JP2003236941A - 複合プラスチック成形品の製造方法 - Google Patents

複合プラスチック成形品の製造方法

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JP2003236941A
JP2003236941A JP2002041850A JP2002041850A JP2003236941A JP 2003236941 A JP2003236941 A JP 2003236941A JP 2002041850 A JP2002041850 A JP 2002041850A JP 2002041850 A JP2002041850 A JP 2002041850A JP 2003236941 A JP2003236941 A JP 2003236941A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の課題は、高精度かつ低コストの複合
プラスチック成形品の製造方法を提供することである。 【解決手段】 プレス機1内に熱可塑性樹脂からなる基
材7を配置し、この基材7と少なくとも1つ以上の熱可
塑性樹脂からなる接合部材8が一体化された複合プラス
チック成形品の製造方法において、プレス機1は昇降可
能な上型部材4と基材7を配置する下型部材6と接合部
材8のみを加熱する赤外線ヒータ9とを備え、赤外線ヒ
ータ9にて接合部材8を樹脂の軟化温度以上に加熱して
流動性を付与した後、熱変形温度以下に保持した基材7
の接合面11に接触させ、接合面11に圧力を発生させ
て両部材7,8を接着させ、次いで界面温度を熱変形温
度以下まで冷却させて基材7と接合部材8とを接合一体
化するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,高精度な鏡面を有
するプラスチックレンズ,プラスチックミラー等の複合
プラスチック成形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、金型のキャビティ内の樹脂を
その軟化温度以上に加熱保持して高精度なプラスチック
成形品を成形する製造方法が知られている。
【0003】この種のプラスチック成形品の製造方法と
しては、例えば特開平1ー316702号公報に記載さ
れるような圧着式のものがある。これは、レンズシート
部を加熱溶融し、これに透光性材料を圧着して一体化さ
せるものである(以下、この製造方法を第1従来例とい
う)。
【0004】また、2つの部材の用いて一方の部材に転
写面を転写する方法としては、例えば、特開平3−82
513号公報に記載されたようなものがある。この製造
方法では、金型内にミラー部材を備えた転写用シートを
配設し、金型内に溶融樹脂を射出して樹脂成形品と転写
用シートを一体化した後、固化した樹脂成形品から転写
用シートを剥離して樹脂成形品の表面にミラー部材を転
写するようにしている(以下、この製造方法を第2従来
例という)。
【0005】特開平6ー182783号公報に記載され
たものは、略最終形状に前加工されたプラスチック母材
およびプラスチックフィルムの2つの部材をキャビティ
内に挿入した後、金型を型締めし、金型を加熱してプラ
スチック母材をガラス転移温度以上に加熱するか、ある
いはガラス転移温度前後で振動加圧してキャビティ内に
所定の樹脂内圧を発生させて鏡面をプラスチックフィル
ムの金属反射膜に転写し、次いで、金型を徐冷してプラ
スチック母材が熱変形温度以下になったときにキャビテ
ィから取り出すというような一連のプロセスで製造され
るようになっている(以下、この製造方法を第3従来例
という)。
【0006】特開平9ー164590号公報に記載され
たものは、型締めから型開きまでの間で、少なくともプ
ラスチック母材が冷却されるときに、第1の母材の転写
面に隣接する側面の少なくとも1つの面の一部あるいは
全部がキャビティ壁面と接しない状態でプラスチック母
材が徐冷される(以下、この製造方法を第4従来例とい
う)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、第1従
来例の製造方法にあっては、樹脂を溶融する際に多量の
熱量が必要になる上に高温の樹脂を冷却するのに多大な
時間が必要となってしまう。一方、冷却時間の短縮を図
るために急冷すると、樹脂表面のみの固化が進み温度分
布が生じるとともに、転写部にひけが生じ、良好な転写
精度が得られないといった問題が生じる。
【0008】第2従来例の製造方法にあっては、一体化
時に樹脂の流動を伴うため、フィルムに皺が発生しやす
い。また、通常の射出成形であるために、成形時の圧力
分布を押さえることが困難で高精度な転写を得ることが
できない。特に成形品が偏肉形状である場合は薄肉部と
厚肉部での圧力の偏在が大きくその影響が大きい。
【0009】第3従来例の製造方法にあっては、一体化
品のひけの発生を防ぐためには熱変形温度以下に冷却し
て取り出すときの樹脂圧力が大気圧近くになるように、
プラスチック母材とフィルムの合計の重量を調整しなけ
ればならない。そのため母材の重量管理が厳しくなりと
ともに、特に多数個取りを行おうとした場合は、各キャ
ビティでの容積ばらつきを押さえるために高精度な金型
加工が必要であり、その加工コストも増大する。
【0010】第4従来例の製造方法にあっては、母材に
関する重量管理に対して必要性がなくなるが、成形品を
ガラス転移温度以上まで加熱して、その後徐冷するとい
った工程を必要とするため非常に成形サイクルが長くな
り、成形品のコストが増大するといった課題の解決には
ならない。プラスチック成形品を製造する場合、これら
の問題により品質の低下や高コストの問題があった。
【0011】本発明の目的は、高精度かつ低コストの複
合プラスチック成形品の製造方法を提供することであ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、金型内に熱可塑性樹脂からなる基材を配置し、この
基材と少なくとも1つ以上の熱可塑性樹脂からなる接合
部材が一体化された複合プラスチック成形品の製造方法
において、金型は昇降可能な上金型と基材を配置する下
金型と接合部材のみを加熱する加熱手段とを備え、加熱
手段にて接合部材を樹脂の軟化温度以上に加熱して流動
性を付与した後、熱変形温度以下に保持した基材の接合
面に接触させ、接合面に圧力を発生させて両部材を接着
させ、次いで接合面の温度を接合部材の熱変形温度以下
まで冷却させて基材と接合部材とを接合一体化すること
を特徴とする。
【0013】この請求項1に記載の発明では、複合プラ
スチック成形品の製造において、金型の下金型に熱可塑
性樹脂からなる基材を配置し、この基材の上部位置に、
接合部材を配置する。そして、接合部材の表面を、その
構成樹脂の軟化温度以上になるまで加熱して流動性を付
与した後、接合部材を基材に接触させ、金型の上金型を
下降させて接合面に圧力を発生させて両部材を接着さ
せ、界面温度を熱変形温度以下まで徐冷し、基材と接合
部材とを接合一体化する。
【0014】このように、接合部材のみを加熱して、基
材や金型を加熱しないため、加熱時間を短縮することで
加工サイクルが短縮可能となるとともに、省力化を図る
ことができる。また、基材を加熱して溶融させないの
で、基材及び接合部材を密閉された型で囲う必要が無
く、転写面を形成するための転写部材を有する型部材だ
けがあれば良いため、低コストな金型とすることができ
る。さらに、基材を加熱しないため、金型を閉じて圧力
をかけた際に成形品全体が変形することがない。
【0015】請求項2に記載の発明は、基材と接合部材
との接合面に圧力を発生させて両部材を密着させ、さら
に外部から圧力を付与することを特徴とする。
【0016】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明と同様の作用効果を奏するとともに、外部からさ
らに圧力を加えることで、基材と接合部材との接合面に
おいて、より強固な密着力を得ることができるととも
に、成形品の表面において、より確実な面転写を実現す
ることができる。
【0017】請求項3に記載の発明は、金型内に熱可塑
性樹脂からなる基材を配置し、この基材と少なくとも1
つ以上の熱可塑性樹脂からなる部材が接合一体化された
複合プラスチック成形品の製造方法において、金型は転
写面を有する上金型と、基材を配置する下金型と、上金
型と下金型とに接触する位置に設ける加熱手段とを備
え、基材と接合部材を接触させ、次いで、上金型を転写
面と接合部材とが略接触状態になるまで下降させ、加熱
手段により接合部材のみを加熱して流動性を付与し、基
材と接合部材とを接合一体化することを特徴とする。
【0018】請求項3に記載の発明では、複合プラスチ
ック成形品を製造するには、金型の下金型に基材を配置
し、基材の表面に重ねて接合部材を設ける。そして、上
金型の転写面が接合部材と略接触する位置まで上金型を
下降させる。そして金型の上金型及び下金型に接続した
加熱手段を操作し、接合部材のみが自己発熱する。そし
て、接合部材が流動性を得て基材の表面に接着するとと
もに、加熱により体積膨張し、接合部材の表面が転写面
からの圧力を受けて面精度の高い複合プラスチック成形
品が得られる。このように、加熱手段を用いることで、
すべての部材を接触させた状態で選択的に接合部材のみ
を加熱することができるので、熱損失が少なく、非常に
効率良い短サイクルでの一体化が可能となる。
【0019】請求項4に記載の発明は、請求項1から3
の何れかに記載の発明において、基材または接合部材の
少なくとも一方の接合面の表面を粗面にすることを特徴
とする。
【0020】請求項4に記載の発明は、請求項1から3
の何れかに記載に発明と同様の作用効果を奏するととも
に、予め接合面表面を粗面にしておくことで、軟化温度
以上に加熱された樹脂が、接合面の凹凸に入り込み、機
械的密着によりより強固な密着強度が得られる。尚、基
材の表面を粗面加工するには、射出成形で加工するとき
に、金型キャビティ表面を粗面にすることで基材表面を
粗面とすることができる。
【0021】請求項5に記載の発明は、請求項1から4
の何れかに記載の発明において、基材および接合部材を
一体化する工程を真空下で行うことを特徴とする。
【0022】この請求項5に記載の発明では、請求項1
から4の何れかに記載の発明と同様の作用効果を奏する
とともに、一体化工程を真空下で行うことで工程中に空
気の侵入を防ぐことができ、一体化時に接合面に気泡が
発生することを防ぐことができる。尚、真空下の圧力と
して10-1Pa以下が望ましい。
【0023】請求項6に記載の発明は、請求項1から5
の何れかに記載の発明において、基材が予め射出成形に
よって作製されることを特徴とする。
【0024】この請求項6に記載の発明では、請求項1
から5の何れかに記載の発明と同様の作用効果を奏する
とともに、基材を別途射出成形機で作製することで、成
形品を得るまでの工程を短縮することができる。
【0025】請求項7に記載の発明は、請求項1から6
の何れかに記載の発明において、基材は強化充填材を含
む非晶性プラスチック複合材であることを特徴とする。
【0026】この請求項7に記載の発明では、請求項1
から6の何れかに記載の発明と同様の作用効果を奏する
とともに、強化充填材を含むプラスチック複合材を使用
することにより、高強度で薄肉かつ軽量のプラスチック
成形品を得ることができる。例えば、ミラーのように成
形品の内部品質が要求されないものを作製する場合には
非常に有利である。尚、強化充填材として繊維質が望ま
しい。
【0027】請求項8に記載の発明は、請求項1から7
の何れかに記載の発明において、金型の少なくとも一方
には鏡面状の転写面を設けたことを特徴とする。
【0028】この請求項8に記載の発明では、請求項1
から7の何れかに記載の発明と同様の作用効果を奏する
とともに、鏡面を有する転写面を接合部材の表面に転写
させることで、面精度の優れたプラスチック成形品が得
られる。
【0029】請求項9に記載の発明は、請求項1から8
の何れかに記載の発明において、接合部材が、基材の面
精度と最終的に転写面に要求される面精度の差以上の厚
みを有することを特徴とする。
【0030】この請求項9に記載の発明では、請求項1
から8の何れかに記載の発明と同様の作用効果を奏する
とともに、接合部材が基材の表面に接着する際に、基材
の表面の凹凸を接合部材が覆うことによって、基材表面
の面精度を高めることができ、高精度なプラスチック成
形品が得られる。
【0031】請求項10に記載の発明は、請求項1から
9の何れかに記載の発明において、最終成形品が偏肉形
状である場合、基材を偏肉形状とし、接合部材を均肉形
状とすることを特徴とする。
【0032】この請求項10に記載の発明では、請求項
1から9の何れかに記載の発明と同様の作用効果を奏す
るとともに、加熱する接合部材を均肉とすることで、偏
肉形状を加熱することによる圧力・温度の偏在を防ぐこ
とが可能で、高精度なプラスチック成形品が得られる。
【0033】請求項11に記載の発明は、請求項1から
10の何れかに記載の発明において、接合部材の表面に
は、金属反射膜が形成されていることを特徴とする。
【0034】この請求項11に記載の発明では、請求項
1から10の何れかに記載の発明と同様の作用効果を奏
するとともに、接合部材表面に金属反射膜を予め設けて
おくことによって、ミラー等の光学部品を作製する場合
には、蒸着、スパッタリング、メッキ等の方法を用いて
成形品表面に金属反射膜を形成する後工程を不要にする
ことができ、成形時間を短縮して光学素子等の製造コス
トを低減することができる。
【0035】請求項12に記載の発明は、請求項1から
10の何れかに記載の発明において、接合部材と基材を
一体化接合するときには、接合部材の表面に金属反射膜
が形成された複合プラスチックフィルムを上金型と接合
部材との間に設けることを特徴とする。
【0036】この請求項12に記載の発明では、請求項
1から10の何れかに記載の発明と同様の作用効果を奏
するとともに、金属反射膜が形成されたフィルムを用い
ることで、金属反射膜が形成されているフィルム自体は
加熱されないため、一体化時に蒸着がはがれて、成形品
の表面に亀裂や皺が発生することを防ぐことができる。
【0037】請求項13に記載の発明は、請求項1から
12の何れかに記載の発明において、加熱手段として、
赤外線輻射加熱を用いたことを特徴とする。
【0038】この請求項13に記載の発明では、請求項
1から12の何れかに記載の発明と同様の作用効果を奏
するとともに、赤外線の熱輻射によって直接、接合部材
を加熱することができ、熱効率が良く、加熱時間を短縮
することができる。
【0039】請求項14に記載の発明は、請求項1から
12の何れかに記載の発明において、加熱手段として、
温風加熱を用いたことを特徴とする。
【0040】この請求項14に記載の発明では、請求項
1から12の何れかに記載の発明と同様の作用効果を奏
するとともに、温風加熱を用いることで加熱面積が大き
くなった場合や、接合部材の曲率が大きくなった場合に
均一に加熱することができる。
【0041】請求項15に記載の発明は、請求項1から
12の何れかに記載の発明において、加熱手段として、
高周波加熱を用いたことを特徴とする。
【0042】請求項15に記載の発明では、請求項1か
ら12の何れかに記載の発明と同様の作用効果を奏する
とともに、高周波誘電加熱を用いることですべての部材
を接触させた状態で選択的に接合部材を加熱することが
できるので、熱損失が少なく非常に効率良い短サイクル
での一体化が可能となる。尚、高周波誘電加熱は特に請
求項3に記載の発明の場合に有効である。
【0043】請求項16に記載の発明は、請求項1から
12の何れかに記載の発明において、加熱手段として、
超音波加熱を用いたことを特徴とする。
【0044】請求項16に記載の発明では、請求項1か
ら12の何れかに記載の発明と同様の作用効果を奏する
とともに、超音波加熱を用いることで、振動の振幅が最
大になる位置に、接合部材と基材との接合面がくるよう
にすることで、この接合位置だけを局所的に加熱でき
る。したがって熱損失が少なく非常に効率良い短サイク
ルでの一体化が可能となる。尚、超音波加熱は特に請求
項3に記載の発明の場合に有効である。
【0045】
【発明の実施の形態】
【実施例1】以下、添付した図面を参照しながら本発明
の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明の第1実
施例を示すプラスチック成形装置の概略図を示し、
(a)は接合部材を加熱する状態、(b)は金型を閉じ
た状態、(c)は金型を開いた状態をそれぞれ示す。図
2は偏肉形状の基材に接合部材を接合する様子を示す
図、図3は図1の接合部材に蒸着フィルムを形成する状
態を示す図である。
【0046】プラスチック成形装置1(以下、プレス
機)の上側ダイプレート2には、転写面3が形成された
金属性の上型部材4が備えられている。一方、下側ダイ
プレート5上に設けられた金属性の下型部材6には予め
射出成形によって略最終形状に加工され、且つガラス繊
維入りポリカーボネイト樹脂からなる厚さが約10mm
のプラスチック基材7(以下、基材)が備えられてい
る。
【0047】上型部材4と基材7の間には、厚さが約
0.3mmのポリカーボネイトシートからなる接合部材
8が、図示しないシート搬送装置によってプレス毎に間
欠的に作動するようになっている。本実施例では、プレ
ス機1の外部に赤外線ヒータ9が設置され、反射ミラー
10を介して接合部材8の接合面11が直接加熱される
ようになっている。
【0048】次に、上述した構成に基づき本実施の形態
の作用を説明する。基材7の上部位置に接合部材8が搬
送される。そして赤外線ヒータ9により反射ミラー10
を介して接合部材8の接合面11が直接加熱される。こ
こでの加熱は、基材7と接合部材8が密着したときに、
接合部材8の接合面11の温度がその構成樹脂の軟化温
度以上になるような温度まで加熱する。これは加熱後の
密着させるまでの時間や接合部材8の熱容量によって決
まってくる。このように直接、接合部材8を加熱してい
るため、上型部材4や下型部材6、そして基材7等を加
熱する必要がないので、一般的に行われる加熱された金
型からの熱伝導による樹脂の加熱と比較して、非常に熱
効率が良く、加熱時間を短くすることができる。
【0049】赤外線ヒータ9としては、近赤外、中赤
外、遠赤外のいずれのものを使用することが可能である
が、プラスチックを加熱する場合には4〜6μmに中心
波長を有する遠赤外を用いるのが望ましい。なぜならプ
ラスチック等の高分子化合物を加熱する場合、この遠赤
外の振動数と高分子の分子運動の振動数が一致する場合
が多いため、遠赤外線を良く吸収して効率的に接合部材
8表面の温度を上昇させることができるからである。な
お、金属では遠赤外線の吸収がないため赤外線照射によ
りまわりの部材や金型の温度上昇をおこさない等の利点
もある。また、本実施例においては加熱手段として赤外
線ヒータ9による輻射過熱を用いているが、他にも温風
を接合部材8の接合面11にあてることによる方法を用
いても良い。この場合は、特に加熱面積が大面積になっ
た場合や曲率が大きくなった場合に均一に加熱するのに
有利となる。図1(a)のように赤外線加熱の場合は、
ヒータと被加熱物との距離が場所によって異なると温度
分布が発生しやすくなるからである。
【0050】次いで、プレス機1の上側ダイプレート2
が下降し、接合部材8が基材7と接触し、さらに上側ダ
イプレート2を下降させることで、基材7と接合部材8
との間に圧力が発生し、両部材が完全に密着する。前述
したように基材7と接合部材8の接触時には、接合部材
8の接合面11の温度が構成樹脂の軟化温度以上に加熱
し、流動状態となっているため、樹脂が基材7表面の凹
凸に入り込み実質接触面積が増加することで強固な密着
力を得られる。さらに外部からの圧力負荷や接合部
材8からの熱移動による基材7表面の温度上昇の効果に
よりその密着力はより強固なものとなる。
【0051】ここで、基材7は熱変形温度以下の温度に
保っており、溶融せず、基材7を密閉された金型内に挿
入しておく必要性がなく、金型としては図1に示してい
るように基材7の上下にプレート状のものが存在すれば
良いだけで、金型コストを安くすることができる。さら
には圧力によって展延されるのは、接合部材8だけで基
材7が変形することもない。圧力を負荷する工程におい
て、本発明では上型部材4に転写面3が形成されている
ため、同時に転写面3を接合部材8表面に転写すること
ができる。接合部材8の転写部形成面12の温度を構成
樹脂のガラス転移温度以上に加熱することで、より良好
な転写精度を得ることができる。本実施例の場合は、接
続部材8として厚さ0.3mmのシート部材を使用して
いるため接合面11の加熱時に同時に転写部形成面12
も加熱することができる。尚、接合部材8が肉厚の場合
は、転写部形成面12と接合面11とを別々に加熱する
ことで、加熱時間の短縮を図ることができる。
【0052】基材7と接合部材8とが一体化されたプラ
スチック部材13(以下、成形品)の温度が構成樹脂の
熱変形温度以下まで冷却されたときに、プレス機1の上
型ダイプレート2を上昇させ接合部材8と上型部材4と
を分離し、下型部材6から成形品13を取り出す。その
とき、接合部材8の一体化された部分のみを切断し、引
き続き搬送装置によって新たな接合部材8を基材7上に
位置させることで、次の加工に効率良く移ることができ
る。
【0053】本発明においては、転写面が形成される接
合部材8と基材7とは別部材であるために、基材7の材
料としては、本実施例のようにガラス繊維入りの樹脂を
はじめとする強化充填材を含む非晶性プラスチック複合
材を用いることが可能であり、これにより高強度で薄肉
かつ軽量のプラスチック成形品が作製できる。ミラーに
ように成形品13の内部品質が要求されず、かつ高精度
な表面精度が要求されるものを作製する場合には非常に
有効である。
【0054】また、成形品13が偏肉形状である場合に
は、温度・圧力を加えた場合、肉厚部と薄肉部で温度・
圧力分布ができるため高精度な成形品13が作製できな
いといった問題があった。このような問題に対して、基
材7が溶融していないため、図2に示すように、基材7
に偏肉部をもたせ、加熱する接合部材8は均肉形状とす
ることで、接合部材8は形状に起因する圧力や温度の偏
在生じないため最終成形品13の形状が偏肉であっても
高精度な成形品13を作製することができる。また、基
材7自体は表面精度がもとめられないため、予め通常の
射出成形機で作製することが可能で非常に安価に作製で
きる。
【0055】更には、予め基材7表面をエッチング等の
化学的もしくは、ブラスト等の物理的処理によってその
表面を粗面にしておくことで、軟化温度以上に加熱され
た接合部材8が基材7表面の凹凸に入り込み、機械的密
着によりより強固な密着強度が得られる。尚、基材7を
射出成形で加工するときの金型キャビティ表面を粗面と
し、それを基材7に転写させることで、容易に基材7表
面を粗面とすることができる。本発明においては接合部
材8の厚さが、基材7表面精度と最終的に求められる面
精度の差以上の厚さとしてある。これによって、前述し
たような基材7表面が粗面になっていたとしても、その
凹凸を接合部材8で吸収して精度の良い成形品13を作
製することができる。また、一体化工程を10-1Pa以
下の真空下で実施することで、一体化時に空気の侵入を
防ぐことができ、基材7と接合部材8間に気泡の発生を
防ぐことができる。
【0056】また接合部材8の転写面表面に金属反射膜
を予め設けておくことによって、ミラー等の光学部品を
作製する場合に、後工程にて蒸着、スパッタリング、メ
ッキ等を用いて成形品13表面に金属反射膜を形成する
工程を不要にすることができ、後工程を大幅に短縮して
光学素子の製造コストを低減することができる。図3に
示すように、接合部材8と上型部材4の転写面3間に金
属反射膜が形成されたフィルム(以下、蒸着フィルム)
14を形成することも可能である。接合部材8は、基材
7と蒸着フィルム14の中間にあり、両者を接合一体化
するための中間接着層となるのである。この場合は上述
したように、接合部材7の蒸着フィルム14との接触面
15の温度を、構成樹脂の軟化温度以上に加熱して圧力
を発生させることにより、両者を接合一体化することが
できる。この場合は金属反射膜が形成されているフィル
ム自体は加熱されないため、一体化時に金属反射膜がは
がれ亀裂や皺が発生することを防ぐことができる。尚、
本発明における装置構成は図1の反射ミラー10を用い
て接合部材8に赤外線が照射されるようにしているが、
このような形態に限らず、例えば別の場所で接合部材8
を加熱しておいてから、基材7上に移動させるようにし
ても良い。
【0057】次に、他の実施例を説明するが、その説明
にあたり上述した部分と同一の作用効果を奏する部分に
は、同一の符号を付することにより、その部分の詳細な
説明を省略する。
【0058】図4は本発明の第2実施例におけるプラス
チック成形装置の概略図である。まず、構成を説明す
る。プレス機1の上側ダイプレート2及び下側ダイプレ
ート5に設置された、少なくともどちらか一方に転写面
が形成された上型部材4及び下型部材6間には基材7及
び接合部材8が積層されている。また、プレス機1の下
型ダイプレート5には、上型ダイプレート2の下降位置
を規定するストッパ17が備えられている。更に、上型
部材4と下型部材6には高周波発生装置16が接続して
あり、1MHz以上の高周波電流を印加することができ
るようになっている。
【0059】基材7の構成部材は、その電気的特性であ
る誘電率εと誘電正接tanδが、ε×tanδ<0.01に
なるようにし、接合部材8は、0.01<ε×tanδ、
好ましくは0.05<ε×tanδになるような部材で構
成されている。このような部材として、例えば基材7の
構成部材としてはポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹
脂、ポリエーテルイミド樹脂等があり、接合部材8の構
成部材としては塩化ビニル、メタクリル樹脂、ポリカー
ボネイト等がある。
【0060】次に、上述した構成に基づき本実施の形態
の作用を説明する。プレス機1の下側ダイプレート5上
に固定された下型部材6上に、基材7、接合部材8を積
層する(図4(a))。その後、上型ダイプレート2を下降
させ、ストッパ17の位置で停止する。次いで高周波発
生装置16にて基材7、接合部材8で構成されるプラス
チック部材に高周波電流を印加させる(図4(b))。高周
波電流を印加するとプラスチック部材内部の双曲子が激
しい運動をし、その摩擦熱によって、接合部材8自身が
自己発熱する。この時の発熱量は部材固有の物性値であ
る誘電率εと誘電正接tanδの大きさに比例する。前述
したように、接合部材8の構成部材として電気的特性で
ある誘電率εと、誘電正接tanδが0.01<ε×tan
δ、好ましくは0.05<ε×tanδの部材を使用する
ことで、基材7や型部材を加熱せず、接合部材8だけを
選択的に加熱することができる。
【0061】接合部材8は加熱とともに、接合部材8自
身の熱膨張によって体積増加が生じる。ここで、ストッ
パ17は、接合部材8と上型部材4とが略接触するよう
な位置に設定されている。その結果、接合部材8の加熱
による自己膨張によって、圧力が発生して実施例1の場
合と同様に、基材7と接合部材8とを強固に密着する。
また、同時に上型部材4の転写面が接合部材8の表面に
転写される。この場合は、すべての部材を接触させた状
態で接合部材8だけを選択的に加熱することができるの
で、熱損失が少なく効率の良い、短サイクルでの一体化
が可能となる。
【0062】また、圧力発生が接合部材8自身の自己膨
張であるために、圧力が均一に発生し、より忠実に転写
面を転写することができる。尚、圧力発生は自己膨張に
よるものだけでなく、ストッパ17を取り除き、プレス
機1の上側ダイプレート2を下降することによる外部か
らの圧力負荷によるものでもかまわない。
【0063】更には、加熱手段として超音波を用いるこ
とも可能である。この場合は基材7と接合部材8上に超
音波発信源を設け、振動の振幅が最も大きくなる位置に
接合部材8と基材7との接合面をもってくることによ
り、接合面を集中的に微振動させることによって加熱さ
せるものである。この場合は、接合面だけを集中的に加
熱できるので非常に効率的である。
【0064】以上の実施例においては、基材7と接合部
材8との2部材の一体化について示したが、図5に示す
ように、基材7の両側に転写面を有する部材や、図6に
示したレーザー光学走査系に用いられるポリゴンのよう
な複数の転写面を有する成形品の作製に適用することも
できる。
【0065】尚、以上説明した実施例は、本発明の理解
を容易にするために記載されたものであって、本発明を
限定するものではない。例えば、上述した実施例では、
転写面を平滑な転写面を形成している金型を使用してい
るが、これに限らず、転写面として微細なパターンが形
成された金型が使用しても良い。また、接合部材8を基
材7に1枚のみ積層させる構成としたが、2枚以上積層
させる構成としても良い。
【0066】
【発明の効果】請求項1に記載の発明は、接合部材のみ
を加熱して、基材や金型を加熱しないため、加熱時間を
短縮することで加工サイクルが短縮可能となるととも
に、省力化を図ることができる。また、基材を加熱して
溶融させないので、基材及び接合部材を密閉された型で
囲う必要が無く、転写面を形成するための転写部材を有
する型部材だけがあれば良いため、低コストな金型とす
ることができる。さらに、基材を加熱しないため、金型
を閉じて圧力をかけた際に成形品全体が変形することが
ない。
【0067】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明と同様の効果を奏するとともに、外部からさらに
圧力を加えることで、基材と接合部材との接合面におい
て、より強固な密着力を得ることができるとともに、成
形品の表面において、より確実な面転写を実現すること
ができる。
【0068】請求項3に記載の発明は、複合プラスチッ
ク成形品を製造するには、金型の下型部材に基材を配置
し、基材の表面に重ねて接合部材を設ける。そして、上
型部材の転写面が接合部材と略接触する位置まで上型部
材を下降させる。そして金型の上型部材及び下型部材に
接続した加熱手段を操作し、接合部材のみが自己発熱す
る。そして、接合部材が流動性を得て基材の表面に接着
するとともに、加熱により体積膨張し、接合部材の表面
が転写面からの圧力を受けて面精度の高い複合プラスチ
ック成形品が得られる。このように、加熱手段を用いる
ことで、すべての部材を接触させた状態で選択的に接合
部材のみを加熱することができるので、熱損失が少な
く、非常に効率良い短サイクルでの一体化が可能とな
る。
【0069】請求項4に記載の発明は、請求項1から3
の何れかに記載に発明と同様の効果を奏するとともに、
予め接合面表面を粗面にしておくことで、軟化温度以上
に加熱された樹脂が、接合面の凹凸に入り込み、機械的
密着によりより強固な密着強度が得られる。尚、基材の
表面を粗面加工するには、射出成形で加工するときに、
金型キャビティ表面を粗面にすることで基材表面を粗面
とすることができる。
【0070】請求項5に記載の発明では、請求項1から
4の何れかに記載の発明と同様の効果を奏するととも
に、一体化工程を真空下で行うことで工程中に空気の侵
入を防ぐことができ、一体化時に接合面に気泡が発生す
ることを防ぐことができる。尚、真空下の圧力として1
-1Pa以下が望ましい。
【0071】請求項6に記載の発明では、請求項1から
5の何れかに記載の発明と同様の効果を奏するととも
に、基材を別途射出成形機で作製することで、成形品を
得るまでの工程を短縮することができる。
【0072】請求項7に記載の発明では、請求項1から
6の何れかに記載の発明と同様の効果を奏するととも
に、強化充填材を含むプラスチック複合材を使用するこ
とにより、高強度で薄肉かつ軽量のプラスチック成形品
を得ることができる。例えば、ミラーのように成形品の
内部品質が要求されないものを作製する場合には非常に
有利である。
【0073】請求項8に記載の発明では、請求項1から
7の何れかに記載の発明と同様の効果を奏するととも
に、鏡面を有する転写面を接合部材の表面に転写させる
ことで、面精度の優れたプラスチック成形品が得られ
る。
【0074】請求項9に記載の発明では、請求項1から
8の何れかに記載の発明と同様の効果を奏するととも
に、接合部材が基材の表面に接着する際に、基材の表面
の凹凸を接合部材が覆うことによって、基材表面の面精
度を高めることができ、高精度なプラスチック成形品が
得られる。
【0075】請求項10に記載の発明では、請求項1か
ら9の何れかに記載の発明と同様の効果を奏するととも
に、加熱する接合部材を均肉とすることで、偏肉形状を
加熱することによる圧力・温度の偏在を防ぐことが可能
で、高精度なプラスチック成形品が得られる。
【0076】請求項11に記載の発明では、請求項1か
ら10の何れかに記載の発明と同様の効果を奏するとと
もに、接合部材表面に金属反射膜を予め設けておくこと
によって、ミラー等の光学部品を作製する場合には、蒸
着、スパッタリング、メッキ等を用いて成形品表面に金
属反射膜を形成する後工程を不要にすることができ、成
形時間を短縮して光学素子等の製造コストを低減するこ
とができる。
【0077】請求項12に記載の発明では、請求項1か
ら10の何れかに記載の発明と同様の効果を奏するとと
もに、金属反射膜が形成されたフィルムを用いること
で、金属反射膜が形成されているフィルム自体は加熱さ
れないため、一体化時に蒸着がはがれて、成形品の表面
に亀裂や皺が発生することを防ぐことができる。
【0078】請求項13に記載の発明では、請求項1か
ら12の何れかに記載の発明と同様の効果を奏するとと
もに、赤外線の熱輻射によって直接、接合部材を加熱す
ることができ、熱効率が良く、加熱時間を短縮すること
ができる。
【0079】請求項14に記載の発明では、請求項1か
ら12の何れかに記載の発明と同様の効果を奏するとと
もに、温風加熱を用いることで加熱面積が大きくなった
場合や、接合部材の曲率が大きくなった場合に均一に加
熱することができる。
【0080】請求項15に記載の発明では、請求項1か
ら12の何れかに記載の発明と同様の効果を奏するとと
もに、高周波誘電加熱を用いることですべての部材を接
触させた状態で選択的に接合部材を加熱することができ
るので、熱損失が少なく非常に効率良い短サイクルでの
一体化が可能となる。尚、高周波誘電加熱は特に請求項
3に記載の発明の場合に有効である。
【0081】請求項16に記載の発明では、請求項1か
ら12の何れかに記載の発明と同様の効果を奏するとと
もに、超音波加熱を用いることで、振動の振幅が最大に
なる位置に、接合部材と基材との接合面がくるようにす
ることで、この接合位置だけを局所的に加熱できる。し
たがって熱損失が少なく非常に効率良い短サイクルでの
一体化が可能となる。尚、超音波加熱は特に請求項3に
記載の発明の場合に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例を示すプラスチック成形装置の概略
図を示し、(a)は接合部材を加熱する状態、(b)は
金型を閉じた状態、(c)は金型を開いた状態を示す図
である。
【図2】図2は偏肉形状の基材に接合部材を接合する様
子を示す図である。
【図3】図1の接合部材に蒸着フィルムを形成する状態
を示す図である。
【図4】第2実施例を示す概略図であり、(a)金型を
開いた状態を示し、(b)は金型を閉じた状態を示す図
である。
【図5】基材の変形例を示す図である。
【図6】基材の変形例を示す図である。
【符号の説明】
1 プレス機(金型) 3 転写面 4 上型部材(上金型) 6 下型部材(下金型) 7 基材 8 接合部材 9 赤外線ヒータ(加熱手段) 11 接合面 14 蒸着フィルム(金属反射膜)

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金型内に熱可塑性樹脂からなる基材を配
    置し、この基材と少なくとも1つ以上の熱可塑性樹脂か
    らなる接合部材が一体化された複合プラスチック成形品
    の製造方法において、金型は昇降可能な上金型と基材を
    配置する下金型と接合部材のみを加熱する加熱手段とを
    備え、加熱手段にて接合部材を樹脂の軟化温度以上に加
    熱して流動性を付与した後、熱変形温度以下に保持した
    基材の接合面に接触させ、接合面に圧力を発生させて両
    部材を接着させ、次いで接合面の温度を接合部材の熱変
    形温度以下まで冷却させて基材と接合部材とを接合一体
    化することを特徴とする複合プラスチック成形品の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 基材と接合部材との接合面に圧力を発生
    させて両部材を密着させ、さらに外部から圧力を付与す
    ることを特徴とする請求項1記載の複合プラスチック成
    形品の製造方法。
  3. 【請求項3】 金型内に熱可塑性樹脂からなる基材を配
    置し、この基材と少なくとも1つ以上の熱可塑性樹脂か
    らなる部材が接合一体化された複合プラスチック成形品
    の製造方法において、金型は転写面を有する上金型と、
    基材を配置する下金型と、上金型と下金型とに接触する
    位置に設ける加熱手段とを備え、基材と接合部材を接触
    させ、次いで、上金型を転写面と接合部材とが略接触状
    態になるまで下降させ、加熱手段により接合部材のみを
    加熱して流動性を付与し、基材と接合部材とを接合一体
    化することを特徴とする複合プラスチック成形品の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 基材または接合部材の少なくとも一方の
    接合面の表面を粗面にすることを特徴とする請求項1か
    ら3の何れかに記載の複合プラスチック成形品の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 基材および接合部材を一体化する工程を
    真空下で行うことを特徴とする請求項1〜4の何れかに
    記載の複合プラスチック成形品の製造方法。
  6. 【請求項6】 基材が予め射出成形によって作製される
    ことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の複合プ
    ラスチック成形品の製造方法。
  7. 【請求項7】 基材は強化充填材を含む非晶性プラスチ
    ック複合材であることを特徴とする請求項1〜6の何れ
    かに記載の複合プラスチック成形品の製造方法。
  8. 【請求項8】 金型の少なくとも一方には鏡面状の転写
    面を設けたことを特徴とする請求項1〜7の何れかに記
    載の複合プラスチック成形品の製造方法。
  9. 【請求項9】 接合部材が、基材の面精度と最終的に転
    写面に要求される面精度の差以上の厚みを有することを
    特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の複合プラスチ
    ック成形品の製造方法。
  10. 【請求項10】 最終成形品が偏肉形状である場合、基
    材を偏肉形状とし、接合部材を均肉形状とすることを特
    徴とする請求項1〜9の何れかに記載の複合プラスチッ
    ク成形品の製造
  11. 【請求項11】 接合部材の表面には、金属反射膜が形
    成されていることを特徴とする請求項1〜10の何れか
    に記載の複合プラスチック成形品の製造方法。
  12. 【請求項12】 接合部材と基材を一体化接合するとき
    には、接合部材の表面に金属反射膜が形成された複合プ
    ラスチックフィルムを上金型と接合部材との間に設ける
    ことを特徴とする請求項1〜10の何れかに記載の複合
    プラスチック成形品の製造方法。
  13. 【請求項13】 加熱手段として、赤外線輻射加熱を用
    いたことを特徴とする請求項1〜12の何れかに記載の
    複合プラスチック成形品の製造方法。
  14. 【請求項14】 加熱手段として、温風加熱を用いたこ
    とを特徴とする請求項1〜12の何れかに記載の複合プ
    ラスチック成形品の製造方法。
  15. 【請求項15】 加熱手段として、高周波加熱を用いた
    ことを特徴とする請求項1〜12の何れかに記載の複合
    プラスチック成形品の製造方法。
  16. 【請求項16】 加熱手段として、超音波加熱を用いた
    ことを特徴とする請求項1〜12の何れかに記載の複合
    プラスチック成形品の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010274463A (ja) * 2009-05-27 2010-12-09 Kasai Kogyo Co Ltd 多色成形品の成形方法、および成形装置
JP2011019296A (ja) * 2009-07-07 2011-01-27 Toyota Motor Corp インシュレータを具備するステータとその製造方法
JP2013215986A (ja) * 2012-04-09 2013-10-24 Rengo Co Ltd 板紙と熱可塑性樹脂製フィルムとの高周波加熱による接合方法

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