JP2003270429A - デバイス製造装置およびデバイス - Google Patents

デバイス製造装置およびデバイス

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JP2003270429A
JP2003270429A JP2002074300A JP2002074300A JP2003270429A JP 2003270429 A JP2003270429 A JP 2003270429A JP 2002074300 A JP2002074300 A JP 2002074300A JP 2002074300 A JP2002074300 A JP 2002074300A JP 2003270429 A JP2003270429 A JP 2003270429A
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JP
Japan
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ink
substrate
film
manufacturing apparatus
repellent film
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JP2002074300A
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English (en)
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Takahiro Usui
隆寛 臼井
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Optical Filters (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 安定して液滴を吐出することができ所定の描
画特性が得られるデバイス製造装置を提供する。 【解決手段】 液状体を吐出するノズル91が貫通して
形成されたノズルプレート50を備え、液状体をノズル
プレート50の一方の面50aから基板に吐出してデバ
イスを製造する。ノズルプレート50の一方の面50
a、ノズル91の内面、およびノズルプレート50の他
方の面50bにおけるノズル91の周囲部58に撥液膜
52を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば液晶表示デ
バイス等の表示デバイスに対して適用されるカラーフィ
ルターを製造する際に用いられるデバイス製造装置およ
びこのデバイス製造装置で製造されたデバイスに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】電子機器、例えばコンピュータや携帯用
の情報機器端末の発達に伴い、液晶表示デバイス、特に
カラー液晶表示デバイスの使用が増加している。この種
の液晶表示デバイスは、表示画像をカラー化するために
カラーフィルターを用いている。カラーフィルターに
は、基板を有し、この基板に対してR(赤)、G
(緑)、B(赤)のインクを所定パターンで着弾するこ
とで形成されるものがある。このように、基板に対して
インク(液状体)を着弾させてデバイスを製造する方式
としては、インクジェット方式による工業応用描画装置
(デバイス製造装置)が採用されている。
【0003】インクジェット方式を採用した場合、イン
クジェットヘッドのノズルから所定量のインクをフィル
ターに対して吐出して着弾させるが、この基板は、例え
ば特開平8−271724号公報で開示されているよう
に、XYステージ(XY平面に沿った2次元方向に移動
自在なステージ)に搭載されている。このXYステージ
により基板をX方向とY方向に移動させることで、複数
のインクジェットヘッドからのインクが基板の所定位置
に着弾できるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来のデバイス製造装置およびデバイスには、
以下のような問題が存在する。上記のようなカラーフィ
ルターを製造する場合には、基板に対して各色のインク
を正確に、且つ所定の面積で着弾させる必要があるが、
工業応用描画装置に用いられるインクは様々であり、な
かには濡れ性のよいインクも存在する。
【0005】濡れ性のよいインクはインクジェットヘッ
ドのノズルから染み出し、インク滴の吐出が不安定にな
るため、所定の描画特性が得られず、デバイスの品質不
良を招く虞があった。
【0006】本発明は、以上のような点を考慮してなさ
れたもので、インク滴等の液滴を安定して吐出すること
ができ所定の描画特性が得られるデバイス製造装置およ
びこのデバイス製造装置で製造されたデバイスを提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、以下の構成を採用している。本発明のデ
バイス製造装置は、液状体を吐出するノズルが貫通して
形成されたノズルプレートを備え、液状体をノズルプレ
ートの一方の面から基板に吐出してデバイスを製造する
装置であって、ノズルプレートの一方の面、ノズルの内
面、およびノズルプレートの他方の面におけるノズルの
周囲部に、液状体を撥ねる撥液膜が形成されていること
を特徴としている。
【0008】これにより、本発明のデバイス製造装置で
は、圧力変動等により液状体のメニスカスが変動しても
メニスカスは安定した球面を保持するので、ノズルから
液状体が染み出すことはなく、安定して液滴を吐出する
ことができ、所定の描画特性を得ることができる。
【0009】また、本発明のデバイス製造装置は、撥液
膜がフッ素樹脂で構成されることを特徴としている。
【0010】これにより、本発明のデバイス製造装置で
は、フッ素樹脂の撥液性により液状体のメニスカスを球
面に保持することができ、ノズルから液状体が染み出す
ことなく、安定して液滴を吐出することができる。
【0011】さらに、本発明では、撥液膜がシリコン樹
脂で構成されてもよい。
【0012】これにより、本発明のデバイス製造装置で
は、シリコン樹脂の撥液性により液状体のメニスカスを
球面に保持することができ、ノズルから液状体が染み出
すことなく、安定して液滴を吐出することができる。
【0013】撥液膜は、プラズマ重合法で形成されるこ
とが好ましい。
【0014】この場合、本発明では撥液膜を非常に薄く
することができるため、ノズル径のばらつきが少なくな
り、液滴の吐出量の変動を少なくすることができる。
【0015】また、撥液膜を印刷法で形成することも可
能である。
【0016】この場合、本発明では、簡便な工程で撥液
膜を形成することができるため、安価に撥液膜処理を実
施することができる。
【0017】さらに、撥液膜を共析メッキ法で形成する
ことも可能である。
【0018】この場合、本発明では、撥液膜を硬く形成
できるため、優れた耐久性を有する撥液膜を得ることが
できる。
【0019】また、本発明のデバイス製造装置では、一
方の面に、撥液膜が形成された膜形成部と、撥液膜が形
成されていない膜非形成部とが所定形状でパターニング
される構成も採用可能である。
【0020】これにより、本発明では、例えば一方の面
にキャップゴムを当接させて液状体の吸引を行う場合、
キャップゴムの当接部を膜非形成部とすることで、キャ
ップゴムにより撥液膜が腐食し、この腐食が進行してノ
ズルの撥液性が損なわれることを回避することができ
る。
【0021】パターニングとしては、一方の面に塗布さ
れたレジストを所定形状で除去するリフト・オフ法で行
うことができる。
【0022】この場合、本発明では、電子線に対して感
応性を有するレジストをノズルプレートに塗布し、この
レジストに電子線等で所定形状を描画する。そして、電
子線で描画した部分だけを現像液で溶かし去り、その上
から撥液膜をプラズマ重合法、印刷法、共析メッキ法等
で成膜する。その後、レジストをアセトン等で除去する
と,レジスト上の撥インク膜はレジストとともに剥離す
るので、ノズルプレート上には電子線で描画した部分に
のみ撥液膜を残すことができる。
【0023】また、パターニングとして、所定形状を有
するマスクを用いて行うこともできる。
【0024】この場合、本発明では、例えばプラズマ重
合法ではメカニカルマスク、印刷法では印刷マスクに形
成された開口部に対応する領域にのみ撥液膜を形成する
ことができる。従って、マスクの開口部を所定形状とす
ることで、任意の形状で撥液膜をパターニングすること
ができる。
【0025】そして、本発明では他方の面の周囲部の外
側を撥液膜が形成されていない膜非形成部とすることが
好ましい。
【0026】これにより、本発明では、例えばノズルプ
レートの他方の面に基体を接着してインクジェットヘッ
ドを形成する際にも、撥液膜により接着特性が低下する
ことを防止できる。
【0027】膜非形成部は、他方の面に付着した撥液膜
をプラズマアッシング法で除去して形成することができ
る。
【0028】この場合、本発明では、周囲部の外側の撥
液膜をプラズマ化したガスと化学反応させることで、撥
液膜が全て気化され、他方の面から除去することができ
る。
【0029】また、本発明のデバイスは、上記のデバイ
ス製造装置により製造されたことを特徴としている。
【0030】これにより、本発明では、液滴が安定して
吐出されるため、所定の描画特性で基板に描画すること
が可能になり、所定の品質を保持するデバイスを得るこ
とができる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明のデバイス製造装置
およびデバイスの実施の形態を、図1ないし図13を参
照して説明する。ここでは、本発明のデバイス製造装置
を、例えば液晶表示デバイスに対して用いられるカラー
フィルター等を製造するためのフィルター製造装置に適
用するものとして説明する。
【0032】図1は、フィルター製造装置(デバイス製
造装置)1の概略平面図である。フィルター製造装置1
は、ほぼ同様の構造を有する3台の描画装置(インクジ
ェット装置、製膜装置)2b、2d、2fと、これら描
画装置2b、2d、2fとの間でガラス基板等の基板を
搬送する搬送システム3とを備えている。
【0033】搬送システム3は、マガジンローダ4と描
画装置2bとの間、描画装置2b、2d、2f間、およ
び描画装置2fとマガジンアンローダ5との間でそれぞ
れ基板を搬送するものであって、基板移載・回転エリア
3a、3gと、描画装置エリア3b、3d、3fと、中
間搬送エリア3c、3eとがX方向(図1中、左右方
向)に沿って設置されている。なお、以下においては、
インク着弾時に基板が移動するスキャン方向をY方向
(図1中、上下方向)とし、図1中、紙面と直交する方
向をZ方向として説明する。
【0034】マガジンローダ4は、基板を複数枚(例え
ばZ方向に沿って20枚)収納可能になっており、Y方
向に間隔をあけて2基列設されている。同様に、マガジ
ンアンローダ5は、基板を複数枚(例えばZ方向に沿っ
て20枚)収納可能になっており、Y方向に間隔をあけ
て2基列設されている。
【0035】基板移載・回転エリア3aには、各マガジ
ンローダ4と対向する位置に載置台6がそれぞれ設置さ
れている。各載置台6は、図示しない回転駆動装置によ
り90°それぞれ回転するとともに、載置された基板を
仮位置決めする構成になっている。同様に、基板移載・
回転エリア3gには、各マガジンアンローダ5と対向す
る位置に載置台7がそれぞれ設置されている。各載置台
7は、図示しない回転駆動装置により90°回転する構
成になっている。
【0036】描画装置エリア3bには、基板を加熱する
加熱装置(ベーク炉)8bと、ダブルアーム構造をなす
搬送ロボット9b、10bとが設置されている。加熱装
置8bは、描画装置2bで描画された基板を(例えば1
20℃×5分間で)加熱(ベーク)するものである。搬
送ロボット9bは、マガジンローダ4と載置台6との
間、載置台6と描画装置2bとの間、および描画装置2
bと加熱装置8bとの間で吸着保持により基板を搬送す
るものであり、搬送ロボット10bは、描画装置2bと
加熱装置8bとの間、加熱装置8bと後述する冷却部1
1cとの間、および冷却部11cと後述するバッファ部
13cとの間で吸着保持により基板を搬送するものであ
る。
【0037】中間搬送エリア3cには、基板を冷却する
冷却部11cと、載置された基板を図示しない回転駆動
装置により90°または180°それぞれ回転させる回
転部12cと、描画装置2b、2d間の処理時間の差
(例えばヘッドクリーニングに要する時間差)等で冷却
部11cから回転部12cに搬送できない基板をストッ
クするバッファ部13cとが設置されている。バッファ
部13cは、Z方向に沿って基板ストック用のスロット
を複数有し、且つZ方向に移動自在になっている。
【0038】描画装置エリア3dには、基板を加熱する
加熱装置8dと、ダブルアーム構造をなす搬送ロボット
9d、10dとが設置されている。加熱装置8dは、描
画装置2dで描画された基板を(例えば120℃×5分
間で)加熱するものである。搬送ロボット9dは、バッ
ファ部13cと回転部12cとの間、回転部12cと描
画装置2dとの間、および描画装置2dと加熱装置8d
との間で吸着保持により基板を搬送するものであり、搬
送ロボット10dは、描画装置2dと加熱装置8dとの
間、加熱装置8dと後述する冷却部11eとの間、およ
び冷却部11eと後述するバッファ部13eとの間で吸
着保持により基板を搬送するものである。
【0039】中間搬送エリア3eには、基板を冷却する
冷却部11eと、載置された基板を図示しない回転駆動
装置により90°または180°それぞれ回転させる回
転部12eと、描画装置2d、2f間の処理時間の差
(例えばヘッドクリーニングに要する時間差)等で冷却
部11eから回転部12eに搬送できない基板をストッ
クするバッファ部13eとが設置されている。バッファ
部13eは、Z方向に沿って基板ストック用のスロット
を複数有し、且つZ方向に移動自在になっている。
【0040】描画装置エリア3fには、基板を加熱する
加熱装置8fと、ダブルアーム構造をなす搬送ロボット
9f、10fとが設置されている。加熱装置8fは、描
画装置2fで描画された基板を(例えば120℃×5分
間で)加熱するものである。搬送ロボット9fは、バッ
ファ部13eと回転部12eとの間、回転部12eと描
画装置2fとの間、および描画装置2fと加熱装置8f
との間で吸着保持により基板を搬送するものであり、搬
送ロボット10fは、描画装置2fと加熱装置8fとの
間、加熱装置8fと基板移載・反転エリアの載置台7と
の間、および載置台7とマガジンアンローダ5との間で
吸着保持により基板を搬送するものである。
【0041】描画装置2b、2d、2fは、搬送された
基板に対して赤色、青色、緑色の各着色インク(液状
体)により描画処理(製膜処理)を行うものであり、そ
れぞれ概略的にほぼ同様の構造を有し、図示しないサー
マルクリーンチャンバー内に収容されたインクジェット
ヘッド14、リニアモータ等の駆動装置によりインクジ
ェットヘッド14を支持して一対のXガイド17に沿っ
てX方向に移動するXテーブル15、Xテーブル15の
下方(−Z側)に配置され、基板を吸着保持して一対の
Yガイド18に沿ってY方向に移動するYテーブル1
6、インクシステム19等を備えている。
【0042】Xテーブル15は、リニアモータ等の駆動
装置によりインクジェットヘッド14をX方向に駆動・
位置決めするとともに、ダイレクトドライブモータ等の
回転駆動装置により、θZ方向(Z軸回りの回転方
向)、θX方向(X軸回りの回転方向)、θY方向(Y
軸回りの回転方向)に駆動・位置決めする。さらにXテ
ーブル15には、インクジェットヘッド14をZ方向に
駆動・位置決めするモータ(図示せず)が設けられてい
る。
【0043】Yテーブル16は、リニアモータ等の駆動
装置によりY方向に駆動・位置決めされるとともに、ダ
イレクトドライブモータ等の回転駆動装置によりθ方向
(Z軸回りの回転方向)に駆動・位置決めされる構成に
なっている。なお、Yテーブル16の移動経路近傍に
は、図示しない基板アライメントカメラが設置されてお
り、搬送された基板に形成されたアライメントマークを
検出することで、基板の載置方向や位置を検出可能にな
っている。
【0044】上記の搬送システム3における基板の搬送
工程について説明すると、カラーインクによる描画処理
を施す基板は、搬送ロボット9bによりマガジンローダ
4から取り出されて載置台6に移載され、描画処理に対
応した向き(方向に)回転され、同時に仮位置決め(予
位置決め)される。載置台6上の基板は、再度搬送ロボ
ット9bにより描画装置2bのYテーブル16に搬送さ
れて、例えば赤色インクによる描画処理が施される。
【0045】描画装置2bにおける描画処理が終了した
基板は、搬送ロボット10bによりYテーブル16から
加熱装置8bへ搬送されて加熱乾燥された後に、中間搬
送エリア3cの冷却部11cへ移載される。なお、基板
の搬送先に、先に処理を行った別の基板が存在する場合
には、予め他の搬送ロボットにより基板を搬送してお
く。具体的には、搬送ロボット9bが基板をYテーブル
16に搬送する際にYテーブル16上に別の基板が保持
されている場合、搬送ロボット10bにより予めこの基
板を加熱装置8bへ移載しておく。このように、ダブル
アーム構造を採ることで、基板搬送に係る無駄な待ち時
間を排除できるため、生産効率が向上する。
【0046】冷却部11cで描画装置2dにおける描画
処理の適正温度に冷却された基板は、描画装置2b、2
d間の処理時間の差を吸収すべくバッファ部13cに移
載されてストックされる。なお、処理時間の差が発生し
ていない場合には、必ずしもバッファ部13でストック
する必要はない。
【0047】描画装置2dにおける処理準備が整うと、
描画装置エリア3dの搬送ロボット9dが基板を搬送し
てバッファ部13cから回転部12cへ移載する。回転
部12cで描画装置2dにおける描画処理に応じた方向
に回転・位置決めされた基板は、搬送ロボット9dによ
り描画装置2dのYテーブル16に搬送されて、例えば
青色インクによる描画処理が施される。
【0048】この後の動作は、上記と同様であるので簡
単に説明すると、描画装置2dにおける描画処理が終了
した基板は、搬送ロボット10dによりYテーブル16
から加熱装置8dへ搬送されて加熱乾燥された後に、中
間搬送エリア3eの冷却部11eへ移載される。冷却さ
れた基板は、搬送ロボット10dによりバッファ部13
eへ移載された後、搬送ロボット9fにより回転部12
eに搬送されて描画装置2fにおける処理に応じて回転
・位置決めされる。そして、この基板は、搬送ロボット
9fにより描画装置2fのYテーブル16に搬送され
て、例えば緑色インクによる描画処理が施される。
【0049】描画装置2fにおける描画処理が終了した
基板は、搬送ロボット10fにより加熱部8fへ搬送さ
れて加熱された後に、基板移載・回転エリア3gの載置
台7に移載されて、マガジンアンローダ5に収容する際
の向き(方向)に回転され、再度搬送ロボット10fに
より、マガジンアンローダ5に収容される。
【0050】図2に示すように、インクジェットヘッド
14は平面視矩形状を呈しており、インク吐出面(基板
との対向面)には、ヘッドの長さ方向に沿って列状に、
且つヘッドの幅方向に間隔をあけて2列でノズルが複数
(例えば、1列180ノズル、合計360ノズル)設け
られている。また、このインクジェットヘッド14は、
ノズルを基板側に向けるとともに、X軸(またはY軸)
に対して所定角度傾いた状態で略X軸方向に沿って列状
に、且つY方向に所定間隔をあけて2列に配列された状
態で平面視略矩形状の支持板20に複数(図2では1列
6個、合計12個)位置決めされて支持されている。そ
して、インクジェットヘッド14は、この支持板20を
介してXテーブル15に支持される。なお、インクジェ
ットヘッド14がX軸(またはY軸)に対して傾く角度
は、基板上に形成されるフィルターエレメントの配列ピ
ッチに基づいて設定される。
【0051】図3は、図2における右側面図である。こ
の図に示すように、各インクジェットヘッド14には、
インクシステム19から供給されるインクを導入するた
めの導入ユニット21がそれぞれ設けられている(な
お、これら導入ユニット21は、図2では図示を省略し
ている)。各導入ユニット21には、ノズルの列毎に2
系統でインクが供給される構成になっている。
【0052】支持板20のインクジェットヘッド14が
取り付けられる側には、先端面に位置検出用の孔部(図
示せず)が形成された軸22が複数突設されている。そ
して、この孔部を図示しないヘッドアライメントカメラ
で撮像し、その位置を検出するとともに、モータ等の回
転駆動装置によりXテーブル15に対する支持板20の
θ方向の位置を補正することで、インクジェットヘッド
14の位置(ひいてはノズルの位置)をアライメント
(位置決め)することができる。
【0053】つぎに、インクジェットヘッド14の構造
例について、図4を参照して説明する。インクジェット
ヘッド14は、たとえば、ピエゾ素子(圧電素子)を用
いたヘッドであり、図4(A)に示すようにヘッド本体
90のインク吐出面14aには、複数のノズル91が形
成されている。これらのノズル91に対してそれぞれピ
エゾ素子92が設けられている。なお、図4及び後述す
る図5におけるノズル91の数、配置は簡略化して図示
している。
【0054】図4(B)に示すように、ヘッド本体90
は、表面(一方の面)50aからインクを吐出するノズ
ル91が貫通して形成されたノズルプレート50と、イ
ンク室93を有し、ノズルプレート50の裏面(他方の
面)50bと接着固定される基体51とから概略構成さ
れる。なお、ノズルプレート50の表面50aとインク
吐出面14aとは略面一に設定されている。
【0055】図5(a)に示すように、ノズルプレート
50は、例えばステンレス鋼で形成された平面視略矩形
状を呈しており、表面50aには、インクを撥ねる撥液
膜としての撥インク膜52(膜形成部)と、撥インク膜
52が形成されずステンレスが露出する膜非形成部53
とが形成されており、これら撥インク膜52と膜非形成
部53とはキャップ33(後述)が当接する部位が膜非
形成部53となるようにパターニングされている。
【0056】また、図6(a)に示すように、各ノズル
91は、裏面50b側に大きく開口した漏斗状部54
と、表面50a側に狭く開口したオリフィス部55とか
らなるものであり、ノズル内面および裏面50bにおけ
る漏斗状部54の周囲にも撥インク膜52が形成されて
いる(図6(g)参照)。なお、撥インク膜52の成膜
方法については後述する。
【0057】ピエゾ素子92は、ノズル91とインク室
93に対応して配置されている。そしてこのピエゾ素子
92に対して図4(C)に示すように印加電圧Vhを印
加することで、図4(D),(F)及び(E)に示すよ
うにして、ピエゾ素子92を矢印Q方向に伸縮させるこ
とで、インクを加圧して所定量のインク滴99をノズル
91から吐出させるようになっている。
【0058】図7および図8に示すように、インクシス
テム19は、インクタンク24に貯留されたインクをイ
ンクジェットヘッド14に供給するとともに、インクを
回収・排出するための既述のインクユニット、キャップ
ユニット26、ワイピングユニット27、吐出確認ユニ
ット29等を備えており、これらの中、キャップユニッ
ト26、ワイピングユニット27、吐出確認ユニット2
9は、インクジェットヘッド14の下方に配置されると
ともに、ベース23上を一対のYガイド30に沿ってY
方向に移動する移動盤31に設置され、移動盤31とと
もにY方向に一体的に移動可能な構成となっている。
【0059】ワイピングユニット27は、帯状の不織布
等の布材によりインクジェットヘッド14のインク吐出
面(すなわち、略ノズル面)をワイピングする(拭う)
ものであって、布材を巻出す巻出しリール27a、ベー
ス23に設置された洗浄液タンク32から供給される洗
浄液を布材に吐出する洗浄液吐出部27b、インクジェ
ットヘッド14をワイピングした布材を巻取る巻取りリ
ール27c等を備えており、巻出しリール27a、洗浄
液吐出部27b、巻取りリール27cおよび移動盤31
を同期駆動することにより、例えば基板に対する描画処
理後に洗浄液を含む布材でインク吐出面をワイピング可
能である。
【0060】吐出確認ユニット29は、インクジェット
ヘッド14のX方向への移動経路の下方に、インクジェ
ットヘッド14が配置された列毎に2カ所設けられてい
る。各ユニット29には、レーザ光の遮光・透過により
ノズルからのインクの吐出状態を各インクジェットヘッ
ド14毎および各ノズル毎に検出する吐出検出装置(検
出装置;図示せず)が設けられており、検出結果は図示
しない制御装置に出力される。
【0061】図9は、キャップユニット26の概略構成
図(正面図)である。キャップユニット26は、それぞ
れがキャップゴム33a(図10参照)および吸引パッ
ドを有する複数のキャップ33と、キャップ33を支持
する支持板34、支持板34に連結された支持板35、
36を介して支持板34をZ方向に駆動するエアシリン
ダ等の移動手段37、38、図示しない吸引ポンプ等か
ら概略構成されている。
【0062】キャップ33は、インクジェットヘッド1
4のインク吐出面14a(図3及び図4参照)支持板3
4の上面側(+Z側)にインクジェットヘッド14に対
応する位置および傾きで、より詳細には図10に示すよ
うに、X軸(またはY軸)に対して所定角度傾いた状態
で略X軸方向に沿って列状に、且つY方向に所定間隔を
あけて2列に配列されて固定されている。なお、これら
キャップ33および支持板34は、インクジェットヘッ
ド14のX方向への移動経路の下方に配置されている。
【0063】移動手段37、38は、図示しないストッ
パーでZ方向の移動を規定されることで、キャップ33
がインクジェットヘッド14のインク吐出面14aに当
接して吸引する当接位置、キャップ33がインクジェッ
トヘッド14から離間した退避位置との間で支持板34
を移動させるものであり、その駆動は上述した制御装置
に制御される。
【0064】上記の描画装置2b、2d、2fにおける
基板の描画処理工程について説明すると、Yテーブル1
6に基板が移載されると、基板アライメントカメラによ
り基板のアライメントマークを撮像することで、当該基
板の載置方向や位置を検出する。そして、検出された位
置に基づいて駆動装置および回転駆動装置を駆動するこ
とにより、基板を所定位置に位置決め(アライメント)
する。一方、インクジェットヘッド14に対しても、ヘ
ッドアライメントカメラで軸22の孔部を撮像すること
で、支持板20の位置、すなわちインクジェットヘッド
14の位置(ひいてはノズルの位置)を検出し、リニア
モータやダイレクトドライブモータ等の駆動装置を駆動
することで所定の位置・姿勢に位置決めする。
【0065】ここで、描画処理工程の当初においてはイ
ンクジェットヘッド14にインクが導入されていない。
従って、描画前には吸引ポンプによりインクジェットヘ
ッド14を吸引してインクを導入する。具体的には、ま
ずXテーブル15がX方向に移動してインクジェットヘ
ッド14がキャップ33に対向する位置に位置決めされ
ると、移動手段37、38の駆動により支持板34が退
避位置から当接位置へ+Z方向に移動する。これによ
り、全てのキャップ33が対応するインクジェットヘッ
ド14のインク吐出面14aにそれぞれ当接する。そし
て、キャップ33が当接位置に位置決めされると、吸引
ポンプを作動させることでインクジェットヘッド14に
インクを充填する。
【0066】インクジェットヘッド14(ノズル91)
にインクが導入・充填されると、Xテーブルを介してイ
ンクジェットヘッド14を吐出確認ユニット29の上方
に移動させる。そして、インクジェットヘッド14から
吐出確認ユニット29に対してインクを予備吐出する。
これを詳述すると、支持板20を吐出確認ユニット29
の上方で往復移動させ、往路、復路のそれぞれで一列ず
つインクジェットヘッド14からインクを吐出する。イ
ンク吐出時には、吐出検出装置がレーザ光等の検知光を
照射して、インクの吐出状態を各インクジェットヘッド
14毎、および各ノズル毎に検出する、いわゆるドット
抜け検出を行う。ここでドット抜けが検出されると、上
述した手順と同様に、キャップユニット26によりイン
クジェットヘッド14を吸引すればよい。
【0067】続いて、図6を参照してノズルプレート5
0に対して撥インク膜52を成膜する方法について説明
する。ここでは、共析メッキ法によりフッ素樹脂で撥イ
ンク膜を形成するものとして説明する。
【0068】図6(b)に示すように、ノズルプレート
50の表裏両面50a、50bにドライフィルムレジス
ト56a、56bをラミネートする。そして、つぎに、
この上をマスク部材57a、57bで覆って(図6
(c))、ノズルプレート50の裏面50bにおける漏
斗状部分54とその周囲部58以外の部分及びノズルプ
レート50表面50aの膜非形成部53を露光し、現像
除去することで膜非形成部のマスキング層59a、59
bが形成される(図6(d))。
【0069】このようにしてマスキング層59a、59
bが形成されたノズルプレート50は、一旦酸で洗浄し
たの上、ニッケルイオンとポリテトラフルオエチレン等
の撥水性高分子樹脂を電荷により分散させた電解液中に
浸漬し、ついで、電解液を攪拌しながらその表面に共析
メッキ60を施す(図6(e))。
【0070】この共析メッキ処理に使用されるフッ素系
高分子としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリパ
ーフルオロアルコキシブタジエン、ポリフルオロビニリ
デン、ポリフルオロビニル、ポリジパーフルオロアルキ
ルフマレートを単独及び混合したものが用いられる。
【0071】これにより、ポリテトラフルオロエチレン
の粒子は、ニッケルイオンを媒介としてマスキング層5
9a、59bで被覆されていないノズルプレート50の
表裏面50a、50bとノズル91の内面に均一の層と
なって付着する。共析メッキの方法としては、インクジ
ェット描画用インク中にはLi+、Na+、K+、C
2 +、Cl-、SO4 2-、SO3 2-、NO3 -、NO2 -等の
イオンが不純物として混入していることがあるため、こ
れらのイオン種の影響を受けにくくかつ耐久性の高い電
解法が適している。
【0072】つぎに、マスキング層59a、59bを剥
離液にて溶融除去する(図6(f))。つぎに、ノズル
プレート50に荷重を加えて反りの発生を抑えながら、
これをポリテトラフルオロエチレンの融点以上の温度、
例えば、350℃以上の温度で加熱する。この時の荷重
は、0.98N/cm2以上、好ましくは、4.9N/cm2の圧
力をかけるとよい。
【0073】これにより、ポリテトラフルオロエチレン
の粒子は、マスキング層59a、59bで被覆されてい
ないノズルプレート50の表裏面とノズル91の内面に
融着し、そこに平滑でしかも硬度の大なる撥インク性の
メッキ皮膜(撥インク膜)52を形成する(図6
(g))。
【0074】フッ素系高分子共析メッキ層は、膜厚が薄
すぎるとインク吐出口を有する面の撥インク性が不十分
となり、厚すぎるとインク吐出口の径の精度へ影響がで
るから、メッキ層の膜厚は1〜10μmの範囲に抑える
ように制御する。また、メッキ層中のフッ素系高分子の
共析量は、メッキ層中10〜50vol%になるようにす
ることが好ましい。
【0075】さらに、ノズルプレート50の裏面50b
にインク流路の形成された基体51を接合することによ
り、インクジェット記録ヘッド14が形成される。
【0076】そして、このように撥インク処理が施され
たノズルプレート50を有するインクジェットヘッド1
4に対して、インクが充填されると描画処理を実施す
る。なお、実際には、インクジェットヘッド14から吐
出されるインク重量を測定するがここではその説明を省
略する。以下、図11および図12を参照して、描画処
理によりカラーフィルターを製造する例について説明す
る。
【0077】図11の基板100は、透明基板であり適
度の機械的強度と共に光透過性の高いものを用いる。基
板100としては、例えば、透明ガラス基板、アクリル
ガラス、プラスチック基板、プラスチックフィルム及び
これらの表面処理品等が適用できる。
【0078】たとえば、図12に示すように長方形形状
の基板100上に、生産性をあげる観点から複数個のカ
ラーフィルター領域105をマトリックス状に形成す
る。これらのカラーフィルター領域105は、後でガラ
ス100を切断することで、液晶表示デバイスに適合す
るカラーフィルターとして用いることができる。
【0079】カラーフィルター領域105には、たとえ
ば図12に示すように、RのインクとGのインクおよび
Bのインクを所定のパターンで形成して配置している。
この形成パターンとしては、図に示すように従来公知の
ストライプ型のほかに、モザイク型やデルタ型あるいは
スクウェアー型等がある。
【0080】図11は、基板100に対してカラーフィ
ルター領域105を形成する工程の一例を示している。
【0081】図11(a)では、透明の基板100の一
方の面に対して、ブラックマトリックス110を形成し
たものである。カラーフィルターの基礎となる基板10
0の上には、光透過性のない樹脂(好ましくは黒色)
を、スピンコート等の方法で、所定の厚さ(たとえば2
μm程度)に塗布して、フォトリソグラフィー法等の方
法でマトリックス状にブラックマトリックス110を設
ける。ブラックマトリックス110の格子で囲まれる最
小の表示要素がフィルターエレメントといわれており、
たとえばX軸方向の巾30μm、Y軸方向の長さ100
μm程度の大きさの窓である。
【0082】ブラックマトリックス110を形成した後
は、たとえば、ヒータにより熱を与えることで、基板1
00の上の樹脂を焼成する。
【0083】図11(b)に示すように、インク滴99
は、フィルターエレメント112に着弾する。インク滴
99の量は、加熱工程におけるインクの体積減少を考慮
した充分な量である。
【0084】図11(c)の加熱工程では、カラーフィ
ルター上のすべてのフィルターエレメント112に対し
てインク滴99が充填されると、ヒータを用いて加熱処
理を行う。基板100は、所定の温度(例えば70℃程
度)に加熱する。インクの溶媒が蒸発すると、インクの
体積が減少する。体積減少の激しい場合には、カラーフ
ィルターとして充分なインク膜の厚みが得られるまで、
インク吐出工程と、加熱工程とを繰り返す。この処理に
より、インクの溶媒が蒸発して、最終的にインクの固形
分のみが残留して膜化する。
【0085】図11(d)の保護膜形成工程では、イン
ク滴99を完全に乾燥させるために、所定の温度で所定
時間加熱を行う。乾燥が終了するとインク膜が形成され
たカラーフィルターの基板100の保護及びフィルター
表面の平坦化のために、保護膜120を形成する。この
保護膜120の形成には、たとえば、スピンコート法、
ロールコート法、リッピング法等の方法を採用すること
ができる。
【0086】図11(e)の透明電極形成工程では、ス
パッタ法や真空吸着法等の処方を用いて、透明電極13
0を保護膜120の全面にわたって形成する。
【0087】図11(f)のパターニング工程では、透
明電極130は、さらにフィルターエレメント112の
開口部に対応させた画素電極にパターニングされる。
【0088】なお、液晶表示パネルの駆動にTFT(T
hin Film Transistor)等を用いる場
合ではこのパターニングは不用である。また、上記描画
処理の間には、定期的あるいは随時ワイピングユニット
27を用いてインクジェットヘッド14のインク吐出面
14aをワイピングすることが望ましい。このワイピン
グは、巻出しリール27aから巻出され洗浄液が吐出さ
れた湿式の布材を移動盤31の移動に伴ってインク吐出
面14aに摺接させることで実施できる。
【0089】このように、本実施の形態では、ノズルプ
レート50の表面50aとノズル91の内面、および裏
面50bにかけて形成された共析メッキ皮膜52は撥イ
ンク性(撥液性)が高いために、圧力変動等によりイン
クのメニスカスが変動してもメニスカスは安定した球面
を保持するので、濡れ性のよいインクを用いた場合で
も、インクがノズルから染み出したり、ノズル周縁部に
不均一なインク溜りとなって残ることはない。したがっ
て、吐出するインク滴が正規の飛翔方向から離脱した
り、さらには上記インク溜りによりインク滴形成時のメ
ニスカスの安定性が低下することもないため、安定し
て、高周波数での描画処理を可能にする。しかも、共析
メッキ法で成膜される撥インク膜は硬い膜なので、耐久
性に優れるという効果も得られる。
【0090】また、ノズルプレート50には、図5で示
すとおり、キャップゴム33aが当接する部位には共析
メッキ膜非形成部53が形成されていて、安定したステ
ンレス鋼面のため、インク介在下でのキャップゴム33
aとの繰り返しの密着動作によって腐食が発生すること
はない。したがって、キャップゴム33aとの密着性が
損なわれることはなく、信頼性の高いシール性を確保で
きる。また、キャップゴム33aとの密着部に発生した
腐食がトリガーとなってノズル近傍の撥水を低下させる
こともないため、長期にわたって高い撥インク性を維持
することが可能となる。
【0091】そして、このようなフィルター製造装置1
により製造されたカラーフィルターを擁する液晶表示デ
バイス等のデバイスに対しては、所定のインク吐出特性
で描画処理が施されることで、所定のデバイス特性を確
保することができる。
【0092】図13は、本発明の第2の実施の形態を示
す図である。ここでは、撥インク膜52をプラズマ重合
法で成膜する場合の例を説明する。図13は、プラズマ
処理装置61の概略構成図である。プラズマ処理装置6
1は、プラズマ反応を起こさせる反応器としてのチャン
バ62内に、高周波電源65に接続された上部放電電極
63およびアースされた下部放電電極64が対向配置さ
れたものである。チャンバ62には、ガス導入路66、
67と、真空ポンプ69に接続されたガス排出路68と
が設けられている。
【0093】ガス導入路66は、バルブ70を介して原
料ガス供給手段71に接続されるとともに、バルブ72
を介してアルゴンガス(Ar)供給手段73に接続され
ている。また、ガス導入路67は、バルブ74を介して
アルゴンガス供給手段73に接続されている。すなわ
ち、バルブ70、72、74の開閉を制御することで、
チャンバ62内に流入するアルゴンガス、およびアルゴ
ンガスと原料ガス(モノマー)との混合ガスの流量およ
び濃度(モノマー濃度)を調節することができる。
【0094】そして、チャンバ62内の真空度を適度に
設定し、被成膜基材としてのノズルプレートを放電電極
64上に載置した状態で放電電極63、64間に放電を
生じさせることで、プラズマ重合反応が行われ、ノズル
プレート上に撥インク膜としてのプラズマ重合膜が形成
される。
【0095】(実施例1)撥インク膜原料としてフッ素
樹脂を用い、高周波電源65の出力1600W、C88
流量30ccm、CF4流量180ccm、Ar流量2
25ccm、圧力266Pa、温度60℃、時間30分
の条件でプラズマ処理を行ったところ、N 2雰囲気下、
230℃×30分のアニール前で46nm、アニール後
で13.4nmの膜厚を有する撥インク膜が得られた。
【0096】(実施例2)撥インク膜原料としてシリコ
ン樹脂を用い、高周波電源65の出力100W、原料+
Arの流量100ccm、Ar流量0ccm、圧力1
7.29Pa、温度60℃、時間15分の条件でプラズ
マ処理を行ったところ、300nmの膜厚を有する撥イ
ンク膜が得られた。
【0097】なお、プラズマ重合法においても、共析メ
ッキ法と同様に膜形成部と膜非形成部とをパターニング
することが可能である。このパターニングとしては、例
えば膜形成部に対応する開口部を有するマスク(メカニ
カルマスク)を用いる方法や、電子線に対して感応性を
有するレジストを用いる、いわゆるリフト・オフ法を用
いることができる。リフト・オフ法を用いる場合には、
電子線等で膜形成部の形状を描画し、描画した部分だけ
を現像液で除去した後にプラズマ重合法で成膜する。そ
の後、レジストをアセトン等で除去すると、レジスト上
の金属膜はレジストとともに剥離するので、ノズルプレ
ート上には膜形成部にのみ撥インク膜を残すことができ
る。このリフト・オフ法は、上述した共析メッキ法や後
述する印刷法におけるパターニングにも適用可能であ
る。
【0098】また、上記実施の形態では、ノズルプレー
トに撥インク膜を形成する方法として共析メッキ法、プ
ラズマ重合法について説明したが、ノズルプレート上に
開口部の有無でパターンが形成されたマスク(スクリー
ン)を配置し、その開口部を介して上記フッ素樹脂やテ
フロン(登録商標)樹脂を付着させる印刷法を用いるこ
とも可能である。この場合、撥インク膜形成に係る作業
が簡便であり、安価に撥インク処理を実施することがで
きる。
【0099】また、ノズルプレート50の裏面50bに
おいてノズル91の周囲部58以外を膜非形成部とする
には、該当箇所にマスクテープ等のマスク部材を貼着し
て撥インク膜が形成されないようにする方法や、膜形成
部に成膜された撥インク膜をプラズマアッシング法によ
り除去する方法を採用できる。このプラズマアッシング
法を用いれば、プラズマ化したガスとレジストとを反応
させ、レジストを撥インク膜とともに気化させること
で、膜非形成部の撥インク膜を除去することができる。
【0100】なお、本発明は、上記実施の形態に限定さ
れず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を
行うことができる。
【0101】本発明のデバイス製造装置は、たとえば液
晶表示デバイス用のカラーフィルターの製造に限定され
るものではなく、たとえば、EL(エレクトロルミネッ
センス)表示デバイスに応用が可能である。EL表示デ
バイスは、蛍光性の無機および有機化合物を含む薄膜
を、陰極と陽極とで挟んだ構成を有し、前記薄膜に電子
および正孔(ホール)を注入して再結合させることによ
り励起子(エキシトン)を生成させ、このエキシトンが
失活する際の光の放出(蛍光・燐光)を利用して発光さ
せる素子である。こうしたEL表示素子に用いられる蛍
光性材料のうち、赤、緑および青色の発光色を呈する材
料を本発明のデバイス製造装置を用いて、TFT等の素
子基板上にインクジェットパターニングすることで、自
発光フルカラーEL表示デバイスを製造することができ
る。本発明におけるデバイスの範囲にはこのようなEL
表示デバイスの基板をも含むものである。
【0102】この場合、本発明のデバイス製造装置は、
EL材料が付着しやすいように、樹脂レジスト、画素電
極および下層となる層の表面に対し、プラズマ、UV処
理、カップリング等の表面処理を行う工程を有するもの
であってもよい。そして、本発明のデバイス製造装置を
用いて製造したEL表示デバイスは、セグメント表示や
全面同時発光の静止画表示、例えば絵、文字、ラベル等
といったローインフォメーション分野への応用、または
点・線・面形状をもった光源としても利用することがで
きる。さらに、パッシブ駆動の表示素子をはじめ、TF
T等のアクティブ素子を駆動に用いることで、高輝度で
応答性の優れたフルカラー表示デバイスを得ることが可
能である。さらに、本装置のインクジェットパターニン
グ技術に金属材料や絶縁材料を供すれば、金属配線や絶
縁膜等のダイレクトな微細パターニングが可能となり、
新規な高機能デバイスの作製にも応用できる。
【0103】また、図示したフィルター製造装置のイン
クジェットヘッド14は、R(赤).G(緑).B
(青)の内の1つの種類のインクを吐出することができ
るようになっているが、この内の2種類あるいは3種類
のインクを同時に吐出することももちろんできる。さら
に、上記実施の形態では、液状体としてインクを用いる
構成としたが、インクジェットヘッドから吐出される液
状体は所謂インクには限定されず、ヘッドから液滴とし
て吐出可能に調整されたものであればよく、例えば、前
述のELデバイスの材料、金属材料、絶縁材料、又は半
導体材料等様々な材料が含まれることはいうまでもな
い。
【0104】本実施の形態に係るデバイスが組み込まれ
る電子機器としては、パーソナルコンピュータや携帯型
電話機、電子手帳、ページャ、POS端末、ICカー
ド、ミニディスクプレーヤ、液晶プロジェクタ、および
エンジニアリング・ワークステーション(EWS)、ワ
ードプロセッサ、テレビ、ビューファイダ型またはモニ
タ直視型のビデオテープレコーダ、電子卓上計算機、カ
ーナビゲーション装置、タッチパネルを備えた装置、時
計、ゲーム機器など様々な電子機器が挙げられる。
【0105】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、吐出
する液滴が正規の飛翔方向から離脱したり、液溜りによ
り液滴形成時のメニスカスの安定性が低下することもな
く、安定して所定の描画特性での描画処理を可能にす
る。また、共析メッキ法の場合、硬くて耐久性に優れる
撥液膜を得ることができ、プラズマ重合法の場合、ノズ
ル径のばらつきを抑え、液状体の吐出量の変動を少なく
できる薄い撥液膜を得ることができ、さらに印刷法では
簡便な作業で安価に撥液処理を実施できる。
【0106】また、本発明では、所定のデバイス特性が
確保されたデバイスを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態を示す図であって、フ
ィルター製造装置の概略平面図である。
【図2】 インクジェットヘッドを支持する支持板の
平面図である。
【図3】 図2における右側面図である。
【図4】 インクジェットヘッドの構造を示す図であ
って、(A)はヘッド本体の外観斜視図、(B)は部分
拡大図、(C)は時間と印加電圧との関係図、(D)〜
(F)は印加された電圧毎に示されたインク室の動作図
である。
【図5】 ノズルプレートの平面図である。
【図6】 (a)乃至(g)は、ノズルプレートに撥
インク膜を形成する各工程を示した図である。
【図7】 描画装置を構成するインクシステムの概略
平面図である。
【図8】 図7における正面図である。
【図9】 インクシステムを構成するキャップユニッ
トの概略正面図である。
【図10】 キャップを支持する支持板の平面図であ
る。
【図11】 基板を用いてカラーフィルターを製造す
る一例を示す図である。
【図12】 基板と基板上のカラーフィルター領域の
一部を示す図である。
【図13】 プラズマ処理装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1 フィルター製造装置(デバイス製造装置) 2b、2d、2f 描画装置(インクジェット装置、製
膜装置) 14 インクジェットヘッド 50 ノズルプレート 50a 表面(一方の面) 50b 裏面(他方の面) 52 撥インク膜(膜形成部、メッキ被膜、撥液膜) 53 膜非形成部 58 周囲部 60 共析メッキ 91 ノズル 100 基板

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液状体を吐出するノズルが貫通して形
    成されたノズルプレートを備え、前記液状体を前記ノズ
    ルプレートの一方の面から基板に吐出してデバイスを製
    造する装置であって、 前記ノズルプレートの一方の面、前記ノズルの内面、お
    よび前記ノズルプレートの他方の面における前記ノズル
    の周囲部に撥液膜が形成されていることを特徴とするデ
    バイス製造装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のデバイス製造装置にお
    いて、 前記撥液膜は、フッ素樹脂で構成されることを特徴とす
    るデバイス製造装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のデバイス製造装置にお
    いて、 前記撥液膜は、シリコン樹脂で構成されることを特徴と
    するデバイス製造装置。
  4. 【請求項4】 請求項2または3記載のデバイス製造
    装置において、 前記撥液膜は、プラズマ重合法で形成されることを特徴
    とするデバイス製造装置。
  5. 【請求項5】 請求項2または3記載のデバイス製造
    装置において、 前記撥液膜は、印刷法で形成されることを特徴とするデ
    バイス製造装置。
  6. 【請求項6】 請求項2記載のデバイス製造装置にお
    いて、 前記撥液膜は、共析メッキ法で形成されることを特徴と
    するデバイス製造装置。
  7. 【請求項7】 請求項1から6のいずれかに記載のデ
    バイス製造装置において、 前記一方の面には、前記撥液膜が形成された膜形成部
    と、前記撥液膜が形成されていない膜非形成部とが所定
    形状でパターニングされていることを特徴とするデバイ
    ス製造装置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載のデバイス製造装置にお
    いて、 前記パターニングは、前記一方の面に塗布されたレジス
    トを所定形状で除去するリフト・オフ法で行われること
    を特徴とするデバイス製造装置。
  9. 【請求項9】 請求項7記載のデバイス製造装置にお
    いて、 前記パターニングは、前記所定形状を有するマスクを用
    いて行われることを特徴とするデバイス製造装置。
  10. 【請求項10】 請求項1から9のいずれかに記載の
    デバイス製造装置において、 前記他方の面の前記周囲部の外側は、前記撥液膜が形成
    されていない膜非形成部とされていることを特徴とする
    デバイス製造装置。
  11. 【請求項11】 請求項10記載のデバイス製造装置
    において、 前記膜非形成部は、前記他方の面に付着した前記撥液膜
    をプラズマアッシング法で除去されて形成されることを
    特徴とするデバイス製造装置。
  12. 【請求項12】 請求項1から請求項11のいずれか
    1項に記載のデバイス製造装置により製造されたことを
    特徴とするデバイス。
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