JP2003229275A - 発光素子 - Google Patents

発光素子

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JP2003229275A JP2002341774A JP2002341774A JP2003229275A JP 2003229275 A JP2003229275 A JP 2003229275A JP 2002341774 A JP2002341774 A JP 2002341774A JP 2002341774 A JP2002341774 A JP 2002341774A JP 2003229275 A JP2003229275 A JP 2003229275A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 不安定な材料を使用することなく、また素子
構造を単純化することで、高効率でかつ安定性のある、
また従来の素子に比べ素子作製において手間が省ける三
重項発光素子を提供する。 【解決手段】 従来の三重項発光素子で導入している正
孔ブロッキング層を使用しない素子構造、すなわち、基
板101の上に陽極102、その上に正孔輸送材料から
なる正孔輸送層103、電子輸送材料および三重項発光
するドーパント材料からなる電子輸送性発光層104、
そして陰極105を積層させた素子構造において、正孔
輸送材料および電子輸送材料の組み合わせや、電子輸送
材料およびドーパント材料の組み合わせを最適化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、陽極と、電界を加
えると発光が得られる有機化合物膜と、陰極と、から構
成される有機発光素子に関する。特に、三重項励起状態
から発光を呈する発光材料が使用された有機発光素子に
関する。
【0002】
【従来の技術】有機発光素子は、電圧の印加によって有
機化合物膜に両電極から電子と正孔が注入され、それら
の再結合によって形成された励起状態の分子(励起分
子)からの発光を利用する発光素子である。
【0003】有機化合物膜からの発光は、励起分子が形
成され基底状態に失活する際に放出されるエネルギーが
光となったものである。この失活過程には大きく別けて
2種類あり、一重項励起分子を経由して失活する場合
(この際蛍光を発する)と、三重項励起分子を経由して
失活する場合がある。三重項励起分子経由の失活過程に
は、燐光としての光放出過程と、三重項―三重項消滅過
程とがあるが、基本的に室温で燐光経由の失活過程をふ
む有機材料は少ない(熱失活するものが殆どで光放出に
よる失活は行わない)。このため有機発光素子に使用さ
れる有機化合物の大半が一重項励起分子経由の蛍光を発
する材料であり、多くの有機発光素子の発光は蛍光を利
用している。
【0004】この蛍光を発する有機化合物を利用した有
機発光素子は、1987年にC.W.Tang等が報告した、二種類
の有機化合物を積層させた合計約100 nm程度の有機化合
物膜を電極で挟んだ二層型構造が基本となっている(非
特許文献1参照)。その後1988年に安達等によって三層
型構造が提案され(非特許文献2参照)、現在ではこれ
らの積層型構造を応用した多層型の素子構造がとられて
いる。
【0005】
【非特許文献1】C.W.Tang and S.A.Vanslyke, "Organi
c electroluminescent diodes" ,Applied Physics Lett
ers,Vol.51, No.12, 913-915 (1987)
【非特許文献2】Chihaya ADACHI, Shozuo TOKITO, Tet
suo TSUTSUI and Shogo SAITO, "Electroluminescence
in Organic Films with Three-Layered Structure", Ja
panese Journal of Applied Physics, Vol. 27, No.2,
L269-L271(1988)
【0006】このような多層型構造の素子は「層の機能
分離」といった特徴をもつ。層の機能分離とは、一種類
の有機化合物に様々な機能を同時に持たせるのではな
く、一つの層ごとに機能を分担させるというものであ
る。たとえば二層型構造の素子では、正孔の輸送の役割
を担う正孔輸送層、および電子の輸送と発光の役割を担
う発光性電子輸送層を用いており、また三層型構造の素
子では、正孔輸送のみの役割を担う正孔輸送層、電子輸
送のみの役割を担う電子輸送層、そしてその二層の間に
発光する発光層を用いている。このように、各層を機能
分離させることによって、有機発光素子に用いる有機化
合物の分子設計に自由度が増えるという利点がある。
【0007】例えば単層型構造の素子では、一つの層に
電子も正孔も注入しやすく、両キャリヤを輸送する機能
をもち、かつ蛍光量子収率も高いという多くの特性が求
められる。しかしながら、二層型構造の素子のように電
子輸送性発光層を用いた場合、正孔輸送層には正孔を注
入しやすい有機化合物を、電子輸送性発光層には電子が
注入されやすく高い蛍光量子収率を得る有機化合物をそ
れぞれ適用すればよく、一つの層に対しての要求が減
り、材料を選択しやすくなる。
【0008】また三層型構造の素子では、さらに「発光
層」を導入することで電子輸送性と発光性の機能を分離
できる。しかも発光層にレーザー色素などの高量子収率
の蛍光色素(ゲスト)を固体媒体(ホスト)材料に分散
したものを用いることによって、発光層の蛍光量子収率
を向上させることができ、有機発光素子の量子効率が大
きく向上するばかりでなく、使用する蛍光色素の選択に
よって発光波長を自由に制御できる(非特許文献3参
照)。このように色素(ゲスト)をホスト材料に分散し
た素子はドープ型素子と呼ばれる。
【0009】
【非特許文献3】C.W.Tang , S.A.Vanslyke and C.H.Ch
en, "Electroluminescence of doped organic thin fil
ms", Journal of Applied Physics, Vol.65, 3610-3616
(1989)
【0010】多層型構造の素子のもう一つの有効な点は
「キャリヤ閉じ込め効果」である。たとえば非特許文献
1の二層型構造の場合、陽極から正孔輸送層へ正孔が、
陰極から電子輸送層へ電子が注入され、正孔輸送層と電
子輸送層の界面へと移動する。その後正孔は、正孔輸送
層と電子輸送層とのイオン化ポテンシャルの差が小さい
ため電子輸送層へ注入されるのに対し、電子は、正孔輸
送層の電気親和力が小さい上に電子輸送層との電子親和
力の差が大きすぎるため、正孔輸送層には注入されず、
正孔輸送層にブロックされて電子輸送層内へ閉じ込めら
れる。したがって、電子輸送層内で正孔、電子両方の密
度が高くなり、キャリヤの再結合が効率よく行われるよ
うになる。
【0011】このようなキャリヤ閉じ込め効果を発揮さ
せるのに有効な材料の一例として、イオン化ポテンシャ
ルの非常に大きい材料が挙げられる。イオン化ポテンシ
ャルが大きい材料に正孔を注入することは難しく、この
ような材料は正孔をブロックできる材料(正孔ブロッキ
ング材料)として幅広く使用されている。例えば非特許
文献1で報告された芳香族ジアミン化合物からなる正孔
輸送層とトリス(8-キノリノラト)-アルミニウム(以
下「Alq」と記す)からなる電子輸送層を積層させた場
合、これに電圧を印加すると電子輸送層のAlqが発光す
る。しかし、この素子の二層の間に正孔ブロッキング材
料を挿入することで正孔は正孔輸送層に閉じ込められ、
正孔輸送層側を発光させることもできる。
【0012】このように、様々な機能をもった層(正孔
輸送層、正孔ブロッキング層、電子輸送層、電子注入層
など)を導入することで、高効率化、発光色の制御など
が可能となり、現在の有機発光素子においては多層型構
造が基本構造として確立した。
【0013】このような中、1998年、S.R.Forrestらに
よって室温で三重項励起状態からの発光(燐光)を得る
ことができる三重項発光材料(文献では、白金を中心金
属とする金属錯体)をゲストとして利用したドープ型素
子(以下「三重項発光素子」と記す)が発表された(非
特許文献4参照)。なお、以下では、この三重項発光素
子と区別するため、一重項励起状態からの発光を利用す
る素子は「一重項発光素子」と記す。
【0014】
【非特許文献4】M.A.Baldo, D.F.O'Brien, Y.You, A.S
houstilkov, S.Silbley, M.A.Thomoson and S.R.Forres
t, "Highly efficient phosphorescent emission from
organic electroluminescent devices", Nature, Vol.3
95, 151-154 (1998)
【0015】上でも述べたが、有機化合物に注入された
正孔および電子の再結合によって生成される励起分子に
は、一重項励起分子と三重項励起分子とがある。この場
合、スピンの多重度の違いに由来して一重項励起分子と
三重項励起分子とが1:3の割合で生成する。これまで
の材料では基本的に、室温において三重項励起分子は熱
失活をしてしまうため、一重項励起分子だけを発光に利
用してきた。このため生成された励起分子の4分の1し
か発光に利用されていない。ここで三重項励起分子が発
光に利用できるようになれば、今までの約3〜4倍は効
率の高い発光を得られる。
【0016】非特許文献4では、先に述べた多層型構造
を使用している。すなわち、正孔輸送層として芳香族ア
ミン系の化合物4,4'-ビス[N-(1-ナフチル)-N-フェニ
ル-アミノ]-ビフェニル(以下「α-NPD」と記す)を用
い、発光層としてAlqに2,3,7,8,12,13,17,18-オクタエ
チル−21H,23H-ポルフィリン-白金(以下「PtOEP」と記
す)を6%分散させたものを用い、電子輸送層としてAl
qを用いた素子構造で、外部量子効率の最大値が4%、1
00 cd/m2で1.3 %という値を示した。
【0017】その後、正孔ブロッキング層を利用した素
子構造で、正孔輸送層としてα-NPDを、発光層として4,
4' -N,N' -ジカルバゾール-ビフェニル(以下「CBP」と
記す)にPtOEPを6%分散させたものを、正孔ブロッキ
ング層として2,9-ジメチル-4,7-ジフェニル-1,10-フェ
ナントロリン(以下「BCP」と記す)を、電子輸送層と
してAlqを使用し、100cd/m2で 外部量子効率2.2 %、最
大で5.6 %と、素子の発光効率を向上させている(非特
許文献5参照)。
【0018】
【非特許文献5】D.F.O'Brien, M.A.Baldo, M.E.Thomps
on and S.R.Forrest, "Improvedenergy transfer in el
ectrophosphorescent devices", Applied Physics Lett
ers, Vol.74, No.3, 442-444 (1999)
【0019】さらに三重項発光材料としてトリス(2−
フェニルピリジン)イリジウム(以下「Ir(ppy)3」と記
す)を使用した三重項発光素子が報告され(非特許文献
6参照)、その後非特許文献6と同じ素子構造で有機化合
物膜の膜厚を最適化することで、100cd/m2で外部量子
効率14.9 %という非常に効率のよい有機発光素子も報告
されている(非特許文献7参照)。これで事実上、従来
の一重項発光素子の3倍近い発光効率を得る素子が作製
されるようになった。
【0020】
【非特許文献6】M.A.Baldo, S.Lamansky, P.E.Burrow
s, M.E.Thompson and S.R.Forrest,"Very high-efficie
ncy green organic light-emitting devices based on
electrophosphorescence", Applied Physics Letters,V
ol.75, No.1, 4-6 (1999)
【非特許文献7】Teruichi Watanabe, Kenji Nakamura,
Shin Kawami, Yoshinori Fukuda, Taishi Tsuji, Take
o Wakimoto, Satoshi Miyaguchi, Masayuki Yahiro, Mo
on-Jae Yang, Tetsuo Tsutsui, "Optimization of emit
timg efficiency in organic LED cells using Ir comp
lex", Synthetic Metals, Vol.122, 203-207 (2001)
【0021】現在、中心金属にイリジウムや白金を使用
した三重項発光材料が探索され、一重項発光素子に比べ
て非常に効率の良い三重項発光素子が注目をあびてお
り、精力的に研究がおこなわれている。
【0022】三重項発光素子は一重項発光素子に比べて
はるかに高い発光効率であるが、しかし一重項発光素子
に比べて桁違いに寿命が短く、安定性に欠けている。ま
た効率をあげるために多層構造をとっているが、そのた
め素子構造が最低でも四層構造となっており、素子作製
に対して手間がかかる、といった単純なデメリットもあ
る。
【0023】素子の寿命に関しては、α-NPDを使用した
正孔輸送層と、ホスト材料であるCBPおよびゲスト(ド
ーパント)材料であるIr(ppy)3を使用した発光層と、BC
Pを使用した正孔ブロッキング層と、Alqを使用した電子
輸送層と、を積層した素子において、初期輝度500 cd/m
2の条件で半減期がたった170時間という報告(非特許文
献8参照)があり、この寿命では実用化には程遠い。
【0024】
【非特許文献8】Tetsuo TSUTSUI, Moon-Jae YANG, Mas
ayuki YAHIRO, Kenji NAKAMURA,Teruichi WATANABE, Ta
ishi TSUJI, Yoshinori FUKUDA, Takeo WAKIMOTO and S
atoshi MIYAGUCHI, "High Quantum Efficiency inorgan
ic Light-Emitting Devices with Iridium-Complex as
a Triplet Emissive Center", Japanese Journalof App
lied Physics, Vol.38, No.12B, L1502-L1504 (1999)
【0025】この原因として非特許文献8では、正孔ブ
ロッキング材料で使用しているBCPの安定性が低いこと
が挙げられている。三重項発光素子においては、非特許
文献5で示された素子構造が基本構造となっており、正
孔ブロッキング層は不可欠なものとして使用されてい
る。図12に従来の三重項発光素子の構造を示す。基板
1101の上に陽極1102、その上に有機化合物膜と
して正孔輸送層1103、発光層1104、正孔ブロッ
キング層1105、電子輸送層1106、そして陰極1
107を積層させた素子構造となっている。正孔ブロッ
キング層によるキャリヤの閉じ込め効果によって、キャ
リヤの再結合は効率よく行われるようになるが、しかし
一方では、一般的に使用されている正孔ブロッキング材
料は安定性が低いという欠点を持っているため寿命が延
びない。またホスト材料として使用されているCBPも安
定性の低い材料であるため、これも寿命が延びない原因
の一つと考えられる。
【0026】正孔ブロッキング層を使用しない三層型構
造の素子も作製されている(非特許文献9参照)。ここ
ではホスト材料として、両キャリヤ輸送性であると言わ
れているCBPの代わりに、電子輸送材料と用いることを
特徴としている。しかしホスト材料に使用された電子輸
送材料は、正孔ブロッキング材料として使用されるBC
P、1,3−ビス(N,N−t−ブチル−フェニル)−1,3,4−
オキサゾール(以下「OXD7」と記す)、3−フェニル−4
−(1'−ナフチル)−5−フェニル−1,2,4−トリアゾー
ル(以下「TAZ」と記す)であり、正孔ブロッキング層
は導入しないものの、結局は正孔ブロッキング材料とし
てよく用いられるものを素子内に使用している。BCPは
もちろんその他のどの材料も安定性の低い材料であり、
高い効率は出るものの、安定性の低い素子となってい
る。
【0027】
【非特許文献9】Chihaya ADACHI, Marc A. Baldo, Ste
phen R. Forrest and Mark E. Thompson, "High-effici
ency organic electrophosphorescent devices with tr
is(2-phinylpyridine)iridium doped into electron-tr
ansporting materials", Applied Physics Letters, Vo
l.77,No.6, 904-906 (2000)
【0028】また、正孔ブロッキング材料を使用しない
単純な二層型の素子構造も報告されている(非特許文献
10参照)が、ホスト材料にCBPを使用しており、高い発
光効率を得ているものの安定性に欠ける。
【0029】
【非特許文献10】Chihaya ADACHI, Raymond KWONG, S
tephen R. Forrest, "Efficient electrophosphorescen
ce using a doped ambipolar conductive molecular or
ganicthin film", Organic Electronics, Vol.2, 37-43
(2001)
【0030】
【発明が解決しようとする課題】このように、三重項発
光素子において発光効率は高い素子は報告されている
が、効率もよく、安定性もある、といった三重項発光素
子の報告は未だなく、その原因として使用されているホ
スト材料、正孔ブロッキング材料の不安定性が原因とな
っている。
【0031】そこで本発明では、このように不安定な材
料を使用することなく、また素子構造を単純化すること
で、高効率でかつ安定性のある、また従来の素子に比べ
素子作製において手間が省ける三重項発光素子を提供す
ることを課題とする。
【0032】
【課題を解決するための手段】本発明は、三重項発光素
子において、従来の三重項発光素子で導入している正孔
ブロッキング層を使用せず、有機化合物膜は、正孔輸送
層と、三重項発光するドーパント材料を安定性のある電
子輸送材料に分散した層と、を積層させた単純な素子構
造(図1)にすることで達成される。すなわち、基板1
01の上に陽極102、その上に正孔輸送材料からなる
正孔輸送層103、電子輸送材料および三重項発光する
ドーパント材料からなる電子輸送性発光層104、そし
て陰極105を積層させた素子構造で達成される。ここ
では、陽極102と陰極105に挟まれた領域(すなわ
ち正孔輸送層103および電子輸送性発光層104)が
有機化合物膜に相当する。
【0033】したがって本発明では、陽極と、有機化合
物膜と、陰極と、から構成される有機発光素子におい
て、前記有機化合物膜は、正孔輸送材料からなる正孔輸
送層と、前記正孔輸送層に接して設けられた電子輸送材
料からなる電子輸送層と、を含み、かつ、前記電子輸送
層内に、三重項励起状態からの発光を呈する発光材料が
添加されていることを特徴とする。
【0034】なお、陽極102と正孔輸送層103との
間には、正孔注入層を挿入してもよい。また、陰極10
5と電子輸送性発光層104との間には、電子注入層を
挿入してもよい。さらに、これら正孔注入層および電子
注入層の両方を挿入してもよい。
【0035】ところで、上記のような素子において、正
孔輸送層103が発光してしまうのを防ぐため、正孔輸
送材料と電子輸送材料の組み合わせを考慮することも、
課題を解決するための手段として重要である。
【0036】そこで本発明では、前記正孔輸送材料にお
ける最高被占分子軌道準位と最低空分子軌道準位とのエ
ネルギー差が、前記電子輸送材料における最高被占分子
軌道準位と最低空分子軌道準位とのエネルギー差よりも
大きいことを特徴とする。
【0037】また、他の手段として、前記正孔輸送材料
の吸収スペクトルと前記電子輸送材料の発光スペクトル
が重ならないことを特徴とする。この場合、ただ単にス
ペクトルが重ならないだけでなく、スペクトルの位置関
係として、前記正孔輸送材料の吸収スペクトルが前記電
子輸送材料の発光スペクトルよりも短波長側に位置する
ことが好ましい。
【0038】ここで、上記で述べたような本発明の三重
項発光素子の発光効率を向上させるために、三重項発光
するドーパントがキャリアをトラップしやすい素子構成
にすることも、課題を解決するための手段として重要で
ある。
【0039】そこで本発明では、三重項励起状態からの
発光を呈する発光材料の最高被占分子軌道準位および最
低空分子軌道準位が共に、前記電子輸送材料における最
高被占分子軌道準位と最低空分子軌道準位とのエネルギ
ーギャップ内に位置することを特徴とする。
【0040】また、他の手段として、前記正孔輸送材料
のイオン化ポテンシャルの値が、三重項励起状態からの
発光を呈する発光材料のイオン化ポテンシャルの値と比
べて同じかまたは大きいことを特徴とする。
【0041】さらに他の手段として、前記正孔輸送材料
の最低空分子軌道準位を示す値の絶対値が、前記電子輸
送材料の最低空分子軌道準位を示す値の絶対値よりも0.
2 eV以上小さいことを特徴とする。
【0042】なお、これらを組み合わせた素子構成、す
なわち、前記正孔輸送材料のイオン化ポテンシャルの値
が三重項励起状態からの発光を呈する発光材料のイオン
化ポテンシャルの値と比べて同じかまたは大きく、か
つ、前記正孔輸送材料の最低空分子軌道準位を示す値の
絶対値が前記電子輸送材料の最低空分子軌道準位を示す
値の絶対値よりも0.2 eV以上小さい場合が、より好まし
いと言える。
【0043】上記のことを考慮し、本発明に好適な正孔
輸送材料として、4,4',4"-トリス(N−カルバゾール)ト
リフェニルアミン、4,4'-ビス[N,N-ビス(3-メチルフェ
ニル)-アミノ]-ジフェニルメタン、1,3,5-トリス[N,N-
ビス(2-メチルフェニル)-アミノ]-ベンゼン、1,3,5-ト
リス[N,N-ビス(3-メチルフェニル)-アミノ]-ベンゼン
、1,3,5-トリス[N,N-ビス(4-メチルフェニル)-アミノ]
-ベンゼンのいずれかを使用することを特徴とする。
【0044】また、前記電子輸送材料に2,2',2"-(1,3,5
-ベンゼントリイル)トリス-[1-フェニル-1H -ベンゾイ
ミダゾ−ル]、リチウムテトラ(2-(2-ヒドロキシフェニ
ル)ベンゾオキサゾラトボロン、ビス(2-(2-ヒドロキシ
フェニル)ベンゾオキサゾラト)(トリフェニルシラノラ
ト)アルミニウム、ビス(2-(2-ヒドロキシフェニル)ベン
ゾチアゾラト)(トリフェニルシラノラト)アルミニウ
ム、2-(2-ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾラトリチ
ウム、(2-(2-ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾラト)
-ジフェニルボロン、トリス(8-キノリノラト)-アルミ
ニウム、ビス(2-メチル-8-キノリノラト)(トリフェニル
シラノラト)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリノ
ラト)(4-フェニルフェノラト)アルミニウム、リチウム
テトラ(2-メチル-8-ヒドロキシ-キノリナト)ボロン、(2
-メチル-8-キノリノラト)-ジフェニルボロン、ビス(2-
メチル-8-キノリノラト)アルミニウムヒドロキシドのい
ずれかを使用することを特徴とする。
【0045】さらに本発明の素子においては、これらの
正孔輸送材料および電子輸送材料を組み合わせて使用す
ることが有効である。
【0046】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
詳細に説明する。なお、有機発光素子は、発光を取り出
すために少なくとも陽極、または陰極の一方が透明であ
れば良いが、本実施例の形態では、基板上に透明な陽極
を形成し、陽極側から光を取り出す素子構造を記述す
る。実際は陰極を基板上に形成して陰極から光を取りだ
す構造や、基板とは逆側から光を取り出す構造、電極の
両側から光を取り出す構造にも適用可能である。
【0047】上記のように、本発明では、三重項発光素
子において正孔ブロッキング層を使用しないことを特徴
としている(図1)。しかし、ただ単純に従来の素子構
造(図12)から正孔ブロッキング層を除いた素子を作
製すればよい、ということにはならない。
【0048】まず、従来の三重項発光素子と本発明の二
層型の素子では、再結合領域に違いがある。従来の三重
項発光素子においては正孔ブロッキング層を用いること
より、キャリヤの再結合領域は発光層と正孔ブロッキン
グ層の界面であった。これに対して本発明で提案する素
子構造では、キャリヤの再結合領域は正孔輸送層とホス
トである電子輸送材料との界面になる。
【0049】このため、三重項発光素子の発光機構が重
要である。一般にドーパント(ゲスト)を使用したホス
ト―ゲスト系の発光層を使用した素子の発光機構とし
て、2種類の発光機構が考えられる。
【0050】第一の発光機構は、ホストからのエネルギ
ー移動によるドーパントの発光である。この場合まず、
ホストに両キャリヤが注入されホストの励起分子が形成
される。この励起分子のエネルギーがドーパントに移動
し、そのエネルギーによってドーパントは励起され、失
活する際に光を放出する。三重項発光素子の場合、ドー
パントは三重項励起分子経由で燐光を放出する材料であ
るため、発光した光は燐光である。
【0051】エネルギー移動による発光機構で重要とな
ってくるのは、ホスト材料の発光スペクトルとドーパン
ト材料の吸収スペクトルの重なり合いが大きいことであ
る。ホスト材料およびドーパント材料における最高被占
分子軌道(HOMO)と最低空分子軌道(LUMO)の位置関係
は重要ではない。
【0052】なお、本明細書において、HOMOの値は大気
中における光電子分光測定により観測したイオン化ポテ
ンシャルの値を使用する。また、吸収スペクトルの吸収
端をHOMOとLUMOとのエネルギー差(以下、このエネルギ
ー差を「エネルギーギャップ値」と記す)としている。
従って、LUMOの値は、光電子分光測定によって測定され
たイオン化ポテンシャルの値から、吸収スペクトルの吸
収端によって見積もられたエネルギーギャップ値を引い
たものを使用している。ここで、実際にはこれらの値
(HOMO(イオン化ポテンシャル)、LUMO、エネルギーギ
ャップ値)は真空準位を基準としているため負の値をと
るが、本明細書中ではすべて絶対値で表すこととする。
HOMO、LUMO、エネルギーギャップ値の概念図を表すと、
図2のようになる。
【0053】ところで、もしドーパント材料のHOMOおよ
びLUMOのエネルギーレベルが共に、ホスト材料における
HOMOとLUMOとのエネルギーギャップ内に位置する場合、
先程述べたホストからドーパントへのエネルギー移動の
発光機構に加え、ドーパント上でキャリヤがトラップさ
れてドーパント上で直接キャリヤが再結合される、とい
う直接再結合の発光機構も生じる。これが第二の発光機
構である。
【0054】しかし、ドーパント材料とホスト材料がこ
のようなエネルギーレベルの位置関係にある場合、エネ
ルギー移動もおこる条件となっているため、発光機構が
どちらの機構からの寄与であるのか分離することは通常
難しく、両方の発光機構が関与している可能性も考えら
れる。
【0055】まず、三重項発光素子がエネルギー移動の
機構(第一の発光機構)で発光している場合を考える。
従来の素子構造ではキャリヤの再結合領域が発光層と正
孔ブロッキング層との界面であることから、ホスト材料
からドーパント材料へのエネルギー移動以外にも、正孔
ブロッキング材料へのエネルギー移動も考えられる。し
かし正孔ブロッキング材料の吸収スペクトルが非常に短
波長側にあるため、従来の三重項発光素子で報告されて
きたホスト材料の発光スペクトルと正孔ブロッキング材
料の吸収スペクトルは重なりあう部分はなく、ホスト材
料−正孔ブロッキング材料間でのエネルギー移動は起こ
りえない。つまり、従来型の三重項発光素子では、ホス
ト材料から正孔ブロッキング材料へはエネルギー移動が
起こらないような素子構造になっているといえる。
【0056】これに対して本発明での素子構造では、キ
ャリヤの再結合領域は、正孔輸送材料を含む正孔輸送層
とホスト材料を含む電子輸送性発光層との界面である。
このため、本発明の素子ではホスト材料から正孔輸送材
料へのエネルギー移動が考えられる。ホスト材料から正
孔輸送材料へエネルギー移動がおこってしまっては、効
率よい発光を得ることができない。
【0057】そこで、エネルギー移動に関してホスト材
料のエネルギーギャップ値と正孔輸送材料のエネルギー
ギャップ値の大小関係が大まかな目安となる。ホスト材
料のエネルギーギャップ値が正孔輸送材料のエネルギー
ギャップ値より小さければ、ホスト材料からのエネルギ
ー移動で正孔輸送材料を励起させることは難しい。この
ことから、ホスト材料から正孔輸送材料へエネルギー移
動が起こらないようにするために、正孔輸送材料はホス
ト材料よりも大きいエネルギーギャップ値を持つものが
好ましい。
【0058】図3は、この場合のエネルギーダイヤグラ
ムである。図3に示すように、正孔輸送材料のエネルギ
ーギャップ値Aはホスト材料のエネルギーギャップ値Bよ
り大きくなるよう、材料を選択すればよい。
【0059】また、ホスト材料−正孔輸送材料間でエネ
ルギー移動が起こらない条件として、ホスト材料の発光
スペクトルと正孔輸送材料の吸収スペクトルに重なり合
いを持たないような材料の組み合わせを選択する手法も
ある。この際、正孔輸送材料の吸収スペクトルは電子輸
送材料の発光スペクトルよりも短波長側に位置すること
が好ましい。
【0060】図4にこの条件を図示する。(a)はホス
ト材料−正孔輸送材料間でエネルギー移動が起こってし
まう場合のスペクトルの位置関係を、(b)はホスト材
料−正孔輸送材料間でエネルギー移動を起こさない場合
のスペクトルの位置関係を、それぞれ示している。本発
明では(b)の位置関係にあることが好ましい。
【0061】これらの条件以外に、ドーパント材料のHO
MOおよびLUMOのエネルギーレベルが共に、ホスト材料の
HOMOとLUMOのエネルギーギャップ内に位置するようなホ
スト材料を選んだ場合、直接再結合の発光機構(第二の
発光機構)も考慮されるため、さらなる条件を考慮する
ことが重要である。
【0062】この場合、正孔輸送材料からドーパント材
料へ正孔キャリヤが注入されやすいよう、正孔輸送材料
のHOMOを示すイオン化ポテンシャルの値が大きいものが
適している。すなわち、ドーパント材料のイオン化ポテ
ンシャルより正孔輸送材料のイオン化ポテンシャルが大
きくなるように組み合わせる。正孔輸送材料のイオン化
ポテンシャルが大きすぎると陽極から正孔輸送材料に正
孔が注入されにくくなるが、この場合は陽極と正孔輸送
層との間に正孔注入層を導入することで改善される。
【0063】また、電子キャリヤに対しては、電子輸送
性のホストを介してドーパントが電子キャリヤをトラッ
プすると考えられる。ドーパントにトラップされなかっ
た電子が電子輸送層内を移動し、正孔輸送層との界面ま
でたどり着いた場合、もし正孔輸送材料のLUMO準位がホ
スト材料のLUMO準位と大差がなければ、界面にたどり着
いた電子は正孔輸送層へ入り込んでしまう。このため電
子は電子輸送層へ閉じ込められず、効率よい再結合が行
われない。このような状況を避けるため、正孔輸送材料
とホスト材料である電子輸送材料とのLUMO準位の差は、
電子をブロッキングするのに十分大きいものであること
が望まれる。この差は0.2 eV以上あることが望ましい。
【0064】次に、本発明の三重項発光素子の作製法お
よび用いる材料について、より具体的に例示する。
【0065】図1に示す本発明の素子作製方法は、ま
ず、陽極(ITO)を有する基板に正孔輸送材料を蒸着
し、次に電子輸送材料(ホスト材料)と三重項発光材料
(ドーパント材料)を共蒸着し、最後に陰極を蒸着で形
成する。ホスト材料とドーパント材料を共蒸着する際の
ドーパント濃度は、約8wt%程度になるようにあわせ
る。最後に封止を行い、有機発光素子を得る。
【0066】次に、本発明の素子で使用できる正孔注入
材料、正孔輸送材料、電子輸送材(ホスト材料)、三重
項発光材料(ドーパント材料)に好適な材料を以下に列
挙する。ただし、本発明の素子に用いる材料は、これら
に限定されない。
【0067】正孔注入材料としては、有機化合物でれば
ポルフィリン系の化合物や、フタロシアニン(以下「H2
Pc」と記す)、銅フタロシアニン(以下「CuPc」と記
す)などが有効である。また、使用する正孔輸送材料よ
りもイオン化ポテンシャルの値が小さく、かつ、正孔輸
送機能をもつ材料であれば、これも正孔注入材料として
使用できる。導電性高分子化合物に化学ドーピングを施
した材料もあり、ポリスチレンスルホン酸(以下「PS
S」と記す)をドープしたポリエチレンジオキシチオフ
ェン(以下「PEDOT」と記す)や、ポリアニリンなどが
挙げられる。また、絶縁体の高分子化合物も陽極の平坦
化の点で有効であり、ポリイミド(以下「PI」と記す)
がよく用いられる。さらに、無機化合物も用いられ、金
や白金などの金属薄膜の他、酸化アルミニウム(以下
「アルミナ」と記す)の超薄膜などがある。
【0068】正孔輸送材料としては、そのエネルギーギ
ャップ値が、ホスト材料として使用する電子輸送材料の
エネルギーギャップ値よりも大きいものが有効である。
また、発光材料よりもイオン化ポテンシャルが大きい、
あるいは電子輸送材料よりもLUMOの絶対値が0.2 eV以上
小さいことが好ましい。
【0069】本発明の素子に好適なエネルギーギャップ
値の大きい正孔輸送材料としては、下記構造式(1)で
表される4,4',4"-トリス(N−カルバゾール)トリフェニ
ルアミン(以下「TCTA」と記す)、下記構造式(2)で
表される1,3,5-トリス[N,N-ビス(2-メチルフェニル)-ア
ミノ]-ベンゼン(以下「o-MTDAB」と記す)、下記構造
式(3)で表される1,3,5-トリス[N,N-ビス(3-メチルフ
ェニル)-アミノ]-ベンゼン (以下「m-MTDAB」と記す)
、下記構造式(4)で表される1,3,5-トリス[N,N-ビス
(4-メチルフェニル)-アミノ]-ベンゼン(以下「p-MTDA
B」と記す)、下記構造式(5)で表される4,4'-ビス
[N,N-ビス(3-メチルフェニル)-アミノ]-ジフェニルメタ
ン(以下「BPPM」と記す)などが挙げられる。
【0070】
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
【0071】一方、もっとも広く用いられている芳香族
アミン系の化合物である4-4'-ビス[N-(3-メチルフェニ
ル)-N-フェニル-アミノ]-ビフェニル(以下「TPD」と
記す)や、その誘導体であるα-NPDなどは、構造式
(1)〜(5)の化合物に比べてエネルギーギャップ値
が小さく、本発明の素子に対する使用が困難である。構
造式(1)〜(5)の化合物、α-NPD、TPDのエネルギ
ーギャップ値(実測値)をまとめると、表1のようにな
る。
【0072】
【表1】
【0073】次に、ホストとなる電子輸送材料として
は、安定性の高いものが好ましく、安定性の高い金属錯
体が多くあげられる。ホスト材料はドーパントである三
重項発光材料よりもエネルギーギャップ値の大きい材料
でなくてはならない。このようなホスト材料は、使用す
る発光材料によって異なってくる。本発明の素子におい
て、ホストとして使用可能である電子輸送材料の例を以
下に示す。
【0074】本発明において、青色発光材料に対するホ
スト材料として使用できる物質は、下記構造式(6)で
表される2,2',2"-(1,3,5-ベンゼントリル)トリス-[1-フ
ェニル-1H -ベンゾイミダゾ−ル](以下「TPBI」と記
す)といった、紫外領域ほどの非常に短波長に発光スペ
クトルが見られるような物質が挙げられる。
【0075】
【化6】
【0076】本発明において、緑色発光材料に対するホ
スト材料としては、下記構造式(7)で表されるリチウ
ムテトラ(2-(2-ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾラ
トボロン(以下「LiB(PBO)4」と記す)、下記構造式
(8)で表されるビス(2-(2-ヒドロキシフェニル)ベン
ゾオキサゾラト)(トリフェニルシラノラト)アルミニウ
ム(以下「SAlo」と記す)、下記構造式(9)で表され
るビス(2-(2-ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト)
(トリフェニルシラノラト)アルミニウム(以下「SAlt」
と記す)、下記構造式(10)で表される2-(2-ヒドロ
キシフェニル)ベンゾオキサゾラトリチウム(以下「Li
(PBO)」と記す)、下記構造式(11)で表される(2-(2
-ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾラト)-ジフェニル
ボロン(以下「B(PBO)Ph2」と記す)などが挙げられ
る。これらに加え、青色発光できる材料の使用も可能で
ある。
【0077】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【0078】本発明において、赤色発光材料に対するホ
スト材料としては、下記構造式(12)で表されるAl
q、下記構造式(13)で表されるビス(2-メチル-8-キ
ノリノラト)(トリフェニルシラノラト)アルミニウム
(以下「SAlq」と記す)、下記構造式(14)で表され
るビス(2-メチル-8-キノリノラト)(4-フェニルフェノラ
ト)アルミニウム(以下「BAlq」と記す)、下記構造式
(15)で表されるリチウムテトラ(2-メチル-8-ヒドロ
キシ-キノリナト)ボロン(以下「LiB(mq)4」と記す)、
下記構造式(16)で表される(2-メチル-8-キノリノラ
ト)-ジフェニルボロン(以下「BmqPh」と記す)、下記
構造式(17)で表されるビス(2-メチル-8-キノリノラ
ト)アルミニウムヒドロキシド(以下「Almq2(OH)」と記
す)などが挙げられる。これらに加え、青色発光できる
材料、緑色発光できる材料もホスト材料として使用可能
である。
【0079】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【0080】なお、ここで述べたホスト材料のうちのい
くつかに関するエネルギーギャップ値(実測値)は、表
2のようになる。
【0081】
【表2】
【0082】ドーパントである三重項発光材料として
は、イリジウムまたは白金を中心金属とする錯体が多く
あげられるが、室温で燐光を発する材料であればよい。
PtOEP、Ir(ppy)3やビス(2-フェニルピリジナト-N,C2')
アセチルアセトナトイリジウム(以下「acacIr(ppy)2
と記す)、ビス(2-(4'-トリル)ピリジナト-N,C2')アセ
チルアセトナトイリジウム(以下「acacIr(tpy)2」と記
す)、ビス(2-(2'-ベンゾチエニル)-ピリジナト-N,C3')
アセチルアセトナトイリジウム(以下「acacIr(btp)2
と記す)などが挙げられる。
【0083】なお、ここで述べたドーパント材料のエネ
ルギーギャップ値(実測値)は、表3のようになる。
【0084】
【表3】
【0085】電子注入材料としては、上で述べた電子輸
送材料を用いることができる。しかし、正孔ブロッキン
グ材料として使用されるような電子輸送材料(BCPやOXD
7など)は、安定性が低いため不適である。その他にフ
ッ化リチウムなどのアルカリ金属ハロゲン化物や酸化リ
チウムなどのアルカリ金属酸化物のような、絶縁体の超
薄膜がよく用いられる。また、リチウムアセチルアセト
ネート(以下「Li(acac)」と記す)や、8-キノリノラト
-リチウム(以下「Liq」と記す)などのアルカリ金属錯
体も有効である。
【0086】以上で述べたような各機能を有する材料
を、各々組み合わせ、本発明の有機発光素子に適用する
ことにより、従来の三重項発光素子よりも作製過程にお
いて手間が省ける上に、安定性が高く、効率的には従来
の三重項発光素子と同じ程度の高効率有機発光素子を作
製することができる。
【0087】
【実施例】本実施例では、本発明の図2に示した有機発
光素子を具体的に例示する。
【0088】[実施例1]まず、陽極102であるITOが1
00 nm程度成膜されたガラス基板101に、正孔輸送材
料であるBPPMを40 nm蒸着する。これが正孔輸送層10
3である。
【0089】正孔輸送層が作製された後、三重項発光材
料であるacacIr(tpy)2と電子輸送材料(ホスト材料)で
あるTPBIをおよそ2:23の比率(重量比)になるように
共蒸着を行う。つまりTPBIに約8 wt%の濃度でacacIr(tp
y)2が分散されていることになる。この共蒸着膜を50 nm
成膜する。これが電子輸送性発光層104である。
【0090】最後に陰極105としてMgとAgを原子比が
10:1になるように共蒸着を行い、陰極を150 nm成膜す
る。これによりacacIr(tpy)2に由来する緑色発光の三重
項発光素子を得る。
【0091】図5はこの素子における初期特性のグラ
フ、及び発光スペクトルである。単純な二層型の素子構
造でも最大外部量子効率が約10 %と高い効率の素子特性
を示した。
【0092】[実施例2]実施例1とは異なった正孔輸送
材料(但し本発明の条件を満たす材料)を使用し、本発
明の素子を作製した。
【0093】まず、陽極102であるITOが100 nm程度
成膜されたガラス基板101に、正孔輸送材料であるo-
MTDABを40 nm蒸着する。これが正孔輸送層103であ
る。
【0094】正孔輸送層が作製された後、三重項発光材
料であるacacIr(tpy)2と電子輸送材料(ホスト材料)で
あるTPBIをおよそ2:23の比率(重量比)になるように
共蒸着を行う。つまりTPBIに約8wt%の濃度でacacIr(tp
y)2が分散されていることになる。この共蒸着膜を50 nm
成膜する。これが電子輸送性発光層104である。
【0095】最後に陰極105としてMgとAgを原子比が
10:1になるように共蒸着を行い、陰極を150 nm成膜す
る。これによりacacIr(tpy)2に由来する緑色発光の三重
項発光素子を得る。
【0096】図6はこの発光素子の初期特性及び発光ス
ペクトルのグラフである。実施例1同様、高効率の素子
が作製できる。
【0097】[実施例3]実施例1とは異なった電子輸送
材料(但し本発明の条件を満たす材料)をホスト材料と
して使用し、本発明の示す有機発光素子を作製した。作
製方法は実施例1、2と同様の方法であり、正孔輸送材
料にBPPM、ホストである電子輸送材料にSAlt、ドーパン
トはacacIr(tpy)2を使用している。acacIr(tpy)2に由来
する緑色発光の三重項発光素子を得ることができる。
【0098】図7にこの素子の初期特性及び発光スペク
トルを示す。実施例1、2と同様従来の三重項発光素子
と同当の高効率素子となる。
【0099】[実施例4]実施例1、2、3とは異なった
三重項発光材料をドーパントとして使用し、実施例1、
2、3とは発光色の異なる有機発光素子を作製した。作
製方法は実施例1、2、3と同様の方法であり、正孔輸
送材料にBPPM、ホストである電子輸送材料にTPBI、ドー
パントはビス(2-(2',4'-ジフルオロフェニル)ピリジナ
ト-N,C2')ピコラトイリジウムを使用している。ドーパ
ント材料に由来する青色発光の三重項発光素子を得るこ
とができる。
【0100】図8にこの素子の初期特性及び発光スペク
トルを示す。実施例1、2、3と同様従来の三重項発光
素子と同当の高効率素子となる。
【0101】[比較例1]本比較例は、図12に示すよう
な、従来の三重項発光素子と同様な構造の素子を作製
し、その際の特性を本発明の素子と比較した。
【0102】まず、陽極1102であるITOが100 nm程
度成膜されたガラス基板1101に、正孔輸送材料であ
るα-NPDを40 nm蒸着する。これが正孔輸送層1103
である。
【0103】正孔輸送層が作製された後、三重項発光材
料であるacacIr(tpy)2とホスト材料であるCBPをおよそ
2:23の比率(重量比)になるように共蒸着を行う。つ
まりCBPに約8wt%の濃度でacacIr(tpy)2が分散されてい
ることになる。この共蒸着膜を50 nm成膜する。これが
発光層1104である。
【0104】発光層を形成した後、正孔ブロッキング材
料であるBCPを20 nm蒸着し正孔ブロッキング層1105
を形成する。その後電子輸送材料であるAlqを30 nm蒸着
し電子輸送層1106を形成する。
【0105】最後に陰極1107としてMgとAgを原子比
が10:1になるように共蒸着を行い、陰極を150 nm成膜す
る。これによりacacIr(tpy)2に由来する緑色発光の三重
項発光素子を得る。
【0106】図9にこの素子の初期特性、及び発光スペ
クトルを示す。実施例1、2、3と比べてみると、実施
例で示した本発明の素子は従来型の素子と同じ程度の高
効率の素子であることがわかる。正孔ブロッキング層を
使用しなくとも十分な素子特性を示す事が確認できた。
【0107】[比較例2]本比較例では、本発明の素子の
条件に当てはまらないような正孔輸送材料を使用した、
二層型構造の三重項発光素子の特性を例示する。
【0108】作製方法は実施例と同様であるが、使用す
る正孔輸送材料のエネルギーギャップ値がホスト材料に
比べて小さくなるような、正孔輸送材料−ホスト材料の
組み合わせを使用する。正孔輸送材料にはTPD、ホスト
材料には電子輸送材料であるTPBI、ドーパントにはacac
Ir(tpy)2を使用する。
【0109】図10にこの素子の初期特性、発光スペク
トルを示す。正孔輸送材料にTPDを使用すると、三重項
発光素子にしては非常に効率の低い素子となった。発光
スペクトルをみるとわかるが、acacIr(tpy)2からの発光
以外にもTPDからの発光であるスペクトル(400nm付近)
が観測される。これが原因で効率が低くなってしまう。
このように、条件に当てはまらない材料を使用すると素
子の初期特性は悪い。
【0110】[比較例3]本比較例では、比較例2と同
様、本発明の素子の条件に当てはまらないような正孔輸
送材料を使用した、二層型構造の三重項発光素子の特性
を例示する。
【0111】作製方法は実施例と同様であるが、使用す
る正孔輸送材料のエネルギーギャップ値がホスト材料に
比べて小さくなるような正孔輸送材料−ホスト材料の組
み合わせを使用する。正孔輸送材料にはα-NPD、ホスト
材料には電子輸送材料であるTPBI、ドーパントにはacac
Ir(tpy)2を使用する。
【0112】図11にこの素子の初期特性、発光スペク
トルを示す。正孔輸送材料にα-NPDを使用すると、比較
例2同様、三重項発光素子にしては非常に効率の低い素
子となった。発光スペクトルも比較例2同様、正孔輸送
材料であるα-NPDからの発光であるスペクトル(440nm
付近)も観測される。これが原因で効率が低くなってし
まう。このように、条件に当てはまらない材料を使用す
ると素子の初期特性は悪くなる。
【0113】
【発明の効果】本発明を実施する事で、従来の三重項発
光素子と同じ程度の高効率な三重項発光素子を、簡略な
素子構成で得る事ができる。また、不安定な材料を使用
する層を省く事で、安定性のある有機発光素子を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における二層型三重項発光素子の素子構
造を示す図。
【図2】HOMO−LUMOのエネルギー準位を示す図。
【図3】素子のエネルギーギャップダイヤグラム。
【図4】ホスト材料の発光スペクトルと正孔輸送材料の
吸収スペクトルの位置関係を示す図。
【図5】実施例1の初期特性及び発光スペクトル。
【図6】実施例2の初期特性及び発光スペクトル。
【図7】実施例3の初期特性及び発光スペクトル。
【図8】実施例4の初期特性及び発光スペクトル。
【図9】比較例1の初期特性及び発光スペクトル。
【図10】比較例2の初期特性及び発光スペクトル。
【図11】比較例3の初期特性及び発光スペクトル。
【図12】従来の三重項発光素子の素子構造を示す図。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】陽極と、有機化合物膜と、陰極と、から構
    成される有機発光素子において、前記有機化合物膜は、
    正孔輸送材料からなる正孔輸送層と、前記正孔輸送層に
    接して設けられた電子輸送材料からなる電子輸送層と、
    を含み、かつ、前記電子輸送層内に、三重項励起状態か
    らの発光を呈する発光材料が添加されていることを特徴
    とする発光素子。
  2. 【請求項2】陽極と、有機化合物膜と、陰極と、から構
    成される有機発光素子において、前記有機化合物膜は、
    前記陽極に接して設けられた正孔注入層と、正孔輸送材
    料からなる正孔輸送層と、前記正孔輸送層に接して設け
    られた電子輸送材料からなる電子輸送層と、を含み、か
    つ、前記電子輸送層内に、三重項励起状態からの発光を
    呈する発光材料が添加されていることを特徴とする発光
    素子。
  3. 【請求項3】陽極と、有機化合物膜と、陰極と、から構
    成される有機発光素子において、前記有機化合物膜は、
    正孔輸送材料からなる正孔輸送層と、前記正孔輸送材料
    に接して設けられた電子輸送材料からなる電子輸送層
    と、前記陰極に接して設けられた電子注入層と、を含
    み、かつ、前記電子輸送層内に、三重項励起状態からの
    発光を呈する発光材料が添加されていることを特徴とす
    る発光素子。
  4. 【請求項4】陽極と、有機化合物膜と、陰極と、から構
    成される有機発光素子において、前記有機化合物膜は、
    前記陽極に接して設けられた正孔注入層と、正孔輸送材
    料からなる正孔輸送層と、前記正孔輸送領域に接して設
    けられた電子輸送材料からなる電子輸送層と、前記陰極
    に接して設けられた電子注入層と、を含み、かつ、前記
    電子輸送層内に、三重項励起状態からの発光を呈する発
    光材料が添加されていることを特徴とする発光素子。
  5. 【請求項5】請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記
    載の発光素子において、前記正孔輸送材料における最高
    被占分子軌道準位と最低空分子軌道準位とのエネルギー
    差が、前記電子輸送材料における最高被占分子軌道準位
    と最低空分子軌道準位とのエネルギー差よりも大きいこ
    とを特徴とする発光素子。
  6. 【請求項6】請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記
    載の発光素子において、前記正孔輸送材料の吸収スペク
    トルと前記電子輸送材料の発光スペクトルが重ならない
    ことを特徴とする発光素子。
  7. 【請求項7】請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記
    載の発光素子において、前記正孔輸送材料の吸収スペク
    トルと前記電子輸送材料の発光スペクトルが重なること
    なく、かつ、前記正孔輸送材料の吸収スペクトルが前記
    電子輸送材料の発光スペクトルよりも短波長側に位置す
    ることを特徴とする発光素子。
  8. 【請求項8】請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記
    載の発光素子において、前記発光材料の最高被占分子軌
    道準位および最低空分子軌道準位が共に、前記電子輸送
    材料における最高被占分子軌道準位と最低空分子軌道準
    位とのエネルギーギャップ内に位置することを特徴とす
    る発光素子。
  9. 【請求項9】請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記
    載の発光素子において、前記正孔輸送材料のイオン化ポ
    テンシャルの値が、前記発光材料のイオン化ポテンシャ
    ルの値と比べて同じかまたは大きいことを特徴とする発
    光素子。
  10. 【請求項10】請求項1乃至請求項8のいずれか一項に
    記載の発光素子において、前記正孔輸送材料の最低空分
    子軌道準位を示す値の絶対値が、電子輸送材料の最低空
    分子軌道準位を示す値の絶対値よりも0.2eV以上小さい
    ことを特徴とする発光素子。
  11. 【請求項11】請求項1乃至請求項8のいずれか一項に
    記載の発光素子において、前記正孔輸送材料のイオン化
    ポテンシャルの値が前記発光材料のイオン化ポテンシャ
    ルの値と比べて同じかまたは大きく、かつ、前記正孔輸
    送材料の最低空分子軌道準位を示す値の絶対値が電子輸
    送材料の最低空分子軌道準位を示す値の絶対値よりも0.
    2eV以上小さいことを特徴とする発光素子。
  12. 【請求項12】請求項1乃至請求項11のいずれか一項
    に記載の発光素子において、前記正孔輸送材料に4,4',
    4"-トリス(N−カルバゾール)トリフェニルアミン、4,4'
    -ビス[N,N-ビス(3-メチルフェニル)-アミノ]-ジフェニ
    ルメタン、1,3,5-トリス[N,N-ビス(2-メチルフェニル)-
    アミノ]-ベンゼン、1,3,5-トリス[N,N-ビス(3-メチルフ
    ェニル)-アミノ]-ベンゼン 、1,3,5-トリス[N,N-ビス(4
    -メチルフェニル)-アミノ]-ベンゼンのいずれかを使用
    することを特徴とする発光素子。
  13. 【請求項13】請求項1乃至請求項12のいずれか一項
    に記載の発光素子において、前記電子輸送材料に2,2',
    2"-(1,3,5-ベンゼントリイル)トリス-[1-フェニル-1H -
    ベンゾイミダゾ−ル]、リチウムテトラ(2-(2-ヒドロキ
    シフェニル)ベンゾオキサゾラトボロン、ビス(2-(2-ヒ
    ドロキシフェニル)ベンゾオキサゾラト)(トリフェニル
    シラノラト)アルミニウム、ビス(2-(2-ヒドロキシフェ
    ニル)ベンゾチアゾラト)(トリフェニルシラノラト)アル
    ミニウム、2-(2-ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾラ
    トリチウム、(2-(2-ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサ
    ゾラト)-ジフェニルボロン、トリス(8-キノリノラト)
    -アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリノラト)(トリ
    フェニルシラノラト)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-
    キノリノラト)(4-フェニルフェノラト)アルミニウム、
    リチウムテトラ(2-メチル-8-ヒドロキシ-キノリナト)ボ
    ロン、(2-メチル-8-キノリノラト)-ジフェニルボロン、
    ビス(2-メチル-8-キノリノラト)アルミニウムヒドロキ
    シドのいずれかを使用することを特徴とする発光素子。
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