JP2003243226A - 巻線型電子部品とその製造方法 - Google Patents

巻線型電子部品とその製造方法

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JP2003243226A JP2002036003A JP2002036003A JP2003243226A JP 2003243226 A JP2003243226 A JP 2003243226A JP 2002036003 A JP2002036003 A JP 2002036003A JP 2002036003 A JP2002036003 A JP 2002036003A JP 2003243226 A JP2003243226 A JP 2003243226A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】コアの量産が容易となり、インダクタンス値の
ばらつきが小さく、プリント基板に実装した場合のプリ
ント基板への固着強度も安定した巻線型電子部品とその
製造方法を提供する。 【解決手段】磁性体または非磁性体からなるシートの縦
横の切断によりコア1を切り出す。コア1の裏面の両端
部に端子電極2を持つ。コア裏面における端子電極2の
間と表面に、巻線3の太さより深く、切削により形成さ
れた凹部4、5を有する。巻線3の周回部の一部を前記
各凹部4、5に収容し、巻線3の両端の端末3aを端子
電極2にそれぞれ固着してなる

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント基板上に
面実装可能な巻線型電子部品とその製造方法に係り、特
にコア構造とコアの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インダクタとして使用される従来の巻線
型電子部品は、内部にコイルを埋設する積層型インダク
タに比較し、巻線が金属粉末の焼結体ではなく、導電性
の高い金属線によって構成できるので、高いQ値を得る
ことができるという特徴がある。このような巻線型イン
ダクタにおいて、磁性体または非磁性体でなるコアは、
従来、磁性体または非磁性体粉末からなる成形用コア材
料を金型により成形した後、焼成することにより得てい
る。
【0003】図18(A)は従来の巻線型電子部品のコ
ア50の一例を示している。図18(B)に示すよう
に、前述のようにして成形、焼成したコア50の鍔51
に、銀ペーストをディップ等により塗布して焼き付ける
ことにより、下地電極52を完成させる。次に図18
(C)に示すように、コア50の巻心53に巻線54を
巻回した後、該巻線の巻始め、巻終りとなる巻線端末を
前記下地電極52に溶接、熱圧着または超音波振動もし
くはこれらの併用により接合する。次に下地電極52お
よび巻線端末の下地電極52に溶接された部分に電解メ
ッキを行って端子電極55を形成し、さらに、鍔51の
上面側に樹脂等を塗布するか、あるいは樹脂フィルムを
上面に貼り付けることにより、プリント基板上にマウン
タにより自動装着するためのプレート56を形成して完
成する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、従来の
巻線型電子部品のコア50は、成形用コア材料を金型に
より成形して焼成することにより得ているので、一度に
成形するコアの数に限界があり、量産性に乏しいという
問題点がある。また、コア材料の焼成縮率の違いによ
り、完成品の寸法がロットで変動するが、この寸法の変
動を極力小さく抑えるため、同じ規格の製品でありなが
ら、複数の金型を準備する必要が生じ、設備費がかさむ
とういう問題点がある。
【0005】また、金型は高価であるため、あまり多く
の数の金型を準備するわけにはいかず、コア材料の縮率
データから逆算して金型の成形寸法を選ぶ場合に、2つ
ある金型のうちの中間の寸法の金型が必要となった場合
は、所望の寸法に対して若干大きいか、若干小さい寸法
での生産を余儀なくされることになる。ところが、コア
50に巻線54を巻回するタイプのものは、コア材料の
縮率変動により巻心53の寸法が変わることは、巻線5
4の巻数を調整しない限り、そのままインダクタンスが
変動することになり、安定した生産ができなくなる。
【0006】また、従来品として、金型による成形段階
でコアの素体に窪み、それを焼成した後、銀ペーストを
塗布してから焼付けを行うものもあるが、この構造のも
のは、銀ペーストが窪み部分を覆ってしまい、十分な窪
みが形成できなかったり、窪み寸法が大きくばらついて
しまう。
【0007】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑み、コアの量産が容易となる巻線型電子部品と製造方
法を提供することを目的とする。また、本発明は、所望
の寸法のコアを得ることができ、従ってインダクタンス
値のばらつきの小さい構造の巻線型電子部品とその製造
方法を提供することを他の目的とする。また本発明は、
下地電極の寸法のばらつきが小さく、よってプリント基
板に実装した場合のプリント基板への固着強度も安定し
た巻線型電子部品とその製造方法を提供することを他の
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の巻線型電子部
品は、磁性体または非磁性体からなるシートの縦横の切
断によりほぼ矩形に切り出されたコアを備え、前記コア
の裏面の両端部に端子電極を有し、前記裏面における端
子電極の間に、巻線の太さより深く、切削により形成さ
れた凹部を有し、巻線の周回部の一部を前記各凹部に収
容し、巻線の両端の端末を前記端子電極にそれぞれ固着
してなることを特徴とする。
【0009】このように、コアをシートからの切り出し
により得ているので、小型の巻線型電子部品のコアの場
合、シートの縦横の切断により、同時に数千個ものコア
を得ることができ、量産性が向上する。
【0010】また、本発明の巻線型電子部品のコアは、
シートの切り出しによってコアを形成し、巻線を巻く巻
心部となる凹部を切削により巻線より深く形成している
ので、巻線がコアから露出しない構造となり、巻線型電
子部品の厚み寸法をコアの厚みで設定することができ、
高い寸法精度を保持できる。
【0011】本発明において、シートとしては、銅張り
樹脂シートまたはセラミックシートをコア材料に用いる
ことができるが、複数枚のグリーンシートを積層圧着し
たシートを用いることもできる。この積層圧着シートを
用いる場合、コアとして切断した後に焼成する必要があ
るが、コア材料の焼成縮率を考慮して切断寸法等を調整
することにより、焼成後の寸法精度が高いコアが得られ
る。また、切り出しにより端子電極またはその下地電極
を形成することができるから、端子電極の寸法精度も高
まり、プリント基板に実装した場合にも固着強度の十分
な巻線型電子部品が得られる。
【0012】請求項2の巻線型電子部品は、請求項1に
おいて、前記コアの両側面にも切削により形成されて巻
線の周回部の一部が収容される凹部を有することを特徴
とする。
【0013】このように、コアの側面にも巻線の太さよ
り深い凹部を有することにより、巻線型電子部品の側面
間の幅についても寸法精度を向上させることができる。
【0014】請求項3の巻線型電子部品は、請求項1ま
たは2において、前記各端子電極に窪みを設け、該窪み
に前記巻線端末を導電固着したことを特徴とする。
【0015】このように、端子電極に窪みを設けて巻線
端末をその窪みに固着することにより、巻線の終端位置
が固定され、インダクタンスのばらつきが軽減されると
共に、鍔の装着面に突起が現れず、平坦となり、プリン
ト基板への実装が良好に行われる。
【0016】請求項4の巻線型電子部品は、請求項3に
おいて、前記各端子電極にそれぞれ複数個の窪みを設
け、いずれかの窪みを選択して前記巻線端末を導電固着
したことを特徴とする。
【0017】このように、窪みを複数個設けてそのうち
のいずれかに巻線端末を選択的に固定するようにすれ
ば、インダクタンスの微調整が可能となり、より安定し
たインダクタンス値を得ることができる。
【0018】請求項5の巻線型電子部品は、請求項1か
ら4のいずれかにおいて、前記各端子電極および該端子
電極に固着された巻線端末に電気めっきを施したことを
特徴とする。
【0019】このように端子電極および巻線端末に電気
めっきを行えば、プリント基板に対する端子電極の面が
平滑となり、プリント基板への固着強度をより高めるこ
とができる。
【0020】請求項6の巻線型電子部品は、請求項1か
ら5のいずれかにおいて、前記シートが、グリーンシー
トの積層圧着体の裏面に、導電体粉末を含んだ端子電極
構成用の導体グリーンシートを固着してなり、かつ前記
コアは、前記シートの表裏面に前記溝を形成し、縦横に
切断後に焼成して構成されることを特徴とする。
【0021】このように、シートとしてグリーンシート
を使用すれば、グリーンシートに混合する粉末の材質の
選択により、種々の透磁率、誘電率、Q値の巻線型電子
部品を得ることができる。また、グリーンシートを積層
し圧着した焼成前の状態において、ダイサー等により、
容易に溝を切削することができる。
【0022】請求項7の巻線型電子部品は、請求項1か
ら5のいずれかにおいて、前記シートが、銅張り樹脂シ
ートまたはセラミックシートからなることを特徴とす
る。
【0023】このように、シートとして銅張り樹脂シー
トまたはセラミックシートを用いれば、既存のシートを
材料に用いることができる。
【0024】請求項8の巻線型電子部品の製造方法は、
磁性体または非磁性体からなるシートの両面におけるそ
れぞれ表裏一致する位置に縦横の切断用マークを付し、
前記切断用マークを基準にして、前記シートの表裏面
に、縦横いずれかの方向に複数の溝を等間隔に切削し、
前記シートを、前記溝の両側の非切削部に沿う切断線
と、該切断線に直角をなす切断線に沿って等間隔に切断
することにより、コアを形成し、前記溝の部分に巻線を
巻き、該巻線の両端の端末を、裏面における前記溝の両
側に設けた端子電極に固着することを特徴とする。
【0025】このような製造方法により、量産性の向
上、寸法精度の向上によるインダクタンス値のばらつき
の低減、プリント基板への固着強度の向上が達成でき
る。
【0026】請求項9の巻線型電子部品の製造方法は、
磁性体または非磁性体からなる四角形のシートの周辺部
近傍の隣接する2辺を直交する線に沿って切断してその
切断された辺を基準辺とし、該基準辺を基準として前記
シートを位置決めし、該シートの表裏面に、縦横いずれ
かの方向に複数の溝を等間隔に切削し、前記シートを、
前記溝の両側の非切削部に沿う切断線と、該切断線に直
角をなす切断線に沿って等間隔に切断することにより、
コアを形成し、前記溝の部分に巻線を巻き、該巻線の両
端の端末を、裏面における前記溝の両側に設けた端子電
極に固着することを特徴とする。
【0027】このように、材料となるシートの端部の隣
接する2辺を切断し、その2辺を基準辺にして位置決め
すれば、マークの印刷は不要となり、工程が簡略化さ
れ、コスト低減に寄与する。
【0028】請求項10の巻線型電子部品の製造方法
は、請求項8または9において、前記シートの段階でシ
ートの裏面に端子電極用導体を固着することを特徴とす
る。
【0029】請求項8または9の製造方法を実施する場
合、予め端子電極用導体をシートに固着しておくことに
より、端子電極導体を後付けする場合に比較し、多数個
分についての溝(凹部)の形成が同時にでき、量産性、
寸法精度、プリント基板への固着強度が向上する。
【0030】請求項11の巻線型電子部品の製造方法
は、請求項8または9において、グリーンシートの積層
圧着体の裏面に、導電体粉末を含んだ端子電極構成用の
導体グリーンシートを固着して前記シートとし、該シー
トの表裏面に前記溝を形成し、縦横に切断後に焼成する
ことにより、コアを得ることを特徴とする。
【0031】このように、シートとしてグリーンシート
を使用すれば、グリーンシートに混合する粉末の材質の
選択により、種々の透磁率、誘電率、Q値の巻線型電子
部品を得ることができる。また、グリーンシートを積層
し圧着した焼成前の状態において、ダイサー等により、
容易に溝を切削することができる。
【0032】請求項12の巻線型電子部品の製造方法
は、請求項8または9において、前記シートの段階でシ
ートの裏面に端子電極用導電体を固着すると共に、前記
シートの裏面に、前記導電体に、巻線端末を導電固着す
る窪みとなる1本以上の溝を形成することを特徴とす
る。
【0033】前記した従来技術のように、コア素体に窪
みを設けてから銀ペーストを塗布する方法では、銀ペー
ストが窪み部分を覆ってしまい、十分な窪みが形成でき
なかったり、窪み寸法が大きくばらついてしまう。一
方、本発明のように、端子電極に窪みを設けてその窪み
に巻線端末を固着することにより、巻線の終端位置が固
定され、インダクタンスのばらつきが軽減されると共
に、鍔の装着面に突起が現れず、平坦となり、プリント
基板への実装が良好に行われる。
【0034】請求項13の巻線型電子部品の製造方法
は、請求項8から12までのいずれかにおいて、前記シ
ートの表裏面のいずれかの面に先に切削する溝の幅よ
り、他の面に後で切削する溝の幅を広くすることを特徴
とする。
【0035】このように、ダイサーにより溝を切削する
場合、後で溝を切削する面の溝切削は、先に切削する面
の溝の幅より広くして切削することにより、ダイサーの
シートに対する押し付け圧力によってシートが撓むこと
が防止され、溝の切削寸法精度が向上する。
【0036】請求項14の巻線型電子部品の製造方法
は、請求項8から13までのいずれかにおいて、前記シ
ートにおける製品コアの両側面に相当する位置に、巻線
の太さより深い溝を形成する貫通スリットを設けること
を特徴とする。
【0037】このような貫通スリットを設け、その貫通
スリットの部分が溝として残るように切断することによ
り、コアの側面に凹部を有して側面より巻線が突出しな
い幅精度の面で優れた巻線型電子部品を提供できる。
【0038】請求項15の巻線型電子部品の製造方法
は、請求項8から14までのいずれかにおいて、前記シ
ートの表面の溝の幅を、巻線のターン数に見合う幅とな
るように調整することを特徴とする。
【0039】このように、少なくともシートの表面側の
溝を、巻線のターン数に見合う幅となるように調整する
ことにより、巻線を整然とコアに巻くことができ、イン
ダクタンス値のばらつきを低減することができる。
【0040】
【発明の実施の形態】図1(A)は本発明による巻線型
電子部品の一実施の形態を示す側面図、図1(B)はそ
のプリント基板への実装状態を示す斜視図である。この
巻線型電子部品は、コア1を、磁性体または非磁性体か
らなるシートの縦横の切断によってほぼ矩形に切り出す
ことにより作製したものである。該コアの裏面、すなわ
ち図1(B)に示すプリント基板7への取付け面の両端
部に、プリント基板7上のパッドにはんだ8により固着
するための端子電極2を有する。
【0041】また、前記裏面における端子電極2、2の
間と表面に、巻線3の太さより深く、切削により形成さ
れた凹部4、5を有する。そして、巻線3の周回部の一
部を前記各凹部4、5に収容し、巻線の両端の端末3a
を前記端子電極2にそれぞれ導電固着している。6は巻
線3をコア1に施した後にコア1の表面に樹脂によって
固着する表面平滑化用プレートであり、マウンタに吸着
させてプリント基板への搭載を行うものである。
【0042】図2ないし図5により本実施の形態の巻線
型電子部品の製造方法の一例を説明する。この方法は、
グリーンシートを用いるものである。図2(A)はグリ
ーンシートの積層前の状態を、製品状態では裏面となる
側を上にして示している。9は絶縁体グリーンシートで
あり、該グリーンシート9は磁性体粉末または非磁性体
粉末をバインダおよび溶剤と共に混合し成形することに
より、シート状に成形したものである。該グリーンシー
トは9は、コアの厚みを得るために必要枚数準備され
る。
【0043】絶縁体グリーンシート9として非磁性体を
用いる場合、高周波用として、分布容量を低減するた
め、比誘電率が30以下のアルミナ、コーディライト、
ウムライト、低誘電率ガラス等を用いることが好ましい
が、本実施例においては、ストロンチウム、カルシウ
ム、アルミナ、酸化珪素からなるガラス70%、アルミ
ナ30%(いずれも重量%)の組成のセラミック組成物
からなるセラミックグリーンシートを用いた。
【0044】10は端子電極2形成用の導体グリーンシ
ートであり、該グリーンシート10は、例えば銀あるい
は銀合金粉末と、ガラス粉末と、バインダと、溶剤とを
混合してシート状に成形したものである。実施例におい
ては、焼成後の組成において、銀が47体積%となるよ
うに材料を配合した。該グリーンシート10には切断の
際に基準となる切断マーク11をグリーンシート10の
周囲に等間隔に付す。12は積層圧着後に剥離するフィ
ルムであり、導体グリーンシート10および絶縁体グリ
ーンシート9の積層圧着シートの導体グリーンシート1
0の反対側の面に切断マーク13を印すためのものであ
る。
【0045】図2(A)に示すグリーンシート9、10
およびフィルム12は図2(B)に示すように重ねて圧
着される。圧着後はフィルム12は剥離する。
【0046】このようにして得られた図2(B)に示す
積層圧着シート14は、乾燥後、図3(A)の底面図、
図3(B)に示す側面図に示すように、前記切断マーク
11を基準にして導体グリーンシート10側の面をダイ
サーにより等間隔に切削して前記凹部4となる溝4Aを
形成する。溝4Aを切削せずに残った導体部分2Aが端
子電極2となる部分である。
【0047】次に図4(A)の平面図、図4(B)に示
すように、積層圧着シート14の表面にも前記切断マー
ク11を基準にして前記凹部5となる溝5Aを切削によ
り形成する。
【0048】次に図5(A)の平面図、図5(B)の側
面図、図5(C)の部分底面図に示すように、前記切断
マーク13を基準にして、溝5A(4A)に平行な図面
上縦の切断線15に沿って溝を形成していない部分を等
間隔に切断し、さらに切断マーク11を基準として切断
線15に直角をなす切断線16に沿って等間隔に切断す
ることにより、それぞれ個々の電子部品用のコア1を得
る。
【0049】なお、この切断作業は、前記積層圧着シー
ト14を熱剥離可能な剥離シート(図示せず)に固定し
て行い、その後、剥離シートからグリーン状態のコアを
剥離し、水バレルを行い、乾燥後に約900℃にて焼成
してコアを完成した。
【0050】次にコア1に巻線し、巻線3の両端を端子
電極2に熱圧着し、電解めっきを行った後、コア1の表
面に自動装着用プレート6を樹脂により固着した。端子
電極2および巻線端末3aへの固着状態における電気め
っきは、銅とニッケルと錫をこの順序で行った。この
他、ニッケルと錫、ニッケルと金、ニッケルとパラジウ
ムと金、ニッケルとパラジウムと銀、ニッケルと銀等を
記載順序でめっきする多層構造のものを採用することが
できる。このように、端子電極2および巻線端末3aに
電気めっきを行えば、プリント基板7に対する端子電極
2の面が平滑となり、プリント基板への固着強度をより
高めることができる。
【0051】本実施の形態の巻線型電子部品は、コアを
シート14からの切り出しにより得ているので、小型の
巻線型電子部品のコアの場合、シート14の縦横の切断
により、同時に数千個ものコアを得ることができ、量産
性が向上する。例えば1.6mm×0.8mm×0.8
mmサイズのインダクタの場合、1枚のシート14から
6000個〜10000個程度のコアを得ることができ
る。
【0052】また、本実施の形態の巻線型電子部品のコ
ア1は、コア1をシート14の切り出しによって形成
し、巻線3を巻く巻心部となる凹部4、5を切削により
巻線3の太さより深く形成しているので、巻線3がコア
1の表裏面から露出しない構造となり、巻線型電子部品
の厚み寸法をコアの厚みで設定することができ、高い寸
法精度を保持できる。
【0053】また、本実施の形態のように、グリーンシ
ートを積層圧着して切削、切断前のシートとして用いる
場合、コアとして切断した後に焼成する必要があるが、
コア材料の焼成縮率を考慮して切断間隔(切断マーク1
1間および切断マーク13間の間隔)を調整することに
より、焼成後の寸法精度が高いコアが得られる。また、
グリーンシートに予め所定の厚みの導体グリーンシート
10を圧着し、切り出しにより下地電極を形成している
ので、端子電極2の寸法精度も高まり、プリント基板7
に実装した場合にも固着強度の十分な巻線型電子部品が
得られる。
【0054】本実施の形態のように、グリーンシートを
積層圧着したものを用いれば、グリーンシートに混合す
る粉末の材質の選択により、種々の透磁率、誘電率、Q
値の巻線型電子部品を得ることができる。また、グリー
ンシートを積層し圧着した焼成前の状態において、ダイ
サー等により、容易に溝を切削することができる。
【0055】また、本実施の形態においては、最初に切
削する溝4A(凹部4)の幅aより後で切削する溝5A
(凹部5)の幅bを大きくしている(図1(A)参照)
が、これは下記のことを目的としている。図6は溝4
A、5Aの切削にダイサー17を使用し、グリーンシー
ト材料のロット間の焼成縮率の相違に呼応して溝4A、
5Aの幅を変えるため、一旦溝4A、5Aの全長につい
て切削を行った後、ダイサー17の位置を若干移動させ
て再度切削を行うことにより、所定の溝幅が得られるよ
うに切削する。このように1つの溝について2度の切削
を行うことにより、1つのダイサー17を使用して任意
の幅の切削を行うことができ、多種の幅のダイサーを使
用する場合に比較して経済化が達成される。
【0056】図6のようなダイサー17による切削を行
うため、図6の上段の左側、右側にそれぞれ示すよう
に、後で切削する溝5Aの切削を部分的に行う場合、溝
5Aの幅が溝4Aの幅以下であると、先に切削した溝4
Aの部分が薄くなっており、支えがなくなるので、その
部分でシートに撓みを生じ、溝5Aの切削が良好に行わ
れなくなるおそれがある。しかし、本実施の形態のよう
に、後で切削する溝5Aの幅を先に切削する溝4Aの幅
より大きく設定すれば、溝5Aの切削の際に、ダイサー
17に対向する部分が溝4A以外の部分を含むため、そ
の溝4A以外の対向部分が支えとなり、シート14の切
削部分における撓みを防止し、良好な状態で切削を行う
ことができる。
【0057】図7(A)は本発明による巻線型電子部品
の他の実施の形態を示す側面図、図7(B)はそのコア
を示す端面図であり、本実施の形態においては、端子電
極2に窪み19を設け、該窪み19に巻線端末3aを導
電固着したものである。
【0058】このように、端子電極2に窪み19を設け
て巻線端末3aをその窪みに導電固着する構造とするこ
とにより、巻線3の終端位置が固定され、インダクタン
スのばらつきが軽減されると共に、鍔の装着面に突起が
現れず、平坦となり、プリント基板への実装が良好に行
われる。
【0059】図8〜図10は図7(A)、(B)に示し
た端子電極構造を有するコアの製造工程を示すものであ
る。このコアを製造する場合、まず、図8(A)の底面
図、図8(B)の端面図に示すように、前記積層圧着シ
ート16の導体グリーンシート10の面に、前記窪みと
なる細い溝19Aを切削加工する。
【0060】次に図9(A)の底面図、図9(B)の端
面図、図9(C)の側面図に示すように、前記溝4Aを
溝19Aに直交する方向に等間隔に切削する。次に図1
0(A)の平面図、図10(B)の端面図、図10
(C)の側面図、図10の部分底面図に示すように、前
記溝4A、5Aに平行な切断線15とこれに直交する切
断線16に沿って等間隔に切削することにより、コア1
を得る。
【0061】図7(C)は図7(B)の変形例であり、
前記窪み19を複数個(図示例は3個)の設け、これら
のいずれかを選択して巻線端末3aを導電固着すること
により、インダクタンス値の調整が可能となるようにし
たものである。
【0062】このように、窪み19を複数個設けてその
うちのいずれかに巻線端末3aを選択的に固定するよう
にすれば、インダクタンスの微調整が可能となり、より
安定したインダクタンス値を得ることができる。
【0063】図11は本発明の巻線型電子部品の他の実
施の形態を示すもので、(A)、(B)、(C)はそれ
ぞれコアの平面図、側面図、端面図である。本実施の形
態は、コア1の側面にも巻線3の太さより深い凹部20
を設けたものである。
【0064】この構成によれば、図11(D)の側面図
に示すように、コア1の表裏面から巻線3が突出しない
のみならず、図11(E)の平面図に示すように、コア
1の両側面から巻線3が突出しないので、側面の幅方向
の寸法精度も向上する。
【0065】図12、図13は図11の巻線型電子部品
を製造する工程を示す図である。まず、図12(A)、
(B)の平面図、側面図に示すように、前記溝4A、5
Aを切削した積層圧着シート14における溝4A、5A
を設けた部分に、前記切断マーク13または11を使用
して、20Aに示す部分に、メカパンチングかまたはレ
ーザーにより貫通スリットを開ける。
【0066】次に図13(A)、(B)、(C)の平面
図、側面図、部分底面図に示すように、前記溝4A、5
Aに平行な切断線15とこれに直交する切断線16に沿
って等間隔に切削することにより、コア1を得る。
【0067】図14(A)、(B)の底面図、側面図は
本発明による製造方法の他の実施の形態を示すもので、
前述のように積層圧着シート14Aとして、前記導体グ
リーンシート10を有しないものを用い、前記溝4Aを
切削した後、銀または銀合金粉末を含む導体ペーストの
印刷によって導体層21を溝4Aを加工していない部分
(突出部分)に設け、その後は前記実施の形態と同様に
溝5Aの加工、さらに必要に応じて図12(A)に示し
た貫通スリット20Aの加工を行い、前記切断線15、
16に沿って切断してコアを得る。なお、導体ペースト
の印刷は、溝4Aを加工する前に、底面側の1枚のグリ
ーンシートに予め印刷しておくかあるいは導体グリーン
シートを持たない積層圧着シートに印刷しておいてもよ
い。また、コア1に切断後に導体ペーストを塗布し、焼
付けてもよい。
【0068】図15(A)は本発明の製造方法の他の実
施の形態を示す平面図、図15(B)はその側面図であ
る。この実施の形態においては、シート22として、樹
脂シートまたは磁性体粉末または非磁性体粉末を混入し
た樹脂シートまたはセラミックシートを用い、これに前
記溝4A、5Aを切削し、その後、前記切断線15、1
6に沿って切断することにより、端子電極2を有しない
コア1を作製し、その後、めっきや焼付けにより端子電
極2を設けるようにしたものである。
【0069】図14、図15のいずれの実施の形態にお
いても、高い寸法精度の巻線型電子部品を得ることがで
きる。なお、図15の実施の形態において、予め導体シ
ートが樹脂板等に固着されている銅貼りシートを用いれ
ば、端子電極2のための導体のめっき等の作業は不要と
なる。
【0070】図16は本発明による巻線型電子部品とそ
の製造方法の他の実施の形態を示すもので、図16
(C)に示すように、表面の凹部5に対し、巻線3の巻
数が少ない場合、巻線3が撓んだりしてインダクタンス
のばらつきが大きくなり、歩留まりが低下する。そこ
で、図16(A)、(B)に示すように、表面の凹部5
の幅b1、b2を、巻数に見合う幅に設定することによ
り、巻線3のコア表面における周回部分を整列させ、こ
れにより巻線の撓みを防止し、インダクタンスを揃えて
歩留まりを向上させるようにしたものである。
【0071】図16(D)はさらに、端子電極2の裏面
側の凹部4の幅a1も巻線3の巻数に見合う幅に設定す
ることにより、さらに巻線の撓みを防止し、さらなる歩
留まりの向上を図ったものである。
【0072】図17は本発明の巻線型電子部品の製造方
法の他の実施の形態を示す工程図である。この製造方法
においては、図17(A)に示すように、四角形のシー
ト14の周辺部近傍の隣接する2辺を直交する線23、
24に沿って切断してその切断された辺を基準辺14
x、14yとする。次に図17(B)、(C)に示すよ
うに裏面、表面に溝4A、5Aを切削加工する際に、該
基準辺14x、14yを縦横の基準位置X、Yに合わせ
て前記シート14を位置決めし、一定の間隔ごとに溝4
A、5Aを切削加工する。図17(D)に示すように溝
4A、5Aを加工した後に該シート14を線15、16
に沿って切断する際にも、同様に基準辺14x、14y
を基準位置X、Yに合わせて切断する。
【0073】このように、材料となるシートの端部の隣
接する2辺を切断し、その2辺を基準辺にして位置決め
すれば、マークの印刷は不要となり、工程が簡略化さ
れ、コスト低減に寄与する。
【0074】
【発明の効果】請求項1によれば、コアをシートからの
切り出しにより得ているので、小型の巻線型電子部品の
コアの場合、シートの縦横の切断により、同時に数千個
ものコアを得ることができ、量産性が向上する。また、
巻線を巻く巻心部となる凹部を切削により巻線より深く
形成しているので、巻線がコアから露出しない構造とな
り、巻線型電子部品の厚み寸法をコアの厚みで設定する
ことができ、高い寸法精度を保持できる。
【0075】また、この積層圧着シートを用いてコアを
作製する場合、コア材料の焼成縮率を考慮して切断間隔
を調整することにより、焼成後の寸法精度が高いコアが
得られる。また、切り出しにより端子電極またはその下
地電極を形成することができるから、端子電極の寸法精
度も高まり、プリント基板に実装した場合にも固着強度
の十分な巻線型電子部品が得られる。
【0076】請求項2によれば、コアの側面にも巻線の
太さより深い凹部を有するので、巻線型電子部品の側面
間の幅も寸法精度良く維持することができる。
【0077】請求項3によれば、端子電極に窪みを設け
て巻線端末をその窪みに導電固着する構造としたので、
巻線の終端位置が固定され、インダクタンスのばらつき
が軽減されると共に、鍔の装着面に突起が現れず、平坦
となり、プリント基板への実装が良好に行われる。
【0078】請求項4によれば、端子電極に複数個の窪
みを設けてそのうちのいずれかに巻線端末を選択的に固
定するようにしたので、インダクタンスの微調整が可能
となり、より安定したインダクタンスを得ることができ
る。
【0079】請求項5によれば、巻線端末および巻線端
末に電気めっきを行ったので、プリント基板に対する端
子電極の面が平滑となり、プリント基板への固着強度を
より高めることができる。
【0080】請求項6によれば、シートとしてグリーン
シートを使用したので、グリーンシートに混合する粉末
の材質の選択により、種々の透磁率、誘電率、Q値の巻
線型電子部品を得ることができる。また、グリーンシー
トを積層し圧着した焼成前の状態において、ダイサー等
により、容易に溝を切削することができる。
【0081】請求項7によれば、前記シートとして、銅
張り樹脂シートまたはセラミックシートを用いたので、
既存のシートを材料に用いることができる。
【0082】請求項8によれば、量産性の向上、寸法精
度の向上によるインダクタンスのばらつきの低減、プリ
ント基板への固着強度の向上が達成できる。
【0083】請求項9によれば、材料となるシートの端
部の隣接する2辺を切断し、その2辺を基準辺にして位
置決めするため、マークの印刷は不要となり、工程が簡
略化され、コスト低減に寄与する。
【0084】請求項10によれば、端子電極用導体を予
めシートに固着しておいて溝の切削やコアへの切断を行
うようにしたので、端子電極導体を後付けする場合に比
較し、多数個分についての溝(凹部)の形成が同時にで
き、量産性、寸法精度、プリント基板への固着強度がよ
り向上する。
【0085】請求項11によれば、シートとしてグリー
ンシートを使用したので、グリーンシートに混合する粉
末の材質の選択により、種々の透磁率、誘電率、Q値の
巻線型電子部品を得ることができる。また、グリーンシ
ートを積層し圧着した焼成前の状態において、ダイサー
等により、容易に溝を切削することができる。
【0086】請求項12によれば、端子電極に窪みを設
けてその窪みに巻線端末を導電固着するので、巻線の終
端位置が固定され、インダクタンスのばらつきが軽減さ
れると共に、鍔の装着面に突起が現れず、平坦となり、
プリント基板への実装が良好に行われる。
【0087】請求項13によれば、後で溝を切削する際
には溝の幅を広くしたので、ダイサーにより溝を切削す
る場合、ダイサーのシートに対する押し付け圧力によっ
てシートが撓むことが防止され、溝の切削寸法精度が向
上する。
【0088】請求項14によれば、材料となるシートに
貫通スリットを設け、その貫通スリットの部分が溝とし
て残るように切断するため、コアの側面に凹部を有して
側面より巻線が突出しない幅精度の面で優れた巻線型電
子部品が構成できる。
【0089】請求項15によれば、少なくともシートの
表面側の溝を、巻線のターン数に見合う幅となるように
調整するため、巻線を整然とコアに巻くことができ、イ
ンダクタンス値のばらつきを低減することができ、歩留
まりを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明による巻線型電子部品の一実施
の形態を示す側面図、(B)はそのプリント基板への実
装状態を示す斜視図である。
【図2】(A)は本実施の形態の巻線型電子部品をシー
ト工法により製造する場合のグリーンシートの積層前の
状態を、製品状態では裏面となる側を上にして示す斜視
図、(B)はその積層圧着後の状態を示す斜視図であ
る。
【図3】(A)は本実施の形態の製造工程における積層
圧着シートの溝切削後の状態を示す底面図、(B)はそ
の側面図である。
【図4】(A)は図3の積層圧着シートの表面への溝切
削後の状態を示す平面図、(B)はその側面図である。
【図5】(A)は図4の積層圧着シートの切断線を示す
平面図、(B)は切断後の状態を示す側面図、(C)は
その部分底面図である。
【図6】本実施の形態の巻線型電子部品のコアの溝の切
削工程を説明する図である。
【図7】(A)は本発明の巻線型電子部品の他の実施の
形態を示す側面図、(B)はそのコアの端面図、(C)
は(B)の変形例を示す端面図である。
【図8】(A)は図7(A)、(B)の巻線型電子部品
において、端子電極に窪みを設けるための溝を切削した
状態を示す底面図、(B)はその端面図である。
【図9】(A)は図8の積層圧着シートに凹部形成用溝
を切削した状態を示す平面図、(B)はその端面図、
(C)はその側面図である。
【図10】(A)は図9の積層圧着シートの切断線を示
す平面図、(B)、(C)、(D)はそれぞれその切断
後の状態を示す端面図、側面図、部分底面図である。
【図11】本発明の巻線型電子部品の他の実施の形態を
示すもので、(A)、(B)、(C)はそれぞれそのコ
アの平面図、側面図、端面図、(D)、(E)はその巻
線を施した後の状態を示す側面図、平面図である。
【図12】図11の巻線型電子部品を得るための積層圧
着シートの貫通スリットの位置を示す平面図、(B)は
その側面図である。
【図13】(A)は図12の積層圧着シートの切断線を
示す平面図、(B)、(C)、はそれぞれその切断後の
状態を示す側面図、部分底面図である。
【図14】本発明による製造方法の他の実施の形態を示
す積層圧着シートの平面図、(B)はその側面図であ
る。
【図15】本発明による製造方法の他の実施の形態を示
すシートの切断線を示す平面図、(B)はその側面図、
(C)はその部分底面図である。
【図16】(A)、(B)は本発明の他の実施の形態を
示す巻線型電子部品の側面図、(C)は巻線型電子部品
において、巻線の巻数が少ない場合の問題点を説明する
側面図、(D)は(A)、(B)の変形例を示す側面図
である。
【図17】(A)〜(D)は本発明の巻線型電子部品の
製造方法の他の実施の形態を示す工程図である。
【図18】(A)は従来の巻線型電子部品のコアを示す
側面図、(B)はその端子電極付着後の状態を示す側面
図、(C)はその製品を示す側面図である。
【符号の説明】
1:コア、2:端子電極、2A:導体部分、3:巻線、
3a:巻線端末、4、5:凹部、4A、5A:溝、6:
自動装着用シート、7:プリント基板、8:はんだ、
9:絶縁体グリーンシート、10:導体グリーンシー
ト、11、13:切断マーク、12:フィルム、14:
積層圧着シート、14A:シート、14x、14y:基
準位置、15、16:切断線、17:ダイサー、19:
窪み、19A:溝、20:凹部、20A:貫通スリッ
ト、22:シート、23.24:切断線

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁性体または非磁性体からなるシートの縦
    横の切断によりほぼ矩形に切り出されたコアを備え、 前記コアの裏面の両端部に端子電極を有し、 前記裏面における端子電極の間と表面に、巻線の太さよ
    り深く、切削により形成された凹部を有し、 巻線の周回部の一部を前記各凹部に収容し、巻線の両端
    の端末を前記端子電極にそれぞれ固着してなることを特
    徴とする巻線型電子部品。
  2. 【請求項2】請求項1に記載された巻線型電子部品にお
    いて、 前記コアの両側面にも切削により形成されて巻線の周回
    部の一部が収容される凹部を有することを特徴とする巻
    線型電子部品。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載された巻線型電子
    部品において、 前記各端子電極に窪みを設け、該窪みに前記巻線端末を
    導電固着したことを特徴とする巻線型電子部品。
  4. 【請求項4】請求項3に記載された巻線型電子部品にお
    いて、 前記各端子電極にそれぞれ複数個の窪みを設け、いずれ
    かの窪みを選択して前記巻線端末を導電固着したことを
    特徴とする巻線型電子部品。
  5. 【請求項5】請求項1から4のいずれかに記載された巻
    線型電子部品において、 前記各端子電極および該端子電極に固着された巻線端末
    に電気めっきを施したことを特徴とする巻線型電子部
    品。
  6. 【請求項6】請求項1から5のいずれかに記載された巻
    線型電子部品において、 前記シートが、グリーンシートの積層圧着体の裏面に、
    導電体粉末を含んだ端子電極構成用の導体グリーンシー
    トを固着してなり、かつ前記コアは、前記シートの表裏
    面に前記溝を形成し、縦横に切断後に焼成して構成され
    ることを特徴とする巻線型電子部品。
  7. 【請求項7】請求項1から5のいずれかに記載された巻
    線型電子部品において、 前記シートが、銅張り樹脂シートまたはセラミックシー
    トからなることを特徴とする巻線型電子部品。
  8. 【請求項8】磁性体または非磁性体からなるシートの両
    面におけるそれぞれ表裏一致する位置に縦横の切断用マ
    ークを付し、 前記切断用マークを基準にして、前記シートの表裏面
    に、縦横いずれかの方向に複数の溝を等間隔に切削し、 前記シートを、前記溝の両側の非切削部に沿う切断線
    と、該切断線に直角をなす切断線に沿って等間隔に切断
    することにより、コアを形成し、 前記溝の部分に巻線を巻き、該巻線の両端の端末を、裏
    面における前記溝の両側に設けた端子電極に固着するこ
    とを特徴とする巻線型電子部品の製造方法。
  9. 【請求項9】磁性体または非磁性体からなる四角形のシ
    ートの周辺部近傍の隣接する2辺を直交する線に沿って
    切断してその切断された辺を基準辺とし、 該基準辺を基準として前記シートを位置決めし、該シー
    トの表裏面に、縦横いずれかの方向に複数の溝を等間隔
    に切削し、 前記シートを、前記溝の両側の非切削部に沿う切断線
    と、該切断線に直角をなす切断線に沿って等間隔に切断
    することにより、コアを形成し、 前記溝の部分に巻線を巻き、該巻線の両端の端末を、裏
    面における前記溝の両側に設けた端子電極に固着するこ
    とを特徴とする巻線型電子部品の製造方法。
  10. 【請求項10】請求項8または9の巻線型電子部品の製
    造方法において、 前記シートの段階でシートの裏面に端子電極用導体を固
    着することを特徴とする巻線型電子部品の製造方法。
  11. 【請求項11】請求項8または9の巻線型電子部品の製
    造方法において、 グリーンシートの積層圧着体の裏面に、導電体粉末を含
    んだ端子電極構成用の導体グリーンシートを固着して前
    記シートとし、該シートの表裏面に前記溝を形成し、縦
    横に切断後に焼成することにより、コアを得ることを特
    徴とする巻線型電子部品の製造方法。
  12. 【請求項12】請求項8または9の巻線型電子部品の製
    造方法において、 前記シートの段階でシートの裏面に端子電極用導電体を
    固着すると共に、 前記シートの裏面に、前記導電体に、巻線端末を導電固
    着する窪みとなる1本以上の溝を形成することを特徴と
    する巻線型電子部品の製造方法。
  13. 【請求項13】請求項8から12までのいずれかに記載
    の巻線型電子部品の製造方法において、 前記シートの表裏面のいずれかの面に先に切削する溝の
    幅より、他の面に後で切削する溝の幅を広くすることを
    特徴とする巻線型電子部品の製造方法。
  14. 【請求項14】請求項8から13までのいずれかに記載
    の巻線型電子部品の製造方法において、 前記シートにおける製品コアの両側面に相当する位置
    に、巻線の太さより深い溝を形成する貫通スリットを設
    けることを特徴とする巻線型電子部品の製造方法。
  15. 【請求項15】請求項8から14までのいずれかに記載
    の巻線型電子部品の製造方法において、 前記シートの表面の溝の幅を、巻線のターン数に見合う
    幅となるように調整することを特徴とする巻線型電子部
    品の製造方法。
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