JP2003221216A - フラーレン類の製造方法及びその装置 - Google Patents

フラーレン類の製造方法及びその装置

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JP2003221216A
JP2003221216A JP2002294824A JP2002294824A JP2003221216A JP 2003221216 A JP2003221216 A JP 2003221216A JP 2002294824 A JP2002294824 A JP 2002294824A JP 2002294824 A JP2002294824 A JP 2002294824A JP 2003221216 A JP2003221216 A JP 2003221216A
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reaction zone
oxygen
gas
fullerenes
burner
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JP2002294824A
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Hiroaki Takehara
弘明 武原
Takaharu Yamamoto
隆晴 山本
Masaji Katsuki
正司 香月
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 経済的かつ大量生産可能なフラーレン類の製
造方法及びその装置を提供する。 【解決手段】 反応炉11内に、第1のバーナー12を
介して酸素含有ガスと燃料ガスとを供給し、燃焼させて
高温の燃焼ガス流を形成させる第1反応帯域13と、第
1反応帯域13の下流側にあって、燃焼ガス流に原料炭
化水素を供給する第2のバーナー14の吐出口15を有
し、ガス化して供給された原料炭化水素を燃焼ガス流中
で反応させてフラーレン類を生成させる第2反応帯域1
6を有するフラーレン類の製造装置10において、第2
のバーナー14の吐出口15は、第2反応帯域16の上
流側に隙間を有して多数形成され、原料炭化水素を燃焼
ガス流中に分散放出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フラーレン類の製
造方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】フラーレン類(以下、単にフラーレンと
いうこともある)は、ダイヤモンド、黒鉛に次ぐ第三の
炭素同素体の総称であり、C60、C70等に代表されるよ
うに5員環と6員環のネットワークで閉じた中空殻状の
炭素分子である。フラーレンの存在が最終的に確認され
たのは比較的最近の1990年のことであり、比較的新
しい炭素材料であるが、その特殊な分子構造ゆえに特異
的な物理的性質を示すことが認められ、例えば、以下の
ような広範囲な分野に渡り、革新的な用途開発が急速に
展開されつつある。 (1)超硬材料への応用:フラーレンを前駆体とするこ
とで微細結晶粒子をもつ人工ダイヤモンドの精製が可能
なため、付加価値のある耐摩耗材料への利用が期待され
ている。 (2)医薬品への応用:C60誘導体、光デバイスを用い
ることで抗癌剤、エイズ・骨粗鬆症・アルツハイマー治
療薬、造影剤、ステント材料等の用途としての研究が進
められている。 (3)超伝導材料への応用:フラーレン薄膜に金属カリ
ウムをドープすると18Kという高い転移温度を持つ超
伝導材料をつくり出すことができることが発見され、多
方面から注目を集めている。 (4)半導体製造への応用:レジストにC60を混ぜるこ
とでレジスト構造がより一層強化されることを利用し、
次世代半導体製造への応用が期待されている。
【0003】各種炭素数のフラーレンの中でもC60及び
70は比較的合成が容易であり、それゆえ今後の需要も
爆発的に高まることが予想されている。現在知られてい
るフラーレンの製造方法としては、以下に示す方法が挙
げられる。 (1)レーザ蒸着法 希ガス中に置かれた炭素ターゲットに高エネルギー密度
のパルスレーザーを照射し、炭素原子の蒸発により合成
する方法である。希ガスが流れる石英管を電気炉の中に
置き、グラファイト試料をその石英管の中に置く。ガス
の流れの上流側からグラファイト試料にレーザーを照射
し、蒸発させると電気炉出口付近の冷えた石英管の内壁
にC60やC70などのフラーレンを含む煤が付着する。レ
ーザーのショット当たりの蒸発量がわずかであり、大量
製造には不向きである。 (2)抵抗加熱法 ヘリウムガスで満たされた減圧下の容器の中でグラファ
イト棒を通電加熱し昇華させる方法である。回路での電
気抵抗ロスが大きいので大量製造に不向きである。
【0004】(3)アーク放電法 数十kPa中のヘリウムガス中で2本のグラファイト電
極を軽く接触させたり、あるいは1〜2mm程度離した
状態でアーク放電を起こし、陽極の炭素を昇華させる方
法である。現在工場規模でのフラーレンの大量製造に用
いられている。 (4)高周波誘導加熱法 抵抗加熱やアーク放電を使う代りに、高周波誘導により
原料グラファイトに渦電流を流し、原料グラファイトを
加熱して蒸発させる方法である。 (5)燃焼法 ヘリウム等の不活性ガスと酸素との混合ガス中でベンゼ
ン等の炭化水素原料を不完全燃焼させる方法である。ベ
ンゼン燃料の数%が煤となり、その10%程度がフラー
レンとなる点で製造効率はよくないが、副製する煤(フ
ラーレン等)を液体燃料等に使用可能な点、製造装置が
単純である点で、アーク放電法に対抗する大量生産法と
して注目されている。 (6)ナフタレン熱分解法 ナフタレンを約1000℃で熱分解させる方法である。
【0005】このように現在までにさまざまなフラーレ
ンの合成法が提案されているが、いずれの方法によって
もこれまでにフラーレンを安価に大量に製造する方法は
確立されていない。これらの方法のうち、最も安価で、
効率的な製造方法の一つと考えられるのは燃焼法であ
り、例えば、特許文献1には、炭素含有物を火炎中で燃
焼させ凝縮物を収集することによるフラーレンの製造方
法が記載されている。この方法は、炭素含有物を火炎中
で燃焼させることによりフラーレンを製造する方法であ
り、実質的に燃焼のための燃料とフラーレンの原料は同
一の炭素含有物である。フラーレンは煤状物質中に含ま
れて生成されるが、この煤状物質の一部はいわゆるカー
ボンブラックである。
【0006】カーボンブラックの製造方法としては、フ
ァーネス法、チャンネル法、サーマル法、アセチレン法
などが知られており、工業的に一般的な製造方法として
はファーネス法が挙げられる。この方法は、例えば円筒
状のカーボンブラック製造装置(反応炉)を使用し、当
該反応炉の第1反応帯域に炉軸に対して水平方向又は垂
直方向に空気などの酸素含有ガスと燃料を供給し且つ燃
焼させ、得られた燃焼ガス流を炉軸方向の下流に設置さ
れ縮小した断面積を持つ第2反応帯域に移動させ、当該
ガス流中に原料炭化水素(原料油)を供給し反応させて
カーボンブラックを生成させ、更に、その下流にある第
3反応帯域でガス流に冷却水の噴霧などでガスを急冷し
て反応を停止させる方法である。
【0007】
【特許文献1】特表平6−507879号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
通常のカーボンブラックの製造方法では、フラーレンは
ほとんど生成しない。フラーレンの製造においては、得
られる煤状物質中に含まれるフラーレンの割合をいかに
高めるかが大きな課題となっている。一般的に、フラー
レンの製造は、減圧下で行われ、反応領域中に希釈剤を
導入する場合もある。これらの減圧度、希釈剤濃度は上
記フラーレンの収率に影響を及ぼすことが知られてい
る。
【0009】上記、特許文献1にはフラーレンの収率を
向上させるために、火炎温度を上昇させること、またそ
の手段として外部エネルギー源から火炎にさらにエネル
ギーを供給する方法が述べられている。好ましいエネル
ギー源としては、火炎を直接加熱する電気抵抗加熱、マ
イクロウェーブ加熱、放電加熱、及び高温ガスとの熱交
換で火炎を加熱する向流加熱が挙げられている。
【0010】上記、特許文献1では、燃焼反応のための
酸化剤として純酸素が、また希釈剤としてはアルゴンが
用いられている。これは、フラーレンの収率を上げる効
果があると考えられる。しかしながら、純酸素は専用の
ボンベもしくは供給設備等を要し、特に、工業規模でフ
ラーレンを製造しようとする場合には、燃焼のために必
要とする酸素の量も大量になり、特別な酸素供給設備が
必要で、結果としてフラーレンの製造コストも高価とな
る。
【0011】そこで、燃焼法において製造コストを低減
するために、燃焼の酸化剤として空気を用いることは容
易に類推できるが、純酸素に比べて酸素濃度が低いため
に火炎が安定しないことや窒素の割合が多いため燃焼温
度が低くなること、特に減圧下での操作時に体積が増え
ノズルを通過する速度が速くなる等の理由により実用化
には至っていない。フラーレンは次世代を担う新材料、
新素材として多方面から注目されており、フラーレンを
大量に且つ安価に、そして容易に製造する技術の開発が
望まれている。
【0012】本発明は前述したような事情に鑑みてなさ
れたものであり、フラーレンを大量に且つ安価に、そし
て容易に製造するフラーレン類の製造方法及びその装置
を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、フラーレ
ンを大量に且つ安価に製造できる最適な燃焼方法及び製
造装置を種々検討した結果、反応炉内に、酸素含有ガス
と燃料とを供給し且つ燃焼させて高温の燃焼ガス流を形
成させる第一反応帯域と、燃焼ガス流に原料炭化水素を
供給する原料炭化水素供給口を有し且つ原料炭化水素を
反応させてフラーレンを生成させる第2反応帯域を有す
るフラーレン類の製造装置を用いて、第2反応帯域の圧
力を大気圧未満に保つことでフラーレンを大量に安定的
に生成できるとの知見を得た。
【0014】即ち、前記目的に沿う第1の発明に係るフ
ラーレン類の製造方法は、反応炉内に、酸素含有ガスと
燃料とを供給して燃焼させて高温の燃焼ガス流を形成さ
せる第1反応帯域と、この燃焼ガス流の途中に原料炭化
水素を供給する原料炭化水素供給口を有し且つ該原料炭
化水素を反応させてフラーレン類を生成させる第2反応
帯域を有することを特徴とするフラーレン類の製造装置
を使用し、前記第2反応帯域の圧力を大気圧未満とす
る。第1反応帯域に燃料と酸素含有ガスを供給して燃焼
させるので、例えば完全燃焼を容易に達成することがで
き、高温の燃焼ガス流を形成することができる。そし
て、得られた高温のガス流中に原料炭化水素を供給する
ことにより、原料炭化水素を容易に熱分解させることが
でき、フラーレン類の生成効率を向上させることができ
る。また、第2反応帯域内の圧力を大気圧未満にして、
原料炭化水素と燃焼ガスの混合状態を希薄にすることに
より、原料炭化水素の熱分解が均一に進行して、フラー
レン類の生成効率を向上させることができる。
【0015】第1の発明に係るフラーレン類の製造方法
において、前記第2反応帯域が前記第1反応帯域の下流
側にあることが好ましい。第2反応帯域を第1反応帯域
の下流側に設けることにより、第1反応帯域で形成され
た高温の燃焼ガスを直ちに第2反応帯域に導入すること
ができる。その結果、第2反応帯域の温度を高温にする
ことができる。第1の発明に係るフラーレン類の製造方
法において、前記第2反応帯域の温度が1000℃以上
であることが好ましい。第2反応帯域の温度を1000
℃以上にすることにより、供給された原料炭化水素を短
時間に確実に熱分解させることができる。
【0016】前記目的に沿う第2の発明に係るフラーレ
ン類の製造装置は、反応炉内に、第1のバーナーを介し
て酸素含有ガスと燃料ガスとを供給し、これらを燃焼さ
せて高温の燃焼ガス流を形成させる第1反応帯域と、該
第1反応帯域の下流側にあって、前記燃焼ガス流に原料
炭化水素を供給する第2のバーナーの吐出口を有し、ガ
ス化して供給された前記原料炭化水素を前記燃焼ガス流
中で反応させてフラーレン類を生成させる第2反応帯域
を有する。燃料の燃焼は第1反応帯域で行なうので、燃
焼状態の制御が容易となり、高温の燃焼ガスを容易に形
成することができる。得られた高温の燃焼ガス流を第2
反応帯域に導入し、この高温のガス流中に原料炭化水素
を供給して熱分解させるので、高温の燃焼ガス流の温
度、流速、流量等のガス流条件と原料炭化水素の供給条
件を調整することにより、原料炭化水素の熱分解の制御
が容易となる。
【0017】第2の発明に係るフラーレン類の製造装置
において、前記第2のバーナーの吐出口は、前記第2反
応帯域の上流側に隙間を有して多数形成され、前記原料
炭化水素を前記燃焼ガス流中に分散放出することが好ま
しい。原料炭化水素を供給する第2のバーナーの吐出口
を第2反応帯域の上流側に形成することにより、第1反
応帯域から流入する高温の燃焼ガス流中に直接原料炭化
水素を供給することができ、原料炭化水素を容易に熱分
解させることができる。また、原料炭化水素を多数の吐
出口から燃焼ガス中に分散放出するので、燃焼ガス中で
原料炭化水素を短時間に均一に熱分解することができ
る。第2の発明に係るフラーレン類の製造装置におい
て、前記第2のバーナーは、前記第1反応帯域を貫通し
て配置される多数の小径吐出管からなっていることが好
ましい。多数の小径吐出管で原料炭化水素が供給される
ため、第2反応帯域の高温の燃焼ガス流中に原料炭化水
素を一様に分散放出することができる。また、小径吐出
管は第1反応帯域を貫通して配置されているので、原料
炭化水素は小径吐出管内を通過しながら高温の燃焼ガス
により徐々に加熱されて、第2反応帯域の高温の燃焼ガ
ス流中での熱分解を促進することができる。
【0018】第2の発明に係るフラーレン類の製造装置
において、前記第1のバーナーは、前記酸素含有ガスと
前記燃料ガスとをそれぞれ独立に放出する複数の酸素含
有ガスノズル及び燃料ガスノズルが混在配置されていて
もよい。このような構成とすることにより、供給された
酸素含有ガスと燃料ガスは拡散混合して一様な混合状態
となって第1反応帯域に存在させることができる。ま
た、第2の発明に係るフラーレン類の製造装置におい
て、前記第1のバーナーのヘッドは多孔質部材からなっ
て、表面から前記酸素含有ガスと前記燃料ガスが混合さ
れた状態で噴出される構成とすることができる。このよ
うな構成とすることにより、酸素含有ガスと燃料ガスを
予混合された状態で第1反応帯域に供給することができ
る。
【0019】第2の発明に係るフラーレン類の製造装置
において、前記酸素含有ガスと前記燃料ガスの混合は前
記第1のバーナー内で行われ、前記第1のバーナーには
前記酸素含有ガスと前記燃料ガスが独立に別配管で供給
される構成とすることができる。酸素含有ガスと燃料ガ
スの混合が第1のバーナー内で行われるので、酸素含有
ガスと燃料ガスとの予混合手段を別個に設ける必要がな
く、フラーレン類の製造装置の構成が簡単となる。第2
の発明に係るフラーレン類の製造装置において、前記酸
素含有ガスと前記燃料ガスとは予混合されて前記ヘッド
の下部に設けられた蓄圧室に供給される構成とすること
ができる。酸素含有ガスと燃料ガスが予混合されてヘッ
ドの下部の蓄圧室に供給されるので、第1のバーナーの
構造を簡単にすることができる。
【0020】第2の発明に係るフラーレン類の製造装置
において、前記第1のバーナーは、多数の小径の噴出ノ
ズルが隙間をおいて形成されたヘッダー管を有し、該ヘ
ッダー管には予混合された前記酸素含有ガスと前記燃料
ガスが供給される構成とすることができる。このような
構成とすることにより、酸素含有ガスと燃料ガスを予混
合された状態で第1反応帯域に分散放出することができ
る。第2の発明に係るフラーレン類の製造装置におい
て、前記第1のバーナーは、前記酸素含有ガスを噴出す
る多数の小径の噴出ノズルが隙間をおいて形成された第
1のヘッダー管と、前記第1のヘッダー管とは隙間を有
し配置され前記燃料ガスを噴出する多数の小径の噴出ノ
ズルが隙間をおいて形成された第2のヘッダー管を有
し、前記第1のヘッダー管及び前記第2のヘッダー管に
は前記酸素含有ガス及び前記燃料ガスがそれぞれ独立に
別配管で供給される構成とすることができる。このよう
な構成とすることにより、分散放出された酸素含有ガス
と燃料ガスは拡散混合して一様な混合状態となって第1
反応帯域に存在させることができる。
【0021】第2の発明に係るフラーレン類の製造装置
において、前記第2のバーナーから供給される原料炭化
水素に酸素含有ガスを混合することができる。原料炭化
水素の熱分解は吸熱反応のため、原料炭化水素の熱分解
により燃焼ガスの温度は低下する。このため、原料炭化
水素に酸素含有ガスを混合することにより第2反応帯域
で原料炭化水素の一部を燃焼させて熱エネルギーを発生
させ、原料炭化水素が熱分解する際に消費した熱エネル
ギーを補填して燃焼ガスの温度が低下するのを防止でき
る。
【0022】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。ここに、図1(A)、(B)はそれ
ぞれ本発明の第1の実施の形態に係るフラーレン類の製
造方法を適用したフラーレン製造装置の説明図、平断面
図、図2(A)、(B)はそれぞれ本発明の第2の実施
の形態に係るフラーレン類の製造装置の説明図、平断面
図、図3(A)、(B)はそれぞれ本発明の第3の実施
の形態に係るフラーレン類の製造装置の説明図、平断面
図、図4は本発明の第4の実施の形態に係るフラーレン
類の製造装置の部分説明図、図5(A)、(B)はそれ
ぞれ本発明の第5の実施の形態に係るフラーレン類の製
造装置の説明図、平断面図、図6(A)、(B)はそれ
ぞれ本発明の第6の実施の形態に係るフラーレン類の製
造装置の説明図、平断面図である。
【0023】本発明の第1の実施の形態に係るフラーレ
ン類の製造方法について、図1を用いて説明する。第1
の実施の形態に係るフラーレン類の製造方法は、反応炉
3a内に第1反応帯域1及び第2反応帯域2を設けて構
成されるフラーレン類の製造装置3に、原料炭化水素を
導入し、燃焼することによりフラーレンを製造する方法
に関するものである。
【0024】フラーレン類の製造装置3は、燃焼ガス流
を形成させる第1反応帯域1、そこで形成された燃焼ガ
ス流に原料炭化水素を供給し、反応させてフラーレンを
生成させる第2反応帯域2を有する。第2反応帯域2
は、第1反応帯域1とほぼ同じ領域(外側もしくは内
側)であってもよく、また第1反応帯域1で形成された
燃焼ガス流方向(以下、「軸方向」ということがあ
る。)の下流側にあってもよい。
【0025】図1は、第2反応帯域2が第1反応帯域1
の下流にある場合を示している。 [第1反応帯域について]第1反応帯域1では、一般に
燃料供給口及び酸素含有ガス供給口からそれぞれ燃料及
び酸素含有ガスを供給し、燃焼させることで高温の燃焼
ガス流を第2反応帯域2、すなわち反応炉3aの下流に
向かって発生させる。
【0026】燃料及び酸素含有ガスの供給は、反応炉3
a内に入る前に混合する、いわゆる予混合方式であって
も、それぞれ独立したノズルから反応炉3aに供給す
る、いわゆる拡散混合方式であってもよい。拡散混合方
式の場合は、図1において、例えば、中央の燃料供給口
7から燃料を供給し、その周囲の酸素含有ガス供給口
5、6から酸素含有ガスを供給する。また、予混合方式
と拡散混合方式を組み合わせてもよく、例えば、図1に
おいて、酸素含有ガス供給口5からは、燃料と酸素含有
ガスをあらかじめ混合させたものを供給し、酸素含有ガ
ス供給口6からは酸素含有ガスを、燃料供給口7からは
燃料をそれぞれ独立に供給してもよい。
【0027】この第1反応帯域1は、高温の燃焼ガスを
発生させることが目的であり、その燃焼方法は予混合燃
焼、拡散燃焼、層流燃焼、乱流燃焼、高温空気燃焼等、
公知のいかなる燃焼方法であってもよい。また、第2反
応帯域2でフラーレンの生成が可能となる温度が得られ
れば、第1反応帯域1での燃焼は完全燃焼であっても、
不完全燃焼であってもよいが、燃料使用量に対する発熱
量が大きい完全燃焼であることが好ましい。第1反応帯
域1がいわゆる燃料過剰の不完全燃焼である場合は、第
1反応帯域1でもフラーレンを含む煤状物質が生成する
ことがある。
【0028】しかし、好ましくはこの第1反応帯域1に
おける燃焼は、燃焼に必要な酸素が、量論酸素量以上で
ある、希薄混合気での燃焼の方がよい。酸素含有ガスと
しては空気、酸素ガス又はこれらにアルゴンガス、窒素
ガス等の不燃性ガスを任意の割合で混合したガスを使用
することができる。特に高温燃焼におけるNOX の発生
を抑えるためには、純酸素を使用してもよい。フラーレ
ンの収率を上げるためには、燃焼過程において希ガス等
を用いて希釈することが好ましい。希ガスは、供給用の
専用ノズルから供給してもよいし、燃料、原料炭化水
素、酸素含有ガス中にあらかじめ混合させておいてもよ
い。
【0029】燃料としては、水素、一酸化炭素、天然ガ
ス、石油ガス等の燃料ガス、重油、ベンゼン、トルエン
などの石油系液体燃料、クレオソート油等の石炭系液体
燃料を使用することができる。中でも、本実施の形態で
使用する燃料としては燃料ガスが好ましい。また、フラ
ーレン製造時の第1反応帯域1における平均温度は、得
ようとする目的のフラーレンによって適宜調整すればよ
いが、好ましくは1300℃以上、更に好ましくは16
00℃以上とされる。これは、燃焼ガスの温度が高温で
ある程、フラーレン類の生産性が上がるからである。上
限はあまり高すぎてもフラーレン類の生産性が落ちる場
合がある。また、反応炉の材質による耐熱性の問題を考
慮の上決定すればよい。
【0030】燃料供給口7、酸素含有ガス供給口5、6
の配置は、反応炉3aに開口していれば任意である。図
1においては、燃料供給口7、酸素含有ガス供給口5、
6は、反応炉3aの同一側に開口している。反応炉3a
内に開口している各供給口5、6、7の形状は任意であ
り、略円形、楕円形、三角・四角状などの多角形状やひ
ょうたん型などの不定形であってもよい。
【0031】反応炉3a内圧力は大気圧未満であること
が好ましく、より好ましい範囲は10〜300torr
である。 [第2反応帯域について]第2反応帯域2では第1反応
帯域1で形成された燃焼ガス流に原料炭化水素を原料炭
化水素供給口4から供給し、この原料炭化水素を一部部
分燃焼させることによってフラーレン類を生成させる。
部分燃焼させるために、酸素が残存するように第1反応
帯域1における燃焼を酸素過剰としてもよい。また、第
2反応領域2にノズルを配置し、酸素含有ガス供給ノズ
ルから酸素含有ガスを供給してもよい。
【0032】この際、燃焼ガス中に供給される上記原料
炭化水素や酸素含有ガスは、極力均一に反応炉3a内に
供給されることが好ましい。このため、第2反応帯域2
に設置する原料炭化水素供給口4、及び酸素含有ガス供
給ノズルの本数は多いほどよく、また反応炉3a内に均
等に配置されることが望ましい。
【0033】第2反応帯域の長さは、反応炉3aの大き
さ、製造するフラーレンの種類などによって適宜選択す
ればよい。第2反応帯域の位置及び形状は、任意であ
り、第1反応帯域の内側であっても、外側であってもよ
く、図1に示すように、第1反応帯域1の下流側にあっ
てもよい。第2反応帯域の形状も任意であるが、第2反
応帯域の断面形状は変化しないほうが好ましい。その理
由は、フラーレン類が生成する過程で第2反応帯域の断
面形状が変化することによる流れの乱れの影響を受ける
と、生成するフラーレン類に好ましくない影響を与える
からである。
【0034】第2反応帯域2の平均温度は、製造するフ
ラーレンによって適宜選択すればよいが、原料炭化水素
が均一に気化、反応するために充分高温雰囲気であるこ
とが好ましい。具体的には1000℃以上であることが
好ましく、中でも1000〜1900℃、特に1700
〜1900℃であることが好ましい。また、第2反応帯
域2においては、燃焼ガス中の酸素濃度をできるだけ抑
制することが好ましい。燃焼ガス中に酸素が多量に存在
すると、フラーレン類の生成反応帯域すなわち第2反応
帯域2での原料炭化水素の一部燃焼が活発に起こり、そ
のため、第2反応帯域2での温度の不均一が生じること
があるからである。燃焼ガス中の酸素濃度は、好ましく
は3vol%以下、更に好ましくは0.05〜1vol
%である。
【0035】本実施の形態においては、原料炭化水素を
供給する位置は任意であり、反応炉の形状に合わせて原
料炭化水素供給口を設けることができる。例えば、反応
炉3aの径が最大となっている部分に原料炭化水素供給
口を設けてもよく、また、径が縮小している縮小部に原
料炭化水素供給口を設けてもよい。更に、図1に示する
ように、反応炉3aの径が最大となっている部分と径が
縮小している縮小部にそれぞれ原料炭化水素供給口4を
設けてもよい。原料炭化水素供給口4の位置によって、
原料炭化水素が導入される位置でのガスの流速、乱流の
強さなどを制御できる。
【0036】原料炭化水素としては、従来公知の任意の
ものを使用することができ、例えば、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、ナフタレン、アントラセン等の芳香族系
炭化水素、クレオソート油、カルボン酸油などの石炭系
炭化水素、エチレンヘビーエンドオイル、FCCオイル
(流動接触分解残渣油)等の石油系重質油、アセチレン
系不飽和炭化水素、エチレン系炭化水素、ペンタンやヘ
キサン等の脂肪族飽和炭化水素などが挙げられ、これら
を単独又は任意の割合で混合して使用してもよい。中で
も精製した芳香族系炭化水素を用いることが好ましく、
特にベンゼンやトルエン等の芳香族系炭化水素が好まし
い。原料の純度は高い方が好ましく、中でも芳香族系炭
化水素を用いる際には純度が100%に近いほどよい。
【0037】反応炉における原料炭化水素供給口の位置
は、燃焼ガスの流れ方向の断面円周上に複数設けてもよ
く、更には、このような同一円周上に原料炭化水素供給
口を複数有する場所を、燃焼ガスの流れ方向に多段に設
けてもよい。フラーレンの生成反応時間を均一にし、物
性が均一なフラーレンを得るためには、同一円周上にな
るべく多くの原料炭化水素供給口を設置するのが好まし
い。
【0038】また、原料炭化水素供給口4に使用するノ
ズルの型式は適宜選択することができるが、液体の原料
炭化水素を用いる場合は、より均一に微細に噴霧するた
めに、供給された液を別の液体と共に噴射する2流体ノ
ズル等、ノズルから噴霧された直後の原料炭化水素の初
期液滴径が極力小さいものとするのが好ましい。原料炭
化水素供給口4の開口径、形、炉内への突出具合、燃焼
ガス流への供給角度、気液比などの原料炭化水素供給方
法、流速、流量、温度などは、適宜選択すればよいが、
第2反応帯域2に噴霧された原料炭化水素が蒸発する前
に第2反応帯域2の炉壁に付着しないような条件で噴霧
することが好ましい。そのように噴霧することにより、
得られる煤状物質中の異物を低減することができる。
【0039】第1反応帯域1及び第2反応帯域2を構成
する炉材としては、金属、耐火物など耐熱性を有する材
質であれば任意のものが使用できる。金属を使用する場
合は内部燃焼ガスの温度が金属の耐熱温度以上になるた
め、水冷ジャケット構造や水冷チューブを巻くなどの構
造を採ることにより外部から冷却する必要がある。金属
以外の材料としては、例えば、SiC、ダイヤモンド、
窒化アルミ、窒化珪素、セラミックス系耐火材などがあ
る。
【0040】第2反応帯域2より下流側以降は、フラー
レンを含む煤状物質(反応途中のものを含む)を含んだ
燃焼ガス流を1000℃以下、好ましくは800℃以下
に冷却する構造とする。具体的には、反応停止流体供給
口から水などを噴霧してもよいし、水冷構造等により外
部を冷却した流路を通過させることによって冷却を行な
ってもよい。特に、流路の径が小さい場合には、特に水
冷構造としなくても大気への自然放熱で十分に冷却され
ることもある。
【0041】冷却されたフラーレン類及び煤状物質は、
流路の先に設けられている捕集バグフィルター等(図示
せず)でガスと分離されて回収される。フラーレン類の
採取方法は、このようなバグフィルターや流路内壁に付
着させる等、公知の一般的プロセスを使用することがで
きる。
【0042】図2に示すように、本発明の第2の実施の
形態に係るフラーレン類の製造装置10は、反応炉11
内に第1のバーナー12を介して供給された酸素含有ガ
スと燃料ガスが燃焼して高温の燃焼ガス流を形成する第
1反応帯域13と、第1反応帯域13の下流側にあっ
て、燃焼ガス流に原料炭化水素を供給する第2のバーナ
ー14の吐出口15を有し、ガス化して供給された原料
炭化水素を燃焼ガス流中で反応させてフラーレン類を生
成させる第2反応帯域16を有する。以下、これらにつ
いて詳細に説明する。反応炉11は、例えば、円筒形状
の側壁部17と、側壁部17の一端側に接続して徐々に
外径が縮小して排出口18を形成している端部壁19と
を備えている。側壁部17と端部壁19は、例えばステ
ンレス鋼等の耐熱鋼で構成されている。更に、側壁部1
7の他端側の内周面には図示しない耐火物がライニング
されている。耐火物としては、例えばアルミナ質の耐火
煉瓦やアルミナ質の不定形耐火物を使用することができ
る。また、排出口18には図示しない排気管の一端側が
接続され、排気管の他端側は排気ポンプに接続されてい
る。このため、反応炉11内を大気圧未満の減圧状態に
すると共に、反応炉11内で生成した煤状物質を含む燃
焼ガスを反応炉11内から外部に排出することができ
る。
【0043】側壁部17の他端側の基盤17aに取付け
られた第1のバーナー12は、酸素含有ガス供給配管2
0に接続した複数の酸素含有ガスノズル21と、燃料ガ
ス供給配管22に接続した燃料ガスノズル23を有し、
これらの各ガスノズル21、23は基盤17aに混在配
置されている。また、酸素含有ガスノズル21、燃料ガ
スノズル23は、例えばステンレス鋼等の耐熱鋼で形成
されている。このため、酸素含有ガスノズル21から供
給された酸素含有ガスと、燃料ガスノズル23から供給
された燃料ガスとは、放出された後に拡散混合して一様
な混合状態となって第1反応帯域13で燃焼する。そし
て、形成された高温の燃焼ガス流は下流側の第2反応帯
域16に流入する。側壁部17の他端側に取付けられた
第2のバーナー14は、第1反応帯域13を貫通して配
置された多数の小径吐出管24(例えば、ステンレス鋼
等の耐熱鋼で形成されている)からなっている。その結
果、小径吐出管24の先端側に設けられた吐出口15
は、第2反応帯域16の上流側に隙間を有して配置され
ている。また、各小径吐出管24の基端側は原料炭化水
素供給配管25に接続している。このため、第1反応帯
域13から流入する高温の燃焼ガス流中に直接原料炭化
水素を均一に供給することができ、原料炭化水素を短時
間に均一に熱分解することができる。
【0044】次に、本発明の第2の実施の形態に係るフ
ラーレン類の製造装置10を使用したフラーレン類の製
造方法について詳細に説明する。酸素含有ガスノズル2
1から酸素含有ガスを、燃料ガスノズル23から燃料ガ
スを供給し、これらを燃焼させることで高温の燃焼ガス
流を形成し、反応炉11の下流に向かって流通させる。
酸素含有ガスとしては、酸素源である酸素ガスにアルゴ
ンガス等の不活性ガスを任意の割合で混合したガス(例
えば、不活性ガスの濃度を0、又は0を超えて90モル
%以下の範囲で調整できる)を使用することができる。
酸素源としては、フラーレンの収率という観点からは酸
素ガスが好ましく、酸素源の入手のし易さ等の観点から
は空気が好ましい。特に燃焼温度を上げるため、これら
の酸素含有ガスは反応炉11内に供給される前に予熱す
ることが好ましい。予熱の方法としては、熱交換器を使
用した燃焼ガスとの熱交換、いわゆるリジェネレーショ
ンバーナ等、公知のいかなる方法を用いても良い。この
予熱の温度は常温以上であればいかなる温度でも良い
が、フラーレンの収率を上げるためには極力高温度の方
が好ましい。より好ましくは、燃焼ガスの自己着火温度
以上であることが好ましい。
【0045】燃料ガスとしては、一酸化炭素、天然ガ
ス、石油ガス等の燃料ガス、重油などの石油系液体燃料
をガス化したもの、クレオソート油などの石炭系液体燃
料をガス化したものを使用することができる。中でも天
然ガス、石油ガス等の燃料ガスが好ましい。またフラー
レンの収率を上げるためには、燃料ガスも不活性ガス等
を用いて希釈することが好ましい。
【0046】続いて、燃料ガスが酸素含有ガスの下で燃
焼して形成する燃焼ガス流について説明する。燃料ガス
が完全燃焼する条件で燃料ガスノズル23から供給する
燃料ガスの量と酸素含有ガスノズル21から供給する酸
素ガス量を調整して第1反応帯域13に供給すると共
に、排出口18に接続された図示しない排出管を介して
排気ポンプで反応炉11内を大気圧未満、より好ましく
は10〜300torrの状態に保持して、図示しない
着火手段で燃料ガスの燃焼を開始する。ここで、燃料ガ
スと酸素含有ガスは各々独立し距離を隔て分散配置され
た酸素含有ガスノズル21、燃料ガスノズル23から第
1反応帯域13内に放出されるため、第1反応帯域13
における燃焼状態を均一にすることができる。また、酸
素含有ガス中の酸素ガス濃度はアルゴンガス等の不活性
ガスにより希釈されて低下していることに加えて、反応
炉11内の圧力が大気圧未満となっているため、第1反
応帯域13での燃焼状態を高温空気燃焼状態と類似した
状態にすることができる。その結果、燃料ガスの燃焼が
均一に進行して、第1反応帯域13の温度を均一かつ高
温(例えば、1000〜1900℃、好ましくは170
0〜1900℃)にすることができる。
【0047】第2反応帯域16には、第1反応帯域13
で形成された高温の燃焼ガスが流入するため、第2反応
帯域16の上流側の温度は、例えば、1000〜190
0℃の高温になる。原料炭化水素は、第1反応帯域13
を貫通して配置された多数の小径吐出管24の各吐出口
15から、第2反応帯域16の上流側の燃焼ガス流中に
分散放出される。ここで、小径吐出管24は第1反応帯
域13を貫通して配置されているため、原料炭化水素は
小径吐出管24内を通過中に予熱されているため、吐出
口15から高温の燃焼ガス流中に放出されると直ちに熱
分解する。その結果、反応活性の高い熱分解生成物が燃
焼ガス中に存在し、これらが合体することによりフラー
レン前駆体が形成される。そして、フラーレン前駆体が
燃焼ガス流と共に移動しながら成長してフラーレンにな
る。なお、原料炭化水素の熱分解は吸熱反応であるた
め、燃焼ガスから熱エネルギーが奪われて燃焼ガスの温
度が低下する。このため、原料炭化水素に酸素含有ガス
を混合し、原料炭素水素の一部を燃焼させて熱エネルギ
ーを供給するようにしてもよい。しかし、原料炭素水素
の一部燃焼が活発に起こると第2反応帯域16内での温
度の不均一が生じてフラーレンの生成効率が低下するた
め、燃焼ガス中の酸素濃度は、好ましくは3vol%以
下、更に好ましくは0.05〜1vol%である。
【0048】原料炭素水素としては、従来公知の任意の
ものを使用することができ、例えば、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、ナフタレン、アントラセン等の芳香族系
炭化水素、クレオソート油、カルボン酸油などの石炭系
炭化水素、エチレンヘビーエンドオイル、FCCオイル
(流動接触分解残渣油)等の石油系重質油、アセチレン
系不飽和炭化水素、エチレン系炭化水素、ペンタンやヘ
キサン等の脂肪族飽和炭化水素などが挙げられ、これら
を単独又は任意の割合で混合して使用してもよい。中で
も精製した芳香族系炭化水素を用いることが好ましく、
特にベンゼンやトルエン等の芳香族系炭化水素が好まし
い。主に原料となる原料炭素水素の純度は高い方が好ま
しく、中でも芳香族系炭化水素を用いる際には純度が1
00%に近いほど良い。
【0049】図3に示すように、本発明の第3の実施の
形態に係るフラーレン類の製造装置26は、酸素含有ガ
スと燃料ガスが予混合されて第1のバーナー27に供給
されることが特徴である。そのため、構造が異なる第1
のバーナー27についてのみ説明し、第2の実施の形態
に係るフラーレン類の製造設備10と同一の構成要素に
は同一の符号を付して詳細な説明は省略する。第1のバ
ーナー27は、例えば耐熱金属で作製されており、反応
炉11の第1反応帯域13に一面側が露出しているヘッ
ド28と、ヘッド28の下部に設けられた蓄圧室29を
有している。そして、第2のバーナー14の各小径吐出
管24は、相互に所定の隙間を開けて蓄圧室29の下方
から蓄圧室29及びヘッド28を貫通し反応炉11内に
突出している。
【0050】ここで、ヘッド28は、例えば焼結金属製
の多孔質部材で構成されている。多孔質部材は、一面側
から他面側に連通する連通孔を多数備えた構造となって
おり、ヘッド28の下部に設けられた蓄圧室29に酸素
含有ガスと燃料ガスを予混合した混合ガスとして混合ガ
ス供給配管30から供給すると、混合ガスはヘッド28
内の連通孔を介して蓄圧室29側の面から第1反応帯域
13側に露出した面まで移動し、第1反応帯域13内に
噴出することができる。従って、第1反応帯域13内に
噴出した混合ガスを燃焼させることにより、第1反応帯
域13で高温の燃焼ガスを形成することができる。そし
て、第1反応帯域13から流入する高温の燃焼ガス流中
に、原料炭化水素供給配管25を介して供給した原料炭
化水素を各小径吐出管24の吐出口15から供給して、
原料炭化水素を短時間に均一に熱分解することができ
る。なお、本発明の第3の実施の形態に係るフラーレン
類の製造設備26を使用したフラーレン類の製造方法
は、第2の実施の形態に係るフラーレン類の製造装置1
0を使用したフラーレン類の製造方法と実質的に同じで
あるので詳細な説明は省略する。
【0051】本発明の第4の実施の形態に係るフラーレ
ン類の製造装置31では酸素含有ガスと燃料ガスが独立
に別配管で第1のバーナー32に供給されるため、第3
の実施の形態に係るフラーレン類の製造装置26と第1
のバーナー32の構造が異なっていることが特徴であ
る。そのため、構造が異なる第1のバーナー32につい
てのみ説明し、第2の実施の形態に係るフラーレン類の
製造設備10と同一の構成要素には同一の符号を付して
詳細な説明は省略する。すなわち、図4に示すように、
第1のバーナー32は耐熱性金属で作製され、連通孔を
有する焼結金属性の多孔質部材からなるヘッド33と、
ヘッド33の下部に設けられた蓄圧室34と、蓄圧室3
4内に噴出口を有する複数のガス混合器35を有してい
る。そして、第2のバーナー14の各小径吐出管24
は、相互に所定の隙間を開けて蓄圧室34の下方から蓄
圧室34及びヘッド33を貫通し反応炉11内に突出し
ている。また、ガス混合器35としては、燃料ガスの流
れで酸素含有ガスを吸引して混合するアスピレータ式の
混合器を使用することができる。
【0052】このような構成とすることにより、酸素含
有ガスと燃料ガスをそれぞれ独立に酸素含有ガス供給配
管36及び燃料ガス供給配管37で各ガス混合器35に
供給すると、酸素含有ガスと燃料ガスは混合されながら
ガス混合器35の噴出口から混合ガスとして蓄圧室34
内に流入する。そして、蓄圧室34内に流入した混合ガ
スはヘッド33内の連通孔を介して蓄圧室34側の面か
ら第1反応帯域13側に露出した面まで移動し、第1反
応帯域13内に噴出することができる。従って、第1反
応帯域13内に噴出した混合ガスを燃焼させることによ
り、第1反応帯域13で高温の燃焼ガス流を形成するこ
とができる。そして、第1反応帯域13から流入する高
温の燃焼ガス流中に、原料炭化水素供給配管25を介し
て供給した原料炭化水素を各小径吐出管24の吐出口1
5から供給して、原料炭化水素を短時間に均一に熱分解
することができる。
【0053】なお、本発明の第4の実施の形態に係るフ
ラーレン類の製造設備31を使用したフラーレン類の製
造方法は、第3の実施の形態に係るフラーレン類の製造
装置26を使用したフラーレン類の製造方法と実質的に
同じであるので詳細な説明は省略する。
【0054】図5に示すように、本発明の第5の実施の
形態に係るフラーレン類の製造装置38は、側壁部17
の他端側の基盤17aに取付けられ、酸素含有ガスと燃
料ガスが予混合された混合ガスが噴出する多数の小径の
噴出ノズル39が隙間をおいて形成されているヘッダー
管40を有する第1のバーナー41に供給されることが
特徴である。そのため、構造が異なる第1のバーナー4
1についてのみ説明し、第2の実施の形態に係るフラー
レンの製造設備10と同一の構成要素には同一の符号を
付して詳細な説明は省略する。
【0055】ヘッダー管40は、反応炉11の軸心に対
して同心上にそれぞれ隙間を設けて配置された複数の環
状管40aを有し、各環状管40aは混合ガス供給配管
30aに接続している。そして、第2のバーナー14の
各小径吐出管24は、各環状管40aの隙間を通って第
1反応帯域13を貫通して配置されている。従って、酸
素含有ガスと燃料ガスを予混合した混合ガスを混合ガス
供給配管30aを介して各環状管40aに供給すると、
混合ガスは各環状管40aのそれぞれの噴出ノズル39
から第1反応帯域13内に噴出する。このため、第1反
応帯域13内に噴出した混合ガスを燃焼させることによ
り、第1反応帯域13で高温の燃焼ガス流を形成するこ
とができる。そして、第1反応帯域13から流入する高
温の燃焼ガス流中に、原料炭化水素供給配管25を介し
て供給した原料炭化水素を各小径吐出管24の吐出口1
5から供給して、原料炭化水素を短時間に均一に熱分解
することができる。なお、本発明の第5の実施の形態に
係るフラーレン類の製造装置38を使用したフラーレン
類の製造方法は、第2の実施の形態に係るフラーレン類
の製造装置10を使用したフラーレン類の製造方法と実
質的に同じであるので詳細な説明は省略する。
【0056】本発明の第6の実施の形態に係るフラーレ
ン類の製造装置42は、本発明の第2の実施の形態に係
るフラーレン類の製造装置10と比較して、第1のバー
ナー43の構造が異なっていることが特徴である。その
ため、構造が異なる第1のバーナー43についてのみ説
明し、第2の実施の形態に係るフラーレン類の製造装置
10と同一の構成要素には同一の符号を付して詳細な説
明は省略する。すなわち、図6に示すように、側壁部1
7の他端側の基盤17aに取付けられた第1のバーナー
43は耐熱性金属で作製され、酸素含有ガスを噴出する
多数の小径の噴出ノズル44が隙間をおいて形成された
第1のヘッダー管45と、第1のヘッダー管45とは隙
間を有し配置され燃料ガスを噴出する多数の小径の噴出
ノズル46が隙間をおいて形成された第2のヘッダー管
47を有している。更に、第1のヘッダー管45及び第
2のヘッダー管47には酸素含有ガス及び前記燃料ガス
をそれぞれ独立に供給する酸素含有ガス供給配管20、
燃料ガス供給配管22が接続されている。また、第2の
バーナー14の各小径吐出管24は、第1のヘッダー管
45と第2のヘッダー管47の隙間を通って基盤17a
を貫通し反応炉11内に突出している。
【0057】このような構成とすることにより、酸素含
有ガスを酸素含有ガス供給配管20を介して第1のヘッ
ダー45に供給し噴出ノズル44から反応炉11内に噴
出させることができる。また、燃料ガスを燃料ガス供給
配管22を介して第2のヘッダー47に供給し噴出ノズ
ル46から反応炉11内に噴出させることができる。各
噴出ノズル44、46から噴出した酸素含有ガスと燃料
ガスとは、放出された後に拡散混合して一様な混合状態
となって第1反応帯域13で燃焼する。そして、形成さ
れた高温の燃焼ガスは下流側の第2反応帯域16に流入
する。そして、第1反応帯域13から流入する高温の燃
焼ガス流中に、原料炭化水素供給配管25を介して供給
した原料炭化水素を各小径吐出管24の吐出口15から
供給して、原料炭化水素を短時間に均一に熱分解するこ
とができる。なお、本発明の第6の実施の形態に係るフ
ラーレン類の製造装置42を使用したフラーレン類の製
造方法は、第2の実施の形態に係るフラーレン類の製造
装置10を使用したフラーレン類の製造方法と実質的に
同じであるので詳細な説明は省略する。
【0058】以上、本発明の実施の形態を説明したが、
本発明は、この実施の形態に限定されるものではなく、
発明の要旨を変更しない範囲での変更は可能であり、前
記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を
組み合わせて本発明のフラーレン類の製造方法及びその
装置を構成する場合も本発明の権利範囲である。例え
ば、第5の実施の形態でヘッダー管40を反応炉11の
軸心に対して同心上に配置された複数の環状管40aで
構成したが、複数の直管を格子状にそれぞれ隙間を設け
て並べてもよい。また、第6の実施の形態で第1のヘッ
ダー管45と第2のヘッダー管47を反応炉11の軸心
に対して同心上に隙間を設けて複数配置したが第1のヘ
ッダー管と第2のヘッダー管を格子状にそれぞれ隙間を
設けて並べてもよい。更に、第2のバーナー14の小径
吐出管24をステンレス鋼等の耐熱鋼で作製し、第3及
び第4の実施の形態で多孔質部材を耐熱性の焼結金属で
作製したが、サーメット、セラミックスで作製すること
もできる。
【0059】
【発明の効果】請求項1〜3記載のフラーレン類の製造
方法においては、反応炉内に、酸素含有ガスと燃料とを
供給して燃焼させて高温の燃焼ガス流を形成させる第1
反応帯域と、この燃焼ガス流の途中にガス化した原料炭
化水素を供給する原料炭化水素供給口を有し且つ原料炭
化水素を反応させてフラーレン類を生成させる第2反応
帯域を有することを特徴とするフラーレン類の製造装置
を使用し、第2反応帯域の圧力を大気圧未満とするの
で、原料炭化水素の熱分解が均一に進行して、フラーレ
ン類の生成効率を向上させることができ、フラーレン類
を大量に且つ安価に、そして容易に製造することができ
る。
【0060】一方、上記、公知の燃焼法によるフラーレ
ン類の製造方法においては、燃焼反応のための燃料とフ
ラーレン生成のための原料は同一であるのが通常であ
り、炭化水素燃料燃焼反応に必要な燃料を任意に選定す
ることができない。これに対し、本発明によると燃焼反
応のための燃料と、フラーレン類の製造のための原料を
別々に選定することができるため、特に工業規模でフラ
ーレン類を製造する場合、原燃料の調達事情により、コ
ストの安い原燃料を自由に選択することができる。
【0061】特に、請求項2記載のフラーレン類の製造
方法においては、第2反応帯域が第1反応帯域の下流側
にあるので、第2反応帯域の条件を炉内断面すべてにわ
たって一定に保つことができ、この帯域での条件をフラ
ーレン類の収率が最大となるような条件に調節すること
によって、フラーレン類が生成する領域を最大に広げる
ことができるため、通常の燃焼法に比べてフラーレン類
の収率が高くなる。これに対して、従来の燃焼法におい
ては主に火炎中でフラーレン類が生成するが、一般的に
火炎は温度分布を持ち、火炎の特定の領域でフラーレン
類が生成することが知られている。
【0062】請求項3記載のフラーレン類の製造方法に
おいては、第2反応帯域の温度が1000℃以上である
ので、供給された原料炭化水素を短時間に確実に熱分解
させることができ、フラーレン類を大量に製造すること
ができる。
【0063】請求項4〜13記載のフラーレン類の製造
装置においては、反応炉内に、第1のバーナーを介して
酸素含有ガスと燃料ガスとを供給し、これらを燃焼させ
て高温の燃焼ガス流を形成させる第1反応帯域と、第1
反応帯域の下流側にあって、燃焼ガス流に原料炭化水素
を供給する第2のバーナーの吐出口を有し、ガス化して
供給された原料炭化水素を燃焼ガス流中で反応させてフ
ラーレン類を生成させる第2反応帯域を有するので、燃
料の燃焼状態の制御、原料炭化水素の熱分解の制御が共
に容易となって、フラーレン類を大量に、安価に、そし
て容易に製造することが可能となる。
【0064】特に、請求項5記載のフラーレン類の製造
装置においては、第2のバーナーの吐出口は、第2反応
帯域の上流側に隙間を有して多数形成され、原料炭化水
素を燃焼ガス流中に分散放出するので、燃焼ガス中で原
料炭化水素を短時間に均一に熱分解することができ、原
料炭化水素の熱分解物から生成させるフラーレン類の収
率を高くすることが可能となる。
【0065】請求項6記載のフラーレン類の製造装置に
おいては、第2のバーナーは、第1反応帯域を貫通して
配置される多数の小径吐出管からなっているので、第2
反応帯域の高温の燃焼ガス流中に予熱された原料炭化水
素を一様に分散放出して熱分解することができ、原料炭
化水素の熱分解物から生成させるフラーレン類の収率を
高くすることが可能となる。
【0066】請求項7記載のフラーレン類の製造装置に
おいては、第1のバーナーは、酸素含有ガスと燃料ガス
とを独立に放出し混在配置された複数の酸素含有ガスノ
ズル及び燃料ガスノズルを有するので、供給された酸素
含有ガスと燃料ガスは拡散混合して一様な混合状態で第
1反応帯域に存在させることができ、燃料ガスを第1反
応帯域で容易に完全燃焼させることが可能となる。その
結果、高温の燃焼ガス流を形成することができ、原料炭
化水素の熱分解物から生成させるフラーレン類の収率を
高くすることが可能となる。
【0067】請求項8記載のフラーレン類の製造装置に
おいては、第1のバーナーのヘッドは多孔質部材からな
って、表面から酸素含有ガスと燃料ガスが混合された状
態で噴出されるので、酸素含有ガスと燃料ガスを予混合
された状態で第1反応帯域に供給することができ、燃料
ガスを第1反応帯域で容易に完全燃焼させることが可能
となる。その結果、高温の燃焼ガス流を形成することが
でき、原料炭化水素の熱分解物から生成させるフラーレ
ン類の収率を高くすることが可能となる。
【0068】請求項9記載のフラーレン類の製造装置に
おいては、酸素含有ガスと燃料ガスの混合は第1のバー
ナー内で行われ、第1のバーナーには酸素含有ガスと燃
料ガスが独立に別配管で供給されているので、酸素含有
ガスと燃料ガスとの予混合手段を設ける必要がなく、フ
ラーレン類の製造装置の構成を簡単にすることができ
る。
【0069】請求項10記載のフラーレン類の製造装置
においては、酸素含有ガスと燃料ガスとは予混合されて
ヘッドの下部に設けられた蓄圧室に供給されているの
で、第1のバーナーの構造を簡単にすることができ、第
1のバーナーのコストを低減させることができる。
【0070】請求項11記載のフラーレン類の製造装置
において、第1のバーナーは、多数の小径の噴出ノズル
が隙間をおいて形成されたヘッダー管を有し、ヘッダー
管には予混合された酸素含有ガスと燃料ガスが供給され
ているので、酸素含有ガスと燃料ガスを予混合された状
態で第1反応帯域に分散放出することができ、燃料ガス
を第1反応帯域で容易に完全燃焼させることが可能とな
る。その結果、高温の燃焼ガス流を形成することがで
き、原料炭化水素の熱分解物から生成させるフラーレン
類の収率を高くすることが可能となる。
【0071】請求項12記載のフラーレン類の製造装置
においては、第1のバーナーは、酸素含有ガスを噴出す
る多数の小径の噴出ノズルが隙間をおいて形成された第
1のヘッダー管と、第1のヘッダー管とは隙間を有し配
置され燃料ガスを噴出する多数の小径の噴出ノズルが隙
間をおいて形成された第2のヘッダー管を有し、第1の
ヘッダー管及び第2のヘッダー管には酸素含有ガス及び
燃料ガスがそれぞれ独立に別配管で供給されているの
で、分散放出された酸素含有ガスと燃料ガスは拡散混合
して一様な混合状態となって第1反応帯域に存在させる
ことができ、燃料ガスを第1反応帯域で容易に完全燃焼
させることが可能となる。その結果、高温の燃焼ガス流
を形成することができ、原料炭化水素の熱分解物から生
成させるフラーレン類の収率を高くすることが可能とな
る。
【0072】請求項13記載のフラーレン類の製造装置
においては、第2のバーナーから供給される原料炭化水
素に酸素含有ガスを混合するので、原料炭化水素が熱分
解する際に消費した熱エネルギーを補填して燃焼ガスの
温度が低下するのを防止でき、原料炭化水素の熱分解物
から生成させるフラーレン類の収率を高くすることが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)、(B)はそれぞれ本発明の第1の実施
の形態に係るフラーレン類の製造方法を適用したフラー
レン製造装置の説明図、平断面図である。
【図2】(A)、(B)はそれぞれ本発明の第2の実施
の形態に係るフラーレン類の製造装置の説明図、平断面
図である。
【図3】(A)、(B)はそれぞれ本発明の第3の実施
の形態に係るフラーレン類の製造装置の説明図、平断面
図である。
【図4】本発明の第4の実施の形態に係るフラーレン類
の製造装置の部分説明図である。
【図5】(A)、(B)はそれぞれ本発明の第5の実施
の形態に係るフラーレン類の製造装置の説明図、平断面
図である。
【図6】(A)、(B)はそれぞれ本発明の第6の実施
の形態に係るフラーレン類の製造装置の説明図、平断面
図である。
【符号の説明】
1:第1反応帯域、2:第2反応帯域、3:フラーレン
類の製造装置、3a:反応炉、4:原料炭化水素供給
口、5、6:酸素含有ガス供給口、7:燃料供給口、1
0:フラーレン類の製造装置、11:反応炉、12:第
1のバーナー、13:第1反応帯域、14:第2のバー
ナー、15:吐出口、16:第2反応帯域、17:側壁
部、17a:基盤、18:排出口、19:端部壁、2
0:酸素含有ガス供給配管、21:酸素含有ガスノズ
ル、22:燃料ガス供給配管、23:燃料ガスノズル、
24:小径吐出管、25:原料炭化水素供給配管、2
6:フラーレン類の製造装置、27:第1のバーナー、
28:ヘッド、29:蓄圧室、30、30a:混合ガス
供給配管、31:フラーレン類の製造装置、32:第1
のバーナー、33:ヘッド、34:蓄圧室、35:ガス
混合器、36:酸素含有ガス供給配管、37:燃料ガス
供給配管、38:フラーレン類の製造装置、39:噴出
ノズル、40:ヘッダー管、40a:環状管、41:第
1のバーナー、42:フラーレン類の製造装置、43:
第1のバーナー、44:噴出ノズル、45:第1のヘッ
ダー管、46:噴出ノズル、47:第2のヘッダー管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 香月 正司 兵庫県西宮市清水町5−5−602 Fターム(参考) 4G146 AA07 BA12 BC03 BC07 BC08 BC27 BC34A BC34B BC35A BC35B BC36A BC38A BC38B DA03 DA23 DA25 DA35

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応炉内に、酸素含有ガスと燃料とを供
    給して燃焼させて高温の燃焼ガス流を形成させる第1反
    応帯域と、この燃焼ガス流の途中に原料炭化水素を供給
    する原料炭化水素供給口を有し且つ該原料炭化水素を反
    応させてフラーレン類を生成させる第2反応帯域を有す
    ることを特徴とするフラーレン類の製造装置を使用し、
    前記第2反応帯域の圧力を大気圧未満とすることを特徴
    とするフラーレン類の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のフラーレン類の製造方
    法において、前記第2反応帯域が前記第1反応帯域の下
    流側にあることを特徴とするフラーレン類の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1及び2のいずれか1項に記載の
    フラーレン類の製造方法において、前記第2反応帯域の
    温度が1000℃以上であることを特徴とするフラーレ
    ン類の製造方法。
  4. 【請求項4】 反応炉内に、第1のバーナーを介して酸
    素含有ガスと燃料ガスとを供給し、これらを燃焼させて
    高温の燃焼ガス流を形成させる第1反応帯域と、該第1
    反応帯域の下流側にあって、前記燃焼ガス流に原料炭化
    水素を供給する第2のバーナーの吐出口を有し、ガス化
    して供給された前記原料炭化水素を前記燃焼ガス流中で
    反応させてフラーレン類を生成させる第2反応帯域を有
    することを特徴とするフラーレン類の製造装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のフラーレン類の製造装置
    において、前記第2のバーナーの吐出口は、前記第2反
    応帯域の上流側に隙間を有して多数形成され、前記原料
    炭化水素を前記燃焼ガス流中に分散放出することを特徴
    とするフラーレン類の製造装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のフラーレン類の製造装置
    において、前記第2のバーナーは、前記第1反応帯域を
    貫通して配置される多数の小径吐出管からなっているこ
    とを特徴とするフラーレン類の製造装置。
  7. 【請求項7】 請求項4〜6のいずれか1項に記載のフ
    ラーレン類の製造装置において、前記第1のバーナー
    は、前記酸素含有ガスと前記燃料ガスとをそれぞれ独立
    に放出する複数の酸素含有ガスノズル及び燃料ガスノズ
    ルが混在配置されていることを特徴とするフラーレン類
    の製造装置。
  8. 【請求項8】 請求項4〜6のいずれか1項に記載のフ
    ラーレン類の製造装置において、前記第1のバーナーの
    ヘッドは多孔質部材からなって、表面から前記酸素含有
    ガスと前記燃料ガスが混合された状態で噴出されること
    を特徴とするフラーレン類の製造装置。
  9. 【請求項9】 請求項8記載のフラーレン類の製造装置
    において、前記酸素含有ガスと前記燃料ガスの混合は前
    記第1のバーナー内で行われ、前記第1のバーナーには
    前記酸素含有ガスと前記燃料ガスが独立に別配管で供給
    されていることを特徴とするフラーレン類の製造装置。
  10. 【請求項10】 請求項8記載のフラーレン類の製造装
    置において、前記酸素含有ガスと前記燃料ガスとは予混
    合されて前記ヘッドの下部に設けられた蓄圧室に供給さ
    れていることを特徴とするフラーレン類の製造装置。
  11. 【請求項11】 請求項4〜6のいずれか1項に記載の
    フラーレン類の製造装置において、前記第1のバーナー
    は、多数の小径の噴出ノズルが隙間をおいて形成された
    ヘッダー管を有し、該ヘッダー管には予混合された前記
    酸素含有ガスと前記燃料ガスが供給されていることを特
    徴とするフラーレン類の製造装置。
  12. 【請求項12】 請求項4〜6のいずれか1項に記載の
    フラーレン類の製造装置において、前記第1のバーナー
    は、前記酸素含有ガスを噴出する多数の小径の噴出ノズ
    ルが隙間をおいて形成された第1のヘッダー管と、前記
    第1のヘッダー管とは隙間を有し配置され前記燃料ガス
    を噴出する多数の小径の噴出ノズルが隙間をおいて形成
    された第2のヘッダー管を有し、前記第1のヘッダー管
    及び前記第2のヘッダー管には前記酸素含有ガス及び前
    記燃料ガスがそれぞれ独立に別配管で供給されているこ
    とを特徴とするフラーレン類の製造装置。
  13. 【請求項13】 請求項4〜12のいずれか1項に記載
    のフラーレン類の製造装置において、前記第2のバーナ
    ーから供給される原料炭化水素に酸素含有ガスを混合す
    ることを特徴とするフラーレン類の製造装置。
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