JP2003228758A - 自動販売機のサーペンタイン式商品収納ラック - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】ラック内に特別な部品設置スペースを確保する
要なしに、簡単，かつ安価な部品を追加して付設するだ
けでラック内への商品誤投入を防ぐ。 【解決手段】左右のラック側板５１の間に敷設したトッ
プトレー５７の上で、その商品投入通路を商品の長さサ
イズに合わせて規制する可動側板のトップガイド８ｃを
備えたサーペンタイン式商品収納ラックにおいて、トッ
プガイドの先端部とその背面側に対峙する左側のラック
側板との間にまたがってチェーン１０，あるいはゴム紐
などの簡単なガード部材を着脱可能に架け渡しておき、
トップガイドの調節位置によってトップトレー上に生じ
た遊び間隔の前面をガード部材が塞いで短小サイズの商
品を誤って遊び間隔側に投入するのを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は自動販売機に搭載し
たサーペンタイン式商品収納ラックに関し、詳しくはそ
の商品投入口からラック内に投入する商品の誤投入防止
手段に係わる。

【０００２】

【従来の技術】缶，びん，ペットボトルなどの商品を販
売する自動販売機の商品収納ラックとして、頭記したサ
ーペンタイン式商品収納ラックが周知である。このサー
ペンタイン式商品収納ラックは、左右に対向して立設し
たラック側板の間に、各コラムごとに前後向かい合わせ
に円弧状のラックセグメントを上下に配列して蛇行状の
商品通路を画成し、該商品通路内に横置姿勢で積み上げ
収納した商品を、商品通路の出口側に配したベンド機構
の動作により最下位から順に切り出して払出すようにし
たものであり、その構成を図３，図４に示す。

【０００３】図３はサーペンタイン式商品収納ラックを
搭載した自動販売機の構成図で、１は自動販売機の本体
ケース、２はその前面外扉、３は断熱内扉、４は商品取
出口、５は本体ケース１の庫内に収設したサーペンタイ
ン式商品収納ラック（図示例では２基のラック５Ｉ，５
IIを前後に組合せ、各基のラック内には前後２列の商品
通路が画成されている）、６は商品収納ラック５から払
出した商品を商品取出口４に送り出す商品搬出シュー
タ、７は本庫内保冷用の冷凍機である。

【０００４】ここで、サーペンタイン式商品収納ラック
５は、図４(a),(b) で示すように左右一対のラック側板
５１の間に円弧状のラックセグメント５２を千鳥状に架
設してそのラックセグメント列の間に蛇行状の商品通路
５３を画成し、さらに商品通路５３の下端側には出口通
路を挟んでベンド機構５４と出口通路アジャスタ５５を
配し、上部側には商品通路５３に連ねてラック前面に開
口する商品投入口５６との間にトップトレー５７を敷設
した構成になる。

【０００５】かかる構成で、商品補給時に商品投入口５
６の前方からトップトレー５７の上に商品（缶，びん，
ペットボトル商品）を倒置姿勢で投入すると、商品はト
ップトレー５７の上を転動してその後端から蛇行状の商
品通路５３の中に落下してベンド機構５４の上に一列に
積み上げ収納される。そして、販売指令に基づきベンド
機構５４が作動すると、最下位に並ぶ商品から順に下方
に落下搬出し、搬出シュータ６を経て商品取出口４に送
出されることは周知の通りである。

【０００６】また、上記のサーペンタイン式商品収納ラ
ック５では、各コラムごとにその商品通路５３の通路横
幅を商品の長さサイズに合わせて調整する手段として可
動側板８を装備している。この可動側板の構成，動作の
原理は本発明と同一出願人より先に提案した特開２００
０−３４８２４８号公報などに述べられており、次にそ
の従来構成を図５，図６に示す。

【０００７】すなわち、可動側板８は図４(b) に示した
商品通路５３に対応した縦長形状の板で、その背面と左
側のラック側板５１との間に架設した平行リンク機構９
と組み合わせてラックの商品通路５３の内部に組み込ま
れている。また、この可動側板８には、その上端から図
４に示したトップトレー５７の上面に沿って前方の商品
投入口５６まで延在するトップガイド８ｃを備えてお
り、ラック側板５１の間に架設したスルーピン５８に通
して左右へ移動可能に懸垂支持されている。

【０００８】一方、トップトレー５７の板面には左右に
並ぶ複数段の調節溝５７ａを形成し、この調節溝５７ａ
に前記トップガイド８ｃの下縁側に形成した係合突起８
ｃ-1を嵌挿することで可動側板８を選択した調節位置に
保持するようにしている。上記の構成により、左右のラ
ック側板５１の間の間口間隔Ａに対して、商品を収容す
る商品通路５３の通路横幅は可動側板８と右側のラック
側板との間の間隔Ｂに規制され、可動側板８の背面側に
対峙する左側のラック側板との間の間隔Ｃが遊び間隔と
なる。ここで、商品の長さサイズに合わせて可動側板８
を左右に移動調節すると、これに対応して商品通路幅Ｂ
が変化する。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】ところで、前記した従
来構成のサーペンタイン式商品収納ラックのままでは、
商品補給時に次記に記すような商品誤投入のおそれがあ
る。すなわち、前記したラックの商品通路は、内容量が
５００ｍｌである長大サイズ（１６７mm）の缶商品から
内容量が１９０ｍｌ程度の短小サイズ（７３mm）の缶商
品まで、各種サイズの商品に対応できるように設計され
ており、したがって短小サイズの商品に合わせた位置に
可動側板８をセットすると、商品投入口５６に敷設した
トップトレー５７上には、トップガイド８ｃを挟んで正
規の商品投入通路と反対側（トップガイドとその背面側
に対峙する左側のラック側板との間）には約９０mmの遊
び間隔が残り、この遊び間隔は短小商品のサイズよりも
大となる。このために、短小サイズ商品の商品補給時
に、本来ならトップガイド８ｃと右側のラック側板５１
との間の正規の投入通路に投入すべきが、誤って反対側
の遊び間隔に投入されるおそれがある。しかもこの遊び
間隔に商品を投入すると、そのままトップトレー５７の
後端から転動落下して可動側板８を支えている平行リン
ク機構に引っ掛かってラック内に詰まってしまう。

【００１０】そこで、従来では商品誤投入の防止対策と
して、特開平１０−２４７２６９号公報などに見られる
ように、前記の遊び間隔に対応した商品投入口の部分に
スト１パ機構を設け、可動側板を短小サイズ商品に合わ
せてセットした際にストッパを商品投入口に突き出して
商品の誤投入を防ぐようにしている。しかしながら、ス
トッパ機構を商品投入口に設置した従来構成では、スト
ッパ機構の部品点数も多くなってラック構造が複雑化す
るほか、そのスペース確保の問題などがあって、その改
善策が求められている。

【００１１】本発明は上記の点に鑑みなされたものであ
り、特別な設置スペースを確保する要なしに、ラック内
に簡単，かつ安価な部品を取り付けるだけでラックへの
短小な商品の誤投入を防止できるようにしたサーペンタ
イン式商品収納ラックを提供することを目的とする。

【００１２】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によれば、左右に対向して立設したラック側
板の間に蛇行状の商品通路を画成するとともに、該商品
通路の上端とラック前面に開口する商品投入口との間に
トップトレーを敷設し、商品投入口より投入して商品通
路内に積み上げ収納した商品を、販売指令に基づき最下
位から順に払出すようにした自動販売機のサーペンタイ
ン式商品収納ラックであって、前記商品通路の通路横幅
を商品の長さサイズに合わせて調整する可動側板、およ
び該可動側板に連ねて前記トップトレーの上面に延在す
るトップガイドを備え、該トップガイドによりトップト
レー上での商品投入通路幅を規制するようにしたものに
おいて、前記トップガイドとその背面側に対峙するラッ
ク側板との間の遊び間隔への商品誤投入防止手段とし
て、トップガイドの前端部と前記ラック側板との間にま
たがって紐状のガード部材を架け渡すものとし（請求項
１）、その具体的な態様としてガード部材にチェーン
（鎖金）、もしくはゴム紐（ゴムバンド）など伸縮可能
な弾性紐を用い（請求項２）、さらにトップガイド，ラ
ック側板には前記ガード部材を係脱可能に固定する掛け
止め部を設ける（請求項３）。

【００１３】上記のように遊び間隔への商品誤投入を防
ぐ手段として、チェーン，ゴム紐などのガード部材をト
ップガイドとラック側板の間に架け渡しておくことによ
り、可動側板を長大サイズの商品に合わせてセットした
状態では、ガード部材がトップガイドとラック側板との
間の遊び間隔に折り畳まれ、可動側板を短小サイズの商
品に対応する調節位置にセットすると、いままで折り畳
まれていたガード部材が伸長して遊び間隔の前面を塞
ぎ、商品の誤投入を防ぐ。また、トップガイド，ラック
側板に、前記ガード部材を係脱可能に固定する掛け止め
部を設けておくことにより、ガード部材の取付け，交換
が簡単に行え、自動販売機のロケーション先で行うラッ
ク内部清掃などのメンテナンスにも容易に対応できる。
しかも、このガード部材は安価に入手でき、複雑なスト
ッパ機構を装備した従来構成と比べてコストを大幅に低
減できる。

【００１４】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図
１、および図２に示す実施例に基づいて説明する。な
お、実施例の図中で，図６に対応する部材には同じ符号
を付してその説明は省略する。まず、図１(a),(b) に示
す実施例においては、ラックの商品投入口に敷設したト
ップトレー５７の上面側で、トップガイド８ｃとその背
面側に対峙する左側（商品投入通路と反対側）のラック
側板５１との間に商品誤投入防止用のガード部材として
チェーン（鎖金）１０が架け渡してある。また、図示実
施例では、チェーン１０の両端に止め輪１０ａを繋ぎ、
これを図１(b) で示すようにラック側壁５１の壁面に穴
部５１ａを開けて切欠き形成した突起（掛け止め部）５
１ｂに引っ掛けて固定するようにしている。

【００１５】なお、前記の止め輪１０ａを使う代わり
に、チェーン１０を突起５１ｂに直接巻き付けたり、チ
ェーン１０の先端にフック金具を取付けてラック側壁側
に開口したスリット状の係合溝に引っ掛けるか、あるい
はラック側壁５１の壁に溶接して取り付けることもでき
る。なお、図示してないが、トップガイド８ｃとの間も
前記と同様な方法でチェーン１０を取付けるものとす
る。

【００１６】上記の構成で、トップガイド８ｃを長大サ
イズの商品に合わせてトップトレー５７の上で左側の調
節位置にセットした状態では、チェーン１０が弛んでト
ップガイド８ｃと左側のラック側壁５１との間の狭い遊
び間隔内に折り畳まれている。一方、短小サイズの商品
に合わせてトップガイド８ｃを右側の調節位置に寄せて
セットすると、いままで折り畳まれていたチェーン１０
が図示のように伸長して遊び間隔の前面を塞ぎ、商品投
入口から誤って遊び間隔に短小サイズの商品が投入され
るのを防止する。

【００１７】次に、図２(a),(b) に別な実施例を示す。
この実施例においては、ガード部材として伸縮可能なゴ
ム紐（ゴムバンド）１１を採用し、このゴム紐１１を図
２(b) で示すように掛け止め突起５１ｂに引っ掛けて先
記実施例１と同様にトップガイド８ｃの先端部と左側の
ラック側板５１との間に架け渡している。これにより、
トップガイド８ｃの左右移動に伴ってゴム紐１１が伸縮
し、トップガイド８ｃを短小サイズの商品に合わせて右
側に寄せてセットした状態では、図１の実施例と同様に
ゴム紐１１がトップトレー５７上で遊び間隔の前面を塞
いで商品の誤投入を防ぐ。

【００１８】

【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、商
品投入口の内側に敷設したトップトレーの上で、その商
品投入通路幅をラック内に収納する商品の長さサイズに
合わせて規制する可動側板のトップガイドを備えたサー
ペンタイン式商品収納ラックにおいて、トップガイドと
その背面側に対峙するラック側板との間の遊び間隔への
商品誤投入防止手段として、トップガイドの前端部と前
記ラック側板との間にまたがってチェーン，あるいはゴ
ム紐などの簡単な紐状ガード部材を架け渡したことによ
り、可動側板の調節位置によって商品投入口に通じるト
ップトレー上で生じた前記の遊び間隔に短小サイズの商
品を誤って投入する誤投入を防ぐことができる。しか
も、ラックの商品投入口に複雑なストッパ機構を装備し
た従来構成と比べて、構造が簡単で部品の入手価格も安
価で、かつラックへの着脱も簡単に行えるなど、コス
ト，取扱い性の大幅な改善が図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明実施例の構成図であり、(a) は商品投入
口周辺の要部構造を表す斜視図、(b) は(a) におけるチ
ェーン取付部の構造図

【図２】図１と異なる本発明実施例の構成図であり、
(a) は商品投入口周辺の要部構造を表す斜視図、(b) は
(a) におけるチェーン取付部の構造図

【図３】サーペンタイン式商品収納ラックを搭載した自
動販売機の外観図

【図４】図３におけるサーペンタイン式商品収納ラック
の構成図で、(a) はラックの外観斜視図、(b) はその内
部構造を表す側面図

【図５】図３に示したラックの内部構造を表す正面図

【図６】図５における商品投入口周辺の従来構造を表す
斜視図

【符号の説明】

５ サーペンタイン式商品収納ラック ５１ ラック側板 ５１ｂ ガード部材の掛け止め突起 ５３ 商品通路 ５６ 商品投入口 ５７ トップトレー ８ 可動側板 ８ｃ トップガイド ９ 商品 １０ チェーン（商品誤投入防止用のガード部材） １１ ゴム紐（商品誤投入防止用のガード部材）

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桑原 直樹 神奈川県川崎市川崎区田辺新田１番１号 富士電機株式会社内 (72)発明者 竹中 堅吾 神奈川県川崎市川崎区田辺新田１番１号 富士電機株式会社内 (72)発明者 脇 憲太郎 神奈川県川崎市川崎区田辺新田１番１号 富士電機株式会社内 (72)発明者 大野 雄喜 神奈川県川崎市川崎区田辺新田１番１号 富士電機株式会社内 (72)発明者 趙 晨 神奈川県川崎市川崎区田辺新田１番１号 富士電機株式会社内 (72)発明者 田中 誠一 神奈川県川崎市川崎区田辺新田１番１号 富士電機株式会社内 Ｆターム(参考） 3E044 AA01 FB06 3E046 BA03 BB03 BB04 CA03

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】左右に対向して立設したラック側板の間に
   蛇行状の商品通路を画成するとともに、該商品通路の上
   端とラック前面に開口する商品投入口との間にトップト
   レーを敷設し、商品投入口より投入して商品通路内に積
   み上げ収納した商品を、販売指令に基づき最下位から順
   に払出すようにした自動販売機のサーペンタイン式商品
   収納ラックであり、前記商品通路の通路横幅を商品の長
   さサイズに合わせて調整する可動側板、および該可動側
   板に連ねて前記トップトレーの上面に延在するトップガ
   イドを備え、該トップガイドによりトップトレー上での
   商品投入通路幅を規制するようにしたものにおいて、 前記トップガイドとその背面側に対峙するラック側板と
   の間の遊び間隔への商品誤投入防止手段として、トップ
   ガイドの前端部と前記ラック側板との間にまたがって紐
   状のガード部材を架け渡したことを特徴とする自動販売
   機のサーペンタイン式商品収納ラック。
2. 【請求項２】請求項１記載の商品収納ラックにおいて、
   ガード部材がチェーン，もしくは伸縮可能な弾性紐であ
   ることを特徴とする自動販売機のサーペンタイン式商品
   収納ラック。
3. 【請求項３】請求項１記載の商品収納ラックにおいて、
   トップガイド，ラック側板にガード部材を係脱可能に固
   定する掛け止め部を設けたことを特徴とする自動販売機
   のサーペンタイン式商品収納ラック。