JP2003258776A - 通信装置、通信システム及びテレビ会議システム - Google Patents

通信装置、通信システム及びテレビ会議システム

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JP2003258776A
JP2003258776A JP2002054550A JP2002054550A JP2003258776A JP 2003258776 A JP2003258776 A JP 2003258776A JP 2002054550 A JP2002054550 A JP 2002054550A JP 2002054550 A JP2002054550 A JP 2002054550A JP 2003258776 A JP2003258776 A JP 2003258776A
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Masayuki Arai
雅之 新井
Ichiji Kurosu
一司 黒須
Mamoru Ohara
衛 大原
Tatsu Suzuki
龍 鈴木
Satoshi Fukumoto
聡 福本
Kazuhiko Iwasaki
一彦 岩崎
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Tama TLO Co Ltd
Original Assignee
Tama TLO Co Ltd
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  • Two-Way Televisions, Distribution Of Moving Picture Or The Like (AREA)
  • Detection And Prevention Of Errors In Transmission (AREA)
  • Telephonic Communication Services (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 パケット符号化処理により、通信品質を保証
できる通信装置、通信システム及びそれを用いたテレビ
会議システムを提供する。 【解決手段】 送信される情報パケットに応じて、所定
の符号化方式により冗長パケットを生成する冗長パケッ
ト生成手段と、受信パケットにパケット損失が検出され
たとき、上記符号化方式に対応した回復方法で受信した
上記冗長パケット及び情報パケットに基づき、上記損失
したパケットを回復するパケット回復手段とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インターネットを
用いた通信装置、通信システム及びテレビ会議システム
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インターネットを利用してリアルタイム
で画像(動画)と音声情報を複数の端末間で送受信する
ことによって、いわゆるインターネットテレビ会議シス
テムを実現可能である。インターネットテレビ会議シス
テムは、インターネットを利用して情報伝送を行うの
で、専用の回線を設ける必要がなく、低いコストでテレ
ビ会議システムを構築できる。これまでに、種々のイン
ターネットテレビ会議システムが提案され、また幾つか
が実用化されている。例えば、1対1の会議システムと
して、マイクロソフト社のNetMeetingが知ら
れている。これは、インターネットに接続されている2
つのクライアント端末の間で、音声と動画情報を伝送す
ることで、2者間のテレビ会議を実現させたものであ
る。
【0003】また、複数の地点間のテレビ会議システム
として、MCU(Multipoint Control Unit )が集中管
理するシステム、例えば、NTT−ME社が開発した
“MCS2000シリーズ”、またはポリコム社が開発
した“View Stationシリーズ”などが知ら
れている。これらのシステムは、何れもJT−H32
3:パケットに基づくマルチメディア通信システム(I
TU−T勧告H.323)に基づいている。そのほか
に、1対多通信システムとして、離れたキャンパス間の
遠隔講義などのシステム、例えば、米国のスタンフォー
ド大学のシステムが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、インターネ
ット上のデータの伝送は、情報データをパケットという
通信単位に分割して伝送される、いわゆるパケット通信
である。通信経路の状況に応じて送信側によって送出し
たパケットの一部分が欠損し、受信側に到達できないパ
ケット損失が発生することがある。通常インターネット
上で情報データの伝送を管理する通信プロトコールは、
損失したパケットを検出し、送信側に再送を要求するな
どの措置で、欠落したパケットを回復し、通信の品質を
保つ。
【0005】しかし、上述した従来のインターネットテ
レビ会議システムは、リアルタイムで大容量の音声と動
画情報を伝送する必要があるため、UDP(User Datag
ramProtocol)という通信プロトコルを用いて、高速な
通信を実現できるが、通信路に発生しうるパケット損失
についてそれを補償する有効の手段が講じられていな
い。このため、通信の信頼性が保証されず、システム使
用中に画面の一部分が乱れたり、音声が途切れることが
ある。さらに、MCUサーバがテレビ会議のシステム全
体を管理しているため、この部分にトラフィックが集中
し、パケット交換がスムーズに行われなくなり、また、
MCUの障害がシステム全体の停止につながるという不
利益がある。
【0006】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、誤り訂正符号化を送信パケット
に適用し、データ転送中欠落したパケットを受信側で回
復することで通信品質を改善し、システム全体を分散管
理することによってトラフィックの集中を緩和し、クラ
イアント間で通信の調停を行うことによりシステム全体
の信頼性の向上を実現できる通信装置、通信システム及
びテレビ会議システムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の通信装置は、送信される情報パケットに応
じて、所定の符号化方式により冗長パケットを生成する
冗長パケット生成手段と、受信パケットにパケット損失
が検出されたとき、上記符号化方式に対応した回復方法
で受信した上記冗長パケット及び情報パケットに基づ
き、上記損失したパケットを回復するパケット回復手段
とを有する。
【0008】また、本発明の通信システムは、送信され
る情報パケットに応じて、所定の符号化方式により冗長
パケットを生成する冗長パケット生成手段と、受信パケ
ットにパケット損失が検出されたとき、上記符号化方式
に対応した回復方法で上記冗長パケット及び情報パケッ
トに基づき、上記損失したパケットを回復するパケット
回復手段とを有する通信装置を用いて、通信ネットワー
クを介して上記情報パケット及び冗長パケットを伝送す
る。
【0009】また、本発明では、好適には、上記冗長パ
ケット生成手段は、上記パケット損失の発生状況に応じ
て、符号化率を制御して、上記冗長パケットを生成す
る。また、上記パケット損失の発生状況に応じて、符号
化化処理に用いる生成行列または拘束長を変えて、上記
冗長パケットを生成する。
【0010】また、本発明では、好適には、上記冗長パ
ケット生成手段は、送信される異なる種類の情報データ
に対して、異なる符号化率を設定して、符号化処理を行
う。
【0011】また、本発明では、好適には、上記冗長パ
ケット生成手段は、可変長パケットに対して、符号化対
象となる情報パケットのうち最大のパケット長に合わせ
て冗長パケットを生成する。
【0012】また、本発明の通信システムは、上記冗長
パケット生成手段は、上記最大のパケット長より短い情
報パケットに対して、余りのビットに所定のデータを埋
め込み、最大のパケット長に揃える。
【0013】また、本発明では、好適には、上記情報パ
ケットと上記冗長パケットをそれぞれ別の通信チャネル
で送信する送信手段を有する。
【0014】また、本発明のテレビ会議システムは、所
定の情報データに基づき、情報パケットを生成し、通信
ネットワークを介して送信し、また、上記通信ネットワ
ークを介して送信されてくる情報パケットに応じて、情
報データを再生する端末と、通信ネットワークを介して
複数の上記端末に接続、上記複数の端末から送信されて
くる上記情報パケットを通信制御手段に送信する中継手
段と、上記通信手段は、上記中継手段から送信されてき
た上記パケットの所定の領域に複数の送信先を示す送信
先リストを付加して、上記中継手段に送信する。
【0015】また、本発明のテレビ会議システムでは、
好適には、上記中継手段は、受信した上記パケットにあ
る上記送信先リストにより自分に接続されている端末が
指定されたとき、当該パケットを上記指定された端末に
送信する。
【0016】また、本発明のテレビ会議システムでは、
好適には、上記中継手段は、受信した上記パケットにあ
る上記送信先リストにより自分に接続されている端末が
指定されたとき、当該パケットを上記指定された端末に
送信する。
【0017】また、本発明のテレビ会議システムでは、
好適には、上記中継手段は、受信した上記パケットにあ
る上記送信先リストにより自分に接続されている端末が
指定されていないとき、当該パケットを他の中継手段に
送信する。
【0018】また、本発明のテレビ会議システムでは、
好適には、上記通信制御手段が少なくとも2つ設けら
れ、そのうち何れかの上記通信制御手段が故障したと
き、他の通信制御手段によって上記通信制御を行う。
【0019】また、本発明のテレビ会議システムでは、
好適には、上記端末は、上記情報パケットに基づき、所
定の符号化方式に応じて冗長パケットを生成し、上記情
報パケットとともに上記中継手段に送信する。
【0020】さらに、本発明のテレビ会議システムで
は、好適には、上記通信制御手段は、上記中継手段から
送られてくる上記情報パケットに基づき、所定の符号化
方式に応じて冗長パケットを生成し、上記情報パケット
とともに上記中継手段に送信する。
【0021】
【発明の実施の形態】インターネットにおいて、ルータ
の処理能力を超えたパケットが流れ込むと輻輳が発生す
る。このとき、ルータの受信バッファから溢れ出たパケ
ットは処理されず切り捨てられるので、パケット損失の
原因となる。また、伝送路の通信品質が低下していると
き、伝送途中にパケットに誤りが発生した場合、データ
リンク層において誤りが検出され、そのパケットが廃棄
されることがある。このため、伝送する情報の信頼性を
保証するために、損失したパケットを効率よく回復する
ことが重要である。
【0022】インターネット上のパケット通信に通常利
用されているTCP(TransmissionControl Protocol
)では、ARQ(Automatic Repeat reQuest)による
自動再送方式などで損失したパケットを回復し、信頼性
の向上をはかる。しかし、TCPは確実なデータの伝送
を保証するが、パケット損が発生した場合送信側に損失
したパケットの再送を要求するので、データ転送速度の
低下を招く。特に通信路の品質が低く、パケット損が頻
繁に発生する場合、データ転送速度が著しく低下する。
このため、大量の情報データを高速に伝送するアプリケ
ーションには、TCPの代わりに、UDPを用いる。
【0023】しかし、上述したように、UDPを用いる
ときパケット損失を全く考慮されず、通信品質が保証さ
れない。損失したパケットの回復は上位層のアプリケー
ションに委ねられている。このため、必要に応じてアプ
リケーションが伝送途中で発生したパケット損を検出
し、損失したパケットを回復する処理を行う必要があ
る。そこで、本発明の通信システム及びそれを用いたテ
レビ会議システムにおいて、送信側では、畳み込み符号
化で誤り訂正用冗長パケットを生成し、受信側では、パ
ケット損が検出したとき復号処理を行い、損失したパケ
ットを回復する。これによって、通信の品質を維持しな
がら高速なデータ通信を実現し、インターネットを用い
たテレビ会議システムを実現する。
【0024】以下、本発明の通信システム及びそれを用
いたテレビ会議システムの各実施形態について、図面を
参照しつつ説明する。
【0025】第1実施形態 図1は本発明に係る通信システムの第1の実施形態を示
す構成図である。図示のように、本実施形態の通信シス
テムは、通信ネットワーク110に接続されている複数
のデータ通信装置100−1、100−2によって構成
されている。なお、このデータ通信装置は、例えば、サ
ーバまたは通信端末に組み込まれ、サーバまたは端末の
一構成部分をとして機能する。なお、通信ネットワーク
110は、パケット通信でデータ伝送を行うLAN(Lo
cal Area Network)WAN(Wide Area Network)などあ
らゆる通信ネットワーク、一般的にはインターネットを
意味する。また、図1においてデータ通信装置を2つ示
しているが、多数であってもよい。
【0026】図1に示すように、データ通信装置は、パ
ケット符号化装置10、パケット再生装置20及びネッ
トワークインターフェース30によって構成されてい
る。パケット符号化装置10は、パケット生成部12と
冗長パケット生成部14とによって構成され、パケット
再生装置20は、データ再生部22と、損失パケット回
復部24とによって構成されている。なお、本実施形態
の通信システムにおいて、データ通信装置は、上述した
構成に限られることはなく、他の変形例も考えられる。
例えば、送信のみを行う特殊な場合、一例としてインタ
ーネットを介して画像若しくは音声情報を配信するネッ
ト放送局などのような装置では、パケット符号化装置1
0とネットワークインターフェース30があればよく、
また、受信のみを行う場合、パケット再生装置20とネ
ットワークインターフェース30があればよい。
【0027】以下、パケット符号化装置10及びパケッ
ト再生装置20のそれぞれの構成部分について説明す
る。パケット符号化装置10は、情報パケットに基づき
パケット符号化処理を行う。パケット符号化装置10に
おいて、パケット生成部12は、情報データDS を所定
の長さに区切って情報パケットを生成する。各情報パケ
ットに必要な付加情報からなるヘッダが付加される。ヘ
ッダの内容は、通信プロトコルによって定められた内容
の他に、通信システムによって予め定めた情報を含むこ
とも可能である。例えば、UDPを用いて通信を行う場
合、ヘッダの中にIP(Internet Protocol )ヘッダに
続き、UDPで定められたソースポート、デスティネー
ションポート、パケット長、チェックサムが含まれる。
また、パケットの受信側で元の情報データDS を正しく
再生するためのシーケンス番号も含まれる。こうして生
成された情報パケットは、冗長パケット生成部14によ
って生成される冗長パケットとともにネットワークイン
ターフェース30に送られ、通信ネットワーク110を
介して送信される。
【0028】冗長パケット生成部14は、情報パケット
に応じて、冗長パケットを生成する。上述したように、
本実施形態の通信システムにおいて、畳み込み符号化に
よって冗長パケットを生成する。畳み込み符号化は、所
定の生成行列を用いてもとのデータに基づき所定の論理
演算で冗長符号を生成する方法である。本実施形態の冗
長パケット生成部14では、通信システムによって予め
決められた生成行列で、情報パケットに基づき、例え
ば、ビット毎の排他的論理和演算によって冗長パケット
を生成する。
【0029】図2は、冗長パケットの生成を示す概念図
である。図示のように、ここで、例えば、情報データに
応じてk(k≧1、kは整数である、なお、以下の記号
n、mについて同様とする)個の情報パケットP1,P
2,…,Pkが生成される。そして、k個の情報パケッ
トに基づき、所定の生成行列を用いてn−k個の冗長パ
ケットが生成される。即ち、k個の情報パケットをもと
に、合計n個のパケットが生成される。これらのパケッ
トにそれぞれシーケンス番号が付与され、シーケンス番
号は他の付加情報とともにヘッダに格納されている。こ
うして生成されたn個のパケットがネットワークインタ
ーフェース30によって順次に送信される。
【0030】次に、パケット再生装置20について説明
する。パケット再生装置20において、損失パケット回
復部24は、送信側によって送られた情報パケットの中
に損失があったか否かを検出し、損失パケットがあった
場合、冗長パケット及び他の情報パケットに基づき、損
失パケットを回復する。
【0031】そして、データ再生部22は、受信した情
報パケットを損失パケット回復部24によって回復した
パケットに基づき、もとの情報データを再生する。
【0032】次に、冗長パケット生成部14における冗
長パケットの生成についてさらに詳しく説明する。図3
は、情報パケットに基づき、冗長パケットの生成処理を
示す図である。冗長パケットの生成は、複数の情報パケ
ットからなるパケットグループを単位で、所定の生成行
列を用いた符号化処理によって行われる。
【0033】ここで、n個の情報パケット毎にn−k個
の冗長パケットを生成する例について説明する。図3に
示すように、k個の情報パケットに対して、n−k個の
冗長パケットが生成される。そして、生成されたn個の
パケットが順次送信される。即ち、この場合、パケット
を単位とする符号化率、即ち、情報パケット数/符号化
処理で得たパケット数は、k/nである。符号化率が大
きいほど冗長パケットの数が少なく、パケット伝送の効
率が高くなるが、受信側では損失した情報パケットを回
復する能力が低下する。逆に、符号化率が小さくなる
と、所定の個数の情報パケットに対してより多くの冗長
パケットが生成され、伝送効率が低下するが、受信側で
は損失した情報パケットを回復する能力が向上する。
【0034】次に、冗長パケットを生成するための生成
行列について説明する。生成行列は、k行m+1列の行
列Gである。生成行列の各要素は、1または0の何れか
である。冗長パケットを生成するとき、生成行列の要素
1に対応する情報パケットが、論理演算に用いられ、一
方生成行列の要素0に対応する情報パケットが、論理演
算に利用されない。生成行列の要素数は、冗長パケット
を生成するための拘束長という。例えば、k行m+1列
の生成行列を用いる場合、拘束長はk(m+1)であ
る。図3に示すように、例えば、冗長パケットPKC
は、その直前のk(m+1)個の情報パケットに基づき
生成される。即ち、冗長パケットPKC は、拘束長によ
って決められたk(m+1)個の情報パケットにのみ関
係し、それ以外のパケットには関係しない。
【0035】なお、上述した畳み込み符号化処理は、
(n,k,m)畳み込み符号による畳み込み処理とい
う。即ち、ここで、nは符号化処理によって得られたパ
ケット数、kはもとの情報パケット数、mは生成行列の
列数を表す(生成行列は、m+1列を持つ)。また、m
とkによって、拘束長k(m+1)が決まる。
【0036】ここで、一例として、(3,2,1)畳み
込み符号を用いた畳み込み符号化処理について説明し、
畳み込み符号化処理による冗長パケットの生成及び損失
パケットの回復処理について説明する。この畳み込み符
号化処理に用いられる生成行列は、次式によって与えら
れる。
【0037】
【数1】
【0038】この場合、拘束長は2(1+1)=4であ
る。即ち、冗長パケットは、その直前の4つの情報パケ
ットに基づいて生成される。
【0039】図4は、情報パケット及びそれに基づいて
生成される冗長パケットの一例を示している。図4に示
すように、2つの情報パケット毎に、1つの冗長パケッ
トが生成される。冗長パケットは、その直前の4つの情
報パケットに基づき、式(1)に示す生成行列Gを用い
て、情報パケットのビット毎の排他的論理和演算によっ
て生成される。なお、図4では、情報パケット及び冗長
パケットは、シーケンス番号のみを含むヘッダ部分と8
ビットの有効データのみを有するパケットとして簡略し
て表示されており、実際のパケットと異なる。
【0040】図4において、PK1,PK2,PK4及
びPK5が情報パケットを示し、PK3とPK6が冗長
パケットを示している。なお、冗長パケットPK3は、
パケットPK1,PK2及びその前にある図示しない情
報パケットに基づいて生成されているので、その中身は
特に明記していない。冗長パケットPK6は、情報パケ
ットPK1,PK2,PK4及びPK5に基づいて生成
される。なお、式(1)に示す生成行列Gを用いる場
合、冗長パケットPK6の生成に利用される情報パケッ
トは、情報パケットPK1,PK4及びPK5のみであ
る。生成行列の要素0に対応する情報パケットPK2
は、利用されていない。
【0041】図4に示すように、情報パケットPK6の
各ビットは、情報パケットPK1,PK4及びPK5の
それぞれのビットの排他的論理和として計算される。こ
うして生成された冗長パケットは、情報パケットととも
通信ネットワークを介して送信される。
【0042】次に、図5を参照しつつ、受信側におい
て、上述した情報パケット及びそれらに応じて生成され
た冗長パケットに基づき、伝送経路上で損失したパケッ
トの回復処理について説明する。
【0043】図5は、損失パケットの回復処理を説明す
るための概略図である。図示のように、受信側におい
て、上述した送信側によって符号化したパケットを順次
受信する。ここで、例えば、図4に示す6つのパケット
のうち、情報パケットPK5が伝送途中で損失し、受信
側に送信されなくなるとする。受信側において、受信し
た各パケットのヘッダにあるシーケンス番号に基づき、
情報パケットPK5の損失を検出することができる。
【0044】そして、受信側の損失パケット回復部24
において、受信した他の情報パケット及び冗長パケット
に基づき、損失した情報パケットPK5を回復する。受
信側において、受信したパケットのうち、シーケンス番
号3及び6のパケットPK3及びPK6が冗長パケット
であり、他のパケットが情報パケットであることが既知
である。さらに、冗長パケットPK6が情報パケットP
K1、PK4及び損失した情報パケット5に基づき、式
(1)に示す生成行列Gを用いて生成されたことも事前
に知得している。このため、損失パケット回復部24
は、情報パケットPK1、PK4及び冗長パケットPK
6に基づき、情報パケットPK5を回復できる。
【0045】図5に示すように、冗長パケットPK6
は、情報パケットPK1、PK4及びPK5のビット毎
の排他的論理和演算によって計算されたので、論理演算
によって損失した情報パケットPK5の各ビットを計算
できる。なお、排他的論理和演算の可逆性を考慮すれ
ば、情報パケットPK5は、情報パケットPK1、PK
4及び冗長パケットPK6のビット毎の排他的論理和演
算によって簡単に求めることができる。
【0046】上述したように、本実施形態の通信システ
ムにおいて、送信側のパケット符号化装置10におい
て、情報パケット及び生成行列に基づき畳み込み符号化
によって冗長パケットが生成され、情報パケットと冗長
パケットがともに通信ネットワークを介して送信され
る。そして、受信側のパケット再生装置20において、
情報パケットの損失が検出した場合、他の情報パケット
及び冗長パケット、さらに既知の生成行列に基づいて損
失した情報パケットを回復することができるので、通信
システムの信頼性を改善できる。
【0047】第2実施形態 次に、通信状態に応じて、符号化率、拘束長及び生成行
列などを適応的に制御する本発明の通信システムの第2
の実施形態について説明する。パケット符号化処理及び
損失パケットの回復処理を行う通信システムにおいて、
前述したように、符号化率によって通信効率が変わり、
また損失回復能力も変わる。例えば、符号化率が大きく
設定すれば、通信効率を高く維持できるが、損失パケッ
トを回復する能力が低下する。逆に、符号化率を小さく
設定すれば、通信効率が低下するが、損失パケットの回
復能力が向上する。即ち、通信システムにおいて、通信
効率と損失回復能力がトレードオフ関係にあり、通信路
の状況に応じて、符号化率を最適に制御することで、通
信品質を維持しながら最大の通信効率を実現できる。
【0048】図6は、本発明の第2の実施形態の通信シ
ステムの構成を示すブロック図である。本実施形態のデ
ータ通信装置では、通信路の状況に応じて、符号化率、
拘束長または生成行列を最適に制御する。図6に示すよ
うに、本実施形態の通信システムにおいて、通信ネット
ワーク110を介して互いに通信するデータ通信装置1
00−3と100−4を有し、通信装置100−3と1
00−4との間、通常のパケット通信の他に、符号化率
を最適化するための情報伝達も行われる。
【0049】本実施形態において、データ通信装置10
0−3は、符号化器40、変更部50、モニタ・通知部
60、復号器70及びアプリケーション部80によって
構成されている。また、データ通信装置100−4も同
じ構成を有する。なお、符号化器40は、例えば、図1
に示す本発明の第1の実施形態のデータ通信装置100
−1におけるパケット生成部12と冗長パケット生成部
14の両方を備えているものである。また、復号器70
は、第1の実施形態のデータ通信装置100−1におけ
るデータ再生部22と損失パケット回復部24の両方を
備えている。ただし、本実施形態の符号化器40は、変
更部50によって指示された符号化率、拘束長または生
成行列に基づいて冗長パケットを生成する。
【0050】変更部50は、通信相手のデータ通信装置
100−4のモニタ・通知部60からの通知に基づき、
符号化器40に冗長パケットを生成するための符号化
率、拘束長または生成行列を指示する。なお、生成行列
の指示は、例えば、予め通信システムによって用意され
ている複数の生成行列のうち、識別番号などを用いて所
定のものを指定する。ここで、それぞれの生成行列に識
別番号が予め通信システムによって付与されているもの
とする。また、生成行列が指定されると、それに応じて
拘束長も決まる。
【0051】モニタ・通知部60は、復号器70におけ
るパケットの復号状況に応じて、通信路の通信状態を推
定し、推定結果を通信相手の変更部50に通知する。こ
れによって通信相手の変更部50は、現在の通信路の通
信状態にもっとも適している符号化率または生成行列を
選択するよう、通信相手の変更部50に指示する。
【0052】復号器70は、受信した情報パケット及び
冗長パケットに応じて、パケット損失があるか否かを検
出し、パケット損失があった場合、それを回復する。な
お、損失パケットの回復処理は、上述した第1の実施形
態の損失パケット回復部24の処理と同じである。
【0053】上述したように、本実施形態において、通
信を行う双方の変更部50とモニタ・通知部60との間
に、符号化率を設定する指示が互いに通知される。通信
品質を保証するために、符号化率を設定する指示を通信
相手に確実に伝えなければならないので、通信データが
保証されるTCPを用いて符号化率の設定指示を伝送す
るのが好ましい。
【0054】次に、本実施形態のデータ通信装置におけ
る符号化率の制御について説明する。ここで、データ通
信装置のモニタ・通知部60及び変更部50の動作につ
いて、それぞれフローチャートを参照しつつ説明する。
【0055】図7は、データ通信装置のモニタ・通知部
60の動作を示すフローチャートである。図7に示すよ
うに、まず、モニタ・通知部60において、一定時間内
に回復されなかった情報パケットの数zを復号器70か
ら取得する(ステップSA1)。
【0056】次に、zが0より大きいか否か判定する
(ステップSA2)。zが0より大きい場合、ステップ
SA4の処理を実行する。逆の場合、ステップSA3の
処理に進む。ステップSA4において、符号化率を減少
するように通信相手の変更部50に指示を送信する。即
ち、一定の時間内に回復されなかった情報パケットがあ
った場合、通信路の状態が不良と判断し、通信相手に符
号化率を減少させ、損失パケットの回復能力の向上をは
かる。
【0057】ステップSA3において、一定時間内に、
zが0に保持されているか否かについて判定する。zが
一定時間内に0に保持されている場合、即ち、一定時間
内に復号器70において回復されなかった情報パケット
がなかった。この場合、通信路の状態が良好であると判
定できる。このため、ステップSA5に進み、通信相手
の変更部50に符号化率cを大きく設定する指示を送信
する。これによって、通信相手が符号化率を大きく制御
し、通信の効率化を図ることができる。
【0058】一方、ステップSA3において、一定時間
内に、zが0以外の値になったことがあると判断した場
合、ステップSA1の処理に戻り、次回の判定を行う。
【0059】次に、変更部50における符号化率の制御
について説明する。図8は、変更部50の動作を示すフ
ローチャートである。図示のように、変更部50におい
て、まず、符号化率を予め決められた初期値に設定する
ように符号化器40に指示する(ステップSB1)。こ
れに応じて、符号化器40は、初期の符号化率cを用い
て冗長パケットを生成し、情報パケットとともに通信相
手に送信する。
【0060】次に、通信相手のモニタ・通知部60から
の指示を待つ(ステップSB2)。通信相手から変更の
指示が来るまで、符号化率を変更しない。そして、通信
相手のモニタ・通知部60から符号化率の変更指示を受
けたとき、それに従って符号化率の増減するように符号
化器40に指示する(ステップSB3)。
【0061】上述したように、モニタ・通知部60で
は、一定時間内に復号器70において回復できなかった
情報パケットがあるか否かについて判定する。判定の結
果、一定の時間内に情報パケットがすべて回復できた場
合、通信路の通信状態が良好であると判断し、通信相手
に符号化率を大きい設定するように指示する。これに応
じて、通信相手において符号化率が大きく制御され、伝
送効率が向上する。逆に、一定の時間内に情報パケット
がすべて回復できなかった場合、通信路の状態が良好で
はないと判断し、通信相手に符号化率を小さく設定する
ように指示する。これに応じて、通信相手において符号
化率が小さく制御され、損失パケットの回復能力の向上
が図れる。その代わりに、伝送効率の低下が招かれる。
即ち、本実施形態の通信システムによれば、推定された
通信路の通信状態に基づき、データ伝送効率と損失パケ
ットの回復能力のトレードオフを図り、損失パケットの
回復能力を維持しながら最適な符号化率を制御すること
ができる。
【0062】図9は、本実施形態における符号化率の制
御を説明するための図であり、符号化率の変更に伴って
送信されるパケットの変化を示している。図示のよう
に、まず、情報パケットに対して、3つ毎に冗長パケッ
ト1つが生成される。即ち、パケット符号化率は、3/
4(0.75)に設定されている。次に、符号化率を変
更することによって、情報パケット3つ毎に2つの冗長
パケットが生成される。即ち、符号化率は3/5(0.
60)に変更される。
【0063】図9に示す例では、変更後の符号化率は、
変更前より低くなるが、同じ数の情報パケットに対し
て、生成される冗長パケットの数が多くなる。このた
め、この符号化率の変更によって、通信効率が低下する
が、受信側において損失パケットの回復能力が高くな
る。
【0064】前述のように伝送路の状況に応じて、パケ
ット損失が発生する確立が変化するので、伝送路の状況
に応じてパケットの符号化率を最適に設定する必要があ
る。なお、伝送路の状況は、例えば、図7に示す処理例
では、受信側の復号部において一定の時間内に回復され
なかったパケットの数zに基づいて推定することができ
る。図7の例では、例えば、受信側のモニタ・通知部7
0において、一定時間内に回復できなかった情報パケッ
トが存在し、通信路の通信状態が良好ではないと判断し
た場合、送信側の変更部50に対して、符号化率を減少
する指示を送信する。これに応じて、送信側の変更部5
0が符号化部40に符号化率を低減する指示を送信し、
符号化率が低く設定される。このため、受信側におい
て、損失パケットの回復能力が改善されるので、通信の
品質を維持できる。
【0065】次に、本実施形態の通信システムにおける
拘束長または生成行列の最適な制御について説明する。
本実施形態において、通信路の状態において、送信側に
冗長パケットを生成するときの拘束長または生成行列を
適応的に制御することによって、損失パケットの回復能
力を維持しながら、伝送効率を高く保持できる。
【0066】拘束長または生成行列の制御は、図6に示
す構成のデータ通信装置100−3及び100−4によ
って実現できる。ただし、ここで、モニタ・通知部60
及び変更部50の処理が異なる。また、符号化器40
は、変更部50からの指示に従って、冗長パケットを生
成するための拘束長を変更し、または冗長パケットの生
成し利用する生成行列を変更する。
【0067】以下、図10と図11を参照しつつ、モニ
タ・通知部及び変更部の処理についてそれぞれ説明す
る。図10は、モニタ・通知部60の処理を示すフロー
チャートである。図示のように、まず、一定時間内に送
信された情報パケット数w、損失した情報パケット数x
及び回復されなかった情報パケット数zをそれぞれ復号
器より取得する(ステップSC1)。
【0068】次に、p’=x/wに基づき、p’を計算
する(ステップSC2)。
【0069】そして、通信相手に計算したp’及び一定
時間内に回復されなかったパケット数zが通知される
(ステップSC3)。
【0070】図11は、通信相手の変更部50の処理に
を示すフローチャートである。図示のように、まず、変
更部50は符号化器40に対して最初に使用する生成行
列を指示する(ステップSD1)。ここで、例えば、そ
れぞれ識別番号が付与された複数の生成行列が予め通信
システムによって決まり、それぞれの生成行列及びそれ
に関連付けられた識別番号が通信を行う双方のデータ通
信装置に通知され、それぞれのデータ通信装置の、例え
ば符号化器40または変更部50にこれらの情報が記憶
されている。このため、変更部50は、識別番号を符号
化器40に指示すれば、符号化器40は所望の生成行列
を用いて冗長パケットを生成することができる。
【0071】次に、変更部50は、通信相手からの指示
を待つ(ステップSD2)。変更指示が受信するまでに
現在使用中の生成行列がそのまま使用される。
【0072】次に、通信相手からp’及び一定の時間内
に回復されなかったパケット数zを受信したとき、これ
らの情報に基づき最適な生成行列を求める(ステップS
D3)。そして、求められた最適な生成行列を符号化器
40に指示する。
【0073】上述したモニタ・通知部60及び変更部5
0の処理によって、受信側に一定の時間内に損失したパ
ケット数xと送信された情報パケット数wとの比p’及
び回復されなかった情報パケット数zが取得され、送信
側に送られる。送信側の変更部50では、これらの情報
を元に、最適な生成行列が求められる。そして、この最
適な生成行列が符号化器40に指示されるので、符号化
40では、最適な生成行列に基づき冗長パケットが生成
される。なお、変更部50では、例えば、p’及びzの
値が大きくなると、受信側において損失回復能力が向上
する生成行列を使用し、逆に、p’及びzの値が小さく
なると、損失回復能力より伝送効率を重視する生成行列
を使用する原則に基づき最適な生成行列を導出する。
【0074】また、最適な生成行列を制御する以外に、
拘束長を制御することも可能である。拘束長が長くなる
につれ、生成される冗長パケットに関わる情報パケット
の数が増え、受信側では損失パケットの回復能力が向上
するが、冗長パケットを生成するための演算量が増える
ので、処理負荷が増加する。このため、変更部50で
は、受信側から送られてきたp’及びzの値に応じて、
拘束長を適宜制御することで損失パケットの回復能力及
び処理負荷を最適に制御できる。
【0075】図12は、本実施形態の通信システムにお
ける拘束長の制御を示す図である。図示のように、ま
ず、拘束長が4の符号化処理で冗長パケットが生成され
る。即ち、このとき、冗長パケットを生成するため、そ
の直前の4つの情報パケットが利用される。次に、拘束
長が7に変更される。即ち、情報パケットを生成するた
めにその直前の7つの情報パケットが利用される。拘束
長を長くすることによって、受信側において損失パケッ
トを回復する能力が向上する一方、符号化器の処理負担
が増加する。このため、本実施形態の通信システムにお
いて、通信路の通信状態に応じて、拘束長を最適に制御
する。なお、拘束長は符号化に用いられる生成行列によ
って決まる。このため、生成行列を最適に制御すること
で、拘束長もそれに応じて変化する。
【0076】以上説明したように、本実施形態の通信シ
ステムにおいて、受信側において復号処理に係る情報パ
ケットの損失及び回復状況に応じて、通信路の状態を推
定でき、そして、推定結果に応じて送信側に変更指示を
送信する。これに応じて、送信側では、変更指示に従っ
て符号化率、拘束長または生成行列を適宜変更し、冗長
パケットを生成するので、通信路の状況に応じて常に最
適な符号化処理に基づき冗長パケットを生成することが
できる。これによって、通信路の状態にかかわらず、通
信品質を一定に保ちながら、最大な伝送効率を実現でき
る。
【0077】第3実施形態 図13は、本発明に係る通信システムの第3の実施形態
を示す構成図である。なお、図13において、通信シス
テムを構成するデータ通信装置100−5のみを示して
いる。本実施形態の通信システムには、データ通信装置
100−5が複数あってもよい。図13に示すように、
本実施形態のデータ通信装置100−5は、符号化器4
0、復号器70及びアプリケーション部80によって構
成されている。
【0078】本実施形態のデータ通信装置100−5に
おいて、符号化器40は、復号器70における情報パケ
ットの再生状況に応じて、自分の符号化率、拘束長また
は生成行列を適応的に変更する。データ通信装置100
−5が通信ネットワークを介して、相手と通信を行うと
き、通信相手と同じ通信経路で情報の授受を行う。この
ため、相手から送信されてきた情報の受信状況に応じ
て、通信路の通信状態を推定できる。このため、本実施
形態のデータ通信装置100−5において、復号器70
における情報パケットの再生状況、例えば、一定の時間
内に損失した情報パケットの数、回復されなかった情報
パケットの数などに応じて、通信路の通信状態を推定
し、推定結果に応じて符号化器40の符号化率、生成行
列を最適に制御する。これによって、上述した本発明の
第2の実施形態のように、通信相手により受信した情報
パケットの再生状況に応じて通信路の状況を推定し、そ
れに応じて最適な符号化率または生成行列の指示を受け
る制御方法に較べて、各データ通信装置は、それぞれ独
立に通信路の通信状態を推定でき、最適化処理がより簡
単に実現できる。さらに、制御情報を双方の間で伝送す
るためのTCPコネクションを必要とせず、リソースの
節約にも有効である。
【0079】図14と図15は、本実施形態のデータ通
信装置100−5における符号化率及び生成行列の変更
制御を示すフローチャートである。以下、これらのフロ
ーチャートを参照しつつ、本実施形態のデータ通信装置
100−5の動作について説明する。
【0080】図14は、図示のように、符号化器40
は、まず、符号化率cを初期値設定する(ステップSE
1)。次に、符号化器40は、一定の時間内に、送信さ
れたはずの情報パケット数w、損失した情報パケット数
x、受信した冗長パケット数y、並びに回復されなかっ
た情報パケット数zを復号器70より取得する(ステッ
プSE2)。なお、送信されたはずの情報パケット数w
は、例えば、実際に受信した情報パケット数と損失した
情報パケット数xとの合計値により推定される。
【0081】符号化器40は、取得した情報に基づき、
c’とp’を次のように計算する(ステップSE3)。
【0082】
【数2】 c’=w/(w+y) …(2)
【0083】
【数3】 p’=x/w …(3)
【0084】即ち、c’は、一定の時間内に通信相手か
ら送信されたはずの情報パケット数wとこの情報パケッ
ト数wと受信した冗長パケット数yとの合計値との比で
ある。この比は、測定期間中の実際の符号化率である。
また、p’は、送信されたはずの情報パケット数wに対
し、回復されなかった情報パケット数zが占める割合、
即ち、情報パケットの損失率を意味する。
【0085】次に、一定時間内に回復されなかった情報
パケット数zが0より大きいか否かについて判定する
(ステップSE4)。zが0より大きい場合、ステップ
SE9の処理に進み、p’に従って符号化率cを減少さ
せる。一方、zが0以下の場合、ステップSE5の処理
に進む。
【0086】ステップSE5において、計算された符号
化率c’と現在使用されている符号化率cとを比較す
る。比較の結果、c’がcより大きい場合、ステップS
E8の処理に進み、計算された符号化率c’を用いて、
符号化処理、即ち冗長パケットの生成を行う。一方、比
較の結果、c’がc以下の場合、ステップSE6の処理
に進む。
【0087】ステップSE6において、符号化率cを変
更してから一定時間経過したか否かを判定する。判定の
結果、符号化率を変更してから一定時間を経過した場
合、ステップSE7の処理に進み、符号化率cを増加さ
せる。逆に、符号化率の変更から一定時間を経過してい
ない場合、ステップSE2の処理に戻り、上述した処理
を繰り返す。
【0088】上述した処理によって、符号化器40は、
復号器70における情報パケットの再生状況に応じて符
号化率cを最適に制御できる。例えば、一定時間内に回
復されなかった情報パケットが存在した場合、計算した
情報パケットの損失率p’に従って符号化率cが適宜設
定される。このとき、損失率p’が大きいほど、通信路
の通信状態がよくないと推定できるので、符号化率cを
低く設定し、受信側において損失した情報パケットの回
復能力の向上を図る。また、計算した符号化率c’と実
際に使用されている符号化率cとを比較し、当該比較結
果に従って、最適な符号化率cを設定できる。
【0089】次に、図15に示すフローチャートを参照
しつつ、本実施形態のデータ通信装置における生成行列
の制御について説明する。図15に示すように、まず、
符号化器40において、最初に使用される生成行列につ
いて初期設定を行う(ステップSF1)。なお、初期符
号化行列は、例えば、通信システムによって予め決めら
れた複数の生成行列から適宜選択される。
【0090】次に、一定の時間内に送信されたはずの情
報パケット数w、損失した情報パケット数x、及び回復
されなかった情報パケット数zについて、復号器70か
ら取得する(ステップSF2)。
【0091】そして、取得した情報に基づき、p’=x
/wを計算する(ステップSF3)。なお、算出された
p’は、上述したように、一定の時間内に送信された情
報パケットの総数wに対し、損失した情報パケット数x
の割合、即ち情報パケットの損失率を示す。
【0092】次いで、算出されたp’及び回復されなか
った情報パケット数zに応じて、最適な生成行列を求め
る。例えば、情報パケットの損失率p’が大きくなり、
または回復されなかった情報パケット数zが大きくなる
場合、通信路の通信状態がよくないと推定できるので、
損失した情報パケットの回復能力を向上できる生成行列
が選択される。その逆の場合、即ち通信路の状況が良好
と推定した場合、通信効率の向上が図れる生成行列が選
択される。
【0093】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、データ通信装置において、復号器70における情報
パケットの復号状況に応じて通信路の通信状態を推定
し、推定結果に従って、符号化器40における符号化
率、拘束長または生成行列を最適に制御される。これに
よって、通信する双方のデータ通信装置の間で互いに相
手に変更指示を伝送する必要がなく、通信システムの構
成を簡単にでき、リソースの節約が図れる。
【0094】第4実施形態 図16は本発明に係る通信システムの第4の実施形態を
示す構成図である。本実施形態の通信システムにおいて
は、異なる種類の情報データをそれぞれ異なる符号化率
で符号化し、伝送する。図16に示すように、本実施形
態の通信システムを構成するデータ通信装置100−6
は、エンコーダ40−1,40−2及びアプリケーショ
ン部80によって構成されている。なお、本実施形態の
データ通信装置100−6は、例えば、ゲートキーパと
呼ばれる通信ネットワーク上でデータ通信の機能を有す
る装置である。
【0095】エンコーダ40−1及び40−2は、それ
ぞれアプリケーション部80からの情報データを符号化
する。そして、符号化した情報パケットを通信ネットワ
ークを介して通信相手のデータ通信装置に送信する。ア
プリケーション部80は、例えば、ルーティング機能を
有する機能ブロックであり、それぞれの入力手段によっ
て入力された異なる種類の情報データを取得し、エンコ
ーダ40−1または40−2に出力する。
【0096】本実施形態のデータ通信装置100−6に
おいて、例えば、エンコーダ40−1に入力される情報
データは画像(ビデオ)信号に応じて生成したビデオデ
ータの情報パケットであり、エンコーダ40−2に入力
される情報データは音声信号に応じて生成した音声デー
タの情報パケットである。エンコーダ40−1と40−
2は、これらの異なる種類の情報データに対してそれぞ
れ異なる符号化率で符号化処理を行い、情報パケットの
他に冗長パケットを生成し、通信相手側に送信される。
【0097】本実施形態によれば、異なる種類の情報デ
ータに対してそれぞれその情報データの特性に適してい
る符号化率で符号化処理を行うことで、それぞれの情報
データが希望とおりの伝送特性、例えば、伝送速度及び
損失パケットの回復率で通信を行うことができる。
【0098】第5実施形態 図17は本発明に係る通信システムの第5の実施形態を
示す構成図である。図示のように、本実施形態の通信シ
ステムにおいて、データ通信装置は情報パケットと冗長
パケットをそれぞれ異なる通信チャネルで伝送する。
【0099】図17(a)に示すように、通常ゲートキ
ーパは1つの通信ポート(PortX)を用いて、情報
パケット及びそれに基づき生成した冗長パケットを順次
に送信する。しかし、本実施形態の通信システムでは、
同図(b)に示すように、ゲートキーパは、2つの通信
ポートPortXとYを用いて、PortXは、例え
ば、情報パケットの通信に利用され、PortYは、冗
長パケットの通信に利用される。このため、PortX
から情報パケットのみが伝送され、PortYからは、
冗長パケットのみが伝送される。
【0100】本実施形態のように、情報パケットと冗長
パケットをそれぞれ異なる通信ポートと伝送することに
よって、パケット符号化を行う通信方式に対応していな
いデータ通信装置でも情報パケットを受信することがで
きる。この場合、対応していないデータ通信装置におい
て、1つの通信ポートを用いて、図17(b)に示すP
ortXから送信されてくる情報パケットを受信すれば
よい。なお、この場合、冗長パケットを受信できないの
で、伝送途中で損失した情報パケットを回復することが
できなくなる。即ち、本実施形態の通信システムによれ
ば、パケット符号化処理に対応していないデータ通信装
置でも情報パケットを受信することが可能である。この
場合、通信路の通信状態によって損失した情報パケット
が回復できず、通信の品質が低下するが、データ通信装
置の種類に制限されることなく、パケット符号化による
データ通信を一般的に利用可能である。
【0101】第6実施形態 図18は本発明に係る通信システムの第6の実施形態を
示す図である。本実施形態の通信システムのデータ通信
装置は、可変長パケットに対応することができる。
【0102】図18に示すように、可変長パケットに対
して符号化する場合、それぞれの情報パケットの長さが
異なるため、前述した符号化方式では対処できなくな
る。そこで、本実施形態のデータ通信装置において、符
号化対象となる情報パケットの最大長に応じて、冗長パ
ケットを生成する。
【0103】図示のように、ペイロード長の異なる複数
の情報パケットが符号化対象となる場合、これらの情報
パケットのうち、もっともペイロード長が大きい情報パ
ケットに合わせて冗長パケットが生成される。即ち、冗
長パケットの長さが情報パケットの最大長に等しくな
る。この場合、短い情報パケットにおいて、余りの部分
に所定のデータ、例えば、0で埋める。なお、各情報パ
ケットが送信する場合、それぞれのペイロードの有効な
部分のみが送信される。
【0104】受信側では、冗長パケット及び他の情報パ
ケットを用いて、損失した情報パケットを回復する。こ
の場合、受信した他の情報パケットに対して、最大長に
合わせて長さの足りない部分に送信側の符号化処理時と
同じデータを埋め込み、損失情報パケットを回復する。
【0105】本実施形態の通信システムによれば、符号
化対象となる情報パケットの最大長に合わせて冗長パケ
ットを生成するので、可変長情報パケットを用いたパケ
ット通信の場合にもパケット符号化を適用でき、可変長
パケット通信の信頼性を改善できる。
【0106】第7実施形態 図19は本発明に係る通信システムの第7の実施形態を
示す構成図である。本実施形態の通信システムは、例え
ば、テレビ会議システムに適用する場合を考慮して、X
キャスト(Xcast)を行うために通常の情報パケッ
トに、Xキャストヘッダを付加して情報パケット送信を
行う。
【0107】図19(a)の場合、UDPヘッダとペイ
ロードとの間にXキャストヘッダが付加される。また、
同図(b)の場合、RTPヘッダ拡張部分に付加され
る。なお、以下の記述において、Xキャストヘッダを付
加した情報パケットをXキャストパケットと表記する。
【0108】図19(a)に示す場合、Xキャストヘッ
ダが付加されていない通常の情報パケットとの区別方法
がないため、通信する双方のデータ通信装置が、Xキャ
ストパケットを用いて通信を行うことが予め分かってい
る場合に利用可能である。また、図19(b)に示す場
合では、この制限を受けない。RTPアプリケーション
は、対応してないRTPヘッダ拡張を無視するので、図
19(b)に示すように、RTPヘッダ拡張にXキャス
トを付加しても、これを識別できない通信装置では、R
TPヘッダ拡張が無視されるので、ペイロードを正しく
処理することができる。
【0109】次に、Xキャストヘッダについて図20を
参照して説明する。Xキャストヘッダは、図20(a)
に示すように、原則的にInternetDraftで
定義されたXcast4の形式が用いられる。その中
に、目標リスト(Destination List)領域は、図20
(b)に示すように決められている。その中に、BIT
MAP領域は、Xcast4ヘッダと同等であり、CA
LLIDENTIFIER LISTは、受信者端末が
含まれる呼の識別子リストからなる。
【0110】以下、上述したXキャストパケットによる
多地点間のデータ通信について説明する。なお、この多
地点間データ通信は、例えば、複数の参加者がインター
フェースを介して行われるテレビ会議システムなどに適
用できる。
【0111】図21は、通常の多地点通信システムの一
構成例を示している。図示のように、この多地点通信シ
ステムは、多地点制御装置120、ゲートキーパ140
−1,140−2、及び複数の端末160−1,160
−2,160−3と160−4によって構成されてい
る。
【0112】多地点制御装置120は、通信システム全
体の情報の流れを制御する。多地点制御装置120に
は、例えば、通信システムの利用者、テレビ会議システ
ムの場合、会議の参加者の端末から送信される映像・音
声信号を合成し、単一の映像・音声信号を出力する。こ
こで出力される映像・音声信号を元に、Xキャストパケ
ットが形成される。Xキャストパケットには、すべての
受信端末の呼識別子のリストが含まれる。
【0113】ゲートキーパ140−1と140−2に
は、予め次のゲートキーパが設定されている。ゲートキ
ーパ140−1と140−2は、受信したXキャストパ
ケット中の受信者リストを走査し、それに自分に接続さ
れている端末があれば、パケットからXキャストヘッダ
を取り除き、通常のユニキャストパケットとして、その
端末に送信する。それ以外の場合、受信者リストを再構
築して、次のゲートキーパに送信する。そして、次のゲ
ートキーパが存在しない場合、受信パケットを無視す
る。
【0114】例えば、ゲートキーパ140−1は、端末
160−2及び160−2からの情報パケットを受け取
り、多地点制御装置120に送信する。また、ゲートキ
ーパ140−1は多地点制御装置120または次のゲー
トキーパ140−2からXキャストパケットを受信した
場合、上述したように、そのパケットのXキャストヘッ
ダの受信端末リストを走査し、端末160−1または1
60−2が含まれている場合、そのパケットからXキャ
ストヘッダを取り除いたパケットを受信端末リストによ
って指定された端末160−1または160−2に送信
する。なお、ゲートキーパ140−2もゲートキーパ1
40−1とほぼ同じように受信パケットを処理する。
【0115】図21に示す多地点通信システムにおい
て、多地点制御装置120が1つのみ含まれている。こ
のため、多地点制御装置120とそれに接続されている
ゲートキーパ140−1との間にすべてのパケットが送
受信され、トラフィックが集中してしまう。これによっ
て、情報伝送効率が低下し、また、ゲートキーパ140
−1の負荷が過剰に増加する。
【0116】このため、通信システム全体におけるトラ
フィックを分散させ、情報伝送の効率化を図るために、
複数の多地点制御装置を用いる多地点通信システムの方
が有利である。
【0117】図22は、多地点制御装置が分散して配置
された多地点通信システムの一構成例を示している。図
示のように、この多地点通信システムは、多地点制御装
置(以下、MCUと表記する)120−1,120−
2、ゲートキーパ140−1,140−2、及び複数の
端末160−1,160−2,160−3,160−4
と160−5によって構成されている。
【0118】MCU120−1は、ゲートキーパ140
−1に接続され、MCU120−2は、ゲートキーパ1
40−2に接続されている。また、ゲートキーパ140
−1に、端末160−1と160−2が接続され、ゲー
トキーパ140−2には、端末160−3、160−4
と160−5が接続されている。
【0119】本実施形態の多地点通信システムにおい
て、MCU120−1,120−2は、図21に示す多
地点通信システムにおける多地点制御装置120と同じ
ように機能する。また、ゲートキーパ140−1と14
0−2も図21に示すゲートキーパと同じように機能す
る。
【0120】ただし、本例の多地点通信システムにおい
て、ゲートキーパ140−2に端末160−3、160
−4と160−5の他に、MCU120−2が接続され
ている。このため、ゲートキーパ140−2は、端末1
60−3、160−4と160−5から受信したパケッ
トをゲートキーパ140−1を経由してMCU120−
1に送信せず、直接MCU120−2に受信したパケッ
トを送信する。MCU120−2において、ゲートキー
パ140−2から送られてきたパケットを処理し、Xキ
ャストパケットを生成し、Xキャストヘッダにすべての
受信端末の呼識別子のリストを付加して、ゲートキーパ
140−2を介して他のゲートキーパに送信する。
【0121】各ゲートキーパにおいて、他のゲートキー
パから送られてきたXキャストパケットの受信者リスト
を走査し、自分に接続されている端末が含まれている場
合、Xキャストヘッダを取り除いて、ユニキャストのパ
ケットを生成し、その端末に送信する。それ以外の場
合、受信したXキャストパケットを次のゲートキーパま
たは他のMCUに送信する。
【0122】以上説明したように、本実施形態の多地点
通信システムによれば、Xキャストパケットを生成し、
その中にすべての受信端末の呼識別子リストを埋め込む
ことによって、ゲートキーパによって自分に接続されて
いる端末が指定された場合、Xキャストパケットをユニ
キャストパケットに変換し、指定された端末に送信す
る。Xキャストパケットが複数のゲートキーパによって
次々と伝送されるので、通信システムにおいて指定され
たすべての端末に情報データを伝送できる。また、多地
点通信システムに複数の多地点制御装置を設けることに
よって、例えば、図23に示すように、1つのMCUが
故障した場合、残りのMCUによってXキャストパケッ
トを生成することができ、システムの信頼性を保証でき
る。
【0123】なお、本実施形態のXキャストパケットに
は、上述したパケット符号化処理を適用できることはい
うまでもない。例えば、各端末において、情報パケット
に応じてパケット符号化処理により冗長パケットを生成
し、情報パケットとともにゲートキーパに送信する。ま
た、各MCUにおいて、ゲートキーパを介して各端末か
ら受信した情報データを元にXキャストパケットを生成
するとともに、冗長のXキャストパケットも生成する。
そして、Xキャストパケットとそれに応じて生成された
冗長パケットをゲートキーパを介して送信する。このた
め、ゲートキーパは、Xキャストパケットからユニキャ
ストパケットを生成するとともに、冗長のユニキャスト
も生成し、指定された端末に送信する。このため、パケ
ットを受信した端末おいて、有効な情報を含む情報パケ
ットと冗長パケットに基づき、損失した情報パケットを
回復する。これによって、多地点通信システムにおいて
通信品質の改善を実現できる。
【0124】第8実施形態 図24は本発明に係る通信システムの第8の実施形態を
示す構成図である。なお、上述した本発明の各実施形態
におけるパケット符号化処理は、ソフトウェアまたはハ
ードウェアによって実現できる。そこで、本実施形態で
は、上述したパケット符号化処理を専用のハードウェア
によって行うためのパケットフォーマットなどを与え
る。
【0125】パケット符号化処理をハードウェアによっ
て行う一つの方法に、図24(a)に示すように、プロ
トコルスタックに新たに畳み込み層を定義する。畳み込
み層をハードウェアによって実装する。この場合、図2
4(b)に示すように、Ethernetヘッダの中に
プロトコルとして、独自の番号を定義する。また、ペイ
ロードはIPヘッダ及びデータグラム、または畳み込み
符号により生成された冗長なデータとなる。畳み込みヘ
ッダには、パケットの順番を示すシーケンス番号、情報
/冗長パケットの区別を示す識別情報、さらに上位層の
情報なども含まれる。
【0126】本実施形態によれば、パケット符号化処理
は、ソフトウェアの代わりにハードウェアによって実現
できるので、符号化処理の高速化を実現できる。ハード
ウェア化したパケット符号化装置を通信システム、特
に、テレビ会議など高速なデータ伝送を必要とする通信
システムに適用することで、通信品質、応答特性などの
を大幅に改善できる。
【0127】第9実施形態 図25は本発明に係る通信システムの第9の実施形態を
示す構成図である。本実施形態の通信システムは、パケ
ット符号化処理をガロア体に拡張する。この場合、パケ
ットをガロア体上の複数のシンボルの連結したものと見
なされる。即ち、パケット中各qビットをGF(2q
上の元と見なされる。また、各qビット毎に冗長qビッ
トが生成され、これに基づき冗長パケットが生成され
る。また、生成行列の係数もGF(2q )上の元とす
る。ここで、qは1より大きく、パケットのビット長よ
り小さい整数である。
【0128】図25に示すように、情報パケットに基づ
き、ガロア体上で形成された冗長パケットとともに、パ
ケットデータを構成する。
【0129】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の通信装
置、通信システム及びそれを用いたテレビ会議システム
によれば、情報パケットに対して所定の符号化方式でパ
ケット符号化処理を行い、情報パケットに基づき冗長パ
ケットが生成され、情報パケットと冗長パケットがとも
に通信ネットワーク上で伝送される。伝送路の途中で情
報パケットの損失が発生した場合、受信側において受信
した冗長パケット及び他の情報パケットに基づき、損失
した情報パケットを回復できる。これによって通信装置
に簡単な構成を追加することにより通信品質の改善を実
現できる。また、本発明によれば、テレビ会議システム
などのような多地点通信システムにおいて、多地点制御
装置を分散して配置することによって、トラフィックの
集中を回避でき、通信システムの信頼性を保証できる。
さらに、本発明によれば、パケット符号化処理をハード
ウェアによって実施することで、高品質かつ高速な通信
システム及びテレビ会議システムを実現できる利点があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る通信システムの第1の実施形態を
示す構成図である。
【図2】パケット符号化における冗長パケットの生成を
示す概念図である。
【図3】情報パケットに基づき冗長パケットの生成処理
を示す図である。
【図4】情報パケット及びそれに基づいて生成される冗
長パケットの一例を示す図である。
【図5】損失パケットの回復処理を説明するための概略
図である。
【図6】本発明に係る通信システムの第2の実施形態を
示す構成図である。
【図7】データ通信装置のモニタ・通知部の処理を示す
フローチャートである。
【図8】変更部の処理を示すフローチャートである。
【図9】本実施形態における符号化率の変化を示す図で
ある。
【図10】モニタ・通知部の処理を示すフローチャート
である。
【図11】変更部の処理にを示すフローチャートであ
る。
【図12】本実施形態の通信システムにおける拘束長の
制御を示す図である。
【図13】本発明に係る通信システムの第3の実施形態
を示す構成図である。
【図14】本実施形態のデータ通信装置における符号化
率の変更制御を示すフローチャートである。
【図15】本実施形態のデータ通信装置における生成行
列の変更制御を示すフローチャートである。
【図16】本発明に係る通信システムの第4の実施形態
を示す構成図である。
【図17】本発明に係る通信システムの第5の実施形態
を示す構成図である。
【図18】本発明に係る通信システムの第6の実施形態
を示す構成図である。
【図19】本発明に係る通信システムの第7の実施形態
を示す構成図である。
【図20】Xキャストヘッダを示す図である。
【図21】多地点通信システムの一例を示す構成図であ
る。
【図22】多地点制御装置が分散して配置された多地点
通信システムの一例を示す構成図である。
【図23】多地点制御装置が分散して配置された多地点
通信システムにおける故障の状況を示す図である。
【図24】本発明に係る通信システムの第8の実施形態
を示す構成図である。
【図25】本発明に係る通信システムの第9の実施形態
を示す構成図である。
【符号の説明】 10…パケット符号化装置、20…パケット再生装置、
120,120−1,120−2…多地点制御装置(M
CU)、140−1,140−2…ゲートキーパ、16
0−1,160−2,160−3,160−4,160
−5…端末。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大原 衛 東京都八王子市南大沢1丁目1番地 東京 都立大学内 (72)発明者 鈴木 龍 東京都八王子市南大沢1丁目1番地 東京 都立大学内 (72)発明者 福本 聡 東京都八王子市南大沢1丁目1番地 東京 都立大学内 (72)発明者 岩崎 一彦 東京都八王子市南大沢1丁目1番地 東京 都立大学内 Fターム(参考) 5C064 AA02 AB04 AD08 AD09 AD14 AD16 5K014 BA10 CA02 FA11 5K015 AB01 JA04 JA05

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】送信される情報パケットに応じて、所定の
    符号化方式により冗長パケットを生成する冗長パケット
    生成手段と、 受信パケットにパケット損失が検出されたとき、上記符
    号化方式に対応した回復方法で受信した上記冗長パケッ
    ト及び情報パケットに基づき、上記損失したパケットを
    回復するパケット回復手段とを有する通信装置。
  2. 【請求項2】上記冗長パケット生成手段は、上記パケッ
    ト損失の発生状況に応じて、符号化率を制御して、上記
    冗長パケットを生成する請求項1記載の通信装置。
  3. 【請求項3】上記冗長パケット生成手段は、上記パケッ
    ト損失の発生状況に応じて、符号化処理に用いる生成行
    列を変えて、上記冗長パケットを生成する請求項1記載
    の通信装置。
  4. 【請求項4】上記冗長パケット生成手段は、上記パケッ
    ト損失の発生状況に応じて、符号化処理の拘束長を変え
    て、上記冗長パケットを生成する請求項1記載の通信装
    置。
  5. 【請求項5】上記冗長パケット生成手段は、送信される
    異なる種類の情報データに対して、異なる符号化率を設
    定して、符号化処理を行う請求項1記載の通信装置。
  6. 【請求項6】上記冗長パケット生成手段は、可変長パケ
    ットに対して、符号化対象となる情報パケットのうち最
    大のパケット長に合わせて冗長パケットを生成する請求
    項1記載の通信装置。
  7. 【請求項7】上記冗長パケット生成手段は、上記最大の
    パケット長より短い情報パケットに対して、余りのビッ
    トに所定のデータを埋め込み、最大のパケット長に揃え
    る請求項6記載の通信装置。
  8. 【請求項8】上記情報パケットと上記冗長パケットをそ
    れぞれ別の通信チャネルで送信する送信手段を有する請
    求項1記載の通信装置。
  9. 【請求項9】上記情報パケット及び冗長パケットからな
    るUDPパケットにおいて、複数の送信先を含む送信先
    リストをUDPヘッダの直後に付加する制御手段を有す
    る請求項1記載の通信装置。
  10. 【請求項10】上記情報パケット及び冗長パケットから
    なるUDPパケットにおいて、複数の送信先を含む送信
    先リストをRTPヘッダの拡張部分に付加する制御手段
    を有する請求項1記載の通信装置。
  11. 【請求項11】上記情報パケット生成手段における符号
    化処理は、ハードウェアによって実行される請求項1記
    載の通信装置。
  12. 【請求項12】上記冗長パケット生成手段は、パケット
    をガロア体上の複数のシンボルの連結したものと見なし
    て符号化する請求項1記載の通信装置。
  13. 【請求項13】送信される情報パケットに応じて、所定
    の符号化方式により冗長パケットを生成する冗長パケッ
    ト生成手段と、 受信パケットにパケット損失が検出されたとき、上記符
    号化方式に対応した回復方法で上記冗長パケット及び情
    報パケットに基づき、上記損失したパケットを回復する
    パケット回復手段とを有する通信装置を用いて、通信ネ
    ットワークを介して上記情報パケット及び冗長パケット
    を伝送する通信システム。
  14. 【請求項14】複数の上記通信装置に接続され、各通信
    装置によって送信されたパケットに複数の送信先を指示
    する送信先リストを付加して、パケットの送信先を制御
    する通信制御手段を有する請求項13記載の通信システ
    ム。
  15. 【請求項15】上記パケットに含まれる上記送信先リス
    トをもとに上記パケットを複数の通信装置に伝送する中
    継手段を有する請求項14記載の通信システム。
  16. 【請求項16】上記通信制御手段が少なくとも2つ設け
    られ、そのうち何れかの上記通信制御手段が故障したと
    き、他の通信制御手段によって上記通信制御を行う請求
    項14記載の通信システム。
  17. 【請求項17】所定の情報データに基づき、情報パケッ
    トを生成し、通信ネットワークを介して送信し、また、
    上記通信ネットワークを介して送信されてくる情報パケ
    ットに応じて、情報データを再生する端末と、 通信ネットワークを介して複数の上記端末に接続、上記
    複数の端末から送信されてくる上記情報パケットを通信
    制御手段に送信する中継手段と、 上記通信手段は、上記中継手段から送信されてきた上記
    パケットの所定の領域に複数の送信先を示す送信先リス
    トを付加して、上記中継手段に送信するテレビ会議シス
    テム。
  18. 【請求項18】上記中継手段は、受信した上記パケット
    にある上記送信先リストにより自分に接続されている端
    末が指定されたとき、当該パケットを上記指定された端
    末に送信する請求項17記載のテレビ会議システム。
  19. 【請求項19】上記中継手段は、受信した上記パケット
    にある上記送信先リストにより自分に接続されている端
    末が指定されていないとき、当該パケットを他の中継手
    段に送信する請求項17記載のテレビ会議システム。
  20. 【請求項20】上記通信制御手段が少なくとも2つ設け
    られ、そのうち何れかの上記通信制御手段が故障したと
    き、他の通信制御手段によって上記通信制御を行う請求
    項17記載のテレビ会議システム。
  21. 【請求項21】上記端末は、上記情報パケットに基づ
    き、所定の符号化方式に応じて冗長パケットを生成し、
    上記情報パケットとともに上記中継手段に送信する請求
    項17記載のテレビ会議システム。
  22. 【請求項22】上記通信制御手段は、上記中継手段から
    送られてくる上記情報パケットに基づき、所定の符号化
    方式に応じて冗長パケットを生成し、上記情報パケット
    とともに上記中継手段に送信する請求項17記載のテレ
    ビ会議システム。
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