JP2003276134A - 易引裂性多層シーラントフィルム - Google Patents

易引裂性多層シーラントフィルム

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JP2003276134A
JP2003276134A JP2002082396A JP2002082396A JP2003276134A JP 2003276134 A JP2003276134 A JP 2003276134A JP 2002082396 A JP2002082396 A JP 2002082396A JP 2002082396 A JP2002082396 A JP 2002082396A JP 2003276134 A JP2003276134 A JP 2003276134A
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Japan
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ethylene
layer
butene copolymer
elution
temperature
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JP2002082396A
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English (en)
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Tatsuyuki Kamiya
達之 神谷
Yuichi Origasa
雄一 折笠
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Japan Polyolefins Co Ltd
Original Assignee
Japan Polyolefins Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用時に開封を要求される包材として、方向
性なく、手で容易に引裂くことが可能な多層シーラント
フィルムを提供する。 【解決手段】 ガスバリヤー性基材層および/またはポ
リオレフイン系基材層と、特定の密度、MFRおよび分
子量分布を有し、TREFによる溶出曲線から求めた全
体の25%が溶出する温度T25と全体の75%が溶出す
る温度T75との差T7 5−T25および密度dがT75−T25≦−6
70×d+644の関係を満足するエチレン・1−ブテ
ン共重合体(A)100〜50重量%と、他のポリオレ
フィン系樹脂(B)0〜50重量%とからなるシーラン
ト層を有する多相構造からなり、縦方向と横方向の引裂
強度比が1:4〜4:1であり、かつ縦または横方向の
引裂強度が1000N/cmを超えない易引裂性多層シ
ーラントフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、剛性(腰)、ガス
バリヤー性等の特性を有し、接着強度、低温ヒートシー
ル性に優れ、臭気、味覚等に悪影響を与えず、かつ方向
性がない良好な易引裂性(手切れ性)多層シーラントフ
ィルムに関し、詳しくは、菓子・スナック袋、鰹節用小
袋、ジュース袋、レトルト袋等の食品用袋、食用油、医
薬品、洗剤等の詰替品用袋、パウチ袋等の食品分野、医
薬分野、サニタリー分野等において開封を要求される包
材であって、方向性なく、手で容易に引裂くことが可能
な多層シーラントフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、菓子・スナック袋、鰹節用小袋、
ジュース袋、レトルト袋等の食品用袋、食用油、洗剤等
の詰替品用袋(パウチ袋)等の開封を要求される包材の
多層シーラントフィルムは、エチレン・酢酸ビニル共重
合体(EVA)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直
鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)などをシーラン
ト層とし、剛性、高い突刺強度等の機械的強度を有す
る、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等
の基材と積層された多層シーラントフィルムが用いられ
ていた。しかし、EVAのシーラントは接着強度や臭気
あるいは味覚に悪影響を及ぼす等の難点を有し、LDP
Eシーラントでは接着強度や低温ヒートシール性に劣
る。またLLDPEは、接着強度は高いものの、なお十
分ではなかった。これらを改良するものとして、溶液法
による超低密度エチレン・α−オレフイン共重合体や高
圧法エチレン・α−オレフイン共重合体からなるシーラ
ントが挙られるが、低温ヒートシール性に難点がある。
昨今ではメタロセン系LLDPEが用いられ接着強度、
低温ヒートシール性などが改良されるが、手切れ性に難
点を有していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】よって、本発明の目的
は、剛性、突刺強度、ガスバリヤー性等の特性や基材と
の接着強度、低温ヒートシール性に優れ(高速製袋性の
向上)、かつ方向性のない手切れ性と、さらに低分子量
の溶出分が少なく、結果的に臭気を発生したり、味覚を
損なうことのない多層シーラントフィルムを提供するこ
とにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意検討した結果、特定のパラメー
ターを満たす樹脂組成物を用いて、加工後の特定の条件
を満たすように成形することによって、所望の性能を得
られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明の易引裂性多層シーラン
トフィルムは、ガスバリヤー性基材層および/またはポ
リオレフイン系基材層とシーラント層とを少なくとも有
する多層構造からなり、該シーラント層が下記の(a)
〜(d)の要件を満たすエチレン・1−ブテン共重合体
(A)100〜50重量%と他のポリオレフィン系樹脂
(B)0〜50重量%とからなり、その縦方向(MD)
と横方向(TD)の引裂強度比(MD/TD)が1:4
〜4:1であって、MDまたはTDの引裂強度が100
0N/cmを超えないことを特徴とする。 (a)密度が0.88〜0.94g/cm3、 (b)メルトフローレートが0.01〜200g/10
分、 (c)分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜4.5、 (d)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度
−溶出量の積分溶出曲線から求めた全体の25%が溶出
する温度T25(℃)と全体の75%が溶出する温度T75
(℃)との差T75−T25および密度d(g/cm
が、下記(式1)の関係を満足すること。 T75−T25≦−670×d+644 ・・・(式1)
【0006】また、本発明の易引裂性多層シーラントフ
ィルムは、前記エチレン・1−ブテン共重合体(A)
が、さらに下記(e)の要件を満足することを特徴とす
る。 (e)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度
−溶出量の積分溶出曲線から求めた全体の25%が溶出
する温度T25(℃)と全体の75%が溶出する温度T75
(℃)との差T75−T25および密度d(g/cm
が、下記(式2)の関係を満足すること。 T75−T25≧−300×d+285 ・・・(式2)
【0007】また、前記エチレン・1−ブテン共重合体
(A)が、さらに下記の要件(f)および(g)を満足
するエチレン・1−ブテン共重合体(A1)であること
を特徴とする。 (f)25℃におけるオルソジクロロベンゼン(ODC
B)可溶分量X(重量%)、密度d(g/cm)およ
びメルトフローレート(MFR)(g/10分)が下記
(式3)または(式4)の関係を満足する、d−0.0
08log MFR≧0.93の場合 X<2.0 ・・・(式3) d−0.008log MFR<0.93の場合 X<9.8×103×(0.9300−d+0.008log MFR)2+2. 0 ・・・(式4) (g)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度
−溶出量曲線のピークが複数個存在すること。
【0008】また、前記エチレン・1−ブテン共重合体
(A)が、さらに下記(h)および(i)の要件を満足
するエチレン・1−ブテン共重合体(A2)であること
を特徴とする。 (h)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度
−溶出量曲線のピークが一つであり、 (i)融点ピークを1ないし2個以上有し、かつそのう
ち最も高い融点Tml(℃)と密度d(g/cm)が、
下記(式5)の関係を満足すること。 Tml≧150×d−19 ・・・(式5)
【0009】また、前記エチレン・1−ブテン共重合体
(A2)が、さらに下記(j)の要件を満足することを
特徴とする。 (j)メルトテンション(MT)(g)とメルトフロー
レート(MFR)(g/10分)が、下記(式6)を満
足すること。 log MT≦−0.572×log MFR+0.3 ・・・(式6)
【0010】また、前記エチレン・1−ブテン共重合体
(A)が、少なくとも共役二重結合を持つ有機環状化合
物と周期律表第IV族の遷移金属化合物を含む触媒によっ
て製造されたものであることを特徴とする。
【0011】また、前記エチレン・1−ブテン共重合体
(A)中の(k)ハロゲン元素の濃度が、10ppm以
下であることを特徴とする。さらにまた、前記エチレン
・1−ブテン共重合体(A)を含むシーラント層を構成
する樹脂材料中に、(l)添加剤が実質的に含まれてい
ないことを特徴とする。
【0012】前記ポリオレフイン系基材層が、直鎖状低
密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレ
ン系樹脂またはそれらの混合物からなる基材層であるこ
とを特徴とする。
【0013】また、本発明の易引裂性多層シーラントフ
ィルムが、外層にガスバリヤー性基材層、中間層にポリ
オレフイン系基材層、最内層にシーラント層を含むこと
を特徴とする。
【0014】また、本発明の易引裂性多層シーラントフ
ィルムの製造方法は、ガスバリヤー性基材層および/ま
たはポリオレフイン系基材層と下記の(a)〜(d)の
要件を満たすエチレン・1−ブテン共重合体(A)10
0〜50重量%と、他のポリオレフィン系樹脂(B)0
〜50重量%との樹脂材料を含むシーラント層を有し、
縦方向(MD)と横方向(TD)の引裂強度比(MD/
TD)が1:4〜4:1、かつMDまたはTDの引裂強
度が1000N/cmを超えない多層フィルムとするこ
とを特徴とする。 (a)密度が0.88〜0.94g/cm3、 (b)メルトフローレートが0.01〜200g/10
分、 (c)分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜4.5、 (d)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度
−溶出量の積分溶出曲線から求めた全体の25%が溶出
する温度T25(℃)と全体の75%が溶出する温度T75
(℃)との差T75−T25および密度d(g/cm
が、下記(式1)の関係を満足すること。 T75−T25≦−670×d+644 ・・・(式1)
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明におけるエチレン・1−ブテン共重合体(A)の
1−ブテン含有量は、30モル%以下、好ましくは3〜
20モル%の範囲で選択されることが望ましい。
【0016】本発明におけるエチレン・1−ブテン共重
合体(A)の(a)密度は、0.88〜0.94g/cm
3、好ましくは0.89〜0.935g/cm3、さらに好
ましくは0.90〜0.93g/cm3の範囲である。密
度が0.88g/cm3未満では、剛性(腰の強さ)、耐
熱性が劣るものとなる。また、密度が0.94g/cm3
を超えると引裂強度が強すぎ手切れ性が不十分となる虞
が生じる。
【0017】本発明におけるエチレン・1−ブテン共重
合体(A)の(b)メルトフローレート(以下、MFR
と記す)は、0.01〜200g/10分、好ましくは
0.1〜100g/10分、さらに好ましくは0.5〜8
0g/10分、最も好ましくは1.0〜60g/分の範
囲である。MFRが0.01g/10分未満では、成形
加工性が劣り、200g/10分を超えると、積層する
基材との接着強度等が劣る虞が生じる。
【0018】本発明におけるエチレン・1−ブテン共重
合体(A)の(c)分子量分布(Mw/Mn)は、1.
5〜4.5の範囲、好ましくは2.0〜4.0、さらに好
ましくは2.5〜3.5の範囲である。Mw/Mnが1.
5未満では、成形加工性が劣り、Mw/Mnが4.5を
超えると、積層する基材との接着強度等が低下する虞が
生じる。ここで、エチレン・1−ブテン共重合体の分子
量分布(Mw/Mn)は、ゲルパーミエィションクロマ
トグラフィー(GPC)により重量平均分子量(Mw)
と数平均分子量(Mn)を求め、それらの比(Mw/M
n)を算出することにより求めることができる。
【0019】本発明におけるエチレン・1−ブテン共重
合体(A)は、(d)連続昇温溶出分別法(TREF)
による溶出温度−溶出量の積分溶出曲線から求めた全体
の25%が溶出する温度T25(℃)と全体の75%が溶
出する温度T75(℃)との差T75−T25および密度d
(g/cm)が、下記(式1)の関係を満足する。 T75−T25≦−670×d+644 ・・・(式1) すなわち、エチレン・1−ブテン共重合体(A)のTR
EFによる溶出温度−溶出量曲線は、横軸を溶出温度、
縦軸を相対溶出量として図1の様に示される。この場合
低温側から、全溶出量の25%が溶出する温度を溶出曲
線より求めT25(℃)とし、同じく75%が溶出する温
度をT75とした時に、上記の関係を満たすものである。
なお、T75−T25と密度dが上記(式1)の関係を満足
しない場合には、低温ヒートシール性が劣るものとな
る。
【0020】このTREFの測定方法は下記の通りであ
る。まず、試料を酸化防止剤(例えば、ブチルヒドロキ
シトルエン)を加えたODCBに試料濃度が0.05重
量%となるように加え、140℃で加熱溶解する。この
試料溶液5mlを、ガラスビーズを充填したカラムに注
入し、0.1℃/分の冷却速度で25℃まで冷却し、試
料をガラスビーズ表面に沈着する。次に、このカラムに
ODCBを一定流量で流しながら、カラム温度を50℃
/時間の一定速度で昇温しながら、試料を順次溶出させ
る。この際、溶剤中に溶出する試料の濃度は、メチレン
の非対称伸縮振動の波数2925cm−1に対する吸収
を赤外検出器で測定することにより連続的に検出され
る。この値から、溶液中のエチレン・1−ブテン共重合
体の濃度を定量分析し、溶出温度と溶出速度の関係を求
める。TREF分析によれば、極く少量の試料で、温度
変化に対する溶出速度の変化を連続的に分析出来るた
め、分別法では検出できない比較的細かいピークの検出
が可能である。
【0021】また、本発明におけるエチレン・1−ブテ
ン共重合体(A)は、さらに下記(e)の要件を満足す
ることが好ましい。 (e)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度
−溶出量の積分溶出曲線から求めた全体の25%が溶出
する温度T25(℃)と全体の75%が溶出する温度T75
(℃)との差T75−T25および密度d(g/cm
が、下記(式2)の関係を満足すること。 T75−T25≧−300×d+285 ・・・(式2) 上記(式2)の関係を満足することにより、低温ヒート
シール性と耐熱性のバランスのとれたものとなる。
【0022】本発明におけるエチレン・1−ブテン共重
合体(A)は、さらに後述の(f)および(g)の要件
を満足するエチレン・1−ブテン共重合体(A1)、ま
たは、さらに後述の(h)および(i)の要件を満足す
るエチレン・1−ブテン共重合体(A2)のいずれかで
あることが好ましい。
【0023】本発明におけるエチレン・1−ブテン共重
合体(A1)は、要件(f)25℃におけるODCB可
溶分の量X(重量%)と密度d(g/cm)およびM
FR(g/10分)は、下記(式3)または(式4)の
関係を満足するものである。d−0.008log MFR
≧0.93の場合、 X<2.0 ・・・(式3) d−0.008log MFR<0.93の場合、 X<9.8×103×(0.9300−d+0.008log MFR)2+2.0 ・・・(式4) また、好ましくは、d−0.008log MFR≧0.93
の場合、 X<1.0 d−0.008log MFR<0.93の場合、 X<7.4×103×(0.9300−d+0.008log M
FR)2+1.0 の関係を満足し、さらに好ましくは、 d−0.008log MFR≧0.93の場合、 X<0.5 d−0.008log MFR<0.93の場合、 X<5.6×103×(0.9300−d+0.008log M
FR)2+0.5 の関係を満足するものである。
【0024】ここで、上記25℃におけるODCB可溶
分の量Xは、下記の方法により測定される。試料0.5
gを20mlのODCBにて135℃で2時間加熱し、
試料を完全に溶解した後、25℃まで冷却する。この溶
液を25℃で一晩放置後、テフロン(登録商標)製フィ
ルターでろ過し、ろ液を採取する。試料溶液であるこの
ろ液を赤外分光器によりメチレンの非対称伸縮振動の波
数2925cm−1付近の吸収ピーク強度を測定し、予
め作成した検量線により試料濃度を算出する。この値よ
り、25℃におけるODCB可溶分量が求まる。
【0025】25℃におけるODCB可溶分は、エチレ
ン・1−ブテン共重合体に含まれる高分岐度成分および
低分子量成分であり、耐熱性の低下やフィルム表面のべ
たつきの原因となり、衛生性の問題やフィルム内面のブ
ロッキングの原因となる為、この含有量は少ないことが
望ましい。また、低分子量成分は成形時の発煙の原因と
もなる。ODCB可溶分の量は、共重合体全体の1−ブ
テンの含有量および分子量、即ち、密度とMFRに影響
される。従ってこれらの指標である密度およびMFRと
ODCB可溶分の量が上記の関係を満たすことは、共重
合体全体に含まれる1-ブテンの偏在が少ないことを示
す。
【0026】また、本発明におけるエチレン・1−ブテ
ン共重合体(A1)は、図2に示すように、(g)連続
昇温溶出分別法(TREF)により求めた溶出温度−溶
出量曲線において、ピークが複数個存在するものであ
る。この複数の高温側のピーク温度は85℃から100
℃の間に存在することが特に好ましい。このピークが存
在することにより、融点が高くなり、また結晶化度が上
昇し、フィルムの耐熱性および剛性が向上する。一方、
図3のエチレン・1−ブテン共重合体は、TREFの溶
出温度−溶出量曲線において実質的にピークを1個有す
るエチレン・α−オレフィン共重合体であり、従来の典
型的なメタロセン系触媒によるエチレン・1−ブテン共
重合体がこれに該当する。
【0027】本発明におけるエチレン・1−ブテン共重
合体(A2)は、図2に示すように、(h)連続昇温溶
出分別法(TREF)による溶出温度−溶出量曲線のピ
ークが一つであり、(i)融点ピークを1ないし2個以
上有し、かつそのうち最も高い融点Tml(℃)と密度d
(g/cm)が、下記(式5)の関係を満足するもの
である。 Tml≧150×d−19 ・・・(式5) 融点Tmlと密度dが、上記(式5)の関係を満足するこ
とにより、耐熱性のよいシーラントフィルムとなる。融
点はDSCにて測定した。詳細は後述する。上記の様
に、エチレン・1−ブテン共重合体(A2)は、TRE
Fピークが一つで、従来の典型的なメタロセン系触媒に
よるエチレン・1−ブテン共重合体と同様であるが、メ
タロセン系触媒による共重合体は本願の要件(e)の関
係(式2)を満足せず、両者は区別されるものである。
【0028】また、エチレン・1−ブテン共重合体(A
2)の中でも、さらに下記(j)の要件を満足するエチ
レン・1−ブテン共重合体が好適である。(j)メルト
テンション(MT)とメルトフローレート(MFR)
が、下記(式6)の関係を満足すること。 log MT≦−0.572×log MFR+0.3 ・・・(式6) MT(g)とMFR(g/10分)が上記(式6)の関
係を満足することにより、押出ラミネート成形の成形加
工性が良好なものとなる。なお、メルトテンションの測
定法は後述する。
【0029】本発明におけるエチレン・1−ブテン共重
合体(A)は、前記のパラメーターを満足すれば触媒、
製造方法等に特に限定されるものではないが、好ましく
は少なくとも共役二重結合を持つ有機環状化合物と周期
律表第IV族の遷移金属化合物を含む触媒の存在下にエチ
レンと1−ブテンとを共重合させて得られる直鎖状のエ
チレン・1−ブテン共重合体であることが望ましい。こ
のような直鎖状のエチレン・1−ブテン共重合体は、分
子量分布および組成分布が独特なため、機械的特性に優
れ、低温ヒートシール性、耐熱ブロッキング性等に優
れ、しかも耐熱性の良い重合体である。
【0030】本発明におけるエチレン・1−ブテン共重
合体(A)の製造は、特に以下のa1〜a4の化合物を
混合して得られる触媒で重合することが望ましい。 a1:一般式Me11 p2 q(OR3r1 4-p-q-r で表
される化合物(式中Me1 はジルコニウム、チタン、ハ
フニウムを示し、R1 およびR3 はそれぞれ炭素数1〜
24の炭化水素基、R2 は、2,4−ペンタンジオナト
配位子またはその誘導体、ベンゾイルメタナト配位子、
ベンゾイルアセトナト配位子またはその誘導体、X1
ハロゲン原子を示し、p、qおよびrはそれぞれ0≦p
≦4、0≦q≦4、0≦r≦4、0≦p+q+r≦4の
範囲を満たす整数である) a2:一般式Me24 m(OR5n2 z-m-n で表される
化合物(式中Me2 は周期律表第I〜III 族元素、R4
およびR5 はそれぞれ炭素数1〜24の炭化水素基、X
2 はハロゲン原子または水素原子(ただし、X2 が水素
原子の場合はMe2 は周期律表第III 族元素の場合に限
る)を示し、zはMe2 の価数を示し、mおよびnはそ
れぞれ0≦m≦z、0≦n≦zの範囲を満たす整数であ
り、かつ、0≦m+n≦zである) a3:共役二重結合を持つ有機環状化合物 a4:Al−O−Al結合を含む変性有機アルミニウム
オキシ化合物および/またはホウ素化合物
【0031】以下、さらに詳説する。上記触媒成分a1
の一般式Me11 p2 q(OR3r1 4-p-q-r で表され
る化合物の式中、Me1 はジルコニウム、チタン、ハフ
ニウムを示し、これらの遷移金属の種類は限定されるも
のではなく、複数を用いることもできるが、共重合体の
耐候性の優れるジルコニウムが含まれることが特に好ま
しい。R1 およびR3はそれぞれ炭素数1〜24の炭化
水素基で、好ましくは炭素数1〜12、さらに好ましく
は1〜8である。具体的にはメチル基、エチル基、プロ
ピル基、イソプロピル基、ブチル基などのアルキル基;
ビニル基、アリル基などのアルケニル基;フェニル基、
トリル基、キシリル基、メシチル基、インデニル基、ナ
フチル基などのアリール基;ベンジル基、トリチル基、
フェネチル基、スチリル基、ベンズヒドリル基、フェニ
ルブチル基、ネオフイル基などのアラルキル基などが挙
げられる。これらは分岐があってもよい。R2 は、2,
4−ペンタンジオナト配位子またはその誘導体、ベンゾ
イルメタナト配位子、ベンゾイルアセトナト配位子また
はその誘導体を示す。X1 はフッ素、ヨウ素、塩素およ
び臭素などのハロゲン原子を示す。pおよびqはそれぞ
れ、0≦p≦4、0≦q≦4、0≦r≦4、0≦p+q
+r≦4の範囲を満たす整数である。
【0032】上記触媒成分a1の一般式で示される化合
物の例としては、テトラメチルジルコニウム、テトラエ
チルジルコニウム、テトラベンジルジルコニウム、テト
ラプロポキシジルコニウム、トリプロポキシモノクロロ
ジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム、テトラブ
トキシジルコニウム、テトラブトキシチタン、テトラブ
トキシハフニウムなどが挙げられ、特にテトラプロポキ
シジルコニウム、テトラブトキシジルコニウムなどのZ
r(OR)4 化合物が好ましく、これらを2種以上混合
して用いても差し支えない。また、前記2,4−ペンタ
ンジオナト配位子またはその誘導体、ベンゾイルメタナ
ト配位子、ベンゾイルアセトナト配位子またはその誘導
体の具体例としては、テトラ(2,4−ペンタンジオナ
ト)ジルコニウム、トリ(2,4−ペンタンジオナト)
クロライドジルコニウム、ジ(2,4−ペンタンジオナ
ト)ジクロライドジルコニウム、(2,4−ペンタンジ
オナト)トリクロライドジルコニウム、ジ(2,4−ペ
ンタンジオナト)ジエトキサイドジルコニウム、ジ
(2,4−ペンタンジオナト)ジ−n−プロポキサイド
ジルコニウム、ジ(2,4−ペンタンジオナト)ジ−n
−ブトキサイドジルコニウム、ジ(2,4−ペンタンジ
オナト)ジベンジルジルコニウム、ジ(2,4−ペンタ
ンジオナト)ジネオフイルジルコニウム、テトラ(ジベ
ンゾイルメタナト)ジルコニウム、ジ(ジベンゾイルメ
タナト)ジエトキサイドジルコニウム、ジ(ジベンゾイ
ルメタナト)ジ−n−プロポキサイドジルコニウム、ジ
(ジベンゾイルメタナト)ジ−n−ブトキサイドジルコ
ニウム、ジ(ベンゾイルアセトナト)ジエトキサイドジ
ルコニウム、ジ(ベンゾイルアセトナト)ジ−n−プロ
ポキサイドジルコニウム、ジ(ベンゾイルアセトナト)
ジ−n−ブトキサイドジルコニウム等があげられる。
【0033】上記触媒成分a2の一般式Me24 m(O
5n2 z-m-n で表される化合物の式中Me2 は周期
律表第I〜III 族元素を示し、リチウム、ナトリウム、
カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、ホウ素、
アルミニウムなどである。R4およびR5 はそれぞれ炭
素数1〜24の炭化水素基、好ましくは炭素数1〜1
2、さらに好ましくは1〜8であり、具体的にはメチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基
などのアルキル基;ビニル基、アリル基などのアルケニ
ル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル
基、インデニル基、ナフチル基などのアリール基;ベン
ジル基、トリチル基、フェネチル基、スチリル基、ベン
ズヒドリル基、フェニルブチル基、ネオフイル基などの
アラルキル基などが挙げられる。これらは分岐があって
もよい。X2 はフッ素、ヨウ素、塩素および臭素などの
ハロゲン原子または水素原子を示すものである。ただ
し、X2 が水素原子の場合Me2 はホウ素、アルミニウ
ムなどに例示される周期律表第III族元素の場合に限る
ものである。また、zはMe2 の価数を示し、mおよび
nはそれぞれ、0≦m≦z、0≦n≦zの範囲を満たす
整数であり、かつ、0≦m+n≦zである。
【0034】上記触媒成分a2の一般式で示される化合
物の例としては、メチルリチウム、エチルリチウムなど
の有機リチウム化合物;ジメチルマグネシウム、ジエチ
ルマグネシウム、メチルマグネシウムクロライド、エチ
ルマグネシウムクロライドなどの有機マグネシウム化合
物;ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛などの有機亜鉛化合
物;トリメチルボロン、トリエチルボロンなどの有機ボ
ロン化合物;トリメチルアルミニウム、トリエチルアル
ミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソブチル
アルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリデシル
アルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、エチ
ルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムセス
キクロライド、ジエチルアルミニウムエトキサイド、ジ
エチルアルミニウムハイドライドなどの有機アルミニウ
ム化合物等の誘導体が挙げられる。
【0035】上記触媒成分a3の共役二重結合を持つ有
機環状化合物は、環状で共役二重結合を2個以上、好ま
しくは2〜4個、さらに好ましくは2〜3個有する環を
1個または2個以上もち、全炭素数が4〜24、好まし
くは4〜12である環状炭化水素化合物;前記環状炭化
水素化合物が部分的に1〜6個の炭化水素残基(典型的
には、炭素数1〜12のアルキル基またはアラルキル
基)で置換された環状炭化水素化合物;共役二重結合を
2個以上、好ましくは2〜4個、さらに好ましくは2〜
3個有する環を1個または2個以上もち、全炭素数が4
〜24、好ましくは4〜12である環状炭化水素基を有
する有機ケイ素化合物;前記環状炭化水素基が部分的に
1〜6個の炭化水素残基またはアルカリ金属塩(ナトリ
ウムまたはリチウム塩)で置換された有機ケイ素化合物
が含まれる。特に好ましくは分子中のいずれかにシクロ
ペンタジエン構造をもつものが望ましい。
【0036】上記の好適な化合物としては、シクロペン
タジエン、インデン、アズレンまたはこれらのアルキ
ル、アリール、アラルキル、アルコキシまたはアリール
オキシ誘導体などが挙げられる。また、これらの化合物
がアルキレン基(その炭素数は通常2〜8、好ましくは
2〜3)を介して結合(架橋)した化合物も好適に用い
られる。
【0037】環状炭化水素基を有する有機ケイ素化合物
は、下記一般式で表示することができる。 ALSiR4-L ここで、Aはシクロペンタジエニル基、置換シクロペン
タジエニル基、インデニル基、置換インデニル基で例示
される前記環状水素基を示し、Rはメチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基などのアル
キル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブト
キシ基などのアルコキシ基;フェニル基などのアリール
基;フェノキシ基などのアリールオキシ基;ベンジル基
などのアラルキル基で示され、炭素数1〜24、好まし
くは1〜12の炭化水素残基または水素を示し、Lは1
≦L≦4、好ましくは1≦L≦3である。
【0038】上記成分a3の有機環状炭化水素化合物の
具体例として、シクロペンタジエン、メチルシクロペン
タジエン、エチルシクロペンタジエン、プロピルシクロ
ペンタジエン、ブチルシクロペンタジエン、1,3−ジ
メチルシクロペンタジエン、1−メチル−3−エチルシ
クロペンタジエン、1−メチル−3−プロピルシクロペ
ンタジエン、1−メチル−3−ブチルシクロペンタジエ
ン、1,2,4−トリメチルシクロペンタジエン、ペンタ
メチルシクロペンタジエン、インデン、4−メチル−1
−インデン、4,7−ジメチルインデン、シクロヘプタ
トリエン、メチルシクロヘプタトリエン、シクロオクタ
テトラエン、アズレン、フルオレン、メチルフルオレン
のような炭素数5〜24のシクロポリエンまたは置換シ
クロポリエン、モノシクロペンタジエニルシラン、ビス
シクロペンタジエニルシラン、トリスシクロペンタジエ
ニルシラン、モノインデニルシラン、ビスインデニルシ
ラン、トリスインデニルシランなどが挙げられる。
【0039】触媒成分a4のAl−O−Al結合を含む
変性有機アルミニウムオキシ化合物とは、アルキルアル
ミニウム化合物と水とを反応させることにより、通常ア
ルミノキサンと称される変性有機アルミニウムオキシ化
合物が得られ、分子中に通常1〜100個、好ましくは
1〜50個のAl−O−Al結合を含有する。また、変
性有機アルミニウムオキシ化合物は線状でも環状でもい
ずれでもよい。
【0040】有機アルミニウムと水との反応は通常不活
性炭化水素中で行われる。該不活性炭化水素としては、
ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベン
ゼン、トルエン、キシレン等の脂肪族、脂環族、芳香族
炭化水素が好ましい。水と有機アルミニウム化合物との
反応比(水/Alモル比)は通常0.25/1〜1.2/
1、好ましくは0.5/1〜1/1であることが望まし
い。
【0041】ホウ素化合物としては、テトラ(ペンタフ
ルオロフェニル)ホウ酸トリエチルアルミニウム、トリ
エチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)
ボレート、テトラ(ペンタフルオロフエニル)ホウ酸ジ
メチルアニリニウム、ジメチルアニリニウムテトラ(ペ
ンタフルオロフエニル)ボレート、プチルアンモニウム
テトラ(ペンタフルオロフエニル)ボレート、N,N−
ジメチルアニリニウムテトラ(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラ
(3,5−ジフルオロフェニル)ボレート、トリチルテ
トラキスペンタフルオロボレート、フエロセニウムテト
ラキスペンタフルオロボレート、トリスペンタフルオロ
ボラン等が挙げられる。中でも、N,N−ジメチルアニ
リニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリチルテトラキスペンタフルオロボレート、フエロセ
ニウムテトラキスペンタフルオロボレート、トリスペン
タフルオロボランが好適である。
【0042】上記触媒はa1〜a4を混合接触させて使
用しても良いが、好ましくは無機担体および/または粒
子状ポリマー担体(a5)に担持させて使用することが
望ましい。該無機物担体および/または粒子状ポリマー
担体(a5)とは、炭素質物、金属、金属酸化物、金属
塩化物、金属炭酸塩またはこれらの混合物あるいは熱可
塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が挙げられる。該無機物担体
に用いることができる好適な金属としては、鉄、アルミ
ニウム、ニッケルなどが挙げられる。具体的には、Si
2、Al23、MgO、ZrO2、TiO2、B23
CaO、ZnO、BaO、ThO2等またはこれらの混
合物が挙げられ、SiO2−Al23、SiO2−V
25、SiO2−TiO2、SiO2−V25、SiO2
MgO、SiO2−Cr23等が挙げられる。これらの
中でもSiO2およびAl23からなる群から選択され
た少なくとも1種の成分を主成分とするものが好まし
い。また、有機化合物としては、熱可塑性樹脂、熱硬化
性樹脂のいずれも使用でき、具体的には、粒子状のポリ
オレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリスチレン、ポ
リノルボルネン、各種天然高分子およびこれらの混合物
等が挙げられる。
【0043】上記無機物担体および/または粒子状ポリ
マー担体は、このまま使用することもできるが、好まし
くは予備処理としてこれらの担体を有機アルミニウム化
合物やAl−O−Al結合を含む変性有機アルミニウム
化合物などに接触処理させた後に成分a5として用いる
こともできる。
【0044】本発明におけるエチレン・1−ブテン共重
合体(A)の製造方法は、前記触媒の存在下、実質的に
溶媒の存在しない気相重合法、スラリー重合法、溶液重
合法等で製造され、実質的に酸素、水等を断った状態
で、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族
炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭
化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂
環族炭化水素等に例示される不活性炭化水素溶媒の存在
下または不存在下で製造される。重合条件は特に限定さ
れないが、重合温度は通常15〜350℃、好ましくは
20〜200℃、さらに好ましくは50〜110℃であ
り、重合圧力は低中圧法の場合通常常圧〜7MPa Gauge
(70kg/cm2 G)、好ましくは常圧〜2MPa Gaug
e(20kg/cm2 G)であり、高圧法の場合通常1
50MPa Gauge(1500kg/cm2G)以下が望まし
い。重合時間は低中圧法の場合通常3分〜10時間、好
ましくは5分〜5時間程度が望ましい。高圧法の場合、
通常1分〜30分、好ましくは2分〜20分程度が望ま
しい。また、重合は一段重合法はもちろん、水素濃度、
モノマー濃度、重合圧力、重合温度、触媒等の重合条件
が互いに異なる2段階以上の多段重合法など特に限定さ
れるものではない。特に好ましい製造方法としては、特
開平5−132518号公報に記載の方法が挙げられ
る。
【0045】本発明におけるエチレン・1−ブテン共重
合体(A)は、上述の触媒成分の中に塩素等のハロゲン
元素のない触媒を使用することにより、(k)ハロゲン
元素濃度としては10ppm以下、好ましくは5ppm
以下、さらに好ましくは実質的に含まない(non-detect
=ND:2ppm以下)ものとすることが可能である。
このような塩素等を含まないハロゲンフリーのエチレン
・1−ブテン共重合体(A)を用いることにより、従来
のような酸中和剤(ハロゲン吸収剤)を使用する必要が
なくなり、化学的安定性、衛生性が優れ、特に食品用包
装材料等の分野において好適に活用される多層シーラン
ト、例えば乳等省令に適合する食品容器等を提供するこ
とができる。
【0046】本発明の易引裂性多層シーラントフィルム
は、フイルムの成形方向に対して縦方向(MD)と横方
向(TD)の引裂強度比(MD/TD)が1:4〜4:
1であり、かつMDまたはTDの引裂強度が1000N
/cmを超えないことを特徴とする。上記引裂強度比
(MD/TD)は、好ましくはMD/TD=1:2〜
2:1、さらに好ましくはMD/TD=1:1.5〜1.
5:1の範囲であり、引裂強度比(MD/TD)が1:
4〜4:1の範囲から外れる場合には手切れ性が悪くな
る虞が生じる。またさらに、MDまたはTDの引裂強度
が1000N/cmを超えないことが必要である。すな
わちMDおよびTDのいずれか一方、好ましくはMDお
よびTDの両方向の引裂強度が1000N/cmを超え
ない多層フイルムとすることにより、本発明の特徴の1
つである易引裂性多層シーラントフィルムの方向性のな
い手切れ性を発揮するものである。したがって、従来の
易引裂性多層シーラントフィルムは、フイルムの成形方
向に対して縦または横方向に直線的にカットされるのが
一般的であり、例えば45゜方向に直線的に切ることが
難しい。しかし、本発明においては引裂強度に方向性が
ないことからこれらの角度においても容易に手切れ性を
発揮するものである。上記易引裂性多層シーラントフィ
ルムの厚みは用途等により選択されるが一般的には5〜
300μmの範囲で使用される。
【0047】本発明においてエチレン・1−ブテン共重
合体(A)を含むシーラント層には、加工性等の性能を
付与するために、他のポリオレフィン系樹脂(B)を配
合することが可能である。他のポリオレフイン系樹脂
(B)としては、高圧ラジカル重合法によるエチレン系
(共)重合体、チーグラー型触媒等を用いる高・中・低
圧法およびその他、公知の方法によるエチレン単独重合
体、エチレンと炭素数3〜12のα−オレフインとの共
重合体、ポリプロピレン系樹脂などが挙げられる。
【0048】前記高圧ラジカル重合法エチレン系(共)
重合体としては、高圧ラジカル重合法によつて得られた
低密度ポリエチレン(LDPE)、エチレン・ビニルエ
ステル共重合体、エチレンとα,β−不飽和カルボン酸
またはその誘導体との共重合体などが挙げられる。
【0049】前記LDPEのMFRは、0.01〜20
0g/10分、好ましくは0.05〜100g/10
分、さらに好ましくは0.1〜80g/10分の範囲で
ある。この範囲であれば、メルトテンション(MT)が
適切な範囲となり、成形加工性が向上する。また、LD
PEの密度は、0.91〜0.94g/cm、さらに好
ましくは0.91〜0.935g/cmの範囲である。
LDPEのメルトテンションは、1.5〜25g、好ま
しくは3〜20g、さらに好ましくは3〜15gであ
る。また、LDPEの分子量分布Mw/Mnは、3.0
〜12、好ましくは4.0〜8.0である。
【0050】前記エチレン・ビニルエステル共重合体と
は、高圧ラジカル重合法で製造されるエチレンを主成分
とするプロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、カプロン酸ビ
ニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ステアリ
ン酸ビニル、トリフルオル酢酸ビニルなどのビニルエス
テル単量体との共重合体である。中でも、特に好ましい
ものとしては、酢酸ビニルを挙げることができる。ま
た、エチレン50〜99.5重量%、ビニルエステル0.
5〜50重量%、他の共重合可能な不飽和単量体0〜4
9.5重量%からなる共重合体が好ましい。特に、ビニ
ルエステルの含有量は3〜30重量%、好ましくは5〜
25重量%の範囲である。エチレン・ビニルエステル共
重合体のMFRは、0.01〜200g/10分、好ま
しくは0.05〜100g/10分、さらに好ましくは
0.1〜50g/10分の範囲である。
【0051】前記エチレンとα,β−不飽和カルボン酸
またはその誘導体との共重合体としては、エチレン・
(メタ)アクリル酸またはそのアルキルエステル共重合
体が挙げられ、これらのコモノマーとしては、アクリル
酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリ
ル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸イソ
プロピル、メタクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−
ブチル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸シクロヘ
キシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ラウ
リル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、
メタクリル酸ステアリル、アクリル酸グリシジル、メタ
クリル酸グリシジル等を挙げることができる。この中で
も特に好ましいものとして、(メタ)アクリル酸のメチ
ル、エチル等のアルキルエステルを挙げることができ
る。特に、(メタ)アクリル酸エステルの含有量は3〜
30重量%、好ましくは5〜25重量%の範囲である。
エチレンとα,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体
との共重合体のMFRは0.01〜200g/10分、
好ましくは0.05〜100g/10分、さらに好まし
くは0.1〜80g/10分である。
【0052】前記チーグラー型触媒等を用いる高・中・
低圧法およびその他の公知の方法によるエチレン単独重
合休もしくはエチレンと炭素数3〜12のα−オレフイ
ンとの共重合体としては、密度0.94〜0.97g/c
の高密度ポリエチレン、密度が0.91〜0.94g
/cmの直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、
密度が0.86〜0.91g/cmの超低密度ポリエチ
レン(VLDPE)、密度が0.86〜0.91g/cm
のエチレン・プロピレン共重合体ゴム、エチレン・プ
ロピレン・ジエン共重合体ゴム等のエチレン・α−オレ
フイン共重合体ゴムを挙げることができる。
【0053】前記チーグラー型触媒によるLLDPEと
は、密度が0.91〜0.94g/cm、好ましくは
0.91〜0.93g/cmの範囲のエチレン・α−オ
レフイン共重合体であり、α−オレフインは、炭素数3
〜20、好ましくは炭素数4〜12の範囲のものであ
り、具体的にはプロピレン、1−ブテン、4−メチル−
1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等が挙げら
れる。
【0054】また、前記チーグラー型触媒による超低密
度ポリエチレン(VLDPE)とは、密度が0.86〜
0.91g/cm、好ましくは0.88〜0.905g
/cm の範囲のエチレン・α−オレフイン共重合体で
あり、LLDPEとエチレン・α−オレフイン共重合体
ゴム(EPR、EPDM)の中間の性状を示すポリエチ
レンである。
【0055】また、前記エチレン・α−オレフイン共重
合体ゴムとは、密度が0.86〜0.91g/cm未満
のエチレン・プロピレン共重合体ゴム、エチレン・プロ
ピレン・ジエン共重合体ゴム等が挙げられ、該エチレン
・プロピレン系ゴムとしては、エチレンおよびプロピレ
ンを主成分とするランダム共重合体(EPM)、および
第3成分としてジエンモノマー(ジシクロペンタジエ
ン、エチリデンノルボルネン等)を加えたものを主成分
とするランダム共重合体(EPDM)が挙げられる。
【0056】また、ポリプロピレン系樹脂としては、プ
ロピレン単独重合体、プロピレンと他のα−オレフイン
との共重合体、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペ
ンテン、1−ヘキセン等のα−オレフインとのランダム
共重合体、ブロック共重合体等が挙げられる。
【0057】本発明のシーラント層は、エチレン・1−
ブテン共重合体(A)100〜50重量%と、他のポリ
オレフィン系樹脂(B)0〜50重量%とを含有する樹
脂材料からなるものである。エチレン・1−ブテン共重
合体(A)が50重量%未満、もしくは他のポリオレフ
ィン系樹脂(B)が50重量%を超えると、シーラント
層として低温ヒートシール性や易引裂性多層シーラント
フィルムの引裂強度、手切れ性等の特性が損なわれる虞
がある。
【0058】また、本発明のシーラント層においては、
前記樹脂材料に酸化防止剤、アンチブロッキング剤、滑
剤、帯電防止剤、防曇剤、紫外線吸収剤、有機系あるい
は無機系顔料、造核剤、架橋剤などの公知の添加剤を発
明の目的を阻害しない範囲内にて配合することができる
が、食品、医療分野においては、臭気、味覚への影響等
の点で無添加の状態が望ましい。特に本発明のシーラン
トフイルムにおいては、エチレン・1−ブテン共重合体
(A)と他のポリオレフィン系樹脂(B)に(l)添加
剤を実質的に含まない状態で成形したシーラント層とす
ることにより、上記の利点に加えてさらに他の基材と積
層する際の接着強度が飛躍的に向上するので好ましい。
【0059】本発明の易引裂性多層シーラントフィルム
に用いられるポリオレフイン系基材としては、例えば、
低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、直鎖状低
密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレ
ン系樹脂およびそれらの混合物など(これらの延伸物、
印刷物、金属等の蒸着物等の二次加工したフイルム、シ
ートを包含する)が挙げられる。これらのポリオレフイ
ン系基材層と積層した易引裂性多層シーラントフィルム
はエチレン・1−ブテン共重合体(A)100〜50重
量%と、他のポリオレフィン系樹脂(B)0〜50重量
%とを含有する樹脂材料からなるシーラント層の有する
低温ヒートシール性、衛生性、方向性のない手切れ性等
と、積層されるポリオレフィン系基材層の強度、剛性等
両者の特性を併せ持つ多層シーラントフィルムであり、
各種包装材料等として利用される。
【0060】上記易引裂性多層シーラントフィルムのポ
リオレフィン系基材層との層構成の具体例としては、
(HDPE/CLLDPE)、(zLLDPE/C
LLDPE)、(HDPE+LDPE/CLLDP
E)、(zLLDPE+LDPE/CLLDPE)、
(mLLDPE/zLLDPE/CLLDPE)、
(mLLDPE/zLLDPE+LDPE/CLLD
PE)、(PP/接着剤/C LLDPE)、(PP/
LLDPE)などが挙られる。(ただし、HDP
E:高密度ポリエチレン、CLLDPE:本発明のエ
チレン・1−ブテン共重合体、zLLDPE:チーグラ
ー系直鎖状低密度ポリエチレン、LDPE:ラジカル高
圧法低密度ポリエチレン、mLLDPE:メタロセン系
直鎖状低密度ポリエチレン、PP:ポリプロピレン系樹
脂を示すものである。)
【0061】本発明の他の易引裂性多層シーラントフィ
ルムの態様としては、ガスバリヤー性基材層にシーラン
ト層を積層した多層シーラントフィルム、あるいはシー
ラント層を最内層として、中間層にポリオレフィン系基
材層および外層にガスバリヤー性基材層を積層した、多
層シーラントフィルム等が挙げられる。
【0062】本発明の易引裂性多層シーラントフィルム
は、空冷多層インフレーション法、水冷多層インフレー
ション法、多層Tダイ法、押出ラミネート法等によって
製造することができる。
【0063】前記ガスバリヤー性基材層としてはポリア
ミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレン・酢酸ビニ
ル共重合体鹸化物、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネ
ート等のプラスチックフイルムまたはシート(これらの
延伸物、印刷物、金属等の蒸着物等の二次加工したフイ
ルム、シートを包含する)、アルミニウム、鉄、銅、こ
れらを主成分とする合金等の金属箔等が挙げられる。こ
れらの積層方法は、押出ラミネーション法、ドライラミ
ネーション法、共押出ラミネーション法等、公知の方法
が適用される。ガスバリヤー基材層を積層した易引裂性
多層シーラントフィルムは、エチレン・1−ブテン共重
合体(A)100〜50重量%と、他のポリオレフィン
系樹脂(B)0〜50重量%とを含有する樹脂材料から
なるシーラント層を有し、低温ヒートシール性、衛生
性、方向性のない手切れ性等と、ガスバリヤー性基材の
ガスバリヤー性、あるいは場合により耐熱性、強度等を
併せ持ち、菓子・スナック袋、鰹節用小袋、ジュース
袋、レトルト袋等の食品用袋、食用油、医薬品、洗剤等
の詰替品用袋等の食品分野、医薬分野、サニタリー分野
等において開封を要求される各種包装材料等に利用され
る。
【0064】本発明の易引裂性多層シーラントフィルム
の製造方法は、(a)密度が0.88〜0.94g/cm
3、(b)メルトフローレートが0.01〜200g/1
0分、(c)分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜4.
5、(d)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出
温度−溶出量の積分溶出曲線から求めた全体の25%が
溶出する温度T25と全体の75%が溶出する温度T75
の差T75−T25および密度dが、(式1)T75−T25
−670×d+644の関係を満たす、エチレン・1−
ブテン共重合体(A)100〜50重量%と他のポリオ
レフィン系樹脂(B)0〜50重量%との樹脂材料をシ
ーラント層とし、ガスバリヤー性基材層および/または
ポリオレフィン系基材層を他の層として押出成形温度1
10〜330℃の範囲でフィルム成形し、該フィルムを
縦方向(MD)と横方向(TD)の引裂強度比(MD/
TD)が1:4〜4:1、かつMDまたはTDの引裂強
度が1000N/cmを超えないように成形することを
特徴とするものである。該易引裂性多層シーラントフィ
ルムの成形方法としては、空冷インフレーション法、水
冷インフレーション法、Tダイ法等の公知の方法によっ
て製造することができる。該インフレーション成形法の
場合では、成形温度を好ましくは110〜250℃の範
囲、さらに好ましくは120〜200℃の範囲で成形さ
れることが望ましい。またTダイ法の場合においては、
200〜330℃、好ましくは230〜300℃の範囲
で成形されることが望ましい。また引裂強度比(MD/
TD)は、インフレーション成形時のブロー比の設定あ
るいはTダイ成形時にはテンター等により、フィルムの
成形方向に対して、縦、横の引裂強度比(MD/TD)
を制御することが可能である。なお、前述のように成形
した本発明の多層フイルムにさらに他の層をラミネーシ
ョン法等により積層する場合においても、積層後の引裂
強度比あるいは引裂強度が上記範囲内であることが望ま
しい。
【0065】本発明の易引裂性多層シーラントフィルム
としては、その目的用途により、さらにセロファン、
紙、織布、不織布等と積層して用いても差し支えない。
【0066】
【実施例】以下、実施例を示して本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるも
のではない。本実施例における試験方法は以下の通りで
ある。 [密度]JIS K6760に準拠した。 [MFR]JIS K6760に準拠した。 [Mw/Mn]GPC(ウォータース社製150C型)
を用い、溶媒として135℃のODCBを使用した。カ
ラムはショウデックス HT806Mを使用した。 [TREF]カラムを140℃に保った状態で、カラム
に試料を注入して0.1℃/分で25℃まで降温し、ポ
リマーをガラスビーズ上に沈着させた後、カラムを下記
条件にて昇温して各温度で溶出したポリマー濃度を赤外
検出器で検出した。(溶媒:ODCB、流速:1ml/
分、昇温速度:50℃/時間、検出器:赤外分光器(波
長2925cm−1)、カラム:0.8cmφ×12c
mL(ガラスビーズを充填)、試料濃度:0.05重量
%) [DSC]0.2mmのシートを熱プレスで成形し、シ
ートから約5mgの試料を打ち抜いた。この試料を23
0℃で10分保持後、2℃/分にて0℃まで冷却した。
その後、再び10℃/分で170℃まで昇温て測定し
た。なお、現われた最高温ピークの頂点の温度を最高ピ
ーク温度Tm1とした。 [メルトテンション(MT)]溶融させたポリマーを一
定速度で延伸したときの応力をストレインゲージにて測
定することにより決定した。測定試料は造粒してペレッ
トにしたものを用い、東洋精機製作所製メルトテンショ
ン測定装置を使用して測定した。使用するオリフィスは
穴径2.09mmφ、長さ8mmであり、測定条件は1
90℃、シリンダー下降速度20mm/分、巻き取り速
度15m/分である。
【0067】[ハロゲン元素濃度]蛍光X線法により測
定し、10ppm以上の塩素が検出された場合はこれを
もって分析値とした。10ppmを下回った場合は、ダ
イアインスツルメンツ(株)製 TOX−100型塩素
・硫黄分析装置にて測定し、2ppm以下についてはN
Dとし、実質的には含まれないものとした。 [引裂強度]JIS K 7928−2 エルメンドル
フ引裂法に拠った。 [易引裂性評価]フィルムのTDに対して巾10mm、
長さ10cmの短冊状に試験片を切り出し、巾に対して
中央部に3mmのカミソリノッチを入れ、該部を起点に
手で引裂いたときの切れ性を評価した。結果は以下の基
準で示した。 ○:10cmにわたってカットすることができ、なおか
つそのカット部の形状が若干のひだ状であること。 △:10cmにわたってカットできるが、カット部が大
きくひだ状になってしまう。 ×:10cmにわたってカットできるず、斜めに切れて
しまう。
【0068】実施例に用いた各種成分は以下の通りであ
る。 ((A)-1)エチレン・1−ブテン共重合体は次の方法で
重合した。 [固体触媒の調製]電磁誘導攪拌機を備えた触媒調製装
置に、窒素下で精製したトルエン1000ml、テトラ
エトキシジルコニウム(Zr(OEt)4 )22gおよ
びインデン75gおよびメチルブチルシクロペンタジエ
ン88gを加え、90℃に保持しながらトリプロピルア
ルミニウム100gを100分かけて滴下し、その後、
同温度で2時間反応させた。40℃に冷却した後、メチ
ルアルモキサンのトルエン溶液(濃度2.5mmol/
ml)を3200ml添加し2時間撹拌した。次にあら
かじめ450℃で5時間焼成処理したシリカ(グレース
社製、#952、表面積300m2 /g)2000gを
加え、室温で1時間攪拌の後、40℃で窒素ブローおよ
び減圧乾燥を行い、流動性のよい固体触媒(イ)を得
た。
【0069】[気相重合]連続式の流動床気相重合装置
を用い、重合温度65℃、全圧2MPa Gauge(20kg
f/cm2G)でエチレンと1−ブテンの共重合を行っ
た。前記固体触媒(イ)を連続的に供給し、エチレン、
1−ブテンおよび水素を所定のモル比に保つように供給
して重合を行い、エチレン・1−ブテン共重合体((A)-
1)を得た。物性を表1に示す。
【0070】
【表1】
【0071】((A)-2)エチレン・1−ブテン共重合体
は次の方法で重合した。 [固体触媒の調製]電磁誘導攪拌機を備えた触媒調製装
置に、窒素下で精製したトルエン1000ml、テトラ
エトキシジルコニウム(Zr(OEt)4 )22gおよ
びインデン74gを加え、90℃に保持しながらトリプ
ロピルアルミニウム100gを100分かけて滴下し、
その後、同温度で2時間反応させた。40℃に冷却した
後、メチルアルモキサンのトルエン溶液(濃度2.5m
mol/ml)を3200ml添加し2時間撹拌した。
次にあらかじめ450℃で5時間焼成処理したシリカ
(グレース社製、#952、表面積300m2 /g)2
000gを加え、室温で1時間攪拌の後、40℃で窒素
ブローおよび減圧乾燥を行い、流動性のよい固体触媒
(ロ)を得た。
【0072】[気相重合]連続式の流動床気相重合装置
を用い、重合温度70℃、全圧2MPa Gauge(20kg
f/cm2G)でエチレンと1−ブテンの共重合を行っ
た。前記固体触媒(ロ)を連続的に供給し、エチレン、
1−ブテンおよび水素を所定のモル比に保つように供給
して重合を行い、エチレン・1−ブテン共重合体((A)-
2)を得た。物性を表1に示す。
【0073】((A)-3)エチレン・1−ブテン共重合体
は次の方法で重合した。 [固体触媒の調製]電磁誘導攪拌機を備えた触媒調製装
置に、窒素下で精製したトルエン1000ml、テトラ
ブトキシジルコニウム(Zr(OBu)4 )22gおよ
びインデン40gおよびメチルプロピルシクロペンタジ
エン21gを加え、90℃に保持しながらトリプロピル
アルミニウム100gを100分かけて滴下し、その
後、同温度で2時間反応させた。40℃に冷却した後、
メチルアルモキサンのトルエン溶液(濃度2.5mmo
l/ml)を2000ml添加し2時間撹拌した。次に
あらかじめ450℃で5時間焼成処理したシリカ(グレ
ース社製、#952、表面積300m2 /g)2000
gを加え、室温で1時間攪拌の後、40℃で窒素ブロー
および減圧乾燥を行い、流動性のよい固体触媒(ハ)を
得た。
【0074】[気相重合]連続式の流動床気相重合装置
を用い、重合温度80℃、全圧2MPa Gauge(20kg
f/cm2G)でエチレンと1−ブテンの共重合を行っ
た。前記固体触媒(ハ)を連続的に供給し、エチレン、
1−ブテンおよび水素を所定のモル比に保つように供給
して重合を行い、エチレン・1−ブテン共重合体((A)-
3)を得た。物性を表1に示す。
【0075】((A)-4)一般メタロセン触媒によるエチ
レン・ブテン−1共重合体は次の方法で重合した。窒素
で置換した攪拌機付き加圧反応器に精製トルエンを入
れ、次いで、1−ブテンを添加し、更にビス(n−ブチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、
メチルアルモキサン(MAO)の混合液(Al/Zrモ
ル比=500)を加えた後、80℃に昇温し、メタロセ
ン触媒を調整した。ついでエチレンを張り込み、エチレ
ンを連続的に重合しつつ全圧を0.6MPa Gauge(6kg
f/cm G)に維持して重合を行い、エチレン・1
−ブテン共重合体((A)-4)を製造した。物性を表1
に示した。
【0076】使用したその他のエチレン系重合体は以下
のとおりである。 ((A)-5)市販のチグラー系触媒による線状低密度ポリ
エチレン(LLDPE)。密度:0.910g/cm3
MFR:1.1g/10分。 ((B)-1)市販の高圧ラジカル重合法による分岐状低密
度ポリエチレン(LDPE)。密度:0.922g/c
3、MFR:1.0g/10分。
【0077】基材として使用したものは以下のとおりで
ある。 ((C)-1)市販の高密度ポリエチレン(HDPE)。密
度:0.956g/cm3、MFR:1.0g/10分
(商品名:ジェイレックスHD)。 (o−Ny)市販のナイロンフィルム。厚さ15μm。 (PET)市販のポリエステルフィルム。厚さ12μ
m。 (VM−PET)市販のアルミ蒸着ポリエステルフィル
ム。厚さ12μm。
【0078】[実施例1、3、5]酸化防止剤およびハ
ロゲン吸収剤(ステアリン酸カルシウム)を添加してい
ないエチレン・1−ブテン共重合体((A)-1)、((A)-
2)、((A)-3)をそれぞれ厚さ50μmの第一層と
し、市販の高密度ポリエチレン((C)-1)を厚さ50μ
mの第二層とし、プラコー製(スクリュー径55mm
φ)の多層押出機を用い、成形温度180℃で共押出イ
ンフレーション成形をして多層フィルムを成形した。そ
の引裂強度の測定を行い、易引裂性評価の結果とともに
表2に示した。
【0079】
【表2】
【0080】[実施例2、4、6、7]表2に示す割合
で、エチレン・1−ブテン共重合体((A)-1)、((A)-
2)、((A)-3)、((A)-4)にLDPE((B)-1)を
配合し、酸化防止剤およびハロゲン吸収剤(ステアリン
酸カルシウム)を添加せずにタンブラーミキサーでドラ
イブレンドした後厚さ50μmの第一層とし、市販の高
密度ポリエチレン((C)-1)を厚さ50μmの第二層と
して、実施例1と同様に成形し評価した。結果を表2に
示した。
【0081】[実施例8、9]エチレン・1−ブテン共
重合体((A)-1)を、酸化防止剤およびハロゲン吸収剤
(ステアリン酸カルシウム)を添加せずに第一層とし、
市販の高密度ポリエチレン((C)-1)を第二層とし、エ
チレン・1−ブテン共重合体((A)-2)あるいはLDP
E((B)-1)を第三層とし、その厚さをいずれも50μ
mとし、実施例1と同様に成形し評価した。結果を表3
に示した。
【0082】
【表3】
【0083】[実施例10]エチレン・1−ブテン共重
合体((A)-2)を、酸化防止剤およびハロゲン吸収剤
(ステアリン酸カルシウム)を添加せずに第一層とし、
市販の高密度ポリエチレン((C)-1)を第二層とし、エ
チレン・1−ブテン共重合体((A)-2)を第三層とし、
その厚さをいずれも50μmとし、実施例1と同様に成
形し評価した。結果を表3に示した。
【0084】[実施例11]エチレン・1−ブテン共重
合体((A)-2)にLDPE((B)-1)を表3に示す割合
で配合し、酸化防止剤およびハロゲン吸収剤(ステアリ
ン酸カルシウム)を添加せずに厚さ50μmの第一層と
し、市販の高密度ポリエチレン((C)-1)を厚さ50μ
mの第二層とし実施例1と同様に成形した多層フイルム
に、15μmのo−ナイロンフイルム(o−Ny)をド
ライラミ法により積層し、評価した。結果を表3に示し
た。なおドライラミの条件は以下の通りである。ロール
巾740mmのドライラミネート装置を使用し、接着剤
には東洋モートン(株)製アドコートTM329とアド
コートCAT8Bを1:1の重量配合比率で混合して使
用した。溶剤には酢酸エチルを接着剤に対し、重量で
1.2倍量を使用した。塗布ロールを調整し、基材に対
し3g/mの接着剤を塗布した。有効長4mの乾燥炉
を100℃に設定した。ライン速度10m/分で、コロ
ナ処理を施したシーラント原反を貼り合わせた。
【0085】[実施例12、13]エチレン・1−ブテ
ン共重合体((A)-2)に酸化防止剤およびハロゲン吸収
剤(ステアリン酸カルシウム)を添加せずに第一層と
し、市販の高密度ポリエチレン((C)-1)を第二層と
し、エチレン・1−ブテン共重合体((A)-2)あるいは
LDPE((B)-1)を第三層とし、各層の厚さをそれぞ
れ50μmとして実施例1と同様に成形した多層フイル
ムを、15μmのo−ナイロンフイルム(o−Ny)に
実施例11と同様にドライラミ法により積層し、評価し
た。結果を表3に示した。
【0086】[実施例14、15]エチレン・1−ブテ
ン共重合体((A)-2)に酸化防止剤およびハロゲン吸収
剤(ステアリン酸カルシウム)を添加せずに第一層と
し、市販の高密度ポリエチレン((C)-1)を第二層と
し、エチレン・1−ブテン共重合体((A)-2)を第三層
とし、各層の厚さをそれぞれ50μmとして実施例1と
同様に成形した多層フイルムを、15μmのポリエステ
ルフィルム(PET)またはアルミ蒸着ポリエステルフ
ィルム(VM−PET)に実施例11と同様にドライラ
ミ法により積層し、評価した。結果を表3に示した。
【0087】[比較例1、2]表4に示す割合で、エチ
レン・1−ブテン共重合体((A)-1)にLDPE((B)-
1)を配合し、酸化防止剤およびハロゲン吸収剤(ステ
アリン酸カルシウム)を添加せずにタンブラーミキサー
でドライブレンドした後厚さ50μmの第一層とし、市
販の高密度ポリエチレン((C)-1)を厚さ50μmの第
二層とし、実施例1と同様に成形し評価した。結果を表
4に示した。
【0088】
【表4】
【0089】[比較例3]表4に示す割合で、エチレン
・1−ブテン共重合体((A)-1)にLDPE((B)-1)
を配合し、酸化防止剤およびハロゲン吸収剤(ステアリ
ン酸カルシウム)を添加せずに第一層とし、市販の高密
度ポリエチレン((C)-1)を第二層とし、また表4に示
す割合でエチレン・1−ブテン共重合体((A)-1)にL
DPE((B)-1)を配合して第三層とし、その厚さはい
ずれも50μmとし、実施例1と同様に成形し評価し
た。結果を表4に示した。
【0090】[比較例4]表4に示す割合で、エチレン
・1−ブテン共重合体((A)-1)にLDPE((B)-1)
を配合し、酸化防止剤およびハロゲン吸収剤(ステアリ
ン酸カルシウム)を添加せずにタンブラーミキサーでド
ライブレンドした後厚さ50μmの第一層とし、LDP
E((B)-1)を同じく厚さ50μmの第二層とし、実施
例1と同様に成形し評価した。結果を表4に示した。
【0091】[比較例5、6]表4に示す割合で、エチ
レン・1−ブテン共重合体((A)-1)にLDPE((B)-
1)を配合し、酸化防止剤およびハロゲン吸収剤(ステ
アリン酸カルシウム)を添加せずに第一層とし、市販の
高密度ポリエチレン((C)-1)を第二層とし、また、表
4に示す割合でエチレン・1−ブテン共重合体((A)-
1)にLDPE((B)-1)を配合、あるいはLDPE
((B)-1)を第三層とし、各層の厚さをそれぞれ50μ
mとして実施例1と同様に成形した多層フイルムとし、
さらに15μmのo−ナイロンフイルム(o−Ny)に
実施例11と同様にドライラミ法により積層し、評価し
た。結果を表4に示した。
【0092】
【発明の効果】本発明の易引裂性多層シーラントフィル
ムは、上述の(a)〜(d)の特定の要件を満足するエ
チレン・1−ブテン共重合体(A)100〜50重量%
と、他のポリオレフィン系樹脂(B)0〜50重量%を
含有する樹脂材料からなるシーラント層に、ガスバリヤ
ー性基材層および/またはポリオレフィン系基材層を積
層した多層構造を有し、剛性(腰)、等の特性を有し、
接着強度、低温ヒートシール性、臭気等に優れ、味覚を
損なわず、かつ方向性がない良好な易引裂性(手切れ
性)を呈する多層シーラントフィルムに関し、詳しく
は、菓子・スナック袋、鰹節用小袋、ジュース袋、レト
ルト袋等の食品用袋、食用油、医薬品、洗剤等の詰替品
用袋、パウチ袋等の食品分野、医薬分野、サニタリー分
野等において開封を要求される包材で、方向性なく、手
で容易に引裂くことが可能である。また、シーラント層
を形成する樹脂材料に従来の酸化防止剤、酸吸収剤等の
添加剤を添加しない場合には基材との接着強度が向上す
るばかりでなく、低分子量成分がなく、無臭、味覚を損
なわない等、乳等省令に適合する製品に好適なものとな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明におけるエチレン・1−ブテン共重合
体の溶出温度−溶出量曲線による条件(d)、式1の説
明図である。
【図2】 本発明におけるエチレン・1−ブテン共重合
体(A1)、(A2)の溶出温度−溶出量曲線である
【図3】 典型的なメタロセン系触媒によるエチレン・
1−ブテン共重合体(mLL)の溶出温度−溶出量曲線
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C08L 23/08 C08L 23:02 23:02) (72)発明者 折笠 雄一 神奈川県川崎市川崎区夜光二丁目3番2号 日本ポリオレフィン株式会社技術本部研 究開発センター内 Fターム(参考) 4F100 AK01A AK03B AK03C AK05B AK07B AK63C AL05C AR00A BA02 BA03 BA10A BA10C EH202 GB15 GB16 GB23 GB66 JA06C JA07C JA13C JB08C JD02A JK03 JL12C YY00 YY00C 4H017 AA04 AB07 AB17 AC01 AC19 AD06 AE05 4J002 BB012 BB051

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガスバリヤー性基材層および/またはポ
    リオレフイン系基材層とシーラント層とを少なくとも有
    する多層構造からなり、該シーラント層が下記の(a)
    〜(d)の要件を満たすエチレン・1−ブテン共重合体
    (A)100〜50重量%と他のポリオレフィン系樹脂
    (B)0〜50重量%とからなり、その縦方向(MD)
    と横方向(TD)の引裂強度比(MD/TD)が1:4
    〜4:1であって、MDまたはTDの引裂強度が100
    0N/cmを超えないことを特徴とする易引裂性多層シ
    ーラントフィルム。 (a)密度が0.88〜0.94g/cm3、 (b)メルトフローレートが0.01〜200g/10
    分、 (c)分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜4.5、 (d)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度
    −溶出量の積分溶出曲線から求めた全体の25%が溶出
    する温度T25(℃)と全体の75%が溶出する温度T75
    (℃)との差T75−T25および密度d(g/cm
    が、下記(式1)の関係を満足すること。 T75−T25≦−670×d+644 ・・・(式1)
  2. 【請求項2】 前記エチレン・1−ブテン共重合体
    (A)が、さらに下記(e)の要件を満足することを特
    徴とする請求項1に記載の易引裂性多層シーラントフィ
    ルム。 (e)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度
    −溶出量の積分溶出曲線から求めた全体の25%が溶出
    する温度T25(℃)と全体の75%が溶出する温度T75
    (℃)との差T75−T25および密度d(g/cm
    が、下記(式2)の関係を満足すること。 T75−T25≧−300×d+285 ・・・(式2)
  3. 【請求項3】 前記エチレン・1−ブテン共重合体
    (A)が、さらに下記の要件(f)および(g)を満足
    するエチレン・1−ブテン共重合体(A1)であること
    を特徴とする請求項1または2に記載の易引裂性多層シ
    ーラントフィルム。 (f)25℃におけるオルソジクロロベンゼン(ODC
    B)可溶分量X(重量%)、密度d(g/cm)およ
    びメルトフローレート(MFR)(g/10分)が下記
    (式3)または(式4)の関係を満足する、d−0.0
    08log MFR≧0.93の場合 X<2.0 ・・・(式3) d−0.008log MFR<0.93の場合 X<9.8×103×(0.9300−d+0.008log MFR)2+2. 0 ・・・(式4) (g)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度
    −溶出量曲線のピークが複数個存在すること。
  4. 【請求項4】 前記エチレン・1−ブテン共重合体
    (A)が、さらに下記(h)および(i)の要件を満足
    するエチレン・1−ブテン共重合体(A2)であること
    を特徴とする請求項1または2に記載の易引裂性多層シ
    ーラントフィルム。 (h)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度
    −溶出量曲線のピークが一つであり、 (i)融点ピークを1ないし2個以上有し、かつそのう
    ち最も高い融点Tml(℃)と密度d(g/cm)が、
    下記(式5)の関係を満足すること。 Tml≧150×d−19 ・・・(式5)
  5. 【請求項5】 前記エチレン・1−ブテン共重合体(A
    2)が、さらに下記(j)の要件を満足することを特徴
    とする請求項4に記載の易引裂性多層シーラントフィル
    ム。 (j)メルトテンション(MT)(g)とメルトフロー
    レート(MFR)(g/10分)が、下記(式6)を満
    足すること。 log MT≦−0.572×log MFR+0.3 ・・・(式6)
  6. 【請求項6】 前記エチレン・1−ブテン共重合体
    (A)が、少なくとも共役二重結合を持つ有機環状化合
    物と周期律表第IV族の遷移金属化合物を含む触媒によっ
    て製造されたものであることを特徴とする請求項1ない
    し5のいずれかに記載の易引裂性多層シーラントフィル
    ム。
  7. 【請求項7】 前記エチレン・1−ブテン共重合体
    (A)中の(k)ハロゲン元素の濃度が、10ppm以
    下であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか
    に記載の易引裂性多層シーラントフィルム。
  8. 【請求項8】 前記エチレン・1−ブテン共重合体
    (A)を含むシーラント層を構成する樹脂材料中に、
    (l)添加剤が実質的に含まれていないことを特徴とす
    る請求項1ないし7のいずれかに記載の易引裂性多層シ
    ーラントフィルム。
  9. 【請求項9】 前記ポリオレフイン系基材層が、直鎖状
    低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピ
    レン系樹脂またはそれらの混合物からなる基材層である
    請求項1ないし8のいずれかに記載の易引裂性多層シー
    ラントフィルム。
  10. 【請求項10】 外層にガスバリヤー性基材層、中間層
    にポリオレフイン系基材層、最内層にシーラント層を含
    む請求項1ないし9のいずれかに記載の易引裂性多層シ
    ーラントフィルム。
  11. 【請求項11】 ガスバリヤー性基材層および/または
    ポリオレフイン系基材層と、下記の(a)〜(d)の要
    件を満たすエチレン・1−ブテン共重合体(A)100
    〜50重量%と、他のポリオレフィン系樹脂(B)0〜
    50重量%との樹脂材料を含むシーラント層を少なくと
    も有する多層シーラントフィルムの製造法において、該
    多層シーラントフィルムの縦方向(MD)と横方向(T
    D)の引裂強度比(MD/TD)が1:4〜4:1、か
    つMDまたはTDの引裂強度が1000N/cmを超え
    ないフィルムとすることを特徴とする易引裂性多層シー
    ラントフィルムの製造方法。 (a)密度が0.88〜0.94g/cm3、(b)メル
    トフローレートが0.01〜200g/10分、(c)
    分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜4.5、(d)連続
    昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度−溶出量の
    積分溶出曲線から求めた全体の25%が溶出する温度T
    25(℃)と全体の75%が溶出する温度T75(℃)との
    差T75−T25および密度d(g/cm)が、下記(式
    1)の関係を満足すること。 T75−T25≦−670×d+644 ・・・(式1)
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