JP2003232940A - プラスチック光部材の製造方法およびこの方法により得られるプラスチック光部材 - Google Patents

プラスチック光部材の製造方法およびこの方法により得られるプラスチック光部材

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JP2003232940A JP2002034832A JP2002034832A JP2003232940A JP 2003232940 A JP2003232940 A JP 2003232940A JP 2002034832 A JP2002034832 A JP 2002034832A JP 2002034832 A JP2002034832 A JP 2002034832A JP 2003232940 A JP2003232940 A JP 2003232940A
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Masataka Sato
真隆 佐藤
Takahito Miyoshi
孝仁 三好
Yukio Shirokura
幸夫 白倉
Toru Ogura
徹 小倉
Yasuhiro Koike
康博 小池
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安定に片端が密閉された中空管を作製するこ
とができる、生産性に優れたプラスチック光部材の製造
方法およびそれにより得られるプラスチック光部材を提
供すること。 【解決手段】 プラスチックよりなる中空管に重合性モ
ノマー組成物を注入し、中空管内で該組成物を重合させ
るプラスチック光部材の製造方法であって、該組成物注
入前に中空管の一端を樹脂で密封することを特徴とする
プラスチック光部材の製造方法。好ましくは、中空管の
一端を中空管を構成するプラスチックと異なる組成を有
する樹脂により密封する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプラスチック光部材
の製造方法に関し、特に、屈折率分布型プラスチック光
伝送体等のプラスチック光部材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の問題】プラスチック光部材は、同一の構造を有
する石英系の光部材と比較して、製造および加工が容易
であること、および低価格であること等の利点があり、
近年、光ファイバおよび光レンズなど種々の応用が試み
られている。プラスチック光ファイバは、素線が全てプ
ラスチックで構成されているため、伝送損失が石英系と
比較してやや大きいという短所を有するものの、良好な
可撓性を有し、軽量で、加工性がよく、石英系光ファイ
バと比較して口径の大きいファイバとして製造し易く、
さらに低コストで製造可能であるという長所を有する。
従って、伝送損失の大きさが問題とならいない程度の短
距離用の光通信伝送媒体として種々検討されている。
【0003】プラスチック光ファイバは、一般的には、
重合体をマトリックスとする有機化合物からなる芯(本
発明において「コア部」と称する。)とコア部と屈折率
が異なる(一般的には低屈折率の)有機化合物からなる
外殻(本発明において「クラッド部」と称する。)とか
ら構成される。特に、中心から外側に向かって屈折率の
分布を有するコア部を備えた屈折率分布型プラスチック
光ファイバは、伝送する光信号の帯域を大きくすること
が可能なため、高い伝送容量を有する光ファイバとして
最近注目されている。この屈折率分布型プラスチック光
ファイバの製法の一つに、界面ゲル重合法を利用して、
光ファイバ母材(本発明において、「プリフォーム」と
称する。)を作製し、その後、前記プリフォームを延伸
する方法がある。この製造方法では、まず、メチルメタ
クリレート(MMA)等のモノマーを、充分な剛性のあ
る容器に入れて、該容器を回転させつつ、モノマーを重
合させて、ポリメタクリレート(PMMA)等の重合体
からなる円筒管を作製する。該円筒管はクラッド部とな
る。
【0004】次に、該円筒管の中空部に屈折率分布を有
するコア部を形成する。コア部に屈折率分布を付与する
方法としては、例えば、特開平2−16504号公報に
は、屈折率分布の異なる2種以上の重合性混合物の積層
状物を同心円状に押出して形成する方法が開示されてい
る。また、プリフォームを重合により得る方法として
は、以下の開示がある。特開平5−181023号公報
および特開平6−194530号公報は、重合体からな
るクラッド部の内部に、該クラッド部を形成する重合体
と異なる屈折率を有するコア部を形成可能なモノマー及
び重合開始剤等を含む混合物を滴下しながら加熱重合す
る方法を開示する。国際公開WO93/08488号公
報は、重合体からなる円筒管内にモノマー、重合性の屈
折率上昇剤、および重合開始剤からなる混合物を充填
後、加熱重合してコア部を形成して、コア部に含有され
る屈折率調整剤等の濃度分布によって屈折率の分布を形
成する生じされる方法を開示している。特開平4−97
30号公報は、屈折率の異なる重合体の配合比を連続的
に変化させる方法を開示する。このようにして得られた
プリフォームを、180℃〜250℃程度の雰囲気中で
熱延伸することにより、屈折率分布型プラスチック光フ
ァイバが得られる。
【0005】ところで、重合容器を回転させつつ重合
(以下、「回転重合」という)し、中空状のクラッド管
を作製する場合、重合後のクラッド管は両端が開放され
ているために、コア重合の際には必ず少なくとも一方の
端部は閉じる必要がある。しかしながら片端を閉じる際
に端部をコア重合に用いるモノマーに溶解しない物質を
用いて接着する場合には底部に微小な空隙が残りコア重
合完了時にコア部への気泡混入が顕著である。しかも加
圧重合を用いる場合には、密閉部から重合性モノマーが
漏洩することもあり生産性を著しく低下させる。このこ
とは片端を栓状の物質で密閉した場合でも同様であり、
予めクラッド管は片端が完全に密封されて状態で形成す
ることが特に好ましい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記諸問題に
鑑みなされたものであって、本発明が解決しようとする
課題は、安定に片端が密閉された中空管を作製すること
ができる、生産性に優れたプラスチック光部材の製造方
法およびそれにより得られるプラスチック光部材を提供
することを課題とする。本発明の解決しようとする他の
課題は、このような中空管を用いてその中空部に重合性
モノマーを注入し、生産性高くコア部の重合を完遂する
場合において、加圧または減圧などの過酷な重合が必要
となり、その際に片端が安定に密閉されていない場合に
は生産性高くコアの重合が行えない。しかしながら、中
空管の片端を熱溶融させて閉じる場合や接着剤を用いて
樹脂を中空管の片端に密着させる場合にはその際に混入
するわずかな気泡がコア中へ溶け出し、粗大な気泡源と
なり、更には重合性モノマーが漏れ出してしまう問題が
顕著であり、適切な端部の密閉方法が見出されていない
ことによる。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題は、プラスチッ
クよりなる中空管に重合性モノマー組成物を注入し、中
空管内で該組成物を重合させるプラスチック光部材の製
造方法であって、該組成物注入前に中空管の一端を樹脂
で密封することを特徴とする以下に記載のプラスチック
光部材の製造方法により達成された。 (1) プラスチックよりなる中空管に重合性モノマー
組成物を注入し、中空管内で該組成物を重合させるプラ
スチック光部材の製造方法であって、該組成物注入前に
中空管の一端を樹脂で密封することを特徴とするプラス
チック光部材の製造方法、(2) プラスチックよりな
る中空管に重合性モノマー組成物を注入し、中空管内で
該組成物重を合させるプラスチック光部材の製造方法で
あって、該組成物注入前に中空管の一端を中空管を構成
するプラスチックと異なる組成を有する樹脂により密封
することを特徴とするプラスチック光部材の製造方法、
(3) 中空管の一端を密封する工程が中空管形成後に
行われる項1または2に記載のプラスチック光部材の製
造方法、(4) 中空管の一端を密封する工程が中空管
形成と実質的に同時に行われる項1または2に記載のプ
ラスチック光部材の製造方法、(5) 中空管を密封す
る端部の生成後に中空管形成を行う項1または2に記載
のプラスチック光部材の製造方法、(6) 密封に用い
る樹脂が前記中空管のプラスチックと相互作用を有する
物質からなる項1〜5いずれか1つに記載のプラスチッ
ク光部材の製造方法、(7) 密封に用いる樹脂が前記
重合性組成物に溶解しない物質からなる項1〜6いずれ
か1つに記載のプラスチック光部材の製造方法、(8)
中空管の一端を密封する物質の融点がクラッド重合時
に用いる温度およびコア重合時に用いる温度以上である
項1〜7いずれか1つに記載のプラスチック光部材の製
造方法、(9) 項1〜8いずれか1つに記載された製
造方法で得られるプラスチック光部材、(10) 該光
部材が屈折率分布を有する領域を有する項9に記載のプ
ラスチック光部材、(11) 該屈折率の分布が断面に
おいて中央から外側に向けて変化する項10に記載のプ
ラスチック光部材。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で使用する中空管はプラス
チックよりなるが、プラスチック光部材の製造において
クラッド部を形成する部分に相当する。このプラスチッ
ク中空管は伝送される光に対して透過性の良いことが好
ましい。本発明の製造方法において、使用するプラスチ
ック光部材プリフォーム用のプラスチック中空管は、伝
送される光信号をコア部に留めるため、コア部の屈折率
より低い屈折率を有しているのが好ましく、また、伝送
される光に対して透過性であるのが好ましい。例えば、
ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリベンジル
メタクリレート(PBzMA)、ポリスチレン(PS
t)、重水素化ポリメチルメタクリレート(PMMA−
d8,d5,またはd3)、ポリトリフルオロエチルメ
タクリレート(P3FMA)、ポリヘキサフルオロイソ
プロピル2−フルオロアクリレート(PHFIP 2−
FA)などのホモポリマー、これらモノマーの2種以上
からなる共重合体、およびそれらの混合物が挙げられ
る。これらは重合後の透明性を損なわないためにも、不
純物や散乱源となる異物の混入は極力低減させることが
好ましい。なお、コア部を構成する重合体と同一の原料
をクラッド部に用いるのが、透明性が保持できる点で好
ましい。
【0009】このプラスチックよりなる中空管の一端を
密封するために使用する物質は、中空管と同じ樹脂組成
でも良いが、プラスチック光部材製造の適当な段階で取
り外しが容易なように、中空管とは異なる組成の物質で
あることが好ましい。この中空管の片端を密封する物質
は、クラッド部の重合温度およびコア部の重合温度より
も高い融点または軟化点を有することが好ましい。この
密封物質は、好ましくは、融点が100℃以上、より好
ましくは120℃以上の樹脂であることが好ましい。こ
の様な樹脂として、フッ素を有する樹脂、ポリオレフィ
ン樹脂などが挙げられ、その具体例としては、ポリふっ
化ビニリデン(PVDF)、テトラフルオロエチレン
(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロ
アルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフ
ルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体
(FEP)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合
体(ETFE)、ポリアミド系樹脂、マレイミド系樹脂
などが例示できる。特にPMMAからなる中空管に対し
て好ましく使用できる密封樹脂は、PVDF、PVFな
どが例示できる。
【0010】中空管の片端を樹脂で密封するタイミング
は、少なくとも他端が開放された中空管の形成前であっ
ても良く、中空管の形成と実質的に同時であっても良
く、また、中空管の形成後であっても良い。プラスチッ
クよりなる中空管は、予め重合又は縮合したプラスチッ
クにより成形された中空管であっても良い。この中空管
は、例えば、射出成形によりにより製造することができ
る。この場合、射出成形された中間の内部に密封用の樹
脂を予め充填し、この充填部分で裁断・分離することに
より、片端を樹脂で密封した中空管の部分を2つ同時に
製造することができる。中空管と密封端をほぼ同時に射
出成形することもできる。この場合には、射出成形用の
鋳型において片端形成部に密封用の樹脂を注入し、ほぼ
同時に管形成部に、好ましくは別の組成を有するプラス
チックを注入して、密封部と管部分とをほぼ同時に製造
することができる。この方法は、前記の方法と共に、大
量生産に適する。簡便に少量生産する場合には、予め中
空管を射出成形または熱重合により製造した後に、一端
を密封する方法である。例えば、加熱溶融した適当量の
PVDFの中に中空PMMA管を挿入することにより、
その一端を密封することができる。中空管を重合により
製造するに際しては、重合性モノマーを含む容器を回転
させながら中空管形成用モノマーを重合させ、クラッド
部を形成しても良い。この場合、前記重合容器を用いて
クラッド部を形成する前に、前記重合容器の片端に前記
クラッドを重合した段階で完全に密着する物質を取り付
けることにより、円筒のクラッドパイプ形成後に前記ク
ラッドパイプの片端が完全に密封されているようにして
も良い。
【0011】本発明のプラスチック光部材の製造方法の
一実施態様によれば、一端を樹脂で密封した中空管の内
部に、コア部形成用のモノマーまたはモノマーと該モノ
マーの重合体とを含有する組成物を注入して、コア部を
熱または光により重合させる。
【0012】以下、本発明についてさらに詳細に説明す
る。本発明の光部材はプリフォームをまず作製し、その
プリフォームを用途に応じて加工することで様々な部材
を得ることができる。例えば、プリフォームを延伸すれ
ば光ファイバーが得られ、プリフォームを断面方向にス
ライスすることで導光材を、さらに屈折率分布を有する
領域を持ったプリフォームである場合はレンズを得るこ
とができる。
【0013】まず本発明の製造方法に用いられるプラス
チック光部材プリフォームの種々の原材料について説明
する。クラッド部を構成する原料モノマーについては既
に説明した。
【0014】本発明において、プラスチック光部材プリ
フォームのコア部は重合体からなる。コア部は、伝送さ
れる光に対して光透過性である限り特に制約はないが、
伝送される光信号の伝送損失が少ない材料を用いるのが
好ましい。例えば、ポリメチルメタクリレート(PMM
A)をはじめとする(メタ)アクリル酸系樹脂やその共重
合体をあげることができる。また、光部材を近赤外光用
途として用いる場合は、構成するC−H結合の振動モー
ドに起因した吸収損失が起こるために、国際公開WO9
3/08488に記載されているようにC−H結合を重
水素に置換したり、その他にもフッ素置換をしたモノマ
ーの重合体、例えば、重水素化ポリメチルメタクリレー
ト(PMMA−d8)、ポリトリフルオロエチルメタク
リレート(P3FMA)、ポリヘキサフルオロイソプロ
ピル2−フルオロアクリレート(PHFIP 2−F
A)などのホモポリマー、これらモノマーの2種以上か
らなる共重合体、およびそれらの混合物が挙げられる。
塊状重合が容易である原料を選択し、単一ポリマーにて
コア部を形成するのが好ましい。これらはクラッド部と
同様に、重合後の透明性を損なわないためにも、不純物
や散乱源となる異物の混入は極力低減させることが好ま
しい。
【0015】コア部が、中心から外側に向かって屈折率
の分布を有している(以下、「屈折率分布型コア部」と
称する)と、高い伝送容量を有する屈折率分布型プラス
チック光ファイバや高性能のプラスチックレンズとなる
ので好ましい。屈折率分布型コア部は、屈折率調整剤を
用いることにより形成できる。屈折率調整剤は、コア部
の原料となるモノマーに添加した後、該モノマーを重合
することにより、コア部に含有させることができる。屈
折率調整剤は、国際公開WO93/08488公報や特
開平5−173026公報に記載されているような、モ
ノマーの合成によって生成される重合体との比較におい
て溶解性パラメータとの差が7(cal/cm)1/2
以内であると共に、屈折率の差が0.001以上であ
り、これを含有する重合体が無添加の重合体と比較し
て、屈折率が高くなる性質を有するものをいう。この性
質を有し、重合体と安定して共存可能で、且つ前述の原
料であるモノマーの重合条件(加熱および加圧等の重合
条件)下において安定であるものを、いずれも用いるこ
とができる。例えば、安息香酸ベンジル(BEN)、硫
化ジフェニル(DPS)、リン酸トリフェニル(TP
P)、フタル酸ベンジルnブチル(BBP)、フタル酸
ジフェニル(DPP)、ビフェニル(DP)、ジフェニ
ルメタン(DPM)、リン酸トリクレジル(TCP)、
ジフェニルスルホキシド(DPSO)などが挙げられ、
中でも、BEN、DPS、TPP、DPSOが好まし
い。
【0016】屈折率調整剤のコア部における濃度および
分布を調整することによって、プラスチック光部材プリ
フォームの屈折率を所望の値に変化させることができ
る。その添加量は、用途および組み合わされるコア部原
料などに応じて適宜選ばれる。
【0017】その他、コア部およびクラッド部には、光
伝送性能を低下させない範囲で、その他の添加剤を添加
することができる。例えば、クラッド部およびコア部の
耐候性や耐久性などを向上させる目的で、安定剤を添加
することができる。また、光伝送性能の向上を目的とし
て、光信号増幅用の誘導放出機能化合物を添加すること
もできる。該化合物を添加することにより、減衰した信
号光を励起光により増幅することが可能となり、伝送距
離が向上するので、光伝送リンクの一部にファイバ増幅
器として使用することができる。これらの添加剤も、前
記原料モノマーに添加した後、重合することによって、
コア部およびクラッド部に含有させることができる。ま
た、特開平08−110420記載のようにこの屈折率
調整剤が、70℃以下で固体である材料を用いることに
より、ドーパントのモビリティーを抑えて延伸時に拡散
しにくいようになるため好ましい。
【0018】コア部およびクラッド部の原料であるモノ
マーを重合する際に、重合状態や重合速度を制御した
り、熱延伸工程に適する分子量に制御することを目的と
して、重合開始剤および重合調整剤(例えば、連鎖移動
剤のn−ブチルメルカプタン、n−ラウリルメルカプタ
ン等のメルカプト系化合物)を添加することができる。
重合開始剤としては、用いるモノマーに応じて適宜選択
することができるが、過酸化ベンゾイル(BPO)、t
−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート(PB
O)、ジ−t−ブチルパーオキシド(PBD)、t−ブ
チルパーオキシイソプロピルカーボネート(PBI)、
n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バ
ラレート(PHV)などが挙げられる。重合調整剤は、
主に重合体の分子量の調整のために用いられ、モノマー
に応じて適宜選択することができるが、1−ブタンチオ
ール、ドデシルメルカプタンなどが挙げられる。それぞ
れを2種類以上併用してもよい。
【0019】次に、本発明の実施の形態について詳細に
説明する。本発明の製造方法を光ファイバの製造方法に
適用した一実施形態は、中空状クラッド管の片端を密閉
する物質を形成させる第1の工程と、片端が密閉された
中空状のクラッド管(例えば円筒管)を作製する第2の
工程と、前記クラッド管の中空部で加熱重合を行うこと
によりコア部となる領域を形成し、コア部およびクラッ
ド部に各々対応する領域からなるプリフォームを作製す
る第3の工程と、得られたプリフォームを延伸する第4
の工程とからなる。前記第1の工程では、モノマーと該
モノマーの重合体とを含有する組成物を含む容器を回転
させながら前記モノマーを重合させ、中空状のクラッド
管を形成する。
【0020】本実施の形態において、前記第1の工程で
は、予定する中空状(例えば円筒形状)のクラッド管の
片端を密閉するための物質を作製する。密閉のための物
質は円筒形状の容器に予定するプリフォームを構成する
原料モノマーには実質的に溶解せず、該プリフォームを
構成する重合体とは相互作用を有し完全に密着する重合
体をあらかじめ容器の片端に配置する。前記第2の工程
では片端が密閉された中空状(例えば円筒形状)のクラ
ッド管を作製する。クラッド管は、円筒形状の容器に原
料となるモノマーおよび該モノマーの重合体を含有する
組成物が注入された容器を回転(好ましくは、円筒の軸
を水平に維持した状態で回転)させつつ、前記モノマー
を重合させることにより作製することができる。この
際、回転重合時に方端を密閉する物質は少なくも一方の
端部に把持されていることが好ましく、重合完了時には
速やかに取り出せることが好ましい。なお、端部を密閉
する物質は加熱重合を行う際に溶融しないような物質を
選択すべきであり、その融点は少なくともクラッド管の
作製時の重合温度Tc以上であることが好ましい。この
場合には、クラッド管重合完了時には片端が完全に密封
されたクラッド管を好適に作製できる。
【0021】容器内には、モノマーおよび該モノマーの
重合体とともに、重合開始剤、重合調整剤および所望に
より添加される安定剤などを注入することができる。
【0022】クラッド管の原料として使用するモノマー
の重合体と回転重合によって生成する重合体の分子量は
互いに等しいことが好ましい。双方の重合体の分子量が
同一であると、光学的特性をはじめとする種々の特性が
均一となり、高性能なプラスチック光ファイバの生産性
をより向上させることができる。双方の分子量は、容器
内にモノマーとともに重合調製剤を注入し、前記モノマ
ーが重合することによって生成する重合体の分子量を前
記重合調整剤によって調整することによって、略同一と
することができる。双方の重合体の量平均重合度は、4
00〜1200であるのが好ましく、500〜1000
であるのがより好ましく、800〜1000であるのが
さらに好ましい。重合体の分子量が前記範囲であると、
後の延伸工程を安定的に行うことができる。前記重合調
整剤は、一般的にはモノマーに対して、0.10〜0.
40質量%添加するのが好ましく、0.15〜0.30
質量%添加するのがより好ましい。
【0023】前記回転重合後に、残存するモノマーや重
合開始剤を完全に反応させることを目的として、得られ
た構造体に該回転重合の重合温度より高い温度の加熱処
理を施してもよい。
【0024】前記第1の工程に用いられる容器の大き
さ、注入されるクラッド管の原料組成物の量、回転重合
時の単位時間当たりの回転数については、目的とするプ
ラスチック光ファイバ(またはプリフォーム)の大きさ
に応じて、適宜決定することができる。
【0025】前記第2の工程では、前記第1の工程で作
製したクラッド管の中空部にコア部の原料であるモノマ
ーを注入し、該モノマーを重合する。前記モノマーとと
もに、重合開始剤、重合調整剤および所望により添加さ
れる屈折率調整剤などを注入することができる。その添
加量については、用いるモノマーの種類等に応じて好ま
しい範囲を適宜決定することができるが、重合開始剤
は、一般的にはモノマーに対して、0.005〜0.0
50質量%添加するのが好ましく、0.010〜0.0
20質量%添加するのがより好ましい。前記連鎖移動剤
は、一般的にはモノマーに対して、0.10〜0.40
質量%添加するのが好ましく、0.15〜0.30質量
%添加するのがより好ましい。なお、本実施の形態で
は、屈折率調整剤を用いなくても、モノマーを2種以上
用いる等により、屈折率の分布をコア部となる領域に導
入することもできる。
【0026】前記第2の工程では、前記クラッド管の中
空部に充填されたコア部の原料であるモノマーを重合す
る。前記モノマーの重合は、前記クラッド管の表面から
断面の半径方向、中心に向かって進行する。2種以上の
モノマーを用いた場合は、前記クラッド管を構成してい
る重合体に対して親和性の高いモノマーが前記クラッド
管の表面に偏在して主に重合し、該モノマーの比率の高
い重合体が形成される。中心に向かうに従って、形成さ
れた重合体中の前記親和性の高いモノマーの比率は低下
し、他のモノマーの比率が増加する。このようにして、
コア部となる領域内にモノマー組成の分布が生じ、その
結果、屈折率の分布が導入される。また、モノマーに屈
折率調整剤を添加して重合すると、国際公開WO93/
08488に記載されているようにコア液がクラッド内
壁を溶解しクラッドを構成している重合体が膨潤してゲ
ルを構成しながら、重合が進む。この時、前記クラッド
管を構成している重合体に対して親和性の高いモノマー
が前記クラッド管表面に偏在して重合し、外側には屈折
率調整剤濃度が低い重合体が形成される。中心に向かう
に従って、形成された重合体中の該屈折率調整剤の比率
は増加する。このようにして、コア部となる領域内に屈
折率調整剤の濃度分布が生じ、その結果、屈折率の分布
が導入される。
【0027】上記説明した様に、第2の工程において、
形成されるコア部となる領域に屈折率分布を導入するこ
とができるが、屈折率が互いに異なる部分間は熱挙動も
互いに異なるので、重合を一定温度で行うと、その熱挙
動の違いからコア部となる領域には、重合反応に対して
発生する体積収縮の応答性が変化し、プリフォーム内部
に気泡が混入する、もしくはミクロな空隙が発生し、得
られたプリフォームを加熱延伸した際に多数の気泡が発
生する現象が生じる可能性がある。重合温度が低すぎる
と、重合効率が低下し、生産性を著しく損ない、重合が
不完全となって光透過性が低下し、作製される光ファイ
バの光伝送能を損なう。一方、初期の重合温度が高すぎ
ると、初期の重合速度が著しく上昇し、コア部となる領
域の収縮に対して応答緩和できず、気泡発生の傾向が著
しい。従って、用いるモノマーに応じて、適切な重合温
度で重合することが望ましい。例えば、コア部の原料と
してMMAを用いた場合は、重合温度は50〜150℃
であるのが好ましく、80〜120℃であるのがより好
ましい。なお、クラッド管の中空部にコア部の原料であ
るモノマーを注入する前に、モノマーを減圧雰囲気で脱
水および/または脱気することにより、さらに気泡の発
生を軽減することもできる。
【0028】また、十時間半減期温度が前記モノマーの
沸点以上である重合開始剤を用い、該重合開始剤の半減
期の10%以上の時間まで重合するのが好ましい。この
条件で重合すると、初期重合速度を減少させ、初期重合
における体積収縮応答性を向上させることができ、その
結果、プリフォーム中の体積収縮による気泡混入を軽減
することができ、生産性を向上することができる。前記
モノマーとしてメチルメタクリレート(MMA)を用い
た場合、十時間半減期温度がMMAの沸点以上の重合開
始剤としては、前述の例示した重合開始剤のうち、PB
DおよびPHVが該当する。例えば、モノマーとしてM
MAを用い、重合開始剤としてPBDを用いた場合は、
初期重合温度を100〜110℃に48〜72時間維持
し、その後、120〜140℃まで昇温して24〜48
時間重合するのが好ましく、重合開始剤としてPHVを
用いた場合は、初期重合温度を100〜110℃に4〜
24時間維持し、120〜140℃まで昇温して24〜
48時間重合するのが好ましい。なお、昇温は段階的に
行っても、連続的に行ってもよいが、昇温にかける時間
は短いほうがよい。
【0029】第2の工程においては、特開平9−269
424記載のように加圧する、もしくはWO93/08
488に記載されているように減圧して重合を行っても
良い(以下、加圧状態で行う重合を「加圧重合」とい
う)。加圧重合を行う場合は、前記モノマーを注入した
クラッド管を、治具の中空部に挿入して、治具に支持さ
れた状態で重合を行うのが好ましい。前記治具は、前記
構造体を挿入可能な中空を有する形状であり、該中空部
は前記構造体と類似の形状を有しているのが好ましい。
例えば、クラッド管が円筒形状である態様では、前記治
具も円筒形状であるのが好ましい。治具は、加圧重合中
に前記クラッド管が変形するのを抑制するとともに、加
圧重合が進むに従ってコア部となる領域が収縮するのを
緩和可能に支持する。従って、治具の中空部は、前記ク
ラッド管の外径より大きい径を有し、前記クラッド管を
非密着状態で支持するのが好ましい。前記治具の中空部
は、前記クラッド管の外径に対して0.1%〜40%だ
け大きい径を有しているのが好ましく、10〜20%だ
け大きい径を有しているのがより好ましい。本実施の形
態では、前記治具は円筒形状なので、前記治具の内径
が、前記クラッド管の外径に対して0.1%〜40%だ
け大きいのが好ましく、10〜20%だけ大きいのがよ
り好ましい。
【0030】前記クラッド管を治具の中空部に挿入した
状態で、重合容器内に配置することができる。重合容器
内において、前記クラッド管は、円筒の高さ方向を垂直
にして配置されるのが好ましい。前記治具に支持された
状態で前記クラッド管を、重合容器内に配置した後、前
記重合容器内を加圧することができる。加圧させる場合
は窒素等の不活性ガスで重合容器内を加圧し、不活性ガ
ス雰囲気下で加圧重合を進行させるのが好ましい。重合
時の加圧の好ましい範囲については、用いるモノマーに
よって異なるが、重合時の圧力は、一般的には0.01
〜1.0MPa程度が好ましい。
【0031】第1および第2の工程を経て、プラスチッ
ク光ファイバのプリフォームが得られる。
【0032】なお、本実施の形態では、第1および第2
の工程として、モノマーを加熱重合する工程を示した
が、紫外線等の光線を照射することによってモノマーを
重合することもできる。
【0033】第3の工程では、第2の工程で作製された
プリフォームを加工することで所望の光伝送体を得るこ
とができる。例えば、プリフォームをスライスすること
で平板上のレンズを得たり、溶融延伸してプラスチック
光ファイバを得る事ができる。特に、プリフォームのコ
ア部となる領域が屈折率分布を有する場合は、均一な光
伝送能を有するプラスチック光ファイバを生産性高くし
かも安定的に製造することができる。
【0034】光ファイバへの加工の場合では、延伸はプ
リフォームを加熱して行う。加熱温度は、プリフォーム
の材質等に応じて、適宜決定することができるが、一般
的には、180〜250℃が好ましい。延伸条件(延伸
温度等)は、得られたプリフォームの径、所望のプラス
チック光ファイバの径および用いた材料等を考慮して、
適宜決定することができる。例えば、線引張力について
は、特開平7−234322のように溶融したプラスチ
ックを配向させるために10g以上としたり、特開平7
−234324の様に溶融延伸後に歪みを残さないよう
にするために100g以下とすることが好ましい。ま
た、特開平8−106015の様に延伸の際に予備加熱
を設ける方法などをとることもできる。以上の方法によ
って得られるファイバーについては、得られる素線の破
断伸びや硬度について特開平7−244220の様に規
定することでファイバの曲げや側圧特性を改善する事が
できる。
【0035】第3の工程を経て製造されたプラスチック
光ファイバは、そのままの形態で種々の用途に供するこ
とができる。また、保護や補強を目的として、その外側
に被覆層を有する形態、繊維層を有する形態、および/
または複数のファイバを束ねた形態で、種々の用途に供
することができる。被覆工程は、例えばファイバー素線
に被覆を設ける場合では、ファイバ素線の通る穴を有す
る対向したダイスにファイバ素線を通し、対向したダイ
ス間に溶融した被覆用の樹脂を満たし、ファイバ素線を
ダイス間を移動させることで被覆されたファイバを得る
ことができる。被覆層は可撓時に内部のファイバへの応
力から保護するため、ファイバ素線と融着していないこ
とが望ましい。さらにこの時、溶融した樹脂と接するこ
とでファイバ素線に熱的ダメージを加わるので、極力ダ
メージを押さえるような移動速度や低温で熔融できる樹
脂を選ぶことも望ましい。この時、被覆層の厚みは被覆
材の熔融温度や素線の引き抜き速度、被覆層の冷却温度
による。その他にも、光部材に塗布したモノマーを重合
させる方法やシートを巻き付ける方法、押し出し成形し
た中空管に光部材を通す方法などが知られている。
【0036】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、割合、操
作等は、本発明の精神から逸脱しない限り適宜変更する
ことができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体
例に制限されるものではない。 (実施例1)予定するプリフォームの外径に対応する内
径を有する内径22mm、長さ600mmの円筒状のガ
ラス容器を用意し、ガラス管を長手方向に対し垂直に静
置した状態で端部密閉用物質としてポリフッ化ビニリデ
ン(PVDF)のペレットを8g注入し、230℃のオ
イルバスにて30分加熱溶融させた。ポリフッ化ビニリ
デンは完全に溶解し、ガラス管の底部にクラッド管片端
密閉用の樹脂が形成された。次にガラス製フラスコにて
0.008%まで水分を除去したMMAモノマーに、重
合開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキ
サネートを0.4質量%、重合調整剤(連鎖移動剤)と
してn−ラウリルメルカプタンを0.5質量%配合し片
端密閉樹脂が形成された上記ガラス容器に注入し、1時
間30分の予備重合を経た後に70℃にて水平状態に保
持し3000rpmにて回転させながら3時間加熱重合
した。引き続き、90℃で24時間の熱処理し、片端が
PVDFによって密閉されたPMMAからなる中空状の
円筒管を得た。PVDFの融点は158〜178℃であ
り、円筒管作製時に溶融・変形などは観察されず、完全
に円筒管片端に密着していた。またPMMAからなる円
筒管は、偏心や内壁の揺らぎ、気泡の混入がなく、完全
な中空状の円筒管であった。さらに、外周にも変形や歪
みがなく回転重合中に管の変形などによる応力を受けて
いないことが確認された。得られた円筒管を構成してい
るPMMAの重量平均分子量を測定したところ、重量平
均分子量Mw=80000であった。また、重合固化し
たPMMAからなる円筒管の全光線透過率は93%であ
り、実質的にPVDFはPMMAからなる円筒管中に溶
解していないことが確認された。
【0037】次に、PMMAからなる円筒管の中空部
に、コア部の原料であるMMA(水分を充分に除去した
もの)と、屈折率調整剤として硫化ジフェニルをMMA
に対して12.5質量%混合した溶液を、精度0.2μ
mの四フッ化エチレン製メンブランフィルターで濾過し
つつ、濾液を直接注入した。開始剤としてジ−t−ブチ
ルパーオキサイド(十時間半減期温度は123.7℃)
をMMAに対し0.016質量%、連鎖移動剤としてド
デシルメルカプタンをMMAに対し0.27重量%配合
した。このMMA等を注入したPMMAからなる円筒管
を、該PMMA円筒管外径に対し9%だけ広い内径を持
つガラス管内に挿入した状態で、加圧重合容器に垂直に
静置した。その後、加圧重合容器内を窒素雰囲気に置換
した後、0.6Mpaまで加圧し、以下の図1に示す様
に、MMAの沸点(100℃)以上で且つPMMAのガ
ラス転移温度(Tg:110℃)以下である100℃
で、48時間加熱重合した。その後、加圧状態を維持し
ながらPMMAのTg℃以上で且つ(Tg+30)℃以
下である120℃で、24時間加熱重合および熱処理を
行い、プリフォームを得た。なお、100℃におけるジ
−t−ブチルパーオキサイドの半減期は180時間であ
る。この際に、PVDFの底部の変形などは無く、PVDFとPM
MAの界面の剥離やモノマーの漏れ出しも無く安定にプリ
フォームを製造することができた。また、得られたプリ
フォームには、重合完了時に体積収縮による気泡の混入
はなかった。このプリフォームを230℃の熱延伸によ
り線引きを行い、直径約700〜800μmのプラスチ
ック光ファイバを製造した。得られたファイバの伝送損
失値を測定したところ、波長650nmにて165dB
/kmであった。
【0038】(実施例2)初めに両端が空洞となってい
るPMMAからなる円筒管を作製し、その後内径25m
m、長さ30cmのガラス管中に8gのPVDFペレッ
トを投入し、ガラス管を長手方向に垂直に静置し230
℃にて30分加熱溶融させ、そのガラス管内に該PMM
A円筒管を挿入し融着した後に冷却固化させた。該PM
MA円筒管とPVDFは完全に密着し、実施例1と同様
の方法で安定にプリフォームを得ることができた。
【0039】(比較例1)円筒管の片端を密封する手段
として、エポキシ接着剤を用いて該PMMA円筒管の端
部をPMMAの板を用いて接着した。加圧重合の際に接
着部が剥離しモノマーが漏れ出す場合と、接着層にわず
かに残存している空気相がコア中へ入り込み気泡が発生
する場合があり、生産性を著しく低下させる結果となっ
た。
【0040】(比較例2)円筒管の片端を密封する物質
として融点が69℃であるポリエチレンオキシド(PE
O)を用いたところクラッド管形成時点で軟化し底部の
密封は不可能であった。また、実施例2の形態で底部を
形成したが、コア重合時に底部の溶融が激しく、プリフ
ォームを作製することができなかった。 (比較例3)円筒管の片端を密封する物質としてポリス
チレン(PS)を用いたところ、実施例1および2の形
態で安定して底部を形成することは可能であったが、実
施例1の形態では中空管形成時にMMAにPSが溶出し
中空管の全光線透過率が85%に低下し、実施例1およ
び2の双方の形態でコア重合時に底部がMMAに溶出
し、ファイバー化した際の伝送損失はそれぞれ250d
B/kmであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三好 孝仁 静岡県富士宮市大中里200番地 富士写真 フイルム株式会社内 (72)発明者 白倉 幸夫 静岡県富士宮市大中里200番地 富士写真 フイルム株式会社内 (72)発明者 小倉 徹 静岡県富士宮市大中里200番地 富士写真 フイルム株式会社内 (72)発明者 小池 康博 神奈川県横浜市青葉区市が尾町534の23 Fターム(参考) 2H050 AA17 AB43X AB43Y AB44X AB44Y AB50X AB50Y AC05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチックよりなる中空管に重合性モ
    ノマー組成物を注入し、中空管内で該組成物を重合させ
    るプラスチック光部材の製造方法であって、該組成物注
    入前に中空管の一端を樹脂で密封することを特徴とする
    プラスチック光部材の製造方法。
  2. 【請求項2】 プラスチックよりなる中空管に重合性モ
    ノマー組成物を注入し、中空管内で該組成物重を合させ
    るプラスチック光部材の製造方法であって、該組成物注
    入前に中空管の一端を中空管を構成するプラスチックと
    異なる組成を有する樹脂により密封することを特徴とす
    るプラスチック光部材の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1〜2いずれか1つに記載された
    製造方法で得られるプラスチック光部材。
  4. 【請求項4】 該屈折率の分布が断面において中央から
    外側に向けて変化する請求項3に記載のプラスチック光
    部材。
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