JP2003262102A - 蒸気タービン - Google Patents

蒸気タービン

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JP2003262102A
JP2003262102A JP2002061756A JP2002061756A JP2003262102A JP 2003262102 A JP2003262102 A JP 2003262102A JP 2002061756 A JP2002061756 A JP 2002061756A JP 2002061756 A JP2002061756 A JP 2002061756A JP 2003262102 A JP2003262102 A JP 2003262102A
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steam
turbine
steam turbine
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inner casing
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JP2002061756A
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Masataka Kikuchi
正孝 菊地
Shinya Fujitsuka
真也 藤塚
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】上下半内部ケーシングや上下半ノズルボックス
の水平分割面からの蒸気漏洩を防止する蒸気タービンを
提供する。 【解決手段】水平分割面で上半部分と下半部分との2分
割にする外部ケーシング23および内部ケーシング24
を備えて二重構造にするとともに、内部ケーシング24
に形成され、供給された蒸気を全周に亘って流す形状の
蒸気室29を備えた蒸気タービンにおいて、内部ケーシ
ング24に形成された蒸気室の周囲に沿ってシール片3
6を装着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蒸気タービンに係
り、特にタービン初段落の入口側に設置する蒸気室のシ
ール構造に改良を加えた蒸気タービンに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、蒸気タービンの運転方法は、ノ
ズル締切り調速運転と絞り調速運転とがある。
【0003】前者の運転方法は、タービン初段落を構成
するタービンノズル(ノズル板)を幾つかのグループに
区分けし、区分けしたグループのタービンノズルにつな
がる蒸気加減弁を順次開閉させるとともに、流入蒸気量
を制御しつつ、タービン出力を調整するので、部分負荷
運転時のタービン効率が絞り調速運転に較べて相対的に
高くなっている。
【0004】一方、後者の運転方法は、タービンロータ
(タービン軸)の周方向に沿って環状に配置するタービ
ンノズルにつながる蒸気加減弁の全弁を絞りつつ、圧力
を変えてタービン出力を調整するので、ノズル締切り運
転に較べて圧力損失が少なく、かつ構造が簡素化されて
いる。
【0005】また、前者の運転ができる蒸気タービンの
蒸気入口部は、図15に示すように、タービンケーシン
グ1を外部ケーシング2と内部ケーシング3との二重構
造の圧力容器になっている。なお、外部ケーシング2と
内部ケーシング3とは、ともに水平分断面HLで2分割
され、2分割された頭部側のそれぞれを上半外部ケーシ
ング2a、上半内部ケーシング3aとし、その底部側の
それぞれを下半外部ケーシング2b、下半内部ケーシン
グ3bとに区分けされている。
【0006】上下半内部ケーシング3a,3bは、グル
ープ化したタービンノズル(ノズル板)4の入口側に向
って形成する蒸気室5a,5b,5c,5dを備えてい
る。
【0007】蒸気室5a〜5dは、中間の外側にスリー
ブ(伸縮継手シール)6a,6b,6c,6dを介装し
て上下半外部ケーシング2a,2bに設けた蒸気入口管
台7a,7b,7c,7dに接続している。
【0008】また、蒸気室5a〜5dは、例えば一方の
蒸気室5aと隣りの蒸気室5bとを互いに別々に独立さ
せるために閉鎖部8a,8bで仕切る構成になってい
る。
【0009】他方、絞り調速運転ができる蒸気タービン
の蒸気入口部は、図16に示すように、上下半内部ケー
シング3a,3bに形成され、タービンロータ(図示せ
ず)の周方向に沿って翼配列するタービンノズル4の入
口側に蒸気室9を備えている。
【0010】蒸気室9は、環状列に配置されるタービン
ノズル4の全周に沿って形成するとともに、中間の外側
にスリーブ10を介装して下半外部ケーシング2bに設
けた蒸気入口管台14に接続している。
【0011】このような構成の蒸気室9を備える蒸気タ
ービンは、下半外部ケーシング2bの蒸気入口管台14
からの蒸気が全周域に亘って流れるので、構造を簡素化
させた圧力損失の少ないものになっている。
【0012】最近の火力発電所の主流を占めつつあるコ
ンバインドサイクル発電プラントでは、絞り調速運転が
できる蒸気タービンがより多く採用されているので、こ
の点について今少し詳しく図17を引用して説明する。
なお、図17は、上半外部ケーシング2aおよび上半内
部ケーシング3aを取り除いて水平分割面HLから見た
下半外部ケーシング2bおよび下半内部ケーシング3b
の平面図である。
【0013】蒸気タービンは、下半外部ケーシング2b
に、突出し片11a,11bを介装して下半内部ケーシ
ング3bを係合固定させるとともに、下半内部ケーシン
グ3bの中央部分にタービンロータ(タービン軸)12
を収容する構成になっている。
【0014】また、蒸気タービンは、下半内部ケーシン
グ3bに上半内部ケーシング3aを接続させるボルト穴
13を備えるとともに、一点鎖線で示す蒸気入口管14
に接続する蒸気室9と、タービンロータ12との軸封を
図る中間グランド部15とを備えている。
【0015】また、蒸気タービンは、蒸気室9の出口側
に臨み、両端がダイアフラム外輪16とダイアフラム内
輪17とで支持されたタービンノズル(ノズル板)4と
タービンロータ12に植設するタービン動翼18とで構
成するタービン初段落19を備えている。タービンノズ
ルとタービン動翼で構成されたタービン段落は、タービ
ンロータ12の軸方向に沿って複数段にし、タービンノ
ズル4で蒸気のエネルギを速度エネルギに変え、その速
度エネルギをタービン動翼18に与えてタービンロータ
12を回転させ、回転の際に発生する動力で発電機(図
示せず)を駆動している。
【0016】なお、蒸気タービンは、下半内部ケーシン
グ3bに上半内部ケーシングを接続させる際、ボルト穴
13にボルトを挿通して気密的に接続させるほかに、図
18および図19に示すように、キー溝20内にキー2
1を装着する場合や、図20に示すように、外部ケーシ
ング2、内部ケーシング3のほかに水平分割面HLで2
分割する上半ノズルボックス22a、下半ノズルボック
ス22bを備えたノズルボックス22を設けた、いわゆ
る三重構造の圧力容器にし、蒸気入口管14から蒸気室
9を介してタービンノズル4に供給する蒸気が外部に漏
れないようにした構造のものも必要に応じて適用してい
る。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】図16で示した外部ケ
ーシング2、内部ケーシング3の二重構造の圧力容器を
備えた蒸気タービンや図20で示した外部ケーシング
2、内部ケーシング3およびノズルボックス22の三重
構造の圧力容器を備えた蒸気タービンでは、図15に示
すように一方の蒸気室5aと隣りの蒸気室5bとの間に
閉鎖部8a,8bがなく、蒸気室9の全周域に亘って蒸
気が流れるので、圧力損失の少ない優れた特性を持って
いるものの、それでも幾つかの問題があり、その一つに
蒸気漏洩があった。
【0018】すなわち、上述の蒸気入口部の構造を持つ
蒸気タービンは、図17に示すように、上下半内部ケー
シング3a,3bの内径側にタービンロータ12や中間
グランド部15が位置する構成上の理由もあって、上半
内部ケーシング3aと接続するボルトのボルト穴13が
主として下半外部ケーシング2b側の近くに配置されて
いる。このため、蒸気タービンは、長年の使用の結果、
熱的影響を受けて上半内部ケーシング3aと下半内部ケ
ーシング3bとの気密維持力が低くなり、蒸気室9の内
径側(タービンロータ側)から水平分割面を介して中間
グランド部15に向って蒸気の漏洩による膨張仕事をし
ない蒸気が発生し、設計値どおりのタービン内部効率が
維持できない問題があった。
【0019】また、蒸気タービンは、図18,図20に
示すように、蒸気室9の内径側(タービンロータ側)に
キー21を設け、上下半内部ケーシング3a,3bの気
密維持力を補強する試みも行っていたが、長年の使用の
結果、やはり上下半内部ケーシングの気密維持力が低く
なり、蒸気室9から水平分割面HLを介して中間グラン
ド部15に蒸気の漏洩があった。
【0020】本発明は、このような事情に基づいてなさ
れたもので、上下半内部ケーシングや上下半ノズルボッ
クスの水平分割面からの蒸気漏洩の防止を図る蒸気ター
ビンを提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明に係る蒸気タービ
ンは、上述の目的を達成するために、請求項1に記載し
たように、水平分割面で上半部分と下半部分との2分割
にする外部ケーシングおよび内部ケーシングを備えて二
重構造にするとともに、前記内部ケーシングに形成さ
れ、供給された蒸気を全周に亘って流す形状の蒸気室を
備えた蒸気タービンにおいて、前記内部ケーシングに形
成された蒸気室の周囲に沿ってシール片を装着したもの
である。
【0022】また、本発明に係る蒸気タービンは、上述
の目的を達成するために、請求項2に記載したように、
水平分割面で上半部分と下半部分との2分割にする外部
ケーシング、内部ケーシングおよびノズルボックスを備
えて三重構造にするとともに、前記ノズルボックスに形
成され、供給された蒸気を全周に亘って流す形状の蒸気
室を備えた蒸気タービンにおいて、前記ノズルボックス
に形成された蒸気室の周囲に沿ってシール片を装着した
ものである。
【0023】また、本発明に係る蒸気タービンは、上述
の目的を達成するために、請求項3に記載したように、
シール片は、蒸気室に対して円形状に形成したものであ
る。
【0024】また、本発明に係る蒸気タービンは、上述
の目的を達成するために、請求項4に記載したように、
シール片は、蒸気室に対して非円形状に形成したもので
ある。
【0025】また、本発明に係る蒸気タービンは、上述
の目的を達成するために、請求項5に記載したように、
シール片は、蒸気室に対して開口部を備えた非円形状に
形成したものである。
【0026】また、本発明に係る蒸気タービンは、上述
の目的を達成するために、請求項6に記載したように、
シール片は、その形状をC型形状に成形加工したもので
ある。
【0027】また、本発明に係る蒸気タービンは、上述
の目的を達成するために、請求項7に記載したように、
シール片は、その形状をW型形状に成形加工したもので
ある。
【0028】また、本発明に係る蒸気タービンは、上述
の目的を達成するために、請求項8に記載したように、
シール片は、その形状を蛇行形状に成形加工したもので
ある。
【0029】また、本発明に係る蒸気タービンは、上述
の目的を達成するために、請求項9に記載したように、
シール片は、内部ケーシングの下半部分に設けたシール
用溝に装着する際、開口を蒸気室側に向けて配置するも
のである。
【0030】また、本発明に係る蒸気タービンは、上述
の目的を達成するために、請求項10に記載したよう
に、シール片を装着するシール用溝は、上半部分と下半
部分とを当接させる水平分割面の蒸気室側に隙間を形成
するものである。
【0031】また、本発明に係る蒸気タービンは、上述
の目的を達成するために、請求項11に記載したよう
に、シール片は、内部ケーシングの下半部分およびノズ
ルボックスの下半部分のうち、いずれか一方とタービン
段落のタービンノズルとの間に形成する隙間に交差しな
い位置に配置したものである。
【0032】また、本発明に係る蒸気タービンは、上述
の目的を達成するために、請求項12に記載したよう
に、請求項1または2記載の蒸気タービンにおいて、タ
ービン初段落を構成するタービン動翼を植設するタービ
ンロータのディスクに、下流側から上流側に向って通路
を形成したものである。
【0033】また、本発明に係る蒸気タービンは、上述
の目的を達成するために、請求項13に記載したよう
に、通路は、吸込側にスチームスクープを備えたもので
ある。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る蒸気タービン
の実施形態を図面および図面に付した符号を引用して説
明する。なお、本発明に係る蒸気タービンは、供給され
た蒸気が蒸気室の全周域に亘って流れる、いわゆる絞り
調速運転のできる蒸気室を備えた形状のものが適用対象
になっている。
【0035】図1は、本発明に係る蒸気タービンの第1
実施形態を示すもので、上下半外内部ケーシングのう
ち、上半外内部ケーシングを取除き、水平分割面から見
た下半外部ケーシングの概略平面図である。
【0036】本実施形態に係る蒸気タービンは、外部ケ
ーシング23および内部ケーシング24のそれぞれを水
平分割面で2分割した、上半外部ケーシング23a、下
半外部ケーシング23bおよび上半内部ケーシング24
a、下半内部ケーシング24bのうち、下半外部ケーシ
ング23bに突出し片25a,25bを介装して下半内
部ケーシング24bを係合固定させるとともに、下半内
部ケーシング24bの中央部分にタービンロータ26を
収容する構成になっている。
【0037】また、蒸気タービンは、下半内部ケーシン
グ24bに上半内部ケーシング24aをボルトで接続さ
せるボルト穴27を備えるとともに、一点鎖線で示す蒸
気入口管28に接続する蒸気室29と、タービンロータ
26との軸封を図る中間グランド部15とを備えてい
る。
【0038】また、蒸気タービンは、蒸気室29の出口
側に臨み、両端がダイアフラム外輪31とダイアフラム
内輪32とで支持されたタービンノズル33とタービン
ロータ26に植設するタービン動翼34とで構成する初
段落用のタービン段落35を備えている。タービンノズ
ルとタービン動翼で構成されるタービン段落は、タービ
ンロータ26の軸方向に沿って複数段にし、タービンノ
ズル33で蒸気のエネルギを速度エネルギに変え、その
速度エネルギをタービン動翼34に与えてタービンロー
タ26を回転させ、回転の際に発生する動力で発電機
(図示せず)を駆動している。
【0039】このような構成を備える蒸気タービンにお
いて、本実施形態では、蒸気室29の周囲に沿って、例
えば金属製の弾性を有するシール片36を装着したもの
である。なお、シール片に用いる金属の種類としては、
蒸気温度が500℃前後であることから、そのような温
度に耐え得る耐熱材料で製作することが望ましい。
【0040】このシール片36は、図1に示すように、
蒸気室29に対して円形形状に形成してもよく、また図
2示すように、蒸気室29に対して例えば四辺形状等の
非円形形状に形成してもよい。
【0041】また、このシール片36は、図5に示すよ
うに、蒸気室29とタービンノズル33との間に介装さ
せたブリッジ37を備えた蒸気タービンにも適用され
る。
【0042】一般に、蒸気タービンは、タービンノズル
33が薄板状で製作されており、強度保証の点からター
ビンノズル33の入口側にブリッジ37を適宜な位置に
設置することがある。
【0043】本実施形態は、このような構成を備える蒸
気タービンにもシール片36を設け、蒸気のシール性の
より一層の向上を図ったものである。
【0044】さらに、このシール片36は、図6に示す
ように、水平分割面HLに対して軸対象の形状に形成す
る蒸気室29を備える高圧蒸気タービンや、図7に示す
ように、水平分割面HLに対して非軸対象の形状に形成
する蒸気室29を備える高圧蒸気タービンにも適用され
る。そして、これらの高圧蒸気タービンに適用するシー
ル片8は、図8に示すように、蒸気室29の周囲に沿っ
て、例えば円形形状に形成される。
【0045】なお、図1,図2,図5および図8に示す
蒸気室29の周囲に沿って形成するシール片36は、下
半内部ケーシング24bとタービン初段落のタービンノ
ズル33との間に形成される隙間に交差しない位置に配
置される。
【0046】さらに、また、このシール片36は、図1
0に示すように、外部ケーシング23および内部ケーシ
ング24を設ける一方、蒸気室29を形成するノズルボ
ックス38を収容する三重構造の圧力容器を備えた蒸気
タービンや、図11に示すように、高圧タービン部と中
圧タービン部とを一つの外部ケーシング23、一つの内
部ケーシング24内に収容する、いわゆる高中圧一体蒸
気タービンや、図12に示すように、高圧タービン部と
中圧タービン部とを一つの外部ケーシング23、一つの
内部ケーシング24内に収容し、かつ蒸気室29を形成
するノズルボックス38を収容する、いわゆる三重構造
の圧力容器を備えた高中圧一体蒸気タービンにも適用さ
れる。
【0047】なお、図10,図11および図12に示す
蒸気タービンは、外部ケーシング23、内部ケーシング
24、ノズルボックス38のそれぞれを水平分割面HL
で上半外部ケーシング23a、下半外部ケーシング23
b、上半内部ケーシング24a、下半内部ケーシング2
4b、上半ノズルボックス38a、下半ノズルボックス
38bに2分割され、ボルト穴27,27aを利用して
互いをボルトで接続するようになっている。
【0048】また、図10に示す蒸気タービンは、シー
ル片36を蒸気室29の周囲に沿って非円形の閉塞状に
形成している。
【0049】また、図11および図12に示す蒸気ター
ビンは、シール片36を蒸気室29の周囲に沿って開口
部を備える非円形の形状に形成している。
【0050】さらに、また、シール片36は、図8およ
び図10に示すように、下半内部ケーシング24bまた
は下半ノズルボックス38bとタービン段落35のター
ビンノズル33との間に生ずる隙間に交差しない位置に
配置されている。
【0051】一方、蒸気室29の周囲に沿って上述の円
形形状、非円形形状および開口部を備えた非円形形状の
うち、いずれか一方の形状にして装着するシール片36
は、図3の(a),(b),(c)に示すように、その
形状が開口部39を備えるC字型形状、W字型形状およ
び蛇行形状のうち、いずれか一方の形状に成形加工した
ものが選択されている。
【0052】このような形状、例えば、C字型形状のシ
ール片36を選択した蒸気タービンは、図4の(a)に
示すように、上半内部ケーシング24aと下半内部ケー
シング24bのうち、下半内部ケーシング24bに設け
たシール用溝40に装着する場合、あるいは、上半ノズ
ルボックス38aと下半ノズルボックス38bのうち、
下半ノズルボックス38bに設けたシール用溝40に装
着する場合、開口部39が蒸気室29側に向う位置に配
置される。これは、長年の使用の結果、蒸気室29側か
ら水平分割面HLを介して蒸気が漏洩した場合、C字型
形状のシール片36の開口部39に流入する蒸気の圧力
でシール片36を膨出させ、シール片36の膨出により
水平分割面HLを伝わって外側に蒸気が漏出することを
防止したものである。
【0053】また、W字型形状のシール片36を選択し
た蒸気タービンは、図4の(b)に示すように、上半内
部ケーシング24aと下半内部ケーシング24bとのう
ち、下半内部ケーシング24bに設けたシール用溝40
に装着する場合、あるいは上半ノズルボックス38aと
下半ノズルボックス38bとのうち、下半ノズルボック
ス38bに設けたシール用溝40に装着する場合、上述
と同様に開口している部分が蒸気室29側に向う位置に
配置すれば、流入する蒸気の圧力でシール片36を膨出
させて蒸気の漏出を防止することができる。
【0054】なお、シール片36の膨出力をより一層効
果的に利用するならば、図9に示すように、上半部分と
下半部分とを互いに当接させる水平分割面HLの蒸気室
29側に隙間41を設けることが好ましい。
【0055】このように、本実施形態は、蒸気室29の
周囲に沿ってシール片36を形成し、形成したシール片
36の膨出力を利用して上半内部ケーシング24aと下
半内部ケーシング24bとの接続面または上半ノズルボ
ックス38aと下半ノズルボックス38bとの接続面か
らの蒸気の漏出を防止するので、構造上、あるいは配置
上の事情から各接続面の気密維持力が充分に確保できな
い場合であっても確実に蒸気の漏出を防止することがで
きる。
【0056】図13は、本発明に係る蒸気タービンの第
2実施形態を示すもので、上下半内部ケーシング24
a,24bのうち、上半内部ケーシング24aを取り除
き、水平分割面HLから見た下半内部ケーシング24b
の概略平面図である。
【0057】本実施形態は、蒸気室29の周囲に沿って
シール片36を装着しても、何らかの事情でシール片3
6から蒸気が漏出する場合を考慮したもので、タービン
初段落42のタービン動翼34を植設するタービンロー
タ26のディスク43に、タービン動翼34の出口側か
らタービンノズル33側に向って蒸気を流す通路44を
設けたものである。
【0058】この通路44は、タービン動翼出口側から
タービンノズル33側に向って傾斜させるとともに、開
口面積が徐々に大きくなるように形成されている。
【0059】このように、本実施形態は、タービンロー
タ26のディスク43に、タービン初段落42のタービ
ン動翼34の出口側からタービンノズル33側に向かっ
て傾斜状で、かつ徐々に開口面積を大きくした通路44
を設け、タービン初段落42のタービンノズル33とタ
ービン動翼34との空間46aに冷却用蒸気として供給
して中間グランド部30を冷却するので、万一、蒸気室
29からシール片36を介して高温高圧の蒸気が空間4
6aに漏出しても中間グランド部30の高温化に基づく
変形等を防止することができ、タービンロータ26に安
定運転を行わせることができる。
【0060】なお、本実施形態は、タービン初段落42
におけるタービンロータ26のディスク43に通路44
を設けているが、通路44の吸引側にスチームスクープ
47を設けると、より多くの冷却用の蒸気を空間46a
に供給でき、中間グランド部30をより効果的に冷却す
ることができる。
【0061】
【発明の効果】以上の説明のとおり、本発明に係る蒸気
タービンは、タービン初段落の絞り調速運転ができ、か
つ供給される蒸気が全周に亘って流れる形状の蒸気室を
水平分割面で上半部分と下半部分とに2分割し、2分割
した上半部分と下半部分との接続面からの蒸気の漏出を
防止する手段を備えているので、構造上、あるいは配置
上の事情から上半部分と下半部分との気密維持力が充分
に確保できない個所があっても蒸気の漏出を防止するこ
とができる。
【0062】また、本発明に係る蒸気タービンは、蒸気
室を水平分割面で上半部分と下半部分とに2分割し、2
分割した上半部分と下半部分との接続面からの蒸気の漏
出を防止する手段を備えていても、万一、何らかの事情
で蒸気が漏出した場合、タービン初段落のディスクに下
流側から上流側に向って冷却用の蒸気を供給する手段を
備えているので、中間グランド部に過度な熱負荷を与え
ることがなく、タービンロータに安定運転を行わせるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る蒸気タービンの第1実施形態を示
す水平分割面から見た概略平面図。
【図2】本発明に係る蒸気タービンの第1実施形態にお
ける第1適用例を示す水平分割面から見た概略平面図。
【図3】本発明に係る蒸気タービンに適用する金属シー
ル片の形状を示す図で、(a)はC型形状の金属シール
片の図、(b)はW型形状の金属シール片の図、(c)
は蛇行形状の金属シール片の図。
【図4】図3で示した金属シール片を下半内部ケーシン
グのシール用溝に装着した適用例を示す図で、(a)は
C型形状の金属シール片の図、(b)はW型形状の金属
シール片の図。
【図5】本発明に係る蒸気タービンの第1実施形態にお
ける第2適用例を示す水平分割面から見た概略平面図。
【図6】従来の蒸気タービンを示す概略縦断面図。
【図7】従来の蒸気タービンを示す概略縦断面図。
【図8】本発明に係る蒸気タービンの第1実施形態にお
ける第3適用例を示す水平分割面から見た概略平面図。
【図9】図3で示した金属シール片を下半内部ケーシン
グのシール用溝に装着した適用例を示す図。
【図10】本発明に係る蒸気タービンの第1実施形態に
おける第4適用例を示す水平分割面から見た概略平面
図。
【図11】本発明に係る蒸気タービンの第1実施形態に
おける第5適用例を示す水平分割面から見た概略平面
図。
【図12】本発明に係る蒸気タービンの第1実施形態に
おける第6適用例を示す水平分割面から見た概略平面
図。
【図13】本発明に係る蒸気タービンの第2実施形態を
示す水平分割面から見た概略平面図。
【図14】本発明に係る蒸気タービンの第3実施形態を
示す水平分割面から見た概略平面図。
【図15】ノズル締切調速運転ができる従来の蒸気ター
ビンにおける蒸気入口部を示す縦断面図。
【図16】絞り調速運転ができる従来の蒸気タービンに
おける蒸気入口部を示す縦断面図。
【図17】従来の蒸気タービンにおける水平分割面から
見た下半外内部ケーシングを示す概略平面図。
【図18】従来の蒸気タービンにおける水平分割面から
見た下半外内部ケーシングを示す概略平面図。
【図19】図18における上半内部ケーシングと下半内
部ケーシングとの接続面を示す部分図。
【図20】絞り調速運転ができる従来の他の蒸気タービ
ンにおける蒸気入口部を示す縦断面図。
【符号の説明】
1 タービンケーシング 2 外部ケーシング 2a 上半外部ケーシング 2b 下半外部ケーシング 3 内部ケーシング 3a 上半内部ケーシング 3b 下半内部ケーシング 4 タービンノズル 5a,5b,5c,5d 蒸気室 6a,6b,6c,6d スリーブ 7a,7b,7c,7d 蒸気入口管台 8a,8b 閉鎖部 9 蒸気室 10a,10b スリーブ 11a,11b 突出し片 12 タービンロータ 13 ボルト穴 14 蒸気入口管 15 中間グランド部 16 ダイアフラム外輪 17 ダイアフラム内輪 18 タービン動翼 19 タービン段落 20 キー溝 21 キー 22 ノズルボックス 22a 上半ノズルボックス 22b 下半ノズルボックス 23 外部ケーシング 23a 上半外部ケーシング 23b 下半外部ケーシング 24 内部ケーシング 24a 上半内部ケーシング 24b 下半内部ケーシング 25a,25b 突出し片 26 タービンロータ 27,27a ボルト穴 28 蒸気入口管 29 蒸気室 31 ダイアフラム外輪 32 ダイアフラム内輪 33 タービンノズル 34 タービン動翼 35 タービン段落 36 シール片 37 ブリッジ 38 ノズルボックス 38a 上半ノズルボックス 38b 下半ノズルボックス 39 開口部 40 シール用溝 41 隙間 42 タービン初段落 43 ディスク 44 通路 45 タービン段落 46a,46b 空間 47 スチームスクープ

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水平分割面で上半部分と下半部分との2
    分割にする外部ケーシングおよび内部ケーシングを備え
    て二重構造にするとともに、前記内部ケーシングに形成
    され、供給された蒸気を全周に亘って流す形状の蒸気室
    を備えた蒸気タービンにおいて、前記内部ケーシングに
    形成された蒸気室の周囲に沿ってシール片を装着したこ
    とを特徴とする蒸気タービン。
  2. 【請求項2】 水平分割面で上半部分と下半部分との2
    分割にする外部ケーシング、内部ケーシングおよびノズ
    ルボックスを備えて三重構造にするとともに、前記ノズ
    ルボックスに形成され、供給された蒸気を全周に亘って
    流す形状の蒸気室を備えた蒸気タービンにおいて、前記
    ノズルボックスに形成された蒸気室の周囲に沿ってシー
    ル片を装着したことを特徴とする蒸気タービン。
  3. 【請求項3】 シール片は、蒸気室に対して円形状に形
    成したことを特徴とする請求項1記載の蒸気タービン。
  4. 【請求項4】 シール片は、蒸気室に対して非円形状に
    形成したことを特徴とする請求項1または2記載の蒸気
    タービン。
  5. 【請求項5】 シール片は、蒸気室に対して開口部を備
    えた非円形状に形成したことを特徴とする請求項1また
    は2記載の蒸気タービン。
  6. 【請求項6】 シール片は、その形状をC型形状に成形
    加工したことを特徴とする請求項1または2記載の蒸気
    タービン。
  7. 【請求項7】 シール片は、その形状をW型形状に成形
    加工したことを特徴とする請求項1または2記載の蒸気
    タービン。
  8. 【請求項8】 シール片は、その形状を蛇行形状に成形
    加工したことを特徴とする請求項1または2記載の蒸気
    タービン。
  9. 【請求項9】 シール片は、内部ケーシングの下半部分
    に設けたシール用溝に装着する際、開口を蒸気室側に向
    けて配置することを特徴とする請求項1または2記載の
    蒸気タービン。
  10. 【請求項10】 シール片を装着するシール用溝は、上
    半部分と下半部分とを当接させる水平分割面の蒸気室側
    に隙間を形成することを特徴とする請求項9記載の蒸気
    タービン。
  11. 【請求項11】 シール片は、内部ケーシングの下半部
    分およびノズルボックスの下半部分のうち、いずれか一
    方とタービン段落のタービンノズルとの間に形成する隙
    間に交差しない位置に配置したことを特徴とする請求項
    1または2記載の蒸気タービン。
  12. 【請求項12】 請求項1または2記載の蒸気タービン
    において、タービン初段落を構成するタービン動翼を植
    設するタービンロータのディスクに、下流側から上流側
    に向って通路を形成したことを特徴とする蒸気タービ
    ン。
  13. 【請求項13】 通路は、吸込側にスチームスクープを
    備えたことを特徴とする請求項12記載の蒸気タービ
    ン。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008002467A (ja) * 2006-06-22 2008-01-10 General Electric Co <Ge> タービンを組立てる方法及びシステム
EP3032149A1 (en) 2014-12-12 2016-06-15 Mitsubishi Hitachi Power Systems, Ltd. Sealing device, rotating machine, and method for manufacturing sealing device

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