JP2003245948A - バルブゲート式金型装置とこれを用いた成形方法 - Google Patents

バルブゲート式金型装置とこれを用いた成形方法

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JP2003245948A
JP2003245948A JP2002049878A JP2002049878A JP2003245948A JP 2003245948 A JP2003245948 A JP 2003245948A JP 2002049878 A JP2002049878 A JP 2002049878A JP 2002049878 A JP2002049878 A JP 2002049878A JP 2003245948 A JP2003245948 A JP 2003245948A
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valve
gate
mold
material passage
product cavity
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JP2002049878A
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Kunio Yamamoto
国雄 山本
Atsushi Takeishi
篤 武石
Hiroshi Ueno
広 上野
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Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製品キャビティ内における成形材料の充填性
に優れたバルブゲート式金型装置を提供する。 【解決手段】 材料通路34を内部に形成したバルブケー
シング25を固定型に組む付ける。そのバルブケーシング
25の内部にゲート20を開閉するバルブピン32を設ける。
バルブケーシング25内の材料通路34が螺旋状に形成す
る。バルブケーシング25内の材料通路34が螺旋状に形成
されているため、螺旋状の材料通路34を通過した溶融樹
脂に螺旋方向の回転流が発生し、この回転流を伴う溶融
樹脂がゲート20から充填されるため、溶融樹脂を製品キ
ャビティ3内へ高速で円滑に充填することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂の射
出成形などに用いられるバルブゲート式金型装置とこれ
を用いた成形方法に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】製品キャビティへのゲ
ートまでの材料通路内の成形材料である樹脂を加熱して
常時溶融状態に保つホットランナー金型装置において、
ゲートをバルブ体であるバルブピンにより機械的に開閉
するバルブゲート式金型装置が知られている。なお、ホ
ットランナー金型装置は、成形能率を高めることを目的
としたものであり、ゲートを閉じるのは、型開時などに
ゲートから樹脂が漏れるのを防止するためである。
【0003】ここで、従来のバルブゲート式金型装置に
ついて説明する。型体である固定型と可動型は互いに移
動して開閉し、型閉時に相互間に製品形状の製品キャビ
ティを形成する。固定型は固定側型板と固定側受け板と
を備え、固定側型板には前記製品キャビティへ開口する
ゲートが形成されている。前記固定側受け板及び固定側
型板に貫通形成された組込み孔にはバルブ装置のバルブ
ケーシングが組み込まれている。このバルブケーシング
はほぼ筒状になっており、その中心に前記ゲートに連通
する材料通路が形成されている。前記バルブケーシング
の外周面には材料通路内の成形材料である熱可塑性樹脂
を常時溶融状態に保つための手段であるコイルヒーター
と、このコイルヒーターを外側から覆うヒータカバーと
が設けられている。前記バルブケーシングの材料通路に
はマニホールドの材料通路であるライナーが接続され、
このランナーには射出成形機から成形材料が送られてく
る。前記バルブケーシング内には油圧シリンダーなどに
より駆動されてガイドブッシュに支持されながら移動す
ることにより前記ゲートブッシュのゲートを開閉するバ
ルブピンが設けられている。このバルブピンはゲートブ
ッシュのゲートに嵌合してこれを閉塞する。そして成形
時には、複数の型体を型閉してこれら型体間に製品キャ
ビティを形成するとともにゲートを開き、材料通路から
ゲートを介して製品キャビティ内に成形材料を充填す
る。ついで、バルブピンによりゲートブッシュのゲート
を閉じ、さらに、製品キャビティ内の成形材料が固化し
た後、型開して製品キャビティ内の成形材料すなわち成
形された製品を取り出す。その後、再び型閉して以上の
成形サイクルを繰り返すが、全成形サイクルを通じて、
バルブ本体の材料通路内の成形材料は加熱手段の加熱に
より常時溶融状態に保たれる。
【0004】このようなバルブゲート式金型装置におい
て、薄物の製品の成型を行うには成形材料を高速で充填
する必要があるが、従来のものはバルブケーシングの中
央に材料通路を形成し、この材料通路内をバルブピンが
進退してゲートを開閉するものであるため、バルブピン
が成形材料の流れの抵抗となる。そして、例えば厚さ
0.3ミリ以下の薄肉レンズやケースなどの射出成形に
おいては、製品キャビティ内に充填した成形材料が、高
速でゲートから離れた位置まで充填される必要がある。
【0005】本発明は、このような問題点を解決しよう
とするもので、バルブケーシング内の材料通路における
成形材料の流れに対する抵抗を削減し、かつ製品キャビ
ティ内における成形材料の充填性に優れたバルブゲート
式金型装置とこれを用いた成形方法を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明のバルブ
ゲート式金型装置は、前記目的を達成するために、互い
に開閉し型閉時に製品キャビティを相互間に形成する複
数の型体と、これら型体のうち製品キャビティへ開口す
るゲートを有する型体に設けられたバルブ装置とを備
え、このバルブ装置は、前記型体に組み込まれると共に
材料通路を内部に形成したバルブケーシングと、前記バ
ルブケーシングの内部に設けられ前記ゲートを開閉する
バルブピンとを有するバルブゲート式金型装置におい
て、前記材料通路が螺旋状に形成されているものであ
る。
【0007】成形時には、複数の型体を型閉してこれら
型体間に製品キャビティを形成するとともにゲートを開
き、製品キャビティ内に成形材料を充填する。この際、
成形材料は、バルブケーシング内の材料通路を通ってゲ
ートから製品キャビティ内に流入する。そして、バルブ
ケーシング内の材料通路が螺旋状に形成されているた
め、螺旋状の材料通路を通過した成形材料に螺旋方向の
回転流が発生し、この回転流を伴う成形材料がゲートか
ら充填されるため、成形材料を製品キャビティ内へ高速
で円滑に充填することができる。ついで、バルブピンに
よりゲートを閉じ、さらに、製品キャビティ内の成形材
料が固化した後、型開して製品キャビティ内の成形材料
すなわち成形された製品を取り出す。その後、再び型閉
して以上の成形サイクルを繰り返す。
【0008】請求項2の発明は、請求項1の発明のバル
ブゲート式金型装置において、前記バルブピンと離れた
位置に前記材料通路が形成されているものである。
【0009】成形材料がバルブピンと離れて流れるた
め、樹脂の流れがバルブピンから抵抗を受けない。
【0010】請求項3の発明は、請求項2の発明のバル
ブゲート式金型装置において、前記バルブケーシングに
前記バルブピンを挿通するバルブピン挿通孔を形成し、
このバルブピン貫通孔の周囲に前記材料通路が形成され
ているものである。
【0011】これにより、成形材料がバルブピン挿通孔
の周囲に形成された材料通路を流れるため、成形材料の
流れがバルブピンから抵抗を受けない。また、挿通孔の
周囲に材料通路を配置することにより、バルブケーシン
グが径方向に拡大することが抑制され、コンパクトに形
成するができる。
【0012】さらに、請求項4の発明は、請求項3の発
明のバルブゲート式金型装置において、前記バルブケー
シングに、前記バルブピン挿通孔を有する入れ子を形成
し、この入れ子を装着する装着孔を前記バルブケーシン
グに設け、前記入れ子と前記装着孔との間に前記材料通
路を設けたものである。
【0013】入れ子の外周または装着孔に加工を施し、
装着孔に入れ子を装着することにより、螺旋状の材料通
路を容易に形成することができる。
【0014】さらにまた、請求項5の発明は、請求項4
の発明のバルブゲート式金型装置において、前記入れ子
の外周に形成した溝により前記材料通路を形成したもの
である。
【0015】入れ子の外周に螺旋状に溝を形成し、その
溝を装着孔により塞ぐことにより、螺旋状の材料通路を
容易に形成することができる。
【0016】しかも、請求項6の発明は、請求項5の発
明のバルブゲート式金型装置において、前記入れ子を前
記装着孔に拡散接合したものである。
【0017】これにより、入れ子の外周と装着孔とを密
に接合することができ、両者の間に設けた材料通路が液
密性に優れたものとなる。
【0018】請求項7の成形方法は、前記目的を達成す
るために、互いに開閉する複数の型体を型閉してこれら
型体間に製品キャビティを形成し、前記型体に設けられ
た材料通路から、前記製品キャビティに開口したゲート
を通して前記製品キャビティ内に成形材料を充填し、前
記製品キャビティ内に成形材料を充填するとき以外に前
記ゲートをバルブ装置のバルブピンにより閉じる成形方
法において、成形材料を前記ゲートに連通する螺旋状の
材料通路に通すことにより回転流を伴った状態で製品キ
ャビティ内に充填する方法である。
【0019】成形材料が回転流を伴った状態で製品キャ
ビティ内に充填されるから、成形材料を製品キャビティ
内へ高速で円滑に充填することができる。
【0020】
【発明の実施形態】以下、本発明のバルブゲート式金型
装置の第1実施形態について、図1〜図6を参照しなが
ら説明する。まず、射出成形用金型装置の構成を説明す
る。1は第1の型体としての固定型、2は第2の型体と
しての可動型で、これら固定型1および可動型2は、図
示上下方向(型開閉方向)へ移動して互いに開閉し、型
閉時に相互間に製品形状の製品キャビティ3を形成する
ものである。
【0021】前記固定型1は、製品キャビティ3を形成
する固定側型板6と、前記固定側型板6の裏側(可動型
2と反対側)に固定された固定側受け板7と、この固定
側受け板7の裏側にスペーサーブロックを介して固定さ
れた固定側取り付け板(図示せず)とを備えている。こ
の固定側取り付け板は、射出成形機の固定側プラテンに
取り付けられる。そして、前記固定側取り付け板には、
ローケートリングと、射出成形機の成形材料供給装置で
ある加熱シリンダー装置のノズルが接続されるスプルー
ブッシュとが固定されている。このスプルーブッシュの
内部は、材料通路であるスプルーになっている。また、
スプルーブッシュには、スプルーを加熱してその内部の
成形材料である熱可塑性樹脂を常時溶融状態に保つ加熱
手段であるヒーターが設けられている。また、固定側受
け板7と固定側取り付け板との間には、マニホールド8
が設けられている。
【0022】そして、このマニホールド8の内部には、
前記スプルーを各製品キャビティ3へ分岐させる材料通
路であるランナー9が形成されている。また、マニホー
ルド8には、ランナー9を加熱してその内部の熱可塑性
樹脂を常時溶融状態に保つ加熱手段であるヒーター10が
設けられている。
【0023】前記固定型1にはダイレクトゲート20が形
成され、このダイレクトゲート20は固定側型板6に形成
されている。また、前記固定型1には、ダイレクトゲー
ト20を開閉するゲート開閉手段であるバルブ装置21が組
み込まれている。
【0024】つぎに、このバルブ装置21の構成を説明す
る。固定型1の本体部を構成する前記固定側受け板7に
は、前記型開閉方向に貫通する組み込み孔22が形成され
ており、さらに、本体部たる前記固定側型板6の内部に
は、前記組み込み孔22に通じる組み込み孔23が形成さ
れ、この組み込み孔23の先端に、製品キャビティ3に連
通して前記ゲート20が設けられている。そして、それら
組み込み孔22,23内にほぼ筒状のバルブケーシング25が
組み込まれている。このバルブケーシング25は、径小部
たる本体部26の反ゲート20側に、径大部たるフランジ部
27を一体に有し、前記マニホールド8および固定側受け
板7に固定されている。そして、それら本体部26及びフ
ランジ部27の外周面は円柱面状をなす。また、バルブケ
ーシング25のゲート20側である先端部28はテーパ状の先
細り形状をなす。
【0025】また、バルブケーシング25の中心には、前
記型開閉方向のバルブピン挿通孔31が貫通形成され、こ
のバルブピン貫通孔31にほぼ円柱状のバルブピン32が摺
動可能に支持され、このバルブピン32は図示していない
油圧シリンダー装置などの駆動装置の駆動により前記型
開閉方向に移動して前記ゲート20を開閉する。このバル
ブピン32は先端部にストレート部として形成されたゲー
ト閉塞部33がゲート20に挿脱自在に嵌合してこのゲート
20を閉じるものである。また、バルブピン32は前記型開
閉方向を軸方向としている。
【0026】前記バルブケーシング25内には、前記バル
ブピン32と離れた位置であってバルブピン挿通孔31に周
囲に螺旋状の材料通路34が形成されており、この材料通
路34は前記フランジ部27の反ゲート側面35に入口部36を
有し、この入口部36に前記ランナー9が接続される。前
記入口部36は材料通路34の他の部分より断面積が大きく
形成され、該入口部36からゲート側に向って直線部37が
形成され、この直線部37のゲート側には径小になるテー
パ部38が設けられている。図3及び図5などに示すよう
に、前記材料通路34は前記テーパ部38のゲート側端から
ゲート側に向って前記挿通孔31を中心に略135度螺旋
状に回転する螺旋部39を有し、この螺旋部39のゲート側
と前記バルブピン挿通孔31の開口端部31Aとを材料通路
34の斜設部40により連結している。この斜設部40はバル
ブピン挿通孔31に対して斜設されていると共に、該挿通
孔31を含む同一平面上に位置し、開口端部31Aに向って
テーパー状に僅かに断面積が縮小している。
【0027】前記バルブケーシング25の本体部26の外周
面には、前記材料通路34を加熱する加熱手段たるコイル
ヒーター41およびこのヒーター41を外側から覆うほぼ円
筒状のヒーターカバー42が嵌合されている。
【0028】前記バルブケーシング41のゲート側の端部
の外周面には固定リング43が設けられ、この固定リング
43が前記組み込み孔23の円柱状の嵌合孔23Aに嵌合する
ことによりバルブケーシング41のゲート側が型体である
固定側側板6に位置決め状態で支持固定され、一方、前
記バルブケーシング25のフランジ部27の先端側に組み込
み孔嵌合部44を設け、この組み込み孔嵌合部44の外周面
が前記組み込み孔22内に形成された略円柱面状の径大嵌
合受部22Aに嵌合している。これにより、バルブケーシ
ング25のフランジ部27のゲート側が型体である固定側受
け板7に位置決め状態で支持固定されている。
【0029】次に、前記バルブケーシング25の製造方法
について説明する。前記バルブケーシング25の中央は入
れ子51に形成され、この入れ子51の中央は前記開口端部
31Aを除いて前記バルブピン挿通孔31が形成されてお
り、図5などに示すように、その入れ子51は円柱状の外
周面52をすると共に、ゲート側は略円錐状の先端面53が
形成されている。また、バルブケーシング25には、前記
入れ子51を反ゲート側から装着する装着孔54が形成さ
れ、この装着孔54は入れ子51の外周に対応した形状をな
し、前記外周面52及び先端面53に対応して内周面55及び
略円錐状の先端受面56を有する。
【0030】また、前記入れ子51の外周には前記材料通
路34を形成する溝134が形成され、この溝134は前記直線
部37,螺旋部39及び斜設部40に対応して、直線形成部13
7,螺旋形成部139及び斜設形成部140とを備え、これら
形成部137,139,140の断面はほぼ同一形状であり、外
面から同一深さ位置に中心Sを有する円弧状溝に形成さ
れている。また、前記直線形成部137に対応して、前記
装着孔54の内周面55に直線成形部137A及びテーパ形成
部138が形成され、前記直線成形部137,137Aを合せて
なる前記入口直線部37の断面は円形となる。
【0031】そして、前記装着孔54に挿入した入れ子51
をロウ付け又は拡散接合により固定する。さらに、拡散
接合を用いる場合は、図6に示すように、前記溝134の
幅方向両側に接合用溝61,61Aを該溝134の全長に渡っ
て設ける。この拡散接合により固定の際には、該拡散接
合は、接合界面間での接触過程、接触面の密着化が時間
とともに進む過程、接合境界が消失する過程を経て接合
されるものであり、接触過程では加圧によるすべり変
形、表面被膜の破壊、移動により、次の過程では空孔拡
散、境界拡散、すなわち転位の移動によって密着化が進
む過程、さらに次の過程では再結晶や結晶の成長などに
よる新しい結晶組織の形成や、接合境界に存在する被
膜、介在物などの分解あるいは溶解などに関与し、ほぼ
完全な接合がなされる。具体的には溶剤を用いた拡散溶
接では、ニッケル合金、例えばBNiなどからなる溶剤
を用い、この溶剤を加熱して溶融させ、毛細管現象によ
り接合すべき材料間、つまり、入れ子51の外周と装着孔
54に浸透させる。このため、前記溝61,61A内に予め前
記溶剤を入れた後、入れ子51を装着孔54に挿入してか
ら、前記溶剤を加熱溶融して拡散接合することにより、
材料通路34の両側を液密に接合することができる。そし
て、拡散接合では、接合部において材料組織が変成を生
じ、強固に接合され、材料通路34における材料漏れなど
を完全に防止できる。
【0032】つぎに、前記の構成について、その作用を
説明する。まず固定型1と可動型2とを型閉して、これ
ら固定型1および可動型2間に製品キャビティ3を形成
した後、バルブピン41を可動型2から離れる方向へ移動
させてゲート20を開放する。そして、射出成形機から固
定型1内に熱可塑性の成形材料である溶融した熱可塑性
樹脂を射出する。この樹脂は、マニホールド8のランナ
ー9などを通り、さらに、入口部36から螺旋状の材料通
路34を通ってバルブケーシング25の先端部の開口端部31
A及びゲート20から製品キャビティ3内に流入する。こ
の場合、螺旋状の材料通路34を通った溶融樹脂には螺旋
方向の回転流が発生し、この回転流を伴う溶融樹脂がゲ
ート20から充填されるため、溶融樹脂を製品キャビティ
3内へ高速で円滑に充填することができる。また、溶融
樹脂の流れに螺旋部39により回転成分の流れを生じし
め、その後、直線的な斜設部40を通ることにより、高圧
で高速な射出成形を行うことができる。そして、このよ
うにして溶融樹脂が製品キャビティ3に充填された後、
保圧を経て、バルブピン32が可動型2の方へ移動し、ゲ
ート20に嵌合してこのゲート20を閉じる。そして、製品
キャビティ3内の樹脂が冷却して固化した後、固定型1
と可動型2とを型開して、製品キャビティ3内の樹脂す
なわち成形された製品を取り出す。その後、再び型閉し
て以上の成形サイクルを繰り返す。
【0033】このように本実施形態では、請求項1に対
応して、互いに開閉し型閉時に製品キャビティ3を相互
間に形成する複数の型体たる固定型1及び可動型2と、
これら型体のうち製品キャビティ3へ開口するゲート20
を有する型体たる固定型1に設けられたバルブ装置21と
を備え、このバルブ装置21は、型体たる固定型1に組み
込まれると共に材料通路34を内部に形成したバルブケー
シング25と、バルブケーシング25の内部に設けられゲー
ト20を開閉するバルブピン32とを有するバルブゲート式
金型装置において、材料通路34が螺旋状に形成されてい
るから、成形時には、固定型1及び可動型2を型閉して
これら固定型1及び可動型2間に製品キャビティ3を形
成するとともにゲート20を開き、製品キャビティ3内に
溶融樹脂を充填する。この際、溶融樹脂は、バルブケー
シング25内の材料通路34を通ってゲート20から製品キャ
ビティ3内に流入する。そして、バルブケーシング25内
の材料通路34が螺旋状に形成されているため、螺旋状の
材料通路34を通過した溶融樹脂に螺旋方向の回転流が発
生し、この回転流を伴う溶融樹脂がゲート20から充填さ
れるため、溶融樹脂を製品キャビティ3内へ高速で円滑
に充填することができる。したがって、薄物レンズなど
の略円形の製品の成形に特に適したものとなる。
【0034】また、このように本実施形態では、請求項
2に対応して、バルブピン32と離れた位置に材料通路34
が形成されているから、溶融樹脂がバルブピン32と離れ
て流れるため、樹脂の流れがバルブピン32から抵抗を受
けないから、高圧高速充填が可能となる。
【0035】また、このように本実施形態では、請求項
3に対応して、バルブケーシング25にバルブピン32を挿
通するバルブピン挿通孔31を形成し、このバルブピン貫
通孔31の周囲に材料通路34が形成されているから、溶融
樹脂がバルブピン挿通孔31の周囲に形成された材料通路
34を流れるため、溶融樹脂の流れがバルブピン32から抵
抗を受けない。また、挿通孔31の周囲に材料通路34を配
置することにより、バルブケーシング25が径方向に拡大
することが抑制され、コンパクトに形成するができる。
【0036】さらに、このように本実施形態では、請求
項4に対応して、バルブケーシング25に、バルブピン挿
通孔31を有する入れ子51を形成し、この入れ子51を装着
する装着孔54をバルブケーシング25に設け、入れ子51と
装着孔54との間に材料通路34を設けたから、入れ子51の
外周または装着孔54に加工を施し、装着孔54に入れ子51
を装着することにより、螺旋状の材料通路34を容易に形
成することができる。
【0037】さらにまた、このように本実施形態では、
請求項5に対応して、入れ子51の外周に形成した溝134
により材料通路34を形成したから、入れ子51の外周に螺
旋状に溝134を形成し、その溝134を装着孔54により塞ぐ
ことにより、螺旋状の材料通路34を容易に形成すること
ができる。
【0038】しかも、このように本実施形態では、請求
項6に対応して、入れ子51を装着孔54に拡散接合したか
ら、入れ子51の外周と装着孔54とを密に接合することが
でき、両者の間に設けた材料通路34が液密性に優れたも
のとなる。
【0039】このように本実施形態では、請求項7に対
応して、互いに開閉する複数の型体たる固定型1及び可
動型2を型閉してこれら固定型1及び可動型2間に製品
キャビティ3を形成し、型体たる固定型1に設けられた
材料通路34から、製品キャビティ3に開口したゲート20
を通して製品キャビティ3内に成形材料を充填し、製品
キャビティ3内に成形材料を充填するとき以外にゲート
20をバルブ装置21のバルブピン32により閉じる成形方法
において、成形材料をゲート20に連通する螺旋状の材料
通路34に通すことにより回転流を伴った状態で製品キャ
ビティ3内に充填するから、キャビティ3に充填された
成形材料の流れが均一となって、成形材料を製品キャビ
ティ3内へ高速で円滑に充填することができる。
【0040】また、実施形態上の効果として、直線部37
の断面積を他より大きく形成したから、ランナー9との
接続が容易且つ確実になり、さらに、テーパ部38を設け
ることにより直線部37の溶融樹脂がスムーズに螺旋部39
へと流れ込む。また、斜設部40は、開口端部31Aに向っ
てテーパー状に僅かに断面積が縮小するから、溶融樹脂
の流れが絞られ、さらに、型開閉方向に形成された開口
端部31Aにより型開閉方向へと流れて、ゲート20より製
品キャビティ3へと充填される。
【0041】なお、本発明は、前記実施例に限定される
ものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば、
実施形態では、螺旋部は前記挿通孔を中心に略135度
螺旋状に回転する構造のものを示したが、その角度は1
35度未満でも135度を超える螺旋状でも良い。ま
た、接合用溝は材料通路の両側に設ける必要はなく、成
形材料の圧力は、材料通路において、螺旋部に対してゲ
ート側の圧力が大となるから、螺旋部に対してゲート側
の接合用溝61のみを設けて拡散溶接するようにしてもよ
い。さらに、装着孔の内面に、材料通路となる溝を形成
してもよい。
【0042】
【発明の効果】請求項1の発明は、材料通路が螺旋状に
形成されているから、製品キャビティ内における成形材
料の充填性に優れたバルブゲート式金型装置を提供でき
る。
【0043】また、請求項2の発明は、請求項1の効果
に加えて、バルブピンと離れた位置に前記材料通路が形
成されているものであるから、樹脂の流れがバルブピン
から抵抗を受けない。
【0044】また、請求項3の発明は、請求項2の効果
に加えて、バルブケーシングに前記バルブピンを挿通す
るバルブピン挿通孔を形成し、このバルブピン貫通孔の
周囲に前記材料通路が形成されているものであるから、
成形材料の流れがバルブピンから抵抗を受けない。ま
た、挿通孔の周囲に材料通路を配置することにより、バ
ルブケーシングが径方向に拡大することが抑制され、コ
ンパクトに形成するができる。
【0045】さらに、請求項4の発明は、請求項3の効
果に加えて、前記バルブケーシングに、前記バルブピン
挿通孔を有する入れ子を形成し、この入れ子を装着する
装着孔を前記バルブケーシングに設け、前記入れ子と前
記装着孔との間に前記材料通路を設けたものであるか
ら、入れ子の外周または装着孔に加工を施し、装着孔に
入れ子を装着することにより、螺旋状の材料通路を容易
に形成することができる。
【0046】さらにまた、請求項5の発明は、請求項4
の効果に加えて、前記入れ子の外周に形成した溝により
前記材料通路を形成したものであるから、入れ子の外周
に螺旋状に溝を形成し、その溝を装着孔により塞ぐこと
により、螺旋状の材料通路を容易に形成することができ
る。
【0047】しかも、請求項6の発明は、請求項5の効
果に加えて、前記入れ子を前記装着孔に拡散接合したも
のであるから、入れ子の外周と装着孔とを密に接合する
ことができ、両者の間に設けた材料通路が液密性に優れ
たものとなる。
【0048】請求項7の成形方法は、成形材料を前記ゲ
ートに連通する螺旋状の材料通路に通すことにより回転
流を伴った状態で製品キャビティ内に充填する方法であ
る。
【0049】成形材料が回転流を伴った状態で製品キャ
ビティ内に充填されるから、成形材料を製品キャビティ
内へ高速で円滑に充填することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバルブゲート式金型装置の一実施形態
を示す断面図である。
【図2】同上、バルブ装置の平面図である。
【図3】同上、バルブ装置の要部の断面図であり、螺旋
部を長さ方向に断面にしている。
【図4】同上、バルブ装置の要部の平断面図である。
【図5】同上、入れ子の正面図である。
【図6】同上、接合用溝を形成した入れ子の正面図であ
る。
【符号の説明】
1 固定型 2 可動型 3 製品キャビティ 20 ゲート 21 バルブ装置 25 バルブケーシング 31 バルブピン挿通孔 32 バルブピン 34 材料通路 51 入れ子 54 装着孔 134 溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上野 広 新潟県新潟市小金町3丁目1番1号 三菱 マテリアル株式会社新潟製作所内 Fターム(参考) 4F202 CA11 CB01 CK02 CK07

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに開閉し型閉時に製品キャビティを
    相互間に形成する複数の型体と、これら型体のうち製品
    キャビティへ開口するゲートを有する型体に設けられた
    バルブ装置とを備え、このバルブ装置は、前記型体に組
    み込まれると共に材料通路を内部に形成したバルブケー
    シングと、前記バルブケーシングの内部に設けられ前記
    ゲートを開閉するバルブピンとを有するバルブゲート式
    金型装置において、前記材料通路が螺旋状に形成されて
    いることを特徴とするバルブゲート式金型装置。
  2. 【請求項2】 前記バルブピンと離れた位置に前記材料
    通路が形成されていることを特徴とする請求項1記載の
    バルブゲート式金型装置。
  3. 【請求項3】 前記バルブケーシングに前記バルブピン
    を挿通するバルブピン挿通孔を形成し、このバルブピン
    貫通孔の周囲に前記材料通路が形成されていることを特
    徴とする請求項2記載のバルブゲート式金型装置。
  4. 【請求項4】 前記バルブケーシングに、前記バルブピ
    ン挿通孔を有する入れ子を形成し、この入れ子を装着す
    る装着孔を前記バルブケーシングに設け、前記入れ子と
    前記装着孔との間に前記材料通路を設けたことを特徴と
    する請求項3記載のバルブゲート式金型装置。
  5. 【請求項5】 前記入れ子の外周に形成した溝により前
    記材料通路を形成したことを特徴とする請求項4記載の
    バルブゲート式金型装置。
  6. 【請求項6】 前記入れ子を前記装着孔に拡散接合した
    ことを特徴とする請求項4または5記載のバルブゲート
    式金型装置。
  7. 【請求項7】 互いに開閉する複数の型体を型閉してこ
    れら型体間に製品キャビティを形成し、前記型体に設け
    られた材料通路から、前記製品キャビティに開口したゲ
    ートを通して前記製品キャビティ内に成形材料を充填
    し、前記製品キャビティ内に成形材料を充填するとき以
    外に前記ゲートをバルブ装置のバルブピンにより閉じる
    成形方法において、成形材料を前記ゲートに連通する螺
    旋状の材料通路に通すことにより回転流を伴った状態で
    製品キャビティ内に充填することを特徴とするバルブゲ
    ート式金型装置を用いた成形方法。
JP2002049878A 2002-02-26 2002-02-26 バルブゲート式金型装置とこれを用いた成形方法 Abandoned JP2003245948A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114953361A (zh) * 2022-04-24 2022-08-30 浙江恒道科技有限公司 热流道模具的螺旋型混料进浇机构

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