JP2003229727A - 非線形歪補償回路 - Google Patents

非線形歪補償回路

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JP2003229727A
JP2003229727A JP2002027580A JP2002027580A JP2003229727A JP 2003229727 A JP2003229727 A JP 2003229727A JP 2002027580 A JP2002027580 A JP 2002027580A JP 2002027580 A JP2002027580 A JP 2002027580A JP 2003229727 A JP2003229727 A JP 2003229727A
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Yoshihiko Tezuka
吉彦 手塚
Hiroyuki Toda
浩幸 戸田
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Japan Radio Co Ltd
Nagano Japan Radio Co Ltd
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Japan Radio Co Ltd
Nagano Japan Radio Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高効率を維持しつつ被補償高周波増幅回路の
非線形歪を十分に抑圧し得る非線形歪補償回路を提供す
る。 【解決手段】 被補償高周波増幅回路の非線形歪を補償
するための非線形歪補償回路1であって、非線形歪とし
ての3次混変調歪〜N次混変調歪をそれぞれ補償可能な
3次歪信号ε3からN次歪信号εNまでの歪信号を高周
波信号Siに基づいて生成すると共に、生成した3次歪
信号ε3からN次歪信号εNまでの歪信号と高周波信号
Siとを合成して出力信号Soとして出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被補償高周波増幅
回路における入出力特性の非線形特性によって発生する
非線形歪を補償する非線形歪補償回路に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】この種の非線形歪補償回路として、特公
平7−101820号公報や特公平8−15245号公
報などに開示されたプリディストーション方式による非
線形歪補償回路が従来から知られている。図6は、この
プリディストーション方式による非線形歪補償回路を備
えた高周波電力増幅装置61の基本構成を示している。
同図に示すように、高周波電力増幅装置61は、非線形
歪補償回路41、および被補償高周波増幅回路としての
高周波増幅回路51を備えて構成されている。この場
合、非線形歪補償回路41は、高周波増幅回路51の前
段に接続されて、高周波増幅回路51によって高周波信
号Siが増幅された際に発生する3次混変調歪を除去す
るための歪信号εを高周波信号Siに予め加えること
で、高周波増幅回路51から出力される出力信号Soの
高次混変調歪を低減する。
【0003】この高周波電力増幅装置61では、原理的
には、非線形歪補償回路41が、信号成分およびその電
圧が「Si」で表される高周波信号Siを入力した際
に、信号成分およびその電圧が電圧「ε」で表される歪
信号εをその内部で生成して、信号成分およびその電圧
が「(Si+ε)」で表されるドライブ信号Sdを出力
する。次いで、高周波増幅回路51が、ドライブ信号S
dを所定の利得Gで増幅する。この場合、高周波増幅回
路51の内部で発生する歪信号δの信号成分およびその
電圧を「δ」で表した場合、高周波増幅回路51は、信
号成分およびその電圧が「(G・(Si+ε)+δ)」
で表される出力信号Soを出力する。このため、非線形
歪補償回路41によって生成される歪信号εの信号成分
およびその電圧が「(δ/G)」で表されるとき、つま
り、「ε」と「δ」が逆相で、かつその電圧の絶対値が
(ε=δ/G)の関係式を満たすときに(以下、単に、
「補償条件」ともいう)、高周波増幅回路51は、信号
成分および電圧が「G・Si」で表される出力信号So
を出力する。したがって、上記の補償条件がすべての高
周波信号Siに対して成立する場合に、高周波増幅回路
51によって出力される出力信号Soの非線形歪成分が
補償されて抑圧されることになる。
【0004】具体的には、非線形歪補償回路41は、図
7に示すように、電力分配器42、歪発生回路43、線
形回路44,45および電力合成器46,47を備えて
構成されている。この非線形歪補償回路41では、電力
分配器42が高周波信号Siを3分配して、歪発生回路
43、線形回路44および線形回路45に出力する。次
いで、歪発生回路43が、分配された高周波信号Siを
所定の利得で増幅すると共に歪信号εを発生させて信号
S11として出力する。この場合、信号S11の信号成
分および電圧を「(Si+ε)」で表すものとする。同
時に、線形回路44が、分配された高周波信号Siを所
定の利得で線形増幅して信号S12として出力する。こ
の場合、信号S12の信号成分および電圧を「Si」で
表す。次いで、電力合成器46が、信号S12から信号
S11を差し引く。この結果、高周波信号Siが相殺さ
れて、電力合成器46は、逆相の歪信号εを信号S13
として出力する。一方、線形回路45も、分配された高
周波信号Siを所定の利得で線形増幅して信号S14と
して出力する。この場合、信号S14の信号成分および
電圧を「Si」で表すものとする。次いで、電力合成器
47が、信号S13と信号S14とを加算して、信号成
分および電圧が「(Si+ε)」で表されるドライブ信
号Sdを生成する。したがって、高周波信号Siの電圧
レベル(振幅)、高周波信号Siの周波数、および温度
等をパラメータとした場合、このパラメータの変動に拘
わらず非線形歪補償回路41が上記のドライブ信号Sd
を出力する限り、高周波増幅回路51によって出力され
る出力信号Soの高次混変調歪が補償されて抑圧され
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この非線形
歪補償回路41には、以下の問題点がある。すなわち、
伝送信号の広帯域化が進む今日では、高周波増幅回路5
1によって送信される出力信号Soに含まれている高次
混変調歪のさらなる抑圧が要請されている。その一方、
従来の非線形歪補償回路41では、高周波増幅回路51
内で発生する3次混変調歪を抑圧すべく、高周波信号S
iに歪信号εを加えている。このため、従来の非線形歪
補償回路41を使用する高周波電力増幅装置61では、
3次混変調歪を抑圧できたとしても、5次混変調歪や7
次混変調歪などのさらに高次の混変調歪を除去すること
ができないのが現状である。したがって、従来は、さら
に高次の混変調歪を抑圧するために、高周波増幅回路5
1の内部に設けられている電力増幅器を線形的に増幅さ
せるべく多大な電流を供給したり、カットアンドトライ
によって電力増幅器のバイアス調整やマッチング調整な
どを行ったりしている。しかしながら、たとえ、これら
の方法を用いたとしても、例えば、5次混変調歪を抑圧
させることはできても7次混変調歪が増加したり、7次
混変調歪を抑圧させることはできても5次混変調歪が増
加したりするといったように、すべての高次混変調歪を
一律的に抑圧するのは非常に困難である。加えて、これ
らの方法を採用した場合、消費電流の増加に起因する効
率の低下、および調整コストの高騰に起因する装置コス
トの高騰などの問題が生じている。
【0006】本発明は、かかる問題点に鑑みてなされた
ものであり、高効率を維持しつつ被補償高周波増幅回路
の非線形歪を十分に抑圧し得る非線形歪補償回路を提供
することを主目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく本
発明に係る非線形歪補償回路は、被補償高周波増幅回路
の非線形歪を補償するための非線形歪補償回路であっ
て、前記非線形歪としてのN次混変調歪(Nは自然数の
3と、5以上の奇数のうちの任意の1つまたは任意の複
数との各々)をそれぞれ補償可能なN次歪信号を入力高
周波信号に基づいて生成すると共に、当該生成したN次
歪信号と前記入力高周波信号とを合成して出力信号とし
て出力する。
【0008】この場合、前記入力高周波信号に基づいて
前記各N次歪信号をそれぞれ生成する複数の歪生成回路
と、前記入力高周波信号を線形増幅する線形回路と、前
記生成された各N次歪信号および前記線形増幅された入
力高周波信号を合成して前記出力信号を生成する出力合
成回路とを備えているのが好ましい。
【0009】また、前記入力高周波信号を線形増幅する
線形回路と、前記入力高周波信号を入力して3次歪信号
を生成する3次歪生成回路と、前記入力高周波信号を入
力して3次歪信号および5次歪信号を生成する5次歪生
成回路と、前記出力信号を生成する出力合成回路とを備
え、前記出力合成回路は、前記3次歪生成回路の出力信
号を分配する第1分配器と、前記5次歪生成回路の出力
信号を分配する第2分配器と、当該第2分配器によって
分配された分配信号から前記第1分配器によって分配さ
れた分配信号を差し引いて前記5次歪信号を生成する第
1合成器と、前記第1分配器によって分配された前記3
次歪信号、前記第1合成器によって生成された前記5次
歪信号、および前記線形増幅された入力高周波信号を合
成して前記出力信号として出力する第2合成器とを備え
て構成されているのが好ましい。
【0010】さらに、前記3次歪生成回路によって出力
された前記出力信号のベクトル量を調整可能に構成され
た3次歪用ベクトル量調整回路と、前記5次歪生成回路
によって出力された前記出力信号のベクトル量を調整可
能に構成された5次歪用ベクトル量調整回路とを備えて
いるのが好ましい。
【0011】また、前記第1分配器によって分配された
前記3次歪信号のベクトル量を調整可能に構成された第
1ベクトル量調整回路と、前記第1合成器によって生成
された前記5次歪信号のベクトル量を調整可能に構成さ
れた第2ベクトル量調整回路とを備えているのが好まし
い。
【0012】また、前記入力高周波信号の周波数、前記
入力高周波信号の電力、当該非線形歪補償回路の内部ま
たは近傍の温度、および前記被補償高周波増幅回路の内
部または近傍の温度の少なくとも1つを検出する検出器
と、当該検出器によって検出される検出信号に対応させ
て前記3次歪用ベクトル量調整回路および前記5次歪用
ベクトル量調整回路の各調整量を記憶するメモリと、入
力した前記検出信号に対応する前記各調整量を前記メモ
リから読み出すと共に前記3次歪用ベクトル量調整回路
および前記5次歪用ベクトル量調整回路に対して対応す
る当該読み出した各調整量で制御する制御回路とを備え
ているのが好ましい。
【0013】さらに、前記被補償高周波増幅回路の出力
信号に含まれる前記非線形歪が低下するように前記第1
ベクトル量調整回路の調整量および前記第2ベクトル量
調整回路の調整量を制御する制御回路とを備えているの
が好ましい。
【0014】また、前記各ベクトル量調整回路は、対応
する前記歪信号の減衰量および位相量を調整可能に構成
されているのが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明に係る非線形歪補償回路の好適な実施の形態について
説明する。なお、本発明に係る非線形歪補償回路の後段
に接続される高周波増幅回路については、従来の高周波
増幅回路51と同様に構成されているため、重複した説
明を省略する。また、上述した構成要素や信号について
同一のものには同一の符号を付して重複した説明を省略
する。
【0016】最初に、図1に示すブロック図を参照して
非線形歪補償回路1の基本構成について説明する。この
非線形歪補償回路1は、被補償高周波増幅回路としての
高周波増幅回路51(図示せず)による電力増幅の際に
発生する3次混変調歪からN次混変調歪までの非線形歪
をプリディストーション方式によって補償可能なN次歪
信号εN(Nは、3以上所定数以下の奇数の各々、以
下、区別しないときには、「歪信号ε」ともいう)を高
周波信号Si(本発明における入力高周波信号)に基づ
いて生成可能に構成されている。具体的には、非線形歪
補償回路1は、高周波信号Siを分配信号S1−1,S
1−3,・・・S1ーN(以下、区別しないときには、
「分配信号S1」ともいう)に分配する入力分配器2を
備えている。また、非線形歪補償回路1は、3次歪信号
ε3を生成する3次歪生成回路3−3(以下、後述する
各歪生成回路を含めて区別しないときには、「歪生成回
路3」ともいう)と、3次歪信号ε3のベクトル量を調
整する3次歪用ベクトル量調整回路4−3(以下、後述
する各歪用ベクトル量調整回路を含めて区別しないとき
には、「ベクトル量調整回路4」ともいう)とを備えて
いる。なお、以下、この一対のM次(Mは3以上N以下
の奇数)歪生成回路3およびM次歪用ベクトル量調整回
路4を総称して単に、「M次歪生成系列」ともいう。さ
らに、非線形歪補償回路1は、5次からN次までの歪生
成系列を備えている。
【0017】また、非線形歪補償回路1は、分配信号S
1−1を例えば高周波信号Siの電力レベルまで線形増
幅する線形回路5と、各ベクトル量調整回路4から出力
された3次歪信号ε3〜N次歪信号εNおよび線形回路
5から出力された高周波信号Siを合成して本発明にお
ける出力信号に相当するドライブ信号Sdを出力する出
力合成回路6とを備えている。
【0018】次に、非線形歪補償回路1の動作原理につ
いて説明する。
【0019】この非線形歪補償回路1では、入力分配器
2が、高周波信号Siを分配して線形回路5および各歪
生成回路3−3〜3−Nに分配信号S1−1〜S1−N
を出力する。次いで、3次歪生成回路3−3が、3次混
変調歪を補償するための3次歪信号ε3を生成し、5次
歪生成回路3−5が5次混変調歪を補償するための5次
歪信号ε5を生成し、同様にして、N次までの他の歪生
成回路3が対応する高次混変調歪を補償するための高次
歪信号εを生成する。これにより、3次からN次までの
高次混変調歪を補償するための3次歪信号ε3〜N次歪
信号εNが生成される。一方、線形回路5は、分配信号
S1−1を例えば高周波信号Siと等しい電圧レベルま
で線形増幅する。次いで、出力合成回路6が、図2に示
すように、高周波信号Siと、3次歪信号ε3〜N次歪
信号εNまでの歪信号εとで合成されるドライブ信号S
dを出力する。この場合、同図では、3次歪信号ε3〜
N次歪信号εNの電圧位相が後述する高周波増幅回路5
1による増幅に起因して発生する高次混変調歪の電圧位
相と反転していることを容易に理解できるように、高周
波信号Siの信号成分を正の向きで表し、3次歪信号ε
3〜N次歪信号εNの信号成分を負の向きで表してい
る。
【0020】次いで、高周波増幅回路51がドライブ信
号Sdを入力して利得Gで電力増幅する。この際に、高
周波増幅回路51は、ドライブ信号Sdに3次歪信号ε
3〜N次歪信号εNが含まれていないとした場合、図3
に示すように、信号成分が(G・Sd+δ)で表される
出力信号Soを生成する。この場合、歪信号δは、同図
に示す3次歪信号ε3’、5次歪信号ε5’、・・・、
N次歪信号εN’の合成信号を意味する。したがって、
上記した補償条件(ε=δ/G)を満足するように、3
次歪信号ε3、5次歪信号ε5、7次歪信号ε7、・・
・、N次歪信号εNの各電圧レベルを利得Gでそれぞれ
乗算した電圧レベルと、高周波増幅回路51で発生する
3次歪信号ε3’、5次歪信号ε5’、7次歪信号ε
7’、・・・、N次歪信号εN’の各電圧レベルとが互
いに等しく、かつ位相が反転しているときには、3次歪
信号ε3によって3次歪信号ε3’が補償されて抑圧さ
れ、同様にして、5次歪信号ε5によって5次歪信号ε
5’が補償されて抑圧され、7次歪信号ε7によって7
次歪信号ε7’が補償されて抑圧され、・・・、N次歪
信号εNによってN次歪信号εN’が補償されて抑圧さ
れる。この結果、非線形歪補償回路1から出力されるド
ライブ信号Sdを高周波増幅回路51に入力した際に
は、図4に示すように、理論的には、各高次混変調歪が
抑圧されるため、高周波増幅回路51は、高周波信号S
iの信号成分のみからなる出力信号Soを出力する。
【0021】このように、この非線形歪補償回路1によ
れば、プリディストーション方式で3次歪信号ε3から
N次歪信号εNまでの歪信号εと高周波信号Siとを合
成することにより、効率の低下や、調整コストに起因す
る装置コストの高騰を招くことなく、高周波増幅回路5
1が高周波信号Siを増幅する際に発生する高次混変調
歪を一律的かつ十分に抑圧することができる。
【0022】次に、図5を参照して、高周波増幅回路5
1で発生する高次混変調歪として3次混変調歪、5次混
変調歪および7次混変調歪を抑圧させるための3次歪信
号ε3、5次歪信号ε5および7次歪信号ε7を高周波
信号Siと合成する非線形歪補償回路1の具体的な一構
成例について説明する。なお、上記した構成要素と同一
の構成要素には同一の符号を付して重複した説明を省略
する。
【0023】同図に示すように、非線形歪補償回路1
は、トランスなどで構成された入力分配器2と、3次歪
信号ε3を生成する3次歪生成回路3−3、5次歪信号
ε5を生成する5次歪生成回路3−5、7次歪信号ε7
を生成する7次歪生成回路3−7、3次歪信号ε3のベ
クトル量を調整するための3次歪用ベクトル量調整回路
4−3、5次歪信号ε5のベクトル量を調整するための
5次歪用ベクトル量調整回路4−5、7次歪信号ε7の
ベクトル量を調整するための7次歪用ベクトル量調整回
路4−7、出力合成回路6、高周波信号Siの電力値お
よび周波数を検出するP・F検出器(検出器)11、例
えば非線形歪補償回路1の内部温度を検出する温度セン
サ(検出器)12、CPU(制御回路)13、ROM
(メモリ)14および歪検出器15を備えて構成されて
いる。なお、温度センサ12としては、非線形歪補償回
路1の内部または近傍の温度、および高周波増幅回路5
1の内部または近傍の温度の少なくとも1つを検出可能
に構成することができる。
【0024】3次歪生成回路3−3、5次歪生成回路3
−5および7次歪生成回路3−7は、同一に構成され、
分配器21、可変増幅器22、可変減衰器23、増幅器
24、可変位相器25および合成器26を備えて構成さ
れている。この場合、分配器21は、分配信号S1を2
分配して可変増幅器22および増幅器24に出力する。
可変増幅器22は、CPU13から出力される利得制御
信号SG3(またはSG5,SG7、以下、区別しないときに
は、「利得制御信号SG 」ともいう)に応じた利得で分
配信号S1を増幅する。また、3次歪生成回路3−3の
可変増幅器22は、増幅器24の利得よりも大きい利得
で分配信号S1を非線形増幅して、増幅した高周波信号
Siと共に3次歪信号ε3を出力する。一方、5次歪生
成回路3−5の可変増幅器22は、増幅器24の利得よ
りも大きい利得で分配信号S1を非線形増幅して、増幅
した高周波信号Siと共に3次歪信号ε3および5次歪
信号ε5を出力する。また、7次歪生成回路3−7の可
変増幅器22は、増幅器24の利得よりも大きい利得で
分配信号S1を非線形増幅して、増幅した高周波信号S
iと共に3次歪信号ε3、5次歪信号ε5および7次歪
信号ε7を出力する。可変減衰器23は、CPU13か
ら出力される減衰量制御信号SA3(またはSA5,SA7、
以下、区別しないときには、「減衰量制御信号SA 」と
もいう)に応じた減衰量で可変増幅器22によって増幅
された分配信号S1を減衰させて、可変位相器25によ
って出力される高周波信号Siと同じ電力の高周波信号
Siを出力する。増幅器24は、固定利得で分配信号S
1を線形増幅する。可変位相器25は、CPU13から
出力される位相量制御信号SP3(またはSP5,SP7、以
下、区別しないときには、「位相量制御信号SP 」とも
いう)に応じた位相量で増幅器24によって増幅された
高周波信号Siの位相を移相させる。合成器26は、可
変位相器25によって出力された分配信号S1から可変
減衰器23によって出力された分配信号S1を差し引く
ことで3次歪信号ε3としての高周波信号S2−3を生
成して出力する。
【0025】この3次歪生成回路3−3では、可変増幅
器22が、分配器21によって分配された高周波信号S
iを利得制御信号SG3に応じた利得で増幅して、その非
線形入出力特性に応じた電圧レベルの3次歪信号ε3を
生成すると共に、増幅した高周波信号Siと共に3次歪
信号ε3を可変減衰器23に出力する。また、可変減衰
器23は、減衰量制御信号SA3に応じた減衰量で可変増
幅器22の出力信号を減衰させて合成器26の一方の入
力端子に出力する。一方、増幅器24は、所定の固定利
得で高周波信号Siを線形増幅して可変位相器25に出
力し、可変位相器25が、位相量制御信号SP3に応じた
位相量で増幅器24の出力信号(高周波信号Si)を移
相させて合成器26の他方の入力端子に出力する。ま
た、合成器26は、他方の入力端子に入力された高周波
信号Siから、一方の入力端子に入力された高周波信号
Siおよび3次歪信号ε3を差し引く。この場合、可変
減衰器23によって一方の入力端子に入力される高周波
信号Siの電力が調整され、かつ可変位相器25によっ
て他方の入力端子に入力される高周波信号Siの位相が
調整されるため、一方の入力端子に入力される高周波信
号Siと他方の入力端子に入力される高周波信号Siと
が確実に相殺される。したがって、合成器26は、逆相
の3次歪信号ε3のみを高周波信号S2−3(以下、高
周波信号S2−5,S2−7を含めて区別しないときに
は、「高周波信号S2」ともいう)として出力する。
【0026】また、5次歪生成回路3−5では、可変増
幅器22が、分配器21によって分配された高周波信号
Siを利得制御信号SG5に応じた利得で増幅して、その
非線形入出力特性に応じた電圧レベルの3次歪信号ε3
および5次歪信号ε5を生成すると共に、増幅した高周
波信号Siと共に3次歪信号ε3および5次歪信号ε5
を可変減衰器23に出力する。また、可変減衰器23
は、減衰量制御信号SA5に応じた減衰量で可変増幅器2
2の出力信号を減衰させて合成器26の一方の入力端子
に出力する。一方、増幅器24は、所定の固定利得で高
周波信号Siを線形増幅して合成器26に出力し、可変
位相器25が、位相量制御信号SP5に応じた位相量で増
幅器24の出力信号(高周波信号Si)を移相させて合
成器26の他方の入力端子に出力する。また、合成器2
6は、他方の入力端子に入力された高周波信号Siか
ら、一方の入力端子に入力された高周波信号Si、3次
歪信号ε3および5次歪信号ε5を差し引く。この場
合、可変減衰器23によって一方の入力端子に入力され
る高周波信号Siの電力が調整され、かつ可変位相器2
5によって他方の入力端子に入力される高周波信号Si
の位相が調整されるため、一方の入力端子に入力される
高周波信号Siと他方の入力端子に入力される高周波信
号Siとが確実に相殺される。したがって、合成器26
は、逆相の3次歪信号ε3および5次歪信号ε5のみを
高周波信号S2−5として出力する。
【0027】また、7次歪生成回路3−7では、可変増
幅器22が、分配器21によって分配された高周波信号
Siを利得制御信号SG7に応じた利得で増幅して、その
非線形入出力特性に応じた電圧レベルの3次歪信号ε
3、5次歪信号ε5および7次歪信号ε7を生成すると
共に、増幅した高周波信号Siと共に3次歪信号ε3、
5次歪信号ε5および7次歪信号ε7を可変減衰器23
に出力する。また、可変減衰器23は、減衰量制御信号
SA7に応じた減衰量で可変増幅器22の出力信号を減衰
させて合成器26の一方の入力端子に出力する。一方、
増幅器24は、所定の固定利得で高周波信号Siを線形
増幅して可変位相器25に出力し、可変位相器25が、
位相量制御信号SP7に応じた位相量で増幅器24の出力
信号(高周波信号Si)を移相させて合成器26の他方
の入力端子に出力する。また、合成器26は、他方の入
力端子に入力された高周波信号Siから、一方の入力端
子に入力された高周波信号Si、3次歪信号ε3、5次
歪信号ε5および7次歪信号ε7を差し引く。この場
合、可変減衰器23によって一方の入力端子に入力され
る高周波信号Siの電力が調整され、かつ可変位相器2
5によって他方の入力端子に入力される高周波信号Si
の位相が調整されるため、一方の入力端子に入力される
高周波信号Siと他方の入力端子に入力される高周波信
号Siとが確実に相殺される。したがって、合成器26
は、逆相の3次歪信号ε3、5次歪信号ε5および7次
歪信号ε7のみを高周波信号S2−7として出力する。
【0028】3次歪用ベクトル量調整回路4−3は、C
PU13から出力されるベクトル量制御信号SV3に応じ
て、高周波信号S2−3の位相を移相させると共に必要
に応じて減衰量を可変して3次歪信号ε3を高周波信号
S2−3として出力する。5次歪用ベクトル量調整回路
4−5は、CPU13から出力されるベクトル量制御信
号SV5に応じて、高周波信号S2−5の位相を移相させ
ると共に必要に応じて減衰量を可変して3次歪信号ε3
および5次歪信号ε5を高周波信号S2−5として出力
する。7次歪用ベクトル量調整回路4−7は、CPU1
3から出力されるベクトル量制御信号SV7(以下、ベク
トル量制御信号SV3〜SV7を区別しないときには、「ベ
クトル量制御信号SV 」ともいう)に応じて、高周波信
号S2−7の位相を移相させると共に必要に応じて減衰
量を可変して3次歪信号ε3、5次歪信号ε5および7
次歪信号ε7を高周波信号S2−7として出力する。
【0029】出力合成回路6は、3次歪用ベクトル量調
整回路4−3から出力される高周波信号S2−3を2分
配する分配器(本発明における第1分配器)31−3
と、5次歪用ベクトル量調整回路4−5から出力される
高周波信号S2−5を2分配する分配器(本発明におけ
る第2分配器)31−5と、7次歪用ベクトル量調整回
路4−7から出力される高周波信号S2−7を2分配す
る分配器31−7と、合成器32,33と、ベクトル量
調整回路34−3,34−5,34−7と、合成器35
と、分配器36とを備えて構成されている。この場合、
合成器32は、本発明における第1合成器に相当し、分
配器31−3によって分配された高周波信号S2−3
(つまり3次歪信号ε3)と分配器31−5によって分
配された高周波信号S2−5(つまり3次歪信号ε3お
よび5次歪信号ε5)とを入力して、位相を反転した高
周波信号S2−3と高周波信号S2−5とを合成するこ
とによって、つまり高周波信号S2−5から高周波信号
S2−3を差し引いて5次歪信号ε5を生成する。ま
た、合成器33は、本発明における第2合成器に相当
し、分配器31−5によって分配された高周波信号S2
−5と分配器31−7によって分配された高周波信号S
2−7(つまり3次歪信号ε3、5次歪信号ε5および
7次歪信号ε7)とを入力して、位相を反転した高周波
信号S2−5と高周波信号S2−7とを合成することに
よって、つまり高周波信号S2−7から高周波信号S2
−5を差し引いて7次歪信号ε7を生成する。
【0030】また、ベクトル量調整回路34−3は、本
発明における第1ベクトル量調整回路に相当し、CPU
13から出力されるベクトル量制御信号SVO3 (以下、
ベクトル量制御信号SVO5 〜SVO7 を区別しないときに
は、「ベクトル量制御信号SVO」ともいう)に応じて、
高周波信号S2−3(つまり3次歪信号ε3)の位相を
移相させると共に必要に応じて減衰量を可変して3次歪
信号ε3を合成器35に出力する。ベクトル量調整回路
34−5は、本発明における第2ベクトル量調整回路に
相当し、CPU13から出力されるベクトル量制御信号
SVO5 に応じて、5次歪信号ε5の位相を移相させると
共に必要に応じて減衰量を可変して5次歪信号ε5を合
成器35に出力する。ベクトル量調整回路34−7は、
CPU13から出力されるベクトル量制御信号SVO7 に
応じて、7次歪信号ε7の位相を移相させると共に必要
に応じて減衰量を可変して7次歪信号ε7を合成器35
に出力する。なお、分配器31−7から出力される高周
波信号S2−7のうちの一方は、9次歪生成系列を配設
するときに必要とされる合成器(図示せず)に入力さ
れ、9次歪生成系列を配設しないときには、分配器31
−7の出力インピーダンスと同じ抵抗値の終端抵抗で終
端される。
【0031】合成器35は、線形回路5によって線形増
幅された高周波信号Si、3次歪信号ε3、5次歪信号
ε5および7次歪信号ε7を入力して合成することによ
ってドライブ信号Sd(つまり(Si+ε3+ε5+ε
7))を生成して出力する。分配器36は、例えば、方
向性結合器で構成され、ドライブ信号Sdの一部を歪検
出器15に出力する。
【0032】また、ROM14は、高周波信号Siの各
電力値および各周波数と、温度センサ12によって検出
される検出温度との各組合せに対応させて、各歪生成回
路3内の各可変増幅器22、可変減衰器23および可変
位相器25に対する利得制御量、減衰制御量および位相
制御量と、各ベクトル量調整回路4に対するベクトル制
御量とを記憶する。また、ROM14は、合成器35に
よって出力される各歪信号εのレベルや位相に関して、
高周波増幅回路51によって増幅された際に発生する高
次混変調歪を最も補償可能な値を記憶する。一方、CP
U13は、P・F検出器11および温度センサ12から
それぞれ出力される各検出信号に基づいて、各可変増幅
器22に対しては利得制御信号SG を、各可変減衰器2
3に対しては減衰量制御信号SA を、各可変位相器25
に対しては位相量制御信号SP を、各ベクトル量調整回
路4に対してはベクトル量制御信号SV を出力する。ま
た、CPU13は、後述する歪検出器15の検出信号に
基づいて、高周波増幅回路51の出力信号に含まれる高
次混変調歪(非線形歪)が低下するようにベクトル量調
整回路34−3,34−5,34−7の各調整量を制御
する。歪検出器15は、出力合成回路6から出力される
ドライブ信号(出力信号)Sdに含まれている歪信号ε
および高周波増幅回路51の出力信号に含まれている高
次混変調歪の一方を検出する。
【0033】次に、この非線形歪補償回路1の全体的な
動作について説明する。
【0034】最初に、高周波信号Siが入力されると、
P・F検出器11が、高周波信号Siの電力値および周
波数を検出して検出信号としてCPU13に出力する。
また、温度センサ12は、その周囲温度を検出して検出
信号としてCPU13に出力する。次いで、CPU13
は、入力される各検出信号を常時監視して、その各検出
信号の組合せに対応する各可変増幅器22に対する利得
制御量、各可変減衰器23に対する減衰制御量、各可変
位相器25に対する位相制御量、並びに各ベクトル量調
整回路4に対する位相制御量および減衰制御量をROM
14から読み出して、リアルタイムで、その各制御量に
応じた利得制御信号SG 、減衰量制御信号SA 、位相量
制御信号SP およびベクトル量制御信号SV を対応する
各回路に出力する。
【0035】次いで、各歪生成回路3では、各可変増幅
器22が、分配された高周波信号Siを各利得制御信号
SG に基づく利得で増幅し、各可変減衰器23が、可変
増幅器22の出力信号を各減衰量制御信号SA に基づく
減衰量で減衰させて各合成器26の一方の入力部に出力
する。また、各増幅器24が、分配された高周波信号S
iを所定固定利得で増幅し、各可変位相器25が、増幅
器24の出力信号の位相を各位相量制御信号SP に基づ
く位相量で移相させて各合成器26の他方の入力部に出
力する。したがって、3次歪生成回路3−3の合成器2
6が、3次歪信号ε3を高周波信号S2−3として出力
する。同様にして、5次歪生成回路3−5の合成器26
が、3次歪信号ε3および5次歪信号ε5を高周波信号
S2−5として出力し、7次歪生成回路3−7の合成器
26が、3次歪信号ε3、5次歪信号ε5および7次歪
信号ε7を高周波信号S2−7として出力する。
【0036】続いて、3次歪用ベクトル量調整回路4−
3がベクトル量制御信号SV3に基づく位相量および減衰
量で高周波信号S2−3の位相を移相すると共に減衰さ
せて出力合成回路内の分配器31−3に出力する。同様
にして、5次歪用ベクトル量調整回路4−5がベクトル
量制御信号SV5に基づく位相量および減衰量で高周波信
号S2−5の位相を移相すると共に減衰させて分配器3
1−5に出力し、7次歪用ベクトル量調整回路4−7が
ベクトル量制御信号SV7に基づく位相量および減衰量で
高周波信号S2−7の位相を移相すると共に減衰させて
分配器31−7に出力する。次いで、各分配器31が、
高周波信号S2を2分配して出力する。また、合成器3
2が高周波信号S2−3,S2−5を合成して5次歪信
号ε5を出力し、合成器33が高周波信号S2−5,S
2−7を合成して7次歪信号ε7を出力する。次いで、
各ベクトル量調整回路34が各ベクトル量制御信号SVO
に基づく位相量および減衰量で高周波信号S2の位相を
移相すると共に減衰させて合成器35に出力する。ま
た、線形回路5が、入力分配器2によって分配された分
配信号S1−1(高周波信号Si)を所定の利得で線形
増幅して合成器35に出力する。続いて、合成器35
が、3次歪信号ε3、5次歪信号ε5、7次歪信号ε7
および高周波信号Siを合成してドライブ信号Sdを出
力する。
【0037】次いで、高周波増幅回路51が、ドライブ
信号Sdを電力増幅して出力信号Soを出力する。この
際に、高周波増幅回路51は、高周波信号Siを増幅し
た際に発生する高次混変調歪と逆相の3次歪信号ε3、
5次歪信号ε5および7次歪信号ε7がドライブ信号S
dに予め加えられているため、3次から7次までの高次
混変調歪が極めて抑圧された出力信号Soを生成する。
この場合、歪検出器15が、分配器36から出力された
ドライブ信号Sdに含まれている歪信号εを検出して歪
検出信号SεとしてCPU13に出力する。また、CP
U13は、入力した歪検出信号Sεに基づいて、各歪信
号εのレベルや位相がROM14内に予め記憶されてい
るレベルおよび位相と等しくなるように、各ベクトル量
調整回路34のベクトル量を調整する。この場合、RO
M14は、高周波増幅回路51によって生成される高次
混変調歪を最も抑圧し得る各歪信号εのレベルおよび位
相を予め記憶している。したがって、高周波増幅回路5
1によって生成される高次混変調歪が確実に補償されて
十分かつ最も抑圧される。
【0038】このように、この非線形歪補償回路1によ
れば、プリディストーション方式で3次歪信号ε3から
7次歪信号ε7までの歪信号εと高周波信号Siとを合
成することにより、効率の低下や、調整コストに起因す
る装置コストの高騰を招くことなく、高周波増幅回路5
1が高周波信号を増幅する際に発生する高次混変調歪の
うちの主要な3次混変調歪から7次混変調歪までを一律
的かつ十分に抑圧することができる。また、CPU13
がP・F検出器11および温度センサ12によって検出
された各検出信号に対応する調整量をROM14から読
み出すと共に各可変増幅器22、可変減衰器23、可変
位相器25および各ベクトル量調整回路4に対して読み
出した調整量で制御することにより、高周波信号Siの
周波数、高周波信号Siの電力、および内部温度に応じ
て、高周波増幅回路51で発生する非線形歪としての3
次混変調歪から7次混変調歪までの高次混変調歪を十分
に抑圧し得る3次歪信号ε3〜7次歪信号ε7を適切に
生成することができる。この結果、高次混変調歪を一律
的かつ十分に、しかも自動的に抑圧することができる。
また、CPU13がドライブ信号Sdまたは出力信号S
oに基づいて、出力信号Soに含まれている高次混変調
歪が最も低下するように各ベクトル量調整回路34のベ
クトル量を調整することで、高周波増幅回路51は高次
混変調歪が最も抑制された出力信号Soを生成すること
ができる。
【0039】なお、本発明は、上記の発明の実施の形態
に示した構成に限らず、適宜変更することができる。例
えば、図1に示した非線形歪補償回路1では、3次歪生
成系列からN次歪生成系列を有する構成例について説明
したが、すべての歪生成系列を有する必要はなく、少な
くとも、3次歪生成系列と、5次歪生成系列からN次歪
生成系列のうちの任意の1つまたは複数の歪生成系列と
を備えることで、高周波増幅回路51が高周波信号Si
を増幅する際に発生する高次混変調歪のうちの抑圧を欲
する高次混変調歪を十分に抑圧することができる。ま
た、高次混変調歪としては、3次混変調歪および5次混
変調歪が最も弊害をもたらすため、少なくとも3次歪生
成系列および5次歪生成系列を備えるのが好ましい。こ
の場合の構成としては、上記発明の実施の形態に示した
非線形歪補償回路1から7次歪生成系列を省くことで、
容易に構成することができる。さらに、本発明はプリデ
ィストーション方式の非線形歪補償回路の適用のみなら
ず、フォワード方式の非線形歪補償装置内の歪信号εを
生成する回路として有効に適用することができる。
【0040】また、この非線形歪補償回路1では、歪生
成回路3内部の非線形入出力特性を利用して歪信号εを
生成しているが、ダイオードの非線形入出力特性を利用
してその入出力振幅特性(べき級数展開近似)に応じた
振幅の歪信号εを生成してもよいし、ベクトル合成法
(歪信号εの振幅と位相の非線形特性を同時に補償する
方法)によって各直交成分の大きさを制御してベクトル
合成を行うことで歪信号のベクトル量を直接的に制御し
て歪信号εを生成してもよい。さらに、本発明の実施の
形態では、本発明における検出器として、高周波信号S
iの周波数および電力を検出するP・F検出器11と、
非線形歪補償回路1の内部温度を検出する温度センサ1
2とを備えた構成について説明したが、本発明における
検出器としては、高周波信号Siの周波数、高周波信号
Siの電力、非線形歪補償回路の内部または近傍の温
度、および高周波増幅回路51の内部または近傍の温度
の少なくとも1つを検出する検出回路の構成を採用する
ことができる。
【0041】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る非線形歪補
償回路によれば、入力高周波信号に基づいて非線形歪と
してのN次混変調歪をそれぞれ補償可能なN次歪信号と
入力高周波信号とを合成して出力信号として出力するこ
とにより、高周波増幅回路における効率の低下や、調整
コストに起因する装置コストの高騰を招くことなく、高
周波増幅回路が高周波信号を増幅する際に発生する高次
混変調歪を一律的かつ十分に抑圧することができる。こ
の場合、複数の歪生成回路、線形回路、および出力合成
回路を備えることで、入力高周波信号に基づいて各N次
歪信号をそれぞれ確実に生成することができ、また、生
成した各N次歪信号と線形増幅した入力高周波信号とを
合成して出力信号を確実に生成することができる。
【0042】また、本発明に係る非線形歪補償回路によ
れば、線形回路、3次歪生成回路および5次歪生成回路
を備え、出力合成回路の第1分配器が3次歪生成回路の
出力信号を分配し、第2分配器が5次歪生成回路の出力
信号を分配し、かつ第1合成器が第2分配器によって分
配された分配信号から第1分配器によって分配された分
配信号を差し引いて5次歪信号を生成し、第2合成器
が、第1分配器によって分配された3次歪信号、第1合
成器によって生成された5次歪信号、および線形増幅さ
れた入力高周波信号を合成して出力信号を出力すること
により、入力高周波信号に基づいて、3次歪信号、5次
歪信号、および線形増幅された入力高周波信号を確実に
生成することができると共に、非線形歪としての3次混
変調歪および5次混変調歪を十分に抑圧し得る歪信号を
確実に生成することができる。
【0043】さらに、本発明に係る非線形歪補償回路に
よれば、3次歪生成回路によって出力された出力信号の
ベクトル量を調整可能に構成された3次歪用ベクトル量
調整回路と、5次歪生成回路によって出力された出力信
号のベクトル量を調整可能に構成された5次歪用ベクト
ル量調整回路とを備えたことにより、入力高周波信号に
基づいて、非線形歪としての3次混変調歪およびN次混
変調歪を十分に補償して抑圧し得る歪信号を一層確実に
生成することができる。
【0044】また、本発明に係る非線形歪補償回路によ
れば、第1分配器によって分配された3次歪信号のベク
トル量を調整可能に構成された第1ベクトル量調整回路
と、第1合成器によって生成された5次歪信号のベクト
ル量を調整可能に構成された第2ベクトル量調整回路と
を備えたことにより、両ベクトル量調整回路を調整する
ことで、非線形歪としての3次混変調歪および5次混変
調歪をより確実に補償して抑圧し得る歪信号を生成する
ことができる。
【0045】また、本発明に係る非線形歪補償回路によ
れば、制御回路が、検出回路の検出信号を入力してその
検出信号に対応する各調整量をメモリから読み出すと共
に3次歪用ベクトル量調整回路および5次歪用ベクトル
量調整回路に対して対応する読み出した各調整量で制御
することにより、入力高周波信号の周波数、入力高周波
信号の電力、非線形歪補償回路の内部または近傍の温
度、および被補償高周波増幅回路の内部または近傍の温
度の少なくとも1つに応じて、非線形歪としての3次混
変調歪および5次混変調歪を十分に抑圧し得る歪信号を
適切に生成することができる結果、高周波増幅回路が高
周波信号を増幅する際に発生する高次混変調歪を一律的
かつ十分に、しかも自動的に抑圧することができる。
【0046】さらに、本発明に係る非線形歪補償回路に
よれば、制御回路が被補償高周波増幅回路の出力信号に
含まれる非線形歪が低下するように第1ベクトル量調整
回路の調整量および第2ベクトル量調整回路の調整量を
制御することにより、高周波増幅回路が高周波信号を増
幅する際に発生する高次混変調歪を一律的かつ十分に、
しかも自動的に抑圧することができる。
【0047】また、本発明に係る非線形歪補償回路によ
れば、対応する歪信号の減衰量および位相量を調整可能
に各ベクトル量調整回路を構成したことにより、非線形
歪としての3次混変調歪および5次混変調歪をより確実
に補償して抑圧し得る歪信号を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る非線形歪補償回路1
の基本ブロック図である。
【図2】非線形歪補償回路1の動作原理を説明するため
のドライブ信号Sdの信号成分を示すスペクトル図であ
る。
【図3】非線形歪補償回路1の動作原理を説明するため
のスペクトル図であって、歪補償されていない状態にお
いて高周波増幅回路51によって生成される出力信号S
oの信号成分を示すスペクトル図である。
【図4】非線形歪補償回路1の動作原理を説明するため
のスペクトル図であって、歪補償された状態において高
周波増幅回路51によって生成される出力信号Soの信
号成分を示すスペクトル図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る非線形歪補償回路1
の具体的な構成を示すブロック図である。
【図6】従来の高周波電力増幅装置61の構成を示すブ
ロック図である。
【図7】従来の非線形歪補償回路41の構成を示すブロ
ック図である。
【符号の説明】
1 非線形歪補償回路 2 入力分配器 3−3〜3−N 歪生成回路 4−3〜4−N,34−3,34−5 ベクトル量調整
回路 5 線形回路 6 出力合成回路 11 P・F検出器 12 温度センサ 13 CPU 14 ROM 15 歪検出器 31−3,31−5 分配器 32,33,35 合成器 ε3〜εN 歪信号 Sd ドライブ信号 Si 高周波信号 So 出力信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5J090 AA01 AA41 CA21 FA15 GN02 GN04 KA16 KA23 KA33 KA68 TA01 TA03 5J500 AA01 AA41 AC21 AF15 AK16 AK23 AK33 AK68 AT01 AT03

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被補償高周波増幅回路の非線形歪を補償
    するための非線形歪補償回路であって、 前記非線形歪としてのN次混変調歪(Nは自然数の3
    と、5以上の奇数のうちの任意の1つまたは任意の複数
    との各々)をそれぞれ補償可能なN次歪信号を入力高周
    波信号に基づいて生成すると共に、当該生成したN次歪
    信号と前記入力高周波信号とを合成して出力信号として
    出力する非線形歪補償回路。
  2. 【請求項2】 前記入力高周波信号に基づいて前記各N
    次歪信号をそれぞれ生成する複数の歪生成回路と、前記
    入力高周波信号を線形増幅する線形回路と、前記生成さ
    れた各N次歪信号および前記線形増幅された入力高周波
    信号を合成して前記出力信号を生成する出力合成回路と
    を備えている請求項1記載の非線形歪補償回路。
  3. 【請求項3】 前記入力高周波信号を線形増幅する線形
    回路と、前記入力高周波信号を入力して3次歪信号を生
    成する3次歪生成回路と、前記入力高周波信号を入力し
    て3次歪信号および5次歪信号を生成する5次歪生成回
    路と、前記出力信号を生成する出力合成回路とを備え、 前記出力合成回路は、前記3次歪生成回路の出力信号を
    分配する第1分配器と、前記5次歪生成回路の出力信号
    を分配する第2分配器と、当該第2分配器によって分配
    された分配信号から前記第1分配器によって分配された
    分配信号を差し引いて前記5次歪信号を生成する第1合
    成器と、前記第1分配器によって分配された前記3次歪
    信号、前記第1合成器によって生成された前記5次歪信
    号、および前記線形増幅された入力高周波信号を合成し
    て前記出力信号として出力する第2合成器とを備えて構
    成されている請求項1記載の非線形歪補償回路。
  4. 【請求項4】 前記3次歪生成回路によって出力された
    前記出力信号のベクトル量を調整可能に構成された3次
    歪用ベクトル量調整回路と、前記5次歪生成回路によっ
    て出力された前記出力信号のベクトル量を調整可能に構
    成された5次歪用ベクトル量調整回路とを備えている請
    求項3記載の非線形歪補償回路。
  5. 【請求項5】 前記第1分配器によって分配された前記
    3次歪信号のベクトル量を調整可能に構成された第1ベ
    クトル量調整回路と、前記第1合成器によって生成され
    た前記5次歪信号のベクトル量を調整可能に構成された
    第2ベクトル量調整回路とを備えている請求項3または
    4記載の非線形歪補償回路。
  6. 【請求項6】 前記入力高周波信号の周波数、前記入力
    高周波信号の電力、当該非線形歪補償回路の内部または
    近傍の温度、および前記被補償高周波増幅回路の内部ま
    たは近傍の温度の少なくとも1つを検出する検出器と、
    当該検出器によって検出される検出信号に対応させて前
    記3次歪用ベクトル量調整回路および前記5次歪用ベク
    トル量調整回路の各調整量を記憶するメモリと、入力し
    た前記検出信号に対応する前記各調整量を前記メモリか
    ら読み出すと共に前記3次歪用ベクトル量調整回路およ
    び前記5次歪用ベクトル量調整回路に対して対応する当
    該読み出した各調整量で制御する制御回路とを備えてい
    る請求項4記載の非線形歪補償回路。
  7. 【請求項7】 前記被補償高周波増幅回路の出力信号に
    含まれる前記非線形歪が低下するように前記第1ベクト
    ル量調整回路の調整量および前記第2ベクトル量調整回
    路の調整量を制御する制御回路とを備えている請求項5
    記載の非線形歪補償回路。
  8. 【請求項8】 前記各ベクトル量調整回路は、対応する
    前記歪信号の減衰量および位相量を調整可能に構成され
    た請求項4から7のいずれかに記載の非線形歪補償回
    路。
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