JP2003282995A - 磁界検出素子 - Google Patents

磁界検出素子

Info

Publication number
JP2003282995A
JP2003282995A JP2002086100A JP2002086100A JP2003282995A JP 2003282995 A JP2003282995 A JP 2003282995A JP 2002086100 A JP2002086100 A JP 2002086100A JP 2002086100 A JP2002086100 A JP 2002086100A JP 2003282995 A JP2003282995 A JP 2003282995A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic field
magnetic
thin film
detecting element
impedance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002086100A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4026050B2 (ja
Inventor
Hiroyuki Abe
宏之 阿部
Michio Nakai
倫夫 中居
Yoshiaki Ikeda
義秋 池田
Kenichi Arai
賢一 荒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokin Corp
Miyagi Prefectural Government.
Original Assignee
NEC Tokin Corp
Miyagi Prefectural Government.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEC Tokin Corp, Miyagi Prefectural Government. filed Critical NEC Tokin Corp
Priority to JP2002086100A priority Critical patent/JP4026050B2/ja
Publication of JP2003282995A publication Critical patent/JP2003282995A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4026050B2 publication Critical patent/JP4026050B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Magnetic Variables (AREA)
  • Hall/Mr Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 素子インピーダンス特性の、外部磁界に対し
単調減少する部分が、低磁界側に現われる特性を有する
素子を作製することができ、この部分を、磁界測定に利
用することで、素子駆動消費電力を大幅に増加させるこ
となしに、広い測定領域を有する素子を作製することが
できる磁界検出素子を提供すること。 【解決手段】 薄膜磁性体13に、高周波電源18から
交流電流を供給し、外部磁界に応じた電気的特性の変化
を検出する磁界検出素子11において、外部磁界の絶対
値の増加に対して、インピーダンスが減少する電気的特
性を利用して、磁界を検出するように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁界検出素子に関
し、特に、高直線性・低バイアス型磁気インピーダンス
型磁界検出素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近の情報機器や計測・制御機器の急速
な発展に伴い、小型・低コストで高感度・高速応答の磁
気センサの要求が、ますます大きくなっている。例え
ば、コンピュータの外部記憶装置のハードディスク装置
では、バルクタイプの誘導型磁気ヘッドから薄膜磁気ヘ
ッド、磁気抵抗効果(MR)ヘッドと高性能化が進んで
きている。
【0003】さらに、モーターの回転センサであるロー
タリーエンコーダでは、マグネットリングの磁極数が多
くなり、従来用いられている磁気抵抗効果(MR)セン
サに代わり、より微弱な表面磁束を、感度良く検出でき
る磁気センサが必要となってきている。
【0004】また、非破壊検査や紙幣検査、さらに生体
磁場計測に用いることができる高感度磁気センサの需要
も大きくなっている。
【0005】現在用いられている代表的な磁気検出素子
として、誘導型再生磁気ヘッド、磁気抵抗効果(MR)
素子、フラックスゲートセンサ、ホール素子等がある。
【0006】また、最近、アモルファスワイヤの磁気イ
ンピーダンス効果を利用した高感度の磁気センサが提案
されている(特開平6−176930号公報、特開平7
−181239号公報、及び特開平7−333305号
公報,参照)。
【0007】また、磁性薄膜の磁気インピーダンス効果
を利用した高感度の磁気センサも提案されている(特開
平8−75835号公報、日本応用磁気学会誌vol.
20、553(1996)参照)。
【0008】誘導型再生磁気ヘッドは、コイル巻線が必
要であるため、磁気ヘッド自体が大型化する。また、小
型化すると、磁気ヘッドと媒体の相対速度が低い場合、
検出感度が著しく低下するという問題がある。これに対
し、強磁性膜による磁気抵抗効果(MR)素子は、磁束
の時間変化ではなく、磁束そのものを検出するものであ
り、これにより磁気ヘッドの小型化が進められてきた。
【0009】しかし、現在のMR素子の電気抵抗の変化
率は約2%、スピンバルブ素子を用いたMR素子でさ
え、電気抵抗の変化率が最大6%以下と小さい。また、
数%の抵抗変化を得るのに必要な外部磁界は、1600
A/m以上と大きい。従って、磁気抵抗感度は0.00
1%/(A/m)以下と、低感度である。
【0010】また、最近、磁気抵抗変化率が、数10%
を示す人工格子による巨大磁気抵抗効果(GMR)が見
いだされた。しかし、数10%の抵抗変化を得るために
は、数万A/mの外部磁界が必要である。
【0011】従来の高感度磁気センサであるフラックス
ゲートセンサは、フェライト、パーマロイ等の高透磁率
磁心の対称なB−H特性が、外部磁界によって変化する
ことを利用して、磁気の測定を行うものであり、高分解
能と±1°の高指向性を持つ。しかし、検出感度をあげ
るために、大型の磁心を必要とするため、センサ全体の
寸法を小さくすることが難しく、さらに、消費電力が大
きいという問題点を持つ。
【0012】ホール素子を用いた磁界センサは、電流の
流れる面に垂直に磁界を印加すると、電流と印加磁界の
両方向に対して垂直な方向に電界が生じて、ホール素子
に起電力が誘起される現象を利用したセンサである。ホ
ール素子は、コスト的には有利であるが、磁界検出感度
が低い。また、SiやGaAsなどの半導体で構成され
るため、温度変化に対して、半導体内の格子の熱振動に
よる散乱によって、電子または正孔の移動度が変化する
ため、磁界感度の温度特性が悪いという欠点を持つ。
【0013】一方、特開平6−176930号公報、特
開平7−181239号公報、特開平7−333305
号公報に記載されているように、磁気インピーダンス素
子が提案され、大幅な磁界感度の向上を実現している。
この磁気インピーダンス素子は、時間的に変化する電流
を磁性線に印加することによって生じる、円周磁束の時
間変化に対する、電圧のみを外部印加磁界による変化と
して検出することを基本原理としている磁気インピーダ
ンス素子である。
【0014】この磁性線として(FeCoSiB)等、
零磁歪の直径30μm程度のアモルファスワイヤ(線引
後、張力アニールしたワイヤ)が用いられており、長さ
1mm程度の微小寸法のワイヤでも、1MHz程度の高
周波電流を通電すると、ワイヤの電圧の振幅が、MR素
子の1000倍以上である約100%/Oeの高感度で
変化する。
【0015】また、特開平8−320362号公報、特
開平11−109006号公報に記載されている薄膜型
磁気インピーダンス素子は、基板上にスパッタ法、また
は、めっき法により、磁性体を含む薄膜構造体を形成
し、ここに高周波電流を通電することにより、磁気イン
ピーダンス効果を得ている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】従来の薄膜磁気インピ
ーダンス素子において、素子の動作点を保持するために
外部から与えなければならない磁界(バイアス磁界)が
大きく、電気回路設計が複雑であるとともに、素子駆動
に要する消費電力が大きいというデメリットがあった。
【0017】そこで、本発明の一技術的課題は、素子イ
ンピーダンス特性の、外部磁界に対し単調減少する部分
が、低磁界側に現われる特性を有する素子を作製するこ
とができ、この部分を、磁界測定に利用することで、素
子駆動消費電力を大幅に増加させることなしに、広い測
定領域を有する素子を作製することができる磁界検出素
子を提供することにある。
【0018】また、本発明のもう一つの技術的課題は、
外部磁界に対し単調減少する測定領域において、広い直
線領域を確保することが可能であり、広い磁界領域にお
いて、フィードバック回路なしで精度の高い測定ができ
る磁界検出素子を提供することにある。
【0019】また、本発明のさらにもう一つの技術的課
題は、細線素子であるため、素子インピーダンスを高く
して、駆動電力を小さくでき、装置の小型化に有効であ
る磁界検出素子を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明の磁界検出素子
は、薄膜磁気インピーダンス素子における上記デメリッ
トを克服するものである。
【0021】具体的には、磁界検出領域である外部磁界
の増加に伴い、素子インピーダンスが減少する領域が、
従来素子のバイアス磁界よりも低い磁界に発生するとい
う、従来に無い新規な素子を実現し、従来素子よりも素
子駆動に要する消費電力を低くした。
【0022】また、前記素子は、検出範囲の広域化をも
たらすため、複雑な電気回路による補正なしで、直線性
のよい磁界検出が実現可能である。
【0023】本発明は、上記課題を解決するために、
(1)薄膜磁性体に、高周波電源から交流電流を供給
し、外部磁界に応じた電気的特性の変化を検出する磁界
検出素子において、外部磁界の絶対値の増加に対して、
インピーダンスが減少する電気的特性を利用して、磁界
を検出する磁界検出素子であることを特徴している。
【0024】また、本発明では、(2)上記(1)の薄
膜磁性体において、磁区構造により発現する磁壁の中
で、還流磁区が生成する磁壁以外の磁壁が、通電方向に
対して傾斜していることによって、外部磁界の絶対値の
増加に対して、外部磁界ゼロからインピーダンスが減少
する電気的特性を示すことを特徴としている。
【0025】また、本発明では、(3)上記(1)又は
(2)記載の薄膜磁性体において、磁区構造により発現
する磁壁の中で、還流磁区が生成する磁壁以外の磁壁と
通電方向とのなす角度の小角側が、0°以上30°以下
であることを特徴としている。
【0026】また、本発明では、(4)上記(1),
(2),又は(3)記載の薄膜磁性体は、通電方向に垂
直な素子断面の長辺/短辺で定義したアスペクト比と、
素子の幅、膜厚および長さを、所定の値に規定したこと
によって、外部磁界の絶対値の増加に対して、外部磁界
ゼロからインピーダンスが減少する電気的特性を示すこ
とを特徴としている。
【0027】また、本発明では、(5)上記(1)、
(2)、(3)又は(4)記載の薄膜磁性体は、磁性体
薄膜の通電方向に垂直な素子断面のアスペクト比が、3
以上8以下、磁性体薄膜の幅が、5μm以上15μm以
下、磁性体薄膜の膜厚が、1.5μm以上3.5μm以
下、磁性体薄膜の長さが、0.5mm以上3mm以下で
あることを特徴としている。
【0028】また、本発明では、(6)上記(1)、
(2)、(3)、(4)又は(5)記載の薄膜磁性体
は、外部磁界を検出する際に、高周波電源から供給され
る交流電流の周波数が、10MHz以上300MHz以
下であることを特徴としている。
【0029】さらに、本発明では、(7)上記(1)、
(2)、(3)、(4)、(5)又は(6)記載の薄膜
磁性体は、単層の磁性体で構成される薄膜磁性体、また
は、磁性体と非磁性体を交互に積層した薄膜磁性体であ
ることを特徴としている。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら説明する。
【0031】まず、本発明の原理について説明する。
【0032】ここでは、センサ素子は高周波電流の通電
方向を長手方向、これと直交する方向を幅方向とする。
磁性体は通電する高周波電流により励磁されるが、この
際に重要なのは、通電電流の発生する磁界方向である幅
方向の高周波透磁率である。薄膜幅方向の高周波透磁率
が、外部磁界により変化する現象を、バイアス磁化現象
という。この場合、外部磁界に応じて、センサ素子のイ
ンピーダンスが大きく変化する。磁性薄膜型の磁気イン
ピーダンス素子を構成する際は、このバイアス磁化現象
を発生させるために、検出すべき外部磁界と異なる方向
に磁気異方性を付与することで、この特性を実現してい
る。しかし、この場合、センサ素子の動作点であるバイ
アス磁界は、素子材料に固有の異方性磁界Hkにより規
定され、Hkが大きな材料を用いた場合に、アモルファ
スワイヤ並みの低バイアス素子を実現するのは困難であ
った。
【0033】本発明では、磁性体薄膜において、磁区の
傾きを、通電方向と一致しない任意の角度とし、また
は、通電方向に垂直な素子断面のアスペクト比と、素子
の幅、膜厚および長さを、所定の値に限定することで、
外部磁界の絶対値の増加に対して、外部磁界ゼロからイ
ンピーダンスが減少する磁気−インピーダンス素子にお
いて、高い直線性と低いバイアス磁界を実現した。その
条件は、請求項の通りである。
【0034】本発明は、10MHz程度の駆動周波数に
おいても有効であり、広い用途に応用可能である。
【0035】図1は、本発明の実施の形態による磁界検
出素子の磁区構造を示す図である。この図において、1
は薄膜磁性体素子、2は磁区、3は磁壁、4は環流磁
区、5は通電方向、θは磁壁3と通電方向5とのなす角
である。このように、薄膜磁性体素子1の端部に生じる
環流磁区4が生成する磁壁3を省き、薄膜表面の磁壁3
が通電方向5に対してなす角度の小角側を、0°以上3
0°以下とすることにより、素子の動作点となるバイア
ス磁界を低減し、同時に、直線領域を広げ、素子駆動の
ための消費電力が少なく、検出可能磁界領域の広い磁界
検出素子を実現できる。
【0036】また、上記した磁性体単層構造のほかに、
磁性体と非磁性体を交互に積層した構造とすることも可
能である。
【0037】図2は、本発明の実施の形態による磁界検
出素子の模式図であり、図2(a)は、その斜視図、図
2(b)は、図2(a)のA−A断面図であり、wは磁
性膜の幅、tは厚さ(膜厚)を夫々表している。
【0038】これらの図において、11は磁界検出素
子、12は基板(例えば、ガラス)、13は、その基板
12上に形成される磁性膜または、磁性膜と非磁性膜か
らなる積層膜、14はキャリア電流、15は外部磁界H
ext、16と17は、13の両端に設けられた電極パ
ット、18は高周波電源である。
【0039】次に、本発明の具体例について説明する。
【0040】(例1)磁界検出素子の磁性体材料組成
は、Co85Nb12Zrであり、Ar雰囲気下のR
Fスパッタ法で、ガラス基板上に成膜後、リフトオフ法
でパターニングした。また、イオンミリング法でのパタ
ーニングも可能である。成膜後に、磁性膜を磁界中熱処
理し、素子幅方向に磁気異方性を付与した。磁界中熱処
理条件は、回転磁界中熱処理(40kA/m、400
℃、2時間)静磁界中熱処理(40kA/m、400
℃、1時間)である。素子の磁界検出特性は、ヘルムホ
ルツコイルで外部磁界Hextを印加した際のインピー
ダンス変化を測定することで、評価した。インピーダン
ス測定は、ネットワークアナライザ(例えばHP439
6B)を用いて、反射法で行なった。
【0041】図3に、寸法が、長さ2mm、膜厚3.0
μm、幅25μmの磁界検出素子の磁気−インピーダン
ス特性(絶対値)を示した。キャリア周波数は、90M
Hzである。外部磁界の変化に対して、インピーダンス
が、近似的に直線で変化する領域を直線変化領域とい
い、その領域で磁界を検出する。
【0042】従来、磁界検出には、図3中にAと示した
インピーダンスが増加する直線変化領域が使われてい
た。本発明では、図3中にBと示したインピーダンスが
減少する直線変化領域を磁界検出に用いる。インピーダ
ンスが減少する直線変化領域は、増加する直線変化領域
よりも、バイアス磁界が大きいという欠点はあるが、磁
界範囲が広いという長所がある。図3の素子では、バイ
アス磁界は約2倍、直線変化領域は約3倍になってい
る。さらに、磁界検出素子を、請求項2から7に限定す
ることによって、直線変化領域を狭めることなく、バイ
アス磁界を低減することができる。
【0043】図4は、本発明の実施例を示す磁界検出素
子の外部磁界Hext(1×102A/m)に対する、
磁気−インピーダンスの特性図である。素子寸法は、膜
厚2.0μm、長さ2mm、幅10μmで、キャリア周
波数は90MHzである。この素子の通電方向に対する
磁壁の傾きは、約20°であり、本発明の請求範囲内
で、外部磁界ゼロからインピーダンスが減少する電気的
特性を持った磁界検出素子が実現している。
【0044】図3の素子と比較すると、直線変化領域の
拡大と同時に、バイアス磁界が低減している。
【0045】図5は、図4と同じ組成、同じ製法の素子
の、キャリア周波数90MHzにおける磁気−インピー
ダンス特性である。この素子の寸法は、長さ2mm、幅
25μm、膜厚2.5μmである。この素子の通電方向
に対する磁壁の傾きは、約40°であり、本発明の条件
外である。図4と図5から、本発明の請求範囲内で、イ
ンピーダンスの直線変化領域の拡大と、バイアス磁界の
低減が、有効に実現していることがわかる。
【0046】より広い直線変化領域を得るには、磁壁と
通電方向のなす角度が、20°以下であることがより好
ましい。
【0047】(例2)図6は、例2の素子と同組成で、
同条件で作製した素子のキャリア周波数90MHzで
の、磁気−インピーダンス特性である。素子の寸法は、
長さ2mm、幅15μm、膜厚1.5μmである。長
さ、幅、膜厚、キャリア周波数は、本発明の請求項の範
囲内に入っているが、幅/膜厚で定義したアスペクト比
(=10)が範囲外である。図4と図6から、インピー
ダンスの直線変化領域の拡大とバイアス磁界の低減が、
本発明の請求範囲において、有効に実現していることが
わかる。
【0048】幅/膜厚で定義したアスペクト比、素子の
長さ、幅、膜厚およびキャリア周波数のいずれか1つで
も請求項の範囲外の値であると、外部磁界ゼロからイン
ピーダンスが減少する電気的特性を示さず、直線変化領
域は狭く、バイアス磁界は高くなる。
【0049】断面形状は、製造方法により矩形、台形、
かまぼこ型等になり得るが、いずれの場合も、幅の最大
値と膜厚の最大値により、特性は規定される。
【0050】(例3)1.0,1.5,2.0,3.0
μmの各膜厚において、センサ幅が10,15,20,
25μmで、各センサ幅でセンサ長が0.2,0.5,
1,2mmの磁界検出素子を例1と同じ方法で作製し
た。これら、80形状の素子の磁気インピーダンス特性
を、ネットワークアナライザを用い、反射法で測定し
た。その結果、表1に示した10種の素子が本発明の範
囲内で、直線変化領域の拡大と、バイアス磁界の提言を
実現している。特に、下記表1の試料2,3,及び4の
素子は、外部磁界の絶対値に対して、外部磁界ゼロから
インピーダンスが減少するため,試料1、5〜10の素
子よりも直線変化領域が広く、バイアス磁界が小さい。
【0051】
【表1】
【0052】尚、上記表1は、80形状の素子のなか
で、本発明の範囲内で、直線変化領域の拡大とバイアス
磁界の提言を実現している素子の寸法と、キャリア周波
数50MHzと90MHzのときの直線変化領域とバイ
アス磁界とを示している。
【0053】また、本発明は上記実施の形態に限定され
るものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が
可能であり、これらを本発明の範囲から排除するもので
はない。
【0054】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれ
ば、以下のような効果を奏することができる。
【0055】(イ)磁気インピーダンス効果を利用した
磁界検出素子について、磁気異方性の容易軸を通電方向
に対し直角方向(幅方向)あるいは通電方向と一致しな
い任意の角度方向とし、さらに通電方向に対する素子断
面アスペクト比(幅/厚さ)を、3以上8以下、磁性体
薄膜の幅を、5μm以上15μm以下、磁性体薄膜の膜
厚を、1.5μm以上3.5μm以下、磁性体薄膜の長
さを、0.5mm以上3mm以下であるように作製す
る。このことにより、素子インピーダンス特性の、外部
磁界に対し単調減少する部分が、低磁界側に現われる特
性を有する素子を作製することができ、この部分を、磁
界測定に利用することで、素子駆動消費電力を大幅に増
加させることなしに、従来に比べて3倍以上広い測定領
域を有する素子を作製することができる。
【0056】(ロ)外部磁界に対し単調減少する測定領
域において、従来に比べて、2倍以上広い直線領域を確
保することが可能であり、広い磁界領域において、フィ
ードバック回路なしで精度の高い測定を可能にする。
【0057】(ハ)細線素子であるため、素子インピー
ダンスを高くして、駆動電力を小さくできる。また小型
化に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による磁界検出素子の磁区
構造を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態による磁界検出素子の模式
図である。
【図3】磁界検出素子の外部磁界とインピーダンスの関
係を示す図である。
【図4】本発明の例1による磁界検出素子の外部磁界H
extに対するインピーダンスの特性図である。
【図5】本発明の条件外の磁界検出素子の外部磁界He
xtに対するインピーダンスの特性図である。
【図6】本発明の例2における、条件外の磁界検出素子
の外部磁界Hextに対するインピーダンスの特性図で
ある。
【符号の説明】
1 薄膜磁性体素子 2 磁区 3 磁壁 4 環流磁区 5 通電方向 θ 磁壁と通電方向とのなす角 11 磁界検出素子 12 基板(例えば、ガラス) 13 磁性膜(または、磁性体と非磁性体からなる積
層膜) 14 キャリア電流 15 外部磁界Hext 16、17 電極パッド 18 高周波電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中居 倫夫 宮城県仙台市泉区明通二丁目2番地 宮城 県産業技術総合センター内 (72)発明者 池田 義秋 宮城県仙台市太白区郡山六丁目7番1号 株式会社トーキン内 (72)発明者 荒井 賢一 宮城県塩竈市南町6番14号 Fターム(参考) 2G017 AA01 AC09 AD51 AD63 AD65 BA03 BA15

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄膜磁性体に、高周波電源から交流電流
    を供給し、外部磁界に応じた電気的特性の変化を検出す
    る磁界検出素子において、外部磁界の絶対値の増加に対
    して、インピーダンスが減少する電気的特性を利用し
    て、磁界を検出するように構成したことを特徴とする磁
    界検出素子。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の磁界検出素子において、
    前記薄膜磁性体において、磁区構造により発現する磁壁
    の中で、還流磁区が生成する磁壁以外の磁壁が、通電方
    向に対して傾斜していることによって、外部磁界の絶対
    値の増加に対して、外部磁界ゼロからインピーダンスが
    減少する電気的特性を示すことを特徴とする磁界検出素
    子。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の磁界検出素子に
    おいて、前記薄膜磁性体において、磁区構造により発現
    する磁壁の中で、還流磁区が生成する磁壁以外の磁壁と
    通電方向とのなす角度の小角側が、0°以上30°以下
    であることを特徴とする磁界検出素子。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の内のいずれか一つに記載
    の磁界検出素子において、前記薄膜磁性体は、通電方向
    に垂直な素子断面の長辺/短辺で定義したアスペクト比
    と、素子の幅、膜厚および長さを、所定の値に規定した
    ことによって、外部磁界の絶対値の増加に対して、外部
    磁界ゼロからインピーダンスが減少する電気的特性を示
    すことを特徴とする磁界検出素子。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の内のいずれか一つに記載
    の磁界検出素子において、前記薄膜磁性体は、磁性体薄
    膜の通電方向に垂直な素子断面のアスペクト比が、3以
    上8以下、磁性体薄膜の幅が、5μm以上15μm以
    下、磁性体薄膜の膜厚が、1.5μm以上3.5μm以
    下、磁性体薄膜の長さが、0.5mm以上3mm以下で
    あることを特徴とする磁界検出素子。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の内のいずれか一つに記載
    の磁界検出素子において、前記薄膜磁性体は、外部磁界
    を検出する際に、高周波電源から供給される交流電流の
    周波数が、10MHz以上300MHz以下であること
    を特徴とする磁界検出素子。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6の内のいずれか一つに記載
    の磁界検出素子において、前記薄膜磁性体は、単層の磁
    性体で構成される薄膜磁性体、または、磁性体と非磁性
    体を交互に積層した薄膜磁性体であることを特徴とする
    磁界検出素子。
JP2002086100A 2002-03-26 2002-03-26 磁界検出素子 Expired - Fee Related JP4026050B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002086100A JP4026050B2 (ja) 2002-03-26 2002-03-26 磁界検出素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002086100A JP4026050B2 (ja) 2002-03-26 2002-03-26 磁界検出素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003282995A true JP2003282995A (ja) 2003-10-03
JP4026050B2 JP4026050B2 (ja) 2007-12-26

Family

ID=29232823

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002086100A Expired - Fee Related JP4026050B2 (ja) 2002-03-26 2002-03-26 磁界検出素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4026050B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004327755A (ja) * 2003-04-25 2004-11-18 Japan Science & Technology Agency 高周波可変リアクタンス素子
JP2006093202A (ja) * 2004-09-21 2006-04-06 Nec Tokin Corp 磁界検出素子の製造方法
JP2007047115A (ja) * 2005-08-12 2007-02-22 Nec Tokin Corp 磁気センサ
WO2007088711A1 (ja) * 2006-02-03 2007-08-09 Kyoto University 強磁性細線
JP2007235119A (ja) * 2006-02-03 2007-09-13 Kyoto Univ 強磁性細線
US7400909B2 (en) 2003-07-30 2008-07-15 Aisin Seiki Kabushiki Kaisha Mobile communication apparatus used to communicate information between mobile units

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004327755A (ja) * 2003-04-25 2004-11-18 Japan Science & Technology Agency 高周波可変リアクタンス素子
US7400909B2 (en) 2003-07-30 2008-07-15 Aisin Seiki Kabushiki Kaisha Mobile communication apparatus used to communicate information between mobile units
JP2006093202A (ja) * 2004-09-21 2006-04-06 Nec Tokin Corp 磁界検出素子の製造方法
JP4541082B2 (ja) * 2004-09-21 2010-09-08 Necトーキン株式会社 薄膜磁気インピーダンス型磁界検出素子の製造方法
JP2007047115A (ja) * 2005-08-12 2007-02-22 Nec Tokin Corp 磁気センサ
WO2007088711A1 (ja) * 2006-02-03 2007-08-09 Kyoto University 強磁性細線
JP2007235119A (ja) * 2006-02-03 2007-09-13 Kyoto Univ 強磁性細線

Also Published As

Publication number Publication date
JP4026050B2 (ja) 2007-12-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3197414B2 (ja) 磁気インピーダンス効果素子
KR101007759B1 (ko) 자기 발진 소자, 자기 발진 소자를 포함한 자기 헤드 그리고 자기 기록 및 재생 장치
JP5142923B2 (ja) 磁性発振素子、磁気センサ及び磁気記録再生装置
KR101093776B1 (ko) 자기 센서
JP2008197089A (ja) 磁気センサ素子及びその製造方法
JP4047955B2 (ja) 磁気インピーダンスセンサ
JP6132085B2 (ja) 磁気検出装置
JP2000284030A (ja) 磁気センサ素子
JP3360168B2 (ja) 磁気インピーダンス素子
JP4418986B2 (ja) 磁界検出素子およびこれを利用した磁界検出方法
JP4026050B2 (ja) 磁界検出素子
JP2000284028A (ja) 薄膜磁性体mi素子
JP3341036B2 (ja) 磁気センサ
JP3676579B2 (ja) 磁気インピーダンス素子
JP2003130932A (ja) 磁界検出素子
Bushida et al. Magneto-impedance element using amorphous micro wire
JP2000055996A (ja) 磁気センサ
JP4110468B2 (ja) 磁気インピーダンス素子
JP2001305163A (ja) 電流センサ
Takemura et al. Output properties of zero-speed sensors using FeCoV wire and NiFe/CoFe multilayer thin film
JP3523834B2 (ja) 磁界センサおよび磁界センシングシステム
JP3494947B2 (ja) Mi素子の制御装置
Takemura et al. Fabrication of zero-speed sensor using weakly coupled NiFe/CoFe multilayer films
JPH0763832A (ja) 磁気センサおよび磁界検出方法
JPH10270775A (ja) 磁気抵抗効果素子及びそれを用いた回転センサ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040927

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20040927

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070323

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070411

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070530

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070829

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070926

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101019

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees