JP2003240931A - 回折光学素子及びその製造方法 - Google Patents

回折光学素子及びその製造方法

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JP2003240931A JP2002302913A JP2002302913A JP2003240931A JP 2003240931 A JP2003240931 A JP 2003240931A JP 2002302913 A JP2002302913 A JP 2002302913A JP 2002302913 A JP2002302913 A JP 2002302913A JP 2003240931 A JP2003240931 A JP 2003240931A
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diffractive optical
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回折光学素子のフレアを低減する。 【解決手段】 ブレーズド回折格子の縦面にのみアッシ
ングによる艶消し処理を施す、又は不透明膜を形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はブレーズド回折格子
を有する回折光学素子及びその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、光学系の色収差を補正する方法と
しては、分散の異なる硝材からなる光学素子を組み合わ
せる方法が知られていた。一方、回折光学素子を用いて
色収差を補正する技術が知られている(例えば、非特許
文献1及び非特許文献2参照。)。通常、このような回
折光学素子には、凹凸構造の断面形状が左右非対称であ
り、傾斜面と縦面とが交互に配されたブレーズド回折格
子が用いられる。
【0003】ところで、回折光学素子の性能は、素子を
構成する材料の光学特性と、格子の形状によって決定さ
れる。カメラなど光学機器への使用を考えると、回折光
学素子の性能を十分に活用するためには、回折格子の凹
凸の高さをある程度高くする必要がある。
【0004】
【非特許文献1】M.W.ファーン(M.W.Farn),J.W.グッ
ドマン(J.W.Goodman),「ディフラクティブ・ダブレ
ット・コレクティッド・オン−アクシス・アット・ツー
・ウェブレングス(Diffractive doublet corrected on
-axis at two wavelengths)」,エス・ピー・アイ・イ
ー・インターナショナル・レンズ・デザイン・コンファ
レンス(SPIE International Lens Design Conferenc
e),1990年,vol.1345,p.24-29
【非特許文献2】C.ロンドノ(C.Londono),P.P.クラ
ーク(P.P.Clark),「デザイン・オブ・アクロマタイ
ズド・ハイブリッド・ディフラクティブ・レンズ・シス
テムズ(Design of achromatized hybrid diffractive
lens systems)」,エス・ピー・アイ・イー・インター
ナショナル・レンズ・デザイン・コンファレンス(SPIE
International Lens Design Conference),1990年,v
ol.1345,p.30-37
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ブレー
ズド回折格子において、上記のように凹凸の高さを高く
すると、光学機器に入射してくる光に対して不必要な入
射面、つまり縦面を大きくすることになる。回折格子の
縦面に入射した光は、結像面においてフレア光として現
れ、著しく画質を悪化してしまう。このようなフレア光
を低減するために、光学材料の改善によって回折格子の
凹凸の高さを低くする方法も考えられるが、現状ではこ
のような改善も思うに任せない。また、回折素子を球面
上に形成することにより、有効光に対して極力影響がな
いような工夫もなされているが、一般撮影において避け
きれない斜入射光への対策には十分ではなかった。
【0006】本発明の目的は、上記従来技術の問題点を
解決し、高性能で、且つ、フレア光が発生することが少
ない回折光学素子を提供することにある。
【0007】本発明の他の目的は、高性能で、且つ、フ
レア光が発生することが少ない回折光学素子を安価に製
造する方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的を達成
する第1実施形態の回折光学素子は、傾斜面と縦面とが
交互に配されたブレーズド回折格子から成り、前記傾斜
面と縦面の内、縦面にのみアッシングによる艶消し処理
が施されているものである。
【0009】本発明の上記目的を達成する第2実施形態
の回折光学素子は、傾斜面と縦面とが交互に配されたブ
レーズド回折格子から成り、前記傾斜面と縦面の内、縦
面にのみ不透明膜が形成されているものである。
【0010】上記第1及び第2の実施形態の回折光学素
子は、例えば、基板と、該基板上に形成され、表面に前
記傾斜面及び縦面から成る凹凸が形成された樹脂層とか
ら成る。ここで、ブレーズド回折格子の傾斜面と縦面の
内、傾斜面上にのみ反射防止膜が形成されていることが
望ましい。また、上記第1又は第2の実施形態の回折光
学素子を2つ、回折格子を内側にして互いに貼り合わせ
ることによって、積層型回折光学素子を構成することが
できる。
【0011】上記第1実施形態の回折光学素子の製造方
法は、基板上に、表面に傾斜面と縦面とが交互に配され
たブレーズド回折格子を有する樹脂層を形成する工程、
前記ブレーズド回折格子の傾斜面と縦面の内、傾斜面上
にのみ反射防止膜を形成する工程、及び前記ブレーズド
回折格子をアッシングすることにより、傾斜面と縦面の
内、縦面にのみ艶消し処理を施す工程とから成る。
【0012】上記第2実施形態の回折光学素子の製造方
法は、基板上に、表面に傾斜面と縦面とが交互に配され
たブレーズド回折格子を有する樹脂層を形成する工程、
前記ブレーズド回折格子の傾斜面と縦面にディッピング
によって不透明膜を塗布する工程、及び前記ブレーズド
回折格子を異方性エッチングすることにより、傾斜面上
の不透明膜のみを除去する工程から成る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態を説明す
る。
【0014】(第1実施形態)図1は、本発明の第1実
施形態の回折光学素子の一実施例を示す概略断面図であ
る。本例は、積層型回折光学素子の例を示したものであ
る。この回折光学素子は、第1の光学部材13と第2の
光学部材14とを接着することによって形成されてい
る。第1の光学部材13は、第1の基板1と、第1の基
板1上に形成され、表面に第1のブレーズド回折格子が
形成された第1の樹脂層2とから成る。第2の光学部材
14は、第2の基板4と、第2の基板4上に形成され、
表面に第2のブレーズド回折格子が形成された第2の樹
脂層3とから成る。これらの光学部材は第1及び第2の
樹脂層を内側にして、不図示の接着剤によって互いに貼
り合わされている。
【0015】図1の回折光学素子において、第1の基板
1及び第2の基板4はガラス基板から成る。第1の樹脂
層2は、高屈折率で分散の大きい変性ウレタンアクレリ
ートを主成分とする光硬化樹脂から形成されている。ま
た、第2の樹脂層3は、低分散のアクレリート系紫外線
硬化樹脂から成る。これらの樹脂層の材料は、用途に応
じた光学設計によって、最適なコンビネーションとなる
ように任意に選択される。また、重ねる順序も任意に選
択できる。表1に上記それぞれの樹脂層の材料と光学特
性を示す。
【0016】
【表1】
【0017】回折光学素子を、カメラなどの光学機器に
用いる場合、使用波長領域の光束が特定次数に集中する
形状に回折格子を形成する必要がある。本実施例におい
ては、c線波長(565.27nm)とg線波長(43
5.83nm)において、積層回折光学素子が高い回折
効率を得るようにそれぞれの樹脂層の格子形状を決定し
た。ここで、第1の樹脂層2に形成されたブレーズド回
折格子の格子高さは6.74μm、第2の樹脂層3に形
成されたブレーズド回折格子の格子高さは9.50μm
である。これらのブレーズド回折格子は入射光に対して
レンズ作用を生ずるように構成されている。このため、
格子ピッチは回折格子の中心から離れるにしたがって小
さくなっており、最小ピッチは40μm弱である。ま
た、両ブレーズド回折格子において、格子ピッチは同一
である。
【0018】図2及び図3はそれぞれ図1の回折光学素
子を構成する第1及び第2の光学部材の貼り合わせ前の
様子を示す概略断面図である。図2及び図3において、
図1と同一の部材には同一の符号を付し、詳細な説明は
省略する。
【0019】図2において、第1の樹脂層2の表面に
は、ブレーズド回折格子15が形成されている。このブ
レーズド回折格子15の外周部には円環上の凹部16が
形成されている。一方、図3において、第2の樹脂層3
の表面には、ブレーズド回折格子17が形成されてい
る。このブレーズド回折格子17の外周部には円環上の
凸部18が形成されている。第1の光学部材13と第2
の光学部材14とを貼り合わせる際には、凹部16と凸
部18とが嵌合することによって位置合わせが行われ
る。したがって、凹部16と凸部18のそれぞれの光学
部材の中心からの位置は等しく、誤差は1μm以下に形
成されている。
【0020】図2及び図3に示す第1及び第2の光学部
材は、互いに貼り合わせることなく、それぞれ単独で単
層回折光学素子として用いることもできる。
【0021】次に図2の第1の光学部材13を形成する
方法を図4(a)〜(d)の概略断面図を用いて説明す
る。第1の光学部材を作製するには、まず図4(a)に
示す成形型5を用意する。成形型5は鋼材にクロムメッ
キを施すことによって形成されており、表面に第1の樹
脂層2に形成される凹凸パターンを反転した形状の凹凸
パターンが形成されている。この凹凸パターンの形状
は、コンピュータを用いた計算によって設計され、鋼材
の表面をバイトで切削することによって形成される。
【0022】上記の成形型5を図4(a)のように型保
持枠6に固定し、上からディスペンサー7によって紫外
線(UV)硬化樹脂8を滴下する。ここで、樹脂8が成
形型5の凹凸パターンが形成された領域まで広がったの
ち、真空容器内で約10mmHgに減圧し脱泡をおこな
うのが望ましい。これは、格子形状がピッチ40μmで
格子高さが10μm近いものでは、樹脂が型上で広がる
際に微細形状内に空気をためてしまうことが確認さてい
るため、成形品の形状欠陥を防止するためである。
【0023】次に、ガラス基板から成る第1の基板1を
用意する。第1の基板1は、樹脂との密着性を高めるた
めその表面にシランカップリング剤をスピンナーで塗布
した後、オーブンで乾燥させる処理が施されている。こ
の第1の基板1の中心にごく少量の樹脂を滴下し、その
樹脂滴と成形型5上の樹脂8を最初に接触させた後、図
4(b)に示すように、ゆっくりと第1の基板1を降下
させ所望の位置で固定する。
【0024】その後、図4(c)に示すように、不図示
のランプを用いて第1の基板1を通して紫外線光9をU
V硬化樹脂8に照射し、この樹脂を硬化させる。
【0025】UV硬化樹脂8が硬化したら、図4(d)
に示すように、第1の基板1に外力を加え、硬化した樹
脂を成形型5から離型する。離型された樹脂は第1の樹
脂層2となる。
【0026】次に、図4(a)〜(d)に示すプロセス
で形成された第1の光学部材を真空蒸着槽に搬入し、真
空蒸着によって反射防止膜(増透膜)を形成する。反射
防止膜が形成された第1の光学部材の様子を図5(a)
に示す。
【0027】図5(a)は第1の光学部材における第1
の樹脂層の表面の一部を拡大して示す概略断面図であ
る。第1の樹脂層2の表面には、ブレーズド回折格子が
形成されている。ブレーズド回折格子においては、傾斜
面(第1の格子面)2aと縦面(第2の格子面)とが交
互に配されている。傾斜面は不図示の基板表面に対し、
比較的緩やかな角度を有している。これに対し、縦面2
bは基板表面に対して垂直か、もしくは基板表面に対し
第1の傾斜面2aよりも急峻な角度をなす面である。
【0028】基板の表面を蒸着源に向けてセットし、上
記のようなブレーズド回折格子上に、真空蒸着を行う
と、傾斜面2a上には反射防止膜10が形成されるが、
縦面2bには反射防止膜が形成されない。この理由は、
蒸着源からの蒸着粒子の飛来方向に対して縦面2bはほ
とんど角度を持たないからである。また、傾斜面2a上
に形成される反射防止膜10は、格子先端部にも周り込
みによって凸状に形成されるが、蒸着粒子にとって縦面
2bがこの凸状部の影になることも、縦面2bに膜が形
成されない理由である。
【0029】続いて、反射防止膜が形成された第1の光
学部材を対向電極型装置に搬入し、酸素アッシングを行
う。図5(b)はアッシングされた第1の樹脂層の表面
の一部を拡大して示す概略断面図である。図5(b)に
おいて、図5(a)と同一の部材には同一の符号を付
し、詳細な説明は省略する。
【0030】図5(b)において、傾斜面2aには反射
防止膜10が形成されているため、樹脂が露出している
縦面2bのみアッシングされる。そして、アッシングに
よって、縦面2bの表面の粗度が大きくなり、艶消し処
理12が施される。本実施例で用いた対向電極型装置
は、処理速度とアッシング反応の均一性に優れている。
アッシングの条件は、反射防止膜が劣化しないように、
比較的酸素圧は高めで、高周波(RF)出力は低めにす
ると好ましい。例えば、酸素圧20〜50Pa、RF出
力20〜100Wの範囲が好適に用いられる。
【0031】以上説明したようにして、図2に示す第1
の光学部材13が形成される。一方、図3に示す第2の
光学部材14も、図4(a)〜(d)、図5(a)及び
(b)で説明した方法と全く同様にして形成される。
【0032】上記のように形成された第1及び第2の光
学部材の一方を固定治具にセットし、図2及び図3に示
す凹部16又は凸部18より外側に、流動性の小さいチ
キソ系光硬化接着剤を周方向の複数箇所に滴下する。次
に、もう一方の光学部材をブレーズド回折格子が形成さ
れた面が互いに向き合うように、かつ凡そ互いに中心が
合うよう重ね合わせる。そのとき、ブレーズド回折格子
が形成された領域には干渉縞が見られ、それを目安に中
心への粗調整をしても良い。周辺部に施した凹部16と
凸部18が嵌合するようにして組み込んだ後、紫外線を
照射し接着剤を硬化させる。このようにして図1に示す
積層型回折光学素子が製造される。
【0033】(第2実施形態)本発明の第2実施形態の
回折光学素子を以下に説明する。第2実施形態の回折光
学素子は、図1の回折光学素子と同様の外観を有してい
るが、ブレーズド回折格子の縦面をアッシング処理する
代わりに、縦面に不透明膜が形成されている。第2実施
形態の回折光学素子を構成する第1及び第2の光学部材
は、図2及び図3に示す第1実施形態と同一の外観を有
している。
【0034】次に、第2の実施形態における第1の光学
部材の形成方法を図6(a)〜(c)の概略断面図を用
いて説明する。図6(a)〜(c)はそれぞれ、第1の
光学部材における第1の樹脂層の表面の一部を拡大して
示す概略断面図である。図6(a)〜(c)において、
図5(a)と同一の部材には同一の符号を付し、詳細な
説明は省略する。
【0035】まず、図4(a)〜(d)及び図5(a)
で説明した第1実施形態と同様の方法によって、反射防
止膜が形成されたブレーズド回折格子を有する第1の光
学部材を形成する。次に、図6(a)に示すように、ブ
レーズド回折格子の全面に不透明膜11をディッピング
によって塗布する。この不透明膜11は、十分に希釈し
た色素塗料から成り、遮光および艶消しの機能を有して
いる。ディッピングの際に、希釈溶媒の沸点が高すぎる
と引き上げ途中で、回折格子形状の影響で流れ模様が発
生してしまうため、液温、ワーク温度を調整することが
肝要である。このように不透明膜11を塗布した第1の
光学部材を、オーブンで乾燥をさせて十分に不透明膜を
樹脂層に定着させる。
【0036】続いて、不透明膜が塗布された第1の光学
部材を、平行平板型の反応性イオンエッチング装置(R
IE)内に搬入し、図6(b)に示すようにイオン12
を照射してエッチングを行う。すると、図6(b)に示
すように、傾斜面2a及び反射防止膜10上の不透明膜
がエッチングによって除去され、縦面2b上の不透明膜
11のみが残る。これは、反応性イオンエッチングは異
方性が強いため、μmサイズの微小凹凸の縦面ではイオ
ン照射が起こりづらいためである。エッチングの際に
は、反応ガスとしてCF、CHFを10〜100P
aの圧力で装置内に導入し、高周波出力を印加してプラ
ズマを発生させる。エッチング時間は、不透明膜の厚み
とエッチングレートにより計算されるが、本実施例にお
いては1分ほどで除去が完了した。
【0037】以上説明したようにして、第2実施形態の
第1の光学部材が形成される。一方、第2の光学部材
も、図6(a)〜(c)で説明した方法と全く同様にし
て形成される。これらの光学部材を第1実施形態と同一
の方法で貼り合わせ、図1と同様の積層型回折光学素子
が製造される。
【0038】第2実施形態において、ブレーズド回折格
子の凹凸の高さがより高い場合には、イオンの指向性が
さらに強い反応イオンビームエッチング(RIBE)を
使用するのが望ましい。
【0039】上記反応イオンビームエッチングを用いて
凸球面上に凸レンズタイプの回折格子が形成された素
子、又は凹球面上に凹レンズタイプの回折格子が形成さ
れた素子を製造する場合、イオンビームに対する縦面の
角度が場所によって異なる。このため、素子全面に対し
ての面法線方向の異方性エッチングが行われるような工
夫が必要である。このような例を図7に示す。
【0040】図7は、反応イオンビームエッチング(R
IBE)によって回折格子の表面を処理する様子を示す
概略図である。プラズマ源19から発したイオンビーム
20は、開口21を有する遮蔽板22によって、そのイ
オン照射面積が制限される。凸レンズ形状の基板23上
にブレーズド回折格子を有する樹脂層24が形成されて
いる。この基板を、回折光学素子の曲面法線が常にイオ
ン照射方向と一致するように、角度を変えながら自転さ
せることにより、素子全面について所望の異方性を有し
たエッチングをすることが行うことができる。これは、
イオンビームが基板の曲面に対して一定の角度をなすよ
うに制御するものである。
【0041】反射防止膜はその最表層が酸化ケイ素で形
成される場合が多い。この場合、最表層がRIEあるい
はRIBEによってエッチングされてしまうため、エン
ドポイントをあらかじめ設定しておくことが重要であ
る。
【0042】本発明は、以上説明した実施例の他にも種
々の応用が可能である。例えば、実施例では積層型回折
光学素子を示したが、図2及び図3に示す光学部材を単
層回折光学素子として単独で用いる場合にも、本発明を
適用することができる。本発明はクレームを逸脱しない
限りにおいて、このような応用例を全て包含するもので
ある。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明はブレーズ
ド回折格子の縦面にのみアッシングによる艶消し処理を
施す、又は不透明膜を形成することにより、高性能で、
且つ、フレア光が発生することが少ない回折光学素子が
得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の回折光学素子の一実施
例を示す概略断面図である。
【図2】図1に示す回折光学素子を構成する第1の光学
部材の貼り合わせ前の様子を示す概略断面図である。
【図3】図1に示す回折光学素子を構成する第2の光学
部材の貼り合わせ前の様子を示す概略断面図である。
【図4】図2に示す第1の光学部材を形成する方法を説
明するための概略断面図である。
【図5】図2に示す第1の光学部材を形成する方法を説
明するための概略断面図である。
【図6】第2実施形態における第1の光学部材を形成す
る方法を説明するための概略断面図である。
【図7】反応イオンビームエッチングによって回折格子
の表面を処理する様子を示す概略図である。
【符号の説明】
1 第1の基板 2 第1の樹脂層 2a 傾斜面 2b 縦面 3 第2の樹脂層 4 第2の基板 5 成形型 6 型保持枠 7 ディスペンサー 8 紫外線(UV)硬化樹脂 9 紫外線光 10 反射防止膜 11 不透明膜 12 艶消し処理 13 第1の光学部材 14 第2の光学部材 15、17 ブレーズド回折格子 16 凹部 18 凸部

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 傾斜面と縦面とが交互に配されたブレー
    ズド回折格子から成る回折光学素子において、前記傾斜
    面と縦面の内、縦面にのみアッシングによる艶消し処理
    が施されていることを特徴とする回折光学素子。
  2. 【請求項2】 傾斜面と縦面とが交互に配されたブレー
    ズド回折格子から成る回折光学素子において、前記傾斜
    面と縦面の内、縦面にのみ不透明膜が形成されているこ
    とを特徴とする回折光学素子。
  3. 【請求項3】 前記回折光学素子は、基板と、該基板上
    に形成され、表面に前記傾斜面及び縦面から成る凹凸が
    形成された樹脂層とから成る請求項1又は2に記載の回
    折光学素子。
  4. 【請求項4】 前記ブレーズド回折格子の傾斜面と縦面
    の内、傾斜面上にのみ反射防止膜が形成されている請求
    項1乃至3のいずれか一項に記載の回折光学素子。
  5. 【請求項5】 第1の基板と、該第1の基板上に設けら
    れ、表面に傾斜面と縦面とが交互に配された第1のブレ
    ーズド回折格子を有する第1の樹脂層とから成る第1の
    光学部材、第2の基板と、該第2の基板上に設けられ、
    表面に傾斜面と縦面とが交互に配された第2のブレーズ
    ド回折格子を有する第2の樹脂層とから成る第2の光学
    部材とから成り、前記第1及び第2の光学部材が第1及
    び第2の樹脂層を内側にして互いに貼り合わされている
    回折光学素子において、前記第1及び第2のブレーズド
    回折格子の傾斜面と縦面の内、縦面にのみアッシングに
    よる艶消し処理が施されていることを特徴とする回折光
    学素子。
  6. 【請求項6】 第1の基板と、該第1の基板上に設けら
    れ、表面に傾斜面と縦面とが交互に配された第1のブレ
    ーズド回折格子を有する第1の樹脂層とから成る第1の
    光学部材、第2の基板と、該第2の基板上に設けられ、
    表面に傾斜面と縦面とが交互に配された第2のブレーズ
    ド回折格子を有する第2の樹脂層とから成る第2の光学
    部材とから成り、前記第1及び第2の光学部材が第1及
    び第2の樹脂層を内側にして互いに貼り合わされている
    回折光学素子において、前記第1及び第2のブレーズド
    回折格子の傾斜面と縦面の内、縦面にのみ不透明膜が形
    成されていることを特徴とする回折光学素子。
  7. 【請求項7】 前記第1及び第2のブレーズド回折格子
    の傾斜面と縦面の内、傾斜面上にのみ反射防止膜が形成
    されている請求項5又は6に記載の回折光学素子。
  8. 【請求項8】 基板上に、表面に傾斜面と縦面とが交互
    に配されたブレーズド回折格子を有する樹脂層を形成す
    る工程と、前記ブレーズド回折格子の傾斜面と縦面の
    内、傾斜面上にのみ反射防止膜を形成する工程と、前記
    ブレーズド回折格子をアッシングすることにより、傾斜
    面と縦面の内、縦面にのみ艶消し処理を施す工程とから
    成る回折光学素子の製造方法。
  9. 【請求項9】 基板上に、表面に傾斜面と縦面とが交互
    に配されたブレーズド回折格子を有する樹脂層を形成す
    る工程と、前記ブレーズド回折格子の傾斜面と縦面にデ
    ィッピングによって不透明膜を塗布する工程と、前記ブ
    レーズド回折格子を異方性エッチングすることにより、
    傾斜面上の不透明膜のみを除去する工程とから成る回折
    光学素子の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記異方性エッチングは、反応性イオ
    ンビームエッチングである請求項9記載の回折光学素子
    の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記基板は前記樹脂層が形成された曲
    面を有しており、エッチングの際にイオンビームが前記
    曲面に対して一定の角度をなすように制御する請求項1
    0記載の回折光学素子の製造方法。
  12. 【請求項12】 更に、前記ブレーズド回折格子の傾斜
    面と縦面の内、傾斜面上にのみ反射防止膜を形成する工
    程から成る請求項9乃至11のいずれか一項に記載の回
    折光学素子の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記反射防止膜は蒸着によって形成さ
    れる請求項8又は12に記載の回折光学素子の製造方
    法。
  14. 【請求項14】 前記樹脂層を形成する工程は、回折格
    子パターンが形成された成形型上に紫外線硬化型樹脂を
    供給する工程と、該紫外線硬化型樹脂の上に基板を重ね
    る工程と、前記紫外線硬化型樹脂に紫外線を照射して樹
    脂を硬化する工程と、硬化した樹脂と基板とを成形型か
    ら離型する工程とから成る請求項8乃至13のいずれか
    一項に記載の回折光学素子の製造方法。
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