JP2003251481A - パルスレーザ溶接方法及びパルスレーザ溶接装置 - Google Patents

パルスレーザ溶接方法及びパルスレーザ溶接装置

Info

Publication number
JP2003251481A
JP2003251481A JP2002051793A JP2002051793A JP2003251481A JP 2003251481 A JP2003251481 A JP 2003251481A JP 2002051793 A JP2002051793 A JP 2002051793A JP 2002051793 A JP2002051793 A JP 2002051793A JP 2003251481 A JP2003251481 A JP 2003251481A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pulse laser
pulse
waveform
welding
pulsed laser
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002051793A
Other languages
English (en)
Inventor
Sachi Hachiwaka
佐知 八若
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Heavy Industries Ltd filed Critical Sumitomo Heavy Industries Ltd
Priority to JP2002051793A priority Critical patent/JP2003251481A/ja
Publication of JP2003251481A publication Critical patent/JP2003251481A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laser Beam Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 A7000系のアルミニウム合金の溶接に適
したパルスレーザ溶接方法及びパルスレーザ溶接装置を
提供することを目的とする。 【解決手段】 階段状に出力レベルを増大及び減少する
制御信号の制御によって、パルスレーザ発振器から断続
的に出力されたパルスレーザ波形により、A7000系
のアルミニウム合金を溶接するパルスレーザ溶接方法に
おいて、前記パルスレーザ波形が出力されてから次のパ
ルスレーザ波形出力されるまでのパルスレーザ波形出力
間隔Tと、前記パルスレーザ波形のパルス幅Wとの比率
(W/T)を20%以上、40%以下とすることにより
上記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パルスレーザ溶接
方法及びパルスレーザ溶接装置に係り、特に、アルミニ
ウム合金の溶接に適したパルスレーザ溶接方法及びパル
スレーザ溶接装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、非鉄材料の中で構造材料として多
用されているアルミ系材料は、COレーザビームの吸
収率が低くレーザ溶接は困難とされてきた。しかし、C
レーザによるエネルギー密度の向上や吸収率の高い
YAGレーザの出力アップによってアルミ系材料のレー
ザ溶接が可能となっている。
【0003】更に、以前はレーザ加工に占める溶接の割
合は切断加工と比較して著しく低かったが、最近の高出
力のレーザ発振器(10kW以上のCOレーザや4k
W級のYAGレーザ等)が市場に出回るようになってき
たこと、あるいはレーザ溶接のもつ高品質性に対する需
要面からレーザ溶接に関する技術開発が活発化し、様々
なレーザ溶接が実用化されている。
【0004】ここで、レーザ溶接方法には連続波とパル
ス波を用いる方法があり、材質や加工手法の違いに応じ
て使い分けて使用されている。一般に、連続波は、切断
やつぎ目のない溶接等の加工に適している。一方、パル
ス波は、照射時間が短いため、周辺への影響を及ぼさず
に微小な孔を開けたり、スポット溶接する等、微細加工
を要する場合に適している。
【0005】ところで、上記したパルスレーザ波形によ
る溶接をアルミニウム合金材に適用した場合、急速な溶
融と凝固とを伴う本溶接方法は溶接部に割れを生じやす
い。特に、固液相間温度範囲が広いアルミニウム合金材
の場合に溶接部の割れの発生が顕著に表れている。
【0006】上述した問題の対応として、パルスレーザ
の照射条件を適正化したアルミニウム合金のパルスレー
ザ溶接方法(特開平09−122958号公報)や、1
5ms以上のパルス幅を設け、ピーク値を除々に下げて
いくことで急冷を防ぎ、溶接部の割れ防止させるアルミ
ニウム合金材のパルスレーザ溶接方法(特開平11−1
70075号公報)が既に公知の技術となっている。
【0007】上述に示したパルスレーザ溶接方法により
溶接割れをある程度抑制することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、より溶
接加工の品質を向上させるためには、溶接部の割れを防
ぐだけではなく、スパッタ等を抑制させることも必要と
なる。
【0009】ここで、図1にレーザ溶接装置の一構成例
の図を示す。
【0010】図1のレーザ溶接装置は、制御装置11
と、パルスレーザ発振器12と、反射ミラー13と、加
工レンズ14とを有するように構成されている。
【0011】図1において、まず制御装置11にて、パ
ルスレーザ発振器12により発振されるパルスレーザ光
の波形制御を行う。ここで、制御装置11はコントロー
ルパネル等の設定画面から設定を行う。
【0012】制御装置11にて設定されたパルスレーザ
の制御情報に基づいて、パルスレーザ発振器12はパル
スを生成して発振(出力)する。パルスレーザ発振器1
2にはYAGレーザ等が用いられる。発振されたパルス
レーザ光は反射ミラー13で、加工対象物15がある方
向に向けられ、加工レンズ14にて結像した後、加工対
象物15の加工ポイントに照射することで溶接を行う。
なお、図1のレーザ溶接装置は、溶接だけではなく穴開
けや切断等の加工も行うことができる。
【0013】次に、パルスレーザ発振器から発振させる
パルスレーザの設定条件とパルスレーザ波形の関係を示
した一例を図2に示す。なお、図2(a)は、設定条件
を示す図であり、横軸にパルス幅(msec)を示し、
縦軸にパルスエネルギーの出力レベル(ハイト)(%)
を示す。また、図2(b)は、実際にパルスレーザ発振
器から発振されたパルスレーザ波形を示す図であり、横
軸にパルス幅(msec)を示し、縦軸にパルスエネル
ギー(mJ)を示す。
【0014】通常、パルスレーザ波形の設定条件は図2
(a)に示すように1パルス毎に設定される。図2
(a)の設定によりパルスレーザ発振器から発振された
パルスレーザ波形(図2(b))は、発振された直後に
スパイクと呼ばれるピークの突出部が瞬時的に現れる。
このスパイクの立ち上がりを無くすようにパルス波形を
形成することで、スパッタを抑制することができる。
【0015】また、パルスレーザ波形をアルミニウム合
金等の加工対象物に照射した後、溶融した金属(ビー
ド)が凝固する際に、体積の収縮が起こり、この収縮が
大きいと溶湯(融解した金属)が十分に補給されずに割
れの発生につながる。上述したスパッタの発生を防ぐこ
とにより、溶湯の補給がされ易くなりレーザ溶接の品質
を向上させることができる。
【0016】また、アルミニウム合金の中でもA700
0系の合金は、強度が強いのにも関わらず溶接割れを起
こし易く、溶接による接合等は困難とされている。
【0017】したがって、上述したようにA7000系
のアルミニウム合金の溶接時にも急速な溶融と凝固によ
る割れや、スパッタによる割れが発生しないような溶接
加工が必要である。
【0018】本発明は、上述した問題点に鑑みなされた
ものであり、特にアルミニウム合金の溶接に適したパル
スレーザ溶接方法及びパルスレーザ溶接装置を提供する
ことを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本件発明は、以下の特徴を有する課題を解決するた
めの手段を採用している。
【0020】請求項1に記載された発明は、階段状に出
力レベルを増大及び減少する制御信号の制御によって、
パルスレーザ発振器から断続的に出力されたパルスレー
ザ波形により、A7000系のアルミニウム合金を溶接
するパルスレーザ溶接方法において、前記パルスレーザ
波形が出力されてから次のパルスレーザ波形出力される
までのパルスレーザ波形出力間隔Tと、前記パルスレー
ザ波形のパルス幅Wとの比率(W/T)を20%以上、
40%以下とすることを特徴とする。
【0021】請求項1記載の発明によれば、上述した照
射間隔にすることで、アルミニウム合金の温度が下がり
きらないうちに次のパルスレーザ光が照射されて溶融が
始まるため、パルスレーザ波形照射後のアルミニウム合
金の急激な温度の増加(以下、急熱という)と、急激な
温度の減少(以下、急冷という)を抑制することができ
溶接割れを防ぐことができる。
【0022】請求項2に記載された発明は、前記パルス
レーザ波形のピーク部分のパルスエネルギーが7.0J
以上、11.0J以下であることを特徴とする。
【0023】請求項2記載の発明によれば、溶接部(ビ
ード)の割れを防ぐことができ、溶接加工の品質を向上
させることができる。
【0024】請求項3に記載された発明は、前記パルス
レーザ波形は、パルス幅が10ms以下であることを特
徴とする。
【0025】請求項3記載の発明によれば、加工対象物
に対する負荷を低減させることで、溶接部の割れを防ぐ
ことができる。
【0026】請求項4に記載された発明は、前記アルミ
ニウム合金の溶接に対して、複数の前記パルスレーザ波
形を有する場合、前記アルミニウム合金に対する前記パ
ルスレーザ波形の照射面積の重複率は70%以上、10
0%以下とすることを特徴とする。
【0027】請求項4記載の発明によれば、一度溶接部
の割れが発生した場合でも、次のパルスが重ねて照射さ
れるため、割れた部分をカバーすることができる。その
ため、溶接加工の品質を向上させることができる。
【0028】請求項5に記載された発明は、請求項1乃
至4の何れか一項に記載のパルスレーザ溶接方法を用い
たパルスレーザ溶接装置である。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明は、パルスレーザ光による
溶接において、パルスレーザ発振器にて発振させるパル
スレーザ波形を、1パルス幅中の所定の間隔毎に出力レ
ベルを制御し、A7000系アルミニウム合金に適した
波形に形成させることで、溶接加工の品質を向上させる
ことを主眼とする。
【0030】次に、本発明におけるパルスの制御方法と
パルスレーザ波形について、図を用いて説明する。
【0031】なお、本発明においては、説明を容易にす
るため、図1に示したレーザ溶接装置の装置構成に基づ
いて説明するが、レーザ溶接装置の構成についてはこの
限りではない。
【0032】図3は、本発明におけるパルス波形の設定
条件と実際のパルスレーザ波形を示す一例の図である。
なお、図3(a)は、設定条件を示す図であり、横軸に
パルス幅(msec)を示し、縦軸にパルスエネルギー
の出力レベル(ハイト)(%)を示す。また、図3
(b)は実際にパルスレーザ発振器から発振されたパル
スレーザ波形を示す図であり、横軸にパルス幅(mse
c)を示し、縦軸にパルスエネルギー(mJ)を示す。
【0033】本発明では、上述の図1に示したようなレ
ーザ溶接装置において、制御装置11にて1パルス中に
おける各区間での出力レベルを、図3(a)に示すよう
に、ピーク部を有し、そこまで、階段状に出力を増大
させる部分とピーク部から階段状に減少させる部分
とにより構成される出力制御信号によりパルスレーザ
光を形成することで、図3(b)に示すように立ち上が
りのスパイクがなく、且つピーク値のエネルギーから徐
々にエネルギーを減少させることにより、加工対象物で
あるアルミニウム合金の溶接部を徐冷させることができ
るため、溶接部の割れを防ぐことができる。
【0034】次に、アルミニウム合金へのパルスレーザ
波形の照射のタイミングを示す一例の図を図4に示す。
なお、図4の横軸は時間(msec)を示し、縦軸はパ
ルスエネルギー(mJ)を示す。
【0035】図4において、1レーザパルス波形のパル
ス幅をW(msec)とし、パルスレーザ発振器からパ
ルスレーザ波形が出力されてから次のパルスレーザ波形
が出力されるまでの時間(繰り返し時間)をT(mse
c)とすると、パルス幅Wと繰り返し時間Tの比率(W
/T)を20%〜40%の間で設定することにより、加
工対象物であるアルミニウム合金の溶接部分の温度が下
がりきらずに次のパルスレーザ光が照射され融解が始ま
るため、結果的に凝固速度を遅くすることができ、これ
により溶接割れを防ぐことができ、また、アルミニウム
合金の溶接加工の品質を向上させることができる。
【0036】また、アルミニウム合金の溶接に対して、
複数のパルスレーザ波形を有する場合、アルミニウム合
金に対するパルスレーザ波形の照射面積の重複(オーバ
ーラップ)率(以下、OR率という)は70%〜100
%にすることが望ましい。
【0037】ここで、図5にOR率を示す一例の図を示
す。
【0038】溶接割れは、1パルスにより形成される照
射痕の中でも、最後に凝固する中央部へ近づくほど起こ
り易い。しかし、一度割れが発生した場合でも次のパル
スレーザ光が重ねて照射されるので、一度発生した割れ
を修復することができる。また、最終的に溶接部(ビー
ド)の表面には、照射痕の(100−OR率)%の領域
(例えば、図5の斜線部)だけが残ることになる。つま
り、OR率が大きいほどカバーできる割れ部の面積も多
くなる。
【0039】OR率は、加工対象物の材質又は形状等に
より変化させる必要があるが、A7000系のアルミニ
ウム合金は、割れ易い材質であるため、70〜100%
の設定が必要となる。
【0040】上述のように、パルスレーザ波形の出力・
照射方法を制御することにより、スパッタを抑制し、ま
た、溶接部の割れを防ぐことができ、レーザ溶接の品質
を向上させることができる。
【0041】次に、本発明によるパルスレーザ波形を用
いた実施例を図を用いて説明する。
【0042】図6は、本実施例におけるパルスレーザ波
形の制御条件を示す図である。ここで、横軸にパルス幅
(msec)を示し、縦軸にパルスエネルギーの出力レ
ベル(ハイト)(%)を示す。
【0043】図4に示すように、ピーク部のハイトを
50%とし、ピーク部の前にパルスエネルギーの急激
な立ち上がりを無くすことでスパイクの発生を防ぎ、ス
パッタを抑制するため、階段状にハイトを増大させる増
大部を設定する(図4では、3%、30%)。また、
パルスエネルギーの急激な減少を防ぐためピーク部か
ら6段階に渡り、ハイトが3〜10%ずつ徐々に低くな
るように減少部を設定する(図4では、40%、37
%、33%、29%、25%、20%)。
【0044】なお、この時のパルス幅を10msにし、
ピーク出力を1.0kW以下とする。また、分割して設
定するパルス幅の範囲を1.0msから1.2msと
し、ほぼ等分割することで、分割したパルス幅の境目の
急激な温度変化を抑制し、なだらかなパルスレーザ波形
を形成することができる。
【0045】上述のような設定によりパルスレーザ波形
を形成させて、そのパルスレーザ波形で溶接加工を行う
ことで、ビードオン加工での割れは観察されなくなる。
【0046】なお、上述した増大部、減少部の段階数
は、発明の範囲においてこの限りではない。
【0047】また、1パルスを上述のように多段階に設
定することにより、冷却速度を遅くすることができると
共に、パルス幅中のピーク出力部分を小さく取っている
ので熱伝導型のビードが時間的に早く形成させることが
できる。
【0048】次に、本発明により生成したパルスレーザ
波形を加工対象物に照射した結果を図を用いて説明す
る。
【0049】図7は、図6で設定し形成されたパルスレ
ーザ波形を、パルスエネルギー値を夫々変えて実行した
結果を示す図である。
【0050】ここで、加工対象物には、A7075合金
を使用し、パルスレーザ発振器にはYAGレーザを使用
した。(JK701+Φ1.0mmコア径ファイバ使
用)また、パルスレーザ波形のパルス幅を一定(10.
0ms)とし、繰り返し周波数20Hz(繰り返し時間
50ms)とした。また、加工レンズには、f200m
mとf80mmを使用し、この時の加工スポット径は光
学設計値Φ400μmとした。シールドガスはアルゴン
を使用し、ノズルはレーザ光と同軸でガスを照射する同
軸ノズルとした。これは、サイドノズルでは同軸ノズル
に比べて加工物への当たり方がより局所的になり易いた
め、加工対象物の溶接部の加工品質を損なう恐れがある
ためである。
【0051】また、本発明の実施におけるA7075合
金へのパルスレーザ波形の照射状態を図8に示す。
【0052】図8に示すように、パルスレーザ波形の照
射角度は、A7075合金(加工対象物)の垂直方向に
対して、A7075合金の進行方向に12°の傾きを有
し、進行速度は150mm/minした。
【0053】図7の(a)〜(d)の下図は、A707
5合金の溶接部の溶込みの深さを示す図であり、図7の
上図は、その溶込み部分(ビード)の拡大図である。
【0054】図7(a)は、照射したパルスレーザ波形
のピークエネルギーが5.0Jであり、ビード幅が0.
58mm、溶込み深さは0.16mmである。また、図
7(b)は、ピークエネルギーが7.0Jであり、ビー
ド幅が0.70mm、溶込み深さは0.18mmであ
る。また、図7(c)は、ピークエネルギーが9.0J
であり、ビード幅が0.77mm、溶込み深さは0.2
7mmである。また、図7(d)は、ピークエネルギー
が11.0Jであり、ビード幅が0.88mm、溶込み
深さは0.38mmである。
【0055】図7の結果からもわかるように、図7の
(a)、(c)、及び(d)の上図の点線部に示すよう
にエネルギーが低すぎる(図7(a))の場合にはビー
ド両端部が割れ、逆にエネルギーが高すぎる(図7
(c)及び(d))場合にはビード中央部が割れている
ことがわかる。このことから、割れがなくで良好に溶接
できるエネルギー領域は限られており実験の結果7.0
J〜11.0Jであることがわかった。
【0056】したがって、良好な加工が可能となるエネ
ルギー領域を考慮して、パルスエネルギーを設定するこ
とにより、A7000合金のように溶接が困難な加工物
に対して溶接の品質を向上させた加工を行うことができ
る。
【0057】上述したように、本発明により、パルスレ
ーザ発振器より発振されるパルスレーザ波形を所定の時
間間隔で分割し、分割した部分の出力レベルをピーク出
力に到達するまで階段状に増大させる部分とピーク出力
から階段状に減少させる部分とからなる設定条件とこと
により、急熱せず、凝固する速度を遅くすることができ
るパルスレーザ波形を形成させ、そのパルスレーザ波形
を所定の照射タイミングでA7000系のアルミニウム
合金に照射することで、加工物に負荷をかけることなく
溶接を行うことができ、溶接加工の品質を向上させるこ
とができる。
【0058】また、溶接だけでなく、切断や穴開け等の
レーザ加工においても、同様のパルスレーザ波形を用い
ることにより、溶接の品質を向上させた加工を行うこと
ができる。
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、パルスレーザ発振器に
て発振させるパルスレーザ波形を、1パルス幅中の所定
の間隔毎に出力レベルを制御し、A7000系のアルミ
ニウム合金に適した波形に形成させることで、溶接加工
の品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】レーザ溶接装置の一構成例の図である。
【図2】パルスレーザ発振器から発振させるパルスレー
ザの設定条件とパルスレーザ波形の関係を示した一例の
図である。
【図3】本発明におけるパルス波形の設定条件と実際の
パルスレーザ波形を示す一例の図である。
【図4】アルミニウム合金へのパルスレーザ波形の照射
のタイミングを示す一例の図である。
【図5】OR率を示す一例の図である。
【図6】本実施例におけるパルスレーザ波形の制御条件
を示す図である。
【図7】図6で設定し形成されたパルスレーザ波形を、
パルスエネルギー値を夫々変えて実行した結果を示す図
である。
【図8】A7075合金へのパルスレーザ波形の照射状
態を示す図である。
【符号の説明】
11 制御装置 12 パルスレーザ発振器 13 反射ミラー 14 加工レンズ 15 加工対象物

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 階段状に出力レベルを増大及び減少する
    制御信号の制御によって、パルスレーザ発振器から断続
    的に出力されたパルスレーザ波形により、A7000系
    のアルミニウム合金を溶接するパルスレーザ溶接方法に
    おいて、 前記パルスレーザ波形が出力されてから次のパルスレー
    ザ波形出力されるまでのパルスレーザ波形出力間隔T
    と、前記パルスレーザ波形のパルス幅Wとの比率(W/
    T)を20%以上、40%以下とすることを特徴とする
    パルスレーザ溶接方法。
  2. 【請求項2】 前記パルスレーザ波形のピーク部分のパ
    ルスエネルギーが7.0J以上、11.0J以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載のパルスレーザ溶接方
    法。
  3. 【請求項3】 前記パルスレーザ波形は、 パルス幅が10ms以下であることを特徴とする請求項
    1又は2に記載のパルスレーザ溶接方法。
  4. 【請求項4】 前記アルミニウム合金の溶接に対して、
    複数の前記パルスレーザ波形を有する場合、前記アルミ
    ニウム合金に対する前記パルスレーザ波形の照射面積の
    重複率は70%以上、100%以下とすることを特徴と
    する請求項1乃至3の何れか一項に記載のパルスレーザ
    溶接方法。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4の何れか一項に記載のパル
    スレーザ溶接方法を用いたパルスレーザ溶接装置。
JP2002051793A 2002-02-27 2002-02-27 パルスレーザ溶接方法及びパルスレーザ溶接装置 Pending JP2003251481A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002051793A JP2003251481A (ja) 2002-02-27 2002-02-27 パルスレーザ溶接方法及びパルスレーザ溶接装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002051793A JP2003251481A (ja) 2002-02-27 2002-02-27 パルスレーザ溶接方法及びパルスレーザ溶接装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003251481A true JP2003251481A (ja) 2003-09-09

Family

ID=28663680

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002051793A Pending JP2003251481A (ja) 2002-02-27 2002-02-27 パルスレーザ溶接方法及びパルスレーザ溶接装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003251481A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008284588A (ja) * 2007-05-17 2008-11-27 Hitachi-Ge Nuclear Energy Ltd レーザとアークの複合溶接装置及び方法
CN103801831A (zh) * 2013-11-29 2014-05-21 嘉兴兴桐电子科技有限公司 脉冲激光焊接装置及脉冲激光焊接方法
JP2014161905A (ja) * 2013-02-27 2014-09-08 Suzuki Denki Kogyo Kk 肉盛り加工装置
US9000327B2 (en) 2005-09-30 2015-04-07 Nissan Motor Co., Ltd. Laser welding method and laser welding system
CN106312311A (zh) * 2016-09-23 2017-01-11 佛山市宏石激光技术有限公司 一种激光器焊接功率控制装置及控制方法
JPWO2016208686A1 (ja) * 2015-06-24 2018-04-05 株式会社豊田自動織機 切断装置
CN110430965A (zh) * 2017-03-27 2019-11-08 三菱电机株式会社 激光焊接方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9000327B2 (en) 2005-09-30 2015-04-07 Nissan Motor Co., Ltd. Laser welding method and laser welding system
JP2008284588A (ja) * 2007-05-17 2008-11-27 Hitachi-Ge Nuclear Energy Ltd レーザとアークの複合溶接装置及び方法
JP2014161905A (ja) * 2013-02-27 2014-09-08 Suzuki Denki Kogyo Kk 肉盛り加工装置
CN103801831A (zh) * 2013-11-29 2014-05-21 嘉兴兴桐电子科技有限公司 脉冲激光焊接装置及脉冲激光焊接方法
JPWO2016208686A1 (ja) * 2015-06-24 2018-04-05 株式会社豊田自動織機 切断装置
CN106312311A (zh) * 2016-09-23 2017-01-11 佛山市宏石激光技术有限公司 一种激光器焊接功率控制装置及控制方法
CN110430965A (zh) * 2017-03-27 2019-11-08 三菱电机株式会社 激光焊接方法
CN110430965B (zh) * 2017-03-27 2021-02-02 三菱电机株式会社 激光焊接方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN112355474B (zh) 采用微焊件图案的激光焊接方法
JP3209369U (ja) クラッドパイプの内径のルートパス溶接のためにフィラーワイヤ送給と高強度エネルギー源との組み合わせを始動及び使用するシステム
KR102102023B1 (ko) 교류 용접 파형을 사용한 용접의 시스템 및 방법 그리고 아연도금 공작물의 용접을 개선하기 위한 향상된 소모품
JP6220775B2 (ja) ピコ秒レーザパルスを用いた高いパルス繰り返し周波数でのレーザダイレクトアブレーション
JP6024707B2 (ja) レーザ溶接方法
JP5276699B2 (ja) ピアシングを行うレーザ加工方法及びレーザ加工装置
WO2017022238A1 (ja) レーザ溶接方法
US20180021888A1 (en) Laser welding systems for aluminum alloys and methods of laser welding aluminum alloys
JP2002316282A (ja) レーザ加工方法及び装置
JP2019123008A (ja) 接合体の製造方法
WO2020239857A1 (en) Laser hole drilling apparatus and method
CN109702324A (zh) 一种基于激光超声的双光束激光焊接方法
JP4352143B2 (ja) レーザスポット溶接における穴欠陥の防止または修復方法および装置
JP4408519B2 (ja) レーザー溶接方法
JP2009262182A (ja) レーザ・アーク複合溶接ヘッド
JP2003251481A (ja) パルスレーザ溶接方法及びパルスレーザ溶接装置
JP2003088969A (ja) 厚板重ね溶接方法及び装置
JP3131357B2 (ja) レーザ加工方法
JP2008229631A (ja) 複合溶接方法と複合溶接装置
JP4873588B2 (ja) レーザ溶接方法
JPS60216987A (ja) レ−ザ溶接方法
JP2005034868A (ja) アルミニウム又はマグネシウム製ダイキャストのアーク溶接方法
JP6792874B2 (ja) 溶接方法及び溶接装置
CN109773339B (zh) 一种基于激光高频振荡熔池的电弧焊接方法
RU2269401C2 (ru) Способ лазерной сварки металлов