JP2003244873A - 騒音特性に優れるモータ用ステータ鉄心 - Google Patents

騒音特性に優れるモータ用ステータ鉄心

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Atsuto Honda
厚人 本田
Kunihiro Senda
邦浩 千田
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尚道 中村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リラクタンスモータ、特にスイッチトリラク
タンスモータの低騒音化に寄与するステータ鉄心とその
材料を提供する。 【解決手段】 モータのステータ鉄心を、ティース部と
コアバック部が別体にして、該コアバック部に対しティ
ース部が着脱可能に取付ける。モータ用ステータ鉄心
は、ティース部は磁性鉄粉成形体からなり、コアバック
部は溶製電磁鋼板からなることが好ましい。溶製電磁鋼
板は、Si≧0.01mass%、板厚≦1.Omm、Hv≧105の特性を
有することが好ましい。本発明のステータ鉄心は、リラ
クタンストルクを利用するモータに用いることが好まし
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転機器用鉄心、
特にリラクタンスモータに用いて好適な騒音特性に優れ
るステータ鉄心に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、省エネルギーへの要請が強まるに
ともない、電気機器類の高効率化を指向する動きが高ま
っている。このような状況下において、鋼板メーカー
は、様々な手段により電気機器類に用いられる電磁鋼板
の鉄損特性の改善を図ってきた。
【0003】たとえば、電磁鋼板に対するSiの添加は、
鋼板の比抵抗を高め、鉄損を低減させる最も有効な手段
であり、電磁鋼板の分野では広く用いられている技術で
ある。一方、Alもまた、Siと同様の効果を有する元素で
あることが知られている。例えば、特開昭53-66816号公
報には、鋼板の比抵抗を高め、かつ微細なAlNの析出に
よる粒成長の抑制を避けるため、Alを積極添加すること
が開示されている。また、特開昭55-73819号公報には、
Alを添加し、かつ焼鈍雰囲気の調整を行うことにより、
鋼板表面の内部酸化層を低減し、良好な高磁場特性を達
成する技術が開示されている。さらに、特開昭54-68716
号公報、特開昭58-25427号公報には、Alを添加した上
で、REMやSbの複合添加したり、高純化したりするこ
とにより集合組織を改善し、鉄損を低減する技術が開示
されている。
【0004】その他、特開昭61-87823号公報には、Alを
添加し、仕上焼鈍時の鋼板冷却速度を制御することによ
り、特開平3-274247号公報には、Alを添加しかつB,S
b,Snを複合添加して酸窒化を防止することにより、特
開平3-294422号公報には、Alを添加し、冷間圧延を制御
して鋼板のL,C方向の特性差を低減することにより、
特開平4-63252号公報には、MnとAlを複合添加すること
により、特開平4-136138号公報には、Alを添加して極低
Siとし、かつP,Sbを添加して集合組織を改善すること
により、それぞれ磁気特性を改善する技術が開示されて
いる。
【0005】ところで、最近、回転機器の分野において
は、高効率化に加えて、リサイクル性が求められるよう
になってきた。DCモータや誘導モータ、ブラシレスD
Cモータなどは、一般に、いずれも回転子の鉄心部にア
ルミニウムや銅などの導体かあるいは磁石が用いられて
いる。従って、鉄心をリサイクルするためには、これら
と電磁鋼板とを分別する必要があった。
【0006】一方、リラクタンスモータは、リラクタン
ストルクをその駆動力として用いるため、回転子部には
導体や磁石が不要で、電磁鋼板のみで作製できる。従っ
て、リラクタンスモータは、リサイクル性に富み、構造
が簡単でしかも安価で堅牢であるという特長があり、古
くから研究が行われてきた。
【0007】しかし、その反面で、回転の制御が難しい
こと、回転時の騒音が大きいことなどの問題があること
から、実用化されるまでには至っていなかった。しか
し、最近の半導体技術や制御技術の進歩により、これら
の問題が解決され、洗濯機、掃除機などのモータとして
採用され始めている。さらに最近では、リラクタンスモ
ータは、上記リサイクル性を有する等の特長が見直され
て、自動車その他に用いられる回転機用としても注目さ
れるようになった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、リタク
タンスモータは、動作条件が他のモータと大きく異なる
ため、従来用いられていた電磁鋼板を用いても、必ずし
も満足のゆく特性が得られなかった。また、自動車や家
庭用のリラクタンスモータは、一層の静粛性が求められ
ていると共に、従来の半導体技術や制御技術の進歩だけ
では必ずしも満足のゆく低騒音化は達成できなかった。
【0009】本発明の目的は、リラクタンスモータ、特
にスイッチトリラクタンスモータの低騒音化に寄与する
ステータ鉄心を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】発明者らは、実機のスイ
ッチトリラクタンスモータについて、騒音の原因究明と
低減方法について詳細な検討を行った。その結果、低騒
音化を図るためには、ステータをティース部とコアバッ
ク部とに分割し、それぞれを特性の異なる素材にて構成
すると低騒音化に有効であること、特に、ティース部を
磁性鉄粉成形体とし、コアバック部を溶製電磁鋼板にて
構成した組合せが有効であることを見出し、本発明を完
成した。
【0011】すなわち、本発明は、モータのステータ鉄
心において、ティース部とコアバック部を別体のものと
して形成すると共に、そのティース部をコアバック部に
対して取付けてなる騒音特性に優れるモータ用ステータ
鉄心である。
【0012】なお本発明のモータ用ステータ鉄心は、上
記ティース部は磁性鉄粉成形体からなり、一方、コアバ
ック部は溶製電磁鋼板からなることが好ましい。
【0013】また、本発明の溶製電磁鋼板は、Si≧0.01
mass%、板厚≦1.Omm、Hv≧105の特性を有することが好
ましい。
【0014】さらに、本発明のステータ鉄心は、リラク
タンストルクを利用するモータに用いることが好まし
い。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明について具体的に説
明する。発明者らはまず、市販されている種々のスイッ
チトリラクタンスモータを入手し、これらの騒音特性を
解析した。その結果、以下のことが明らかとなった。そ
れは、スイッチトリラクタンスモータは、リラクタンス
トルクを用いて回転するモータであり、そのため、ロー
タティースとステータティースとが近づいた時の、これ
らの間のエアギヤップが小さければ小さいほど、ロータ
ティースとステータティースとが離れた時との透磁率差
が大きくなる。従って、この透磁率差を駆動力とする上
記モータは、透磁率差が大きいほど、回転トルクが大き
くなり効率も向上する。しかし、この大きな透磁率の差
は、同時に、大きな電磁吸引力の変化を生み、ステータ
の伸縮量を増大し、その結果として、騒音を大きくして
しまう。このように、リラクタンスモータのトルクと騒
音は、それぞれ相矛盾する関係にある。
【0016】ところで、上記騒音問題は、ステータコア
が、電磁吸引力の変化に対応して伸縮しないか、あるい
は、伸縮しても音を吸収する機能を有する材料あるいは
構造であれば解決することができるはずである。しか
し、ステータコアを、透磁率の変動により伸縮しない程
度のヤング率を有する鉄心コアにするのは困難である。
【0017】そこで、発明者らは、定格300Wのスイッ
チトリラクタンスモータを用い、モータのステータコア
の構造と騒音吸収性能の関係について検討した。この調
査解析の結果、図1に示すように、従来、電磁鋼板を用
いて一体構造で作製されていたステータ部が、コアバッ
クとティースとに分け、これらを別体のものとして作製
したものについては、騒音吸収能が大きいことがわかっ
た。次に、こうしたコアバックとティースを別体とした
ものについて、それぞれの素材について検討したが、同
一の素材を用いるよりも異なる素材を用いた方がよい結
果が得られることがわかった。とくに、ステータのコア
バックには、溶製し圧延して得られる通常の電磁鋼板す
なわち溶製電磁鋼板を用い、一方、ティース部には、磁
性鉄粉を圧粉成形して得られる磁性鉄粉成形体を用いた
場合には、前記騒音はさらに低減されることがわかっ
た。
【0018】このように、コアバックとティースとを別
々に作製して、これらを互いに接合してなるステータ鉄
心をスイッチトリラクタンスモータに使用した場合に、
騒音性能が向上する理由は、以下のように考えられる。
スイッチトリラクタンスモータの励磁にはいくつかの方
法があるが、ステータのティース部の磁極が反転するこ
とのない片側励磁が主体である。つまり、鉄心材料にと
っては、B−Hループいわゆるヒステリシスループの上
あるいは下側にのみ磁化される。この場合には、磁化方
向が反転されずに磁束変化のみが起こるため、磁化過程
における出発点は残留磁束密度の位置となる。しかし、
モータは、ステータとロータのあいだにエアギャップが
存在するため、実際のモータにおいては、残留磁束密度
はさほど大きくはならない。このため、さらに残留磁束
密度を低減させることはこれまで困難であった。
【0019】しかし、発明者らの研究によると、ステー
タ部をコアバックとティースとを別体とすることによっ
て、磁気回路中の上記エアギャップ効果がさらに大きく
なり、残留磁束密度を低減する効果を高めることがわか
った。つまり、コアバックとティースとを別体として形
成した上で、これらをつなぎ合わせた場合、磁化変化が
著しく改善され、騒音の低減につながったのである。と
くに、該コアバックとティースの分割部の存在が、電磁
振動の吸収効果を発揮し、一層の騒音低減につながるの
である。
【0020】本発明の上述した効果は、単にコアバック
とティースとを別体に形成して取付けるだけではなく、
さらに、これらを異なる素材のものを用いた場合、例え
ば、ステータティース部を磁性鉄粉成形体とした場合に
は、その鉄粉の集合体が、残留磁束低減効果に加えて、
騒音の吸収効果をも発揮することから、より一層の騒音
の低減を達成するものと考えられる。
【0021】なお、コアバックには、鉄粉成形体を用い
ることも可能であるが、コアの強度を確保するためには
溶製電磁鋼板を用いることの方が好ましい。この場合、
補強のため、最外周部に電磁鋼板を巻きつけるなどの処
理を施すことが有効である。また、ティース部の磁性鉄
粉圧粉体には、強度補強のために線材を埋め込むことが
有効である。
【0022】コアの形状については、特に規定しない
が、たとえば図2に示すように、別体に形成したステー
タコアのコアバック部とティース部を着脱可能に取付け
られるようにしてもよく、もしくは、さらにコアバック
やティース部自身を複数のピースを結合したものにて形
成してもよい。
【0023】図2は、本発明に係るステータ鉄心の実施
形態を例示したものである。図2(a)は、コアバック2
に対し、断面ほぼ円形のほぞ穴を設ける一方、ティース
部3の取付け端部に断面ほぼ円形のほぞを設け、これら
を嵌め合わせて接合する構造の例である。この嵌合形態
は、着脱可能にしてもよく、また接着剤や溶接等により
強固に嵌着したものでもよい。図2(b)は、コアバック
2に鳩尾型のほぞ穴を設ける一方、ティース部3の取付
け端部に鳩尾型のほぞを設け、これらを嵌め合わせて接
合する構造の例である。図2(c)は、図2(a)と同一の
継手構造によって、つば付きティースを接合した例を示
す。この型のティースは、空間高調波成分を低減すると
いう効果を有する。図2(d)は、コアバック2自体を、
複数のピースで構成して、これらをほぞ継手構造によっ
て接合すると共に、ティース3を同じ継手構造によっ
て、係るコアバック2に接合してなる例を示す。
【0024】次に、本発明に係るステータ鉄心、とくに
コアバック部に用いる素材について説明する。上記素材
として、本発明では溶製電磁鋼板を用いる。この溶製電
磁鋼板は、鉄損低減のために、Siを0.01mass%以上含有
していることが望ましい。ただし、あまり過度の添加
は、飽和磁束密度の低下を招くほか、圧延性や加工性を
害するため、上限は4.5mass%とする。より、好ましく
は0.1〜3.5mass%である。
【0025】また、この電磁鋼板の板厚は、波形歪をと
もなう励磁下での鉄損を低減するためには、1.0mm以下
とする。これ以上の板厚では鉄損が増加する。好ましく
は、0.65mm以下である。
【0026】また、この電磁鋼板の特性(加工性)もまた
重要である。つまり、コアバックとティース部の接合箇
所におけるダレやつぶれが発生しにくく、かつ、バリの
発生を抑制して局所的な歪を抑え、磁気的な安定性をも
たらす必要がある。このような要求を満たす電磁鋼板の
特性としては、Hv≧105、好ましくは、Hv:120〜250が
望ましい。
【0027】上記溶製電磁鋼板は、Si以外に以下の成分
を含むことができる。Cは、鋼板の鉄損特性が時効劣化
を引き起こさないようにするため、0.005mass%以下と
するのが好ましい。Alは、Siと同様、鋼の比抵抗を高
め、鉄損を低下させるには有効な元素であり、0.1mass
%以上添加する。しかし、その含有量が多い場合には、
連続鋳造時に、溶鋼とモールドとの潤滑性が低下して鋳
造が困難となるため、上限を2.5mass%とするのが好ま
しい。ただし、比抵抗元素として利用しない場合には、
0.01mass%超え0.10mass%未満の範囲のAlの添加は、粒
成長性を阻害し、鉄損特性を劣化させるので、0.01mass
%以下とするのが好ましい。
【0028】Mnも、SiやAlほどではないが鋼の比抵抗を
高め、鉄損を低下させる効果がある。また熱間圧延性を
改善する効果があるため、下限は0.1mass%とする。し
かし過度に含有すると冷間圧延性を劣化させるため、上
限は2.5mass%とするのが好ましい。Pもまた、SiやAl
ほどではないが鋼の比抵抗を高め、鉄損を低下させる効
果があり、また、粒界偏析により冷延再結晶後の集合組
織を改善して磁束密度を向上させる効果があるため添加
してもよい。しかし、過度の粒界偏析は粒成長性を阻害
し鉄損を劣化させるため、その上限は0.1mass%とす
る。Sは、析出物、介在物を形成し、粒成長性を阻害す
る。このため、Sは極力低減すべき元素であり、上限は
0.01mass%とするのが好ましい。
【0029】Sn,Sbは、集合組織を改善し、磁束密度を
向上させるだけでなく、鋼板表面の酸窒化を抑制して表
層徴細粒の生成を抑制することにより表面硬度の上昇を
抑えて、打抜き加工性を向上させる。さらに、残留磁束
密度を低減するための重要な元素でもあるため添加して
もよい。この場合には、0.005mass%より少量ではその
効果はなく、0.12mass%以上では粒成長性を阻害し磁性
を劣化させるため、0.005〜0.12mass%の範囲手添加す
るのが好ましい。Ni,Cu,Cr等も比抵抗を高める元素で
あるため添加してもよいが、これらの合計量が10mass%
を超えると圧延性が劣化するため、10mass%以下とする
のが好ましい。
【0030】次に、本発明に係るステータ鉄心に用いる
溶製電磁鋼板、磁性鉄粉の製造方法について説明する。 電磁鋼板の製造条件は、特に規定するものではなく、
通常の溶製、圧延、再結晶焼鈍等を組合せた製造方法に
よるものでかまわない。 磁性鉄粉は、遷元鉄粉、アトマイズ鉄粉のほかどのよ
うな製造法によるものでも構わない。鉄粉どうしの絶縁
性を保ち、渦電流による損失を低減するためには、鉄粉
に絶縁コーティング処理を施し、その後、圧粉成形する
ことが有効である。このコーティングは、有機、無機、
半有機系のいずれを用いても構わない。磁性鉄粉の成分
は、純鉄系でも良いし、電気抵抗を高めて渦電流損を低
減するために、合計量が10mass%以下で、Si,Al,Mn,
P,Cu,Ni等を添加してもさしつかえない。添加量が10
mass%を超えると、磁束密度が低下して、モータ特性が
劣化するからである。
【0031】なお、低騒音で高効率のモータ特性をもた
らす本発明のステータ鉄心は、リラクタンスモータ、中
でもスイッチトリラクタンスモータに適用することによ
り、よりその効果を発揮することができる。この理由
は、特にスイッチトリラクタンスモータにおける騒音
が、他のリラクタンスモータより大きいためである。
【0032】
【実施例】(実施例1)表1に示した成分組成を有する
記号A〜Fの6種類の鋼素材を、加熱後、熱間圧延して
2.5mmの熱延板とし、引き続き冷間圧延して最終板厚0.5
0mmの冷延板とした。この冷延板を焼鈍後、表面に半有
機系の絶縁コーティングを施した。この鋼板を打抜き加
工し、300Wのスイッチトリラクタンスモータのステー
タコアバックを作成した。なお、上記鋼板の硬度は、い
ずれも120〜250の範囲内であった。また、ステータコア
のティース部は、上記鋼板を打抜き加工して製作したも
のと、Si:0.1mass%、Al:0.001mass%、Mn:0.08mass
%、P:0.01mass%、残部Feおよび不可避的不純物の成
分組成を有する磁性鉄粉をプレス成形したものの2種類
を作製し、その後、巻き線を施した後、ステータコアバ
ックと合体させた。比較のため、従来タイプの電磁鋼板
一体型のステータコアも作製した。
【0033】これらのモータコアを用いて、モータ効率
および騒音を測定した。なお、モータ効率の測定は、ト
ルクメータ、負荷メータ、電力計よりなるシステムを用
いて行い、モータの回転数を種々に変化させ、モータ効
率(=出力/入力×100%)の最大値を求めた。また、騒
音は、モータから30cm離れた位置にマイクロフォンを設
置し、測定を行った。
【0034】素材およびモータ特性測定結果を表2に示
す。従来の電磁鋼板一体型のステータコアと比較し、本
発明の分割構造を有するステータコアを採用することに
より、モータ効率が向上し、騒音が低減している。特
に、コアバック部を溶製電磁鋼板、ティース部を磁性鉄
粉で製作した場合の効果は顕著である。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】(実施例2)表1に示した成分組成を有す
る鋼A〜Fの6種類の鋼素材を、加熱後、熱間圧延して
2.5mmの熱延板とし、引き続き冷間圧延により最終板厚
0.35mmの冷延板とした。この冷延板を焼鈍後、表面に半
有機系の絶縁コーティングを施した。この鋼板を打抜き
加工し、400Wのスイッチトリラクタンスモータのステ
ータコアバックを作成した。なお、上記鋼板の硬度は、
いずれも120〜210の範囲内であった。一方、ティース部
は、Si:0.2mass%、Al:0.001mass%、Mn:0.2mass%、
P:0.01mass%、残部Feおよび不可避的不純物の成分組
成を有する磁性鉄粉をプレス成形して作製し、巻き線を
施した後、ステータコアバックと合体させた。その他
に、鋼Dから製造した電磁鋼板からは、打抜き加工によ
ってもティース部を製作した。なお比較として、従来タ
イプの電磁鋼板一体型のステータコアも作製した。これ
らのモータコアを用いて、実施例1と同様の方法でモー
タ効率および騒音を測定した。
【0038】上記モータ特性の測定結果を表3に示す。
スイッチトリラクタンスモータにおける、本発明のステ
ータコア鉄心のモータ効率向上効果、騒音低減効果は明
らかである。
【0039】
【表3】
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
リラクタンスモータのステータをティース部とコアバッ
ク部との別体とすることにより、モータの低騒音化と高
効率化を図ることができる。さらに、ティース部を磁性
鉄粉成形体とし、コアバック部を溶製電磁鋼板の組合せ
とすることにより、より低騒音化と高効率化が可能とな
る。このステータは、特に、スイッチトリラクタンスモ
ータに適用した場合に効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ステータコアの構造と騒音との関係を示した
グラフである。
【図2】 ステータコアの取付け構造を例示した略線図
である。
【符号の説明】
1:ステータコア(鉄心) 2:コアバック部 3:ティース部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 尚道 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し)川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 Fターム(参考) 5H002 AA04 AB01 AB06 AC01 5H619 AA01 BB01 PP01 PP05 PP06

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】モータのステータ鉄心において、ティース
    部とコアバック部を別体のものとして形成すると共に、
    そのティース部をコアバック部に対して取付けてなる騒
    音特性に優れるモータ用ステータ鉄心。
  2. 【請求項2】上記ティース部は磁性鉄粉成形体からな
    り、一方、コアバック部は溶製電磁鋼板からなることを
    特徴とする請求項1に記載のモータ用ステータ鉄心。
  3. 【請求項3】上記溶製電磁鋼板は、Si≧0.01mass%、板
    厚≦1.Omm、Hv≧105の特性を有することを特徴とする請
    求項2に記載のモータ用ステータ鉄心。
  4. 【請求項4】上記ステータ鉄心は、リラクタンストルク
    を利用するモータに用いることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれか1項に記載のモータ用ステータ鉄心。
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