JP2003277861A - ゴム混練機用ロータ - Google Patents

ゴム混練機用ロータ

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JP2003277861A JP2002088101A JP2002088101A JP2003277861A JP 2003277861 A JP2003277861 A JP 2003277861A JP 2002088101 A JP2002088101 A JP 2002088101A JP 2002088101 A JP2002088101 A JP 2002088101A JP 2003277861 A JP2003277861 A JP 2003277861A
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Noriyuki Sakakibara
紀幸 榊原
Kazuhito Takahashi
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Shuichi Hanada
修一 花田
Akira Nakahara
章 中原
Minoru Kimura
稔 木村
Tomio Morita
富夫 守田
Joji Mori
譲治 森
Tetsuo Uchibayashi
哲夫 内林
Ryoji Kondo
良治 近藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐摩耗性・耐食性の優れ、寿命の長いゴム混
練機用ロータを安価に提供する。 【解決手段】 炭素鋼母材の表面に自溶合金を溶射被覆
する。自溶合金はニッケル系、コバルト系の自溶合金が
利用できる。さらにタングステンカーバイドを含有した
サーメットも利用できる。また、密着性を高め、靱性の
高い長寿命のロータとするために、タングステンカーバ
イドを含有しない自溶合金とタングステンカーバイドを
含有したサーメットの複層構造の溶射皮膜を形成するの
が有効である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴム混練機用ロー
タに関し、さらに詳しくは耐摩耗及び耐食性に優れて寿
命が長く、しかも製作コストの低減に寄与するゴム混練
機用ロータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車用等のタイヤやコンベ
ヤー用のベルトなどの耐摩耗性と可撓性が要求される用
途の材料としては、天然ゴムや人造ゴムに珪砂(SiO
2 )粉末等の摩耗に強い添加物や塩素を含む離型剤等を
加え、混練機で十分練り込んだものを所定の形状に成形
して使用している。通常、ゴム混練機は回転する2本の
ロータの間に混練すべきゴムを導入し、連続的に切り返
しながら混練する方式が採用され、この種のゴム混練機
用ロータとしては、接線ロータや噛み合いロータあるい
は両者の折衷型のGK−Eロータ等が使用されている。
【0003】この種のゴム混練機用ロータには耐摩耗性
の鋼材が使用されるが、摩耗性を向上させるために原料
ゴム中に含まれる硬質の珪砂粉末による摩耗や、腐食性
離型剤の塩化水素による腐食が起こるため、寿命が短い
難点があった。この問題を解決するため、ロータの摩耗
しやすい部分に、クロム(Cr):25〜30wt%、コ
バルト(Co):45〜46wt%、タングステン
(W):15〜20wt%を含む硬質耐摩耗性のステライ
ト合金を肉盛りする、局所的な表面硬化方法が使用され
てきた。さらに耐摩耗性を向上させる為に、ステライト
合金の表面にクロムめっきを施す方法も試みられてき
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ステラ
イト合金の肉盛りの際には母材の十分な余熱が必要なた
め、複数回肉盛り作業をするのには不適であり、1回の
肉盛り作業で目標厚さ以上のステライト合金層を形成し
た後、研削作業をして目標とする肉厚及び形状に仕上げ
ている。この際ステライト合金の研削性が悪く、目標厚
さまでの研削に長時間を要し、ロータの製作コストが著
しく高くなるという問題点がある。
【0005】また、耐摩耗性を向上させる目的で施した
クロムめっきは、ゴム混練機の運転中に剥離し易く、剥
離したクロム皮膜が異物となってゴム中に混入してしま
う不具合が生じることがある。本発明の目的は、上記問
題点を解決するためになされたものであり、耐摩耗性や
耐食性に優れて寿命が長く、しかも製作が容易でコスト
の低いゴム混練機用ロータを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、本発明のゴム混練機用ロータはロータ母材表面に
耐摩耗性に優れた自溶合金を溶射被覆する方法を採用し
た。即ち、本発明のゴム混練機用ロータは、表面に重量
比でクロム:12〜20%、ホウ素:2.5〜4.5
%、珪素:2.0〜5.0%、炭素:0.4〜1.1
%、鉄:5%以下、コバルト:1%以下、モリブデン:
4%以下、銅:4%以下を含み、残部が不可避的不純物
を含むニッケルからなる組成を有する、ニッケル系自溶
合金の溶射被膜を被覆したゴム混練機用ロータとした。
このような構成のゴム混練機用ロータとすれば、耐摩耗
性及び耐食性に優れた自溶合金皮膜を母材の表面形状に
倣って必要最小限に形成することができるので、製作時
間やコストが大幅に引き下げられ、しかも密着性が良く
耐摩耗性及び耐食性にも十分優れた性能を発揮するもの
となる。
【0007】本発明の他のゴム混練機用ロータは、表面
に重量比でクロム:16〜24%、ホウ素:1.5〜
4.0%、珪素:1.5〜4.5%、タングステン:1
5%以下、炭素:1.5%以下、鉄:5%以下、ニッケ
ル:30%以下、モリブデン:7%以下を含み、残部が
不可避的不純物を含むコバルトからなる組成を有するコ
バルト系自溶合金の溶射被膜を被覆したゴム混練機用ロ
ータとした。コバルト系自溶合金を使用しても、ニッケ
ル系自溶合金を使用したときと同等の性能が得られる。
【0008】さらに本発明の他のゴム混練機用ロータ
は、表面に重量比でクロム:2.4〜13.6%、ホウ
素:0.5〜3.2%、珪素:0.7〜4.0%、炭
素:0.08〜0.72%、鉄:4%以下、コバルト:
10%以下、モリブデン:3.2%以下、銅:3.2%
以下、タングステンカーバイド:20〜80%を含み、
残部が不可避的不純物を含むニッケルからなる組成を有
する、ニッケル系自溶合金もしくはサーメットの溶射被
膜を被覆したゴム混練機用ロータとした。また、表面に
重量比でクロム:3.2〜16.8%、ホウ素:0.3
〜3.2%、珪素:0.4〜3.6%、炭素:1.2以
下、鉄:4%以下、ニッケル:2.0〜24%、モリブ
デン:5.6%以下、タングステンカーバイド:20〜
80%を含み、残部が不可避的不純物を含むコバルトか
らなる組成を有するコバルト系自溶合金もしくはサーメ
ットの溶射被膜を被覆したゴム混練機用ロータであって
も良い。ニッケル系あるいはコバルト系自溶合金にタン
グステンカーバイドを含ませることにより、硬さが一層
増して耐摩耗性が向上する。
【0009】本発明の他のゴム混練機用ロータは、表面
にニッケル系自溶合金と、タングステンカーバイドを含
むサーメットの2層の溶射被膜を順次積層被覆したゴム
混練機用ロータとした。ロータ母材と接する部分には靱
性が高く密着力の強いニッケル系自溶合金又はコバルト
系自溶合金を用い、ゴムと接触する表面部分には耐摩耗
性がより高いタングステンカーバイドを含むサーメット
を使用することにより、より寿命の長いゴム混練機用ロ
ータとなる。
【0010】また、母材と接する部分にはニッケル系自
溶合金の溶射被膜を被覆し、さらにニッケル系自溶合金
の溶射被膜の上にタングステンカーバイドの含有量が重
量比で20%から80%の間で漸次増加する組成を有す
る、タングステンカーバイドを含むサーメットの溶射被
膜を順次被覆したゴム混練機用ロータとすることもでき
る。タングステンカーバイド組成を漸次増加させるに
は、例えば複層の積層構造の被膜にすれば良い。このよ
うな構成のゴム混練機用ロータとすれば、母材との密着
力が強く、しかも表面は耐摩耗性及び耐食性に優れたゴ
ム混練機用ロータとなる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のゴム混練機用ロータの母
材としては、比較的硬く耐摩耗性に富んだ高炭素含有の
炭素鋼を使用する。鋳鋼母材をあらかじめロータ形状に
切削加工した後、表面部分に自溶合金を溶射被覆して耐
摩耗性及び耐食性の向上をはかる。 (第1の実施形態)溶射被覆する自溶合金として先ず挙
げられるのは、重量比でクロム:12〜20%、ホウ
素:2.5〜4.5%、珪素:2.0〜5.0%、炭
素:0.4〜1.1%、鉄:5%以下、コバルト:1%
以下、モリブデン:4%以下、銅:4%以下を含み、残
部が不可避的不純物を含むニッケルからなる組成を有す
る、ニッケル系自溶合金が挙げられる。このニッケル系
自溶合金からなる溶射皮膜は、母材である炭素鋼との密
着性が良くて靱性に富み、しかも耐摩耗性や耐食性に優
れた表面皮膜が得られる。
【0012】Crは12%未満では耐摩耗性が十分でな
く、20%を越えると硬くなりすぎてかえって脆くな
る。従ってCrの含有量は12〜20%が適当である。
B及びSiはNi、Cr、Coといった金属の融点を低
下させることができるため、溶射後のフュージング過程
で溶射皮膜を溶け易くし、溶射皮膜中の気孔を封じる働
きをする。このことにより、溶射皮膜の密着性及び耐食
性が高くなる。また、BはNi、CoなどとB化合物を
形成し、溶射皮膜の硬さを増加させ耐摩耗性を向上させ
る働きをし、Siはフラックスとしての働きをする。B
やSiの含有量が少ないと溶射皮膜中の気孔を十分に封
じることができず密着性及び耐食性向上が図れないとと
もに、B化合物の形成が少なく硬さの増加が小さくなり
耐摩耗性向上が見込めない。逆に、BやSiの含有量が
多いと、フュージング過程で溶射皮膜の流動性がよくな
りすぎて溶射皮膜が流れてしまうとともに、B化合物が
多く形成されすぎて、溶射皮膜を脆くしてしまう。従っ
て、Bの含有量は2.5〜4.5%、Siの含有量は
2.0〜5.0%が適する。CoとMoは耐摩耗性と靭
性を向上させるための元素であるが、高価であるため含
有量はそれぞれ1%以下、及び4%以下に留めるのが得
策である。Cuは耐食性を付与するための元素である
が、4%以上含ませてもそれ以上の効果が得られないた
め、その含有量は4%以下とするのが適当である。Cは
Ni、Coなどと炭化物を形成し、溶射皮膜の硬さを増
加させ耐摩耗性を向上させる働きをするが、あまり多く
なりすぎると脆くなるので0.4〜1.1%とするのが
適当である。残部は不可避的不純物を含むFeとNiと
するが、靱性を保つためにFeの含有量は5%以下とす
る。
【0013】溶射皮膜の形成方法は、火炎溶射、プラズ
マ溶射等の公知の溶射方法を利用する。溶射原料の形態
も混合粉、造粒粉、焼結粉あるいは合金粉等いずれの形
態でも使用可能である。溶射皮膜の厚さは1.0〜1.
5mmが適当である。溶射皮膜を形成した後、1000
℃以上に加熱してフュージングを行い、溶射皮膜中の微
細な気孔を封じておく。最後にシャフトを焼きばめし、
所定の寸法形状に微量の仕上げ研磨をしてゴム混練機用
のロータを得る。
【0014】(第2の実施形態)もう一つの自溶合金と
して、重量比でクロム:16〜24%、ホウ素:1.5
〜4.0%、珪素:1.5〜4.5%、タングステン:
15%以下、炭素:1.5%以下、鉄:5%以下、ニッ
ケル:30%以下、モリブデン:7%以下を含み、残部
が不可避的不純物を含むコバルトからなる組成を有する
コバルト系自溶合金が挙げられる。コバルト系自溶合金
は、母材との接合力はニッケル系自溶合金よりやや劣る
ものの、耐摩耗性はニッケル系自溶合金よりも優れたも
のとなる。
【0015】コバルト系自溶合金の場合は、Crは16
%未満では耐摩耗性が十分でなく、24%を越えると硬
くなりすぎてかえって脆くなる。従ってCrの含有量は
16〜24%が適当である。B及びSiはNi、Cr、
Coといった金属の融点を低下させることができるた
め,溶射後のフュージング過程で溶射皮膜を溶け易く
し、溶射皮膜中の気孔を封じる働きをする。このことに
より、溶射皮膜の密着性及び耐食性が高くなる。また、
BはNi、CoなどとB化合物を形成し、溶射皮膜の硬
さを増加させ耐摩耗性を向上させる働きをし、Siはフ
ラックスとしての働きをする。BやSiの含有量が少な
いと溶射皮膜中の気孔を十分に封じることができず密着
性及び耐食性向上が図れないとともに、B化合物の形成
が少なくて硬さの増加が小さくなり、耐摩耗性向上が見
込めない。逆に、BやSiの含有量が多いと、フュージ
ング過程で溶射皮膜の流動性がよくなりすぎて、溶射皮
膜が流れてしまうとともに、B化合物が多く形成されす
ぎて、溶射皮膜を脆くしてしまう。従って、Bの含有量
は1.5〜4.0%、Siの含有量は1.5〜4.5%
が適する。Wは強度を向上させるための元素であるが、
含有量が15%を越えると他の成分の含有量が相対的に
低下してしまうことと、またWは高価な元素であること
を考慮して、含有量は15%以下と定める。Moは耐食
性を付与するための元素であるが、含有量が7%を越え
ると他の成分が相対的に減少してしまうので、含有量は
7%以下と定める。CはNi、Cr、Co、W、Moな
どと炭化物を形成し、溶射皮膜の硬さを増加させ耐摩耗
性を向上させる働きをするが、あまり多くなりすぎると
脆くなるので1.5%以下とするのが適当である。Ni
は母材との接合力を強化し靭性を保つための元素である
が、Coとのバランスを考慮して、Niの含有量は30
%以下に留める。残部は不可避的不純物を含むFeとC
oとするが、耐摩耗性を保つためにFeの含有量は5%
以下とする。溶射皮膜の形成方法や、ロータの加工方法
は前記の場合と同様にすればよい。
【0016】(第3の実施形態)第3の実施形態ではさ
らに耐摩耗性を向上させた長寿命のロータとするため
に、第1の実施形態又は第2の実施形態で使用したニッ
ケル系自溶合金又はコバルト系自溶合金に、さらにWC
(タングステンカーバイド)を20〜80wt%含ませた
WC含有サーメットを溶射被覆した表面構造とすること
ができる。WC含有サーメットとは、WC粉末と金属粉
末との焼結複合体である。金属粉末としては、B及びS
iを含む低融点の自溶合金が好んで利用できる。サーメ
ットを被覆する場合、溶射過程で焼結したものでも良
く、あるいはあらかじめ焼結したものを溶射被覆したも
のであっても良い。本実施形態では、硬質のWCを含む
皮膜が有るので、耐摩耗性を一段と向上させることがで
きる。
【0017】含WCサーメットの一例としては、重量比
でクロム:2.4〜13.6%、ホウ素:0.5〜3.
2%、珪素:0.7〜4.0%、炭素:0.08〜0.
72%、鉄:4%以下、コバルト:10%以下、モリブ
デン:3.2%以下、銅:3.2%以下を含み、残部が
不可避的不純物を含むニッケルからなる組成を有する、
ニッケル系自溶合金を80〜20wt%と、タングステ
ンカーバイドを20〜80wt%とを混合したサーメッ
トが使用できる。
【0018】この場合、Crは2.4%未満では耐摩耗
性が十分でなく、13.6%を越えると硬くなりすぎて
かえって脆くなる。従ってCrの含有量は2.4〜1
3.6%が適当である。B及びSiはNi、Cr、Co
といった金属の融点を低下させることができるため、溶
射後のフュージング過程で溶射皮膜を溶け易くし、溶射
皮膜中の気孔を封じる働きをする。このことにより、溶
射皮膜の密着性及び耐食性が高くなる。また、BはN
i、CoなどとB化合物を形成し、溶射皮膜の硬さを増
加させ耐摩耗性を向上させる働きをし、Siはフラック
スとしての働きをする。BやSiの含有量が少ないと溶
射皮膜中の気孔を十分に封じることができず密着性及び
耐食性向上が図れないとともに、B化合物の形成が少な
く硬さの増加が小さくなり耐摩耗性向上が見込めない。
逆に、BやSiの含有量が多いと、フュージング過程で
溶射皮膜の流動性がよくなりすぎて溶射皮膜が流れてし
まうとともに、B化合物が多く形成されすぎて、溶射皮
膜を脆くしてしまう。従って、Bの含有量は0.5〜
3.2%、Siの含有量は0.7〜4.0%が適する。
Moは耐摩耗性と靭性を向上させるための元素である
が、高価であるため含有量はそれぞれ10%以下、及び
3.2%以下に留めるのが得策である。Cuは耐食性を
付与するための元素であるが、3.2%以上含ませても
それ以上の効果が得られないため、その含有量は3.2
%以下とするのが適当である。Coは、WCとバインダ
ーの役目を担う自溶合金との混合を均一にするため、及
び溶射中にWCが酸化されるのを防ぐために必要な元素
であるが、高価であるためその含有量は10%以下に留
めることとする。CはNi、Coなどと炭化物を形成
し、溶射皮膜の硬さを増加させ耐摩耗性を向上させる働
きをするが、あまり多くなりすぎると脆くなるので0.
08〜0.72%とするのが適当である。金属部分の残
部は不可避的不純物を含むFeとNiとするが、靱性を
保つためにFeの含有量は5%以下とする。タングステ
ンカーバイドは20wt%未満では顕著な効果が現れ
ず、80wt%を越えると脆くなる。
【0019】含WCサーメットの他の例としては、重量
比でクロム:3.2〜16.8%、ホウ素:0.3〜
3.2%、珪素:0.4〜3.6%、炭素:1.2以
下、鉄:4%以下、ニッケル:2.0〜24%、モリブ
デン:5.6%以下、残部が不可避的不純物を含むコバ
ルトからなる組成を有するコバルト系自溶合金80〜2
0wt%と、タングステンカーバイドを20〜80wt
%とを混合焼結したサーメットが使用できる。
【0020】この場合、Crは3.2%未満では耐摩耗
性が十分でなく、16.8%を越えると硬くなりすぎて
かえって脆くなる。従ってCrの含有量は3.2〜1
6.8%が適当である。B及びSiはNi、Cr、Co
といった金属の融点を低下させることができるため,溶
射後のフュージング過程で溶射皮膜を溶け易くし、溶射
皮膜中の気孔を封じる働きをする。このことにより、溶
射皮膜の密着性及び耐食性が高くなる。また、BはN
i、CoなどとB化合物を形成し、溶射皮膜の硬さを増
加させ耐摩耗性を向上させる働きをし、Siはフラック
スとしての働きをする。BやSiの含有量が少ないと溶
射皮膜中の気孔を十分に封じることができず密着性及び
耐食性向上が図れないとともに、B化合物の形成が少な
くて硬さの増加が小さくなり、耐摩耗性向上が見込めな
い。逆に、BやSiの含有量が多いと、フュージング過
程で溶射皮膜の流動性がよくなりすぎて、溶射皮膜が流
れてしまうとともに、B化合物が多く形成されすぎて、
溶射皮膜を脆くしてしまう。従って、Bの含有量は0.
3〜3.2%、Siの含有量は0.4〜3.6%が適す
る。Niは母材との接合力を強化し靭性を保つための元
素であるが、Coとのバランスを考慮して、含有量は
2.0〜24%とする。Moは耐食性を付与するための
元素であるが、含有量が5.6%を越えると他の元素の
含有量が相対的に低下してしまうので、含有量は5.6
%以下と定める。CはNi、Cr、Co、W、Moなど
と炭化物を形成し、溶射皮膜の硬さを増加させ耐摩耗性
を向上させる働きをするが、あまり多くなりすぎると脆
くなるので1.2%以下とするのが適当である。残部は
不可避的不純物を含むFeとCoとするが、耐摩耗性を
保つためにFeの含有量は4%以下とする。タングステ
ンカーバイドは20wt%未満では顕著な効果が現れ
ず、80wt%を越えると脆くなる。
【0021】本実施形態で使用する溶射原料は、WC含
有量が20〜30%のものは、混合粉、造粒粉、焼結粉
あるいは合金粉等いずれの形態でも使用可能である。し
かし、WC含有量が30%を越える場合には、偏析の無
い均質な溶射皮膜を得るために造粒粉あるいは焼結粉を
使用するのが好ましい。その他、溶射皮膜の形成方法や
ロータの加工方法は前記の場合と同様にすればよい。
【0022】(第4の実施形態)
上記のようにWCを含むサーメットは、硬度が高く耐摩
耗性は良いものの材質がやや脆くなり、使用中に亀裂が
発生して寿命を短くすることがある。そこで母材からの
溶射皮膜の脱落を防止して長寿命を維持するために、母
材と接触する下地層の部分には、母材との接合強度の高
いWCを含まないニッケル系自溶合金やコバルト系自溶
合金の溶射膜を形成し、ロータ表面のゴム原料と接触す
る表面部分には、耐摩耗性に優れたWCを含むサーメッ
トからなる溶射皮膜を形成した、2層構造の表面構造と
した。本実施形態で使用するWCを含まないニッケル系
自溶合金又はコバルト系自溶合金、あるいはWCを含む
サーメットは、いずれも先に説明した組成の自溶合金を
使用すればよい。ただし、下地層と表面層との密着性を
考慮すれば、下地層と表面層とは同じニッケル系又はコ
バルト系の合金を使用するのが好ましい。溶射皮膜の厚
さは、下地層は0.1mm程度で表面層は0.1〜1.
5mm程度、全体でも0.2〜1.6mm有ればよい。
【0023】(第5の実施形態)前述の通りWCを含む
サーメットは、WCの含有量が多くなるほど高度が高く
耐摩耗性が良くなるが、硬くなるに従って材質が脆くな
る。そこで母材に接合する部分は母材との接合強度の高
いWCを含まないニッケル系自溶合金を使用し、ロータ
表面にいくに従ってWCを多く含有させて耐摩耗性を高
めた構造のロータとした。すなわち、母材と接合する部
分にはWCを含まないニッケル系自溶合金の溶射膜を厚
さ0.1mm程度形成し、その上にWCを含むサーメッ
トの溶射膜を形成し、その際ロータ表面にいくに従って
WC含有量を漸次増加させ、最表面部ではWCの含有量
を80wt%にまで高くする。WC含有量は混合粉末原料
を使用して連続的に変化させても良いし、組成の異なる
造粒粉や焼結粉を使用して多層構造に積層溶射して形成
しても良い。溶射皮膜の全厚さは0.5〜1.5mm程
度とする。その他溶射皮膜の形成方法は前述の通りでよ
い。
【0024】
【作用】本発明のゴム混練機用ロータは、炭素鋼母材か
らなるロータ表面に耐摩耗性・耐食性に優れた自溶合金
あるいはWC含有サーメットの溶射皮膜を形成し、局部
的な表面加工により耐摩耗性・耐食性を向上させ、しか
も短時間に安価に提供することを可能にした。
【0025】
【実施例】(実施例1)図1は本発明のゴム混練機用ロ
ータの形状を示す外観図である。本発明のゴム混練機用
ロータ1は2本のロータ本体2に、軸3を焼きばめして
構成されている。ロータ本体2は軸3の回転とともに噛
み合って回転し、2本のロータ本体2の間隙に挟み込ん
だ原料ゴムを連続的に混練するようになっている。本発
明のゴム混練機用ロータは、上記のロータ本体2の表面
に表1に示す組成のニッケル系自溶合金粉末を、厚さ1
mmの皮膜となるようにプラズマ溶射してある。溶射後
ロータ本体2を1000℃×10分間でフュージング処
理をし、軸3を焼きばめしてゴム混練機用ロータとして
いる。
【0026】
【表1】
【0027】得られたゴム混練機用ロータの性能を評価
するため以下のような試験をした。 (1) 表面の溶射皮膜の断面構造 上記と同等の処理をして得た試験片の断面について、顕
微鏡観察をした。その結果を模式的に図2に示す。図2
に示すとおり、ロータ本体2の母材4の表面に均質なニ
ッケル系自溶合金の溶射被膜5が形成されていた。 (2) 表面の溶射皮膜の硬さ 表面の硬さをビッカース硬度計で測定した結果、硬さは
V 600程度であった。 (3) 溶射皮膜の母材との密着性 上記と同等の処理をして得た試験片について、JIS H 86
66に規定する方法に準じて皮膜の剥離強度を測定した。
結果を表2に示す。 (4) 耐食性試験 上記と同等の処理をして得た試験片について、HClガ
ス1000ppm雰囲気中に、200℃で200時間暴
露する腐食試験をして、重量減量を測定した。結果を表
2に示す。 (5) 耐摩耗性試験 上記と同等の処理をして得た試験片について、図6に示
すような摩耗試験機を使用して摩耗試験を行った。すな
わち、回転するゴムホイール13の表面に試験片10を
当てて荷重Fを加え、ゴムホイール13と試験片10と
の接触部分に摩耗粉ホッパー14から摩耗粉15を落下
させて供給し、25分間経過後の試験片の重量減を測定
した。ゴムホイール13の外形は250mm、厚さは1
5mm、回転数は毎分120回であった。また、摩耗粉
15には鋳物用の6号珪砂を使用し、落下供給量は毎分
300グラムとした。結果を表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】(比較例)比較のため、従来のステライト
No.6を肉盛り溶接し、研磨した後クロムめっきした
ゴム混練機用ロータについても、実施例1と同様の方法
で密着性、耐食性及び耐摩耗性を評価した結果を表2に
併記して示す。
【0030】(実施例2)ニッケル系自溶合金に代え
て、表1に示すコバルト系自溶合金を使用した以外は、
実施例1と同様にしてゴム混練機用ロータ及び試験片を
作製した。そして実施例1と同様に表面の溶射皮膜の硬
さ、溶射皮膜の母材との密着性、耐食性及び耐摩耗性を
評価した。その結果、表面の溶射皮膜の硬さはHV 47
0程度であった。その他の測定結果を表2に併記する。
【0031】(実施例3)ニッケル系自溶合金に代え
て、表1に示すWC含有サーメットを使用した以外は、
実施例1と同様にしてゴム混練機用ロータ及び試験片を
作製した。そして実施例1と同様に表面の溶射皮膜の硬
さ、溶射皮膜の母材との密着性、耐食性及び耐摩耗性を
評価した。その結果、表面の溶射皮膜の硬さはHV 90
0程度であった。その他の測定結果を表2に併記する。
【0032】(実施例4)ニッケル系自溶合金に代え
て、表1に示すWC含有サーメットを使用した以外は、
実施例1と同様にしてゴム混練機用ロータ及び試験片を
作製した。そして実施例1と同様に表面の溶射皮膜の硬
さ、溶射皮膜の母材との密着性、耐食性及び耐摩耗性を
評価した。その結果、表面の溶射皮膜の硬さはHV 92
0程度であった。その他の測定結果を表2に併記する。
【0033】(実施例5)まず、母材表面に表1に示す
ニッケル系自溶合金を0.5mmの厚さに溶射した後、
その溶射皮膜の上にさらに表1に示すWC含有サーメッ
トを、0.5mmの厚さに溶射被覆した。その結果、母
材4の表面に図3に模式的に示すような、ニッケル系自
溶合金膜6とWC粒子9が均一分散したWC含有サーメ
ット膜8の2層構造からなる溶射皮膜5を有するゴム混
練機用ロータを得た。ゴム混練機用ロータと全く同様の
処理をした試験片を作製し、実施例1と同様に表面の溶
射皮膜の硬さ、溶射皮膜の母材との密着性、耐食性及び
耐摩耗性を評価した。その結果、表面の溶射皮膜の硬さ
は、ニッケル系自溶合金膜6の部分ではHV 600程
度、表面のWC含有サーメット膜8の部分ではHV 90
0程度であった。その他の測定結果を表2に併記する。
【0034】(実施例6)まず、母材表面にニッケル系
自溶合金に代えて表1に示す、コバルト系自溶合金を
0.5mmの厚さに溶射した後、その溶射皮膜の上にさ
らに表1に示すWC含有サーメットを、0.5mmの厚
さに溶射被覆した。その結果、母材4の表面にコバルト
系自溶合金とWC含有サーメットの2層構造からなる溶
射皮膜を有するゴム混練機用ロータを得た。ゴム混練機
用ロータと全く同様の処理をした試験片を作製し、実施
例1と同様に表面の溶射皮膜の硬さ、溶射皮膜の母材と
の密着性、耐食性及び耐摩耗性を評価した。その結果、
表面の溶射皮膜の硬さは、コバルト系自溶合金の部分で
はHV 470程度、表面のWC含有サーメットの部分で
はHV 920程度であった。その他の測定結果を表2に
併記する。
【0035】さらに、混練操作中の溶射皮膜の亀裂進展
状況を評価するために、以下の試験を実施した。すなわ
ち、図5に示すように溶射皮膜5が下側(引っ張り応力
がかかる)となるように、2個の支点11で試験片10
を支え、支点11の中央部のにラム12により荷重Fを
加え、3点曲げ方式で繰り返し荷重をかけ、溶射被膜5
の表面に亀裂が発生してから亀裂深さが進行していく様
子を繰り返し回数と共に測定した。この時、試験片が弾
性−塑性変形移行域に達するまで荷重をかけ、その後ほ
ぼ荷重が0(零)となるところまで荷重を減じた。亀裂
の進展状況を見易くするため、試験片の側面は鏡面仕上
げにしてある。結果を図7に曲線(a)で示す。なお、
比較のため実施例3のWC含有サーメットの溶射皮膜に
ついても試験して、結果を図7に曲線(c)で併記して
ある。
【0036】(実施例7)まず、母材表面に表1に示す
ニッケル系自溶合金を0.2mmの厚さに溶射した後、
その溶射皮膜の上に第2層として表1に示すWCを20
wt%含むWC含有サーメットを、0.2mmの厚さに溶
射被覆し、さらにその上に第3層として表1に示すWC
を40wt%含むWC含有サーメットを、0.2mmの厚
さに溶射被覆し、その上に第4層として表1に示すWC
を60wt%含むWC含有サーメットを、0.2mmの厚
さに溶射被覆し、さらにその上に第5層として表1に示
すWCを80wt%含むWC含有サーメットを、0.2m
mの厚さに溶射被覆して、厚さ1mmの5層構造からな
る溶射被覆を形成した。各溶射皮膜の形成には、所望の
組成の焼結粉末を使用して行った。図4にこのゴム混練
機用ロータの断面構造を模式的に示す。図のようにこの
ゴム混練機用ロータの断面構造は、ロータ表面になるに
従ってWCの分散量が次第に多くなっている。ゴム混練
機用ロータと全く同様の処理をした試験片を作製し、実
施例1と同様に表面の溶射皮膜の硬さ、溶射皮膜の母材
との密着性、耐食性及び耐摩耗性を評価した。その結
果、表面の溶射皮膜の硬さは、ニッケル系自溶合金の部
分ではHV 600程度、中心部のWCを40wt%含有す
るサーメットの部分ではHV 790程度、最表面のWC
を80wt%含有するサーメットの部分ではHV 900程
度であった。 その他の測定結果を表2に併記する。ま
た、実施例6と同様に亀裂進展評価試験を行い、結果を
図7に曲線(b)で併記した。
【0037】表2の結果から、実施例1から実施例4の
ニッケル系自溶合金、コバルト系自溶合金、WC含有サ
ーメットの溶射被膜は、193.2〜288.3MPa
の密着力を示し、従来のステライトNo.6を肉盛り溶
接してクロムめっきしたロータの44.1MPaの密着
力と比較して、4倍以上の密着力が得られたことが判明
した。また、耐食性の試験では全ての被膜で腐食減量は
1mg/cm2 程度であり、ほとんど腐食されていない
ことを示している。さらに、耐摩耗性試験でも実施例1
及び実施例2のニッケル系自溶合金、コバルト系自溶合
金では0.5〜0.6gの摩耗量で、従来のステライト
No.6を肉盛り溶接してクロムめっきしたロータの
0.65gより摩耗量が少なく、耐摩耗性に優れている
ことが判る。また、実施例3及び実施例4のWC含有サ
ーメットを使用した場合には、摩耗量は0.1gと一段
と耐摩耗性に優れていることが判る。
【0038】さらに、表2及び図7の結果から、実施例
5〜実施例7の複数構造の溶射被膜を具備したゴム混練
機用ロータは、母材と溶射皮膜との密着力が高く、しか
も耐摩耗性が極めて高いことが判る。また、WC含有サ
ーメットのみでは亀裂発生後106回程度の繰り返し応
力で亀裂が母材まで達するが、複数構造の溶射被膜とす
れば亀裂が母材まで達するまでの繰り返し応力は142
〜168回と50%以上寿命が延びることが判る。
【0039】また、全ての実施例のゴム混練機用ロータ
を製作するのに要する作業時間は約20時間で、従来に
比べて10分の1以下に短縮されるので、製作コストを
大幅に削減することが可能となった。
【0040】
【発明の効果】本発明のゴム混練機用ロータによれば、
母材との密着性に優れた表面皮膜が得られ、しかも耐摩
耗性の向上したロータが得られる。しかも、ロータ製作
に要する作業時間が10分の1以下に大幅に短縮される
ので、製作コストが大幅に削減されるので、寿命の延長
に伴う稼働率の向上と相まって、経済的効果は極めて大
きなものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のゴム混練機用ロータの形状を示す外
観図である。
【図2】 本発明の実施例1に於けるゴム混練機用ロー
タの断面を示す模式図である。
【図3】 本発明の実施例3に於けるゴム混練機用ロー
タの断面を示す模式図である。
【図4】 本発明の実施例7に於けるゴム混練機用ロー
タの断面を示す模式図である。
【図5】 亀裂進展状況を評価する方法を説明する図で
ある。
【図6】 摩耗試験機の概要を示す図である。
【図7】 繰り返し荷重回数と亀裂深さの関係を示す図
である。
【符号の説明】
1・・・・・・ゴム混練機用ロータ、2・・・・・・ロータ本体、3
・・・・・・軸、4・・・・・・母材、5・・・・・・溶射皮膜、6・・・・・・
ニッケル系自溶合金膜、8・・・・・・WC含有サーメット
膜、9・・・・・・WC粒子、10・・・・・・試験片、11・・・・・・
支点、12・・・・・・ラム、13・・・・・・ゴムホイール、14
・・・・・・摩耗粉体ホッパー、15・・・・・・摩耗粉
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C23C 4/06 C23C 4/06 (72)発明者 榊原 紀幸 長崎県長崎市深堀町五丁目717番1号 三 菱重工業株式会社長崎研究所内 (72)発明者 高橋 和仁 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島製作所内 (72)発明者 花田 修一 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島製作所内 (72)発明者 中原 章 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島製作所内 (72)発明者 木村 稔 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島製作所内 (72)発明者 守田 富夫 福岡県北九州市若松区南二島二丁目28番1 号 富士岐工産株式会社内 (72)発明者 森 譲治 福岡県北九州市若松区南二島二丁目28番1 号 富士岐工産株式会社内 (72)発明者 内林 哲夫 福岡県北九州市若松区南二島二丁目28番1 号 富士岐工産株式会社内 (72)発明者 近藤 良治 福岡県北九州市若松区南二島二丁目28番1 号 富士岐工産株式会社内 Fターム(参考) 4F201 AA45 AB17 AJ02 BA01 BC02 BC37 BK01 BK14 4K031 AA02 AA08 AB02 AB03 AB05 AB08 AB09 CB02 CB11 CB21 CB22 CB23 CB28 CB29 CB30 CB45 FA02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に重量比でクロム:12〜20%、
    ホウ素:2.5〜4.5%、珪素:2.0〜5.0%、
    炭素:0.4〜1.1%、鉄:5%以下、コバルト:1
    %以下、モリブデン:4%以下、銅:4%以下を含み、
    残部が不可避的不純物を含むニッケルからなる組成を有
    する、ニッケル系自溶合金の溶射被膜を被覆してなるこ
    とを特徴とするゴム混練機用ロータ。
  2. 【請求項2】 表面に重量比でクロム:16〜24%、
    ホウ素:1.5〜4.0%、珪素:1.5〜4.5%、
    タングステン:15%以下、炭素:1.5%以下、鉄:
    5%以下、ニッケル:30%以下、モリブデン:7%以
    下を含み、残部が不可避的不純物を含むコバルトからな
    る組成を有するコバルト系自溶合金の溶射被膜を被覆し
    てなることを特徴とするゴム混練機用ロータ。
  3. 【請求項3】 表面に重量比でクロム:2.4〜13.
    6%、ホウ素:0.5〜3.2%、珪素:0.7〜4.
    0%、炭素:0.08〜0.72%、鉄:4%以下、コ
    バルト:10%以下、モリブデン:3.2%以下、銅:
    3.2%以下、タングステンカーバイド:20〜80%
    を含み、残部が不可避的不純物を含むニッケルからなる
    組成を有するサーメットの溶射被膜を被覆してなること
    を特徴とするゴム混練機用ロータ。
  4. 【請求項4】 表面に重量比でクロム:3.2〜16.
    8%、ホウ素:0.3〜3.2%、珪素:0.4〜3.
    6%、炭素:1.2以下、鉄:4%以下、ニッケル:
    2.0〜24%、モリブデン:5.6%以下、タングス
    テンカーバイド:20〜80%を含み、残部が不可避的
    不純物を含むコバルトからなる組成を有するサーメット
    の溶射被膜を被覆してなることを特徴とするゴム混練機
    用ロータ。
  5. 【請求項5】 表面に請求項1に記載のニッケル系自溶
    合金と請求項3に記載のタングステンカーバイドを含む
    サーメットの2層の溶射被膜を順次積層被覆してなるこ
    とを特徴とするゴム混練機用ロータ。
  6. 【請求項6】 表面に請求項2に記載のコバルト系自溶
    合金と請求項4に記載のタングステンカーバイドを含む
    サーメットの2層の溶射被膜を順次積層被覆してなるこ
    とを特徴とするゴム混練機用ロータ。
  7. 【請求項7】 表面に請求項1に記載のニッケル系自溶
    合金の溶射被膜を被覆し、さらに該ニッケル系自溶合金
    の溶射被膜の上にタングステンカーバイドの含有量が重
    量比で20%から80%の間で漸次増加する組成を有す
    る、タングステンカーバイドを含むサーメットの溶射被
    膜を順次被覆してなることを特徴とするゴム混練機用ロ
    ータ。
  8. 【請求項8】 前記タングステンカーバイドを含むサー
    メットの溶射被膜が複層の積層構造をなしていることを
    特徴とする請求項7に記載のゴム混練機用ロータ。
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