】このため、図26に記載した構成に対し、
鮮鋭性制御手段2209内での接続構成が一部変更され
ている。1階層において斜方向の補正後出力1HH’
は、横方向の補正手段2617および縦方向の補正手段
2618に入力させている。2階層においても、斜方向
の補正後出力2HH’は、横方向の補正手段2620お
よび縦方向の補正手段2621に入力させている。
【0171】これにより、元来LH,HL係数信号にも
ある程度の大きさの信号レベルを保有している斜方向の
エッジ成分についても、強調不足とならずに適切な強調
をおこなえるようになる。
【0172】また、鮮鋭性制御手段2209は、文字エ
ッジ量算出手段2208が斜方向に対し所定の値より大
きな文字エッジ量を算出した場合には、同一周波数帯域
の縦、横方向成分について係数信号の絶対値が前記所定
値よりも小さいときに係数を0に置き換える処理(図3
8参照)を不実行とする構成にもできる。これにより、
縦横方向にも係数信号を保有する斜方向のエッジ成分に
ついても強調を施し文字の鮮鋭性と画像の再現性を向上
できるようになる。
【0173】以上説明した、本実施の形態に係る画像処
理装置は、複数の機器から構成されるシステムに適用し
たり、1つの機器からなる装置に適用することができ
る。なお、本実施の形態で説明した画像処理にかかる方
法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・
コンピュータやワークステーションなどのコンピュータ
で実行することにより実現することができる。このプロ
グラムは、ハードディスク、フロッピー(R)ディス
ク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで
読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによ
って記録媒体から読み出されることによって実行され
る。またこのプログラムは、上記記録媒体を介して、イ
ンターネットなどのネットワークを介して配布すること
ができる。
【0174】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
発明によれば、入力された画像信号に対し文字エッジ量
を抽出し、鮮鋭性の制御をおこなうことにより、網点上
文字などを適切に再生し出力する画像処理装置におい
て、入力された画像信号から複数の周波数帯域別に文字
エッジ量を算出する文字エッジ量算出手段と、前記文字
エッジ量算出手段により算出された文字エッジ量に基づ
き空間周波数の補正をおこなう鮮鋭性制御手段を備え、
前記鮮鋭性制御手段は、前記文字エッジ量算出手段にお
いて算出された複数の周波数帯域別の文字エッジ量を基
に、それぞれに対応する入力された画像信号の周波数帯
域で独立した補正制御をおこなう構成としたので、必要
な鮮鋭性の確保および網点や文字における余分な高周波
成分の強調による高調波歪みを抑制でき、網点、文字お
よび網点上文字のいずれの原稿に対しても良好な出力画
像を得ることができるという効果を奏する。
【0175】また、請求項2に記載の発明によれば、入
力された画像信号に対し文字エッジ量を抽出し、鮮鋭性
の制御をおこなうことにより、網点上文字などを適切に
再生し出力する画像処理装置において、入力された画像
信号を複数の周波数帯域と複数の方向成分の係数信号に
分割して出力する帯域分割手段と、前記帯域分割手段に
より分割された係数信号に基づき複数の周波数帯域別に
文字エッジ量を算出する文字エッジ量算出手段と、前記
文字エッジ量算出手段により算出された文字エッジ量に
基づき空間周波数の補正をおこなう鮮鋭性制御手段を備
え、前記鮮鋭性制御手段は、前記文字エッジ量算出手段
において算出された複数の周波数帯域別の文字エッジ量
を基に、それぞれ対応する係数信号の周波数帯域で独立
した補正制御をおこなう構成としたので、必要な鮮鋭性
の確保および網点や文字における余分な高周波成分の強
調による高調波歪みを抑制でき、網点、文字および網点
上文字のいずれの原稿に対しても良好な出力画像を得る
ことができる。そして、文字エッジ検出にウェーブレッ
トなどの係数信号を使用して実現の容易化が図れるとい
う効果を奏する。
【0176】また、請求項3に記載の発明によれば、入
力された画像信号に対し文字エッジ量を抽出し、鮮鋭性
の制御をおこなうことにより、網点上文字などを適切に
再生し出力する画像処理装置において、入力された画像
信号を複数の周波数帯域と複数の方向成分の係数信号に
分割して出力し、うち少なくとも1つの周波数帯域につ
いては入力画像の画素を間引かずにおこなう帯域分割手
段と、前記帯域分割手段により分割された係数信号に基
づき複数の周波数帯域別に文字エッジ量を算出する文字
エッジ量算出手段と、前記文字エッジ量算出手段により
算出された文字エッジ量に基づき空間周波数の補正をお
こなう鮮鋭性制御手段を備え、前記鮮鋭性制御手段は、
前記文字エッジ量算出手段において算出された複数の周
波数帯域別の文字エッジ量を基に、それぞれ対応する係
数信号の周波数帯域で独立した補正制御をおこなう構成
としたので、必要な鮮鋭性の確保および網点や文字にお
ける余分な高周波成分の強調による高調波歪みを抑制で
き、網点、文字および網点上文字のいずれの原稿に対し
ても良好な出力画像を得ることができる。そして、文字
エッジ検出にウェーブレットなどの係数信号を使用して
実現の容易化が図れる。さらに、帯域分割するときに画
像を間引かずにウェーブレット変換などで係数変換する
ことができ、より高精度な文字エッジ検出がおこなえる
ようになる。逆変換の際に注目画素は周辺のより多くの
係数から影響を受けるので、隣接データ値の急激な変動
に対してもディフェクトの少ない安定した画像の再生を
図ることができるという効果を奏する。
【0177】また、請求項4に記載の発明によれば、請
求項1〜3のいずれか一つに記載の発明において、前記
文字エッジ量算出手段は、前記複数の周波数帯域それぞ
れにおいて、複数の方向成分についての文字エッジ量を
算出し、それらの結果中の最大出力値を注目位置におけ
る該当周波数帯域の文字エッジ量として出力する構成と
したので、複数の周波数帯域と複数の方向成分における
文字エッジ量に基づき強調する方向を絞り文字の強調を
図ることができるという効果を奏する。
【0178】また、請求項5に記載の発明によれば、入
力された画像信号に対し文字エッジ量を抽出し、鮮鋭性
の制御をおこなうことにより、網点上文字などを適切に
再生し出力する画像処理装置において、入力された画像
信号から複数の周波数帯域別、かつ複数の方向成分別に
文字エッジ量を算出する文字エッジ量算出手段と、前記
文字エッジ量算出手段により算出された文字エッジ量に
基づき空間周波数の補正をおこなう鮮鋭性制御手段を備
え、前記鮮鋭性制御手段は、前記文字エッジ量算出手段
において算出された複数の周波数帯域、方向成分別の文
字エッジ量を基に、それぞれ対応する入力された画像信
号の周波数帯域、方向成分で独立した補正制御をおこな
う構成としたので、必要な周波数帯域、方向についての
みの強調が可能となり、網点上文字においても文字のエ
ッジに沿った方向だけを強調することにより、文字は強
調でき、かつ隣接する網点の強調は抑制することができ
るため、網点上文字の鮮鋭性および再現性をより向上さ
せることができるという効果を奏する。
【0179】また、請求項6に記載の発明によれば、入
力された画像信号に対し文字エッジ量を抽出し、鮮鋭性
の制御をおこなうことにより、網点上文字などを適切に
再生し出力する画像処理装置において、入力された画像
信号を複数の周波数帯域と複数の方向成分の係数信号に
分割して出力する帯域方向分割手段と、前記分割された
係数信号に基づき複数の周波数帯域別かつ複数の方向成
分別に文字エッジ量を算出する文字エッジ量算出手段
と、前記文字エッジ量算出手段により算出された文字エ
ッジ量に基づき空間周波数の補正をおこなう鮮鋭性制御
手段を備え、前記鮮鋭性制御手段は、前記文字エッジ量
算出手段において算出された複数の周波数帯域、方向成
分別の文字エッジ量を基に、それぞれ対応する係数信号
の周波数帯域、方向成分で独立した補正制御をおこなう
構成としたので、周波数帯域別に加え方向別にも文字エ
ッジ検出から鮮鋭性の制御までを独立におこなうため、
必要な周波数帯域、方向についてのみの強調が可能とな
り、網点上文字においても文字のエッジに沿った方向だ
けを強調することにより、文字は強調でき、かつ隣接す
る網点の強調は抑制することができるため、網点上文字
の鮮鋭性および再現性をより向上させることができるよ
うになる。また、文字エッジ検出にはウェーブレットな
どの係数信号を使用して実現の容易化が図れるという効
果を奏する。
【0180】また、請求項7に記載の発明によれば、入
力された画像信号に対し文字エッジ量を抽出し、鮮鋭性
の制御をおこなうことにより、網点上文字などを適切に
再生し出力する画像処理装置において、入力された画像
信号を複数の周波数帯域と複数の方向成分の係数信号に
分割して出力し、うち少なくとも1つの周波数帯域につ
いては入力画像の画素を間引かずにおこなう帯域方向分
割手段と、前記帯域方向分割手段で分割された係数信号
に基づき複数の周波数帯域別かつ複数の方向成分別に文
字エッジ量を算出する文字エッジ量算出手段と、前記文
字エッジ量算出手段により算出された文字エッジ量に基
づき空間周波数の補正をおこなう鮮鋭性制御手段を備
え、前記鮮鋭性制御手段は、前記文字エッジ量算出手段
において算出された複数の周波数帯域、方向成分別の文
字エッジ量を基に、それぞれ対応する係数信号の周波数
帯域、方向成分で独立した補正制御をおこなう構成とし
たので、必要な周波数帯域、方向についてのみの強調が
可能となり、網点上文字においても文字のエッジに沿っ
た方向だけを強調することにより、文字は強調でき、か
つ隣接する網点の強調は抑制することができるため、網
点上文字の鮮鋭性および再現性をより向上させることが
できるようになる。そして、文字エッジ検出にウェーブ
レットなどの係数信号を使用して実現の容易化が図れ
る。さらに、帯域分割するときに画像を間引かずにウェ
ーブレット変換などで係数変換することができ、より高
精度な文字エッジ検出がおこなえるようになる。逆変換
の際に注目画素は周辺のより多くの係数から影響を受け
るので、隣接データ値の急激な変動に対してもディフェ
クトの少ない安定した画像の再生を図ることができると
いう効果を奏する。
【0181】また、請求項8に記載の発明によれば、請
求項6,7のいずれか一つに記載の発明において、前記
鮮鋭性制御手段は、前記文字エッジ量算出手段において
算出された文字エッジ量があらかじめ設定された判定用
のしきい値より大きい場合には、文字エッジをより強調
する鮮鋭性制御をおこなう構成としたので、必要な周波
数帯域、方向についてのみの強調が可能となり、網点上
文字においても文字のエッジに沿った方向だけを強調す
ることにより、きめ細かなノイズ除去と文字の強調がお
こなえるようになり、網点上文字の鮮鋭性および再現性
をより向上させることができるという効果を奏する。
【0182】また、請求項9に記載の発明によれば、請
求項8に記載の発明において、前記鮮鋭性制御手段は、
前記文字エッジ量算出手段がいずれかの周波数帯域の
縦、横方向に大きな文字エッジ量を算出した場合に、該
当する周波数帯域の斜方向成分について前記判定用しき
い値の値をより低い値に修正する機能を有する構成とし
たので、縦、横方向の文字エッジ量に基づき斜方向につ
いての文字エッジの判定をおこないやすくなり、右斜方
向や左斜方向、例えば、45度や135度などの検出角
度とは正確に一致しない斜成分の文字エッジであっても
検出を容易におこなえるという効果を奏する。
【0183】また、請求項10に記載の発明によれば、
請求項8に記載の発明において、前記鮮鋭性制御手段
は、複数の周波数帯域と複数の方向成分の係数信号に分
割された前記係数信号の絶対値が所定値よりも大きい場
合には該係数に所定の定数を乗算し、絶対値が所定値よ
りも小さい場合には係数を0に置き換え出力する構成と
したので、画像のノイズ除去による平滑化と、文字の強
調の度合いを定めた所定値の値によって、きめこまかに
設定できるようになり、網点上文字の鮮鋭性および再現
性の向上を図ることができるという効果を奏する。
【0184】また、請求項11に記載の発明によれば、
請求項10に記載の発明において、前記鮮鋭性制御手段
は、前記文字エッジ量算出手段が斜方向に対し所定の値
より大きな文字エッジ量を算出した場合には、同一周波
数帯域の縦、横方向成分について無条件に前記係数に乗
算する定数を大きくし文字エッジをより強調する鮮鋭性
制御をおこなう構成としたので、斜方向の文字エッジが
検出された場合に、斜方向の係数信号だけでなく、縦横
方向の係数信号の鮮鋭性補正もより強調方向に修正する
ため、縦横方向にも係数信号を保有する斜方向のエッジ
成分を十分に強調することができるという効果を奏す
る。
【0185】また、請求項12に記載の発明によれば、
請求項10に記載の発明において、前記鮮鋭性制御手段
は、前記文字エッジ量算出手段が斜方向に対し所定の値
より大きな文字エッジ量を算出した場合には、同一周波
数帯域の縦、横方向成分について係数信号の絶対値が前
記所定値よりも小さいときに係数を0に置き換える前記
処理を不実行にする構成としたので、斜方向のエッジ成
分について縦横方向にも係数信号を保有する場合、この
縦横方向についても強調を施して文字の鮮鋭性と画像の
再現性を向上できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の本実施の形態に係る画像処理装置の
全体構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係るフィルタ処理手
段の構成を示すブロック図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係るフィルタ処理手
段で用いるフィルタの係数を示す図である。
【図4】この発明の実施の形態1に係るフィルタ処理手
段で用いるフィルタの係数を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態1に係るフィルタ処理手
段で用いるフィルタの係数を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態1に係るフィルタ処理手
段で用いるフィルタの係数を示す図である。
【図7】この発明の実施の形態1に係るフィルタ処理手
段で用いるフィルタの係数を示す図である。
【図8】この発明の実施の形態1に係るフィルタ処理手
段で用いるフィルタの係数を示す図である。
【図9】この発明の実施の形態1に係るフィルタ処理手
段で用いるフィルタの係数を示す図である。
【図10】この発明の実施の形態1に係るフィルタ処理
手段で用いるフィルタの係数を示す図である。
【図11】この発明の実施の形態1に係るフィルタ処理
手段に設けられる高周波・横方向文字エッジ量算出手段
の文字エッジ量算出過程を説明するための図である。
【図12】この発明の実施の形態1に係るフィルタ処理
手段に設けられる高周波・縦方向文字エッジ量算出手段
の文字エッジ量算出過程を説明するための図である。
【図13】この発明の実施の形態1に係るフィルタ処理
手段に設けられる高周波・右斜方向文字エッジ量算出手
段の文字エッジ量算出過程を説明するための図である。
【図14】この発明の実施の形態1に係るフィルタ処理
手段に設けられる高周波・左斜方向文字エッジ量算出手
段の文字エッジ量算出過程を説明するための図である。
【図15】この発明の実施の形態1に係るフィルタ処理
手段に設けられる低周波・横方向文字エッジ量算出手段
の文字エッジ量算出過程を説明するための図である。
【図16】この発明の実施の形態1に係るフィルタ処理
手段に設けられる低周波・縦方向文字エッジ量算出手段
の文字エッジ量算出過程を説明するための図である。
【図17】この発明の実施の形態1に係るフィルタ処理
手段に設けられる低周波・右斜方向文字エッジ量算出手
段の文字エッジ量算出過程を説明するための図である。
【図18】この発明の実施の形態1に係るフィルタ処理
手段に設けられる低周波・左斜方向文字エッジ量算出手
段の文字エッジ量算出過程を説明するための図である。
【図19】この発明の実施の形態1に係るフィルタ処理
手段に設けられる補正手段の構成を示すブロック図であ
る。
【図20】この発明の実施の形態1に係るフィルタ処理
手段に設けられる演算器における信号の入出力状態を示
す図表である。
【図21】この発明の実施の形態2に係るフィルタ処理
手段の構成を示すブロック図である。
【図22】この発明の実施の形態3によるフィルタ処理
手段の構成を示すブロック図である。
【図23】この発明の実施の形態3によるフィルタ処理
手段に設けられる多重解像度変換手段の構成を示すブロ
ック図である。
【図24】この発明の実施の形態3によるフィルタ処理
手段に設けられる多重解像度変換手段でのローパスフィ
ルタおよびハイパスフィルタのフィルタ特性を示す図で
ある。
【図25】この発明の実施の形態3によるフィルタ処理
手段におけるウェーブレット変換前後の画素の状態を示
す図である。
【図26】この発明の実施の形態3によるフィルタ処理
手段に設けられる文字エッジ量算出手段および鮮鋭性制
御手段の構成を示すブロック図である。
【図27】この発明の実施の形態3によるフィルタ処理
手段に設けられる1階層・横方向文字エッジ量算出手段
の文字エッジ量算出過程を説明するための図である。
【図28】この発明の実施の形態3によるフィルタ処理
手段に設けられる1階層・縦方向文字エッジ量算出手段
の文字エッジ量算出過程を説明するための図である。
【図29】この発明の実施の形態3によるフィルタ処理
手段に設けられる1階層・斜方向文字エッジ量算出手段
の構成を示すブロック図である。
【図30】この発明の実施の形態3によるフィルタ処理
手段に設けられる1階層・右斜方向文字エッジ量算出手
段の文字エッジ量算出過程を説明するための図である。
【図31】この発明の実施の形態3によるフィルタ処理
手段に設けられる1階層・左斜方向文字エッジ量算出手
段の文字エッジ量算出過程を説明するための図である。
【図32】この発明の実施の形態3によるフィルタ処理
手段に設けられる2階層・横方向文字エッジ量算出手段
の文字エッジ量算出過程を説明するための図である。
【図33】この発明の実施の形態3によるフィルタ処理
手段に設けられる2階層・縦方向文字エッジ量算出手段
の文字エッジ量算出過程を説明するための図である。
【図34】この発明の実施の形態3によるフィルタ処理
手段に設けられる2階層・斜方向文字エッジ量算出手段
の構成を示すブロック図である。
【図35】この発明の実施の形態3によるフィルタ処理
手段に設けられる2階層・右斜方向文字エッジ量算出手
段の文字エッジ量算出過程を説明するための図である。
【図36】この発明の実施の形態3によるフィルタ処理
手段に設けられる2階層・左斜方向文字エッジ量算出手
段の文字エッジ量算出過程を説明するための図である。
【図37】この発明の実施の形態3によるフィルタ処理
手段に設けられる補正手段の構成を示すブロック図であ
る。
【図38】この発明の実施の形態3によるフィルタ処理
手段に設けられる演算器における信号の入出力状態を示
す図表である。
【図39】この発明の実施の形態3によるフィルタ処理
手段のパラメータ設定部に設定されるパラメータの設定
例を示す図表である。
【図40】この発明の実施の形態3によるフィルタ処理
手段に設けられる復元処理手段の構成を示すブロック図
である。
【図41】サブサンプリングをおこなうウェーブレット
変換の構成を示すブロック図である。
【図42】この発明の実施の形態3によるウェーブレッ
ト変換の構成を示すブロック図である。
【図43】この発明の実施の形態3によるウェーブレッ
ト変換前後の画像サイズを示す図である。
【図44】サブサンプリングをおこなう場合の画像特徴
量の算出を説明するための図である。
【図45】サブサンプリングをおこなう場合の画像特徴
量の算出を説明するための図である。
【図46】この発明の実施の形態3による画像特徴量の
算出を説明するための図である(サブサンプリングをお
こなわない場合)。
【図47】この発明の実施の形態4におけるフィルタ処
理手段に設けられる文字エッジ量算出手段の構成を示す
ブロック図である。
【図48】この発明の実施の形態4におけるフィルタ処
理手段に設けられる2階層・斜方向文字エッジ量算出手
段の構成を示すブロック図である。
【図49】この発明の実施の形態4におけるフィルタ処
理手段に設けられる2階層・右斜方向文字エッジ量算出
手段による2階層・右斜方向の文字エッジ量算出の過程
を説明するための図である。
【図50】この発明の実施の形態4におけるフィルタ処
理手段に設けられる2階層・左斜方向文字エッジ量算出
手段による2階層・左斜方向の文字エッジ量算出の過程
を説明するための図である。
【図51】この発明の実施の形態5によるフィルタ処理
手段に設けられる文字エッジ量算出手段の構成を示すブ
ロック図である。
【図52】この発明の実施の形態6によるフィルタ処理
手段に設けられる文字エッジ量算出手段と鮮鋭性制御手
段の構成を示すブロック図である。
【図53】この発明の実施の形態7によるフィルタ処理
手段に設けられる文字エッジ量算出手段と鮮鋭性制御手
段の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
101 画像入力手段 102 スキャナγ処理手段 103 フィルタ処理手段 104 γ変換処理手段 105 中間調処理手段 106 画像出力手段 231〜238 成分抽出手段 240(241〜248) 文字エッジ量算出手段 250 鮮鋭性制御手段 251〜258 補正手段 260 加算手段 1901 パラメータ設定部 1902 演算器 2121,2122 最大値算出手段 2207 多重解像度変換手段 2208 文字エッジ量算出手段 2209 鮮鋭性制御手段 2210 復元処理手段 2301 ローパスフィルタ 2302 ハイパスフィルタ 2303〜2312 フィルタ群 2611〜2616 文字エッジ量算出手段 2617〜2622 補正手段 2913(2923,2924) 文字エッジ量算出手
段 2925 最大値算出手段 3416(3426,3427) 文字エッジ量算出手
段 3428 最大値算出手段 3729 パラメータ設定部 3730 演算器 4001〜4012 逆変換フィルタ群 4708(4716) 文字エッジ量算出手段 4826,4827 文字エッジ量算出手段 4828 最大値算出手段 5108 文字エッジ量算出手段 5109,5110 最大値算出手段 5219,5222 補正手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水納 亨 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2C062 AA24 5B057 AA11 BA02 CA08 CA12 CA16 CB08 CB12 CB16 CC03 CE03 CE06 DA17 DB02 DB09 DC16 DC36 5C077 LL01 LL19 MP01 MP02 MP05 MP06 MP07 PP03 PP27 PP28 PP49 PP51 PQ08 PQ12 TT02 TT06 5L096 AA06 BA07 BA17 FA06 FA26 FA43 FA44

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力された画像信号に対し文字エッジ量
    を抽出し、鮮鋭性の制御をおこなうことにより、網点上
    文字などを適切に再生し出力する画像処理装置におい
    て、 入力された画像信号から複数の周波数帯域別に文字エッ
    ジ量を算出する文字エッジ量算出手段と、 前記文字エッジ量算出手段により算出された文字エッジ
    量に基づき空間周波数の補正をおこなう鮮鋭性制御手段
    を備え、 前記鮮鋭性制御手段は、前記文字エッジ量算出手段にお
    いて算出された複数の周波数帯域別の文字エッジ量を基
    に、それぞれに対応する入力された画像信号の周波数帯
    域で独立した補正制御をおこなうことを特徴とする画像
    処理装置。
  2. 【請求項2】 入力された画像信号に対し文字エッジ量
    を抽出し、鮮鋭性の制御をおこなうことにより、網点上
    文字などを適切に再生し出力する画像処理装置におい
    て、 入力された画像信号を複数の周波数帯域と複数の方向成
    分の係数信号に分割して出力する帯域分割手段と、 前記帯域分割手段により分割された係数信号に基づき複
    数の周波数帯域別に文字エッジ量を算出する文字エッジ
    量算出手段と、 前記文字エッジ量算出手段により算出された文字エッジ
    量に基づき空間周波数の補正をおこなう鮮鋭性制御手段
    を備え、 前記鮮鋭性制御手段は、前記文字エッジ量算出手段にお
    いて算出された複数の周波数帯域別の文字エッジ量を基
    に、それぞれ対応する係数信号の周波数帯域で独立した
    補正制御をおこなうことを特徴とする画像処理装置。
  3. 【請求項3】 入力された画像信号に対し文字エッジ量
    を抽出し、鮮鋭性の制御をおこなうことにより、網点上
    文字などを適切に再生し出力する画像処理装置におい
    て、 入力された画像信号を複数の周波数帯域と複数の方向成
    分の係数信号に分割して出力し、うち少なくとも1つの
    周波数帯域については入力画像の画素を間引かずにおこ
    なう帯域分割手段と、 前記帯域分割手段により分割された係数信号に基づき複
    数の周波数帯域別に文字エッジ量を算出する文字エッジ
    量算出手段と、 前記文字エッジ量算出手段により算出された文字エッジ
    量に基づき空間周波数の補正をおこなう鮮鋭性制御手段
    を備え、 前記鮮鋭性制御手段は、前記文字エッジ量算出手段にお
    いて算出された複数の周波数帯域別の文字エッジ量を基
    に、それぞれ対応する係数信号の周波数帯域で独立した
    補正制御をおこなうことを特徴とする画像処理装置。
  4. 【請求項4】 前記文字エッジ量算出手段は、 前記複数の周波数帯域それぞれにおいて、複数の方向成
    分についての文字エッジ量を算出し、それらの結果中の
    最大出力値を注目位置における該当周波数帯域の文字エ
    ッジ量として出力することを特徴とする請求項1〜3の
    いずれか一つに記載の画像処理装置。
  5. 【請求項5】 入力された画像信号に対し文字エッジ量
    を抽出し、鮮鋭性の制御をおこなうことにより、網点上
    文字などを適切に再生し出力する画像処理装置におい
    て、 入力された画像信号から複数の周波数帯域別、かつ複数
    の方向成分別に文字エッジ量を算出する文字エッジ量算
    出手段と、 前記文字エッジ量算出手段により算出された文字エッジ
    量に基づき空間周波数の補正をおこなう鮮鋭性制御手段
    を備え、 前記鮮鋭性制御手段は、前記文字エッジ量算出手段にお
    いて算出された複数の周波数帯域、方向成分別の文字エ
    ッジ量を基に、それぞれ対応する入力された画像信号の
    周波数帯域、方向成分で独立した補正制御をおこなうこ
    とを特徴とする画像処理装置。
  6. 【請求項6】 入力された画像信号に対し文字エッジ量
    を抽出し、鮮鋭性の制御をおこなうことにより、網点上
    文字などを適切に再生し出力する画像処理装置におい
    て、 入力された画像信号を複数の周波数帯域と複数の方向成
    分の係数信号に分割して出力する帯域方向分割手段と、 前記分割された係数信号に基づき複数の周波数帯域別か
    つ複数の方向成分別に文字エッジ量を算出する文字エッ
    ジ量算出手段と、 前記文字エッジ量算出手段により算出された文字エッジ
    量に基づき空間周波数の補正をおこなう鮮鋭性制御手段
    を備え、 前記鮮鋭性制御手段は、前記文字エッジ量算出手段にお
    いて算出された複数の周波数帯域、方向成分別の文字エ
    ッジ量を基に、それぞれ対応する係数信号の周波数帯
    域、方向成分で独立した補正制御をおこなうことを特徴
    とする画像処理装置。
  7. 【請求項7】 入力された画像信号に対し文字エッジ量
    を抽出し、鮮鋭性の制御をおこなうことにより、網点上
    文字などを適切に再生し出力する画像処理装置におい
    て、 入力された画像信号を複数の周波数帯域と複数の方向成
    分の係数信号に分割して出力し、うち少なくとも1つの
    周波数帯域については入力画像の画素を間引かずにおこ
    なう帯域方向分割手段と、 前記帯域方向分割手段で分割された係数信号に基づき複
    数の周波数帯域別かつ複数の方向成分別に文字エッジ量
    を算出する文字エッジ量算出手段と、 前記文字エッジ量算出手段により算出された文字エッジ
    量に基づき空間周波数の補正をおこなう鮮鋭性制御手段
    を備え、 前記鮮鋭性制御手段は、前記文字エッジ量算出手段にお
    いて算出された複数の周波数帯域、方向成分別の文字エ
    ッジ量を基に、それぞれ対応する係数信号の周波数帯
    域、方向成分で独立した補正制御をおこなうことを特徴
    とする画像処理装置。
  8. 【請求項8】 前記鮮鋭性制御手段は、 前記文字エッジ量算出手段において算出された文字エッ
    ジ量があらかじめ設定された判定用のしきい値より大き
    い場合には、文字エッジをより強調する鮮鋭性制御をお
    こなうことを特徴とする請求項6,7のいずれか一つに
    記載の画像処理装置。
  9. 【請求項9】 前記鮮鋭性制御手段は、 前記文字エッジ量算出手段がいずれかの周波数帯域の
    縦、横方向に大きな文字エッジ量を算出した場合に、該
    当する周波数帯域の斜方向成分について前記判定用しき
    い値の値をより低い値に修正する機能を有することを特
    徴とする請求項8に記載の画像処理装置。
  10. 【請求項10】 前記鮮鋭性制御手段は、 複数の周波数帯域と複数の方向成分の係数信号に分割さ
    れた前記係数信号の絶対値が所定値よりも大きい場合に
    は該係数に所定の定数を乗算し、絶対値が所定値よりも
    小さい場合には係数を0に置き換え出力することを特徴
    とする請求項8に記載の画像処理装置。
  11. 【請求項11】 前記鮮鋭性制御手段は、 前記文字エッジ量算出手段が斜方向に対し所定の値より
    大きな文字エッジ量を算出した場合には、同一周波数帯
    域の縦、横方向成分について無条件に前記係数に乗算す
    る定数を大きくし文字エッジをより強調する鮮鋭性制御
    をおこなうことを特徴とする請求項10に記載の画像処
    理装置。
  12. 【請求項12】 前記鮮鋭性制御手段は、 前記文字エッジ量算出手段が斜方向に対し所定の値より
    大きな文字エッジ量を算出した場合には、同一周波数帯
    域の縦、横方向成分について係数信号の絶対値が前記所
    定値よりも小さいときに係数を0に置き換える前記処理
    を不実行とすることを特徴とする請求項10に記載の画
    像処理装置。
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