JP2003278793A - クラッチ装置 - Google Patents

クラッチ装置

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JP2003278793A
JP2003278793A JP2002082521A JP2002082521A JP2003278793A JP 2003278793 A JP2003278793 A JP 2003278793A JP 2002082521 A JP2002082521 A JP 2002082521A JP 2002082521 A JP2002082521 A JP 2002082521A JP 2003278793 A JP2003278793 A JP 2003278793A
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rod
arm
clutch
diaphragm
release fork
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JP2002082521A
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Inventor
Hiroshi Imai
宏 今井
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Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クラッチ装置の経時変化によるガタを、安価
な構成により吸収する。 【解決手段】 フライホイール5に対向してプレッシャ
プレート6を配置し、プレッシャプレート6とフライホ
イール5との間にディスクプレート7を配設する。レリ
ーズフォーク9はアーム9bを揺動させることにより、
アーム9aの端部でベアリング11を押圧し、ダイヤフ
ラム7を変形させる。アーム9bは駆動装置2のモータ
21により駆動され、ロッド22を一方向に移動させ
る。ロッド22には係止部材23が設けられ、係止部材
23によってレリーズフォーク9を揺動させると同時
に、スプリング24によって、レリーズフォーク9を押
圧方向に付勢することによって、レリーズフォーク9の
支点9cおよび押圧部9eでのガタを吸収する構成とし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クラッチ装置に関
するものであり、特に、駆動源から動力を変速機へと伝
達するクラッチ装置のクラッチ状態を係合状態または非
係合状態とする部材の経時変化によるガタを吸収する構
造に係わる。
【0002】
【従来の技術】従来、車両におけるクラッチ装置は、駆
動源と成るエンジンと変速機との間に配設される。クラ
ッチ装置は、摩擦材を有するディスクプレートをプレッ
シャプレートにより押圧することによって、エンジンの
動力を変速機に伝達したり、非伝達としたりする機能を
有する。
【0003】この様なクラッチ装置では、エンジンの出
力軸であるクランクシャフトの回転は、フライホイール
に伝達される。フライホイールには、ダイヤフラムを備
えたクラッチカバーが固定される。クラッチカバー内に
は、摩擦材を表面上に備えたディスクプレートがフライ
ホイールとプレッシャプレートとの間に、回転自在に配
設される。クラッチカバーに固定されるダイヤフラムの
内径側面には、ダイヤフラムを押圧するレリーズベアリ
ングが軸方向に配設される。レリーズベアリングは、一
端面がクラッチ操作を行う作動部材(レリーズフォー
ク)によって押圧され、他端面にてレリーズベアリング
を移動させる構成となっている。
【0004】上記した構成において、レリーズフォーク
の一方のアームが外力により動作すると、レリーズフォ
ークは、アームの途中に位置するフォークサポートを支
点として揺動する。
【0005】レリーズフォークのアームの一端は、レリ
ーズベアリングを押圧し、他端にはトランスアクスルケ
ースに一体で設けられたレリーズシリンダのプッシュロ
ッドの先端が係合する。レリーズシリンダは、レリーズ
シリンダの内部に配設されるスプリングによって、プッ
シュロッドを一方向に付勢する。このスプリングの付勢
力により、レリーズフォークとプッシュロッドを係合さ
せており、レリーズフォークがレリーズベアリングを押
圧する側に常時付勢する構成を取っている。これによっ
て、レリーズフォークのレリーズベアリングを押圧する
押圧部や、フォークサポートとレリーズフォークとの当
接面等での経時変化に伴う摩耗によるガタを吸収する構
成となっている。例えば、上記した構成のクラッチ装置
は、TERIOSサービスマニュアル 解説編 GF−
J102G,J122G(ダイハツ工業株式会社 20
00年5月発行)のC−3頁に開示される。
【0006】この様な構成により、プッシュロッドを移
動させる事により、レリーズフォークを、フォークサポ
ートを支点として揺動させ、レリーズベアリングを軸方
向に移動させることによって、ダイヤフラムは押圧力を
受けて変形し、クラッチ状態を非係合状態とすることが
できる。
【0007】また、プッシュロッドによるレリーズフォ
ークへの押圧を解除すると、ダイヤフラムスプリングは
弾性力によって、元の状態に戻り、クラッチ状態を係合
状態とすることができる。
【0008】この様に、レリーズフォークの支点を中心
として、レリーズフォークを揺動させるレリーズシリン
ダは、外部からの油圧によって作動が可能である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た構成のクラッチ装置では、レリーズフォークはレリー
ズシリンダのプッシュロッドの作動によって、フォーク
サポートを支点とした揺動を行う。この場合、レリーズ
フォークを作動させるためには、レリーズシリンダを必
要とすると共に、レリーズシリンダに対して、外部から
圧力を供給する圧力源(例えば、ポンプ等)および圧力
を発生させるための作動油が流れる油圧配管等が必要に
なる。
【0010】このため、作動油によりレリーズフォーク
を作動させて、経時変化によるレリーズフォークの押圧
部および支点のガタを吸収する構成では、コストアップ
を招いてしまう。
【0011】よって、本発明は上記の問題点に鑑みてな
されたものであり、クラッチ装置のクラッチ操作を行う
作動部材の経時変化によるガタを、安価な構成により吸
収することを技術的課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに講じた技術的手段は、駆動源の出力軸と一体回転す
るフライホイールに対向して配置される圧力部材と、該
圧力部材と前記フライホイールとの間に回転自在に配設
され、前記圧力部材が押圧されることにより、前記圧力
部材と一体回転して、前記駆動源の動力を変速機へと伝
達するディスクプレートと、前記圧力部材が前記ディス
クプレートに押圧される第1状態と、前記圧力部材によ
る前記ディスクプレートへの押圧が解除される第2状態
との間を遷移するダイヤフラムと、第1アームと第2ア
ームを有し、該両アーム間の支点を中心として揺動し、
ダイヤフラムの状態遷移を切替える作動部材と、前記第
2アームに作動力を付与し、該作動部材を揺動させる駆
動装置とを備えたクラッチ装置において、前記駆動装置
は、モータと、該モータにより作動するロッドと、該ロ
ッドに設けられ、前記第2アームに係合して、前記ロッ
ドの作動により前記第2アームを揺動させる係止部材
と、該係止部材を前記ロッド上で、前記圧力部材が前記
クラッチディスクに押圧される方向に、前記作動部材を
付勢する付勢部材を備えたことである。
【0013】上記した手段によれば、駆動装置は、モー
タと、モータにより作動するロッドと、ロッドに設けら
れて作動部材の第2アームに係合し、ロッドの作動によ
り前記第2アームを揺動させる係止部材と、係止部材を
ロッド上で、圧力部材がクラッチディスクに押圧される
方向に、作動部材を付勢する付勢部材を備えたことか
ら、モータによってロッドが駆動される。このロッドの
駆動により、ロッドには係止部材が設けられており、係
止部材を一方向に付勢する付勢力により、作動部材を押
圧方向に付勢される。
【0014】つまり、上記した手段によれば、作動部材
を作動させるためには、モータによって作動が成され
る。この事から、従来技術に示す、レリーズシリンダ
や、レリーズシリンダに対して圧力を供給する圧力源
(例えば、ポンプ等)や、油圧配管等は必要なく、モー
タとロッド、係止部材および付勢部材により、クラッチ
操作を行う作動部材を作動させる、簡単且つ低コストな
構成となる。また、モータにより作動するロッドに係止
部材を設けて、圧力部材がクラッチディスクに押圧され
る方向に、係止部材をロッド上で移動させることによっ
て、作動部材を付勢部材により付勢する。これによっ
て、作動部材の圧力部材を押圧する押圧部および揺動を
行う支点のガタを、付勢手段の付勢力によって吸収する
ことが可能である。
【0015】この場合、第2アームには凹部が形成さ
れ、凹部に係止部材が係合し、凹部から作動部材を揺動
する作動力が付与される構成となると、ロッド上の係止
部材が作動部材の第2アームに形成される凹部に確実に
係合し、凹部から作動部材を揺動する作動力が位置ずれ
することなく確実に付与される。
【0016】また、ロッドには、付勢手段の付勢力を調
整する調整部材が設けられる構成となれば、クラッチ操
作力につながる付勢手段の付勢力を、調整部材により調
整することが可能となる。
【0017】更に、調整部材は、ロッドに螺合するナッ
トであれば、ロッドに螺合するナットの位置により安価
且つ簡単な構成で、作動部材の経時変化によるガタの調
整が可能となる。
【0018】また、ダイヤフラムを、第1状態から第2
状態へと状態遷移させる際の操作力は、作動部材を一方
向に付勢する付勢手段が設けられても、作動部材の経時
変化によるガタを吸収する分の付勢力しか増加しない。
この為、クラッチの操作力には殆ど影響を与えないこと
から、作動部材を駆動する駆動装置の小型化に対応が可
能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て、図面を参照して説明する。
【0020】図1に、クラッチ装置1の構成を示す。本
実施形態において、クラッチ装置1は、車両のエンジン
と変速機との間に配設され、エンジンからの動力を変速
機へと伝達するものであり、ここに示すクラッチ装置1
は、ドライバーが足で踏み込み操作をする事なく、車両
のエンジン回転数、車速、変速機のギヤ位置等の車両状
態に基づき、エンジンから変速機への動力伝達(クラッ
チ状態)を、モータ21を使用して、係合状態または非
係合状態とする電動自動クラッチ装置について、以下に
説明を行うが、クラッチ状態を係合状態または非係合状
態にする装置に適用が可能であり、これに限定されるも
のではない。
【0021】クラッチ装置1は、車両において駆動源と
なるエンジンと変速機との間に配設される。エンジンの
出力はクランクシャフト5に伝達され、クラッチ装置1
を介して、変速機の入力軸20に伝達される。
【0022】本実施形態に示すクラッチ装置1は、変速
機への動力伝達を行うディスクプレート7を備えたトラ
ンスアクスル本体3と、ディスクプレート7を作動させ
る駆動装置2から成り立っており、最初に、トランスア
クスル本体3の内部構造について、図2を参照して説明
する。
【0023】トランスアクスル本体3は、トランスアク
スルケース10の内部に、動力伝達機構が設けられる。
動力伝達機構は、クラッチカバー12、ダイヤフラム
8、プレッシャプレート6、ディスクプレートを備え、
フライホイール5の回転をダイヤフラム8、プレッシャ
プレート6、ディスクプレート7を介して、変速機へと
伝達する。フライホイール5は円盤状を呈し、エンジン
の出力であるクランクシャフト4に一体で固定され、ク
ランクシャフト4と一体回転する。フライホイール5に
はクラッチカバー12がボルト等の締結部材により一体
で取り付けられている。クラッチカバー12はプレス成
形より成る、断面が外径に向けて延在するフランジ12
bを有する矩形状となった環状を呈し、クラッチカバー
12の矩形状の内周面12aには、円盤状を呈するダイ
ヤフラム8がクラッチカバー12に一体に固定されてい
る。
【0024】ダイヤフラム8は中央に中央孔を有し、中
心から径方向に向けて放射状にスリットが形成される。
ダイヤフラム8は中心に行くに従い、軸方向に膨らんで
おり、変速機側(図1に示す左側)には組み付け時に入
力軸20と垂直となる平面部8dを有する。また、ダイ
ヤフラム8は、クラッチカバー12の内周面12aにお
いて、ダイヤフラム8の両側に、内周面12aに沿って
環状のピボットリング13が2つ配設される。このピボ
ットリング13によりダイヤフラム8は弾性力を利用し
た軸方向の変形が可能であり、図2に示す第1状態と、
第1状態とは異なる第2状態を遷移する。この場合、ピ
ボットリング13により挟まれたダイヤフラム8の位置
が、ダイヤフラム変形時の支点8aとなる。
【0025】クラッチカバー12には、クラッチカバー
12と同心且つ環状のプレッシャプレート6が配設され
る。プレッシャプレート6はダイヤフラム8の状態によ
って軸方向に移動が可能である。プレッシャプレート6
は、プレッシャプレート6とフライホイール5との間に
配設されるディスクプレート7に圧力を付与するもので
あり、ディスクプレート7をフライホイール5と共に挟
み込んで、フライホイール5の回転を伝達させる。
【0026】この場合、プレッシャプレート6の一側面
にはリテーナ17が立設しており、ダイヤフラム8の外
径端部8cからの軸方向の押圧力は、リテーナ17を介
してプレッシャプレート6へと伝達される。リテーナ1
7はクラッチカバー12の矩形形状に沿って、円周状に
ダイヤフラム8の外径端部8cの形状に沿って複数配設
される。リテーナ17の略中間位置には、ダイヤフラム
8の外径端部8cが当接する段部17aが形成される。
【0027】プレッシャプレート6による押圧力によっ
て押圧されるディスクプレート7は、中央にスプライン
が設けられた中央孔7aを有する。その中央孔7aに変
速機の入力軸が挿通されて嵌まり、エンジンの動力が変
速機に伝達される。
【0028】ディスクプレート7には、板状の摩擦材1
5が外径両面に設けられる。この摩擦材15は、周方向
において複数設けられる。それぞれの摩擦材15はリベ
ット16により、ディスクプレート7に一体で固定され
る。更に、ディスクプレート7には、エンジンから変速
機へと伝わる振動及びクラッチ接続時の動力接続時の衝
撃力を吸収するために、中央孔7aと摩擦材15との間
で所定角度だけ相対回転が行える構成となっている。デ
ィスクプレート7の周方向の数箇所には、ゴムやスプリ
ング等の衝撃吸収部材14が配設され、例えば、クラッ
チ接続時のクラッチディスク7の周方向の捩れを吸収で
きる。
【0029】ダイヤフラム8の内径端部8bにベアリン
グ11の外輪11aが軸方向隣に当接している。一方、
ベアリング11の内輪11bは、変速機の入力軸20の
外周面を摺動自在に移動することが可能である。
【0030】トランスアクスルケース3の変速機側の内
部側壁10aからは、軸方向に延在するレリーズサポー
ト10bが、トランスアクスルケース3に一体で形成さ
れている。レリーズサポート10bの先端10cは、半
球面形状を呈する。その先端10cに一端のアーム9b
が、トランスアクスルケース10から突出したレリーズ
フォーク9が支持される。レリーズフォーク9は、力点
となる凹部9dを有するアーム9bと、作用点となる力
点とは反対側に形成された押圧部9eを有するアーム9
aを有し、更に、アーム9a,9bとの間に、レリーズ
サポート10bの先端10cの形状に一致した曲面を有
する凹部(揺動時に支点となる)9cを有している。レ
リーズフォーク9は、剛体金属から成り立っており、レ
リーズフォーク9の両端は、長手方向に二股となってい
る。
【0031】上記したレリーズフォーク9は、支点9c
を中心として、揺動が可能である。レリーズフォーク9
は、力点である凹部9dにおいて、図2に示すA方向に
力が付与されることにより、支点9cを中心として回動
し、揺動する。レリーズフォーク9は揺動すると、レリ
ーズフォーク9の端部において、二股に別れた押圧部9
eにより、ベアリング11の内輪11bの変速機側側面
を2箇所で押圧することができる。
【0032】次に、図3を参照して、レリーズフォーク
9に作動力を付与する駆動装置2について説明する。駆
動装置2は、ハウジング31に固定されたモータ21、
ハウジング内に配設されて、モータ21により駆動され
る図示しない減速機構、減速機構により一方向に駆動さ
れるロッド22、ロッドに固定されるナット25,2
6,ナット25により所定位置に固定されるリテーナ2
7、リテーナ27により一端が係止されるスプリング2
4、及び、ロッド22に挿通されて、スプリング24に
より一方向に付勢される三角形状を呈する頭部23aと
軸部23bを有する係止部材を備える。
【0033】駆動装置2のモータは、ハウジング31に
設けられたコネクタ28から、電気的な給電が行われる
ことにより、モータ21を駆動することができる。ま
た、駆動装置2には、ロッド22の移動位置をポテンシ
ョを用いて接触または磁石とホール素子を用いて非接触
にて検出するため、位置センサ29がハウジング31に
一体で設けられており、位置センサ29からの出力は位
置センサ29と一体となったコネクタ29aを介して外
部に出力される。
【0034】この様な構成において、駆動装置2の係止
部材23の頭部23aは、図2に示すレリーズフォーク
9の一方のアーム9bに形成された二股の端部から入れ
られる。そして、係止部材23はスプリング24の付勢
力によって、凹部9dにて位置決めされ、モータ21の
駆動によりロッド22を移動させて、レリーズフォーク
9の支点9cを中心として、レリーズフォーク9を揺動
させる事ができる。
【0035】次に、クラッチ装置1の作動について説明
する。
【0036】駆動装置2のモータ21に、コネクタ29
aから給電が行われていない場合、駆動装置2のロッド
22の移動は行われず、この場合、スプリング24によ
る付勢力のみによって、レリーズフォーク9を図1に示
す反時計方向に付勢する。この状態では、レリーズフォ
ーク9の押圧部9eはベアリング11の外輪11aに当
接し、ダイヤフラム8の状態を図2に示す反対側に跳ね
返り変形させるには至らず、ダイヤフラム8の外径端部
8cが、ダイヤフラム8の組み付け初期に設定された予
備圧力(ダイヤフラム8をトランスアクスル本体3に組
み付けを行う場合に、組み付け初期にダイヤフラム8を
撓ませる圧力)によって、プレッシャプレート6をフラ
イホイール側に押圧することにより、フライホイール5
とディスクプレート7は一体回転し、変速機への動力伝
達が可能となる。
【0037】図2に示す状態から、クラッチを非係合状
態にするには、モータ21を駆動する。モータ21を駆
動すると、モータ出力軸が回転し、モータ出力軸に噛合
する減速機構が回転する。減速機構によりモータ出力軸
の回転は減速され、円運動からロッド22の直線運動に
変換され、A方向にロッド22を移動させる。ロッド2
2が移動すると、ロッド22に固定される係止部材23
の頭部23aにより凹部9dが押圧される。これによっ
て、凹部9dが力点となり、レリーズフォーク9は支点
9cを中心として揺動する。これに伴い、押圧部は反時
計方向に回動し、押圧部9eにより、ベアリング11の
外輪11aの側面を押圧する。すると、ベアリング11
は押圧される方向(図2に示す右方向)に移動しなが
ら、ダイヤフラム8の内径端部8bを右方向に押圧す
る。この場合、ある臨界点までの力(荷重)が、内径端
部8bに作用するまでは、図2に示す様に、プレッシャ
プレート6を押圧する押圧力が保持(第1状態)される
が、臨界点を越えると、ダイヤフラム8は支点8aを中
心として内径端部8bとは反対側に外径端部8cが跳ね
上がる。これによって、段部17aと外径端部17aは
離間し、プレッシャプレート6によるディスクプレート
7の摩擦材15への押圧力が解除される(第2状態)。
よって、プレッシャプレート6に対してディスクプレー
ト7は回転が可能となり、エンジンの回転が変速機へと
伝達されない。これが、クラッチ状態の非係合状態とな
る。
【0038】一方、この状態から、モータ21の回転を
上記とは反対方向に駆動すると、モータ21の駆動によ
って、ロッドがA方向とは反対側に移動する。これによ
って、ロッド22に固定される係止部材23も移動す
る。この場合、ダイヤフラム8が反対側に跳ね返ってい
るときの付勢力によって、ダイヤフラム8は図2に示す
状態となる様、元に戻ろうとする力が働く。内径端部8
bはベアリング11の外輪11aを左方向に移動させる
と共に、外径端部8cは支点8aを中心に内径端部8b
とは反対方向に戻り、レリーズフォーク9を時計方向に
揺動させる。これによって、外径端部8cはプレッシャ
プレート6をフライホイール側に押圧し、ダイヤフラム
8の予備荷重により、ディスクプレート7を押圧する。
【0039】その結果、ディスクプレート7はフライホ
イール5と一体回転するものとなり、クラッチ係合状態
となる。
【0040】上記した構成のクラッチ装置1は、レリー
ズフォーク9の支点9cを中心とした揺動により、クラ
ッチ状態を非係合/係合状態とに切り替えて、2状態と
の間を遷移させる様にしているが、経時変化によって、
係止部材23の頭部23aとレリーズフォーク9の凹部
9dとの当接面41、レリーズフォーク9の支点9cで
のレリーズサポート10bの先端10cとレリーズフォ
ークの当接面42、および、ベアリング11の外輪11
aと押圧部9eの当接面43が、それぞれ摩耗する。
【0041】しかし、本実施形態においては、これらの
当接面41,42,43がそれぞれ摩耗しても、ロッド
22に固定された係止部材23をロッド上でスプリング
24の付勢力によって移動させ、係止部材23の頭部2
3aの移動によってレリーズフォーク9を、図2に示す
反時計方向に付勢する様にしている。そして、必ず、当
接面41,42,43にてレリーズフォーク9が係止部
材23、先端10cおよび外輪11aと当接する様にし
たので、経時変化による摩耗により、当接面41、4
2、43にて発生するガタを吸収することができると共
に、ダイヤフラム8とベアリング11の外輪11aとの
間にガタによる隙間が発生して、ダイヤフラム8とベア
リング11の外輪11aが相対回転し、それが原因とな
る異音の発生を防止することができる。
【0042】また、本実施形態におけるクラッチ装置1
では、スプリング24のみの付勢力によって、レリーズ
フォーク9の押圧部9eがベアリング11の外輪11a
に当接させている。この為、レリーズフォーク9を支点
9cを中心として揺動させる力点に要する力は、組み付
け時にダイヤフラム9に付与する予備荷重に比べて、極
めて小さい。よって、クラッチ状態を係合状態から非係
合状態にする際に要する力は、大きな力を必要とせず、
駆動装置2を小型化することができる。
【0043】また、レリーズフォーク9のアーム9bに
形成された凹部9dには係止部材23の頭部23aが当
接して、レリーズフォーク9を揺動させるための力が付
与される。この場合、頭部23aはスプリング24の付
勢力によって、凹部9dに確実に当接し、凹部9dから
の頭部23aの位置ずれを防止できる。
【0044】ロッド22には、レリーズフォーク9を凹
部9dに力を付与して揺動させる付勢力を調整するナッ
ト25,26が設けられるので、ナット25,26の位
置調整により凹部9dに作用する付勢力を変化させ、レ
リーズフォーク9を一方向に付勢することができるの
で、簡単且つ容易に、レリーズフォーク9のガタの調整
が行える。この場合、ナット25,26によって、付勢
力の調整が安価且つ簡単に、経時変化によるガタの調整
ができる。
【0045】ダイヤフラム8を、クラッチ係合状態から
非係合状態へと状態遷移させて変形させるときの力(操
作力)は、レリーズフォーク9の経時変化によるガタを
吸収する分のスプリング24の付勢力しか増加しない。
この為、クラッチの操作力には殆ど影響を与えない構成
にでき、駆動装置1の小型化に対応できる構成となる。
【0046】
【効果】本発明によれば、レリーズシリンダや、レリー
ズシリンダに対して圧力を供給する圧力源や、油圧配管
等は必要なく、モータとロッド、係止部材および付勢部
材により、クラッチ操作を行う作動部材を、簡単且つ低
コストな構成により作動させる事ができる。また、モー
タにより作動するロッドに係止部材を設けて、圧力部材
がクラッチディスクに押圧される方向に、係止部材をロ
ッド上で移動させることによって、作動部材を付勢部材
により付勢して、作動部材の圧力部材を押圧する押圧部
および揺動を行う支点のガタをなくすことができる。
【0047】この場合、第2アームには凹部が形成さ
れ、凹部に係止部材が係合し、凹部から作動部材を揺動
する作動力が付与される構成となると、ロッド上の係止
部材が作動部材の第2アームに形成される凹部に確実に
係合でき、凹部から作動部材を揺動する作動力が位置ず
れすることなく確実に付与できる。
【0048】また、ロッドには、付勢手段の付勢力を調
整する調整部材が設けられる構成となれば、クラッチ操
作力につながる付勢手段の付勢力を、調整部材により簡
単に調整することができる。
【0049】更に、調整部材は、ロッドに螺合するナッ
トであれば、ロッドに螺合するナットの位置により安価
且つ簡単な構成で、作動部材の経時変化によるガタの調
整ができる。
【0050】また、ダイヤフラムを、第1状態から第2
状態へと状態遷移させる際の操作力は、作動部材を一方
向に付勢する付勢手段が設けられても、作動部材の経時
変化によるガタを吸収する分の付勢力しか増加しない。
この為、クラッチの操作力には殆ど影響を与えない構成
にでき、作動部材を駆動する駆動装置の小型化に対応で
きる構成となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態におけるクラッチ装置の
構成を示す要所部分断面図である。
【図2】 図1に示すトランスアクスル本体の内部の構
成を示す断面図である。
【図3】 図1に示す駆動装置の構成を示す拡大図であ
る。
【符号の説明】
1 クラッチ装置 2 駆動装置 3 トランスアクスル本体 4 クランクシャフト(駆動源の出力軸) 5 フライホイール 6 プレッシャプレート(圧力部材) 7 ディスクプレート 8 ダイヤフラム 9 レリーズフォーク(作動部材) 9a アーム(第1アーム) 9b アーム(第2アーム) 9c 支点 9d 凹部 9e 押圧部 10 トランスアクスルケース 21 モータ 22 ロッド 23 係止部材 24 スプリング(付勢部材) 25,26 ナット(調整部材)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動源の出力軸と一体回転するフライホ
    イールに対向して配置される圧力部材と、 該圧力部材と前記フライホイールとの間に回転自在に配
    設され、前記圧力部材が押圧されることにより、前記圧
    力部材と一体回転して、前記駆動源の動力を変速機へと
    伝達するディスクプレートと、 前記圧力部材が前記ディスクプレートに押圧される第1
    状態と、前記圧力部材による前記ディスクプレートへの
    押圧が解除される第2状態との間を遷移するダイヤフラ
    ムと、 第1アームと第2アームを有し、該両アーム間の支点を
    中心として揺動し、ダイヤフラムの状態遷移を切替える
    作動部材と、 前記第2アームに作動力を付与し、該作動部材を揺動さ
    せる駆動装置とを備えたクラッチ装置において、 前記駆動装置は、モータと、 該モータにより作動するロッドと、 該ロッドに設けられ、前記第2アームに係合して、前記
    ロッドの作動により前記第2アームを揺動させる係止部
    材と、 該係止部材を前記ロッド上で、前記圧力部材が前記クラ
    ッチディスクに押圧される方向に、前記作動部材を付勢
    する付勢部材を備えたことを特徴とするクラッチ装置。
  2. 【請求項2】 前記第2アームには凹部が形成され、該
    凹部に前記係止部材が係合し、前記凹部から前記作動部
    材を揺動する作動力が付与されることを特徴とする請求
    項1に記載のクラッチ装置。
  3. 【請求項3】 前記ロッドには、付勢手段の付勢力を調
    整する調整部材が設けられることを特徴とする請求項1
    に記載のクラッチ装置。
  4. 【請求項4】 前記調整部材は、前記ロッドに螺合する
    ナットであることを特徴とする請求項3に記載のクラッ
    チ装置。
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