JP2003220319A - 分離膜モジュール及びその製造方法 - Google Patents

分離膜モジュール及びその製造方法

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JP2003220319A
JP2003220319A JP2002022384A JP2002022384A JP2003220319A JP 2003220319 A JP2003220319 A JP 2003220319A JP 2002022384 A JP2002022384 A JP 2002022384A JP 2002022384 A JP2002022384 A JP 2002022384A JP 2003220319 A JP2003220319 A JP 2003220319A
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separation membrane
porous
alumina particles
average particle
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Shigenobu Furukawa
茂伸 古川
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ガス分離、限外濾過、精密濾過等の分離性能を
有する小型の分離膜モジュールを提供する。 【解決手段】平均粒子径が0.1μm〜5.0μmのα
−アルミナ粒子2からなる多孔質支持体1の表面に、平
均粒子径が0.01μm〜0.3μmの易焼結性α−ア
ルミナ粒子4からなる多孔質層3を0.1〜10.0μ
mの層厚みで形成するとともに、上記多孔質層3上に平
均細孔径が0.1nm〜10nmの分離膜層5を形成
し、かつ分離膜成分の一部を上記多孔質層3中に含浸さ
せて含浸層6を設けることにより分離膜モジュールを形
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガス分離膜、限外
濾過膜、精密濾過膜等に用いる小型の分離膜モジュール
及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】各種分
野に使用される分離膜モジュールは、被処理流体の透過
時の流通抵抗をできる限り小さくするために、細孔径の
大きな多孔質支持体の片面又は両側に濾過能を有する分
離膜層を形成した積層構造のものが一般的に知られてお
り、上記分離膜層は被処理流体の種類によって選定され
ていた。
【0003】従来、このような分離膜モジュールは、分
離膜層の構成成分を含むスラリーを多孔質支持体の片面
又は両面に塗布した後、焼成することによって形成した
ものが使用されていたが、スラリー中の分離膜成分の粒
子が大きいため、焼成後の分離膜層の細孔径が大きく、
ガス分離、限外濾過、精密濾過等に適した細孔径を有す
る分離膜層を形成することが難しいといった課題があっ
た。
【0004】そこで、極めて微細な細孔径を有する分離
膜層を備えた分離膜モジュールを製造する方法として、
特開昭59−59223号公報には、無機多孔質支持体
の細孔(通常細孔直径0.1μm以上)中に液状のアル
ミニウムアルコラート又はアルミニウムキレートを含浸
させた後、水中に浸漬するなどして加水分解した後、乾
燥させてアルミナゲルとし、その後焼成することにより
γ−アルミナを生成させて多孔質支持体の細孔を埋めた
ものが提案されている。
【0005】また、特開昭60−180979号公報に
は、無機多孔質支持体の細孔中に、アルミニウムアルコ
ラート又はアルミニウムキレートを加水分解して得たア
ルミナゾルを含浸させた後、乾燥及び400〜600℃
で焼成する工程を数回繰り返して得られるγ−アルミナ
により多孔質支持体の細孔を小さくした後、上記工程を
経て小さくなった細孔に、有機溶剤に溶解したアルミニ
ウムアルコラート又はアルミニウムキレートを含浸さ
せ、有機溶剤を揮発除去した後、細孔内のアルミニウム
アルコラート又はアルミニウムキレートを水蒸気により
加水分解してアルミナゾルとした後、乾燥及び焼成する
ことにより細孔を埋めたものが提案されている。
【0006】ところで、特開昭59−59223号や特
開昭60−180979号に開示された分離膜モジュー
ルは、無機多孔質支持体の大きな細孔に、液状のγ−ア
ルミナ前駆体を含浸させて微細な細孔を形成するように
するものであるが、多孔質支持体中の大きな細孔中へ液
状のγ−アルミナ前駆体を充分に含浸させることは難し
く、さらに乾燥や焼成時の収縮によりアルミナゲルにひ
び割れが生じ、ピンホールやクラック等が発生し易いた
め、目的の分離性能を有する分離膜層が得られないとい
った課題があった。
【0007】また、特開昭59−59223号や特開昭
60−180979号に開示された分離膜モジュール
は、いずれもγ−アルミナを用いたものであるが、γ−
アルミナはα−アルミナと比較して耐食性、耐水性、及
び耐水蒸気性に乏しいといった課題もあった。
【0008】そこで、これらの課題を解決するものとし
て、特開平3−98626号公報には、平均粒子径30
μmのアルミナ粒子からなる円筒状の外層内面に、平均
粒子径3μmのアルミナ粉体に有機バインダーを添加し
て形成したスラリーを塗布した後、1500℃の温度で
焼成して層厚みが170μmの間層を形成し、さらにこ
の間層内面に、平均粒子径0.4μmのアルミナ粉体に
有機バインダーを添加して形成したスラリーを塗布した
後、1400℃の温度で焼成して層厚みが70μmの内
層を形成して製作した無機多孔質支持体の内面に、有機
バインダーを含有するコロイド粒子のゾル液を塗布し、
圧力差でもって上記コロイド粒子のゾル液を内層の細孔
中へ含浸させてゲル層を形成した状態で焼成することに
より分離膜層を形成した分離膜モジュールが開示されて
いる。
【0009】ところで、特開平3−98626号公報に
開示された分離膜モジュールは、外径30mm、長さ1
000mmの円筒状体をしたものなど、大型の分離膜モ
ジュールとしては良いものの、例えば、外径3.2m
m、長さ310mmの円筒状体をしたものなど、小型の
分離膜モジュールを形成する場合、多孔質支持体や分離
膜層の層厚みをできるだけ薄くする必要があるのである
が、特開平3−98626号公報に開示された技術では
小型の分離膜モジュールを形成することが難しいといっ
た課題があった。
【0010】即ち、分離膜層を形成する多孔質支持体表
面を構成するアルミナ粒子の平均粒子径が0.4μm程
度と大きく、これに伴ってアルミナ粒子間に形成される
細孔径が大きいため、分離膜層の層厚みが薄くなると、
ピンホール等が発生し易いといった課題があった。
【0011】また、多孔質支持体の内層は、その層厚み
が70μmと厚いため、流通抵抗が大きく、透過率が小
さくなるといった課題もあった。
【0012】
【発明の目的】本発明の目的は、耐食性、耐水性、耐水
蒸気性に優れた小型の分離膜モジュールとその製造方法
を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】そこで、上記課題に鑑
み、本発明の分離膜モジュールは、平均粒子径が0.1
μm〜5.0μmのα−アルミナ粒子からなる多孔質支
持体の表面に、平均粒子径が0.01μm〜0.3μm
の易焼結性α−アルミナ粒子からなる多孔質層を0.1
〜10.0μmの層厚みで形成するとともに、上記多孔
質層上に平均細孔径が0.1nm〜10nmの分離膜層
を形成し、かつ分離膜成分の一部を上記多孔質層中に含
浸させて含浸層を設けたことを特徴とする。
【0014】上記分離膜層の層厚みは0.01μm〜
2.0μmとすることが良く、また、上記分離膜の含浸
層の厚みは0.1μm〜5.0μmとすることが好まし
い。
【0015】また、本発明は上記分離膜モジュールを製
造するため、平均粒子径が0.1μm〜5.0μmのα
−アルミナ粒子からなる多孔質支持体の表面に、平均粒
子径が0.01μm〜0.3μmの易焼結性α−アルミ
ナ粒子を分散させた溶媒を超音波処理及び濾過処理した
スラリーを塗布し、乾燥、焼成して多孔質層を形成した
後、上記多孔質層上に、金属アルコキシドをアルコール
類又はケトン類の溶媒中で加水分解したゾル液を被着し
て分離膜層を形成したことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。
【0017】図1に本発明の分離膜モジュールの構造を
説明するための概略断面図を示す。
【0018】本発明の分離膜モジュールは、平均粒子径
が0.1μm〜5.0μmのα−アルミナ粒子2からな
る多孔質支持体1の表面に、平均粒子径が0.01μm
〜0.3μmの易焼結性α−アルミナ粒子4からなる多
孔質層3を0.1〜10.0μmの層厚みで形成すると
ともに、上記多孔質層3上に平均細孔径が0.1nm〜
10nmの分離膜層5を形成し、かつ分離膜成分の一部
を上記多孔質層3中に含浸させて含浸層6を設けたこと
を特徴とする。
【0019】ここで、多孔質支持体1を形成するα−ア
ルミナ粒子2の平均粒子径を0.1μm〜5.0μmと
したのは、α−アルミナ粒子2の平均粒子径が0.1μ
m未満となると、流通抵抗が大きくなりすぎて透過率が
小さくなりすぎるからであり、また、α−アルミナ粒子
2の平均粒子径が5.0μmを超えると、多孔質支持体
1の表面に多孔質層3に形成する際、アルミナ粒子2間
に形成される空隙に多孔質層3を形成するα−アルミナ
粒子4が成膜時に吸い込まれ易くなり、0.1μm以上
の層厚みを持った多孔質層2を形成することができず、
多孔質層2には多数のピンホールが形成され、その上に
形成される分離膜層の分離性能を低下させてしまうから
である。
【0020】また、多孔質支持体1の表面に被着する多
孔質層3を形成するα−アルミナ粒子4の平均粒子径を
0.01μm〜0.3μmとしたのは、α−アルミナ粒
子4の平均粒子径が0.01μm未満となると、多孔質
支持体1の表面に多孔質層3を形成する際、多孔質層3
のα−アルミナ粒子4が多孔質支持体1の細孔内に吸い
込まれ易くなるため、多孔質層3の層厚みが0.1μm
未満となり、ピンホールが発生し、分離膜層5の分離性
能を低下させるからであり、逆に、α−アルミナ粒子4
の平均粒子径が0.3μmを超えると、多孔質層3上に
形成する薄膜の分離膜層5にピンホールが発生し、分離
性能が低下するとともに、後述する製法において、多孔
質層3の層厚みを10.0μm以下に制御することが難
しく、その結果、多孔質層3にクラックが発生し、分離
膜層5の分離性能を低下させるからである。
【0021】また、多孔質層3の層厚みを0.1μm〜
10.0μmとしたのは、多孔質層3の層厚みが0.1
μm未満となると、多孔質層3にピンホールが発生し易
く、その結果、多孔質層3上に形成する薄膜の分離膜層
5にもピンホール等の欠陥が発生して分離性能を低下さ
せるからであり、逆に多孔質層3の層厚みが10.0μ
mを超えると、多孔質層3の形成時にクラックが発生
し、分離膜層5の分離性能を低下させるからである。
【0022】このように、本発明の分離膜モジュール
は、多孔質支持体1として従来のものより微細な粒子を
用いたことから、薄肉の多孔質支持体1の強度を保ちつ
つ、多孔質支持体1の表面の平均細孔径をより小さく且
つ均一に制御することができる。
【0023】また、多孔質層3を形成する粒子は、平均
粒子径が0.01μm〜0.3μmと多孔質支持体1よ
りもさらに小さな粒子を用いていることから、多孔質支
持体1の表面上に僅かに存在しているピンホールを埋
め、多孔質層3の表面上にピンホール等の欠陥が無い分
離膜層5を形成させることができる。しかも、上述した
平均粒子径の粒子を用いるようにしたことから、多孔質
層3の層厚みを薄くすることもでき、小型の分離膜モジ
ュールを製作する場合、有利である。
【0024】さらに、多孔質支持体1及び多孔質層3
は、それぞれβ−アルミナやγ−アルミナよりも耐食
性、耐水性、耐水蒸気性に優れたα−アルミナからなる
ため、信頼性が高く、耐久性に優れた分離膜層5の支持
部を形成することができる。
【0025】一方、多孔質層3上に形成する分離膜層5
の平均細孔径は0.1nm〜10nmであるものを用い
ることが良く、ガス分離、限外濾過、精密濾過等に適し
た分離膜層5を形成することができる。
【0026】ただし、この分離膜層5の層厚みが0.0
1μm未満では、多孔質層3に微細なアルミナ粒子を用
いているといえども薄いためにピンホール等が発生し、
分離性能が低下し、また、分離膜層5の層厚みが2.0
μmを超えると、流通抵抗が大きくなり、ガス分離、限
外濾過、精密濾過等としての性能が低下する。
【0027】その為、分離膜層5の層厚みhは0.01
μm〜2.0μmとすることが良い。
【0028】また、上記分離膜成分の含浸層6の厚みは
0.1μm〜5.0μmが好ましい。この含浸層6の厚
みが0.1μmより小さくなると、分離膜層5と多孔質
層3との間に充分な接合強度が得られないからであり、
逆に分離膜成分の含浸層6の厚みが5.0μmを超える
と、流通抵抗が大きくなり、ガス分離、限外濾過、精密
濾過等としての性能が低下するからである。
【0029】次に、本発明の分離膜モジュールの製造方
法について説明する。
【0030】本発明の分離膜モジュールは、平均粒子径
が0.1μm〜5.0μmのα−アルミナ粒子2からな
る多孔質支持体1の表面に、多孔質層3の前駆体である
易焼結性α−アルミナ粒子4の分散液を塗布した後、5
00〜1300℃で焼成する工程を数回繰り返すことに
より、層厚みが0.1〜10.0μmの多孔質層3を形
成する。
【0031】ここで、多孔質層3の前駆体である易焼結
性α−アルミナ粒子4の分散液は、適宜の溶媒中に易焼
結性α−アルミナ粒子と有機分散剤を添加し、超音波処
理及び濾過処理を行うことによって作製される。ここで
スラリー濃度は1重量%以下の濃度とすることが良く、
さらには0.1重量%付近とすることが良い。
【0032】また、有機分散剤は成形分野で使用される
分散剤並びに結合剤が好適で、具体的にはアクリル酸エ
ステル共重合体、ポリビニルピロリジノン、ポリアクリ
ル酸アンモニウム、クエン酸、ポリビニルアルコール、
ポリエチレングリコール等を挙げることができる。
【0033】添加する有機分散剤の量は加える溶媒重量
の10重量%以下が良く、好ましくは0.1重量%付近
が良い。
【0034】また、超音波処理を施すのは、有機分散剤
では分散しきれない凝集したアルミナ粒子4を個々のア
ルミナ粒子4に解きほぐすためであり、またα−アルミ
ナ粒子4の分散液の濾過処理を施すのは、残存した凝集
粒を除去するとともに、α−アルミナ粒子4の分散液中
に含まれるアルミナ粒子4の大きさを均一にするためで
ある。濾紙のメッシュは成膜する膜厚及びα−アルミナ
粒子4の大きさにもよるが、0.2〜5.0μmを用い
ることが良く、より好ましくは2.0μm付近のものが
良い。
【0035】また、多孔質層2の前駆体である易焼結性
α−アルミナ粒子4の分散液を、多孔質支持体1の表面
に塗布する方法としては特に限定するものではないが、
例えば、多孔質支持体1の塗布面と反対側を減圧させな
がら上記分散液へ一定速度で浸漬させるようにすること
が好ましく、このようにすることで、分散しているα−
アルミナ粒子4が多孔質支持体1の表面に堆積し易くな
り、また一度前記無機多孔質支持体1の表面に堆積した
α−アルミナ粒子4が脱離し難くすることができる。
【0036】また、本発明では、多孔質層3を形成する
アルミナ粒子4として、易焼結性アルミナ粒子を用いる
ことを特徴とする。易焼結性α−アルミナ粒子4は低温
焼成が可能であり、500℃〜1300℃の焼成温度で
充分な接合強度が得られるとともに、高熱費用を節約す
ることができる。しかも低温焼成することと、易焼結性
アルミナ粒子4は一度焼成されたものであることから、
アルミナ粒子4の粒成長が抑えられ、大きさの揃ったア
ルミナ粒子4からなる多孔質層3を形成することができ
るために、流通抵抗のばらつきの少ない多孔質層3とす
ることができる。
【0037】次に、多孔質層3上に分離膜層5を形成す
るのであるが、分離膜層5は、金属アルコキシド等の有
機金属化合物をアルコール類又はケトン類の溶媒中で加
水分解することによって作製されるゾル液中に、多孔質
層3を有する多孔質支持体1を一定速度に浸漬させるこ
とにより、ゾル液を多孔質層3の内部に含浸させるとと
もに、多孔質層3の表面に被覆させ、これを乾燥ゲル化
させた後、400〜900℃で熱処理する工程を数回繰
り返すことにより形成すれば良い。
【0038】
【実施例】以下、本発明の具体例について説明する。
【0039】(実施例1)α−アルミナ粒子を含むスラ
リーを押し出し成形により円筒状体に成形した後、12
95℃の温度で焼成することにより、外径3.2mm、
内径1.6mm、長さ310mmの円筒状をした多孔質支
持体を形成した。なお、多孔質支持体は平均粒子径が
0.5μmのα−アルミナ粒子からなり、平均粒子径が
0.15μm、気孔率が30%であった。
【0040】次に、得られた多孔質支持体を純水中で5
時間煮沸洗浄した後、12時間以上乾燥処理を施した。
【0041】一方、平均粒子径0.1μmの易焼結性α
−アルミナ粒子と、有機分散剤であるアクリル酸エステ
ル共重合体を0.1wt%添加した純水とを重量比で
1:1000に調合し、多孔質層の前駆体である易焼結
性α−アルミナ粒子の分散液を得た。そして、この分散
液に超音波処理を施し凝集粒を分解した。次いで、分散
液を濾過することにより不純物の除去した。
【0042】そして、上記多孔質支持体の内側を−95
kPaに減圧しながら上記分散液中に浸漬させ、3分間
浸漬保持し引き上げた後、5分間減圧放置することによ
り多孔質支持体の外表面に多孔質層の前駆体であるα−
アルミナ粒子の分散液を塗布した。次に、分散液を乾燥
させた後、1100℃の温度で焼成することにより多孔
質層を形成した。
【0043】次いで、テトラエトキシシラン0.70m
ol,ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド0.30m
olとを混合した複合アルコキシドを、10molの純
水と0.07molの塩酸を添加したエタノール中で、
約16時間加水分解させることによって分離膜層の前駆
体であるシリカ−ジルコニア系のゾル液を製作した。そ
して、このゾル液中に多孔質層を形成した多孔質支持体
を1分間浸漬保持した後引き上げ、2時間乾燥後、50
0℃の温度で焼成する作業を10回繰り返すことによ
り、多孔質層上に平均細孔径が約0.35nmの分離膜
層を形成した。 (実施例2)α−アルミナ粒子を含むスラリーを押し出
し成形により円筒状体に成形した後、1295℃の温度
で焼成することにより、外径3.2mm、内径1.6m
m、長さ310mmの円筒状をした多孔質支持体を形成し
た。なお、多孔質支持体は平均粒子径が0.5μmのα
−アルミナ粒子からなり、平均粒子径が0.15μm、
気孔率が30%であった。
【0044】次に、得られた多孔質支持体を純水中で5
時間煮沸洗浄した後、12時間以上乾燥処理を施した。
【0045】一方、平均粒子径0.11μmの易焼結性
α−アルミナ粒子と、有機分散剤であるアクリル酸エス
テル共重合体を0.1wt%添加した純水とを重量比で
1:1000に調合し、多孔質層の前駆体である易焼結
性α−アルミナ粒子の分散液を得た。そして、この分散
液に超音波処理を施し凝集粒を分解した。次いで、分散
液を濾過することにより不純物の除去した。
【0046】そして、上記多孔質支持体の内側を−95
kPaに減圧しながら上記分散液中に浸漬させ、3分間
浸漬保持し引き上げた後、5分間減圧放置することによ
り多孔質支持体の外表面に多孔質層の前駆体であるα−
アルミナ粒子の分散液を塗布した。次に、分散液を乾燥
させた後、1100℃の温度で焼成する作業を4回繰り
返すことにより多孔質層を形成した。
【0047】次いで、テトラエトキシシラン0.70m
ol,ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド0.30m
olとを混合した複合アルコキシドを、10molの純
水と0.07molの塩酸を添加したエタノール中で、
約16時間加水分解させることによって分離膜層の前駆
体であるシリカ−ジルコニア系のゾル液を製作した。そ
して、このゾル液中に多孔質層を形成した多孔質支持体
を1分間浸漬保持した後引き上げ、2時間乾燥後、50
0℃の温度で焼成する作業を10回繰り返すことによ
り、多孔質層上に平均細孔径が約0.35nmの分離膜
層を形成した。 (実施例3)α−アルミナ粒子を含むスラリーを押し出
し成形により円筒状体に成形した後、1295℃の温度
で焼成することにより、外径3.2mm、内径1.6m
m、長さ310mmの円筒状をした多孔質支持体を形成し
た。なお、多孔質支持体は平均粒子径が5μmのα−ア
ルミナ粒子からなり、平均粒子径が0.15μm、気孔
率が30%であった。
【0048】次に、得られた多孔質支持体を純水中で5
時間煮沸洗浄した後、12時間以上乾燥処理を施した。
【0049】一方、平均粒子径0.11μmの易焼結性
α−アルミナ粒子と、有機分散剤であるアクリル酸エス
テル共重合体を0.1wt%添加した純水とを重量比で
1:1000に調合し、多孔質層の前駆体である易焼結
性α−アルミナ粒子の分散液を得た。そして、この分散
液に超音波処理を施し凝集粒を分解した。次いで、分散
液を濾過することにより不純物の除去した。
【0050】そして、上記多孔質支持体の内側を−95
kPaに減圧しながら上記分散液中に浸漬させ、3分間
浸漬保持し引き上げた後、5分間減圧放置することによ
り多孔質支持体の外表面に多孔質層の前駆体であるα−
アルミナ粒子の分散液を塗布した。次に、分散液を乾燥
させた後、1100℃の温度で焼成する作業を4回繰り
返すことにより多孔質層を形成した。
【0051】次いで、テトラエトキシシラン0.70m
ol,ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド0.30m
olとを混合した複合アルコキシドを、10molの純
水と0.07molの塩酸を添加したエタノール中で、
約16時間加水分解させることによって分離膜層の前駆
体であるシリカ−ジルコニア系のゾル液を製作した。そ
して、このゾル液中に多孔質層を形成した多孔質支持体
を1分間浸漬保持した後引き上げ、2時間乾燥後、50
0℃の温度で焼成する作業を10回繰り返すことによ
り、多孔質層上に平均細孔径が約0.35nmの分離膜
層を形成した。
【0052】
【実験例】ここで、多孔質支持体1を形成するアルミナ
粒子2の平均粒子径、多孔質層3を形成するアルミナ粒
子4の平均粒子径、多孔質層3の層厚み、分離膜層5の
層厚み、分離膜成分を含浸させた含浸層6の層厚みをそ
れぞれ表1に示すように異ならせた分離膜モジュールを
製作し、多孔質層3の欠陥の有無及び分離膜層5の分離
性能について調べる実験を行った。
【0053】なお、多孔質支持体1を形成するアルミナ
粒子2の平均粒子径、多孔質層3を形成するアルミナ粒
子4の平均粒子径は、10000倍に拡大して撮影した
走査型電子顕微鏡写真に長さ70mmの線を任意に10
本引き、各線上にある全アルミナ粒子の長さをその線上
にあるアルミナ粒子の個数で割り、これらの平均値を平
均粒子径とした。
【0054】また、多孔質層3の膜厚み、分離膜層5の
膜厚み、含浸層6の膜厚みの測定は、分離膜モジュール
を径方向に切断し、その分離膜モジュールの断面を走査
型電子顕微鏡で倍率10000倍〜30000倍に拡大
して各層の任意の5カ所の膜厚を測定し、その平均を各
層における層厚みとした。
【0055】分離膜層の分離性能については、200℃
に加熱したヘリウムガス(4N)と六フッ化硫黄(4
N)を、それぞれ純ガスの状態で分離膜モジュールに
0.1MPaに加圧して単独で各々供給し、分離膜モジ
ュールから透過してくるガスの流量を石鹸膜流量計にて
測定することにより、各種ガスの単位時間、単位膜面
積、単位圧力当たりの透過モル流量Pを求め、この透過
モル流量の値から次式により分離性能を表す選択率αを
算出して評価した。 (式1) 選択率α(He/SF6)=P(He)/P
(SF6) 結果は表1に示す通りである。
【0056】
【表1】
【0057】この結果、表1より判るように、平均粒子
径が0.1μm〜5.0μmのα−アルミナ粒子からな
る多孔質支持体の表面に、平均粒子径が0.01μm〜
0.3μmの易焼結性α−アルミナ粒子からなる多孔質
層を0.1〜10.0μmの層厚みで備えるとともに、
上記多孔質層上に平均細孔径が0.1nm〜10nmの
分離膜層を備えてなり、分離膜成分の一部を上記多孔質
層中に含浸させた含浸層を設けた分離膜モジュールとす
ることにより、多孔質層にピンホールやクラックの発生
のないものとすることができる。
【0058】また、上記分離膜層の層厚みを0.01μ
m〜2.0μmとするとともに、分離膜の含浸層の厚み
を0.1μm〜5.0μmとすることで、分離性の高い
分離膜モジュールを形成することができることが判る。
【0059】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、平均粒
子径が0.1μm〜5.0μmのα−アルミナ粒子から
なる多孔質支持体の表面に、平均粒子径が0.01μm
〜0.3μmの易焼結性α−アルミナ粒子からなる多孔
質層を0.1〜10.0μmの層厚みで形成するととも
に、上記多孔質層上に平均細孔径が0.1nm〜10n
mの分離膜層を形成し、かつ分離膜成分の一部を上記多
孔質層中に含浸させて含浸層を設けるようにしたことか
ら、ガス分離、限外ろ過、精密ろ過等の分離性能を有す
る小型の分離膜モジュールを提供することができる。
【0060】また、上記分離膜層の層厚みを0.01μ
m〜2.0μmとするとともに、分離膜の含浸層の厚み
を0.1μm〜5.0μmとすることで、分離性能を向
上させることができる。
【0061】さらに、本発明は上記分離膜モジュールを
製造するため、平均粒子径が0.1μm〜5.0μmの
α−アルミナ粒子からなる多孔質支持体の表面に、平均
粒子径が0.01μm〜0.3μmの易焼結性α−アル
ミナ粒子を分散させた溶媒を超音波処理及び濾過処理し
たスラリーを塗布し、乾燥、焼成して多孔質層を形成し
た後、上記多孔質層上に、金属アルコキシドをアルコー
ル類又はケトン類の溶媒中で加水分解したゾル液を被着
して分離膜層を形成するようにしたことから、ガス分
離、限外濾過、精密濾過等の分離性能を有する小型の分
離膜モジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の分離膜モジュールの構造を説明するた
めの概略断面図を示す。
【符号の説明】
1…多孔質支持体 2…アルミナ粒子 3…多孔質層 4…アルミナ粒子 5…分離膜層 6…含浸層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均粒子径が0.1μm〜5.0μmのα
    −アルミナ粒子からなる多孔質支持体の表面に、平均粒
    子径が0.01μm〜0.3μmのα−アルミナ粒子か
    らなる多孔質層を0.1〜10.0μmの層厚みで備え
    るとともに、上記多孔質層上に平均細孔径が0.1nm
    〜10nmの分離膜層を備えてなり、該分離膜成分の一
    部が上記多孔質層中に含浸した含浸層を有することを特
    徴とする分離膜モジュール。
  2. 【請求項2】上記分離膜層の層厚みが0.01μm〜
    2.0μmであることを特徴とする請求項1に記載の分
    離膜モジュール。
  3. 【請求項3】上記分離膜の含浸層の厚みが0.1μm〜
    5.0μmであることを特徴とする請求項1又は請求項
    2に記載の分離膜モジュール。
  4. 【請求項4】平均粒子径が0.1μm〜5.0μmのα
    −アルミナ粒子からなる多孔質支持体の表面に、平均粒
    子径が0.01μm〜0.3μmのα−アルミナ粒子を
    分散させた溶媒を超音波処理及び濾過処理したスラリー
    を塗布した後、乾燥、焼成して多孔質層を形成した後、
    上記多孔質層上に、金属アルコキシドをアルコール類又
    はケトン類の溶媒中で加水分解したゾル液を被着して分
    離膜層を形成したことを特徴とする分離膜モジュールの
    製造方法。
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