JP2003257767A - 永久磁石の製造方法およびプレス装置 - Google Patents

永久磁石の製造方法およびプレス装置

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JP2003257767A
JP2003257767A JP2002344411A JP2002344411A JP2003257767A JP 2003257767 A JP2003257767 A JP 2003257767A JP 2002344411 A JP2002344411 A JP 2002344411A JP 2002344411 A JP2002344411 A JP 2002344411A JP 2003257767 A JP2003257767 A JP 2003257767A
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cavity
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powder
magnetic
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JP2002344411A
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Nobutsugu Mino
修嗣 三野
Noboru Nakamoto
登 中本
Tsutomu Harada
務 原田
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Hitachi Metals Ltd
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Sumitomo Special Metals Co Ltd
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    • B30PRESSES
    • B30BPRESSES IN GENERAL
    • B30B15/00Details of, or accessories for, presses; Auxiliary measures in connection with pressing
    • B30B15/30Feeding material to presses
    • B30B15/302Feeding material in particulate or plastic state to moulding presses
    • B30B15/304Feeding material in particulate or plastic state to moulding presses by using feed frames or shoes with relative movement with regard to the mould or moulds

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 残留磁化による問題を回避し、低コストで異
方性ボンド磁石を製造する。 【解決手段】 プレス装置のキャビティ内に磁性粉末
(HDDR粉末)を供給し、成形する異方性ボンド磁石
の製造である。定常的に磁化された状態にある磁性部材
を用いて、キャビティを含む空間に静磁界からなる弱磁
界を形成し、磁性粉末を弱磁界の向きに平行な方向に配
向させながら磁性粉末をキャビティの内部へ移動させ
る。次にキャビディ内で磁性粉末を圧縮し、成形体を作
製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、永久磁石の製造方
法およびプレス装置に関している。
【0002】
【従来の技術】高性能永久磁石として代表的なR−Fe
−B系希土類磁石(RはYを含む希土類元素、Feは
鉄、Bはホウ素)は、三元系正方晶化合物であるR2
14B相を主相として含む組織を有し、優れた磁石特性
を発揮する。
【0003】このようなR−Fe−B系希土類磁石は、
焼結磁石とボンド磁石とに大別される。焼結磁石は、R
−Fe−B系磁石合金の微粉末(平均粒径:数μm)を
プレス装置で圧縮成形した後、焼結することによって製
造される。これに対して、ボンド磁石は、R−Fe−B
系磁石合金の粉末(粒径:例えば100μm程度)と結
合樹脂との混合物(コンパウンド)をプレス装置内で圧
縮成形することによって製造される。
【0004】焼結磁石の場合、比較的粒径の小さい粉末
を用いるため、個々の粉末粒子が磁気的異方性を有して
いる。このため、プレス装置で粉末の圧縮成形を行うと
き、粉末に対して配向磁界を印加し、それによって、粉
末粒子が磁界の向きに配向した成形体を作製することが
できる。
【0005】一方、ボンド磁石の場合は、用いる粉末粒
子の粒径が単磁区臨界粒径を超えた大きさを持つため、
通常、磁気的異方性を示すことがなく、各粉末粒子を磁
界で配向させることはできなかった。従って、粉末粒子
が特定方向に配向した異方性ボンド磁石を作製するに
は、個々の粉末粒子が磁気的異方性を示す磁性粉末を作
製する技術を確立する必要がある。
【0006】異方性ボンド磁石用の希土類合金粉末を製
造するため、現在、HDDR(Hydrogenation-Dispropo
rtionation-Desorption-Recombination)処理法が行わ
れる。「HDDR」は、水素化(Hydrogenation)、不
均化(Disproportionation)、脱水素化(Desorptio
n)、および再結合(Recombination)を順次実行するプ
ロセスを意味している。このHDDR処理によれば、R
−Fe−B系合金のインゴットまたは粉末をH2ガス雰
囲気またはH2ガスと不活性ガスとの混合雰囲気中で温
度500℃〜1000℃に保持し、それによって、上記
インゴットまたは粉末に水素を吸蔵させた後、例えばH
2分圧13Pa以下の真空雰囲気またはH2分圧13Pa
以下の不活性雰囲気になるまで温度500℃〜1000
℃で脱水素処理し、次いで冷却することによって合金磁
石粉末を得る。
【0007】HDDR処理を施して製造されたR−Fe
−B系合金粉末は、大きな保磁力を示し、磁気的な異方
性を有している。このような性質を有する理由は、金属
組織が実質的に0.1〜1μmの非常に微細な結晶の集
合体となるためである。より詳細には、HDDR処理に
よって得られる極微細結晶の粒径が正方晶R2Fe14
系化合物の単磁区臨界粒径に近いために高い保磁力を発
揮する。この正方晶R 2Fe14B系化合物の非常に微細
な結晶の集合体を「再結晶集合組織」とよぶ。HDDR
処理を施すことによって、再結晶集合組織を持つR−F
e−B系合金粉末を製造する方法は、例えば、特許文献
1および特許文献2に開示されている。
【0008】
【特許文献1】特公平6−82575号公報
【特許文献2】特公平7−68561号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】HDDR処理によって
作製された磁性粉末(以下、「HDDR粉末」と称す
る)を用いて異方性ボンド磁石を製造しようとすると、
以下のような問題が発生している。
【0010】HDDR粉末と結合樹脂との混合物(コン
パウンド)を配向用磁界中でプレスして作製した成形体
は、配向磁界によって強く磁化される。成形体に磁化が
残留していると、成形体の表面に磁粉が吸着され、ある
いは、成形体どうしが吸引衝突によって破損するなどし
て、その後の取り扱いに大きな支障をきたすので、成形
体の磁化は、成形体をプレス装置から取り出す前に充分
に除去しておく必要がある。このため、磁化された成形
体をプレス装置から取り出す前に、配向磁界の向きと逆
向きの磁界(減磁界)や交番減衰磁界などの脱磁用磁界
を成形体に印加する「脱磁処理」を行う必要がある。し
かし、このような脱磁処理には、通常、数十秒もの時間
がかかるため、プレス工程のサイクルタイムが脱磁処理
を行わない場合(等方的ボンド磁石のサイクルタイム)
に比べて2倍以上にも長くなってしまう。このようにサ
イクルタイムが長くなると、量産性が低下し、磁石の製
造コストが増大してしまう。
【0011】なお、焼結磁石の場合は、成形体の脱磁が
不充分であっても、もともと磁石粉末の保磁力が低く、
成形体に残留する磁化が小さい。また、焼結工程で磁石
粉末がキュリー点以上の高温にさらされるため、着磁工
程の前には完全な脱磁が行われることになる。これに対
し、異方性ボンド磁石の場合は、成形体をプレス装置か
ら取り出すときに磁化が残留していると、この残留磁化
が着磁工程まで残ってしまうことになる。着磁工程のと
き、ボンド磁石に磁化が残留していると、磁石のヒステ
リシス特性のため、着磁が極めて困難になる。
【0012】本発明は、かかる諸点に鑑みてなされたも
のであり、その主な目的は、成形体の残留磁化による問
題を回避し、低コストで着磁性に優れた永久磁石(特に
異方性ボンド磁石)を製造することができる方法および
プレス装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明による永久磁石の
製造方法は、プレス装置のキャビティ内に磁性粉末を供
給し、成形する永久磁石の製造であって、前記キャビテ
ィを含む空間に静磁界からなる弱磁界を形成し、前記磁
性粉末を前記弱磁界の向きに平行な方向に配向させなが
ら前記磁性粉末を前記キャビティの内部へ移動させる工
程と、前記キャビディ内で前記磁性粉末を圧縮し、成形
体を作製する工程とを包含する。
【0014】好ましい実施形態において、前記弱磁界
は、定常的に磁化された状態にある磁性部材を用いて形
成される。
【0015】好ましい実施形態において、前記弱磁界
は、前記キャビティ内で前記磁性粉末を圧縮するときに
も印加される。
【0016】好ましい実施形態において、前記プレス装
置による成形直後における前記成形体の表面磁束密度が
0.005テスラ以下となるように前記弱磁界が調節さ
れている。
【0017】好ましい実施形態において、前記キャビテ
ィ内における前記弱磁界の強度は、8kA/m以上12
0kA/m以下に調節されている。
【0018】前記弱磁界の強度上限は、100kA/m
以下に調節されていることが好ましく、80kA/m以
下に調節されていることが更に好ましい。
【0019】好ましい実施形態において、前記キャビテ
ィ内で前記磁性粉末を圧縮した後、前記成形体に対して
脱磁処理を行うことなく、前記キャビティから前記成形
体を取り出す。
【0020】好ましい実施形態において、前記磁性部材
は、プレス装置のダイを構成する部品である。
【0021】好ましい実施形態において、前記磁性部材
の少なくとも一部は永久磁石から形成されている。
【0022】好ましい実施形態において、前記磁性粉末
の少なくとも一部はHDDR粉末である。
【0023】好ましい実施形態において、前記プレス装
置は、貫通孔を有するダイと、前記貫通孔の内部におい
て前記貫通孔に対して相対的に往復動作するコアと、前
記貫通孔の内周面と前記コアの外周面との間において、
前記ダイに対して相対的に往復動作する下パンチとを備
えており、前記磁性粉末を前記キャビティの内部へ移動
させる工程は、前記下パンチによって前記貫通孔が塞が
れた状態の前記ダイの上において、前記磁性粉末を含む
フィーダボックスを前記貫通孔の上方に配置する工程
と、前記ダイに対して前記コアを上方に移動させる工程
と、前記コアに対して前記ダイを上方に移動させ、前記
フィーダボックスの下方に前記キャビティを形成する工
程とを含む。
【0024】本発明によるプレス装置は、貫通孔を有す
るダイと、前記貫通孔の内部において前記ダイに対して
相対的に往復動作し得る上パンチおよび下パンチと、前
記ダイの貫通孔の内部に形成されたキャビティに磁性粉
末を供給する給粉装置とを備えたプレス装置であって、
更に、前記磁性粉末を前記キャビティの内部へ移動させ
るときに前記磁性粉末に対して静磁界からなる弱磁界を
印加する、配向用に磁化された部材を備えている。
【0025】好ましい実施形態において、前記配向用に
磁化された部材の少なくとも1つは、永久磁石から形成
されている。
【0026】本発明の永久磁石は、圧縮成形によって製
造された永久磁石であって、プレス装置内の磁性粉末を
静磁界からなる弱磁界中で配向、圧縮し、脱磁処理を行
うことなく前記プレス装置から取り出された時の残磁レ
ベルが表面磁束密度で0.005テスラ以下であること
を特徴とする。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明者は、プレス装置のキャビ
ティ内に磁性粉末を供給するとき、磁性粉末に対して静
磁界からなる弱磁界を印加すれば、その後に従来のよう
な強い配向磁界を印加しないでも、充分に高い配向度を
持った永久磁石が得られることを見出して、本発明を想
到するにいたった。
【0028】本発明によれば、配向のために必要な磁界
強度が弱く、圧縮成形直後における成形体の残留磁化を
充分に低減することができるので、付加的な脱磁処理を
行う必要がなくなる。
【0029】なお、磁性粉末をキャビティに移動(落
下)させる際、移動しつつある磁性粉末に配向磁界を印
加することにより、効果的に磁性粉末を配向させる技術
は、特開平2001−93712号公報や特開平200
1−226701号公報に記載されている。本発明で
は、これらの公報に開示されている磁界に比べて格段に
小さな磁界を用いて永久磁石の成形を行うことにより、
成形体に残留する磁化に起因する表面磁束密度を0.0
05テスラ以下に低減し、脱磁工程を不要なものとする
点に大きな特徴を有している。本発明によれば、従来の
ように大型の配向用磁界発生装置が不要となり、また、
プレス工程のサイクルタイムを大幅に短縮することがで
きる。
【0030】(第1の実施形態)以下、図面を参照しな
がら、本発明の第1の実施形態を説明する。本実施形態
では、異方性ボンド磁石を作製する。
【0031】図1(a)〜(d)は、本発明による磁石
製造方法における主要工程(配向磁界中給粉→圧縮成
形)を示している。図1に示すプレス装置10は、貫通
孔1を有するダイ2と、貫通孔1の内部において貫通孔
1に対して相対的に往復動作し得る上パンチ3および下
パンチ4と、ダイ2の貫通孔1の内部に形成されたキャ
ビティに磁性粉末(コンパウンド)5を供給する給粉装
置(フィーダボックス)6とを備えている。
【0032】本実施形態では、ダイ2を構成する磁性部
材(強磁性体)の少なくとも一部が磁化されており、磁
性粉末5をキャビティの内部へ移動させるとき、磁性粉
末5に対して静磁界からなる弱磁界を印加することがで
きる。上記磁化の程度は、キャビティ内に形成する弱磁
界の強度が8〜120kA/m程度(キャビテイ中央部
での測定値)の範囲内に含まれるように設定される。磁
化された磁性部材は、キャビティ内に定常的に静磁界か
らなる弱い磁界(図中、「M」の参照符号で示す)を形
成しており、給粉時のコンパウンドを適切に配向させる
ことができる。
【0033】このような静磁界からなる弱磁界の形成に
用いる磁性部材は、キャビティの近傍に配置されること
が好ましいが、その具体的な配置や構成は、目的とする
磁界分布に応じて適切に設計される。通常のプレス装置
に備えられているダイは強磁性体材料から形成された部
品(部分)を含んでいるため、その部品(部分)を強い
磁界中に置いて磁化すれば、必要なレベルの磁化が得ら
れる。磁性部材の磁化は、ダイをプレス装置にセットす
る前に行ってもよいし、ダイをプレス装置にセットした
状態で行ってもよい。従来の異方性ボンド磁石用プレス
装置には、給粉後に印加すべき強い配向磁界を形成する
コイルが備え付けられているが、このコイルの生み出す
強い磁界を用いてダイの一部を磁化することも可能であ
る。
【0034】なお、ダイ2の一部を磁化する代わりに、
ダイ2に永久磁石を組み込んだり、ダイ2の周辺部に永
久磁石を配置するようにしても良い。図2(a)および
(b)は、ダイ2の両側に一対の永久磁石(例えば希土
類焼結磁石)7を配置した例を示している。この例で
は、2つの永久磁石7によってキャビディ空間内に配向
磁界を形成する。永久磁石7の配置によって配向磁界を
形成する場合、用いる永久磁石の個数や磁化の程度を適
宜調節し、配置を工夫すれば、従来の方法によって実現
できなかった新規な配向磁界分布を形成することも可能
になる。
【0035】以下、図1の装置を用いて異方性ボンド磁
石を製造する方法を説明する。
【0036】まず、前述したHDDR粉末とバインダ
(結合樹脂)との混合物(コンパウンド)5を用意し、
このコンパウンド5をフィーダボックス6内に充填した
後、図1(a)および(b)に示すように、フィーダボ
ックス6をプレス装置のダイ2のキャビティ上に移動さ
せる。コンパウンド5は、キャビティの内部へ落下し、
キャビティ内に充填される。このようしてキャビティへ
の粉末充填が行われるとき、コンパウンド5を構成する
粉末粒子は、静磁界からなる弱磁界中で効果的に配向さ
せられる。これは、キャビティ内に移動する個々の粉末
粒子が落下に際して比較的容易に回転できるためと考え
られる。
【0037】本発明者の実験によれば、コンパウンド5
をキャビティに充填するとき、大量のコンパウンド5を
一度にキャビティ内に落とし込むよりも、少量づつ比較
的長い時間をかけてキャビティ内に落下させることが好
ましいことがわかった。これは、コンパウンド5がある
程度の大きさを持つ塊となって給粉される場合には、個
々の粉末粒子の自由な運動(特に回転)が妨げられて配
向度が低下するが、コンパウンド5を少量つづ給粉する
場合は、個々の粉末粒子が比較的自由に回転し得るた
め、弱い磁界中でもスムーズに配向し得るためと考えら
れる。
【0038】コンパウンド5をキャビティ内に充填する
とき、仮に、従来の配向磁界印加用コイルを用いて強い
静磁界を給粉中のコンパウンド5に印加すると、粉末粒
子がキャビティの内壁面間で配向磁界の方向に沿って架
橋状に連結し、キャビティを部分的に塞いでしまう。こ
のため、均一な粉末充填が達成できなくなる。これに対
して、本実施形態のように比較的弱い磁界をコンパウン
ド5に印加する場合には、このような粉末粒子の磁気的
架橋が形成されにくい。
【0039】次に、図1(c)に示すように、フィーダ
ボックス6をキャビティの上方から退避位置へ移動させ
た後、図1(d)に示すように上パンチ3を下降させ、
キャビティ内のコンパウンド5を圧縮成形し、成形体7
を作製する。
【0040】本実施形態によれば、給粉時に磁界配向を
行うため、8〜120kA/m程度の比較的弱い磁界で
あっても充分に高い配向度を達成できる。逆に、磁界強
度が従来の配向磁界のように800kA/mを超えるよ
うに強くなりすぎると、粉末粒子の磁気的架橋のため、
スムーズな給粉が妨げられてしまうことになる。
【0041】本実施形態によれば、圧縮成形した直後に
おける成形体7の磁化(残留磁化)を従来よりも1桁以
上低くすることが可能である。従って、給粉完了後に強
磁界で配向を行う従来技術で必要とされた動作、例え
ば、粉末の配向を容易にするために一旦キャビティ内の
粉末上部に僅かな空間を形成する動作や、その状態で配
向した後、引き続き粉末を加圧・圧縮して成形体とする
動作などが不要となるとともに、成形体7に対する脱磁
処理が不要になる。このため、本実施形態によれば、プ
レス工程のサイクルタイムを、等方性磁石の場合のサイ
クルタイムと同程度(従来の異方性ボンド磁石の場合の
サイクルタイムの半分以下)に短縮することが可能にな
る。
【0042】なお、本実施形態では、弱く磁化された磁
性部材によって配向磁界を形成するため、配向磁界の印
加は、給粉時のみならず、上パンチ3と下パンチ4とに
よってコンパウンド5を圧縮するときにも継続し、圧縮
成形時に生じやすい配向の乱れが抑制される。
【0043】(第2の実施形態)次に、図3から図7を
参照しながら、本発明の第2の実施形態を説明する。本
実施形態では、ラジアル配向したリング状の異方性ボン
ド磁石を作製する。具体的には、図4(a)および
(b)に示すダイ2を用いて、図5に示すような略ラジ
アル配向した薄肉リング状の異方性ボンド磁石11を得
ることができる。
【0044】本実施形態で使用するダイ2は、強磁性体
材料から形成され、図4に示すように、中央部に貫通孔
が設けられており、その貫通孔内の中心部に強磁性体材
料から形成された円柱状のコア8が配置されている。本
実施形態では、このコア8の下方部にコア8の移動方向
と同じ方向に磁化された永久磁石9を配置しており、そ
のためにコア8自体も磁化されている。キャビティは、
ダイ貫通孔の内壁とコア8の外周面との間に形成され
る。コア8とダイ2とにより、キャビティ内にはラジア
ル配向磁界が形成される。
【0045】図3を参照して、本実施形態におけるプレ
ス装置の動作を説明する。
【0046】まず、第1の実施形態と同様にしてHDD
R粉末とバインダ(結合樹脂)との混合物(コンパウン
ド)5を用意し、このコンパウンド5をフィーダボック
ス6内に充填した後、図3(a)に示すように、フィー
ダボックス6をプレス装置10のダイ2の上に移動させ
る。より具体的には、ダイ2においてキャビティが形成
される部分の真上にフィーダボックス6を配置させる。
このとき、本実施形態では、ダイ2の上面と下パンチ4
の上面とコア8の上面とをほぼ等しいレベルに位置させ
ているため、キャビティ空間は形成されていない。
【0047】次に、図3(b)に示すように、コア8を
ダイ2および下パンチ4に対して相対的に上昇させる。
その後、図3(c)に示すように、ダイ2をコア8およ
び下パンチ4に対して相対的に上昇させることにより、
コア8の上面とダイ2の上面とを同一レベルに合わせ
る。上記の動作により、キャビティが形成されるととも
に、キャビティ内にコンパウンド5が充填される。
【0048】このようしてキャビティへの粉末充填が行
われるとき、コンパウンド5を構成する粉末粒子は、永
久磁石9(図4参照)によって磁化されたコア8とダイ
2との間に形成される静磁界からなる弱磁界中で効果的
にラジアル配向させられることになる。
【0049】本実施形態によれば、コンパウンド5をキ
ャビティ内に充填するときにキャビティの内壁面間を粉
末粒子が架橋状態に連結してキャビティを部分的に塞ぐ
という問題が生じない。このため、最初の実施形態に比
べて、粉末充填がより均一かつ速やかに進行する。故
に、本実施形態の方法は、給粉の困難な形状を持つキャ
ビティに適用して効果的であり、特に薄いリング状の異
方性ボンド磁石の作製に適している。
【0050】次に、図3(d)に示すように、フィーダ
ボックス6をキャビティの上方から退避位置へ移動させ
た後、不図示の上パンチを下降させ、キャビティ内のコ
ンパウンド5を圧縮成形し、成形体を作製する。
【0051】本実施形態によれば、給粉時に磁界配向を
行うため、弱い磁界でも充分に高い配向度を達成でき、
圧縮成形した直後における成形体の磁化(残留磁化)を
従来よりも1桁以上低くすることが可能である。
【0052】なお、本実施形態においても、前述の実施
形態と同様に弱く磁化された磁性部材によって配向磁界
の印加を行うため、給粉時のみならず、上パンチと下パ
ンチ4とによってコンパウンド5を圧縮するときにも継
続的に配向磁界を印加することができる。
【0053】本実施形態では、キャビティが形成される
部分の真上にフィーダボックス6を移動させた後、キャ
ビティ空間を形成する前に、コアをフィーダボックス内
に進入させているが、本発明は、このような給粉形態に
限定されない。例えば、図6(a)から(e)に示すよ
うにして、コア8とダイ2とを下パンチ4に対して相対
的に上昇させ、それによって、フィーダボックス6の真
下でキャビティを形成しながらコンパウンド5をキャビ
ティ内に充填してもよいし、また、図7(a)から
(e)に示すように、予め形成しておいたキャビティの
真上にフィーダボックス6を移動させ、それによってフ
ィーダボックス6の中からコンパウンド5をキャビティ
内に落とし込むようにして充填してもよい。
【0054】図8は、本実施形態で使用し得るプレス装
置の他の構成を示している。図8の構成を有するプレス
装置では、ダイ2の貫通孔の内壁側にラジアル配向した
リング状の永久磁石9(図の例では、内周面がS極、外
周面がN極になるように磁化されている)を配置してお
り、この永久磁石9の内周面とコア8の外周面との間に
キャビティが形成される。キャビティに充填されたコン
パウンド5が圧縮成形されるとき、永久磁石9の内周面
はコンパウンド5によって強く摩擦されることになる。
このため、永久磁石9の破壊を防止する目的で、永久磁
石9の内周面と下パンチ4との間に薄肉部材を配置する
ことが好ましい。
【0055】なお、薄肉部材の材料は、非磁性材料であ
っても磁性材料であってもよく、金属、あるいはセラミ
ックスなどの非金属であってもよい。
【0056】図8の構成を採用しても、図4の構成を有
する場合と同様に、効果的なラジアル配向が可能であ
る。なお、図8の構成と図4の構成を併せ持つプレス装
置を用いても良い。2種類の永久磁石が適切な配向磁界
分布を生成するため、より効果的なラジアル配向を実現
できる。
【0057】また、図8の構成では、ラジアル配向した
リング状の永久磁石9をダイ2の貫通孔の内壁側に配置
した形態を示したが、コア8の外周面にラジアル配向し
たリング状永久磁石を配置し、このリング状永久磁石の
外周面とダイ2の貫通孔内壁との間にキャビティを形成
する構成も採用できる。さらに、これらを組み合わせ、
ラジアル配向したリング状の永久磁石をダイ2の貫通孔
内壁とともにコア8の外周面にも配置しても、目的とす
るラジアル配向を実現できる。
【0058】上記の実施形態において、ラジアル配向し
たリング状永久磁石の内周面または外周面は、N極また
はS極の単極になるよう磁化された構成からなるが、例
えば、ダイス貫通孔内壁に配置するリング状永久磁石と
して、その内周面周方向に異磁極が交互に隣接するよう
に複数極形成した構成を採用してもよい。このような構
成を採用すれば、外周面に多極異方性を存するリング状
永久磁石(例えば特開平1−27208号公報)の配向
も可能となる。同様に、コア外周に配置するリング状永
久磁石として、その外周面周方向に異磁極が交互に隣接
するように複数極形成した構成を採用してもよい。この
ような構成を採用すれば、内周面に多極異方性を有する
リング状永久磁石の配向が可能となる。なお、多極異方
性の配向には、上記の如く配向用磁石としてリング状永
久磁石を用いる必要はなく、複数の弓型磁石を異磁極が
交互に隣接するようにリング状に配置したり、ダイス貫
通孔内壁面に配向用弱磁界形成用のコイル収納溝を形成
するなど、公知の構成を採用できる。
【0059】以上説明してきた実施形態(直角配向、ラ
ジアル配向、または多極異方性配向の場合)では、いず
れも配向磁界の向きは水平方向であり、プレス方向(1
軸圧縮方向)に対して垂直である。このため、キャビテ
ィに充填された粉末粒子は水平方向に配向する。粉末粒
子は磁気的相互作用のため水平方向に沿って鎖状に連な
る。充填粉末の上面に位置する粉末粒子も水平方向に連
なる結果、粉末はキャビティの外側にはみだすことな
く、キャビティ内に完全に収まりやすい。
【0060】配向磁界の向きがプレス方向と平行になる
場合、図9に示すように下パンチ4の側に永久磁石9を
配置することができる。このような配置によれば、上パ
ンチ3の側に比べて下パンチ4の側の磁化を強めること
ができるため、キャビティ内へのコンパウンド5の供給
を円滑に行うことが可能となる。
【0061】なお、図9は永久磁石9を配置した下パン
チ4上面とダイ2の貫通孔内壁とによって形成されるキ
ャビティ内にコンパウンドを給粉し、図中矢印方向(M
方向)の配向が完了した後、上パンチ3を下降させ、キ
ャビティ内のコンパウンドを圧縮成形する状態を示して
いる。
【0062】図9に示す構成例では、ダイ2に対する下
パンチ4の相対的な上昇/下降動作に従って永久磁石9
の相対的な位置関係が変化するが、コンパウンド給粉時
には、下パンチ4は移動することなく、下パンチ4の上
面とダイ2の貫通孔内壁内によって形成されるキャビテ
ィ空間に存在する配向磁界の向きおよび強度は変化しな
い。本明細書における「静磁界」とは、磁性粉末給粉時
におけるキャビティの位置を基準とする座標系におい
て、向きや強度が略一定に保たれる磁界を指すものとす
る。従って、プレス装置の機械的な動作に伴って永久磁
石や、永久磁石によって磁化された磁性部材が移動する
場合であっても、磁性粉末給粉時においてキャビティ内
に形成される配向磁界の向きや強度が時間的に変化する
ことなく略一定であれば、その配向磁界は「静磁界」で
ある。
【0063】なお、プレス装置のキャビディ中心軸が鉛
直方向に対して傾斜していても良いし、配向磁界の向き
が水平方向に対して傾斜していてもよい。これらの配置
構成は、どのような形状の永久磁石を作製するかに依存
して適切に設計され得る。
【0064】なお、上記の実施形態では、いずれも、所
定方向に磁化された永久磁石を用いた構成を説明した
が、永久磁石に代えてコイルを用いて磁化を行っても同
様な効果を得ることができる。また、上記の永久磁石に
よって磁化された部材が作る弱い配向磁界に加えて、コ
イルによる磁界を付加的に印加しても良い。このように
付加的な磁界(アシスト磁界)を用いる場合でも、成形
体の残留磁化を0.005T以下に低く維持するため、
キャビティ内の配向磁界強度は8kA/m以上120k
A/m以下に設定することが望ましい。すなわち、キャ
ビティ内の配向磁界強度は、目的とする成形体の形状・
寸法、磁性粉末の磁気特性、配向方向、磁性粉末給粉時
の粉末供給レートなどに応じて最適値に選定することが
望ましい。完全な配向を実現するためには、配向磁界強
度を高く設定することが好ましい。しかし、後述する実
施例の説明から明らかなように、配向磁界強度を所定強
度以上に大きくしても、その効果は飽和し、成形体の残
留磁化を大きくするだけである。本発明者の実験によれ
ば、目的とする配向を達成するためには、少なくとも8
kA/m以上の磁界強度が必要であるが、その上限につ
いては、残留磁化等の観点から120kA/m以下に設
定することが好ましい。配向磁界強度の上限は、100
kA/m以下であることが好ましく、80kA/m以下
であることが更に好ましい。なお、アシスト磁界は、静
磁界に限定されることなく、交流磁界やパルス磁界など
の振動磁界であってもよい。
【0065】
【実施例】(実施例1)以下、本発明の実施例を説明す
る。
【0066】まず、本実施例では、27.5重量%のN
d−1.07重量%のB−14.7重量%のCo−0.
2重量%のCu−0.3重量%のGa−0.15重量%
のZr−残部Feを含有するNd−Fe−B系希土類合
金のHDDR粉末を用意した。具体的には、まず、上記
組成を有する希土類合金原料をAr雰囲気中で1130
℃15時間の条件で熱処理した後、水素吸蔵による崩壊
・整粒を行った。その後、HDDR処理を行うことよ
り、磁気的異方性を有するHDDR粉末を作製した。粉
末の平均粒径(レーザ回折法によって測定した値)は、
120μm程度であった。
【0067】上記HDDR粉末に対して、ビルフェノー
ルA型エポキシ樹脂のバインダ(結合樹脂)を60度に
加熱しつつ二軸ニーダを用いて混ぜ合わせることによ
り、HDDRコンパウンドを作製した。バインダの重量
比率は、全体の2.5%程度とした。
【0068】このHDDRコンパウンドを図1および図
2に示すようなプレス装置を用い、圧縮成形した。な
お、ダイ2の両側に配置した永久磁石の磁化量を変化さ
せることによって当該磁石の実質的な磁気特性を調節
し、それによってキャビティ内の磁界強度を所望の値に
設定した。プレス装置のダイキャビティの開口面(ダイ
上面)での形状(プレス方向に垂直なキャビティの断面
形状)は、5mm×20mmの長方形であり、キャビテ
ィの深さは40mmであった。
【0069】キャビティには、上記コンパウンドを約1
0g(グラム)充填した。このようなキャビティで作製
した成形体の形状は、直方体であり、そのサイズは縦5
mm×横20mm×高さ17mmであった。
【0070】キャビティ内に形成した弱磁界の強度(キ
ャビティ中央部での測定値)と、最終的に得られた異方
性ボンド磁石の最大磁気エネルギー積との関係を図10
に示す。図10では、異なる条件で給粉を行った2種類
の実施例についてのデータと、圧縮成形時に12kOe
の強磁界を印加する従来方法で作製した異方性ボンド磁
石(比較例)についてのデータとを記載している。
【0071】なお、グラフの横軸に示す磁界強度の単位
はOe(エルステッド)であり、この数値を103
(4π)倍した値がSI単位における磁界強度となる。
103/(4π)は約80であるので、例えば、100
Oeは、SI単位系で約8kA/mとなる。
【0072】給粉時の粉末供給レートは、実施例1では
低く抑え、実施例2では可能な限り高く設定した。図1
0からわかるように、実施例1の場合(図中、実線で示
す)、キャビティ内の磁界強度が100Oe以上であれ
ば、比較例の90%以上の高い最大磁気エネルギー積が
達成された。一方、実施例2の場合(図中、破線で示
す)は、キャビティ内の磁界強度を約400Oe以上に
すれば、比較例の90%以上の最大磁気エネルギー積が
得られたが、磁界強度が低い領域では、最大磁気エネル
ギー積は小さかった。これらの結果から、給粉時の粉末
供給レートを低く設定することが好ましいことがわか
る。
【0073】なお、粉末供給レートの高い実施例2の場
合でも、配向磁界の強度を高めれば(例えば400Oe
以上(=約32kA/m以上))、実用化可能な磁気特
性を実現できる。ただし、配向磁界の強度を高くし過ぎ
ると。成形体に残留する磁化が増加して、従来と同様の
問題が発生するので好ましくない。残留磁化を上記問題
が生じないレベル(0.005T以下)に抑えるには、
配向磁界の強度を最大でも1500Oe(120kA/
m)以下とすることが好ましい。残留磁化を更に小さく
するには、配向磁界強度を1260Oe(100kA/
m)以下にすることが好ましく、1000Oe(80k
A/m)以下とすることが更に好ましく、400Oe以
下に設定することが最も好ましい。
【0074】(実施例2)図3および図4に示すプレス
装置を用いてラジアル配向させたリング状異方性ボンド
磁石を作製した。用いたコンパウンドは、実施例1で用
いたものと同様である。成形体の形状は、外径が25m
m、内径が23mm、高さが5mmであった。
【0075】キャビティ内に形成した弱磁界の強度(キ
ャビティ中央部での測定値)と、最終的に得られた着磁
工程後の異方性ボンド磁石のフラックス(単位重量あた
り)との関係を図11に示す。図11には、比較例とし
て、従来の強磁界(パルス磁界:強度1200kA/
m)を印加して圧縮成形を行なった異方性ボンド磁石の
フラックスが示されている。
【0076】図11からわかるように、フラックスは磁
界強度の上昇に伴って増加するが、400〜500Oe
程度で飽和する。残留磁化を低く抑え、かつ、実用に耐
える大きさのフラックスを得るためには、キャビティ内
の磁界強度が400〜600Oe程度(=32〜48k
A/m程度)となるように磁性部材を磁化しておくこと
が好ましい。
【0077】なお、プレス直後における(脱磁処理を行
わない場合の)成形体の表面磁束密度(残磁)は、キャ
ビティ内の配向磁界強度が1000Oe(80kA/
m)を超える場合、0.0010〜0.0013テスラ
(10〜13ガウス)程度であった。一方、キャビティ
内の配向磁界強度が1000Oe(80kA/m)以下
の場合は、残磁は0.0010テスラ(10ガウス)以
下となり、キャビティ内の配向磁界強度が例えば約50
0Oe(40kA/m)の場合は、残磁は0.0005
(5ガウス)程度であった。
【0078】本実施例では、図3に示す方法で給粉する
ため、粉末粒子の磁気的架橋が形成されず、強度が比較
的強い配向磁界を形成しても速やかな粉末充填が可能で
あった。
【0079】
【発明の効果】本発明によれば、給粉時に静磁界からな
る弱い配向磁界を印加するため、磁性粉末をキャビティ
内に充填しながら配向磁界の方向に配向させることがで
きる。配向磁界の強度が小さいため、充分な程度の磁界
配向を実現しながら、圧縮成形後に成形体に残留する磁
化を大幅に低減できる。その結果、脱磁処理を省略する
ことが可能となるため、残留磁化に起因する種々の問題
を回避しつつ、プレス工程のサイクルタイムを低減し、
特性に優れた永久磁石を低コストで製造することができ
る。
【0080】また、本発明よれば、従来の強い配向磁界
形成用コイルが不要になるため、プレス装置の小型化が
可能になり、また、配向磁界形成用コイルが消費してい
た電力をセーブでき、プレス工程に要するコストを低減
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(d)は、本発明の実施形態における
プレス装置の主要部の動作を示す工程断面図である。
【図2】弱い配向磁界を形成するための磁性部材として
永久磁石を用いた構成を示す図である。
【図3】(a)〜(d)は、本発明の第2の実施形態に
おけるプレス装置の主要部の動作を示す工程断面図であ
る。
【図4】本発明の第2の実施形態で用いるプレス装置の
構成を示す図である。
【図5】本発明によって作製された薄肉リング状の異方
性ボンド磁石を示す図である。
【図6】(a)〜(e)は、本発明の他の実施形態にお
けるプレス装置の主要部の動作を示す工程断面図であ
る。
【図7】(a)〜(e)は、本発明の更に他の実施形態
におけるプレス装置の主要部の動作を示す工程断面図で
ある。
【図8】本発明の第2の実施形態で用いることができる
プレス装置の他の構成を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施形態で用いることができる
プレス装置の更に他の構成を示す図である。
【図10】キャビティ内に形成した弱磁界の強度と、最
終的に得られた異方性ボンド磁石の最大磁気エネルギー
積(BH)maxとの関係を示すグラフである。
【図11】キャビティ内に形成した弱磁界の強度と、最
終的に得られた異方性ボンド磁石の単位重量あたりのフ
ラックス(磁束量)との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 貫通孔 2 ダイ 3 上パンチ 4 下パンチ 5 磁性粉末(コンパウンド) 6 給粉装置(フィーダボックス) 7 成形体(着磁工程前の異方性ボンド磁石) 8 コア 9 永久磁石 10 プレス装置 11 ラジアル配向した薄肉リング状異方性ボンド
磁石
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原田 務 大阪府三島郡島本町江川2丁目15番17号 住友特殊金属株式会社山崎製作所内 Fターム(参考) 4K018 AA27 CA04 CA13 KA46 5E062 CD05 CE04 CE07 CF01

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プレス装置のキャビティ内に磁性粉末を
    供給し、成形する永久磁石の製造であって、 前記キャビティを含む空間に静磁界からなる弱磁界を形
    成し、前記磁性粉末を前記弱磁界の向きに平行な方向に
    配向させながら前記磁性粉末を前記キャビティの内部へ
    移動させる工程と、 前記キャビディ内で前記磁性粉末を圧縮し、成形体を作
    製する工程と、を包含する永久磁石の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記弱磁界は、定常的に磁化された状態
    にある磁性部材を用いて形成される請求項1に記載の永
    久磁石の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記弱磁界は、前記キャビティ内で前記
    磁性粉末を圧縮するときにも印加される請求項1または
    2に記載の永久磁石の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記プレス装置による成形直後における
    前記成形体の表面磁束密度が0.005テスラ以下とな
    るように前記弱磁界が調節されている請求項1から3の
    いずれかに記載の永久磁石の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記キャビティ内における前記弱磁界の
    強度は、8kA/m以上120kA/m以下に調節され
    ている請求項4に記載の永久磁石の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記キャビティ内における前記弱磁界の
    強度は、8kA/m以上100kA/m以下に調節され
    ている請求項5に記載の永久磁石の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記キャビティ内における前記弱磁界の
    強度は、8kA/m以上80kA/m以下に調節されて
    いる請求項6に記載の永久磁石の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記キャビティ内で前記磁性粉末を圧縮
    した後、前記成形体に対して脱磁処理を行うことなく、
    前記キャビティから前記成形体を取り出す請求項1から
    7のいずれかに記載の永久磁石の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記磁性部材は、プレス装置のダイを構
    成する部品である請求項2から8のいずれかに記載の永
    久磁石の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記磁性部材の少なくとも一部は永久
    磁石から形成されている請求項2から9のいずれかに記
    載の永久磁石の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記磁性粉末の少なくとも一部はHD
    DR粉末である請求項1から10のいずれかに記載の永
    久磁石の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記プレス装置は、 貫通孔を有するダイと、 前記貫通孔の内部において前記貫通孔に対して相対的に
    往復動作するコアと、 前記貫通孔の内周面と前記コアの外周面との間におい
    て、前記ダイに対して相対的に往復動作する下パンチと
    を備えており、 前記磁性粉末を前記キャビティの内部へ移動させる工程
    は、 前記下パンチによって前記貫通孔が塞がれた状態の前記
    ダイの上において、前記磁性粉末を含むフィーダボック
    スを前記貫通孔の上方に配置する工程と、 前記ダイに対して前記コアを上方に移動させる工程と、 前記コアに対して前記ダイを上方に移動させ、前記フィ
    ーダボックスの下方に前記キャビティを形成する工程
    と、を含む、請求項1から11のいずれかに記載の永久
    磁石の製造方法。
  13. 【請求項13】 貫通孔を有するダイと、 前記貫通孔の内部において前記ダイに対して相対的に往
    復動作し得る上パンチおよび下パンチと、 前記ダイの貫通孔の内部に形成されたキャビティに磁性
    粉末を供給する給粉装置と、を備えたプレス装置であっ
    て、更に、 前記磁性粉末を前記キャビティの内部へ移動させるとき
    に前記磁性粉末に対して静磁界からなる弱磁界を印加す
    る、配向用に磁化された部材を備えているプレス装置。
  14. 【請求項14】 前記配向用に磁化された部材の少なく
    とも1つは、永久磁石から形成されている請求項13に
    記載のプレス装置。
  15. 【請求項15】 圧縮成形によって製造された永久磁石
    であって、プレス装置内の磁性粉末を静磁界からなる弱
    磁界中で配向、圧縮し、脱磁処理を行うことなく前記プ
    レス装置から取り出された時の残磁レベルが表面磁束密
    度で0.005テスラ以下であることを特徴とする永久
    磁石。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021015835A (ja) * 2019-07-10 2021-02-12 日本電産サンキョー株式会社 ボンド磁石製造装置およびボンド磁石の製造方法

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