JP2003221868A - 建物の壁 - Google Patents

建物の壁

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JP2003221868A JP2003000550A JP2003000550A JP2003221868A JP 2003221868 A JP2003221868 A JP 2003221868A JP 2003000550 A JP2003000550 A JP 2003000550A JP 2003000550 A JP2003000550 A JP 2003000550A JP 2003221868 A JP2003221868 A JP 2003221868A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ALCパネルを建物躯体の被取付部材に取付
けて建物の壁を構築する際、十分な取付け強度を容易に
持たせることができ、しかも少ない取付け部材で容易に
取付けできるようにする。 【解決手段】 ALCパネルPの高さ方向の下部は、そ
の横幅方向の略中心部の一箇所のみが、一のRC床32
の下側に溶接固定されたL字型アングル37の起立板3
8に対し、該起立板38に溶接固定された取付け金具9
を介して取り付けられ、その下部小口面6を受ける受け
アングルは省略されている。ALCパネルPの高さ方向
の中間部は、その横幅方向の略中心部の一箇所のみが、
一のRC床32の上側に溶接固定されたL字型アングル
4の起立板5に対し、該起立板5に溶接固定された取付
け金具9を介して取り付けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ベランダ、バルコ
ニー、パラペット、廊下、階段等の立上り壁や、窓用開
口付き外壁等の建物の壁に関し、詳しくは、ALCパネ
ル(軽量気泡コンクリートパネル)により構築される建
物の壁に係るものである。本発明は、特にALCパネル
のベランダ壁取付け構造に適し、詳しくはALCパネル
を十分な取付け強度を持って取付けることができ、かつ
少ない部材で容易に取付けることができるALCパネル
のベランダ壁取付け構造に適する。
【0002】
【従来の技術】ALCパネルP(以下、パネルPとい
う)をベランダ壁として取付ける構造は、従来から種々
の構造が提案されているが、その一例として図20に示
す構造がある。すなわち、パネルPの下部小口面20を
受けるL字型受けアングル21と、パネルPの上部を支
持するL字型アングル22と、パネルPの両側面を支持
するL字型アングル23とでパネルPが支持される。ま
た、パネルPの上部寄りと下部寄りとに座堀り穴とボル
ト穴が加工され、それらの穴に装着された座金(図示せ
ず)と図21(イ)に示すようなフックボルト24とで
固定されるとともに、そのフックボルト24が下部のL
字型受けアングル21と上部のL字型アングル22とに
溶接固定されて、パネルPが固定されている。さらに、
外観上の問題からパネルPの両側面のL字型アングル2
3を覆うために、パネルPの裏面に成形ボード(図示せ
ず)が設けられている。なお、フックボルト24に代え
て、図21(ロ)に示すようなイナズマプレート25を
溶接してボルトで固定する構造もある。
【0003】以上のベランダ壁取付け構造は、L字型ア
ングル22や23のような部材を用いるためコストがか
かり、その取付け作業にも手数がかかる。そのため、図
22、図23に示すような特開平3−293459号公
報の取付け構造も提案されている。すなわち、パネルP
の下部小口面20がゼット型金物26と埋込みナット2
7とで支持されて、それが梁の下部に固定されていると
ともに、パネルPの中間部においても、梁の上部に溶接
固定されているL字型受け金具28とイナズマプレート
25と埋込みナット27とによって固定されている。ま
た、図23に示すように、パネルPの幅方向における両
側寄りの2カ所で固定され、パネルP下部寄りと中間部
のとで合計4カ所で固定されているベランダ壁取付け構
造である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、以上の従来の
ALCパネルPのベランダ壁取付け構造には、次のよう
な種々の問題点があった。 図20の取付け構造では、パネルP上下の小口面およ
び両側面を各L字型アングルで支持し、さらには裏面に
も成形ボード等を設ける必要があるため、使用部材が多
くなりコストが高くなるとともに、取付け作業に手数が
かかる。
【0005】図22、図23の取付け構造では、使用
部材は少なくなるが、ボルトやイナズマプレート等で合
計4個所で固定しているにもかかわらず、取付け強度が
向上しない。その理由は、パネルの幅方向の両側寄りで
取付け金具とボルト等で固定しているため、両側の取付
け部の締付け力が均等にならないためと考えられる。
【0006】図21(ロ)に示すイナズマプレート2
5は、その中間位置で少し折り曲げられた板状のもので
あるが、このようなイナズマプレート25は大きな耐力
には耐えられず、従来のALCパネルのベランダ壁取付
け構造に適用するとパネルPの押圧力に耐えられずに一
部曲がってしまうという問題もあった。その問題を解決
するためにイナズマプレート25を大きくすることやさ
らに厚さを増すことも考えられるが、形状が板状である
ため限界があり、また重さ,コスト,加工性等からも望
ましくない。
【0007】さらに、ALCから成るパネルP表面は強
度が小さくて脆いため、図21(ロ)に示すイナズマプ
レート25のような取付け金具を、図22、図23のベ
ランダ壁取付け構造に適用すると、そのイナズマプレー
ト25の上部がパネルP表面に減り込んでしまうという
問題もあった。
【0008】したがって、本発明の目的は以上の従来の
問題点をなくし、ALCパネルを建物躯体の被取付部材
に取付けて建物の壁を構築する際、十分な取付け強度を
容易に持たせることができ、しかも少ない取付け部材で
容易に取付けできる建物の壁を提供することにある。さ
らに本発明の目的は、特にALCパネルをベランダ壁用
として取付ける際、十分な取付け強度を持ち、取付け金
具が曲がったり、その上部がパネル内に減り込んだりす
ることがなく、しかも少ない取付け部材で容易に取付け
できるALCパネルのベランダ壁取付け構造を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】以上のような課題を解決
する本発明は次のような構成からなる。すなわち、AL
Cパネルの高さ方向の下部と中間部とが建物躯体の下側
の被取付部材と上側の被取付部材とに取付けられること
によりALCパネルが支持されてなる建物の壁であっ
て、前記ALCパネル(P)の高さ方向の下部は、その
横幅方向の略中心部の一箇所のみが、前記一の建物躯体
の下側に水平板において溶接固定されたL字型アングル
(37)の起立板(38)に対し、該起立板(38)に
溶接固定された取付け金具(9)を介して取り付けら
れ、その下部小口面(6)を受ける受けアングルは省略
されており、前記ALCパネル(P)の高さ方向の中間
部は、その横幅方向の略中心部の一箇所のみが、前記一
の建物躯体の上側に水平板において溶接固定されたL字
型アングル(4)の起立板(5)に対し、該起立板
(5)に溶接固定された取付け金具(9)を介して取り
付けられていることを特徴とする建物の壁。
【0010】ここで、前記中間部はALCパネルの高さ
方向の中心点より下方に位置している態様を例示でき
る。また、前記建物躯体はRC床であり、該RC床に埋
め込まれた下側の埋込アングルピースに前記L字型アン
グルの水平板が溶接固定され、該RC床に埋め込まれた
上側の埋込アングルピースに前記L字型アングルの水平
板が溶接固定されている態様を例示できる。また、前記
下部を取り付けるための取付け金具(9)と前記中間部
を取り付けるための取付け金具(9)とが同一である態
様を例示できる。また、前記ALCパネル(P)の各箇
所にアンカー部材と該アンカー部材に一体化された第一
螺合部材とが埋設され、該第一螺合部材に螺合する第二
螺合部材により各箇所が前記被取付部材に取付けられた
態様を例示できる。また、前記第一螺合部材及び前記第
二螺合部材は、いずれか一方が雄ねじ部材であり、他方
が雌ねじ部材である態様を例示できる。また、前記アン
カー部材は、前記ALCパネル(P)の横幅の1/3以
上の長さを持つL字型プレートである態様を例示でき
る。また、前記取付け金具(9)に挿通部(15)が設
けられ、該挿通部(15)に前記第一螺合部材又は第二
螺合部材が挿通された態様を例示できる。さらに、この
取付け金具(9)は、前記挿通部(15)が設けられた
取付け板(10)と、該取付け板(10)の上部が延長
されて形成された突出片(11)と、該取付け板(1
0)と突出片(11)との境界の両端部に設けられた切
欠部(16)と、該取付け板(10)の両側縁が折り曲
げられて形成されたリブ片(12)と、該リブ片(1
2)がさらに下方に垂下して形成された垂下リブ片(1
3)とを備え、該垂下リブ片(13)の側面が前記L字
型アングル(4,37)に溶接固定されている態様を例
示できる。本発明は、前記建物の壁としてのベランダ、
バルコニー、パラペット、廊下、階段等の立上り壁に適
用されうる。また、前記ALCパネル(P)の上方に窓
用開口(44)が形成され、前記ALCパネル(P)の
上端面に窓(45)が取付けられた態様を例示できる。
また、前記ALCパネル(P)の下方に建物の下階の窓
用開口(44)が形成され、前記ALCパネル(P)の
下端面に窓(45)が取付けられた態様を例示できる。
【0011】さらに、次のような解決手段(発明)も可
能である。ALCパネルの高さ方向の下部と中間部とが
建物躯体の下側の被取付部材と上側の被取付部材とに取
付けられることによりALCパネルが支持されてなる建
物の壁であって、ALCパネルの高さ方向の下部は、A
LCパネルの横幅方向の略中心部の一箇所のみが下側の
被取付部材に取付けられ、ALCパネルの高さ方向の中
間部は、ALCパネルの横幅方向の略中心部の一箇所の
みが上側の被取付部材に取付けられたことを特徴とする
建物の壁。ALCパネルの高さ方向の下部と中間部とが
建物躯体の下側の被取付部材と上側の被取付部材とに取
付けられることによりALCパネルが支持されてなる建
物の壁であって、ALCパネルの高さ方向の下部は、A
LCパネルの横幅方向の略中心部の一箇所のみが下側の
被取付部材に取付けられ、ALCパネルの高さ方向の中
間部は、ALCパネルの横幅方向の左右部の二箇所が上
側の被取付部材に取付けられたことを特徴とする建物の
壁。ALCパネルの高さ方向の下部と中間部とが建物躯
体の下側の被取付部材と上側の被取付部材とに取付けら
れることによりALCパネルが支持されてなる建物の壁
であって、ALCパネルの高さ方向の下部は、ALCパ
ネルの横幅方向の左右部の二箇所が下側の被取付部材に
取付けられ、ALCパネルの高さ方向の中間部は、AL
Cパネルの横幅方向の略中心部の一箇所のみが上側の被
取付部材に取付けられたことを特徴とする建物の壁。
【0012】これらの発明によれば、ALCパネルの高
さ方向の下部と中間部との少なくとも一方において、取
付け部がALCパネルの横幅方向において略中心部の一
箇所のみであるため、従来例のような横幅方向の両側の
取付け部の締付け力が不均一になるという問題が起こら
ず、取付け強度が向上するようになる。すなわち、横幅
方向の略中心部の一箇所のみの取付け強度を集中して高
めることで、横幅方向の両側に取付け部がある場合よ
り、取付け強度を向上させやすくなる。その結果、取付
け部がALCパネルの高さ方向の下部と中間部という間
隔の小さい二レベル位置であるために、モーメントの関
係で、ALCパネルに押圧力が加わったときの取付け部
への力のかかり方が(ALCパネルの上部と下部とを取
付けた場合に比べて)大きいにも拘らず、ALCパネル
を強固に取付けられるようになる。また、取付け部がA
LCパネルの下部と中間部との二箇所又は三箇所である
ため、少ない取付け部材と取付け手数とで効率的に取付
けることができ、コストを削減できる。
【0013】これらの発明において、ALCパネルの各
箇所にアンカー部材と該アンカー部材に一体化された第
一螺合部材とが埋設され、該第一螺合部材に螺合する第
二螺合部材により各箇所が被取付部材に取付けられた構
成とすることができる。この場合、第一螺合部材及び第
二螺合部材は、いずれか一方がボルト等の雄ねじ部材で
あり、他方がナット等の雌ねじ部材であればよい。ま
た、アンカー部材は、特に限定されないが、ALCパネ
ルの横幅の1/3以上の長さを持つL字型プレートが好
ましい。このL字型プレートは、L字部分を含むプレー
トであればよく、追加部分のある例えばコ字型、Z字
型、T字型、H字型等のプレートも含まれる。
【0014】被取付部材は、特に限定されず、梁、鉄筋
コンクリート床、基礎等の建物躯体に対し直接又は他部
材を介して固定されたアングル材を例示できる。この場
合、アングル材に挿通部が設けられ、該挿通部に第一螺
合部材又は第二螺合部材が挿通された構成を例示でき
る。また、アングル材に取付け金具が固定され、該取付
け金具に挿通部が設けられ、該挿通部に第一螺合部材又
は第二螺合部材が挿通された構成も例示できる。
【0015】取付け金具は、特に限定されず、例えば前
記イナズマプレートを強化して使用してもよいが、好ま
しくは、挿通部が設けられた取付け板と、該取付け板の
両側縁が折り曲げられて形成されたリブ片と、該リブ片
がさらに下方に垂下して形成された垂下リブ片とを備
え、該垂下リブ片の側面がアングル材に溶接固定されて
いる取付け金具である。さらに、この取付け金具は、取
付け板の上部が延長されて形成された突出片を備えてい
ることが好ましい。
【0016】下側のアングル材は、ALCパネルの下部
小口面を受け止めるように配された構成とすることがで
きる。
【0017】別の本発明は次のような構成からなる。す
なわち、ALCパネルの高さ方向の下部と中間部とが建
物躯体の下側の被取付部材と上側の被取付部材とに取付
けられることによりALCパネルが支持されてなる建物
の壁であって、ALCパネルの高さ方向の下部と中間部
とにALCパネルの横幅の1/3以上の長さを持つアン
カー部材(好ましくはL字型プレート)と該アンカー部
材に一体化された第一螺合部材とが埋設され、第一螺合
部材に螺合する第二螺合部材により、ALCパネルの高
さ方向の下部と中間部とが下側の被取付部材と上側の被
取付部材とに取付けられたことを特徴とする建物の壁。
【0018】同発明によれば、ALCパネルの高さ方向
の下部と中間部とにALCパネルの横幅の1/3以上の
長さを持つアンカー部材(好ましくはL字型プレート)
と第一螺合部材とが埋設されているため、ALCパネル
の取付け強度が向上する。すなわち、ALCパネルに対
するアンカー部材(好ましくはL字型プレート)の引抜
き荷重が大きいため、ALCパネルの耐力が大きくな
る。
【0019】別の本発明は次のような構成からなる。す
なわち、ALCパネルの高さ方向の下部と中間部とが建
物躯体の下側のアングル材と上側のアングル材とに取付
けられることによりALCパネルが支持されてなる建物
の壁であって、ALCパネルの高さ方向の下部と中間部
とにアンカー部材と該アンカー部材に一体化された第一
螺合部材とが埋設され、アングル材に、挿通部が設けら
れた取付け板と、該取付け板の両側縁が折り曲げられて
形成されたリブ片と、該リブ片がさらに下方に垂下して
形成された垂下リブ片とを備えた取付け金具が、該垂下
リブ片の側面において溶接固定され、第二螺合部材が取
付け金具の挿通部に挿通されるとともに第一螺合部材に
螺合されることにより、ALCパネルの高さ方向の下部
と中間部とが下側のアングル材と上側のアングル材とに
取付けられたことを特徴とする建物の壁。
【0020】同発明によれば、ALCパネルの高さ方向
の下部と中間部とを、取付け板とリブ片と垂下リブ片と
を備えた取付け金具を用いて取付けているので、取付け
金具の耐力が大きく、ひいては壁の耐力が大きくなる。
【0021】以上の各発明は、建物の壁の一例として
の、ベランダ、バルコニー、パラペット、廊下、階段等
の立上り壁に適用されることができる。この立上り壁の
下部は建物の下階の外壁として延長されてもよい。ま
た、以上の各発明は、建物の壁の一例としての、窓用開
口付き外壁に適用されることもできる。
【0022】別の本発明は次のような構成からなる。す
なわち、ALCパネルの高さ方向の下部が建物の下階の
建物躯体の被取付部材に取付けられるとともに、ALC
パネルの高さ方向の中間部が建物の上階の建物躯体の被
取付部材に取付けられることにより、ALCパネルが支
持されてなる建物の壁であって、ALCパネルの高さ方
向の中間部より上側部分が建物の上階のベランダ壁とさ
れ、ALCパネルの高さ方向の中間部より下側部分が建
物の下階の外壁とされたことを特徴とする建物の壁。
【0023】同発明によれば、共用のALCパネルによ
って上階のベランダ壁と下階の外壁とを同時に構築する
ことができるので、ALCパネルの枚数を削減でき、A
LCパネルを少ない取付け部材と取付け手数とで効率的
に取付けることができ、コストを削減できる。
【0024】別の本発明は次のような構成からなる。す
なわち、ALCパネルの高さ方向の下部と中間部とが建
物躯体の下側の被取付部材と上側の被取付部材とに取付
けられることによりALCパネルが支持されてなる建物
の壁であって、ALCパネルの上方に窓用開口が形成さ
れ、ALCパネルの上端面に窓が取付けられたことを特
徴とする建物の壁。
【0025】同発明によれば、ALCパネルだけで風圧
を負担できるようになり、従来のALCパネルによる窓
用開口付き外壁に必要であった風圧を負担するための耐
風梁や補強アングル等の構造材(ALCパネルの内側面
に設けられる)が不要になる。このため、工事が簡単に
なり工期を短縮できる、コストを削減できる、構造材が
室内にはみ出さないため、それを隠す内装及びその内装
工事が不要になり、室内を広くとれる等の効果が得られ
る。
【0026】同発明において、ALCパネルの下方に建
物の下階の窓用開口が形成され、ALCパネルの下端面
に窓が取付けられた構成とすることもできる。
【0027】さらに別の本発明は次のような構成からな
る。すなわち、ALCパネルP内にボルト17が螺合さ
れるアンカー1、2が埋設されており、そのALCパネ
ルPの下部小口面6にはそれを受け止めるL字型の受け
アングル7が設置されているとともに、ALCパネルP
の縦方向の中間位置にはL字型アングル4が設置され、
L字型アングル4と受けアングル7との起立板5、8に
溶接固定された取付け金具9によってALCパネルPが
ベランダ壁として取付けられている構造であって、
(a)アンカー1、2はALCパネルPの横幅方向の中
心部でかつ下部と中間部との2カ所に埋設されているこ
と、(b)取付け金具9は、取付け板10と、その上部
が延長されて形成されている突出片11と、この取付け
板10の両側縁が折り曲げられて形成されたリブ片12
と、そのリブ片12がさらに下方に垂下して形成されて
いる垂下リブ片13とから構成されており、取付け板1
0にはボルト挿通部15が設けられていること、(c)
この取付け金具9は、その垂下リブ片13の側面14が
L字型アングル4と受けアングル7との各起立板5、8
に溶接固定されていること、(d)ALCパネルPは、
各取付け金具9を介して各アンカー1、2に螺合された
ボルト17によって取付けられていること、の構成から
なる。
【0028】同発明に係るALCパネル(以下、単にパ
ネルという)のベランダ壁取付け構造は、以上のような
構成になっているため次のように作用する。取付け部が
パネルPの横幅方向において1箇所のみであるため、両
側の取付け部の締付け力が不均一になるという問題が起
こらず、その結果、取付け強度が向上するようになる。
また、取付け部がパネルの下部と中間部との各アングル
の2箇所であるため、パネルは安定して強固に固定され
る。
【0029】さらに、同発明に適用される取付け金具9
は、取付け板10の両側縁が折り曲げられてリブ片12
が形成されているとともに、そのリブ片12がさらに下
方に延長した垂下リブ片13が形成されているため、取
付け金具9の耐力が大幅に向上する。さらに、取付け板
10の上方に形成された突出片11が、パネルPの押圧
力に対する耐力(受ける力)を向上させ、取付け板10
の上部がパネルP内に減り込むのを防止するようにな
る。したがって、パネルPの取付け強度が向上するとと
もに、取付け金具9の耐力向上とそのパネル内への減り
込み防止とが可能となる。
【0030】同発明において、ALCパネル(P)内に
埋設されるアンカー(1、2)は、長尺のL字型プレー
ト(18)の中心にアンカーナット(19)が1個設け
られており、そのL字型プレート(18)の長さがAL
Cパネル(P)の横幅の1/3以上の長さを持っている
ことが好ましい。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1〜図4は、本発明を建物の梁
に支持されるベランダ壁に具体化した第一実施形態を示
している。先ず、本発明においてはベランダ壁として使
用されるパネルPは、その高さが500〜2000m
m、横幅が300〜600mm、厚みが80〜150m
m程度のものが好適である。このパネルP内には2つの
アンカー1、2が埋設されており、その埋設位置はパネ
ルP下部寄りと縦方向の中間部との2カ所でかつパネル
Pの横幅方向の中心部に位置している。中間部の位置
は、図1〜2に示すように、通常は中心点よりもやや下
方部に位置している。そして、パネルPはアンカー1、
2の2カ所で後述する取付け金具9とボルト17とを介
して建物驅体に取付けられている。
【0032】なお、パネルP内に埋設されるアンカー
1,2は、図4に示すような長尺L字型プレート18で
あり、パネルP横幅の1/3以上の長さを有するととも
に、アンカーナット19がその中心に1個のみ設けられ
た構造であるため、パネルPの取付け強度がさらに向上
する。
【0033】次に、アンカー1位置高さのパネルP内面
側の位置には、L字型アングル4が梁3等の建物驅体に
溶接固定されており、その起立板5の背面がパネルP内
側面に当接するように設けられている。また、パネルP
の下部小口面6にはL字型の受けアングル7が設けられ
ており、その起立板8の内側面がパネルP内側面と当接
するように設置されてパネルPの下部小口面6が受け止
められている。L字型アングル4の起立板5とL字型の
受けアングル7の起立板8とには、次に述べる取付け金
具9が、パネルPのアンカー1および2の位置に対応し
て後述の手段で固定されている。
【0034】取付け金具9は、図3に示すように、パネ
ルPの内側面に当接する取付け板10と、その上方部が
延長されて形成されている突出片11と、取付け板10
の両側縁が折り曲げられて形成されているリブ片12
と、そのリブ片12がさらに下方に垂下して形成されて
いる垂下リブ片13とから構成されている。また取付け
板10の下方部にはボルト挿通部15が開けられてい
る。その形状としては長孔型または逆U字形等の長溝型
であることが望ましい。さらに取付け板10の厚みは各
アングルの起立板5、8の厚みとほぼ等しくすること
が、後述するようにパネルPの取付けの面で望ましい。
【0035】この取付け金具9の突出片11は、両側縁
にリブ片12が設けられておらず板状体となっており、
その形状は正方形や矩形等が一般的に適用される。ま
た、この突出片11の高さは30〜100mmの範囲と
することが望ましい。すなわち、30mm以上である
と、取付け板10がパネルPの押圧力によって曲がった
り、取付け板10の上部がパネルP内に減り込んだりす
ることをより確実に防止できる。なお、100mmより
高くしても取付け板10が重くなるのみで、耐力向上の
増大があまり期待できない。
【0036】取付け金具9のリブ片12は、取付け金具
9の耐力を向上させるが、下方に垂下して垂下リブ片1
3が形成されていることにより、さらに耐力を向上させ
るようになる。なお、その各リブ片の幅は10〜50m
mであることが耐力向上の面で望ましい。また、図3の
ように、リブ片12の上部が下方に傾斜していることが
パネルPのベランダ壁施工の面でより都合が良くなる。
【0037】すなわち、ベランダ壁施工の際は、取付け
金具9の上に通常は防水用素材(図示せず)を施設する
が、リブ片12の上部が傾斜していないとその角部が障
害となって、防水が不完全になったり、ベランダ壁内側
の概観も悪くなったりする。さらに、取付け板10のリ
ブ片12上端位置(取付け板10と突出片11との境界
の両端部)に切欠き部16を設けることが望ましい。そ
の理由は、この切欠き部16を設けないと取付け板10
を折り曲げてリブ片12を形成させる際、その部分に無
理なひずみがかかってひび等が生じて、取付け金具9の
突出片11の強度が低下する一因ともなる。
【0038】以上の取付け金具9は、図1、2に示すよ
うに、L字型アングル4の起立板5とL字型の受けアン
グル7の起立板8とに固定されているが、その固定手段
は取付け金具9の垂下リブ片13の側面14が起立板
5、8にそれぞれ溶接されて固定されている。
【0039】なお、取付け金具9のリブ片12および垂
下リブ片13は折り曲げられて形成されているため、図
3に示すように、垂下リブ片13の側面14は、取付け
板10の表面よりもその板の厚み分だけ段差を有してい
る。従って、この固定構造においては、取付け板10の
厚みを起立板5、8の厚みとほぼ同一に成し、その起立
板5、8に段差部を係合させてその部分を溶接固定すれ
ば、取付け板10の表面と起立板5、8の表面とがほぼ
同一面となり、それにパネルPを当てた際に段差や隙間
が生ずることがなくなる。
【0040】次に、以上のようなアンカー1、2が埋設
されたパネルPは、図2に示すように、上記各取付け金
具9を介して各ボルト17を各アンカー1、2に螺合す
ることによってベランダ壁として取付けられる。その取
付け施工は、概略次のような手順による。 L字型アングル4を鉄骨梁3に溶接固定する。 受けアングル7を縦下地鋼材に溶接固定する。詳しく
は、梁3の下部に支持アングルピース30を溶接固定
し、該支持アングルピース30とL字型アングル4とに
下方へ延びる縦下地鋼材31を溶接固定し、該縦下地鋼
材31の下端部に受けアングル7を溶接固定する。 パネルPの下部小口面6を受けアングル7に載せて立
て、アンカー1、2に取付け金具9およびボルト17を
螺合し仮り止めする。 パネルPを正確に位置決めして取付け金具9をL字型
アングル4の起立板5とL字型の受けアングル7の起立
板8とに溶接固定する。 ボルト17を確実に螺合した後、目地部の仕上げを行
う。
【0041】次に、図5及び図6は、本発明を建物のR
C(鉄筋コンクリート)床に支持されるベランダ壁に具
体化した第二実施形態を示している。この第二実施形態
は次に述べる点においてのみ第一実施形態と相違してい
る。従って、第一実施形態と共通の部分については、図
に第一実施形態と共通の符号を付すとともに、第一実施
形態の説明を援用して、ここでの説明を省略する。
【0042】鉄骨梁に代わるRC床32の上面及び下面
の各縁には、複数個の埋込アングルピース33,34が
間隔をおいて配されるとともに面一に埋込まれ、アンカ
ー(図示略)によりRC床32に連結されている。本実
施形態では、上面側の埋込アングルピース33にL字型
アングル4が溶接固定され、下面側の埋込アングルピー
ス34に支持アングルピース30が溶接固定されてい
る。その他は第一実施形態と同様で、L字型アングル4
と支持アングルピース30とに縦下地鋼材31が溶接固
定され、該縦下地鋼材31の下端部に受けアングル7が
溶接固定され、L字型アングル4と受けアングル7とに
取付け金具9を介してパネルPの高さ方向の下部と中間
部とが取付けられ、もってパネルPが支持されている。
【0043】図7は、第二実施形態の変更例Iを示して
いる。この変更例Iでは、RC床32の上面の縁部に凹
所35が設けられ、該凹所35の縁に埋込アングルピー
ス33が面一に埋込まれている。この構成によりL字型
アングル4及び取付け金具9の位置が下げられ、凹所3
5にモルタル36等の防水用素材が詰められることによ
りL字型アングル4及び取付け金具9が隠されている。
取付け金具9の上端が凹所35よりはみ出る場合には、
該上端が隠せるようにモルタル36等は斜めに盛り上げ
られる。
【0044】図8及び図9は、第二実施形態の変更例I
Iを示している。この変更例IIでは、受けアングルが
省略され、下面側の埋込アングルピース34にL字型ア
ングル37が溶接固定されている。このL字型アングル
37の起立板38に取付け金具9が溶接固定され、該取
付け金具9を介してボルト17がアンカー2のアンカー
ナット19に螺合されている。
【0045】本実施形態又はその変更例は、第一実施形
態と同様の作用・効果を奏する。
【0046】次に、図10及び図11は、本発明をベラ
ンダ壁の下部が建物の下階の外壁として延長されるベラ
ンダ壁に具体化した第三実施形態を示している。この第
三実施形態は次に述べる点においてのみ第一実施形態と
相違している。従って、第一実施形態と共通の部分につ
いては、図に第一実施形態と共通の符号を付すととも
に、第一実施形態の説明を援用して、ここでの説明を省
略する。
【0047】本実施形態では、ベランダ壁の下部が建物
の上階(ここでは二階)の鉄骨梁3から下階(ここでは
一階)の基礎40にまで延長されて下階の外壁となる。
このため、本実施形態において使用されるパネルPは、
その高さが3000〜7000mm、横幅が300〜6
00mm、厚みが80〜150mm程度のものが好適で
ある。
【0048】第一実施形態と同様に、パネルP内には2
つのアンカー1、2が埋設されており、その埋設位置は
パネルPの高さ方向の下部と中間部との二箇所でかつパ
ネルPの横幅方向の中心部に位置しているが、本実施形
態では中間部の位置が高さ方向の中心点よりも上方部に
位置している。両アンカー1、2の間隔は、2500〜
5000mm程度が好適である。
【0049】本実施形態では、第一実施形態にあった鉄
骨梁3の下部の支持アングルピース、縦下地鋼材及び受
けアングルが省略され、それらに代えて基礎40等の建
物躯体の上面にL字型の受けアングル41が固定されて
おり、その起立板42の内側面がパネルP内側面と当接
するようにして、パネルPの下部小口面6が受け止めら
れている。そして、その他は第一実施形態と同様で、L
字型アングル4と受けアングル41とに取付け金具9を
介してパネルPの高さ方向の下部と中間部とが取付けら
れ、もってパネルPが支持されている。
【0050】その結果、パネルPの高さ方向の中間部
(アンカー1のある部分)より上側部分が建物の上階の
ベランダ壁(あるいはバルコニー、パラペット、廊下、
階段等の立上り壁)とされ、パネルPの高さ方向の中間
部より下側部分が建物の一階の外壁とされている。
【0051】本実施形態によれば、第一実施形態と同様
の作用・効果に加え、共用のパネルPによって上階のベ
ランダ壁と下階の外壁とを同時に構築することができる
ので、パネルPの枚数を削減でき、パネルPを少ない取
付け部材と取付け手数とで効率的に取付けることがで
き、コストを削減できる。また、パネルP自体の重量は
第一実施形態より大きいが、両アンカー1、2の間隔が
第一実施形態のそれより大きいので、パネルPに押圧力
が加わったときのL字型プレート18や取付け金具9に
対する力のかかり方は緩和される。
【0052】次に、図12及び図13は、本発明を窓用
開口付き外壁に具体化した第四実施形態を示している。
この第四実施形態は次に述べる点においてのみ第一実施
形態と相違している。従って、第一実施形態と共通の部
分については、図に第一実施形態と共通の符号を付すと
ともに、第一実施形態の説明を援用して、ここでの説明
を省略する。
【0053】本実施形態はベランダ壁ではなく部屋の外
壁を構築するものであって、パネルPの上方に窓用開口
44が形成され、パネルPの上端面に窓45が取付けら
れている。また、パネルPの下方には建物の下階の窓用
開口44が形成され、パネルPの下端面にも下階の窓4
5が取付けられている。パネルPの取付け構造は第一実
施形態と同様である。パネルPの上端面及び下端面には
窓取付用のアンカー55付き取付板56を設けておくこ
とが好ましい。
【0054】ところで、従来のALCパネルによる窓用
開口付き外壁は、図24に示すように、パネルPの内側
面の上端付近に風圧を負担するための耐風梁や補強アン
グル等の構造材101を設け、パネルPの上部を取付け
る上部アングルフレーム102をこの構造材101に固
定するとともに、パネルPの下部を取付ける下部アング
ルフレーム103を鉄骨梁104に固定することにより
構築されていた。このように、構造材101や上部アン
グルフレーム102を必要とする構造は、工事が煩雑に
なり工期が長くなるとか、コストがかさむとか、構造材
101が室内にはみ出すため、それを隠す内装105が
必要になり室内が狭くなるとか、その内装工事が煩雑で
あるとか、構造材101の耐火被覆が必要になるとかと
いう問題があった。
【0055】これに対し、本実施形態によれば、パネル
Pの高さ方向の下部と中間とを強固に取付けることによ
り、パネルPだけで風圧を負担できるようになるため、
前記構造材101が不要になるため、上記問題を解消で
きる。すなわち、工事が簡単になり工期を短縮できる、
コストを削減できる、構造材が室内にはみ出さないた
め、それを隠す内装及びその内装工事が不要になり、室
内を広くとれる等の効果が得られる。勿論、本実施形態
は第一実施形態と同様の作用・効果も奏する。
【0056】次に、図14に示す第五実施形態は、取付
け部の箇所の数においてのみ第一実施形態と相違するも
のである。従って、第一実施形態と共通の部分について
は、図に第一実施形態と共通の符号を付すとともに、第
一実施形態の説明を援用して、ここでの説明を省略す
る。
【0057】本実施形態では、パネルPの高さ方向の中
間部のアンカー1において、L字型プレート18の左右
部に2個のアンカーナット19が溶接固定されるととも
に、該アンカーナット19と対応する位置のL字型アン
グル4に2個の取付け金具9が溶接固定されている。そ
して、2本のボルト17が各々の取付け金具9を挿通し
て各々のアンカーナット19に螺合している。パネルP
の高さ方向の下部については、第一実施形態と同様であ
る。つまり、パネルPの高さ方向の下部は、パネルPの
横幅方向の略中心部の一箇所のみが受けアングル7に取
付け金具9を介して取付けられ、パネルPの高さ方向の
中間部は、パネルPの横幅方向の左右部の二箇所がL字
型アングル4に取付け金具9を介して取付けられてい
る。
【0058】次に、図15に示す第六実施形態も、取付
け部の箇所の数においてのみ第一実施形態と相違するも
のである。従って、第一実施形態と共通の部分について
は、図に第一実施形態と共通の符号を付すとともに、第
一実施形態の説明を援用して、ここでの説明を省略す
る。
【0059】本実施形態では、パネルPの高さ方向の下
部のアンカー2において、L字型プレート18の左右部
に2個のアンカーナット19が溶接固定されるととも
に、該アンカーナット19と対応する位置の受けアング
ル7に2個の取付け金具9が溶接固定されている。そし
て、2本のボルト17が各々の取付け金具9を挿通して
各々のアンカーナット19に螺合している。パネルPの
高さ方向の中間については、第一実施形態と同様であ
る。つまり、パネルPの高さ方向の下部は、パネルPの
横幅方向の左右部の二箇所が受けアングル7に取付け金
具9を介して取付けられ、パネルPの高さ方向の中間部
は、パネルPの横幅方向の略中心部の一箇所のみがL字
型アングル4に取付け金具9を介して取付けられてい
る。
【0060】これらの第五実施形態又は第六実施形態に
おいても、パネルPの高さ方向の一方(第五実施形態で
は下部、第六実施形態では中間部)については、取付け
部がパネルPの横幅方向において略中心部の一箇所のみ
であるため、従来例のような横幅方向の両側の取付け部
の締付け力が不均一になるという問題が起こらず、取付
け強度が向上するようになる。すなわち、横幅方向の略
中心部の一箇所のみの取付け強度を集中して高めること
で、横幅方向の両側に取付け部がある場合より、取付け
強度を向上させやすくなる。
【0061】次に、図16及び図17に示す第七実施形
態は、取付け部の構成においてのみ、第一実施形態と相
違するものである。従って、第一実施形態と共通の部分
については、図に第一実施形態と共通の符号を付すとと
もに、第一実施形態の説明を援用して、ここでの説明を
省略する。
【0062】本実施形態では、第一実施形態のL字型ア
ングル4に代えて、図17に示すようなL字型アングル
ピース46が鉄骨梁3に溶接固定されている。このL字
型アングルピース46は、60〜90mm×60〜90
mmで厚さ8〜12mmのL字型アングルが長さ80〜
200mmに切断されてなる高強度のピースであって、
その起立板47の中央部には内幅12〜16mm・切欠
深さ40〜80mmのボルト挿通部48が形成されてい
る。また、第一実施形態の取付け金具9が省略され、直
接、ボルト17がボルト挿通部48を挿通してアンカー
1のアンカーナット19に螺合されている。鉄骨梁3の
上に載置したベランダ床パネル50の縁とパネルPとの
間には凹所51ができ、該凹所51にはモルタル36等
の防水用素材が詰められることによりL字型アングルピ
ース46が隠されている。
【0063】本実施形態によれば、第一実施形態と同様
の作用・効果に加え、高強度のL字型アングルピース4
6を使用することで取付け金具9を省略でき、凹所51
からはみ出るものがなくなるので、モルタル36等を水
平に詰めても金具類が露出しなくなる。
【0064】次に、図18及び図19に示す第八実施形
態も、取付け部の構成においてのみ、第一実施形態と相
違するものである。従って、第一実施形態と共通の部分
については、図に第一実施形態と共通の符号を付すとと
もに、第一実施形態の説明を援用して、ここでの説明を
省略する。
【0065】本実施形態では、第一実施形態の取付け金
具9に代えて、図19に示すような厚さ8〜12mmの
高強度のイナズマプレート52が使用されている。イナ
ズマプレート52の上部は、従来のイナズマプレートよ
り上方に延ばされていて、パネルPに減り込みにくくな
っている。そして、ボルト17がイナズマプレート52
のボルト挿通部53とL字型アングル4のボルト挿通部
(図示略)とを挿通して各アンカー1,2のアンカーナ
ット19に螺合されている。
【0066】本実施形態も、第一実施形態と同様の作用
・効果を奏する。ただし、イナズマプレート52を肉厚
にするのは、重さ、コストの点で多少不利である。
【0067】なお、本発明は前記実施形態に限定される
ものではなく、例えば次のように、発明の趣旨から逸脱
しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
【0068】(1)各実施形態を適宜組み合わせるこ
と。例えば、 第二実施形態の変更例IIのように受けアングルを
省略した構成を、第二実施形態以外の各実施形態に適用
すること。 第五実施形態や第六実施形態のように計三箇所を取
付ける構成を、第一実施形態以外の各実施形態に適用す
ること。 第七実施形態のように高強度のL字型アングルピー
ス46を使用することで取付け金具9を省略した構成
を、第一実施形態以外の各実施形態に適用すること。 第八実施形態のような高強度のイナズマプレート5
2を、第一実施形態以外の各実施形態に適用すること。
【0069】(2)取付け金具9やL字型プレート18
の形状を、耐力が確保できる範囲で適宜変更すること。
【0070】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、ALCパ
ネルの高さ方向の下部と中間部とにALCパネルの横幅
の1/3以上の長さを持つL字型プレートと第一螺合部
材とが埋設されているため、ALCパネルの取付け強度
が向上する。すなわち、ALCパネルに対するL字型プ
レートの引抜き荷重が大きいため、ALCパネルの耐力
が大きくなる。
【0071】請求項2記載の発明によれば、ALCパネ
ルの高さ方向の下部と中間部とを、取付け板とリブ片と
垂下リブ片とを備えた取付け金具を用いて取付けている
ので、取付け金具の耐力が大きく、ひいては壁の耐力が
大きくなる。
【0072】請求項3又は4記載の発明によれば、ベラ
ンダ、バルコニー、パラペット、廊下、階段等の立上り
壁において、請求項1又は2記載の各発明の効果が得ら
れる。
【0073】請求項5記載の発明によれば、窓用開口付
き外壁において、請求項1又は2記載の各発明の効果が
得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のALCパネルのベランダ壁取付け構造
の第一実施形態の斜視図である。
【図2】図1の第一実施形態の縦断面図である。
【図3】本発明のベランダ壁取付け構造に適用される取
付け金具の1実施例の斜視図である。
【図4】本発明に適用されるアンカーの1例を示す斜視
図である。
【図5】本発明の第二実施形態に係るベランダ壁の斜視
図である。
【図6】第二実施形態のベランダ壁の縦断面図である。
【図7】第二実施形態の変更例Iの縦断面図である。
【図8】第二実施形態の変更例IIの斜視図である。
【図9】同変更例IIの縦断面図である。
【図10】本発明の第三実施形態に係る下部を延長した
ベランダ壁の斜視図である。
【図11】第三実施形態のベランダ壁の縦断面図であ
る。
【図12】本発明の第四実施形態に係る窓用開口付き外
壁の斜視図である。
【図13】第四実施形態の窓用開口付き外壁の縦断面図
である。
【図14】本発明の第五実施形態に係るベランダ壁の斜
視図である。
【図15】本発明の第六実施形態に係るベランダ壁の斜
視図である。
【図16】本発明の第七実施形態に係るベランダ壁の縦
断面図である。
【図17】第七実施形態のベランダ壁に適用されるL字
型アングルピースの斜視図である。
【図18】本発明の第八実施形態に係るベランダ壁の縦
断面図である。
【図19】第八実施形態のベランダ壁に適用されるイナ
ズマプレートの斜視図である。
【図20】従来のALCパネルのベランダ壁取付け構造
の斜視図である。
【図21】(イ)(ロ)従来のALCパネルのベランダ
壁取付け構造に適用される取付け金具の実施形態の斜視
図である。
【図22】従来の他の例のベランダ壁取付け構造を示す
縦断面図である。
【図23】図22の斜視図である。
【図24】従来のALCパネルによる窓用開口付き外壁
の縦断面図である。
【符号の説明】
P ALCパネル 1 アンカー 2 アンカー 3 鉄骨梁 4 L字型アングル 5 起立板 6 下部小口面 7 受けアングル 8 起立板 9 取付け金具 10 取付け板 11 突出片 12 リブ片 13 垂下リブ片 14 側面 15 ボルト挿通部 16 切欠き部 17 ボルト 18 長尺のL字型プレート 19 アンカーナット 30 支持アングルピース 32 RC床 33 埋込アングルピース 34 埋込アングルピース 37 L字型アングル 38 起立板 40 基礎 41 受けアングル 42 起立板 44 窓用開口 45 窓 46 L字型アングルピース 47 起立板 48 ボルト挿通部 52 イナズマプレート 53 ボルト挿通部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) E04F 13/14 102 E04F 13/14 102E Fターム(参考) 2E002 FB02 JC01 JD01 2E110 AA42 AA47 AB04 AB14 AB15 AB23 CA03 CA07 CC14 DA12 DA16 DC12 GA33W GB01Y GB01Z GB23W

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ALCパネルの高さ方向の下部と中間部
    とが建物躯体の下側の被取付部材と上側の被取付部材と
    に取付けられることによりALCパネルが支持されてな
    る建物の壁であって、 前記ALCパネル(P)の高さ方向の下部は、その横幅
    方向の略中心部の一箇所のみが、前記一の建物躯体の下
    側に水平板において溶接固定されたL字型アングル(3
    7)の起立板(38)に対し、該起立板(38)に溶接
    固定された取付け金具(9)を介して取り付けられ、そ
    の下部小口面(6)を受ける受けアングルは省略されて
    おり、 前記ALCパネル(P)の高さ方向の中間部は、その横
    幅方向の略中心部の一箇所のみが、前記一の建物躯体の
    上側に水平板において溶接固定されたL字型アングル
    (4)の起立板(5)に対し、該起立板(5)に溶接固
    定された取付け金具(9)を介して取り付けられている
    ことを特徴とする建物の壁。
  2. 【請求項2】 前記中間部はALCパネルの高さ方向の
    中心点より下方に位置している請求項1記載の建物の
    壁。
  3. 【請求項3】 前記建物躯体はRC床(32)であり、
    該RC床(32)に埋め込まれた下側の埋込アングルピ
    ース(34)に前記L字型アングル(37)の水平板が
    溶接固定され、該RC床(32)に埋め込まれた上側の
    埋込アングルピース(33)に前記L字型アングル
    (4)の水平板が溶接固定されている請求項1又は2記
    載の建物の壁。
  4. 【請求項4】 前記下部を取り付けるための取付け金具
    (9)と前記中間部を取り付けるための取付け金具
    (9)とが同一である請求項1〜3のいずれか一項に記
    載の建物の壁。
  5. 【請求項5】 前記ALCパネル(P)の各箇所にアン
    カー部材と該アンカー部材に一体化された第一螺合部材
    とが埋設され、該第一螺合部材に螺合する第二螺合部材
    により各箇所が前記被取付部材に取付けられた請求項1
    〜4のいずれか一項に記載の建物の壁。
  6. 【請求項6】 前記第一螺合部材及び前記第二螺合部材
    は、いずれか一方が雄ねじ部材であり、他方が雌ねじ部
    材である請求項5記載の建物の壁。
  7. 【請求項7】 前記アンカー部材は、前記ALCパネル
    (P)の横幅の1/3以上の長さを持つL字型プレート
    である請求項5又は6記載の建物の壁。
  8. 【請求項8】 前記取付け金具(9)に挿通部(15)
    が設けられ、該挿通部(15)に前記第一螺合部材又は
    第二螺合部材が挿通された請求項5又は6記載の建物の
    壁。
  9. 【請求項9】 前記取付け金具(9)は、前記挿通部
    (15)が設けられた取付け板(10)と、該取付け板
    (10)の上部が延長されて形成された突出片(11)
    と、該取付け板(10)と突出片(11)との境界の両
    端部に設けられた切欠部(16)と、該取付け板(1
    0)の両側縁が折り曲げられて形成されたリブ片(1
    2)と、該リブ片(12)がさらに下方に垂下して形成
    された垂下リブ片(13)とを備え、該垂下リブ片(1
    3)の側面が前記L字型アングル(4,37)に溶接固
    定されている請求項8記載の建物の壁。
  10. 【請求項10】 前記建物の壁としてのベランダ、バル
    コニー、パラペット、廊下、階段等の立上り壁に適用さ
    れる請求項1〜9のいずれか一項に記載の建物の壁。
  11. 【請求項11】 前記ALCパネル(P)の上方に窓用
    開口(44)が形成され、前記ALCパネル(P)の上
    端面に窓(45)が取付けられた請求項1又は2記載の
    建物の壁。
  12. 【請求項12】 前記ALCパネル(P)の下方に建物
    の下階の窓用開口(44)が形成され、前記ALCパネ
    ル(P)の下端面に窓(45)が取付けられた請求項1
    1記載の建物の壁。
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