JP2003223904A - 燃料電池用セパレータとその製造方法および固体高分子型燃料電池 - Google Patents

燃料電池用セパレータとその製造方法および固体高分子型燃料電池

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JP2003223904A
JP2003223904A JP2002041486A JP2002041486A JP2003223904A JP 2003223904 A JP2003223904 A JP 2003223904A JP 2002041486 A JP2002041486 A JP 2002041486A JP 2002041486 A JP2002041486 A JP 2002041486A JP 2003223904 A JP2003223904 A JP 2003223904A
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JP2002041486A
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Takeshi Yokota
毅 横田
Kenji Takao
研治 高尾
Shin Ishikawa
伸 石川
Kazuhide Ishii
和秀 石井
Shigeru Takano
高野  茂
Osamu Furukimi
古君  修
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JFE Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐久性に優れるとともに接触抵抗値の低いス
テンレス製セパレータおよびその製造方法ならびにこの
セパレータを用いた固体高分子型燃料電池を提供する。 【解決手段】 成分組成としてC:0.03mass%以下、
N:0.03mass%以下、C+N:0.03mass%以下、Cr:20
〜45mass%、Mo:0.5〜3.0mass%を含有し、さらに必要
によりAgを0.001〜0.1mass%含有したセパレータにおい
て、燃料ガス流路を隔てる凸部の表面粗さを、プレス加
工または酸洗により、算術平均粗さRaで0.01〜1.0μm
かつ最大高さRyで0.01〜20μmとし、さらに必要に応じ
て、該少なくとも凸部表面に膜厚10〜300nmのBA皮膜
を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐久性に優れると
ともに接触抵抗値の低い燃料電池用のステンレス製セパ
レータとその製造方法ならびにそのセパレータを用いた
電気自動車の電源や家庭用の小型分散型電源等として用
いられる固体高分子型燃料電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、地球温暖化の防止を目的として、
二酸化炭素の排出量の削減が先進各国に強く求められて
いる。そのため、水素と酸素を反応させて電気を発生さ
せるため二酸化炭素を排出しない、環境に優しい燃料電
池の開発が進められている。この燃料電池の基本構造
は、サンドイッチのような構造となっており、水素や酸
素を供給する2つのセパレータ、2つの電極(燃料極と
空気極)および電解質膜(イオン交換膜)から構成されて
いる。そして、用いる電解質の種類により、リン酸型、
溶融炭酸塩型、固体電解質型、アルカリ型および固体高
分子型などに分類されている。
【0003】上記の燃料電池の中で、固体高分子型燃料
電池は、溶融炭酸塩型およびリン酸型燃料電池等に比べ
て、(1)運転温度が80℃程度と格段に低い、(2)電池本体
の軽量化・小型化が可能である、(3)立上げが早く、燃
料効率、出力密度が高いなどの優れた特性を有してい
る。そのため、固体高分子型燃料電池は、電気自動車の
搭載用電源や家庭用、携帯用の小型分散型電源(定置型
の小型発電機)としての利用が期待され、今日もっとも
注目されている燃料電池の一つである。
【0004】固体高分子型燃料電池は、高分子膜を介し
て水素と酸素から電気を取り出すものであり、図2に示
すように高分子膜とその膜の表裏面に白金系触媒を担持
したカーボンブラック等の電極材料をカーボンクロス等
で支持して一体化した膜−電極接合体(MEA:Membran
e-Electrode Assembly、厚さ数10〜数100μm)1をセパ
レータ2および3により挟み込んだものを単一の構成要
素(単セル)とし、セパレータ2と3間に電位差を生じさ
せるものである。そして、この単セルを数十から数百個
直列につないで燃料電池スタックを構成し、使用されて
いる。なお、図2は、単セルの中で、発電に有効に寄与
する溝加工部分のみを抜き出して示したものである。
【0005】上記セパレータ2および3には、単セル間
を隔てる隔壁としての役割に加えて、発生した電子を運
ぶ導電体としての機能が必要であり、さらに、セパレー
タに設けられた酸素(空気)や水素の流路溝(図2中の空
気流路4、水素流路5)には、生成した水や排出ガスの
排出路としての機能も必要である。そのため、燃料電池
のセパレータには、前者の観点からは、ジュール熱の発
生を抑制して発電特性の低下を抑えるために、セパレー
タと電極膜との間の接触抵抗が極力低いことが、また、
後者の観点からは、流路を形成するための加工性やガス
シールド性および耐食性などが優れることが要求されて
いる。なお、自動車用の燃料電池では約5,000時間、家
庭用の小型分散型電源などとして使用される定置型の燃
料電池では約40,000時間の使用が想定されており、定置
型は自動車用に比較し格段の耐久性が要求される。
【0006】ところで、現在までに実用化された固体高
分子型燃料電池としては、セパレータとして、カーボン
素材を用いたものが知られている。このカーボン製セパ
レータには、接触抵抗が比較的低く、腐食しないという
特徴がある。しかしながら、衝撃により破損しやすく、
コンパクト化が困難で、かつ流路を形成するための加工
コストが高いという欠点があった。特にコストの問題
は、燃料電池普及の最大の障害となっている。そこで、
カーボン素材にかわり金属素材、特にステンレス鋼を適
用しようとする試みがある。
【0007】例えば、特開平8-180883号公報には、不動
態皮膜を形成しやすい金属をセパレータとして用いる技
術が開示されている。しかし、上記素材は、不動態皮膜
を形成するため、カーボン素材にくらべて接触抵抗が高
く、発電効率の低下につながる。また、耐食性が劣るな
どの改善すべき問題点も指摘されていた。
【0008】また、特開平10-228914号公報には、SUS30
4などの金属セパレータの表面に、金めっきを施すこと
により、接触抵抗を低減し高出力を確保する技術が開示
されている。しかし、薄い金めっきでは、ピンホールの
発生防止が困難であり、逆に、厚い金めっきでは製造コ
ストが高くなるという問題がある。
【0009】さらに、特開2000-277133号公報には、フ
ェライト系ステンレス鋼基材に、カーボン粉末を分散付
着させて電導性(接触抵抗)を改善したセパレータの製造
技術が開示されている。しかしながら、カーボン粉末を
用いた場合も、表面処理には相応のコストがかかること
から、依然としてコストの問題が残っている。また、表
面処理を施したセパレータは、単セル組立時にキズが入
った場合、耐食性が著しく低下するという問題点も指摘
されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】そこで、最近では、ス
テンレス鋼に表面処理を施さずに、無垢のままセパレー
タに適用しようとする試みがなされている。例えば、特
開平2000-239806号公報および特開平2000-294255号(特
許第3097689号)公報には、Cu,Niを積極的に添加したう
えで、S,P,N等の不純物元素を低減し、かつC+N
≦0.03mass%、10.5mass%≦Cr+3×Mo≦43mass%を満
足するセパレータ用フェライト系ステンレス鋼が開示さ
れている。また、特開平2000-265248号公報および特開
平2000-294256号(特許第3097690号)公報には、Cu,Niを
0.2mass%以下に制限して金属イオンの溶出を抑えたう
えで、S,P,N等の不純物元素を低減し、かつC+N
≦0.03mass%、10.5mass%≦Cr+3×Mo≦43mass%を満足
するセパレータ用フェライト系ステンレス鋼が開示され
ている。
【0011】しかし、これらの発明はいずれも、不動態
皮膜をより強固にして無垢のまま使用した時の金属イオ
ンの溶出を抑制するもので、これにより、電極担持触媒
の劣化を低減し、腐食生成物による電極との接触抵抗の
増加を抑制しようとする思想にもとづくものであり、ス
テンレス鋼自体の接触抵抗を低下させようとするもので
はない。また、数万時間の発電耐久性(耐出力電圧低下
性)を確保できるものでもない。
【0012】また、燃料電池用の金属製セパレータは、
ガス流路を形成するためにプレス加工あるいは切削加工
が施されるため、鋼帯あるいは鋼板の表面状態(不動態
化皮膜の状態)が、セパレータ加工後さらには燃料電池
組立後まで維持できない場合があるという問題があっ
た。すなわち、燃料電池用セパレータには、セパレータ
加工後においてもなお良好な表面特性を発揮することが
求められる。
【0013】本発明の目的は、長時間の耐久性と安定し
た発電特性とを有する燃料電池用として好適な、耐食性
に優れるとともに接触抵抗値の低いステンレス製セパレ
ータおよびその製造方法ならびにこのセパレータを用い
た固体高分子型燃料電池を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】発明者らは、接触抵抗を
低く抑えたうえで、高い耐食性を発揮するためのステン
レス製セパレータについて、化学成分、表面粗さおよび
表面酸化膜の観点から鋭意研究を行った。その結果、Mo
を含有した高耐食性フェライト系ステンレス鋼を素材と
し、ガス流路溝の凸部表面に浅く微細な凹凸を形成する
ことにより、セパレータの接触抵抗が低減されること、
また、素材の化学成分として、Agを微量添加することで
接触抵抗が大幅に低減されることを見出した。さらに、
接触抵抗を低く抑えた状態で、耐食性を大きく向上させ
る方法についても研究を行った。その結果、セパレータ
の表面に薄いBA皮膜を形成させることが有効であるこ
との知見を得た。
【0015】まず、本発明に想到する契機となった実験
結果について説明する。 (実験1)この実験では、C:0.004mass%、N:0.008
mass%、Si:0.2mass%、Mn:0.1mass%、Cr:29.5mass
%、Mo:1.8mass%、P:0.02mass%、S:0.005mass%
を含有し、さらにAgを0〜0.5mass%(0は無添加を示す)
添加したフェライト系ステンレス鋼を素材とし、板厚0.
5mm、表面仕上げ2B(JIS G4305)のステンレス冷延鋼板
を製造し、接触抵抗の測定に供した。接触抵抗の測定
は、図3に示したセパレータの代わりに、50mm×50mmに
切り出した上記ステンレス鋼板を用い、該鋼板を電極材
料の支持基板として用いられているカーボンクロス(エ
レクトロケム社製:EC−CC1−060)で挟み、さ
らにそれらを、金めっきを施した銅板電極で挟み、50N
/cm2および98N/cm2の圧力を掛けて、2枚の電極間の抵
抗を測定した。そして、その値に接触面積(25cm2)を乗
じ、接触抵抗値を求めた。
【0016】上記実験の測定結果を図1に示す。接触抵
抗は、圧力が50N/cm2、98N/cm2のいずれの場合も、Ag
含有量が0.001mass%を超えると大きく改善され、SUS30
4金めっき材とほぼ同等の値になる。一方、別途実施し
た(5mass%NaCl噴霧×0.5時間+湿潤(60℃、湿度95%
以上)×1時間+60℃乾燥×1時間)を1サイクルとする
塩乾湿複合サイクル腐食試験(50サイクル)の結果から
は、Ag添加量が0.1mass%以下であれば腐食は全く発生
せず、Ag無添加材と同等であることがわかった。
【0017】(実験2)実験2では、C:0.004mass
%、N:0.008mass%、Cr:29.5mass%、Mo:1.8mass
%、Si:0.2mass%、Mn:0.1mass%、S:0.005mass
%、P:0.02mass%を含有するフェライト系ステンレス
鋼および前記ステンレス鋼にさらにAgを0.005mass%添
加したステンレス鋼を、板厚0.5mm、表面仕上げ2B(JI
SG4305)とした冷延鋼板を準備した。そして、上記鋼板
を用いて、プレス加工により、膜-電極接合体と接する
面に、流路となる溝が幅2mm、高さ2mmの正方形断面を
持ち、かつ流路を2mm間隔で17列配置したセパレータ
(有効発電面積:67mm×67mm=45cm2)を作製し、供試材
とした。なお、上記流路の間隔部(凸部)は、単セル組立
て時には、膜−電極接合体と接する部分となる。その
後、上記供試材を、硝酸と塩酸を体積比で1:3の割合
で混合した溶液(王水)にて酸洗し、表面粗さを算術平均
粗さRa=0.1〜0.3μm、最大高さRy=0.5〜1.0μmの範
囲に調整した。
【0018】なお、上記表面粗さの測定は、JIS B0601
に準拠し、流路の間隔部(凸部)の表面を長手方向に測定
した。また、一部の冷延鋼板は、表面粗さを調整後、光
輝焼鈍炉で温度と時間を変えることにより、BA皮膜の
厚みを0〜360nmの範囲に調整した。ここで、BA皮膜
とは、通常の光揮焼鈍炉で焼鈍した際に表面に生成する
薄い酸化皮膜のことである。また、BA皮膜厚の測定
は、アルゴンスパッタリングによるグロー放電発光分光
法(GDS)を用いて行い、表層部の酸素の発光強度がピ
ーク強度の50%まで減少する時間と、鉄の発光強度が母
材部(マトリックス)の50%に達する時間の平均の時間を
求め、この時間に純鉄におけるGDSのスパッタリング
速度を乗じることにより求めた。
【0019】また、比較のため、同じ板厚のSUS304を上
記と同一形状に加工したのち、表面に厚さ約0.05μmの
金めっきを施したステンレス製セパレータ、および板厚
5.0mmのカーボン材を、膜-電極接合体と接する面には、
プレス加工品と同じ、幅2mm、高さ2mmの溝を2mm間隔
で17列切削加工し(有効発電面積:67mm×67mm=45c
m2)、さらに反対面にはプレス成形品の裏面と同じにな
るように、幅1mm、高さ2mmの溝を3mm間隔で16列切削
加工したカーボン製セパレータを作製した。
【0020】これらのセパレータの接触抵抗および耐食
性を、下記の方法で測定した。 <接触抵抗測定>接触抵抗は、図3に示すように、溝加
工後のセパレータを67mm×67mmのカーボンクロスで挟
み、さらに銅板に金めっきを施した電極で挟み、50N/c
m2の圧力をかけ、2枚の電極間の抵抗を測定し、この抵
抗値に接触面積を乗じることにより求めた。このとき、
カーボンクロスは、プレス加工および切削加工により形
成した溝の部分(有効発電面積)に重なるように配置し
た。なお、セパレータとカーボンクロスとの接触面積
(凸部面積)がセパレータの表裏で異なるので、表裏の平
均接触面積を代表値とし、圧力および接触抵抗値の算出
にはこの値を用いた。また、接触抵抗値は、ステンレス
製セパレータについては各条件で6枚ずつ測定し、ま
た、金めっきを施したセパレータおよびカーボン製セパ
レータについては各4枚の測定を行い、それらの平均値
を求めた。
【0021】<耐食性試験>セパレータに用いられるス
テンレス鋼板の耐食性評価には、しばしばJIS G O591に
準拠した5mass%硫酸腐食試験が用いられるが、数万時
間の耐久性を評価する試験方法としては、不十分であ
る。そこで、本実験では、より厳しい腐食試験として、
溝加工を施した2枚のセパレータの間にカーボンクロス
を挟み、線圧9.8N・mで締め付けたのち、80℃の10mass
%H2SO4中に90日間浸漬保持する試験方法を採用し
た。耐食性の評価は、2枚のセパレータについて、浸漬
前後の重量変化を測定し、単位面積当たりの腐食減量を
求め比較した。なお、セパレータは一般に、発電に有効
な溝加工を施した部分の周囲に、ガス導入/排出部や機
械的な構成部がある。そこで、この耐食性試験では、
「発電に有効な溝加工を施した部分」のみを試験に供
し、試験に供しない部分はシールを施した。
【0022】接触抵抗の測定結果を図4に示す。酸洗に
より凸部の表面粗さを制御したステンレス製セパレータ
およびは、カーボン製セパレータと同等またはそれ
以上に良好な接触抵抗を示す。特に、Agを添加したの
接触抵抗は、金めっきを施したステンレス製セパレータ
とほぼ同等の値を示す。一方、凸部の表面粗さを制御し
ていないセパレータの接触抵抗は、非常に高い値を示
している。
【0023】また、表1に示したように、酸洗により凸
部の表面粗さを制御し、さらに適度なBA皮膜を形成し
たステンレス製セパレータ(No.2および3)は、カーボ
ン製セパレータ(No.9)と同等またはそれ以上の良好な
接触抵抗を示す。特に、Agを添加したセパレータ(No.5
および6)の接触抵抗は、金めっきしたステンレス製セ
パレータとほぼ同等の値を示す。一方、酸洗により凸部
の表面粗さを制御してないセパレータ(No.1)およびB
A皮膜を厚く(362nm)生成させたセパレータ(No.7)の接
触抵抗は非常に高い。また、耐食性については、BA処
理を施していないセパレータ(No.1および4)は、金め
っきステンレス製セパレータよりは優れるものの、腐食
減量が大きいことがわかる。これらの結果から、耐食性
と接触抵抗のバランスに優れ、中でも耐食性をより優れ
たものにするためには、BA皮膜を適切な厚みで付与す
ることが重要であることが判明した。
【0024】
【表1】
【0025】上記知見に基づいて完成された本発明は、
燃料電池用ステンレス製セパレータにおいて、該セパレ
ータは、ガス流路となる溝とこの溝を隔てる凸部を有
し、かつその素材成分組成が、C:0.03mass%以下、
N:0.03mass%以下、C+N:0.03mass%以下、Cr:16
〜45mass%、Mo:0.5〜3.0mass%、残部Feおよび不可避
的不純物からなり、さらにこのセパレータの凸部表面は
カーボンクロスとの接触抵抗値が100mΩ・cm2以下を示す
ものであることを特徴とする燃料電池用ステンレス製セ
パレータである。
【0026】また、本発明は、燃料電池用ステンレス製
セパレータにおいて、該セパレータは、ガス流路となる
溝とこの溝を隔てる凸部を有し、かつその素材成分組成
が、C:0.03mass%以下、N:0.03mass%以下、C+
N:0.03mass%以下、Cr:16〜45mass%、Mo:0.5〜3.0
mass%、残部Feおよび不可避的不純物からなり、さらに
このセパレータの凸部の表面粗さが、算術平均粗さRa
で0.01〜1.0μmかつ最大高さRyで0.01〜20μmの表面粗
さであり、かつ該凸部表面はカーボンクロスとの接触抵
抗が100mΩ・cm2以下を示すものであることを特徴とする
燃料電池用ステンレス製セパレータである。
【0027】本発明のセパレータは、上記成分組成に加
えてさらに、下記の〜の群から選ばれるいずれか1
種以上を含むことが好ましい。 Ag:0.001〜0.1mass% V:0.005〜0.5mass% Si:1.0mass%以下、Mn:1.0mass%以下 Ti,Nbのうちの少なくとも1種を0.01〜0.5mass%
【0028】また、本発明の上記セパレータは、前記凸
部表面に、膜厚10〜300nmのBA皮膜を有していること
が好ましい。
【0029】さらに、本発明は、ガス流路となる溝とこ
の溝を隔てる凸部からなる燃料電池用ステンレス製セパ
レータを製造するに当たり、C:0.03mass%以下、N:
0.03mass%以下、C+N:0.03mass%以下、Cr:16〜45
mass%、Mo:0.5〜3.0mass%を含有し、残部Feおよび不
可避的不純物からなる鋼スラブを熱間圧延し、熱延板焼
鈍し、酸洗した後、切削加工することを特徴とする燃料
電池用ステンレス製セパレータの製造方法を提案する。
【0030】なお、上記セパレータの製造方法において
は、前記凸部の表面を、算術平均粗さRaで0.01〜1.0μ
mかつ最大高さRyで0.01〜20μmの粗さに加工すること
が好ましい。また、上記凸部表面の加工は、切削加工前
または後に王水酸洗あるいは混酸酸洗により行うことが
好ましい。
【0031】また、本発明は、ガス流路となる溝とこの
溝を隔てる凸部からなるステンレス製セパレータを製造
するに当たり、C:0.03mass%以下、N:0.03mass%以
下、C+N:0.03mass%以下、Cr:16〜45mass%、Mo:
0.5〜3.0mass%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物
からなる鋼スラブを熱間圧延し、熱延板焼鈍し、酸洗
し、さらに冷間圧延したのち、プレス加工することを特
徴とする燃料電池用ステンレス製セパレータの製造方法
を提案する。
【0032】本発明の上記セパレータの製造方法におい
ては、冷間圧延したのち、さらに、焼鈍し、酸洗してか
らプレス加工することが好ましい。
【0033】また、本発明のセパレータの製造方法にお
いては、前記凸部表面を、算術平均粗さRaで0.01〜1.0
μmかつ最大高さRyで0.01〜20μmの粗さに加工するこ
とが好ましい。さらに、前記凸部の加工は、プレス加工
によるか、あるいは、プレス前または後に行う酸洗によ
って行うことが好ましい。さらに、凸部の加工がプレス
による場合には、使用するプレス金型の凸部表面の粗さ
が、算術平均粗さRaで0.01〜2.0μmかつ最大高さRyで
0.01〜50μmであることが好ましい。
【0034】なお、本発明のセパレータの製造方法にお
いては、鋼スラブ中に、上記に加えてさらに、下記の
〜の群から選ばれるいずれか1種以上を添加すること
が好ましい。 Ag:0.001〜0.1mass% V:0.005〜0.5mass% Si:1.0mass%以下、Mn:1.0mass%以下 Ti,Nbのうちの少なくとも1種を0.01〜0.5mass%
【0035】また、本発明のセパレータの製造方法にお
いては、少なくとも前記セパレータの凸部表面に、光輝
焼鈍により膜厚10〜300nmのBA皮膜を形成することが
好ましい。
【0036】また、本発明は、高分子膜、電極およびセ
パレータとからなる固体高分子型燃料電池において、上
記セパレータとして、上述したセパレータのいずれかを
用いたものであることが好ましい。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明について具体的に説
明する。まず、本発明に係るステンレス製セパレータの
成分組成について説明する。 C:0.03mass%以下、N:0.03mass%以下、C+N:0.
03mass%以下 CおよびNは、ともに鋼中のCrと化合物を形成し、粒界
にCr炭窒化物として析出し、耐食性の低下をもたらす。
このため、両元素とも低いほど望ましく、C:0.03mass
%以下、N:0.03mass%以下、C+N:0.03mass%以下
であれば、耐食性を著しく低下させることはない。ま
た、C+Nが0.03mass%を超えると、セパレータに切削
加工する際に割れを生じることが多い。このため、C:
0.03mass%以下、N:0.03mass%以下、C+N:0.03ma
ss%以下に制限する。好ましくは、C:0.015mass%以
下、N:0.015mass%以下、C+N:0.02mass%以下で
ある。
【0038】Si:1.0mass%以下 Siは、脱酸のためには有効な元素であるが、過度に含有
すると鋼板の硬質化と延性の低下を招くので、その含有
量の上限を1.0mass%とする。好ましくは、0.0005〜0.6
mass%である。
【0039】Mn:1.0mass%以下 Mnは、Sと結合して固溶Sを固定することにより、Sの
粒界偏析を抑制し、熱間圧延時の割れを防止するのに有
効な元素であるが、過剰の添加は加工性や耐食性の劣化
を招くので、1.0mass%以下とする。好ましくは、0.000
5〜0.8mass%である。
【0040】Cr:16〜45mass% Crは、ステンレス鋼の耐食性を確保するため、基本的に
必要な元素である。Crの量が16mass%未満では、セパレ
ータとして、長期の使用に耐えられない。一方、Cr量が
45mass%を超えると、シグマ相の析出により靭性の低下
が起こる。このため、Cr量は16〜45mass%とした。な
お、好ましくは20〜45mass%、より好ましくは22〜35ma
ss%である。
【0041】Mo:0.1〜3.0mass% Moは、ステンレス鋼の耐隙間腐食性の改善に有効な元素
である。Moの添加量が0.1mass%未満では改善効果が少
なく、一方、3.0mass%を超えて添加してもその効果が
飽和する。そのため、Mo量は0.1〜3.0mass%とした。な
お、好ましくは0.5〜3.0mass%、より好ましくは1.0〜
2.5mass%である。
【0042】Ag:0.001〜0.1mass% Agは、微生物の増殖を抑制するいわゆる抗菌元素として
知られている(例えば、特開平11-172379号公報、特開平
11-12692号公報など)。しかし、発明者らは、ステンレ
ス鋼に微量のAgを添加すると、耐食性を維持したまま接
触抵抗を低下できることを新たに見出した。このような
接触抵抗の低下は、Ag添加量が0.001mass%以上で認め
られるが、0.1mass%を超えると逆に耐食性が低下し、
しかも、腐食が進行した後は、接触抵抗も著しく増加す
る。そこで本発明では、圧力50N/cm2において、100mΩ
・cm2以下の接触抵抗を得るために、Agを0.001〜0.1mass
%含有させる。好ましくは、0.005〜0.07mass%であ
る。
【0043】V:0.005〜0.5mass% Vは、塩化物を含有した溶液環境における耐食性を改善
する効果を有し、かつ製鋼過程において、Agを均一微細
に分散させるのに有効な元素である。耐食性改善効果は
0.005mass%以上の添加で認められるが、0.5mass%を超
えるとその効果が飽和する。よって、V量は0.005〜0.5
mass%とした。好ましくは0.005〜0.3mass%である。さ
らに好適には、0.2超え〜0.3mass%である。なお、Agと
Vを複合添加した場合には、最終製品の耐食性の向上と
接触抵抗の改善の複合効果が認められることから、Vと
Agは複合添加することが望ましい。
【0044】Ti,Nb:合計で、0.01〜0.5mass% TiおよびNbは、鋼中のC,Nを炭窒化物として固定し、
プレス成形性を改善するのに有効な元素である。C+N
が0.03mass%以下の場合、TiおよびNbの添加によるプレ
ス成形性の改善効果は、Ti,Nbを合計で0.01mass%以上
含有している場合に認められ、一方、0.5mass%を超え
て含有させてもその効果は飽和する。そのため、Ti,Nb
のうち少なくとも1種を、合計で0.01〜0.5mass%含有
させる。好ましくは0.02〜0.4mass%である。
【0045】本発明の鋼は、上記の元素以外にさらに、
熱間加工性の向上の目的で、Ca,Mg,REM(希土類元
素),Bをそれぞれ0.1mass%以下、溶鋼段階での脱酸効
率向上の目的で、Alを0.2mass%以下、素材の靭性向上
の目的で、Niを1mass%以下添加してもよい。その他の
元素は、Feおよび不可避的不純物である。
【0046】次に、本発明に係るステンレス製セパレー
タが具備すべき特性について説明する。 a.圧力50N/cm2におけるカーボンクロスとの接触抵抗
が、100mΩ・cm2以下 接触抵抗によるエネルギー損失は、ジュール熱となり発
電に寄与しないので、接触抵抗値は低いほどよい。特
に、接触抵抗が100mΩ・cm2以上になると、発電特性の低
下が著しくなるので、100mΩ・cm2を上限値とした。な
お、カーボンクロスは、ガスの拡散と電極材料を支持す
るために用いられるもので、膜−電極接合体(MEA)と
一体化されるか、あるいはMEAとセパレータの間に挟
んで使用される。カーボンクロスには、種々のタイプの
ものがあり、接触抵抗は種類により変化するが、本発明
においては、エレクトロケム社製のカーボンクロス(E
C−CC1−060)を用いた場合の接触抵抗値とす
る。なお、接触抵抗の測定方法および接触面積の値は、
前述した実験2の方法による。
【0047】b.凸部表面粗さRa:0.01〜1.0μm、R
y:0.01〜20μm 金属セパレータの凸部の表面粗さは、接触抵抗の制御に
は特に重要で、接触抵抗を低くするためには、表面に微
細な凹凸を形成することが有効である。ただし、凹部が
深くなりすぎると、局所的な耐食性の低下を招き、孔食
が発生する。接触抵抗がカーボン製セパレータと同等に
なる表面粗さは、Raで0.01μm以上であるが、その効果
は0.8μm程度で飽和し、逆にRaが1.0μmを超えると接
触抵抗が高くなる。従って、圧力50N/cm2において、接
触抵抗100mΩ・cm2以下を得るためには、Ra:0.01〜1.0
μmとする必要がある。好ましくは、Ra:0.05〜0.8μm
である。一方、凹凸の大きさを表す最大高さRyは、20
μmを超えると孔食の起点となるため、20μm以下とす
る。このRyは、低ければ低いほどよいが、表面粗さ(R
a)との関係から、下限値は0.01μmとする。したがっ
て、Ry:0.01〜20μmとした。
【0048】なお、金属セパレータの凸部表面粗さの調
整には、機械加工、ショットブラスト、レーザー加工、
プレス加工、酸洗処理、フォトエッチングなどのいずれ
の方法を用いてもよいが、微細な凹凸加工を施したプレ
ス金型でプレスする方法や混酸、塩酸または王水などを
用いた酸洗処理が適している。また、酸洗処理による凸
部表面粗さの調整はセパレータに加工する前または後の
いずれの段階で行ってもよいが、安定した表面粗さを得
るためには、加工後に調整するのが望ましい。
【0049】c.BA皮膜厚:10〜300nm 特に高い耐食性が要求される場合には、ステンレス鋼表
面にBA皮膜を、10〜300nmの厚さで生成させることが
有効である。BA皮膜の厚みが10nm未満では耐食性の向
上効果が認められず、逆に、BA皮膜の厚みが300nmを
超えると接触抵抗が大きくなり過ぎる。このため、耐食
性と接触抵抗のバランスを考慮し、BA皮膜厚みは、10
〜300nmに制御する。好ましくは20〜200nmである。な
お、溝加工および表面粗度調整前にBA皮膜を生成させ
た場合、その後の加工により、BA皮膜が損傷したり、
薄くなったりする可能性があるため、溝加工および表面
粗度調整後にBA皮膜を生成させることが望ましい。
【0050】次に、本発明のセパレータの製造方法につ
いて簡単に説明する。本発明に係るセパレータの鋼の溶
製方法は、通常公知の方法がすべて適用できるので、特
に限定する必要はないが、例えば、製鋼の工程は転炉、
電気炉等で溶製し、強攪拌・真空酸素脱炭処理(SS−
VOD)により2次精錬を行うのが好適である。鋳造方
法は、生産性、品質の面から連続鋳造法が好ましい。鋳
造後、得られたスラブを、熱間圧延し、800〜1150℃の
熱延板焼鈍したのち、酸洗する。この酸洗後の熱延板
は、切削加工によりセパレータを作製する場合の素材と
することが好ましい。一方、プレス加工によりセパレー
タを加工する場合には、上記熱延板をさらに冷間圧延
し、あるいはさらに800〜1150℃の焼鈍、酸洗処理を施
した冷延板を素材とすることが好ましい。なお、熱延板
をプレス加工に用いても、また、冷延板を切削加工に用
いてもよいことはもちろんである。また、溝加工は、上
記切削加工、プレス加工以外に、フォトエッチングなど
の別の方法を用いても構わない。
【0051】プレス加工や切削加工等によりガス流路溝
を形成した後、さらに接触抵抗の低減を目的とし、機械
加工、ショットブラスト、レーザー加工、プレス加工、
酸洗処理、フォトエッチングなどの方法を用いて表面粗
度を調整し、セパレータとする。さらに、燃料電池とし
て長時間の連続運転が要求される場合には、特に高い耐
久性を高めるため、光揮焼鈍により、厚さ10〜300nmの
BA皮膜を生成させることが望ましい。
【0052】
【実施例】(実施例1)表2に示す化学組成を有する鋼
A1〜A15を転炉−2次精錬(SS−VOD)により溶製
し、連続鋳造法により200mm厚のスラブとした。これら
のスラブを1250℃に加熱したのち、熱間圧延により板厚
5mmの熱延板とし、850〜1100℃の熱延板焼鈍と酸洗処
理を施した。次いで、冷間圧延し、850〜1100℃の焼鈍
を施して板厚0.5mmの冷延板とした。なお、凸部表面粗
さの調整は、冷延焼鈍後の酸洗工程において混酸(8mas
s%HNO3+2.5mass%HFの混合溶液)への浸漬時間を
変化させて行った。得られた冷延焼鈍板の板幅中央部か
つコイル長手方向中央部から200mm×200mmのサンプルを
各3枚切り出し、接触抵抗および希硫酸中での腐食試験
を実施した。このうち良好な結果の得られたサンプルに
ついて、さらにプレス加工によりセパレータを作成し、
単セルを用いた発電特性試験を実施した。これらの試験
方法を以下に示す。
【0053】
【表2】
【0054】<接触抵抗試験>サンプリングしたステン
レス板の1枚から50mm×50mmの試験片を4枚切出し、図
3に示すように、両面から同じ大きさのカーボンクロス
で挟み、さらに銅板に金めっきを施した電極を接触さ
せ、98N/cm2および50N/cm2の圧力をかけ、2枚の電
極間の抵抗を測定し、この値に接触面積を乗じて接触抵
抗値とした。なお、測定は1枚ずつ行い、4枚の平均値
を接触抵抗値とした。
【0055】<耐食性試験>JIS G 0591に準拠し、接触
抵抗測定に用いた50mm角の4枚の試験片を5mass%硫酸
中に浸漬し、80℃で7日間保持後の質量変化を測定する
硫酸腐食試験を実施した。なお、サンプルの表面は、試
験前に酸洗により粗さ調整した状態のままとし、単位面
積当たりの腐食減量は、4枚の試験片の平均値とした。
【0056】<単セルを用いた発電特性試験>ステンレ
スの冷延焼鈍板から採取したサンプルの残りの2枚を用
いて、プレス加工によりセパレータを作製した。なお、
セパレータの溝部分の形状は、図2に示した空気流路4
および水素流路5の溝がそれぞれ幅2mm、高さ2mmの正
方形断面を持ち、かつそれらの溝が2mm間隔(すなわち
電極膜に接触する凸部の幅が2mm)で17列配置したもの
とした(有効発電面積:67mm×67mm=45cm2)。このセパ
レータを、高分子膜としてナフィオン(Nafion:デュポ
ン社製)を使用した寸法67mm×67mmの膜−電極接合体(M
EA)と組合せ、図2に示す形状の単セルを作製した。
そして、発電特性は、カソード側流路には空気を、アノ
ード側流路には超高純度水素(純度99.9999mass%)を流
し、電流密度0.7A/cm2の出力電圧で、100時間にわた
って調査した。なお、電池本体は75℃±1℃、電池内部
は78℃±2℃の温度にそれぞれ保持し、膜−電極接合体
等は、試験片を変えるたびに新しい物に取り替えた。
【0057】また、参考例として板厚0.5mmのSUS304を
上記と同一形状にプレス加工したのち、表面に厚さ約0.
05μmの金めっきを施したステンレス製セパレータ、お
よび厚さ5.0mmのカーボン材を用いて、プレス加工品と
同じになるように、片面には幅2mm、高さ2mmの溝を2
mm間隔で17列(有効発電面積:67mm×67mm=45cm2)、反
対面には幅1mm、高さ2mmの溝を3mm間隔で16列切削加
工したカーボン製セパレータを用いて、上記と同様の単
セル発電特性試験を行った。なお、いずれの場合も、溝
の幅が2mmである面を膜−電極接合体側に向けて単セル
を作製した。
【0058】上記試験の結果を表3に示す。本発明の成
分組成を有する鋼は、いずれも金めっきしたステンレス
鋼と同等の接触抵抗を示すとともに、耐食性も良好であ
った。さらに100時間の発電試験の結果、本発明のセパ
レータは、カーボン製セパレータおよび金めっきしたス
テンレス製セパレータと同等の出力電圧を確保できた。
一方、Cr含有量の低い鋼A1(No.10)、Mo含有量の低い鋼
A10(No.23)およびCあるいはC+N量の高い鋼A12(No.2
5)あるいは鋼A13(No.26)は、腐食減量が0.1g/m2以上あ
り、耐食性に劣る。
【0059】
【表3】
【0060】(実施例2)表4に示す化学組成を有する
鋼B1〜B12を、転炉−2次精錬(SS−VOD)により溶
製し、連続鋳造法により200mm厚のスラブとした。これ
らのスラブを1250℃に加熱したのち熱間圧延して板厚5
mmの熱延板とし、850〜1100℃の熱延板焼鈍後、酸洗
し、切削加工によるセパレータ加工に供した。また、プ
レス加工によりセパレータを得る場合には、さらに上記
熱延板を冷間圧延し、850〜1100℃の焼鈍および酸洗に
よる脱スケール後、冷間圧延して、板厚0.5mmの冷延板
とし、加工に供した。
【0061】熱延板から切削加工によりセパレータを作
製する場合には、電極膜と接触する側には、ガス流路
(図2の空気流路4および水素流路5)となる溝を、幅2
mm、高さ2mmの正方形断面を持ちかつ溝の間隔が2mm
(すなわち電極膜に接触する凸部の幅が2mm)となるよ
うに17列配置した(有効発電面積:67mm×67mm=45c
m2)。また、その反対面には、幅1mm、高さ2mmの溝を
3mm間隔で16列配置した。この際、切削加工の前あるい
は後に、硝酸と塩酸を体積比で1:3の割合で混合した
溶液で酸洗(王水酸洗)し、または8mass%HNO3+2.5
mass%HFの混合溶液で酸洗(混酸酸洗)し、凸部の表面
粗さを調整した。
【0062】一方、プレス加工によりセパレータを作製
する場合には、電極膜と接触する側の溝形状が、上記切
削加工の場合と同一形状となるように成形加工した。そ
の後、電極膜と接触するセパレータ凸部表面の粗度の調
整を、王水酸洗または混酸酸洗により、あるいは、凸部
に相当するプレス金型の部位表面に、予め微細な凹凸加
工を施しておき、プレス加工することによって行った。
なお、セパレータ凸部に相当するプレス金型の部位の表
面粗さは、プレス1ではRa=0.8μm、Ry=5.6μm、プ
レス2ではRa=2.1μm、Ry=16.5μm、プレス3では
Ra=3.3μm、Ry=52.7μmとした。
【0063】さらに、比較のため、板厚0.5mmのSUS304
を用いてプレス加工により、上記プレス品と同一寸法に
加工したのち、表面に厚さ約0.05μmの金めっきを施し
たステンレス製セパレータおよび板厚5.0mmのカーボン
材を、上記切削加工品と同一寸法に切削加工したカーボ
ン製セパレータを作製し、試験に供した。
【0064】
【表4】
【0065】上記のセパレータは、各条件に対してそれ
ぞれ4枚ずつ作製し、接触抵抗を測定したのち、そのう
ちの2枚を用いて希硫酸中での腐食試験(耐食性試験)を
行い、残りの2枚を用いて固体高分子型燃料電池(単セ
ル)を作製し、1000時間の発電特性試験に供した。それ
ぞれの試験条件は以下の通りである。
【0066】<接触抵抗測定>接触抵抗は、図3に示す
ように、溝加工後のセパレータを67mm×67mmのカーボン
クロスで挟み、さらに銅板に金めっきを施した電極を接
触させて、50N/cm2の圧力をかけ、2枚の電極間の抵抗
を測定し、接触面積を乗じた値を接触抵抗値とした。な
お、セパレータとカーボンクロスとの接触面積は、セパ
レータの表裏で異なるため、表裏の平均値を接触面積の
代表値とし、圧力および接触抵抗値の算出はこの値を用
いて行った。また、測定は、各条件に対して4枚ずつ行
い、平均値を接触抵抗値とした。
【0067】<耐食性試験>JIS G O591に準拠し、10ma
ss%硫酸腐食試験を実施した。試験では、各種セパレー
タ(2枚)を10mass%硫酸中に浸漬し、80℃で90日間保持
した後の重量変化を測定し、発電に有効な溝加工部分の
単位面積当たりの平均質量減少量(腐食減量)を求めた。
【0068】<単セルでの発電特性試験>高分子膜とし
てナフィオンを使用した寸法67mm×67mmの電極膜を用い
て固体高分子型燃料電池(単セル)を作製し、カソード側
には空気を、アノード側には超高純度水素(純度99.9999
mass%)をそれぞれ流量500cm3/minで流し、負荷電流密
度0.6A/cm2における1000時間後の出力電圧低下を調べる
耐久試験を実施した。このときの出力電圧の低下が0.03
V以下であれば、耐久性は良好と評価できる。なお、電
池本体は75±1℃に、電池内部の温度は78±2℃に保持
し、膜−電極接合体(MEA)等は試験片を変えるたびに
新しいものと交換した。
【0069】上記セパレータの加工方法および試験結果
についてまとめて表5に示す。本発明例は、いずれもカ
ーボンセパレータ(No.51)と同等かそれよりも良好な接
触抵抗を示すと共に、耐食性は、金めっきセパレータ(N
o.52)よりも良好な特性を示している。さらに1000時間
の発電試験による出力電圧低下は、プレス加工3で加工
した表面粗さRyが20μmを超えるセパレータ(No.47)を
除いて0.03V以下である。また、切削加工のまま(No.3
5)では接触抵抗が高く、Moを含有しない鋼B7(No.42)で
は、1000時間後に出力電圧が著しく低下した。なお、セ
パレータ加工できなかった鋼B9,B10を使用した比較例
(No.44および45)では、耐食性および発電特性の評価は
行わなかった。
【0070】
【表5】
【0071】(実施例3)表6に示す成分組成を有する
鋼C1〜C12を、実施例2と同様の方法で、板厚5mmの熱
延鋼板あるいは板厚0.5mmの冷延鋼板とした。これらの
熱延鋼板あるいは冷延鋼板から実施例2と同様にしてサ
ンプルを切り出し、セパレータに加工し、実施例2と同
様な方法で、表面粗さを調整した。さらに、表面に種々
の厚みのBA皮膜を生成させる目的で、光揮焼鈍炉を用
い、焼鈍温度を900〜1100℃、焼鈍時間を30秒〜15分に
変化させて、アンモニア分解ガス(H2:75vol.%、
2:25vol.%)雰囲気下で焼鈍を行った。また、比較の
ため、実施例2と同一寸法の、SUS304をプレス加工し金
めっきしたステンレス製セパレータおよび切削加工した
カーボン製セパレータも作製した。
【0072】上記セパレータは各条件に対しそれぞれ4
枚ずつ作製し、実施例2と同様に振り分けて、接触抵抗
測定、耐食性試験および発電特性評価に供した。接触抵
抗の測定は、実施例2と同様の方法で行った。また、耐
食性試験は、実施例2よりも厳しい腐食環境にするため
に、セパレータを線圧9.8N・mで締め付け、10mass%H2
SO4に浸漬する試験方法を採用し、試験温度80℃で、9
0日間保持後の重量変化から、2枚のセパレータの発電
に有効な溝加工部分の平均腐食減量を求めた。また、発
電特性の評価は、実施例2と同様な方法で、燃料電池
(単セル)に組み込んで、1000時間および10000時間の発
電特性試験を実施した。なお、BA皮膜厚の測定は、実
験2と同じGDS法で行った。
【0073】評価結果を表7に示す。本発明例は、いず
れもカーボン製セパレータ(No.71)と同等かそれよりも
良好な接触抵抗を示すとともに、耐食性は金めっきセパ
レータ(No.72)よりも良好であった。さらに、1000時間
の発電試験の結果、本発明例のセパレータを組み込んだ
燃料電池は、1000時間後の出力電圧低下がいずれも0.03
V以下であることがわかった。また、切削加工のまま(N
o.56)や、BA皮膜厚が厚いセパレータ(No.60)では接触
抵抗が高く、また、Moを含有しない鋼C7(No.64)では、
650時間後に出力電圧が著しく低下した。なお、セパレ
ータ加工できなかった鋼C9,C10を使用した比較例(No.
66および67)では、耐食性および発電特性の評価は実施
しなかった。
【0074】
【表6】
【0075】
【表7】
【0076】一方、C4の鋼から作製したセパレータを用
いて、発電特性の試験時間を10,000時間まで延長して行
った耐久試験の結果を表8に示す。BA皮膜を形成した
セパレータ(No.73〜75)は、出力電圧の低下はいずれも
0.01V以下で、解体後、セパレータに腐食は認められな
かった。これに対して、BA皮膜を生成していないセパ
レータ(No.76)は、1000時間の耐久性は良好であった
が、試験時間が約6000時間を超えると、出力電圧の低下
が0.03Vを超えている。
【0077】
【表8】
【0078】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
従来のカーボン製セパレータや金めっきしたステンレス
製セパレータと同等かそれ以上に接触抵抗が小さくかつ
耐食性に優れ、特に、固体高分子型燃料電池用セパレー
タとして用いて好適なステンレス製セパレータを得るこ
とができる。この結果、従来、耐久性の問題から、高価
なカーボン製セパレータを使用していた燃料電池に、安
価なステンレス製セパレータを提供することが可能とな
った。また、本発明材料は、燃料電池用セパレータに限
ることなく、導電性ステンレス製電気部材としても広く
利用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 フェライト系ステンレス鋼中のAg含有量と接
触抵抗との関係を示すグラフである。
【図2】 固体高分子型燃料電池の単セルの構造を示す
略線図である。
【図3】 セパレータの接触抵抗を測定する方法を示す
模式図である。
【図4】 セパレータの加工条件と接触抵抗の関係を示
した図である。
【符号の説明】
1:(電極)膜−電極接合体 2,3:セパレータ 4:空気流路 5:水素流路 6:金めっき銅板電極 7:カーボンクロス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 伸 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 石井 和秀 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 高野 茂 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 古君 修 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 5H026 AA06 BB01 BB02 BB04 BB06 BB10 CC03 CX04 EE02 HH00 HH03 HH06

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料電池用ステンレス製セパレータにおい
    て、該セパレータは、ガス流路となる溝とこの溝を隔て
    る凸部を有し、かつその素材成分組成が、C:0.03mass
    %以下、N:0.03mass%以下、C+N:0.03mass%以
    下、Cr:16〜45mass%、Mo:0.5〜3.0mass%、残部Feお
    よび不可避的不純物からなり、さらにこのセパレータの
    凸部表面はカーボンクロスとの接触抵抗値が100mΩ・cm2
    以下を示すものであることを特徴とする燃料電池用ステ
    ンレス製セパレータ。
  2. 【請求項2】燃料電池用ステンレス製セパレータにおい
    て、該セパレータは、ガス流路となる溝とこの溝を隔て
    る凸部を有し、かつその素材成分組成が、C:0.03mass
    %以下、N:0.03mass%以下、C+N:0.03mass%以
    下、Cr:16〜45mass%、Mo:0.5〜3.0mass%、残部Feお
    よび不可避的不純物からなり、さらにこのセパレータの
    凸部の表面粗さが、算術平均粗さRaで0.01〜1.0μmか
    つ最大高さRyで0.01〜20μmの表面粗さであり、かつ該
    凸部表面はカーボンクロスとの接触抵抗が100mΩ・cm2
    下を示すものであることを特徴とする燃料電池用ステン
    レス製セパレータ。
  3. 【請求項3】上記成分組成に加えてさらに、下記〜
    の群から選ばれるいずれか1種以上を含有することを特
    徴とする請求項1または2に記載のステンレス製セパレ
    ータ。 Ag:0.001〜0.1mass% V:0.005〜0.5mass% Si:1.0mass%以下、Mn:1.0mass%以下 Ti,Nbのうちの少なくとも1種を0.01〜0.5mass%
  4. 【請求項4】上記セパレータは、前記凸部表面に、膜厚
    10〜300nmのBA皮膜を有してなることを特徴とする請
    求項1〜3のいずれか1項に記載のステンレス製セパレ
    ータ。
  5. 【請求項5】ガス流路となる溝とこの溝を隔てる凸部か
    らなるステンレス製セパレータを製造するに当たり、
    C:0.03mass%以下、N:0.03mass%以下、C+N:0.
    03mass%以下、Cr:16〜45mass%、Mo:0.5〜3.0mass%
    を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼スラ
    ブを熱間圧延し、熱延板焼鈍し、酸洗した後、切削加工
    することを特徴とする燃料電池用ステンレス製セパレー
    タの製造方法。
  6. 【請求項6】上記セパレータの製造方法において、前記
    凸部の表面を、算術平均粗さRaで0.01〜1.0μmかつ最
    大高さRyで0.01〜20μmの粗さに加工することを特徴と
    する請求項5に記載の製造方法。
  7. 【請求項7】上記セパレータの製造方法において、凸部
    表面の加工を、切削加工前あるいは後に王水酸洗あるい
    は混酸酸洗により行うことを特徴とする請求項5または
    6に記載の製造方法。
  8. 【請求項8】ガス流路となる溝とこの溝を隔てる凸部か
    らなるステンレス製セパレータを製造するに当たり、
    C:0.03mass%以下、N:0.03mass%以下、C+N:0.
    03mass%以下、Cr:16〜45mass%、Mo:0.5〜3.0mass%
    を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼スラ
    ブを熱間圧延し、熱延板焼鈍し、酸洗し、さらに冷間圧
    延したのち、プレス加工することを特徴とする燃料電池
    用ステンレス製セパレータの製造方法。
  9. 【請求項9】上記セパレータの製造方法において、冷間
    圧延したのち、さらに、焼鈍し、酸洗してからプレス加
    工することを特徴とする請求項8に記載の製造方法。
  10. 【請求項10】上記セパレータの製造方法において、前
    記凸部表面を、算術平均粗さRaで0.01〜1.0μmかつ最
    大高さRyで0.01〜20μmの粗さに加工することを特徴と
    する請求項8または9に記載の製造方法。
  11. 【請求項11】上記セパレータの製造方法において、前
    記凸部の加工を、プレス加工によるか、あるいは、プレ
    ス前または後に行う酸洗によって行うことを特徴とする
    請求項8〜10のいずれか1項に記載の製造方法。
  12. 【請求項12】上記セパレータの製造方法において、凸
    部の加工がプレスによる場合、使用するプレス金型の凸
    部表面の粗さが、算術平均粗さRaで0.01〜2.0μmかつ
    最大高さRyで0.01〜50μmであることを特徴とする請求
    項11に記載の製造方法。
  13. 【請求項13】鋼スラブ中には、さらに、下記〜の
    群から選ばれるいずれか1種以上を含むことを特徴とす
    る請求項5〜12のいずれか1項に記載の製造方法。 Ag:0.001〜0.1mass% V:0.005〜0.5mass% Si:1.0mass%以下、Mn:1.0mass%以下 Ti,Nbのうちの少なくとも1種を0.01〜0.5mass%
  14. 【請求項14】少なくとも前記セパレータの凸部表面
    に、光輝焼鈍により膜厚10〜300nmのBA皮膜を形成す
    ることを特徴とする請求項5〜13のいずれか1項に記
    載の製造方法。
  15. 【請求項15】高分子膜、電極およびセパレータとから
    なる固体高分子型燃料電池において、前記セパレータと
    して、請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池用
    ステンレス製セパレータを用いたことを特徴とする固体
    高分子型燃料電池。
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