JP2003225563A - 水素吸蔵用炭素材料、その製造方法およびそれを用いた水素貯蔵装置 - Google Patents

水素吸蔵用炭素材料、その製造方法およびそれを用いた水素貯蔵装置

Info

Publication number
JP2003225563A
JP2003225563A JP2002027240A JP2002027240A JP2003225563A JP 2003225563 A JP2003225563 A JP 2003225563A JP 2002027240 A JP2002027240 A JP 2002027240A JP 2002027240 A JP2002027240 A JP 2002027240A JP 2003225563 A JP2003225563 A JP 2003225563A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydrogen storage
carbon material
hydrogen
surface area
specific surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002027240A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshitsugu Kojima
由継 小島
Yasuaki Kawai
泰明 河合
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Central R&D Labs Inc filed Critical Toyota Central R&D Labs Inc
Priority to JP2002027240A priority Critical patent/JP2003225563A/ja
Priority to US10/255,955 priority patent/US7094276B2/en
Publication of JP2003225563A publication Critical patent/JP2003225563A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/32Hydrogen storage

Landscapes

  • Filling Or Discharging Of Gas Storage Vessels (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
  • Hydrogen, Water And Hydrids (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的安価で軽量であることに加え、常温に
おける水素吸蔵量が大きい水素貯蔵材料を提供する。ま
た、その水素貯蔵材料を用いて、単位体積当たりの水素
吸蔵量が大きい水素貯蔵装置を提供する。 【解決手段】 水素貯蔵材料を、比表面積が3000m
2/g以上であり、細孔を有し、BJH法により求めた
該細孔の細孔モード径が1nm以上2nm以下である水
素吸蔵用炭素材料とする。また、水素貯蔵装置を、容器
と、該容器に収容された上記水素吸蔵用炭素材料とを含
んで構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素貯蔵材料に関
し、詳しくは、水素を吸蔵・放出することのできる水素
吸蔵用炭素材料に関する。
【0002】
【従来の技術】水素エネルギーは、例えば、電気自動車
用電源等に利用される燃料電池を始めとして、様々な用
途への利用が期待されている。水素エネルギーを実用化
するためには、水素を安全に貯蔵・輸送する技術が重要
となる。水素を貯蔵する技術として、例えば、水素を高
圧で圧縮したり、また低温で液化してボンベ等の容器に
充填する方法がある。しかし、高圧で圧縮する方法で
は、実用的な量の水素を貯蔵する場合に、その容器体積
が大きくなってしまう。また、低温で液化する方法で
は、水素を20K以下に冷却する必要があり、加えて、
容器を常に冷却しておく必要もあるため、そのためのコ
ストが大きくなるという欠点を有する。
【0003】一方、容器に水素を吸蔵・放出可能な材料
を充填しておき、その材料に水素を吸蔵させて貯蔵する
方法もある。水素を吸蔵・放出可能な材料の一つとし
て、例えば、所定の条件下で気体の水素を水素化物とい
う固体の形で吸蔵し、別の条件下で水素を放出する水素
吸蔵合金が挙げられる。また、もう一つの材料として、
水素を吸着することにより吸蔵する多孔質の炭素材料が
注目されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、水素吸
蔵合金は重く、単位重量当たりの水素吸蔵量が小さい。
また、水素を吸蔵・放出する際の発熱・吸熱量が大きい
ことから、充填した容器に冷却設備等を付帯する必要が
ある。さらに、水素吸蔵合金の代表例である希土類系合
金等は、希少金属を含んでおり、その資源の確保が困難
でありコストも高い。一方、多孔質の炭素材料は、資源
として豊富で、軽量である利点を有するが、常温での水
素吸蔵量が小さく、実用的な水素吸蔵量を得るためには
−30℃〜−70℃程度の低温下で使用せざるを得な
い。
【0005】本発明は、上記実状を鑑みてなされたもの
であり、比較的安価で軽量であることに加え、常温にお
ける水素吸蔵量が大きい水素貯蔵材料を提供することを
課題とする。また、その水素貯蔵材料を用いることで、
単位体積当たりの水素吸蔵量が大きい水素貯蔵装置を提
供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の水素吸蔵用炭素
材料は、比表面積が3000m2/g以上であり、細孔
を有し、BJH法により求めた該細孔の細孔モード径が
1nm以上2nm以下であることを特徴とする。
【0007】一般に多孔質の炭素材料は、吸着により水
素を吸蔵するため、その比表面積が大きいほど単位重量
当たりの水素吸蔵量は大きくなる。すなわち、本発明の
水素吸蔵用炭素材料は、比表面積が3000m2/g以
上と大きいため、単位重量当たりの水素吸蔵量の大きな
材料となる。
【0008】ここで、多孔質の炭素材料の1つである活
性炭の結晶モデルを図1(a)および(b)に示す。図
1(a)は、通常の活性炭の結晶モデルを示し、図1
(b)は、比表面積が3000m2/g以上の活性炭の
結晶モデルを示す。図1(a)に示すように、通常、活
性炭は、炭素原子が平面的に連なった層、いわゆるグラ
フェンが多数積層した結晶子がランダムに集合して構成
される。一方、比表面積が3000m2/g以上の炭素
材料の場合は、図1(b)に示すように、上記グラフェ
ンが1枚単独で、あるいは極めて少ない数で積層して、
それぞればらばらに存在する。
【0009】そして、図1(b)に示した各グラフェン
間に存在する空間が本発明の水素吸蔵用炭素材料におけ
る細孔となる。本発明者は、細孔、すなわちグラフェン
間に存在する空間に水素分子が入り込み、各々のグラフ
ェンの表面に吸着されることで、水素が炭素材料に吸蔵
されるということを見出した。そして、この細孔の大き
さを調整することで、常温で吸蔵することのできる水素
の量を増加させることができると考えた。
【0010】すなわち、本発明の水素吸蔵用炭素材料
は、細孔を有し、BJH法により求めた該細孔の細孔モ
ード径が1nm以上2nm以下となるものである。一般
に、多孔質の炭素材料には、種々の細孔径を有する細孔
が存在する。ここで、「BJH法により求めた細孔モー
ド径」とは、後に詳しく説明するが、本発明の炭素材料
が有する細孔の細孔径のうち、最も数多く存在する細孔
径を意味するものである。換言すれば、本発明の水素吸
蔵用炭素材料では、1nm以上2nm以下の細孔径を有
する細孔が最も数多く存在するのである。
【0011】本発明の水素吸蔵用炭素材料は、吸着され
る水素分子の直径を考慮し、多くの細孔の孔径を1nm
以上2nm以下としたものである。この1nm以上2n
m以下という孔径範囲は、水素分子がほぼ二段に積層で
きる大きさに相当するものである。上述のように、水素
分子は細孔の壁を形成するグラフェン表面に吸着する。
つまり、細孔において、その細孔壁に水素分子が吸着す
る。細孔の多くを水素分子が二層に積層できる大きに近
づけることで、対向するグラフェン表面に、それぞれ水
素分子を一層ずつ吸着させることができる。つまり、細
孔内部において水素分子の吸着に関与しない無駄な空間
を少なくし、グラフェンの表面に効率よく水素分子を吸
着することができるのである。このように、本発明の水
素吸蔵用炭素材料は、比表面積を大きくし、その細孔径
の多くを1nm以上2nm以下とすることで、常温での
単位重量当たりおよび単位体積当たりの水素吸蔵量が大
きい水素貯蔵材料となる。
【0012】本発明の水素吸蔵用炭素材料は、その製造
方法が特に限定されるものではない。例えば、以下に示
す本発明の製造方法で簡便に製造することができる。す
なわち、本発明の水素吸蔵用炭素材料の製造方法は、炭
素質物質とアルカリ金属水酸化物とを混合し原料混合物
を調製する原料混合物調製工程と、前記原料混合物を6
50℃以上850℃以下の温度で加熱する活性化工程と
を含んで構成される。炭素質物質とアルカリ金属水酸化
物とを混合し加熱すると、アルカリ金属が炭素質物質を
構成するグラフェンとグラフェンとの間に入りこみ、グ
ラフェン間の隙間を広げると考えられる。つまり、炭素
質物質はアルカリ金属水酸化物により活性化されるので
ある。さらに、加熱する温度を650℃以上850℃以
下とすることで、製造される炭素材料の比表面積および
細孔径を目的のものとするとができる。このように、上
記2つの工程を含んで構成される本発明の製造方法によ
れば、活性化工程における加熱温度を調整することで、
上記本発明の水素吸蔵用炭素材料を簡便に製造すること
ができる。
【0013】また、本発明の水素貯蔵装置は、容器と、
該容器に収容された水素貯蔵材料とを含む水素貯蔵装置
であって、前記水素貯蔵材料は、比表面積が3000m
2/g以上であり、細孔を有し、BJH法により求めた
該細孔の細孔モード径が1nm以上2nm以下である水
素吸蔵用炭素材料を含むことを特徴とする。つまり、上
記本発明の水素吸蔵用炭素材料を用いた水素貯蔵装置で
ある。本発明の水素貯蔵装置は、水素貯蔵材料を容器に
収容することで、水素を圧縮水素、吸着水素という2つ
の状態で貯蔵できる。また、上述のように、常温での水
素吸蔵量が大きい水素貯蔵材料を用いることで、比較的
安価で軽量であることに加え、常温で使用でき、単位体
積当たりの水素貯蔵量が大きい装置となる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の水素吸蔵用炭素材
料、その製造方法およびそれを用いた水素貯蔵装置を詳
細に説明する。なお、説明する実施形態は一実施形態に
すぎず、本発明の水素吸蔵用炭素材料、その製造方法お
よびそれを用いた水素貯蔵装置が、下記の実施形態に限
定されるものではない。下記実施形態を始めとして、当
業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実
施することができる。
【0015】〈水素吸蔵用炭素材料〉本発明の水素吸蔵
用炭素材料は、比表面積が3000m2/g以上であ
り、細孔を有し、BJH法により求めた該細孔の細孔モ
ード径が1nm以上2nm以下である。
【0016】上記活性炭の結晶モデルで示したように、
本発明の水素吸蔵用炭素材料は、グラフェンがほぼ単独
でばらばらに存在する構造を有し、その比表面積が30
00m2/g以上となるものである。より水素吸蔵量を
大きくするという観点から、比表面積が3000m2
gを超えるものが好ましく、さらに3200m2/g以
上であるとより好適である。本明細書では、比表面積
は、BET式吸着法により測定した値を採用する。具体
的には、測定する炭素材料をサンプル管に入れ、N 2
Heとの混合ガスを流してN2を吸着させる。そして、
炭素材料のN2吸着量を熱伝導度セルにより検出し、B
ET理論で仮定するような吸着等温線から炭素材料の比
表面積を算出する方法である。なお、BET式吸着法で
求めた比表面積は、理論比表面積に比べ若干高めの値と
なることが一般に知られている。
【0017】また、本発明の水素吸蔵用炭素材料は、B
JH法により求めた該細孔の細孔モード径が1nm以上
2nm以下となるものである。ここで、「細孔モード
径」の求め方について説明する。BJH法は、細孔の形
状をすべて円筒形と仮定して、窒素吸着法により細孔分
布を求める手法である。具体的には、窒素を試料に吸着
あるいは脱着させた際の窒素の相対圧力の下で、細孔に
吸着された窒素量から吸着等温線を、あるいは細孔から
脱離した窒素量から脱着等温線を作成し、その吸着ある
いは脱着等温線から細孔分布を求めるものである。な
お、脱着等温線を用いる方式が一般的である。BJH法
により、例えば、試料となる炭素材料の細孔容積分布を
求めることにより、その細孔容積分布から細孔モード径
を簡便に求めることができる。すなわち、細孔容積分布
を、横軸を細孔径、縦軸を累積細孔容積とする累積細孔
容積分布曲線として表す。そして、累積細孔容積分布曲
線を微分した微分曲線を求めると、存在割合の大きな細
孔径がピークとして現れる。その最大のピークに対応す
る細孔径が最も存在割合の大きい細孔径、つまり細孔モ
ード径となる。本明細書では、上記累積細孔容積分布の
微分曲線における最大ピークに対応する細孔径を細孔モ
ード径として採用する。
【0018】細孔モード径が1nm未満の場合は、細孔
に水素分子が入りにくくなり、炭素材料の水素吸蔵量が
減少する。水素分子を細孔に進入し易くし、より水素吸
蔵量を大きくする観点から、細孔モード径は1.2nm
以上であることが望ましい。1.5nm以上であるとよ
り好適である。また、細孔モード径が2nmを超える場
合は、細孔内に水素分子の吸着に関与しない無駄な空間
が増え、炭素材料の単位体積当たりの水素吸蔵量が減少
する。上述のように、水素分子は細孔壁を形成するグラ
フェン表面に吸着する。つまり、細孔において、その細
孔壁に水素分子が吸着する。細孔径が大きい場合にはそ
れだけ細孔内部の空間が大きく、細孔内部に水素分子の
存在しない空間が増加してしまう。水素分子の吸着に関
与しない空間を減らし、単位体積当たりの水素吸蔵量を
より大きくする観点から、細孔モード径は1.9nm以
下であることが望ましい。
【0019】〈水素吸蔵炭素の製造方法〉上記本発明の
水素吸蔵用炭素材料の製造方法は、特に限定されるもの
ではないが、以下に説明する本発明の製造方法により簡
便に製造することができる。すなわち、本発明の製造方
法は、原料混合物調製工程と活性化工程とを含んで構成
される。以下、各工程について説明する。
【0020】(1)原料混合物調製工程 本工程は、炭素質物質とアルカリ金属水酸化物とを混合
し、原料混合物を調製する工程である。原料となる炭素
質物質は、特に限定されるものではなく、例えば、植物
の炭化物、石炭コークス、石油コークス、ピッチ類の炭
素化過程で生成するメソカーボンマイクロビーズ(MC
MB)、フェノール樹脂、フェノールノボラック樹脂等
を用いることができる。なかでも、低コストであること
から、炭素質物質は、石油コークスおよびメソカーボン
マイクロビーズ(MCMB)から選ばれる1種以上であ
ることが望ましい。
【0021】アルカリ金属水酸化物は、上記炭素質物質
を活性化させる賦活剤としての役割を果たすものであ
り、炭素と層間化合物を形成するものとして、例えば、
水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等
を用いることができる。特に、資源が豊富で炭素と層間
化合物を形成し易いという理由から、水酸化カリウムを
用いることが望ましい。
【0022】炭素質物質とアルカリ金属水酸化物との混
合割合は、特に限定されるものではない。収率を考慮し
た場合には、炭素質物質とアルカリ金属水酸化物とを重
量比で1:1〜10の割合で混合することが望ましい。
言い換えれば、アルカリ金属水酸化物は、重量で炭素質
物質の1倍以上10倍以下の量を混合することが望まし
い。1倍未満の場合には、賦活剤としての役割を充分果
たすことができないからである。なお、アルカリ金属水
酸化物の炭素質物質に対する混合量を4倍以上とすると
より好適である。反対に10倍を超える量を混合しても
炭素質物質の活性化効果があまり向上しない。混合量を
8倍以下とするとより好適である。また、炭素質物質と
アルカリ金属水酸化物との混合は、通常の粉体の混合方
法に従えばよく、例えば、ボールミル、ブレンダーミキ
サー等を用いて行えばよい。
【0023】(2)活性化工程 本工程は、前記原料混合物調製工程で調製した原料混合
物を650℃以上850℃以下の温度で加熱する工程で
ある。加熱する温度が650℃未満の場合には、炭素質
物質を充分に活性化することができず、得られる炭素材
料の比表面積を目的のものとすることができない。70
0℃以上とすると、アルカリ金属水酸化物中のアルカリ
金属がグラフェン間に挿入され易いため、より好適であ
る。一方、加熱する温度が850℃を超えると、グラフ
ェン間に存在する空間が広がりすぎてしまい、得られる
炭素材料の細孔モード径を目的のものとすることができ
ない。800℃以下とするとより好適である。加熱時間
は、炭素材料が充分活性化できれば特に限定されるもの
ではなく、0.5〜10時間程度とすればよい。なお、
得られた水素吸蔵用炭素材料は、水洗してアルカリ分を
除去して用いることが望ましい。
【0024】また、本工程の前に原料混合物を予め加熱
する前処理工程を含めてもよい。すなわち、本発明の製
造方法を、原料混合物調製工程と、前処理工程と、活性
化工程とを含んで構成する態様とすることができる。本
態様を採用する場合には、前処理工程を、原料混合物を
300℃〜500℃程度の温度で加熱する工程とするこ
とができる。本工程で炭素質物質を活性化する前に、予
め原料混合物を加熱しておくことで、アルカリ金属水酸
化物と炭素質物質とを均一に混合することができる。加
熱時間は、0.5〜2時間程度とすればよい。
【0025】〈水素貯蔵装置〉本発明の水素貯蔵装置
は、容器と、該容器に収容された水素貯蔵材料とを含む
水素吸蔵装置であって、前記水素貯蔵材料は、比表面積
が3000m2/g以上であり、細孔を有し、BJH法
により求めた該細孔の細孔モード径が1nm以上2nm
以下である水素吸蔵用炭素材料を含むものである。
【0026】容器は、高圧等の条件で使用できるもので
あれば、特に限定されるものではない。通常用いられる
耐圧容器、ボンベ等種々の容器を使用すればよい。そし
て、容器に上記水素吸蔵炭素を含む水素貯蔵材料を充填
し、圧力等を所定の条件に調整することにより水素を吸
蔵・放出させればよい。
【0027】
【実施例】上記実施の形態に基づいて、本発明の水素吸
蔵用炭素材料を種々製造した。そして製造した水素吸蔵
用炭素材料を容器に収容して水素貯蔵装置を構成し、そ
の水素吸蔵量を測定した。以下、水素吸蔵用炭素材料の
製造、および水素貯蔵装置の水素吸蔵量の測定結果につ
いて説明する。
【0028】〈水素吸蔵用炭素材料の製造〉 (1)#11の炭素材料 炭素質物質として石油コークスを、アルカリ金属水酸化
物として含水水酸化カリウム(水分約15%)をそれぞ
れ用いた。石油コークスと水酸化カリウムとを重量比で
1:5の割合で混合し原料混合物を調製した。この原料
混合物を、前処理として300℃〜500℃の温度で1
時間保持した。その後、原料混合物を700℃の温度で
加熱し、6時間保持することにより活性化した。活性化
した後、冷却、水洗、乾燥して炭素材料を得た。
【0029】得られた炭素材料の比表面積および細孔モ
ード径を上述した方法により測定した。測定装置は、Q
uantachrome社製のAutosorb−1を
使用した。その結果、本炭素材料の比表面積は、320
0m2/g、細孔モード径は1.5nmであった。本炭
素材料は、本発明の水素吸蔵用炭素材料となるものであ
り、#11の炭素材料と番号付けした。
【0030】(2)#12の炭素材料 上記#11の炭素材料の製造方法において、活性化の温
度を750℃に変更した以外は、#11の炭素材料と同
様の方法で炭素材料を製造した。そして、得られた炭素
材料の比表面積および細孔モード径を、上記同様の測定
装置を使用して測定した。その結果、本炭素材料の比表
面積は、3300m2/g、細孔モード径は1.7nm
であった。本炭素材料は、本発明の水素吸蔵用炭素材料
となるものであり、#12の炭素材料と番号付けした。
【0031】(3)#13の炭素材料 炭素質物質としてMCMB(粒径25μm)を用い、ア
ルカリ金属水酸化物として水酸化カリウムをそれぞれ用
いた。MCMBと水酸化カリウムとを重量比で1:4の
割合で混合し原料混合物を調製した。この原料混合物
を、前処理として500℃の温度で1時間保持しつつ混
練した。その後、原料混合物を800℃の温度で加熱
し、6時間保持することにより活性化した。活性化した
後、冷却、水洗、乾燥して炭素材料を得た。
【0032】得られた炭素材料の比表面積および細孔モ
ード径を、上記同様の測定装置を使用して測定した。そ
の結果、本炭素材料の比表面積は、3200m2/g、
細孔モード径は1.9nmであった。本炭素材料は、本
発明の水素吸蔵用炭素材料となるものであり、#13の
炭素材料と番号付けした。
【0033】(4)#21の炭素材料 上記#11の炭素材料の製造方法において、活性化の温
度を550℃に変更した以外は、#11の炭素材料と同
様の方法で炭素材料を製造した。そして、得られた炭素
材料の比表面積および細孔モード径を、上記同様の測定
装置を使用して測定した。その結果、本炭素材料の比表
面積は、2400m2/g、細孔モード径は1.6nm
であった。本炭素材料を#21の炭素材料と番号付けし
た。
【0034】(5)#22の炭素材料 上記#13の炭素材料の製造方法において、活性化の温
度を550℃に変更した以外は、#13の炭素材料と同
様の方法で炭素材料を製造した。そして、得られた炭素
材料の比表面積および細孔モード径を、上記同様の測定
装置を使用して測定した。その結果、本炭素材料の比表
面積は、2000m2/g、細孔モード径は1.5nm
であった。本炭素材料を#22の炭素材料と番号付けし
た。
【0035】(6)#23の炭素材料 上記#13の炭素材料の製造方法において、活性化の温
度を500℃に変更した以外は、#13の炭素材料と同
様の方法で炭素材料を製造した。そして、得られた炭素
材料の比表面積および細孔モード径を、上記同様の測定
装置を使用して測定した。その結果、本炭素材料の比表
面積は、1200m2/g、細孔モード径は1nm未満
であった。本炭素材料を#23の炭素材料と番号付けし
た。
【0036】(7)#24の炭素材料 上記#13の炭素材料の製造方法において、活性化の温
度を900℃に変更した以外は、#13の炭素材料と同
様の方法で炭素材料を製造した。そして、得られた炭素
材料の比表面積および細孔モード径を、上記同様の測定
装置を使用して測定した。その結果、本炭素材料の比表
面積は、3000m2/g、細孔モード径は2.1nm
であった。本炭素材料を#24の炭素材料と番号付けし
た。
【0037】〈水素貯蔵装置の水素吸蔵量測定〉上記製
造した各炭素材料を、内容量136Lの高圧ボンベに収
容して水素貯蔵装置を作製した。なお、収容した炭素材
料の番号を、そのまま各水素貯蔵装置の番号とした。こ
こで、#11〜#13の炭素材料を収容した#11〜#
13の水素貯蔵装置は、本発明の水素貯蔵装置となる。
そして、これらの水素貯蔵装置に常温で水素を充填し、
10MPa、25MPa、35MPaの各圧力にし、各
圧力下における水素貯蔵量を求めた。一方、参考例とし
て、何も収容しない空の高圧ボンベ(内容量136L)
に水素を充填し、上記同様に、各圧力下における水素貯
蔵量を求めた。なお、水素貯蔵量は、放出した水素量を
湿式ガスメータ(株式会社シナガワ製、W−NK−1
0)を用いて測定した。表1に、各水素貯蔵装置に収容
した炭素材料の比表面積および細孔モード径、各圧力下
における各水素貯蔵装置および参考例のボンベの水素貯
蔵量を示す。なお、表1では、水素貯蔵量を各水素貯蔵
装置およびボンベの容積100L当たりに貯蔵された水
素の重量として示している。
【0038】
【表1】
【0039】表1から、参考例のボンベを含め、すべて
の水素貯蔵装置において、圧力が大きいほど、水素貯蔵
量は大きくなっている。そして、本発明の炭素材料であ
る#11〜#13の炭素材料を収容した#11〜#13
の本発明の水素貯蔵装置は、どの圧力においても、それ
以外の#21〜#24の水素貯蔵装置および水素を充填
したボンベより水素貯蔵量が大きいことがわかる。圧力
が10MPaの場合を例にとると、#11〜#13の水
素貯蔵装置では、水素貯蔵量が0.89〜1.01(k
g/100L)であるのに対し、#21〜#24の水素
貯蔵装置およびボンベでは、0.75〜0.84(kg
/100L)である。つまり、本発明の水素貯蔵装置
は、水素貯蔵量が最大で約35%も増加している。これ
は、比表面積が3200m2/g以上と大きく、かつ細
孔モード径が1.5〜1.9nmである本発明の水素貯
蔵用炭素材料を用いているため、常温における単位体積
当たりの水素貯蔵量が大きくなったことに起因するもの
である。なお、#21〜#24の水素貯蔵装置に収容し
た#21〜#24の炭素材料は、その製造過程における
活性化工程を適正な温度で行わなかったため、比表面積
および細孔モード径の値が目的とする範囲のものになら
なかったと考えられる。以上より、本発明の水素貯蔵用
炭素材料を含む水素貯蔵装置は、常温における単位体積
当たりの水素貯蔵量が大きい水素貯蔵装置となることが
確認できた。
【0040】
【発明の効果】本発明の水素貯蔵用炭素材料は、比表面
積が3000m2/g以上であり、細孔を有し、BJH
法により求めた該細孔の細孔モード径が1nm以上2n
m以下となるものである。比表面積が大きく、その細孔
径の多くが1nm以上2nm以下であるため、常温での
単位重量当たりおよび単位体積当たりの水素吸蔵量が大
きい水素貯蔵材料となる。また、原料混合物調製工程と
活性化工程とを含む本発明の製造方法によれば、上記本
発明の水素貯蔵用炭素材料を簡便に製造することができ
る。さらに、本発明の水素貯蔵装置は、上記本発明の水
素貯蔵用炭素材料を含んで構成することにより、常温で
使用でき、単位体積当たりの水素貯蔵量の大きな装置と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 活性炭の結晶モデルであって、図1(a)
は、通常の活性炭の結晶モデルを示し、図1(b)は、
比表面積が3000m2/g以上の活性炭の結晶モデル
を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F17C 11/00 F17C 11/00 C Fターム(参考) 4G066 AA04B BA23 BA26 CA38 DA01 FA01 FA21 FA34 4G140 AA48

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 比表面積が3000m2/g以上であ
    り、細孔を有し、BJH法により求めた該細孔の細孔モ
    ード径が1nm以上2nm以下である水素吸蔵用炭素材
    料。
  2. 【請求項2】 比表面積が3000m2/g以上であ
    り、細孔を有し、BJH法により求めた該細孔の細孔モ
    ード径が1nm以上2nm以下である水素吸蔵用炭素材
    料の製造方法であって、 炭素質物質とアルカリ金属水酸化物とを混合し原料混合
    物を調製する原料混合物調製工程と、 前記原料混合物を650℃以上850℃以下の温度で加
    熱する活性化工程とを含む水素吸蔵用炭素材料の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前記炭素質物質は、石油コークスおよび
    メソカーボンマイクロビーズから選ばれる1種以上であ
    る請求項2に記載の水素吸蔵用炭素材料の製造方法。
  4. 【請求項4】 容器と、該容器に収容された水素貯蔵材
    料とを含む水素貯蔵装置であって、 前記水素貯蔵材料は、比表面積が3000m2/g以上
    であり、細孔を有し、BJH法により求めた該細孔の細
    孔モード径が1nm以上2nm以下である水素吸蔵用炭
    素材料を含むことを特徴とする水素貯蔵装置。
JP2002027240A 2001-09-28 2002-02-04 水素吸蔵用炭素材料、その製造方法およびそれを用いた水素貯蔵装置 Pending JP2003225563A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002027240A JP2003225563A (ja) 2002-02-04 2002-02-04 水素吸蔵用炭素材料、その製造方法およびそれを用いた水素貯蔵装置
US10/255,955 US7094276B2 (en) 2001-09-28 2002-09-27 Hydrogen storage material and hydrogen storage apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002027240A JP2003225563A (ja) 2002-02-04 2002-02-04 水素吸蔵用炭素材料、その製造方法およびそれを用いた水素貯蔵装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003225563A true JP2003225563A (ja) 2003-08-12

Family

ID=27748815

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002027240A Pending JP2003225563A (ja) 2001-09-28 2002-02-04 水素吸蔵用炭素材料、その製造方法およびそれを用いた水素貯蔵装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003225563A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012070573A1 (ja) * 2010-11-22 2012-05-31 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 水素貯蔵用複合容器及び水素充填方法
EP2298698A4 (en) * 2008-06-23 2013-11-06 Tokuyama Corp POROUS CARBON MATERIAL AND MANUFACTURING METHOD THEREFOR
EP2489633A4 (en) * 2009-10-15 2016-06-08 Jx Nippon Oil & Energy Corp HYDROGEN STORAGE MATERIAL
CN112777564A (zh) * 2021-01-30 2021-05-11 山东大学 一种镁镍-石油焦活性炭复合储氢材料及其制备方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2298698A4 (en) * 2008-06-23 2013-11-06 Tokuyama Corp POROUS CARBON MATERIAL AND MANUFACTURING METHOD THEREFOR
EP2489633A4 (en) * 2009-10-15 2016-06-08 Jx Nippon Oil & Energy Corp HYDROGEN STORAGE MATERIAL
WO2012070573A1 (ja) * 2010-11-22 2012-05-31 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 水素貯蔵用複合容器及び水素充填方法
CN112777564A (zh) * 2021-01-30 2021-05-11 山东大学 一种镁镍-石油焦活性炭复合储氢材料及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Ren et al. Current research trends and perspectives on materials-based hydrogen storage solutions: A critical review
US7094276B2 (en) Hydrogen storage material and hydrogen storage apparatus
JP4808353B2 (ja) 活性炭と膨張黒鉛を含む複合材料
Zhu et al. Lightweight mesoporous carbon fibers with interconnected graphitic walls for supports of form-stable phase change materials with enhanced thermal conductivity
Shkatulov et al. Core–shell encapsulation of salt hydrates into mesoporous silica shells for thermochemical energy storage
BRPI0619176A2 (pt) material de armazenamento de hidrogênio de nanocompósito de espuma a base de carbono
Jiang et al. Thermal conductivity, permeability and reaction characteristic enhancement of ammonia solid sorbents: A review
Yang et al. High-temperature CO2 adsorption by one-step fabricated Nd-doped Li4SiO4 pellets
US9999867B2 (en) Composite adsorbent material
Rueda et al. Innovative methods to enhance the properties of solid hydrogen storage materials based on hydrides through nanoconfinement: A review
JP5443352B2 (ja) 多孔質炭素材およびその製造方法
US6906003B2 (en) Method for sorption and desorption of molecular gas contained by storage sites of nano-filament laded reticulated aerogel
US20050061685A1 (en) Storage device and method for sorption and desorption of molecular gas contained by storage sites of nano-filament laded reticulated aerogel
Xia et al. High-performance hydrogen storage nanoparticles inside hierarchical porous carbon nanofibers with stable cycling
Mohapatra et al. Salt in matrix for thermochemical energy storage-A review
Vasiliev et al. New sorbent materials for the hydrogen storage and transportation
JP2018047453A (ja) メタン吸蔵用球状フェノール樹脂活性炭、及びその製造方法、並びに該活性炭を用いたメタン吸蔵材、及び該活性炭を用いたメタン吸蔵方法
JP2003225563A (ja) 水素吸蔵用炭素材料、その製造方法およびそれを用いた水素貯蔵装置
JP2000103612A (ja) 水素吸蔵炭素
Vasiliev et al. Activated carbon fiber composites for ammonia, methane and hydrogen adsorption
JP2006320853A (ja) 黒鉛系水素吸蔵材料及びその製造方法
US20230417458A1 (en) Improved reagent for thermal machine
JP2003038953A (ja) 水素吸蔵体および水素吸蔵装置
JP4203702B2 (ja) 消化ガス用吸着材
Tan et al. Fabrication of porous Li4SiO4 ceramic sorbent pebbles with high CO2 sorption capacity via the simple freeze-drying method

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040906

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040910

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20041130