JP2003279100A - タスク・アンビエント空調方法及び空調システム - Google Patents

タスク・アンビエント空調方法及び空調システム

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JP2003279100A JP2002085766A JP2002085766A JP2003279100A JP 2003279100 A JP2003279100 A JP 2003279100A JP 2002085766 A JP2002085766 A JP 2002085766A JP 2002085766 A JP2002085766 A JP 2002085766A JP 2003279100 A JP2003279100 A JP 2003279100A
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    • F24F2007/004Natural ventilation using convection

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 なるべく少ないエネルギで快適性を損うこと
なくタスク・アンビエント空調を行うことができる手段
を提供する。 【解決手段】 室10内に形成されるタスク域13を床
吹出し方式によって空調し,アンビエント域14を置換
換気空調方式によって空調する。タスク域13に対し,
二重床から床吹出し方式によって給気し,アンビエント
域14に対してはタスク域13に給気する空調空気と同
じ空気源から供給された空調空気を,二重床から置換換
気チャンバ55に導入し,室10の下方に給気する。高
温になる非居住域9の空調空気による攪拌作用を伴わな
いので省エネルギー化がはかられ,また,必要な分だけ
を送気するだけで快適性を維持できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,室内に形成される
タスク域とアンビエント域を別々に制御して空調するタ
スク・アンビエント空調に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に,室内において,作業員がOA機
器の操作などを行うタスク域(作業域)を個別に空調
し,タスク域を取囲んでいるアンビエント域(人の滞在
が非定常である区域)をタスク域とは別に制御して空調
するタスク・アンビエント空調が知られている。このタ
スク・アンビエント空調は,タスク域を個別に空調する
ことによって,快適性の向上をはかったものであり,タ
スク・アンビエント空調に関しては,従来より,(A)
タスク域に対し天井ノズルから吹付けを行い,アンビエ
ント域を通常の吹出口による天井吹出し空調によって空
調する方式,(B)タスク域を床吹き出し空調し,アン
ビエント域をこの吹出された空調による天井付着噴流に
より空調する方式などが公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが,(A)の方
式によると,レイアウト変更が困難,天井内機器の増
加,非タスク域(アンビエント域)まで空調することに
よる負荷増加等の難点がある。また(B)の方式による
と,システムの複雑化,非タスク域(アンビエント域)
まで空調することによる負荷増加等の難点がある。そし
て,これら(A)(B)の方式によると,従来のタスク
・アンビエント空調では,室内全体を空調していたの
で,省エネルギ化がはかりにくかった。
【0004】ここで,一般的に床吹出し空調は居住者の
近傍に吹出し口を設けやすく,パーソナル性に優れると
されているが,二重床内で下階や室内から熱を授受する
ために,吹出し温度が空調機から離れるにしたがって,
大きく上昇(あるいは下降)する。温熱体感は,暴露域
の吹出し気流速度によっても変わるが,気流温度によっ
て大きく異なり,床吹出しだけでタスク・アンビエント
空調を行うと,場所によって体感が大きく異なってしま
う。この場合,吹出し温度を適切な範囲に均一化できれ
ば,個人別の体感調整がより容易になる。しかし,通常
のオフィスでは,タスク域とアンビエント域の面積割合
が1:1程度であり,半数の床吹出し口をアンビエント
用として空調機遠方に集中配置できれば,床下温度がよ
り均一にできるが,オフィス家具などの制約もあり,現
実的ではない。また,床吹出し空調では多数の吹出し口
が必要になる,設置できる場所が限られており,適切な
配置が難しい場合もある。
【0005】本発明の目的は,なるべく少ないエネルギ
ーで快適性を損うことなくタスク・アンビエント空調を
行うことができる手段を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に,本発明によれば,室内に形成されるタスク域を床吹
出し方式によって空調し,アンビエント域を置換換気空
調方式によって空調することを特徴とする,タスク・ア
ンビエント空調方法が提供される。この空調方法にあっ
ては,高温になる非居住域の空調空気による攪拌作用を
伴わないので省エネルギー化がはかられ,また,必要な
分だけを送気するだけで快適性を維持できる。
【0007】本発明のタスク・アンビエント空調方法に
おいて,タスク域に対し,二重床から床吹出し方式によ
って給気し,アンビエント域に対してはタスク域に給気
する空調空気と同じ空気源から供給された空調空気を,
二重床から置換換気チャンバに導入し,室の下方に給気
するようにしてもよい。この場合,タスク域に対し,加
圧された空気を二重床から加圧吹出し方式によって給気
しても良いし,タスク域に対して,二重床からファンを
利用して給気するようにしても良い。タスク域とアンビ
エント域に同じ空気源(二重床)から供給された空調空
気を給気することにより省コスト化をはかることができ
る。また,タスク域の外周部に設置した置換換気チャン
バまで送気するので,空調機遠方の二重床風量が大きく
なるため,二重床内の温度が均一となり,室内の空気の
温度分布が均一化される。
【0008】また,前記アンビエント域に対し,ペリカ
ウンタから給気し,ペリメータゾーンで発生した熱気
を,ペリメータゾーンの上方において室外に強制的に排
気し,その際,ペリメータゾーンで発生した熱気の温度
に基いて排気風量を決定し,ペリメータゾーンで発生し
たコールドドラフトを,ペリメータゾーンの下方におい
て室外に強制的に排出することが好ましい。例えば夏季
などにおいては,ペリメータゾーンで発生して上昇する
熱気を,室内雰囲気を攪拌させることなく速やかに室外
に排気することにより,室内雰囲気への影響を防止する
ことができる。また,タスク域とアンビエント域に同じ
空気源から供給された空調空気を給気することにより,
ペリメータゾーンの空気処理も省コストでできるように
なる。また例えば冬季などにおいては,ペリメータゾー
ンで発生したコールドドラフトを,ペリメータゾーンの
下方において室外に強制的に排出し,室内雰囲気への影
響を防止する。また,例えば冬季などにおいて,ペリメ
ータゾーンで日射により熱気が発生するような場合は,
ペリメータゾーンで発生して室外に排出した熱気を,再
び室内に供給して暖房に活用することも可能である。な
お,「室外に排出」とは,屋外に排気するほか,いった
ん天井裏等に排出して空調に再利用する「還気」も含む
概念である。
【0009】また,前記ペリメータゾーンで発生した熱
気を複数の箇所から排出し,室温が設定温度以下の場合
は,排出される熱気の温度が高い箇所については排気量
を減らし,排出される熱気の温度が低い箇所については
排気量を増やすことが好ましい。この場合,ペリメータ
ゾーンが複数箇所にあり,それら複数のペリメータゾー
ンについて,排出される熱気の温度が高いペリメータゾ
ーンについては排気量を減らし,排出される熱気の温度
が低いペリメータゾーンについては排気量を増やすよう
にしても良い。また,一つのペリメータゾーンにおいて
複数箇所で熱気を排出する場合は,そのペリメータゾー
ンについて,排出される熱気の温度が高い箇所について
は排気量を減らし,排出される熱気の温度が低い箇所に
ついては排気量を増やすようにしても良い。このように
一つのペリメータゾーンについて,複数箇所で排気量を
増減させる場合,それら複数の箇所は間仕切等で仕切ら
れていても良いし,そのような間仕切が存在しなくても
よい。
【0010】また本発明によれば,室内に形成されるタ
スク域にタスク空調を行うための空気を供給する吹出し
口を室の床面に配置し,室内に形成されるアンビエント
域に置換換気空調を行うための空気を供給する給気口を
室の側面に配置し,室内の空気を排出する吸気口を,室
の天井面に設置したことを特徴とする,タスク・アンビ
エント空調システムが提供される。なお,室の天井面に
設置された吸気口から排出した空気は,空調後再び室内
に還気しても良いし,そのまま外部に排気してもよい。
このように天井面に設置された吸気口を,各種の運転モ
ードによって使い分けることが可能である。この空調シ
ステムにあっては,室の床レベルにおいて,タスク域に
対しては,タスク空調を行うための空気を室の床面に配
置された吹出し口から供給し,アンビエント域に対して
は,置換換気を行うための空気を室の側面に配置給気口
から供給する。そして,室の天井面に設置された吸気口
により,室内の空気を排気する。居住域空調に適した置
換換気によってアンビエント域の換気に必要な分の風量
を供給し,床下温度の均一化を図るとともに,タスク域
の床吹出しによってパーソナル空調性を持たせることが
できる。また,ダクトレス化によるイニシャルコスト低
減や空調起動時間の短縮,アンビエント域も居住域高さ
以下の空調を行うことによって,省エネルギー運転を行
うことが可能となる。また,レイアウト変更が容易で,
天井内機器などを増加することなく,簡単なシステムを
構成でき,負荷増加も回避して省エネルギ化がはかられ
る。
【0011】この空調システムにおいて,ペリメータゾ
ーンにペリカウンタを配置し,このペリカウンタ内に,
吹き出し気流に旋回成分を与えるフィンを装着した置換
換気チャンバを配置し,前記タスク域に給気する吹出し
口に風量調整機構を装着し,前記タスク域とアンビエン
ト域に同じ空気源から供給された空調空気を給気するよ
うに構成しても良い。ペリカウンタから置換換気によっ
てアンビエント域に給気し,床下温度の均一化をはかる
と共に,タスク域に風量調整した空気を供給することに
より,パーソナル空調性を高めることができる。また,
ダクトレス化によるイニシャルコスト低減や,空調起動
時間の短縮がはかれる。また,アンビエント域も居住空
間の高さまで空調を行うことによって,更に省エネルギ
化がはかれる。
【0012】また,タスク域とアンビエント域を仕切る
位置にパーテションを配置し,このパーティションの足
下に空気流通用の開口を設けても良い。この場合,「足
下」とは足の下部のことであり,例えば床上30cm以
下の高さをいう。このようにパーティションの足下に開
口を設ければ,置換換気空調の給気をタスク域まで搬送
でき,アンビエント空調で使った空気をさらにタスク域
にも供給でき,全体として風量を低減できる。なお,タ
スク空調を行うための空気を供給する吹出し口は風量調
整機能を備えていても良い。また,タスク空調を行うた
めの空気を供給する吹出し口や置換換気を行うための空
気を供給する給気口には,旋回成分を加えるためのフィ
ンを設けても良い。
【0013】
【発明の実施の形態】以下,本発明の好ましい実施の形
態を図面を参照にして説明する。図1は,本発明の実施
の形態にかかるタスク・アンビエント空調システム(以
下「空調システム」という)1の概略的な構成を示す説
明図である。
【0014】室10の内部は,下方(床20から1.8
m程度の高さまで)が居住空間8であり,居住空間8よ
りも上方は,非居住空間9になっている。居住空間8に
は,作業員11がOA機器12の操作などを行うタスク
域(作業域)13と,このタスク域13を取囲んでいる
アンビエント域14が形成されている。アンビエント域
14は,例えば壁面から50cm程度の範囲で形成され
ている。図示の例では,タスク域13に存在する各作業
スペース15を互いに仕切るようにパーテション16が
複数枚設置されている。そして,それら複数枚の内の一
部のパーテション16は,タスク域13とアンビエント
域14を仕切る位置に配置されている。また,各パーテ
ィション16の足下の部分には,開口17がそれぞれ設
けられている。
【0015】室10の床20の下方には給気チャンバ
(二重床)21が形成されており,室10の天井22の
上方には還気チャンバ23が形成されている。また,室
10の一側面(図1に示す例では,室10の右側面)に
は,空調機械室25が形成されている。空調機械室25
には,フィルタ26,熱交換器27,ファン28を備え
る空調機29が装置されている。そして,この空調機2
9には還気ダクト29aと外気取入ダクト29bが接続
される。そしてこの空調機29の稼動により,還気チャ
ンバ23から取込んだ還気RAと外気OAを混ぜて,塵
埃のろ過,温度調節及び湿度調節を行い,作り出した給
気SAを給気チャンバ21に送り,室10に供給するよ
うになっている。
【0016】室10の床20には,タスク域13に存在
する各作業スペース15に対して,タスク空調を行うた
めの空気(給気SA)を供給する吹出し口30が設けら
れている。前述のように空調機29によって塵埃のろ
過,温度調節及び湿度調節され,給気チャンバ21に給
気SAが送られることにより,給気チャンバ21内が陽
圧となり,吹出し口30を通って給気SAが上向きに吹
き出され,タスク域13に存在する各作業スペース15
に下から吹きつけられる。
【0017】図2は,吹出し口30の斜視図(a)と分
解図(b)である。この吹出し口30は,上下が開口し
た円筒形状をなすケーシング31の内部に,旋回ガイド
ベーン32とシャッタ33を上下に配置し,ケーシング
31の上面に取りつけたカバー34の上から旋回ガイド
ベーン32及びシャッタ33の中心に貫通させたシャフ
ト35の下端に押え部材36を取りつけて締めつけた構
成になっている。
【0018】シャッタ33は,複数枚の羽37を備えて
おり,モータ39の稼動でシャフト35を中心に羽37
を回転させて,互いの羽37の位置を変更できるように
なっている。例えば,図3に示すように,各羽37を同
じ位置に揃えて重ねた場合は,羽37によって遮られる
面積が小さくなってシャッタ33は開かれた状態とな
り,吹出し口30を通る給気SAの風量が多くなる。ま
た例えば,図4に示すように,各羽37の位置をずらし
て広げた場合は,羽37によって遮られる面積が大きく
なってシャッタ33は閉じられた状態となり,吹出し口
30を通る給気SAの風量が少なくなる。
【0019】図1に示すように,タスク域13に存在す
る各作業スペース15には,モータ39の稼動を制御し
て,このようにシャッタ33を開閉させるコントローラ
38が配置されている。そして,各作業スペース15に
おいて,作業員11がコントローラ38を操作してシャ
ッタ33を開閉させることにより,各作業スペース15
の吹出し口30から上向きに吹き出される給気SAの風
量が調整されるようになっている。タスク域13に供給
される冷気または暖気が不足する場合は,作業員11が
コントローラ38を操作してシャッタ33を開き,逆に
過供給の場合は,シャッタ33を閉じればよい。
【0020】また,シャッタ33の上方に配置される旋
回ガイドベーン32は,中央の支持部材40の周りに,
複数枚の板状のフィン41を,適当な等間隔で放射状に
取り付けた構成になっている。吹出し口30から各作業
スペース15に向かって吹き出す給気SAに旋回成分を
与えるべく,これら各フィン41は,吹出し口30の中
心軸(シャフト35)に対してそれぞれ傾斜して配置さ
れている。そして,給気チャンバ21から吹出し口30
を通してタスク域13に給気SAを供給する際に,各フ
ィン41に沿わせて強制的に流すことにより,図2
(a)に示すように,吹出し口30から各作業スペース
15に向かって吹き出す給気SAに,シャフト35を中
心軸とする旋回成分が与えられるようになっている。
【0021】図5は,給気チャンバ21の平面図であ
る。給気チャンバ21の一側面(図5に示す例では,給
気チャンバ21の右側面)は,前述したレタンチャンバ
25の下端に接続されており,空調機29によってろ過
及び温度調節された給気SAが,給気チャンバ21の一
側面から給気チャンバ21内に供給される。こうして給
気チャンバ21内に供給された給気SAは,給気チャン
バ21の内部に配置された拡散板45に衝突して拡散
し,給気チャンバ21の内部全体に満遍なく給気SAが
供給されるようになっている。この拡散板45は,例え
ばその高さが給気チャンバ21の高さの約半分であり,
本出願人が先に開示した特開平7−243665(特許
第3040910)に記載された拡散板と同様のものを
採用することができる。
【0022】図示の例では,給気チャンバ21の他の側
面(図5において,上下側と左側に示された側面)に
は,給気チャンバ21内の給気SAを,後に説明する置
換換気チャンバ55に供給する開口46が設けてある。
前述のように給気チャンバ21内に供給された給気SA
は,一部は室10の床20に設けられた吹出し口30を
通ってタスク域13に上向きに吹きつけられ,残りは,
開口46を通って,各置換換気チャンバ55に供給され
るようになっている。
【0023】図6は,室10の壁面(背部にレタンチャ
ンバ25が形成されていない側面の壁面であり,この実
施の形態ではペリメータゾーン)を室10の内側から見
た状態を示している。図示の例では,室10の壁面に
は,窓50が設けてあり,窓50の左右両側に支柱51
が形成され,窓50の下方にはペリカウンタ52が設け
てある。ペリカウンタ52の前面は,室10内の下部に
向って給気SAを供給する通気面53に形成されてい
る。
【0024】図7は,ペリカウンタ52の内部の説明図
である。ペリカウンタ52の内部には,置換換気チャン
バ55が設置されている。図示の例では,背部にレタン
チャンバ25が形成された建物側面の壁面を除いて,各
壁面の下部に設けられたペリカウンタ52の内部に置換
換気チャンバ55をそれぞれ設置することにより,室1
0の内部においてタスク域13の周りに形成されたアン
ビエント域14に,置換換気チャンバ55が配置された
状態になっている。
【0025】置換換気チャンバ55の前面(室10の内
部に向いた面)には,多数の給気口56が開口してお
り,前述のように給気チャンバ21内から開口46を通
って置換換気チャンバ55に供給された給気SAが,給
気口56から置換換気チャンバ55の前面に供給される
ようになっている。こうして置換換気チャンバ55から
供給された給気SAは,更にペリカウンタ52前面(室
10の内部に向いた面)の通気面53を通過して,室1
0内のアンビエント域14に供給される。なお,通気面
53は意匠上取りつけるものであり,給気口56と略同
じ位置に設けられる。
【0026】置換換気チャンバ55の前面に開口してい
る各給気口56には,図8に示すように,複数枚のフィ
ン57がそれぞれ装着されている。各給気口56の中央
に支持部材58が設けてあり,各フィン57は,この支
持部材58の周りに適当な等間隔で放射状に取り付けて
ある。各給気口56から室10内のアンビエント域14
に向かって供給される給気SAに旋回成分を与えるべ
く,これら各フィン57は,給気口56の中心軸に対し
てそれぞれ傾斜して配置されている。そして,給気口5
6からペリカウンタ52前面の通気面53を通してアン
ビエント域14に給気SAを供給する際に,各フィン5
7に沿わせて強制的に流すことにより,給気SAに旋回
成分が与えられるようになっている。
【0027】図9に示すように,横に並んでいる給気口
56同士の場合は,相隣り合う給気口56から吐出され
る給気SAの旋回方向が互いに同じ回転方向の関係であ
るが,縦に並んでいる給気口56同士の場合は,相隣り
合う給気口56から吐出される給気SAの旋回方向が互
いに逆の回転方向の関係となるように,各給気口56に
装着されるフィン57の向きが設定されている。これに
より,各給気口56から旋回しながら吐出される給気S
Aが,左右に広がる運動方向が互いに同じとなり,相殺
されずに横に広く拡散するようになっている。
【0028】図7に示すように,ペリカウンタ52の横
には,ペリカウンタ52と連通可能にダクト60が立設
してある。このダクト60は,例えば図6に示した支柱
51に接して配置され(但し,図1においては,説明の
ため,ダクト60を窓50の外部に記載している),天
井裏の還気チャンバ23に通じている。ダクト60の下
端には,開閉ダンパ61を介して置換換気チャンバ55
と連通するバイパス管62が接続してある。また,ダク
ト60の下端には,別の開閉ダンパ63を介して開口部
64がペリカウンタ52内に開口するように形成してあ
る。
【0029】ペリカウンタ52の上面には,例えば冬季
などにおいて,ペリメータゾーン(室10内における窓
50の近傍部)で発生したコールドドラフトを,ペリカ
ウンタ52の内部に流下させるスロット65が,ペリカ
ウンタ52の幅いっぱい(窓50の幅とほぼ同じ)に開
口している。スロット65は窓50に沿うように,ペリ
メータゾーンの下方に配置されている。図1に示すよう
に,ペリカウンタ52の内部には,こうしてペリカウン
タ52内にコールドドラフトが流下してきたことを検出
する温度センサ66が設けられている。
【0030】ダクト60の端末には,ファン70が接続
してある。例えば冬季などにおいて,ペリメータゾーン
で発生したコールドドラフトがスロット65からペリカ
ウンタ52内に流下してきた場合は,前述の開閉ダンパ
63を開き開閉ダンパ61を閉じた状態で,ファン70
を稼動させることにより,ペリカウンタ52内に流下し
たコールドドラフトを,開口部64からダクト60を通
じて,還気チャンバ23内に強制的に送ることができ
る。また,起動時の運転方法として,前述の開閉ダンパ
61を開き,ファン70を稼動させた場合は,給気チャ
ンバ21内の給気SAを,置換換気チャンバ55,開口
46及びダクト60を通じて,還気チャンバ23内に強
制的に送ることができる。
【0031】室10の天井22には,室10内の空気を
還気チャンバ23内に排気させる吸気口75が設けてあ
る。前述の空調機29の稼動により,還気チャンバ23
からレタンチャンバ25に還気RAが取込まれることに
より,還気チャンバ23内が陰圧となり,室10内の天
井レベルにある空気が吸気口75を通って還気チャンバ
23内に還気される。
【0032】ペリメータゾーンの上方には,例えば夏期
などにおいて,ペリメータゾーンで発生した熱気を,室
10外に排気させるためのスロット76が開口してい
る。スロット76は窓50の幅いっぱいに,ペリメータ
ゾーンの上方に配置されている。このスロット76の上
部にはダクト77を通じて排気ファン78が接続してあ
り,例えば夏期などにおいて,熱気が窓50近辺(ペリ
メータゾーン)にこもるのを回避すべく,排気ファン7
8の稼動により,その上昇気流をスロット76から速や
かに吸い込み,ダクト77を通じて屋外に排気するよう
になっている。これにより,窓50近辺には近傍の空調
された冷気が吸い寄せられて暑熱が緩和する。スロット
76には,このようにペリメータゾーンで熱せられて発
生した上昇気流を検出する温度センサ80が設けられて
いる。
【0033】さて,この空調システム1において空調を
行うには,空調機29の稼動により,空調された給気S
Aを給気チャンバ21に送り込み給気チャンバ21内を
陽圧にする。こうして,室10内のタスク域13に存在
する各作業スペース15に対しては,吹出し口30を通
って給気SAを上向きに供給し,一方で,アンビエント
域14に対しては,ペリカウンタ52内部に設置された
置換換気チャンバ55から通気面53を通過させて給気
SAを供給する。
【0034】ここで,以上のように給気チャンバ21か
ら室10内に給気SAを供給して空調を行う場合,図1
0に示すように,給気チャンバ21の内部に対して,室
10の床20(給気チャンバ21の上面)や室10の下
階の天井22’(給気チャンバ21の上面)から熱の授
受があり,給気チャンバ21内を移動中に給気SAの温
度が変化する。例えば夏季に冷房運転を行う場合は,図
10(a)に示すように,空調機29の出口温度が20
℃,室10内の床表面の温度が26℃,室10の下階の
天井スラブの下面レベルの温度が30℃であれば,床2
0を通じて室10から給気チャンバ21に熱Qociが移
動し,天井スラブ22’を通じて室10の下階から給気
チャンバ21に熱Qciが移動する。これにより,給気チ
ャンバ21内を移動する給気SAの温度Tsiが上昇する
こととなる。また,例えば冬季に暖房運転を行う場合
は,図10(b)に示すように,空調機29の出口温度
が22℃,室10内の床表面の温度が24℃,室10の
下階の天井スラブの下面の温度が15℃であれば,床2
0を通じて室10から給気チャンバ21に熱Qociが移
動し,天井22’を通じて給気チャンバ21から室10
の下階に熱Qciが移動する。これにより,給気チャンバ
21内を移動する給気SAの温度Tsiが低下することと
なる。このような給気チャンバ21内における給気SA
の温度変化は,移動距離が長ければそれだけ大きくな
り,特に,給気チャンバ21内において空調機29から
離れた場所(例えば,レタンチャンバ25が接続された
位置と反対側となる給気チャンバ21の側面)では,給
気SAの温度が大きく変化してしまう。
【0035】そこで,この空調システム1の起動時に
は,先に図7で説明した開閉ダンパ61を開き,ファン
70を稼動させることにより,図11に示すように,給
気チャンバ21内の給気SAを,置換換気チャンバ55
からダクト60を通じて,室10内を迂回させて還気チ
ャンバ23内に強制的に送る状態にする。そして,空調
機29の稼動により,還気チャンバ23から取込んだ還
気RAを空調し,作り出した給気SAを給気チャンバ2
1に送り込む。こうして,給気チャンバ21に供給され
た給気SAは,置換換気チャンバ55からダクト60を
通じて,室10内を通らずに,そのまま還気チャンバ2
3内に送られる。この場合,空調機29には外気OAの
取込みをせずに,還気RAのみを取込んで温度調節して
給気SAを作り,その給気SAを給気チャンバ21に送
り込んで循環させると良い。
【0036】こうして給気チャンバ21に供給された給
気SAは,ファン70が稼動していることにより,ダク
ト60を通じて給気SAの大部分を給気チャンバ21か
ら強制的に吸い出すようにすればので,吹出し口30か
らはほとんど吹き出すことなく,室10に供給されずに
還気チャンバ23内に送られることとなる。これにより
床20および天井スラブ22’は空調された空気の温度
に近づき,略等しくなったら以降定常運転に移行する。
【0037】また,空調システム1の起動時において
は,給気チャンバ21に供給された給気SAを,空気流
路が最も長くなる位置関係で還気するのが好ましい。す
なわちレタンチャンバ25が接続された位置と反対側の
位置において,給気チャンバ21内を流通する空気を抜
き出し,ダクト60を通じて還気チャンバ23内に供給
することが望ましい。例えば図1に示した例のように給
気チャンバ21の右側面にレタンチャンバ25が接続さ
れる場合であれば,給気チャンバ21の左側面に位置す
る置換換気チャンバ55にダクト60を接続するのが良
い。そうすれば,給気チャンバ21内において,給気S
Aが右側面から反対側の左側面まで移動することとなる
ので,給気チャンバ21内を右側面から左側面までの間
に渡って給気SAで加熱もしくは冷却することが可能と
なる。
【0038】図12は,このように空調機29からの給
気SAを置換換気チャンバ55からダクト60を通じて
還気チャンバ23内に強制的に送った場合における,空
調機29から置換換気チャンバ55までの距離(m)
と,置換換気チャンバ55に供給される給気SAの温度
(℃)の関係を示したグラフである。この図12から分
るように,空調機29から置換換気チャンバ55までの
距離が長くなると,それに比例して,置換換気チャンバ
55に供給される給気SAの温度が変化する。また,そ
の変化率は,置換換気チャンバ55からダクト60を通
じて還気チャンバ23内に強制的に送る給気SAの量に
応じて変化する。例えば夏季に冷房運転を行う場合は,
図12(a)に示すように,給気チャンバ21内の給気
SAの100%を置換換気チャンバ55からダクト60
を通じて還気チャンバ23内に送った時が,最も温度上
昇が少ない状態で給気SAを給気チャンバ21内にて移
動させることができる。また,例えば冬季に暖房運転を
行う場合は,図12(b)に示すように,給気チャンバ
21内の給気SAの100%を置換換気チャンバ55か
らダクト60を通じて還気チャンバ23内に送った時
が,最も温度低下が少ない状態で給気SAを給気チャン
バ21内にて移動させることができる。このため,空調
システム1の起動時には,冷房運転時及び暖房運転時の
いずれの場合も,給気チャンバ21に供給された給気S
Aのなるべく多くをダクト60を通じて還気チャンバ2
3内に直接循環させる。そうすれば,給気チャンバ21
内を右側面から左側面までの間に渡って速やかに給気S
Aで加熱もしくは冷却することが可能となり,熱容量の
大きな給気チャンバ21の蓄熱負荷を迅速に処理し,空
調ウォーミングアップ時間を短縮することができる。
【0039】また,このように給気チャンバ21内にて
給気SAを移動させる場合,給気チャンバ21の内部に
配置された拡散板45に給気SAが衝突して拡散し,給
気SAは,給気チャンバ21の幅方向いっぱいに広がり
ながら,給気チャンバ21内を右側面から左側面まで流
れていくこととなる。空調システム1の起動時において
は,給気チャンバ21の内部全体に給気SAが速やかに
広がるので,給気チャンバ21の内面全体を短時間で全
体的に加熱もしくは冷却することができる。
【0040】こうして給気チャンバ21の内面を全体的
に加熱もしくは冷却した後,先に図7で説明した開閉ダ
ンパ61を閉じ,ファン70の稼動を停止することによ
り,起動運転を終了する。そして,空調システム1の運
転を開始する。即ち,空調機29の稼動により,空調し
て作り出した給気SAを給気チャンバ21に送り込む。
これにより,給気チャンバ21内が陽圧となり,吹出し
口30を通って給気SAが上向きに吹き出され,室10
内のタスク域13に存在する各作業スペース15に下か
ら吹きつけられる。また一方で,給気チャンバ21内の
給気SAは,給気チャンバ21の側面(レタンチャンバ
25の下端に接続されていない側面であって,図5にお
いては,上下側と左側に示された給気チャンバ21の側
面)に設けられた開口46を通って,室10内の各ペリ
カウンタ52内部に設置された置換換気チャンバ55に
も供給される。こうして各置換換気チャンバ55に供給
された給気SAは,ペリカウンタ52前面の通気面53
を通過して,室10の内部においてタスク域13の周り
に形成されたアンビエント域14に対して供給される。
この場合,既に上述のような起動運転を行って給気チャ
ンバ21内全体を給気SAで予め加熱もしくは冷却して
いることにより,給気チャンバ21の内部における給気
SAの温度変動を抑制でき,タスク域13とアンビエン
ト域14に給気SAを安定した温度で供給できるように
なる。
【0041】また,こうして給気チャンバ21内から床
20に設けた吹出し口30とペリカウンタ52前面の通
気面53を介して室10内に給気SAを供給する場合に
あっても,給気チャンバ21の内部に配置された拡散板
45に給気SAが衝突して拡散するので,給気SAは,
給気チャンバ21の内部全体に速やかに広がることとな
る。これにより,給気チャンバ21内を全体的に均一に
加圧し,床20に設けた各吹出し口30とペリカウンタ
52前面の各通気面53を介して,タスク域13とアン
ビエント域14に給気SAを満遍なく供給することが可
能となる。
【0042】そして,床20に設けられた吹出し口30
から上向きに吹き出された給気SAは,室10内のタス
ク域13に存在する各作業スペース15に対して,それ
ぞれ空調(タスク空調)を行う。その際,吹出し口30
の旋回ガイドベーン32に装着されたフィン41に沿っ
て給気SAが強制的に流されることにより,吹出し口3
0から各作業スペース15に向かって吹き出す給気SA
に旋回成分が与えられる。そして,このように旋回しな
がらタスク域13に供給される給気SAは,吹出し口3
0から噴出された後,周囲の空気をまき込んで各作業ス
ペース15を空調することとなり,噴出後すぐに減速さ
れるので,噴出速度を比較的早くしても,ドラフト不快
域を低くすることができる。こうして,タスク域13に
ついては,居住域8(一般的に床から約1.8m以下の
範囲)のみを空調することができる。このように置換換
気空調を併用するので,それより上(非居住域9)に溜
まった熱を居住域8に攪拌しない。
【0043】また,このようにタスク域13を空調する
場合,各作業スペース15に配置されたコントローラ3
8を作業員11が操作することにより,吹出し口30に
内蔵されたシャッタ33を開閉させることができる。こ
れにより,各作業スペース15の吹出し口30から上向
きに吹き出される給気SAの風量が調整され,タスク域
13に存在する各作業スペース15に対する個別制御も
可能である。
【0044】また一方,各ペリカウンタ52内部に設置
された置換換気チャンバ55から供給された給気SA
は,ペリカウンタ52前面の通気面53を通過し,室1
0内のアンビエント域14に対して供給される。この場
合も同様に,置換換気チャンバ55前面の各給気口56
に装着されたフィン57に沿って給気SAが強制的に流
されることにより,給気口56からアンビエント域14
に向かって供給される給気SAに旋回成分が与えられ
る。そして,このように旋回しながらアンビエント域1
4に供給される給気SAは,給気口56から噴出された
後,周囲の空気をまき込みながらアンビエント域14に
供給されることとなり,同様にドラフト不快域を狭くす
ることができる。こうして,アンビエント域14につい
ては,置換換気空調を行う。
【0045】こうして,室10内の床レベルにおいて,
タスク域13に対してタスク空調を行うと共に,アンビ
エント域14に対して置換換気を行う一方で,室10の
天井22に配置された吸気口75により,室10内の天
井レベルにある空気を還気チャンバ23内に排気する。
こうして還気チャンバ23内に排気された空気は,空調
機29の稼動により還気RAとなってレタンチャンバ2
5に取込まれ,適宜外気OAと混ぜられて,空調された
後,再び給気SAとなって給気チャンバ21に送られ,
床面において室10内に供給される。このように,タス
ク域13に対しては加圧式床吹出し方式のタスク空調を
行い,アンビエント域14に対しては置換換気を行っ
て,(室10全体ではなく)居住域に限定した空調を行
うことにより,省エネルギー化を図ることができる。
【0046】また,このようにタスク域13のタスク空
調とアンビエント域14の置換換気を行う際には,アン
ビエント域14の空気は,各パーティション16の足下
部分に設けられた開口17からタスク域13に流入する
ことになる。これにより,タスク域13に対しても効率
的な置換換気を行うことが可能となる。
【0047】そして,例えば夏期などにおいて,ペリメ
ータゾーンで熱気がこもった場合は,温度センサ80で
熱気を検知して,排気ファン78を稼動させることによ
り,窓50に沿って上昇する熱気を吸引し,天井22に
設けたスロット76から速やかに吸い込み,ダクト77
を通じて室10外に排気する。これにより,ペリメータ
ゾーンで発生した熱気の上昇気流による室10上部での
攪拌作用を妨げ,ペリメータゾーンで発生する貫流負荷
と日射取得熱を低減し,インテリア負荷の増加を防止す
る。その場合,例えば温度センサ80で検出される熱気
の温度が所定の温度以上となった場合に,室10外に排
気するようにしても良い。
【0048】また,例えば冬季などにおいて,ペリメー
タゾーンでコールドドラフトが発生し,それがスロット
65からペリカウンタ52内に流下してくる場合は,温
度センサ66でコールドドラフトを検知して,開閉ダン
パ63を開き,ファン70を稼動させることにより,ペ
リカウンタ52内に流下したコールドドラフトを,開口
部64からダクト60を通じて,還気チャンバ23内に
強制的に送る。この冷気を空調機が受け入れることによ
り,ペリメータゾーンで発生したコールドドラフトを室
10外に速やかに排気し,インテリア冷却量を低減す
る。その場合,例えば温度センサ66で検出されるペリ
カウンタ52内の温度Tが設定温度T (例えば2
0℃)以下の場合に,コールドドラフトを検知し,室1
0外に排気するようにしても良い。
【0049】そして,室10の複数の側面にペリメータ
ゾーンがそれぞれ存在する場合は,各方位のペリメータ
ゾーンで発生するペリメータ負荷をそれぞれ低減し,省
エネルギー化と快適性の向上を図ることが好ましい。即
ち,各方位のペリメータゾーンの上方にスロット76を
それぞれ開口させ,各方位のスロット76毎に排気ファ
ン78や温度センサ80を配置する。また,各方位のペ
リメータゾーンの下方に配置されるペリカウンタ52の
上面には,スロット65をそれぞれ開口させ,各方位の
ペリカウンタ52毎に温度センサ66を設けると共に,
各方位のペリカウンタ52内からコールドドラフトを排
気させる開閉ダンパ63,ダクト60,ファン70を設
ける。
【0050】そして,例えば温暖期などにおいては,各
方位のペリメータゾーンで発生して上昇した熱気を,室
10の天井22に設けた各スロット76から吸い込んで
排気する。この場合,各方位のスロット76に設けられ
た温度センサ80で,各スロット76から排気される熱
気の温度をそれぞれ常時計測し,次に示す手法により,
各方位別の熱気の排気の切り替えを行う。即ち,各方位
のスロット76から排気される熱気の温度TEiがいず
れも設定温度TSH(例えば28℃)以下の場合は,各
方位の排気ファン78を「中」モードで運転する。一
方,いずれかの方位で日射取得熱が卓越し,任意の方位
のスロット76から排気される熱気の温度TEiが設定
温度TSHを超えた(TEi>TSH)場合は,TEi
が最も高い方位の排気ファン78を「強」モードで運転
し,他の方位の排気ファン78を「弱」モードで運転す
る。これにより,日射取得熱が最も大きい方位のペリメ
ータ負荷を効率よく排出できる。なお,各方位の排気フ
ァン78の排気量切り替えは,インバータを用いて制御
しても良いし,モータのタップを切り替えて制御しても
良い。また,ペリメータゾーンの合計排気風量は,室1
0内へ供給される取り入れ外気OAのの流量を上回らな
いように設定する。
【0051】また,例えば冬季などにおいては,各方位
のペリメータゾーンで発生したコールドドラフトを,各
方位のペリカウンタ52上面に設けられたスロット65
から室10外に排気する。また,冬季のように室温が低
い場合は,日射取得熱を暖房に利用して,省エネルギー
化と快適性の向上を図ることもできる。即ち,各方位の
スロット76から排気される熱気の温度TEiが設定温
度TSL(例えば20℃)以下の場合には,排気される
熱気の温度TEiの最も高い方位と反対の方位の排気フ
ァン78を「強」モードで運転し,他の方位の排気ファ
ン78を「弱」モードで運転する。これにより,日射に
よってペリペータゾーンで発生した暖気は,天井22に
沿って室10内に広がることとなる。また,天井22が
加熱され,放射によって居住域に熱が伝達されることに
なる。また,暖気はインテリア還気によって空調機29
に搬送され,空調機29の加熱量を低減することができ
る。なお同様に,各方位の排気ファン78の排気量切り
替えは,インバータを用いて制御しても良いし,モータ
のタップを切り替えて制御しても良い。ファン付吹出
口,ファン付ペリカウンタを用いる場合には,空調機械
室25をレタンチャンバとし,空調機29を熱交換器に
替えることもできる。その場合,還気ダクト29aや外
気ダクト29bを省略しても良い。
【0052】以上,本発明の好ましい実施の形態の一例
を示したが,本発明は以上に説明した形態に限定されな
い。例えば,吹出し口30から各作業スペース15に向
かって吹き出す給気SAの風量調整は,上述したように
シャッタ33を開閉させて行うほか,手動ダンパやVA
Vを利用して行っても良い。また,シャッタ33の開閉
は,図2で説明した如きモータ39の稼動で行う他,手
動で羽37を回転させて開閉を行うようにしても良い。
また,吹出し口30から給気SAを各作業スペース15
に吹き出すために,上述した加圧吹出し方式に代えて,
各吹出し口30にファンを装着しても良い。また,ペリ
カウンタ52前面の通気面53を省略し,置換換気空調
チャンバ55の給気口53をペリカウンタ全面と面一に
設けてもよい。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば,タスク域を床吹出し方
式によって空調し,アンビエント域を置換換気方式によ
って空調することにより,快適性を損うことなくタスク
域を空調をし,かつ,省エネルギ化をはかることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかるの概略的な構成を
示す説明図である。
【図2】吹出し口の斜視図(a)と分解図(b)であ
る。
【図3】各羽を同じ位置に揃えてシャッタを開いた状態
を示す説明図である。
【図4】各羽の位置をずらしてシャッタを閉じた状態を
示す説明図である。
【図5】給気チャンバの平面図である。
【図6】室の壁面(背部にレタンチャンバが形成されて
いない側面の壁面)を室の内側から見た状態の説明図で
ある。
【図7】ペリカウンタの内部の説明図である。
【図8】置換換気チャンバ前面の給気口に装着されるフ
ィンの説明図である。
【図9】縦横に並んでいる各給気口から吐出される給気
の旋回方向の関係を示す説明図である。
【図10】給気チャンバ内を移動中の給気に対する室の
床や下階の天井からの熱の授受を示す説明図であって,
(a)は冷房運転時,(b)は暖房運転時を示してい
る。
【図11】空調システムの起動運転の説明図である。
【図12】空調システムの起動運転時における空調機か
ら置換換気チャンバまでの距離と,置換換気チャンバに
供給される給気温度の関係を示したグラフであって,
(a)は冷房運転時,(b)は暖房運転時を示してい
る。
【符号の説明】
OA 外気 RA 還気 SA 給気 1 空調システム 10 室 13 タスク域 14 アンビエント域 15 作業スペース 16 パーテション 17 開口 20 床 21 給気チャンバ 22 天井 23 還気チャンバ 25 レタンチャンバ 29 空調機 30 吹出し口 38 コントローラ 45 拡散板 55 置換換気チャンバ 50 窓 52 ペリカウンタ 56 給気口 60 ダクト 61,63 開閉ダンパ 65 スロット 66 温度センサ 70 ファン 75 吸気口 76 スロット 78 排気ファン 80 温度センサ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 室内に形成されるタスク域を床吹出し方
    式によって空調し,アンビエント域を置換換気空調方式
    によって空調することを特徴とする,タスク・アンビエ
    ント空調方法。
  2. 【請求項2】 タスク域に対し,二重床から床吹出し方
    式によって給気し,アンビエント域に対してはタスク域
    に給気する空調空気と同じ空気源から供給された空調空
    気を,二重床から置換換気チャンバに導入し,室の下方
    に給気することを特徴とする,請求項1に記載のタスク
    ・アンビエント空調方法。
  3. 【請求項3】 前記アンビエント域に対し,ペリカウン
    タから給気し,ペリメータゾーンで発生した熱気を,ペ
    リメータゾーンの上方において室外に強制的に排気し,
    その際,ペリメータゾーンで発生した熱気の温度に基い
    て排気風量を決定し,ペリメータゾーンで発生したコー
    ルドドラフトを,ペリメータゾーンの下方において室外
    に強制的に排出することを特徴とする,請求項1又は2
    に記載のタスク・アンビエント空調方法。
  4. 【請求項4】 前記ペリメータゾーンで発生した熱気を
    複数の箇所から排出し,室温が設定温度以下の場合は,
    排出される熱気の温度が高い箇所については排気量を減
    らし,排出される熱気の温度が低い箇所については排気
    量を増やすことを特徴とする,請求項3に記載のタスク
    ・アンビエント空調方法。
  5. 【請求項5】 室内に形成されるタスク域にタスク空調
    を行うための空気を供給する吹出し口を室の床面に配置
    し,室内に形成されるアンビエント域に置換換気空調を
    行うための空気を供給する給気口を室の側面に配置し,
    室内の空気を排出する吸気口を,室の天井面に設置した
    ことを特徴とする,タスク・アンビエント空調システ
    ム。
  6. 【請求項6】 ペリメータゾーンにペリカウンタを配置
    し,このペリカウンタ内に,吹き出し気流に旋回成分を
    与えるフィンを装着した置換換気チャンバを配置し,前
    記タスク域に給気する吹出し口に風量調整機構を装着
    し,前記タスク域とアンビエント域に同じ空気源から供
    給された空調空気を給気するように構成したことを特徴
    とする請求項5に記載のタスク・アンビエント空調シス
    テム。
  7. 【請求項7】 タスク域とアンビエント域を仕切る位置
    にパーテションを配置し,このパーティションの足下に
    空気流通用の開口を設けたことを特徴とする,請求項5
    又は6に記載のタスク・アンビエント空調システム。
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