JP2003227837A - 血液中の低比重リポ蛋白(ldl)もしくは変性低比重リポ蛋白の検出方法 - Google Patents

血液中の低比重リポ蛋白(ldl)もしくは変性低比重リポ蛋白の検出方法

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JP2003227837A
JP2003227837A JP2002375922A JP2002375922A JP2003227837A JP 2003227837 A JP2003227837 A JP 2003227837A JP 2002375922 A JP2002375922 A JP 2002375922A JP 2002375922 A JP2002375922 A JP 2002375922A JP 2003227837 A JP2003227837 A JP 2003227837A
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Kazuo Uchida
壱夫 内田
Shinichi Mashiba
新一 真柴
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IKAGAKU KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】動脈硬化症やアルツハイマー病の発症・進展と
深く関わる、LDLおよび変性LDL(特に酸化LD
L)の新規な検出方法を提供する。 【解決手段】変性低比重リポ蛋白(特に酸化LDL)
と、急性相反応物質、血液凝固・線溶系関連蛋白、もし
くはマクロフアージが産生する殺菌物質との複合体を測
定対象にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、血液中に存在する変
性LDL(特に酸化変性LDL)が、生体内における急
性相反応の過程で産生される(急性相反応蛋白の一部は
マクロファージも産生する)ところの各種急性相反応物
質(acute phase reactants)や、各種の凝固・線溶系関
連蛋白、もしくはマクロフアージが産生する各種の殺菌
物質と複合体を形成して存在することを見出すととも
に、この点に着目した新規な変性LDL(特に酸化変性
LDL)の検出方法に関するもので、動脈硬化性病変や
アルツハイマー病などの早期診断や治療上での薬効評価
などに寄与せんとするものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】動脈硬化症は大動脈、
冠状動脈、脳動脈および頚動脈に多く発生し、心筋梗
塞、脳梗塞などの主因となる疾患である。また、最近で
はアルツハイマー病も動脈硬化症と関連性の大きい疾患
であることがわかってきた。従来、血液中で、これらの
生体内での動脈硬化症の状態を直接反映する測定対象が
なく、血清中あるいは血漿中のLDL、LP(a)、レ
ムナントリポ蛋白、Small,denseLDLなど、LDLを
主体とした血管壁脂質蓄積と関わりの深い、動脈硬化性
病変に関わるリポ蛋白として測定されてきた。なかんず
く、酸化LDLと粥状動脈硬化病変の進展との関連がス
タインバーグ(Steinberg,D.et al.Engl.Med.320:
915,1989)により、一方、Rossらが提唱した傷害反
応仮説(Ross,R.Nature.362:801,1993)によって指
摘されて以来、動脈硬化の進展における酸化LDLの関
与が注目されてきた。
【0003】さらに、最近では、動脈硬化を炎症として
捉える立場の研究が盛んである(Ross,R.Ncw.Engl.
J.Med.340:115〜126,1999)。急性相反応と動脈硬化
の関連性に関して(西順一郎,他.動脈硬化.24:363
〜367,1996)によれば、生体は感染や外傷などの外か
らの刺激に対して、発熱、血管透過性亢進による浮腫、
血小板凝集と凝固亢進による止血、免疫担当細胞の活性
化を通じて、すみやかに病原体の排除や組織障害の回復
を図り恒常性を維持する。この生体反応を急性相反応(A
cute phase response)と呼んでいる。感染や外傷などの
外的刺激に対するこの生体反応は、人類の進化とともに
発達してきた重要な防御機構である。一方、今世紀に入
って、われわれ人類の生活環境の急激な変化は、この外
的刺激を減少させる一方で、高脂血症・高血糖などの内
部環境の変化を通じて、酸化変性LDLやAdvanced gly
cation endoproduct(AGE)などの生体内修飾物質を
も増加させる結果を生んできた。マクロファージ系細胞
や血管内皮細胞には、これらの生体内修飾物質を認識す
る特異的レセプターが発現しており、生体はこれらの細
胞を通じて生体内修飾物質を処理する機構を有してい
る。このことは酸化LDLやAGEが体内では異物とし
て作用していることを示しており、この‘異物処理過
程’で、はからずもマクロファージ・内皮細胞の活性化
がひきおこされる。即ちこの一連の過程は動脈硬化の成
立プロセスとみなすことが出来る。
【0004】そして、上述の生体反応、即ち急性相反応
の過程で、血漿中に有意に増加してくる物質を急性相反
応物質あるいは急性相反応蛋白と呼び、表1に示すよう
な主な物質群からなっている(Steel DM,et al.Immuol
Today,15:81〜88,1994)。
【0005】
【表1】
【0006】一方、ヒト大動脈粥状硬化病変部に急性相
反応物質が局在することが免疫組織化学染色法やin sit
u hybridization法で確認されている。CRP、SA
A、SAPに関しては(畑中薫,他.動脈硬化.24:55
1〜555,1997)、fibrinogenおよびその分解産物に関し
て(Bini,A.et al.Arteriosclerosis.9:109〜121.
1989)、α1−アンチトリプシンに関して(竹屋元裕.
未発表,1999)が知られている。
【0007】現状では動脈硬化における各種急性相反応
物質の役割分担については不明な点が多く、今後の研究
の進展が期待されている。また、動脈硬化病変には組織
因子(TF)の過剰発現とともに、血管内で生じたフイ
ブリン血栓の溶解に関与する組織プラスミノーゲンアク
チベーター(t−PA)の阻害因子であるプラスミノー
ゲンアクチベーターインヒビター(PAI)活性やトロ
ンビン受容体も同時に亢進しており、これらの因子も動
脈硬化内膜の凝固亢進に関与していることが知られてい
る(小川久雄.最新医学.54:1210〜1217,1999)。さ
らに、動脈硬化の発生進展に関連して動脈壁でおこる種
々の病的現象は、フイブリンを中心として凝固線溶系の
諸因子が複雑に関連して進展する、即ち、動脈硬化病変
部位は血栓形成の“場”となりやすいことも知られてい
る(田中健蔵.日本老年医学会雑誌.35:880〜890,19
98)。また、上述のごとくアテローム性動脈硬化におい
ては血液中のLDLが血管壁に沈着すると、内皮細胞が
活性化され、血中の単球がもぐり込んできてマクロフア
ージとなり血管壁に沈着したLDLを異物として処理す
る以外にも、最近の報告によると、動脈硬化の発症・進
展にクラミジアニューモニエやヘリコバクターピロリ菌
の感染が関与することも知られ(Murat V, et al. JID.
177:725〜729,1998)、(Patel P, et al. BMJ. 31
1:711〜714,1995)、また、動脈硬化病変部位におい
て、これらの病原菌の存在が確認されている。従って、
動脈硬化病変部位に浸潤したマクロフアージは、血管壁
に沈着したLDLの処理以外に、これら病原菌の排除の
ためにも種々の殺菌物質を血管壁で放出する状況にある
といえる。
【0008】一方、この様に、動脈硬化発症、進展に関
わる要因の解明が進む反面、変性LDL(酸化変性LD
L)の測定法に関しては、血中で簡易に正確性をもって
測定する方法が存在しなかった。したがって本研究は、
動脈硬化症やアルツハイマー病の発症・進展と深く関わ
る、LDLおよび変性LDL(特に酸化LDL)の新規
な検出方法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】生体の主要な構成成分と
して蛋白質、脂質、糖質、核酸があげられるが、最も酸
化されやすいのは脂質であり、酸素添加反応が起こり、
いわゆる過酸化脂質が生成する。脂質が酸化されやすい
のは多くの脂質がリノール酸やアラキドン酸のような高
度不飽和脂肪酸のエステルとなっているためである。リ
ポ蛋白は脂質と蛋白質から構成されており、リポ蛋白が
酸化された場合には、脂質、蛋白質共に酸化変性を受け
る。
【0010】この生体脂質が非酵素的に酸化される引き
金としては、活性酸素が考えられている。この過酸化脂
質の測定は順相HPLC法などの分析化学的手法が用い
られ、健常人の生体内でも確実に脂質の非酵素的酸化が
起きていることが証明されている(山本順寛,他.蛋白
質・核酸・酵素.44:1253,1999)。
【0011】上述のごとく現状では、血液中の総過酸化
脂質量の把握は可能であるが、リポ蛋白個別の酸化変性
度を知る方法は現在のところ存在せず、LDLの酸化変
性体が血液中に存在することの実証は、本発明者らの特
願平8−317162号による方法によって初めて成さ
れた。さらに本発明者は、特願平11−109001
号、特願平11−207913号に開示した手法によっ
ても血液中の酸化変性LDLの検出が可能であることを
発見した。
【0012】そして、その後、更なる研究と検討を繰り
返した結果、循環血液中に酸化変性LDLが種々の急性
相反応物質や、血液凝固・線溶関連蛋白もしくは、マク
ロフアージが産生する各種殺菌物質(滝 寵雄.他.医
学のあゆみ.156:194〜197.1991)と複合体を形成し
て存在する事実を発見して本発明に至った。即ち、特願
平8−317162号、および、特願平11−2079
13号の手法を発展させて、血液中のLDLおよび変性
LDL(特に酸化変性LDL)の検出方法を確立して本
発明を完成させたものである。
【0013】より具体的に説明すると、本発明は、たと
えば、血管内壁下でLDLが酸化変性を受けるとその局
所に血管腔から滲み込んだないしは、マクロフアージが
産生したところの表1に示すような代表的な急性相反応
蛋白(α1−アンチトリプシン、フイブリノーゲン、フ
イブロネクチン、CRP、SAA、SPA、α1−アン
チキモトリプシン、α1−アシドグリコプロティン、α
2−マクログロブリン)と変性LDL(特に酸化変性L
DL)が複合体を形成すること、さらに、動脈硬化内膜
での凝固亢進に関与する(組織因子、プラスミノーゲ
ン、プロトロンビン、トロンビン、アンチトロンビン
3、プラスミンアクチベーターインヒビター1など)蛋
白とも変性LDL(特に酸化変性LDL)が複合体を形
成することおよび、動脈硬化病変部位に浸潤してきたマ
クロフアージが、異物処理過程で放出するミエロペルオ
キシダーゼ、ラクトフェリン、リゾチーム、塩基性蛋白
などの殺菌物質ともLDLおよび変性LDL(特に酸化
変性LDL)が複合体を形成することを見出した。これ
らのいずれの複合体も動脈硬化症の発症・進展と関連性
が高い点を見出して完成されたものである。
【0014】なお典型的には、本発明は、酸化変性LD
Lとα1−アンチトリプシンの複合体を特異的に認識す
る抗体(特願平8−317162号)を作製したと同様
に、LDLおよび酸化変性LDLと複合体を形成してい
る各種抗原に対する特異抗体を作製、または、抗ヒトフ
イブリノーゲン抗体(DAKO)を固相抗体として用
い、LDLおよび酸化変性LDLと各種蛋白との複合体
を反応させた後に、酵素をはじめとする標識物をラベル
した抗ヒトApoB抗体を反応させて、血液中の酸化変
性LDLを検出する方法である。
【0015】この場合、用いる試料は血液中のLDLを
超遠心法や、デキストラン硫酸とカルシウムイオンなど
の化学物質を用いた沈澱法で分画したLDLもしくは、
血清や血漿をそのまま試料として測定することも可能で
ある。また、これらの各種蛋白と複合体を形成したLD
Lおよび酸化変性LDLの検出法の臨床応用としては、
動脈硬化症やアルツハイマー病の早期診断や、動脈硬化
症治療薬投与時の薬効評価などに好適である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明について具体的に説
明する。A.急性相反応物質と複合体を形成したLDLもしくは
酸化変性LDLの検出例A−1)[超遠心または硫酸デキストラン/Ca沈澱
法により調整したLDL中のLDLもしくは変性LDL
(酸化変性LDL)/CRP複合体の測定]
【0017】1、抗ヒトCRPポリクローナル抗体(D
AKO社)を0.05M Tris-HCl(0.15M NaClを含
む、pH8.0)緩衝液に10μg/mlの割合で加え、マイ
クロプレートに100μl/wellで分注する。 2、4℃下で一夜、物理吸着させた後、使用時に脱イオ
ン水で3回洗浄し、0.1%ショ糖および牛血清アルブ
ミン、0.05%アジ化ナトリウムを含む0.05M Tr
is-HCl緩衝液(pH7.5)を10μl/wellで分注し、室
温で30分以上静置した後、液を棄て4℃で乾燥させ
る。乾燥したマイクロプレートを脱イオン水250μl/
wellで3回洗浄する。 3、マイクロプレートに55mg/ml Mouse Gamma Globul
inとGoat Gamma Globulin含有1%ウシアルブミン溶液
を100μl/well分注し、これに試料あるいは標準液を
50μl添加する。 4、37℃で1.5時間反応させる。 5、0.005%Tween20溶液250μl/wellで5回洗
浄する。 6、ビオチン標識Fab′化IgG-apoB/427モノクローナ
ル抗体を1%BSA溶液で1.6μg/mlとしたものを1
00μl/well分注する。 7、37℃で1.5時間反応させる。 8、3、と同様に0.005%Tween20溶液250μl/w
ellで5回洗浄する。
【0018】9、HRP標識アビジンD(Vector labor
atories社製)を1%カゼイン溶液で15000倍希釈
とし、100μl/well分注する。 10、37℃下で30分間反応させる。 11、0.005%Tween20溶液250μl/wellで5回
洗浄する。 12、過酸化水素溶液とTMBZ溶液からなる呈色試薬
を100μl/well分注し、室温下30分間反応させる。 13、1Mリン酸水溶液を100μl/well分注し、反応
を停止させる。 14、主波長450nm、副波長630nmで測光する。 15、人工的に調整した変性LDL(酸化LDL)/C
RP複合体により求めた検量線から試料中の変性LDL
(酸化LDL)/CRP複合体濃度を算出する。
【0019】(A−2)[超遠心または硫酸デキストラ
ン/Ca沈澱法により調整したLDL中のLDLもしく
は変性LDL(酸化変性LDL)/アミロイドA複合体
の測定]
【0020】1、抗ヒトアミロイドAポリクローナル抗
体(DAKO社)を0.05M Tris-HCl(0.15M Na
Clを含む、pH8.0)緩衝液に10μg/mlの割合で加
え、マイクロプレートに100μl/wellで分注する。 2、4℃下で一夜、物理吸着させた後、使用時に脱イオ
ン水で3回洗浄し、0.1%ショ糖および牛血清アルブ
ミン、0.05%アジ化ナトリウムを含む0.05M Tr
is-HCl緩衝液(pH7.5)を10μl/wellで分注し、室
温で30分以上静置した後、液を棄て4℃で乾燥させ
る。乾燥したマイクロプレートを脱イオン水250μl/
wellで3回洗浄する。 3、マイクロプレートに55mg/ml Mouse Gamma Globul
inとGoat Gamma Globlin含有1%ウシアルブミン溶液を
100μl/well分注し、これに試料あるいは標準液を5
0μl添加する。 4、37℃で1.5時間反応させる。 5、0.005%Tween20溶液250μl/wellで5回洗
浄する。 6、ビオチン標識Fab′化IgG-apoB/427モノクローナ
ル抗体を1%BSA溶液で1.6μg/mlとしたものを1
00μl/well分注する。 7、37℃で1.5時間反応させる。 8、3、と同様に0.005%Tween20溶液250μl/w
ellで5回洗浄する。
【0021】9、HRP標識アビジンD(Vector labor
atories社製)を1%カゼイン溶液で15000倍希釈
とし、100μl/well分注する。 10、37℃下で30分間反応させる。 11、0.005%Tween20溶液250μl/wellで5回
洗浄する。 12、過酸化水素溶液とTMBZ溶液からなる呈色試薬
を100μl/well分注し、室温下30分間反応させる。 13、1Mリン酸水溶液を100μl/well分注し、反応
を停止させる。 14、主波長450nm、副波長630nmで測光する。 15、人工的に調整した変性LDL(酸化LDL)/ア
ミロイドA複合体により求めた検量線から試料中の変性
LDL(酸化LDL)/アミロイドA複合体濃度を算出
する。
【0022】(A−3)[超遠心または硫酸デキストラ
ン/Ca沈澱法により調整したLDL中のLDLもしく
は変性LDL(酸化変性LDL)/α2−マクログロブ
リン複合体の測定]
【0023】1、抗ヒトα2−マクログロブリンポリク
ローナル抗体(DAKO社)を0.05M Tris-HCl
(0.15M NaClを含む、pH8.0)緩衝液に10μg/
mlの割合で加え、マイクロプレートに100μl/wellで
分注する。 2、4℃下で一夜、物理吸着させた後、使用時に脱イオ
ン水で3回洗浄し、0.1%ショ糖および牛血清アルブ
ミン、0.05%アジ化ナトリウムを含む0.05M Tr
is-HCl緩衝液(pH7.5)を10μl/wellで分注し、室
温で30分以上静置した後、液を棄て4℃で乾燥させ
る。乾燥したマイクロプレートを脱イオン水250μl/
wellで3回洗浄する。 3、マイクロプレートに55mg/mlMouse Gamma Globuli
nとGoat Gamma Globulin含有1%ウシアルブミン溶液を
100μl/well分注し、これに試料あるいは標準液を5
0μl添加する。 4、37℃で1.5時間反応させる。 5、0.005%Tween20溶液250μl/wellで5回洗
浄する。 6、ビオチン標識Fab′化IgG-apoB/427モノクローナ
ル抗体を1%BSA溶液で1.6μg/mlとしたものを1
00μl/well分注する。 7、37℃で1.5時間反応させる。 8、3、と同様に0.005%Tween20溶液250μl/w
ellで5回洗浄する。
【0024】9、HRP標識アビジンD(Vector labor
atories社製)を1%カゼイン溶液で15000倍希釈
とし、100μl/well分注する。 10、37℃下で30分間反応させる。 11、0.005%Tween20溶液250μl/wellで5回
洗浄する。 12、過酸化水素溶液とTMBZ溶液からなる呈色試薬
を100μl/well分注し、室温下30分間反応させる。 13、1Mリン酸水溶液を100μl/well分注し、反応
を停止させる。 14、主波長450nm、副波長630nmで測光する。 15、人工的に調整した変性LDL(酸化LDL)/α
2−マクログロブリン複合体により求めた検量線から試
料中の変性LDL(酸化LDL)/α2−マクログロブ
リン複合体濃度を算出する。
【0025】(A−4)[超遠心または硫酸デキストラ
ン/Ca沈澱法により調整したLDL中のLDLもしく
は変性LDL(酸化変性LDL)/α1−アンチキモト
リプシン複合体の測定]
【0026】1、抗ヒトα1−アンチキモトリプシンポ
リクローナル抗体(DAKO社)を0.05M Tris-HCl
(0.15M NaClを含む、pH8.0)緩衝液に10μg/
mlの割合で加え、マイクロプレートに100μl/wellで
分注する。 2、4℃下で一夜、物理吸着させた後、使用時に脱イオ
ン水で3回洗浄し、0.1%ショ糖および牛血清アルブ
ミン、0.05%アジ化ナトリウムを含む0.05M Tr
is-HCl緩衝液(pH7.5)を10μl/wellで分注し、室
温で30分以上静置した後、液を棄て4℃で乾燥させ
る。乾燥したマイクロプレートを脱イオン水250μl/
wellで3回洗浄する。 3、マイクロプレートに55mg/ml Mouse Gamma Globul
inとGoat Gamma Globulin含有1%ウシアルブミン溶液
を100μl/well分注し、これに試料あるいは標準液を
50μl添加する。 4、37℃で1.5時間反応させる。 5、0.005%Tween20溶液250μl/wellで5回洗
浄する。 6、ビオチン標識Fab′化IgG-apoB/427モノクローナ
ル抗体を1%BSA溶液で1.6μg/mlとしたものを1
00μl/well分注する。 7、37℃で1.5時間反応させる。 8、3、と同様に0.005%Tween20溶液250μl/w
ellで5回洗浄する。
【0027】9、HRP標識アビジンD(Vector labor
atories社製)を1%カゼイン溶液で15000倍希釈
とし、100μl/well分注する。 10、37℃下で30分間反応させる。 11、0.005%Tween20溶液250μl/wellで5回
洗浄する。 12、過酸化水素溶液とTMBZ溶液からなる呈色試薬
を100μl/well分注し、室温下30分間反応させる。 13、1Mリン酸水溶液を100μl/well分注し、反応
を停止させる。 14、主波長450nm、副波長630nmで測光する。 15、人工的に調整した変性LDL(酸化LDL)/α
1−アンチキモトリプシン複合体により求めた検量線か
ら試料中の変性LDL(酸化LDL)/α1−アンチキ
モトリプシン複合体濃度を算出する。
【0028】(A−5)[超遠心または硫酸デキストラ
ン/Ca沈澱法により調整したLDL中のLDLもしく
は変性LDL(酸化変性LDL)/α1−アシドグリコ
プロテイン複合体の測定]
【0029】1、抗ヒトα1−アシドグリコプロテイン
ポリクローナル抗体(DAKO社)を0.05M Tris-H
Cl(0.15M NaClを含む、pH8.0)緩衝液に10μ
g/mlの割合で加え、マイクロプレートに100μl/well
で分注する。 2、4℃下で一夜、物理吸着させた後、使用時に脱イオ
ン水で3回洗浄し、0.1%ショ糖および牛血清アルブ
ミン、0.05%アジ化ナトリウムを含む0.05M Tr
is-HCl緩衝液(pH7.5)を10μl/wellで分注し、室
温で30分以上静置した後、液を棄て4℃で乾燥させ
る。乾燥したマイクロプレートを脱イオン水250μl/
wellで3回洗浄する。 3、マイクロプレートに55mg/ml Mouse Gamma Globul
inとGoat Gamma Globulin含有1%ウシアルブミン溶液
を100μl/well分注し、これに試料あるいは標準液を
50μl添加する。 4、37℃で1.5時間反応させる。 5、0.005%Tween20溶液250μl/wellで5回洗
浄する。 6、ビオチン標識Fab′化IgG-apoB/427モノクローナ
ル抗体を1%BSA溶液で1.6μg/mlとしたものを1
00μl/well分注する。 7、37℃で1.5時間反応させる。 8、3、と同様に0.005%Tween20溶液250μl/w
ellで5回洗浄する。
【0030】9、HRP標識アビジンD(Vector labor
atories社製)を1%カゼイン溶液で15000倍希釈
とし、100μl/well分注する。 10、37℃下で30分間反応させる。 11、0.005%Tween20溶液250μl/wellで5回
洗浄する。 12、過酸化水素溶液とTMBZ溶液からなる呈色試薬
を100μl/well分注し、室温下30分間反応させる。 13、1Mリン酸水溶液を100μl/well分注し、反応
を停止させる。 14、主波長450nm、副波長630nmで測光する。 15、人工的に調整した変性LDL(酸化LDL)/α
1−アシドグリコプロテイン複合体により求めた検量線
から試料中の変性LDL(酸化LDL)/α1−アシド
グリコプロテイン複合体濃度を算出する。
【0031】B.血液凝固・線溶系関連蛋白と複合体を
形成したLDLもしくは酸化変性LDLの検出例 (B−1)[超遠心または硫酸デキストラン/Ca沈澱
法により調整したLDL中のLDLもしくは変性LDL
(酸化変性LDL)/トロンビン複合体の測定]
【0032】1、抗ヒトトロンビンポリクローナル抗体
(DAKO社)を0.05M Tris-HCl(0.15M NaCl
を含む、pH8.0)緩衝液に10μg/mlの割合で加え、
マイクロプレートに100μl/wellで分注する。 2、4℃下で一夜、物理吸着させた後、使用時に脱イオ
ン水で3回洗浄し、0.1%ショ糖および牛血清アルブ
ミン、0.05%アジ化ナトリウムを含む0.05M Tr
is-HCl緩衝液(pH7.5)を10μl/wellで分注し、室
温で30分以上静置した後、液を棄て4℃で乾燥させ
る。乾焼したマイクロプレートを脱イオン水250μl/
wellで3回洗浄する。 3、マイクロプレートに55mg/ml Mouse Gamma Globul
inとGoat Gamma Globulin含有1%ウシアルブミン溶液
を100μl/well分注し、これに試料あるいは標準液を
50μl添加する。 4、37℃で1.5時間反応させる。 5、0.005%Tween20溶液250μl/wellで5回洗
浄する。 6、ビオチン標識Fab′化IgG-apoB/427モノクローナ
ル抗体を1%BSA溶液で1.6μg/mlとしたものを1
00μl/well分注する。 7、37℃で1.5時間反応させる。 8、3、と同様に0.005%Tween20溶液250μl/w
ellで5回洗浄する。
【0033】9、HRP標識アビジンD(Vector labor
atories社製)を1%カゼイン溶液で15000倍希釈
とし、100μl/well分注する。 10、37℃下で30分間反応させる。 11、0.005%Tween20溶液250μl/wellで5回
洗浄する。 12、過酸化水素溶液とTMBZ溶液からなる呈色試薬
を100μl/well分注し、室温下30分間反応させる。 13、1Mリン酸水溶液を100μl/well分注し、反応
を停止させる。 14、主波長450nm、副波長630nmで測光する。 15、人工的に調整した変性LDL(酸化LDL)/ト
ロンビン複合体により求めた検量線から試料中の変性L
DL(酸化LDL)/トロンビン複合体濃度を算出す
る。
【0034】(B−2)[超遠心または硫酸デキストラ
ン/Ca沈澱法により調整したLDL中のLDLもしく
は変性LDL(酸化変性LDL)/アンチトロンビン3
複合体の測定]
【0035】1、抗ヒトアンチトロンビン3ポリクロー
ナル抗体(DAKO社)を0.05MTris-HCl(0.1
5M NaClを含む、pH8.0)緩衝液に10μg/mlの割合
で加え、マイクロプレートに100μl/wellで分注す
る。 2、4℃下で一夜、物理吸着させた後、使用時に脱イオ
ン水で3回洗浄し、0.1%ショ糖および牛血清アルブ
ミン、0.05%アジ化ナトリウムを含む0.05M Tr
is-HCl緩衝液(pH7.5)を10μl/wellで分注し、室
温で30分以上静置した後、液を棄て4℃で乾燥させ
る。乾燥したマイクロプレートを脱イオン水250μl/
wellで3回洗浄する。 3、マイクロプレートに55mg/ml Mouse Gamma Globu
linとGoat Gamma Globulin含有1%ウシアルブミン溶液
を100μl/well分注し、これに試料あるいは標準液を
50μl添加する。 4、37℃で1.5時間反応させる。 5、0.005%Tween20溶液250μl/wellで5回洗
浄する。 6、ビオチン標識Fab′化IgG-apoB/427モノクローナ
ル抗体を1%BSA溶液で1.6μg/mlとしたものを1
00μl/well分注する。 7、37℃で1.5時間反応させる。 8、3、と同様に0.005%Tween20溶液250μl/w
ellで5回洗浄する。
【0036】9、HRP標識アビジンD(Vector labor
atories社製)を1%カゼイン溶液で15000倍希釈
とし、100μl/well分注する。 10、37℃下で30分間反応させる。 11、0.005%Tween20溶液250μl/wellで5回
洗浄する。 12、過酸化水素溶液とTMBZ溶液からなる呈色試薬
を100μl/well分注し、室温下30分間反応させる。 13、1Mリン酸水溶液を100μl/well分注し、反応
を停止させる。 14、主波長450nm、副波長630nmで測光する。 15、人工的に調整した変性LDL(酸化LDL)/ア
ンチトロンビン3複合体により求めた検量線から試料中
の変性LDL(酸化LDL)/アンチトロンビン3複合
体濃度を算出する。
【0037】(B−3)[超遠心または硫酸デキストラ
ン/Ca沈澱法により調整したLDL中のLDLもしく
は変性LDL(酸化変性LDL)/プラスミノーゲンア
クチベータインヒビター1複合体の測定]
【0038】1、抗ヒトプラスミノーゲンアクチベータ
インヒビター1ポリクローナル抗体(DAKO社)を
0.05M Tris-HCl(0.15M NaClを含む、pH8.
0)緩衝液に10μg/mlの割合で加え、マイクロプレー
トに100μl/wellで分注する。 2、4℃下で一夜、物理吸着させた後、使用時に脱イオ
ン水で3回洗浄し、0.1%ショ糖および牛血清アルブ
ミン、0.05%アジ化ナトリウムを含む0.05M Tr
is-HCl緩衝液(pH7.5)を10μl/wellで分注し、室
温で30分以上静置した後、液を棄て4℃で乾燥させ
る。乾燥したマイクロプレートを脱イオン水250μl/
wellで3回洗浄する。 3、マイクロプレートに55mg/ml Mouse Gamma Globul
inとGoat Gamma Globulin含有1%ウシアルブミン溶液
を100μl/well分注し、これに試料あるいは標準液を
50μl添加する。 4、37℃で1.5時間反応させる。 5、0.005%Tween20溶液250μl/wellで5回洗
浄する。 6、ビオチン標識Fab′化IgG-apoB/427モノクローナ
ル抗体を1%BSA溶液で1.6μg/mlとしたものを1
00μl/well分注する。 7、37℃で1.5時間反応させる。 8、3、と同様に0.005%Tween20溶液250μl/w
ellで5回洗浄する。
【0039】9、HRP標識アビジンD(Vector labor
atories社製)を1%カゼイン溶液で15000倍希釈
とし、100μl/well分注する。 10、37℃下で30分間反応させる。 11、0.005%Tween20溶液250μl/wellで5回
洗浄する。 12、過酸化水素溶液とTMBZ溶液からなる呈色試薬
を100μl/well分注し、室温下30分間反応させる。 13、1Mリン酸水溶液を100μl/well分注し、反応
を停止させる。 14、主波長450nm、副波長630nmで測光する。 15、人工的に調整した変性LDL(酸化LDL)/プ
ラスミノーゲンアクチベータインヒビター1複合体によ
り求めた検量線から試料中の変性LDL(酸化LDL)
/プラスミノーゲンアクチベータインヒビター1複合体
濃度を算出する。
【0040】C.マクロファージが産生する殺菌物質と
複合体を形成したLDLもしくは酸化変性LDLの検出
例 (C−1)[超遠心または硫酸デキストラン/Ca沈澱
法により調整したLDL中のLDLもしくは変性LDL
(酸化変性LDL)/ミエロペルオキシダーゼ複合体の
測定]
【0041】1、抗ヒトミエロペルオキシダーゼポリク
ローナル抗体(DAKO社)を0.05M Tris-HCl
(0.15M NaClを含む、pH8.0)緩衝液に10μg/
mlの割合で加え、マイクロプレートに100μl/wellで
分注する。 2、4℃下で一夜、物理吸着させた後、使用時に脱イオ
ン水で3回洗浄し、0.1%ショ糖および牛血清アルブ
ミン、0.05%アジ化ナトリウムを含む0.05M Tr
is HCl緩衝液(pH7.5)を10μl/wellで分注し、室
温で30分以上静置した後、液を棄て4℃で乾焼させ
る。乾燥したマイクロプレートを脱イオン水250μl/
wellで3回洗浄する。 3、マイクロプレートに55mg/ml Mouse Gamma Globu
linとGoat Gamma Globulin含有1%ウシアルブミン溶液
を100μl/well分注し、これに試料あるいは標準液を
50μl添加する。 4、37℃で1.5時間反応させる。 5、0.005%Tween20溶液250μl/wellで5回洗
浄する。 6、ビオチン標識Fab′化IgG-apoB/427モノクローナ
ル抗体を1%BSA溶液で1.6μg/mlとしたものを1
00μl/well分注する。 7、37℃で1.5時間反応させる。 8、3、と同様に0.005%Tween20溶液250μl/w
ellで5回洗浄する。
【0042】9、HRP標識アビジンD(Vector labor
atories社製)を1%カゼイン溶液で15000倍希釈
とし、100μl/well分注する。 10、37℃下で30分間反応させる。 11、0.005%Tween20溶液250μl/wellで5回
洗浄する。 12、過酸化水素溶液とTMBZ溶液からなる呈色試薬
を100μl/well分注し、室温下30分間反応させる。 13、1Mリン酸水溶液を100μl/well分注し、反応
を停止させる。 14、主波長450nm、副波長630nmで測光する。 15、人工的に調整した変性LDL(酸化LDL)/ミ
エロペルオキシダーゼ複合体により求めた検量線から試
料中の変性LDL(酸化LDL)/ミエロペルオキシダ
ーゼ複合体濃度を算出する。
【0043】(C−2)[超遠心または硫酸デキストラ
ン/Ca沈澱法により調整したLDL中のLDLもしく
は変性LDL(酸化変性LDL)/ラクトフェリン複合
体の測定]
【0044】1、抗ヒトラクトフェリンポリクローナル
抗体(DAKO社)を0.05M Tris-HCl(0.15M
NaClを含む、pH8.0)緩衝液に10μg/mlの割合で加
え、マイクロプレートに100μl/wellで分注する。 2、4℃下で一夜、物理吸着させた後、使用時に脱イオ
ン水で3回洗浄し、0.1%ショ糖および牛血清アルブ
ミン、0.05%アジ化ナトリウムを含む0.05M Tr
is-HCl緩衝液(pH7.5)を10μl/wellで分注し、室
温で30分以上静置した後、液を棄て4℃で乾燥させ
る。乾操したマイクロプレートを脱イオン水250μl/
wellで3回洗浄する。 3、マイクロプレートに55mg/ml Mouse Gamma Globu
linとGoat Gamma Globulin含有1%ウシアルブミン溶液
を100μl/well分注し、これに試料あるいは標準液を
50μ1添加する。 4、37℃で1.5時間反応させる。 5、0.005%Tween20溶液250μl/wellで5回洗
浄する。 6、ビオチン標識Fab′化IgG-apoB/427モノクローナ
ル抗体を1%BSA溶液で1.6μg/mlとしたものを1
00μl/well分注する。 7、37℃で1.5時間反応させる。 8、3、と同様に0.005%Tween20溶液250μl/w
ellで5回洗浄する。
【0045】9、HRP標識アビジンD(Vector labor
atories社製)を1%カゼイン溶液で15000倍希釈
とし、100μl/well分注する。 10、37℃下で30分間反応させる。 11、0.005%Tween20溶液250μl/wellで5回
洗浄する。 12、過酸化水素溶液とTMBZ溶液からなる呈色試薬
を100μl/well分注し、室温下30分間反応させる。 13、1Mリン酸水溶液を100μl/well分注し、反応
を停止させる。 14、主波長450nm、副波長630nmで測光する。 15、人工的に調整した変性LDL(酸化LDL)/ラ
クトフェリン複合体により求めた検量線から試料中の変
性LDL(酸化LDL)/ラクトフェリン複合体濃度を
算出する。
【0046】D.各種脂質濃度別血清中のLDLもしく
は変性LDL(酸化LDL)と急性相反応蛋白または、
凝固・線溶系蛋白または、殺菌蛋白との複合体濃度の比
較 血清中脂質条件1群(コレステロールl60mg/dl>,
中性脂肪100mg/dl>,HDLコレステロール40〜
90mg/dl)、脂肪条件2群(コレステロールl61〜
219mg/dl>,中性脂肪101〜139mg/dl>,HD
Lコレステロール40〜90mg/dl)、脂肪条件3群
(コレステロール220mg/dl<,中性脂肪140mg/dl
<,HDLコレステロール40mg/dl>)、の3群につ
いて、LDLもしくは変性LDL(酸化LDL)と急性
相反応蛋白複合体の測定例として(アミロイドA蛋白と
α2−マクログロブリン)、LDLもしくは変性LDL
(酸化変性)と凝固・線溶系蛋白複合体の測定例として
(プロトロンビン、アンチトロンビン3)、マクロフア
ージが産生する殺菌物質とLDLもしくは変性LDL
(酸化LDL)との複合体の測定例として(ミエロペル
オキシダーゼ、ラクトフェリン)の血清中濃度を比較し
たところ、いずれの複合体濃度も第3群(高脂質血症
群)において最も高値を示した(図1)。
【0047】E.先の出願(特願平11−207913
号)E−1)先の発明に至る経緯
【0048】先の出願に先立って、本発明者は、LDL
とフィブリノーゲンおよびLDLとフィブロネクチンの
複合体形成を試み、人工的に酸化変性を受けたLDLに
より複合体が形成されることを確認した。即ち、native
LDL、糖化LDLおよび、酸化LDLに精製品フィブ
リノーゲン又はフィブロネクチンを添加し、いずれのL
DLがフィブリノーゲン又はフィブロネクチンと複合体
を形成するかを検討した。各LDLとフィブリノーゲン
又はフィブロネクチンの混合試料をアガロース電気泳動
後、ファットレッド(Fat red)7Bによる脂質染色およ
びイムノブロット(immunoblot)法によるフィブリノーゲ
ン又はフィブロネクチン染色を行った。
【0049】その結果、nativeLDLおよび糖化LDL
とフィブリノーゲン又はフィブロネクチンの混合試料で
は複合体形成を認めなかったが、血管内皮細胞処理か硫
酸銅処理により調整した酸化LDLとフィブリノーゲン
又はフィブロネクチンの混合試料では複合体(酸化LD
L−フィブリノーゲン複合体、酸化LDL−フィブロネ
クチン複合体)の形成を認めた。さらに、糖尿病や心筋
梗塞患者血清を用いて、超遠心分離により得たLDL
(1.006g/ml<d<1.063g/ml)を抗ヒトフィ
ブロネクチンイムノアフイニテイクロマト手法によっ
て、LDL−フィブリノーゲン複合体、LDL−フィブ
ロネクチン複合体を単離精製した。このLDL−フィブ
リノーゲン複合体、LDL−フィブロネクチン複合体を
形成するLDLの性質として、酸化LDLに特徴的な脂
質過酸化物の増加、ApoB蛋白の崩壊、そしてLDL
粒子全体の陰性荷電の増加を認めた。さらに、ゲル濾過
分析にて得た各画分を用いたELISAから、LDL画
分中にLDL−フィブリノーゲン複合体、LDL−フィ
ブロネクチン複合体の存在が確認された。
【0050】そこで本発明者らは、LDLないしは酸化
LDLがフィブロネクチンという好都合な標識を付けて
存在する事実に着目し、酸化LDLと複合体を形成する
フィブロネクチンを特異的に認識するモノクローナル抗
体を作製できれば、この抗体を用いて血液中のLDLな
いしは酸化LDLとフィブロネクチンの複合体を認識、
測定、単離精製することが可能と考えた。
【0051】抗体作製時の抗原には、人工的に調整した
酸化LDL−フィブロネクチン複合体を用いた。得られ
た抗体のフィブロネクチンに対する反応特異性は、nati
veフィブロネクチンには反応性を示さないが、酸化LD
Lと複合体を形成するフィブロネクチンを認識した。ま
た、本抗体は、ApoB蛋白は認識しないことも判明し
た。
【0052】(E−2)抗ヒト酸化LDL結合フィブロ
ネクチンモノクローナル抗体の作製法 (モノクローナル抗体作製法の一例) 〔抗原の調整〕ヒト血清から超遠心分離により得たLD
L(1.006g/ml<d<1.063g/ml)を
抗ヒトα1アンチトリプシンポリクローナル抗体を用い
たイムノアフィニティーカラムを通し、LDL−α1ア
ンチトリプシン複合体を除去する。このα1アンチトリ
プシンフリーのLDLに精製ヒトフィブロネクチンを添
加し、硫酸銅液を加え、37℃に1夜放置して、酸化L
DL−フィブロネクチン複合体を形成させた。
【0053】LDLとフィブロネクチンの複合体形成の
確認は、複合体を試料としてゲル濾過分析により得た各
画分についてELISA(固相抗体として抗ヒトフィブ
ロネクチン抗体、酵素標識抗体に抗ヒトApoB抗体を
用いる。)を実施することにより確認できる。
【0054】〔動物への免疫〕この複合体(抗原)をリ
ン酸緩衝生理食塩水で蛋白濃度として1mg/ml溶液とな
るように調整し、この溶液をフロインドアジュバンドを
等量混合して得られるエマルジョンを、6週令のマウス
(Balb/C系マウス)の腹腔内に500μl投与し
た。この作業を2週間おきに計3回免疫を行った。
【0055】〔細胞融合〕最終免疫後4日目に、このマ
ウスの脾臓から採取した脾リンパ球細胞をマウス骨髄腫
細胞(P3-X63-Ag8-Ul)と融合させた。融合方法は、常法
に従い、50%ポリエチレングリコール4000溶液を
融合促進剤として用い、融合促進剤の添加、混合および
希釈の各操作からなる融合時間を10分間、37℃で行
った。次に、HAT培地(ヒポキサンチン・チミジン・
10%ウシ胎児血清を含むRPMI培地)を各ウェルに
分注し、2〜3日後、抗体産生ハイブリドーマの選択を
行った。
【0056】選択方法は、酸化LDL−IgA複合体、
nativeIgA、nativeapoBを各々固定化した96穴
マイクロプレートに、各ウェルのハイブリドーマ形成コ
ロニーの培養上清を100μl分注して反応させ、つい
で洗浄後、ペルオキシダーゼ標識抗マウスイムノグロブ
リン抗体を100μl添加して、抗原抗体反応させ、洗
浄、呈色とELISAの常法に従って操作し、目的とす
る抗体(酸化LDL結合フィブロネクチンに反応性を示
すが、nativeフィブロネクチン、nativeapoBには反
応しない抗体)産生ハイブリドーマを複数個選択した。
次に、目的とする抗体産生を示したコロニーを回収し、
限界希釈法によってハイブリドーマの単一コロニーを得
るようにクローニングを行った。この方法は、回収した
コロニーをHT培地で希釈し、96穴マイクロプレート
の各ウェルにハイブリドーマがウェル当たり1個以下と
なるようにフイーダー細胞と共に散布した。以上の操作
を2回行い、モノクローン化された抗ヒト酸化LDL結
合フィブロネクチン抗体産生ハイブリドーマを複数個得
た。
【0057】〔抗ヒト酸化LDL結合フィブロネクチン
モノクローナル抗体の腹水化〕8週令のマウス(Bal
b/C系マウス)の腹腔内にプリスタン(免疫抑制剤)
を投与した。3〜7日後に抗体産生ハイブリドーマを腹
腔内に投与し、約7日後にマウス腹腔から腹水化された
抗体を回収した。
【0058】〔抗体の精製〕腹水化して得られたそれぞ
れの抗体を50%硫酸アンモニウムで2回塩析分離を行
い、リン酸緩衝生理食塩液にて透析して精製し、複数個
の抗ヒト酸化LDL結合フィブロネクチンモノクローナ
ル抗体と人工的に調整した酸化LDL−フィブロネクチ
ン複合体をそれぞれ反応させ、二次抗体として抗ヒトA
poB酵素標識抗体を用いたELISAにおいて感度に
優れた、抗ヒト酸化LDL結合フィブロネクチンモノク
ローナル抗体(OFN−1と命名)を選定した。
【0059】(E−3)本発明によれば、被検体の血液
成分を本発明の抗体と接触させ、該抗体と特異的に反応
した抗原量を定量することにより、血液中に含まれるL
DLないしは酸化LDL−フィブロネクチン複合体を測
定することができる。測定法はラジオイムノアッセイ、
酵素免疫法、イムノブロット法、免疫沈降法、蛍光イム
ノアッセイ、化学若しくは生物発光イムノアッセイなど
の公知法によって行われる。
【0060】酵素免疫法(ELISA)によるLDLな
いしは酸化LDL−フィブロネクチン複合体の測定法を
例にとり、以下に具体的に説明する。 〔マイクロプレートヘの抗体の固定化〕マイクロプレー
ト(NUNC社製)の各ウェルに、抗ヒト酸化LDL結
合フィブロネクチンモノクローナル抗体(OFN−1)
5μg/ml)を含む0.1Mトリス緩衝液(pH8.4)を
100μlずつ分注し、一夜4℃で放置して抗体を固相
に吸着させる。
【0061】〔酵素標識抗体の調整〕別途、抗ヒトAp
oBポリクローナル抗体、あるいは抗ヒトApoBモノ
クローナル抗体(酸化LDLを抗原として作製したも
の)をペプシンと2−メルカプトエタノールアミンによ
りFab′に標識して酵素標識抗体を調整する。
【0062】〔血清中あるいは血漿中LDLないしは酸
化LDL−フィブロネクチン複合体の測定〕各ウェルに
100μlの1%ウシアルブミンを含むトリス緩衝液
(0.1M、pH8.0)を分注、次いで血清もしくは血
漿50μlを加えて混和した後、37℃で2時間反応さ
せる。次に洗浄液(Tween20を終濃度0.005%含む
リン酸緩衝液:0.02M:pH7.4)で3回洗浄す
る。
【0063】その後、ペルオキシダーゼ標識抗ヒトAp
oBFab′抗体溶液(1%ウシアルブミンを含むトリ
ス緩衝液)を各ウェルに100μlずつ加え混合した
後、37℃で1時間反応させ、先と同様に3回洗浄す
る。基質発色液は、1.66mMTMBZ(同仁化学)
をメタノールで溶解後、メタノール濃度が50%になる
ように0.2Mトリス緩衝液を加えた基質溶液と、0.
02%過酸化水素を含む35mMクエン酸溶液とを等量
ずつ混和した溶液100μlを各ウェルに加え、室温で
10分間放置後、反応停止液(2.5Mリン酸溶液)1
00μlを各ウェルに加える。
【0064】マイクロプレート用比色計を用いて450
/630nmの波長で比色し吸光度を算出する。人工的に
調整した酸化LDL−フィブロネクチン複合体を上述と
同様の操作にて反応させ、作製した検量線から試料中の
LDLないしは酸化LDL−フィブロネクチン複合体濃
度を算出する。
【0065】(E−4)また、本発明によれば、LDL
もしくは酸化LDLとフィブロネクチン複合体を含む動
脈硬化性疾患に関わる新規なリポ蛋白は、細胞外基質成
分に対して沈着性が強力であることから、固相に細胞外
基質蛋白を固定化し、この蛋白に結合させたLDLない
しは酸化LDLとフィブリノーゲンもしくはフィブリン
(又はそれぞれの分解産物)との複合体、およびLDL
ないしは酸化LDLとフィブロネクチンの複合体を含む
動脈硬化性病変に関わる新規なリポ蛋白を検出する方法
について述べる。固相化に細胞外基質蛋白として、血管
をはじめ皮膚、骨、腱、筋などの生体のほとんどすべて
の組織に存在するコラーゲンを用いた測定法を例にと
り、以下に具体的に説明する。
【0066】〔マイクロプレートヘの細胞外基質蛋白の
固定化〕マイクロプレート(NUNC社製)の各ウェル
にI型コラーゲンを10μg/mlを含む0.1Mトリス緩
衝液(pH8.4)を100μlずつ分注し、37℃で放
置して蒸発乾固させてコラーゲンを固相に吸着させる。
【0067】〔酵素標識抗体の調整〕別途、抗ヒトAp
oBポリクローナル抗体、あるいは抗ヒトApoBモノ
クローナル抗体(酸化LDLを抗原として作製したも
の)をペプシンと2−メルカプトエタノールアミンによ
りFab′として、ぺルオキシダーゼをこのFab′に
標識して酵素標識抗体を調整する。
【0068】〔血清中あるいは血漿中のコラーゲン結合
性リポ蛋白の測定〕各ウェルに100μlの1%ウシア
ルブミンを含むトリス緩衝液(0.1M、pH8.0)を
分注、次いで血清もしくは血漿50μlを加えて混和し
た後、37℃で2時間反応させる。次に洗浄液(Tween2
0を終濃度0.005%含むリン酸緩衝液:0.02
M:pH7.4)で3回洗浄する。その後、ぺルオキシダ
ーゼ標識抗ヒトApoBFab′抗体溶液(1%ウシア
ルブミンを含むトリス緩衝液)を各ウェルに100μl
ずつ加え混和した後、37℃で1時間反応させ、先と同
様に3回洗浄する。
【0069】基質発色液は1.66mMTMBZ(同仁
化学)をメタノールで溶解後、メタノール濃度が50%
になるように0.2Mトリス緩衝液を加えた基質溶液
と、0.02%過酸化水素を含む35mMクエン酸溶液
とを等量ずつ混和した溶液100μlを各ウェルに加
え、室温で10分間放置後、反応停止液(2.5Mリン
酸溶液)100μlを各ウェルに加える。マイクロプレ
ート用比色計を用いて450/630nmの波長で比色し
吸光度を測定する。ヒト血清からコラーゲンを固定化し
たアフィニティーカラムで単離・精製したコラーゲン結
合性リポ蛋白について上述と同様の操作にて反応させ、
作成した検量線から試料中のコラーゲン結合性リポ蛋白
濃度を算出する。
【0070】(E−5)さらに、本発明によればLDL
か酸化LDLとフィブリノーゲンやフィブリン(又はそ
れぞれの分解産物)もしくは、フィブロネクチンとの複
合体を含む動脈硬化性病変に関わる新規なリポ蛋白はポ
リスチレンやナイロンなどの高分子化合物に対して結合
性が強力であることから、固相法によっても該リポ蛋白
を測定することができる。固相にポリスチレン製マイク
ロプレートを用いた方法を例にとり、具体的に説明す
る。
【0071】〔酵素標識抗体の調整〕別途、抗ヒトAp
oBポリクローナル抗体、あるいは抗ヒトApoBモノ
クローナル抗体(酸化LDLを抗原として作製したも
の)をペプシンと2−メルカプトエタノールアミンによ
りFab′として、ペルオキシダーゼをこのFab′に
標識して酵素標識抗体を調整する。
【0072】〔血清中あるいは血漿中の動脈硬化性病変
に関わる新規なリポ蛋白の固相法による測定〕無処理の
ポリスチレン製マイクロプレート(NUNC社製)の各
ウェルに100μlの1%ウシアルブミンを含むトリス
緩衝液(0.1M、pH8.0)を分注、次いで血清もし
くは血漿50μlを加えて混和した後、37℃で2時間
反応させる。次に洗浄液(Tween20を終濃度0.005
%含むリン酸緩衝液:0.02M:pH7.4)で3回洗
浄する。
【0073】その後、ペルオキシダーゼ標識抗ヒトAp
oBFab′抗体溶液(1%ウシアルブミンを含むトリ
ス緩衝液)を各ウェルに100μlずつ加え混和した
後、37℃で1時間反応させ、先と同様に3回洗浄す
る。基質発色液は1.66mMTMBZ(同仁化学)を
メタノールで溶解後、メタノール濃度が50%になるよ
うに0.2Mトリス緩衝液とを等量ずつ混和した溶液1
00μlを各ウェルに加え、室温で10分間放置後、反
応停止液(2.5Mリン酸溶液)100μlを各ウェル
に加える。マイクロプレート用比色計を用いて450/
630nmの波長で比色し吸光度を算出する。ヒト血清か
らコラーゲンを固定化したアフィニティーカラムで単離
・精製したLDLか酸化LDLとフィブリノーゲンやフ
ィブリン(又はそれぞれの分解産物)との複合体、LD
Lもしくは酸化LDL−フィブロネクチン複合体を含む
動脈硬化性病変に関わる新規なリポ蛋白を上述と同様の
操作にて反応させ、作成した検量線から試料中の該リポ
蛋白濃度を算出する。
【0074】また、本発明によればLDLもしくは酸化
LDLとフィブリノーゲンもしくはフィブリン(又はそ
れぞれの分解産物)との複合体を含む動脈硬化性病変に
関わる新規なリポ蛋白の検出方法についても以下に具体
的に説明する。
【0075】〔マイクロプレートヘの抗体の固定化〕マ
イクロプレート(NUNC社製)の各ウェルに、抗ヒト
フィブリノーゲン抗体(DAKO)5μg/mlを含む0.
1Mトリス緩衝液(pH8.4)を100μlずつ分注
し、一夜4℃で放置して抗体を固相に吸着させる。
【0076】〔酵素標識抗体の調整〕別途、抗ヒトAp
oBポリクローナル抗体、あるいは抗ヒトApoBモノ
クローナル抗体をペプシンと2−メルカプトエタノール
アミンによりFab′に標識して酵素標識抗体を調整す
る。
【0077】〔血清中のLDLないしは酸化LDL/フ
ィブリノーゲンもしくはフィブリン(又はそれぞれの分
解産物)複合体(LDL−フィブリノーゲン関連物質複
合体と略記することがある)の測定〕各ウェルに100
μlの1%ウシアルブミンを含むトリス緩衝液(0.1
M、pH8.0)を分注、次いで血清50μlを加えて混
和した後、37℃で1時間反応させる。次に洗浄液(Tw
een20を終濃度0.005%含むリン酸緩衝液:0.0
2M:pH7.4)で3回洗浄する。その後、ペルオキシ
ダーゼ標識抗ヒトApoBFab′抗体溶液(1%ウシ
アルブミンを含むトリス緩衝液)を各ウエルに100μ
lずつ加え混合した後、37℃で1時間反応させ、先と
同様に3回洗浄する。
【0078】基質発色液は、1.66mMTMBZ(同
仁化学)をメタノールで溶解後、メタノール濃度が50
%になるように0.2Mトリス緩衝液を加えた基質溶液
と、0.02%過酸化水素を含む35mMクエン酸溶液
とを等量ずつ混和した溶液100μlを各ウェルに加
え、室温で10分間放置後、反応停止液(2.5Mリン
酸)100μlを各ウェルに加える。
【0079】マイクロプレート用比色計を用いて450
/630nmの波長で比色し吸光度を算出する。人工的に
調整した酸化LDL−フィブリノーゲン複合体を上述と
同様の操作にて反応させ、作成した検量線から試料中の
LDL−フィブリノーゲン関連物質複合体濃度を算出す
る。
【0080】(E−6LDL画分中に存在するLDL
−フィブリノーゲン関連物質複合体、LDL−フィブロ
ネクチン複合体およびコラーゲン結合性LDLの確認 ヒト血清を超遠心分離し、得られたLDL(1.006
<d<1.063g/ml)画分を用いてゲル濾過分析を行
い、各フラクションについて以下の如き組み合わせでE
LISAを実施した。即ち、LDL(抗ヒトApoB/
抗ヒトApoB)、LDL/フィブロネクチン複合体
(抗ヒトフィブロネクチン/抗ヒトApoB)、LDL
/フィブリノーゲン複合体(抗ヒトフィブリノーゲン/
抗ヒトApoB)、コラーゲン接着性LDL(コラーゲ
ン/抗ヒトApoB)を測定した結果、図2に示すごと
くLDL画分中にLDL/フィブロネクチン複合体、L
DL/フィブリノーゲン複合体、コラーゲン接着性LD
Lの存在を認めた。
【0081】(E−7血中Lp(a)濃度とコラーゲ
ン結合性Lp(a)濃度の関係および、血中LDL/フ
ィブリノーゲン関連物質との複合体濃度とコラーゲン結
合性LDL濃度の関係 細胞外基質成分への結合性を示すが由に動脈硬化症の危
険因子とされているLp(a)は、血中のLp(a)濃
度依存性にコラーゲン結合性Lp(a)として検出され
る。即ち、血中に存在するLp(a)はすべて細胞外基
質成分への結合特性を有することが示唆される(図3
a)。Cushingらはアポ蛋白(a)が細胞外基質蛋白と
結合しやすい可能性を示唆している(Arteriosclenosi
s.,9:593,1989)。LDLではその一部が細胞外基質
成分への結合性を示すにすぎず(図3b)、血中のLD
L総量から細胞外基質成分結合性のリポ蛋白量を推定す
ることはできない。しかし、血中のLDL/フィブリノ
ーゲン複合体濃度とコラーゲン結合性LDL濃度の相関
性は(図3c)のごとく良好であることから、LDL/
フィブリノーゲン複合体とコラーゲン結合性LDLは同
一物質である可能性が示唆される。従って、LDLが細
胞外基質蛋白と結合性を示すのはLDLに結合している
フィブリノーゲン関連蛋白に依存している可能性が示唆
される。つまり、血中LDL中にLp(a)と同様の細
胞外基質成分結合性のリポ蛋白(動脈硬化症惹起性リポ
蛋白)が存在する。
【0082】(E−8)健常者血清中のLDL−フィブ
リノーゲン関連物質複合体濃度の分布 健常者血清中のLDL−フィブリノーゲン関連物質の濃
度は図4の如くである。
【0083】(E−9)健常者、糖尿病患者およびマル
チプルリスクファクター症候群患者血清中のLDL−フ
ィブリノーゲン関連物質複合体量 図5に示すごとく糖尿病患者およびマルチプルリスクフ
ァクター症候群患者血清中のLDL−フィブリノーゲン
関連物質複合体量は健常者に比べて有意に高値であっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】血中脂質濃度が異なる3群間におけるLDLも
しくは変性LDLと急性相反応蛋白(A)、凝固・線溶
系蛋白(B)、殺菌蛋白(C)との複合体濃度の比較を
図示したものである。
【図2】LDL画分中に存在するLDL−フィブリノーゲン関
連物質複合体、LDL−フィブロネクチン複合体およびコ
ラーゲン結合性リポ蛋白を示したものである。
【図3】血中Lp(a)濃度と細胞外基質蛋白(コラーゲ
ン)結合性Lp(a)濃度の関係、血中LDL−コレステロ
ール濃度と動脈硬化性病変に関わる新規なリポ蛋白濃
度、および、LDL−フィブリノーゲン関連物質複合体濃
度とコラーゲン結合性LDL濃度の関係を示したものであ
る。
【図4】健常者血清中のLDL−フィブリノーゲン関連物
質複合体濃度の分布を示したものである。
【図5】健常者、糖尿病患者およびマルチプルリスクフ
ァクター症候群患者血清中のLDL−フィブリノーゲン関
連物質複合体量の比較を示したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C12N 15/02 C12P 21/08 C12P 21/08 C12N 15/00 C Fターム(参考) 2G045 BB10 BB14 BB29 BB41 BB46 BB51 DA64 FA29 FB01 FB03 FB07 GC12 JA01 4B024 AA11 BA43 DA02 GA05 HA15 4B064 AG27 CA20 CC24 DA13 4H045 AA11 CA40 DA76 EA50 FA72

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィブリノーゲン、フィブロネクチン、
    リポ蛋白(a)、C-reactive protein(CRP)、Serum am
    yloid A(SAA)、Serum amyloid P component(SAP)、
    α2−マクログロブリン、α1−アンチキモトリプシ
    ン、α1−アシドグリコプロテイン、補体成分などの急
    性相反応物質と、 低比重リポ蛋白(LDL)、もしくはLDLが酸化変性
    されてなる変性低比重リポ蛋白(変性LDL:酸化LD
    Lを含む)との複合体を測定対象とする血液中のLDL
    もしくは変性LDLの検出方法。
  2. 【請求項2】 酵素免疫法、ラテックス凝集法、免疫発
    光分析法、イムノクロマト法などの免疫学的測定法を用
    いる請求項1に記載のLDLもしくは変性LDLの検出
    方法。
  3. 【請求項3】 抗ヒトフィブリノーゲン抗体と、酵素を
    はじめとする標識物質を標識した抗ヒトApoB抗体な
    どの免疫反応検出試薬を用いる請求項1に記載の動脈硬
    化性病変に関わる新規なリポ蛋白の検出方法。
  4. 【請求項4】 抗ヒトフィブロネクチン抗体と、酵素を
    はじめとする標識物質を標識した抗ヒトApoB抗体な
    どの免疫反応検出試薬を用いる請求項1に記載の動脈硬
    化性病変に関わる新規なリポ蛋白の検出方法。
  5. 【請求項5】 マウス骨髄腫細胞と、LDL/フィブロ
    ネクチン複合体で免疫された哺乳類の脾臓細胞とを融合
    させて得られるハイブリドーマにより産生されるモノク
    ローナル抗体であって、nativeなフィブロネクチンやA
    poB(nativeおよび変性ApoB)には反応せず、L
    DL/フィブロネクチン複合体を特異的に認識するモノ
    クローナル抗体。
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