JP2003257616A - 機能性素子基板および該機能性素子基板を用いた画像表示装置 - Google Patents

機能性素子基板および該機能性素子基板を用いた画像表示装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機能性素子群を形成した機能性素子基板にお
いて、高精度な機能性素子群のパターンを低い製造コス
トで形成するとともに、製造時に基板が製造装置の基板
保持体に密着しないようにする。 【解決手段】 ITO透明電極パターン4を囲む障壁3
付きガラス基板5の透明電極パターン4上に赤、緑、青
に発色する有機EL材料(機能性材料)を各色がモザイ
ク状に配列されるように、液体噴射ヘッドを用いて有機
EL材料を含む溶液の液滴2を付与して、有機EL基板
(機能性基板)を形成する。ガラス基板5の有機EL素
子群(機能性素子群)が形成される表面の表面粗さは
0.5s以下、裏面の表面粗さは1s以上とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機能性素子基板お
よび該機能性素子基板を用いた画像表示装置に関し、特
に、吐出装置を用いて機能性材料の膜形成を行うことに
よって形成された機能性素子基板および該機能性素子基
板を用いた画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶ディスプレイに替わる自発光
型ディスプレイとして有機物を用いた発光素子の開発が
加速している。このような素子形成は、機能性材料のパ
ターン化により行われ、一般的にはフォトリソグラフィ
法により行われている。たとえば、有機物を用いた有機
エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELと記す)素
子としては、Appl.Phys.Lett.51(1
2)、21September 1987の913ペー
ジから示されているように低分子を蒸着法で成膜する方
法が報告されている。また、有機EL素子において、カ
ラー化の手段としては、マスク越しに異なる発光材料を
所望の画素上に蒸着し形成する方法が行われている。し
かしながら、このような真空成膜による方法、フォトリ
ソグラフィ法による方法は、大面積にわたって素子を形
成するには、工程数も多く、生産コストが高いといった
欠点がある。
【0003】このような課題に対して、本発明者は有機
EL素子に代表されるような機能性素子形成のための、
機能性材料膜の形成およびパターン化にあたり、米国特
許第3060429号、米国特許第3298030号、
米国特許第3596275号、米国特許第341615
3号、米国特許第3747120号、米国特許第572
9257号等として知られるようなインクジェット液滴
付与手段によって、真空成膜法とフォトリソグラフィ・
エッチング法等によらずに、安定的に歩留まり良くかつ
低コストで機能性材料を所望の位置に付与することがで
きるのではないかと考えた。
【0004】たとえば、機能性素子の一例として有機E
L素子を考えた場合、このような有機EL素子を構成す
る正孔注入/輸送材料ならびに発光材料を溶媒に溶解ま
たは分散させた組成物を、インクジェットヘッドから吐
出させて透明電極基板上にパターニング塗布し、正孔注
入/輸送層ならびに発光材層をパターン形成すれば実現
できると考えたのである。
【0005】しかしながら、いわゆるインクを紙に向け
て飛翔、付着、吸収させて記録を行うインクジェット記
録とは、噴射させる液体、またそれを受容する基板も、
紙と違い、簡単に受容させるには、まだまだ未解決の要
素が多々存在する。とりわけ基板に高精度な位置でこの
ような未知の液体を付着、受容させるには大きな工夫が
必要とされる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
機能性素子を用いた機能性素子基板、およびそれを用い
た画像表示装置に関するものであり、その第1の目的
は、高精度、低コストな機能性素子基板を提案すること
にある。また第2の目的は、より高精度な機能性素子群
を形成することにある。さらに第3の目的は、このよう
な機能性素子を用いた画像表示装置の機能性素子基板の
製造プロセス時における製造不具合が生じにくい機能性
素子基板を提案することにある。また第4の目的は、こ
のような機能性素子基板を用いた画像表示装置を提案す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するために第1に、基板の表面に機能性材料を含有する
溶液の液滴を噴射付与し、機能性素子群を形成した機能
性素子基板において、前記基板の裏面の表面粗さを前記
基板の表面の表面粗さより粗くしたことを特徴とする。
また第2に、上記第1の機能性素子基板において、前記
機能性素子群を形成する前記基板の表面の表面粗さは、
0.5s以下であることを特徴とする。さらに第3に、
上記第1または2の機能性素子基板において、前記基板
の裏面の表面粗さは、1s以上であることを特徴とす
る。また第4に、上記第1〜3の機能性素子基板と、こ
の機能性素子基板に対向して配置されたカバープレート
とを有する画像表示装置であることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1
〜図4に示す実施例に基づいて説明する。図1は、本発
明の実施例の吐出組成物を用い機能性素子を作製する一
工程を模式的に示す斜視図で、機能性素子の一例として
有機EL素子を考えた場合である。ここでは、モザイク
状に区切られたITO(インジウムチンオキサイド)透
明電極パターン4を囲む障壁3付きガラス基板5の透明
電極パターン4上に、赤、緑、青に発色する有機EL材
料を溶解した溶液を、各色モザイク状に配列するように
付与する例を示している。透明電極パターン4上への有
機EL材料の付与は、液体噴射ヘッドを用いて有機EL
材料を溶解した溶液をノズル1から噴射し、その液滴2
を付与する。溶液の組成は、たとえば以下のとおりであ
る。 溶液組成物 溶媒 ドデシルベンゼン/ジクロロベンゼン(1/1、体積比) 赤 ポリフルオレン /ペリレン染料(98/2、重量比) 緑 ポリフルオレン/クマリン染料(98.5/1.5、重量比) 青 ポリフルオレン
【0009】固形物の溶媒に対する割合は、たとえば
0.4%(重量/体積)とされる。ここで、このような
溶液を付与されたガラス基板5は、たとえば100℃で
加熱し、溶媒を除去してからこの基板上に適当な金属マ
スクをし、図示しないアルミニウムを2000オングス
トローム蒸着し、ITOとアルミニウムよりリード線を
引き出し、ITOを陽極、アルミニウムを陰極として有
機EL素子が完成する。印加電圧は15ボルト程度で所
定の形状で赤、緑、青色に発光する有機EL素子が得ら
れる。
【0010】このような有機EL素子群を構成したガラ
ス基板は、ガラスあるいはプラスチック等の透明カバー
プレートを対向配置し、ケーシング(パッケージング)
することにより、自発光型の有機ELディスプレイ等の
画像表示装置とすることができる。なお、ここでは機能
性素子の一例として有機EL素子を考えた場合である
が、必ずしもこのような素子、材料に限定されるもので
はない。たとえば、電子放出素子を考えた場合、パラジ
ウム系の化合物を含有する溶液が使用される。この場合
は最終形態としては、この電子放出素子基板に蛍光体を
具備したフェースプレートを対向配置してパッケージン
グされた電子放出型ディスプレイとなる。また、機能性
素子として有機トランジスタなども好適に製作できる。
また、上記例の障壁3を形成するためのレジスト材料な
ども本発明に使用する溶液として利用される。
【0011】ここで、このような機能性材料を含有した
溶液を付与する手段として本発明では、インクジェット
の技術が適用される。以下にその具体的方法を説明す
る。図2は、本発明の機能性素子基板の製造装置の一実
施例を説明するための斜視図である。図中、11は吐出
ヘッドユニット、12はキャリッジ、13は基板保持
台、14は機能性素子を形成する基板、15は機能性材
料を含有する溶液の供給チューブ、16は信号供給ケー
ブル、17は噴射ヘッドコントロールボックス、18は
キャリッジ12のX方向スキャンモータ、19はキャリ
ッジ12のY方向スキャンモータ、20はコンピュー
タ、21はコントロールボックス、22(22X1、2
2Y1、22X2、22Y2)は基板位置決め/保持手
段である。
【0012】図3は、本発明の機能性素子基板の製造に
適用される液滴付与装置を示す図、図4は、図3の液滴
付与装置の吐出ヘッドユニットを示す要部斜視図であ
る。図3の液滴付与装置は、図2の液滴付与装置と異な
り、基板14側を移動させて機能性素子群を基板に形成
するものである。図3及び図4において、31はヘッド
アライメント制御機構、32は検出光学系、33は噴射
ヘッド、34はヘッドアライメント微動機構、35は制
御コンピュータ、36は画像識別機構、37はXY方向
走査機構、38は位置検出機構、39は位置補正制御機
構、40は噴射ヘッド駆動・制御機構、41は光軸、4
2は素子電極、43は液滴、44は液滴着弾位置であ
る。
【0013】吐出ヘッドユニット11の噴射ヘッド33
としては、任意の液滴を定量吐出できるものであればい
かなる機構でも良く、特に数pl〜数100pl程度の
液滴を形成できるインクジェット方式の機構が望まし
い。インクジェット方式としては、たとえば米国特許第
3683212号明細書に開示されている方式(Zol
tan方式)、米国特許第3747120号明細書に開
示されている方式(Stemme方式)、米国特許第3
946398号明細書に開示されている方式(Kyse
r方式)のようにピエゾ振動素子に、電気的信号を印加
し、この電気的信号をピエゾ振動素子の機械的振動に変
え、該機械的振動に従って微細なノズルから液滴を吐出
飛翔させるものがあり、通常、総称してドロップオンデ
マンド方式と呼ばれている。
【0014】他の方式として、米国特許第359627
5号明細書、米国特許第3298030号明細書等に開
示されている方式(Sweet方式)がある。これは連
続振動発生法によって帯電量の制御された記録液体の小
滴を発生させ、この発生された帯電量の制御された小滴
を、一様の電界が掛けられている偏向電極間を飛翔させ
ることで、記録部材上に記録を行うものであり、通常、
連続流方式、あるいは荷電制御方式と呼ばれている。
【0015】さらに他の方式として、特公昭56−94
29号公報に開示されている方式がある。これは液体中
で気泡を発生せしめ、その気泡の作用力により微細なノ
ズルから液滴を吐出飛翔させるものであり、サーマルイ
ンクジェット方式、あるいはバブルジェット(登録商
標)方式と呼ばれている。このように液滴を噴射する方
式は、ドロップオンデマンド方式、連続流方式、サーマ
ルインクジェット方式などがあるが、必要に応じて適宜
の方式を選べばよい。
【0016】本発明では、図2に示すような機能性素子
基板の製造装置において、基板14はこの装置の基板位
置決め/保持手段22によってその保持位置を調整して
決められる。図2では簡略化しているが、基板位置決め
/保持手段22は基板14の各辺に当接され、X方向お
よびそれに直交するY方向にμmオーダーで微調整でき
るようになっているとともに、噴射ヘッドコントロール
ボックス17、コンピュータ20、コントロールボック
ス21等と接続され、その位置決め情報および微調整変
位情報などと、液滴付与の位置情報、タイミングなど
は、たえずフィードバックできるようになっている。
【0017】さらに、本発明の機能性素子基板の製造装
置では、X、Y方向の位置調整機構の他に図示しない
(基板14の下に位置するために見えない)、回転位置
調整機構を有している。これに関連して先に本発明の機
能性素子基板の形状および形成される機能性素子群の配
列に関して説明する。
【0018】本発明の機能性素子基板は、石英ガラス、
Na等の不純物含有量を低減させたガラス、青板ガラ
ス、SiO2を表面に堆積させたガラス基板およびアル
ミナ等のセラミックス基板等が用いられる。また、軽量
化あるいは可撓性を目的として、PETを始めとする各
種プラスチック基板も好適に用いられる。いずれにしろ
その形状はこのような基板を経済的に生産、供給する、
あるいは最終的に製作される機能性素子基板の用途か
ら、Siウエハなどとは違って、矩形(直角4辺形)で
ある。つまり、その矩形形状を構成する縦2辺、横2辺
はそれぞれ、縦2辺が互いに平行、横2辺が互いに平行
であり、かつ縦横の辺は直角をなすような基板である。
【0019】このような基板に対して、本発明では形成
される機能性素子群をマトリックス状に配列し、このマ
トリックスの互いに直交する2方向が、この基板の縦方
向の辺あるいは横方向の辺の方向と平行であるように機
能性素子群を配列する。このように機能性素子群をマト
リックス状に配列する理由、および基板の縦横の辺をそ
のマトリックスの直交する2方向と平行になるようにす
る理由について以下に述べる。
【0020】図2あるいは図3に示したように、本発明
では、最初に基板14と吐出ヘッドユニット11(噴射
ヘッド33)の溶液噴射口面の位置関係が決められた後
は、特に位置制御を行うことはない。つまり、吐出ヘッ
ドユニット11は基板14に対して一定の距離を保ちな
がら機能性素子群の形成面に対して平行にX、Y方向の
相対移動を行いつつ、上記溶液(たとえば、有機EL材
料、あるいは導電性材料を溶解した溶液、レジスト材料
など)の噴射を行う。つまり、このX方向及びY方向は
互いに直交する2方向であり、基板の位置決めを行う際
に、基板の縦辺あるいは横辺をそのY方向あるいはX方
向と平行になるようにしておけば、形成される機能性素
子群もそのマトリックス状配列の2方向がそれぞれ平行
であるため、相対移動を行いつつ噴射する機構のみで高
精度の機能性素子群形成を行うことができる。言い換え
るならば、本発明のような基板形状、機能性素子群のマ
トリックス状配列、直交するX、Yの2方向の相対移動
装置にすれば、素子形成の液滴噴射を行う前の基板の位
置決めを正確に行うことにより、高精度な機能性素子群
のマトリックス状配列が得られるということである。
【0021】ここで、先ほどの回転位置調整機構に戻っ
て説明する。前述のように本発明では、素子形成の液滴
噴射を行う前の基板の位置決めを正確に行い、Xおよび
Y方向の相対移動のみを行い、他の制御を行わず、高精
度な機能性素子群のマトリックス状配列を得ようという
ものである。その際問題となるのは、最初に基板の位置
決めを行う際の回転方向(X、Yの2方向で決定される
平面に対して垂直方向の軸に対する回転方向)のズレで
ある。
【0022】この回転方向のズレを補正するために、本
発明では、前述のように図示しない(基板14の下に位
置して見えない)回転位置調整機構を有している。これ
により回転方向のズレも補正し、基板の辺を位置決めす
ると、本発明の装置では、XおよびY方向のみの相対移
動で高精度な機能性素子群のマトリックス状配列が得ら
れる。
【0023】以上は、この回転位置調整機構を、図2の
基板位置決め/保持手段22(22X1、22Y1、2
2X2、22Y2)とは別異の機構として説明した(基
板14の下に位置して見えない)が、基板位置決め/保
持手段22に回転位置調整機構を持たせることも可能で
ある。例えば、基板位置決め/保持手段22は、基板1
4の辺に当接され、基板位置決め/保持手段22全体
が、X方向あるいはY方向に位置を調整できるようにな
っているが、基板位置決め/保持手段22の基板14の
辺に当接される部分において、距離をおいて設けられた
2本のネジが独立に動くようにしておけば、角度調整が
可能である。なお、この回転位置制御情報も上記のX、
Y方向の位置決め情報および微調整変位情報などと同様
に噴射ヘッドコントロールボックス17、コンピュータ
20、コントロールボックス21などと接続され、液滴
付与の位置情報、タイミングなどが、たえずフィードバ
ックできるようになっている。
【0024】次に、本発明の位置決め手段と異なる他の
手段、構成について説明する。上記の説明では基板位置
決め/保持手段22は、基板14の辺に当接され、基板
位置決め/保持手段22全体が、X方向あるいはY方向
に位置を調整できるようにしたものであるが、ここで
は、基板14の辺ではなく、基板上に互いに直交する2
方向に帯状パターンを設けるようにした例について説明
する。前述のように、本発明では基板上に機能性素子群
をマトリックス状に配列して形成されるが、ここでは、
前記のような互いに直交する2方向の帯状パターンをこ
のマトリックスの互いに直交する2方向と平行になるよ
うに形成しておく。このような帯状パターンは、基板上
にフォトファブリケーション技術によって容易に形成で
きる。
【0025】あるいは、上述のような帯状パターンをそ
の目的のためだけに作成するのではなく、図4に示す素
子電極42や、各素子のX方向配線やY方向配線等の配
線パターンを本発明の互いに直交する2方向の帯状パタ
ーンとみなしてもよい。このような帯状パターンを設け
ておけば、図4で後述するような、CCDカメラとレン
ズとを用いた検出光学系32によってパターン検出がで
き、位置調整にフィードバックできる。
【0026】次に、上記X、Y方向に対して垂直方向で
あるZ方向であるが、本発明では、最初に基板14と吐
出ヘッドユニット11の溶液噴射口面の位置関係が決め
られた後は、特に位置制御を行うことはない。つまり、
吐出ヘッドユニット11は基板14に対して一定の距離
を保ちながらX、Y方向の相対移動を行いつつ、機能性
材料を含有する溶液の噴射を行うが、その噴射時には、
吐出ヘッドユニット11のZ方向の位置制御は特に行わ
ない。その理由は、噴射時にその制御を行うと、機構、
制御システムなどが複雑になるだけではなく、基板14
への液滴付与による機能性素子の形成が遅くなり、生産
性が著しく低下するからである。
【0027】かわりに、本発明では基板14の平面度や
その基板14を保持する部分の装置の平面度、さらに吐
出ヘッドユニット11をX、Y方向に相対移動を行わせ
るキャリッジ機構などの精度を高めるようにすること
で、噴射時のZ方向制御を行わず、吐出ヘッドユニット
11と基板14のX、Y方向の相対移動を高速で行い、
生産性を高めている。一例をあげると、本発明の溶液付
与時(噴射時)における基板14と吐出ヘッドユニット
11の溶液噴射口面の距離の変動は5mm以下におさえ
られている(基板14のサイズが200mm×200m
m以上、4000mm×4000mm以下の場合)。
【0028】なお、通常X、Y方向の2方向で決まる平
面は水平(鉛直方向に対して垂直な面)に維持されるよ
うに装置構成されるが、基板14が小さい場合(例えば
500mm×500mm以下の場合)には必ずしもX、
Y方向の2方向で決まる平面を水平にする必要はなく、
その装置にとって最も効率的な基板14の配置の位置関
係になるようにすればよい。
【0029】次に、本発明の他の実施例を説明するが、
本発明はこれらの例に限定されるものではない。図3
は、図2の場合と違い、吐出ヘッドユニット11と基板
14の相対移動を行う際に、基板14側を移動させる例
である。図4は、図3の装置の吐出ヘッドユニット11
を拡大して示した図で、図4(A)は検出光学系によっ
て吐出ヘッドユニットの位置決めを行っている様子を示
し、図4(B)は吐出ヘッドユニットが位置決めされた
後、液滴を噴射している様子を示す図である。図3にお
いて、37はXY方向走査機構であり、その上に機能性
素子基板14が載置してある。基板14上の機能性素子
は、たとえば図1のものと同じ構成であり、単素子とし
ては図1に示した構成と同様に、ガラス基板5(機能性
素子基板14に相当する)、障壁3、ITO透明電極パ
ターン4よりなっている。この機能性素子基板14の上
方に液滴を付与する吐出ヘッドユニット11が位置して
いる。本実施例では、吐出ヘッドユニット11は固定
で、機能性素子基板14がXY方向走査機構37により
任意の位置に移動することで吐出ヘッドユニット11と
機能性素子基板14との相対移動が実現される。
【0030】次に、図4により吐出ヘッドユニット11
の構成を説明する。図4において、32は基板14上の
画像情報を取り込む検出光学系であり、液滴43を吐出
させる噴射ヘッド33に近接し、検出光学系32の光軸
41および焦点位置と、噴射ヘッド33による液滴43
の着弾位置44とが一致するよう配置されている。この
場合、図3に示す検出光学系32と噴射ヘッド33との
位置関係はヘッドアライメント微動機構34とヘッドア
ライメント制御機構31により精密に調整できるように
なっている。また、検出光学系32には、CCDカメラ
とレンズとを用いている。
【0031】図3において、36は先の検出光学系32
で取り込まれた画像情報を識別する画像識別機構であ
り、画像のコントラストを2値化し、2値化した特定コ
ントラスト部分の重心位置を算出する機能を有したもの
である。具体的には(株)キーエンス製の高精度画像認
識装置、VX−4210を用いることができる。これに
よって得られた画像情報に機能性素子基板14上におけ
る位置情報を与える手段が位置検出機構38である。こ
れには、XY方向走査機構37に設けられたリニアエン
コーダ等の測長器を利用することができる。また、これ
らの画像情報と機能性素子基板14上での位置情報をも
とに、位置補正を行うのが位置補正制御機構39であ
り、この機構によりXY方向走査機構37の動きに補正
が加えられる。また、噴射ヘッド駆動・制御機構40に
よって噴射ヘッド33が駆動され、液滴が機能性素子基
板14上に付与される。これまで述べた各制御機構は、
制御用コンピュータ35により集中制御される。
【0032】なお、以上の説明は、吐出ヘッドユニット
11は固定で、機能性素子基板14がXY方向走査機構
37により任意の位置に移動することで吐出ヘッドユニ
ット11と機能性素子基板14との相対移動を実現して
いるが、図2のように、機能性素子基板14を固定と
し、吐出ヘッドユニット11がXY方向に走査するよう
な構成としてもよいことはいうまでもない。特に200
mm×200mm程度の中型基板から2000mm×2
000mmあるいはそれ以上の大型基板の製作に適用す
る場合には、後者のように機能性素子基板14を固定と
し、吐出ヘッドユニット11が直交するX、Yの2方向
に走査するようにし、溶液の液滴の付与をこのような直
交する2方向に順次行うようにする構成としたほうがよ
い。
【0033】また逆に、たとえば軽いプラスチック基板
を使用し、そのサイズも200mm×200mmから4
00mm×400mm程度の中型基板の場合において
は、インクジェットプリンタの紙搬送を行うようにする
ことも考えられる。つまり、キャリッジ12に搭載され
た吐出ヘッドユニット11が、X方向のみ(もしくはY
方向のみ)に走査され、基板がY方向(もしくはX方
向)に搬送される。その場合は生産性が著しく向上す
る。
【0034】基板サイズが200mm×200mm程度
以下の場合には、液滴付与のための吐出ヘッドユニット
を200mmの範囲をカバーできるラージアレイマルチ
ノズルタイプとし、吐出ヘッドユニットと基板の相対移
動を直交する2方向(X方向、Y方向)に行うことな
く、1方向のみ(例えばX方向のみ)に相対移動させて
行うことも可能であり、また量産性も高くすることがで
きるが、基板サイズが200mm×200mm以上の場
合には、そのような200mmの範囲をカバーできるラ
ージアレイマルチノズルタイプの吐出ヘッドユニットを
製作することは技術的/コスト的に実現困難であり、本
発明のように吐出ヘッドユニット11が直交するX、Y
の2方向に走査するようにし、溶液の液滴の付与をこの
ような直交する2方向に順次行うようにする構成とした
ほうがよい。
【0035】特に最終的な基板としては、200mm×
200mmより小さいものを製作する場合であっても、
大きな基板から複数個取りして製作するような場合に
は、その元の基板は、400mm×400mmから20
00mm×2000mmあるいはそれ以上のものを使用
することになるので、吐出ヘッドユニット11が直交す
るX、Yの2方向に走査するようにし、溶液の液滴の付
与をこのような直交する2方向に順次行うようにする構
成としたほうがよい。
【0036】液滴43の材料には、先に述べた有機EL
材料の他に、例えばポリフェニレンビニレン系(ポリパ
ラフェニリレンビニレン系誘導体)、ポリフェニレン系
誘導体、その他、ベンゼン誘導体に可溶な低分子系有機
EL材料、高分子系有機EL材料、ポリビニルカルバゾ
ールなどの材料を用いることができる。有機EL材料の
具体例としては、ルブレン、ペリレン、9、10−ジフ
ェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイ
ルレッド、クマリン6、キナクリドン、ポリチオフェン
誘導体などが挙げられる。また、有機EL表示における
周辺材料である電子輸送性、ホール輸送性材料も本発明
の機能性素子を製作する機能材料として使用される。
【0037】本発明の機能性素子を製作する機能材料と
しては、この他に半導体などに多用される層間絶縁膜の
シリコンガラスの前駆物質であるか、シリカガラス形成
材料を挙げることができる。かかる前駆物質として、ポ
リシラザン(例えば東燃製)、有機SOG材料などが挙
げられる。また、有機金属化合物を用いても良い。
【0038】さらに、他の例として、カラーフィルター
用材料が挙げられる。具体的には、スミカレッドB(商
品名、住友化学製染料)、カヤロンフアストイエローG
L(商品名、日本化薬製染料)、ダイアセリンフアスト
ブリリアンブルーB(商品名、三菱化成製染料)などの
昇華染料などを用いることができる。
【0039】本発明の溶液組成物において、ベンゼン誘
導体の沸点が150℃以上であることが好ましい。この
ような溶媒の具体例としては、O−ジクロロベンゼン、
m−ジクロロベンゼン、1、2、3−トリクロロベンゼ
ン、O−クロロトルエン、p−クロロトルエン、1−ク
ロロナフタレン、ブロモベンゼン、O−ジブロモベンゼ
ン、1−ジブロモナフタレンなどが挙げられる。これら
の溶媒を用いることにより、溶媒の揮散が防げるので好
適である。これらの溶媒は、芳香族化合物に対する溶解
度が大きく好適である。また、本発明の溶液組成物ドデ
シルベンゼンを含むことが好ましい。ドデシルベンゼン
としては、n−ドデシルベンゼン単一でも良く、また異
性体の混合物を用いることもできる。
【0040】この溶媒は、沸点300℃以上、粘度6c
p以上(20℃)の特性を有し、この溶媒単一でももち
ろん良いが、他の溶媒に加えることにより、溶媒の揮散
を効果的に防げ、好適である。また、上記溶媒のうちド
デシルベンゼン以外は粘度が比較的小さいため、この溶
媒を加えることにより粘度も調整できるため非常に好適
である。本発明によれば、上述したような溶液組成物を
吐出装置により基板上に吐出により供給した後、基板を
吐出時温度より高温で処理して膜化する機能膜形成法が
提供される。吐出温度は室温であり、吐出後基板を加熱
することが好ましい。このような処理をすることによ
り、吐出時溶媒の揮散、温度の低下により析出した内容
物が再溶解され、均一、均質な機能膜を得ることができ
る。上述の機能膜の作製法において、吐出組成物を吐出
装置により基板上に供給後、基板を吐出時温度より高温
に処理する際に、加圧しながら加熱することが好まし
い。このように処理することにより、加熱時の溶媒の揮
散を遅らすことができ、内容物の再溶解が更に促進され
る。その結果、均一、均質な機能膜を得ることができ
る。また、上述の機能膜の作製法において、前記基板を
高温処理後直ちに減圧し、溶媒を除去することが好まし
い。このように処理することにより、溶媒濃縮時の内容
物の相分離を防ぐことができる。
【0041】こうした液滴43を吐出ヘッドユニット1
1の噴射ヘッド33により所望の素子電極部に付与する
際には、付与すべき位置を検出光学系32と画像識別機
構36とで計測し、その計測データ、噴射ヘッド33の
吐出口面と機能性素子基板14の距離、キャリッジの移
動速度に基づいて補正座標を生成し、この補正座標通り
に機能性素子基板14前面を吐出ヘッドユニット11の
噴射ヘッド33をX、Y方向に移動せしめながら液滴を
付与する。検出光学系32としては、CCDカメラ等と
レンズを組み合わせたものを用い、画像識別機構36と
しては、市販のもので画像を2値化しその重心位置を求
めるもの等を用いることができる。
【0042】次に、本発明の他の特徴について説明す
る。本発明の機能性素子基板は、機能性材料を含有する
溶液をインクジェットの原理で空中を飛翔させ、基板上
に液滴として付与して製作されるものであるが、高精度
な機能性素子を形成するためには、液滴が基板上に付与
された時点で、良好な素子形成が行われるように、付与
後の液滴が基板上でにじんだり、流れたりすることな
く、良好な丸いドットを形成し、鮮明かつ狙いどおりの
寸法のドットが得られることが要求される。
【0043】通常、紙にインクを噴射し、記録を行うイ
ンクジェット記録技術においては、紙面上で、良好な丸
いドットを形成し、鮮明かつ狙いどおりの寸法のドット
を得るために、たとえば、紙の表面にシリカ等の物質を
コートしたいわゆるコート紙と呼ばれるインクジェット
記録専用紙が使用される。本発明は紙ではなく機能性素
子基板に関するものであり、インクジェット記録専用紙
のような原理を採用することができない。
【0044】しかしながら本発明者は、インクジェット
記録専用紙にヒントを得て、本発明の機能性素子基板に
おいては、機能性材料を含有する溶液をインクジェット
の原理で付着させる前の基板表面の状態が、良好な丸い
ドットを形成し、鮮明かつ狙いどおりの寸法のドットを
得るために大きな作用を及ぼすのではないかと考えた。
具体的には、基板の表面の粗さである。
【0045】本発明に使用される基板は、前述のよう
に、ガラス、セラミックス、あるいは各種プラスチック
などが用いられる。ここで、たとえばガラス表面がすり
ガラスのような状態のものである場合、機能性材料を含
有する溶液をインクジェットの原理で付着させた場合、
毛管現象の原理で、基板上に付着した溶液はどんどん広
がっていき、いわゆるにじみ状態になり、良好なドット
としての形状を維持できない。本発明者はこの現象に注
目し、本発明に使用する基板の表面の粗さをいろいろ変
化させ、付着した溶液が広がらない、つまりにじみ状態
にならないようにするにはどのくらいの表面粗さにすれ
ばよいのかを実験的に検討した。表1にその結果を示
す。
【0046】実験に使用した基板は、石英ガラスとPE
Tフィルム(厚さ3mm)とSiO2を表面に堆積させ
たアルミナ基板(以下、SiO2アルミナ基板と記
す。)であり、石英ガラスとPETフィルムの場合、表
面粗さを鏡面状態からすりガラス状のものまで変えたも
のを準備した。また、SiO2アルミナ基板の場合は、
アルミナ基板の表面をでき得る限りその表面粗さをなめ
らかにし、スパッタリングによって堆積させるSiO2
の体積条件を変化させ、SiO2面の表面粗さを変化さ
せたものを準備した。なお、表面粗さはデックタック製
の接触型表面粗さ計で測定した。
【0047】これらの基板は図2に示した装置を用い、
機能性材料を含有する溶液をインクジェットの原理で付
着させ、良好なドットの形成状況を調べたものである。
以下に実際の実験に使用した溶液、噴射ヘッドの条件等
を示す。使用した溶液は、O−ジクロロベンゼン/ドデ
シルベンゼンの混合溶液にポリヘキシルオキシフェニレ
ンビニレンを0.1重量パーセント混合した溶液であ
る。また、使用した噴射ヘッドは、ピエゾ素子を利用し
たドロップオンデマンド型インクジェットヘッドで、ノ
ズル径はΦ23μmで、ピエゾ素子への入力電圧を27
Vとし、駆動周波数は、12kHzとした。その際ジェ
ット初速度として、8m/sを得ており、1滴の質量は
5plである。キャリッジ走査速度(X方向)は、5m
/sとした。なお噴射ヘッドノズルと基板間の距離は3
mmとした。また、液滴飛翔時の液滴の形状を、素子形
成と同じ条件で別途噴射、観察し、その形状が、基板面
に付着する直前(本発明例では3mm)にほぼ丸い滴に
なるように駆動波形を制御して噴射させた。なお、完全
に丸い球状が得られず、飛翔方向に伸びた柱状であって
も、駆動波形を制御し、その直径の3倍以内の長さにし
た。またその際、飛翔滴後方に複数の微小な滴を伴うこ
とのない駆動条件(駆動波形)を選んだ。
【0048】その後、この上にアルミニウムをスパッタ
し素子形成を行った。ITOとアルミニウムよりリード
線を引き出し、ITOを陽極、アルミニウムを陰極とし
て10Vの電圧を印加したところ、表1のような結果が
得られた。ここでは基板上の素子形成状況および素子性
能を評価したものである。ここで、基板上のドットの形
成状況(にじみ状況)は、良好に形成でき(にじみのな
い鮮明なドット)電子放出素子が良好に形成できるレベ
ルのものを○、溶液が流れ気味でにじんだドットとなり
電子放出素子が良好に形成できないレベルのものを×と
している。素子性能が、○は所定の形状で橙色に発光し
たものであり、×は発光しなかったり部分的に発光(素
子としては実使用不可)したりしたものである。
【0049】
【表1】
【0050】以上の結果より、基板の種類とは関係な
く、溶液が付着する領域の表面粗さによって、基板上の
ドット形成状況およびそれによる素子性能が決まること
がわかる。つまり、基板の表面粗さが、0.5s以下で
あれば基板上のドット形成が良好になり、機能性素子
(この場合有機EL素子)が良好に形成でき(実用に供
するレベル)、一方、それよりも表面粗さが粗くなる
と、基板上のドット形成が良好ではなくなり(溶液が流
れ気味でにじんだドット)、機能性素子が良好に形成で
きなくなる(実用に供しないレベル)ことがわかる。つ
まり、良好な機能性素子を形成するために基板の表面粗
さを0.5s以下にすればよいことがわかるが、ここで
少し問題がある。
【0051】第1の問題はコストである。このように非
常になめらかな面を得るには、基板を高精度に研摩する
必要がある。あるいは、SiO2アルミナ基板のように
表面にSiO2をスパッタリングするような場合にも、
表面のなめらかなSiO2面を得るには、時間をかけて
丁寧に膜形成を行う必要があり、同様にコスト高という
問題が発生する。
【0052】ところで、本発明の機能性素子基板は、前
述のように基板の片面に機能性素子を形成する構造のも
のであることを考慮すると、機能性素子を形成する面の
み、なめらかな面となった基板を使用すればよいことが
わかる。つまり、基板の表面(機能性素子群を形成する
面)のみ、前述のような実験結果より得られた表面粗さ
とし、裏面はそれより粗い面にしても十分事足りる。言
い換えるならば、本発明では基板の機能性素子群を形成
する面より裏面の表面粗さを粗くなるようにした基板を
用いることにより、高精度な機能性素子群のパターンが
形成できるとともに、基板製造コストを低くすることが
できるということである。
【0053】次に、第2の問題は、機能性素子基板の製
造プロセス時に基板裏面が製造装置に密着して、移動さ
せることができなくなるという製造時の不具合である。
上記第1の問題は、コスト面からの検討で、基板の機能
性素子群を形成する面より裏面の表面粗さが粗い基板を
用いることにより、基板材料の低コスト化を実現できた
が、今回上記実験を図2に示したような機能性素子基板
の製造装置を用いて行った際にわかったことであるが、
基板が基板保持台13に付着して外しにくいという問題
が発生することがわかった。
【0054】この問題は、ちょうどブロックゲージがそ
の表面のなめらかさを利用して、2つのブロックゲージ
をくっつける(Ringingという。)原理とよく似
ているが、基板の裏面があまりになめらか過ぎると、基
板保持台13に付着して外しにくくなり、それを外すの
に余計な手間がかかり、生産の歩留まりが低下するとい
う問題があることが判明した。そこで本発明者は、上記
の実験で用いた基板(石英ガラスとPETフィルムとS
iO2アルミナ基板)の裏面の表面粗さを変えて、その
表面粗さがどの程度であれば、基板保持台13に付着す
ることなく、基板の取り外し交換作業が、スムーズに行
えるかを実験を通じて明らかにした。
【0055】結果を表2に示す。ここで、基板の取り外
し交換作業容易性は、基板の付着がなく、簡単に基板保
持台13から外せた場合を○、そうでない場合を×とし
ている。なお、基板保持台13はSUS304を砥石に
よる研削仕上げとした面状態である。また、SiO2ア
ルミナ基板は、裏面にはSiO2がなくアルミナ面が裏
面である。
【0056】
【表2】
【0057】以上の結果より、基板の種類とは関係な
く、裏面の表面粗さを1s以上となるようにすることに
より、機能性素子基板の製造プロセス時に基板裏面が製
造装置に密着して、移動させることができなくなる(基
板の取り外し交換作業がしにくくなる)という製造時の
不具合を避けることができることがわかる。
【0058】なお、最初に図1で障壁3の中に液滴を噴
射付与する例を示しているが、上記実験で機能性素子群
を形成するに当たっては、図1に示したような障壁3は
なく、平板状の基板に直接電極パターン形成や、液滴付
与による機能性素子を形成している。また図4では、液
滴が基板面に斜めに噴射する図を示したが、基本的には
ほぼ垂直に噴射付与する。
【0059】さらに、ここでは機能性素子の一例として
有機EL素子を中心に説明したが、前述のように本発明
は必ずしもこのような素子、材料に限定されるものでは
ない。機能性素子として、有機トランジスタなども本発
明を利用して好適に製作できる。また、上記例の障壁3
を形成するためのレジスト材料なども本発明に使用する
溶液として利用することができ、このようなレジストパ
ターンを作製する技術としても好適に適用される。
【0060】
【発明の効果】請求項1に対応した効果 機能性素子群を形成した機能性素子基板において、基板
の機能性素子群を形成する面より裏面の表面粗さを粗く
なるようにしたので、高精度な機能性素子群のパターン
が形成できるとともに、製造コストを低くすることがで
き、また機能性素子基板の製造時に基板が製造装置の基
板保持体に密着することがない。
【0061】請求項2に対応した効果 機能性素子群を形成した機能性素子基板において、機能
性素子群を形成する面の表面粗さを0.5s以下となる
ようにしたので、より高精度なパターンの機能性素子群
を形成でき、高性能な機能性素子基板が得られる。
【0062】請求項3に対応した効果 機能性素子群を形成した機能性素子基板において、裏面
の表面粗さを1s以上となるようにしたので、機能性素
子基板の製造プロセス時に基板裏面が製造装置に密着し
て、移動させることができなくなるという製造時の不具
合が生じないので、歩留まりがよくなり、製造コストを
低減することができる。
【0063】請求項4に対応した効果 高性能、低コストな機能性素子基板を画像表示装置に使
用するようにしたので、高画質、低コストの画像表示装
置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例の吐出組成物を用い機能性素
子を作製する一工程を模式的に示す斜視図である。
【図2】 本発明の機能性素子基板の製造装置の一実施
例を示す斜視図である。
【図3】 本発明の機能性素子基板の製造装置に適用さ
れる液滴付与装置を示す図である。
【図4】 図3の液滴付与装置の吐出ヘッドユニットを
示す斜視図である。
【符号の説明】
1…(液体噴射ヘッドの)ノズル、2…有機EL材料か
らなる液滴、3…有機物(ポリイミド)障壁、4…透明
電極パターン、5…ガラス基板、11…吐出ヘッドユニ
ット、12…キャリッジ、13…基板保持台、14…基
板、15…機能性材料を含有する溶液の供給チューブ、
16…信号供給ケーブル、17、21…コントロールボ
ックス、18…X方向スキャンモータ、19…Y方向ス
キャンモータ、20…コンピュータ、22…基板位置決
め/保持手段、31…ヘッドアライメント制御機構、3
2…検出光学系、33…噴射ヘッド、34…ヘッドアラ
イメント微動機構、35…制御コンピュータ、36…画
像識別機構、37…XY方向走査機構、38…位置検出
機構、39…位置補正制御機構、40…噴射ヘッド駆動
・制御機構、41…光軸、42…素子電極、43…液
滴、44…液滴着弾位置。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の表面に機能性材料を含有する溶液
    の液滴を噴射付与し、機能性素子群を形成した機能性素
    子基板において、前記基板の裏面の表面粗さを前記基板
    の表面の表面粗さより粗くしたことを特徴とする機能性
    素子基板。
  2. 【請求項2】 前記機能性素子群を形成する前記基板の
    表面の表面粗さは、0.5s以下であることを特徴とす
    る請求項1に記載の機能性素子基板。
  3. 【請求項3】 前記基板の裏面の表面粗さは、1s以上
    であることを特徴とする請求項1または2に記載の機能
    性素子基板。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1に記載の機能
    性素子基板と、該機能性素子基板に対向して配置された
    カバープレートからなることを特徴とする画像表示装
    置。
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