JP2003254372A - 油圧緩衝器 - Google Patents

油圧緩衝器

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JP2003254372A
JP2003254372A JP2002055100A JP2002055100A JP2003254372A JP 2003254372 A JP2003254372 A JP 2003254372A JP 2002055100 A JP2002055100 A JP 2002055100A JP 2002055100 A JP2002055100 A JP 2002055100A JP 2003254372 A JP2003254372 A JP 2003254372A
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shock absorber
outer cylinder
hydraulic shock
spherical
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Chikaya Sekine
知賀也 関根
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Tokico Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリンダ及びボトムバルブの外筒
に対する位置決めを容易にし、製品毎のばらつきの低減
を図ることができる油圧緩衝器の提供。 【解決手段】 ボトムバルブ9の大径部9bの下
端側にアール部15を形成し、外筒7の底部にはアール
部16を形成した。アール部15がアール部16の内側
の球面形状に倣って摺接するので、外筒7の軸心に対す
るシリンダ2及びボトムバルブ9の軸心を自動調心する
ことができる。容易に位置決めができるようになると共
に、油圧緩衝器1の量産性を大幅に向上することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車、鉄道車両
あるいは建築構造物等に適用され、振動対象物の振動を
好適に減衰するのに用いられる油圧緩衝器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の油圧緩衝器として、例えば、図5
に示すものがある。図5は、油圧緩衝器のボトム部分に
おける拡大断面図を示している。
【0003】油圧緩衝器100は、内部に油液が封入さ
れたシリンダ101(内筒)を備え、シリンダ101の
外周側には、シリンダ101を包囲するように外筒10
2が設けられ、この外筒102とシリンダ101との間
に、環状のリザーバ室103が形成されている。このリ
ザーバ室103内には、油液及び所定圧のガスが封入さ
れている。
【0004】外筒102の図中下端側には、外筒102
の一端側を閉塞するベースキャップ104が設けられ、
このベースキャップ104は、外筒102にシーム溶接
によって固定されている。
【0005】ベースキャップ104は、外筒102に嵌
合する筒部104a、内側にテーパ面Tが形成されたテ
ーパ部104b、ボトムバルブ105を支持する平面部
104c及び油圧緩衝器100を車軸等に取り付けるた
めの取付アイ106が固定される取付部104dとから
構成され、このベースキャップ104はプレス加工によ
って形成されている。
【0006】シリンダ101の図中下端側には、ボトム
バルブ105(ボトム部)が設けられ、このボトムバル
ブ105には、小径部105a及び大径部105bが形
成されている。小径部105aは、シリンダ101に圧
入して固定されている。
【0007】ボトムバルブ105には、シリンダ下室1
01bとリザーバ室103とを連通する縮み側油路10
7a及び伸び側油路107bが穿設され、縮み側油路1
07aの下流側には、油圧緩衝器100の縮み行程時
に、ピストンロッド(図示せず)のシリンダ101内へ
の進入により生じる油液の流動に対して抵抗(減衰力)
を与える縮み側減衰バルブ108が設けられている。ま
た、伸び側油路107bの下流側には、油圧緩衝器10
0の伸び行程時にリザーバ室103からシリンダ下室1
01bへの油液の流通のみを許容するチェックバルブ1
09が設けられている。
【0008】さらに、ボトムバルブ105の大径部10
5bの下端側には、周方向に所定個数(例えば4個)の
切欠き110が周方向に所定間隔をもって形成され、ボ
トムバルブ105の大径部105bの下端平面105c
がベースキャップ104の平面部104cに当接して支
持されている。
【0009】なお、テーパ部104bの内側に形成され
たテーパ面Tは、油圧緩衝器100を組立てる際、シリ
ンダ101とボトムバルブ105とからなるサブアッシ
を所定位置に位置決めする役割を果たしている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来の油圧緩衝器は、ボトムバルブ105の小径部105
aをシリンダ101に圧入して固定したサブアッシを、
外筒102に組付けて油圧緩衝器100を組立てるよう
にしているが、サブアッシの中には、ボトムバルブ10
5の軸心とシリンダ101の軸心とが、ずれて固定され
たものが混在している場合がある。
【0011】油圧緩衝器を組立てる際には、通常、サブ
アッシに軸方向圧力(軸力)が与えられるが、上記軸心
がずれたサブアッシを外筒102に組付けた場合には、
ボトムバルブ105の下端平面105cがベースキャッ
プ104の平面部104cに当接して支持されることか
ら、サブアッシに正規の軸力を与えた設計通りの油圧緩
衝器の量産が困難であるといった問題があった。
【0012】また、筒部104a、テーパ部104b、
平面部104c及び取付部104dからなる、複雑な形
状のベースキャップ104をプレス加工する必要がある
ため、量産に伴なうベースキャップ104のプレス加工
治具の消耗時には、テーパ部104bのテーパ面Tを正
確に形成することが困難となり、ひいては、シリンダ1
01とボトムバルブ105とからなるサブアッシを所定
位置に位置決めすることも困難になる。
【0013】本発明は、上記した問題点に鑑みてなされ
たもので、その課題とするところは、油圧緩衝器の量産
性の向上、製品毎のばらつきの低減を図ることができる
油圧緩衝器を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1の発明に係る油圧緩衝器は、油液が封入さ
れたシリンダと、該シリンダ内に摺動可能に嵌挿され前
記シリンダ内を2室に画成するピストンと、一端が該ピ
ストンに接続され他端が前記シリンダ外に延出されたピ
ストンロッドと、前記シリンダを包囲しその間にリザー
バ室を形成する外筒と、該外筒に当接して位置決めされ
前記シリンダ内とリザーバ室との間で油液の連通を許容
するボトム部と、を備えた油圧緩衝器において、前記外
筒の底部内側を球面状に形成し、該球面部において前記
ボトム部を支持するようにしたことを特徴とする。
【0015】このように構成したことにより、外筒の底
部内側に形成した球面部の形状に倣ってボトム部が摺接
するので、外筒に対してボトム部材及びシリンダを自動
調心できる。
【0016】また、請求項2の発明に係る油圧緩衝器
は、請求項1の発明において、前記球面部と前記ボトム
部の当接部とを、同一半径の球面で構成したことを特徴
とする。
【0017】このように構成したことにより、外筒に形
成した球面部とボトム部の当接部との摺接をより滑らか
にして、さらに容易に自動調心できる。
【0018】さらに、請求項3の発明に係る油圧緩衝器
は、請求項1または請求項2の発明において、前記外筒
として、スピニング加工で底部を球面状に閉塞した外筒
を用いたこと特徴とする。
【0019】このように構成したことにより、外筒に球
面部を容易に一体成形することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1実施形態につ
いて、図1乃至図3に基づき詳細に説明する。なお、図
2は図1のボトム部分の部分拡大断面図を示している。
【0021】図1において、本発明における油圧緩衝器
1は、自動車の車体と車軸との間(何れも図示せず)に
介装されるもので、油圧緩衝器1は、油液が封入された
シリンダ2内を上下2室2a、2bに画成すると共に、
シリンダ2内に摺動可能に嵌装されたピストン3を備
え、このピストン3には、ピストンロッド4の一端側が
接続され、ピストンロッド4の他端側は、ロッドガイド
5及びオイルシール6とを介して、シリンダ2の外部に
延設されている。
【0022】ピストン3には、シリンダ上下室2a、2
b間を連通する伸び側及び縮み側油通路3a、3bが穿
設されており、この各々の油通路3a、3bには、油圧
緩衝器1の伸び行程及び縮み行程時に減衰力を発生する
伸び側及び縮み側減衰弁3c、3dがそれぞれ設けられ
ている。
【0023】シリンダ2の外周側には、外筒7がシリン
ダ2を包囲するように設けられ、外筒7とシリンダ2と
の間には、油液及び所定圧のガスが封入された環状のリ
ザーバ室8が形成されている。
【0024】シリンダ2の図中下端側には、環状のボト
ムバルブ9(ボトム部)が設けられ、図2に示すよう
に、このボトムバルブ9には、小径部9a及び大径部9
b(対向球部)が形成されている。この小径部9aはシ
リンダ2に圧入して固定されている。
【0025】ボトムバルブ9には、シリンダ下室2bと
リザーバ室8との間で油液の連通を許容する縮み側油路
10及び伸び側油路11が設けられ、これら縮み及び伸
び側油路10、11は、ボトムバルブ9の周方向に所定
個数(例えば4個づつ)設けられている。
【0026】縮み側油路10の下流側、すなわち、図中
下方側には、油圧緩衝器1の縮み行程時において、シリ
ンダ2内(シリンダ下室2b)からリザーバ室8内への
油液の流動に対して流動抵抗を与え、減衰力を発生する
複数の環状のディスクを積層してなる減衰弁12が設け
られている。
【0027】また、伸び側油路11の下流側、すなわ
ち、図中上方側には、その内周側に伸び側油路11と対
向する油路13aを備えると共に、油圧緩衝器1の伸び
行程時において、リザーバ室8内からシリンダ2内(シ
リンダ下室2b)への油液の流動を抵抗なく許容する環
状のディスクからなるチェック弁13が設けられてい
る。
【0028】そして、これらの減衰弁12及びチェック
弁13は、それぞれボトムバルブ9に対して、ピン14
によって所定荷重を持って固定されている。
【0029】ボトムバルブ9の大径部9bの下端側に
は、所定の小さな半径r1に設定された断面が半円形状
のアール部15(ボトム部の当接部)が形成され、この
アール部15は大径部9bの下端全周に亘って環状に形
成され、さらにこのアール部15には、周方向に所定間
隔で所定個数(例えば6個)の油溝15a(油通路)が
設けられている。この油溝15a、15a・・・は、シ
リンダ2側とリザーバ室8側との間で油液の流通を許容
するが、その際、油液の流通に対して流動抵抗(すなわ
ち減衰力)を与えない程度の合計通路面積に設定されて
いる。
【0030】外筒7の図中下端側の底部には、内側(シ
リンダ2側)が所定の大きな半径r2(r2>r1)に
設定されたアール部16(球面部)が形成され、このア
ール部16は、後述するスピニング加工(絞り加工)に
より、素管から外筒7を閉塞すると共に、アール部16
を一体的に成形する。
【0031】ここで、ボトムバルブ9のアール部15の
半径r1が、外筒7のアール部16の半径r2に対して
小さく設定されている(r2>r1)ので、これらは線
接触するようになっている。
【0032】なお、17は自動車の車軸側(図示せず)
に取付けるための取付アイ、18は自動車の車体側(図
示せず)に取付けるための取付ボルト、19は油圧緩衝
器1がフルリバウンドした際の衝撃を吸収するためのリ
バウンドストッパである。
【0033】次に、油圧緩衝器1を構成する上記外筒7
の成形方法について、図3に基づき説明する。なお、ス
ピニング加工装置の詳細な説明は省略する。
【0034】スピニング加工装置(図示せず)は、素管
200の端部(外筒7の底部側)を絞り加工により閉塞
すると共に、外筒7にアール部16(球面部)を一体的
に成形するようになっている。このような成形方法は、
一般的に偏心回転成形法と呼ばれ、以下に示すような手
順で素管200を成形する。
【0035】スピニング加工装置の第1の回転軸(図中
中心線A)を構成するマンドレル201を備えたチャッ
ク装置(図示せず)に素管200を固定し、チャック装
置を所定の回転数Nで回転させることにより、マンドレ
ル201及び素管200を図中矢印方向に回転数Nで回
転させる。なお、マンドレル201の先端側は、前述の
外筒7の底部内側(アール部16)と同じ所定の大きな
半径r2に形成され、また、マンドレル201の先端側
(図中右側)には、所定の大きさの凹部201aが設け
られている。この凹部201aは、素管200を閉塞し
た際の素材の逃げとなっている。
【0036】一方、素管200の端部側に対向するよう
に、第2の回転軸(図中中心線B)に設けられた回転ダ
イ202が設けられ、第1の回転軸と第2の回転軸と
は、所定の角度θをもって傾いている。回転ダイ202
は所定の回転数nで図中矢印方向に回転する。
【0037】回転ダイ202の素管200側には、テー
パ面202aが形成され、このテーパ面202aは、回
転ダイ202の中心線Bと所定の角度αをもって形成さ
れている。そして、この回転ダイ202は、回転数nで
回転すると共に、矢印f方向に送られて、素管200の
端部に臨むようになっている。
【0038】回転ダイ202を、徐々にf方向に移動さ
せると、素管200の端部が摩擦熱により徐々に変形し
て図のように内側に絞られ、その内側は、マンドレル2
01の先端形状に倣って所定の大きな半径r2の球面に
成形される。
【0039】その後、素管200の端部が閉塞する間際
において、回転ダイ202の角度を浅く調整していく
(角度θを小さくしていく)ことで、素管200の端部
(外筒7の底部)を完全に閉塞する。この際、素管20
0の端部の余った素材は、前述した凹部201a内に収
まる。
【0040】次に、以上のように構成した第1実施形態
の油圧緩衝器1における作用について、以下説明する。
【0041】油圧緩衝器1の伸び行程時には、シリンダ
上室2aの油液が、ピストン3に形成した伸び側油路3
aを流通し、伸び側減衰弁3cの開度に応じたバルブ特
性の減衰力を発生する。このとき、ピストンロッド4の
退出に伴ない、リザーバ室8内の油液がボトムバルブ9
に形成した油溝15a、15a・・・を流通し、さら
に、ボトムバルブ9の伸び側油路11及びチェック弁1
3を介してシリンダ下室2bに流入する。
【0042】油圧緩衝器1の縮み行程時には、シリンダ
下室2bの油液が、ピストン3に形成した縮み側油路3
bを流通し、縮み側減衰弁3dの開度に応じたバルブ特
性の減衰力を発生する。同時に、ピストンロッド4の進
入に伴ない、シリンダ下室2bの油液が、チェック弁1
3に形成した油路13a、ボトムバルブ9に形成した縮
み側油路10、減衰弁12、及び油溝15a、15a・
・・を流通してリザーバ室8に流出し、減衰弁12によ
って前記バルブ特性に重畳されるバルブ特性の減衰力が
発生する。
【0043】この油圧緩衝器1の組立ては、ボトムバル
ブ9とシリンダ2とを予め組立てておいたサブアッシ
を、外筒7の底部に形成されたアール部16に向くよう
に外筒7内に挿入する。次に、シリンダ2及び外筒7の
開口端側から油液を充填すると共に、ピストン3と一体
となったピストンロッド4をシリンダ2内に挿入する。
そして、リザーバ室8内に所定圧のガスを封入しつつ、
シリンダ2及び外筒7の開口端側にロッドガイド5及び
オイルシール6とを嵌合させ、外筒7の開口端部をカー
ル装置等によって内側にかしめることで、油圧緩衝器1
の組立てが完了する。
【0044】ここで、外筒7の開口端部を内側にかしめ
るようにしているが、このかしめ作業の際、通常、シリ
ンダ2には、所定の軸方向圧力(軸力)が与えられた状
態で行われる。この際、外筒7の軸心とシリンダ2及び
ボトムバルブ9の軸心とが一致していないと、シリンダ
2が受ける軸方向圧力(軸力)にばらつきが生じる。し
かし、本実施形態では、ボトムバルブ9のアール部15
(ボトム部の当接部)が外筒7に設けたアール部16
(球面部)の内側の球面形状に倣って摺接するので、外
筒7の軸心に対するシリンダ2及びボトムバルブ9の軸
心が自動調心されて、容易に所定の位置に位置決めでき
るので、シリンダ2が受ける軸方向圧力(軸力)にばら
つきが生じ難くなる。
【0045】このように、ボトムバルブ9のアール部1
5(ボトム部の当接部)が外筒7に設けたアール部16
(球面部)の内側の球面形状に倣って摺接するようにし
たので、単純な球面形状で構成しつつ、外筒7の軸心に
対するシリンダ2及びボトムバルブ9の軸心を自動調心
することができ、容易に位置決めができるようになると
共に、油圧緩衝器1の量産性を大幅に向上することがで
きる。
【0046】また、この自動調心機能によって、従来、
製品毎に生じていた、サブアッシ(シリンダとボトムバ
ルブ)が受ける軸方向圧力(軸力)のばらつきの発生を
抑えることができるので、正規の軸力を与えた設計通り
の油圧緩衝器の量産が容易になる。
【0047】さらに、外筒7をスピニング加工によって
形成するようにしたので、別途、別部品であるベースキ
ャップを外筒にシーム溶接して固定する作業が不要とな
り、工数の削減、溶接によるスパッタの外筒内残留(コ
ンタミネーション)等を確実に防止することができる。
【0048】次に、本発明における第2実施形態につい
て、図4に基づき説明する。この第2実施形態は、特
に、ボトムバルブの大径部の下端側に形成されるアール
部の形状が異なる以外は上記第1実施形態と同一である
ため、同一の部分については同一の符号を付し、その説
明を省略する。
【0049】油圧緩衝器20のボトムバルブ21には、
小径部21a及び大径部21bが形成されている。この
小径部21aはシリンダ2に圧入して固定されている。
【0050】ボトムバルブ21の大径部21bの下端側
には、外筒7の所定の大きな半径r2に設定されたアー
ル部16(球面部)と同一の半径r2に設定されたアー
ル部22(ボトム部の当接部)が形成され、このアール
部22は大径部21bの全周に亘って形成され、さらに
このアール部22には、周方向に所定間隔で所定個数
(例えば6個)の油溝22a(油通路)が設けられてい
る。
【0051】この油溝22a、22a・・・は、シリン
ダ2側とリザーバ室8側との間で油液の流通を許容する
が、その際、油液の流通に対して流動抵抗(すなわち減
衰力)を与えない程度の合計通路面積に設定されてい
る。
【0052】ここで、ボトムバルブ21のアール部22
の半径r2は、外筒7のアール部16の半径r2と同一
に設定しているので、これらは球面接触するようになっ
ている。
【0053】このように構成した第2実施形態における
油圧緩衝器20によれば、上述した第1実施形態におけ
る油圧緩衝器1の作用に加え、ボトムバルブ21のアー
ル部22を外筒7のアール部16に対して、線接触では
なく球面接触して摺接するようにしているので、当該摺
接をより滑らかにできるので、自動調心機能をさらに向
上させることができる。
【0054】なお、上述した第1及び第2実施形態にお
いては、ボトム部の当接部として、ボトムバルブ9及び
21にアール部15及び22を設けたものを示したが、
別段これに限らず、例えば、エッジで外筒7のアール部
16に当接するような角を有する他の形状としても良
い。
【0055】また、上述した第1及び第2実施形態にお
いては、シリンダ2側とリザーバ室8側との間で油液の
流通を許容する油通路として、油溝15a、22aとし
たものを示したが、別段これに限らず、大径部9b、2
2bに、シリンダ2側とリザーバ室8側とを連通する径
方向に延びる連通孔としても良い。
【0056】さらに、上述した第1及び第2実施形態に
おいては、外筒をスピニング加工により成形したものを
示したが、別段これに限らず、従来の技術で説明したよ
うに、ベースキャップをプレス成形し、これを外筒に溶
接する構成としても良い。この場合、ベースキャップ自
身を単純な形状、すなわち、球面形状にプレス加工すれ
ば良いので、プレス加工治具の形状を単純化でき、プレ
ス加工圧力を小さくできると共に、プレス加工治具の消
耗について殆ど心配する必要がなくなる。
【0057】また、上述した第1及び第2実施形態にお
いては、本発明における油圧緩衝器を自動車に搭載した
ものを示したが、その他、鉄道車両、建築物の減震装置
等にも適用することができる。
【0058】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1の発明に
係る油圧緩衝器によれば、外筒の底部内側に形成した球
面部の形状に倣ってボトム部が摺接するので、外筒に対
してボトム部材及びシリンダを自動調心でき、ボトム部
材及びシリンダの外筒に対する位置決めを容易にするこ
とができる。よって、油圧緩衝器の量産性の向上、製品
毎のばらつきの低減を図り、ひいては、製造コストの低
減を図ることができる。
【0059】また、請求項2の発明に係る油圧緩衝器に
よれば、外筒に形成した球面部とボトム部の当接部とを
同一半径の球面としたので、双方の摺接をより滑らかに
して、ボトム部材及びシリンダの外筒に対する位置決め
をさらに容易にすることができる。
【0060】さらに、請求項3の発明に係る油圧緩衝器
によれば、外筒に球面部を容易に一体成形できるので、
油圧緩衝器の部品点数の削減、ひいては、油圧緩衝器の
製造コストを大幅に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る油圧緩衝器の縦断
面図である。
【図2】図1における油圧緩衝器のボトム部分を拡大し
て示す拡大断面図である。
【図3】図1における油圧緩衝器の外筒の成形方法(ス
ピニング加工)を示す模式図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る油圧緩衝器のボト
ム部分を拡大して示す拡大断面図である。
【図5】従来の技術による油圧緩衝器のボトム部分を拡
大して示す拡大断面図である。
【符号の説明】
2 シリンダ 3 ピストン 4 ピストンロッド 7 外筒 8 リザーバ室 9、21 ボトムバルブ(ボトム部) 9b、21b 大径部 15、22 アール部(ボトム部の当接部) 16 アール部(球面部) 15a、22a 油溝(油通路)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油液が封入されたシリンダと、該シリン
    ダ内に摺動可能に嵌挿され前記シリンダ内を2室に画成
    するピストンと、一端が該ピストンに接続され他端が前
    記シリンダ外に延出されたピストンロッドと、前記シリ
    ンダを包囲しその間にリザーバ室を形成する外筒と、該
    外筒に当接して位置決めされ前記シリンダ内とリザーバ
    室との間で油液の連通を許容するボトム部と、を備えた
    油圧緩衝器において、 前記外筒の底部内側を球面状に形成し、該球面部におい
    て前記ボトム部を支持するようにしたことを特徴とする
    油圧緩衝器。
  2. 【請求項2】 前記球面部と前記ボトム部の当接部と
    を、同一半径の球面で構成したことを特徴とする請求項
    1記載の油圧緩衝器。
  3. 【請求項3】 前記外筒として、スピニング加工で底部
    を球面状に閉塞した外筒を用いたこと特徴とする請求項
    1または2記載の油圧緩衝器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US11231082B2 (en) 2017-03-09 2022-01-25 Hitachi Astemo, Ltd. Hydraulic damping device

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