JP2003277853A - ヒートスプレッダ用銅合金 - Google Patents

ヒートスプレッダ用銅合金

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JP2003277853A
JP2003277853A JP2002086390A JP2002086390A JP2003277853A JP 2003277853 A JP2003277853 A JP 2003277853A JP 2002086390 A JP2002086390 A JP 2002086390A JP 2002086390 A JP2002086390 A JP 2002086390A JP 2003277853 A JP2003277853 A JP 2003277853A
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Toshitsugu Maruta
敏嗣 丸田
Hideki Endo
秀樹 遠藤
Kunihiko Tomohara
邦彦 智原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 価格が廉価であり、熱伝導性に優れ、且つ半
軟化温度が比較的高温であるために組立工程や使用時に
おける接合部分の信頼性に優れた、ICパッケージなど
に使用されるヒートスプレッダ用Cu基合金を提供す
る。 【解決手段】 ヒートスプレッダ用Cu基合金は、0.
2%耐力が100〜200N/mm、熱伝導率が35
0W/m・K以上、加工硬化指数が0.14〜0.1
8、圧延表面板の幅方向の結晶粒径が25μm以下であ
る。また、Fe、Ni、Coのうち少なくとも1種類以
上とPを合計で0.05〜0.3wt%含有し、残部が
Cuと不可避成分からなる。さらに、断面減少率40%
以下の冷間鍛造後に600℃で30分間熱処理した後の
結晶粒径が25μm以下でり、断面減少率40%以下の
冷間鍛造後に600℃で30分間熱処理した後のビッカ
ース硬さがHV60〜170である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、 ICパッケージ
などにおいて放熱を目的としたヒートスプレッダなどに
使用する銅合金に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、PC用などの半導体集積回路(I
C)のパーソナル化、高機能化および大容量化が要求さ
れており、ICの実装技術も高密度化し、これに伴い、
ICから発生する熱対策が重要な課題となっている。
【0003】ICの実装技術の高密度化は、1970年
代から始まり、その実装技術は、端子挿入実装技術DI
P(デュアルインラインパッケージ)から周辺端子実装
技術QFP(クワッドインラインパッケージ)へと発展
した。しかし、周辺端子実装技術では、外部端子が周辺
に突き出ているため、実装時の端子周りの取り扱いが困
難であった。その後、1990年代に入り、BGA(ボ
ールグリッドアレイ)が出現して高密度化に拍車がかか
った。この実装方法では、小型で多ピン化が容易であ
り、ハンダボールを採用しているため、表面実装が容易
になり、廉価で不良率を激減させる高密度実装が可能に
なった。現在では、積層基板構造であるPBGAや、さ
らに高密度化を実現させたTABテープとヒートスプレ
ッダを組合せたTBGAが使用されている。
【0004】このように高密度化が進む中で、ICを正
常に作動させるためにICから発生する熱を放熱するこ
とが重要な問題となり、BGAに至り、半導体チップに
直接Cuの放熱板、いわゆるヒートスプレッダをパッケ
ージングすることにより放熱性が向上した。
【0005】以上のように、ヒートスプレッダは、優れ
た放熱性が必要であるが、組立工程時や実装時に加えら
れる熱処理によって軟化して硬度が減少しないことが必
要であり、半導体チップとの接合部分の信頼性も必要で
ある。さらに、PCの低価格化に伴い、廉価であること
も望まれる。このように、高密度ICの放熱を担うヒー
トスプレッダは、優れた放熱性と耐熱性を有し且つ廉価
なことが必要であるため、ヒートスプレッダには、優れ
た熱伝導性を有する廉価な無酸素銅やCu基合金が用い
られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ヒートスプレッダは、
冷間鍛造により成型されるため、残留応力が生じ、この
残留応力を取り除くために熱処理が施されることがあ
る。また、PBGAやTBGAの実装時には、ハンダリ
フロー工程があり、この工程でヒートスプレッダが加熱
される。このとき、無酸素銅は、半軟化温度が200℃
程度のため、結晶粒が不均一に粗大化し、硬度が変化
し、平坦性や強度を保つことが難しくなる。そのため、
半導体チップなどとヒートスプレッダの接合部分におけ
る信頼性が損なわれ、PCの動作信頼性が低下する。
【0007】ヒートスプレッダに用いられる高導電率の
CuまたはCu基合金として、無酸素銅以外に、Cu−
Zr系Cu基合金(C151、C15150)やCu−
Fe−Zn−P系Cu基合金(C19400など)など
がある。Cu−Zr系合金は、高導電率を有し、放熱性
にも優れ、半軟化温度も400℃以上であるが、含有成
分により廉価ではない。Cu−Fe−Zn−P系合金
は、半軟化温度が400℃以上であるが、熱伝導率の代
用特性である導電率45%〜65%IACS程度であ
り、熱伝導性が不足している。
【0008】したがって、本発明は、このような従来の
問題点に鑑み、価格が廉価であり、熱伝導性に優れ、且
つ半軟化温度が比較的高温であるために組立工程や使用
時における接合部分の信頼性に優れた、ICパッケージ
などに使用されるヒートスプレッダ用Cu基合金を提供
することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究した結果、ヒートスプレッダ
用銅合金の0.2%耐力を100〜200N/mm
し、熱伝導率を350W/m・K以上とすることによ
り、価格が廉価であり、熱伝導性に優れ、且つ半軟化温
度が比較的高温であるために組立工程や使用時における
接合部分の信頼性に優れた、ICパッケージなどに使用
されるヒートスプレッダ用Cu基合金を提供することが
できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明による放熱性および耐熱
性に優れたヒートスプレッダ用銅合金は、0.2%耐力
が100〜200N/mmであり、熱伝導率が350
W/m・K以上であることを特徴とする。このヒートス
プレッダ用銅合金において、加工硬化指数が0.14〜
0.18であるのが好ましい。また、圧延表面板の幅方
向の結晶粒径が25μm以下であるのが好ましい。ま
た、Fe、Ni、Coのうち少なくとも1種類以上とP
を合計で0.05〜0.3wt%含有し、残部がCuと
不可避成分からなるのが好ましい。さらに、断面減少率
40%以下の冷間鍛造後に600℃で30分間熱処理し
た後の結晶粒径が25μm以下であり、断面減少率40
%以下の冷間鍛造後に600℃で30分間熱処理した後
のビッカース硬さがHV60〜170であるのが好まし
い。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明による放熱性および
耐熱性に優れたヒートスプレッダ用銅合金の実施の形態
を説明する。
【0012】ヒートスプレッダは、半導体チップから熱
を逃がす役割を担っているが、そのためには、半導体チ
ップとヒートスプレッダが確実に接触していなければな
らない。しかし、ヒートスプレッダの強度が十分でない
と、組立工程中などに変形し、半導体チップやパッケー
ジ樹脂との接触面が平坦でなくなり、放熱性を損なうこ
とになる。ここで、ヒートスプレッダに使用されるCu
基合金の変形の指標となるのが0.2%耐力である。ヒ
ートスプレッダが変形することなく半導体チップと接触
することにより放熱性を維持するためには、0.2%耐
力が100N/mm以上であればよい。
【0013】ヒートスプレッダの主な役割は、半導体チ
ップから発生する熱を吸収して外部に放熱することであ
る。しかし、近年、PCパッケージは、高機能高密度に
なり、発熱量が増加している。そのため、優れた熱伝導
率を有するCu基合金を用いたヒートスプレッダが求め
られており、ヒートスプレッダに使用される材料の熱伝
導率が350W/m・K以上であることが必要である。
熱伝導率が350W/m・K未満である場合は、ICの
使用時に半導体チップから発生した熱を十分にヒートシ
ンクに逃すことができず、ICパッケージの動作信頼性
が損なわれるからである。
【0014】また、ヒートスプレッダの成型には、コス
ト面から順送冷間鍛造が行われている。この冷間鍛造に
おける材料特性には、成型容易性と成型精度が要求され
る。この成型の容易さを示す指標となるのが0.2%耐
力であり、鍛造後のヒートスプレッダの成型精度を保つ
指標となるのが加工硬化指数である。材料が優れた冷間
鍛造性を有するためには、2つの指標の釣り合いが重要
である。0.2%耐力は、ヒートスプレッダが組立工程
中や冷間鍛造中に変形しないために100N/mm
上である必要があり、ヒートスプレッダの冷間鍛造によ
る成形を容易にし且つ鍛造圧力を抑えるために200N
/mm以下であることが望ましい。さらに、加工硬化
指数が0.14〜0.18である材料は、冷間鍛造によ
る成型容易性と優れた成型精度を有する。
【0015】また、ヒートスプレッダはICパッケージ
などに実装され、半導体チップに直接接触して放熱を担
うものであるため、ヒートスプレッダの平坦性、硬度お
よび軟化特性などの特性の製品間のバラツキは、ICパ
ッケージの動作信頼性を損なう。このバラツキの原因と
なる材料特性の1つとして材料の結晶粒径がある。この
結晶粒径のバラツキが大きいと、局所的な機械特性や軟
化特性が異なってしまい、冷間鍛造後の成型性が損なわ
れる。また、組立工程中の熱処理による軟化挙動の差異
のため、平坦性も損なわれる。そのため、ヒートスプレ
ッダの材料として結晶粒径が均一な材料が適している。
また、結晶粒径が均一であっても粗大であると、冷間鍛
造後にヒートスプレッダの表面が肌荒れし、実装時に半
導体チップと十分な接触が得られず、ICパッケージの
動作信頼性が損なわれる。また、プレス抜き打ち性も低
下し、外観上も好ましくない。そのため、ヒートスプレ
ッダ用材料は、結晶粒径が均一且つ微細であることが好
ましく、圧延表面板の幅方向の結晶粒径が25μm以下
であることが必要である。
【0016】また、ヒートスプレッダは、冷間鍛造によ
り成型され、材料の断面が減少する。このとき、金属組
織が変化し、残留応力が蓄積される。この金属組織の変
化と残留応力の蓄積は、ヒートスプレッダの実装時の熱
処理工程において、ヒートスプレッダの変形の原因とな
り、パッケージの信頼性が低下する可能性がある。一般
に、ヒートスプレッダ用材料として用いられている無酸
素銅は、ヒートスプレッダの実装時の熱処理により、残
留応力が開放され、金属組織が不均一に粗大化して軟化
することにより、ヒートスプレッダが変形する可能性が
ある。また、残留応力を取り除くために実装前にヒート
スプレッダに熱処理を施す場合があるが、同様に結晶粒
が不均一に粗大化してしまい、ヒートスプレッダの強度
がばらついて平坦性を損ないかねない。そのため、熱処
理工程を経てもヒートスプレッダの硬度が均一で平坦性
を保つためにも、結晶粒が不均一に粗大化しないことが
望ましい。
【0017】また、ヒートスプレッダは、加工中の変形
を防ぐために、硬度を確保することも必要であり、結晶
粒径が微細なことが望ましい。
【0018】実用上最も熱が加わる熱処理条件として考
えられる200〜600℃で10〜30分間の熱処理を
行った後に、結晶粒が不均一に粗大化せず、結晶粒径も
微細であることが望ましいので、材料の結晶粒径が25
μm以下であり且つ硬度がHV60〜120に確保され
ることが望ましい。
【0019】ヒートスプレッダが以上のような特性を有
し且つ廉価であるためには、(Fe、Co、Ni)−P
系析出物を利用したCu基合金を使用するのが好まし
い。一般に、Cu基合金の0.2%耐力および耐熱性を
向上させる手段として、析出強化と固溶強化が利用され
る。析出強化は、固溶強化と比べ、熱伝導率を低下させ
ずにCu基合金の0.2%耐力および耐熱性を向上させ
ることができる。このような析出強化型Cu基合金のう
ち(Fe、Co、Ni)−P系析出物を利用すること
は、製造上、原料費および設備の面でコスト的に有利で
あるためである。
【0020】このように、(Fe、Co、Ni)−P系
析出物を利用するためには、Fe、Ni、Coのうち少
なくとも1種類以上とPを合計で0.05〜0・3wt
%含有することが必要である。0.05wt%未満の場
合は、析出物の量が少なく、十分な0.2%耐力や耐熱
性が得られず、0.3wt%以上の場合は、必要とする
熱伝導率が得られないためである。但し、熱伝導率が3
50W/m・Kを満足する範囲において、さらにSn、
Ti、Be、Mg、Zr、Cr、Siを添加することが
可能であり、これらの添加により、強度や耐熱性の向上
が期待されるが、コストアップにつながるので、これら
の添加元素の総量を0.3wt%以下にすべきである。
【0021】
【実施例】以下、本発明による放熱性および耐熱性に優
れたヒートスプレッダ用銅合金の実施例について詳細に
説明する。
【0022】[実施例1〜5、比較例1〜4]表1に示
す各種成分のヒートスプレッダ用Cu基合金を高周波溶
解炉によって溶製し、40×40×150(mm)の鋳
塊を鋳造した。その後、40×40×30(mm)の試
験片を切りだし、900℃で60分間の均質化処理を行
い、板厚8mmまで熱間圧延し、水冷および酸洗を行っ
た。その後、冷間圧延、焼鈍、冷間圧延を繰り返して、
実施例1のCu基合金材として板厚1.85mmのCu
基合金材を作製した。また、同様の方法により、実施例
2〜5および比較例1〜4のCuまたはCu基合金材を
作製した。
【0023】
【表1】
【0024】次に、得られた実施例1〜5および比較例
1〜4のCuまたはCu基合金材について、熱伝導率、
0.2%耐力、加工硬化指数および結晶粒径を調べた。
その結果を表2に示す。なお、熱伝導率は導電率から算
出し、導電率、0.2%耐力および加工硬化指数はそれ
ぞれJIS H 0505、JIS Z 22441お
よびJIS Z 2253に準拠して測定した。また、
結晶粒径は、材料表面をエメリー紙で研磨し、バフ研磨
およびエッチングを行った後、光学顕微鏡によって測定
した。製造コストについては、実機で製造した場合の原
料コストを考慮するとともに、鋳造した製造量と製品化
された量の割合を不良ロスとして考慮して評価した。
【0025】
【表2】
【0026】表2において、○は製造コストが廉価であ
るものであり、△は添加元素のコスト、条の表面状態や
幅の蛇行、ヒートスプレッダとしての要求材料特性の不
備、雰囲気制御が必要とされる鋳造や時効処理などの熱
処理などを製法時に使用することのいずれか1つに該当
するもの、×は2つ以上に該当するものを示す。
【0027】[実施例6〜10、比較例5〜8]実施例
1のCu基合金材をプレス抜き打ちし、冷間鍛造するこ
とにより、実施例6〜10のCu基合金材を作製し、そ
れらの良否を調査した。同様に、現在ヒートスプレッダ
として一般材となっている比較例1および2のCu材か
ら、それぞれ比較例5、6および比較例7、8のCu材
を作製し、それらの良否を調査した。その結果を表3に
示す。なお、図1示すように、冷間鍛造後のヒートスプ
レッダ10の形状は、キャビティ12を有する断面減少
率が大きいキャビティ型ヒートスプレッダの形状とし、
断面減少率は約30%であった。また、プレス抜き打ち
性については、ダレ部の凹凸およびバリ量によって評価
し、冷間鍛造性については、鍛造後の成型性と肌荒れに
よって評価した。
【0028】
【表3】
【0029】実施例6〜10のCu基合金材は、結晶粒
径が均一微細であるために、プレス打ち抜きにより、ダ
レ部の凹凸およびバリがともに少なかった。また、冷間
鍛造後の成型も、0.2%耐力と加工硬化指数の釣り合
いがよく、鍛造圧力と成型精度のバランスに優れてい
た。比較例5および6のCu材は、実施例6〜10のC
u基合金材より結晶粒径が粗大であるが、プレス打ち抜
きにより、ダレ部の凹凸およびバリがともに実施例6〜
10のCu基合金材と同等であった。しかし、0.2%
耐力と加工硬化指数の釣り合いが悪く、冷間鍛造成型の
精度に劣っていた。比較例7および8のCu材は、プレ
ス打ち抜きにより、ダレ部の凹凸がひどく、バリ量も多
く、実施例6〜10のCu基合金材より劣っていた。
【0030】[実施例11〜14、比較例9〜16]実
施例1のCu基合金材を用いて、冷間鍛造により実施例
11〜14のヒートスプレッダを作製し、熱処理による
ヒートスプレッダの硬度や形状の変化を評価した。同様
に、比較例1および2のCu材から、それぞれ比較例
9、11、13、15および比較例10、12、14、
16のヒートスプレッダを作製し、熱処理によるヒート
スプレッダの変化を評価した。なお、冷間鍛造後のヒー
トスプレッダ10の形状は、図1に示すような断面減少
率が大きいキャビティ型ヒートスプレッダの形状とし、
断面減少率は約30%であった。また、実施例11およ
び比較例9、10の場合が250℃、実施例12および
比較例11、12の場合が300℃、実施例13および
比較例13、14の場合が550℃、実施例14および
比較例15、16の場合が600℃の焼鈍温度で、それ
ぞれ30分間焼鈍した後、結晶粒径とビッカース硬さを
測定した。その結果を表4〜7に示す。なお、焼鈍後の
ヒートスプレッダに対する評価は、結晶粒径と均一性、
部位によるビッカース硬さの差異、ビッカース硬さの低
下、ヒートスプレッダの変形によって行った。また、実
施例1のCu基合金材から作製した実施例11〜14の
ヒートスプレッダの半軟化温度は550〜600℃であ
り、比較例1および2のCu材から作製した比較例9、
11、13、15および比較例10、12、14、16
のヒートスプレッダの半軟化温度は250〜300℃で
あった。
【0031】
【表4】
【0032】
【表5】
【0033】
【表6】
【0034】
【表7】
【0035】表1〜7の結果から、実施例1〜14のC
u基合金材およびヒートスプレッダは、製造コストが廉
価で、熱伝導率に優れ、機械的強度が十分であることが
わかる。また、冷間鍛造前の結晶粒も均一且つ微細であ
ることがわかる。また、冷間鍛造後の熱処理後も軟化に
より結晶粒が不均一にならず、均一且つ微細であり、強
度もヒートスプレッダとして十分であることがわかる。
さらに、実施例1〜5のCu基合金材では、ヒートスプ
レッダの実装時の熱処理が200℃〜300℃で行われ
るが、その温度範囲における熱処理において軟化しない
ために、実装前に予め焼鈍を施す必要もなく、コスト面
からも有利である。したがって、実施例のCu基合金材
は、ヒートスプレッダなどに使用するCu基合金材とし
て優れている。
【0036】これに対して、現在ヒートスプレッダ用の
一般材として使用されている比較例1および2のCu材
(比較例9、11、13、15および比較例10、1
2、14、16のヒートスプレッダ)は、熱伝導率に優
れ、コスト的にも有利であるが、熱処理を施すと材料が
軟化し、整粒化度を測定できない程度に結晶粒が不均一
に粗大化してしまうため、部位により硬度が異なり、微
小な変形を伴う場合もあり、IC動作信頼性を低下させ
る可能性もあり、実施例1〜5のCu基合金材より劣
る。また、比較例3のCu基合金材は、熱伝導性に優
れ、結晶粒径も微細であり、ヒートスプレッダとしての
材料特性を満足しているが、Zrを使用しているため
に、原料コストが高く、鋳造および熱間圧延工程におい
てZr−O系酸化物が品質面に悪影響を及ぼすので、製
造コストの面でも劣っている。
【0037】
【発明の効果】上述したように、本発明によれば、熱伝
導性に優れ、組立工程などにおける半導体チップとの接
合信頼性に優れ、且つ安価に製造できるCu基合金を提
供することができ、したがって、ヒートスプレッダに最
適な材料としてCu基合金を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例および比較例において作製したヒートス
プレッダの形状を示す図であり、(a)は平面図、
(b)は断面図。
【符号の説明】
10 ヒートスプレッダ 12 キャビティ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22F 1/00 623 C22F 1/00 630A 630 630C 630Z 650F 650 681 681 682 682 683 683 685Z 685 686A 686 691B 691 691C H01L 23/36 M (72)発明者 智原 邦彦 東京都千代田区丸の内一丁目8番2号 同 和鉱業株式会社内 Fターム(参考) 5F036 BD01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 0.2%耐力が100〜200N/mm
    であり、熱伝導率が350W/m・K以上であること
    を特徴とする、ヒートスプレッダ用銅合金。
  2. 【請求項2】 加工硬化指数が0.14〜0.18であ
    ることを特徴とする、請求項1に記載のヒートスプレッ
    ダ用銅合金。
  3. 【請求項3】 圧延表面板の幅方向の結晶粒径が25μ
    m以下であることを特徴とする、請求項1または2に記
    載のヒートスプレッダ用銅合金。
  4. 【請求項4】 Fe、Ni、Coのうち少なくとも1種
    類以上とPを合計で0.05〜0.3wt%含有し、残
    部がCuと不可避成分からなることを特徴とする、請求
    項3に記載のヒートスプレッダ用銅合金。
  5. 【請求項5】 断面減少率40%以下の冷間鍛造後に6
    00℃で30分間熱処理した後の結晶粒径が25μm以
    下であることを特徴とする、請求項3または4に記載の
    ヒートスプレッダ用銅合金。
  6. 【請求項6】 断面減少率40%以下の冷間鍛造後に6
    00℃で30分間熱処理した後のビッカース硬さがHV
    60〜170であることを特徴とする、請求項5に記載
    のヒートスプレッダ用銅合金。
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