JP2003217441A - シート状誘電体材料およびそれを用いたプラズマディスプレイパネルの製造方法 - Google Patents

シート状誘電体材料およびそれを用いたプラズマディスプレイパネルの製造方法

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JP2003217441A
JP2003217441A JP2002013895A JP2002013895A JP2003217441A JP 2003217441 A JP2003217441 A JP 2003217441A JP 2002013895 A JP2002013895 A JP 2002013895A JP 2002013895 A JP2002013895 A JP 2002013895A JP 2003217441 A JP2003217441 A JP 2003217441A
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JP2002013895A
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Morio Fujitani
守男 藤谷
Daisuke Adachi
大輔 足立
Hiroyasu Tsuji
弘恭 辻
Masanori Suzuki
雅教 鈴木
英樹 ▲芦▼田
Hideki Ashida
Nobuyuki Kirihara
信幸 桐原
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラズマディスプレイパネルにおいて、立体
構造を持つ誘電体層を安定に精度良く、しかも作業効率
よく形成できるようにすることを目的とする。 【解決手段】 支持フィルム22上に形成されかつガラ
ス粉末および結着樹脂および感光性樹脂を含有する感光
性誘電体形成材料層23と、この感光性誘電体形成材料
層23上に形成されかつガラス粉末および結着樹脂を含
有する誘電体形成材料層24とからなり、感光性誘電体
形成材料層23のガラス粉末の誘電率が誘電体形成材料
層24のガラス粉末の誘電率よりも低いシート状誘電体
材料21を準備し、このシート状誘電体材料21を用い
てプラズマディスプレイパネルの誘電体層を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シート状誘電体材
料およびそれを用いたプラズマディスプレイパネルの製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、双方向情報端末として大画面、壁
掛けテレビへの期待が高まっている。そのための表示デ
バイスとして、液晶表示パネル、フィールドエミッショ
ンディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレ
イ等の数多くのものがあり、そのうちの一部は市販さ
れ、一部は開発中である。これらの表示デバイス中でも
プラズマディスプレイパネル(以下、PDPという)
は、自発光型で美しい画像表示ができ、大画面化が容易
である等の理由から、PDPを用いたディスプレイは、
視認性に優れた薄型表示デバイスとして注目されてお
り、高精細化および大画面化が進められている。
【0003】このPDPには、大別して、駆動的にはA
C型とDC型があり、放電形式では面放電型と対向放電
型の2種類があるが、高精細化、大画面化および製造の
簡便性から、現状では、AC型で面放電型のPDPが主
流を占めるようになってきている。
【0004】図3にPDPのパネル構造の一例を示して
おり、この図3に示すようにPDPは、前面パネル1と
背面パネル2とから構成されている。
【0005】前面パネル1は、フロート法による硼珪素
ナトリウム系ガラス等からなるガラス基板などの透明な
前面側の基板3上に、ストライプ状の表示電極4を複数
対配列して形成し、そしてその表示電極4群を覆うよう
に誘電体層5を形成し、その誘電体層5上にMgOから
なる保護膜6を形成することにより構成されている。な
お、表示電極4は、透明電極4aおよびこの透明電極4
aに電気的に接続されたCr/Cu/CrまたはAg等
からなるバス電極4bとから構成されている。また、図
示していないが、前記表示電極4間には、遮光膜として
のブラックストライプが表示電極4と平行に複数列形成
されている。
【0006】また、背面パネル2は、前記前面側の基板
3に対向配置される背面側の基板7上に、表示電極4と
直交する方向にCr/Cu/CrまたはAg等からなる
アドレス電極8を形成するとともに、そのアドレス電極
8を覆うように誘電体層9を形成し、そしてアドレス電
極8間の誘電体層9上にアドレス電極8と平行にストラ
イプ状の複数の隔壁10を形成するとともに、この隔壁
10間の側面および誘電体層9の表面に蛍光体層11を
形成することにより構成されている。なお、カラー表示
のために前記蛍光体層11は、通常、赤、緑、青の3色
が順に配置されている。
【0007】そして、これらの前面パネル1と背面パネ
ル2とは、表示電極4とアドレス電極8とが直交するよ
うに、微小な放電空間を挟んで基板3、7を対向配置す
るとともに、周囲を封着部材により封止し、そして前記
放電空間にネオンおよびキセノンなどを混合してなる放
電ガスを66500Pa(500Torr)程度の圧力
で封入することによりパネルが構成されている。
【0008】このパネルの放電空間は、隔壁10によっ
て複数の区画に仕切られており、そしてこの隔壁10間
に発光画素領域となる複数の放電セルが形成されるよう
に表示電極4が設けられるとともに、表示電極4とアド
レス電極8とが直交して配置されている。そして、この
PDPでは、表示電極4、アドレス電極8に印加される
周期的な電圧によって放電を発生させ、この放電による
紫外線を蛍光体層に照射して可視光に変換させることに
より、画像表示が行われる。
【0009】このようなPDPにおいては、アドレス電
極8、および表示電極4のバス電極4bには、AgやC
r−Cu−Cr等が用いられ、このうちAgによる電極
の製造方法としては、スクリーン印刷法のようにAg、
樹脂、溶剤などを含有するAgペーストを用いる方法
や、ラミネート法のように、Ag、樹脂などを含有する
フィルムを用いる方法などがある。いずれの場合におい
ても、樹脂を除去する目的、あるいはAg同士を融着し
て導電率を上昇させる目的で、500℃以上での加熱、
焼成処理を行う必要がある。
【0010】さらに、これらの電極を被覆する誘電体層
は、プラズマを発生させるために必須の材料であり、放
電効率をより高く、かつ背面板の蛍光体からの発光光を
よく通すといった機能が必要とされる重要な構成要素で
ある。
【0011】また、誘電体層は、従来低融点鉛ガラスな
どの粉末と結着樹脂(膜形成材料層を構成する有機物
質)などを含むガラスペースト組成物をスクリーン印
刷、ダイコート塗布等の方法によって塗工し、500℃
以上で加熱、焼成することで形成されていた。
【0012】ガラス基板上に形成する膜形成材料層の厚
さは、焼成工程における有機物質の除去に伴う膜厚の目
減量を考慮して、形成すべき誘電体層の膜厚の1.3〜
2倍程度とすることが必要であり、例えば誘電体層の膜
厚を5〜40μmとするためには、7〜80μm程度の
厚さの膜形成材料層を形成する必要がある。
【0013】しかしながら、上記ガラスペースト組成物
をスクリーン印刷法によって塗布する場合において、1
回の塗布処理によって形成される塗膜の厚さは5〜25
μm程度である。スクリーン印刷法で形成する場合に
は、複数回に亘り、多重印刷が必要となり、工程の煩雑
さによる作業効率の低下、膜厚分布の低下、平滑性の低
下、欠陥の発生確率の増大等がさけられない。また、ダ
イコート塗布法の場合においても、コートの開始・終了
部分の膜厚分布が悪く、誘電特性のばらつきの原因とな
り、駆動電圧のマージンを低下させる原因となってい
る。
【0014】これらの課題に対して、例えば特開平10
−291834号公報に開示されているように、ガラス
ペースト組成物を支持フィルム上に形成したシート状誘
電体材料を用いて、ラミネート法などの方法によって貼
り付けた後、500℃以上で加熱、焼成することで誘電
体層を形成する方法が提案されている。
【0015】図4を用いてこのシート状誘電体材料の説
明をすると、図4(a)はロール状に巻回されたシート
状誘電体材料12を示す概略構成図であり、図4(b)
は図4(a)のX部のシート状誘電体材料12の層構成
を示す断面図である。この図4に示すシート状誘電体材
料12は、支持フィルム13と、この支持フィルム13
の表面に剥離可能に形成された膜形成材料層14と、こ
の膜形成材料層14の表面に剥離容易に形成されたカバ
ーフィルム15とにより構成されている。
【0016】この予め膜形成材料が作製されたシート状
誘電体材料12を用いることにより、膜厚の大きな誘電
体層、例えば5〜40μmの誘電体層であっても効率的
に形成することができ、誘電体層の形成工程における工
程改善が図れ、PDPの製造効率を向上させることが可
能となる。しかも、膜厚の均一性および表面の平滑性に
優れ、ピンホールやクラックなどの欠陥のない誘電体層
を形成することができる。
【0017】一方、PDPの高精細化、高輝度化の要求
に伴って、例えば特開平8−250029号公報に開示
されているように、放電を制御し遮蔽される部分での放
電を極力抑制するために、前記誘電体層を立体的に構成
するという新しい構造を持つ誘電体層が提案されてい
る。
【0018】立体構造の誘電体層を作製するためには、
シート状誘電体材料をパターニングする必要があるが、
その技術としては、例えば特開平11−231525号
公報に開示されている。その内容を図5(a)〜(i)
に示している。
【0019】図5(a)〜(c)に示すように、ガラス
基板16上に、支持フィルム13に無機粉体分散ペース
トによる膜形成材料層14が形成されたシート状誘電体
材料12を転写し、その上に図5(d)に示すようにレ
ジスト層17を形成し、その後図5(e)、(f)に示
すように、露光用マスク18を合わせてレジスト層17
を所定のパターンに露光、現像することにより所定のパ
ターンのレジスト層17を形成し、その所定のパターン
のレジスト層17をマスクとして、図5(g)、(h)
に示すように無機粉体分散ペーストの膜形成材料層14
を所定のパターン形状にエッチングした後、レジスト層
17を除去し、その後図5(i)に示すように所定の温
度で焼成することで無機パターン19を作製する方法で
ある。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
シート状誘電体材料とパターニングプロセスを用いて、
PDPの誘電体層の立体構造を作製する方法において
は、以下に示す問題点がある。
【0021】すなわち、PDPの誘電体層の立体構造で
は、例えば図6(a)、(b)に示すように、前面パネ
ル1の誘電体層5に発光画素領域単位で凹部20を設け
る場合、誘電体層5に所定のパターンで厚みの厚い部分
5aと薄い部分5bをばらつきなく作製することが要求
される。なお、図6(b)は図6(a)のA−A線で切
断した際の断面を示す図である。
【0022】上記従来のパターニング方法では、例えば
図5(g)の途中でエッチングを止めて誘電体層5に薄
い部分5bを残す必要があるが、このように途中でエッ
チングを止めると、PDPのように大面積のパネルの場
合、パネル全体のエッチングばらつきがそのまま形状お
よび深さの寸法ばらつきとなってしまい、全体に亘って
精度よく誘電体層の立体構造を得ることができない。
【0023】そこで、薄い部分での厚みに相当するシー
ト状誘電体材料により先に第一の誘電体層を焼成し形成
した後に、厚い部分での厚みに合わせるシート状誘電体
材料を用いて上述した従来のパターニング方法により第
二の誘電体層を形成することで、立体構造を得ることが
考えられるが、この場合はシート状誘電体材料を2回精
度良く基板に転写する必要があり、工程が煩雑となる。
また、PDPにおける放電開始電圧の観点からすると、
下層の第一の誘電体層においても膜厚に分布を持たせ、
最も膜厚の低下させた部分を種火放電として利用すれ
ば、さらに放電電圧を下げることができるが、上述のよ
うな下層を焼成により形成した後、その上部に誘電体を
塗布し、パターニングする方法では、下層の形状を変形
させることができなかった。
【0024】本発明はこのような課題に鑑みなされたも
ので、立体構造を持つ誘電体層を安定に精度良く、しか
も作業効率よく形成することができるようにすることを
目的とするものである。
【0025】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明は、ガラス粉末、結着樹脂および感光性樹脂を
含有する感光性誘電体形成材料層とこの感光性誘電体形
成材料層上に形成されかつガラス粉末および結着樹脂を
含有する誘電体形成材料層とを備えるとともに、前記感
光性誘電体形成材料層のガラス粉末の誘電率が誘電体形
成材料層のガラス粉末の誘電率よりも低いシート状誘電
体材料を用い、基板上に誘電体形成材料層が基板側とな
るように重ね合わせて誘電体形成材料層および感光性誘
電体形成材料層を基板に転写した後、感光性誘電体形成
材料層を所定のパターンを有するマスクを用いて露光
し、現像することにより、所定のパターン形状の誘電体
層を形成するものである。
【0026】このような構成により、誘電体層の立体構
造を作製する際に、1種類のシート状誘電体材料を用い
て、厚みの厚い部分と薄い部分を有する誘電体層をばら
つきなく作業効率よく作製することが可能となり、大面
積のパネル内で形状および深さの寸法ばらつきを抑える
ことができる。
【0027】
【発明の実施の形態】すなわち、本発明の請求項1に記
載の発明は、支持フィルム上に形成されかつガラス粉
末、結着樹脂および感光性樹脂を含有する感光性誘電体
形成材料層と、この感光性誘電体形成材料層上に形成さ
れかつガラス粉末および結着樹脂を含有する誘電体形成
材料層とを備え、前記感光性誘電体形成材料層のガラス
粉末の誘電率が誘電体形成材料層のガラス粉末の誘電率
よりも低いことを特徴とするシート状誘電体材料であ
る。
【0028】また、請求項2に記載の発明では、感光性
誘電体形成材料層および誘電体形成材料層は溶剤を含有
するものであることを特徴としている。また、請求項3
に記載の発明では、感光性誘電体形成材料層に含有され
る結着樹脂の分解温度または燃焼温度または揮発温度
が、誘電体形成材料層の結着樹脂の分解温度または燃焼
温度または揮発温度以下であることを特徴とし、請求項
4に記載の発明では、感光性誘電体形成材料層に含有さ
れる溶剤の分解温度または燃焼温度または揮発温度が、
誘電体形成材料層の溶剤の分解温度または燃焼温度また
は揮発温度以下であることを特徴としている。
【0029】さらに、本発明の請求項5に記載の発明で
は、ガラス粉末、結着樹脂および感光性樹脂を含有する
感光性誘電体形成材料層とこの感光性誘電体形成材料層
上に形成されかつガラス粉末および結着樹脂を含有する
誘電体形成材料層とを備えるとともに前記感光性誘電体
形成材料層のガラス粉末の誘電率が誘電体形成材料層の
ガラス粉末の誘電率よりも低いシート状誘電体材料を準
備し、このシート状誘電体材料を基板上に誘電体形成材
料層が基板側となるように重ね合わせて誘電体形成材料
層および感光性誘電体形成材料層を基板に転写する転写
工程と、転写した感光性誘電体形成材料層を所定のパタ
ーンを有するマスクを用いて露光し、現像するパターン
形成工程と、その後感光性誘電体形成材料層および誘電
体形成材料層を焼成して誘電体層を形成する焼成工程と
を有することを特徴とするプラズマディスプレイパネル
の製造方法である。
【0030】そして、請求項6に記載の発明では、パタ
ーン形成工程で感光性誘電体形成材料層を露光、現像す
ることにより、プラズマディスプレイパネルの発光画素
領域毎に誘電体層に少なくとも一つの凹部を形成し、そ
の凹部の底面の誘電体層の膜厚を小さくしたことを特徴
としている。
【0031】また、請求項7に記載の発明では、プラズ
マディスプレイパネルの製造方法において、感光性誘電
体形成材料層および誘電体形成材料層は溶剤を含有する
ものであることを特徴とし、さらに請求項8に記載の発
明では、感光性誘電体形成材料層に含有される結着樹脂
の分解温度または燃焼温度または揮発温度が、誘電体形
成材料層の結着樹脂の分解温度または燃焼温度または揮
発温度以下であることを特徴とし、請求項9に記載の発
明では、感光性誘電体形成材料層に含有される溶剤の分
解温度または燃焼温度または揮発温度が、誘電体形成材
料層の溶剤の分解温度または燃焼温度または揮発温度以
下であることを特徴としている。
【0032】以下、本発明の一実施の形態について、図
1、図2の図面を参照しながら説明する。
【0033】まず、図1を用いて本発明の一実施の形態
によるシート状誘電体材料の説明をすると、図1(a)
はロール状に巻回されたシート状誘電体材料21を示す
概略構成図であり、図1(b)は図1(a)のX部のシ
ート状誘電体材料21の層構成を示す断面図である。図
1に示すように、シート状誘電体材料21は、支持フィ
ルム22と、この支持フィルム22上に形成した感光性
誘電体形成材料層23と、この感光性誘電体形成材料層
23上に形成した誘電体形成材料層24と、この誘電体
形成材料層24上に配置したカバーフィルム25とが積
層された構成である。
【0034】ここで、誘電体形成材料層24および感光
性誘電体形成材料層23は、ガラス粉末および結着樹脂
が必須成分として含有され、かつ感光性誘電体形成材料
層23は感光性樹脂が含有されている。
【0035】シート状誘電体材料を構成する支持フィル
ム22は、耐熱性および耐溶剤性を有するとともに可撓
性を有する樹脂フィルムであることが好ましい。支持フ
ィルム22が可撓性を有することにより、ロールコータ
などによって膜厚の均一な膜形成材料層を形成すること
ができるとともに、当該膜形成材料層をロール状に巻回
した状態で保存することができる。支持フィルム22を
形成する樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレ
ート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリスチレン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポ
リ塩化ビニル、ポリフロロエチレンなどの含フッ素樹
脂、ナイロン、セルロースなどを挙げることができる。
【0036】シート状誘電体材料を構成する感光性誘電
体形成材料層23および誘電体形成材料層24は、焼成
されることによってガラス焼結体(誘電体層)となるも
のであり、誘電体形成材料層24に含有されるガラス粉
末としては、例えばZnO−B23−SiO2系の混合
物、PbO−B23−SiO2系の混合物、PbO−B 2
3−SiO2−Al23系の混合物、PbO−ZnO−
23−SiO2系の混合物などを挙げることができ
る。
【0037】ここで、用いられるガラスの誘電率として
は、前記ZnO−B23−SiO2系ガラスが最も低
く、次いでPbO−B23−SiO2系、Bi23−B2
3−SiO2系と続く。本発明においては、この誘電率
の異なる誘電体を効果的に使用することが特徴であり、
詳細については後述する。
【0038】感光性誘電体形成材料層23に含有される
感光性樹脂としては、少なくともアルカリ現像型結着樹
脂、反応性モノマーおよび光重合開始剤が含まれ、また
添加剤として、増感剤、重合停止剤、連鎖移動剤、レベ
リング剤、分散剤、可塑剤、安定剤、消泡剤等を必要に
応じて含有することができる。
【0039】本発明の結着樹脂としてはアクリル系とセ
ルロース系を代表的に挙げることができる。この場合に
感光性誘電体形成材料層と誘電体形成材料層に用いる樹
脂としては、例えばブチル(メタ)アクリレート、エチ
ルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)ア
クリレート、イソデシル(メタ)アクリレートおよび2
−エトキシエチル(メタ)アクリレートを挙げることが
できるが、これに限るものではない。
【0040】また、上記誘電体形成材料層24に含有さ
れる結着樹脂としては、感光性誘電体形成材料層23の
結着樹脂が誘電体形成材料層24の結着樹脂の分解また
は燃焼または揮発温度よりも低いことを特徴とする。最
も好ましくは、アクリル系樹脂を感光性誘電体形成材料
に使用し、セルロース系樹脂を誘電体形成材料層に用い
ることが望ましい。
【0041】これにより、異なる機能をもつ2層を同時
に形成することができ、工程数を大幅に削減することが
できる。また、2層を2種類の別々のシートを用いて作
製する場合にはそれぞれに2枚の支持フィルムを必要と
するが、本発明によれば廃棄物として非常に膨大になる
支持フィルムを半減することができ、環境に対する負荷
を低下させることができる。
【0042】また、PDPを作製する上で、前記シート
状誘電体材料をガラス基板上に転写し、誘電体形成材料
層24の乾燥または焼成時にガラス基板に対して上層に
形成される層から段階的に結着樹脂を揮発または燃焼ま
たは分解させることができ、下層の結着樹脂は上層の結
着樹脂が全て除去された後、ガス化するため、上層を容
易に通過することができる。このため、2層を同時に焼
成することができ、工程数を削減することができる。ま
た、焼成回数の低下により、消費エネルギーを低減で
き、環境に対する負荷を低下させることができる。これ
らについては、後述するPDPの製造方法で詳細を述べ
る。
【0043】さらに、誘電体形成材料層24および感光
性誘電体形成材料層23は、ガラス粉末および結着樹脂
が必須成分として含有され、かつ感光性誘電体形成材料
層23は感光性樹脂が含有され、かつ溶剤が前記2層共
に含有されていても良い。
【0044】この場合に感光性誘電体形成材料層23と
誘電体形成材料層24に用いる溶剤としては、当該誘電
体形成材料層24および感光性誘電体形成材料層23に
適度な粘性(例えば500〜10,000cp)を付与
することができ、乾燥されることによって容易に蒸発除
去できるものであることが好ましく、例えばメチルイソ
ブチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、テレビン油、エチルセロソルブ、メチルセロソル
ブ、テルピネオール、ブチルカルビトールアセテート、
ブチルカルビトール、ベンジルアルコール、乳酸メチ
ル、乳酸エチル、ブチルセロソルブアセテート、エチル
−3−エトキシプロピオネート、ブチルセロソルブなど
を挙げることができる。
【0045】また、上記溶剤としては、誘電体形成材料
層24と感光性誘電体形成材料層23の分解または燃焼
または揮発温度が異なることを特徴とする。好ましく
は、支持フィルム22上に形成される感光性誘電体形成
材料層23の溶剤が誘電体形成材料層24の溶剤よりも
分解または燃焼または揮発温度が低いことを特徴とす
る。
【0046】ここで、例えば上記溶剤の組み合わせとし
て、感光性誘電体形成材料層23に少なくとも誘電体形
成材料層24よりも分解または燃焼または揮発温度が低
いものを選出する。好ましくは、前記感光性誘電体形成
材料層23にテレビン油(沸点155〜165℃)、前
記誘電体形成材料層24にテルピネオール(沸点約18
0℃)を選出する。これにより、前記結着樹脂で述べた
効果と同様の効果を発現することができる。
【0047】ここで用いられるシート状誘電体材料21
の製造方法としては、支持フィルム22上に前記感光性
誘電体形成材料層23を形成し、さらにその上に誘電体
形成材料層24を形成し、その上にカバーフィルム25
を圧着により設けることにより製造することができる。
誘電体形成材料層24の形成方法としては、少なくとも
ガラス粉末、結着樹脂を含有し、好ましくは溶剤を含有
するガラスペースト組成物からなる誘電体形成材料層2
4を塗布した後、その塗膜を乾燥して前記溶剤の一部ま
たは全部を除去する方法を挙げることができる。ガラス
ペースト組成物からなる誘電体形成材料層24を塗布す
る方法としては、ローラーコーターによる塗布方法、ド
クターブレードなどのブレードコーターによる塗布方
法、カーテンコーターによる塗布方法などを挙げること
ができる。
【0048】次に、本発明によるPDPの製造方法にお
いて、前面パネルの製造工程を図2を用いて説明する。
【0049】図2(a)に示す第1の工程は、前面パネ
ルの前面側基板としてのガラス基板31上に、ITOや
SnO2等からなる透明電極材料膜32をスパッタ法に
より一様に成膜する工程である。このとき透明電極材料
膜32の膜厚は約100nmである。
【0050】図2(b)に示す第2の工程は、フォトリ
ソグラフィー法を用いて透明電極材料膜32を所望の形
状にパターニングし透明電極33を形成する工程であ
る。ノボラック樹脂を主成分とするポジ型レジストを
1.5〜2μmの膜厚で塗布し、所望のパターンの露光
乾板を介して紫外線を露光し、レジストを硬化させる。
このときの紫外線の光源は超高圧水銀ランプであり、光
量は300mJ/cm2である。次にアルカリ水溶液で
現像を行い、レジストパターンを形成する。その後、塩
酸を主成分とする溶液に基板を浸漬させてエッチングを
行い、不要部分の除去を行い、最後にレジストを剥離し
て透明電極33を形成する。
【0051】図2(c)に示す第3の工程は、黒色電極
材料膜34を塗工する工程である。黒色電極材料膜34
は、RuO2等からなる黒色顔料、ガラスフリット(P
bO−B23−SiO2系やBi23−B23−SiO2
系等)、重合開始剤、光硬化性モノマー、有機溶剤を成
分として含有するネガ型感光性ペーストをスクリーン印
刷法を用いてガラス基板31に一様に塗布することで形
成される。その後赤外線乾燥炉を用いた90℃、10分
間の乾燥工程によりペーストに含まれる溶剤は塗膜から
除去される。
【0052】図2(d)に示す第4の工程は、金属電極
材料膜35を黒色電極材料膜34上に形成する工程であ
る。この工程は用いられる材料がAg等の導電性材料、
ガラスフリット(PbO−B23−SiO2系やBi2
3−B23−SiO2系等)、重合開始剤、光硬化性モノ
マー、有機溶剤を成分として含有するネガ型感光性ペー
ストであることを除いて、第3の工程と同様である。
【0053】図2(e)に示す第5の工程は、バス電極
36を形成する工程である。金属電極材料膜35と黒色
電極材料膜34とからなる電極材料膜に、所望のパター
ンの露光乾板を介して紫外線を照射し露光部を硬化させ
る。このときの紫外線の光源は超高圧水銀ランプであ
り、光量は300mJ/cm2である。その後、アルカ
リ性現像液(0.3wt%の炭酸ナトリウム水溶液)を
用いて現像してパターンを形成し、その後空気中でガラ
ス材料の軟化点以上の温度で焼成を行い、電極を基板に
固着させる。
【0054】このように透明電極33上にバス電極36
を形成することにより、前面パネルの表示電極を形成す
ることができる。
【0055】図2(f)に示す第6の工程は、上述した
シート状誘電体材料21を用いて誘電体形成材料層37
と感光性誘電体形成材料層38との2層からなる誘電体
材料層を形成する工程である。ここで、前記感光性誘電
体形成材料層38に含有されるガラス粉末の誘電率は、
前記誘電体形成材料層37に含有されるガラス粉末の誘
電率と異なっている。好ましくは、前記感光性誘電体形
成材料層38に含有されるガラス粉末の誘電率が、前記
誘電体形成材料層37に含有されるガラス粉末の誘電率
よりも低い方が良い。
【0056】誘電体材料層はシート状誘電体材料21の
カバーフィルム25を剥離した後、誘電体材料層の表面
がガラス基板31に接するようにシート状誘電体材料2
1を重ね合わせながら、支持フィルム22側から加熱ロ
ーラーで圧着してガラス基板31に固着する。その後、
ガラス基板31上に固着された誘電体材料層から支持フ
ィルム22を剥離除去する。このとき、圧着に使用する
手段としては、加熱ローラー以外に加熱しない単なるロ
ーラーでもよい。
【0057】図2(g)に示す第7の工程は、感光性誘
電体形成材料層38を露光する工程である。所望のパタ
ーンの開口部を有する露光マスク39を介して誘電体材
料層の感光性誘電体形成材料層38に紫外線を照射して
露光部を硬化する。このときの紫外線の光源は超高圧水
銀ランプであり、光量は600mJ/cm2である。
【0058】図2(h)に示す第8の工程は、発光画素
領域に凹部を形成することにより厚みの厚い部分と薄い
部分を有する立体構造の誘電体層を形成する工程であ
る。アルカリ性現像液(0.3wt%の炭酸ナトリウム
水溶液)を用いて誘電体材料層の感光性誘電体形成材料
層38を現像し、感光性誘電体形成材料層38の非露光
部を除去する。
【0059】このとき、誘電体形成材料層37を構成す
る結着樹脂は現像液に対して溶解性を有さないため除去
されないか、あるいはエッチング速度が感光性誘電体形
成材料層38のエッチング速度よりも小さいため、第一
層の誘電体形成材料層37との界面近傍のわずかな領域
のみが除去される。そのため、所望の立体構造を有する
誘電体材料層が形成される。なお、このときの非露光部
と露光部の誘電体材料層の膜厚はそれぞれ30μmと2
0μmであることが望ましい。
【0060】その後、空気中でガラス材料の軟化点以上
の温度で焼成を行ってガラス成分を固着させることによ
り、立体構造を有する誘電体層が形成される。
【0061】ここで、本発明においては、上述したよう
に感光性誘電体形成材料層38の溶剤が誘電体形成材料
層37の溶剤よりも分解または燃焼または揮発温度が低
いことを特徴としている。そのため、焼成時にはガラス
基板31をベースとして上層側の前記感光性誘電体形成
材料層38の溶剤が先に分解または燃焼または揮発し、
その後下層の誘電体形成材料層37の溶剤が遅れて分解
または燃焼または揮発するため、容易に上層をすり抜け
ることができ、2層の同時焼成が可能となる。
【0062】同様に、感光性誘電体形成材料層38の結
着樹脂が誘電体形成材料層37の結着樹脂よりも分解ま
たは燃焼または揮発温度が低いことを特徴としているた
め、焼成時には上層側の前記感光性誘電体形成材料層3
8の結着樹脂が先に分解または燃焼または揮発し、その
後下層の誘電体形成材料層37の結着樹脂が遅れて分解
または燃焼または揮発するため、容易に上層をすり抜け
ることができ、2層の同時焼成が可能となる。よって、
従来は2層を別々に焼成していたものが2層を同時に焼
成することができ、工程数の削減による低コスト化を実
現することができる。また、焼成回数の低減により、使
用電力を削減できるため、環境に対してもやさしい工程
となる。
【0063】さらに、本発明の重要な機能として、前記
2層を同時に焼成することによって、自発的にパターニ
ングで取り除かれた凹部の底面となる下層が上層誘電体
の収縮時の応力により引かれることで、下層の底面の膜
厚をなだらかに変化させることができ、誘電体膜厚が小
さくなるように湾曲させることができ、下層を効果的に
加工することができる。
【0064】図2(i)に示す第9の工程は、保護膜4
0の成膜工程である。保護膜40はMgOからなり電子
ビーム蒸着法により誘電体層に一様に成膜される。この
ときの保護膜40の膜厚は約600nmである。
【0065】以上の工程で、上層の誘電率が下層の誘電
率よりも大きい所望の立体構造の誘電体を有するPDP
の前面パネルが得られる。
【0066】次に、本発明によるPDPの製造方法にお
いて、背面パネルの製造方法について説明すると、まず
フロート法により製造された背面パネルの背面側基板と
してのガラス基板に対し、前面パネルと同様にしてアド
レス電極を形成する。その上に前面パネルと同様にして
誘電体層を形成し、その上に隔壁を形成する。
【0067】この誘電体層および隔壁の形成に利用する
材料としては、ガラス粉末、結着樹脂および溶剤を含有
するペースト状のガラス粉末含有組成物(ガラスペース
ト組成物)を調製し、このガラスペースト組成物を支持
フィルム上に塗布した後、塗膜を乾燥して膜形成材料層
を形成したもので、支持フィルム上に形成された膜形成
材料層を、アドレス電極が形成されたガラス基板の表面
に上記前面パネルと同様の手法で転写により固着し、こ
の転写で固着された膜形成材料層を焼成することによ
り、前記ガラス基板の表面に誘電体層を形成することが
できる。
【0068】その後、隔壁を形成する方法としては、フ
ォトリソグラフィー法やサンドブラスト法を用いて形成
することができる。
【0069】次に、R、G、Bに対応する蛍光体を塗布
し焼成を行って隔壁間に蛍光体層を形成することによ
り、背面パネルを得ることができる。
【0070】そして、このようにして作製した前面パネ
ルと背面パネルとを、それぞれの表示電極とアドレス電
極がほぼ直角に交差するように位置合わせをして対向配
置し、その周辺部をシール材によって封着して貼り合わ
せ、その後隔壁で仕切られた空間のガスの排気を行い、
次にNe、Xe等の放電ガスを封入してガス空間を封止
することにより、図3に示すような構成のPDPを完成
させることができる。
【0071】ところで、以上のようにして作製される本
発明によるPDPにおいては、誘電体層は、ガラス基板
などの前面側の基板上に形成される下層誘電体と、発光
画素領域毎に少なくとも一つの凹部が形成されるように
所定の形状にパターニングされた上層誘電体とからなる
2層構造であることを特徴とする。すなわち、前面側基
板に形成される各行の表示電極は、マトリクス表示の各
ラインにおいて、放電ギャップを挟んで隣接するように
配列されており、隔壁と一対の表示電極で囲まれた領域
が発光画素領域となり、この各発光画素領域の誘電体層
に少なくとも一つの凹部が形成された形状となる。
【0072】PDPの高効率化を達成するためには、各
発光画素領域において放電を制御することが不可欠であ
る。特に、図3において、表示電極4に垂直な放電の広
がりにおいては、バス電極4bが蛍光体からの発光光を
遮るため、遮蔽される部分まで放電が広がることを抑制
する必要がある。また、この方向には隔壁10が存在し
ないため、そこから漏れる紫外線や蛍光体からの発光は
全てブラックストライプに遮蔽されることとなる。さら
に、表示電極4と平行な方向の放電の広がりは、隔壁1
0付近での電子温度の低下により効率の低下を招く。
【0073】本発明の製造方法によれば、図6(a)に
示されるように前面側基板3の誘電体層5にバス電極4
bおよび隔壁10よりも内側になるように、例えば深さ
20μmの凹部20を形成することで、膜厚の薄くなっ
た凹部20の底面は誘電体膜厚の低下により容量が大き
くなるため、その部分に形成される壁電荷は他の部分よ
りも多くなり、さらに膜厚の低下により放電開始電圧が
低下するため、放電は凹部20の底面を主として発生す
ることとなる。
【0074】このような構成により、表示電極4に水平
および垂直に広がる放電を抑えることができ、効率の向
上が図れる。なお、凹部20の形態は多角形、円柱、円
錐、直方体、台形なども考えられるが、これに限るもの
ではない。
【0075】また、図6(b)に示されるように、凹部
20の側面はなだらかに膜厚が変化してもよく、この場
合は底面の放電で発生したVUVの広がりを有効に利用
できる。さらに、凹部20の底面を誘電体膜厚が小さく
なるように湾曲させることで、最も膜厚が低下した個所
の放電電圧が低下するため、種火としての効果を得るこ
とができる。
【0076】その他の高効率化として、蛍光体からの発
光の取り出し効率を上げる、すなわち開口率を上げる方
法がある。この場合は、バス電極4bを可能な限り発光
画素領域から離す必要があるが、平行に走る隣のセルの
表示電極4との距離が狭くなるため、電荷の移動が容易
となり、発光を望まないセルが発光する、いわゆるクロ
ストークが発生し、表示品質が著しく低下する問題があ
る。
【0077】本発明の製造方法において、凹部20の形
状を調整することで壁電荷の発生する位置を制御するこ
とができ、クロストークの発生も防止することができ
る。
【0078】さらに、PDPの効率向上のその他の方法
として、Xe分圧を増加させる報告が多数なされている
が、この場合はXe分圧の上昇に伴い放電開始電圧も上
昇するため、トレードオフの関係にある。そのため、X
e分圧で上昇する放電開始電圧をその他の方法で低下さ
せる必要がある。この方法の一つとして誘電体層の薄膜
化が考えられるが、誘電体層を薄くすると、異物などに
よる誘電体層の欠陥に起因する絶縁破壊の生じる確率が
上昇し歩留りが低下する問題が生じる。特に、抵抗を下
げる目的で形成されるバス電極は膜厚が4から7μmと
厚いため、誘電体層を薄くするとバス電極上の実効膜厚
が低下し、絶縁破壊がバス電極近傍に集中する問題があ
る。
【0079】本発明の製造方法によれば、絶縁破壊が最
も発生しやすいバス電極上の誘電体層の膜厚を容易に厚
く形成することが可能なため、バス電極付近の絶縁破壊
を防止でき、また誘電体層の膜厚の薄い部分は約0.1
μmの透明電極のみが存在するため、実効膜厚はほとん
ど変化しなく、これによって誘電体層の凹部を形成した
構造とXe分圧の上昇を合わせて用いることで、PDP
の高歩留りと高効率を両立することができる。
【0080】また、誘電体層の透過率の向上や放電電流
の制限の観点から、誘電体層に形成する凹部の底面は、
膜厚がなだらかに変化するような形状のものが好ましい
が、本発明の製造方法により2層のシート状誘電体材料
を用いると、上層誘電体の収縮時の応力により、下層が
上層に引かれることで、下層の底面の膜厚をなだらかに
変化させることができ、これにより底面の膜厚がなだら
かに変化するような形状の凹部を有する誘電体層を容易
に作製することができる。
【0081】しかも、本発明においては、上層の誘電体
層の誘電率が下層の誘電体層の誘電率よりも低くなるよ
うに構成しており、誘電体を2層構造で形成し、凹部の
底面よりも放電空間側に形成される誘電体層の誘電率を
下げることで、凹部以外の容量を低下させることができ
るとともに、凹部の底面以外に形成される電荷を抑制す
ることができ、これによりさらにクロストークの発生を
防止することができ、PDPの駆動マージンを拡大する
ことができる。
【0082】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、PDPに
おいて、放電開始電圧の低下および駆動マージンの拡大
に効果のある立体構造を持つ誘電体層を安定に精度良
く、しかも作業効率の高い状態で容易に形成することが
できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)、(b)は本発明の一実施の形態による
シート状誘電体材料を示す概略構成図および断面図
【図2】(a)〜(i)は本発明の一実施の形態による
プラズマディスプレイパネルの製造方法を示す工程断面
【図3】プラズマディスプレイパネルを示す斜視図
【図4】(a)、(b)は従来のシート状誘電体材料を
示す概略構成図および断面図
【図5】(a)〜(i)は従来のプラズマディスプレイ
パネルの製造方法を示す工程断面図
【図6】(a)、(b)はプラズマディスプレイパネル
の要部構造を示す斜視図および断面図
【符号の説明】
1 前面パネル 2 背面パネル 3、7 基板 4 表示電極 5、9 誘電体層 8 アドレス電極 21 シート状誘電体材料 22 支持フィルム 23、38 感光性誘電体形成材料層 24、37 誘電体形成材料層 25 カバーフィルム 31 ガラス基板 33 透明電極 36 バス電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 辻 弘恭 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 鈴木 雅教 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 ▲芦▼田 英樹 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 桐原 信幸 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5C027 AA05 AA10 5C040 FA01 FA04 GB03 GD02 GD07 GD10 JA09 JA15 JA21 KA08 KA16 KA17 KB04 KB19 MA17 MA24 MA26

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持フィルム上に形成されかつガラス粉
    末、結着樹脂および感光性樹脂を含有する感光性誘電体
    形成材料層と、この感光性誘電体形成材料層上に形成さ
    れかつガラス粉末および結着樹脂を含有する誘電体形成
    材料層とを備え、前記感光性誘電体形成材料層のガラス
    粉末の誘電率が誘電体形成材料層のガラス粉末の誘電率
    よりも低いことを特徴とするシート状誘電体材料。
  2. 【請求項2】 感光性誘電体形成材料層および誘電体形
    成材料層は溶剤を含有するものである請求項1に記載の
    シート状誘電体材料。
  3. 【請求項3】 感光性誘電体形成材料層に含有される結
    着樹脂の分解温度または燃焼温度または揮発温度が、誘
    電体形成材料層の結着樹脂の分解温度または燃焼温度ま
    たは揮発温度以下であることを特徴とする請求項1に記
    載のシート状誘電体材料。
  4. 【請求項4】 感光性誘電体形成材料層に含有される溶
    剤の分解温度または燃焼温度または揮発温度が、誘電体
    形成材料層の溶剤の分解温度または燃焼温度または揮発
    温度以下であることを特徴とする請求項2に記載のシー
    ト状誘電体材料。
  5. 【請求項5】 ガラス粉末、結着樹脂および感光性樹脂
    を含有する感光性誘電体形成材料層とこの感光性誘電体
    形成材料層上に形成されかつガラス粉末および結着樹脂
    を含有する誘電体形成材料層とを備えるとともに前記感
    光性誘電体形成材料層のガラス粉末の誘電率が誘電体形
    成材料層のガラス粉末の誘電率よりも低いシート状誘電
    体材料を準備し、このシート状誘電体材料を基板上に誘
    電体形成材料層が基板側となるように重ね合わせて誘電
    体形成材料層および感光性誘電体形成材料層を基板に転
    写する転写工程と、転写した感光性誘電体形成材料層を
    所定のパターンを有するマスクを用いて露光し、現像す
    るパターン形成工程と、その後感光性誘電体形成材料層
    および誘電体形成材料層を焼成して誘電体層を形成する
    焼成工程とを有することを特徴とするプラズマディスプ
    レイパネルの製造方法。
  6. 【請求項6】 パターン形成工程で感光性誘電体形成材
    料層を露光、現像することにより、プラズマディスプレ
    イパネルの発光画素領域毎に誘電体層に少なくとも一つ
    の凹部を形成し、その凹部の底面の誘電体層の膜厚を小
    さくしたことを特徴とする請求項5に記載のプラズマデ
    ィスプレイパネルの製造方法。
  7. 【請求項7】 感光性誘電体形成材料層および誘電体形
    成材料層は溶剤を含有するものである請求項5に記載の
    プラズマディスプレイパネルの製造方法。
  8. 【請求項8】 感光性誘電体形成材料層に含有される結
    着樹脂の分解温度または燃焼温度または揮発温度が、誘
    電体形成材料層の結着樹脂の分解温度または燃焼温度ま
    たは揮発温度以下であることを特徴とする請求項5に記
    載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  9. 【請求項9】 感光性誘電体形成材料層に含有される溶
    剤の分解温度または燃焼温度または揮発温度が、誘電体
    形成材料層の溶剤の分解温度または燃焼温度または揮発
    温度以下であることを特徴とする請求項7に記載のプラ
    ズマディスプレイパネルの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100709526B1 (ko) * 2003-05-28 2007-04-20 도오꾜오까고오교 가부시끼가이샤 플라즈마 디스플레이 장치의 전면 플레이트 제조용 미소성적층체, 및 플라즈마 디스플레이 장치의 전면 플레이트제조 방법

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KR100709526B1 (ko) * 2003-05-28 2007-04-20 도오꾜오까고오교 가부시끼가이샤 플라즈마 디스플레이 장치의 전면 플레이트 제조용 미소성적층체, 및 플라즈마 디스플레이 장치의 전면 플레이트제조 방법

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