JP2003206703A - 軸流タービンのノズルダイアフラムの製造方法 - Google Patents

軸流タービンのノズルダイアフラムの製造方法

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JP2003206703A
JP2003206703A JP2002008601A JP2002008601A JP2003206703A JP 2003206703 A JP2003206703 A JP 2003206703A JP 2002008601 A JP2002008601 A JP 2002008601A JP 2002008601 A JP2002008601 A JP 2002008601A JP 2003206703 A JP2003206703 A JP 2003206703A
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nozzle
ring
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welding
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Minoru Matsuda
實 松田
Susumu Takayasu
進 高安
Takashi Ashiba
高 芦葉
Katsunori Minami
勝則 南
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Original Assignee
Toshiba Corp
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  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)
  • Turbine Rotor Nozzle Sealing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】溶接変形や残留応力をなくし、ノズル翼の変形
や表面粗さの悪化を防止できるように図った軸流タービ
ンのノズルダイアフラムの製造方法を提供する。 【解決手段】円環状の通路部リング3に、半径方向に延
びるスリット4を、通路部リングの周方向に沿って互い
に間隔をあけて複数個並べて設けるスリット形成工程
と、スリット形成工程の後に、通路部リングの外側と内
側にそれぞれ、ダイアフラム外輪1およびダイアフラム
内輪2を溶接で固定する溶接工程と、溶接工程によって
生じた残留応力または歪を緩和するための熱処理工程
と、熱処理工程の後に、スリットの面に放電加工または
電解加工を施してノズル流路を形成するノズル流路形成
工程と、を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軸流タービンのノ
ズルダイアフラムの製造方法に係り、ノズル流路の溶接
変形や残留応力を減らしたノズルダイアフラムの製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】蒸気タービンは蒸気の熱エネルギーを運
動エネルギーに変換して機械的出力を発生させる原動機
である。ボイラーよりタービンケーシング内に流入した
高温、高圧の蒸気は、タービンケーシング内に設置され
たノズルと回転軸に植え込まれた動翼から構成される段
落部を通過させることで高温、高圧の蒸気を膨脹させて
回転軸を回転させる。その際に、蒸気タービンに接続さ
れた発電機を駆動して電力を得るようにしている。
【0003】ところで、膨脹過程の高速の蒸気流を通過
させるノズルダイアフラムは、図6に示すように、ダイ
アフラム外輪11およびダイアフラム内輪12の間に挟
持された複数枚のノズル翼13を主体に構成されたもの
で、ここでノズル翼13は互いの位置関係を保って当板
外輪14および当板内輪15に固定されている。これら
のノズル翼13にはさまれた流路内を蒸気が通過し、ノ
ズル翼13の下流位置にある動翼(図示せず)を回転さ
せる。
【0004】従来の蒸気タービンノズルダイアフラムの
製造法については、例えば、特公昭62−59207
号、特開平2−16304号、特公平4−77126
号、特開平6−101411号の各公報がある。
【0005】ここで、従来の製造工程の概略を、図8を
参照して説明する。まず、当板外輪14と当板内輪15
を同心円状に組み合せ、これらの当板14、15にレー
ザー加工で穴明けされた多数個の支持穴16の中に、ノ
ズル翼13の両端を挿入する。そして、ノズル翼13の
両端部と当板14、15の支持穴16を溶接することに
より、ノズルリング17を構成する。
【0006】次に、ノズルリング17は、予め溶接する
箇所を開先加工あるいは内外周加工したダイアフラム外
輪11の内周部とダイアフラム内輪12の外周部に、か
ん合し、それぞれ両側面部からサブマージアーク溶接ま
たは電子ビーム溶接にて固定する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の蒸気タービンノ
ズルダイアフラムの製造方法によれば、溶接する範囲が
広く、ノズル翼やダイアフラム外輪、内輪に大きな溶接
変形や残留応力が発生する。また、残留応力や歪みを除
去するために熱処理を行うが、その際に、部品の表面に
酸化スケールが付着するのでホーニング処理で粒子を表
面に吹き付けスケール除去している。
【0008】この製造法によれば、溶接変形によって、
図9に示すノズル翼13のノズルスロート幅(図示S
r、Sp、St)、ノズル出口面積(図示An)、ノズ
ル高さ(図示H)、およびノズル根元と先端の径(図示
Dr、Dt)が設計値外になりやすい。このため、ノズ
ル翼面を削ったり、ノズル出口端部を叩いて設計値内に
なるよう改修する必要がある。また、溶接欠陥が残存す
る可能性もあり、それが原因で経年的な使用に対するク
ラックの発生を生じうるものにもなる。
【0009】さらに、ホーニング処理でノズル翼の翼表
面が粗くなるので細かいヤスリ等を用いて翼面を研磨す
るためノズル翼形状が変化し流体的な性能が悪化すると
ともに製造作業時間も増大する。したがって、これらの
従来の製造工程では品質低下と製造コストの上昇になる
という課題がある。
【0010】本発明は、このような事情に基づいてなさ
れたもので、ノズルダイアフラムの溶接変形や残留応力
をなくし、ホーニング処理を省略することでノズル翼の
変形や表面粗さの悪化を防止できるように図った軸流タ
ービンのノズルダイアフラムの製造方法を提供すること
を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するものであって、請求項1の発明は、軸流タービン
のノズルダイアフラムの製造方法において、ドーナツ状
の円板に、半径方向に延びるスリットを、前記円板の周
方向に沿って予め決められた間隔をあけて複数個並べて
設け通路部リングとするスリット形成工程と、前記スリ
ット形成工程の後に、前記通路部リングの外側と内側に
それぞれ、ダイアフラム外輪およびダイアフラム内輪を
溶接で固定する溶接工程と、前記スリット形成工程およ
び溶接工程によって生じた残留応力または歪を緩和する
ための熱処理工程と、前記熱処理工程の後に、前記スリ
ットの面に放電加工または電解加工を施してノズル流路
を形成するノズル流路形成工程と、を有することを特徴
とする。
【0012】請求項1の発明によれば、溶接工程および
熱処理工程の後にノズル流路形成工程を行うので、ノズ
ル流路形成工程の後の溶接工程等に起因するノズル流路
形状の歪等を回避することができる。
【0013】また、請求項2の発明は、軸流タービンの
ノズルダイアフラムの製造方法において、ドーナツ状の
円板の外側と内側にそれぞれ、ダイアフラム外輪および
ダイアフラム内輪を溶接で固定して通路部リングとする
溶接工程と、前記溶接工程によって生じた残留応力また
は歪を緩和するための熱処理工程と、前記熱処理工程の
後に、前記通路部リングに、切削加工または放電加工に
よって、半径方向に延びるスリットを、前記通路部リン
グの周方向に沿って予め決められた間隔をあけて複数個
並べて形成して、複数のノズル流路を形成するノズル形
流路形成工程と、を有することを特徴とする。
【0014】請求項2の発明によれば、溶接工程および
熱処理工程の後にノズル流路形成工程を行うので、ノズ
ル流路形成工程の後の溶接工程等に起因するノズル流路
形状の歪等を回避することができる。また、この発明で
は、溶接工程および熱処理工程の前にスリットを形成す
る工程がなく、スリット形成とノズル流路形成を連続し
て行うので、手順が単純である。
【0015】また、請求項3の発明は、請求項1または
2に記載のノズルダイアフラムの製造方法において、前
記ダイアフラム外輪およびダイアフラム内輪の材質は、
9Crないし13Cr鋼、CrMoV鋼またはCrMo
鋼のいずれかであり、前記通路部リングの材質はステン
レス鋼であり、前記軸流タービンは多段の軸流タービン
であって、前記各材質は、前記軸流タービンの各段落の
設計上の圧力および温度の条件に応じて変化させている
こと、を特徴とする。
【0016】請求項3の発明によれば、請求項1または
2の発明の作用・効果が得られるとともに、各ノズルダ
イアフラムの各部の材質を最適なものに選択することが
できる。
【0017】また、請求項4の発明は、請求項1または
2に記載のノズルダイアフラムの製造方法において、前
記ダイアフラム外輪およびダイアフラム内輪の材質は炭
素鋼であり、前記通路部リングの材質は、9Crないし
13Cr鋼またはオーステナイト系ステンレス鋼であ
り、前記軸流タービンは多段の軸流タービンであって、
前記各材質は、前記軸流タービンの各段落の設計上の圧
力および温度の条件に応じて変化させていること、を特
徴とする。
【0018】請求項4の発明によれば、請求項1または
2の発明の作用・効果が得られるとともに、各ノズルダ
イアフラムの各部の材質を最適なものに選択することが
でき、しかも炭素鋼を用いるので比較的安価なものとす
ることができる。
【0019】また、請求項5の発明は、同心円状に外側
から内側に向かって、ダイアフラム外輪、ノズルリング
およびダイアフラム内輪から構成される軸流タービンの
ノズルダイアフラムの製造方法において、前記ダイアフ
ラム外輪、ノズルリングおよびダイアフラム内輪の材料
として、これらをすべて一体の同一材質からなるダイア
フラム素材リングとし、前記ダイアフラム素材リングに
対して多軸機械加工機による切削加工または放電加工を
施すことによって前記ノズルリングにノズル流路を形成
させること、を特徴とする。
【0020】請求項5の発明によれば、溶接工程や熱処
理工程を伴わずにノズルダイアフラムを製造することが
できるので、ノズル流路形成工程の後の溶接工程等に起
因するノズル流路形状の歪等を回避することができる。
【0021】また、請求項6の発明は、請求項1ないし
5のいずれかに記載のノズルダイアフラムの製造方法に
おいて、前記ダイアフラム外輪、ノズルリングおよびダ
イアフラム内輪はいずれも、一体構造の全円周の円環と
してノズル流路を形成した後に、2つの半円状の構造物
に分割すること、を特徴とする。請求項6の発明によれ
ば、請求項1ないし5のいずれかの発明の作用・効果が
得られるとともに、製造工程の簡略化を図ることができ
る。
【0022】また、請求項7の発明は、同心円状に外側
から内側に向かって、ダイアフラム外輪、ノズルリング
およびダイアフラム内輪から構成される軸流タービンの
ノズルダイアフラムの製造方法において、前記ダイアフ
ラム外輪、ノズルリングおよびダイアフラム内輪の材料
として、これらをすべて一体の同一材質からなるダイア
フラム素材リングとして、前記ノズルリングには、複数
個の放射状のスリットを周方向に予め決められた間隔を
あけて並べた状態に鋳造する鋳造工程と、前記鋳造工程
の後に、前記ダイアフラム素材リングに対して多軸機械
加工機による切削加工または放電加工を施すことによっ
て前記ノズルリングにノズル流路を形成させる機械加工
工程と、を有することを特徴とする。
【0023】請求項7の発明によれば、溶接工程や熱処
理工程を伴わずにノズルダイアフラムを製造することが
できるので、ノズル流路形成工程の後の溶接工程等に起
因するノズル流路形状の歪等を回避することができる。
また、鋳造工程でスリットを形成するので、機械加工工
程での削り代が小さくて済む。
【0024】また、請求項8の発明は、軸流タービンの
ノズルダイアフラムの製造方法において、ドーナツ状の
円板を略180度の位置で2分割した半円状の円板に、
半径方向に延びるスリットを、前記半円状の円板の周方
向に沿って予め決められた間隔をあけて複数個並べて設
け通路部半リングとするスリット形成工程と、前記スリ
ット形成工程の後に、前記通路部半リングの外側と内側
にそれぞれ、前記通路部半リングに対応した半円状のダ
イアフラム外輪およびダイアフラム内輪を溶接で固定す
る溶接工程と、前記スリット形成工程および前記溶接工
程によって生じた残留応力または歪を緩和するための熱
処理工程と、前記熱処理工程の後に、前記スリットの面
に放電加工または電解加工を施してノズル流路を形成す
るノズル流路形成工程と、を有することを特徴とする。
【0025】請求項8の発明によれば、ノズルダイアフ
ラムを半円状にして製造するので、製造設備の小型化が
実現できる。また、蒸気タービンは一般にケーシング等
は上半部、下半部に分割されているので、ケーシングに
取り付けられるのずるダイアフラムも分割されているこ
とにより、蒸気タービンの組立工程の短縮、簡略化が実
現できる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図1
ないし図6を参照しながら説明する。ここで、従来の技
術あるいは相互に共通または類似の部分については共通
の符号を付して、重複説明は適宜省略する。なお、図1
は本実施形態の概略の工程をノズルダイアフラム正面か
ら示したもので、図2は図1のD−D断面を示したもの
である。
【0027】この実施の形態では、初めに予め決められ
た寸法の穴が中心にあけられたドーナツ状の通路部形成
用円板3aが準備される(工程1)。次に、このドーナ
ツ状の通路部形成用円板3aを多軸工作機械の一種であ
るエンドミル(図7(a)参照)によって、スリット4
を加工し通路部リング3bとする(工程2)。スリット
4は図2や図3(c)に示すように、通路部形成用円板
を軸方向(円板板厚方向)に貫通するものであって、半
径方向に放射状に延び、周方向には予め決められた間隔
で多数が配列されている。
【0028】次に、通路部リング3bの外側および内側
にそれぞれノズルダイアフラム外輪1およびノズルダイ
アフラム内輪2を同心円状に配置してこれらを溶接し、
ダイアフラム素材リング5を形成する(工程3)。この
時の溶接方法としては、図4(a)に示すサブマージア
ーク溶接や、図4(b)に示す電子ビーム溶接がある。
いずれも接合面である側面の両側から溶接するものであ
る。図中の斜線を施した部分40,50が溶接部であ
る。こうして、接合させ一体化したダイアフラム素材リ
ング5ができる。
【0029】次に焼きなましによる熱処理を行い、溶接
時に発生した歪や残留応力の除去を行う(工程4)。こ
の時の熱処理条件については、ダイアフラム素材リング
5を構成する材料の種類、溶接方法の種類、溶接作業時
間、等を考慮して最適条件を予め求めておく。
【0030】次に放電加工機6によりスリット4の面の
整形を施し、各スリット4をノズル翼として完成させる
ことによりノズル流路を形成する(工程5)。その詳細
を図5、図6に示す。
【0031】図6に示すように、放電加工機6の先端の
電極として、ノズル流路の各部分の形状に合わせて、翼
入口部電極7、翼背側部電極8、翼腹側部電極9を適宜
交換して取り付け、これらの電極をスリット4の中の整
形部に挿入しながら順次、加工を進める。
【0032】なお、図5および図6では放電加工機6に
よる加工としたが、電解加工も可能である。以上の工程
により、ノズルダイアフラムが完成する(工程6)。
【0033】本実施形態に係るノズルダイアフラムは、
ダイアフラム外輪1、ダイアフラム内輪2、通路部リン
グ3bを接合してダイアフラム素材リング5を製造する
ものであって、ダイアフラム外輪1、ダイアフラム内輪
2、通路部リング3bを異種材質で構成している。この
異種材質の組み合せは、ノズルダイアフラムを使用する
タービン段落の圧力、温度条件によって種々ある。
【0034】例えば、高温高圧段落用のノズルの場合、
ダイアフラム外輪1の素材とダイアフラム内輪2の素材
には9〜13Crステンレス合金鋼、CrMoV鋼、C
rMo鋼とし、通路部リング3bの素材はステンレス合
金鋼を使用する。また、低圧段落用のノズルの場合、ダ
イアフラム外輪1の素材とダイアフラム内輪2の素材に
は炭素鋼とし、通路部リング3bの素材はステンレス合
金鋼を使用する。
【0035】次に、上記実施の形態の変形例として、通
路リング3bの単独状態でのスリット4の加工を省略す
ることも可能である。すなわち、スリット4の加工を、
通路リング3bとダイアフラム外輪1およびダイアフラ
ム内輪2との溶接および熱処理の後に行う。このスリッ
ト4の加工は、切削加工または放電加工による。このス
リット4の加工に続いて、ノズル流路の整形を行う。
【0036】次に、本発明によるノズルダイアフラムの
製造方法の他の実施の形態を図7(a)〜(d)を参照
して説明する。ただし、前記実施の形態と共通または類
似の部分については共通の符号を付して、重複説明は適
宜省略する。
【0037】この実施の形態では、ダイアフラム外輪
1、ダイアフラム内輪2および通路部リング3bを、同
一材質で一体の構造を有するダイアフラム素材リング5
とし、図7(b)、(c)に示すような外形構造とす
る。その後、図7(a)に示す多軸の機械加工機30を
用いて、ダイアフラム素材リング5の両側面からノズル
流路部位にスリット4を加工する。そして、その後、前
記実施の形態と同様に放電加工(図5)や電解加工を行
い、最終的なノズルダイアフラムとする(図7
(d))。
【0038】以上説明した本発明の製造プロセスによれ
ば、ノズルの流路の整形が、溶接および熱処理後に行な
われるか、あるいは溶接工程無しのため、ノズル流路整
形後の変形がなく、図9に示すノズル通過幅(図示S
r、Sp、St)、ノズル出口面積(図示An)、ノズ
ル高さ(図示H)、およびノズル根元と先端径(図示D
r、Dt)が設計仕様を十分に満足するノズルダイアフ
ラムを製造することが可能である。さらに、従来のよう
に熱処理時に発生していた酸化スケールを除去するホー
ニング処理工程が省略できるため、ノズル翼面の表面粗
さを滑らかにできる。
【0039】上記の各実施例においては、ダイアフラム
外輪1、ダイアフラム内輪2、通路部リング3bを全周
リング状態でスリット加工、溶接、熱処理、放電(電
解)加工、の各工程を行うものについて説明した。しか
し、製造設備の小型化、製造工程の簡略化、並列化、お
よび組立時の容易性、等の観点から、ダイアフラム外輪
1、ダイアフラム内輪2、通路部リング3bを全周リン
グ状態でスリット加工、溶接、熱処理の各工程の後、ワ
イヤーカット等により180度の位置で2つの半リング
状に分割して、その後の工程を行うことも可能である。
【0040】さらに、他の実施の形態として、ダイアフ
ラム外輪1、ダイアフラム内輪2、通路部リング3bを
一体にした鋳造製の素材リングとし、鋳造時に図1に示
すスリット4を形成することもできる。この場合、ノズ
ル流路を多軸機械加工、放電加工する際の削り代が小さ
くなり、製造工程を簡略化できる。
【0041】
【発明の効果】以上の説明のとおり、本発明によれば、
ダイアフラム素材リングを溶接と熱処理後、あるいは溶
接工程無しの状態でノズル流路を加工するので、翼流路
内の変形が少なく、ノズル翼表面を滑らかにできる。し
たがって、品質の優れたノズルダイアフラムを製造する
ことができタービン熱効率を向上させることが可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るノズルダイアフラムの製造方法の
一実施の形態の各工程におけるノズルダイアフラム軸方
向正面図。
【図2】図1の各工程におけるD−D線断面図。
【図3】本発明に係るノズルダイアフラムの製造方法の
一実施の形態の説明図であって、(a)はダイアフラム
素材リングの全体立面図、(b)は(a)のB−B線矢
視立断面図、(c)は(b)のC−C線矢視周方向断面
図。
【図4】図3(a)のB−B線に沿う斜視断面図であっ
て、(a)はサブマージアーク溶接の場合、(b)は電
子ビーム溶接の場合。
【図5】図3のダイアフラム素材リングに放電加工を加
える工程における模式的要部立面図。
【図6】図5のIV−IV線矢視部分平断面図であっ
て、(a)は加工前の状況、(b)は入口部加工状況、
(c)は翼背側凸面加工状況、(d)は翼腹側凹面加工
状況、(e)は加工後の状況。
【図7】本発明に係るノズルダイアフラムの製造方法の
他の実施の形態の説明図であって、(a)はダイアフラ
ム素材リングを機械加工機で加工する状況を示す模式的
立面図、(b)はその際に用いられるダイアフラム素材
リングの軸方向正面図、(c)は(b)のE−E線断面
図、(d)は(a)のB−B線矢視平面図。
【図8】従来のノズルダイアフラムの要部の展開斜視
図。
【図9】図8のノズル翼の後方から見た拡大斜視図。
【符号の説明】
1…ダイアフラム外輪、2…ダイアフラム内輪、3a…
通路部形成用円板、3b…通路部リング、4…スリッ
ト、5…ダイアフラム素材リング、6…放電加工機、7
…翼入口部電極、8…翼背側部電極、9…翼腹側部電
極、11…ダイアフラム外輪、12…ダイアフラム内
輪、13…ノズル翼、14…当板外輪、15…当板内
輪、16…支持穴、17…ノズルリング、30…多軸の
機械加工機、40…溶接部、50…溶接部。
フロントページの続き (72)発明者 芦葉 高 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 南 勝則 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 Fターム(参考) 3C059 AA01 AA02 AB01 HA13 3G002 GA07 GB00

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸流タービンのノズルダイアフラムの製
    造方法において、 ドーナツ状の円板に、半径方向に延びるスリットを、前
    記円板の周方向に沿って予め決められた間隔をあけて複
    数個並べて設け通路部リングとするスリット形成工程
    と、 前記スリット形成工程の後に、前記通路部リングの外側
    と内側にそれぞれ、ダイアフラム外輪およびダイアフラ
    ム内輪を溶接で固定する溶接工程と、 前記スリット形成工程および溶接工程によって生じた残
    留応力または歪を緩和するための熱処理工程と、 前記熱処理工程の後に、前記スリットの面に放電加工ま
    たは電解加工を施してノズル流路を形成するノズル流路
    形成工程と、 を有することを特徴とするノズルダイアフラムの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 軸流タービンのノズルダイアフラムの製
    造方法において、 ドーナツ状の円板の外側と内側にそれぞれ、ダイアフラ
    ム外輪およびダイアフラム内輪を溶接で固定して通路部
    リングとする溶接工程と、 前記溶接工程によって生じた残留応力または歪を緩和す
    るための熱処理工程と、 前記熱処理工程の後に、前記通路部リングに、切削加工
    または放電加工によって、半径方向に延びるスリット
    を、前記通路部リングの周方向に沿って予め決められた
    間隔をあけて複数個並べて形成して、複数のノズル流路
    を形成するノズル流路形成工程と、 を有することを特徴とするノズルダイアフラムの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のノズルダイア
    フラムの製造方法において、 前記ダイアフラム外輪およびダイアフラム内輪の材質
    は、9Crないし13Cr鋼、CrMoV鋼またはCr
    Mo鋼のいずれかであり、前記通路部リングの材質はス
    テンレス鋼であり、 前記軸流タービンは多段の軸流タービンであって、前記
    各材質は、前記軸流タービンの各段落の設計上の圧力お
    よび温度の条件に応じて変化させていること、を特徴と
    するノズルダイアフラムの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載のノズルダイア
    フラムの製造方法において、 前記ダイアフラム外輪およびダイアフラム内輪の材質は
    炭素鋼であり、 前記通路部リングの材質は、9Crないし13Cr鋼ま
    たはオーステナイト系ステンレス鋼であり、 前記軸流タービンは多段の軸流タービンであって、前記
    各材質は、前記軸流タービンの各段落の設計上の圧力お
    よび温度の条件に応じて変化させていること、を特徴と
    するノズルダイアフラムの製造方法。
  5. 【請求項5】 同心円状に外側から内側に向かって、ダ
    イアフラム外輪、ノズルリングおよびダイアフラム内輪
    から構成される軸流タービンのノズルダイアフラムの製
    造方法において、 前記ダイアフラム外輪、ノズルリングおよびダイアフラ
    ム内輪の材料として、これらをすべて一体の同一材質か
    らなるダイアフラム素材リングとし、 前記ダイアフラム素材リングに対して多軸機械加工機に
    よる切削加工または放電加工を施すことによって前記ノ
    ズルリングにノズル流路を形成させること、 を特徴とするノズルダイアフラムの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかに記載のノ
    ズルダイアフラムの製造方法において、 前記ダイアフラム外輪、ノズルリングおよびダイアフラ
    ム内輪はいずれも、一体構造の全円周の円環としてノズ
    ル流路を形成した後に、2つの半円状の構造物に分割す
    ること、 を特徴とするノズルダイアフラムの製造方法。
  7. 【請求項7】 同心円状に外側から内側に向かって、ダ
    イアフラム外輪、ノズルリングおよびダイアフラム内輪
    から構成される軸流タービンのノズルダイアフラムの製
    造方法において、 前記ダイアフラム外輪、ノズルリングおよびダイアフラ
    ム内輪の材料として、これらをすべて一体の同一材質か
    らなるダイアフラム素材リングとして、前記ノズルリン
    グには、複数個の放射状のスリットを周方向に予め決め
    られた間隔をあけて並べた状態に鋳造する鋳造工程と、 前記鋳造工程の後に、前記ダイアフラム素材リングに対
    して多軸機械加工機による切削加工または放電加工を施
    すことによって前記ノズルリングにノズル流路を形成さ
    せる機械加工工程と、 を有することを特徴とするノズルダイアフラムの製造方
    法。
  8. 【請求項8】 軸流タービンのノズルダイアフラムの製
    造方法において、 ドーナツ状の円板を略180度の位置で2分割した半円
    状の円板に、半径方向に延びるスリットを、前記半円状
    の円板の周方向に沿って予め決められた間隔をあけて複
    数個並べて設け通路部半リングとするスリット形成工程
    と、 前記スリット形成工程の後に、前記通路部半リングの外
    側と内側にそれぞれ、前記通路部半リングに対応した半
    円状のダイアフラム外輪およびダイアフラム内輪を溶接
    で固定する溶接工程と、 前記スリット形成工程および前記溶接工程によって生じ
    た残留応力または歪を緩和するための熱処理工程と、 前記熱処理工程の後に、前記スリットの面に放電加工ま
    たは電解加工を施してノズル流路を形成するノズル流路
    形成工程と、 を有することを特徴とするノズルダイアフラムの製造方
    法。
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